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2015.10.3 教育の目的と、どこかおかしな文科省の教育観、文化 (2015年10月4日、6日、7日、9日、11日に追加あり)
     
  上  世界大学ランキング              高校生事件          中一男女事件
2015.10.1
西日本新聞
      
(1)保育園・幼稚園・小学校教育について
 唐津市は、*1-1のように、市町村合併後、幼稚園・保育園等の公立保育施設を統合・民営化し、認定こども園を開園するそうだ。民営化すると、保護者のニーズに素早く応えられたり、経営に長けていたりするが、経営のために保育士の待遇を悪くして幼児教育の質が落ちる場合もあるため、重要な時期に子どもに質の高い教育や保育を与えるためには、補助金でポイントを突いた配慮をする必要があろう。

 なお、三養基郡上峰町の上峰小では、*1-2のように、インターネットを使って1対1の英会話教育を始めたそうで、その先進性は大変よいと思うが、①どうせ時間と費用を使うなら、将来のためには、上の世界の上位校に進学してもひけをとらない標準英語を教えるべきである ②言葉は3歳くらいまでが最もよく身につくため、認定こども園時代から始めるのがよい(早くから外国語を教えても、母国語に悪影響を及ぼすことはない) などが、私のアドバイスだ。

(2)全国学力テストの取り扱いと文科省の学力軽視の不思議
 *2-1に、「全国学力テストにおける成績の扱いをめぐって混乱が続いている」と書かれているが、 国民の税金・時間・労力を使って全国学力テストを行う以上、学校毎の平均を公表して改善に繋げたり、生徒や保護者が学校を選択するための情報として活用させたりするのは重要なことである。

 そのため、文科省の「学校間の過度な競争が起きるから市町村別や学校別の成績は公表しない」という指導はおかしく、生徒の学力向上を軽視しすぎであり、「あえて一部の生徒を欠席させるような不正が行われる可能性がある」というのは、「だから非公表にする」ではなく「そういうルール違反や不正を禁止する」という形で解決すべきだ。

 しかし、佐賀県内市町の教育委員会は、*2-2のように、全国学力テストの結果について、武雄市、大町町、上峰町の3市町が学校別成績を公表し、学校に公表を指示する教委は8市町で、残る9市町は学校現場の判断に一任するそうだ。これは日本全国と比較するとよく取り組んでいる方だが、これでは、どこに住んでいても、また保護者の経済的状況が悪くても、公立校で十分に実態調査して改善された教育を受けられるという訳にはいかない。

 もちろん、私も、「個人の学力は個人戦であり、団体戦ではない」と考えているが、学校としての努力や基礎水準は、被験者の平均や標準偏差を連続的に比較していればわかるため、統計に表れた数値から言えることと言えないことを正確に分析するという条件で、公表して比較すべきだと考える。

 なお、武雄市は全国学力テストの学校別成績を公表しており、*2-3のように、市内の中学生が、こども会議で全中学校でいじめ追放に取り組むことを決めて6中学で「いじめ追放宣言」を作成するなど、自主性や積極性をもつまともな中学生が育っている。そして、よく言われる「“過度の学力競争(?)”は、性格を悪くする」などというのが虚偽であることを証明している。

(3)日本の大学教育について
 *3-1のように、各大学の教育環境、研究者間の評価、論文の引用数など5分野13項目の評価で決めた世界大学ランキングでは、上図のように、1位は米カリフォルニア工科大、英オックスフォード大、米スタンフォード大が続き、上位10校中9校を米英の大学が占めている。そして、日本の大学は、東大でもアジアで3位に留まるという結果になった。何故だろうか?

 私は、これには、数年しか在籍しない大学のみではなく、幼児教育・初等教育・中等教育での勉学の積み重ねによって作られた基礎学力による人材の裾野の広さや理数系を嫌う最近の日本の“変な文化”が影響していると考える。つまり、日本でしか通用しないおかしな発想で安易な方向への教育改革を続けて来た文科省の責任が大きいと思うのだ。

 そのような中、*3-2-1のように、佐賀大学は、芸術地域デザイン学部などの新学部を設置するとのことである。工学部を持つ大学が窯業を研究するからには、①より強い磁器 ②よりよい色を出せる釉薬 ③現代生活にあった機能 ④セラミック材料としての発展など、材料から用途までの再研究を期待する。

 また、「幼小連携教育」「小中連携教育」「IC教育」などを行うと、前倒しで効率的に学べることが増えるため、その中で効果的な教育を行うための教科書再編成もしなければならない。さらに、佐賀県は農林漁業が盛んな地域であるため、これを近代化するための機械の開発、品種改良、養殖技術、冷凍・保存技術など、*3-2-2に述べられている新しい理工学部や農学部に期待されるものは大きい。

 一方で、このようにして育てられた人材を雇用する企業集団である経団連は、*3-3のように、「文系と理系にまたがる『分野横断型の発想』で、様々な課題を解決できる人材が求められている」として、国立大学改革は国主導ではなく、学長のリーダーシップと大学の主体的な取り組みを最大限尊重するよう注文したそうで、その背景には、文科省の通知が「文系つぶし」と受けとられ、「経済界は文系はいらない、即戦力が欲しい」という報道もあったからだそうだ。しかし、即戦力か否かを問わず、論理性(主に数学・物理・近年は生物学によって養われる)や基礎知識のない人を選抜してマスプロ教育で次の知識を丸暗記させても、応用力が身につかず課題解決できる人材になれないため、私は、文系・理系を問わず、入試科目を増やし、特に文系は大学入学後の教育方法を見直すべきだと考えている。

(4)本当の人間性や希望を育まない教育は、何故、行われるのか?
 私は、*4-1の事件について、殺す人はもちろん悪いが、中学生の星野さんと平田さんの年齢なら、勉強・スポーツ・規則正しい生活など、やるべきことが多い筈なのに、午前1時10分~5時10分頃、京阪寝屋川市駅前の商店街を往来しており、自分の身を守ったり、将来に向かって夢や目標を持って努力したりする意識がなく、とても変だと思った。学校・家庭・地域は、彼らにどういう教育を与えていたのだろうか? 叱ってでも、よい生活習慣を身につけさせる教育はなかったのだろうか? また、*4-2のように、深夜に中学生の男女が街をうろついていても、帰宅を促す人がいたり、巡回の警官が注意したりしないというのも変である。

 また、これも驚いたのだが、*4-3では、高3の男子生徒が、前から自殺願望のあった高3の女子生徒(18歳)に頼まれて包丁で刺して殺害したそうだ。高3になっても、命の尊さをここまで勉強していないのだろうか? そして、その高3の女子生徒は「私は生きる価値のない人間だから死にたい」と日頃から言っていたそうだが、18歳で「生きる価値のない人間だ」と考えるとは、学校や家庭は、日頃から生徒に夢や希望やそれに基づく目標を持たせない誤った教育をしていたのではないのか? 表面的には優しそうに「気をつけて帰ってね」と声をかけても、生きる価値のない人間なら気をつけて帰る必要もなく、そう思わせるほど残酷なことはないのである。

<保育園・幼稚園・小学校教育>
*1-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/229956
(佐賀新聞 2015年9月16日) 保育所民営化完了へ、唐津市・厳木3園統合
 唐津市は15日の市議会全員協議会で、厳木町や肥前町の公立保育施設を民営化する方針を示した。北波多と八幡町の保育所は指定管理者制度に移行し、市町村合併以降進めてきた公立保育所の統合・民営化はほぼ完了する。厳木町では中島保育園、岩屋保育園、厳木幼稚園の3園(園児数計104人)を統合し、2018年4月に認定こども園を開園する。運営する民間事業者は本年度中に公募で決める。新園は既存3施設の中間点にある厳木幼稚園敷地内に設置する計画で、土地は市が無償貸与し、建物は事業者の負担で建て替える。肥前町では、切木保育所(30人)と高串保育所(26人)の既存施設を活用し、それぞれ17年4月に民営化。建物は市の負担で改修し、無償貸与する。北波多の若竹保育所(16人)と八幡町の若葉保育所(8人)は地元との協議で指定管理者制度に移す。鎮西町の加唐島保育所(2人)は離島対策で公立のまま存続、市教委所管の唐津幼稚園(47人)は検討中。唐津市では10年に相知町、11年に肥前町の入野、納所、星賀で統合・民営化を進めてきた。市立の保育施設や幼稚園は少子化で、定員に占める園児数が38%にとどまっていることも背景にある。香月隆司保健福祉部長は「行政改革の一環ではあるが、民間の経営ノウハウを生かすことで、子育て支援がよりきめ細やかになると考えている」と話す。

*1-2:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/227164
(佐賀新聞 2015年9月8日) 上峰小、ネットで英会話教育を開始、フィリピンの現地講師と
 三養基郡上峰町の上峰小で7日、インターネットを使う1対1の英会話教育が始まった。6年生100人がパソコン画面を通じてフィリピンの現地講師から英会話を楽しく学んだ。外国語活動の授業で15分間を会話に充てる。パソコン室で児童はヘッドセットマイクを付け、音声映像通信サービス「スカイプ」を利用し、フィリピン・マニラにいる講師と画面上でやりとりした。互いに誕生日や好きなスポーツなど自己紹介した。英語が好きという川崎晴加さん(12)は「先生はすごく優しくて分かりやすかった。1対1で話すのが楽くて、もっとおしゃべりしたい」と笑顔で語った。矢動丸壽之教育長は「子どもたちの笑顔が何より。上々の滑り出しと思う。マンツーマンで会話量を増やすことで、英語でのコミュニケーションに自信を付け、学習意欲の向上につながれば」と期待を寄せた。英会話教育は、「教科・英語」が2020年に始まるのを前に、語学習得に不可欠な会話量を確保し、国際的に活躍する人材育成につなげる狙い。オンライン英会話サービス事業を展開する「レアジョブ」(東京)に委託し、外国語活動の計20コマで実施する。地方創生関連の国の交付金を活用し事業費は195万円。委託期間は来年3月まで。

<全国学力テストの取扱いと学力の軽視>
*2-1:http://www.47news.jp/47topics/e/264590.php
(47ニュース、共同通信 2015年4月21日) 成績扱いめぐり混乱続き 全国学力テスト
 公表の在り方など、成績の扱いをめぐり、毎年のように混乱する全国学力テスト。今回も実施直前に、大阪府教育委員会が府立高入試への活用を決めるという、文部科学省にとって想定外の事態が発生し、同省は対応に苦慮している。1960年代に実施されていた学力テストは、学校間などの過度な競争が一因で中止になった。この教訓を踏まえ、文科省は2007年にテストを復活させた際、序列化を防ぐため、公表は都道府県別成績にとどめ、市町村別や学校別の成績は非公表とした。しかし、08年には大阪府の 橋下徹知事(当時)の要請で、府内の多くの市町が成績を明らかにした。その後も「学力向上には情報の開示が必要」「住民への説明責任を果たす」と、秋田県の 寺田典城知事(当時)や埼玉県教委、鳥取県教委、佐賀県武雄市教委などが市町村別、あるいは学校別の成績を相次いで公表してきた。結局、文科省は14年度調査から市町村教委が学校別成績を公表できるよう実施要領を改めたが、14年9月には静岡県の 川勝平太知事が、教委の同意を得ないまま市町別成績を明らかにした。文科省は実施要領にさらに手を加え、「結果の公表は教委の職務権限」とする、後手後手の対応を余儀なくされた。今回の実施に先立つ今月15日、大阪府教委は文科省を訪れ、成績の活用方針について説明した。「テスト本来の趣旨に反する恐れはない」と強調する府教委に、文科省は「あえて一部の生徒を欠席させるような不正が行われる可能性がある」と懸念を示している。

*2-2:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/222868
(佐賀新聞 2015年8月26日) 全国学テ学校別成績 武雄、大町、上峰が公表
 25日に発表された全国学力テストの結果について、佐賀県内の市町教育委員会で学校別の成績を公表するのは昨年度と同じ、武雄市、大町町、上峰町の3市町になる見通し。学校に公表を指示する教委は8市町で、今回から小城市とみやき町が加わった。残る9市町は学校現場の判断に一任している。みやき町教委は昨年度まで、学校別の成績公表を指示せず、学校からの問い合わせに対し、どの程度の表現が許されるか助言していたが、結果的に町内全校が公表していた。今回はあらかじめ、「詳細な数字を出さず、県平均と比べてどうかなど言葉で説明するよう指示している」。同様に、今回から学校に公表を指示している小城市教委も、昨年度は校長会の決定を受けて市内全校が公表した経緯があり、実態に即した対応を取った。教委として学校別成績を公表する武雄市など3市町は「地域と一緒に教育施策を進めているので、地域にもデータを公表している」と説明する。一方、教委として公表を指示しない9市町は「学力テストは『個人戦』であり、『団体戦』ではないという見解だ。自治体や学校といった集団で比較すべきではない」(吉野ケ里町)、「1学年数人の小規模校もあり、公表は個人の学力開示につながりかねない」(伊万里市)などの理由を挙げた。市町別の平均正答率の公表についても、教委で対応が分かれている。
■4月21日実施の2015年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の都道府県別結果や全問題と解答などの関連記事はウェブサイト「47NEWS」で公開しています。リンクはこちら。

*2-3:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/227161
(佐賀新聞 2015年9月8日) 武雄市6中学「いじめ追放宣言」作成
 武雄市の中学生が市内6中学校で共有する「いじめ追放宣言」を作った。「心」「勇気」「絆」をキーワードに、思いやりや信頼でいじめに立ち向かう気持ちを表現した。6校の生徒会長が7日、小松政市長に宣言作成を報告した。市内の中学生は昨年夏のこども会議で、全中学校でいじめ追放に取り組むことを決め、1年間にわたって全校給食や集会での問題意識共有などの活動を続けてきた。
 宣言はその集大成で、今夏のこども会議での活動報告を経て、6校の生徒会長で内容を練った。各校が持ち寄った文案からキーワードを決め、思いやりの「心」、立ち向かう「勇気」、友情を深める「絆」の思いで言葉をつないだ。この日は武雄中3年で生徒会長の古川陸さん(15)が宣言を読み上げ、「宣言を実践し、いじめのない学校を築きます」と宣誓した。小松市長と浦郷究教育長が「学校の枠を超えて宣言を作ったこと、具体的な行動を起こしていることに感動した。つらい思いをする人がいなくなるよう、一緒に頑張っていこう」と呼び掛けた。宣言は各校に伝え、いじめをなくす活動を支えていく。
■いじめ追放宣言全文
一、「心」私たちは、相手の気持ちに寄り添い、思いやりのある行動をします。
一、「勇気」私たちは、正しい判断のもと見て見ぬふりをせず、いじめに立ち向かいます。
一、「絆」私たちは、お互いに認め合い友情を深め、信頼できる大切な仲間をつくります。

<大学>
*3-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11994476.html
(朝日新聞 2015年10月2日) 東大、アジア首位陥落 英誌、世界大学ランキング
 ランキングは各大学の教育環境、研究者間の評価、論文の引用数など5分野13項目の評価で決められた。ランキング1位は5年連続で米カリフォルニア工科大。英オックスフォード大、米スタンフォード大が続き、上位10校中9校を米英の大学が占めた。アジア2位は北京大(42位)、国内で東大に続いた京都大は昨年の59位から88位に沈み、アジア9位。日本から上位200校に入ったのは2校だけで、昨年入った東京工業大と大阪大、東北大は姿を消した。韓国トップのソウル大も昨年の50位から85位に後退した。同誌ランキング部門のフィル・ベイティ編集長は、「日本の苦戦と韓国の落胆が意味するところは、アジアの上位ランキングが流動的ということだ」と指摘した。(ロンドン=渡辺志帆)

*3-2-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/223990
(佐賀新聞 2015年8月29日) 佐賀大、新学部設置で会見
■芸術地域デザイン学部 「今後100年担う人材育成」
 佐賀大学は28日、来年4月に新設する芸術地域デザイン学部と教育学部、教職大学院の概要と入試要項を発表した。会見で佛淵孝夫学長は、県立専修学校の有田窯業大学校(4年制課程)を統合した芸術地域デザイン学部について、「(来年の)有田焼創業400年にぜひとも合わせたかった。今後の100年を担う人材を育てる」と意欲を語った。ドイツ、オランダなどの芸術系大学との連携構想も持ち上がっており、留学生の派遣・受け入れを検討している。新学部は文化教育学部を改組して「芸術地域デザイン学部」と「教育学部」に再編する。窯業大学校の過程を4年制化として、「有田セラミック分野」に組み込んだほか、大学院も経済研究科と合わせて「地域デザイン研究科」を設置した。教育学部も教員養成機能を強化し、「幼小連携教育」と「小中連携教育」の2コースを設け、地域の教育課題解決に特化した人材育成を目指す。教職大学院開設は長崎大と福岡教育大が先行しているが、甲斐今日子文化教育学部長は「準備段階から県教委と連携し、学校経営に優れた手腕を発揮した校長経験者や現役で大学院の教壇に立つ先生など、実務家教員をそろえたのが特色」と強調した。会見に先立ち、佛淵学長は県庁に山口祥義知事を訪ね、新学部設置を報告した。山口知事は「地方創生への取り組みや、佐賀の素材を磨き上げるという県が目指す方向性を象徴するもので期待するところが大きい」と述べた。

*3-2-2:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/235826 (佐賀新聞 2015年10月3日) 学部改組、「教教分離」を促進 佐賀大学、宮崎学長が就任会見、地域貢献へ人材育成・研究
 佐賀大学の宮崎耕治新学長(66)は2日の就任会見で、国が進める大学改革に呼応した理系人材の育成強化に向け、理工学部や農学部の理系学部改組をはじめ、教員組織と教育組織を分離することで学部の枠を超えて柔軟な研究・教育プログラムを可能にする「教教分離」などに取り組む考えを示した。文部科学省は国立大学の機能強化と改革促進策として、重点的に取り組む教育や研究内容によって大学を3類型に分類する方針。宮崎学長はそれを念頭に「佐賀大学は地域のニーズに応えて地域貢献や課題解決に取り組む方向性で運営する」と強調。学部改組や教教分離はその具体策で「学生に佐賀で学んだことに誇りを持ち、大きく変容していく社会に対応できる人材を育成していく」と意気込みを示した。来年4月に新設する芸術地域デザイン学部については「総合大学としての強みを生かし、芸術家育成だけでなく、デザインのセンスを持つ、デジタルアートを手がけることができる企業人を育てて学生の就職率アップにもつなげたい」とした。大学運営全体の方針としても「芸術的感性豊かな、多様性に富む、グローバルな視点を持った知の拠点を目指す」と抱負を語った。宮崎学長は佐賀市生まれ。九州大学医学部卒業後、95年に旧佐賀医科大学教授に就任。2008~14年に同大学附属病院長。09年から先月末まで副学長も務めた。

*3-3:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11956921.html
(朝日新聞 2015年9月10日) 経団連、安易な文系見直し反対 国立大改革、文科省通知で声明
 経団連は声明のなかで「大学・大学院では、留学など様々な体験活動を通じ、文化や社会の多様性を理解することが重要」と指摘。その上で、文系と理系にまたがる「分野横断型の発想」で、様々な課題を解決できる人材が求められていると主張した。また、国立大学の改革は国主導ではなく「学長の強力なリーダーシップ」で進めるべきだとも指摘し、政府は大学の主体的な取り組みを「最大限尊重」するよう注文した。経団連が声明を出した背景には、文科省の通知が「文系つぶし」と受け止められ、それが「経団連の意向」との批判が広がっていることがある。就職活動中の学生らに誤解を与えかねないとの懸念があった。榊原定征会長は9日、記者団に「『経済界は文系はいらない、即戦力が欲しい』という報道もあったが、そうじゃない。即戦力(だけ)を期待しているのではないということを改めて発信したかった」と説明した。文科省は6月、教員養成系や人文社会系の学部と大学院について廃止や転換を検討するよう全国の国立大学に通知した。文系を「ねらい撃ち」にした理由について、文科省の担当者は専門分野が細かく分かれた人文社会系学部の「たこつぼ化」を挙げる。社会で必要な課題解決力とコミュニケーション力を身につける教育や、地域の就職先など学生の将来を見据えた教育が不十分だという。ただ、2千人以上の科学者でつくる日本学術会議が7月に「人文・社会科学の軽視は大学教育全体を底の浅いものにしかねない」との反対声明を出すなど、現場の反発も強まっていた。そもそも「廃止という言葉が強すぎた」(大学関係者)との指摘もある。文科省は、通知は大学に改善を促すのが目的だとしており、「積極的に対応してほしいとのメッセージだ」と火消しに追われる。下村博文文科相も7月下旬の記者会見で「人文社会科学を軽んじているのでなく、すぐに役立つ実学のみを重視しているのでもない」と理解を求めた。
◆キーワード
<組織見直し通知> 文部科学省が6月、全86校の国立大に通知を出し、学部や大学院といった組織を見直すよう求めた。特に「教員養成系」や「人文社会科学系」の学部・大学院について、「見直し計画を策定し、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組む」とした。これが「文系軽視」と受け止められ、大学関係者らから反発された。国立大は6年ごとに「中期計画」を国に出す決まりで、通知は来年度から新計画となるのに合わせた措置だった。

<家庭・学校での指導>
*4-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11927413.html
(朝日新聞 2015年8月22日) 遺棄現場に容疑者の車 駐車場、遺体発見直前 大阪・中1殺害
 行動を共にしていた2人に何が起きたのか。容疑者との接点は――。大阪府寝屋川市の中学1年、星野凌斗(りょうと)さん(12)とみられる遺体が見つかってから一夜明けた22日。同級生の平田奈津美さん(13)への死体遺棄容疑で逮捕された山田浩二容疑者(45)が否認しているとされる中、地元では悲しみと憤り、やりきれない思いが広がった。平田さんの遺体が見つかった13日、防犯カメラは平田さんと星野さんとみられる男女2人と山田容疑者や同容疑者の軽ワゴン車を各所で、断続的に捉えていた。被害者2人の姿と容疑者の車は、早朝の寝屋川市の駅前商店街の極めて狭い範囲でほぼ同時刻に映っており、その後2人の消息が途絶えた。星野さんは12日午後9時ごろ、母親に「平田さんのところに行く」と言って外出。約30分後、星野さんと平田さんとみられる男女2人が自宅近くのコンビニエンスストアで目撃された。翌13日午前1時10分~5時10分ごろ、京阪寝屋川市駅前の商店街を行き来する様子が断続的に防犯カメラに映っていた。カメラが最後に2人を映した直後、山田容疑者のシルバーの軽ワゴン車が商店街付近を行き来する様子が捉えられていた。午前6時半ごろ、平田さんの携帯電話から友人に携帯電話の無料通信アプリ「LINE(ライン)」で「今から星野君と京都に行く」というメッセージが送られた。府警は容疑者が平田さんをいつ連れ去ったのか不明としつつ、この通信が平田さんによるものか、別人の「なりすまし」によるものか、慎重に捜査を進めている。午後0時40分ごろ、山田容疑者の車は寝屋川市駅から約20キロ南の大阪府柏原市内のコンビニエンスストアに姿を現した。店内で粘着テープ2本を購入する山田容疑者自身の姿も捉えられていた。寝屋川市駅の駅前駐輪場に駐輪していた星野さんの自転車は、メーターの料金などから午後3時ごろに止められたとみられている。これは星野さん自身が止めたのか。高槻市の駐車場で遺体で見つかった平田さんの死亡推定時刻は午後7時ごろ。約3時間半後の午後10時25分ごろ、高槻市に接する枚方市の国道170号沿いのガソリンスタンドに軽ワゴン車が入り、山田容疑者に似た男が給油していた。その約10分後、高槻市の駐車場に不審な車が入り、午後11時10分ごろに駐車場から出る車も防犯カメラは捉えていた。後に不審車の所有者は山田容疑者と特定された。午後11時25分ごろ、寝屋川市の山田容疑者の自宅マンションのエレベーターに、同容疑者が乗り込んでいる姿も映っていた。高槻市の駐車場で平田さんの遺体が見つかったのは、その約5分後だった。
■「容疑者、見たことない」 近所の人
 山田容疑者は、平田さんや星野さんの自宅がある地域から北へ3キロほど、2人の足取りが途絶えた京阪寝屋川市駅前からも2キロほどの所に住んでいた。京阪香里園駅に近い12階建てマンションの最上階。だが、住人らには、ほとんどその存在が知られていなかった。同じ12階に住む女性は「おばあさんが手押し車を押して出てきたところを見たことはあるが、若い男は見たことがない」と話す。マンションの1階の集合ポストには同居する両親と見られる名前が書かれており、その横に「山田浩二」と手書きされた小さなシールが貼られている。だが、管理人の女性は、70代より上の年齢の夫婦だけが住んでいると思っていたという。「40代の男なんて見たことがない」と驚いていた。近所の女性によると、容疑者宅には20~30年くらい前から高齢の夫婦が住んでいたという。だが、同じ12階に2年前から住む70代の男性は、容疑者と見られる男の姿を見たのは一度だけだという。7月下旬から8月上旬のある朝、12階の廊下で、容疑者宅に住む高齢の女性といっしょにいる中肉中背の40代くらいの男と顔を合わせた。女性に「息子さんですか」と尋ねると、「はい、そうです」と答えた。男に「おはようございます」とあいさつすると、愛想良く「おはようございます」と返ってきた。そのままエレベーターでいっしょに1階まで降りてマンションの玄関で別れたという。
■同級生「許せない」 平田さん葬儀
 寝屋川市内の斎場では、午前11時から平田さんの葬儀が営まれた。平田さん、星野さんと同じ市立中木田(なかきだ)中に通う生徒や保護者ら百数十人が1時間近く前から訪れ、約80人が座れる2階の会場はいっぱいになった。平田さんと星野さんの同級生の男子生徒(13)は参列する前、「こんなことになって本当に残念です。許せない」と硬い表情で語った。2人の同級生の女子生徒は「とてもいい友達。今は悲しみでいっぱいです」と声を振り絞り、中学2年生の女子生徒(13)は「ひどい。でも、容疑者が逮捕されて少し安心しました」と話していた。午前11時40分ごろ、棺(ひつぎ)が霊柩(れいきゅう)車に納められた。すすり泣く声やおえつが斎場前に響き、ハンカチで顔を覆う生徒らの姿が見られた。正午前の出棺では、参列者が手を合わせ、平田さんに最後の別れを告げた。葬儀後、平田さんの同級生の女子生徒は「悲しすぎて、今は何も話せません」と涙をこらえていた。平田さんと星野さんが通っていた中木田中学校。容疑者の逮捕から一夜明けた朝は門が閉じられ、ほとんど人影はなかった。事件以降、クラブ活動の多くも休止しており、生徒の姿はなく学校関係者が時折出入りするだけだった。
■柏原の遺棄現場、花手向ける人も
 星野さんとみられる遺体が見つかった大阪府柏原市青谷の竹やぶには、22日朝も青いシートが張られていた。複数の捜査員が頻繁に出入りを続け、警察犬とともに現場を回ったり、草刈り機を使って遺留品の有無を調べたりしていた。竹やぶから数十メートル離れたところには一般人の立ち入りを規制するロープが張られた。その外側には近隣住民や報道陣が集まり、捜査員の動きを見つめた。午前10時半ごろ、近くに住む男性(55)が花を手向けに訪れた。男性は「二度とこんな事件が起こらないようにと思い、花を捧げました」と話し、手を合わせた。午前11時前には、遺体が発見された竹やぶ内の畑を所有する女性(76)が警察官に伴われ、現場の確認をしていた。
■被害者と容疑者の足取り
【12日】
<午後6時ごろ>平田奈津美さんの在宅を家族が確認
<午後9時ごろ>星野凌斗さんが「平田さんのところに行く」と母親に言って外出
<午後9時半ごろ>2人とみられる男女が2人の自宅近くのコンビニエンスストア(大阪府寝屋川市)で目撃される
【13日】
<午前1時ごろ>平田さんの母親が帰宅。平田さんがいないことに気付く
<午前1時10分~5時10分ごろ>京阪寝屋川市駅前の商店街に設置された防犯カメラに2人とみられる男女の姿が映る
<午前5時すぎ>商店街付近の防犯カメラに山田浩二容疑者のワゴン車が行き来する様子が映る
<午前6時半ごろ>平田さんの携帯電話から友人にLINEで「今から星野君と京都に行く」というメッセージが送られる
<午後0時40分ごろ>山田容疑者が大阪府柏原市内のコンビニで粘着テープを購入
<午後3時ごろ>同駅前の駐輪場に星野さんの自転車が止められる
<午後7時ごろ>平田さんの死亡推定時刻(死因は窒息死)
<午後10時35分ごろ>大阪府高槻市内の駐車場にワゴン車が入る
<午後11時10分ごろ>ワゴン車が駐車場を出る
<午後11時25分ごろ>山田容疑者が自宅マンションに帰宅
<午後11時半ごろ>高槻市内の駐車場で平田さんの遺体が見つかる

*4-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11928841.html
(朝日新聞社説 2015年8月24日) 中1男女殺害 防ぐ手立てなかったか
 大阪府寝屋川市の中学1年の女子生徒(13)が殺された事件で、同市内の男(45)が死体遺棄容疑で逮捕された。一緒にいた男子生徒(12)も遺体で発見された。女子生徒は吹奏楽部でトロンボーンの練習に励んでいた。男子生徒は「人をたすける人になりたい」と小学校の卒業アルバムに書いていた。将来ある最愛の子を非道に奪われた家族の心痛は、察するに余りある。なぜ2人が狙われ、どんな手口で近づいたのか。同種の事件を繰り返さないためにも、警察は事件の解明に向け全力をあげてほしい。考えたいのは事件に巻きこまれる前に、被害に遭うのを防ぐ手立てはなかったかだ。防犯カメラには、事件前、2人が商店街を歩く姿が映っていた。深夜とはいえ、人通りも少しはあった。まだ幼さが残る男女だ。長時間、街をうろつく姿に、帰宅を促したり警察に連絡したりする大人がいなかったのか、悔やまれる。昔は面倒見のよい大人が地域にいた。人間関係が希薄になり、他人への干渉を避ける風潮が強まっていないだろうか。夏休みになると子どもは開放的になり、夜間の外出や、普段とは異なる行動パターンをとることも多くなる。学校の目も届きにくい。それだけ犯罪被害に遭う危険性が高まることを、大人がしっかり認識したい。身を守るすべを、子どもにも教えておくことが大切だ。昨年9月に小学校1年の女児が殺害された神戸市では、市教委が夏休み前、全小中学生に防犯チェックシートを配った。車の中から道を聞かれたら「車と距離を取る」「危険を感じたら車の進行方向と反対へ逃げる」など、具体事例ごとに家庭で話し合える内容だ。小学生向けの防犯対策はあっても、中学生になった途端、保護者も地域も油断しがちだ。警察庁によると、中学生の犯罪被害者数は昨年までの10年間、小学生を上回っている。最近は携帯電話を通じて犯罪に巻き込まれることも増えている。教育委員会や学校は、繰り返し注意を呼びかけてほしい。今回の捜査では、犯行時間の絞り込みや容疑車両の特定に、防犯カメラの映像が有力なツールとなった。一方、犯罪抑止の面では役割を果たせなかったともいえる。社会がどうカメラを使いこなすか、今後のカメラの設置のあり方を考える上でも、一つのきっかけになろう。

*4-3:http://digital.asahi.com/articles/ASH9Y6DVQH9YOIPE02W.html
(朝日新聞 2015年9月29日) 高3男子「頼まれた」 三重女子高生殺害容疑で逮捕
 三重県伊勢市の雑木林で、市内の高校に通う3年生の波田泉有(はだみう)さん(18)=同県松阪市=を包丁で刺して殺害したとして、県警は29日、同じ高校に通う3年生の男子生徒(18)=伊勢市=を殺人容疑で逮捕し、発表した。容疑を認め、「(被害者に殺害を)頼まれた。包丁は自宅から持ってきた」と説明しているといい、県警は証言や状況などから嘱託殺人の可能性もあるとみて当時の状況を調べている。県警によると、男子生徒は28日午後5時10分ごろ、伊勢市尾上町(おのえちょう)の「虎尾山(とらおやま)」の記念碑付近で、女子生徒の左胸を包丁のような刃物で刺して殺した疑いがある。午後9時45分ごろ、女子生徒の知人から119番通報があり、駆けつけた警察官が遺体を確認した。司法解剖の結果、死因は失血死だった。「(女子生徒に殺害を)頼まれた」。三重県警に殺人容疑で逮捕された高校3年の男子生徒(18)は、そう説明したという。自殺願望を口にしていたとされる高校3年の女子生徒と、男子生徒は28日も同じ同県伊勢市内の高校に通っていた。下校後の2人の足取りは分かっていない。女子生徒と同じ中学校の柔道部だったという少年は、高校に進んだ女子生徒が「自殺したい」と漏らしていると人づてに聞いた。別の少年によると、昨年、女子生徒は同級生の男子と川に飛び込もうとし、止められた。今年7月初めには同じ男子と行方が分からなくなり、5日後に見つかったこともあったという。
 28日午後3時半、体育祭の練習が終わり、高校を出る女子生徒に、教頭が「気をつけて帰ってね」と声をかけると、にこっと笑ってこたえたという。殺害時刻は午後5時すぎとされる。「どこにいるの」。夜になり、女子生徒や、逮捕された男子生徒との連絡がとれないことを不安に思った友人らが、LINEを使って呼びかけた。県警によると、男子生徒がLINEに応じて居場所を伝え、同市内の現場に向かった友人らが、女子生徒が刺されているのを見つけた。同じ高校の生徒は、男子生徒が「殺してって言われたから殺した」と友人らに話したと聞いたという。女子生徒は、同県松阪市の住宅街に並ぶアパートの一室に暮らしていた。近くの住民は「近所のつながりはほとんどない」。女子生徒の姉は、取材に「私からお話しすることはできません」と涙声で話した。


PS(2015年10月4日):*5に書かれているとおり、将来、多くの仕事が自動化されるというのは本当だ。また、その時でも雇用されるためには、人間はロボットにはできないことができる必要がある。そして、変化に対応できる問題解決能力は“想像力”ではなく、広い知識と経験に裏付けられ、将来の見通しを持った創造力に依る。しかし、私が言うと「広い知識と経験に裏付けられ将来の見通しを持った創造力」ではなく、「空想に基づく想像力」と過小評価したがる人が少なからずおり、これはまさにジェンダー(社会的に作られた性差)に起因する女性蔑視で、私に対しては、的外れで失礼だ
 なお、「“生きる力”が大事」と言う人も多いが、この言葉を何回唱えても何の解決にもならず(問題解決できず)、 「“生きる力”を構成する要素は何で、それはどうやって育まれるのか」を分析して、教育や職場のオン・ザ・ジョブ・トレーニングでそれを育む必要があるのである(これは理系の発想か・・)。

*5:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/236085
(佐賀新聞 2015年10月4日) 子どもに問題解決力を 佐賀市で全国教育大会
 全国教育大会佐賀大会が3日、佐賀市文化会館で開かれ、今後の教育の在り方を探った。人工知能とロボット工学の研究で仕事が変わる将来を見据え、子どもをどう育てるかを議論。変化に対応する想像力、問題解決能力などを身に付ける重要性を確認した。シンポジウムで佐賀大文化教育学部の上野景三教授は「10~20年後に47%の仕事が自動化される」とした教育再生実行会議の将来予測を紹介。弁護士や冠婚葬祭業など人が関わることで希少価値を生む仕事はなくならないとし、社会の流動化に耐える「想像的思考力」を育むよう提言した。多久市の中川正博教育長は読書離れが進み、想像力が低下傾向にあると指摘し、読書の習慣化を求めた。佐賀市PTA協議会元副会長の江頭和恵さんは、子どもを地域行事に参加させた体験を基に、「出番や役割を与えて認めると、自信につながる」とした。コーディネーターの富吉賢太郎佐賀新聞社編集主幹は「教師も知識を教えるだけでは、機械に取って代わられる。生きる力こそ大事で、栄養豊かな時代の空気をつくるのは大人の責任」とまとめた。大会は日本教育会が開き40回目。県内では初めての開催で、全国の学校関係者約880人が参加した。


PS(2015年10月6日追加):確かに、そのことが好きで上手な人から習うと、面白かったり興味がわいたりするので、服飾専門学校生が小学校や学童保育でミシンを使った縫物を教えるというのは、よいアイデアだ。自分や家族が使うアップリケ付の手提げ袋を作ったりすると、さらに面白いだろう。

*6:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10105/236443
(佐賀新聞 2015年10月5日) 専門学校生が先生役 うつぼ木小5年生、ミシン上手に
 唐津市桜馬場の服飾専門学校「モードリゲル」の高等課程1年生5人が1日、同市厳木町のうつぼ木小を訪れ、本年度からミシンを習い始めたばかりの5年生児童15人の“先生役”を務めた。この日はクリスマスツリーをあしらった壁掛けづくりに挑戦した。児童たちは、緑と茶色のフェルトでかたどった「ツリー」と「植木鉢」をミシンで布に丁寧に縫いつけた後、色とりどりのデコレーションで飾りつけた。専門学校生は作業の様子を見守りながら、手本を見せたり、アドバイスした。小川珠雅君(10)は「角を縫う時にまち針で止めて外れないようにすることを教えてもらった。教え方が優しくて覚えやすかったし、上手にできて良かった」と話していた。専門学校生の小学校訪問は今回が初めてで、本年度中に6年生にもバッグや小物入れづくりを指導する予定。モードリゲルの前田洋子教諭は「子どもたちがものづくりに興味を持ってくれたら」と話していた。


PS(2015年10月7日追加):TPPによって大きな経済圏ができれば、大まかに言って、その経済圏の中では、これまで国内でやっていたのと同じ条件の競争を行わなければならない。そのため、その経済圏内での競争は激しくなり、これまでよりも比較優位の製品に特化した産業への産業の選別が行われることになるが、私は、国として、それではよくないと思っている。何故なら、環境、安全、食料自給率、産業構造、社会保障等の目的で、規制・税制・保険等によって国毎に行ってきた政策が禁止され、国が行うべき設計をTPP経済圏の市場に任せて放棄することになるからだ。さらに、日本の方が比較優位が高いとされる自動車も、20年以上前から現地生産が進んでいるため、さほど輸出増に繋がるとは考えられず、逆に環境規制の強化によって日本車の進歩を進めてきた規制は経済圏の規制に揃えられる。なお、伊万里焼・有田焼については、今まで関税が高いことが原因で輸出していなかったわけではないため、輸出拡大には、相手のニーズをとらえる製品を作って輸出するという意志を持って販売戦略を展開すればよいが(中国はじめTPP圏外でも売れそうだ)、農業については、比較優位がないため衰退する可能性があり、それで食料自給率や日本の基盤が保てるかどうかが重要な問題なのである。(*これを書くには、経済学、経営学、税制、環境、生物学、歴史などの知識と数学で培われた論理性を使っている)

*7:http://qbiz.jp/article/72264/1/
(西日本新聞 2015年10月7日) 九州の産業界「海外展開に有利」 TPP、中小の利点は不透明
 TPP大筋合意を受け、九州を含む産業界では、関税撤廃などを通じて海外展開の追い風になると歓迎ムードが広がった。影響は広範囲に及ぶが、政府が強調する「中小企業への利点」はまだ読みきれない。日本自動車工業会の池史彦会長(ホンダ会長)は「米国やカナダなど重要な市場との経済連携の枠組みが築かれる」と評価。九州でも、トヨタ自動車九州(福岡県宮若市)は海外向けが約9割で「トヨタ自動車本体を通じて米国などTPP参加国の大半に輸出している」としており、関税撤廃は好材料だ。海外向け生産台数が増えれば部品の需要も増えるため、トヨタ九州などと取引がある戸畑ターレット工作所(北九州市)は「どれだけ生産増になるかは読めないが、プラスには働くはず」と期待する。ただ完成車の関税撤廃は米国(2・5%)が25年後、カナダ(6・1%)が5年後などで、目先の効果は見込めない。即時撤廃となる部品の関税にしても「海外での現地生産が一般化しているので、輸出の増加にはつながりにくい」(部品メーカー)。どれだけ恩恵が広がるかは不透明だ。
   ■    ■
 日本、九州の強みを伸ばせる分野は他にもある。安倍晋三首相は6日の記者会見で、日本の伝統工芸品の輸出例として九州の陶芸品を挙げた。伊万里焼の窯元、畑萬陶苑(佐賀県伊万里市)の畑石真嗣社長は現在、フランスに輸出しており、TPP参加国との取引はないが「今後関税なしで取引できるようになれば販路拡大につながるかもしれない」と期待を示した。日本食や映像といったコンテンツ産業などの輸出強化を掲げる九州経済連合会の麻生泰会長は「今回の合意は輸出拡大の好機。九経連としても輸出拡大に向けた環境づくりを最重要課題として取り組む」とした。TPPには、海外進出の際にトラブルとなることが多い知的財産の保護や外資規制の緩和も盛り込まれた。北部九州でアジア進出支援を手掛ける弁護士は「東南アジアなどは不透明な法の運用がまだ多く、TPP発効後に少しでも改善すれば中小企業の進出リスクが減る」と期待する。輸入牛肉などの関税が引き下げられるため、外食関連業界も注目。西日本を中心に業務用食材を卸販売するトーホー(神戸市)は「外食向けに販売している牛肉や豚肉の価格が下がる可能性はある」と話した。一方、国への注文も相次いだ。福岡商工会議所の礒山誠二会頭は合意を歓迎した上で「国には、中小企業の国際競争力強化やTPPがもたらす地域経済への影響を克服するための対策を求める」と要望。福岡市を訪れていた日本商工会議所の三村明夫会頭も6日の記者会見で「政府はこれまで交渉の詳細を明かさなかったが、今後は詳細を中小企業に周知徹底させることが重要だ」と指摘した。


PS(2015年10月9日追加):民主主義の日本国憲法下では、議員は主権者である国民が自らの代表として選んだ人であるため、選ばれた政治家の行動結果については国民が責任を持たなければならない。しかし、実際には、官僚(もともと天皇の官吏)が必ずしも国民のためにはならない発想で作った政策を、国会議員が「与党の責任」として決めている形式的民主主義になっていることが多く、それでも国民は、補助金等でカムフラージュされれば判断に迷ってしまう。なお、形式的民主主義の下では、国民を「依らしむべし、知らしむべからず」の状態にしておけば監視機能を発揮できないため、スポーツや仕事に没頭して政治のことは考えない国民が最も都合がよいのである。
 そのため、主権者である国民は決してそうであってはならず、*8-1のように、主権者教育で自ら考える有権者を育てるのは大切なことだ。また、「政治的中立」については、身近なテーマ(例えば「保育」「医療・介護」「環境」「地域振興」など)について、事実関係やそれに関する与党と野党の見解を記載した資料を配った上で、考え方を教え、高校生自身がディスカッションしながら自分たちで考えるのがよいと思う。なお、選挙権が18歳以上に引き下げられるのであれば、多様な考え方の人がいるのを理解した上で、自分自身はどう判断するのかを自ら考える力も必要である。
 しかし、*8-2のように、男性政治家のみが、ばりばり活躍する政治家であるかのように表現するのは、高校生にジェンダー(社会的に作られた性差別)に基づいた女性蔑視を擦りこむことになり、国会議事堂の4つ目の台座には本当に実績ある女性首相を立てたい時代の教科書として70年古いと思う。

*8-1:http://www.saga-s.co.jp/column/ronsetsu/237732
(佐賀新聞 2015年10月9日) 主権者教育、自ら考える有権者を
 選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられたことを受け、総務省と文部科学省は高校生の主権者教育に活用する副教材を作成した。18歳選挙権は来年夏の参院選で初めて適用される見通しで、現在の高校3年生全員と2年生の一部が有権者になる。学校現場に負担はかかるが、政治、社会への関心を高める契機にしたい。主権者教育の一環として新たに作られた副教材「私たちが拓く日本の未来」は、12月までに全ての高校生に配布される。約100ページで、解説編、実践編、参考編の3部構成。「公民」などの授業での活用が想定されている。総務、文科両省のホームページでも公開されているが、全体としてはよく編集されていると感じた。解説編では、政治に参加する意義や選挙、政治の仕組みなど基本的な事項が分かりやすく説明されており、大人が読んでも役立つ内容になっている。あらためて確認する意味でも一度、目を通してはどうだろうか。昨年12月の衆院選の投票率は全体で52・66%。年代別(抽出)にみると、最も高い60代が68・28%に対し、20代は32・58%で、2倍以上の差がある。これを人口推計に基づいて試算すると、60代の投票数は1240万票、20代は420万票と3倍近い開きになる。副教材ではこうしたデータも示し、若者の投票率が低くなると、若者の声が政治に届きにくくなり、その結果、若者に向けた政策が実現しにくくなったり、実現するのに時間を要したりする可能性があると指摘している。政治に緊張感をもたらすのは有権者の「一票」であり、新たな有権者の誕生が若い世代の投票率アップのきっかけになればいい。副教材は、実践編が全体の6割を占め、話し合いや討論の手法から模擬選挙、請願書作成、模擬議会などまで盛り込まれている。通常の授業や就職活動、大学受験などもあり、学校現場で全てを実践するのは難しいだろうが、有権者となる下地づくりに向けて前向きな取り組みを期待したい。県内では、北陵高校が生徒会長選挙の機会を活用して、実際の選挙規定に沿った模擬投票を実施。鳥栖青年会議所も模擬選挙の体験会を企画した。こうした試みが広がれば、選挙や政治がより身近に感じられるようになるだろう。一方で、教員向けの指導資料では政治的中立の確保に留意するよう強調され、「学校現場が萎縮するのではないか」という声も聞かれる。ただ、常識を持って対応すればよく、過剰に意識する必要はないのではないか。「政治的中立」という立場も含めて学習の材料にすればいい。学校での学習を基に、日常的に新聞やテレビなどで情報を得て、自ら考える有権者を育てていきたい。

*8-2:http://hi.fnshr.info/2015/10/04/hiraku-mirai/
高校生向けの有権者教育の副教材に載っている政治家は男性だけ
●概要
 文部科学省が作成・公開した『私たちが拓く日本の未来』という高校生向けの有権者教育の副教材に載せられている挿絵で、政治家はすべて男性として描かれている。
<中略>
●描かれたのは男性政治家のみ
 この『私たちが拓く日本の未来』には、挿絵がいくつか載せられている。挿絵が載せられているのは、読者が読みやすくするためだろう。挿絵の中で、政治家を描いたものが4つある。この4つの挿絵のすべてで政治家は男性として描かれている。「議員の活動」という節に書かれたイラスト。このイラストの主役になっている国会議員は男性である。右上部分に書かれている政党の会議や国会の委員会のイラストには女性議員らしい人も描かれているが、あまり目立たない。日本は国際的に見て女性議員が少ない。このことを問題視している人もいる。そういった中で、政治家の挿絵として男性しか載せなかったのは、非難される可能性がある。たかが挿絵であると言えばそうなのだが、有権者教育ということを考えると、1つぐらい女性政治家をメインにした挿絵があった方がよかったかもしれない。せっかくの副教材なので、こういったことで画竜点睛を欠いたことは残念である。


PS(2015年10月11日追加): *9では、40代以上の関心は「医療・福祉」が1位であることまで含めて、主権者は自分と家族に関係のある身近な課題解決(政策)に関心が高いことがわかる。そのため、私は、まず関心を持つ人が集まって多面的に検討し、それを全体で議論して進めれば、それによって本当に必要とされている財やサービスが提供されることになり、本物の経済成長や行財政改革にも繋がると考える。にもかかわらず、これまで、保育・教育・介護等の分野が疎かにされてきたのは、それを担当しているのが家庭にいる女性で、為政者や意思決定権者は家庭のニーズを知らない男性だったため、本当のニーズを把握できなかった(もしくは把握しようとしなかった)からだろう。

          
  2015.10.11佐賀新聞  2015.1.21日経新聞  2015.1.29西日本新聞
       *9より
*9:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/238406 (佐賀新聞 2015年10月11日) 力を入れてほしい分野 若い世代は「少子化」「教育」、2015県民世論調査
 県政で力を入れてほしい分野(二つまで回答)は、「医療・福祉」が36・0%と4年連続で最も多かった。「企業誘致・産業」(28・0%)、「少子化対策」(25・8%)、「景気・雇用」(25・5%)の順に続く。年代別では、40代以上の世代がいずれも「医療・福祉」が1位を占めた。20代は「少子化対策」(40・5%)、30代は「教育」(36・9%)がトップと、若い世代は身近な課題解決を求める傾向が見られた。職業別では、主婦や公務員、団体職員で「医療・福祉」の優先順位が高く、学生と公務員では「教育」を求める声が強い。「企業誘致」は会社員や商工業・自営、学生で多かった。地域別では、第一次産業が盛んな藤津郡で「農林漁業」が71・4%、神埼郡は「景気・雇用」が63・6%と突出している。鳥栖市は「景気・雇用」が比較的低い代わりに、「行財政改革」が高率だった。

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続き▽
| 教育・研究開発::2014.8~2016.11 | 04:10 PM | comments (x) | trackback (x) |

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