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2013.11.9 天皇の政治利用禁止は、太平洋戦争や明治維新による革命など、国論を二分する場合の話ではないのか?原発事故の現状を手紙に書いた一参議院議員である山本太郎議員の行為は政治利用に入るのか?
    
  神武天皇        持統天皇         明治天皇

(1)天皇の政治利用の歴史
 *4に書かれているように、わが国の歴史を見れば、明治維新というわが国の近代化革命では、NHKの大河ドラマ「八重の桜」でも語られているように、トリックのような天皇の政治利用で革命が進められた。その天皇の政治利用の排除が明文化されたのは、太平洋戦争後の日本国憲法からである。日本史上、それ以前は、今ほど明確に天皇の政治利用の禁止が明文化されていたわけではなかったのだから、「天皇の政治利用」の範囲を広げすぎずに、その定義を明確にする必要があるだろう。

(2)山本太郎議員の行為について(小さなことへの懲罰が好きで、大きなことを見逃している方々へ)
 *1によれば、「園遊会で天皇陛下に手紙を渡した無所属の山本太郎参院議員に、参議院議長が厳重注意した上で皇室行事への出席自粛を求める案を提示する方針を固めたが、これは参院の正式なルールに基づく処分ではなく異例であり、野党も同調する見通し」とのことだ。しかし、日本は罪刑法定主義であるのに、法律で罪とされていないものを懲罰するのは法治国家であることを放棄したことになるし、日本は罪刑法定主義の法治国家であることを知らない人がいたとすれば、それこそ「非常識」である。

 具体的な行為についても、*2に書かれているように、「園遊会で天皇陛下に手紙を手渡した」ことが「非常識な行為」として処分に値するとされているが、山本太郎議員は天皇陛下に爆弾入りの手紙を手渡したわけではなく、*4に記載されているように、原発事故による健康被害や事故収束作業に当たる作業員の健康状態を書いた手紙を手渡したに過ぎないため罪はないと私は思う。「原発事故という政治的テーマについて天皇に何らかの観念を持ってもらおうとするのは、政治利用になりかねない危うさをはらむ」との、(たぶん)原発推進派の意見もあるが、そういう事実や意見があることを知った上で、どう振舞うかは天皇が決めることであり、宮内庁が宛名の人に手紙を渡さなかったというのも変である。

(3)開かれた皇室との矛盾
 私が衆議院議員だった2006年10月末に、佐賀県で「第26回全国豊かな海づくり大会」が開かれ、天皇・皇后両陛下が佐賀県を来訪され、近くでお会いしたことがある。その時、皇后陛下に「あなたがここの国会議員なの。頑張ってね」とお声をかけていただき、その驚くほど澄んだ声とお言葉に感激したが、欲を言えば、単に「大変ですね」「頑張って下さい」というフレーズだけではなく、現状を理解した一言があればもっとよかったと思う。そして、そういう現状把握は、宮内庁が、天皇宛てに参議院議員が書いた手紙すら渡さないという状況では無理だろう。

 そのため、私も、「国会議員が天皇に手紙を渡したら不敬罪もの」と言う非難には、違和感を覚える。何故なら、それは「開かれた皇室」と矛盾するからだ。*4には、参議院議長の山崎正昭氏が、「参議院議員として自覚を持ち、院の体面を汚すことがないよう肝に銘じて行動してほしい」と国会内に山本氏を呼んで諭したと記載されているが、参議院議員は元は貴族院議員である。TPOはあるかも知れないが、山崎氏の説諭は、参議院議員として卑下しすぎではないのか。

*1:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2577760.article.html (佐賀新聞 2013年11月6日) 山本氏に皇室行事出席の自粛要求 / 参院、自民処分案に野党も同調へ
 自民党は6日、園遊会で天皇陛下に手紙を手渡した無所属の山本太郎参院議員の処分に関し、山崎正昭参院議長が厳重注意した上で皇室行事への出席自粛を求める案を提示する方針を固めた。共に参院の正式なルールに基づく処分ではなく異例。野党も同調する見通しだ。自民、民主両党の議運委筆頭理事が6日、国会内で会い、自民党側が民主党側に打診した。7日午後の参院議院運営委員会理事会で正式に提案する。処分が決定すれば、7日中にも山崎議長が山本氏に伝え、8日の参院本会議で報告する。

*2:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2578169.article.html
(佐賀新聞 2013年11月7日) 参院、山本太郎氏の処分を確認 / 8日に具体案
 参院議院運営委員会は7日の理事会で、園遊会で天皇陛下に手紙を手渡した無所属の山本太郎参院議員への対応を協議し「非常識な行為」として処分する方針を確認した。具体的な処分案は8日午前に再協議する。自民党は、山崎正昭議長が厳重注意した上で皇室行事への出席自粛を求めるとの処分案を各党に示す方針を固めている。この日の理事会で提示する方向だったが、党内に「軽すぎる」との異論もあり、調整のため提案を見送った。理事会では、自民党が「山本氏は自ら出処進退を明らかにすべきだ。議員辞職を促したい」と強調した。

*3:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-214924-storytopic-11.html
(琉球新報 2013年11月7日) 山本議員手紙 議席返上の必要はない
 秋の園遊会で天皇陛下に手紙を手渡した山本太郎参院議員の行動が波紋を呼んでいる。軽率な行動は批判を免れないにせよ、「不敬罪もの」といった猛烈な非難ぶりには違和感を禁じ得ない。明治憲法下に逆戻りしたかのような時代の空気に不安を覚える。67万人から負託を受けた国会議員が職を辞するほどの問題なのか。辞職要求は均衡を失している。議席返上の必要はない。皇室と政治との距離について、冷静に議論すべきだ。
 山本氏は「原発事故による子どもの健康被害や事故収束作業に当たる作業員の健康状態を知ってほしかった」と説明し、政治利用との意図は否定した。だが、原発事故という政治的テーマについて天皇に何らかの観念を持ってもらおうとするのは、政治利用になりかねない危うさをはらむ。近世の「直訴」のようで、国民主権を定める憲法とも相反する。やはり軽率な行為であろう。とはいえ、閣僚や与党から議員辞職の大合唱が起こることには強い違和感を覚える。
 安倍政権は4月の「主権回復の日」式典に天皇・皇后両陛下を出席させた。「天皇陛下万歳」の掛け声とともに安倍晋三首相は壇上で万歳をした。沖縄からの強い反発が起きた式典の強行はまさに政治的行為であり、天皇出席を求めたのは政治利用ではないのか。9月の国際オリンピック委員会総会への高円宮妃久子さまの出席は、下村博文文科相が宮内庁に強く働き掛けた。政治利用だとの批判が起きたが、その下村氏が山本氏に辞職を求めるのは皮肉だ。政権の行為は不問に付す一方で、山本氏をことさらあげつらうのは公平ではない。市民派として登場し、反原発を掲げて当選した山本氏は政権には目障りなはずだ。そんな議員の職を天皇の威光を借りて奪おうとすることこそ、逆に天皇の政治利用ではないか。
 そもそも山本氏の行為は、不適切ではあるが、法規に抵触するわけではない。その行為一つで有権者の負託を即、無効とするのは、「不敬罪」を設けた明治時代と同じ発想ではないか。その発想自体が危険である。脱原発の世論を一顧だにしない政府の姿勢への絶望が、山本氏にそんな行動を取らせたのだとしたら、理解できなくもない。その閉塞感を打破する回路をどう構築するかも、政治の課題であろう。

*4:http://mainichi.jp/select/news/20131109k0000m010130000c.html
(毎日新聞 2013年11月8日) 山本太郎氏処分:天皇の「政治利用」議論深まらず 
 秋の園遊会で山本太郎参院議員(無所属)が天皇陛下に原発事故の現状を訴える手紙を手渡した問題は8日、山崎正昭参院議長が山本氏を厳重注意し、皇室行事の出席を禁止する処分を伝え、ひとまず決着した。与野党は前例のない山本氏の行動を「非常識な行為」と位置付けたものの、調整は「懲罰」に傾き、政治的に中立な天皇の「政治利用」に関する論議は深まらなかった。
 「参院議員として自覚を持ち、院の体面を汚すことがないよう肝に銘じて行動してほしい」。山崎氏は8日昼、国会内に山本氏を呼び、こう諭した。山本氏は「猛省している」と陳謝した。これまでに山本氏は手紙を手渡した理由として、福島第1原発事故に関して「子供たちの健康被害、原発作業員の労働環境の実情を伝えたかった」と述べ、「政治利用ではない」と釈明していた。
 憲法は国民主権を原則としており、4条で「天皇は国事行為のみを行い、国政に関する権能を有しない」と定めている。しかし、山本氏の行動は原発事故対応という政治課題に天皇陛下を巻き込んだともいえ、「文書を手交すること自体が政治利用ではないか」(石破茂自民党幹事長)との批判が浮上。自民党からは自発的辞職を求める強硬論も出ていた。
 ただ、前例のない事態のため、政治利用に該当するかどうかまで踏み込んだ議論に至らないまま、結論までに1週間を要した。参院議院運営委員会の理事会では「憲法などに照らして懲罰には値しない」(共産党)として、厳罰処分には慎重な意見もあった。皇室の政治利用を巡っては、これまでも議論が続いてきた。高円宮妃久子さまの9月の国際オリンピック委員会(IOC)総会への出席や、天皇陛下が出席する形で4月に安倍政権が開いた「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」は、いずれも政権の意向や要望に沿ったもので、野党側は「政治利用に当たる」と批判している。
 昭和史や皇室の歴史に詳しいノンフィクション作家の保阪正康さんは「山本氏の行動は国会議員の資質に欠けるが、政治利用というのは一定勢力による行為を言い、今回は違う」と指摘。その上で「一部で処分を議論するより、皇室と政治のあり方について山本氏に所信を述べさせるなど、国会全体で議論すべきだった」と話した。

| 日本国憲法::2013.4~2016.5 | 01:25 PM | comments (x) | trackback (x) |

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