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2013.8.14 適正な年金積立金を計算するためには、公的年金にも退職給付会計のような計算が必要であること
(1)適正な年金資産の金額はいくらか
 私が書いた、このブログの2013年8月12日の記事に反論してか、*1の日経新聞記事に、「世界的には、日本はたくさんの年金資金を持つ国である」「日本の資産額は世界に比べて些少というわけではない」という内容を記載した記事があった。しかし、日本の年金資産額を、年金制度の異なる他国の年金資産額と比較しても無意味だ。

 何故なら、あるべき年金資産の金額は、年金制度の内容、人口構成、退職後の平均余命で変わるからである。そのため、このブログの2012.12.18に記載しているとおり、年金制度が開始して年金保険料を徴収し始めた時点から、支払時のことを考えて積み立てておくのが当たり前であり、そうしなければ、人口構成が変化した時に支払金額を削減しなければならない、まさに現在のような状況が起こるのである。

 それでは、必要十分な積立金額はいくらかと言えば、米国では1985年にFASB83で導入され、日本では私が1996年に言い出して1997年から議論され始め、民間企業で2000年4月に導入された退職給付会計で算定されるような計算が必要なのである。しかし、日本では、民間企業も2000年4月までは、「退職給与引当金」としてざっくりした金額しか積み立てていなかったし、公的年金は、今でも勘に頼った少ない金額しか積み立てていない。

 さらに、それだけではなく、公的年金は、もともと積立方式だったのだが、団塊の世代が働き盛りとなったまさに1985年に、専業主婦を3号被保険者として賦課方式に変更し、積立金の必要性すら論じなくなったのである。そのため、今、必要なことは、契約どおり支払うために必要な積立金の金額を計算し、現在ある積立金との差額を、特定の世代に負担をかけないよう、50年くらいかけて補填することである。

(2)周到に準備したというのは嘘だ
 (1)より、*1の「日本がいまのような年金資産を持てているのは、団塊世代への給付急増が保険料の急騰に陥らないようにするため、周到に準備した結果です」というのは真っ赤な嘘であり、必要な積立金額の計算すらしていなかったことがわかるだろう。そのため、「団塊世代が現役のうちに多めに保険料を徴収し、彼らの将来の給付のために積立・運用してきたことで、実は現役世代の負担軽減になっている」とまで書かれると、よくここまで嘘を書けるものだと呆れてしまう。そして、まさにこの体質が問題なのだ。

(3)反省なき自画自賛では何も解決しない
 必要な年金資産の金額を計算することすらできず、運用も徴収も杜撰なのであるから、「年金運用のマネジメントについてはもちろん議論が必要」というのは、私が、このブログの2012.4.4及び2012.5.5に記載したとおり正しいが、「世界に少し目を向けてみると、日本も悪くないと思える部分もある」というのは、1960年に年金制度が導入されて50年以上も経つ日本としては、もう完成しているべき時期であるため賛成しない。そのため、約170兆円の年金資産に満足する前に、契約どおり年金を支払う場合にあるべき積立金額との差額を、速やかに計算すべきだ。そして、その差額がわかって初めて、次の解決策が考えられるのである。

*1:http://www.nikkei.com/money/features/18.aspx?g=DGXNMSFK1201N_12082013000000&df=3
(日経新聞 2013/8/13) 世界と徹底比較 意外と悪くない日本の年金
■世界的には、日本はたくさんの年金資金を持つ国である
 日本の年金制度について過度に悲観的な意見を述べる人は、決まって年金積立金の話題を持ち出します。年金積立金が十分でなく、枯渇の恐れがあるという論調です。確かに公的年金を安定的に支払ううえで、年金の積立金は重要な役割を持っています。日本には約170兆円の年金資産がありますが、おそらくほとんどの人は、日本の積立状況は世界的にはたいしたことがないと思っているでしょう。もっと準備しなければならないのにうまくいっていない、というイメージなのだろうと思います。
 しかし、実は日本の年金積立額は世界トップクラスの水準です。年金シニアプラン総合研究機構のレポートによれば、公的年金の積立金は米国(2010年度末で約186兆円)、ノルウェー(2012年度末で約50兆円)、カナダ(2011年6月時点で約13兆円)、韓国(2010年末で約22.6兆円)といった例がありますが、100兆円規模の資産を持つ国はほとんどありません。日本の資産額は世界に比べて些少(さしょう)というわけではないのです。ちなみに、厚生年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は機関投資家として世界最大規模です(先ほど触れた米国の186兆円はすべて債券運用。公務員の年金運用などの団体も各20兆円ほどです)。人口を考えると、日本並みに積立金を有してもおかしくない先進国や発展途上国の国々があるのに、なぜそうなっていないのでしょうか。理由は2つです。一つはまだ積立金をほとんど持てていないからです。急激な経済成長に見合った社会福祉の充実が追いつかず、いつかは日本のように数年分くらいの積立金を作りたい、と思いつつ実現が難しい国がたくさんあります。もう一つは、賦課方式(保険料がそのまま給付に充てられる)を変更せずにきたため、積立金を持つ必要を強く認めていない国があるからです。例えばドイツは1カ月ほど、英国は2カ月ほどの給付に必要な年金資産しか保有していません。何となく100兆円くらい持っていそうなイメージがありますが、実はそうではない国もたくさんあるのです。
 日本がいまのような年金資産を持てているのは、団塊世代への給付急増が保険料の急騰に陥らないようにするため、周到に準備した結果です。団塊世代が現役のうちに多めに保険料を徴収し、彼らの将来の給付のために積立・運用してきたことで、実は現役世代の負担軽減になっているのです(もちろん運用益が得られればそれも負担軽減になります)。年金運用のマネジメントについてはもちろん議論が必要です。しかし世界に少し目を向けてみると、日本も悪くないと思える部分もあるわけです。

| 年金・社会保障::2013.8~2019.6 | 06:53 PM | comments (x) | trackback (x) |

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