■CALENDAR■
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31       
<<前月 2024年03月 次月>>
■NEW ENTRIES■
■CATEGORIES■
■ARCHIVES■
■OTHER■
左のCATEGORIES欄の該当部分をクリックすると、カテゴリー毎に、広津もと子の見解を見ることができます。また、ARCHIVESの見たい月をクリックすると、その月のカレンダーが一番上に出てきますので、その日付をクリックすると、見たい日の記録が出てきます。ただし、投稿のなかった日付は、クリックすることができないようになっています。

2014.7.12 新しい農業改革(?)について (2014.7.18追加あり)
     
   *2-1より    2014.7.6日経新聞より  2014.6.4農業新聞より

(1)改革の基本方針について
 *1-1のように、「①政府は、新しい成長戦略と経済財政運営と改革の基本方針を決めた」「②医療、雇用、農業など関係省庁や業界団体が既得権益を守ろうとする岩盤規制にも切り込んだ」「③第3子以降の出産・育児を重点支援するなど、50年後に人口1億人程度を維持する目標を政府として初めて掲げた」としている。
 
 改革は、「現状は、どういう病根があるから、どういう処方箋を書き、その処方箋の長所短所は?また、その処方箋はBestか否か?」ということを検討して初めて意味があるが、この基本方針の設定過程では説得力のある根拠が示されず、「岩盤規制を壊す」「改革に切り込む」という規制に挑むポーズばかりが目立った。しかし、これでは本物の改革はできない。

(2)農業改革について
 私が国会議員になって、すぐに農業改革を始めたJA佐賀中央会会長の中野氏(全中理事、全農会長)は、*1-2のように、「①農協が自律的に改革することは重要だが、真逆のJA全中廃止が突然出てきて驚いた」「②中央会制度の改革で地域農協の経営自由化を高めるというのは、現場への理解が不足」「③農協は金融保険部門を手放し、営農や販売に集中すべきとの提言がなぜ出てきたか分からない」「④准組合員に事業利用制限を設けるべきとの意見は慎重に議論すべき」「⑤企業の農業生産法人への出資制限緩和は、農地としてずっと使われるならば異論ないが、企業が農業を数年間やってもうからないと判断した時、農地を転売や分譲する恐れを法的に規制せずに企業が農地を所有できるようにするのは反対」と述べている。

 私は、これまでこのブログに記載してきたとおり、①②④⑤には全く賛成であり、③については預金者保護の観点からの改革が必要だと考えている。

 また、*1-3に、農村の高齢化率が2050年には40%以上となり、食料消費も大幅減して問題であると書かれているが、何でも人口減少のせいにすれば誰も責任を取らずに済むかもしれないが、問題解決はできない。農業の場合、本来は魅力的な産業であるにもかかわらず、所得が低いため次世代の参入が少なく、農業従事者が社会的に減少したのが高齢化の理由で、所得の高い農家は次世代を確保している。また、農村の人口減を抑えるためには、農林業を真に儲かる産業にすることが重要だ。

(3)農業において、既に始まっている努力
 農家の所得を増やし、魅力的な産業として農業の振興を計るには、生産性の向上、単位当たり付加価値の上昇が不可欠である。そのため、*2-1のように、100ヘクタール以上の大規模な農場を作り、地域農業の中心的な担い手へ農地集積を加速させるなど、産品にあった方法をとって一人当たりの農業所得を上げる必要があり、そのためには農業従事者の数は減少しなければならない。

 また、*2-2のように、山がちで大規模な農場ができない場所でも、オリーブを栽培して生産から商品化までの6次産業につなげるなど、地域の他産業と連携し、地形や気候を利用して、高付加価値を生み出す産品を作ることも可能だ。

 このほか、*3-2のように、早くから大豆に転作してブランド戦略をとっている佐賀県では、4年連続して県産大豆の1等比率が日本一となり、全国での1等比率が30・4%であるところ、佐賀県の1等比率は78・3%だった。これは、九州農政局が分析しているとおり、JAと県などが生産指導や乾燥調製を徹底して、高品質を維持しているからである。

(4)ブランド戦略
 農林業を農業者にとって儲かる産業にするには、大規模化等によるコスト削減だけでなく、品質を向上させ、その品質を維持することによって高付加価値を得るブランド化が重要である。これは、既に佐賀県では実行に移しているため、佐賀県産大豆の1等比率が日本全国の2倍以上という実績を得ているのであり、これは、佐賀牛や有明海苔などの多くの産品で既に行われている。

 だが、*3-1のように、農水省は、「輸出戦略実行委員会」を設置し、産地を越えて連携する「オールジャパン」の体制をつくろうとしている。しかし、私は、オールジャパン体制では、オーストラリア産牛肉やアメリカ産豚肉のように、価格の安さで勝負する普及品しか作れないと考える。何故なら、消費者が全体に対して持つイメージは、最低品質に合わせられるからで、このやり方の苦い経験は(長くは書かないが)いくらでもある。そのため、お互いが管理可能な地域規模による品質維持とブランド化が適切だ。

(5)TPPに参加しなくても、人口が39%にならなければ食料自給率は100%にならない
 現在、わが国のカロリーベースの食料自給率は39%であり、単純計算すれば、現在1.2億人の日本の人口は4,680万人(1.2億人X39%/100%)にならなければ、食料自給率が100%にならない。もちろん、この間に生産性の上昇や他産業で輸出を行うかわりに食料を輸入することも考えられるが、これからは、工業が日本の独壇場ということはあり得ないため、「少子化=人口減=悪い」だけでは、考慮している要素が少なすぎるのである。

(6)農業周辺の産業について
 *4-1のように、ガソリンや軽油などの燃料価格高騰と景気回復による人件費増が、トラック運送へ悪影響を与え、佐賀県のトラック協会は、「金をばらまきながら走っているようなもの」と窮状を訴えている。私が衆議院議員の時、電気自動車や燃料電池車の話をしていたら、佐賀県のトラック協会会長から、「早く水素燃料の無人運転できるトラックを開発して」と頼まれたが、未だに燃料電池車がくすぶっているのは困ったことだ。トラック輸送している農林漁業などの産業全体に悪影響を与えるため、速やかに実用化して欲しい。

 また、*4-2のように、農水省が新たに開発してほしい農機の種類や価格帯について、「担い手農家」を対象にしたアンケート調査を始めたそうだが、燃料価格の高騰で農業・漁業そのものも打撃を受けている。そのため、農機や漁船の動力を蓄電池や燃料電池に変更したり、温室の加熱システムを工夫したりして安価で提供すべきである。これらの技術は、どこの国でも売れると確信する。

 *4-3のように、JAグループは、再生可能エネルギーの普及を目的に「農山漁村再エネファンド」を創設し、10億円で運営を始めたそうだ。そして、再生可能エネルギーの推進に向け、JA全中、JA全農、農林中金、共済連で事務局体制を整備し、全中は法令対応や優良事例を紹介、全農は太陽光発電の支援をするそうだが、自然エネルギーによる電力を使えば、環境にプラスであるとともに、燃料価格高騰の問題がなくなる。

(7)よい製品を育てるのは、見る目のある消費者と選択を可能にする表示だ
 *5-1のように、全国で小学生に農業を学ばせる動きが広がり、総合学習で米や野菜作りをしているそうだが、農業・漁業は、生物学(生命科学を含む)・生態学・栄養学の知識のかたまりでもあるため、わかっている先生が教えれば、理科や家庭科でも生きた教材となって面白い。また、賢い消費者を育てるのにも役立つ。

 しかし、最近、*5-2のように、消費者庁が食品表示基準の最終案を示し、“現場の負担に配慮”して、小規模事業者などを例外とし、厳しくしないのがよいことであるかのように書かれているが、消費の現場で消費者が選択するためには、加工品も含めて原材料の産地表示も必要であり、栄養表示やアレルギー表示のみに偏ったのは問題だ。また、食品表示で必要な情報が示されなければ消費者は賢い選択をすることができないため、これまで、消費者の賢い選択によって育てられてきた産品の質が落ちる。

 なお、消費者庁が加工食品の栄養表示で小規模事業者を対象から外した理由は、表示コストと労力負担の軽減だそうだが、食品が含む栄養は毎日大きく変わるものではないため、一度栄養士に計算してもらえば長く使える。そのため、そのコストと労力が大きすぎるというのは、やる気がないのを言い訳しているにすぎず、そのような見分けもつかない人が消費者庁や内閣府で基準づくりをリードすべきではない。

<農業政策のチェック>
*1-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140625&ng=DGKDASFS24033_U4A620C1MM8000 (日経新聞 2014.6.25) 
成長戦略、実行段階に 閣議決定、首相「好循環、力強く」
 政府は24日夕、首相官邸で臨時閣議を開き、新しい成長戦略と、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)を決めた。成長戦略は法人減税や「岩盤規制」の改革に踏み出し、実行段階に入る。安倍晋三首相は記者会見で「経済の好循環を力強く回転させ、景気回復の実感を全国津々浦々に届けるのがアベノミクス(総合2面きょうのことば)の使命だ。すべては成長戦略の実行にかかっている」と訴えた。臨時閣議では、規制改革の実行手順を盛り込んだ「規制改革実施計画」も決めた。新成長戦略と骨太の方針はこれに先立ち経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議で正式に了承された。新成長戦略は昨年まとめた「日本再興戦略」の改定版で、積み残した課題で一定の前進があった。アジアや欧州の主要国に比べて高い法人実効税率(東京都の場合、35.64%)は、2015年度から数年間で20%台に引き下げることをめざすと明示した。首相は「法人税の構造を成長志向型に変え、雇用を確保し、国民生活の向上につなげたい」と述べ、年末までに決める税率や財源は「国際競争に打ち勝つ観点、財政再建の観点から議論したい」と語った。首相は「成長戦略にタブーも聖域もない。日本経済の可能性を開花させるため、いかなる壁も打ち破る」として、医療、雇用、農業など関係省庁や業界団体が既得権益を守ろうとする「岩盤規制」にも切り込んだ。雇用では時間でなく成果に応じ給与を支払う制度を導入。農業では地域農協が創意工夫しやすい仕組みに改め、公的な医療保険が使える診療と使えない診療を組み合わせる混合診療も拡大する。人口減少や少子高齢化による労働力不足を踏まえ、50年後に人口1億人程度を維持する目標を政府として初めて掲げた。第3子以降の出産・育児を重点支援するなど20年までに税制や社会保障で政策を総動員して人口減少に一定の歯止めをかけ持続的成長をめざす。働き手として女性や外国人を重視し、女性の働く意欲をそぐとされる配偶者控除を見直す。途上国の人材が働きながら技能を学ぶ外国人技能実習制度の対象業種を広げ、受け入れ期間も3年から5年に延ばす。首相は「成長戦略は大胆にパワーアップした」と話すが、年末の予算編成や税制改正で詰めるものも多く、具体化がカギを握る。景気の現状について首相は「企業の収益が雇用の拡大や所得の上昇につながる。日本経済は再び自信を取り戻そうとしている」と指摘した。一方で景気回復の遅れが指摘される地方や中小企業にも目配りし、7月にも地方活性化に取り組む「地方創生本部」を新設する。15年春の統一地方選をにらみ、首相は「これからの成長の主役は地方だ」と訴えた。

*1-2:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10103/76318
(佐賀新聞 2014年6月21日) 中野吉實氏に聞く 政府の農協改革
 政府は、農協改革などを含む新たな成長戦略を近く閣議決定する。全国農業協同組合中央会(JA全中)の抜本的な見直し、中央会制度の新制度への移行が盛り込まれる見込み。政府の規制改革会議は当初、JA全中を頂点とする中央会制度の廃止を提言していたが、自民党や農業団体から反発を受けて修正された経緯がある。政府の方針をどう受け止め、自主的な改革を実施していくか。全中理事、全国農業協同組合連合会(JA全農)会長を務める中野吉實・JA佐賀中央会会長に聞いた。
■これまでの農協改革の議論をどうみているか。
 常々、農協が自律的に改革することが重要と考えてきた。ただ、JA全中の廃止が突然出てきたことには驚いた。これまでの農業政策と真逆の方向性だったからだ。農水省はこれまで中央会の指導権限を強化してきたが、これは農協を強くするためだった。中央会が農協の経営状況を把握し、体力の弱い組合を指導したり、合併を進めたりしてきた。1万以上あった農協は現在、700以下。中央会が各農協の意向を調整しながら努力してきた成果だ。
■中央会制度の改革で、地域農協の経営の自由化を高めるとしている。どう受け止めているか。
 現場への理解が不足しているように思う。全中が農協の経営の自由度を阻害したという批判は上がっていない。規制改革会議も具体例は示せなかった。農協が自由に経営を行い、農家の手取りを増やすのは当然のことで、私たちもしっかり考えていきたい。耕作面積を増やせばいいという単純なものではない。6次化による収入増という意見はあるが、加工や販売に専門知識が必要で、一般農家には難しいだろう。オランダのような大規模施設園芸も、安価なエネルギーの確保などの問題があり、導入には時間がかかるだろう。結局は収益を見込める作物を選定し、効率的な栽培法を推進するほかない。農協改革の具体化はこれからだが、私たち自身で農家の所得を向上させる取り組みを考えたい。
■規制改革会議では当初、農協は金融保険部門を手放し、営農や販売に集中すべきとの提言もあった。
 なぜ、こんな主張が出てきたかよく分からない。農協は協同組合であり、相互扶助が理念。貯金・共済事業があったから、赤字になりがちな営農支援に取り組めた。農協経営の自由度を高める役割も果たせた。運用益を生産者のためにもっと使えるようにすべきという意見もあるので、そこは検討したい。
■国は2015年春に農協法の改正案を国会に提出する予定だ。法施行から70年近くたち、農業を取り巻く環境は大きく変化した。何を変更すべきか。
 変更内容は、これから議論を進めたい。法施行時は農家である正組合員ばかりだったが、現在は高齢化に伴う離農などで准組合員が急増した。そのため、准組合員に事業利用制限を設けるべきという意見が一部にあるが、これは慎重に議論した方がいい。地域のライフラインとしての観点があるからだ。JAの給油所や金融機関、スーパーは、企業が採算を見込めずに撤退したような地域にある。無くしたら生活に大きな影響が出る。公的機関などとも話し合って検討したい。
■農地法改正案も提出される予定。企業の農業生産法人への出資制限が緩和される点をどう考えるか。
 農地としてずっと使われるならば異論はない。心配なのは、企業が農業を数年間やってもうからないと判断した時のことだ。農地を転売したり、(住宅)分譲したりする恐れがないだろうか。こうした事例を法的に規制せず、企業が農地を所有できるようにすることには反対だ。

*1-3:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=28473 (日本農業新聞 2014/6/28) 農村の高齢化率 50年には40%以上 食料消費も大幅減 農水省推計
 農水省は27日、食料・農業・農村政策審議会の企画部会(部会長=中嶋康博東京大学大学院教授)で、2050年には平たん部、山間部を問わず農業地帯の高齢化率が40%以上になるとの推計を明らかにした。食料の消費量は12年時点と比べ、最大で4割近く減る。15年度から始まる新たな食料・農業・農村基本計画では、人口減少への対応策をどう示すかが課題になりそうだ。推計は農林水産政策研究所がまとめた。人口や高齢化率は「都市部」と農業地帯の「平地」「中間」「山間」の4種類を予測。国勢調査などに基づき推計した。10~50年の40年間で人口減少や高齢化が最も進むのは山間地域。人口は3分の1に減り、65歳以上の高齢者率は51%に達した。中間地域は高齢化率が44%で、人口は半分程度に落ち込む。高齢化率が最も低くかった平地でさえも、40%に達した。人口は4割減る。食料消費量は総供給熱量で推計した。12年の1日当たり総供給熱量3098億キロカロリーを基準に試算すると、50年には最大で1913億キロカロリーにまで落ち込んだ。約40年間で62%にまで減った。農村人口だけでなく、農産物の消費も減っていくことを踏まえ、中嶋部会長は「農業が単なる食料供給産業になれば成長はない」と指摘。「新たなマーケット拡大をもっと考えるべきだ。あらためて課題を整理する必要がある」と提案した。人口減少と消費に加えて「働き手がいなくなる問題もある」と強調。「農林水産業で人手を確保するのは難しくなっている。人口減少が進めば、もっと問題が深まってしまう。全体の政策を考える上で大きなポイントだ」と指摘した。名古屋大学大学院の生源寺眞一教授は「水田農業では高齢化が進んでいるが、施設園芸や畜産では若い人もいる。就職する形で農業に就く人も増えている。そういう違いを伝えることも大事だ」と強調した。福岡大学の藤井千佐子非常勤講師は、日本創成会議の「40年までに896自治体が消滅する可能性がある」との試算は、「出産可能な女性20~39歳が半分以下に減る」との基準で推計した点に着目。「女性に農業参入してもらうなどの施策はあまり見受けられない。次期計画で対策を明示するべきだ」と提案した。

<具体的行動>
*2-1: http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=28479 (日本農業新聞 2014/6/28)  [農政改革を追う] 稲作再構築へ5地区 100ヘクタール規模 モデル農場指定 熊本県
 熊本県は、地域農業の中心的な担い手への農地集積を加速させるため、100ヘクタール以上の大規模な広域モデル農場づくりに県内5地区を指定した。今年度から運用を始めた農地中間管理機構(農地集積バンク)の機能を最大限活用し、カントリーエレベーター(CE)を核にして水田農業を再構築する。主食用米と米粉用、加工用、飼料用米を品種ごとに団地化して営農を効率化。生産コストの3割削減を目指す。
●用途ごと団地化 生産費を3割減
 モデル農場は「低コストパイロット地区(スーパー重点地区)」と名付け、熊本市城南町、玉名市岱明町、宇土市走潟、多良木町など上球磨地区、嘉島町大島・六嘉地区を指定した。各モデル農場は、県が米の振興方策として複数示す選択肢の中から、地区に適した方向を選び産地づくりに取り組む。主食用米は(1)食味ランキング日本一の強みを生かした良食味型(2)高温に強い温暖化に対応した新品種型(3)減農薬や化学肥料を減らした環境負荷軽減型――の米作りを追求。非主食用米は(1)県産米粉を普及させる米粉用米(2)県産飼料で畜産物の付加価値を高める飼料用米(3)県産米で製造した焼酎のブランド化を図る加工用米――の生産を通じ、水田を有効利用する。また、全てのモデル地区で品種ごとの団地化や作付け時期の分散をし、低コスト農業を実現する。嘉島町は「良食味米(プレミアム米)の団地化」、上球磨地区は「多様な品種の組み合わせ」、宇土市は「米麦の輪作体系」など、地区ごとに特色ある産地を形成し、県全体として多様な米のニーズに対応できるようにする。県は、法人化への合意形成や技術面の指導、農業機械の導入費の助成を通じ支援する考えだ。蒲島郁夫知事は26日の定例会見で「国の成長戦略の農地集積バンクが始動し、県では一歩進んだ取り組みとして大規模な広域農場を新たに育成する。悠久の宝である農地を守り、集積し、ふるさとの景観を 保全しながら、次世代に引き継ぎたい」と抱負を述べた。

*2-2:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10103/82867
(佐賀新聞 2014年7月11日) オリーブを化粧品原料に 唐津で商品化説明会
 唐津オリーブ研究会は12日午後4時から、唐津市の大手口センタービルで、オリーブの栽培・商品化についての説明会を開く。九州普及協会との共催で、同研究会は「唐津市が進めるコスメ構想の中で、化粧品原料に活用できないかを考えたい」としている。オリーブは食用だけでなく、美容にも使え、ミカン同様に温暖な気候が栽培に適しているとされる。全国的には香川県の小豆島が有名だが、九州でも天草や佐世保などで企業が取り組んでいる。唐津オリーブ研究会は今年4月に発足。オリーブ油を搾った残渣(ざんさ)を化粧品の原材料に活用していくのが狙いで、唐津市宇木のミカン畑跡に樹齢3~4年の苗木約160本を植え、来年以降の収穫を目指す。同研究会の山浦康男代表は「オリーブの実を2度使えるという点では、農業者にとっても興味のあるビジネスモデルと思う。生産から商品化までの6次産業につなげたい」と話す。説明会の問い合わせは電話090(5927)7461。

<農水省の輸出戦略とブランド化の矛盾>
*3-1:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=28461
(日本農業新聞 2014/6/27) 輸出戦略委が初会合 産地越え連携体制 農水省
 農水省は26日、農林水産品・食品輸出の司令塔となる「輸出戦略実行委員会」を設置し、第1回会合を開いた。実行委員会は、同省など関係省庁の輸出担当部局や農業団体、米、畜産といった品目別団体の担当者で構成する。農産物輸出はこれまで産地ごとにばらばらで取り組んできたため、産地を越えて連携する「オールジャパン」の体制をつくるのが狙いだ。2020年までに輸出額を1兆円に倍増させる政府目標の着実な達成を目指す。品目ごとに目標達成度を検証し、課題を解決する仕組みを設ける。
●品目別に部会設
 輸出倍増目標の達成に向けて農水省は昨年、「国別・品目別輸出戦略」を策定。米や牛肉など品目ごとに目標額を設定し、輸出が見込める重点地域や達成に向けた課題をまとめた。13年の輸出額は5500億円で過去最高を記録し、今年に入ってからも順調に推移している。ただ、目標までまだ開きがある。このため実行委員会の下に、米や米加工品、青果物、牛肉、茶など個別の戦略を検証する品目ごとの部会を設置。物流の効率化を探る物流部会やイスラム圏への輸出への対応策を話し合うハラール部会、米国向けの輸出課題に対応するFSMA(米国食品安全強化法)部会など、品目を超えて輸出課題を話し合う部会もつくる。実行委員会は、こうした部会で洗い出した課題や取り組み状況をくみ上げ、全体戦略づくりを検討する。日本の統一的な銘柄を活用して発信力を強め、同じ品目でも産地間で出荷時期を調整し日本産を途切れず輸出できるようにする。実行委は、JA全中、JA全農や、畜産、米、茶、花き、日本酒、食品産業、木材、水産の団体の他、経済産業省、国土交通省、厚生労働省などの関係省庁、全国知事会が参加する。委員会は、農業団体など150以上の会員でつくる農林水産物等輸出促進全国協議会の下に設置。構成する生産者団体などに連携した取り組みを促す。26日の会合では、江藤拓副大臣が「目標を立てるだけでは何も解決しない。官民、経済界も一体となって、良い方向に進むように力を貸してほしい」と、オールジャパン体制の構築に意欲を示した。

*3-2:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10103/76319
(佐賀新聞 2014年6月21日) 県産大豆の1等比率日本一 4年連続
 農水省がまとめた2013年産大豆の品質検査結果で、佐賀県の普通大豆の1等比率は78・3%だった。前年に比べると、12・4ポイント減となったが、4年連続で全国1位。県がコメ転作の基幹作物として位置づけており、生産管理を徹底した成果が表れた。農水省によると、品質検査はサンプル調査で行い、外観、水分含有量、病害虫の被害状況などを調べている。県産普通大豆の検査総量は1万4906トンで、このうち1等は1万1670トン。2等は1620トン(10・9%)、3等は1613トン(10・8%)だった。粒ごとの1等比率は、大粒93・2%、中粒76・3%、小粒0・1%。品種別では、フクユタカが87・7%、むらゆたかが74・1%だった。全国の1等比率は30・4%(4万2256トン)。九州農政局は「佐賀県はJAと県などが生産指導と乾燥調製を徹底しており、高品質を維持できている。前年実績を下回ったのは、播種期の長雨で小粒傾向になったことが影響したようだ」と分析している。

<農業関連他産業>
*4-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10103/82514
(佐賀新聞 2014年07月10日) 燃料高騰で運送業界悲鳴 景気回復も利益増えず
 ガソリンや軽油などの燃料価格が高騰し、佐賀県内の経済活動に影響が広がっている。記録的な高値となった2008年の水準に迫る勢いで上昇しており、景気回復に冷や水を浴びせかねない状況。運転手不足による人件費増などで経費がかさんでいるトラック業界などからは「利益が確保できない」と厳しい声が漏れる。県内のレギュラーガソリン1リットル当たりの平均小売価格は173円10銭(7日現在)。軽油は同150円50銭と、いずれも08年以来の高値で推移している。消費税増税に加え、産油国イラクの情勢悪化に伴う原油高を背景に、元売り各社が卸価格を引き上げたためだ。トラックなどが使う軽油の販売価格は、5年前に比べて約40円アップ。運送業への影響は大きく、県トラック協会は加盟514社全体で、年間約50億円の負担増になると試算する。長引く景気低迷で、新車導入を先延ばしにするなど経費削減に努めてきた県東部の運送会社は「景気回復でやっと需要が伸びてきたのに、利益は全く増えない」。東京、大阪の2大商圏に遠く、「打撃は大きい。金をばらまいて走っているようなもの」と窮状を訴える。同協会によると、県内で燃料費の上昇分を運賃に転嫁している事業者は1割程度。値上げによる顧客離れを恐れ、全額転嫁したところは全国で1%に満たないという調査結果もある。ただ、景気回復による人件費増が収益悪化に追い打ちを掛ける中、転嫁に踏み切る企業もある。食品や自動車部品などを運ぶ佐賀市の事業者は「このままだと会社が持たない。少しくらい客が逃げても仕方ない」と、月内にも取引企業に値上げを要請するという。漁業者も神経をとがらせる。有明海では、海況悪化や赤潮の早期発生でノリの単価が下落。1番摘み(秋芽)の平均単価は1枚14円台と30年前の3分の1に低迷する一方、漁船に使う軽油価格は2倍以上に膨らんだ。佐賀市川副町の漁業者(49)は「ただでさえ、もうけが減っているのに」と深いため息をつく。5月の県内ガソリン販売量は、前年同月比11・4%減。燃油高騰の影響は、消費者の買い控えという形でガソリンスタンドの経営も直撃している。価格競争の激化で値上げに踏み切れない店も多く、「利益をはき出しながらの過酷な消耗戦が続いている」(県石油商業組合)という。今後の動向について、石油業界では夏の行楽シーズンの需要高まりなどでさらに値上がりするとの見方もあり、幅広い業種や暮らしにダメージが広がる恐れがある。

*4-2:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=28631
(日本農業新聞 2014/7/8) 農機開発 担い手の声 反映 HPでアンケート 農水省 
 農水省は7日、新たに開発してほしい農機の種類や価格帯について農家の要望を取り入れるため、地域農業を中心的に支える「担い手農家」を対象にした初のアンケート調査を始めた。生産現場のニーズに、より即した農機開発を進める狙いで、2015年度からの農業機械等緊急開発事業(緊プロ事業)に生かす。ホームページ(HP)に調査票を掲載し、直接回答を募集。希望者には実証試験にも参加してもらう。同省は「担い手に有益な農機を開発するために、多くの声を寄せてほしい」(生産資材対策室)と呼び掛ける。緊プロ事業は同省が開発機種を定めて、農研機構・生研センターと民間企業などが共同で開発、農機メーカーが商品化する。これまでも都道府県の農業試験場や農業改良普及センターを通じて農家の意見を集めていたが、数が少なく、回答者の経営規模などの分析も十分ではなかった。調査票には、新たに開発を希望する農機について、必要とする理由、求める機能・性能、購入できる価格帯、回答者の経営品目や規模などを記入してもらう。調査で判明したニーズは、まずメーカーや研究機関が持つ技術、ノウハウで対応できるものがあるかを調べる。その上で、年内に開く農業資材審議会農業機械化分科会で、調査結果と、それを踏まえた新たな開発機種の提案を公表する。同省HPの農業機械化対策情報のコーナーに調査票と送付先を掲載している。25日までにファクスかメールで回答する。問い合わせは、同省技術普及課生産資材対策室、(電)03(6744)2111。

*4-3:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=28521
(日本農業新聞 2014/7/1) 再エネファンド創設 地域主導型に出資 JAグループ
 JAグループは30日、再生可能エネルギーの普及を目的に「農山漁村再エネファンド」を創設したと発表した。規模は10億円で運営を始めた。農山漁村や中山間地域に利益の還元が見込める事業体に出資する。2014年5月の農山漁村再生可能エネルギー法の施行を受け、農業・地域の活性化につながるよう後押しする。「農山漁村再エネファンド」は農林中央金庫とJA共済連がそれぞれ5億円を出資して創設した。農林水産業協同投資(株)が運営する。行政や企業、農林水産業者、JAで構成する地域の協議会などがつくる発電事業体に出資する。既に地元企業などが運営している発電事業体への増資にも対応する。地域外の企業が地域関係者と共に取り組む場合も出資対象とする方針だ。出資上限額は資本総額の50%以内。10年間を目途とし、期間の短縮・延長は柔軟に検討する。地域の農林水産業との調和や地域主導の取り組みを重視するため、期間終了後は出資金を地域関係者に譲り渡すことを想定するという。規模は10億円だが、地元のニーズに応じて将来的に30億円まで拡大することも検討している。JAグループは13年8月に、第26回JA全国大会決議に基づき、再生可能エネルギー推進の方針を決定。同ファンドはこれを踏まえて設立した。再生可能エネルギー推進に向け、JA全中、JA全農、農林中金、共済連で事務局体制を整備。全中は法令対応や優良事例紹介など、全農は太陽光発電のノウハウを生かして支援する。県段階でも、地域からの相談に対応する。

<よい食品を選ぶ能力とツール>
*5-1:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=28510
(日本農業新聞 2014/7/1) 小学校の農業学習 市町村ぐるみ 導入広がる
 全国で小学生に農業を学ばせる動きが広がっている。「総合的な学習の時間」の半分を米や野菜作りに充てたり、町が教育用農場を整備したり、地域ごとに知恵を絞る。従来は学校単位での活動が中心だったが、市町村ぐるみで全校・全児童を対象に取り組む例が増えてきた。先行して実践する小学校で、農業に触れた児童が「友達と協力する楽しさ」や「食べ物への感謝」を学べたことに、自治体や教育関係者が注目し、農業学習の背中を押す。
●感謝の心や協調性養う 福島の成功例に注目
 先進事例として知られるのが、福島県喜多方市だ。2007年度から小学校の授業で「農業科」を開始。現在は市内全17校の3~6年が「総合的な学習の時間」の授業70時間のうち35時間を使い、水稲や野菜作りに励んでいる。児童にやりがいを感じてもらうため、作物は種子から栽培。除草や収穫は手作業にこだわる。JA職員などから栽培指導を受けたり、収穫した作物は地域の人と一緒に食べたりと、地域ぐるみの取り組みが特徴だ。児童の感想文には「友達と協力する楽しさを教えてくれた」「食べ物に感謝の気持ちが持てるようになった」といった思いがつづられている。こうした児童の気付きや心の成長が、自治体や教育関係者の注目を集めるきっかけとなっている。
 士別市は「地域資源を学校教育に生かしたい」(教育委員会)と、15年度から小学校の授業に農業を取り入れる。初年度は小学全8校のうち5校で始め、16年度に全校に広げる予定。3~6年の各学年で35時間の授業を行い、児童には水稲や野菜の生産から流通まで幅広く学んでもらう構想だ。同委員会は「手を掛けて農作物を育てることで、根気強さなどを培ってほしい」と期待する。北海道では美唄市も10年度から小学校教育に農業を導入した。生活科などの時間を使い、全5校の全学年で花や水稲などを栽培。市民参加型のシンポジウムも用意し、児童による体験発表会も行っている。
 山口県萩市は、吉田松陰が主宰した「松下村塾(しょうかそんじゅく」にちなみ、「農下村塾(のうかそんじゅく)」と題した事業を昨年度から予算化。小学校全21校で、小学生のうち1年は必ず稲作を行うようにした。同市教育委員会は、授業を通し「地域の良いところや、職業としての農業の魅力を知ってほしい」と狙いを話す。
 学校給食の食材を、児童自ら生産する試みも始まろうとしている。北海道当麻町は今年度、町役場に隣接する農地1.9ヘクタールを買い取り、小学生が稲作などをする食育圃場(ほじょう)に整備する。来年度から地域の農家と協力し、小・中学校全3校の給食で使う米6トンを生産する計画だ。数品種を栽培する予定で、町は「町や農業の歴史を知るきっかけにしながら、味覚教育にもつなげたい」(農林課)と意気込む。

*5-2:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=28439
(日本農業新聞 2014/6/26) 食品表示基準 加工食品で義務強化 消費者庁最終案
 消費者庁は25日、内閣府の消費者委員会食品表示部会で、加工食品の栄養表示義務化の基準などをとりまとめた食品表示基準の最終案を示した。加工食品にはエネルギーやたんぱく質などの表示を義務付ける他、消費税を納めない小規模事業者など例外規定も明記。加工食品と生鮮食品の区分を明確化し、アレルギーの表示ルールも変更する方針だ。ただ、一部制度の見直しをめぐって委員の意見が分かれたため、今後、パブリックコメントや全国で開く説明会で意見を募る。
●アレルギーも変更
 最終案は、2015年6月に施行する「食品表示法」の基準に向けた、たたき台となる。現行の表示制度から大きく変わる点は(1)栄養成分表示の義務化(2)アレルギー表示のルール改善(3)加工食品と生鮮食品の区分の統一――など。加工食品には原則、熱量など栄養表示を義務付けるが、消費税法第9条に規定する課税売上高1000万円以下の事業者、業務用加工食品、食品関連事業者以外は栄養成分を表示しなくてよいとした。また、酒類など一部の加工食品は除く。これまで表記していた「ナトリウム」は「食塩相当量」として表示する。加工食品と生鮮食品の定義も整理した。乾燥させた野菜や果実など食品衛生法で従来、規定のなかった簡単な加工を加えた食品を「加工食品」と明確に位置づけ、アレルゲンや製造所の表示を義務付ける。この他、パンや生クリームなど特定加工食品は廃止しアレルゲンの表示を義務付ける。見直しをめぐって同部会では、JAS法、食品衛生法、健康増進法の3法にまたがる58の現行の表示ルールの一元化を目指し、同部会が3つの調査会を設けて約半年間、検討してきた。同庁は最終案を基に7月にパブリックコメントや全国の主要都市で説明会を開いた後、今秋にも同委員会に基準案を諮問、年内にも同委員会が答申する見通しだ。ただ、この日の会合で、製造者情報の記載を省略できる「製造所固有記号制度」の見直しなどで意見が出たため、委員の提案と同庁の案を併記して一般からの意見を求める。
<解説> 現場の負担に配慮を
 消費者庁がパブリックコメントにかける食品表示基準の最終案は、示された加工食品の栄養表示の義務化について課税売上高1000万円以下の事業者が対象から外された。しかし、6次産業化に取り組む大規模農家にとっては経営を圧迫しかねない。消費者や加工・販売事業者にも混乱が広がる恐れもある。決定に当たっては、現場の課題を丁寧にくみ取り、表示コストと労力負担の軽減に向けた環境整備が求められる。消費税法で線引きした加工食品の栄養表示の義務化を免除する特例範囲は、小規模な事業者らの負担に配慮したものだ。同庁によると、加工食品の表示義務ではおよそ半数の事業者が特例を適用されず、加工品を開発するJAや農業法人の大半は表示義務が課せられる見込みだ。今後は、全加工品の栄養成分の検査負担に加え、表示シールや包装のデザインの変更を余儀なくされる他、直売所などでは表示の有無で混乱が生じるのも懸念される。農業法人などからは「加工事業者の負担が増える一方で、消費者が本当に求めているのか」といった疑問の声も上がる。食品表示法は消費者にとって分かりやすい表示を目指した新基準だが、現場の理解を得られなければ実現しない。農家や地域の創意工夫を伴って加工品が開発、販売されており、開発の努力や意欲に水を差すことがないよう配慮が欠かせない。


PS(2014.7.18追加):私は、(2)に「預金者保護のために、農協の金融改革は必要だ」と記載したが、それは、*6にも書かれているような「金融・保険部門を譲渡して営農や販売に集中する」という目的ではなく、預金者保護や被保険者保護が目的だ。農協の金融・保険部門の譲渡は、農業改革よりもむしろ金融機関や保険会社の要請ではないだろうか。しかし、農協も、事業部門と金融部門の経理をどんぶり勘定にしていると、預金の引き出しや保険金の支払い原資を確保できなくなる可能性が高いため、農協が、一定の地域毎(例えば、道州や県など)に金融子会社を所有してはどうかと思う。農林中央金庫は日本中から金を集めて、他の金融機関と一緒にアメリカのサブプライムローンに貸し出しを行い、その質の悪い貸し出しのために大損害を蒙ったような状況であるため、農協の子会社となる地域金融機関が、地域の農業、街づくり、環境に役立つ貸し出しを率先して行うというスタンスを維持し、それをアピールすれば、預金者の共感を得られて、預金ももっと集まると考える。銀行名は公募すればよいと思うが、例えば、「JABank みどり」とか「あすなろ銀行」とか・・。

*6:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=28802
(日本農業新聞 2014/7/17) [規制改革の論点 3] 農協(2)信用事業 譲渡の是非 見極めて
 規制改革では、単位農協の金融事業についても、大きな改革を求めている。政府の規制改革実施計画によると、単協の信用事業は支店・代理店方式(信連や農林中央金庫に事業を譲渡し、単協に支店を置いたり、単協が代理店になったりして金融サービスを提供する方式)を推進する。既に実質的な代理店方式となる「共同元受方式」を導入している共済事業も、さらに単協の事務負担を軽減する方式を全共連が提供する。いずれも、今年度中に検討して結論を出し、必要があれば通常国会に関連法案を提出するとしている。特に論点になるのが信用事業の支店・代理店方式だ。この狙いを政府は「単協の負担を減らし経済事業に全力投球するため」と説明する。年々強化される国際的な金融規制に対応する負担が増す中、同方式を導入すれば単協は規制を回避できる利点もある。政府は既に同方式を可能にする規定を法律で整備済み。農協系統ではないが、漁協系統では導入が進む。農協系統でも導入を促すために規制改革実施計画では、代理店方式で得られる手数料水準を農林中金や信連に早急に示すことも求める。ただ、同方式に懸念も少なくない。単協は自ら総合事業を行うことで、営農・経済と一体的に個々の農業者の実情に応じたきめ細かな融資対応ができる。支店・代理店になれば定型化された商品だけを扱い、組合員のニーズに応じた柔軟な対応ができず、かえって営農資金などの利便性を損なう恐れがある。支店・代理店方式を導入した場合、単協にどんなメリット・デメリットがあるのか、議論は十分とはいえず、はっきりしない部分も多い。まず丁寧に議論し、そこを明確にする必要がある。また、導入するかどうかはあくまでJAグループ自ら選択することが基本であり、強制されることのないように制度で担保することが欠かせない。

| 農林漁業::2014.2~7 | 02:42 PM | comments (x) | trackback (x) |

PAGE TOP ↑