■CALENDAR■
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31       
<<前月 2024年03月 次月>>
■NEW ENTRIES■
■CATEGORIES■
■ARCHIVES■
■OTHER■
左のCATEGORIES欄の該当部分をクリックすると、カテゴリー毎に、広津もと子の見解を見ることができます。また、ARCHIVESの見たい月をクリックすると、その月のカレンダーが一番上に出てきますので、その日付をクリックすると、見たい日の記録が出てきます。ただし、投稿のなかった日付は、クリックすることができないようになっています。

2014.7.8 原発は廃止の時である (2014.7.9追加あり)
     
        *1-3より           2014.6.26毎日新聞より

(1)原発の新規制基準は、本当に世界一厳しく、十分な基準になったのか?
 *1-1、*1-3に書かれているように、原子力規制委員会は、7月9日か16日に九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)の合格証となる「審査書案」を提示する方針を固めたそうだが、新規制基準は想定が甘いと言われ、本当に世界一厳しい基準かどうかは、実際に他国の基準と比較した上で判定すべきだ。また、「規制委が開いた審査会合は122回に上る」とも書かれているが、監査の常識から見ると、電力会社が提出した分厚い書類に目を通すだけで審査終了というのは、形だけの審査で安易すぎる。

 そのような中、*1-2のように、昨日、公認会計士協会東京会が主催して、小泉元総理に「日本の歩むべき道」と題して講演していただき、小泉元総理は、「①原子力発電所推進の論理は完全に破たんしている」「②今後も原発ゼロにする国づくりを一歩でも進めていく」「③世界一厳しい安全基準だと政府は主張するが、他国と比較したことはない」「④再稼働できるわけがない」「⑤他の電源に比べて原発コストは安いというのも嘘どころか一番『金くい虫』だ」「⑥最終処分場も原発ゼロ決定後でなければ理解は得られない」という話をされた。私も、①~⑥に全く同感だ。

 また、*1-4のように、民主党の菅元首相も、衆院予算委員会の質問で、「①政府のエネルギー基本計画案は、原発拡大計画だ」「②事故以前と全く変わっていない。反省のかけらもない」「③自治体が安全に避難できないから原発は動かさないでくれと言った場合、再稼働しないのか・・、責任を持たないということがはっきりした」「④原発事故当時、東京中から一人残らず逃げなければならないギリギリの状況だった」と批判されており、これらが、実情や経緯を知っている人の率直な感想だ。

(2)福島第一原発事故後の対応について
 *2-1のように、福島原発事故の影響で拡散した放射性物質を取り除く除染で出た土などを住宅の庭先などに一時的に保管している場所が、福島県内で5万3000か所に上っているが、中間貯蔵施設建設の具体的な目途はたっていないそうだ。原発事故後の対応や政府のエネルギー基本計画を知れば、「政府を信用して協力することはできない」と考えるのは当たり前である。

 また、*2-2に書かれているように、「年間追加(ここがポイント)被曝線量の限度は1ミリシーベルト(=毎時0.23マイクロシーベルト)」とすり替えられて伝えられてきたが、正しくは「年間被曝線量の限度は1ミリシーベルト以下」である。これを今認めているのは、関東地方の線量が下がってきたからだろう。これまでは、毎時0.23マイクロシーベルト(年間2ミリシーベルト)前後だった。

 さらに、*2-3のように、原子力規制委員会の田中委員長は、一般の食品に含まれる放射性物質濃度を1キログラム当たり100ベクレルとした国の基準について「欧州の10分の1以下(の厳しさ)で非常に疑問だ」と述べ、近く設置する放射線審議会で、基準緩和も含めた見直し議論が必要との認識を示したそうだが、外部被曝を受け、内部被曝は空気中のゴミからも受けている場所で、それらがない地域と同じ食品基準でよいわけがない。原子力規制委員会の田中委員長は、原子力発電の専門家ではあっても医学や生物学の専門家ではないため、単純な比較で食品基準の緩和を言い出すべきではない。

 もっと呆れるのは、*2-4の「凍土壁」や汚染水を凍らせ氷の壁を作って止水する莫大な費用をかけた工事だ。これを考えた人は、地下水の分量や流れ方について推測できない人だろうが、地下水の流量と熱交換を考えれば、2か月たった現在も凍らないのが当たり前である。それにしても、いい加減な計画のために莫大な費用を投入している。

(3)このように、原発推進論者の言うことは信用できない
 このように、原発を推進することと税金を使うこと以外は何も考えていない原発推進論者に任せておくと、命がいくつあっても足りないため、*3-1のように、伊万里市の塚部市長は「国は30キロ圏外にまで被害が及んでいる福島原発事故の検証を真剣にやっているのか。立地自治体とか隣接自治体とか地図上の境界で判断するなんてナンセンスだ」と批判しており、そのとおりだ。

 また、*3-2のように、青森県で建設中の大間原発に、津軽海峡を挟んだ対岸にある北海道函館市が建設中止を求めている裁判で、函館市長が「事故が起きると深刻な影響を受ける函館市の同意もないまま、建設を進めるべきではない」と訴えたのも当然である。国や電源開発は、「自治体がこうした訴訟の原告になることは法律上、認められていない」などという手続き論で逃げるのではなく、「何故、いいと思うのか」を論理的に主張すべきだ。

 このような状況であるため、*3-3のように、九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)再稼働反対を訴える集会が開かれている。一般市民も、よく考えて意見表明すべきだ。

(4)何故、原発輸出を推進しなければならないのか
 *4-1のように、トルコとアラブ首長国連邦(UAE)に日本から原発の輸出が可能になり、トルコには、安倍首相がトップセールスをして輸出を決めた。また、*4-2のように、「東芝」のグループ会社がブルガリアの原発1基をおよそ5000億円で受注する見通しとなったそうだ。しかし、これは、日本の「原発ゼロ目標」とも矛盾するので、①何故、日本から原発輸出をしているのか ②何故、契約締結に繋がったのか などについて、メディアは明確にすべきである。

<原発政策>
*1-1:http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140703/dst14070308050001-n1.htm (産経ニュース 2014.7.3) 川内原発に9日にも“合格証” 原子力規制委 再稼働は10月にずれ込みか
 再稼働に向けた安全審査が進む九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)について、原子力規制委員会が早ければ9日にも事実上の合格証となる「審査書案」を提示する方針を固めたことが2日、分かった。計12原発19基の安全審査の申請が出ているが、川内原発は新しい規制基準のもとでの合格第1号になる。今後は意見公募(パブリックコメント)などを経て審査書を確定、さらに地元の同意を得る必要があり、再稼働は10月にずれ込む可能性がある。九電は昨年7月、新規制基準の施行と同時に審査を申請。規制委はこれまで、川内原発だけでも約60回の公開審査会合を開き、昨年9月と今年4月に2度の現地調査を実施した。審査書案は新規制基準に適合しているかを基準項目ごとに記載する。これまでの審査会合で議論になった課題を中心に、規制委の新基準適合性への判定理由が書き込まれる。川内原発で特に大きな課題となったのは、想定される地震の最大の揺れを示す「基準地震動」。九電は当初540ガルで申請したが、規制委の指摘に従い、2回にわたり修正し、620ガルに落ち着いた。想定される基準津波も従来の3・7メートルから5メートルに変更した。ただ、合格の見通しが立ったのは、原発の基本設計や方針を見る「設置変更許可申請」と呼ばれるものであり、そのほか、機器類の詳細を確認する「工事計画認可申請」と、運転管理体制をみる「保安規定変更認可申請」の審査が残っており、すべて終えるのは8月以降になる。その後、鹿児島県や薩摩川内市など地元自治体の同意が焦点となるほか、原発の機器を検査する「使用前検査」が控える。使用前検査も1~2カ月程度かかるとみられる。

*1-2:http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKBN0FC0VX20140707
(ロイター 2014年 7月 7日) 原発再稼働「できるわけがない」、推進論は完全に破たん=小泉元首相
 即時原発ゼロを訴えてきた小泉純一郎元首相は7日、都内で講演し、原子力発電所推進の論理は完全に破たんしていると述べ、「今後も原発ゼロにする国づくりを一歩でも進めていく」と訴えた。世界一厳しい安全基準だと政府が主張する再稼働基準に異論を唱え、「再稼働はできるわけがない」と反論した。講演で小泉氏はあらためて、2011年3月11日の東日本大震災による東京電力 (9501.T: 株価, ニュース, レポート)福島原発の事故を契機に、「原発ゼロ」に舵を切ったことを説明。いまや「原発推進の論理は完全に破たんしている」と訴えた。安全神話が「嘘」だったことは大事故で判明した。「他の電源に比べて原発コストは安い」との論も「嘘どころか一番の『金くい虫』だ」と反論。「被害の賠償。廃炉までには40年─50年かかること。安全対策。作業員の確保。最終処分場確保にいたってはいまだにない」と述べ、推進論がこれらをコストに入れない「甘さ」を追求した。さらに小泉氏は「国民の税金投入なくして原発は成り立たない。しかも、この負担は、生きている人だけではなく、千年、万年の単位だ。こんな採算のとれない会社はやっていけないと考えるのが賢明な経営者だ」と糾弾した。再稼働にあたって政府が「世界一厳しい安全基準」をもとに判断すると言及している点についても、「米国の原発は住民の避難路を確保していなければ認められない。日本で避難路を作っているところはあるか。ない。これひとつとっても、世界一厳しい安全基準なんて(信じがたい)」と述べ、「再稼働はできるわけがない」と語った。「今後も原発ゼロに向けての国民運動を展開していかなければならない」と訴えた。
<最終処分場、原発ゼロ決定後でなければ理解得られず>
 最終処分場の選定について、「ゼロにすることを決定してからでなければ、国民の協力は得られない。再稼働し、これからまた核のゴミが増える段階で、処分場をつくるのに協力してほしいでは、住民の協力は得られない」とも語り、政治決断を行うにも「原発ゼロ」方針の明確化が不可欠だとの認識を示した。

*1-3:http://mainichi.jp/select/news/20140708k0000m040145000c.html
(毎日新聞 2014年7月8日) 原発新基準:施行1年 想定甘く審査遅れ
 東京電力福島第1原発事故を受け、原発の安全対策を強化した新規制基準が施行されてから8日で1年になる。電力9社が12原発19基で新基準に基づく安全審査を申請したが、福島第1原発と同じ沸騰水型を中心に審査は遅れている。原子力規制委員会は九州電力川内(せんだい)1、2号機について、新基準に適合しているとする審査書案を9日にも示し、事実上の「合格第1号」とする予定だったが、16日以降に先送りすることを決めた。新規制基準では、電力会社の自主的な取り組みに任せていた過酷事故対策を義務付け、地震・津波対策を厳しくした。地震や津波の想定を原発事故前と変えなかった点など、各社の対策の甘さが原因で審査が長期化し、規制委が開いた審査会合は122回に上る。比較的に審査が先行するのは、福島原発と炉の形が違う加圧水型だ。6原発12基が昨年7月に申請を済ませた。規制委は今年3月、地震と津波の想定が最初に確定した川内原発の審査を優先的に進めることを決めた。想定が規制委に認められたのは他に、関西電力高浜3、4号機だけだ。川内1、2号機の審査書案提示を先送りしたのは、田中俊一委員長らが審査書案の精査が必要と判断したためだ。審査書案提示後、意見公募や地元同意の手続きが必要なため、同原発の再稼働は10月以降になる見通しだ。沸騰水型は6原発7基が申請したが、事故時に放射性物質の放出を減らすフィルター付きベント装置の設置が義務化されるなど合格のハードルが高く、審査は進んでいない。南海トラフ地震の津波の来襲が予想される中部電力浜岡4号機や、敷地内に活断層があると規制委の有識者調査団に指摘されている東北電力東通原発など、当面の再稼働が困難とみられる原発の申請も相次ぐ。田中委員長は2日の定例記者会見で、審査の長期化について「(電力会社は)福島の事故が起こったという事実を厳しく受け止める姿勢に欠けている」と批判した。

*1-4:http://digital.asahi.com/articles/ASG2V42FJG2VUTFK004.html?iref=comkiji_redirect&ref=rss
(朝日新聞 2014年2月26日) 菅元首相、W元首相に触発 国会質問で原発政策非難
 民主党の菅直人元首相が26日、衆院予算委員会の分科会で、首相を退任してから初めて国会で質問に立った。東京電力の原発事故で陣頭指揮をとった菅氏は、政府のエネルギー基本計画案にかみつき「原発拡大計画だ」などと非難した。菅氏は、茂木敏充経済産業相に「事故以前と全く変わっていない。反省のかけらもない」と迫った。茂木氏は「前回の計画は菅首相の時に作られ、原発依存率50%とされた。どう考えても方針は大きく変わっている」と反論。自民党議員から「反省するのは民主党だ」とのヤジも浴びた。それでも菅氏は「自治体が安全に避難できないから原発は動かさないでくれと言った場合、再稼働しないのか」と追及。茂木氏が答弁を避けると、「答えないことで責任を持たないということがはっきりした」とやり返した。菅氏が質問に立ったのは本人の希望という。終了後、菅氏は、細川護熙、小泉純一郎の両元首相がタッグを組んだ都知事選に触れ「原発事故当時、東京中から一人残らず逃げなければならないギリギリの状況だった。それが共有されれば、都知事選の結果も異なる結果だっただろう。これまでに負けず発信していく」と語った。

<放射能汚染と国民>
*2-1:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140606/k10015037141000.html
(NHK 2014年6月6日) 除染土の一時保管 5万か所以上に
 原発事故の影響で拡散した放射性物質を取り除く除染で出た土などを住宅の庭先などに一時的に保管している場所が、福島県内で5万3000か所に上り、去年12月の時点と比べて5000か所以上増えていることが県のまとめで分かりました。福島県内の除染で出た土などについて、国は中間貯蔵施設を建設し、運び込む計画ですが、設置されるまでの間、県内各地の仮置き場や住宅の庭先などで一時的に保管されることになっています。こうした保管場所について、福島県がことし3月末現在で調べたところ、仮置き場は46の市町村の828か所、住宅の庭先に埋めるなどする現場保管が37の市町村に5万3057か所と、合わせて5万3800か所余りに上ることが分かりました。前回、調査した去年12月末時点と比べ、仮置き場は30か所が増えたほか、現場保管については5600か所余りも増えていました。中間貯蔵施設を巡っては、政府が大熊町と双葉町に建設することを計画し、住民への説明会が開かれていますが、建設の具体的なめどはたっていません。福島県生活環境部の鈴木一夫環境回復推進監は「仮置き場の設置促進に取り組み、現場保管している土などを運び込めるようにしたい」と話しています。

*2-2:http://www.minyu-net.com/news/news/0706/news10.html
(福島民友ニュース 2014年7月6日) 「年間1ミリシーベルトこそ長期目標」 除染シンポで環境省
 環境放射能除染学会などは5日、郡山市で「放射能除染のための国際シンポジウム」を開き、参加者が県内で進められている除染の課題や今後の方向性について考えた。シンポジウムは同学会と環境省の主催。はじめに、平岡英治環境省大臣官房審議官が登壇し、県内で行われている除染の状況を説明。除染後の目標値とする年間追加被ばく線量「1ミリシーベルト」を達成するため、政府が目安としてきた空間線量「毎時0.23マイクロシーベルト」について、平岡審議官は「丁寧な説明なく言ってきた経緯があり、国も反省しなくてはいけない」と説明。その上で「毎時0.23マイクロシーベルトではなく、年間1ミリシーベルト以下が長期的な目標だということをしっかり伝えていきたい」と述べた。また計画に基づいた除染終了後、さらに必要箇所を除染したり、継続的なモニタリングや住民の個人線量の把握、健康相談などを行う「フォローアップ」の重要性を強調。「復旧・復興と除染の取り組みを連動し、除染から復興へという流れをつくっていく」と述べた。

*2-3:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014030501002264.html
(東京新聞 2014年3月5日) 食品の放射性物質基準、緩和検討 規制委員長「厳格さ疑問」
 原子力規制委員会の田中俊一委員長は5日の記者会見で、一般の食品に含まれる放射性物質濃度を1キログラム当たり100ベクレルとした国の基準について「欧州の10分の1以下(の厳しさ)で非常に疑問だ」と述べ、近く設置する放射線審議会で、基準の緩和も含めた見直し議論が必要との認識を示した。放射線審議会は、被ばく線量評価や放射線医学などの専門家10人前後で構成する予定。また田中委員長は、原発事故の発生時に避難を始める放射線量の基準はあるが「(事故収束後に地元に)帰る基準は国際的にも明確じゃない」とし、日本が主導して、新基準を検討する必要があるとの考えを示した。

*2-4:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140707/k10015815941000.html
(NHK 2014年7月7日) 汚染水十分に凍らず 具体的対策求める
 東京電力福島第一原子力発電所では汚染水が流れ込んでいる地下のトンネルで汚染水を凍らせて氷の壁を作り止水する工事が進められていますが、2か月たった現在も十分に凍っていないことから、原子力規制委員会は東京電力に対し、確実に凍らせる具体的な対策を今月中に示すよう求めました。福島第一原発では、高濃度の汚染水が建屋から「トレンチ」と呼ばれる地下のトンネルに流れ込み、ここから地下水に混ざって海に流れ出しているとみられています。このため東京電力は、ことし4月から2号機のトレンチの入り口に冷却用の配管を打ち込んで1か月程度で汚染水を凍らせ、氷の壁でふたをしたうえで汚染水を抜き取る計画でしたが、2か月たった現在も十分に凍っていません。この問題が原子力規制委員会の専門家の会合で取り上げられ、東京電力は、トレンチ内に汚染水の流れがあることが原因とみられるとしたうえで、対策を行うために汚染水の抜き取りを10月まで3か月延期すると説明しました。しかし、汚染水は1分間に2ミリ程度しか動いていないことから、規制委員会は東京電力に対し、確実に凍らせる具体的な対策を今月中に示すよう求めました。福島第一原発ではこれとは別に、建屋などへの地下水の流入を防ぐため1号機から4号機の周りの地盤を1.5キロにわたって凍らせる「凍土壁」の建設が進められています。このため委員からは「凍土壁も同じような問題を抱えているのではないか」と厳しく指摘されていたほか、凍土壁はトレンチを横切るように設けられることから、建設への影響を懸念する声も上がっています。

<脱原発行動>
*3-1:http://qbiz.jp/article/41446/1/ (佐賀新聞 2014年7月8日) 「原発の“地元”は国が明確に」 伊万里市長、エネ庁審議官らの発言批判
 九州電力玄海原発(佐賀玄海町)の再稼働に同意を求める自治体について、資源エネルギー庁の後藤収大臣官房審議官など3人が玄海町や県、唐津市を挙げ「その他は地元と相談して決めたい」と発言したことについて、伊万里市の塚部芳和市長は7日の定例記者会見で「言語道断。国が地元を明確にして(九電に)踏み込んだ指導をすべきだ」と批判した。後藤氏らは、2日の県議会原子力安全対策等特別委員会に参考人として招致され、議員の質問に答えた。塚部市長は「国は(30キロ圏外にまで被害が及んでいる)福島原発事故の検証を真剣にやっているのか。立地自治体とか隣接自治体とか地図上(の境界)で判断するなんてナンセンスだ」と批判。伊万里市などのように、ほぼ全域が原発から30キロ圏に含まれる自治体は「地元」とすべきだと主張した。一方、九電との安全協定締結交渉については「唐津市並み(の事前説明)の状況まで引き出せた」とした上で「求めているのは立地自治体並み(の事前了解)。この姿勢は貫く」と述べた。

*3-2:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140703/k10015722261000.html
(NHK 2014年7月3日) 大間原発訴訟で函館市長が意見
 青森県で建設中の大間原子力発電所について、津軽海峡を挟んで対岸にある北海道の函館市が建設中止を求めている裁判が、東京地方裁判所で始まり、函館市長が「事故が起きると深刻な影響を受ける函館市の同意がないまま、建設を進めるべきではない」と訴えました。青森県大間町で建設中の大間原発は、東日本大震災で工事が一時中断しましたが、おととし10月に再開され、事業者の電源開発は運転開始を目指して、ことし秋にも安全審査を申請する準備を進めています。これに対し、津軽海峡を挟んで最も近い場所で23キロの距離にある函館市が、国と電源開発に建設中止を求める訴えを起こし、東京地方裁判所で3日から審理が始まりました。原発の差し止め訴訟で初めて自治体として原告になった函館市は、工藤寿樹市長が法廷で意見を述べ、「ひとたび事故が起きれば自治体としての機能が崩壊してしまう。函館市の同意がないまま建設をするべきではない」と訴えました。一方、国や電源開発は「自治体がこうした訴訟の原告になることは法律上、認められていない」などと主張して訴えを退けるよう求めました。函館市長「国は正々堂々戦うべき」函館市の工藤市長は裁判後の会見で、「被告の主張は姑息であり、裁判を入り口で止めたい考えが見え見えだ。国は原発をどうしてもやりたいなら正々堂々と戦うべきだ」と述べ、国と電源開発側の対応を批判しました。また、原告弁護団の海渡雄一弁護士は、「原発事故が起これば、函館市の財産が失われることになり、その財産権は法律でも保護されている」などと述べ、函館市に訴えを起こす資格はあると強調しました。

*3-3:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014062801001612.html
(東京新聞 2014年6月28日) 都内の反原発集会に5千人 「再稼働認めない」
 原子力規制委員会が優先的に審査する九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働反対を訴える集会が28日、東京都内で開かれた。参加者は「川内原発も他の原発も再稼働を認めない」「原発ゼロを推進させよう」と声を上げた。会場の明治公園(新宿、渋谷区)には、主催者発表で約5500人が集まった。ルポライターの鎌田慧さんは「福島のみなさんが苦しんでいる今、再稼働させないのは私たち市民に与えられた責務だ」と強調した。鹿児島県で反対運動に取り組む男性が「(事故時の)避難計画はずさん。川内原発を動かさないために一緒に闘ってほしい」と呼び掛けると、拍手が湧き起こった。

<原発輸出>
*4-1:http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/534417.html
(北海道新聞 2014年4月20日) 原発輸出 無責任すぎる経済優先
 トルコとアラブ首長国連邦(UAE)を相手にした原子力協定が国会で承認された。これで日本から両国への原発の輸出が可能になる。トルコについては、安倍晋三首相のトップセールスで決まった輸出を追認した形だ。国内で原発依存度を可能な限り低減するとしながら、成長戦略として海外へ官民一体で原発を売り込むのは、つじつまが合わない。福島第1原発は汚染水漏れなどのトラブルが続く。収束の見通しが立たない現状で、原発輸出を推進するのはあまりに無責任だ。とりわけ、トルコは世界有数の地震国である。さらに問題なのは、トルコとの協定に、核不拡散の抜け道になりかねない記述が含まれる点だ。日本が同意すれば、トルコはウラン濃縮や、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理ができることになっている。このような核兵器転用につながる恐れのある文言は、UAEとの協定には見当たらない。岸田文雄外相は「日本政府が合意することはない」と釈明した。であれば、疑わしい部分は削除しても構わないはずだ。安倍首相は昨年、トルコを2度も訪問し、三菱重工業などの企業連合が原発4基の建設を受注することが固まった。問題の記述は、トルコ側の要望で入れられたという。これでは、首相がまとめた商談を円滑に進めるために、便宜を図ったと疑われても仕方あるまい。民主党が協定締結承認案の賛成に回ったのも理解し難い。政権担当時に原発輸出を進めたと言う理由で、核拡散の疑いさえある協定を認めるようでは、歯止めとしての役割をなさない。「原発ゼロ目標」とも矛盾する。首相は「過酷な事故を経験したことから安全性に強い期待が寄せられている」と述べ、原発輸出を正当化している。しかし、事故原因すら解明されていないのに、事故の経験まで売り物にする姿勢は、なりふり構わぬ経済優先と映る。政府は複数の国と原子力協定の交渉を行っている。この中に事実上の核保有国であるインドが含まれているのも看過できない。首相が先頭に立って売り込んだ原発が事故を起こせば、日本の責任も追及されるだろう。原発輸出を成長戦略の柱に据える安倍政権の方針は、危険で道義的にも許されない。

*4-2:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140703/k10015705391000.html
(NHK 2014年7月3日) 東芝 ブルガリアで原発受注へ
 大手電機メーカー「東芝」のグループ会社が東ヨーロッパのブルガリアの原子力発電所1基をおよそ5000億円で受注する見通しとなりました。ブルガリアの原子力発電所を受注する見通しとなったのは東芝傘下の原子力プラントメーカー、「ウェスティングハウス」です。関係者によりますと、受注するのはブルガリアで建設が予定されている原子力発電所で、発電規模は110万から120万キロワット、受注額はおよそ5000億円になるとみられます。また、関係者によりますと、ウェスティングハウスは受注に向けて原発を運営するブルガリアの政府系電力会社の関連会社に対して数百億円の出資を検討しているというということです。大手電機メーカーでは、国内の原発新設が不透明な状況のなか、東芝と日立製作所がそれぞれイギリスで原発を計画している発電会社を買収したほか、日立はリトアニアなどでも受注に向けた交渉を進めていて海外での受注獲得に向けた動きが一段と強まっています。


PS(2014.7.9追加):*5-1のように、原発は膨大な数の作業員を被曝させている。そして、5ミリシーベルト超の被曝をして白血病になったケースでは労災が下りているが、フクシマ原発事故では、一般市民でもそれ以上の被曝をした人は少なくない。さらに、*5-2のように、廃炉時にも高線量を浴びる可能性がある。しかし、*6のように、国は、国策企業による環境破壊に対しては、被害者よりも企業の救済や国の体面を優先する傾向があるため、注意が必要だ。

<原発作業員の被曝>
*5-1:http://digital.asahi.com/articles/ASG384W3RG38UUPI001.html?iref=comkiji_redirect&iref=comtop_6_02 
(朝日新聞 2014年3月9日) 原発作業員1.5万人、5ミリ超被曝 汚染水対策で増加
 東京電力福島第一原発で事故後3年間に働いた約3万人のうち、約1万5千人が5ミリシーベルト超の被曝をしていたことがわかった。作業員の被曝は徐々に減ってきていたが、汚染水問題が発覚した昨夏以降に再び増加。厚生労働省は昨年末に東電を指導したが、被曝対策は今も不十分だ。福島第一原発では1日約3千人が働く。「年50ミリ超、5年で100ミリ超」の被曝で働くことが禁止されるが、この限度内でも健康被害が出ないとは限らない。白血病の労災認定基準は「年5ミリ以上」、放射線管理区域は「年5ミリ超」で、「5ミリ」は被曝管理上の一つの目安だ。東電の集計によると、2011年3月の事故から今年1月までに働いた3万2034人中、累積で50ミリ超を被曝したのは1751人、うち100ミリ超は173人。5ミリ超は半数近い1万5363人に上った。作業員は数カ月単位で働くことが多く、「累積5ミリ」の人の大半は「年5ミリ」の白血病労災認定基準を満たすとみられる。1カ月間で5ミリ超被曝した人は11年3月は2925人だったが、徐々に減って昨年6月は98人に。だが東電が昨年7月に海への汚染水流出を認め、土中の遮水壁などの緊急工事を始めたり、汚染水タンクの見回りを増員したりした後に急増。7月は117人、8月は186人、9月は312人、10月は398人だった。厚労省は被曝が増加に転じたことを問題視し、昨年11、12月に立ち入り調査を実施。放射線遮蔽(しゃへい)板の設置や作業員の短時間交代の徹底を東電に指導した。原子力規制委員会も昨年10月、東電に被曝対策の具体化を指示。東電は今年1月、敷地内の除染▽高線量のがれき撤去▽敷地のアスファルト舗装▽線量表示器50カ所以上、ダストモニター10カ所以上設置▽高線量箇所の遮蔽――を行う考えを示した。ただ完了目標は来年3月で、事故後3年たっても作業環境は改善されていない。東電は「汚染や被曝の元となるがれきの除去をすでに始めている。対策を加速していく」(小野明・福島第一原発所長)としている。

*5-2:http://qbiz.jp/article/32482/1/
(西日本新聞 2014年2月20日)  【廃炉の課題 福島から1】 建屋 作業を阻む高線量
 福島第1原発3号機の薄暗い原子炉建屋の1階にロボットのエンジン音が響いている。粉々のコンクリートやシートを一つずつ取り上げ、コンテナに運ぶ。ロボットに搭載したカメラの映像からは、爆発した3年前の惨状が伝わってくる。ロボットの名前は、はさみがついた二つの腕を持つ「ザリガニ」を意味するスペイン語と、「福島に再び美しい空を取り戻したい」という願いを組み合わせた「アスタコ・ソラ」。日立グループが1年かけて小型の重機を基に無線操作型に改良。昨年7月に廃炉作業に投入された。現場は、原子炉格納容器と厚さ1・5〜2メートルのコンクリート壁で隔てられているものの、放射線量は最高で毎時1シーベルト。人間が10時間で死に至るほどの高さだ。運転手は、「ソラ」のカメラの映像を頼りに別の建物から操作する。モニターを通しては距離感がつかみにくく、微妙な動作も難しい。高い集中力と技術が求められ、運転は30分〜1時間ごとに交代する。人が入れる環境なら約1カ月で終わる作業も、ロボットでは5カ月程度かかる。それでも「ソラ」の開発に携わった日立パワーソリューションズの宇佐美靖浩は「自分たちががれきを撤去しなければ廃炉は次に進めない」と前を向く。
    □    □
 建屋内のがれき撤去は、廃炉に向けた準備工程にすぎない。爆発で壊れた原発の廃炉で最大の懸案は、1〜3号機に残る溶け落ちた核燃料(デブリ)の回収だ。工程では2020年度から順次着手する予定だが、内部の様子もつかめていないのが実情だ。廃炉作業を推進するためにメーカーや九州電力を含む全国の電力会社などで設立した国際廃炉研究開発機構は昨年12月、デブリ回収技術を公募。今年1月末までに約200件が寄せられた。詳細は明らかにしていないが、同機構は「海外からも相当数の募集があった」と手応えを感じている。デブリは原子炉圧力容器を突き抜け、格納容器の底にたまっている。線量は今でも高い上、格納容器の上部から底まで30メートル以上。回収は困難を極める。デブリの形状や位置を確認するための研究に取り組む筑波大や東京大などの研究チームの一人は「原発内部は3年たった今でもブラックボックス」という。東京五輪が開催される6年後を目指す回収着手への道のりは、始まったばかりだ。(敬称略)
    ×    ×
 東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故から間もなく3年。核燃料の回収が始まり、廃炉がようやく動き始めた。汚染物質の処理や費用などは九州の原発でもいずれ直面する課題だ。福島から現状を報告する。

<水俣病など公害被害者の救済>
*6:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014070802000126.html
(東京新聞 2014年7月8日) 水俣の叫び 「再稼働反対」 川内原発40キロ圏
 四大公害病の一つ、水俣病が発生した熊本県水俣市は、再稼働審査が優先的に進む九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)から四十キロ圏内にある。水俣病患者たちは、東京電力福島第一原発の事故を「水俣病と同じ、国策企業による環境破壊」と位置づけ、厳しいまなざしを向けてきた。今秋にも川内原発が再稼働となる可能性があることに「被害者より企業の救済を優先する国の姿勢は変わっていない」と警鐘を鳴らす。「水俣病被害者互助会」会長の佐藤英樹さん(60)は二〇一一年十一月、被災地支援のため福島県飯舘村を訪ね、手にした線量計の数値に驚いた。出会った地元の老夫婦は「私たちはここに残るが、みんないなくなった。寂しい」と嘆いた。福島第一原発と飯舘村の距離は、水俣市と川内原発の距離とほぼ同じ。「水俣でも飯舘村のようなことが起きかねない」と実感し、再稼働に反対するようになった。妻スミエさん(58)とともに、各地の反対集会に出掛けている。佐藤さんのような原発に反対する水俣病患者は増えている。川内原発からの近さだけでなく、福島の人々が抱える困難に水俣と類似点を感じ、人ごとと思えないからという。水俣病患者は、初確認から五十八年が過ぎた現在でも、賠償を求める訴訟が相次いでいる。「水俣病不知火患者会」会長の大石利生さん(74)は子どものころ、近所の海で採った貝を食べて水俣病を患った。足のけいれんや頭痛、五〇度のお湯でも熱さを感じないほどの感覚障害に長年、苦しんできた。しかし、訴訟で和解が成立する二〇一一年まで、行政からの救済措置は受けられなかった。「国は補償に厳しい基準を設け、被害者の申請をほとんど却下してきた」。その歴史が福島で今、繰り返されているという。「国は水俣病の原因となる排水を出したチッソを守ろうとし、被害者を切り捨てた。福島でも東京電力を守ることばかりに国費を使っている。住民の甲状腺に異常が見つかっても、『原発事故とは無関係』と言い切る。ろくに調べようとしていない。国は同じような過ちを繰り返している」。患者らの声の強まりを、水俣市で三十年以上、原発反対を訴えている永野隆文さん(59)も実感する。今年四月、再稼働に反対する市民団体「原発避難計画を考える水俣の会」を新しく立ち上げると、これまで反対運動を控えていた患者らもメンバーに加わった。「ほかの市民より、水俣病の患者は自分たちの経験、教訓を伝えたいという思いが強い。今まではあまり積極的でなかったが、福島の被害を見て先頭に立ちたいと考える人が増えつつある」
<水俣病> 工場から出たメチル水銀で魚介類が汚染され、食べた人らに起きた公害病。手足の感覚障害や視野が狭まるなどの症状が出る。熊本県水俣市ではチッソ水俣工場が排出源。1956年に初めて患者が確認された。国は73年に救済に乗り出したが、77年に厳しい基準を設け、それ以降は患者認定の申請を大量に退けている。患者側が起こした訴訟では国側敗訴が相次ぎ、国は95年に政治解決策、2009年に特措法による救済策を設けた。患者団体などは現在も救済は不十分としている。


PS(2014.7.9追加): このような中、*7-1のように、経団連の会長が「①安全が確認された原発は、速やかに再稼働すべきで、それが国民全体の願いだ」「②原発停止は、経済成長の大きな足かせになる」「③これ以上の安全措置はないというぐらい万全な態勢を敷いている」などと述べている。
 しかし、①については、フクイチの原因も分からず後始末すらできない中、再稼働は国民全体の願いではなく、その状況は、このブログの2012.9.15に掲載した国民の意見公募、*3-3のような反原発運動、*7-2のような選挙での意思表示等で示されている。また、②については、このブログの2014.6.16に掲載している「福井地裁大飯原発3、4号機差止訴訟判決」で人権(人格権)と経済成長は比較すらすべきでない旨、論理的に述べられている。その上、③には根拠が無い。そのため、このような原発推進発言をする経団連会長は、見識が低いと言わざるを得ない。

<経団連会長の意見>
*7-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11231536.html
(朝日新聞 2014年7月9日) 安全確認の原発「再稼働すべき」 経団連・榊原会長
 経団連の榊原定征会長は8日、原発の再稼働について、「安全が確認された原発は、速やかに再稼働すべきだ。国民全体の願いでもある」と述べた。東日本大震災の被災地で、東北電力女川原発(宮城県)の防潮堤工事などを視察した後、報道陣に語った。榊原会長は「老朽化した火力発電所を無理に稼働させている今は綱渡り状態。電気料金は家庭用、産業用とも上昇しており、経済成長の大きな足かせになる」と語り、原子力規制委員会による審査を経たうえで、早期の再稼働が必要との考えを改めて強調した。経団連は、原子力規制委員会による審査の作業を早めるよう求める提言を日本商工会議所と経済同友会と共同発表するなど、繰り返し原発の早期再稼働を訴えている。

<原発再稼働に関する世論>
*7-2:http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20140708000159
(京都新聞 2014年7月8日) 原発再稼働反対56% 滋賀県知事選世論調査印刷用画面を開く
 原発再稼働の賛否 滋賀県知事選(13日投開票)を前に京都新聞社が県内有権者を対象に実施した世論調査で、福井県内の原発が現行の安全基準をクリアした場合の再稼働について、反対と答えた人が56・6%に上り、賛成の35・2%を上回った。福島第1原発事故を受け、隣県に多数立地する原発に対して安全性や防災対策で依然として不安を抱く有権者が多いことが分かった。調査は3~5日に行い、有効回答者数は1009人だった。再稼働の賛否で「分からない・無回答」は8・2%だった。男性は反対が49・8%、賛成が45・3%と差は小さかったが、女性は反対が63・0%に上り、賛成の25・7%の2倍を超えた。年代別では、反対が最も多いのは60代の64・9%で、30代、50代と70歳以上も55~60%に上った。20代は最も少ない49・3%で、賛成が最高の44・2%だった。同じ世論調査で、知事選の投票時に重視する政策や公約(二つまで選択)では、「原発」を挙げた人が25・1%に上り、福祉・医療、景気・雇用、教育・子育てに次ぎ4番目に多かった。知事選は無所属新人の3候補が争い、元内閣官房参事官の小鑓(こやり)隆史候補(47)は「再稼働は原子力規制委員会の判断に委ねるべき」とした上で、非常時に備えた福井県との連携強化を主張。共産党県常任委員の坪田五久男候補(55)は「停止中の全原発の再稼働を許さず、そのまま廃炉に持ち込むのが現実的」として「原発ゼロ」を訴える。元衆院議員の三日月大造候補(43)は「多重防護が実現しない限り再稼働を認めない」とし、できるだけ早期に原発をなくす「卒原発」を掲げている。

| 原発::2014.5~8 | 03:00 PM | comments (x) | trackback (x) |

PAGE TOP ↑