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2013.1.31 原発事故の後に核実験では、日本人の身体も耐え難いので、核実験はやめて欲しい。
 どうせ使えない核兵器を持つために、核実験を行うのはやめてもらいたい。2012.7.6に、このブログに記載したとおり、アメリカの核実験は人間に対して内部被曝の被害を与え、日本の福島原発事故の真相は、2012.1.21 に記載したとおり、東電及び政府によって隠蔽された。そして、地下で核爆発しても、それが地上の環境に影響がないという証明はできておらず、そういう視点からの悪い情報は公開されないだろう。

 このように、核は、強力なエネルギーと強力な毒性を持つため、爆発すれば地球環境に与える影響が大きい。そして、人間がそれを制御することはできないのだから、地下であっても、人類(生物)と核が共存することはできない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130131-00000032-jij-n_ame
(時事通信 1月31日) 北朝鮮の核実験「近い」=米高官が見通しとCNN
【ワシントン時事】米CNNテレビは30日、北朝鮮の核実験予告に関し、米政府高官が「われわれが確認している行動と彼らの言動に基づけば、(核実験は)近いうちに実施される」という見通しを示したと報じた。しかし実験の最終準備は地下で行われるため、実施日は予測できないという。政府高官はCNNに対して、「北朝鮮は必ず核実験を実施する」と明言。人工衛星から確認できる北朝鮮・豊渓里の核実験場の動きは大きくないが、主要な準備は地下で行われているとの見方を示した。

| 環境::2012.10~11 | 10:56 AM | comments (x) | trackback (x) |
2013.1.28 全国学力テストは、結果を公表しなければ、意味がないだろう。
 文部科学省は、学校の序列化や過度の競争が生じる恐れがあるとして、各自治体教育委員会に学校別成績を公表しないことを確認させようとしているが、結果を公表して、地域間や学校間の違いを正確に認識し、よかった点、悪かった点を把握して、さらなる改善に繋げることこそ、全国学力テストの目的だろう。公的にしっかりとそれを行わなければ、予備校に頼らざるを得なくなり、貧富の差や教育インフラの地域間格差が生徒の学力に影響してくる。そして、学力が身につかなければ、不幸なのは生徒である。

 また、正確な情報開示による学校のランク付けは、教育を受ける子どもを持つ親から見れば、必要不可欠だ。なぜなら、やり直しのきかない教育をわが子に受けさせるにあたり、どの学校にやるかは、大変重要な意思決定となるからだ。それと、変な序列化とは区別すべきである。

 さらに、学校間の競争は、教育の質を上げるために必要不可欠だ。競争のない組織がどうなるかは、もう、私が指摘するまでもないだろう。そして、教育を受ける側は、正確な情報による多様な選択肢の中から選べるようにすべきだし、教育を行う側は、正しい分析に基づいて、常にブラッシュアップし続けるべきである。部活では頑張らなければならないが、学力で競争があってはならないというのは、変な哲学だ。

*1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2385186.article.html
(佐賀新聞 2013年1月23日) 「公表なら参加認めず」武雄市長方針に見解
 国が4月に実施する2013年度の全国学力テストについて、武雄市の樋渡啓祐市長が市内の学校別成績を12年度に続き公表する意向を示している問題で、文部科学省は「仮にそうなった場合はテストへの参加を認めない」とする見解を示した。22日に佐賀新聞社の取材に答えた。学力テストをめぐっては、文科省は学校の序列化や過度の競争が生じる恐れがあるとして、各自治体教委に学校別成績を公表しないことを確認する文書を提出するよう求めている。武雄市教委は順守すると回答しており、市長と教委の見解が食い違っている。
 21日に県教委が市教委に確認したところ、浦郷究・市教育長は文科省の要請通りにする意向を伝えた。浦郷教育長は「テスト実施までは時間があるので、じっくり考える。市の教育委員とも話し合う」としている。県教委はこの問題に立ち入らない考え。
 公表する理由について、樋渡市長は「学校の置かれている状況を公表し、議論することで学力向上を図れる」と説明。「教育委員会の予算編成権や執行権は市長にあり、独自の判断で公表もできる」と話している。
 同省学力調査室は「武雄市教委には要請の順守をお願いする。仮に、公表の方針に転じれば、テストへの参加は認められない」としている。
 これに対し、樋渡市長は「なぜ、いきなり決めつけようとするのか。同省の考えを聞いてみたいし、こちらの意見も聞いてほしい。まず議論しましょうと言いたい。序列化だけの理由では納得できない」と反発している。

| 教育・研究開発::2012.4~2013.10 | 10:30 AM | comments (x) | trackback (x) |
2013.1.27 これを機会に、どういう人材を育てるために、入試を行い、高校教育を行っているのかを再考すべきである。
 大阪市立桜宮高校の事件について、具体的事実関係も知らないのにコメントしすぎると、自殺した生徒が二次的被害を受けるのでコメントを控えていたが、私は、何らかの改革を促すための橋下大阪市長の判断は正しいと思う。

 これに対し、*2のように、生徒たちは「在校生と受験生のことを考えたらもっと違う結果があったんじゃないか」と訴えたそうだが、手本となるような生徒が自殺せざるを得なかった空気に満ちている学校の雰囲気を、改革もせずに、そのままにしておいてよいわけがないだろう。

 そして、女子生徒が、「(体罰を)容認していない」とも言っているが、実際には、理不尽に殴られていた人のために怒りを感じることもなく、それを黙認してきたわけだから、それはまさに容認しているのであり、人間として足りない点があるということを教えるべきである。「礼儀など人として一番大切なことを教えてもらっている」とも話しているが、一番大切なのは表面的な礼儀ではなく、本物の正義感とヒューマニズムである。そして、その判断には、知性が必要だ。

 自殺問題については、「心の傷は深く、重く受け止めている。傷を癒せるのは先生」としているが、これは小学生ならまだしも、社会人予備軍としての高校生の発言としては、あまりにも弱く他力本願である。ここには、自分の心の傷が深いから、誰かに傷を癒してもらいたいという発想しか見えないが、高校生ともなれば、自殺した生徒の立場に立ち、死ぬほど追い込まれていた友達の為に自分にできることはなかったのかを自問自答したり、学校の雰囲気のどこが悪かったのかを考えたりすべき年齢であり、「重く受け止める」とは、そういうことを言うのである。また、別の女子生徒が「今まで続いている伝統は今でも正しいと思っている」と力説したそうだが、それなら、このままでよいという考えなのだろうか?

 また、同校運動部の元主将らも市役所で記者会見し、「市長から入試中止について納得できる説明はなかった。もっと私たちの声を聞いてほしい。何の関係もない中学生が巻き込まれることに納得できない」と話したそうだが、他力本願で正義感も強さもない生徒が高校で育てられ、社会に出されても、その人たちを受け入れて就職先となる企業では社員教育に困るため、まず非正規労働者として受け入れ、その後、失業者へと進むしかなくなる。部活を目的に高校に入学し、部活ができなければ生きがいがないというような生徒を作る高校は、生徒に本当の強さや生きる力を与えているようには思えないが、この高校は、どういう人材を育てるために教育してきたのだろうか?

*1:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130121-OYT1T00402.htm
(2013年1月21日 読売新聞) 大阪市立桜宮高校で体罰を受けた2年男子生徒(17)が自殺した問題をめぐり、橋下徹市長が21日午前、桜宮高を訪れた。
 市教委によると、橋下市長は今春入試での同高体育系2科の募集中止を市教委に求めたことについて、全校生徒や教諭に「新しいクラブのあり方をきちんと出す前に新入生を迎えるべきではない」と述べ、考えに変わりがないことを強調した。体罰問題の発覚後、橋下市長の同高訪問は初めて。生徒への説明は非公開で行われた。市教委によると、橋下市長は午前8時45分頃、同高に到着。体育館での全校集会で、午前10時頃まで話したという。その中で、橋下市長は「スポーツの中で手を上げることは、ものすごく遅れた指導法。そんなことで技術力は上がらない。世界最先端の指導でないと、体育科の意味がない」としたうえで、「今回の件は一線を越えており、皆さんが社会人になった時に間違った道を進まないよう、クラブのあり方を考え、もう一度、全国に誇れる桜宮高校にしてほしい」と呼びかけた。また、「生きているだけで丸もうけ」との自身の発言については「生きていれば、少し回り道をしてでも自分のやりたいことに向けて進むことができるという意味だった」と釈明したという。
 橋下市長の説明の後、生徒2人が手を挙げて発言。いずれも体育科の募集継続を求める内容だった。1人は、「(自殺は)忘れてはいけない出来事。桜宮のことを真剣に考えている。(ただ)体育科を続けた状態で考えていきたい」との内容で、もう1人は、「市長は人生は長いというが、今しかない時間を大切にしたい。普通科であればいいという問題でない。入ってくる子にとって受験は一度だけで、その機会を奪ってほしくない」との趣旨だったという。これに対し、橋下市長は「皆さんに責任はないが、世の中には越えてはいけない一線がある」などと譲らなかった。
 同高訪問後、橋下市長は記者団に対し、「生徒の声を聞いても、僕の方針を変えるに至らなかった。生徒の言葉だけで間違った教育行政をやるべきではない」と述べた。21日夕の臨時教育委員会議で募集継続が決まった場合でも「僕は入試をやめさせます」と、市長の予算執行権で対抗する考えを改めて強調した。また、橋下市長は21日の市議会文教経済委員協議会でも、「旧態依然とした指導が続けられ、生徒は無批判に受け入れている。桜宮高校は時が止まっている状況だ」として同高の刷新が先決だとの考えを改めて示し、体育系2科の募集中止と全教職員の異動の妥当性を強調した。

*2:http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013012100907
(時事ドットコム 2013/1/21) 「結論覆す」、決意の反論=高校生8人、入試中止で会見-大阪市
 大阪市立桜宮高校の体育系2科の入試中止を受け、記者会見する同校の生徒=21日夜、大阪市北区の大阪市役所 大阪市教育委員会が橋下徹市長の要求通り、市立桜宮高校の体育系2科の入試中止を決定した21日夜、同校3年の男子生徒2人と女子生徒6人が記者会見に臨んだ。「私たちは納得いかない」「学校を守りたい」。8人は「まだ結論を覆せるかも」と、橋下市長と市教委に対し、決意の反論を展開した。市役所5階の記者クラブで午後7時半から1時間余にわたった会見。8人はいずれも運動部の元キャプテン。制服のブレザー姿で横一列に並んだ。「体育科に魅力を感じて受験したいと思う生徒がほとんど。普通科に回されるのは、私たちは納得がいかない」。女子生徒が口火を切った。橋下市長が同日朝、全校生徒を前に説明したが、「具体的な理由がなく、私たちの声も十分に聞いてくれなかった。思いは1時間で話せるわけがない。『生徒、受験生のことを考えて』と何度も繰り返したが、在校生と受験生のことを考えたらもっと違う結果があったんじゃないか」と訴えた。
 橋下市長が体罰の背景に「生徒たちも容認していた」「勝利至上主義」などと発言していたのに対し、女子生徒は「容認していないし、勝つことだけが目標ではなく、礼儀など人として一番大切なことを教えてもらっている」と反論。自殺問題について「心の傷は深く、重く受け止めている。傷を癒せるのは先生」として教諭の総入れ替えにも反対し、「多くの生徒が学校を守りたいと思っている」と強調した。男子生徒は「今回の結果が覆せるんじゃないかと、強い思いを持ってきた」と会見の動機を語った。別の女子生徒も「今まで続いている伝統は今でも正しいと思っている」と力説した。

*3:http://mainichi.jp/select/news/20130122k0000m040013000c.html
(毎日新聞 2013年1月22日) 大阪・桜宮高:体育系2科の入試中止決定 市教委
 大阪市立桜宮高校でバスケットボール部主将の男子生徒(当時17歳)が顧問から体罰を受けた翌日に自殺した問題で、市教委は21日、橋下徹市長の要請に基づき、同校で2月に実施予定だった体育系2科の募集と入試の中止を決めた。自殺という重大な結果を招いたことを重視し、体罰の背景を検証する必要があると判断した。ただ受験生への影響を抑えるため、2科の定員を普通科に振り替えて募集、同内容、同日程の入試を新たに実施する。
 市教委はこの日、教育委員会会議を開き、委員5人のうち4人が、体育科(定員80人)とスポーツ健康科学科(同40人)の入試中止に賛成した。同時に、試験科目や配点、日程が2科と同じ普通科(同120人)の入試を、3月に実施する従来の普通科(同160人)とは別に実施することも決めた。定員を振り替える普通科は府内全域から募集するうえ、スポーツに特色のあるカリキュラムを組むことにしており、体育系2科に近い。さらに、入学後に体罰の実態調査や教育方針の見直しなどが終われば、2科への編入も検討する。
 橋下市長は「教育的な視点から素晴らしい決定をしてくれた。体育科の在り方も含め、再生に向けて改革が始まる」と話した。また、橋下市長は会議に先立つ21日午前、同校を訪れ、全校生徒約840人に「クラブで勝つより大事なことがある。立ち止まって考えてほしい」などと入試中止への理解を求めた。
 一方、同校運動部の元主将ら8人は21日夕、市役所で記者会見。「市長から入試中止について納得できる説明はなかった。もっと私たちの声を聞いてほしい。何の関係もない中学生が巻き込まれることに納得できない」と話した。市立中学の校長会や、同校の保護者、市議会などからも入試実施を求める声が上がっている。

| 教育・研究開発::2012.4~2013.10 | 11:19 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.1.25 わが国が、景気対策で湯水のように金を使っても不景気な理由(2013/1/27追加あり)
   
      屋上の太陽光発電      ガラスに貼る太陽光発電膜      風レンズ風車

 *1に書かれている「2020年に1990年比でCO2を25%削減する」という目標を鳩山首相が国際公約した時、私は、さすがに東大工学部出身の首相であり、技術に関する理解が深く、格調高いと感じた。2008~9年の麻生政権の頃、私は、自民党内のエネルギー部会、経産部会、環境部会等で、国がそういう方針を立てて後押しすればできると主張していたのだが、自民党内では「実現不可能な目標だ」と言う人が多く(しかし、その理由は理論的ではなかった)、15%削減する目標に妥協させられていたのだ。

 しかし、その頃と比較しても、上図のように、技術はさらに進歩し、太陽光発電の効率が上がって値段は下がり、ガラスに膜を張る型の太陽光発電もでき、風レンズ風車も考案されている。つまり、国が的確な方針を決めて後押しすれば、技術は、iPS細胞と同様、それを追い風として日進月歩するのだ。そのため、私は、こまめに再生可能エネルギーを使えば、脱原発しても、25%はおろか50%のCO2削減も可能だと思っている。そして、政治は、それをこそやるべきだ。

 それにもかかわらず、*2のようにバックラッシュする経営者がおり、政治家がその意見を聞いて、何でも妥協するのがよいことであると考えて失敗してきたのが、文科系が中心となって意志決定してきた日本社会である。私は、まさにこれが、上が技術の足を引っ張り、技術革新を遅らせ、景気対策で湯水のように支出しても国の借金だけを膨らませて不景気が解消しなかった理由だと考えている。

 なお、エネルギーは創エネだけではなく、省エネの分野でも飛躍的に発展しており、*3のような太陽光を効率的に集めて光ファイバーで建物内に伝送する太陽光採光システム、*4のような地中熱を利用するヒートポンプシステム、*5のような完全電気自動車もできている。これらを利用すれば、わが国がエネルギー代金に削かなければならない費用をかなり減少させることができ(コスト低減)、わが国のエネルギー自給率を向上させた上、環境にもよく、これができない合理的な理由はない。原発の1/3の費用をつぎ込めば著しく進歩すると思うのに、なぜ、原発に固執してこれらの技術を後押ししないのかが不思議である。もうすでに、最初に言いだした時から18年も準備を進めてきているのだから、まだ準備ができておらず、都合の悪い人が多すぎるなどと言うべき時ではない。

PS(2013/1/27追加):*6は、原発推進派の定番の反論である。つまり、原発は、CO2削減に貢献しており、脱原発すればCO2削減が目標通りにいかず、地球環境を害するというのだ。このような論者は、生物に害を与える放射性物質が環境に撒き散らされることによる生態系や人命など、さまざまな環境への悪影響を同時に考慮することができないため、環境を語る資格がない。

*1:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130125-00000008-asahi-pol
(朝日新聞デジタル 1月25日)  温室ガス削減目標見直しへ 首相「25%は実現不可能」
 菅義偉官房長官は24日の記者会見で、温室効果ガスの排出削減をめぐり民主党政権が掲げた「2020年に1990年比で25%削減」の国際公約について、「とてつもない目標であって、実現不可能だ」と述べた。安倍晋三首相は近く、25%削減目標を見直し、新しい目標の策定を関係閣僚に指示する方針だ。25%削減目標は、09年9月の国連総会で民主党の鳩山由紀夫首相(当時)が国際公約として打ち出した。目標達成には、温室効果ガスを出さない原発の新増設が必要になるが、東京電力福島第一原発の事故を受けて排出量の多い火力発電所の依存度が高まっており、目標の見直しが避けられない状況になっている。

*2:http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF2500Q_V20C13A1EE8000/
(日経新聞 2013/1/25) 発送電分離「慎重に」 電事連会長がけん制
 電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は25日の記者会見で、経済産業省の電力システム改革専門委員会が実現に向けて議論している「発送電分離」について、「本当に安定供給を保てるのか、十分に検証されていない。慎重に検討すべきだ」とけん制し、結論の先送りを強く求めた。八木会長は、原子力発電所の再稼働の遅れや国のエネルギー政策における原子力の位置付けが不透明な点を挙げ、「安定供給の先行きを判断するのは困難」と強調。「安定供給を損なわないルールや仕組み作りが重要だが、(専門委では)詰められていない」と指摘した。

*3:http://www.himawari-net.co.jp/habout/index.html
     
 太陽の光を効率的に集め光ファイバーで伝送する太陽光採光システム「ひまわり」は、太陽光をそのまま照明として利用できる画期的なエコ照明です。天窓や鏡を利用するシステムとは異なり、部屋の位置や窓の方位、太陽の高度などの条件による制約がなく一日中安定した採光が可能になります。太陽の恵みを地球上のすべての生命活動に、もっと有益に活用させたいと願っていた故森博士の発想から生まれ、地球温暖化防止やエネルギー問題の解決だけでなく、人や動物の健康促進、植物の光合成などを目的とした太陽エネルギー供給システムとして公共施設からオフィス、一般家庭でも幅広く利用されています。

*4:http://www.ybm.jp/newtech/chichunetsu/chichunetsu4.htm
      
      夏は冷房        冬は暖房
■地中熱利用ヒートポンプシステム (ポイント)
 ①地球温暖化には特に二酸化炭素の排出を削減していく必要がある。
 ②二酸化炭素排出量の削減には化石燃料の使用を減らしていく必要がある。
 ③民生部門に関してはより快適な生活を求める傾向にあり、消費エネルギーが増加している。
 ④家庭内では、エネルギーを熱に変換して使っている割合が約6割となっている。
 ⑤熱を得るためにはヒートポンプを使うことが非常に有効である。
 ⑥大気を利用したヒートポンプには気温が低い時には効率が悪くなるという弱点がある。
 ⑦地下水の温度は年間を通じてほぼ一定である。
 これらのことから、地球温暖化のを阻止するための一つの手段として地中熱を利用したヒートポンプの利用が非常に有効であるということがわかります。上の図のように地中熱の抽出を行うための井戸を掘りその中に熱交換用のパイプを通し大地そのものを、空気利用エアコンで言うところの室外機として使用します。このヒートポンプで得られる熱は暖冷房等に利用が可能です。また、ヒートポンプにより給湯もできますのでお風呂や、炊事、床暖房も低ランニングコストで可能です。地中熱利用ヒートポンプシステムは、運転中に廃棄物は出ないのでサイフにやさしいだけでなく、環境にやさしい快適な生活を送れます。また、稼動部品も少ない上、通常は、地上に装置自体を設置しますのでメンテナンスの費用もかなり安価でできます。ヒートポンプは先に述べたように熱を取り出すのに非常に優れた性能を発揮します。成績係数COPは、おおむね3.5~4程度と非常に高いエネルギー効率を示し、しかも、この値は、外気温の条件がいいとき(室内と外気の温度差が少ないとき)のみの値ではなく一年を通じてほぼ安定してこの値が期待できます。また、空気を利用したヒートポンプでは、夏場室内の熱を取り出し室外に放出するためヒートアイランド現象を助長する原因の一つになっていると疑われていますが、地中熱を利用したヒートポンプでは、排熱は大地に行われるためにヒートアイランド現象の緩和につながると期待されています。
 空気を熱源としたヒートポンプでは、冬場の暖房時には、低い外気温によるデフロストをはじめとする効率低下の問題を抱えていましたが、地中熱を利用したヒートポンプでは、一年を通じ温度が安定しているだけでなく人間の快適温度に比較的近い地中熱を利用するためこの問題は発生しません。

*5:http://www.ev-car.info/ev_compare/leaf.html (日産 リーフ)
           
 電気自動車はガソリンの代わりにバッテリーに充電された電気を使って走行する自動車です。そのため、電気自動車にはガソリンエンジンが搭載されていないので走行中の排気ガスがなく、ガソリン車と比較すると騒音や振動も少ないのです。アクセルを少しずつ踏み込んでいくと速度は緩やかに上昇し、かすかなタイヤの音以外は何も聞こえません。電力駆動なので変速ショックもなく、CVT車に乗っている感じです。時速100キロに到達したときには『おお、すごい、電気自動車でもこれだけの力強さがあるのか』と思わず叫んでしまいました。
  価格帯:3,000,000~4,000,000
  補助金:-
  減税:重量税・取得税=免税
  走行コスト:1円/km
  航続距離:160km以上
  最高時速:140km/h以上
  乗車定員:5名
  充電:200V家庭用電源で充電
  充電時間:8時間/家庭用200V 30分以内/急速充電

*6:http://www.nikkei.com/article/DGKDASDD250EW_W3A120C1MM8000/
(日本経済新聞 2013/1/27)製造業、温暖化ガス14%減 90年度比、08~12年度、本社調査 議定書達成へ前進 - 原発停止、今後制約に
 主要製造業の2008~12年度の温暖化ガス国内排出量が、年間平均で1990年度比14.9%減る見通しであることが日本経済新聞の「環境経営度調査」でわかった。日本全体で排出量を6%減らす「京都議定書」の目標達成に向け前進する。企業は13年度以降も削減努力を続けるが、原子力発電所の長期停止が制約要因になる可能性もある。

| 環境::2012.10~11 | 05:52 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.1.25 法令で定められた濃度未満であれば、放射性物質を含んだ汚染水を放出しても、そこの魚を食べた人に害がないという証明はできていない。
 *2によれば、東京電力は24日、福島第1原発で増え続けている放射性物質を含んだ汚染水を、処理装置で、法令で定められている濃度未満まで放射性物質を除去した後、海に放出する方針を明らかにし、関係者の合意を得ながら行うと説明したそうだが、①法令で定められている濃度未満に処理すれば、魚介類の汚染はないと証明できたのか? ②関係者の合意を得ながら行うという関係者は誰か? について疑問がある。

 そして、*1のように、原発に関係する人々が、汚染水の生物及び人体に与える影響に関して無知・無頓着で対応が甘いことは、すでに実証されている。また、法令はどうにでも決められるが、人間が法令で安全と決めたからといって生物学的に安全になるわけではなく、それに関する研究もない。また、大量の汚染水を捨てれば、濃度が低くても捨てる放射性物質の総量は大きい。そして、これまでの政府の対応を見れば、すでに、信用には値しないという結論が出ている。

 そのような中、*3のように、重要な関係者である地元漁業関係者が怒りの声を上げるのは当然だ。また、関係者としては、癌、白血病、心疾患になりたくなければ、三陸沿岸や関東以北の太平洋側の海産物及びその加工品を食べるのを控えなければならなくなった消費者もいる。何故、そこまで無神経に、宝の海を壊せるのだろうか?

*1:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013012490071627.html
(東京新聞 2013年1月24日) 海洋汚染対策後回し 東電会議映像
 東京電力が二十三日に新たに公表した福島第一原発事故をめぐる社内のテレビ会議映像で、東電は建屋にたまった高濃度汚染水が、海に漏れる危険性を知りながら、汚染水による作業員の被ばく対応などに追われ、漏出防止対策を後回しにしていたことが分かった。今回公開されたのは、二〇一一年三月二十三~三十日と四月六~十二日の映像。これまで二回の公開分と合わせ、事故後一カ月間のやりとりがそろった。
 会議の映像を分析すると、東電は三月二十日前後は、使用済み核燃料プールに向け大量に放水される水が、建屋などに付いた放射性物質を洗い流し、海に流れ込む可能性を非常に気にしていた。しかし、二十四日に3号機タービン建屋地下で作業員らが高濃度汚染水で被ばく。汚染水の分布調査や、増え続ける汚染水の移送先の確保に追われた。その後、放水口近くの海水から高濃度の放射性物質が何度も検出され、海への漏出防止策に注力する転換点はあったが、後回しになっていた。二十八日になると、建屋内の汚染水は外のトレンチ(配管用の地下トンネル)や海のすぐ近くにある立て坑にまでたまり、いつ海に漏れてもおかしくない状況だった。
 だが、東電本店では「単純にトレンチまで(汚染水が)いってますと、今まで言っていない事実だけを公表する」などと、発表は必要最小限の内容にとどめる方針が決められていた。その一方、海水の汚染の原因究明や防止策を話し合う場面は見られなかった。四月二日、2号機取水口近くで毎時一〇〇〇ミリシーベルト超の汚染水が海に漏出していることが判明。その後になって、東電は立て坑をコンクリートでふさいだ。早い段階でこうした対応をしていれば、海への漏出は防げた可能性が高い。
 東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は記者会見で「汚染水の海への漏出を把握したのは四月二日が最初」とあらためて強調し、「その時点でできる対応をしていた」と釈明した。

*2:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013012401001798.html
(東京新聞 2013年1月24日) 東電、汚染水を海へ処理後放出 東電「合意得ながら」
 東京電力は24日、福島第1原発で増え続けている放射性物質を含んだ汚染水について、処理装置で放射性物質を除去した後に海に放出する方針を明らかにした。廃炉計画が妥当かを議論する原子力規制委検討会で説明した。地元の反発も予想され実現は不透明。東電は「法令で定められている濃度未満に処理し、関係者の合意を得ながら行う」と説明。これまでは「関係省庁の了解がなければ行わない」としていた。福島第1原発では、原子炉に注水し燃料を冷却。使い終わった水は放射性セシウムを除去して再び原子炉で循環させている。原子炉建屋には汚染水が増加、貯蔵タンクを追加設置してしのいでいる。

*3:http://www.minpo.jp/news/detail/201301256241
(福島民友 2013/1/25) 漁業関係者怒り 東電の汚染水処理方針
 東京電力が24日、福島第一原発の放射性物質を含んだ汚染水について処理装置で放射性物質を除去した後に海に放出する方針を明らかにしたことに対して、県内の漁業関係者からは怒りの声が上がった。県漁連の野崎哲会長は「多核種除去設備(ALPS)の稼働については以前から容認できないと東電に伝えている。東電から正式な報告は受けていないが今後も反対の姿勢に変わりはない」と強調した。
 いわき市漁協は22日に試験操業検討委員会を開き、底曳部会が提案した試験操業の9月開始を目標とする案を了承している。県漁業協同組合青壮年部連絡協議会長で市漁協に所属する吉田康男さん(45)=同市久之浜町=は「原発事故から2年近くたって試験操業に向けてようやくスタートラインに立てたばかりだ。到底、受け入れられる話ではない」と憤る。
 相馬双葉漁協は本県沖での漁業再開を目指して昨年6月から試験操業を続けている。遠藤和則総務部長(57)は「たとえ処理済みだとしても汚染水を再び海に流すなんて言語道断。漁業者の思いを踏みにじる対応で、受け入れられるわけがない」と反発している。

| 原発::2013.1~4 | 12:19 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.1.22 金融緩和とインフレ政策の結果は、購買力平価が切り下がり、資産の移転が行われるということ。
 2013年に年間100万円の収入を得て、毎年、収入が変化しなかったとすれば、物価が年に2%上昇すると、2013年の購買力平価は100万円だが、2014年は100/1.02=98(万円)、2015年は98/1.02=96 (万円)、2016年は96/1.02=94(万円)、2017年は94/1.02=92(万円)、2018年は92/1.0291=91(万円)、2019年は91/1.02=88(万円)、2020年は88/1.02=87(万円)となる。つまり、17年後には、2013年の87%の財・サービスしか買うことができない。これがインフレの効果である。そして、年金受給者や労働者には、物価と連動した収入を得られない人が多く、年間400万円の収入のある人なら、4倍すれば物価上昇の影響がわかる。

 また、2013年に1000万円の預金資産がある人は、(金融緩和して金余りの状態であり、利子率は低いので)利子を無視すると、全く使わなくても、その預金資産の価値は2020年には870(万円)となる。500万円しか預金資産のない人であれば、0.5をかければよい。これが、インフレ(物価上昇)の効果である。一方、銀行から1000万円借りて事業を行っていた企業の借入金は、全く返さなくても2020年には870(万円)となり、差額130万円は、老後資金を銀行に貯蓄していた老人などから企業や現役世代に、本人の意思とはかかわりなく所得移転される。少子高齢化や不景気を言い訳としても、このような個人の財産権を無視する手法が許されるはずもない。

 そして、このようなことが続けば、「円」を信用することはできなくなり、土地などで資産を持ちたがる人が増える。これが行きすぎたのが1980年代のバブルであり、さまざまな社会的弊害が出て金融引き締めが行われ、最後にはバブルがはじけ、多大な犠牲を払って、最近、後始末が終わったばかりである。このようなことを防ぐのが、*1の中央銀行の独立性だ。

 その中央銀行の独立性を害してまで物価上昇させ、景気回復させて消費税増税を行えば、一般の人は二重苦になる。さらに社会保障を削減すると三重苦になり、「税と社会保障の一体改革」と銘打っていたものの本当の姿が明らかになる。その前哨戦として、孫への贈与税が免除されたり、株価が上がったりしたと喜ばれているが、これは、一般の人には殆ど関係のないことであり、この政策で喜ぶのは、相当の金持ちだ。つまり、財務官僚主導でこの政策が決定されており、国会議員にも一般人が少なく、世襲・官僚出身者・もともと金持ちだった男性が多いことで、どの政党が政権をとっても似たような「人間を幸福にしない政策(参照:「人間を幸福にしない日本というシステム」カレン・ヴァン・ウォルフレン著)」が通っていくのである。そのため、*2、*3のとおり、何でも決めさえすればよいというものではない。

PS:なお、物価上昇を宣言すれば、消費者が早めに買っておこうと考えて景気がよくなるなどと言っている人がいるが、最大限譲歩しても、それは耐久消費財だけであり、物価が上がるから食料品や衣料品などの通常の買い物を早めに行うような馬鹿な主婦はいないだろう。それどころか、頻繁に美容院にいかなくてもすむ髪型にしたり、安い衣料品や食料品にシフトしたり、耐久消費財の購入や買換えを我慢したり、レジャーを控えたりして、収入と支出のバランスを合わせるのが普通であり、これ以上、節約するところがない人は、生活ができないのである。そして、これらのことにより、品質も悪くはなく、安い輸入品が増えた現在では、日本の産業が打撃を受けることになる。

*1:http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/435303.html
(北海道新聞社説 1月21日) 日銀総裁選び 「独立性」を守れる人に 
政府は4月8日に任期が切れる日銀の白川方明総裁の後任選びを始めた。
 安倍晋三首相は先週、有識者らから意見を聴くという行動に出た。メンバーは内閣官房参与の浜田宏一・米エール大名誉教授ら首相が唱える強力な金融緩和の支持者ばかりだ。
 政府と日銀の協調は当然だが、首相の意向に忠実なだけのトップでは中央銀行の独立性は崩れ去る。「通貨の番人」と呼ばれる日銀の最大の使命は、物価の安定だ。政府は歴史的に金融緩和には積極的だが、引き締めにはブレーキをかけてきた。そのためにバブルを拡大した苦い過去もある。日銀の判断をゆがめるような政治圧力には「ノー」と言える人物こそふさわしい。
 日銀総裁選びは従来、水面下で財務省や日銀、経済界などが調整してきた。有識者らとの会合を開くこと自体、極めて異例で首相の思い入れの強さを物語る。総裁人事は衆参両院の同意が必要だ。参院では自民、公明両党が過半数を下回る「ねじれ国会」のため、首相は有識者らの意見を盾に、野党の協力を取り付けたい考えだ。日銀総裁の任期は5年で、かつては日銀生え抜きと旧大蔵省(現財務省)の事務次官経験者が交互に務めていた。だが、旧大蔵省の不祥事などで「たすきがけ」が崩れ、ここ3代は日銀出身者が続いている。2008年の前回人事も、ねじれ国会での選任だった。自公政権の提案した元財務事務次官の武藤敏郎氏(現大和総研理事長)について、民主党が財務省OBであることを理由に反対し、参院で否決された。結局、白川現総裁の選任まで20日間のトップ不在が生じた。同じ愚を繰り返してはならない。
 問題は選考の基準が金融緩和への積極性に偏っている点だ。会合では、有識者から「デフレ脱却には大胆な金融緩和が必要だ」などと首相に同調する発言が相次いだ。総裁候補として名前の挙がる武藤氏や岩田一政日本経済研究センター理事長らも金融緩和論者だ。政府は3月19日で任期が切れる副総裁2人の後任も含め、2月中に人事案を国会に提出する見通しだ。野党や異なる立場の専門家らにも耳を傾け、幅広く人選をすべきだ。
 日銀への政治的圧力も強まっている。先週末には麻生太郎財務相と甘利明経済再生担当相が白川総裁を呼び、政府と日銀が交わす共同文書の内容をあらためて協議した。甘利氏は、同文書の採否を決める今週の日銀の金融政策決定会合にも出席し、政府の意向を伝える。日銀の独立性をこれ以上、脅かすべきではない。

*2:http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013011302000102.html
(東京新聞社説 2013年1月13日) 週のはじめに考える 政治家が議論する政治に
 昨年は「決める政治」が一種のはやり言葉のようになりました。しかし、この国に本当に求められているのは「議論する政治」ではないでしょうか。野田佳彦前首相が「決められない政治からの脱却」を掲げたのは、昨年一月二十四日の施政方針演説でした。以来「決める政治」こそが大事であるかのような論調が広がりました。国会の衆参各院で多数派が入れかわるねじれ状態が長く続いて物事が決まらなかったために、普通の国民から見れば「政治家は何をやっているんだ。さっさと話を前に進めてくれ」という気分が広がった面があるでしょう。
◆霞が関が作る首相演説
 ところがこれは、よく考えてみれば怖い話でもあります。決めさえすれば、それでいいのでしょうか。「決める政治」という言葉には途中のプロセスをすっ飛ばして、とにかく結論に達すればいいような響きがあります。そんなはずはありません。本来なら「何をどう決めるか」こそがもっとも大切なはずです。それが民主主義の価値であるからです。「決める政治」は良かったのか悪かったのか。野田政権がこのキャッチフレーズを使ったのは明確な思惑がありました。それは消費税率の引き上げです。首相の施政方針演説は普通、霞が関の役所が「これだけは入れてくれ」という注文を寄せ集めて作ります。霞が関とりわけ財務省にとっては、ここで首相の口から「オレは決めるぞ」と言ってくれれば国民に対する誓約になるのですから、これほど心強いものはなかったでしょう。その通り、増税は決まりました。でも議論は十分だったか。民主党の分裂騒ぎを見れば、そうとは言えないのはあきらかです。
◆最後は国民が「決める」
 合意を形成していくプロセスに無理があった。だから一つの政党が壊れていったのです。昨年末の総選挙で民主党が大敗したのも、その延長線上にあります。では、これからの政治は何を目指すべきか。それは「議論する政治」だと思います。なんでもいいから決めるのではなく、まず徹底的に議論を尽くす。そこが何にもまして重要なのです。結論が先にありきではなく、まず議論ありき。そのうえで時間をかけて一定の結論にたどり着く。そうしたプロセスが必要です。私たちの身の回りでも「結論が先にありき」という例がありませんか。他人の意見をよく聞いてみれば、自分が気が付かなかった論点に出合うこともあるのに、頭から結論を決めつけているので、他の話は耳に入らない。それは残念な話ですね。「三人寄れば文殊の知恵」というじゃありませんか。耳を傾けてみる価値はあるはずです。政治家や政党にとって重要なのは、実は「決める」ことではありません。議論で相手を「なるほどそうか」と納得させ、結果として自分の目指す方向に誘導する。現状認識と政策の長所・短所を明確にして、論理的に相手の同意を促す。それが政治の技術です。もちろん「テコでも動かない」といった場合もあるでしょう。それでも互いの違いがはっきりすれば、いずれ主権者たる国民が判断して選挙で決着をつけます。国民の立場から見れば「違いがわかる」ことが重要です。以上を前提に今度の国会勢力図をみると、ねじれ状況は相変わらず続いています。与党の自民党と公明党は衆院で圧倒的多数を握りましたが、参院では過半数に達していません。与党の法律案=政策を実現するには、どうしても野党の協力が必要です。そこに「議論する政治」が生まれる土壌があります。焦点の日銀総裁人事一つとっても、たとえば、みんなの党や日本維新の会などが賛成しなければ、いくら「2%の物価安定目標や大胆な金融緩和で意見が近いはず」といっても決まりません。同じことは与党についても言えます。たとえば、自民党が憲法改正に強い熱意があっても、まず公明党を説得しなければなりません。その公明党はどうかといえば、憲法改正や集団的自衛権をめぐる問題では、まさしく「慎重な議論が必要」と言っています。
◆国会こそ議論の模範に
 ねじれ国会になったのは二〇〇七年七月の参院選からでした。くしくも第一次安倍政権当時です。以来、国会は肝心の議論よりも結論だけをぶつけ合う対決機運が高まりました。増税は決まりましたが、政治への不信感は残りました。それは良くない。安倍政権も野党も「議論するとはこういうことだ」という模範になるような国会と政権運営を示してほしい。国民は政治の姿を見て学ぶ面もあるのですから。

*3:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013012290141922.html
(東京新聞 2013年1月22日) 給与増えず景気悪化の恐れ 日銀物価目標2%を決定
 日銀は二十二日、金融政策決定会合を開き、消費者物価で前年比2%の上昇率を目指す物価目標の導入を決めた。デフレからの早期脱却を目指す政府との共同声明として発表。日銀は政府との連携強化に大きくかじを切り、金融政策は転換点を迎えた。麻生太郎財務相や白川方明日銀総裁らが二十二日午後、安倍晋三首相に報告し、その後の記者会見で詳細を説明する。
 会合で日銀は昨年十二月の会合に続き、九年八カ月ぶりとなる二回連続の金融緩和も決定。二〇一四年から、緩和を続ける期限を定めない「無期限」の緩和方式を導入する。毎月十三兆円、短期国債などの資産を買い入れる。金融緩和を続ける時期は「必要と判断される時点まで」とした。
 政府・日銀は2%の物価上昇で企業の売り上げが増加、社員の給与も増えて景気が回復することを期待する。だが、海外との価格競争が起きにくい医療費や電気料金、食料品の価格の高騰を不安視する専門家は多い。経団連は一三年の春闘で賃金水準を上げる「ベースアップ(ベア)」を「実施する余地はない」と拒否する姿勢。給与増を伴わない物価上昇が暮らしを直撃し、景気が一段と悪化する恐れもある。
 2%の物価目標の導入には政策委員九人のうち民間エコノミスト出身の二人が反対した。共同声明では、物価目標を達成する時期について「できるだけ早期に実現する」と明記した。日銀は政府の経済財政諮問会議で、実行の状況を定期的に報告する責任を負う。声明には、政府も規制緩和などの成長戦略や財政健全化に取り組むことも盛り込んだ。
 デフレ脱却を最優先課題に掲げる安倍首相の就任後、初めての会合には、政府側から甘利明経済再生担当相が出席。日銀はこれまで目指すべき物価の水準のめどを「当面1%」としてきたが、安倍首相の求めに応じ引き上げた。目標の表現方法もあいまいな「めど」から、明確な「目標」に変えた。

| 経済・雇用::2012.9~2013.6 | 01:40 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.1.20 苦しくとも、食品産業が有害な食品を販売したら、過去の信用まで失う。
  
       (出典:http://matome.naver.jp/odai/2131829810240813801より)

 *1は、①漁業者が操業できない ②海の「ホットスポット」がなぜ出現するかの原因は未解明 ③風評被害を抑え込むことが重要 などと、海に原因不明のホットスポットがあって、その他の場所は放射能汚染がなく、魚介類の汚染を心配する人は風評被害をまきちらす迷惑な人であり、自粛の長期化で苦しんでいる疲弊しきった漁業者に対する思いやりがないかのような記事だが、被害を過小評価して安全でないものを販売する食品業者は、過去に形成した信用までなくし、食品業者としての資格を失うのが常だ(私は、好きで、わざわざこういうことを書いているのではない)。

 上の左図(2012年10月2日更新)で明らかなように、爆発してメルトスル―した福島第一原発から出た放射性物質による海洋汚染は、直接海に流れ出た放射性物質や、山野に降り注いだ放射性物質が雨や除染によって河や下水をつたって海に注いでいるのであり、全体としては相当の量になるはずだ。しかし、環境に放出された放射性物質の総量は、わからないと言って発表されていない。

 そして、*2のように、海洋汚染はチェルノブイリの一桁上と言われており、東京電力福島第一原発取水口付近の海水から、国が定める濃度限度の最大240倍の放射性物質ストロンチウム89、90が検出されている。ストロンチウム90は、体内に取り込まれると骨に蓄積して、なかなか体外に排出されず、チェルノブイリの時には、癌や白血病など、大人に表れた健康被害のうちもっとも深刻なものだったということだが、日本では、ヨウ素、セシウムの濃度しか調べられていない。

 そのような中、上の右表のように、多くの魚から国の暫定基準値を上回るセシウムが検出された。そもそも放射能に安全な濃度というものはないが、500ベクレルというゆるい基準を使っても、これだけ多くの魚が暫定基準値を上回っているのであり、これは、左図の海洋汚染と比較すれば、ごく自然なことである。そして、山野に降った放射性物質が海に流れ出てくる2~3年目が、海洋の放射能汚染は最大になると言われている。これが、原発事故なのであり、その気になれば調べられるのだから、メディアは、「安全なのに風評被害だ」という念仏のような報道を繰り返すのではなく、正確な情報を調べて伝えるべきである。そうしなければ、正しい対処ができず、被害が拡大する。

*1:http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2013/01/20130120s01.htm 
(河北新報 2013年1月20日) 東日本大震災 海洋汚染/セシウム異常値の解明急げ
 震災から2年近く、福島の浜には無情の時が流れている。「目の前に広がる海で、もう一度思い切り網を手繰りたい」。切なる願いは、まだかなわない。見通しすら立たない。漁業者は焦燥感を深めている。福島第1原発事故後、水産庁が続けてきた魚のサンプル調査で、放射性セシウムの検出値は減少傾向にはある。だが、突然、異常に高い値が出る。海の「ホットスポット」はなぜ、出現するのか。その原因が未解明だ。この問題が漁再開の足かせになっている。福島沖では昨年8月、アイナメから国の新基準値(1キログラム当たり100ベクレル)の258倍、2万5800ベクレルの放射性セシウムが検出された。八戸沖でも昨年6月と8月、マダラから異常値が確認された。漁獲海域は原発から400キロも離れ、事故発生から1年以上も後のことだ。2回目の検出は出荷自粛解除からわずか2週間しか経過していないことも、地元漁業者に衝撃を与えた。ホットスポットの謎が風評被害の沈静化を遅らせている。安全な魚まで不安視され、適正な価格で取引されない。原因が分からない以上、安全性を訴えることがままならない。
 汚染の理由を合理的に証明する手法の確立が喫緊の課題である。官民挙げて知見を結集し、不安を早期に解消したい。放射性物質は食物連鎖を通じて広がることが分かっている。海の表層では、プランクトンを食べるコウナゴやシラスなどの小魚から中型・大型魚へと移行する。海底近くでは、底に沈んだ魚の死骸からゴカイなどが取り込み、それを食べるアイナメやエゾイソアイナメ(ドンコ)、ヒラメなどに広がる。こうした汚染の流れをさらに突き詰める取り組みを、独立行政法人水産総合研究センターなどが昨年秋に始めた。
 着目したのは、魚の平衡感覚をつかさどる「耳石」という器官にできる年輪のような輪だ。形成過程で体内に取り込んだ放射性物質が沈着するため、セシウムが付着した時期を把握できるという。原発事故後に一気に汚染されたのか、少しずつ蓄積されたのか。その過程と魚種が特定されれば、水揚げ制限をよりきめ細かく設定できよう。海底土の汚染度合いを広範囲に把握する調査も進めている。放射性物質を計測できるえい航型の装置が昨年夏に開発され、汚染状況が点から面で確認できるようになった。この技術が活用されている。福島沖で漁獲可能な魚種はイカ、キチジ、ミズダコなどに限られる。漁獲自粛は危険性を排除する水際対策として効果的だが、対症療法の域を出ない。自粛の長期化で、漁業者は苦しみ、疲弊しきっていることを忘れてはなるまい。汚染のメカニズムが科学的に解明されれば、消費者の不安を拭い去ることができよう。風評被害を抑え込む有効な手だてになるはずだ。

*2:http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-613.html 
福島第一原発の海洋汚染はチェルノブイリの一桁上
<福島第2原発>放射性汚染水の海への放出検討 批判の声も
ポイント:「海水から240倍のストロンチウム→薄まるから心配ない。」と・・。
 今年はイワシが豊漁だそうです。読売の日テレは、ニュース番組にも関わらず、この話題に長い時間を取ってイワシ料理の数々を紹介。「今年はマグロは半額だよ」と、まるで旅行番組のグルメ紀行のようです。海洋生物への汚染が、いよいよ現実的になってきた今、マスコミや政府は、野菜のときと同じように正しい情報を出さず、「安心して魚を食べろ」と言い出しそうです。
 2011年4月の段階で、オランダの環境調査団体・グリーンピースから、福島第一原発沖の海洋調査を許可して欲しい旨の要望が入っていましたが、日本の政府はこれを拒否。日本の政府がグリーンピースを拒否したことが、どうのこうのではなく、「拒否した後も何もやっていない」ことが問題なのです。世界から日本の政府への風当たりが強くなりそうだと考えたのか、この後、文部科学省は、今までの怠慢な調査を改め、多少は本腰を入れるのかと思ったのですが、あいかわらずヨウ素とセシウムの検査しかやっていないのです。その海洋サンプリング調査も独立行政法人海洋研究開発機構という官僚の在庫処分団体に丸投げで、その結果を形式的にネットで公表しているだけです。この最新のモニタリング結果を見れば分かるように、海の表面と深度100mをモニタリングしているだけで、この検査結果も信用に足るものなのか疑わしい。もちろん、ストロンチウムという文字は見つかりません。計測してないのですから。今では、文部科学省が地上何十メートルに設置したモニタリング・ポストの数値を信じることなく、各自治体が独自に地表面の数値を図っています。これと似たようなことが海洋汚染についても起きるはずです。第一、海の表面から300mまでの深さを混合層といって海水が上下に入れ替わったり、混じりあったりしている層があるのですが、ここをモニタリングしなければ意味がないでしょうに。すで100mより下の部分に放射性核種が沈殿し始めているはずですから。2011年5月9日には、とうとう福島第一原発の海から、出てはならないもの-ストロンチウム89と90が初検出されました。そして6月12日には、東京電力福島第一原子力発電所取水口付近の海水から、国が定める濃度限度の最大240倍の放射性物質ストロンチウム89、90が検出。特にストロンチウム90は半減期が29年と長く、体内に取り込まれると骨に蓄積してしまって、なかなか体外に排出されません。チェルノブイリのとき、大人に表れた健康被害のうちもっとも深刻なものは、このストロンチウム90によるものだと考えている専門家が多いのです。今度こそストロンチウムの検査に本腰を入れると思ったら、原子力安全・保安院はなんと言ったか。西山英彦・保安院審議官は12日の記者会見で「海で希釈されて大きな影響はないと思うが、監視を続けたい」と。プールで泳ぎながらオシッコをした子供とは、わけが違うのですよ。
 枝野が「直ちに・・」「今すぐに・・」と言うなら、西山審議官は「薄まるまで待とう」です。これでは、ますます消費者の買い控えは広がっていくでしょう。

| 内部被曝・低線量被曝::2012.9~2014.4 | 11:31 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.1.19 政策を誤り、問題が多いのは、科学オンチで、人命より自らの利益を優先するリーダーの頭である。
 *1の記事では、安全を前提にした早期の原発再稼働には強い反対はなかったそうだが、安全を前提にしているのならば、福岡市内で原発を再稼働したらどうか。こう言わなければ、「安全を前提にはできないから、再稼働してはならないのだ」ということが、自分の安全の問題として理解できないのだろうか。

 政策を誤り、問題が多いのは、「革新的エネルギー・環境戦略」「再生可能エネルギー」ではなく、科学オンチで、人命より自らの利益を優先するリーダーの頭である。よく考えれば、経済オンチでもある。

*1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2382860.article.html 
(佐賀新聞 2013年1月19日)  「1日も早い原発再稼働を」九州経済同友会
 九州経済同友会は18日、電力供給の不安や電気料金値上げの影響を懸念し、一日も早い原発再稼働などを求めた意見書を発表した。「原子力規制委員会で安全性が確認された原発は、政府の責任で速やかに再稼働を決定すべき」としている。29日に経済産業省に提出する。2030年代に原発稼働ゼロを目指して民主党政権が策定した「革新的エネルギー・環境戦略」は問題が多いとして、原発の重要性を踏まえた新エネルギー基本計画の策定を要望。さらに再生可能エネルギーの推進や電力システム改革は慎重な検討を求めた。
 福岡市で記者会見した代表委員の石原進JR九州会長は「原発への不安が市民に染み付いているが、政策を間違えると日本の経済や国民生活に大きな影響がある。民主党とは違う考えの政権が誕生したので、意見をとりまとめた」と述べた。九州・沖縄8県の経済同友会の代表幹事が書面で意見をすり合わせた。「再生可能エネルギーの推進を強調すべき」との意見もあったが、安全を前提にした早期の原発再稼働には強い反対はなかったという。

PS:*2のようなこともあり、安全基準も頼りになるとは限らないので、ご参考まで。
*2:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1803H_Y3A110C1EE8000/ 
(日経新聞 2013/1/18) 原発新安全基準に電力会社が反論
 原子力規制委員会は18日、7月に導入する原子力発電所の新安全基準について電力会社の関係者を呼んで意見を聞いた。過酷な事故やテロへの対策を詳細な内容まで示して求めた規制委に対し、電力会社は「具体的な内容は事業者が決められるようにすべきだ」と反論。実現しやすい基準にするよう求めた。規制委の原案は水素爆発を防ぐ機能が付いた水素排出設備を求めたが、電力会社は「海外でも要求した例はない」とし、爆発防止機能は不要だと主張。規制委側は「福島原発事故で水素爆発をあれだけ経験した」と主張し、設置を改めて求めた。電力会社は原子炉から離れた場所に設ける非常用冷却施設にも「距離を取れない場合がある」と注文をつけた。18日は議論が長引いたため、25日にも会合を開く。規制委は31日に新安全基準の骨子案をまとめる方針だ。電力会社の反論をどこまで反映させるかは不透明だ。

PS:また、*3のように、港湾口への網の設置や魚の駆除で問題が解決すると考えるのは、水系による生態系に関する考えが甘く、命に対する温かみも思考の深さもない。
*3:http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1804V_Y3A110C1CR8000/ 
(日経新聞 2013/1/18) 魚から基準の2千倍超セシウム 福島第1原発の港湾内
 東京電力は18日、福島第1原発の港湾内でとったムラソイから、魚類では過去最大値となる1キログラム当たり25万4千ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。国が定める一般食品の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)の2540倍に相当する。このムラソイを1キログラム食べた場合の内部被曝(ひばく)線量は約4ミリシーベルトと推定される。東電は今後、港湾内の魚が外洋に移動しないよう港湾口に網を設けるほか、港湾の内外で駆除も進めるという。
 水産庁などによると、これまで魚類の最大値はアイナメの2万5800ベクレル。第1原発港湾内では昨年10月にとったマアナゴの1万5500ベクレルだった。福島県沖ではミズダコなどの試験操業を除いて漁を自粛している。今回の調査では、ムラソイを含め、港湾内で昨年12月20日にとった5種類の魚のすべてが基準値を超えた。このうち別のムラソイで14万ベクレルと4万9千ベクレル、タケノコメバルで10万1千ベクレル、アイナメで4万ベクレルが検出された。

| 原発::2013.1~4 | 07:58 AM | comments (x) | trackback (x) |
2013.1.17 それを報道したメディアにも責任があるのではないだろうか?
 私は、「オウム」や「アレフ」が国松孝次・警察庁長官銃撃事件を起こしたかどうかは知らない。しかし、*1のように、真犯人を検挙できず、裁判で証拠不十分になった件について、時効が成立してから公表することは、意味がない上、卑怯だ。そのため、東京地裁の判決は妥当だと思うが、100万円の賠償は、いつものことながら、損害と比較して低いと思った。

 しかし、メディアには「言論の自由」「表現の自由」があるから、何を書いても責任がないというのもおかしい。私は、証拠不十分で不起訴になった案件を、警視庁が、「オウムが敢行した組織的テロだった」と会見した時に、それを報道したメディアにも問題があり、メディアが報道しなければ、名誉棄損事件は予防できたと考える。つまり、誰かが容疑者になったら警察発表を鵜呑みにして報道する習慣になっているメディアにも大きな問題があり、誰でもこの被害者になる可能性はあるのだ。そして、本当は、裁判で判決が出るまでは、有罪か無罪かは不明であるにもかかわらず、メディアに容疑者として報道されただけで、すぐに、その人の人生は狂い、大きな被害を受けるという性格のものなのだ。仮に、数年後に裁判で「無罪」とされたとしても、その莫大な損害を取り戻すことはできない。従って、本人が望まない限り、容疑者の段階での報道は差し控えるべきだろう。

 そして、メディアも法務部などで、危うい記事に関しては、名誉棄損・侮辱・差別・人権侵害等を含む違法なものでないか否かについて、事前に法律家のアドバイスを受けておくのが正当な注意だ。相手が権力のあるなしにかかわらず、メディアが、売れさえすれば人権侵害や人格権の侵害をやってもよいという発想をしていたのでは、「表現の自由」「言論の自由」どころか、わが国の文化が劣化するからである。

*1:http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_gnavi#Edit2 (朝日新聞 2013年1月17日) 警視庁敗訴―当時の幹部に求償せよ
 恥の上塗りというほかない。オウム真理教の流れをくむ宗教団体「アレフ」がおこした裁判で、警視庁が敗訴した。国松孝次・警察庁長官銃撃事件の時効が成立した直後の2010年3月、警視庁公安部長が会見し、「オウムが敢行した組織的テロだった」と公表するなどしたことが、アレフの名誉を傷つけたと判断された。東京地裁は、所管する東京都に対し、賠償金100万円を教団に支払うことと、知事名の謝罪文を差し出すことを命じた。警視庁の完敗である。
 私たちは会見当時の社説で、警察のやり方を批判した。膨大な人手と費用、時間をかけながら犯人を検挙できなかったのに、失敗を棚にあげ、オウムの犯行と断じたのだ。こんな理不尽な行動がゆるされるようでは法治国家といえない。公権力が違法行為に進んで手を染めてどうするのか。判決理由にも「無罪推定の原則に反する」「わが国の刑事司法制度の基本原則を根底からゆるがす」といった、厳しく、かつ当然の言葉がならぶ。
 裁判で警視庁がくり広げた主張にもあきれてしまう。「仮にオウムの名誉を傷つけたとしても、アレフは別の団体なので賠償を求めることはできない」と反論したのだ。では、なぜアレフは、「オウム真理教の教義を広め、その実現を目的とする団体」として、法律にもとづく観察処分をいまも受けているのか。治安をあずかる機関がこんな支離滅裂なことを言う。信頼を著しくおとしめる行いである。一部の警察官の不祥事とはレベルが違う。捜査を主導した公安警察の失態を覆いかくし、組織の体面をただ守るための会見だったのは明らかだ。 かつて強調した「公表することの公益性」を、法廷で主張できなかったのも、説得力に欠ける言い分であることを自ら認めたからではないか。判決を受けいれ、これ以上恥を重ねるのを避けるべきだ。
 賠償金は東京都、つまり都民の税金から支出される。国家賠償法は、被害者がたしかに救済されるよう、責任は自治体が負うと定めているためだ。一方で、「公務員に故意や重大な過失があったとき、自治体はその公務員に対して求償できる」との条文もある。今回の公表行為は、まさにこの規定にあてはまるだろう。当時の警視庁幹部に支払いを求め、しっかりけじめをつける必要がある。都民に尻ぬぐいさせるのはおかしい。

| 報道の問題点::2012.11~ | 12:20 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.1.14 官僚主導では大きな改革はできないのに・・。
 *2で、東北は、河川や農業用水路など水の流れをこまめに生かして、小水力発電を進める気になり、良かったと思う。東北には、そのほか、地熱・汐潮・天然ガスなど豊かな資源があるので、安価で環境負荷の少ないエネルギーを作って欲しい。エネルギーは、農業・工業を始めとする産業振興に重要である。

 また、*3では、九州の鹿児島県知事が「脱原発で進むべきだ」と述べたそうで、喜ばしい。もう次のステップに進むべき時だから、次は佐賀県知事に「脱原発で進むべきだ」と言ってもらいたい。九州も、太陽光、地熱、汐潮等の豊かな資源に恵まれ、ゴミや間伐材等、今まで使っていなかった資源も利用できる。

 そのような中、*1のように、2013年度予算の概算要求で、経済産業省が、原発の海外輸出を支援する事業などを新たに要求したそうだが、世界で原発を止めようとしている時に、バックラッシュもいい加減にしてもらいたい。官僚主導では、何故、このようになるかという理由は、以下のとおりである。
1)省ごとに利権を持っているので、その利権が小さくなる変更はしたがらない。原資力ムラは、経済産
  業省の利権であり、天下り先なのである。
2)省ごとに議論して意志決定するので、省をまたぐ大きな変革は、官僚にはやりにくい。そのため、
  再生可能エネルギー普及のためのインフラ整備等が、経済産業省だけではできず、経団連など
  経済産業省傘下の企業の要望に応じて、現状維持を続けがちになる。
3)終身雇用、年功序列等が影響して、仕事上、問題を起こさず、責任を問われず、天下り先を多く
  作ることが役人の処世術になるため、権力を持っているところに弱く、必要な改革がやりにくい。
4)官は、もともと天皇の官吏であったため、現憲法下でも国体維持に中心を置き、国民の幸福を増す
  ことに中心を置いてはいない。また、国民による審判もない。
5)その他(読者が考えて下さい)

 従って、省庁横断を要するダイナミックな改革は、政治主導で行わなければならないのだが、これも、*4のようにふりだしに戻った。官が新規採用を押さえるべき理由は、65~70歳定年制にして天下りを無くすためである(その方が、よほど国民負担が少なく、天下りによる悪弊もない)。また、学校を卒業して役所に入りたい若い人は多いかも知れないが、日本では欧米を手本に、役所を中心にして、いっせいに後を追う時代は終わった。現在は、民間の創意で新しい産業を作り出していかなければならない成熟した時代なのである。そのため、限られた優秀な人材を、役所が多くとり、若くして肩たたきして天下りさせ、実質的に生産活動からはずすというような人材の無駄遣いは許されない。優秀な人材は、民に多く供給すべきで、官の採用を増やすべきではないのだ。しかし、「偉い」政治家にも全貌が見えていない人は多く、官の側についているメディアの報道の仕方もあって、選挙では、そちらの方が当選しやすいのでどうしようもない。

*1:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/342863 (西日本新聞 2013年1月11日) 原発維持へ新事業要求 13年度概算要求
 財務省は11日、安倍政権の発足に伴う2013年度予算の概算要求差し替えを締め切った。経済産業省は、原発の海外輸出を支援する事業などを新たに要求。脱原発を掲げた民主党政権と比べ、原発を維持する方針を明確にした。東日本大震災で津波や原発事故の被害を受けた地域に進出する企業を支援する制度も今回新設し、被災地復興に重点配分する。財務省は要求内容について各省庁と最終的な協議に入る。緊急経済対策を盛り込み15日決定する12年度補正予算案と合わせて13年度末まで財政出動を切れ目なく続ける「15カ月予算」の編成作業が本格化した。

*2:http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2013/01/20130103s01.htm (河北新報 2013年1月3日)小水力発電/東北の優位性生かし推進を
 再生可能エネルギーの普及に向けて、河川や農業用水路など水の流れを生かす小水力発電への期待が高まっている。国内の市場はまだまだ小さいものの、昼夜、年間を通して安定した発電ができ、設備の設置面積も小さくて済む。流量と落差があれば、場所は問わない。地形的に起伏に富み、水量も豊かな東北地方は、潜在力が全国一高いといわれている。これまで法的手続きが煩雑で、多大な労力や時間がかかることが導入のネックとなっていた。国が規制緩和に向けて動きだしており、設備導入が今後、加速しそうだ。小水力は地域密着型のエネルギーで地元の活性化、雇用促進への効果も見込まれる。東日本大震災からの復興に弾みをつけるためにも、東北の優位性を生かして強力に推進してほしい。
 「小水力」の厳格な定義はなく、一般的に出力千キロワット以下の小規模な発電を指す。新エネルギー法の施行令では、千キロワット以下の水力発電は新エネルギーに認定されている。大中規模ダムのように水をためることなく、流水をそのまま利用。河川、農業用水、砂防ダム、上下水道など、無駄に捨てられてきたエネルギーを有効活用する、環境配慮型の発電だ。環境省の2009年度の調査によると、小水力発電の適地は全国に2万6798地点あり、利用可能量は1811万キロワットと推計された。東北には全体の27%、500万キロワットが集中、出力は原発5基分に相当する。最大の特長は設備利用率が50~90%と高く、太陽光発電より5~8倍効率が良いことだ。発電設備を設置する際の土地の形状変更が限定的で、水質や周辺生態系に及ぼす影響が小さい。メリットが大きいにもかかわらず、市民の認知度が低い背景に、推進を図る上での政治的な不備があったことは確かだ。小水力は、昨年始まった「固定価格買い取り制度」で、電力会社の買い取り価格が2.5~3.5倍になった。普及が期待されたものの、手続きの煩雑さが障壁となった。農業用水路に設置する場合でも、国や都道府県の許可が必要なためだ。普及を促進するため、国土交通省は用水路に設置する場合、水利権を持つ農家などの同意を得れば、国や都道府県の許可を不要とすることを決めた。ことしの通常国会に、河川法の改正案が提出される見通しだ。全国小水力利用推進協議会は、3年程度かかっている申請の準備から許可までの期間を、一気に短縮できると期待する。小水力の事業主体は地方自治体や土地改良区、NPO、民間企業、個人であり、電力会社主体の開発と抜本的に異なる。地元業者が施工、保守管理などを担うことで、地域経済活性化への効果も見込めよう。小水力の潜在力を見据え、東北は原発なしでも電力を賄える素地があると指摘する専門家もいる。被災地から発信する再生エネ戦略の柱の一つとして、一層強くアピールすべきだ。

*3:http://mainichi.jp/area/kagoshima/news/20130112ddlk46040583000c.html (毎日新聞/鹿児島 2013年1月12日) 川内原発:増設、凍結方針を改めて示す 知事「脱原発で進むべきだ」
 伊藤祐一郎知事は11日の定例会見で、九州電力川内原発3号機増設に関する諸手続きについて、凍結する方針を改めて示した。安倍晋三首相が昨年末、原発新増設について前向きな考えを示したことに対して述べた。伊藤知事は「(既存の原子炉の)再稼働の見通しが立たないうちに『新規の原子炉を設置』というのは拙速。もう少しきちっと考えてから発言していただきたい」と苦言を呈した。そのうえで、昨年の知事選の公約に掲げた凍結方針は「堅持する」と述べた。また民主党政権時代に決まった「2030年代の原発ゼロ」方針を安倍政権が踏襲しないことについては「脱原発を前提としつつ、30年までは原発ゼロの方向に進み、その時点で世界や日本のエネルギー事情などを考えて政府として判断するべきだ」との考えを示した。

*4:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/342432 (西日本新聞 2013年1月9日) 新規採用の大幅抑制見直しへ 国家公務員で政府・与党
 政府・与党は9日、民主党政権が進めた国家公務員新規採用の大幅抑制を見直す方針を固めた。2014年度採用から実施する方向だ。ただ、自民党は衆院選の政権公約で「地方も含め公務員総人件費の2兆円削減」を掲げており、今後は見直しの在り方や、行政スリム化への具体的な道筋が問われそうだ。菅義偉官房長官は9日午後の記者会見で、見直し理由について「新規採用は組織に活力を与える。学校を卒業して役所に入りたい若い人もたくさんいるので(見直しを)考える時期にきている」と説明した。

| 経済・雇用::2012.9~2013.6 | 10:26 AM | comments (x) | trackback (x) |

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