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2014.2.5 脱原発と東京都知事選の争点について
        
フクイチ後の陸地汚染   フクイチ後の海の汚染        農業用電気トラック

(1)九州の立地自治体トップも東京都知事の原発争点化に理解
 *1に書かれているように、東京は首都で最大の電力消費地で、選挙結果は国の原発政策や原発再稼働の議論にも影響を与えるため、九州の立地自治体の首長も選挙戦の行方を注目している。九州電力川内原発が立地する鹿児島県の伊藤知事は、「知事選というのは何を討論してもいい。強弱はあるが、(原発が)立地するしないにかかわらず、いろんなテーマについて幅広く議論されればいい」と、原発の争点化に一定の理解を示したそうである。

 また、九電玄海原発がある佐賀県の古川知事は「都民に一定の関心があるから議論になるのだろう。一人の政治家として原発問題をどう考えるのかを明確にするのは、有権者が投票を判断する要素となりうるので意味がある」「脱原発を政策に掲げるのであれば、実現までのプロセスを明確にすべきだ」とのことである。しかし、実現までのプロセスは既に明確で、後はやる気の問題だ。

 立地市町である薩摩川内市長と玄海町長は警戒しているそうだが、もう次に進んで、普通の企業を誘致するなどの方法での地域振興を考えるべき時期だ。時代が進み、ツールもあるので、歴史を進める抵抗勢力になってはならない。

(2)「原発は低コストで、公害がない」と言う者に告ぐ
 *2によれば、東京電力の福島第一原発事故による損害賠償額の見込みは、5兆円から9兆円に増え、それは除染費用などが加わったためで、賠償には公的資金が使われることになったそうだ。ただし、この除染費用は一部の地域に関するもので、関東・東北・北海道全域の汚染という公害を、受益者負担で復旧すべくカバーしたものではない。

 そして、原発事故に備える保険料を十分支払わずに、「原発はコストが低い」という主張が聞かれるが、原発事故時の尻拭いは国民にさせているのだから、それこそ無責任である。再稼働の議論は、まず公害の補償を自らで保険料を支払ってから始めるべきで、原発でなくても電気は起こせる。

(3)その他の発電方法も進んでいる
 *3のように、最大出力が1.5万キロワット未満の中規模地熱発電所の建設計画が相次いでおり、電気をまとめ買いして安く供給している中央電力が熊本県で新設発電所を運転開始したり、オリックスと東芝が岐阜県で2015年の運転開始を目指したりしている。これは、景気対策と称して札束をどぶに捨てるのではなく、次の時代にプラスになる投資を行うものであり、経営環境に敏感なオリックスの高橋事業開発部長も「(自由化を控え)電力市場は夜明け前。新たなビジネスの柱にしたい」と話しているそうだ。火山が多い日本の地熱資源量は米国、インドネシアに次ぐ世界3位であり、地熱開発が活況を呈しつつあるのは、燃料費支出が不要な発電方法だけに期待される。

 また、*4のように、三菱自動車と発電メーカーのニチコンが、太陽光発電による「農業用充電ステーション」の本格稼働を始めたそうだ。農業では、今までA重油によるエネルギーを使ってきたが、燃油の値上がりによって、損失を出したり、廃業したりするケースが多かった。そのため、エネルギーだけでなく、農業用機器やトラックなども、電気か水素燃料を使えるようにし、地中熱も利用すれば、コスト・ダウンした近代経営にシフトできる。

(4)電力自由化の好影響
 *5のように、ソフトバンクが、今春から大口顧客の企業向けに電力の小売り事業に参入する方針で、2016年に電力小売りが全面自由化されるのに合わせて、一般家庭向けの電力販売も検討するそうだ。

 エネルギーのためには何を犠牲にしてもよいということはなく、景観や土地利用も重要であるため、大規模太陽光発電所の建設より屋根貸しを使ってほしいが、「原発がなければ、安定して電力を供給できない」「原発を再稼働しなければ電気料金の値上げをする」などと既に合理性の崩れたことを言っている、政府の保護に慣れた旧電力会社よりも、新電力の方がずっと期待できる。

*1:http://qbiz.jp/article/31504/1/
(西日本新聞 2014年2月1日) 原発争点化に一定の理解 九州の立地自治体トップ
 原発・エネルギー政策が主要な争点となった東京都知事選(9日投開票)。首都・東京は全国最大の電力消費地であり、選挙結果は国の原発政策や原発再稼働の議論にも影響を与えるだけに、九州の立地自治体の首長も選挙戦の行方を注目している。「知事選というのは何を討論してもいい。強弱はあるが、(原発が)立地するしないにかかわらず、いろんなテーマについて幅広く議論されればいい」。九州電力川内原発が立地する鹿児島県の伊藤祐一郎知事は31日の定例記者会見で、原発の争点化に一定の理解を示した。ただ、「有権者はいろんなことを聞きたい」とも述べ、五輪や福祉政策などの幅広い議論も求めた。九電玄海原発がある佐賀県の古川康知事は「都民に一定の関心があるから議論になるのだろう。一人の政治家として原発問題をどう考えるのかを明確にするのは、有権者が投票を判断する要素となりうるので意味がある」との認識を示した。その上で「脱原発を政策に掲げるのであれば、実現までのプロセスを明確にすべきだ」と注文も付けた。一方、立地市町は警戒感を隠さない。玄海原発の再稼働を求めている佐賀県玄海町の岸本英雄町長は「東京は電力の一大消費地。その首長の考え方は国の原子力政策の方向性や、原発を頼りにしている地域の動向にも影響を及ぼす可能性がある」と懸念した。鹿児島県薩摩川内市の岩切秀雄市長は「即原発ゼロ」を訴える候補が当選した場合について「国のエネルギー政策に影響が出ないかという危惧はある。無視するわけにはいかなくなるだろう」と述べた。

*2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S10955961.html?iref=comkiji_redirect
(朝日新聞 2014年2月1日) (記者有論)原発再稼働 保険料を払ってから議論を 経済部・松浦新
 東京電力の福島第一原発事故による損害賠償額の見込みが、5兆円から9兆円に増えた。除染費用などが加わったためで、東電から助けを求められた国は、電気料金にかかっている「電源開発促進税」と、東電に出資した株式の将来の売却益を充てることを決めた。これで賠償に公的資金が使われることになった。原発事故の後、国と電力業界は原子力損害賠償支援機構(原賠機構)という仕組みを作った。被害者救済のため、とりあえず5兆円を上限に発足し、東電に賠償資金を提供する。「保険料」は東電を含む原発を持つ11社が負担する。その枠が9兆円になった。この仕組みを作ったのは、電力業界が入っていた原発の損害保険では1200億円までしか出ず、役に立たなかったためで、自動車事故の後に損害保険に加入するような超法規的措置だ。自動車保険なら賠償額は契約で決めて、それに見合った保険料を支払う。実際の賠償額が足りなければ自分で払うしかない。ところが、電力業界は事故後に保険を作り、賠償額が増えたら保険料を上げるという異例ずくめの対応を行っている。5兆円枠でも、原発を持つ11社は保険料である「一般負担金」を年間で計1630億円支払うはずだった。ところが、電力業界は、電気料金の値上げが追いついていないなどと主張して、年間で計1008億円しか納めていない。枠が9兆円になれば、今後決まる負担額は3千億円近くになる計算だが、政府の支援があることで抑えられる。こんな好都合な保険に入れてもらっているのに、東電は事故の当事者として上乗せして払うはずの「特別負担金」も赤字経営を理由に払っていない。黒字になったら払うという「ある時払い」だが、その金額も決まっていない。にもかかわらず、東電は新潟県の柏崎刈羽原発を再稼働したいという。自動車保険の手当てが不十分なまま事故を起こし、賠償の面倒を見てもらっている人が、次の保険でも十分な手当てをしないうちに、また車を運転したいと言い出したら、周りがそれを許すだろうか。東電は「再稼働できなければ電気料金が上がる」と、消費者を不安にさせる。しかし、原発事故に備える保険料を十分に払わず、「原発はコストが低い」と主張するのは無責任だ。再稼働の議論は、まず相応の保険料を支払ってから始めるべきだ。

*3:http://mainichi.jp/shimen/news/20140204ddm008020079000c.html 
(毎日新聞 2014年2月4日) 地熱発電:全国で活況 中規模1.5万キロワット未満、買い取り価格高め 資源量世界3位、震災で見直され
 最大出力が1・5万キロワット未満の中規模地熱発電所の建設計画が相次いでいる。電気をまとめ買いしてマンション向けに安く供給している中央電力(東京都千代田区)が4月、熊本県で国内15年ぶりの新設発電所を運転開始。オリックスと東芝も岐阜県で2015年春ごろの運転開始を目指す。ほかにも全国に数十の計画があり、中規模地熱発電に脚光があたっている。「都市部のマンション顧客と地域をつなぎたい」。中央電力の平野泰敏副社長は地熱発電への参入理由をこう説明する。熊本県小国町の温泉街の住民で作る会社「わいた会」から発電所の建設・運営を受託。計画の2000キロワットは1500世帯分の電気を賄うにとどまるが、1000キロワット超の地熱発電所の新設は、1999年の東京電力八丈島発電所以来だ。地熱開発は、温泉量減少を懸念する地元との関係が支障になることも多い。今回は、電力大手が開発する地熱発電ほど規模が大きくなく、収益を「わいた会」と分け合うことなど、地元と連携して進めることで軌道に乗った。中央電力は今後5年間で同規模の発電所5カ所を建設する方針。当面は電力大手に売電するが、将来はマンション向けの電力供給も視野に入れる。オリックスと東芝は岐阜県高山市で15年春ごろの運転開始を目指す。北海道や東北、九州など年数カ所のペースで建設する考えだ。オリックスの高橋英丈事業開発部長は「(自由化を控え)電力市場は夜明け前。新たなビジネスの柱にしたい」と話す。大規模な地熱発電所は通常、環境アセスだけで3〜4年かかるが、中規模地熱は対象外。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)の買い取り価格も1キロワット時あたり42円(1・5万キロワット以上は27・3円)と高めに設定され、新規参入の背中を押している。火山が多い日本の地熱資源量は米国、インドネシアに次ぐ世界3位。地熱発電の可能性は大きいが、地元の反対や国立・国定公園内の建設規制などハードルが多く、低迷が続いた。しかし、東日本大震災後に見直され、規制緩和のほか、政府はアセス短縮も検討。出光興産や国際石油開発帝石など10社は、福島県の磐梯朝日国立公園で、国内最大となる27万キロワットの大規模開発を計画。20年代初めの運転開始を目指す。経済産業省によると、商社や石油会社、自治体、温泉組合などが全国20カ所で調査事業を実施中。前段階にあたる事前調査も42カ所で動いており、地熱開発は活況を呈しつつある。
◇地熱発電
 地中深くまで井戸を掘削し、噴き上がる蒸気や熱でタービンを回転させて発電する方法。再生可能エネルギーの中でも太陽光や風力と異なり気象条件を問わず、安定した発電量を得られる。日本には、原発約20基分にあたる2300万キロワット以上の資源があるとされるが、総発電量に占める割合は0・3%(12年度)にとどまる。

*4:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=25806
(日本農業新聞 2014/2/4) 農業用充電ステーション始動 再生エネで復興へ 宮城県岩沼市
 三菱自動車工業(東京都港区)と発電メーカーのニチコン(京都市)が宮城県岩沼市で取り組む再生可能エネルギーの農業利用試験で、太陽光発電による「農業用充電ステーション」の本格稼働が始まった。3日に開所式を開き、市や県、関係機関へ施設を披露。東日本大震災からの復興に向け、エネルギーから農産物まで地元生産する農業生産システムの実現に動き出した。ステーションは三菱自工の電気自動車のバンタイプ「ミニキャブ・ミーブ」と、軽トラックタイプ「ミニキャブ・ミーブ トラック」への充電施設。設置した太陽光パネルは1日平均80キロワット時の発電量で、一般家庭が1日に使う電力のおよそ4戸分を蓄える。電気自動車へは30分で80%の給電が可能だ。電気を「つくる」「使う」「運ぶ」を基本コンセプトに自動車5台に電力を供給する。人や物の運搬の他、自動車自体が蓄電池となって電気を運び、専用給電装置で農機や農業用施設の電力に使う。昨夏から試験に協力し、軽トラックとバンを使うキュウリ農家の寒風澤敦司さん(45)は「電気は草刈り機などの電源に使っている。今後は電源のない水田などでも使いたい」と話す。キュウリを栽培するハウスは津波被害を受けなかったが、震災後は停電で換気やかん水ができなかった。「暗闇は人を不安にさせた。これからは非常時の電源として地域でも使える」と期待する。試験は農水省と復興庁の食料生産地域再生のための先端技術展開事業の一つ。充電施設を運営するニチコンは「電源がない中山間地の農地にも電気が運べる。普及には経済性と利便性が大事。二酸化炭素(CO2)削減効果なども調べ、普及させたい」と説明。自動車の走行距離や利用電力量、発電量と充電量などデータを集積し、利用可能なシステムの構築を目指す。

*5:http://qbiz.jp/article/31434/1/
(西日本新聞 2014年1月31日) ソフトバンク、電力小売り参入へ 通信とのセット割も
 大手通信事業のソフトバンクが、今春から電力の小売り事業に参入する方針であることが31日、分かった。大口顧客の企業向けに始める。その後、2016年をめどに電力小売りが全面自由化されるのに合わせた一般家庭向けの電力販売も検討する。通信サービスとのセット割引も検討するもようだ。ソフトバンクの電力小売り参入で、電力料金の引き下げ競争が激しくなる可能性がある。ソフトバンクは傘下のSBエナジー(東京)が中心となって、各地に大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設するなど、発電事業に取り組んできた。メガソーラーで発電した電気などを販売する予定で、すでにSBエナジー子会社のSBパワー(東京)が経済産業省に新電力として届け出ている。


PS(2014.2.5追加):私も飯田氏同様、脱原発を争点に押し上げてくれた細川・小泉チームを支持するが、*6のように「過去の自らの過ちを認め・・」として、過去に原発を進めたことを批判して謝罪を要求するのは脱原発派を分断するだけであり、いかがなものかと思う。何故なら、既に建設され稼働している原発は、そう言っている人と同様、首相であっても事故前には止められなかったからだ。だから、今がチャンスなのである。また、日本人は「謝罪することが最も大切で、謝罪すれば水に流す」という考え方をする人が多いが、①悪くない人が謝罪しても、(誰かの気は収まるかもしれないが)何も変化しない ②水に流せばさらに何も変わらない ということに思いをいたすべきである。こちらの方が国際標準の価値観だ。

*6:【細川護煕・小泉純一郎 支持宣言】二人の元総理が、安定した立場も見栄も恥も外聞も捨てて、過去の自らの過ちを認めた上で、原発推進に暴走する国政を問うて、 都知事選に挑戦している、その決意と覚悟を全面的に応援します。飯田哲也 (エネルギー革命家)

| 2014年東京都知事選::2014.1.1~2 | 09:54 AM | comments (x) | trackback (x) |
2014.2.4 2014年東京都知事選は脱原発への岐路であるということ
   
フクイチ1号機と3号機の爆発  原発の残骸         陸地と海の汚染

(1)TV放送の情けなさ
 今回の東京都知事選は、日本だけでなく世界が注目する脱原発選挙である。それにもかかわらず、TV報道は、ソチ・オリンピックを中心とするスポーツ、犯罪、お天気など、一般の人の政治への関心をそらせることが目的のような報道ばかりだ。

 私は、TVはじめメディアのこの体質は、わが国の民主主義の質を低くし、民主主義を形骸化させていると思うが、*1のように、ネット放送では、既に主要4候補のカットなしの生討論が報道された。しかし、ネット放送は、若い人や特に関心のある人しか視聴していないため、これだけでは不十分である。

(2)投票率が低い場合は、必ず投票に行く組織票を持っている候補が当選する
 候補者の政見の違いをしっかり報道しない結果、*2のように、自民党と公明党が支持している元厚生労働大臣の舛添要一氏(65)が逃げ切っているが、舛添氏は「電力の安定供給や経済を考えないといけない。きちんと代替案を出さないと」と、いくら電力自由化や代替案を説明しても言っている状況である。つまり、この発言は、原発維持・推進派ということであり、細川氏(=小泉氏)の「原発はコストもリスクも高い。『即ゼロ』を宣言すれば、みんな成長産業の自然エネルギーに切り替えていく」という発言とは大きな違いがある。そのため、ここはまさに岐路であり、細川氏の応援団に良識派の女優である吉永さゆりさんも加わったのは嬉しい(http://tokyo-tonosama.com/#schedule 参照)。

 なお、宇都宮氏の「都内の放射線量の高い場所を率先して調査する」というのは、*3、*4、*5のように、関東・中部・東北・北海道のどの地域も、汚染されている可能性が高いため、速やかにやってもらいたいことである。実測データは、嘘をつかないのだから。

(3)原発再稼働の必要はない
 *6によれば、欧州連合(EU)のエネルギー政策を統括するエッティンガー欧州委員が2月1日に、「日本の将来的な脱原発は可能」「再生可能エネルギーの普及を図るべき」「早急にエネルギー基本計画を策定する必要がある」と述べたそうだが、現在、すでに稼働している原発は0であるため、再稼働する必要はない。すべて再生可能エネルギーになるまでは、環境への負荷が小さい次世代火力発電で凌ぐべきである。

 なお、*7のように、三菱重工業と日立製作所の火力発電事業が統合して今月発足した新会社「三菱日立パワーシステムズ」が、2月3日に初営業日を迎え、西沢隆人社長は、横浜市の本社で幹部社員約200人を前に訓示し、「火力発電、環境事業で世界一を目指し、頑張っていこう」と訴えたそうだ。この2社は、原子力発電だけでなく、太陽光発電、風力発電にも進出している。

*1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014020202000099.html
(東京新聞 2014年2月2日) 原発是非激論 都知事選 主要4候補ネット生討論
 東京都知事選(九日投開票)の主要四候補が参加する討論会が一日夜、都内で開かれ、インターネットで生放送された。四人が顔をそろえ、他候補にも質問できる形の討論会は初めて。日本の岐路である原発の是非と、福祉や防災など暮らしをテーマに、各候補が主張の違いを見極めてもらおうと論戦を繰り広げた。参加したのは前日本弁護士連合会長の宇都宮健児氏(67)、元航空幕僚長の田母神(たもがみ)俊雄氏(65)、元厚生労働相の舛添要一氏(65)、元首相の細川護熙(もりひろ)氏(76)。ドワンゴなどネット事業者七社が企画し、主催者発表で十七万人が視聴した。「原発は争点ではないという人がいるが、都民の命の問題であり最優先に考えないといけない」「首相が脱原発と言えば、みんなが知恵を出してくれるだろうというのは責任あるリーダーの発言ではない」。一時間半の討論会で、四人が激しくけん制し合ったのが原発をめぐる是非だ。舛添氏は、原発依存度を下げる努力に言及した上で「電力の安定供給や経済を考えないといけない。きちんと代替案を出さないと」と強調。隣にいた細川氏は「原発はコストもリスクも高い。『即ゼロ』を宣言すれば、みんな成長産業の自然エネルギーに切り替えていく」と訴えた。宇都宮氏は、脱原発に向け「都内の放射線量の高い場所を率先して調査し、原発事故の被害者救済も合わせて進める」と宣言。一方、田母神氏は「原発をやめて電気料金が上がれば、倒産する中小企業が多いだろう」と反論した。
 保育所に入れない待機児童対策も議題に。一人が「八千人を超える都内の待機児童をゼロにする」と公約を述べると、別の候補者との間で「質を考えないと、ただゼロになっただけでは解決しない」「どういう手法でやるのか」と言い合いになる場面もあった。

*2:http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0200N_S4A200C1MM8000/
(日経新聞 2014/2/2) 舛添氏リード保ち、細川氏らが追う 本社世論調査
 9日投開票の東京都知事選で、日本経済新聞社は1月30日~2月2日に世論調査を実施し、終盤情勢を探った。元厚生労働相の舛添要一氏(65)がリードし、元首相の細川護熙氏(76)が追っている。新知事に求める政策は「医療・福祉」が最多で「景気・雇用」が続いた。調査は序盤(1月23~26日)に続いて2回目。投票先を決めていない人がなお2割弱おり、情勢は流動的な要素もある。舛添氏は支援を受ける自民、公明両党の支持層の過半数を固めた。「原発ゼロ」を掲げる細川氏は実質支援を受ける民主党支持層のほぼ半数を押さえた。約4割を占める「支持政党なし」の無党派層は2割強が舛添氏を支持し、細川氏、前日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(67)が続く。元航空幕僚長の田母神俊雄氏(65)は無党派層への浸透が遅れている。次の都知事に期待する政策を1つ挙げてもらったところ「医療・福祉」(25%)と「景気・雇用」(22%)がともに20%台。「エネルギー・環境」(9%)、「防災・治安」(8%)が続いた。原子力発電所の再稼働については賛成が29%、反対が53%。序盤調査と比べて賛成は1ポイント上昇、反対は7ポイント下がった。反対の人の投票先は細川、舛添氏らに分散した。調査は日経リサーチが無作為に選んだ番号に電話して実施。都内の有権者がいる701世帯から539件の回答を得た。回答率は76.9%。(以下略)

*3:http://digital.asahi.com/articles/DA3S10956094.html?iref=comkiji_redirect
(朝日新聞 2014年2月1日) 放射能汚染ごみ、神奈川でも指定 学校の雨水施設の泥
 環境省は31日、神奈川県内で出た汚泥2・9トンを、放射能に汚染された「指定廃棄物」に指定したことを明らかにした。同県分の指定は初めて。環境省は汚泥が出た詳しい場所は公表していないが、横浜市が昨年9月、市立小中学校など17校の雨水利用施設にたまっていた泥の指定を申請しており、同市によるとこれが含まれている。市によると、ほかに道路の側溝などにたまっていた泥も申請し、指定された。同省は「昨年12月に指定した」と説明している。指定廃棄物は東京電力福島第一原発事故で飛散した放射性セシウムがついたごみで1キログラムあたり8千ベクレルを超えるもの。神奈川を加えて12都県で指定され、総量は昨年末時点で約14万トンになった。指定廃棄物の処分は国が責任を持つ。環境省は発生した都県内で処理する方針で、保管場所に余裕のない宮城など5県には最終処分場を新設する計画だ。それ以外の都県でも処分方法が決まらず、とりあえず保管されているのが現状だ。同省は神奈川県分は「量が少なく新たに処分場を造ることはない」としている。

*4:http://gendai.net/articles/view/life/144911
(日刊ゲンダイ 2013年10月1日) 原発から700キロ 北海道の牛肉から「高濃度セシウム」のなぜ?
 北海道の東部、標茶町で生産された牛肉から放射能が検出されていたことが明らかになった。8月末に神奈川県衛生研究所の精密検査で分かったもので、2つのサンプルからそれぞれ1キロあたり56ベクレルと42ベクレルの放射性セシウムが検出されていたのだ。国の基準では100ベクレル以下の食品は安全とされるが、50ベクレル前後でも低くはない。13年4~8月の全頭検査では、9万9701のサンプルのうち、1キロあたり50ベクレル超から100べクレル以下は4つだけ。それが今回は2つとも高い数値を出している。福島原発から約700キロも離れた場所だ。影響は少ないはずなのに、いったい何が起きているのか。NPO法人「食品と暮らしの安全基金」代表の小若順一氏がこう言う。汚染した稲わらなどを食べた11年当時の汚染牛が冷凍で残っていたのか、産地を偽装したのか。いずれにしても、国の検査より高い確率で高濃度の数値が出たわけですから、検査の有効性が問われます」

*5:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2617715.article.html
(佐賀新聞 2014年1月31日) 近藤原子力委員会委員長退任へ / 原発事故で最悪シナリオ作成
 政府が31日、国会同意人事案を衆参両院に示し、10年以上務めている原子力委員会の近藤駿介委員長が4月にも退任することになった。近藤氏は東京電力福島第1原発事故で政府の要請に応じ、東京も避難対象になる事態を想定した「最悪シナリオ」を作成。当時、政府が公表しなかったことが批判された。近藤氏は原子力工学が専門で、04年1月に委員長に就任。委員長代理の鈴木達治郎氏も4月中に退任する見通し。委員長候補は早稲田大理工学術院特任教授の岡芳明氏が、ほかの委員2人は東京大大学院教授の中西友子氏と日本国際問題研究所軍縮・不拡散促進センター所長の阿部信泰氏が提示された。

*6:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2618545.article.html
(佐賀新聞 2014年2月3日) 日本、将来の脱原発可能 / 再生エネ拡大をとEU委員
 【ミュンヘン共同】欧州連合(EU)のエネルギー政策を統括するエッティンガー欧州委員は1日、共同通信と会見、日本の将来的な脱原発は可能との認識を示すとともに、再生可能エネルギーの普及を図るべきだとし、早急にエネルギー基本計画を策定する必要があると述べた。また、原発の高レベル放射性廃棄物の量を減らすなど、最終処分をめぐる技術協力を日本と進めたいとも表明した。ドイツ南部ミュンヘンでの安全保障国際会議に出席中に会見に応じた。ドイツ出身のエッティンガー氏は、脱原発を目指すかどうかは日本政府次第だとした上で「問題はどれだけ時間がかかるかだ」と指摘した。

*7:http://qbiz.jp/article/31539/1/ (西日本新聞 2014.2.3) 「火力発電で世界一に」 三菱重、日立の新会社始動
 三菱重工業と日立製作所の火力発電事業が統合して今月発足した新会社「三菱日立パワーシステムズ」が3日、初営業日を迎えた。西沢隆人社長は同日朝、横浜市の本社で幹部社員約200人を前に訓示し「火力発電、環境事業で世界一を目指し、頑張っていこう」と訴えた。新会社の売上規模は約1兆1千億円。西沢氏は「2020年までに2兆円規模を目指したい」と目標を示した。ライバルの米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスに打ち勝つため「欧米やロシア、アフリカや南米などに打って出て、真っ向から戦いを挑んでいく」と述べた。新会社は三菱重工が65%、日立が35%出資し、従業員は三菱重工出身の約1万4千人と日立出身の約9千人を合わせ、約2万3千人。西沢氏は三菱重工で常務執行役員を務めていた。

| 2014年東京都知事選::2014.1.1~2 | 08:45 AM | comments (x) | trackback (x) |
2014.1.30 電力自由化と脱原発の明確な政治的意思決定があって、再生可能エネルギーやスマートシティーが進歩するのだということ
  
      各候補者の主張           細川-小泉チーム       宇都宮氏

(1)自民党の2030年代原発ゼロ目標の撤回について
 *1-1、*1-3に書かれているように、経済産業省は、エネルギー基本計画案で、2030年代原発ゼロ目標を撤回し、原発を「重要なベース電源」と位置付けて活用していく方針を打ち出し、政権与党である自民党は、東京都知事選の前までは、粛々とそれを閣議決定しようとしていた。しかし、自民党は、2012年の衆院選では「原子力に依存しない社会の確立」との公約で大勝していたのだから、経済産業省のエネ計画案を進めるのは公約違反だ。

 また、原発推進派は、「原発はコストが安い」という主張をよくするが、*1-3に書かれているとおり、安全投資・廃炉費・事故の賠償などを含めれば、原発のコストは非常に高く、原発に固執する政権や経産省こそ、無責任なのである。そのため、もう、日本のエネルギー体系は転換すべき時機なのだ。

 なお、*1-2に書かれている原発の耐用年数の延長については、通常の機械でも耐用年数を延長することは殆どないにもかかわらず、安全性、精密性、危機管理が重要で、一旦事故を起こせば甚大な被害を与える原発に、このようなことがあってはならない。

(2)都知事選の最中に原発問題を語ることに、NHKは難色を示した・・
 *2のように、NHKラジオで1月30日朝に放送する番組で、中北東洋大教授が「経済学の視点からリスクをゼロにできるのは原発を止めること」とコメントする予定だったため、NHK側が「東京都知事選の最中はやめてほしい」と難色を示して、中北教授が出演を拒否したそうだ。つまり、報道は不偏ではなく、出演予定者は、ディレクターの要求に沿った発言をするか、出演しないかの選択肢しかないということだ。

 中北教授は予定原稿で、「安全確保の対策や保険の費用など、原発再稼働コストの世界的上昇や事故時の損害が巨額になる」「稼働中に積まれるべき廃炉費用が電力会社の貸借対照表に計上されていないため、廃炉費用が将来の国民が負担する大きな費用になる」として、「即時脱原発か、穏やかに原発依存を減らしていくかの選択になる」と総括し、NHKの担当ディレクターが「絶対にやめてほしい」と言ったので、中北教授が「趣旨を変えることはできない」と拒否したのだそうだ。

(3)原発立地自治体の市民の行動
 原発立地自治体の市民は、*3-1のように、福島の女性が、NYで、「東京に造れない原発は日本中どこにも造れない」と脱原発を呼び掛け始めた。また、*3-2のように、薩摩川内市で原発再稼働阻止の集会があり、1800人が参加した。そして、島根県では、*3-3のように市民団体が9万人以上の署名を提出して、脱原発条例を直接請求した。

(4)自然エネルギー普及の努力も始まっている
 *4-1のように、長崎県が公共施設の屋根貸しをし、長崎県立高校の校舎の屋根を使った太陽光発電をする事業者3社が決まり、長崎県には年間約70万円の屋根使用料が入るそうで、これは、他の地域でも参考になる。ただし、マンションやビルに太陽光発電設備を設置する時も同じだが、太陽光発電設備は、屋上に傾斜をつけて設置しなければならないという規制があり、それを満たすと建物の外観が悪くなるため、その規制はなくすべきだ。また、太陽光発電設備自体も、建物に取り付けた場合に外観をよくすることはあっても損ねることなくパワーを出せるよう、進歩すべきだ。

 また、*4-2のように、改正電気事業法が2013年11月13日に成立し、2016年には家庭も含めた電力の小売りが自由化されるため、大量の蓄電池を遠隔管理して電力需給に応じて充放電したり、地域全体で二酸化炭素(CO2)の抑制や省エネを目指すスマートシティーに応用できる技術の規格化が進んだりしている。

 そして、原発を再稼働して、このような技術に水をかけるのではなく、速やかに電力自由化と脱原発を行って、このような技術を伸ばす方針を出すことが、政治の役割なのである。

*1-1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2013120702000250.html (東京新聞 2013年12月7日) 福島原発事故 「どさくさまぎれ」原発ゼロ撤回
 六日に経済産業省がエネルギー基本計画の素案で、民主党政権が打ち出した「二〇三〇年代原発ゼロ」の目標を撤回し、原発を「重要なベース電源」と位置付けて活用していく方針を打ち出したことに、脱原発を訴えてきた市民らから批判の声が上がっている。特定秘密保護法をめぐる国会の攻防の最中だった点も「どさくさまぎれにやりたい放題だ」と非難する。被ばく問題などの学習会をする市民グループ「さよなら原発@東村山」の共同代表川島治さん(51)は「明らかな後退。脱原発を訴える国民の声を反映しようとせず、特定秘密保護法に世間の目が向いているすきに、という最低な行為だ」と批判する。東京都国分寺市で脱原発の学習会や街頭アピールをする「Bye-Bye原発国分寺の会」代表の服部久美子さん(61)は「まさにやりたい放題。福島の原発は汚染水の問題もあるし、事故原因もきちんと特定されていない。無責任だ。将来に責任を負うのなら、原発に依存する選択はないはず」と憤る。七日に代々木公園などで行われた特定秘密保護法廃止を求めるデモに参加した川崎市の女性会社員は「討論型世論調査とか、民意を反映する仕組みを駆使して決めた『原発ゼロ』方針なのに、民意をそでにされたのと同じ」と怒りを口にした。「原発の電力が本当に必要なのか、客観的なデータが一切ない。納得いかない」
    ◇
 東京電力福島第一原発事故で今も避難生活を強いられる住民からは「事故の反省がない」と批判の声が上がった。第一原発から二十キロ圏の旧警戒区域で、現在は避難指示解除準備区域の田村市都路(みやこじ)地区。政府と市は、来年春の避難指示解除を検討している。都路地区から田村市内の別の地区にある仮設住宅に避難している斎藤喜太郎さん(62)は「安全に使えないから原発事故は起きた。反省もなしに再稼働なんてやめてほしい。福島では除染や廃炉作業など、これからも国にやってもらわないといけないことがいっぱいある」と話した。
<エネルギー基本計画>中長期(今後20年程度)にわたる国のエネルギー政策の指針となる。エネルギー政策基本法に基づき2003年10月に策定され、3年をめどに見直している。地方自治体や事業者は、計画に協力する責務を負う。民主党政権時代の10年6月に、二酸化炭素の排出量の削減目標を達成するため、原発の発電比率5割以上を目指す現行計画を策定。東京電力福島第一原発事故を受けて大幅な見直しが迫られ、12年9月に「革新的エネルギー・環境戦略」で原発ゼロの目標を掲げた。

*1-2:http://digital.asahi.com/articles/ASF0TKY201312170298.html?iref=comkiji_redirect (朝日新聞 2013年12月17日) 40年超の原発「活用を積極的に検討」 自民議連が提言
 自民党の電力安定供給推進議員連盟(会長・細田博之幹事長代行、142人)は17日、政府が年明けに閣議決定するエネルギー基本計画について、原子力発電所の新増設や建て替えの必要性を明確に打ち出すように求める提言をまとめた。提言は「原発は将来にわたり必要と明記すべきだ」と主張。新規制基準で運転が原則認められない40年超の原発も「活用を積極的に検討する」と踏み込んだ。基本計画は国の中長期的なエネルギー政策の方向性を示す。経済産業省が13日まとめた計画案は原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置づけたが、新増設や建て替えを認めるかどうかは明記していない。

*1-3:http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201401294402.html
(愛媛新聞 2014年01月29日) エネ計画案修正へ 原発推進の本音「隠すふり」か
 政府が、今月中に閣議決定が見込まれていた国のエネルギー基本計画案の修正に着手した。原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置づけるなどの原発推進の表現を薄め、依存度を引き下げていく方向性を強めるという。将来の脱原発に向けた抜本見直しなら歓迎したいが、とてもそうとは思えない。決定が目前に迫ってからの唐突な軌道修正の理由が、脱原発の是非が問われている東京都知事選の「争点隠し」であることは明らか。文言を小手先で直して本音をぼかし、国民を欺くことは許されまい。現に、茂木敏充経済産業相はベース電源の意味を「(発電量が)1%であろうとずっと使う電源」と説明する。その上で「重要な」は削る可能性があるが「ベース電源」の表現変更は否定した。これでは、位置づけは変わらないに等しく、修正の名には値しない。あらためて、選挙目当てのまやかしではない、原発推進の基本方針転換につなげる見直しを強く求めたい。自民党は2012年衆院選で「原子力に依存しない社会の確立」を公約で示した。にもかかわらず、昨年末のエネ計画案は、前政権の「原発ゼロ目標」を撤回。原発再稼働の推進や核燃料サイクル政策継続も明記した。旧態依然の原発頼みの方針が、公約を無視し、民意を無視して提示されたことは到底容認し難い。エネ計画は、国の電力政策の中長期的な指針。あの東京電力福島第1原発事故後、初の計画であるからには、原発依存の危うさ、もろさを真摯(しんし)に反省し、脱原発への道筋を示すべきであろう。併せて、多様な電源の導入推進や省エネ・節電の強化、既存の火力発電などの効率化、コスト削減策などを具体的に提示しなければ指針たり得ない。計画案にはさすがに自民党内からも「公約とも相当乖離した文章。原発事故の反省すら見えない」と、見直しを求める提言が出た。国の原子力委員会も今月「国民に原発に否定的な意見が多い状況を真摯に受け止め、丁寧に説明すべきだ」とする意見書をまとめた。せっかく「修正」を決めた以上、こうした声にも謙虚に耳を傾けてもらいたい。伊方原発の全基停止から2年。全国で「原発ゼロ」が続くが、電力は足りており、社会は変わりつつある。安全投資や廃炉費、事故の賠償を含めれば全くコストに見合わない原発に固執する政権や経産省こそ、無責任というほかない。日本のエネルギー体系の転換を図るべき時機である。修正は2月以降にずれ込む見込み。同9日投開票の都知事選まで議論を避けたい思惑が透ける。いま再び、選挙前だけ主張を弱めるふりをし、選挙後に戻すことのないよう議論を厳しく注視したい。

*2:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014013002000160.html
(東京新聞 2014年1月30日) NHK、脱原発論に難色 「都知事選中はやめて」
 NHKラジオ第一放送で三十日朝に放送する番組で、中北徹東洋大教授(62)が「経済学の視点からリスクをゼロにできるのは原発を止めること」などとコメントする予定だったことにNHK側が難色を示し、中北教授が出演を拒否したことが二十九日、分かった。NHK側は中北教授に「東京都知事選の最中は、原発問題はやめてほしい」と求めたという。この番組は平日午前五時から八時までの「ラジオあさいちばん」で、中北教授は「ビジネス展望」のコーナーでコメントする予定だった。中北教授の予定原稿はNHK側に二十九日午後に提出。原稿では「安全確保の対策や保険の費用など、原発再稼働コストの世界的上昇や損害が巨額になること、事前に積み上げるべき廃炉費用が、電力会社の貸借対照表に計上されていないこと」を指摘。「廃炉費用が将来の国民が負担する、見えない大きな費用になる可能性がある」として、「即時脱原発か穏やかに原発依存を減らしていくのか」との費用の選択になると総括している。中北教授によると、NHKの担当ディレクターは「絶対にやめてほしい」と言い、中北教授は「趣旨を変えることはできない」などと拒否したという。中北教授は外務省を経て研究者となり、第一次安倍政権で「アジア・ゲートウェイ戦略会議」の座長代理を務めた。NHKでは「ビジネス展望」だけでなく、二〇一二年三月二十一日の「視点・論点」(総合テレビ)で「電力料金 引き上げの前に改革を」と論じたこともある。中北教授は「特定の立場に立っていない内容だ。NHKの対応が誠実でなく、問題意識が感じられない」として、約二十年間出演してきた「ビジネス展望」をこの日から降板することを明らかにした。
◆詳細は答え控える
<NHK広報局の話> 中北さんに番組に出演していただけなかったのは事実です。詳細は番組制作の過程に関わることなのでお答えを控えます。
【解説】公平公正 裏切る行為
 中北徹東洋大教授のNHK降板問題で、中北教授はNHK側に「都知事選期間中は原発の話はやめてほしい」と迫られたという。再稼働を進める安倍晋三政権の意向をくんで放送内容を変えようとした可能性は否定できない。選挙期間中であっても、報道の自由は保障されている。中北教授は予定原稿で「現状では原発稼働がゼロでもアベノミクスが成果を上げている。原発ゼロでも経済成長が実現できることを実証した」「経済学の観点から、巨大事故が起きた際の損害額のリスクをゼロにできるのは、原発を止めることだ」と指摘した。NHK側が問題視した中北教授の原稿は、都知事選で特定の候補者を支援する内容でもないし、特定の立場を擁護してもいない。NHKの籾井(もみい)勝人新会長は就任会見で「国際放送で日本政府の意向を伝える」としている。原発再稼働を強く打ち出している安倍政権の意向を忖度(そんたく)し、中北教授のコメントは不適切だと判断したとも推測できる。原発政策の是非にかかわらず受信料を払って、政府広報ではない公平公正な報道や番組を期待している国民・視聴者の信頼を裏切る行為と言えるのではないか。

*3-1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014013002000241.html
(東京新聞 2014年1月30日) 「脱原発」NYで発信 福島の女性呼び掛け
 【ニューヨーク=共同】東京電力福島第一原発事故の影響を説明し、脱原発を訴える集会が二十九日、ニューヨークで開かれ、市民団体「フクシマ・アクション・プロジェクト」の人見やよいさん(52)=福島県郡山市=が「福島の女たちは立ち上がった」と日本の状況を紹介、米国市民も日本政府に脱原発を求めてほしいと呼び掛けた。集会は米団体「ピースボートUS」が主催し、約四十人が集まった。人見さんは脱原発デモや経済産業省での座り込みに福島の女性たちが積極的に参加していると説明。「福島県民は日本人の中でもシャイ(内気)といわれているが、事故後は変わってきた」と話した。さらに、デモの写真を示しながら「東京につくれない原発は日本中どこにもつくれない」というスローガンを掲げていると述べると、会場から小さなどよめきが起きた。人見さんは取材に、米市民に話す意義について「原発を進め、輸出までするのはおかしいという国際世論が必要だと思う。今、日本政府はすごく独り善がりになっている」と説明した。

*3-2:http://qbiz.jp/article/29087/1/
(西日本新聞 2013年12月16日) 原発再稼働阻止へ集会 薩摩川内市、1800人が参加
 原発の再稼働阻止に向けた集会「集まろう ストップ再稼働12・15in川内」が15日、九州電力川内原発が立地する鹿児島県薩摩川内市で開かれた。地元の川内原発建設反対連絡協議会など県内の反原発団体が実行委員会をつくり開催。会場の同市向田公園には福島県や東京都など全国各地から約1800人(主催者発表)が集まり、反原発運動の連帯を確認した。集会では同協議会の鳥原良子会長が「全国の人が再稼働反対を訴えてくれれば、声を上げにくい市民も声を上げようと(反原発行動が)芽生えてくれる」と訴えた。愛媛県の反原発団体代表らが「ともに闘おう」などと呼び掛けた後、「使用済み核燃料は誰も処理できない人類の負の遺産。再稼働によって、さらに増やしてはならない」などと訴える集会アピールを採択した。集会後、参加者は「原発ゼロへ」「再稼働は犯罪」などと書いたパネルやのぼりを掲げ、市中心部をデモ行進。「再稼働反対」「原発要らない」などと声を張り上げた。

*3-3:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014010601000691.html
(東京新聞 2014年1月6日) 島根、脱原発条例を直接請求へ 市民団体、9万人以上の署名提出
 島根県の市民団体「島根原発・エネルギー問題県民連絡会」は6日、原発に頼らずにエネルギー問題の解決を図る脱原発条例の制定を知事に直接請求するため、集めた署名を松江市など各自治体の選挙管理委員会に手渡した。連絡会によると、安来市の分も含め9万2827人の署名が集まった。市議選があったため署名期間がずれた安来市の分は7日に提出され、選管の審査が始まる。審査を通れば、2月上旬に島根県の溝口善兵衛知事に請求し、その後、知事が議会を招集し議会で諮られる。

*4-1:http://qbiz.jp/article/29961/1/
(西日本新聞 2014年1月5日) 高校で太陽光発電、事業者3社決まる 長崎県が初の試み
 長崎県立高校の校舎の屋根を使って太陽光発電をする事業者3社が決まった。6校で2015年度から発電を始める予定。県が公共施設の「屋根貸し」をするのは初めてで、年間約70万円の使用料が入る。県は再生可能エネルギー普及の一環で、校舎の耐震性や防水設備などの基準を満たした8高校を対象に事業者を募集していた。太陽光発電パネルが設置されるのは西彼農業、西陵、大村、大村工業、川棚、佐世保東翔の6校。校舎の屋根の面積は計2889平方メートルで、一般家庭約90世帯分に相当する年間約31万キロワット時の発電量を見込む。事業者は武藤建設(長崎市)、星野管工設備(同)と大東設備(川棚町)で、事業期間は20年。発電設備の工事や維持費は事業者が負担する。

*4-2:http://www.nikkei.com/article/DGXNZO62776730Y3A111C1TJM000/?
(日経新聞 2013/11/19) 電力供給の調整、自由化にらみ進む技術開発
 東日本大震災後の電力不足をきっかけに、企業に節電や省エネのやり方を指南するサービスが広がった。改正電気事業法が13日に成立し、2016年にも家庭も含めた電力の小売りが自由化される。今後、電力供給を調整する事業に参入する動きも出てきそうだ。こうした業者はアグリゲーターと呼ばれ、電力自由化が進んだ米国では、年商数百億円の会社もある。電力供給が安定していれば、企業や家庭などに対し、急に節電要請をしたり電力供給を増やしたりする必要はない。しかし、NECが開発した新技術を使い電力供給の調整を秒単位でできれば、将来、再生エネルギーの発電量が増えても需給調整しやすくなる。大量の蓄電池を遠隔管理して電力需給に応じて充放電する技術は、地域全体で二酸化炭素(CO2)の抑制や省エネを目指すスマートシティーにも応用できる。すでに、電力の供給量を調整するための機器や接続方法などの規格化は進んでいる。早稲田大学や東京電力や大阪ガス、東芝、トヨタ自動車など25社が実証試験に取り組んでおり、こうした装置の制御技術などを検証している。欧米の規格などを踏まえて国内の仕様をまとめる計画だ。規格策定をにらみながら、IT(情報技術)を中心に企業は制御技術の開発を急いでいる。ただ、現在は蓄電池から放電した電気を系統に送る例は珍しい。新技術の普及や新ビジネスの育成には、安定性や安全性を確かめる必要がある。

| 2014年東京都知事選::2014.1.1~2 | 08:41 PM | comments (x) | trackback (x) |
2014.1.29 福島第一原発事故と事故後の東京を含む周辺地域の汚染を見ても、原発再稼働問題は首都圏の知事選の最重要課題ではないと言えるだろうか?(2014.1.30追加あり)
   
          福島第一原発事故とその後の放射能汚染の広がり

(1)都知事選の討論は、放送して欲しい
 *1に書かれているように、私も、電力の大消費地、東京都知事選の候補者には、全国放送で原発、その他の方針について語って欲しいと思う。しかし、政治家がテレビ討論を警戒するのは、これまで政治家が、メディアの変な編集で、真実の本人の姿とは全く異なるイメージを流布されてきた経緯があるからだ。そのため、編集なしで情報発信されるインターネット中継の方がリスクなしという判断になっているが、これでは有権者が困る。

 なお、「1人でも欠ければ公平性に欠けるため、企画は成立しない」という点については、何らかの方法で解決してもらいたい。

(2)原発をやめると言えない政府・与党
 *2-1によれば、首相は、「化石燃料への依存度が第一次石油ショック当時より高くなっている現実を考えると、そう簡単に『原発をもうやめる』と言うわけにいかない」と、重ねて原発再稼働の意欲を示されたそうだが、電力会社が地域独占して総括原価方式で会計を行い、原発をかかえて、電力自由化も行わなかったから、自然エネルギーの利用が進まず、いざという時に高値買いの化石燃料に依存しなければならないのであり、すべての解決策は、電力自由化と水素社会への転換なのである。

 また、*2-2には、耐用年数40年を超えた原発の耐用年数をさらに伸ばして「活用を積極的に検討」と自民議連が提言しているが、何を考えているのだろうか。

(3)理念なき原発政策、フクシマ以前に後戻りするな
 このような中、*3に書かれているとおり、「将来像も理念も十分な検証も欠いたまま、エネルギー政策が東京電力福島第1原発事故以前の状態に引き戻されようとしている」のは大問題である。そのため、これを止めるためには、原発立地自治体だけでなく、電力消費地の自治体も、何由来の電力を使って、どういう地域や日本を作っていきたいかという意思表示をすることが重要なのだ。

(4)この対応は当然だ
 *4-1のように、「オランダの公務員年金基金ABPは2014年1月7日、東京電力株式を昨年売却したことを明らかにし、その理由を「福島第1原発の問題めぐり、ABPが安全性や環境への影響について繰り返し協議を申し入れたものの、東電側が応じなかったため」としている。また、ABPは、東電を1月1日付けで投資してはならない対象に指定したそうだが、株主として良識的である。

 また、*4-2のように、福島県の2信用組合が、「東京電力福島第一原発事故で一部の支店が営業できなくなった」「失ったものはあまりに大きい」として、東電に賠償を求める訴訟を起こしたそうだ。

(5)現在の汚染状況
 *5に記載されているように、「東京電力福島第1原発の汚染水貯蔵タンクから出る放射線の影響で、原発の敷地境界の被ばく線量が基準の約8倍になっている」とした。しかし、「2014年3月末に、敷地境界の線量が最大で年間0・94ミリシーベルトと基準の1ミリシーベルトを下回る」と評価していたのは、あまりにも不自然な値であるため、「同12月には最大8・04ミリシーベルトに引き上げた」というのは、本当は修正したにすぎないだろう。

(6)「原発を再稼働しなければ、中小企業が困る」というのは本当か
 次に、最近は、「原発を再稼働しなければ、中小企業が困る」という反論が出てきた。しかし、電力自由化を行い、原発再稼働をせずに新しいエネルギー体系を作る時は、中小企業がプレイヤーとして参入できるチャンスが多いため、積極的な意味で景気がよくなる。

 また、新しいエネルギー体系ができてしまえば、海外に多大な燃料費を支払う必要はなく、日本の新しい機器やインフラを海外に輸出することも可能になるとともに、電力自由化により発電方法に工夫の余地ができて電気料金が下がり、これは、すべての企業に福音となる。そのため、「原発を再稼働しなければ、中小企業が困る」というのは、原発を再稼働するための反論にすぎない。

*1:http://mainichi.jp/select/news/20140129k0000m010079000c.html
(毎日新聞 2014年1月28日) 都知事選:「討論の機会」いまだゼロ…4番組、相次ぎ中止
 東京都知事選(2月9日投開票)を巡り、少なくともテレビの4番組が主な立候補者による討論などを企画したものの、全員がそろわず中止されたことがわかった。陣営の受け止めはさまざまだが、テレビ局側は「討論の機会が失われたのは残念」と、各候補の政策を分かりやすく伝える方法を模索している。【藤沢美由紀、川口裕之、小泉大士】
◇「調整難航」候補者そろわず
 毎日新聞の取材で中止が確認できた番組は、新報道2001(フジテレビ)▽サタデーずばッと(TBS)▽プライムニュース(BSフジ)▽週刊BS−TBS報道部(BS−TBS)。いずれも告示前後の番組内で、都知事選の主要候補に集まってもらう予定だったが「日程調整が難しい」などと断った候補がおり、公平を期すため断念したという。あるテレビ局の報道担当幹部は「多様なツールがある中、テレビに出るかどうかは候補者側の選択」と一定の理解を示した上で「生放送で語り合うことで政策の違いが明らかになり、人柄も見える。1人でも欠ければ公平性の面から企画は成立しないが(視聴者から)議論を見聞きする機会を奪っていいのかという問題もある」と語る。またフジテレビの「スーパーニュース」は「形式は未定だが、主要候補4人の生出演を目指し調整していく」という。今回の都知事選では、23日の告示前に東京青年会議所が企画した公開討論会が、宇都宮健児氏(67)しか参加表明せず中止された。恒例の日本記者クラブの共同記者会見も、その時点で正式な出馬表明会見をしていなかった細川護熙(もりひろ)氏(76)が欠席。宇都宮氏、田母神(たもがみ)俊雄氏(65)、舛添要一氏(65)の3人が個別に会見しただけで、討論にはならなかった。告示後も討論がない状況について、ある陣営は「異常だ。堂々と議論し有権者に考えてもらう機会が、一部の候補の不参加で失われるのは非常に遺憾」と怒りを隠さない。別の候補は「都民に自分の政策の方がいいと伝えるには討論しかない。ただ主要候補全員から選ぶのが良く、欠けてやるべきではない」と指摘する。

*2-1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014012902000113.html
(東京新聞 2014年1月29日) 「原発やめると言えぬ」 衆院代表質問 首相、重ねて意欲
 衆院本会議は二十八日、安倍晋三首相の施政方針演説など政府四演説に対する各党代表質問を行った。安倍首相は原発政策に関し「化石燃料への依存度が第一次石油ショック当時より高くなっている現実を考えると、そう簡単に『原発をもうやめる』と言うわけにいかない」と、再稼働に重ねて意欲を示した。首相は原発輸出も「新興国の原発導入は拡大が見込まれている。より国際的な観点で原子力政策を進める必要がある」と、推進する考えを強調。原発など各エネルギーへの将来の依存割合については「再生エネルギーの導入状況、原発再稼働状況などを見極め、できるだけ早く目標を設定したい」と述べた。東京都知事選で脱原発が焦点になっていることには「さまざまなところで議論されるのは望ましい」と述べた。NHKの籾井勝人(もみいかつと)会長が従軍慰安婦を「戦争地域ではどこの国にもあった」と発言した問題に関しては「政府としてコメントすべきでない」とした上で「新会長をはじめ、職員の皆さんにはいかなる政治的圧力にも屈することなく、中立公平な放送を続けてほしい」と述べた。

*2-2:http://digital.asahi.com/articles/ASF0TKY201312170298.html?iref=comkiji_redirect (朝日新聞 2013年12月17日) 40年超の原発「活用を積極的に検討」 自民議連が提言
 自民党の電力安定供給推進議員連盟(会長・細田博之幹事長代行、142人)は17日、政府が年明けに閣議決定するエネルギー基本計画について、原子力発電所の新増設や建て替えの必要性を明確に打ち出すように求める提言をまとめた。提言は「原発は将来にわたり必要と明記すべきだ」と主張。新規制基準で運転が原則認められない40年超の原発も「活用を積極的に検討する」と踏み込んだ。基本計画は国の中長期的なエネルギー政策の方向性を示す。経済産業省が13日まとめた計画案は原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置づけたが、新増設や建て替えを認めるかどうかは明記していない。

*3:http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/514655.html
(北海道新聞社説 2014年1月11日) 理念なき原発政策 「福島」前に後戻りするな
 将来像も理念も十分な検証も欠いたまま、エネルギー政策が東京電力福島第1原発事故以前の状態に引き戻されようとしている。原発を重要なベース電源と位置付けたエネルギー基本計画案、福島第1原発事故による避難住民の全員帰還を断念する復興加速指針、事故対策への国費投入を拡大する東電の新再建計画。政府は昨年末、議論を尽くすことなく、これらの重要な政策を矢継ぎ早に打ち出した。年が明け、新たな規制基準で原発再稼働を判断する原子力規制委員会の審査が始まってから半年が経過した。早ければ今春にも最初の審査結果がまとまる見通しだ。エネルギー基本計画案は原発依存度を可能な限り低減させるとしながら、将来の電源構成比率を示していない。時間を稼いで再稼働の既成事実を積み重ね、その結果を追認させようとする意図は明らかだ。これが原子炉3基の炉心溶融という大惨事を引き起こした国の政策だろうか。事故の反省も再生可能エネルギーを育てる意欲も見えない。なし崩しに原発回帰を図るようなやり方は断じて認められない。
◆サイクル堅持する愚◆
 日本原燃は、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理工場(青森県六ケ所村)について、原子力規制委に審査を申請した。工場は20回も完成延期を繰り返し、本格操業のめどは立たない。 それでも申請に踏み切ったのは、「核燃料サイクルの推進」を盛り込んだエネルギー基本計画案に力を得てのことだろう。長期にわたって巨額の費用を投じながら、展望が全く開けない国家プロジェクトの事例の中でも、核燃サイクルは最悪の見本だ。仮に再処理工場が稼働しても、プルトニウムを燃やす高速増殖炉が実用化される見込みはない。プルトニウムを通常の原子炉で使用するプルサーマル計画は安全性に疑問があり、コストも高い。日本は既に、核兵器に転用可能な余剰プルトニウムを国内外に44トンも抱えている。さらに増え続ければ、核不拡散の見地から国際的な批判を招くだけだ。核燃サイクルが破綻した現実に目をつむり、ひたすら延命を図る厚かましさには驚くほかない。青森県など関係自治体と代替策を話し合い、サイクル撤退の道を追求することこそ政治の役割だ。
◆問題多すぎる再稼働◆
 再稼働に向けた安全審査は、北海道電力泊原発を含む9原発16基について行われている。電力各社の地震や津波の想定には甘さが目立ち、安全対策への熱意がうかがえない。北電も原子力規制委の指摘を受け、最大津波の高さをはじめ火山噴火や竜巻被害の想定などで修正を繰り返してきた。敷地内や海底の活断層の疑いも依然残されている。規制委は政治的圧力や経済性に左右されぬ原則を貫き、厳格な審査に徹しなければならない。周辺自治体の住民避難計画作りも遅れている。泊原発から30キロ圏内の13町村は本年度内に作成する予定だが、問題はその中身だ。計画の基礎となる防災指針自体が急ごしらえで、規制委によってさみだれ式に追加修正された。計画はあっても、渋滞対策など詰めるべき課題が多い。訓練も不足しており、現状では実効性が疑わしい。政府は再稼働の問題を規制委に、避難計画を自治体にそれぞれ丸投げし、成り行きまかせの状況を静観している。無責任な態度と言わざるを得ない。少なくとも「原発依存度を下げる」と言うのであれば、全原発が停止している今こそ、その展望と電源多様化の具体策を示すべきだ。福島の事故後、国内の原発はほとんど稼働していない。政治の意思と目標が明確になれば、多くの国民は新たな挑戦に踏み出す用意がある。
◆脱原発の見取り図を◆
 跳ね上がる安全対策費、立地対策を含む社会的コストなどを考えれば、原発は割安な電源ではない。あてのない放射性廃棄物処分、福島の事故の賠償、除染、廃炉の費用も際限なく膨らむだろう。復興加速指針は、政府が福島の一部地域について原状回復を事実上放棄することを意味する。放射能汚染によって故郷が失われ、人が住めなくなってしまうような事態をコストに換算することなど、そもそも不可能なのだ。一昨年、民主党政権に「原発ゼロ目標」を掲げさせた脱原発を求める民意は、決して揺らいでいない。将来のエネルギーの選択は結局、どのような社会に暮らしたいかという根本的な問題につながる。途方もない危険と巨額で無意味な負担を先送りしない見取り図を描き、真剣に到達の道筋を考える時だ。そのために国民が議論する機会さえ封じておいて、脱原発の目標をあっさり否定するのは、民意軽視も甚だしい。

*4-1:http://sp.m.reuters.co.jp/news/newsBodyPI.php?url=http://jp.reuters.com/article/jp_energy/idJPTYEA0608V20140107 (ロイターニュース 2014年 1月8日) 
オランダ年金基金が東電株売却、原発事故処理への懸念で
 オランダの公務員年金基金ABPは7日、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)株式を昨年売却したことを明らかにした。福島第1原発の問題めぐり、ABPが安全性や環境への影響について繰り返し協議を申し入れたものの、東電側が応じなかったため、としている。ABPは、東電を1月1日付けで投資してはならない対象に指定した。チェルノブイリ以来最悪の原発事故とされる福島第1原発の事故は、発生から3年近くになる今も汚染水の処理などで問題を抱え、昨年末に政府が賠償や除染のための資金支援枠の拡大を決定している。ABPは、3000億ユーロ(4080億ドル)近い運用資産を持つ世界有数の年金基金。世界的な機関投資家が、東電を投資してはならない対象としたことは、すでに原発事故処理などで厳しい批判にさらされている東電にとってさらなる打撃だ。ABPの広報担当HamenGees氏は7日、保有していた東電株を2013年第4・四半期に売却したことを明らかにした。売却価格は不明。ABPの四半期報告では、第3・四半期末時点で1800万ユーロ相当の東電株を保有していた。ABPは7日発表した声明で「東電は、福島原発事故発生時、およびその後も、われわれの基準に違反していた。東電は、一般市民の安全についての認識が乏しかったと言える」と指摘した。Gees氏によると、ABPは自分たちの懸念について繰り返し東電との協議を試みたが、東電からの返答はなかったという。ABPは、投資禁止対象リストを毎年見直している。禁止対象には、クラスター爆弾製造会社などが含まれている。東電については、ABPが社会責任投資のガイドラインとしている国連グローバル・コンパクトの10原則の内の「人権」と「環境」の2原則に関する目標を満たしていないと判断したとGees氏は説明した。現在のところ東電のコメントは得られていない。

*4-2:http://digital.asahi.com/articles/ASG1P7679G1PUGTB010.html?iref=comkiji_redirect (朝日新聞 2014年1月23日) 福島2信組、東電を提訴 「原発被災、地域を破壊」
 東京電力福島第一原発事故で一部の支店が営業できなくなったとして、福島県の2信用組合が東電に計約2億2800万円の賠償を求める訴訟を起こし、福島地裁いわき支部で22日、第1回口頭弁論があった。事故の被害をめぐり金融機関が東電を提訴したのは初めて。地域とのつながりを奪われた信組職員は「失ったものはあまりに大きい」と語る。東電側は争う姿勢を示した。2信組は、相双五城信用組合(本店・相馬市)といわき信用組合(同・いわき市)。相双五城信組は浪江、大熊、富岡の3店、いわき信組は楢葉の1店が第一原発の20キロ圏内にあり、店も客も避難を強いられて再開のめどが立たない。これに伴う融資の減少で失った利息などの賠償を東電に求めている。
 「お客さんと話す時間は減りました」。大熊町の住民の多くが避難した福島県会津若松市に、事故の約1カ月後に設けられた相双五城信組「会津若松相談所」所長、山辺善史(よしふみ)さん(48)は事故当時の大熊支店次長だった。相談所は融資業務がほとんどなく、預金の出し入れにくる客は1日10人余り。職員は3人だけで、外回りもない。大熊町出身。埼玉県の大学を卒業後、旧相双信組に就職。大熊支店で十数年を過ごす中で大熊町民の大半の家族構成を把握し、商店主や原発関係の下請け企業経営者らにも詳しかった。年金支給日の前日には数十人のお年寄り宅を回った。「遠くから来る孫に小遣いやりたいから」と聞いては、翌日にお金を届けた。顧客に信頼され、地域経済の潤滑油として働くことに誇りを感じていた。震災翌日、家族と自衛隊のトラックで避難し、いまは同市の借り上げ住宅に住む。ともに避難した父は昨年10月に亡くなった。洋品店や酒屋などは固定客を失い、避難先で開業できた店はわずかだ。途方に暮れる経営者への助言が浮かばず、歯がゆさを感じる。一方、帰還をあきらめて避難先で家を買った客も少なくない。せめて、新たな生活に踏み出す人を手助けしたい。「いつまでも悲観していられない。組合員の助けになれれば、大熊に支店があった意味がある」。
 22日の法廷で、相双五城信組は2011年度の経常収益(一般企業の売上高)が前年度より22・1%減ったことを説明。信組側は「事故で地域社会の構成要素が丸ごと破壊され、他地域の信組より大きく収益が落ちた」と主張した。これに対し、東電側は「避難者らへの東電の賠償金で組合全体では預金が増えた」と指摘。収益が落ちたのは全国的な金利低下によるもので、原発事故が原因とはいえないと反論した。

*5:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2606351.article.html
(佐賀新聞 2014年1月9日) 汚染水タンクの放射線対策検討へ / 被ばく線量増で規制委
 東京電力福島第1原発の汚染水貯蔵タンクから出る放射線の影響で、原発の敷地境界の被ばく線量が基準の約8倍になっているとして、原子力規制委員会は本格的な対策を検討する方針を決めたことが9日、分かった。10日に専門家や東電を交えた会合を開く。第1原発では汚染水の増加が続く中、昨年4月に大容量の地下貯水槽が水漏れで使用できなくなり、貯蔵タンクを敷地境界近くにまで設置せざるを得なくなった。昨年3月末に敷地境界の線量は最大で年間0・94ミリシーベルトと基準の1ミリシーベルトを下回ると評価していたが、東電は同12月には最大8・04ミリシーベルトに引き上げた。


PS(2014.1.30追加):*6の超党派議連のエネルギー基本計画案に関する提言のうち(1)(2)(3)(4)はよいが、「再生可能エネルギーの比率を『2030年に発電量の40%』に引き上げる」というのは、残りの60%は何で発電するつもりだろうか。再生可能エネルギーの比率を2030年に発電量の40%にするというのは目標が低すぎ、脱原発する意思もCO2排出量を減らす意思もなく、都知事選にむけた作文にすぎないと考えられる。今から16年後の2030年なら、本気でやれば再生可能エネルギー100%でも可能であり、放射能汚染は、生物(人間を含む)にとって気候変動よりも有害なのだ。

*6:http://qbiz.jp/article/31343/1/ (西日本新聞 2014年1月30日) 
「原発、ベース電源」の表現撤回を 超党派議連がエネ計画案で提言
 超党派の国会議員連盟「原発ゼロの会」は29日、政府がエネルギー基本計画案で原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置付けた表現の撤回を求める提言を発表した。東京電力の法的処理を含め、福島第1原発事故処理の体制刷新も求めた。近く茂木敏充経済産業相に提出する。同会は自民党の河野太郎副幹事長と民主党の近藤昭一衆院議員が共同代表を務め、日本維新の会、公明党、みんなの党、共産党などの約60議員が参加。安倍晋三政権は当初、計画案を今月中に閣議決定する方針だったが、2月9日投票の東京都知事選後に先送りした。政府は閣議決定に向け「重要な」の部分について表現の修正を検討している。提言は、計画案が福島の事故の反省を踏まえておらず、原発依存度を低減させる課題も示していないと指摘。(1)原発の新増設を認めず、運転40年で廃炉とする原則を厳格適用(2)原発は輸出しない(3)危険度の高い原子炉から順次廃炉(4)使用済み核燃料の再処理停止を宣言−などを求めている。他にも、再生可能エネルギーの比率を「2030年に発電量の40%」に引き上げる数値目標を掲げ、発送電分離と送電網の整備促進を要求。計画策定への国民の意思尊重も主張した。東電については「法的処理を行い、経営責任と株主責任、金融機関の貸し手責任を明確にする」と提案している。

| 2014年東京都知事選::2014.1.1~2 | 12:15 PM | comments (x) | trackback (x) |
2014.1.28 都知事選での有権者の関心事に関するアンケート調査と即時脱原発の重要性について(2014.1.29追加あり)
    
 エコガラスの仕組み      透明な太陽光発電とその仕組み

(1)地域差のある有権者の関心事
 *1の「有権者の関心事に地域差がある」というのは自然で、立命館大との共同研究により、メディアの調査方法と結果分析が改善されていると思う。もちろん、社会保障に関する関心が高いから社会保障の話だけをすればよいというわけではなく、病気を予防するためには脱原発も重要なテーマだという啓蒙をしなければならないが、*1のような情報は、演説内容の時間配分を決める上で有用だ。

(2)原発再稼働について
 *2の共同通信社の全国電話世論調査では、原発の再稼働に反対するという回答が60・2%に上り、賛成の31・6%のほぼ倍だったそうである。

 しかし、*3のように、九州電力の社長は「基本的には再稼働を目指し、運転延長申請を出したい」としている。また、電力自由化については、「離島などへのユニバーサルサービスがどう担保されるかが問題」としているが、離島は風力、太陽光、潮汐などの自然エネルギーが豊富であるため、むしろ安価な電力の供給基地になることができ、電動の漁船ができれば燃油価格高騰問題も解決する。

 なお、脱原発候補の細川氏と宇都宮氏のふるさと熊本では、*4のように、2014年1月13日と27日に阿蘇山が噴火し、阿蘇山が花火を上げて脱原発候補を応援しているかのようである。日本は火山と地震が多いため、原発には適さず、地熱発電に適していることを、再び思い出させた。

(3)即時脱原発、電力自由化は技術進歩の出発点である
 *5のように、北九州市は、2014年1月26日、旭硝子が開発した断熱性の高いエコガラスを市庁舎の一部に取り付け、省エネ効果などを調べる実証実験を始めたそうである。エコガラスは、表面に特殊な金属膜をコーティングして夏の冷房エネルギーを約25%削減し、冬は、さらに高い効果が期待できるというスマートな技術だ。

 また、上図のように、透明な太陽光発電もあるが、民間企業がこのようなスマート技術を開発して普及させるためには、まず、「原発を再稼働させず、電力自由化を行って分散発電に移行する」という政府や自治体の意思決定が重要だ。何故なら、エネルギー変換に対する政府や自治体の意思決定のぶれが、民間企業の投資リスクになるからである。

*1:http://mainichi.jp/select/news/20140127k0000m010110000c.html
(毎日新聞 2014年01月27日) 知事選:有権者の関心事に地域差 選挙戦術に影響も
 毎日新聞と立命館大は共同研究の一環として、東京都知事選の電話世論調査(23、24日実施)を分析し、地域ごとの政策関心事について調べた。社会保障、原発、東京五輪の3課題で分類したところ、社会保障への関心が他地域と比べて高い地域が周辺部に多く、中心部では原発への関心が比較的高い地域が多いことがわかった。遊説場所など今後の選挙戦術にも影響しそうだ。
◇毎日新聞と立命館大で共同研究
 世論調査では都知事選の最大の争点と思う政策について、「少子高齢化や福祉」「原発・エネルギー問題」「東京五輪の準備」をふくむ7項目から回答を得た。23区と市町村部に分け、他地区と比べた関心の高さで分類した。社会保障への関心が高いのは板橋区など8地域。原発は杉並区など4地域。五輪は品川区など5地域だった。回答が少なく分析できなかったり、大きな差異がなかったりした地域が7地域あった。政党や党首が支援する主要4候補の遊説場所(23〜26日)にあてはめると、主張と重なる地域への重視がわかる。告示日(23日)の演説で原発と社会保障がほぼ同じ時間だった前日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(67)は原発に関心が高い地域と社会保障に関心が高い地域がともに3カ所。演説で社会保障が多かった元航空幕僚長の田母神(たもがみ)俊雄氏(65)は社会保障に関心が高い地域が7カ所と多い。告示日の演説で原発に触れなかった元厚生労働相の舛添要一氏(65)は、原発に関心の高い地域は1カ所だった。一方、元首相の細川護熙(もりひろ)氏(76)は原発が多い演説と異なり、社会保障に関心が高い地域が4カ所と多かった。
◇西田亮介・立命館大特別招聘(しょうへい)准教授の話
 東京では地域により選挙で重点を置く関心事が異なると言われてきたが、データで裏付けられた。また、候補が自らの支持層を意識して遊説していることがよくわかる。

*2:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2615275.article.html
(佐賀新聞 2014年1月26日) 原発再稼働反対が60% / 共同通信世論調査
 共同通信社が25、26両日に実施した全国電話世論調査によると、原発の再稼働に反対するとの回答は60・2%に上り、賛成の31・6%のほぼ倍だった。安倍晋三首相は原子力規制委員会の安全性確認を前提に、再稼働を進める構えだが、否定的な意見が根強い現状が鮮明となったことで難しい判断を迫られそうだ。安倍政権の経済政策「アベノミクス」で景気が良くなったと実感している人は24・5%で実感していないは73・0%だった。憲法解釈の見直しによる集団的自衛権の行使容認に反対すると答えたのは53・8%を占め、賛成の37・1%を上回った。

*3:http://qbiz.jp/article/30238/1/
(西日本新聞 2014年1月10日)  九州電力 瓜生道明社長 原発再稼働が喫緊の課題
−原発再稼働の見通しはなお立たない。
 「昨年は春に電気料金を値上げし、需給も非常に厳しかった。忸怩(じくじ)たる思いがある。川内原発1、2号機と玄海原発3、4号機の再稼働に向け、原子力規制委員会の安全審査を受けている。原発の信頼性、安全性を高める取り組みが喫緊の課題だ」
−再値上げはないか。
 「収支、財務、資金調達の状況から総合的に判断しなければならず、現時点では考えられない」
−原発再稼働には地元同意も必要となる。
 「手続きに不透明な点があり、状況が見通せない。われわれは『まな板の上のコイ』。安全対策をしっかりと伝え、安心感を持っていただくしかない」
−佐賀県伊万里市が安全協定に立地自治体並みの事前了解を盛り込むよう主張し、協議が難航している。この状態で再稼働できるか。
 「分からない。国の再稼働へのスタンスによっても違ってくる。私どもがどうこう言える立場ではない」
−新規制基準では原発の運転は原則40年。10月で39年になる玄海1号機は廃炉にしないのか。
 「全く否定はできないが、そうならないと思っている。基本的には再稼働を目指し、運転延長申請を出したい。ただ、安全対策にどこまで手を入れる必要があるかで(判断が)変わる可能性はある。2014年度中に見極めをする時期が来るだろう」
−宙に浮いた川内3号機増設計画はどうするつもりか。
 「新しい原発だと安全性をさらに保てる。増設の希望はあるが、国のエネルギー基本計画で原発新増設の位置付けが明確にならないと難しい」
−小売りの完全自由化、発送電分離を目指す電力システム改革が動きだした。
 「われわれが供給義務を担うこととの整合性、離島などへのユニバーサルサービスがどう担保されるかといった問題がある。それがルール化され解決されるのなら、どんどん進めればいい。競争に勝ち抜き、生き残れる会社に変わっていくことが大事だ」

*4:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2615491.article.html
(佐賀新聞 2014年1月27日) 阿蘇山で再び小規模噴火 / 今年2回目、噴煙500m
 熊本県・阿蘇山の中岳第1火口で27日午前9時半ごろ、小規模な噴火があった。熊本地方気象台によると、噴火は13日以来で今年2回目。気象台によると、噴煙が火口上空約500メートルの高さまで上がった。阿蘇山は昨年12月から火山性微動が多くなり、噴火警戒レベルが1(平常)から2(火口周辺規制)に引き上げられ、火口周辺が立ち入り禁止となった。今月13日には、2011年6月以来となる小規模な噴火があった。

*5:http://qbiz.jp/article/31119/1/
(西日本新聞 2014年1月27日) エコガラスで断熱実験 北九州市、庁舎に導入検討
 北九州市は26日、環境対策として市庁舎の一部に取り付けた、断熱性の高いエコガラスで、冬場の省エネ効果などを調べる実証実験を始めた。エコガラスは、旭硝子(東京)が開発した、表面に特殊な金属膜をコーティングした「アトッチ」(縦約2・3メートル、横約1・4メートル)。実験では、エコガラスを設置した市庁舎10階会議室の室温を27日から約2週間測定する。この日は、施工業者が温度測定器を取り付けた。市によると、夏場(7〜8月)に実施した同様の実験では、未設置の場合と比べて、冷房のエネルギー量を約25%削減、室温もピーク時で5℃低かったという。屋内外の温度差が大きい冬場は、さらに高い効果が期待できるという。市環境未来都市推進室は「実験で省エネや快適性の効果を見極めて、導入していきたい」としている。


PS(2014.1.29追加):*6で、高橋正樹日本大教授が、北海道東部や東北地方の太平洋側など、東日本大震災後、地震が多く、大津波に洗われ、日本列島が太平洋に沈み込んでいく場所であることが明白になった地域の地層が安定していると言ったのは、御用学者の結論ありきの理屈付けと思われる。そのため、「地層が安定している」と言うのなら、その科学的根拠を示すべきで、「不都合なことは想定外にする」という態度を繰り返してはならない。

*6:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2616186.article.html (佐賀新聞 2014年1月28日)  核のゴミ、国内処分可能と専門家 / 自民会合で地層安定地域示す
 自民党資源・エネルギー戦略調査会(山本拓会長)は28日、原発から出る「核のゴミ」の最終処分を議論する小委員会の初会合を開いた。講師として招かれた高橋正樹日本大教授(火山学)は、北海道東部や東北地方の太平洋側の一部など地層が安定している地域を示し、国内に最終処分に適した場所があると説明した。政府は高レベル放射性廃棄物の処分地が見つからないことから、政府主導で選定する方針を示しており、2013年度中にも選定方法を見直す。自民党は小委員会で早期に提言をまとめ、政府方針に反映させたい考えだ。

| 2014年東京都知事選::2014.1.1~2 | 11:07 AM | comments (x) | trackback (x) |
2014.1.26 都知事選における原発再稼働阻止と放射能汚染の問題は、1丁目1番地の争点です。
    
   *1より   細川―小泉チーム  宇都宮氏  舛添氏    田母神氏
(1)国際都市としての競争力強化、防災、都市開発・インフラ整備、オリンピックの準備は同時にやるべきで、「原発を再稼働せず水素社会に移行する」という都民の判断は、その1丁目1番地
 *1~*4に「細川―小泉チーム」の苦戦が報じられており、私が、このブログの2014.1.19に記載したとおり、東京都民へのアンケート結果では、国際都市としての競争力強化、防災、都市開発・インフラ整備、オリンピックの準備などの公共工事関係が上位である。

 しかし、その公共工事の結果、どういう都市を造るかについては、①原発再稼働を許して21世紀もこれまでの延長線で行くのか ②原発再稼働を許さず水素社会に変えて国際環境都市を作るか という合意形成によって大きく異なる。私は、どうせ金を使うなら、当然②を選択すべきだと思っているが、東京都民にも、国と異なり、まずその1丁目1番地の審判をして欲しい。

 水素社会の街づくりのモデルについては、私は、このブログの2014.1.16、2014.1.24、2014.1.25などに記載しており、それぞれの分野の専門家がその方向に舵を切って行動すれば、あっと驚くような素晴らしいアイデアが次々と出てくる。なお、水素は、①自然エネルギーを使ってできるコストの安い燃料で ②燃焼時に水しか出さず ③わが国のエネルギー自給率を上げ ④国富を海外に流出させないため、誰も文句のつけようがない燃料である。

(2)少子化対策・子育て支援、教育問題・教育改革、高齢化対策は社会保障の問題だが、自民党及び政府は負担増・給付減が中心で、社会保障に熱心ではない
 このブログの左の「CATEGORIES」の中にある「年金・社会保障」や「経済」という項目の期間の部分をクリックすると、私がこれまでに書いた社会保障や経済に関する記事が出てくる。そして、2014.1.21、2013.8.18、2013.8.14を代表として、自民党政権は、一貫して公共事業や企業を優先し、個人に対しては、消費税増税と社会保障給付削減を要求してきた。

 この路線は、舛添氏が厚生労働大臣だった時も同じであり、舛添氏が東京都知事になったら社会保障問題が解決するというわけではない。そのため、原発にばら撒きをして金を使う方が社会保障を行うよりも大切だと考える政党の候補を勝たせる方が、社会保障にはマイナスなのである。教育についても、今まで自民党主導でやってきた公教育は、私が自分の子どもを託せると思えるようなものではなかった。

 なお、「社会保障には金がいる」というお決まりの反論は、①水素社会にして燃料費を海外に流出させない ②原発に湯水の如く金を使うのをやめる ③一石一鳥にもならず、時には百害あって一利なしの公共事業には金を使わず、一石三鳥の公共事業を心がける などのことを行えば、必ず解決できる。

(3)原発再稼働を阻止して水素社会に移行するという都民の審判が、1丁目1番地になる
 *5に記載されているように、経済産業省は、2013年12月6日、原発を「重要なベース電源」と位置付け、原子力規制委員会が安全性を確認すれば再稼働を進めると明記したエネルギー基本計画の素案を総合資源エネルギー調査会基本政策分科会に提示した。そして、自民党政権は、都知事選で原発再稼働問題がクローズアップされるまでは、これを粛々と閣議決定し、先に進めるつもりだった。

 さらに、*6のように、東京都知事選で話が持ちきりになっている間に、政府は、福島第1原発の汚染水を海に放出するための放出基準を策定する方針で、汚染水の放出について漁業者に理解を求めている。東電は放出計画を汚染水対策の一つに位置付け、これによる魚介類の汚染は「風評被害」と断定しているが、汚染水を海に放出すれば、その海域の魚を多く食べている首都圏の人の内部被曝(特に消化器系の癌を発症)が増えるとともに、日本産食品の安全性ブランドに大きな傷がつくことは考慮外である。

 また、*7のように、九州電力玄海原子力発電所3、4号機(佐賀県玄海町)を再稼働しないよう九電に命じることを求める脱原発派の訴えに対しても、国は、争う姿勢を示している。

 そのため、このブログの2014.1.19のアンケートで8位になっている原発問題は重要な問題であり、「原発再稼働を阻止して水素社会に移行する」という電力の大消費地、東京の審判は、今後の政策の1丁目1番地になるものである。

*1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014012502000128.html
(東京新聞 2014年1月25日) 原発、ゼロか再稼働か 都知事選 国を動かす一票
 「原発のない社会を東京から発信する」「原発を使わずに景気回復するのは難しい」「ゼロを明確に打ち出すことが大事だ」。都知事選では「原発」が論戦の大きなテーマになっている。国策である原発政策を地方選挙の都知事選で議論していることになるが、都知事の判断で政策を変えられるのか。確かに都知事に原発の設置や稼働に関する権限はない。都は東京電力株を四千二百万株余り持つ四番目の大株主だが、福島第一原発事故後、賠償に必要な資金を確保するため「原子力損害賠償支援機構」が50%以上の株を保有し、実質的に国有化。都の保有率は1・2%となり、株主総会で経営の透明化などを提案しても否決され、影響力にも限界がある。
●武器
 しかし、都知事には大きな武器がある。原発を必要としない首都東京を見せることができる。知事は節電や再生可能エネルギーを拡大させるため、独自の施策や条例をつくれる。東京は全国最大の電力消費地で、消費量を大きく減らせば原発の必要性は低くなる。メキシコや韓国のGDP(国内総生産)に相当する財政力と、都庁という人材豊富な行政組織を活用して、省エネによる脱原発の実践モデルをつくり上げれば、全国に波及していくだろう。二〇一一年秋の韓国・ソウル市長選で無所属候補として与党候補を破った朴元淳(パクウォンスン)市長は、一四年度までに原発一基分の電力を再生可能エネルギーと節電で補う計画を表明。家庭で電力消費を削減すると交通機関のポイントが得られる制度などをつくり、目標達成が確実となっている。成功例はすでにある。
●うねり
 そもそも、千三百万人の都民が「原発ゼロ」の民意を示せば、その政治的な影響力は大きい。新知事が「脱原発」で他の知事や市区町村長らと連携すれば、全国にうねりが広がっていく可能性もある。安倍政権は昨年末に原発を「基盤となる重要なベース電源」とするエネルギー基本計画案を決め、都知事選後に閣議決定しようとしている。今月十五日には柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を前提にした東電再建計画も認定した。関西電力大飯原発(福井県)が昨年九月に停止して以降、「原発ゼロ」の状態が続いているが、安倍政権は春以降、停止中の原発を順次、再稼働させようと手続きを進める。原発政策はいま、まさに岐路に立っている。「一極集中を続ける首都東京をどうするかは、文化、文明、哲学、倫理の問題として考える必要がある。その象徴が原発問題だ」。元福島県知事の佐藤栄佐久氏はこう指摘する。原発政策はエネルギー政策にとどまらず、経済や産業、外交、暮らしに直結する。重い一票となる。

*2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140126&ng=DGKDASFS2502G_V20C14A1PE8000
(日経新聞 2014.1.25) 舛添氏、自民は組織戦展開 細川氏、小泉氏に挽回託す 都知事選、初の週末
 猪瀬直樹前知事の辞任に伴う東京都知事選は25日、告示から初の週末を迎え、各候補の陣営が応援に奔走した。自民党は舛添要一元厚生労働相の街頭演説に下村博文文部科学相や所属都議会議員らを投入するなど組織戦を展開。細川護熙元首相の街頭演説には小泉純一郎元首相がすべて同行し、選挙準備の遅れを挽回しようと必死だ。「東京五輪が開かれる6年後に東京を世界一の大都市にする。できるのは舛添氏しかいない」。下村氏は舛添氏と街宣車に並びこう訴えた。自民党は当初、党が前面に立たない考えだったが、人気の高い小泉氏が細川氏の全面支援に回るため、組織戦に切り替えて対抗する。27日には党本部で「各種団体協議会総決起大会」を開き、支持団体を引き締める。
 小泉氏は細川氏が今週末に予定する計4カ所の街頭演説にすべて同行する予定だ。「細川さんが都知事になれば東京は原子力発電なしで成長できる」。25日の演説では身ぶり手ぶりを交え、訴えた。
 前日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏の街頭演説には、共産党の吉良佳子参院議員らが応援弁士を務めた。都知事選には元航空幕僚長の田母神俊雄氏、発明家のドクター・中松氏、IT(情報技術)関連会社役員の家入一真氏らも立候補し、計16人で争われる。

*3:http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20140125/plt1401251448005-n1.htm (ZakZak 2014.1.25 ) 舛添氏リード 細川氏は落胆…一枚看板「脱原発」争点とみなされず 都知事選序盤情勢
 東京都知事選(2月9日投開票)の序盤情勢で、舛添要一元厚労相(65)が細川護煕元首相(76)らを引き離していることが25日、報道各社の情勢調査で分かった。細川氏の一枚看板である「脱原発」が、都民から最重要の争点とみなされていないことも判明。細川陣営にとっては衝撃の結果を突きつけられた形で、選挙戦術の見直しを迫られそうだ。「もう少し競っていると思ったが…。ジタバタしても仕方がない」。細川氏の陣営幹部は24日、調査結果を聞き落胆の表情を隠せなかった。産経新聞、共同通信、毎日新聞、東京新聞が23、24日に行った電話世論調査をもとに取材を踏まえて探った序盤情勢によると、それぞれ舛添氏がリードし、細川氏と宇都宮健児元日弁連会長(67)が追い、田母神俊雄元航空幕僚長(65)が続く分析で一致した。細川陣営にとってさらにショックなのは、「脱原発」が最大の争点として認められていないことだ。産経新聞の調査によると、都民が最も重視する政策テーマは「少子高齢化や福祉」がトップの26・8%。次いで「景気と雇用」が23・0%で、「原発・エネルギー問題」は第3位の18・5%に過ぎなかった。これでは「脱原発」を単一争点に設定し、小泉純一郎元首相の全面支援を受けて戦う細川氏の選挙戦術は見直しを余儀なくされる。

*4:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014012602000106.html
(東京新聞 2014年1月26日) 都知事選候補招き若者イベント テレ朝 会場使用拒否
 若者に東京都知事選の関心を高めてもらおうと計画されたイベント「せんきょCAMP東京フェスティバル」が、会場を所有するテレビ朝日の意向で初日の予定だった二十五日、突如中止となった。テレビ朝日側は、主催者が都知事選の候補者を招こうとしたことが「利用規約で禁じた政治活動にあたる」としている。若者が集まって政治を語り合う場をつくろうとイベント企画オフィス代表の鈴木幸一さん(45)らが企画。東京都港区の六本木ヒルズ内にあるテレビ朝日本社一階のイベントスペースを二十四日から三十一日までの予定で借りた。鈴木さんらは一昨年の衆院選でも渋谷で同様の「キャンプ」を設置している。二十五日は午後から音楽演奏を交え、候補者二人と来場者との質疑応答などを計画。候補者はたすきを外し、演説や投票の呼び掛けは行わない条件で、他の候補にも参加を呼び掛けている最中だった。二十四日はプレイベントが同じ会場で開かれたが二十五日になって突然、使用禁止を伝えられたという。鈴木さんは事前に提出した企画書に、候補者が来る可能性があると明記したといい「公職選挙法には違反しない。なぜこんなことになったのか分からない」と困惑。急きょ会場を移してトークライブを行い、インターネットで配信した。一方、テレビ朝日広報部の担当者は取材に「候補者が来ることは把握していなかった」と説明している。二十六日以降は、候補者は招かず、子育てやエネルギーについて考えるイベントが同じ会場で開かれる予定。鈴木さんは「候補者を身近に感じてもらう機会にしたかったので残念だが、やれる範囲で政治への関心を高めたい」と話した。

*5:http://qbiz.jp/article/28618/1/
(西日本新聞 2013年12月6日) 原発再稼働進めると明記 エネルギー計画で「ベース電源」
 経済産業省は6日、中期的な政策の指針となるエネルギー基本計画の素案を総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(分科会長・三村明夫新日鉄住金相談役)に提示した。原発を「重要なベース電源」と位置付け、原子力規制委員会が安全性を確認すれば再稼働を進めると明記した。焦点となっていた原発の新増設や、既存の原子炉を新型炉に置き換えるリプレースについては記述しなかった。電力全体に占める将来の原発の割合を示さないこととの整合性などを考慮したとみられるが、将来の新増設の可能性は残った。東京電力福島第1原発事故への対応については「エネルギー政策の再構築の出発点」と明示。廃炉・汚染水対策は「事業者任せにせず、国が前面に立つ」とし、財政措置を含め適切に取り組む方針を示した。茂木敏充経産相は6日の閣議後の記者会見で、「実現可能でバランスのとれた責任ある計画が必要だ」と強調。原発比率を含む電源構成の数値目標は「できるだけ(再稼働などの)状況が見えてくれば前倒ししていきたい」と述べた。

*6:http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014012400998
(時事ドットコム 2014.1.24) 地下水放出、基準策定へ=漁業者に理解求める-福島第1
 東京電力は24日、福島県いわき市で開かれた県漁業協同組合連合会の組合長会議で、福島第1原発で汚染される前の地下水を海に放出する計画について、放射性物質濃度などを定めた放出基準を策定する方針を示した。福島第1では、敷地内に降った雨や山側からの地下水が、1~4号機の原子炉建屋の地下に流入し、汚染水増大の一因になっている。東電は放出計画を汚染水対策の一つに位置付けているが、風評被害を懸念する漁業者からの反発が強く、調整が難航している。

*7:http://www.nikkei.com/article/DGXNASJC2401O_U4A120C1ACY000/
(佐賀新聞 2014/1/25) 玄海原発巡る脱原発派の訴え、国が争う姿勢 佐賀地裁
 脱原発を訴える市民団体が国の原子力規制委員会に対し、九州電力玄海原子力発電所3、4号機(佐賀県玄海町)を再稼働しないよう九電に命じることを求めた訴訟の第1回口頭弁論が24日、佐賀地裁(波多江真史裁判長)であり、国は争う姿勢を示した。3、4号機は再稼働に向けた安全審査が進んでいる。原告は「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」(佐賀市)の384人。石丸初美代表(62)は意見陳述で、原発事故が起きれば地域に甚大な被害が出ると指摘し、「経済優先の原発再稼働は言語道断。生活を守るため廃炉にすべきだ」と訴えた。訴状では九電が想定される地震の規模を過小評価し、3、4号機は耐震性が不十分だと主張。国の原発設置許可の基準に適合していないため、規制委は運転停止命令を出すべきだとしている。

| 2014年東京都知事選::2014.1.1~2 | 05:15 PM | comments (x) | trackback (x) |
2014.1.25 水素社会になった東京の街には、エネルギー源としての原発はいらない。また、最新機器と自治体の協力でお年寄りの見守りも可能になりそうだ。
   
      *3より              中国、北京市の街
(1)燃料電池車・電気自動車と家庭用燃料電池
 *1、*2、*3のように、「『福岡モーターショー2014』の会場では、燃料電池車や電気自動車など、最新のエコカーがひときわ目につき、自動車メーカーは環境技術を競っている」「福岡県の産学官推進組織『福岡水素エネルギー戦略会議』が次世代エネルギーとして注目を集める水素を活用する燃料電池自動車をテーマにしたセミナーを主催し、約100人が参加した」そうなので、燃料電池車や電気自動車がガソリン車にとってかわる日は間近だろう。

 また、「日産自動車は、リーフの技術を応用して大型化を実現したワゴン車を、タクシーや商用車向けに年内の市販を目指す」そうだが、日産EVの欠点はワゴン車型しかなくカッコ悪いことで、この点、海外のEV車はスマートであるため、私は、海外勢のデザインの方が好きだ。

 また、住宅メーカーは、家庭用燃料電池「エネファーム」を展示しており、都市ガスから水素を取り出して発電し、電力と給湯でエネルギーの9割を利用できるそうだ。こうなると、建物は、エネルギーの消費者から生産者になれるため、災害に強い上、原発はいらない。

 なお、北京の街の写真を見ると、道路は片側4車線で、建物の高さが揃っており、東京より美観がよいようだ。しかし、PM2.5は北西の風に乗って九州まで影響があるため、中国でも早く燃料電池車・電気自動車と家庭用燃料電池のシステムにしてもらいたい。

(2)日本の首都である東京の街はこれでよいのか?
  
    東京の街、空中写真             秋葉原           渋滞した道路

 私は、東京大学に進学し卒業して以降は、東京で働き、結婚して生活してきたため、東京の街のよい面と悪い面をよく知っているが、東京の街並みは上の写真のように、コンクリートやモルタル製の小さな建物と原色の看板でごった返したところが多く、ごく一部の地域を除いては美しくない。道路も混んでおり、移動に時間がかかって生産性が悪い。また、土地の単価が高いので、住居費がものすごく高く、長時間かけて周辺の街から通勤しなければならない人が多い。これは、子育てにも不便で、混んだ通勤電車で失う時間と体力は大きい。

 そのため、これらは改善すべき事項であり、まず、燃料電池車か電気自動車しか通さない道路を作れば、その道路は建物の中を走ることもできるため、街づくりとエネルギー改革を同時に行うことが可能だ。また、新築のビルや住宅には発電設備や燃料電池を標準装備させる条例を作ったり、装備に補助金を出したりすれば、防災とエネルギー改革を同時に行うことができるだろう。

 なお、下はパリの街だが、エッフェル塔と上の東京タワーを比べればわかるように、日本には、建物や看板の色合いを一定の範囲に収めて周囲の景観と調和させるという発想がない。そのため、パリでは、街並みの色合いや建物の高さに関する規制があり、全体として絵になる心地よい景観になっているが、東京にはごちゃごちゃして人の心を落ち着かせない景観が多い。

 もちろん、東京でパリのような低層階の建物にすることはできないし、低層でなければ風景が悪いわけでもない。しかし、高さ・色合い・屋根の向きなどを合わせて、全体として便利で緑あふれる心地よい景観の街づくりができないものかと、私は思っている。そして、これは、日本の他の都市でも同じだ。

  
                        フランス、パリの街

(3)最新機器と自治体のコラボで、お年寄りの見守りや健康管理もできる!
 *4、*5のように、水道の使い方や通信機器を組み合わせて、お年寄りの見守りをする実験が始まっている。プライバシーを損ねずに健康管理までできれば素晴らしいが、それには、今後、いろいろなメーカーや自治体の参加と工夫が必要だ。

*1:http://qbiz.jp/article/31067/1/ (西日本新聞 2014年1月25日) 
主役は最新エコカー 燃料電池、電気 技術の競演 福岡モーターショー
 24日開幕した「福岡モーターショー2014」の会場では、燃料電池車(FCV)や電気自動車(EV)など、最新のエコカーがひときわ目につく。環境問題や省エネへの関心が高まる中、自動車メーカーは環境技術を競っている。2015年の発売を控えるFCVの試作車「FCVコンセプト」が展示されたトヨタ自動車のブース。来場した男性が「この形で発売するのか」と質問すると、担当者は「基本的にこの形です」と答えた。FCVは、燃料電池で水素と酸素を化学反応させてモーターを動かし、二酸化炭素(CO2)を出さない「究極のエコカー」と呼ばれる。トヨタは水素タンクと燃料電池を小型化して床下に収納することで、セダンの開発に成功。3分の水素補給で500キロを走れ、トヨタの村上邦昭技術統括部主査は「安全にも自信がある。いよいよ市販される時代が来た」とPRした。会場ではFCVの試乗会もあった。福岡県と北九州市が実証実験中の公用車など4台を用意。運転席でハンドルを握ったり、同乗したりする人たちでにぎわい、FCVへの関心の高さをうかがわせた。
 住宅メーカーのブースでは、アイシン精機が2年前に売り出した家庭用燃料電池「エネファーム」を展示。都市ガスから水素を取り出して発電し、電力と給湯でエネルギーの9割を利用できる。FCVへの注目度の高さを追い風に、家庭での水素エネルギー活用を訴えた。
 EV重視の戦略を貫く日産自動車は、開発中のEV3台を披露した。リーフの技術を応用し、大型化を実現したワゴン「e−NV200」は、主にタクシーや商用車向けに年内の市販を目指す。法人営業担当の駒津知史さんは「FCVは水素ステーションが少なく、まだ先の技術。家庭でも充電できる手頃な技術のEV普及に注力する」と、対抗心を燃やした。海外勢もEVに熱心。米国ベンチャーのテスラモーターズは、フル充電で500キロ走行できる新型セダンを展示。ドイツのBMWも新型EVを出展し、会場でもFCV対EVの競争が熱を帯びている。
<福岡モーターショー 27日までの午前9時半〜午後6時(27日は午後5時終了)、マリンメッセ福岡など3会場で。一般1300円、高校生800円。事務局=092(711)5583。>

*2:http://qbiz.jp/article/31061/1/ (西日本新聞 2014年1月25日) 
水素エネルギーに熱視線、産学官組織がセミナー 福岡モーターショー
 福岡モーターショーに合わせ、次世代エネルギーとして注目を集める水素への理解を深めようと、水素を活用する燃料電池自動車をテーマにしたセミナーが24日、福岡市博多区の福岡国際会議場で開かれ、目前に迫ったFCV時代について話し合った。福岡県の産学官推進組織「福岡水素エネルギー戦略会議」が主催し、約100人が参加した。セミナーでは、開発を担当するトヨタ自動車技術統括部の広瀬雄彦主査が、2015年に発売する燃料電池自動車「FCHV−adv」を「車としてだけでなく、移動電源としても期待されている」と紹介した。トヨタが1997年に世界初の量産型ハイブリッド車(HV)のプリウスを発売し、昨年末には世界でのHV販売台数が累計600万台を突破したことに触れ、「新型車は普及に時間がかかるが、今回はホンダやヒュンダイなど他メーカーも同時期に販売するので(普及が早まると)期待している」と話した。車専門のニュースサイト「レスポンス」の三浦和成編集長は、「FCHV−adv」に試乗した感想を「非常にパワフルで乗ってみると驚く」と語り、販売価格を「555万〜915万円」と予測した。25日午後3時からは、福岡国際会議場で、九州大大学院オートモーティブサイエンス専攻の学生が「インターンシップがつなぐ企業と大学の人づくり」について発表する。

*3:http://www.nikkei.com/article/DGXNZO65833750U4A120C1LX0000/
(日本経済新聞 2014/1/25) エコカー、次世代へ加速 福岡モーターショー開幕
<日産の3人乗りスポーツEV「ブレイドグライダー」><トヨタの燃料電池車「FCVコンセプト」><テスラ・モーターズの「モデルS」>
 24日に福岡市で開催した「福岡モーターショー2014」。目玉は燃料電池車(FCV)を中心とした次世代型のエコカーだ。デザイン性を強調した電気自動車(EV)など、若い世代にアピールしたエコカーにも来場者が関心を寄せた。九州の自動車メーカーにはFCVやEVの生産予定はないが、来場者からは「実際に買いたい」との声が多く聞かれた。同日午前の開会式で、福岡県の小川洋知事が「モーターショーを通して北部九州の将来性を国内外にアピールする」と宣言し、4日間のモーターショーが始まった。注目を集めたのは、トヨタ自動車のFCV「FCVコンセプト」。高いデザイン性に加え、1回の水素充填での走行距離が500キロメートル以上という燃費性能も売りの一つだ。トヨタ、日産自動車、ホンダはFCVの試乗会を開いた。トヨタのFCVを運転した北九州市の会社員、中村仁さん(50)は「ハイブリッド車(HV)よりさらに静かな乗り心地だった。値段が自分の条件に合えば、買ってみたい」と話した。米EVベンチャーのテスラ・モーターズも、福岡市役所で最新EV「モデルS」の試乗会を実施。試乗は事前申し込みが必要だが、「4日間分の試乗受け付けのうち、24日昼時点で既に半分以上が埋まっている」(同社広報)ほどの人気だ。今回のモーターショーのテーマは「クルマの力 未来への力」。EVなどのエコカーを軸に、車離れが進んでいるとされる若い世代にアピールする企業が目立った。日産は3人乗りのコンセプトカー「ブレイドグライダー」を展示した。三角形の車体が特徴的なEVで、将来の一般販売も視野に入れている。福岡市の持永太一さん(31)は「面白いデザイン。一度はぜひ運転したい」と話した。ダイハツ工業も軽自動車のスポーツ車「コペン」を展示。多くの来場者が同車の前で足を止め写真を撮っていた。将来の車のユーザーとなる子供に向けたイベントも目立った。トヨタ自動車九州(福岡県宮若市)と日産自動車九州(同県苅田町)は25、26の両日、小学4~6年生向けに二足歩行ロボットやEV模型の工作教室を実施する。自動車メーカーが子供向けの工作イベントを福岡モーターショーで行うのは初の取り組みで「工作を通しモノづくりの面白さを伝えたい」(トヨタ九州)と話す。トヨタの豊田章男社長が25日に行う講演も、大学生や工業高校に通う高校生など未来の技術者に向け、車の魅力を訴える内容になる見通しだ。前回までのモーターショーの講演は自動車部品メーカーの経営者向けに行われていたが、「九州での自動車生産が定着した今、若い世代を育てることに講演の力点を移した」(福岡県商工部)という。24日の来場者は2万2457人。天候にも恵まれ、12年の前回の初日(2万1751人)を3%上回った。

*4:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140125&ng=DGKDZO65851470V20C14A1TJ2000 (日経新聞 2014.1.25) 「見守り」進化 病気も発見 遠隔地の親、ITで安否確認 水道や血圧計と連動 トイレの回数増 → 糖尿病?
 郷里で暮らす年老いた親は無事だろうか。インターネットで見守るサービスが進化している。これまでは安否の確認がせいぜいだったが、いまや日々の暮らしの様子や、病気の兆候までわかるようになってきた。岐阜県郡上市和良町の下洞地区。石神勇雄さん(84)が田んぼの手入れから帰ると、電話が鳴った。愛知県に住む次女の加代子さん(56)だ。「お父さん、どうしたの? 大丈夫?」。加代子さんは、スマートフォン(スマホ)に水を使ったというメールが来ないので心配したという。石神さんは「なんだ、慌てて。たまたま水を使ってなかっただけだ」と笑った。
●利用状況を解析
 ITホールディングス傘下のクオリカ(東京・新宿)などは2013年6月、郡上市内で民家2軒の水道メーターに通信機器を設置。見守りサービスの実証実験を始めた。水の使用量などのデータはクラウドに収集・解析する。普段どおり水を使っているか。何時間も使われないと家族のスマホなどにメールが届く。専用サイトではいつでも水の使用状況を確認できる。加代子さんは「遠くにいても安否を教えてもらえる。こんなにありがたいことはない」と話す。石神さんも「誰もいないところで死ぬと迷惑かかるし、安心だ」と語る。このサービスでわかるのは安否だけではない。水の使い方から健康状態まで推測できる。同社は水道メーターのデータをクラウドに収集し、性別や年齢別、病気など、様々な世帯の水道の利用パターンを解析。それと照合すると、トイレの回数が増えたら糖尿病、1日に何度も入浴するようになったら認知症など疑わしい病名まで特定できる。クオリカの前身はコマツの子会社。建設機械に設置したセンサー情報の解析で故障の予兆を見つけるシステムを開発した。その技術を見守りに応用した。価格は初期費用が3万円、月額4千円。郡上市での実証実験を経て4月から岐阜県内100世帯で本格導入する。「見守り」も、度を過ぎれば「監視」になる。カメラで四六時中撮影されれば気詰まりだ。クオリカの宮下孝夫テクノロジーインサイド事業推進室長は「水道ならば意識せず、ストレスもない」と語る。
●健康管理に一役
 OKIは血圧計や体重計で測定したデータを簡単に記録し、日々の体調変化をテレビやパソコン、スマホで確認できるシステムを開発した。本人はもちろん、離れて暮らす家族もパソコンやスマホでデータを確認できる。血圧計や体重計などの計測データを近距離無線規格「ブルートゥース」で無線機器に自動送信。そこからクラウドに送られる。クラウドでデータを蓄積・解析。結果はサーバー経由で家庭のテレビに配信される。計測結果を自分で記録する手間なしに血圧や体重の変化をテレビ画面のグラフで確認でき、本人は健康管理がしやすくなる。家族も数値に異変があれば駆けつけられるし医療機関などに連絡できる。OKIは異常を検知すれば医療機関や自治体などにメールで知らせるサービスも検討する。

*5:http://qbiz.jp/article/30896/1/
(西日本新聞 2014年1月23日) 人感センサーで独居高齢者「見守り」 IT企業と唐津市実証へ
 人の動きや呼吸、室内環境などをセンサー技術で自動検知し、1人暮らしの高齢者の状態を見守るシステムの実証実験を、佐賀県唐津市とIT関連企業のフリービット(東京)が27日から始めることになった。総務省の「ICT街づくり推進事業」で採用された委託事業の一環。フリービットは昨年参入したスマートフォン事業やデータ解析事業に力を入れており、すでに唐津市にコールセンターを置くなど関係が深い。唐津市も65歳以上の高齢者比率が25%と高いことから、同社の技術力と通信インフラを活用した高齢者支援の枠組みを検証することになった。実証実験では、市内に住む1人暮らしの高齢者50人と、その家族や民生委員らに参加してもらう予定。高齢者50人のうち、13人の住宅内に3種類のセンサーを置く(センサーの種類は以下の通り)。
■寝返りや呼吸の様子を検知できるセンサー
■プライバシー配慮のため、人の動きの骨格映像だけを送信するセンサー
■室温や湿度、気圧などの室内環境と健康状態との関係などをビッグデータ分析するためのセンサー
 高齢者の家族や民生委員には、映像やデータで異常を検知すると、無償提供する専用スマートフォンあてにメールを自動送信するほか、スマートフォン上で常時、高齢者の動きや呼吸の状態も確認できる。このほか、高齢者には専用タブレットを配布。質問に答えるだけで健康レベルが確認でき、診断を受ける時期や診療科の種類が分かるシステムを使ってもらう。タブレットの使い方が分からない高齢者もいるため、37人の高齢者にはフリービットのコールセンターに電話してもらい、担当者がこのシステムを「代行」する形をとる。実証実験は3月半ばまでの予定。フリービットは「実証結果を踏まえ、2014年度中の有償による事業化ができるか判断したい。全国で行うか、唐津市など地域限定で行うかは未定」としている。

| 2014年東京都知事選::2014.1.1~2 | 12:45 PM | comments (x) | trackback (x) |
2014.1.24 原発は再稼働させず、直ちに脱原発して水素社会に移行すべきである。そして、原発都知事選も、何が何でも原発推進の「えげつなさ」と再稼働阻止の「まっとうさ」の戦いだ。(2014.1.25追加あり)
    
   *1より                 現在の東京下町風景

 私も、*5に書かれているように、名護市長選で、辺野古移設に反対した現職の稲嶺進市長が再選したことをよかったと思っており、「えげつなさ」と「まっとうさ」の戦いだったというのはうまい表現だと思った。そして、これは東京都知事選における原発再稼働問題にもそのままあてはまり、私は、有権者のソフト・パワーで「まっとうさ」が勝つことを願っている。

(1)原発再稼働の是非は、電力の大消費地である東京に託された重要な課題であり、都知事選の結果は他の地域にも影響を与えるということ
 *1、*2に記載されているように、原発再稼働を問う東京都知事選は、新首都像を実現する選択のラストチャンスだ。何故なら、そのエネルギー体系を前提として、東京で開催されるオリンピック前に街づくりやインフラの更新が進められるからで、私は、この選挙が、原発再稼働をせず、人にやさしい水と緑の街づくりをする岐路だと考えている。

 そのため、原発再稼働などさせず、原発に使う金があったら新エネルギーに投資した方が、*3のようなエネルギー革命が速く進むのであり、それをやってくれる候補が当選して都知事になることが必要だ。そして、電力の大消費地である東京都民の選択は、その他の地域にも大きな影響を与える。

(2)電力の大消費地である福岡県も原発再稼働を争点にすべきだ
 *3のように水素社会の先端実証が進んでいる九州でも、家や車に燃料電池を備え、排気ガスの排出を0にしながら、クリーンで、快適で、かつ燃料費の安い生活に切り替えるため、次回の福岡県知事選、福岡市長選では、原発再稼働をするか否か、争点にしてもらいたい。*3には、「100年かけて燃料電池の社会をつくりたい」と書かれているが、本気でやれば100年もいらない。また、*4のように、水素はロケット燃料としては既に使われてきたもので、実用化の実績ある燃料であるため、原発関連に使う金があったら新エネルギーを基本とした新しい街づくりに使う方が合理的でまっとうな選択だと思う。

 なお、やり方の例は、東京都環境局(http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/energy/index.html)のHPから入ると、スマートエネルギー都市推進事業で、「東京都が目指す『低炭素』『「快適性』『防災力』の3つを同時に備えたスマートエネルギー都市の実現のためには、これまでの創エネルギーに加えて、エネルギー利用の効率化・最適化を促進することが必要」「そこで都は、家庭やオフィスにおいて、エネルギー利用の見える化を図り、需給の最適な制御を行うエネルギーマネジメントを推進するため、平成25年度から次の5つの事業を実施する」等として、具体的な取り組みが書いてある。

(3)九州、特に熊本県は地熱の宝庫なのに、熊本県民はどう考えているのか
 *2には、「細川氏が知事を務めた熊本県の市民から同氏の立候補に批判的な見方があり、『首相のとき、佐川急便からの1億円借金問題で説明責任を果たさないまま辞任し、国民の期待を裏切った。原発即ゼロも代替案が示されず、現実離れしている。言行不一致の政治はこりごりだ』と話した」と書かれているが、これが熊本県民の多数派でないことを願いたい。熊本県は、阿蘇山を有し、地熱と自然の宝庫なのだから。

 また、たいしたこともないことをものすごく悪いことをしたかのように「政治と金」問題で挙げられた政治家というのは、だいたい、その時の既得権者(抵抗勢力)もしくは権力が望まない一般有権者本位の政治方針を実現しようとした人であることに、有権者もそろそろ気付くべきである。既得権者(抵抗勢力)は、既得権益を守るためには命もかけ、金と権力を使って何でもするため、このように有権者の支持が離れれば、一般有権者本位の政治が挫折して、「言行不一致の政治」になるのであり、ここで敗北したのは、組織化されていない一般有権者にほかならない。

 なお、私は、原発即ゼロの代替案を、ずっと前から何度も提示しており、現在は、理解したくない人が理解しないだけという状況なのである。

*1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/2014tochiji/list/CK2014012302000113.html (東京新聞 2014年1月23日) 「原発」問う 都知事選きょう告示 新首都像描ける好機
 東京都の猪瀬直樹前知事の辞職に伴う都知事選が、二十三日に告示される。投開票は二月九日。岐路に立っている原発政策や都民の暮らしについて論戦が展開される。元首相の細川護熙(もりひろ)氏(76)は二十二日、都庁で正式な立候補会見を行い、「原発再稼働にストップをかけ、原発に頼らない東京を実現する」と「原発ゼロ」を表明。元航空幕僚長の田母神(たもがみ)俊雄(65)、元厚生労働相の舛添要一(65)、前日本弁護士連合会会長の宇都宮健児(67)の三氏は、日本記者クラブでの会見に相次いで臨んだ。
 細川氏は会見で「浜岡原発(静岡県)などで事故が起きれば、都民の生活、安全、財産が壊滅的被害を受ける。原発問題こそ東京の最重要テーマ」と指摘。大量生産・大量消費型の社会から、抑制的な成熟社会へ転換を強調した。専門家らでつくる「東京エネルギー戦略会議」で具体策を検討し、脱原発へ向けた基本計画を作成するほか、再生可能エネルギー普及などに取り組む。また原発から出る放射性廃棄物の処分について「東京は当然、ある意味で負担しないといけない」と述べ、受け入れの可能性に言及した。二〇二〇年五輪で被災地の東北地方と連携することや、日本橋(中央区)の上部を通る首都高速の排除など景観向上にも力を入れる。
 一方、田母神、舛添、宇都宮の三氏の会見でも原発政策が焦点となった。将来も原発を活用する立場の田母神氏は「原発を使わなければ電力供給が十分にできない。自然エネルギーでは国内総生産が伸び悩む」と主張した。脱原発を志向するものの、実現時期を明確にしていない舛添氏は、再稼働について「原子力規制委員会に意見をもらい、政府が決定する」と説明。東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の廃炉提案を打ち出している宇都宮氏は「新潟県知事との連携を強化する。国の原発政策は、都が一歩踏み出すのが大きな影響を与える」と述べた。
◆生かす「三度目の正直」
<解説>思えば「三度目の正直」である。三年間で三回目の東京都知事選。石原慎太郎氏は四選から一年半で都政を投げ出し、猪瀬直樹氏はカネの問題で退場した。都民不在のドタバタ劇は二度とご免だが、参加型の「選挙劇場」なら特等席で見ない手はない。多彩な主役がそろい、元首相や元都知事ら、応援に回った脇役も豪華。こんなに面白い選挙は久しぶりだ。歴代の都知事は七人。一九四七年、初代の安井誠一郎氏が示した戦後復興のモデルは、意外なことに北欧の水の都だった。「ストックホルムのような文化首都をつくる」。第二次世界大戦に巻き込まれず、福祉を充実させた中堅クラスの国の首都。そんなイメージがある。かたや、七代目の猪瀬氏は「世界一の都市」を目指した。国際的な政治経済の中心ニューヨーク、五輪を成功させたロンドンが目線の先にあった。戦後六十九年、目標とする都市の移り変わりが示すように、東京は目覚ましい経済成長を遂げた。しかし一方で、社会のひずみが人と人の「格差」や、少子高齢化として表れ、未曽有の大震災と原発事故にも見舞われた。原発や核のゴミを地方に任せ、電力の大消費地として便利さだけを享受するスタイルを、このまま続けるのか。人が減り、街が老いる中、足元の暮らしをどうするか。本来は、3・11後の二回の都知事選で、候補者が踏み込んだ論戦をしなければならなかった。それが争点に浮上した今回は、真正面から向き合える貴重な機会だ。未来の首都像。シナリオを作るのは私たち一人ひとりだ。劇中人物の動きをしっかりと見定め、心に響くせりふを探したい。

*2:http://qbiz.jp/article/30999/1/
(西日本新聞 2014年1月24日) 「ほかは大した違いない」小泉流、一本勝負 都知事選告示
 2009年の政界引退以来、小泉純一郎元首相(72)が久しぶりに東京で街頭演説に立った。都知事選が告示された23日、細川護熙元首相の応援弁士として「原発即ゼロ」の一本勝負で17日間の選挙戦を戦い抜くと宣言した。政府、与党が最も警戒する小泉氏こそ、選挙戦の陰の「主役」。政界随一の勝負師と言われた小泉氏は、有権者1千万人の民意を突き動かすことができるのか−。
 「都政の問題は原発だけじゃない。確かにそうです。防災、医療福祉、待機児童。しかし、原発を除いた他の問題は、誰が知事になっても大した違いはない。最も大きな違いは、原発をどうするかだ」。同日午前、都庁前の第一声。細川氏に続いてマイクを握ると、小泉節を全開させ、原発の争点化回避を狙う自民党を一蹴した。オレンジ色のネクタイに白髪のライオンヘア。身ぶり手ぶりで絶叫する姿は現役時代をほうふつとさせる。
 午後の渋谷駅前では、さらに踏み込んだ。「3年前の東日本大震災。日本にとって大ピンチだが、日本を変えるチャンスである。変えることができるのに、なぜ立ち上がらないのかという憤りの念が私の胸に燃えてきた。原発ゼロは実現できる夢なんです」。原発ゼロを「無責任」と切り捨てた政治の弟子、安倍晋三首相への痛烈な批判。隣の細川氏は演説に涙ぐんだ。
 夕方の新宿駅前では政府がエネルギー基本計画案で原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置付けたことをやり玉に挙げた。「メルトダウンがなかったかのように1月に閣議決定しようとした。ところが都知事選の争点にしたくないと閣議決定を先送りした。目をそらそうとしている」。この日、他陣営を圧倒する聴衆を集めた。だが、01年の党総裁選、05年の郵政選挙で街頭を埋め尽くした群衆には遠い。声の張りも衰えを隠せない。「小泉劇場」の再演となるかは見通せない。「迫力がある。やっぱりすごい。原発も同じ考えです」。渋谷で主婦(60)はうなった。「きれい事だ。原発は知事が意見することではない」。新宿で男子学生(22)は首をひねった。小泉氏は演説をこう締めた。「本当に原発を進めていいのか。原発なしでやっていくのか。決めるのは皆さんだ」
◆原発即ゼロ、九州で賛否
 都知事選が告示された23日、細川護熙元首相が「原発即ゼロ」の選挙公約を打ち出したことを受け、九州では、原発の立地自治体から「都知事選の結果で国の政策が左右されるのはおかしい」などと争点化を疑問視する声が出た。一方で脱原発派は「首都、最大の電力消費地で原発を見直す議論が活発化する意義は大きい」と歓迎している。
 「東京の判断で、こちらの生活がおびやかされるのは間違っている」。九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の機器点検に従事する溶接会社社長、中間則行さん(39)=同市=は憤る。原発を「重要な電源」と位置付ける予定の国のエネルギー基本計画に影響しないか心配している。「結果次第で再稼働の時期が遅れるかもしれない」。こう懸念するのは、同玄海原発(佐賀県玄海町)で働く作業員向け旅館を営む川口昭子さん(71)=同県唐津市。一方で「いつまでも原発に頼れない。都知事選で原発政策の議論が深まることはいいことだ」と複雑な思いを口にした。脱原発を主張する九電消費者株主の会、木村京子代表(66)=福岡市東区=は「細川氏が勝てば、福岡など全国各地で原発が争点となる地方選挙が増えるのではないか」と期待した。細川氏が知事を務めた熊本県の市民からは、同氏の立候補に批判的な見方があった。山鹿市の自営業、山下学さん(58)は「首相のとき、佐川急便からの1億円借金問題で説明責任を果たさないまま辞任し、国民の期待を裏切った。原発即ゼロも代替案が示されず、現実離れしている。言行不一致の政治はこりごりだ」と話した。

*3:http://qbiz.jp/article/30709/1/ 
(西日本新聞 2014年1月19日)水素社会迫る 家、車に燃料電池、CO2ゼロ 先端地福岡実証進む 
 家庭やオフィス、自動車などのエネルギー源として水素を活用する「水素社会」の幕開けが迫ってきた。トヨタ自動車などは、次世代自動車の本命と位置付ける燃料電池車(FCV)を2015年に市場に投入する計画。水素を安全に大量に輸送、貯蔵する技術開発も進む。水素社会が到来すれば、再生可能エネルギーの活用も加速しそうだ。水素が注目されるのは、利用時に地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)などの有害物質を出さないため。水素と酸素を化学反応させ効率的に発電する燃料電池から出るのは水。究極のクリーンエネルギーだ。供給源も多様。石油や天然ガス、バイオマスから造ったエタノールなどから水素を取り出せるほか、製鉄所や製油所などで副次的に発生する「副生水素」も活用できる。太陽光や風力などの再生可能エネルギーは天気次第で出力が変動するのが導入拡大のネックだが、水を電気分解すれば、水素の形でエネルギーを蓄えることが可能。水素をトルエンと反応させて輸送、貯蔵する方法をプラントメーカーや石油会社が開発中で、太陽が降り注ぐ南の島や風が強い離島など消費地から離れた場所の自然エネルギーを活用しやすくなる。燃料電池の性能も向上しており、大規模発電用は発電効率70%超を目標に開発中。家庭用では、電力と給湯でエネルギーの9割を活用できる製品が販売中で、ガス会社は「送電ロスなどの無駄を減らせる」とアピールする。
 水素社会の到来を告げるFCV。エンジンはなく、燃料電池で発電してモーターを回す仕組みで、災害時には発電機としても利用できる。トヨタは、水素ステーションでの3分間の水素充填(じゅうてん)で現在のガソリン車並みの500キロを走れるFCVを15年に発売する計画。価格については「現在は1千万円を切った段階で、15年の市販までに引き下げたい」と力を込める。水素社会に向けた取り組みで熱心なのが福岡県だ。水素研究が盛んな九州大学を中心に、04年8月に全国初の産学官推進組織「福岡水素エネルギー戦略会議」が発足。「福岡水素タウン」として同県糸島市の住宅約150世帯で家庭用燃料電池の省エネ効果を検証するなど、実証実験を積極的に進めてきた。北九州市八幡東区東田地区では、11年1月に新日鉄住金八幡製鉄所からパイプラインで副生水素を直接供給し本格利用する世界初の実証事業を開始。商業施設や集合住宅での水素利用が始まっている。FCV普及の鍵を握る水素ステーションは福岡市西区の九大伊都キャンパスと、北九州市の東田地区に整備済み。FCVの公用車やマイクロバスが実際に利用しながら、運営コストなどを調べている。九大は「水素エネルギー国際研究センター」を軸に、研究者約300人が水素の製造、輸送・貯蔵、利用などを研究開発しており、「組織的研究では世界一」。財団法人水素エネルギー製品研究試験センターは、水素ステーション用の大型水素容器の性能を調べられる試験施設を糸島市に建設中で、4月に稼働する予定。性能向上やコストダウンにつなげて、国が掲げる15年度末までの水素ステーション100カ所整備を後押しする。
◆国の企業支援が鍵
 九大水素エネルギー国際研究センターの佐々木一成センター長に水素の安全性や課題などを聞いた。
−福岡で最先端の水素研究を進める意味は。
 「北部九州をけん引する産業が自動車だ。百数十万台を組み立てる生産拠点だが、頭脳部分がない。究極のエコカーである燃料電池車(FCV)の研究と技術開発、製造を九州で一貫してやりたいという地域の期待がある」
−普及への課題は。
 「水素爆発が怖いというイメージがあるが、危険性は都市ガスと変わらない。水素について知ってもらうことが大切だ。規制の問題もある。日本は米国、欧州に比べて住宅が密集しており、安全基準が厳しい。現在5、6億円かかる水素ステーションの整備費を引き下げる必要がある。それでもステーションの数は限られる。FCVの普及とステーションの整備は、鶏と卵の問題。国がサポートし、企業が事業に踏み出せる制度をつくることが、最初の1、2年は大事だ」
−水素社会は到来するか。
 「ハイブリッド車は普及するのに10年かかった。市販段階に来たFCVもインフラ整備に時間がかかり、本格的な普及までには10年はかかる。産業用や業務用の燃料電池はガスのインフラを使えるので普及は早い。2015年から20年には導入が始まるとみている。(熱を機械的エネルギーに変換する)熱機関全盛の時代が300年続いた。100年かけて燃料電池の社会をつくりたい」

*4:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140124&ng=DGKDZO65793520U4A120C1ENB000 (日経新聞 2014.1.24) 岩谷産、水素事業への期待で高値
 岩谷産業の株価が約20年ぶりの高値圏にある。燃料電池車普及への期待から、年明け以降、買い注文が先行。17日には昨年来高値(691円)を更新した。半導体製造やロケット燃料に使う水素で国内シェア5割強を持つ。燃料電池車向けの水素ステーションも運営しており「燃料電池車の普及で恩恵を受ける代表的な銘柄」(岩井コスモ証券の有沢正一投資調査部副部長)。昨年12月に経済産業省が水素をエネルギー源とする「水素社会」実現への行程表作りに着手する方針を示し、業績拡大への期待感が高まった。もっとも、燃料電池車の量産は2015年からの計画で、岩谷産の水素事業は先行投資がかさみ収益への寄与は低い。14年3月期の連結営業利益は前期比11%増の185億円を見込むが、その約7割は液化石油ガス事業で稼ぐ。SMBC日興証券の村上貴史シニアアナリストは「水素事業への期待先行で株価が上昇した」と指摘する。直近の株価上昇で予想PER(株価収益率)も約19倍と、過去5年間の平均(約14倍)を上回る。23日は利益確定売りで4%安となり「目先、調整局面に入る可能性が高い」(国内証券)との声もある。上値追いには業績面などで新規の買い材料が求められそうだ。

*5:http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=61174
(沖縄タイムス社説 2014年1月23日) [名護市長選再論]「まっとうさ」を貫こう
 名護市長選は「えげつなさ」と「まっとうさ」の戦いだった。札びらをちらつかせて基地受け入れを迫る政府のえげつないやり方に対し、市民は「まっとうさ」を大切にする姿勢を変えなかった。弱い立場にある者の「まっとうさ」が沖縄のソフト・パワーだということを結果で示したのである。
 政府・自民党は、移設問題が争点化するのを避けるための理屈付けに腐心した。「基地の場所は政府が決めるものだ」という石破茂自民党幹事長の発言はその典型である。読売新聞は選挙後、署名入りの自社評論を掲げ、「地方選を悪用するな」と主張した。「地方の首長選で国政の課題を争点化することはなじまない」と評者は指摘する。国家の根幹にかかわる外交・安保は、高度な専門性を必要とする。だから政府に任せておくべきだ、との考えは確かに根強い。本土の保守系首長がしばしば、「外交・安保は国の専権事項」だと強調するのも同じ論理である。だが、一般論を持ち出して沖縄の基地問題を論じ、県内移設を正当化するのは、的外れで一面的だ。このような見解は、沖縄の戦中・戦後の歴史体験や、今も続く過重負担の現実、これからも半永久的に続くとみられる基地負担には何も触れていない。米軍基地の新設は、地方自治、人権、環境保全、子どもの教育など、あらゆる分野に深い影響を与える。市民の平和的生存権を脅かし、地域に分断と対立をもたらす問題が自治体の首長選の争点になるのは至極当然なことである。
    ■    ■
 米国の国民は米国の国内法によって守られている。日本本土の住民の多くは基地の過重負担を免れている。住民の権利を守るはずの日本の国内法よりも地位協定が優先され、日常生活が脅かされているのは沖縄特有の現象だ。米軍用地収用特措法は、沖縄の未契約米軍用地問題に対処するために改正された。地主が契約を拒否しても土地を返してもらうことが事実上、できなくなった。米軍再編特措法は、米軍再編を推進するため、沖縄、神奈川などを想定して制定された。「基地受け入れを認めれば、お金をあげましょう。でも、認めなければあげないよ」という政策だ。石破幹事長は選挙中、移設推進候補を支援するため、財源のあいまいな500億円の基金創設を表明。現職の稲嶺進市長が再選したとたん、基金の話は消えてしまった。品格が疑われるようなえげつない話である。
    ■    ■
 政府は選挙後、地元の理解を得ながら粛々と進めていく、と語った。代替施設建設に向けた設計、生物調査を進めるため沖縄防衛局が入札を公告したのは選挙の2日後。言葉とは裏腹に、市民の切実な思いを逆なでしたのである。一事が万事こんな調子だ。日米両政府は、基地既得権を半永久的に維持するため、地方自治の健全な発展を阻害し、ずたずたにしている。普天間移設問題が名護市長選の争点になったのは、政府自身が市民をそこに追い込んだ結果である。


PS(2014.1.25追加):*6のように、発電に使っていなかったダムもあり、低いコストでの水力発電増加も可能だ。
*6:http://qbiz.jp/article/31062/1/
(西日本新聞 2014年1月25日) 水力発電所改修へ JNC、熊本県内3ヵ所で
 チッソの事業子会社JNC(東京)は24日、熊本県内の3カ所の水力発電所を改修すると発表した。発電効率の高い機器を導入することで、出力は現在の計1万2600キロワットから7・1%増の1万3500キロワットに上がる。投資額は計48億円。改修するのは、七滝川第1と第2(ともに御船町)、川辺川第2(相良村)。いずれも完成して70年以上たつが、国の再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を利用して売電することで新たな収益につながると判断した。3カ所ともに2月に着工。七滝川の2カ所は2016年4月、川辺川第2は17年2月に完成する。同社は、今回の3カ所を含め、熊本県を中心に九州に13カ所保有する水力発電所の改修を順次進めている。このほか、九州で水力発電所や太陽光発電所の新設も検討している。

| 2014年東京都知事選::2014.1.1~2 | 11:31 AM | comments (x) | trackback (x) |
2014.1.19 都知事選の争点は多いが、日本最大の電力消費地である東京の責任は大きい (2014.1.20追加あり)


(1)東京都民への要望
 あるブログ(http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20140119)でアンケートをとったところ、上の図の結果となり、原発問題への関心は8位と低かったそうだが、日本最大の電力消費地である東京が、今後、どういうエネルギーを使っていくかについて意思表示をすることは都民の役割であり、東京が変われば日本も変えられるだろう。そのため、*1、*2、*3のように、細川元首相は何とかしようと必死の思いで立候補し、小泉元首相が応援しているのである。なお、私も脱原発票が割れるのは心配しており、宇都宮健児氏には司法の側面から徹底してやっていただくという方法もあると思う。

 残念ながら、*4、*5のように、国は、国民をごまかしてまで原発再稼動に突き進んでいる。そのため、電力の大消費地である東京都民は、何由来の電力を使いたいのか、原発再稼動は是か非かの審判もしてもらいたい。なお、上図の上位に上がった問題は、首相経験者なら誰でもやれるし、都庁内にも多くのアイデアがある筈だ。そして、原発を再稼動しないことを決めてしまえば、他のエネルギーの普及を邪魔する者はなく、準備は既にできている。

 *4の自民党森派の領袖だった森元首相は、面倒見はいいものの、1937年生まれで小学校時代はいじめの常連、勉強はそれほど出来ず、早稲田大学ラグビー部監督のスポーツ推薦を受けて早稲田大学第二商学部に入学し、早稲田大学雄弁会を経て政治家になった人である。そのため、大きなエネルギーと言えば原子力を思い出されるのかも知れないが、判断の基礎となる科学的知識はあまりない。

(2)電力自由化で電力不足は解消する
 骨抜きにせず電力自由化を行えば、超電導電線を敷設して他地域から東京に電力を送ることもできるし、新電力も伸びることができる。そのため、*4の「『原発即ゼロ』なら五輪返上しかない」とする森元首相の発言は、単なる脅しである。

 電力に関しては、これ以外にも「原発はコストの安い電源である」「原発が再稼動しなければ電気料金を上げる」など、地域独占の弊害からくる嘘と脅しの発言が多かったが、これこそ糾弾し、本当に安い国内産の電力を使うようイノベーションを進めて、生産性を上げることが必要である。また、地域独占でなくても安定した供給が行われることは、他のすべての産業で証明されている。

(3)原発頼みのエネルギー基本計画と国民負担による東電救済はおかしい
 *6に書かれているとおり、東電の再建計画が、まだ原発頼みで、国費を投入して事故負担の軽減を図っているのは、あまりにも反省がなく無神経だ。そして、国が、エネルギー基本計画で原発を重要なベース電源と位置付け、なし崩し的原発再稼働を進めようとしているのは、放射線公害への認識が全くないと言ってよい。また、国民負担より前に、東電の株主や金融機関に負担を求めるべきである。

 なお、2016年度からの電力小売り自由化を睨めば、東電は、新エネルギーへシフトし、原発は再稼働より廃炉に専念して、国の支援もそこに力点を置くのが、フクシマを経験した後にやるべきことだろう。

*1:http://gendai.net/articles/view/news/147226
(日刊現代 2014年1月15日) 「脱原発」都知事選 「小泉-細川」が仕掛ける“反安倍”戦争
 都知事選で小泉純一郎元首相が細川護煕元首相を全面支援することになったが、これは小泉の安倍自民党に対する“宣戦布告”だ。ケンカを売られ、当初は表に出ないつもりだった官邸もムキになってきた。いよいよ全面戦争である。14日のぶらさがり会見。小泉は出馬する細川以上に力が入っていた。細川を支援することについて、「喜んで」「積極的に」という言葉を使い、前のめりな姿勢をわざわざアピールしたのだ。そのうえ、「細川氏が当選すれば、原発問題で国政を揺るがす大きな影響力を与える知事になる」と都知事選を国政マターに引き上げ、「原発ゼロでも日本は発展できるというグループと、原発なくしては日本は発展できないというグループの戦いだ」と、原発推進の安倍首相に敵意をむき出しにした。完全に“火”のついた小泉は、選挙戦で街頭にも全面的に立つ。対する舛添陣営。除名問題もあり、自民党は都連推薦にとどめ、本部は表に出ないはずだった。が、小泉から宣戦布告され、引っ込んでいられなくなった。舛添も14日の出馬会見で、政策の一番手に「五輪成功」を掲げ、「世界一の東京を目指す」と発言。「世界一」が大好きな安倍カラーに染まり、舛添と自民党が一体化しつつある。

*2:http://www.asahi.com/articles/ASG1L4FDCG1LUTIL00S.html?iref=com_top6_05 (朝日新聞 2014年1月18日) 細川氏、原発再稼働認めない方針 都知事選、22日会見
 23日告示の東京都知事選で、立候補を表明している元首相の細川護熙氏(76)が22日夕に記者会見を開き、具体的な政策を公表することになった。脱原発については、「原発の再稼働を認めない」とする方針を固めた。陣営の複数の関係者が18日、明らかにした。細川氏は当初、15日に会見を開いて政策を公表する予定だったが、陣営は17日に延期。さらに16日には、会見の日程を再度変更して「20日以降」にすることを示していた。細川氏は14日、小泉純一郎元首相と会談し、都知事選に立候補して脱原発を中心に訴える意向を表明した。再稼働を認めない方針については、22日の会見で詳細を語るという。

*3:http://www.47news.jp/CN/201401/CN2014011801002303.html
(47ニュース 2014年)1月19日) 細川氏、安倍政権への懸念強調 都知事選で政見
 東京都知事選(23日告示、2月9日投開票)に立候補する細川護熙元首相(76)は18日、原発再稼働などを進める安倍政権への懸念を強調するとともに、都政の継続性に配慮を示すことを柱とした「政見」をまとめた。「東京が日本を変える」をキャッチフレーズに掲げる。原発の再稼働を認めないなど脱原発を柱とする5項目の公約と併せ、22日の記者会見で発表する。細川氏の政見は、安倍政権が進める原発・エネルギー政策に加え、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加や集団的自衛権の行使容認、特定秘密保護法制定を批判。中韓両国との関係悪化も非難する。「都市間外交」の積極展開も打ち出す。

*4:http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2020/politics/20140118-OYT1T00775.htm
(読売新聞 2014年1月18日) 「原発即ゼロ」なら五輪返上しかない…森元首相
 2020年東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会の会長に就任する森元首相は、18日のテレビ東京の番組で、小泉元首相が訴えている「原発即時ゼロ」について、「6年先の五輪のためにはもっと電気が必要だ。今から(原発)ゼロなら、五輪を返上するしかなくなる。世界に対して迷惑をかける」と批判した。

*5:http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2013052202100003.html (東京新聞 2013年5月22日) 原発電力 政権二枚舌 世界から疑問の恐れ
 二〇二〇年東京夏季五輪は電力の余裕が十分あると国際公約しながら、国内では電力の安定供給のために原発再稼働を進めるという相反する説明を安倍政権がしている。電力確保は国民生活や経済活動はもちろん、世界各国から大勢の人が訪れる五輪開催に不可欠。整合性の取れた説明がなければ開催計画の信ぴょう性が疑われかねない。安倍政権発足後のことし一月、五輪招致委員会は国際オリンピック委員会(IOC)に詳細な開催計画書「立候補ファイル」を提出した。電力に関する項目では「東京では、既存の配電システムで、二〇年東京大会で発生する(電力の)追加需要に対応することができる」と明記した。ここに、東電や他の電力会社の原発再稼働方針は書かれていない。にもかかわらず、ファイルでは電力は今後も安定して確保できるとアピールした。最大の根拠として、昨年七~八月の東電管内の最大電力需要五千七十八万キロワットに対し、七百八万キロワットの予備力があったことを挙げた。この時期は東電の全原発が停止中。国外に向けては、再稼働がなくても電力に余裕があると宣伝したことになる。加えて、今後の新たな電力増強策として(1)東電が一五年までに既存の電力発電所の増強や新設で約三百万キロワット(2)東京ガスグループが約二百万キロワットの天然ガス発電所を建設・保有する-と列記した。これらの余力は計約千二百万キロワット。日本の平均的な原発十基分に相当する。ファイルは、IOC委員が五輪開催地を決める際の重要な判断材料。「東京大会のコンセプトは都や国との綿密な協議を重ねて作られた」と政府のお墨付きを得たと強調している。安倍晋三首相は招致委の最高顧問。全閣僚が特別顧問に名を連ねる。だが安倍政権は、国内向けには原発再稼働へと前のめりの姿勢を隠さない。この問題は、四月二十五日の参院予算委員会で取り上げられた。生活の党のはたともこ氏が、ファイルの電力に関する記述が正しいなら原発再稼働は不要だとただすと、茂木敏充経済産業相はファイルの内容について「間違いがあるか、ないかはお答えする立場にはない」と答弁。「電力供給は、ある時点とか東京が良ければいいという話ではない」と原発再稼働の必要性を強調した。茂木氏の発言は、ファイルの内容に誤りがあるかの印象を国内外に与えかねない。それでも安倍首相は五月十五日の参院予算委員会で、今後の再稼働について「できる限り早く実現していきたい」と表明。柏崎刈羽原発の再稼働を目指す東電を後押しした。東京五輪の最大の目的の一つは、震災からの復興のアピール。だが、矛盾しているともとれる説明は、日本が原発事故から得た教訓と向き合っているのかどうか、国際社会に疑問を抱かせるおそれがある。

*6:http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014011602000139.html (東京新聞社説 2014年1月16日) 東電再建計画 原発頼みは筋が通らぬ
 政府が認定した東京電力の新たな総合特別事業計画(再建計画)は国の支援を強化し、東電の事故負担の軽減を図って再建を確かにする狙いがにじむ。フクシマの反省や教訓はどこへいったのか。いわば国と東電が二人三脚で作った再建計画である。エネルギー基本計画で原発を「重要なベース電源」と位置付ける政府と当事者である東電の合作では、なし崩し的に原発再稼働が盛り込まれるのは予想できた。だが、過酷事故を忘れてしまったかのような、あまりに無神経な計画の内容ではないか。再建計画では、被災者への損害賠償は従来通りに東電が支払うが、電力会社が除染など事故処理の費用をすべて負担する枠組みを見直し、国と東電の役割分担を明確化した。除染のうち、実施・計画済みの費用は国が保有する東電株の売却益を充て、東電の負担を軽くする。確かに、一企業では背負いきれない巨額費用を東電に押しつけるだけでは事故収束が進まないおそれがある。国も原発を国策として推進してきた以上、国費の投入はやむを得ないとの声はある。しかし、国費投入とは、原発と全く関わり合いがない沖縄県民も含め、国民負担が何兆円も生じることである。東電への融資や投資で利益を上げてきた金融機関や株主の負担を求めるのが本来の筋である。原発を推進した経済産業省などの関係者が誰一人として責任を問われていないのもおかしい。再建計画では、東電の収益体質の強化も柱の一つとしている。燃料調達の改善や海外投資などの改革も描くものの、切り札は相変わらず原発である。今年七月以降、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を順次目指すとした。福島原発の汚染水問題すら収束せず、今なお十五万以上の人に避難を強いていながら、収益優先で原発に固執する姿勢は到底理解を得られまい。汚染水の貯蔵タンクで溶接費を節約したばかりに大量流出を招いたように、東電がこのまま収益重視の経営を続ければ、安全対策はおろそかになろう。再稼働の議論より先に、フクシマの検証と総括もやはり必要だ。二〇一六年度からの電力小売り自由化をにらめば、ガス販売や原発に代わる新エネルギー事業へシフトし、原発は再稼働より廃炉に専念、国の支援もそこに力点を置く。それが福島事故を経験した東電の生き残る道ではないか。


PS(2014.1.20):フクシマ3号機の原子炉建屋床面で、1リットル当たり2400万ベクレルのベータ線を出す放射性物質が検出されても、その漏えい箇所と原因が特定できないなどと言っている東電。フクシマ3号機は爆発したため、今さら原因を言えないのに決まっているではないか。

*7:http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2014/01/post_9063.html
(福島民報 2014/1/20) 放射性物質2400万ベクレル 第一原発3号機の漏水
 東京電力は19日、福島第一原発3号機の原子炉建屋の床面で見つかった漏水を分析した結果、ベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり2400万ベクレル検出されたと発表した。漏えい箇所と原因は特定できておらず、東電は調査を続ける。分析では、ベータ線を出す放射性物質以外に放射性セシウム134が1リットル当たり70万ベクレル、同137が170万ベクレル検出された。水温は20度だった。東電は1~3号機の溶融燃料を冷やすため原子炉内への注水を続けている。今回見つかった水は注水時の水よりも放射性物質濃度、温度とも高く、東電は「注水段階で直接漏れたものではない」としている。原子炉の格納容器の損傷部分から冷却後の水が漏れている可能性があるという。東電によると、原子炉内の温度や水位に変動はない。

| 2014年東京都知事選::2014.1.1~2 | 06:09 PM | comments (x) | trackback (x) |
2014.1.10 内部被曝の無視で、傷害罪や殺人罪が成立しそうな原発事故の真実が隠されている東京都知事選挙は、「脱原発」も重要な争点とすべきである。また、なぜ関東は除染しないのか。(2014.1.11最終更新)
   
                 改善の余地が多々ある東京の街

(1)東京都知事選における脱原発の争点化について
 現在、東京都知事選の有力候補として挙がっているのは、元厚生労働大臣の舛添要一氏(自民支援、公明検討中)、元日弁連会長の宇都宮健児氏(社民・共産推薦)、元首相の細川護熙氏(小泉元首相との連携待ち)などである。このうち、舛添さんは脱原発ではなく、宇都宮氏と細川氏が脱原発候補だ。また、元日弁連会長の宇都宮健児氏は、多重債務者の救済のために利息制限法の改正に尽力した方で、私も衆議院議員時代、与党である自民党側からこれに協力した。また、宇都宮氏は、東日本大震災時の日弁連会長として、震災や原発事故の対応に関し、次々と有意な対策をとられたことが記憶に新しい。

 そして、*1のように、菅義偉官房長官(自民党)は、「東京には原発がないため、東京都知事選に原発問題は争点としてなじまない」との認識を示されたそうだが、有無を言わさず原発由来の電力を使わされ、膨大な事故処理費用負担させられている東京電力管内の電力需要者は、即時脱原発をするか否かの意思表示をしなければならないと、私は考えている。

 また、舛添さんには悪いのだが、*2のように、外国大使館や企業の本社機能が西日本や海外に移転し、モーターショーも重点が名古屋に移動するような状況では、東京都民の損失は測り知れず、①今後も原発の電力を使用するのか ②原発事故の対応は適切だったのか ③東京の除染は十分か ④内部被曝への対応はこれでよいのか など、首都圏の住民が争点として評価すべき事項は多い。

(2)まちづくりは、まず人が住める環境作りから
 東京都知事選には、タイムリミットのできた2020年東京五輪に向けた街づくりや少子高齢化対策の論点は大切だが、東北だけでなく関東でも、年間1mSvを超える場所が多いため、これらの場所は、除染すべきである。

 しかし、原発事故の後処理は、*3のように、「細野は、原子力委員会委員長の近藤駿介がつくった『近藤シナリオ』を説明し、それを初めて知った馬淵は『東日本がなくなるぞ』と血の気がひく思いだった」「事故は収束に向かっているというこの当時の楽観的な報道とは、まったく異なる悲観的な予測がそこには記されていた」という状況なのであり、「最悪の事態を想定した対策の中には、外部に漏れるとパニックを招きかねないため、極秘とされるものもあった」という具合なのである。そして、これは、当事者から独立した多方面の情報を集めればわかるため、事故直後からネットでは言われていたことで、私も2011年7月からこのブログに記載している。

 そのため、ここでは、日本のメディアの堕落と、国民の命よりパニックを恐れて公表しなかった為政者の態度が問われるが、まわりの意外な人たちが次々と健康を害したり、亡くなったりしている最近の状況から、東京都民は既にそれを感じているのではないだろうか。

(3)呼吸と食品からの内部被曝と環境の軽視
 *4によれば、「福島県と市町村が計画を作ったうえで米の全袋検査を行い、放射性物質が基準値より少なければ、販売することも可能とすることにしている」ということだが、*5、*6で書かれているように、首都圏の土壌も汚染されているため、風が吹く度に放射性物質が空中に舞い上がり、それを呼吸で吸い込んだり、肌や眼を荒らしたりする同時に、そこで栽培された食品も汚染されている。しかし、米は、事故直後の放射能暫定基準値が500Bq/kg以下で、2012年10月より新基準値に変って100Bq/kg以下となったものの、米を加工した食品は、ずっと500Bq/kgのままで基準値以下とされている状況なのだ。

 そして、日本国内のメディアや学者は内部被曝に関する言及が少なく、事故を過小に見せることに加担しているが、それによって国民は必要な防御もできずに、健康を害して病気になる。そのため、私たちは放射性物質や放射能汚染水には、敏感でなければならないのだ。

*1:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140110-00000076-jij-pol
(時事通信 2014年1月10日) 原発、争点なじまず=菅官房長官―都知事選
 菅義偉官房長官は10日午前の記者会見で、東京都知事選の争点として2020年東京五輪開催に向けた街づくりや少子高齢化対策などを挙げ、「基本的には自分の生活に身近な問題が争点になるのではないか。国政選挙とは違う」と述べた。東京には原発がないことを念頭に、原発問題は争点になじまないとの認識を示すとともに、「脱原発」を掲げての出馬を検討する細川護熙元首相をけん制した発言とみられる。菅長官は「原発が設置されている地域の首長を決定する選挙では、やはり(原発問題が)争点になるのだろう」とも指摘した。

*2:http://blog.goo.ne.jp/skrnhnsk/e/0bc8677e39e2708597b0d6c29f9f4c8b
(2013-12-23) 東京から各国政府と大企業が逃げ出し!?大使館が続々西日本移転!モーターショーも名古屋に移動!
 福島原発事故後、大企業や各国政府の大使館が続々と西日本に移転しています。現時点で判明している福島原発事故後に大使館を移転させた国は、ネパール、クロアチア、コソボ、スイス、ドイツ、フィンランド、オーストリア、バーレーン、アンゴラ、ガーナ、ケニア、ナイジェリア、ナミビア、ブルキナファソ、ベナン、ボツワナ、マラウイ、モーリタニア、モザンビーク、リビア、リベリア、レソト、エクアドル、グアテマラ、ドミニカ共和国、パナマなどがあり、こんなにも多くの大使館が数年足らずで一斉に動いたのは初の事態です。また、東京から離れているのは大企業も同じで、今までは東京に多くのメーカーが集結していたモーターショーも、名古屋の方へ移動。アメリカの自動車企業上位3社は1社も東京のモーターショーには出展しませんでしたが、名古屋のモーターショーでは全部が出展しました。国内メーカーも日立が本社機能の一部と日本の従業員を海外移転させることを決定しており、大企業や各国政府レベルでは東日本離れが着実に進んでいるのです。文科省の公開している放射能汚染地図を見てみると、西は静岡県や長野県付近、北は青森県付近までかなり濃い放射能が広がっているのが分かります。各国政府や大企業が離れていっている場所もこのエリアと一致しているため、一連の東日本離れは福島原発事故による放射能汚染が原因だと言えるでしょう。

☆一時閉鎖・移転している東京の大使館情報
URL http://matome.naver.jp/odai/2130093029856737001
●外務省広報による一次閉鎖・移転した大使館の一覧
アジア: ネパール
欧州: クロアチア、コソボ、スイス、ドイツ、フィンランド、オーストリア
中東: バーレーン
アフリカ: アンゴラ、ガーナ、ケニア、ナイジェリア、ナミビア、ブルキナファソ、ベナン、ボツワナ、
  マラウイ、モーリタニア、モザンビーク、リビア、リベリア、レソト
中南米: エクアドル、グアテマラ、ドミニカ共和国、パナマお気に入り詳細を見る
●詳細がわかった大使館
スイス大使館
一時的に大阪に移管。
大阪府大阪市北区梅田3-3-20 明治安田生命大阪梅田ビル14階
06-4797-2399
http://www.eda.admin.ch/eda/ja/home/reps/asia/vjpn/embjpn.html
ドイツ大使館
大使館業務を一時的に大阪・神戸の総領事館に移管。
大阪市北区大淀中1-1-88 梅田スカイビル タワーイースト35F
06-6440-5070
http://www.tokyo.diplo.de/Vertretung/tokyo/ja/Startseite.html
フィンランド大使館
3月19日より広島に業務移管。
広島市中区鶴見町2-19
http://www.finland.or.jp/Public/

☆名古屋モーターショーが開幕! 東京を超えるブランド数で初日から大盛況に!
URL http://news.mynavi.jp/articles/2013/12/13/motorshow/index.html
 今回で18回目を数える名古屋の恒例イベント「第18回名古屋モーターショー」が12日、開幕した。東京モーターショーの後に開催されるこのショーは、これまで「東京の縮小版」としての色合いが強かったが、今回は違う。出展した自動車ブランド数はじつに47。東京モーターショーを超えているのだ。
東京への出展を見送った輸入車ブランドも、名古屋モーターショーでは大挙して出展。プレミアムカーブランドも数多く出展し、さながら「スーパーカーショー」の様相を呈していた。東京には1社も出展しなかった米国ビッグ3もそろい踏みしたが、中でも注目は、「シボレー コルベット」だろう。日本では12月9日に正式発表されたばかりで、一般へのお披露目はこの名古屋モーターショーがほぼ初めてと言っても過言ではない。ロングノーズ、ショートデッキのプロポーションは維持しながらも、現代的な解釈で生まれ変わったコルベットは適度に筋肉質であり、適度にインテリジェンスも感じさせる。「アメリカンマッスル」といってもアクの強さは影を潜めており、日本人にも受け入れやすいエクステリアになっていると感じた。

☆日立社長:本社機能の一部、来年にも海外移転へ
URL http://mainichi.jp/select/news/20131210k0000m020064000c.html
 日立製作所の中西宏明社長は9日、毎日新聞のインタビューに応じ、情報・通信システム事業や鉄道事業の本社機能の一部を来年にも海外に移転する方針を明らかにした。海外に移転するのは売上高目標や投資などの計画を立案する「コントロールタワー」と呼ばれる事業戦略部門。従来は日本で戦略を練っていたが、中西社長は「市場の一番盛り上がっているところ、変化の激しいところにコントロールタワーを持っていくことが重要。いろいろな判断を現地側でやらないと本当の成長はできない」と移転の意義を語った。日本から社員の一部を異動させる。

☆総務省 人口推計(平成25年(2013年)6月確定値,平成25年11月概算値)(2013年11月20日公表) URL http://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.htm

*3:http://digital.asahi.com/articles/DA3S10909574.html?iref=comkiji_redirect&ref=reca
(朝日新聞 2014年1月5日) (プロメテウスの罠)汚染水止めろ:3 東日本なくなるぞ
 上京した馬淵澄夫が2011年3月26日、真っ先に行くように指示されたのが、資源エネルギー庁や原子力安全・保安院が入る経済産業省の別館526号室だった。入室する前、「ちょっと」と細野豪志が手招きする。空き部屋に入ると、細野は、原子力委員会委員長の近藤駿介がつくった「近藤シナリオ」を持ち出して説明し始めた。初めて知った馬淵は「東日本がなくなるぞ」と血の気がひく思いだった。事故は収束に向かっているというこの当時の楽観的な報道とは、まったく異なる悲観的な予測がそこには記されていたからだ526号室への入室を促された。細野に「このプロジェクトのリーダーの馬淵さんです」と紹介され、あいさつした。すでに会議は始まっていたが、専門的な内容でなんのことだかわからない。このときから始まった会議は「放射線遮蔽プロジェクトチーム(PT)」と呼ばれる。政府と東京電力がつくる対策統合本部の傘下にあるPTの一つだった。放射線遮蔽PTは、東電、経産省、保安院をはじめ、原子力委員会、防衛省や外務省、そして東芝など原子炉メーカーや大手ゼネコンまで加わる大がかりな会議体だった。米国の原子力規制委員会のメンバーも常時2、3人が出席している。近藤シナリオを未然に防ごうと、福島第一原発からの放射能汚染をいかに食い止めるかがミッションだった。最悪事態を想定した対策の中には、外部に漏れるとパニックを招きかねないため、極秘とされるものもあった。統合本部の事務局長に就いた細野は記者会見など表舞台をこなし、馬淵は極秘PTの主宰者という黒衣役に徹することになる。初会議を終えた後の午後3時半、馬淵は官邸に行った。馬淵が訪れると、首相の菅直人(67)は薄暗い執務室に一人でいた。ひどく疲れた様子だった。「原発が大変なんだ」とポツリと言った。補佐官に任じられた馬淵に秘書官がつけられた。一人は馬淵が国土交通副大臣、国交相だった1年4カ月、ずっと秘書官を務めてくれた国交省の事務官、米津雅史(44)。もうひとりは同省の土木技官、大野昌仁(48)。2人とも馬淵が信頼する中堅で、直接指名して引き抜いた。2人は特命スタッフ「チーム馬淵」の中核メンバーとなる。

*4:http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/7470531.html (Livedoor'Brog 2013年12月25日) 被曝と食品 - とある原発の溶融貫通(メルトスルー) 
何よりも嘘が嫌いです 福島 コメ作付け制限地域を縮小へ 
 農林水産省は、東京電力福島第一原発の事故の影響でコメに含まれる放射性物質の量が国が定める基準値を超えるおそれがあるとして作付けを制限していた福島県の一部の地域について、来年産のコメから試験的な栽培を認めることになりました。東京電力福島第一原発の事故に伴って栽培されたコメに含まれる放射性物質の量が国の基準値を超えるおそれがあるなどとして、農林水産省は、ことし生産されるコメについては、福島県の避難指示区域に指定されている地域、5300ヘクタールの水田で作付けを制限していました。しかし、ことし8月、避難区域の見直しが終わり、一部の地域で将来のコメの生産に道筋をつけたいという声が出ていることなどから、農林水産省は、「帰還困難区域」を除く3900ヘクタールで、来年産のコメの試験的な栽培を認めることになりました。この試験栽培では、水田の一部を使って実際にコメを栽培し、出来たコメにどの程度放射性物質が含まれるか検証する目的です。さらに、試験栽培から将来の作付け再開に向けて準備を進めたい場合には、県と市町村が計画を作ったうえで全袋検査を行い、放射性物質が基準値より少なければ、販売することも可能とすることにしています。農林水産省では「今回、作付け制限の地域を大幅に縮小するが、あくまで地域の事情に合わせて、可能な範囲で対応できるようにした」と話しています。意図的に誤解を狙っているとしか思えません。

*5:http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/7472868.html 
IAEA 原発事故300キロ圏内の農畜産物の出荷停止を提言、被曝と食品御用学者の嘘
(要点)
 御用学者たちの間では未だに内部被曝の危険を出来るだけ低く見せようという試みがされているが、御用学者の集まりでもある IAEA(International Atomic Energy Agency)ですら、2005年の時点で「(チェルノブイリ級の)重大事故の後は300キロ圏内の農蓄産物は出荷停止にすべきだし、放射性物質を含んだ食物の摂取に関しては厳格な制限が必要」との提言を出していたことは注目に値する。
 2005年当時、これを国際標準とすることに猛反対したのが、日本の原子力安全・保安院と原子力安全委員会だ。そんな国際標準ができてしまえば、万が一の事故の際に莫大な被害を国全体にもたらすことが明らかになってしまい、原発の安全神話が崩れてしまうからだ。典型的な「安全神話作り」の歴史だが、いざチェルノブイリ級の重大事故が起きてしまった今となってしまっても、未だに安全神話の維持のために内部被曝のリスクを過小評価し、その結果、数十万人の人たちに不必要な被曝をさせつづけている、というのが今の現状である。内部被曝を外部被曝と同じシーベルトに変換することには意味がない。外部被曝を起こすガンマ線と、内部被曝を起こすアルファ線・ベータ線とではDNAに対する影響のしかたが大きく異なるからだ。外部被曝と異なり、体内に取り込まれた放射性物質は、たとえごく少量でもその近傍の細胞を確実に傷つける。傷ついたすべての細胞が癌化するわけではないが、傷つく細胞の数が多ければ多いほど、その損傷がもとで癌・白血病・心筋梗塞などの疾病を引き起こす可能性が高くなる。内部被曝による疾病を避けるためには、摂取する放射性物質を可能な限り少なくすることが必要だ。ちなみに、1ベクレル(Bq)とは1秒間に1つの原子核が崩壊して放射線を出す放射性物質の量。100Bq/Kgの放射性物質を含む米1キログラムは、1秒間に100回放射線を出す。そんな米を80グラムを含む一膳のご飯を食べると、それがお腹の中にある間に1秒間に8回放射線を出す。1日だけお腹の中にとどまったとしても69万回だ。ICPP(国際放射線防護委員会)の研究によると、1日あたり10ベクレルの放射性セシウムを含む食事を2年間続けると(つまり100Bq/Kgの米を毎日1膳ちょっと食べ続けると)、体の中に1400ベクエルのセシウムが常に残留した状態になるという。放射性セシウムを1日10ベクレル摂り続けると700日(約2年)で体内蓄積量は1400ベクレルを超える。そんなご飯を食べるか、と言われてもちょっと食べる気になれないのは当然だ。それを「風評被害」と呼んで過小評価することは、「少女売春」を「援助交際」というオブラートに包んだ言葉に包んで過小評価するのと同じ行動だ。

*6:http://kobajun.chips.jp/?p=14746 (ニューヨークタイムズ 2013年10月24日) 【終わるはずの無い環境破壊 – 止まっていない!大気中・海洋中への放射性物質の漏出 : 福島第一原発 】《前篇》 『新たな事故』が作られつつある福島第一原発、偽りの安全、偽りの安定を信じるのは危険!
 新たな汚染水の漏出は、別の深刻な問題を作り出している事実が明らかになってから数か月たった今も、破壊された福島第一原発からもたらされる悪い知らせの氾濫が、止めどなく続いています。今年の夏、福島第一原発を管理する東京電力は汚染された地下水が毎日数百トンという単位で海洋中に流れ込んでいることを認めましたが、新たな事故の発生により、福島第一原発から環境中に放出されている放射性物質の量は、減るどころかむしろ増え続けている有様です。今週新たに報じられたのは、汚染された雨水が擁壁を乗り越えて溢れだしてしまったというものでした。その2週間前には作業員が汚染水の配管を誤って外してしまい、10トン以上の汚染水が流れ出して付近の地面を水浸しにした上、作業員自身も複数が汚染水を浴びてしまいました。こうした事故が相次ぐ状況により、福島第一原発の事故について新たな疑問が持ち上がることになりました。染水の漏出が続いているが、周辺環境への漏出はどの程度の規模なのか?そして、2年半前に発生したそもそもの事故に新たな事故が加わったことにより事故の規模は拡大し、日本の人々は新たな危険にさらされているのではないか?さらには長い時間を必要とするものの、多方面から期待されている、環境中に放出された放射性物質の放射性崩壊が進むことによる、環境の回復始まっているのか?などの問題です。この数週間の間に行われた複数の科学者に対するインタビューは、専門家といえどこうした問題に対する答えを出すことは困難であるという状況を示唆しています。その中には、福島第一原発の沖合、海底の幅広い場所で放射線量が異常に高いホットスポットが複数確認されましたが、それが2011年3月の事故によるものなのか、それとも最近の汚染水の漏出によるものなのかの判断なども含まれます。しかしこうした研究者や福島第一原発を管理する立場の東京電力が確認した様々な事実は、福島第一原発周辺が予断を許さない状況にある事を示唆しています。最近明らかになった汚染水の太平洋への漏出は、事故当初よりも大規模になってしまっていることが疑われています。そして汚染水の漏出量は、2015年に完成を予定している凍土壁が完成するまで、減少させる手立てが見つからない可能性があります。この問題とは別に、今や多くの日本人は福島第一原発からの大気中への放射性物質の放出は止まっているものと考えていますが、実際には大気中への放出は現在も続いているのです。「この状態が続けば、深刻な環境破壊がゆっくりとではあっても、進行し続けることになります。」福島第一原発の汚染水の漏出状況について調査を続けている、産業技術総合研究所・地質調査総合センターの地球物理学者である丸井敦尚(あつなお)氏がこのように語りました。「汚染水の漏出に終止符を打たなければ、我々は新たな『人災』を引き起こす危険を冒すことになります」。しかしインタビューを行った福島第一原発の現状について最も懸念している科学者の中にも、今回の汚染水の漏出が直ちに人間に対する脅威が拡大していると考えている科学者はいませんでした。福島第一原発周辺で生活していた80,000人の住民たちは事故後、ただちに避難を行い、周辺海域での漁業は現在厳しく制限されていることから、新たな汚染水の流出が、ただちに人間に被害を与える可能性はほとんど無いとしています。しかしこの科学者たちも、環境への影響は全くの別問題だと語っています。そして現在大気中、そして海洋中に漏出が続いている放射性物質の量は、事故直後のものと比較すればかなり低いものであるとはいえ、正常に機能している原発に課される制限をはるかに超える量の漏出が、現在も続いていると語りました。東京電力、日本政府ともに、汚染水問題は目下の緊急課題というほどではないという態度をとっています。外洋に流出した放射性物質は広大な太平洋の中で希釈され、高濃度の汚染水は福島第一原発の専用港内に閉じ込められた状態にあり、それ以外の潜在的脅威は存在しないという立場をとっています。しかし、太平洋に流出した放射性物質が、ほとんど影響がないところにまで希釈されていること、そして事故の影響を受けた東日本各所の地下水や水道水の放射線量が、安全基準を満たしていることには同意する科学者も、新たな汚染水の漏出が別の深刻な問題を作り出している可能性について懸念を深めています。広範囲にわたる場所で、放射線量が異常に高いホットスポットが確認されている問題とは別に、日本の水産庁は、福島県沖で獲れた海底棲息魚介類の10分の1以上から、政府が定める安全基準を超える放射性セシウムが検出されていることを明らかにしています。


PS(2014年1月11日追加):森派で東京電力取締役だった加納時雄前参議院議員が強力な原発推進派だったし、森元首相も原発推進派であるため、森元首相が、*7を言いたい気持ちはわからなくはないが、自分の信念を掲げて立候補するのは当然のことである。それが何故、「原発を絡めて通ろうとする人は心がやましい」という話になるのか全く不明だ。それに対し、*8の東京新聞記事はもっともだ。

*7:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140111-00000500-san-pol
(産経新聞 2014年1月11日) 知事選 森元首相、細川氏を批判
 森喜朗元首相は10日夜、BS日テレの番組に出演し、細川護煕元首相が小泉純一郎元首相と「脱原発」で連携し東京都知事選へ出馬する意向を固めたことについて「小泉氏の原発反対論で知事選を勝とうしている。卑怯だ。フェアではない。原発を絡めて通ろうとする人は心がやましい」と批判した。

*8:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014011102000113.html
(東京新聞 2014年1月11日) 細川氏出馬へ国政に一石 金曜デモ「脱原発」歓迎
 「国の政治を変えるきっかけに」-。「脱原発」を掲げる細川護熙元首相(75)が東京都知事選への出馬の意向を固めたことに、首相官邸前で原発抗議活動をしている人々からは十日、歓迎の声が上がった。電力の最大消費地である首都の顔選びで、原発をどう位置付けるのか。一人ひとりの一票が、国の針路に一石を投じる選挙にもなりそうだ。冷え込み厳しい中、この日も官邸前には分厚いコートを着込んだ人らが集まり「原発ゼロを撤回するな」などの声を上げた。三鷹市の大村みどりさん(70)は「日本の人口の十分の一が住む東京の都知事選をきっかけに国民の声を国政に届けたい」と話す。今の政権は特定秘密保護法や原発で、国民の声に耳を傾けないという危機感を抱く。生活保護の削減など、弱者に厳しい政策に苦しむ友人も少なくない。「本来は国政で問うべき問題だが、まずは東京都を都民の声を聞く都政にし、それが国政を変える動きにつながれば」。中野区の公務員大岡薫さん(61)も、都知事選を国政を変えるきっかけにしたいと考える。ただ細川氏の立候補で、脱原発を掲げる候補者が二人になり、票が割れることに懸念もある。「原発はもちろんだが、他の政策もみて誰に投票するか決めたい。知名度に流されず、政策で都知事が決まるような選挙になってほしい」と話した。「国民の声を聞かずに突き進む自民党政権を支持していないぞ、ということを示したい」と話すのは世田谷区の派遣社員女性(33)。脱原発の候補者が二人に増え、原発が大きな争点になることを期待する。「道徳を強化するなど教育の問題も心配。原発以外の問題も見ていきたい」と厳しい表情で語った。あきる野市の松本勝利さん(62)は脱原発とともに、都営住宅や保育所を増やすなど若者が暮らしやすい都政を願う。「東京都が解消すべきさまざまな問題を問う選挙になれば」と言う。目黒区の高校三年生塔嶌(とうじま)麦太さん(18)は、事故が起きなくても、人が被ばくをしなければ動かない原発はやめるべきだと考え、デモに参加してきた。「東京は影響力が大きい。まだ選挙権がないのが残念。選ぶ人にも責任があるということを真剣に考えて投票してほしい」と大人たちに願いを託した。

| 2014年東京都知事選::2014.1.1~2 | 04:30 PM | comments (x) | trackback (x) |

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