■CALENDAR■
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30     
<<前月 2024年04月 次月>>
■NEW ENTRIES■
■CATEGORIES■
■ARCHIVES■
■OTHER■
左のCATEGORIES欄の該当部分をクリックすると、カテゴリー毎に、広津もと子の見解を見ることができます。また、ARCHIVESの見たい月をクリックすると、その月のカレンダーが一番上に出てきますので、その日付をクリックすると、見たい日の記録が出てきます。ただし、投稿のなかった日付は、クリックすることができないようになっています。

2014.10.16 政府・経産省が、平気で不合理な判断をするのは何故か ← 再生可能エネルギーと原発から (2014.10.16、17、22、23に追加あり)
   
     *1-2より       2014.10.15河北新報より  *4-5より

(1)「天候で発電量が変わり停電する」という理由で、太陽光エネの受け入れを中断するとは・・
 *1-1に書かれているように、北海道、東北、四国、九州、沖縄の電力5社は、「太陽光発電は天候で発電量が変わり、急に増えすぎると送電が不安定になって停電を起こしかねない」として、太陽光発電の新たな受け入れを中断し、経産省が、再生可能エネルギーの普及を後押しする固定価格買い取り制度の新規申請を抑える方向で検討に入ったそうだ。

 しかし、太陽光発電の発電量が天候で変わることは最初からわかっており、その解決策もいろいろあるにもかかわらず、風力や地熱など太陽光以外の再生エネに関する電力会社ごとの優先枠を設ける検討をするとのことであるため、その前にまず、使わない原発の送電線を活用した方がよいと考える。

 また、*1-2に書かれている「制度に問題があった」というのは、最初はそこまで見通せなかったとしても、環境影響評価は原発にこそ最も重要であり、送配電網の不足は迅速かつ建設的に解決すべきなのである。そして、この際に、日本国内の交流電源の周波数は、明治時代から東日本50ヘルツ、西日本60ヘルツHzと異なり、広域で電力を送る場合には周波数変換ロスが生じるため、遠距離はすべて直流で送電し、直流でも使える仕組みにすると、変換ロスが生じず節電できる。なお、太陽光発電や蓄電池、EV、PC、LED照明などの家電は直流であるため、直流電流を使った方が変換ロスが生じない。

(2)原発訴訟について
 政府・自民党が原発に直進しているため、これを止めるには司法を使うしかない。そのため、*2-1のように、脱原発原告団が全国連絡会を発足させ、再稼働反対訴訟で連携することを、10月10日に佐賀地裁で開かれた玄海原発の操業停止請求訴訟の口頭弁論終了後、原告団の長谷川照団長(http://www.data-max.co.jp/2012/02/08/post_16433_ym_1.html 参照、京都大理学博士。専門は原子核理論。佐賀大理工学部教授、理工学部長等を経て、2003~2009年度、佐賀大学学長)が明らかにされたそうだ。連携するのは、それぞれの原告団が持っている知見を集める上で大いに役立つため、頑張って欲しい。

 また、連絡会の共同代表、蔦川佐賀大名誉教授は「脱原発が当たり前の社会になるよう交流を深めていきたい」とされ、大飯原発訴訟の中嶌原告団代表は意見陳述して、運転差し止めを認めた福井地裁判決について「福島の原発事故後に全国に広がった(脱原発の)世論の結晶」として「過疎地域に原発を押しつける差別構造についても玄海原発訴訟の司法判断で深めてほしい」と求められたのは心強い。

 なお、玄海原発訴訟には、いろいろな分野の専門家が入っており、*2-2のように、9月10日の11次提訴で原告が8500人超になるほどの共感を呼んでいる。政府・自民党は、原発や政治とは全く利害関係のない原発地元のいろいろな専門家を含むこれらの人々の意見を真摯に受け止めるべきである。

 そして、*2-3のように、鹿児島、宮崎、熊本県などの住民が九電川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働停止を国や九電に求める訴訟でも、新たに237人が追加提訴し、原告数が26都道府県の計2479人になったそうだ。鹿児島、宮崎、熊本は、農林漁業の盛んな地域であり、原発より農林漁業の方がよほど重要である。

(3)原発再稼働に対する一般国民の意見
 *3-1のように、原子力規制委員会は9月10日、九州電力川内原発1、2号機の審査書案についての意見公募(パブリックコメント)の概要を明らかにし、火山噴火の監視の難しさや耐震設計について批判的な意見が多かったにもかかわらず、規制委は表現の一部を修正しただけで、1万7819件に上った意見の大半は宙に浮いたそうだ。

 意見の提出者には、元燃焼炉設計技術者の中西さんのように、科学技術的な立場に立って意見を書いた人が多く、中西さんが「重大事故で核燃料が溶け落ち、原子炉圧力容器が壊れる時間の推計値に問題がある」などを具体的に指摘しても無視されるなど、審査書案の「案」が取れただけで、意見が検討されたとは思えず、規制委の委員からも意見公募の形骸化を危ぶむ声が上がったそうだ。

 原発では、このようなことが日常茶飯事として起こるため、*3-2のように、脱原発を訴え、九電川内原発の再稼働に反対する集会が、9月23日、東京都江東区の亀戸中央公園であり、主催者発表で約1万6千人が参加したそうだ。これらの人たちは、よく言われる「左翼運動のプロ」ではなく、一般市民が見るに見かねて立ち上がっているものである。

(4)川内原発再稼働ありきの住民説明会
 *4-1のように、九電川内原発の再稼働に向けた地元同意手続きの第1弾となる住民説明会では、原子力規制庁の職員が、国内原発で初めて新規制基準に「適合する」とした審査内容を説明し、住民の関心が高い事故時の避難計画の説明は「主催者の県側から要望がない」として行わないとのことである。また、説明するのは5会場とも設備に詳しい規制庁原子力規制部安全規制管理官だけで、避難計画専門の職員は同行しないそうだが、それでは安全と判断した根拠を説明することも、住民の質問に答えることもできないだろう。

 そして、*4-2のように、初めての住民説明会で、会場の川内文化ホールには住民が詰めかけ、ほぼ満員となり、原子力規制庁の市村安全規制管理官が「福島原発事故の教訓をとりいれて、規制を徹底的に見直した」と強調したのに対し、質疑応答で住民の男性が「原子力規制委員会の安全審査は科学的、技術的に厳正とはいえない」とただし、ある女性からは「説明会の参加者を締め出すかのように、抽選とするのはいかがなものか」と説明会の運営に対する疑問が出たそうだ。

 原発の地元川内については、原発の30キロ圏の日置市、いちき串木野市の両市議会が9月末、再稼働の同意が必要な「地元扱い」を求める意見書を可決し、出水市は鹿児島市など周辺6市町の首長による地元の範囲についての協議を呼び掛けるそうだが、伊藤知事は同意の必要がある自治体を「鹿児島県と薩摩川内市で十分」との主張を繰り返しているそうだ。

 さらに、*4-3のように、九電川内原発が立地する鹿児島県薩摩川内市で9日夜開かれた住民説明会は、会場が1000人を超す市民で埋まって怒りの声が渦巻き、会場では再稼働への賛否も問われず、今回の説明会が再稼働に関する地元判断にどう反映されるかも不透明で、説明会では再稼働の是非自体は議論されず、参加者向けに配布されたアンケートも、説明会に参加して「良かった」か「良くなかった」などを聞くだけの簡単な内容だったそうだ。

 なお、原発の安全性を不安視する住民の再三の質問に対しては、原子力規制庁職員が「どんなに努力をしても絶対に事故が起こりえないとは言えない」と答えると、会場からは「説得力がない」「リスクがあるのなら再稼働すべきではない」といった声が上がり、約1時間の質疑の間、質問に立った7人の大半が再稼働への懸念を表明したとのことで、当然である。

 *4-4のように、住民説明会をインターネット中継するよう、鹿児島県内の市民団体が6〜7日、鹿児島県に繰り返し要請した件については、鹿児島県は中継しない方針を崩さなかったそうだ。しかし、川内原発の再稼働は他地域の原発の再稼働にも影響を与えるため、日本全国の人が視聴できるよう、住民説明会をインターネット中継して開示するのは当然のことだ。ただし、ここでTVなどの公的メディアは、既に台風災害とスポーツの専用チャンネルと化しており、誰も期待しておらず、報道の自由、言論の自由を標榜するに値しない存在となっており、「報道の自殺」と呼ばれている。

 そして、*4-5のように、多くの住民の反対にもかかわらず、薩摩川内市は月内に再稼働に同意する見通しで、伊藤鹿児島県知事は薩摩川内市の議会と市長、県議会と自らの同意を再稼働の条件にしているそうだが、それで不十分なことは誰の目にも明らかである。

(5)どんな時代にも、知識は合理的な思考や判断の必要条件であって十分条件ではない
 このような中、*5のように、佐賀県教職員組合(佐教組)教育研究集会で、前大阪教育大学長の長尾氏が全国学力テストを取り上げ、「社会で求められる学力そのものの中身が大きく変わっているにもかかわらず、知識量を1点2点の差で評価するのは時代遅れ」と批判したとのことである。しかし、この発言は、学力テストの意味を「知識量を1点2点の差で評価するもの」として、故意に歪めて間違った結論を導いており、意図的である。従って、アホな大阪の真似をしてはいけない。

 (1)~(4)で明らかなように、基礎的な科学知識がなければ合理的・論理的にものを考えて判断することができず、基礎的な知識を身につけるために学力テストは欠かせない。つまり、主権在民の国日本で、本当の意味で主権者でありうるためには、一般住民もメディアの記者も基礎的な知識が必要で、そのためには、学力テストが欠かせないのである。

 また、長尾氏は、「学力は子どもの生きる力の一部でしかなく、産業界も主体性やコミュニケーションなど実践的な能力を求め、知識だけ詰め込んだらいいという時代が過ぎ去ったことを察知している」と解説したそうだが、これは「知識を得ること」を「知識だけを詰め込んだらいいと考えること」に矮小化して説明し、再度、間違った結論を導いており、論理的でない。

 何故なら、知識がなければ、それを土台にして科学的・論理的・合理的な考察をすることはできず、それらの裏付けのない主体性は暴走になりがちだからだ。また、私は、真実の知識と考察の裏付けなきコミュニケーションは、内容がなく、進歩をもたらすこともなく、そもそも面白くないと思っている。

*1-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11403720.html?_requesturl=articles%2FDA3S11403720.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11403720 (朝日新聞 2014年10月16日) 太陽光発電の新設抑制 買い取り価格見直し案 経産省方針
 太陽光など再生可能エネルギーの普及を後押しする固定価格買い取り制度(FIT)について、経済産業省は、家庭用を除く太陽光発電の新規申請を抑える方向で検討に入った。天候などで発電量が変わる太陽光が急に増えすぎると送電が不安定になり、停電などを起こしかねないためだ。年内に一定の方向性を示す。経産省は15日の新エネルギー小委員会で、見直しの選択肢を示した。有力なのは、太陽光の買い取り価格を切り下げたり、風力や地熱発電の送電網への接続を優先したりする案だ。太陽光の買い取り価格は普及にあわせ、毎年4月に引き下げられる。だが、いまの仕組みでは、事業計画を認定した時点の価格が適用されるため、それより数カ月以上先の電力会社との契約時や運転開始時の価格を適用することで、買い取り価格の引き下げにつなげることを検討する。また、風力や地熱など太陽光以外の再生エネについて、電力会社ごとに導入の優先枠を設けることも検討する。こうした見直しで、申請を抑えたい考えだ。FITは、発電費用に一定の利益を上乗せした価格で、電力会社が電気を買い取る仕組み。事業者の利益が安定し、再生エネの普及が進むとの想定だった。ところが、再生エネのなかでも発電開始までの手続きが短く、買い取り価格も高めの設定になった太陽光に人気が集中。北海道、東北、四国、九州、沖縄の電力5社は、供給が急に増えると停電などを起こす心配があるとして、新たな受け入れを中断していた。

*1-2:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014101690070143.html
(東京新聞 2014年10月16日) 「制度設計に失敗」 再生エネ買い取り破綻
 経済産業省と有識者委員会は十五日、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の抜本見直しを本格的に議論し始めた。経産省は同日、有識者による新エネルギー小委員会(経産相の諮問機関)に大規模太陽光発電所(メガソーラー)の認定を凍結するなどの素案を提示、再生エネの拡大策の柱となってきた買い取り制度は開始からわずか二年で破綻が明らかになった。制度設計など準備不足が露呈した格好で、委員たちからは「制度に問題があったことは認めなければならない」との指摘が相次いだ。経産省は再生エネ拡大策が太陽光に偏ったとして、風力や地熱による発電の環境影響評価(アセスメント)に必要な期間の短縮や、買い取り価格の見直しも検討課題として提示した。九州電力など大手電力五社が送配電網の不足を理由に発電業者からの買い取り手続きを中断している問題については、十六日から別の専門部会で受け入れ可能量の検証や受け入れ拡大策を検討する方針を説明した。見直し策は年内に方向性を出す。委員の松村敏弘東京大学教授は「(政府が)制度設計に失敗したのは(小委員会も含め)反省すべきだ」と指摘した。佐藤泉弁護士は「制度改善してもまた中断されるのでは、との疑念を発電業者から持たれ、信頼回復は容易ではない」として、「不安を抱える事業者に、早く今後の道筋を示す必要がある」と話した。制度見直しに向けては、経産省側が再生エネの導入と電気料金の上昇について試算し、どこまで負担を引き受けるか国民にアンケートする案を紹介。これに対し、委員の消費生活コンサルタント・辰巳菊子氏が「再生エネだけが高いと思われかねない」として、廃棄物処理なども入れれば実際は高コストとされる原発も含めたエネルギー全体の構成比率と電気料金を試算するよう求めた。固定価格買い取り制度は民主党政権時の二〇一二年に開始、再生エネ拡大のきっかけとなったが、政権交代した自民党が原発重視に転換。再生エネを受け入れるための送電網の強化策や自然条件で一時的に発電量が増え過ぎる場合の出力抑制策、買い取り価格の適正化など全体的な制度設計は停滞してきた。再生エネの発電事業者らは「原発依存に回帰するのでなく、再生エネの導入機運がしぼまないようにしてほしい」(東京都内の太陽光発電業者)と議論を注視している。
<再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度> 太陽光、風力、中小規模の水力、地熱、バイオマスの5種類の発電を、国が決めた価格で買い取る制度。買い取りにかかった費用は「賦課金」として電気料金に上乗せされ、家庭や企業などすべての電力利用者が負担する。4月からの買い取り価格は、企業などが設置する大規模な太陽光発電は1キロワット時当たり32円、風力は22円などとなっている。太陽光の方が高いことや参入への技術的ハードルが低いことから、太陽光に人気が集中、政府の認可件数の9割を占めている。

<原発訴訟>
*2-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/113714
(佐賀新聞 2014年10月11日) 再稼働反対訴訟で連携 脱原発原告団が全国連絡会
 九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)運転差し止め請求訴訟の2原告団など、全国で提訴されている原発裁判の原告団が、連絡会を発足させた。5月に大飯原発(福井県おおい町)の運転差し止め判決が出たものの、川内原発(鹿児島県薩摩川内市)では再稼働に向けた準備が進んでおり、原告団同士のネットワークで脱原発運動を強化する。佐賀地裁で10日開かれた玄海原発の操業停止請求訴訟の第10回口頭弁論終了後、原告団(長谷川照団長)が明らかにした。連絡会には現在、全国の22原告団が参加、裁判関連の資料や原告数拡大の広報活動などについて情報交換する。11月に名古屋高裁金沢支部で始まる大飯原発訴訟の控訴審に合わせ、現地で集会を開くほか、川内原発でも再稼働阻止の活動で連携する方針。連絡会の共同代表になった蔦川正義佐賀大名誉教授は「脱原発が当たり前の社会になるよう交流を深めていきたい」と話した。口頭弁論では、大飯原発訴訟の中嶌哲演原告団代表が意見陳述。運転差し止めを認めた福井地裁判決について「福島の原発事故後に全国に広がった(脱原発の)世論の結晶」と強調し、「過疎地域に原発を押しつける差別構造についても玄海原発訴訟の司法判断で深めてほしい」と求めた。

*2-2:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/102973
(佐賀新聞 2014年9月10日) 玄海原発訴訟、11次提訴 原告8500人超に
 佐賀をはじめ国内外の反原発の市民が国と九州電力に玄海原発(東松浦郡玄海町)全4基の操業停止を求めている訴訟で、新たに447人が10日、佐賀地裁に追加提訴した。11回目の提訴で、原告は計8517人となった。弁護団は会見で「事故は3年半たっても収束しておらず、約13万人の避難者が故郷に戻れない。避難計画も不十分なままでの再稼働は絶対許されない」とした。

*2-3:http://qbiz.jp/article/45997/1/
(西日本新聞 2014年9月17日) 再稼働差し止め、237人が追加提訴 鹿児島地裁
 鹿児島、宮崎、熊本県などの住民が九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働停止を国や九電に求めた訴訟で、新たに19都道府県の237人が16日、鹿児島地裁に追加提訴した。提訴は6回目で、原告数は26都道府県の計2479人になった。川内原発50キロ圏内に4市町がある熊本県から114人が追加提訴し、鹿児島県は54人、宮崎県は12人だった。追加提訴の数が200人を超えるのは第3次提訴以来。森雅美弁護団長は「再稼働手続きが本格化する中、(市民が)関心を取り戻した。この訴えが世論に跳ね返り(再稼働阻止への)力になる」と期待した。11月11日に第7回口頭弁論がある。

<原発再稼働に対する国民の意見>
*3-1:http://qbiz.jp/article/45690/1/
(西日本新聞 2014年9月11日) 意見公募1万8000件が宙に
 原子力規制委員会は10日、九州電力川内原発1、2号機の審査書案についての意見公募(パブリックコメント)の概要を明らかにした。火山噴火の監視の難しさや耐震設計について批判的な意見が多かったが、規制委は表現の誤りなど一部を修正しただけ。1万7819件に上った意見の大半は宙に浮いた。意見提出者からは「何のための意見募集か」と不満も出た。「審査書案の『案』が取れただけで、われわれの意見が検討されたとは思えない」。元燃焼炉設計技術者の中西正之さん(70)=福岡県水巻町=は規制委の対応を批判する。中西さんは規制委が意見公募の条件とした「科学技術的」な立場に立ち、「重大事故で核燃料が溶け落ち、原子炉圧力容器が壊れる時間の推計値に問題がある」などと具体的に指摘した。それに対し規制委は10日に公表した文書で「(問題がないことを)確認している」と記しただけだった。原発問題への関心の高さを示すように、避難計画や新規制基準そのものを疑問視する意見も少なくなかった。田中俊一委員長は会見で「避難計画へのコメントは多かったが、分担が決まっている。私どもとしてできることをやっている」と、募集条件に合わない意見や提案を除外したことを明かした。規制委の委員からは意見公募の形骸化を危ぶむ声も上がった。大島賢三委員は「意見には(原発の)安全性を高めるための具体案や示唆、提案も含まれている。パブリックコメントが形式的なもので終わってはいけない」とし、寄せられた意見を生かす仕組みを提案。だが、田中委員長は「限界もあるが、できるだけ前向きに取り組む」と述べ、具体的な改善策は明言しなかった。 

*3-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11366333.html?_requesturl=articles%2FDA3S11366333.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11366333 (朝日新聞 2014年9月24日) 脱原発1万6千人訴え 東京で集会
 脱原発を訴え、九州電力川内原発(鹿児島県)の再稼働に反対する集会が23日、東京都江東区の亀戸中央公園であった。主催者発表で約1万6千人が参加。作家の澤地久枝さんは「安倍晋三さんに『原発をやめる』と言わせたい。一緒に歩いて声をあげる以外に道はないが、生き生きと笑って闘おう」と訴えた。澤地さんや作家の大江健三郎さんらが呼びかけた「『さようなら原発』1千万署名 市民の会」が主催した。大江さんは「『3・11直後の強く明確な反原発の国民感情が弱まっているのでは』という悲観的な観測や不安がある」と指摘。そうした背景があって安倍政権が強硬に政策をすすめていると分析し、「私たちは断固として進まねばならない」と呼びかけた。

<川内原発再稼働ありきの住民説明会>
*4-1:http://qbiz.jp/article/47327/1/
(西日本新聞 2014年10月8日) 川内原発、9日から住民説明会 避難計画は説明せず
 九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働に向け、地元同意手続きの第1弾となる住民説明会が9〜15日、原発30キロ圏の避難対象地域の5市町で開かれる。原子力規制庁の職員が、国内原発で初めて新規制基準に「適合する」とした審査内容を説明する。住民の関心が高い事故時の避難計画の説明は「主催者の県側から要望がない」(同庁)として、しない方針。説明会は県と開催地の市町の主催で、原発の安全への住民理解を進める狙い。伊藤祐一郎知事は説明会開催を再稼働条件の一つに挙げており、参加者に理解度をアンケートし、再稼働同意判断の材料にする。日程は9日=薩摩川内市▽10日=日置市▽13日=いちき串木野市▽14日=阿久根市▽15日=さつま町。申し込みは既に締め切った。初回以外の4会場は応募期限を5日間延長したがいずれも定員割れ。参加総数は定員の65%の2981人で、30キロ圏の人口約21万5千人の1%にとどまる。規制庁によると、説明するのは5会場とも規制庁原子力規制部安全規制管理官(課長級)。川内原発の審査に携わった事務責任者で、設備に詳しいという。地震や津波に関する審査の担当職員も同行する。避難計画が専門の職員は同行しない。

*4-2:http://www.nikkei.com/article/DGXLASJC09H1S_Z01C14A0000000/
(日経新聞 2014/10/9) 川内原発、初の住民説明会始まる 安全性など議論
 九州電力の川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働に向け、初めての住民説明会が9日午後7時、同市内で始まった。原子力規制庁の職員が安全審査の経緯などを説明したのに対し、住民からは「審査は科学的に厳正とはいえない」などといった声が上がった。説明会は15日までに県内計5カ所で予定され、県と同市は原発の安全性について住民の理解を得たうえで再稼働同意の手続きに入りたい考えだ。原子力規制委員会が9月10日、川内原発1、2号機に安全審査合格を出し、同原発は再稼働第1号となる見通し。説明会は津波・地震対策など、安全審査の内容を住民に伝えるのが目的だ。10月9日夜は会場の川内文化ホール(同市)に住民が詰めかけ、ほぼ満員になった。原子力規制庁の市村知也・安全規制管理官が冒頭、「福島原発事故の教訓をとりいれて、規制を徹底的に見直した」と強調した。質疑応答では住民の男性が「原子力規制委員会の安全審査は科学的、技術的に厳正とはいえない」とただした。ある女性は「説明会の参加者を締め出すかのように、抽選とするのはいかがなものか」などと、説明会の運営に対する不満の声も出た。再稼働への地元同意は原子力規制委員会の認可手続きと並び、再稼働の条件となっている。立地自治体である鹿児島県と薩摩川内市は同意手続きに入るには、国が関与する形で安全性などを住民に説明し理解を得ることを前提としていた。県内での住民説明会はこの後、日置、いちき串木野、阿久根の各市とさつま町の4カ所で開かれる。その結果を踏まえ、薩摩川内市議会と岩切秀雄市長、鹿児島県議会と伊藤祐一郎知事が再稼働への態度を表明する手続きに入る見通し。同市長、県知事とも従来から早期再稼働を求めており、最終的に同意する可能性が高い。川内原発の30キロ圏には薩摩川内を含めて9市町が立地している。このうち日置、いちき串木野の両市議会は9月末、再稼働の同意が必要な「地元扱い」を求める意見書を可決した。出水市も鹿児島市など周辺6市町の首長による地元の範囲についての協議を呼び掛ける。周辺自治体からは、原発事故が発生した場合に避難が必要になるにもかかかわらず、意思表示の蚊帳の外に置かれていることへの不満が出始めている。伊藤知事は同意の必要がある自治体を「県と薩摩川内市で十分」との主張を繰り返している。県と周辺自治体の溝は今のところ埋まっていない。九電は今月8日、原子力規制委員会に川内1号機の安全対策工事の詳細な設計内容を記した「工事計画」などの書類を提出したが、2号機分は提出できていない。加えて規制委による計画内容の審査や「使用前検査」にも2~3カ月かかるとみられる。地元同意に手間取れば再稼働はさらにずれ込む可能性がある。

*4-3:http://mainichi.jp/select/news/20141010k0000m040095000c.html
(毎日新聞 2014年10月9日) 川内原発:「説明根拠、理解できぬ」…市民から怒りの声
 1000人を超す市民で埋まった会場に怒りの声が渦巻いた。九州電力川内原発が立地する鹿児島県薩摩川内市で9日夜開かれた住民説明会。川内原発が国の新規制基準に適合した理由を説明する原子力規制庁の職員に対し、再稼働に反対する住民たちは「子供と孫に責任を持てるのか」と迫った。会場では再稼働への賛否も問われず、今回の説明会が再稼働に関する地元判断にどう反映されるのかも不透明なままだ。不測の事態に備え、主催する県や市職員のほか多数の警察官らが警戒する物々しい雰囲気の中で開かれた説明会。原発の安全性を不安視する住民の再三の質問に対し、原子力規制庁職員が「どんなに努力をしても絶対に事故が起こりえない、とは言えない」と答えると、会場からは「説得力がない」「リスクがあるのなら再稼働すべきではない」といった声が上がった。最後に質問した地元商工会関係者が「よく理解できた」と述べると、再稼働に期待する住民から大きな拍手も起きたが、約1時間の質疑の間、質問に立った7人の大半が再稼働への懸念を表明した。県と市が参加者を抽選で絞り、会場での録音を禁止したことにも不満の声が出た。原発から10キロ圏内に住む福山登さん(50)は終了後「説明不足で安全とは思えなかった」と憤慨。薩摩川内市の教員、瀬戸ちえみさん(49)は、専門家が過小評価だと指摘する地震への評価を聞きたくて参加したが、会場で示された根拠について「全く理解できなかった。リスクがあるなら押しつけるなといいたい」と語った。一方、同市峰山地区のコミュニティ協議会会長、徳田勝章さん(76)は日本のエネルギー事情や安全性、避難計画の有効性などを総合的に勘案して再稼働への賛否を「判断したい」と言う。この日の説明会は「判断するうえで重視するものの一つ」だったが、「もっと突っ込んだ説明や回答がほしかった」と残念そうに話した。鹿児島県の伊藤祐一郎知事は、薩摩川内市を皮切りに周辺5市町で開かれる説明会での住民の反応を、再稼働の判断材料の一つにする意向だ。ところが、説明会では再稼働の是非自体は議論されず、参加者向けに配布されたアンケートも、説明会に参加して「良かった」か「良くなかった」などを聞くだけの簡単な内容だった。

*4-4:http://qbiz.jp/article/47328/1/
(西日本新聞 2014年10月8日) 住民説明会ネット中継、鹿児島県は認めず 川内原発
 9日から川内原発30キロ圏5カ所で開かれる住民説明会をインターネットで中継するよう、鹿児島県内の市民団体の関係者らが6〜7日、県に繰り返し要請したが、県は中継しない方針を崩さなかった。市民側は離島住民や高齢者、体の不自由な人が説明を聞く機会を保障すべきだと主張。中継しないなら説明会参加者による中継を認めるよう要望した。これに対し、県原子力安全対策課の四反田昭二課長は知事の意向として「説明は会場で直接聞いてもらいたい」と述べ、参加者による中継も認めなかった。原子力規制庁が録画映像を後日、同庁ホームページ(HP)に掲載する方向で検討中で、四反田課長は「HPの映像を見てほしい」とした。要請に参加した開業医の青山浩一さん(53)=鹿児島市=は「1人でも多くの県民が説明を聞けるようにすべきなのに」と憤っていた。

*4-5:http://qbiz.jp/article/47819/1/
(西日本新聞 2014年10月16日) 薩摩川内市、原発再稼働同意へ 月内に議会と市長が意思表明
 原発の新規制基準の下、政府が国内で最初の再稼働を目指す九州電力川内原発(鹿児島県)の地元同意手続きで、原発が立地する同県薩摩川内市が月内に同意する見通しとなった。市議会の川内原発対策調査特別委員会(10人)が20日に開かれ、早期の再稼働を求める陳情が採択されることが確実になったため。この後、本会議が月内に招集される見通しだが、市議(議長を除き25人)の過半数は再稼働に賛成の意向。岩切秀雄市長は再稼働容認を掲げて当選しており、議会の判断を受け、間を置かずに同意を表明するとみられる。 伊藤祐一郎知事は薩摩川内市の議会と市長、県議会と自らの同意を再稼働の条件にしている。同市の動きを受け、県議会も11月上旬に臨時議会を招集し、同意するかどうか判断する方向で調整が進んでいる。再稼働をめぐっては国内に根強い反対があるが、地元では同意に向けたスケジュールが一気に動きだしそうだ。薩摩川内市議会特別委は15日、次回の日程を20日に決定し、再稼働をめぐる陳情(賛成1件、反対10件)が一括採決される運びになった。特別委の委員の過半数は西日本新聞の取材に対し「審査には十分な時間をかけた。早く採決すべきだ」などと述べ、再稼働に賛成する意向を示した。特別委の意思表示を受け、岩切市長は月内に臨時議会を開く方針だ。市議の過半数は取材に対し、再稼働への賛成を明言しており、臨時議会でも賛成多数で賛成陳情が採択される見通しだ。薩摩川内市では9日に住民説明会が終了。岩切市長は10日、説明の内容を評価し、臨時議会の招集を検討する意向を示していた。15日の取材に対しては「議会がどうまとめるかを待ちたい」と述べた。県議会の原子力安全対策等特別委員会には、川内原発をめぐる陳情36件が付託されており、27、28日に原子力規制庁や経済産業省の担当者を参考人招致し審査する。関係者によると、11月上旬にも臨時議会を招集し、数日で陳情に対する結論を出す見込みだ。

<どんな時代にも、知識は合理的な思考と判断の必要条件である>
*5:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/114863
(佐賀新聞 2014年10月15日) 知識量評価の学テ時代遅れ 佐教組教育研究集会
 佐賀県教職員組合(佐教組)の第64次教育研究集会が11日、佐賀市の開成小で開かれた。前大阪教育大学長の長尾彰夫氏が講演で全国学力テストを取り上げ、「社会で求められる学力そのものの中身が大きく変わっているにもかかわらず、知識量を1点2点の差で評価するのは時代遅れ」と批判した。長尾氏は「学力テストは点数化することで一見客観的で説得力を持つが、学力は子どもの生きる力の一部でしかない」と強調し、毎年数十億円の巨費を投じて行うことに疑問を呈した。企業が出身大学で採用を判断していた時代は、受験に必要な、自分をコントロールし、与えられた職務を忠実にこなす能力が求められていたと指摘した。「今では産業界も主体性やコミュニケーションなど実践的な能力を求め、知識だけ詰め込んだらいいという時代が過ぎ去ったことを察知している」と解説した。集会には約270人が参加、17の分科会で教科教育や教育現場のさまざまな課題を論議した。核廃絶を訴える高校生平和大使の活動報告もあった。


PS(2014.10.16追加):太陽光促進付加金が大きいかのように報道されているので、うちの東京電力への2011年~2014年の8月使用9月支払い電気料金の年次比較をしたところ、賦課金で大きいのは電力会社が高値買いしている火力発電用燃料の燃料費調整であり、太陽光促進付加金は非常に小さかった。つまり、火力を少なくして太陽光発電に変えた方がよいということだ。また、うちはオール電化ではない普通のマンションで30アンペアであるにもかかわらず、段階料金制度の3段料金としてとられた金額が非常に高いが、それは、家庭用電気料金が贅沢品として高く設定されており、この発想が時代について行っていないからだろう。

<8月使用、9月支払い分の東京電力電気料金比較>       再エネ発電賦課金
      使用料(kw)  請求金額合計(S)  燃料費調整(A)  太陽光促進付加金(B)  消費税(T)
2011.9   652        16,495         -65           19          749
2012.9   687        18,757         667.8          192         52
2013.9   700        22,152         1,386         280        1,006
2014.9   532        17,999        1,324.68        425        1,241

基本料金    1段料金       2段料金      3段料金     口座振替割引
1,092      2,144       4,115        8,494          -53
1,092      2,164.80     4,184.7      9,656.39        -53
1,092      2,266.80     4,534.2      11,640         -53
1,123.20    2,331.60     4,663.80     6,943.76        -54
*三段階料金制度:省エネルギー推進などの目的から、昭和49年6月に採用したもので、電気の使用量に応じて料金単価に格差を設けた制度のこと
 第1段階:ナショナル・ミニマム(国が保障すべき最低生活水準)の考え方を導入した比較的低い料金
 第2段階:標準的なご家庭の1か月のご使用量をふまえた平均的な料金
 第3段階:やや割高な料金


PS(2014.10.17追加):*6に、「各電力会社も火力発電の燃料負担が増加しており、2度目の値上げを検討している」と書かれているが、電力会社は燃料負担分を“燃料費調整”として既に顧客から回収しているので、この値上げ理由はおかしい。また、「経産省は、北電の泊原発が再稼働すれば料金値下げを実施することを認可の条件とする」としているが、上のような明細を作る以上は、原発にかかる費用も明細にして区分請求するのが筋である。このように、都合のよい嘘だらけの理由を並べたてるのが原子力ムラの真実だが、何のためにそこまでするのかが重要なのである。

*6:http://mainichi.jp/select/news/20141011k0000m020078000c.html
(毎日新聞 2014年10月10日) 北海道電力:値上げ幅 家庭向け平均15.33%に圧縮
 小渕優子経済産業相は10日の閣議後記者会見で、北海道電力が認可申請していた家庭向け平均17.03%の電気料金値上げについて、値上げ幅を同15.33%に引き下げることで消費者庁と合意したと発表した。火力発電の燃料費を削減し、値上げ幅を申請より1.7ポイント圧縮する。15日にも値上げを認可し、北海道電は11月1日に値上げを実施する。東京電力福島第1原発事故後、北海道電を含む7社が値上げを実施したが、2度目の料金値上げは初めて。北海道経済への影響が懸念される。また、各電力会社も火力発電の燃料負担が増加しており、2度目の値上げを検討している。東電などが再値上げを実施すれば、景気に悪影響を与えることは確実だ。北海道電は、電力需要のピークとなる冬季の負担増を抑えるため、来年3月までと4月以降の2段階で値上げを行う。家庭向けは来年3月末までは値上げ幅を12.43%に圧縮。平均22.61%を予定していた企業向け料金値上げ幅は20.32%に引き下げ、来年3月までは16.48%にとどめる。値上げ幅圧縮のため、人件費削減や資産売却など約60億円の効率化を行う。今回の値上げで、平均的な世帯の電気料金は現在の月7233円から、来年3月までは約8000円、来年4月以降は8185円となる。経産省は、北海道電の泊原発が再稼働した場合、順次料金値下げを実施することを認可の条件とする。北海道電は昨年9月に家庭向け平均7.73%の値上げを実施。しかし、当初、昨年末を見込んでいた泊原発再稼働の見通しがつかず、代替火力発電の燃料費が増加したため、燃料費の増加分のみを料金改定に反映する「電源構成変分認可制度」に基づき再値上げを申請していた。福島原発事故後の各電力会社の料金値上げで、値上げ幅が10%を超えるのは今回が初めてだ。


PS(2014.10.17追加):*7のように、排気ガスや二酸化炭素を排出して公害を出し、外国から燃料を輸入しながら、国産の自然エネルギーや水素よりも化石燃料を選択する判断は、エネルギー自給率と環境を全く考えておらず、馬鹿としか言いようがない。

*7:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20141017&ng=DGKDASDZ16HJL_W4A011C1EA2000 (日経新聞 2014.10.17) 石炭火力発電所 国内需要の3割賄う
▽…石炭を燃やして発生したエネルギーを使う発電方式。世界各地で産出され安く安定的に調達できることから、世界の発電量の4割程度は石炭火力でつくられている。原子力発電所と同様に24時間安定稼働する「ベース電源」として使われ、国内需要の3割が石炭で賄われている。東日本大震災前は25%程度だったが、原発の停止を受けて比重が高まった。
▽…かつては大気汚染物質などの大量排出が問題視されていたが、現在は硫黄酸化物(SOx)などの排出量は天然ガス火力並みに抑えられている。投入したエネルギーを電気に変える効率を示す発電効率も高まっている。現在国内で主流の超々臨界圧発電(USC)は45%程度と1世代前の超臨界圧より1~2割ほど向上している。
▽…一方、二酸化炭素(CO2)の排出量を抑制するのは難しい。課題克服に向けて石炭ガス化複合発電(IGCC)と呼ぶ最新技術が実用化段階に入っている。石炭を蒸し焼きにして発生させたガスを燃料にガスタービンを回し、廃熱でつくった蒸気でもタービンを回す。2回発電することで同量の石炭から多くの電気を得られる。蒸気タービンだけ回す方式より発電効率は2割ほど高まり、その分CO2の排出も減らせる。


PS(2014年10月22日追加):*8のように、*2-1で玄海原発原告団団長を勤める長谷川佐賀大学元学長と関連する佐賀大学病院で、10月25日、26日、11月1日に停電があるそうだが、九電が再生可能エネルギーの買取拒否をしながら、「原発が再稼働できないから電力が足りない」などと言えば誰もが呆れるだけである。病院はどんな災害時にも重要な拠点となるべき施設であるため、自家発電や新電力によるバックアップなどで、普段から絶対に電気設備がストップしないようにしておくべきものだ。

*8:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/117248
(佐賀新聞 2014年10月22日) 佐大病院25、26、来月1日に停電
 佐賀大学医学部附属病院(佐賀市鍋島)は25、26の両日、電気設備の定期点検整備のため停電する。特に、25日正午から午後4時と26日午前8時から午後0時半の時間帯は、救急患者の診察に支障が生じる恐れもあり、ほかの救急病院での受診を呼び掛けている。11月1日も東西病棟で停電作業を行う。エレベーターなどの電気設備がストップし、院内の混雑も予想されるため、いずれの停電日も見舞いをできるだけ控えるよう協力を求めている。


PS(2014.10.23追加):燃料費調整として燃料費増加分を顧客に請求しておきながら、*9の主張は成立しない。そのため、電力会社は、燃料毎に別会社(子会社)にして正確にコスト計算し、それぞれが高値買いしないようコスト削減に努めるのがよいと考える。高値買いせずコスト削減に努めるのは、トヨタをはじめ、通常の会社ならどこでもやっていることだ。

*9:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20141023&ng=DGKDASDF23H01_T21C14A0MM0000 (日経新聞 2014.10.23) 
火力燃料費12兆円増 経産省試算、震災後の累計 原発停止など響く
 経済産業省は原子力発電所の停止に伴う火力発電用の燃料費について、2011年度から14年度の累計で12兆7000億円増えるとの試算をまとめた。原発の停止で、コストの高い液化天然ガス(LNG)や石油などを使う火力発電所の稼働が増えたためだ。14年度の追加燃料費は約3兆7000億円に上る見通しだ。すべての原発が止まったままと想定しているため、大飯原発3、4号機が一時稼働した13年度よりも1500億円増えるとした。燃料費は13年度まで3年間の累計で、すでに9兆円増えている。発電電力量に占める火力発電の比率は、東日本大震災前(10年度)の62%から13年度は原発の停止で88%と大幅に上昇した。増えた分の燃料費は電力会社の収益を圧迫している。経産省によると、震災後の3年間で電気料金は家庭向けで2割、企業向けで3割上昇した。

| 原発::2014.8~10 | 11:50 AM | comments (x) | trackback (x) |

PAGE TOP ↑