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2013.5.21 従軍慰安婦について (2013年5月24日最終更新)
  
                  *1より
 私は、①あれだけ銃弾が飛び交う中、精神的に高ぶっている猛者集団に軍の規律を維持するため従軍慰安婦が必要だったのは誰だって分かる ②世界各国が持っていたのに、なぜ日本だけが取り上げられるのか ③沖縄で海兵隊員に風俗業者を活用させるよう求めた という橋下氏の一連の発言を聞いた時、売春の正当化と品のなさに、うんざりした。しかし、本当は何がいけないのか、少し事情を知っている女性として、私の意見を書こう。

(1)橋下氏だけがそういう意見なのか?
 ①で、橋下氏が「誰だって分かる」と言っているように、維新の会の石原代表をはじめとして政治家、官僚、メディアも含め、少なからぬ人がそういう考えを持っていることを明言したい。メディアは、ここぞとばかりに橋下氏のみをバッシングするのではなく、政治家の誰が、どういう女性観を持って、そういう考え方をしているのかについて、アンケートを取って一覧表にし、本質を議論するのが、日本女性も被害者である女性蔑視を解決するための道筋であると思う。何故なら、性的対象とのみ見るその偏った女性観こそが、具体的性行為に至らずとも、現在でも日本社会において、言葉の端々で本音として出され、女性差別となって表れているからである。そして、この発想は、日本では、政治家のみならずメディアや財界にも、少なからず存在する。

(2)従軍慰安婦は、本当に国が強制したのではないのか?
 「従軍慰安婦は国が強制したのではなく、民間が自主的に行ったものだ」という弁解もある。それならば、確かにこの時代には禁止されていなかったが、その弁解は本当だろうか。仮に本当であれば、軍の内部に従軍慰安婦がいるのではなく、兵隊が軍の外にある売春宿に通わなければならないはずだが、そうではなく、慰安婦は日本軍に従軍して移動していたのである。ということは、やはり軍の命令で、一般女性を守るという名目で設置されたものと考えるのが自然ではないだろうか。似たような仕組みは、敗戦後の米軍占領下で、官僚の肝入りによって、日本国内にも作られたではないか。

(3)世界各国が売春制度を持っていたのに、なぜ日本だけが取り上げられるのか?
 日本だけが取り上げられる理由の一つには、終戦後価値観が大きく変わり、日本は敗戦国だからというのがある。もう一つには、日本は、そういう女性をとりわけ蔑んで扱ってきたからだと思う。私は、1989年頃、ビッグ4の税務部門で、大蔵省を退職してきた人が上司におり、当時のことを話す時、「女は便所の扱いだった」と言っていたのを聞いたことがあり、私は、当然、げんなりした。こういう感覚で扱っていたから、日本は、とりわけ憎まれ、批判されるのではないだろうか。

(4)従軍慰安婦に対する日本軍の強制があったとしても、何度、謝ればいいのか?
 しかし、私がしっくりこないのは、従軍慰安婦に対する日本軍の強制があったとしても、誰が、何度、謝ればすむのかということだ。当時の価値観では、敗戦国の日本だけに売春制度があったわけではなく、また、戦争責任に関する断罪はすでに終わっている。そして、謝罪するための税金は、自らも女性蔑視の被害者である日本女性を含む日本国民全員が支払ったが、その女性蔑視の元となっている儒教の精神は、中国、朝鮮半島から日本に伝わったものだ。そのため、日本から金を引き出すツールとして、何度も、現在の日本人全員に対して戦争に関する歴史責任を持ちだすのは、やめてもらいたいと思う。

*1:http://digital.asahi.com/articles/TKY201305190413.html?ref=comkiji_redirect&ref=nmail (朝日新聞 2013.5.19)
維新混乱、崖っぷち 石原・橋下氏会談、収束へ注文次々 頼みの世論離れる紙面で読む
 日本維新の会の橋下徹、石原慎太郎の両共同代表が19日、名古屋市内で会談した。橋下氏は旧日本軍の慰安婦などをめぐる発言に伴う混乱を陳謝した。ただ、朝日新聞の世論調査で維新への期待感は下がっており、党の立て直しは難しさを増している。会談は事態収拾へ石原氏が要望した。同席した松井一郎幹事長らによると、橋下氏は一連の発言について「申し訳なかった。丁寧に説明していきます」と陳謝。ただ、発言そのものは撤回しなかった。石原氏は「色々な問題提起をするなら国政だ」と述べ、参院選への立候補を改めて要請。だが、橋下氏は「勘弁して下さい。それはどうしてもできない」と固辞した。石原氏の要求は続いた。橋下氏が続けるツイッターを問題視して「やめなさい」と注文。慰安婦発言についても「きちんと論文にまとめて発表した方がよい」と助言した。一方で先の大戦を「侵略」とする橋下氏と、「侵略ではない」とする石原氏は真っ向から対立。橋下氏が「世代の違いがある」と主張すると、石原氏は「もっと歴史の勉強をしなさい」。最終的に「侵略」の党見解は統一しないことで一致した。橋下氏の一連の発言は世論にも影響している。朝日新聞の18、19日の世論調査で参院選比例区の投票先に維新を挙げた人は7%で、1月の調査(16%)に比べ半分以下に落ちた。慰安婦や風俗業をめぐる発言についても、4分の3が「問題がある」と回答。国会議員団には橋下氏への不満が高まっており、若手議員は「全部、発端は橋下さん。素直に謝るしかない」。 好調を維持する自民党からは維新と距離を置く発言が相次ぐ。小泉進次郎青年局長は19日、山形市で記者団に「(維新とは)全くスタンスが違う。連携は頭の中にまったくない」と強調。党幹部も「我々は公明党との関係を大事にしていけばいい」と話す。参院選で維新の議席が伸び悩むと、安倍政権が目指す憲法改正の可能性が遠のきかねないが、派閥会長の一人は「憲法改正はじっくり時間をかけてやっていくしかない」と語った。維新に流れた支持層を取り戻したい民主党。海江田万里代表は19日、京都市内で記者団に「維新を支持していた人が民主党にそのまま来るとは思っていない。0・1%でもいいから、支持を広げる地道な努力をするしかない」と語った。

*2:http://digital.asahi.com/articles/TKY201305190451.html?ref=comkiji_redirect&ref=nmail_20130520mo&ref=pcviewpage (朝日新聞 2013.5.19)
元慰安婦「平和でなければ」 韓国の87歳・84歳、沖縄・広島で語る
 旧日本軍の「慰安婦」だった韓国の女性2人が19日、沖縄と広島でそれぞれ体験を語った。日本維新の会の橋下徹共同代表による慰安婦問題をめぐる発言が波紋を広げるなか、参加者からも政治家の言動に怒りや懸念の声が相次いだ。「過去の過ちは今の政府が解決しなければならない」。沖縄県の本土復帰41年に合わせ、宜野湾市で開かれた集会。元慰安婦の金福童(キムボットン)さん(87)はこう呼びかけた。日本統治下の朝鮮半島で生まれた。14歳だった1941年、家に来た日本人に脅され、中国、インドネシア、マレーシアなどの戦場に送られた。目や足が悪く、支えられて歩く状態だが「二度と私のような被害者を生まないように」と伝えたかったという。「慰安婦は必要だった」と発言した橋下氏には、「必要というなら自分の娘を送れるのか。妄言で過去の歴史は変えられない。若い人には真実を学んでほしい」と感じる。この集会は沖縄本島で17日から続いていた「5・15平和行進」の締めくくりだった。激しい雨の中、主催者発表で約3500人が集まった。「県民を愚弄(ぐろう)する発言は許さないぞ!」。集会では橋下氏の発言を糾弾するシュプレヒコールがあがった。主催した沖縄平和運動センターの山城博治事務局長(60)は「本土は彼が政治家を続けることを許すのか。我々は世論も問題視している」と話す。 広島市では元慰安婦の吉元玉(キルウォノク)さん(84)が体験を語る集会があった。11歳の時、中国東北部(旧満州)の慰安所で働かされた。「悔しくて、胸が痛くて。いつも心は寂しい」。いまも残る心の傷を語った。体調が悪く、車いすと付添人がなければ動くことができない。日本の政治家が元慰安婦を苦しめる発言を繰り返す現状を憂慮する。「日本がまた戦争の準備をしているように感じる。平和でなければ、私みたいな人をまたつくってしまう」。会場には予定を上回る220人が訪れた。その一人、広島県呉市の久保浩之さん(81)は被爆者だ。「自分の国がしてきたことにきちんと目を向けて反省しなければ、世界に原爆の悲惨さも伝わらないのではないか」と語った。

*3:http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/editorial/42499.html
(福井新聞 2013年5月15日) 橋下市長「慰安婦」発言 正当化してどうなるのか
 安倍政権が誕生して以来、過去の歴史認識に対する見直し発言が相次ぎ、国内外から右傾化を懸念する声が高まっている。この機に乗じたか、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が、旧日本軍の従軍慰安婦に関し「軍の規律を維持するために必要だった」と容認する発言をした。こうした発言がさらに国際問題化し、日本批判が高まる現実をどう認識するのか。橋下氏はこれまでも過激な発言を繰り返し、既成政党との違いを鮮明にしながら、維新の会を地方政党から衆院第3党の地位まで拡大させた。それは既成概念や古びた常識に対する挑戦でもあった。その延長線上に従軍慰安婦発言があるのだろうか。そうであるならば、記者の質問や個人のツイッターではなく、堂々しかるべき公の場で発言すべきではないか。「あれだけ銃弾が飛び交う中、精神的に高ぶっている猛者集団には必要なのは誰だって分かる」とし、「世界各国が持っていた。なぜ日本だけが取り上げられるのか」とも述べた。それだけではない。先日、沖縄の米軍普天間飛行場を視察した際には、幹部に対して海兵隊員に風俗業者を活用させるよう求めたことも明らかにした。こうした一連の発言は、単に「率直な話」というだけでなく「確信犯」であり、反響の大きさを十分意識しての言動だろう。たとえ、戦時下の修羅場に必要な存在だったとしても、現代に正当化することは許されない。沖縄では少女暴行事件などが多発し、米軍への不信感が根強い。それなら風俗の女性を活用すればいい、という発想があるとすれば、女性を性行為の対象としかとらえない男性の差別意識であり、人権侵害である。「建前論では人間社会は回らない」とする橋下氏。ならば、欲望むき出しの本音の社会は平和で心豊かなのか。慰安婦を生んだ忌まわしい歴史、戦争責任と向き合い、それを乗り越えていく責務が政治家にはある。もう一方の共同代表、石原慎太郎氏も「軍と売春は付きものだ」と擁護する。維新の会は昨年の衆院選以降、急激に失速している。参院選に向け発信力ある橋下氏のスタンドプレーにも見える。陰る人気を反応のいいツイッターでカバーしようとするなら、浅薄で悲しい戦略だ。海外だけでなく、安倍政権内からも批判が出ている。その政権だが、安倍首相は「侵略戦争」に対して「侵略の定義は国際的にも定まっていない」と述べ、米国内からも懸念の声が上がると軌道修正し、沈静化を図った。だが先日、自民党の高市早苗政調会長は植民地支配と侵略を認めた1995年の村山富市首相談話に関して「違和感がある」と述べた。政権の歴史認識は、本音のところでは何も変わっていない。こうした発言が国益につながるとは思えない。4月に英国で開かれた主要国(G8)外相会合は「紛争下での性暴力防止」が主テーマだったはずだ。「個人の発言だ」と火消しに躍起となる政府や維新の会幹部の姿に、政治の劣化が止まらない現状が透けて見える。

*4:http://www.shinmai.co.jp/news/20130515/KT130514ETI090007000.php
(信濃毎日新聞 2013年5月15日)橋下氏の発言 女性の尊厳踏みにじる
 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が従軍慰安婦を認める発言を繰り返し、波紋を広げている。戦争で女性が兵士に利用されるのは仕方ない、と言っているようなものである。個人的な見解であったとしても女性の人権や尊厳を踏みにじる言葉で、容認できない。過去の歴史をめぐって中国や韓国と緊張が高まる中、事態をより悪化させることにもなりかねない。政治家として軽率に過ぎ、資質が厳しく問われよう。この発言は13日、大阪市役所で記者団とのやりとりで出た。「猛者集団に休息を与えようとすると慰安婦制度が必要なのは誰だって分かる」「軍を維持し、規律を保つために、当時は必要だった」などと語った。一方、戦争の結果なので慰安婦になった女性には配慮が要るとも述べている。翌日も「人間、特には男に、性的な欲求を解消する策が必要なことは厳然たる事実」とし、慰安婦制度そのものを是認するような発言を続けた。橋下氏は従軍慰安婦問題について、かねて旧日本軍が強制した証拠はないと主張していた。今回の発言はさらに踏み込んだ。このほか、在日米軍の幹部に、米兵による風俗業者の利用を促したことも明らかにしている。橋下氏の発言に、韓国政府関係者は「歴史認識と女性の人権尊重意識の深刻な欠如を露呈した」と批判し、在日米軍の高官は「われわれが米兵に徹底させようとしている価値観と相いれない」と苦言を呈した。安倍晋三内閣の閣僚や与野党幹部、国内の市民団体などからも批判が続出した。安倍政権からも歴史認識をめぐって危うい発言が続く。安倍首相は過去の侵略と植民地支配を謝罪した村山談話を「そのまま継承しているわけではない」と国会で答弁。中韓は反発し、米国からは懸念の声が出ている。結局、菅義偉官房長官が歴代内閣同様に引き継ぐと明言し、軌道修正を図った。その直後には自民党の高市早苗政調会長が再び、安倍政権の歴史認識は歴代とは異なるとの認識を示し、党は火消しに追われている。橋下氏の発言で、歴史認識問題が終盤国会における論戦の焦点になる可能性が出てきた。慰安婦問題への対応では、日本政府は国連など国際社会からも厳しくみられていることを忘れてはならない。政治家が国際的な人権感覚や常識を疑われるようでは、国の先行きはおぼつかない。

PS(2013年5月24日追加):オランダ人で、第二次大戦中に旧日本軍により慰安婦にさせられた被害者の記事か掲載されていました。これによれば、強制であるだけではなく、レイプであり、慰安婦は公娼ではありませんので、当時の法律に照らしても違法です。メディアは、正確な情報を提供すべきです。

*5:http://mainichi.jp/select/news/20130524k0000e030263000c.html
(毎日新聞 2013年5月24日) オランダ人元慰安婦:「償い事業」責任者が証言集出版
 第二次大戦中に旧日本軍により慰安婦にさせられたオランダ人被害者に対する「償い事業」の実施責任者だった女性が、元慰安婦8人の証言記録集「壊された花」を8月15日に出版する。元慰安婦は死ぬまで心的後遺症に苦しめられたという。元責任者は「大多数の元慰安婦が死ぬ一方、政治家が歴史をねじ曲げている。若い人に悲惨な事実を学んでほしい」と話す。筆者はオランダ・ハーグ在住のマルガリータ・ハマー・モノ・ド・フロワドビーユさん(71)。「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)がオランダで実施した元慰安婦への支援事業(1998〜2001年)で、事業実施委員長を務めた。ハマーさんは79人の元慰安婦を認定する作業の中で被害者と親しくなり、そのうちの8人から当時の状況やその後の人生を聞き、まとめた。元慰安婦の一人、エルナさん(仮名、06年に81歳で死亡)は証言集に「若く咲き誇っていたあの日/血塗られた太陽に花は壊された/傷は永遠に続く」との詩を死の数カ月前に寄せた。血塗られた太陽は日の丸を指す。
 日本軍は1942年、当時オランダの植民地だったインドネシアに進攻。オランダ人民間人9万人、軍人4万人を収容所に入れた。エルナさんは43年に母親とジャワ島中部アンバラワの収容所に入れられた。44年2月に軍の将校が来て18歳だったエルナさんを含む17〜28歳の女性17人をスマランに連行。エルナさんは軍医による性病検査の後、将校に強姦(ごうかん)され、軍医にも強姦された。拒否しても「収容所の家族を殺す」と脅された。2カ月後、慰安所は軍幹部の命令で閉鎖され収容所に戻されたが、妊娠がわかり中絶した。戦後、スマランの慰安所を設置した軍人や民間人10人がBC級戦犯としてバタビア臨時軍法会議で死刑を含む有罪判決を受けた。エルナさんは戦後、オランダ兵と結婚したが度々、慰安所を巡る悪夢に悩まされた。特に夫が亡くなってからは心的外傷が強まり眠れない日が続いた。「慰安婦にされた被害者の人生全体が台無しにされ、傷が癒えることはなかった。慰安婦制度が必要だったなどという政治家の発言はおかしい」とハマーさんは話す。

| 男女平等::2013.5~2013.11 | 10:44 AM | comments (x) | trackback (x) |

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