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2012.7.30 計画経済が失敗したのは、すでに歴史上の教訓なのに・・。
 このブログの2012.7.27に記載した「2030年時点の原発比率を0%、15%、20~25%のどれにするか」とか*1の「2020年までに新車販売に占める電気自動車などの次世代自動車の割合を5割に高める」などということを政府が決めるのは、すでに歴史上失敗して破綻した計画経済そのものである。

 政府が足を引っ張らなければ、市場原理によって、新車販売に占める電気自動車などの次世代自動車の割合は100%近くになるだろう。なぜなら、燃料費がすこぶる安い上に環境を汚さず、さらに操作性もよい付加価値の高い車だからだ。ちなみに、私は、2005年の衆議院議員当選時から現在までプリウスに乗っているが、忠実で賢く、低コストで走りのよい感心する相棒であった。

 従って、もし政府が何かをするとすれば、もう電気自動車などの次世代自動車の普及を抑えるのではなく、速やかに普及を進めるためのインフラ整備をすべき時だ。そうしなければ、せっかく日本発の21世紀の技術も、またまた他国に追随しなければならなくなる。技術者が寝る間も惜しんで技術開発をしているのに、時間をかけることに価値を見出すようなマネージメントは、いい加減にして欲しい。タイムリーでなければ価値がなくなることが多いのだから。 怒

*1:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/315658 (西日本新聞 2012年7月30日)
政府、日本再生戦略を決定 次世代自動車を5割に
野田首相(左端)を議長に開かれた国家戦略会議=30日午後、首相官邸 政府は30日、国家戦略会議(議長・野田佳彦首相)を開き、新車販売に占める電気自動車などの次世代自動車の割合を5割に高めるなど、2020年までの成長戦略をまとめた「日本再生戦略」を決定した。環境、医療、農林漁業の三つを重点分野として今後3年間で集中的に投資。20年度までの平均で名目3%、実質2%の成長を目指す。環境・エネルギーや医療・健康、観光分野で計100兆円を超える新市場と、480万人以上の雇用を創出するなど20年の数値目標も設定した。再生戦略は31日に閣議決定し、13年度予算で重点枠を設けて財源を優先配分する。

| 経済・雇用::2011.8~2012.9 | 04:35 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.7.27 ゼロエミッション住宅のネットワークと電気自動車という選択をすれば、CO2を25%以上削減して快適に暮らせるのに、原発を守る人は、それが国益・地球益だと思っているのだろうか? 現在の電力システムや原発産業を守ることは、次世代のエネルギー産業の足を引っ張っている。
 *1のように、経団連は、「2030年時点の原発比率の選択肢0%、15%、20~25%であるのは、実現不可能」としている。私も、この政府のパブリックコメントに返事はしていないが、私の場合は、「2030年で原発比率を0%にするのでは甘すぎるため、この選択肢では答えられない」からである。福島原発事故では、政、官、財、メディアが如何に人の命を無視して原発を守ってきたかが明らかになり、私は、この機会を逃せば、次の大事故が起こるまで原発を0にするチャンスは失われると思っている。そして、次の大事故が起こった時は、日本には住む場所がなくなる。そのため、ここで原発の再稼働は止め、原発を廃炉にするしか選択肢はないのだ。  ぷん

 電気自動車や*2のゼロエミッションハウスなど、“CO2排出量ゼロ”で環境負荷のない創電・省電技術は世界で最初に日本企業が作った。しかし、*1のような反対で足を引っ張られ、我が国はトップランナーになれないのだ。一方、*3のように、中国では、海南島で実証試験を始めているのだから、*1のような産業界を持っている我が国との差がつくのは当然の結果である。しかし、再生可能エネルギー機器を製造している会社、自動車会社、住宅会社なども産業なのだから、経団連は本当は産業界の意見を反映していないと思われる。この状況なら、産業界も別の経済団体を作った方がよいのではないか?

 なお、原発のコストは安いという説明がよくなされるが、その言葉は、膨大な金額の使用済核燃料の最終処分場建設コスト、立地地域への交付金、原発の危機管理に関わる一切の費用、原発事故後の損害賠償費用をすべて電力会社に原発のコストとして負担させた上で言うべきである。また、他の発電方法との比較もそのコストを入れて行うべきである。私は、そのような費用を国から支出するのを止めれば、国は、本当に今後の役に立つ経済効果の高い投資ができるので、国がこれだけ支援しなければ成り立たないような原発は、今、ただちに廃止すべきだと思っている。それしかない。

*1:http://www.nikkei.com/article/DGXDASFS1002J_Q2A710C1EE8000/ (日経新聞 2012/7/11)
エネ計画、実現を疑問視 経団連「原発依存度に違和感」
経団連は10日、政府の「エネルギー・環境会議」が6月末にまとめた2030年の原発依存度など3つの選択肢のすべてについて成長率の前提などから「強い違和感がある」とし、実現を疑問視する見解をまとめた。月内にも政府に対して正式に提言する。エネルギー・環境会議による選択肢は30年時点の原発比率を0%、15%、20~25%とそれぞれ仮定し、再生可能エネルギーの比率や経済成長への影響などをまとめた。経団連はエネルギー需要を推計する基になる実質成長率が1%前後にとどまる点を問題視。政府が掲げる名目3%、実質2%の成長を達成しようとすれば「(政府案では)必要なエネルギーを確保できないおそれがある」と指摘した。再生可能エネルギーの比率を25%以上と設定している点には「実現可能性は疑問」と主張した。太陽光発電をすべての一戸建てに設置する案や、新車販売の7割をハイブリッド車などの次世代自動車にする対策にも否定的な見解を示した。

*2:http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090107/122744/ (日経新聞 2009年1月7日)
ゼロエミッションハウス~“CO2排出量ゼロ”のエコ住宅
先端のエネルギー・環境技術を集結した“究極”のエコハウス――それが、「ゼロエミッションハウス」だ。これは、2008年7月に開催された北海道洞爺湖サミットに合わせ、経済産業省資源エネルギー庁が主体となって建設したもの。「ゼロエミッション」とは、一言で説明すれば、自然への環境負荷がゼロということ。ゼロエミッションハウスでは、徹底した省エネと、太陽電池・燃料電池を活用した二酸化炭素(CO2)削減によってこれを達成。さらに解体時には建材をすべてリサイクルし、廃棄物を一切出さない仕組みを確立した。実物を見て驚くのは、あまりにも“普通の家”であることだ。よく見れば、随所に様々な最新環境技術が施されていることは分かるが、キャッチコピーにあるような「近未来型」というイメージからはほど遠い。この「普通であることこそが重要なのです」と、施工を手掛けた積水ハウスの温暖化防止研究所 所長である石田建一氏は言う。・・以下略・・

*3:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1702M_X11C10A2000000/ (日経新聞  2010/12/20)
中国海南島でゼロエミッション・リゾートの開発が始まる
中国の海南島で、ゼロエミッションを目指す「環境」と「医療」の二つをキーワードにしたリゾート地の開発が始まろうとしている。海南島は中国の最南端にある島で、面積は約3万2000平方キロメートル。九州と四国の中間くらいの大きさである。ベトナムやタイ、フィリピンに近く、上海やシンガポールからも1500kmとそれほど離れていない。東アジア圏を見渡したとき、ちょうどその中央付近にあるという好位置を占める。緯度はハワイとほぼ同じで、ほぼ一年中温暖な気候が続く。今回、開発が予定されているリゾート地は、海南島の東を流れる万泉河の両岸と中州のようにある6つの島、合計約600万平方メートルの土地を利用する。その6つの島の中で最大の「楽島」で、ゼロエミッションを目指す。・・中略・・ゼロエミッションに向けて、まず導入するのが再生可能エネルギーである。新しい橋と、楽島の中を走る環状道路に太陽光発電システムを設置し、合計1万1700kWの発電能力を確保する。このほか、島の東側に風力発電システムを5基(発電能力は合計400kW)設置し、同1500kWの地熱発電も導入する予定だ。試算によると、これら再生可能エネルギーの導入によって、楽島のCO2排出量を46%削減できる。
島内の移動手段も、いずれは電気自動車(EV)だけにしてゼロエミッションを目指す構想である。ガソリン車で来た人も、島の入り口でEVに乗り換える。EVは島内でカーシェアリングし、誰もが利用可能とする。・・以下略・・

| 環境::2012.10~11 | 10:38 AM | comments (x) | trackback (x) |
2012.7.25 現在の介護保険制度は未完成であり、本当は全世代を対象にすべきであること
 消費税増税は不要だと言うと、必ず「それでは代替財源は?」と反論される。すでに、より公正な制度に改善しながら、増税なき財政再建を行う方法をいくつも提案しているが、消費税増税自体が目的となっている人には、念仏のようだ。 パンチ

 今日は、そのうちの介護保険制度について述べるが、この制度は未完成品である。つまり、下のように、介護保険制度に加入して保険料を支払う人は、40歳以上の全員であるが、介護保険制度による給付を受けられる人は、65歳以上では殆どの病気に対応しているにもかかわらず、40~65歳では、「初老期認知症、脳血管疾患、がん末期など老化に起因する一定の疾病により介護や支援が必要となった人」というように、ひどく制限されており、さらに40歳未満の人は対象外だからだ。そして、40歳未満が介護保険の対象外であることにより雇用主の負担が少ないため、40歳定年制まで言い出されている。

<介護保険制度の運営主体>
 介護保険は、原則として市町村が運営し、諏訪地域、木曽地域、大北地域では「広域連合」である。

<介護保険制度の加入者 (被保険者)>
 介護保険制度に加入し、被保険者となる方は、下のとおりである。
・区分         第1号被保険者         第2号被保険者

・加入する人    65歳以上の人         40歳以上65歳未満で、医療保険に加入している人

・保険の給付   ・寝たきり、認知症などで   ・初老期認知症、脳血管疾患、がん末期など、老化に
            常に介護を必要とする人    起因する一定の疾病により介護や支援が必要な人
           ・日常生活に支援が必要な人

 しかし、介護を受ける状態になるリスクは40歳以下でも存在するし、祖父母や両親の介護負担が軽減されることを考えれば、介護保険制度を全世代に適用して給付の制限もなくす方が、公正で平等である。この場合、必要なことはするという原則にすれば障害者給付との調整は簡単だ。なお、「若い人に介護保険料を支払わせるのは厳しい」という論は、若い人を甘やかしすぎであり、高齢者には差別だ。

 そもそも、社会保障というのは、弱い立場になった時に社会的に支えるシステムを作り、日頃は安心して全力で働けるようにする制度であるから、一人の人間が、若いうちは元気で支払いが多く、高齢になったら病気がちになって給付が多いのは当たり前なのである。給付を受けなくて済むのは幸せくらいに考えるべきだろう。そして保険制度というのは、リスクの高い人も低い人も入っていなければ成立しない。

 また、これで苦情を言うようなわがままな若者を育ててはならないし、40歳以下が介護保険の対象外であることから40歳定年制を言いだすような企業を許してはならない。まして、社会保険料を支払わないために非正規雇用しか使わないような企業は論外であって、経費の節約は、他の方法で行うのが経営者の才覚である。

| 年金・社会保障::2012.4~2013.7 | 05:05 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.7.22 大津市の中学生いじめ自殺事件について
 大津市の中学生いじめ自殺事件については、*2の日弁連の意見は、多くの日本人が反対しないし、メディアもそういう報道をしがちですが、私は、*1のようなアメリカの考え方が正義感としてしっくりきます。何故なら、いじめた子どもの人権よりも、いじめられて自殺せざるを得なかった子どもやその家族の人権の方が、ずっと大きく棄損されており、決してそのことを忘れてはならないからです。

 それにしても、先生・学校・市教委・警察の行動は、信頼に値せず許し難いものです。また、そのようないじめを止めない道徳観を持つ先生や、被害者の問題として責任逃れをする学校に教育ができるのかについては大いに疑問です。そして、「これだからこういう大人が育ってきたのか・・」と思わざるを得ない局面も社会には多くあります。なお、これら一連の行動は、個々の人間の良心や正義感に基づくものですから、先生、市教委、警察官の、人間としての価値観や感受性、仕事への意欲が最も重要なのであり、システムの問題として弁解できるようなものではありません。また、システムを変えたからといって、その中で行動する人間の価値観、つまり正義感、道徳観、仕事に対する責任感が変わらなければ、状況が変わることはないでしょう。  怒

*1:http://nyliberty.exblog.jp/18561519/
●いじめを見ていた教師が放置(しかも自殺の練習をさせていた?!)。
●学校や市教委は隠蔽工作。
●地元警察の大津署は被害届を3度も受理せず・・・。
(ポイント)こんなことがあって本当に良いのか? 子どもや女性を守ろうという意識は、アメリカでは日本とは比較にならないほど強く、つい先月もタイム誌に、5歳の娘を守るため犯人を撲殺したお父さんが無罪になった事件の特集記事がありました。テキサス州の牧場の馬小屋で、娘が性的虐待を受け悲鳴をあげたところに父親が駆けつけ、犯人を素手で撲殺。大陪審は、お父さんは完全な無罪とし、一切の罪に問われないことになりました。タイム誌は、「子どもは自分を守れない。これが犯罪というのなら、多くの父親が子どもを守るために刑務所に行く。」と全面支持。また、読者の声として「完全に賛成、当然だ」などを紹介。日本ではこの手の話題に必ず出てくる「犯人の人権が・・・」などという声はどこにも見当たりません(撲殺されているのに!)。 
 また、これでも格式あるタイムやフォーブスは、記事タイトルも「なぜ無罪か?」「過剰防衛ではないのか?」といった感じで、一般紙や大衆紙よりずいぶん穏やかな論調で書かれている方です。さらにもう1つ付け加えると、加害者の「そんなつもりじゃなかった」とかそれを見ていた周囲の「そう思わなかった」という言い訳は、アメリカじゃ通用しません。その訴えが嘘だった場合は話が別ですが、通常、アメリカでは被害者の感じ方を重視する方針です。とにかく、加害者側の文化的背景や事情とは関係なく、被害者がどう感じたかが重要で、そのペナルティは大きく、代表的な例では米国三菱自動車が1998年にセクハラ裁判の和解金で3,400万ドル(記事の出た98年6月の平均レートは1ドル=140.09円、約47億6千万円)の支払いに合意したと報じられています。以上のとおり、加害者を撲殺しても無罪になったり、巨額賠償金が支払われたり、アメリカでは子どもや女性を守ろうという意識はとても強いのですが、どちらの事件も被害者の命は無事です。
 一方、大津市の13歳の男の子の命は、いじめによって奪われてしまいました。もし、これがアメリカだったら、いじめの加害者、それを放置していた教師、学校、市教委あたりが、少年の家族に巨額の賠償金を支払うことになっても全く不思議ではない気がします。特に、生徒を守るべき立場でありながら、隠蔽工作をした学校、市教委の罪は極めて重くなるはずです。しかし、日本ではそんな話にはなりません。何故?

*2:http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2012/120720_2.html  滋賀県大津市の公立中学2年生の自殺事件に関する日弁連会長声明 (2012年(平成24年)7月20日)
(ポイント)2011年10月、滋賀県大津市の公立中学校2年生の男子生徒が自殺した事件及びそれを巡る社会の反応は、子どもの人権が守られない我が国社会の実情を露呈している。
 第一は、子どもたちのSOSに対して教師を始めとする学校関係者が耳を傾けなかった問題である。報道によれば、男子生徒が継続的にいじめを受けていたことを多くの生徒が知り、教師に対応を求めていた生徒や、いじめに当たるような事実を認識していた教師がいたにもかかわらず、中学校は、いじめとは判断しなかったとされている。文部科学省は、2009年3月に『教師が知っておきたい子どもの自殺予防』と題する冊子を発表し、子どものSOSを的確に捉えること、校内対策チームによる適切なアセスメントや医師等の専門家との連携をとることなどを求めてきていたが、今回の事態は、文部科学省の指針が徹底されていなかっただけではなく、これらの対策の前提ともなる学校関係者の子どもの声に耳を傾ける姿勢、さらにはいじめを発見し止めさせる体制に大きな問題があったことを示している。
 第二は、自殺が起きた後の中学校と教育委員会の調査の体制・方法に問題があったことである。文部科学省は、2011年3月に「平成22年度児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議審議のまとめ」を発表し、正確な自殺の実態把握のための報告書統一フォーマットを提案し、また、自殺が起きた場合に中立的な立場の専門家を交えた調査委員会を設置して調査を行う指針を示し、2011年6月1日、「児童生徒の自殺が起きたときの背景調査のあり方について(通知)」を都道府県教育委員会等に発している。ところが、報道によれば、中学校は、自殺の後、比較的短期間に2回にわたる全校生徒を対象とするアンケート調査を行い、いじめが存在し、それが男子生徒の自殺につながったことを示唆する複数の事実を把握していた。それを受けた大津市は、2011年11月、アンケート結果をもとに「複数の生徒のいじめがあった」と発表したものの、部内での検討のみで、自殺との因果関係については確認できないとしていた。専門家を交えた調査委員会は、本年7月になるまで設置されておらず、文部科学省の提案・指針が学校や教育委員会に徹底されていないことを示している。
 第三は、学校や教育委員会の対応のまずさが加害者とされている生徒に対する社会の過剰なバッシングを引き起こし、加害者とされている生徒の人権が侵害される事態が起きていることである。生徒とその家族の実名や顔写真の公表をはじめとして生徒とその家族に対するバッシングは日を追うごとに激しさを増し、少年の健全な成長はおろかその生活の基盤そのものをも奪いつつある。・・中略・・
 第四に、教育現場におけるいじめに対する社会全体の理解の問題がある。そもそも、文部科学省が指摘しているように、教育の現場におけるいじめは、子ども同志の葛藤、軋轢などを背景にして、いつでもどの子どもにも起き得る現象である。これに加えて、国連子どもの権利委員会が指摘する我が国の競争主義的教育環境によるストレスの増大等の要因が加わり、いじめが深刻化していくのである。・・中略・・
 以上のような問題点があることを踏まえ、当連合会は関係者及び関係機関に対し、早急に適切な対策を講ずるよう求める。当連合会は、従前より子どもの権利委員会を設けて、子どもの人権の救済と援助活動を行ってきた者として、いじめ自殺が未だ発生してしまう現状を心から憂うとともに、子どもの相談窓口の全国設置、強化などのこれまでの取組に加えて、子どもの権利に関する包括的な法律(子どもの権利基本法)の制定、子どもの権利の救済機関の設置などの活動に全力を尽くすことを誓うものである。

| 教育・研究開発::2012.4~2013.10 | 12:45 AM | comments (x) | trackback (x) |
2012.7.21 垂直離着陸輸送機オスプレイの搬入について
      
                オスプレイの予定訓練ルート                 オスプレイの機体

 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについては、その危険性や機体の完成度の低さにより、*1、*2などの反対論がある。しかし、私は、それに加えて、上の写真のように訓練ルートが日本国内を飛び回ることに、下の理由で反対である。
 1)日本の制空権は日本にあるので、いくら同盟軍でも自分の国のように日本の低空をアメリカ軍の
   ヘリが飛び回るのを黙っていることはおかしい。逆もできないのと同じである。
 2)危険は、墜落の危険だけではなく、詳細な写真による日本地図を作って利用されるということも
   ある。例えば、脱原発・そのほか、誰かにとって都合の悪いことを言っている団体のリーダーの
   住宅を選び、そこを特定して密かに攻撃することも可能になる。
 3)「訓練ルート」が次第に広がり、あらかじめ決められたコースから外れないなどという保証は全く
   ないし、決められたコースにあたる人もたまったものではない。
 4)従って、仮にオスプレイを搬入するとしても、日本国内は海上での訓練のみに制限すべきである。

*1:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2250648.article.html
首相「地元理解に努力」 / オスプレイ岩国搬入で (佐賀新聞 2012年7月20日)
野田佳彦首相は20日、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍岩国基地(山口県岩国市)搬入日程が固まったことを受け「安全性の確認状況をしっかり地元に説明し、理解いただけるよう努力したい」と述べ、岩国市などの説得に全力を上げる考えを示した。視察先の大分県日田市で記者団の質問に答えた。 政府は、オスプレイに関する安全管理の在り方を話し合う場として、日米双方の外務、防衛当局者が恒常的に日米地位協定の運用などを協議する合同委員会を活用したい考えだ。

*2:http://mainichi.jp/select/news/20120719k0000m010071000c.html
オスプレイ:与党から思わぬ反対論、政府困惑 (毎日新聞 2012年7月18日)
米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備をめぐり、政府・与党の足並みの乱れが拡大してきた。民主党の前原誠司政調会長は18日、安全確認を優先し配備を延期するよう主張。国民新党の下地幹郎幹事長はトン駐日米首席公使に、米軍岩国基地(山口県岩国市)への搬入先送りを直接要求した。与党から思わぬ反対論を突きつけられ、政府側は困惑を深めている。前原氏は名古屋市で開かれたミッドランド毎日フォーラム(毎日新聞社主催)で講演し、配備に絶対反対ではないとしながらも「安全確認が徹底され、しっかり訓練が行われなければ山口、沖縄の方々はおちおち寝られない」と指摘。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)への配備日程を「一呼吸置く」よう求めた。一方、下地氏と駐日米大使館で面会したトン公使は、既にオスプレイが米国を出港したことを挙げ「いまごろ(反対と)言われても困る」と不快感を示した。「民意軽視」と17日に野田佳彦首相らを批判した前原氏の発言にも「当惑している」と伝えた。しかし下地氏は「(配備強行は)首相を政治的に追い込む」と反論した。

| 外交・防衛::2010.10~2012.12 | 10:51 AM | comments (x) | trackback (x) |
2012.7.15 環境・脱原発・増税なき財政再建・経済成長を同時に実現する方法はある
(1)脱原発、経済成長、増税なき財政再建の両立は、必ずできる


 図1:1956~2004年の    図2:1980~2011年の    図3:1989~2011年の
  GDP成長率推移       原油価格の推移        法人税収推移(青) 

 このページの左のカテゴリー「資源エネルギー」欄をクリックすると、私が書いた「2012年2月26日我が国が、資源・エネルギー自給率を高めなければならない理由」が出てくる。その内容は、日本企業の利益率は欧米企業の半分程度であり、その理由の一つに原油価格の高騰と資源・エネルギーの海外依存があるということだ。その証拠に、図1の第2ステージ(経済成長が落ちた時期)の始まりはオイルショックであり、図2の原油価格の最近の著しい高騰は日本企業を弱らせた。そして、それは実需の逼迫だけでなく、商品先物取引市場での投機にも原因がある。

 つまり、我が国は、資源・エネルギーを外国頼みにしているため、国民が作り出した付加価値を資源・エネルギー輸出国に吸い取られているのである。そのため、資源・エネルギーの自給率を高めて、日本国内でつけた付加価値が資源・エネルギー代金として外国に吸い取られないようにすれば、日本企業の利益率を欧米並みに増やすことができ、図3から10兆円以上の法人税増収が見込まれる。

 従って、天然ガスを使うのに、パイプラインでロシアから購入したり、アメリカからシェールガスを購入したりするという計画は、またしても同じことを繰り返す進歩のない計画だ。このブログの2011年9月6日にも書いたように、いつまでも「日本は資源小国だから・・」などと言っていないで、我が国の排他的経済水域や陸地から天然ガスを採掘したり、再生可能エネルギーを進めたりすべきなのである。これを今までやってこなかったのは、資源エネルギー庁(経済産業省)の怠慢だ。

(2)2030年に原発を0にできるか否かを議論しているとは、技術を知らず古すぎる

           
 図3:内閣府による2030年の電源構成選択肢      図4:超電導電線

 そして、福島第一原発事故の原因調査も後始末も最終処分場の目途も立たない現在、内閣府は図3のように、2030年に原発による電力供給割合(グラフの紫部分)を0%、15%、20~25%にできるか否かという選択肢を提示した。そして、比較検討の対象は、図3の一番左の棒グラフ、原発事故前である2010年時点の電力構成なのである。しかし、すでに2012年7月現在、すべての原発が再稼動しなくても電力不足はないことが明らかになり、大飯原発は関西電力の経済的理由により再稼動したにすぎない。

 また、再生可能エネルギー(地熱、汐潮、太陽光、風力発電)は不安定で高コストの上、実力不足の電源であるというキャンペーンが繰り返されているが、原発のコスト計算には、原発の事故処理・除染費用、原発立地地域への交付金、最終処分場設置費用などを含めておらず、原発再稼動ありきのコスト比較になっている。

 しかし、実際には、技術は日進月歩であり、このブログの2011年11月24日に書いたように、図4のような超電導電線ができている。また、*1、*2のように、個人の住宅が蓄電池や環境によい自家発電システムを標準装備する時代も間近になった。そして、これは、1995年頃から開発を始め、すでに17年もの期間をかけて、ここまで到達したものである。政府は、エネルギー革命として、直ちに脱原発し、こちらを後押しして発展させるべきである。

(3)脱原発と環境の両立は、当然できる
 「原発を稼動させずに火力発電を行うと、CO2が発生して地球温暖化が進み、環境に悪い」という理屈を言う人がいるが、核燃料こそ、事故時は言うまでもなく、平時でも低線量被曝により人体に悪影響を与えている有害物質であり、環境に悪いものである。だからこそ、*3のような官邸前抗議行動が起きているのだ。環境に悪い物質は、何もCO2だけではない。

 また、原発の代替燃料を火力か風力しか思いつかないような人は、あまりにも科学に弱すぎるか、または意図的であるため、一国のエネルギー選択の論議に参加してもらいたくない。敢えて、私がこれを書く理由は、省庁では法学部卒が重視されて上におり、理系、技術系の人があまり重視されていないため、理系の人にとっては常識のようなことを知らない人が、国家の意思決定を行って、本当に必要なことをしなかったため、我が国の経済成長率を、図1のように第二ステージ、第三ステージへと落としてきた実績があり、これ以上の失敗は許されないところまできているからだ。そして、この状態は民間企業でも多い。

*1:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/312720 (西日本新聞 2012年7月14日)
電気自動車を無償貸与 日産と福岡県が節電対策で連携
(ポイント)日産自動車と福岡県は7月13日、日産の電気自動車(EV)「リーフ」のバッテリーにためた電気を家庭や事業所で使う節電対策の共同プロジェクトを実施すると発表した。リーフ用に開発した電力供給システム「LEAF to Home」を活用し、夜間にリーフに充電した電気を、電力需要が高まる昼間に家庭や事業所などで使用できるようにする。日産は、60台を県内の個人や事業者に無償で貸し出す。プロジェクトは、福岡県を自動車生産の重要拠点と位置付ける日産側が提案。同様の取り組みは大阪府や大阪市、北九州市、佐賀県で行われている。日産によると、リーフのバッテリーは一般家庭の約2日分の電力を賄える。また、非常時のバックアップ用電源にも活用できるという。

*2:ttp://www.nikkei.com/article/DGXNASDD18099_R20C12A6000000/ (日経新聞 2012/7/2)
大型蓄電池の量産工場、はや誘致合戦 空洞化埋めるか
(ポイント)定置型大型リチウムイオン電池を手掛けるエリーパワー(東京・品川)は、6月13日に川崎市で新工場の完成式典を開いた。年間100万個のリチウムイオン電池を製造でき、既設の製造設備との合計で年産120万個体制が整う。国内製造業の空洞化が懸念されるなか、工程に様々な工夫を施した「次世代製品」の量産工場に、早くも次の拠点の誘致合戦が始まるなど、期待感が高まっていた。会場には竹中工務店の竹中統一社長、ダイキン工業の十河政則社長、三井住友銀行の西川善文名誉顧問、シャープの町田勝彦相談役、セブン&アイ・ホールディングスの伊藤雅俊名誉会長、フジテレビジョンの日枝久会長ら各界の著名人がそろった。乾杯の音頭をとったのは筆頭株主である大和ハウス工業の樋口武男会長。大和ハウス創業者・石橋信夫氏の「販売なくして企業なし」という言葉を例に引きながら、「大型リチウムイオン電池は家、産業、商業、自動車に使える」とその将来性を紹介した。

*3:http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1402 (2012年7月14日)
過剰警備の中、多様な表現あふれる〜官邸前行動
(ポイント)いつからか、紫陽花革命と呼ばれるようになった金曜夜の官邸前抗議行動。警察が「鉄柵」で歩道などを封鎖する厳戒態勢下で行われたが、分散した参加者は、それぞれ自由な方法で「脱原発」を表現。その「声」は霞ヶ関にも響き渡った。人びとが車道を埋めつくすという事態を避けたい警視庁は、前回の7月6日以上に警備を強化し、午後から官庁街と首相官邸とをつなぐ道路などに鉄柵を設置。歩道をブロックごとに細かく分断したり、周辺の地下鉄駅の出入り口の利用を制限したりするなどの対策を打った。その結果、参加者は7つのブロックに分断されたが、それぞれの場所、それぞれのスタイルで、再稼働反対の思いを表現した。また、車や自転車などで「デモ」をする裏技も。厳しい制約を乗り越える様々なアイデアがあふれる夜となった。

| 経済・雇用::2011.8~2012.9 | 05:03 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.7.14 消費税増税のための変な論理の横行について
(1)消費税増税の背景には、財務省主導があるということ
 多くの人が気付いていると思うが、*1のように消費税増税は財務省主導であるため、増税に積極的な議員は、財務省(旧大蔵省)出身の議員はじめ、財務大臣・副大臣・政務官の経験者である。あとは、本当に賛成だと思っている議員が少数、流れに乗って賛成した議員が大多数、反対している議員が少数である。もちろん、安住財務相も野田首相も、財務省の言いなりであることは明白だ。

 野田首相は、「不退転の決意で」「政治生命をかけて」「決められる政治を」と演説した。しかし、財務省の方針と異なることを政治主導でやるのなら「政治生命をかけて」「不退転の決意で」やらなければできないが、財務省の方針どおりのことをやるのならば、「不退転の決意で」「政治生命をかけて」やらなくても、誰にでも簡単にできる。また、「決められる政治を」と言っている政党やメディアも多いが、何でも決めればよいというものではなく、内容が問題であり、決めてはいけないことは決めないのが健全な民主主義であるから、メディアの論調は官主導であり変である。

 そして、メディアの論調を聞いていると、国会が、選挙で選ばれたわけでもない官僚の方針どおりに政策を“決める”ことを期待しており、それが与党の責任だと言いたいようだ。つまり、国民が選んだ国会議員が、国民の意思とは関係のない三党合意や党議拘束に縛られて、官僚の決めた政策を次々と法律にしていく状態をよいことであるかのように言っているが、それは、民主主義ではなく、日本国憲法とかけ離れた官主主義である。いつまで、それをやるつもりか?

*1: http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1303Q_T10C12A7PP8000/ (日経新聞 2012/7/13)
消費増税法案、18日に参院特別委で審議入り
 消費増税関連2法案は13日の参院本会議で趣旨説明と質疑をし、参院特別委員会の審議が18日に始まる。衆院で修正合意した自民、公明両党は成立に協力する方針だが、民主党内の増税反対派に配慮する野田佳彦首相の姿勢に反発を強めており流動的な要素もある。
 首相は13日、首相官邸で安住淳財務相と会い、社会保障と税の一体改革関連法案について「参院審議が来週から始まるので全力で努力していこう」と指示した。勝栄二郎財務次官が同席し、懸案である赤字国債発行法案の扱いも協議した。
 参院特別委での審議時間について、与党は120時間を超えた衆院の7~8割に当たる90時間を目安としており、順調なら8月上旬の採決が視野に入る。ただ自民党は民主党執行部を「衆院採決で造反した議員への対応が甘すぎる」と批判し、3党合意の破棄もあり得るとけん制している。
 
(2)消費税を増税して、浮いた分は何に使っているのか
 消費税は、1%あたり約2兆円の税収があり、5%上げると10兆円近くの増税となる。
一方、日本は現在、東日本大震災と大津波、それに加えて原発事故などで、こちらが復興に援助してもらいたいくらい大変な国であり、現在の貿易収支や財政収支が赤字でも全くおかしくない国である。それにもかかわらず、自国民に対しては財政健全化を理由に消費税を毎年10兆円近く増税しようとしながら、何故、問題の多いアフガン政府に対して、“互いに責任を負って”、日本が1兆2800億円(消費税0.6%分)も支出しなければならないのかについて、*2の記事では全く記述がない。メディアの記者は、背後の理由も分析して国民に伝えなければ、何回選挙しても、有権者である国民が正しい選択をすることはできない。本来、メディアは、民主主義社会において、そういう社会的責任を持っているのだ。

*2: http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/311763 (西日本新聞 2012年7月8日)
アフガン復興、160億ドル支援 「東京宣言」採択
 日本政府が主催するアフガニスタン復興に関する国際会議が8日夕、国際社会が2015年までに総額160億ドル(約1兆2800億円)超を支援すると明記した「東京宣言」を採択して閉会した。宣言はアフガンの持続的発展を実現するために国際社会とアフガン政府が「互いに責任を負う」とし、国際社会は継続支援を、アフガン側は民主化推進に取り組むことをそれぞれ約束した。野田佳彦首相は「荒廃した国土の復興には国際社会からの支援が欠かせない」と指摘し、日本が支援を続ける考えを表明。

(3)「国会議員が身を切れ」という主張は、官主主義を堅持するだけだということ
企業からの寄付が全くなく、単純でわかりやすいので、私の事例を挙げよう。
  <税金から出た金額>            <個人の収入>       <政党支部収入>
歳費(給料 + ボーナス) 2200万円        1600万円           寄付 600万円
文書交通費         1200万円           0              寄付 1200万円
公設秘書費*3       2300万円           0(全額秘書給料)
交通費              25万円           0(全額以上使用)
政党助成金         4800万円           0                  1000万円
  (政党助成金の残り3800万円は、政党が使っている)
  小計
支援者からの寄付金                     0                  少額α
   合計         10525万円        1600万円             2800+α万円

                              <政党支部支出>
                              私設秘書給料(2~3人)*4    800万円
                              事務所賃貸料            180万円
                              水光熱費               120万円
                              備品・消耗品費            200万円
                              通信費(機関誌郵送費を含む )  620万円
                              機関誌印刷費(2~3回/年)    250万円
                              広告費                  60万円
                              国政報告会等の費用         60万円
                              旅費交通費              120万円
                              選挙費積立分(1年平均)      300万円
                              その他                90+α万円
                                合計              2800+α万円

上の説明:
 1)支部への寄付金を引いた後の私の収入が、1600万円となっているが、もともと1200万円
   の給料をもらっていたので、国会議員になったために増えた分は、400万円のみである。
   これは、高いのか低いのかと言えば低い。なぜなら、国会議員は選挙で当落が決まるた
   め不安定であり、50%くらいの確率でしか当選しないとすれば、1600万円x0.5=800万円
   が年収となり、年収が前の仕事より下がっているからである。これで多くの人が、自分の
   仕事をやめて国会議員(夢も家族も生活もある人間)になる選択をするであろうか?

2)米国では、政治家が政策立案を行うので、秘書手当てが上院で1.4~2.3億円、下院で5561
   万円あり、国会議員は、政策立案能力のある秘書を10~40人抱えている。日本では*3
   の公設秘書は3人だけであり、これだけでは国会事務所と地元事務所2箇所の運営にも
   支障をきたすため、*4の私設秘書を少なくとも2~3人雇っている。その費用を政党支部
   (私の場合は佐賀県第三選挙区支部だった)から出していたが、私は、そこへの個人的
   寄付を多く行っていた。なお、一般の人からの寄付は少なかった。これは、週刊文春や他
   のメディアで、嘘のネガティブ・キャンペーンをされ、私の国会議員としての資質や能力を
   否定されたことが理由に挙げられるが、そもそも日本人は一般市民が政治家に寄付する
   という文化がないことも理由の一つである。企業から多額の寄付を受け、国民の税金を使
   ってその企業に有利な施策を行う政治家を廃したければ、自分たちの代表にしたい政治家
   には、一般国民が寄付する以外にないだろう。

3)国会議員の政策作成能力が低いと、官によりかかった政策となる。これは、官にとっては望ま
   しいが、国民にとっては選挙で選ばれた人が政治判断するわけではないので、国民主権が
   形骸化して望ましくない。つまり、国会議員に使うコストは、国民主権を実現する民主主義の
   コストなのである。そして、仮に国会議員1人につき1億円くらいかかっていたとしても、衆議院
   480名+参議院242名=722名であり、全部で722億円にしかならない。仮に、これを全部切っ
   たとしても、その138.5倍の10兆円の消費税増税を許す根拠にはならないだろう。

4)つまり、議員定数や議員報酬の問題は、消費税増税問題とは切り離して、国民のためになる民
   主主義のあるべき姿と、それを実現するための組織として考えるべきであり、妬みから報酬を
   カットすれば、優秀な人材が集まらなくなり、民主主義がさらに形骸化するだけである。

5)それでは、どういう選挙制度で、どういう人数が適切なのかについては、今日は時間がないので
   後で書くが、国民一人一人が自分の代表をどう選びたいかという問題として考えるべきである。


| 消費税増税問題::2010.6~2012.7 | 04:15 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.7.6 原発事故の人間(生物)に対する影響
(1)癌による死亡率の上昇 

 2011.9.29に、このブログで述べたように、どうしても原発を続けるべきだという論拠の中には、原発を持っていれば原爆もすぐに作れるから、抑止力になるという意見もある。

 しかし、年齢や生活習慣病の影響を最も受けない乳児死亡率で見ると、本来であれば滑らかな曲線で下降するはずの乳児死亡率が、始めは年ごとに下降していくが、途中で急に下降が止まり、それはネバダの核実験が始まった時である。そして、それ以降、核実験のたびに乳児死亡率も合わせて上昇する。これは、米ソ英による大気核実験停止条約が締結される1963年まで続き、*1の斜線部分と*2の黒の部分が、放射能のために余計に亡くなった乳児の数となる。原爆どころか核実験でさえこうなるのだから、人類に、武器として原爆を使うという選択肢はない。
         
 *1:ニューハンプシャー乳児死亡率(1945~75)  *2:米乳児死亡率(1935~1999)

 それでは、子どもだけが影響を受け、大人は影響を受けないのかと言えば、癌(悪性新生物)による死亡率は年々上昇し(*3の黒の折れ線グラフ)、1980年に脳血管疾患(点線)を抜いて一位となり、その後も増え続けて、現在、日本人の2人に1人は癌で亡くなると言われ始めた。つまり、大人の方が癌にかかる人が多く、癌による死亡率も高いのである。これについて、癌は高齢になってから発症する病気であるため、年齢修正後の死因別死亡率の推移では、癌による死亡率は低下しているのだという主張及びデータもあるが、それは、放射線などの影響がなかった場合の話であり、*4のように放射性物質がばら撒かれたフクシマ原発事故以降は、その曲線が不自然な急カーブで上昇することが予想される。その余分に亡くなった人が、原発事故による死亡者である。なお、癌だけでなく、心疾患も急カーブで上昇することが予想される。

         
 *3:人口10万人あたりの死因別死亡率の推移  *4:フクシマとチェルノブイリの放射能汚染地図

(2)内部被曝の怖さ 

 また、放射性物質を含む食品を食べると、それが消化管から体内に取り込まれ、至近距離から体細胞が被曝し続けることになる。さらに、空気中に飛んでいる放射性物質を含むチリを吸い込むと、鼻、気管支、肺に放射性物質が入り、同様に至近距離から体細胞が被曝し続けることになる。そして、体細胞が至近距離から長時間被曝し続けると、細胞分裂の際にDNAの複製が多数失敗し、免疫機構による身体の抵抗力にも限界があるため、癌細胞が増え始めるから、この内部被曝は怖いのである。従って、「放射性物質を含む食品を、協力して買え」「協力して瓦礫の広域処理を行え」というキャンペーンは、人の命や健康を無視した間違った行為である。さらに、このようなことをして日本全国で癌の発生率が高まると、後に*1、*2のような疫学調査をした時に、「癌による死亡率の上昇は、フクシマだけでなく日本全国で起こっているのだから、生活習慣病のせいであって福島原発事故由来の放射性物質のせいではない」という結論を導きやすいわけだ。

(3)フクシマ以降は複合的な犯罪であるということ

 そのような中、フクシマでは、大気中にも水中にも放射性物質が垂れ流されているままであり、その事実が報道されることはあまりない。そして、大飯原発が再稼働してから、国会事故調は、福島第一原発事故を人災と断定した。しかし、国会事故調も結果ありきの判定をしており、「脱原発依存(脱原発とは似て非なるもの)」「SPEEDIの活用は困難だった」「原子力規制庁を作れば問題は解決する」「菅首相の対応に問題があったのであり、他の首相ならうまくいった」「対策を行えば原発事故は起こらない」というような結論を導き出しているようだ。今後は、御用メディア、御用学者、原子力ムラ、癒着議員の知識・経験・判断とその背景を含む複合的な人災による癌や心疾患の死亡率上昇が起こってくるが、それは、人の命や健康を何とも思わない行為であって、故意・重過失のいずれにしても犯罪である。

http://www.asahi.com/politics/update/0705/TKY201207050175.html (朝日デジタル 2012年7月5日)
 国会事故調が最終報告で、原発事故は「人災」と断定
 東京電力福島第一原発事故を検証する国会事故調査委員会(黒川清委員長)は5日、最終報告書を決定し、衆参両院議長に提出した。東電や規制当局が地震、津波対策を先送りしたことを「事故の根源的原因」と指摘し、「自然災害でなく人災」と断定。首相官邸の「過剰介入で混乱を招いた」として、菅直人前首相の初動対応を批判した。東電が否定している地震による重要機器損傷の可能性も認め、今後も第三者による検証作業を求めた。 報告書は641ページ。事故調は延べ1167人に900時間以上の聴取を行い、関係先から約2千件の資料提供を得た。東電や電気事業連合会、文部科学省、原子力安全委員会などから入手した13点は非公開の前提で提供され、公表を見送った。
■地震・津波対策「意図的な先送り」
 報告書は地震、津波対策について、東電や経済産業省原子力安全・保安院などの規制官庁が「意図的な先送りを行った」と踏み込み、「何度も事前に対策を立てるチャンスがあったことに鑑みれば、事故は明らかに人災」と断じた。

| 内部被曝・低線量被曝::2011.7~2012.8 | 08:21 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.7.1 なし崩し的原発再稼働を進めるきっかけとなる大飯原発再稼働に反対する。
    
 *2の写真                              *1の写真

 民主党の野田首相が、福島第一原発事故の真実の検証もないまま、なし崩し的に原発再稼働のきっかけを作る大飯原発再稼働の意思決定をして、今日の午後9時から、再稼働することになった。その前の6月29日(金)には、*1のようにネットで集った普通の人々が官邸前に集まって「再稼働反対」と叫び、今日7月1日には、*2のように、普通の市民が、大飯町において徹夜で再稼働に反対し、道路を封鎖して抗議している。どちらも、主権者として明確に意志表示していて偉いと思う。

 大飯原発は、中央の図のように活断層の上にある可能性が指摘されている。そうでないことを証明もできず、ここまで何も考えずに原発を作った人にも驚くが、一旦事故が起これば大きな面積の土地を使えなくし、何百兆円もの除染費用を出さなければならないような原発を、低コストの電力だと主張する人にも呆れる。しかし、新聞・テレビは、このデモをあまり報道していない。そして、それがどういう理由によるかは、もはや言うまでもないだろう。

*1:http://mainichi.jp/select/news/20120630k0000m040057000c.html (毎日新聞 2012年6月29日)
大飯再稼働:ネットで集結「反対」…官邸前に人の波
 関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を2日後に控えた29日夕、東京・永田町の首相官邸前で毎週金曜日に行われている再稼働への抗議行動が一気に拡大し、官邸前から霞が関への車道が人で埋め尽くされた。警察の機動隊も出動した。ツイッターやフェイスブックでの呼びかけなどで集まった人々は組織化されておらず、デモ行進はなし。官邸前でひたすら「再稼働反対」と叫ぶのが特徴だ。
 人が集まり始めたのは午後4時ごろ。「再稼働に断固反対」と書かれたプラカードを手にしている人がいれば、帰宅途中の会社員や手ぶらの家族連れ、お年寄りの姿もある。埼玉県蓮田市の会社員、田中秀行さん(38)は勤務先からスーツ姿で初めて参加。「集会やデモに出たことはないが、もう無関心ではいられない。政治色もなさそうなので抵抗感はなかった」と言う。

*2:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/310602 (西日本新聞 2012年7月1日)
徹夜で再稼働に反対、道路封鎖 200人が抗議
 大飯原発に通じる道路を封鎖し、3号機の再稼働に抗議する人たち=1日午後4時49分、福井県おおい町で共同通信社ヘリから 関西電力大飯原発3号機(福井県おおい町)の原子炉起動を1日夜に控え、反対する市民らが前日から町に集結し、徹夜で原発に通じる道路を封鎖した。1日からは反原発団体のメンバーも合流し、計約200人が道路で腕を組んだりロープを張ったりして抗議した。
 市民らは6月30日、再稼働に反対する横断幕を掲げ町内をデモ行進。大飯オフサイトセンターで再稼働の即事中止を求める要望書を経済産業省原子力安全・保安院に提出した。30日夕方から、原発前の道路に車を並べるなどし、通行できなくした。1日には再稼働反対を訴え関電の敷地に入り、警備員らとの間で小競り合いとなった。

| 原発::2012.6~8 | 09:59 PM | comments (x) | trackback (x) |

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