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2013.11.11 放射性物質は拡散するので、福島第一原発事故の除染は速やかに徹底して行うべきだった。また、人間が健康に居住できるのは、20ミリシーベルト以下ではなく1ミリシーベルト以下である。
     

(1)被曝限度の国際基準は年間1ミリシーベルト以下である(「事故からの復旧期」とは、何年か?)
 上図及び*6、*7のように、人間の放射線被曝限度は年間1ミリシーベルト以下とICRPで明確にされており、これが常識となっている。それにもかかわらず、最近、国際原子力機関(IAEA)が、「年間被ばく放射線量1ミリシーベルト以下に必ずしもこだわる必要はないとした」という記事があった。

 しかし、IAEAの近藤駿介委員長は、日本人の原子力専門家であり、①「こだわる必要がない」と言った根拠は示しておらず ②原子力畑の人が、放射線の人体への影響について新たに疫学調査して結果を出したわけがなく ③原子力畑の人は「原発を動かしたい」という動機があり公正な判断はできない、と考えるのが普通である。

 次に、国は、*5のように、IAEAのその見解とICRPが「復旧期には、年1~20ミリシーベルトが許容範囲」としているということを根拠にして、事故からの復旧期には年1~20ミリシーベルトを「許容範囲」として早期帰還につなげるという道筋を示したそうだ。しかし、ICRPが前提としている復旧期は、チェルノブイリ原発事故をモデルとしているので、直ちに石棺にして周囲を除染し、フクシマのようにいつまでも放射性物質を環境に置き去りにして撒き散らしてはいない状態であり、せいぜい1~2年である。従って、フクシマの事例であれば、もう既に「事故からの復旧期」とは言えない時期なのだ。

 それでも国がこのような判断をした理由は、早期帰還の対象となる区域でも、空間線量は「年1ミリシーベルト以下」を上回ることが予想されるため、1ミリシーベルトは長期目標と明記して除染するからだそうだ。しかし、人体がそのようなご都合主義の基準に合わせられるようにできていないことは、生物学の常識であり、また、地表などの生活圏の線量は空間線量よりも高く、埃として吸い込めば内部被曝して深刻な病気になるため、移住権は1ミリシーベルトを基準とすべきだ。

 また、「国が前面に出てやれ」という声が多いが、国(政府)は、このように、ご都合主義で安全基準すら変える主体なのだ。その国が前面に出れば、その事故処理をチェックする主体がなくなる。そのため、やはり事故を起こした電力会社が主体となって事故処理を行い、国はそれをチェックしつつ、*1、*2に書かれているように、脱原発を宣言して、足りない事故処理費用の補助を行うのが合理的である。

(2)除染は一部でいいのか
 *8に、「福島県が間伐による民有林除染が手付かずになっている」などと書かれているが、福島県は、除染という名をつけて間伐をすればよいと思っているのだろうか。それなら、まだ放射性物質を甘く見すぎている。

 人が住んでいない森林であっても、放射性物質が濃く残っていると、風が吹けば同じ濃度になるまで人の居住環境に飛んでくる。バケツに水を入れ、一部にだけ塩を入れても、かき混ぜると、全体が同じ濃度になるのと同じで、物質は、同じ濃度になるまで濃度の高い場所から低い場所に移動するのだ。また、雨が降れば、川や地下水に交じって、放射性物質が人の居住環境に入ってくる。従って、私が、ずっと前に、このブログに記載したとおり、原発事故の後、すぐに除染しなければならなかったのだ。2年8ヶ月後の現在では、すでに木材も放射性物質を吸い上げており、伐採しても使えなくなったと思う。

(3)原発は、安くて環境によい電源だったか(再度、問う)
 *3に、前九州電力社長の眞部利應氏が、「原子力は、火力と比べて燃料費が圧倒的に安く、二酸化炭素を排出しないという大きなメリットのあるコスト競争力のある電源である」としており、これがまさに、原発再稼働派の根拠だ。しかし、これは、*1、*2で述べられているように、国民負担全体を全く考慮しておらず、原発事故による環境破壊も考えていない。

 また、*3には、「資源のない日本において、エネルギーに関して好き嫌い、えり好みを言えなくなる時期が来るであろう。その日の為にも原子力は日本において、確実に存続できる道を選んでおくべきである」とも書かれているが、これは、経済産業省と電力会社がよく使う、原発必要論の典型だ。私は、このフレーズを読んで、日本の高度成長期以前の「青空と梅干では飯は食えない」と言われた時期を思い出したが、日本では、環境を犠牲にして経済を成り立たせる時代はとっくに終わった。それは、*4で、「さよなら原発集会」に、1万人もの人が、福岡で集まったことでも明らかだ。

 言い始めて10年以上、もはや次世代の送電設備と自然エネルギーの進歩により、原発も火力もいらない時代だ。それは夢ではなく、現実だ。また、日本の排他的経済水域には、大規模なガス田も存在し、それを採掘する技術もある。本来、もっと早くエネルギー・チェンジを始め、もう終わっていなければならない頃なのに、まだ同じことを言っているのは、経済産業省と政府の怠慢にすぎない。

*1:http://digital.asahi.com/articles/TKY201311010618.html
(朝日新聞社説 2013年11月2日) 除染事業に国費 脱原発の明示が条件だ
 福島第一原発の事故処理や被災地への対応に関する自民党の提案がまとまった。最大の柱は、今後の除染事業や汚染土などを保管する中間貯蔵施設の整備に、国費を投じるよう求めたことである。安倍政権はおおむねこの案に沿って対策を進める見通しだ。
■東電救済策に陥るな
 私たちは社説で、東京電力にすべての費用を負わせることの限界を指摘してきた。国費の投入は避けがたい。しかし、場当たり的な対応が続く汚染水処理を含め、福島第一の廃炉作業がこれで順調に進むわけではない。福島をはじめとする各原発の廃炉をどういう体制で、どんな手順で進めるのか。政府は国費投入が東電救済策に陥らないよう、脱原発への全体像を早く示すべきだ。自民党案では、約1・3兆~1・5兆円とされるこれまでの除染費用を東電が負担し、今後は国がまかなう。損害賠償は従来通り東電が全額負担する。福島の事故は、自然災害に対する安全投資を軽視してきた東電による「人災」だ。事故処理の費用は、すべて東電が担うのが筋である。ただ賠償と除染、廃炉の総額は10兆円を超えるとの試算もある。東電の全面負担になれば、無理な利益確保に走り、被害者への賠償や電力供給への設備投資がおろそかになりかねない。このほど発表した中間決算は事故後初の黒字となったが、もともと賠償費用が毎年の決算に影響しないよう処理した結果である。修繕費などもできる限り先送りして「つくった数字」の色合いが濃い。福島事故の収束がままならないのに、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に前のめりになっているのも、収益確保が大前提になっているためだ。そもそも「東電が全て負担する」といっても、原資は首都圏の人たちが負担する電気料金である。一方、政府には国策として原発を推進し、安全規制を甘いままにしてきた責任がある。私たちが国費投入を求めてきたのは、こうした観点からだ。
■けじめをつけよ
 ただし、条件がある。ひとつは、国民負担を最小化するため、東電が実質的には破綻状態にあることを明確化することだ。現行の法制度では、東電の破綻処理には難しい面もある。倒産の場合、東電が発行してきた巨額の電力債についての弁済が優先され、事故被害者の救済が後回しになるといった問題だ。しかし、除染費用は総額5兆円規模に膨らむともみられる。全体で兆円単位の負担を国民に強いるにあたって、東電の利害関係者、とりわけ銀行の貸手責任を問わないままでは納得が得られない。そして、国費投入の条件としてなにより重要なのは、政府として脱原発の方針を明確にし、けじめをつけることだ。いざ原発事故が起きた場合には処理費用の一部を国が肩代わりするという前例をつくったうえで、次々と再稼働を進めていくことなど、許されない。原発への依存度を減らしていくことは、安倍首相自ら語っていることである。まず老朽化した原発や原子力規制委員会の審査をパスできない原発は早期に廃炉にすることを明らかにすべきだ。新設はもちろん、同じ敷地内での建て替えもしない。
■廃炉の体制づくりを
 核燃料サイクル事業からの撤退を決め、高速増殖炉もんじゅや青森県六ケ所村の再処理工場を閉じていく。そうすれば、そこに投じられている国費や電力会社の積立金を、福島事故の処理に回す余地もできる。そのうえで、放射性廃棄物の最終処分場の建設や、すでに国内外に保有しているプルトニウムの処理について、具体策の検討を急ぐ。廃炉の体制づくりも喫緊の課題だ。福島第一の廃炉・汚染水対策の実施について、自民党案は東電の社内分社化や完全分社化、独立行政法人化などの案を紹介しつつ、結論を先送りしている。福島を含め、電力会社の垣根を超えた廃炉機関の設立を検討する必要がある。少なくとも、東電が柏崎刈羽の再稼働と両にらみで事故処理にあたる状態を続けていいわけがない。むろん、国民負担を小さくするため柏崎刈羽を動かすというのは本末転倒だ。福島で作業員が安全に働ける環境を整えることも最重要課題である。東電の当事者能力に疑問符がつくなか、作業員の健康面を含めて国がしっかりと管理し、必要な人材や資源を投じる体制を整えなければならない。こうした課題にほおかむりしたまま、国費の投入を決めても事態は何も進展しない。東電の尻ぬぐいだけさせられるのは、ごめんである。

*2:http://mainichi.jp/opinion/news/20131109k0000m070148000c.html
(毎日新聞社説 2013年11月9日) 事故処理に税金投入 やはり脱原発しかない
 原発を国策として推進しながら、事故が起きたら民間の電力会社がその処理費用をすべて負う。そんな無理な政策が行き詰まった。政府は原発政策を早急に見直し、原発に依存しない社会への見取り図を描く必要がある。自民、公明両党が近く、東京電力福島第1原発事故からの復旧・復興を加速するよう安倍晋三首相に提言する。汚染土を保管する中間貯蔵施設の建設や除染への国費投入を求める。政府もその方向で検討する。事故処理費用を全面的に東電負担としてきた政府方針の転換を意味する。
◇「安い電源」は崩壊した
 提言は原発事故被災地の復旧・復興が遅れている現状への強い危機感を示し、汚染水対策や除染などに国費投入を求める。その規模は数兆円に上るとみられる。首相は「福島の復興が最重要課題」と宣言してきた。しかし政府は、財政負担がどこまで膨らむか見通せないことなどから、東電の陰に隠れ続けてきた。その結果、汚染水対策は遅れ、被災地の復旧・復興は進んでいない。事故の後始末を東電だけに任せておけないことははっきりしている。国策として原発を推進し、立地や建設費調達が円滑に進むよう支援してきた政府が、責任逃れを続けることは許されない。国費投入は避けられない選択といえる。国民の税金である国費を投入する以上、同じ過ちを繰り返すことがあってはならない。政府は原発政策の誤りを認め、見直す必要がある。原子力損害賠償法は原発を運営する電力会社に無限責任を負わせている。しかし、業界最大手の東電でさえ、その負担に耐えられなかった。今の仕組みは、現実性のないことがはっきりした。だからといって、電力会社の賠償責任に上限を設けても問題は解決しない。上限を超える被害の救済は、国費でまかなうしかないからだ。つまり、重大事故が起きれば膨大な国民負担が生じることは避けられないということだ。全国で、原発の代替電源として火力発電がフル稼働し、天然ガスや石油などの燃料費が年間3兆円以上余計にかかっている。それだけ原発は割安だ、というのが原発推進論の根拠の一つになっている。首相の経済政策アベノミクスで、デフレから脱却する兆しが見え始めたばかりの日本経済にとって、足元の経済性は無視できないだろう。しかし、それは原発で重大事故は起きないという「安全神話」を前提にして成り立つ話である。神話が崩壊した以上、経済性でも原発の優位性は崩れたといえる。そうであれば、再生可能エネルギーなど代替電源の開発・普及や省エネを進めながら、できるだけ早く脱原発を進めるべきだ。政府は、その道筋をきちんと描く必要がある。

*3:http://qbiz.jp/article/26240/1/ 
(西日本新聞 2013年11月11日) 「国策民営」原子力の行方
 原子力は電力の自由競争環境下で、どのような役割を果たすのであろうか、大変悩ましいテーマである。大型電源ということでは火力発電と共通しているが、石油、天然ガスと比べて燃料費が圧倒的に安いこと、加えて二酸化炭素を排出しないという大きなメリットがある。順調に運転が継続されれば強いコスト競争力のある電源として高い評価を得るであろう。その半面、経営上のリスクが極めて大きいという欠点がある。いったんどこかで事故が起きれば、それが国内であろうと海外であろうと長期間の停止を余儀なくされ、供給力の確保と収支対策に苦慮することとなる。
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 国策民営で推進している原子力発電であるが、東電の福島第1原子力発電所の事故によって、原子力を民間の事業者が管理、運営することにいくつかの大きな矛盾のあることが露呈してしまった。すなわち、大事故時の損害賠償が電力会社の無限責任ということになると、企業の存続を脅かす巨額の損害賠償の可能性を内在する民間企業として、ステークホルダーなかんずく株主の信頼を得続ける方法を見い出せるのだろうかという問題。次に、予定外の設備改修負担が急に生じ、見通しの立たない長期運転停止による業績の悪化も相まって、しっかりした短中期経営計画も立てられず、企業活動の自由度が保てないようになってしまうという問題がある。また従業員から将来の希望も奪ってしまいかねない状況にもなりかねない。そして、使用済み燃料など放射性物質の処理、最終処分の問題は、あらためて言うまでもなく民間だけで対処できる問題ではない。
 日本国にとってエネルギーは常に死活問題である。資源のないわが国においては、エネルギーに関して好き嫌い、えり好みをいずれ言えなくなる時期が来るであろう。申し訳ないがそのような予感がする。その日のためにも原子力エネルギーは日本国において確実に存続できる道を選んでおくべきである。そのように考えると、原子力発電は、誰がどのように事業を進めるのが最も適切なのか、国と民間との役割分担はどのような形が望ましいのか、中長期視点、国家的見地などからいま一度考えてみる必要があるのではなかろうか。
*眞部利應(まなべ・としお)氏:九州通信ネットワーク取締役会長、前九州電力社長
1968年九州電力入社。経営企画室長や熊本支店長などを経て、2007年に末席取締役から社長に就任。川内原発増設などを推進したが、11年夏の「やらせメール問題」を受け、再発防止策策定後の12年3月に社長退任。13年6月から現職。香川県出身、68歳。

*4:http://mainichi.jp/select/news/20131111k0000e040097000c.html
(毎日新聞 2013年11月11日) 九州電力:「さよなら原発!集会」に1万人 福岡
 九州電力玄海、川内両原発の再稼働に反対する「さよなら原発!九州沖縄集会」が10日、福岡市中央区の舞鶴公園であった。各地から約1万人(主催者発表)が参加し、九州・沖縄の脱原発集会としては約1万5000人(同)が参加した2011年11月以来の大規模集会となった。集会では、福島第1原発事故の元政府事故調委員、吉岡斉・九大教授が「何十兆円もの損害が発生し収束に100年かかる事故がいつ起こるかわからないのが原発だ」と指摘。事故後に福島から京都に移住した元宇宙飛行士、秋山豊寛氏が「事故が起きればその地域の人たちは政府から捨てられる」と訴えた。最後に「子供たちが安心して過ごせる未来のため原発ゼロの声を上げる」とする集会宣言が読み上げられた。集会後には参加者が3ルートに分かれ「原発いらない」「命が一番」などとシュプレヒコールを上げ九電本店前などをデモ行進した。

*5:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131111-00000044-mai-pol
(毎日新聞 11月11日) <福島復興>「全員帰還」を転換 与党提案
 自民、公明両党の東日本大震災復興加速化本部は11日、東京電力福島第1原発事故の被災者対策に関連し、高線量で長期間帰還が困難な地域の住民への移住支援や、放射性廃棄物を保管する中間貯蔵施設の建設・管理への国費投入を柱とする「福島復興加速化案」を安倍晋三首相に提言した。民主党前政権時代から続く「住民の全員帰還」や、東電が賠償、廃炉や除染費用を賄う「汚染者負担の原則」を転換する内容。政府は提言を基に具体策作りを急ぐが、帰還・移住計画策定や国費投入拡大には住民や国民の反発も予想される。福島復興加速化案は、それぞれ本部長をつとめる自民党の大島理森前副総裁と公明党の井上義久幹事長が官邸で安倍首相に提言。安倍首相は「政府としても廃炉、汚染水処理、中間貯蔵の問題、賠償など、国がしっかり前へ出る考え方で、与党とともに取り組んでいきたい」と述べ、加速化案の具体化を急ぐ考えを示した。
 福島県内11市町村は、線量に応じて「帰還困難区域」(年50ミリシーベルト超)▽「居住制限区域」(年20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下)▽「避難指示解除準備区域」(年20ミリシーベルト以下)に分けられている。加速化案はこのうち双葉町や浪江町などが含まれる「帰還困難区域」など被災者に対し、長期にわたり帰還できない現実を踏まえ、賠償拡充を通じ他の地域での住宅確保などを容易にすることで移住を支援する考えを打ち出した。一部の被災者から「新たな場所で生活を始めたい」との要望が出ているためだ。一方、「避難指示解除準備区域」など線量が比較的低い地域は優先して除染作業を実施。医療機関や商業施設の整備なども急ぎ、住民の早期帰還を促す。除染をしても線量はなかなか下がらず、早期帰還の対象となる区域でも空間線量は平常時に一般の人が浴びても差し支えないとされる「追加被ばく線量限度(年1ミリシーベルト以下)」を上回ることが予想される。この点に関し、加速化案は「1ミリシーベルトは長期目標」と明記。事故からの復旧期には、「国際放射線防護委員会(ICRP)」が年1~20ミリシーベルトを「許容範囲」としていることを根拠に、住民個人の実際の線量データを基にきめ細かい被ばく低減策を講じることで早期帰還につなげる道筋を示した。一方、国費投入の拡大では、除染作業で出る汚染土などの放射性廃棄物を一時的に保管するための中間貯蔵施設の建設費(1兆円規模)は国が負担することを明確にした。また、国の除染への関与は、現在計画中の除染を終えた後も、効果のある事業を国や自治体が行えるようにする形で限定的な国費投入を検討する方向だ。【大久保渉、高本耕太】
◇福島復興加速化案の骨子
・早期帰還の促進(除染は帰還可能地域を優先、東電による早期帰還者への追加賠償策)
・長期帰還困難地域に移住の選択肢(住宅確保へ賠償拡充、双葉郡の将来像提示など)
・放射線量年間1ミリシーベルトは長期目標。個人の実際の線量データを基に被ばく低減策
・賠償は東電が最後の一人まで責任
・中間貯蔵施設は国が費用確保を含めて建設・管理
・現行の除染計画実施後は、国による公共事業などの観点からの実施も検討
・国と東電の廃炉・汚染水対策での責任分担明確化。東電は廃炉部門の分社化など早期に結論

*6:http://daysjapanblog.seesaa.net/article/378240649.html
(DAYSから視る日々 2013年10月22日) 【原爆と原発 年間1ミリシーベルト基準は、日本の原爆被ばく者の「命のデータ」から生まれた】DAYS JAPAN 11月号
 今回、日本が初めて賛同した、核兵器の不使用と廃絶を決意する共同声明。ニュージーランドが主導した『核兵器の人道的結末に関する共同声明』に、国連加盟国全体の約3分の2にあたる125か国が賛同。米軍の核の傘の元、これまで声明への賛同を控えてきた日本が、はじめて被爆国として当たりまえのことを表明したことに、広島や長崎からも評価する声が上がっている、との報道が流れました。しかし、福島の人たちはどう感じているのでしょうか?『福島の子どもたちの屋外活動制限の基準、年間20ミリシーベルトが依然、改められない。これは放射線管理区域の4倍の数値であり、原発作業員ですら滅多に浴びる線量ではないにも関わらずだ。そもそも、国際的な基準である「年間1ミリシーベルト以下」は、広島と長崎の被ばく者たちが、私たちに命をかけて残した数字でもある。それを日本の政府が裏切った。これ以上子どもたちを被曝させるようなことが許されてはならない』。DAYS JAPAN 11月号の藤田祐幸氏による記事【原爆と原発】は、普段、なぜか並列して語られることが少ないこの問題をわかりやすく解説してくれています。そのほんの一部をご紹介します。
●被曝者たちの命のデータ
 『しかし、80年に事件が発生しました。「イチバンプロジェクト」と呼ばれる米軍による秘密研究の誤謬が明らかにされたのです。原爆投下の影響を評価するためには、被曝者たちの一人一人の被曝線量を求める必要があります。そこで米国は、50年代にネバタ州の砂漠で極秘の大実験を行いました。砂漠に、原爆が炸裂した高さと同じ600メートルの鉄塔を建て、そのてっぺんに裸の原子炉を置きました。地上には、日本から大工を呼び、日本の建築材料を取り寄せて日本家屋を作らせました。鉄塔の上の原子炉から出る放射線が、日本家屋の室内にどのように到達するかを検証するためです。そして、広島・長崎の被ばく者の方々に、「あの日あのとき、あなたはどの地点のどういう間取りの家のどの部屋にいたのか?」と聞きました。それらのデータを合わせて人々の被曝線量を割りだし、健康との関係をみていきました。そのデータがICRP(国際放射線防護委員会)の基礎データとして使われました。ところが80年にこのプロジェクトの機密が解除され、そこにとんでもない誤りがあることが発覚しました。(中略)
被曝限度は大幅に引き下げなければならないのです。多くの科学者は、公衆の被曝限度を10分の1に下げて、年間5ミリシーベルトを0.5ミリシーベルトにすべきであると主張しました。しかし、原子力産業側に依拠する科学者たちは、現状の維持を主張しました。その背後には、被曝限度を10分の1に下げれば、労働者の数を10倍にしなくてはならず、人件費が高騰して、原子力産業は成り立たなくなるという危機感があったのです。
【原爆と原発】本文より
 今日の東京新聞に福島第一原発周辺での除染について検証していたIAEA(国際原子力機関)が「年間被ばく放射線量1ミリシーベルト以下」に「必ずしもこだわる必要はない」と述べたという記事がありました。核兵器の廃絶に賛同しながら、「原子力の平和利用」という名目のもとに、【年間1ミリシーベルト基準は、日本の原爆被ばく者の「命のデータ」から生まれた】という事実をないがしろにしてしまう。国や国際機関のいう「基準」とはいったい何であるのか?数字に置き換えられた一人一人の人間の命に、なぜいつまでも目を向けないのか?藤田祐幸氏の記事【原爆と原発 年間1ミリシーベルト基準は、日本の原爆被ばく者の「命のデータ」から生まれた】は、難解になりがちな議論を、人間としての温かみのある視点から、厳しく問いただしています。ぜひ、全文をお読み下さい。

*7:http://www.minyu-net.com/news/news/1109/news11.html
(2013年11月9日 福島民友ニュース) 「年20ミリシーベルト以下影響なし」提言方針で各首長憤り
 年間の被ばく線量が20ミリシーベルト以下であれば健康に大きな影響はないとする見解を原子力規制委員会が放射線防護対策の提言に盛り込む方針を固めたことを受け、双葉郡8町村長でつくる双葉地方町村会は8日に広野町で開いた会合の席上、事前に説明がないことなどに不快感を示し、各首長がそれぞれ国に対して説明を求めることを確認した。同町村会長の山田基星広野町長は「これまで1ミリシーベルトとして除染などを進めてきたのに、住民にどう説明するのか。安全の基準が不透明になってしまうし、除染や支援策などを打ち切りにされれば復興の足かせになる」と憤った。来春に帰還を判断する松本幸英楢葉町長は「一方的なやり方に疑問を抱く。『1ミリシーベルト以下が安全』ということは町民に刻まれている。基準を上げる理由をしっかりと説明してほしい」と語った。

*8:http://www.minpo.jp/news/detail/2013110811992
(福島民報 2013.11.8) 民有林除染手付かず 森林再生事業 手続き煩雑、計画遅れ
 福島県が6月開始を想定していた間伐による民有林除染が手付かずになっている。東京電力福島第一原発事故を受け、18市町村が国に事業実施を要望しているが、国、県との手続きが煩雑な上、作業用の林道整備などの準備も必要なためだ。復興関連予算の未消化が問題となる中、市町村からは平成26年度以降の予算確保への影響を懸念する声も出ている。
■着手まで半年
 県は「ふくしま森林再生事業」として、民有林の間伐事業を除染加速の柱の一つに掲げている。原発事故に伴う除染費用を国が負担する「汚染状況重点調査地域」に指定された40市町村が対象だ。県は国の復興関連予算から補助を受け平成25年度、約41億円を予算化した。しかし、市町村が事業要望を開始したのは7月ごろからで、18市町村の民有林除染事業は手続き途中だという。県などによると、事業要望から間伐除染の着手まで半年程度かかるという。事業開始までの手続きは【図】の通り。実施主体の市町村は県を通じ、林野庁に要望書を提出する。市町村ごとの予算配分が決まると、市町村は対象範囲などを定めた事業計画を作成し、同庁、県の審査を受ける。市町村は計画の承認を受けた後、森林所有者の同意取得業務を森林組合などに発注するなど複雑な仕組みだ。その後、林道整備などを経て除染開始となる。住宅地など生活圏の除染を進めても、森林の除染が進まなければ、風雨の影響などで再び生活圏の放射線量上昇が懸念される。自主避難者らの帰還促進や住民の不安解消に向け、県森林整備課の桃井栄一課長は「少しでも早く除染に着手できるよう市町村を支援する」と話す。
■青写真崩れた
 「間伐作業に入れるのは年明けになる」と石川町の担当者は見込む。7月に事業実施を要望し、これまでに国から予算配分と事業計画の承認を受けた。現在は事業着手に向け、委託業務発注などの準備を進めている。「遅くとも11月にはスタートできると考えていたのに…。青写真が崩れた」。住民らからは森林除染の早期完了を求める声が寄せられる中、担当者は不安を募らせる。柳津町も降雪に備え、11月には間伐作業に入る計画だった。現在、作業に入れるのは最短でも12月中とみている。担当者は「雪が降ってからでは遅い」と焦りを口にした。町は職員1人を専従させた。それでも業務の煩雑さから人手が足りず、臨時職員を雇用した。担当者は「複雑な手続きは通常業務を圧迫する。簡略化してほしい」と訴える。
■懸念
 県は県内全域の民有林の間伐除染完了まで20年程度かかると見込む。その間は毎年、国に予算要望しなくてはならない。政府の平成23、24年度の復興関連予算の消化率は今年3月末時点で77・2%にとどまり、今後の繰越金の扱いが注目されている。ある林業関係者は「(事業実施の)実績がないと26年度以降、予算を減らされかねない」と懸念する。一方、間伐事業に対する森林所有者の費用負担はないが、伐採木を販売した売上金を得ることができる。このため、間伐除染の対象となる順番をめぐり、所有者の間で不公平感が出ないかも市町村は心配している。
■背景
 ふくしま森林再生事業は林野庁が約36億円、県が約5億円を予算化。県によると、汚染状況重点調査地域(40市町村)の民有林の面積は約18万3000ヘクタールで、平成25年度は約1000ヘクタールの間伐除染を実施する計画だ。一方、同地域の国有林は約17万7000ヘクタールで、林野庁が環境省の除染関係ガイドラインに沿って居住区域から20メートル程度の除染を進めている。同庁は現段階で国有林のその他の範囲は除染しないことを決めている。

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