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2014.5.1 原発事故による健康リスクについて (2014年5月11日、12日、13日、16日に追加あり)
   
 アジアの原発    日本の原発  *3台湾の脱原発デモ  日本の脱原発デモ

(1)原発取材後に鼻血と書いたら批判された ← 何故、肝心なところでは表現の自由がないのか?
 *1のように、東京電力福島第1原発を訪れた主人公の新聞記者が取材後に鼻血を出したり疲労感に見舞われたりする描写の後に、井戸川克隆・前福島県双葉町長が「福島では同じ症状の人が大勢いますよ」と明かす設定で漫画を書いたところ、「風評被害を助長する」という批判が相次いだそうである。しかし、批判した人は、どういう根拠に基づいて風評被害と断定したのかを、公衆衛生学会に出しても恥ずかしくない程度の論文で明確にすべきだ。

 そして、診察した医師も、「福島の放射線とこの鼻血とを関連づける医学的知見はありません」と言ったそうだが、*2に書かれているように、鼻血の症状はチェルノブイリ原発事故でも出ており、α線でもβ線でも起こるもので、フクシマの場合、初期にはα線源の鼻血が多く、現在起きている鼻血はβ線源の付着と考えられるそうだ。そして、*2のようなことは、フクイチから200km以上離れた関東でも起こっているため、それでも医学的知見がないと言うのは変である。

 なお、同編集部は、検査で安全と証明された食材を無理解で買わない風評被害を批判してきたそうだが、「検査で安全と証明された」というのは、具体的にどういう“証明”をしたらそう言えたのか、これも公衆衛生学会に出しても恥ずかしくない程度の論文で明らかにすべきだ。私は、この説には、科学的でない仮定や統計手法、データの捏造や改ざんが多いと考えるが、私に向かって「無理解で買わない風評被害」などと言うのは、「女は科学に弱い」というジェンダーを利用した女性差別である。

(2)立地自治体が持つべき危機意識
 *3のように、台湾では、与党・国民党が、反原発の世論により、第4原子力発電所の建設を凍結することを明らかにしたそうで、2号機の建設も即座に中止し、安全検査の完了後も1号機を稼働させないことを決めたそうだ。日本より決断が速やかだが、今後は、事故時には偏西風で日本も被害を受ける中国や朝鮮半島でも同じ決断をして欲しいため、中国語や韓国語での情報発信をしてもらいたい。

 日本の立地自治体では、*4のように、福井県敦賀市で、敦賀青年会議所(JC)が、原発再稼働ありきではない敦賀の将来を考える講演会とパネルディスカッションを開き、篠原理事長が「『原子力発電所がないから敦賀のまちあきまへんわ』と大人たちが言っているまちで、どうして若い人が働きたいと思うのか」と開催趣旨を説明し、パネルディスカッションでは「敦賀港の自由貿易地域指定などの提案があった」そうで、今後の日本海沿岸貿易の増大を考えれば、有望である。

 しかし九州では、*5のように、電力会社は燃費がかさむ古い火力に頼りながら、「いつ故障とも知れない」「電気代が上がる」などという陳腐な説明を続けており、これが、地域独占企業の甘えだ。

*1:http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140429/dst14042920290008-n1.htm
(産経ニュース2014.4.29)原発取材後に原因不明の鼻血描写、人気漫画「美味しんぼ」に批判相次ぐ
 小学館の漫画雑誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」の5月12、19日合併号(4月28日発売)に掲載された人気漫画「美味しんぼ」で、東京電力福島第1原発を訪れた主人公らが原因不明の鼻血を出す場面が描かれ、「風評被害を助長する内容ではないか」などとする批判が相次いでいることが分かった。編集部は「鼻血や疲労感が放射線の影響によるものと断定する意図はありません」などとするコメントを同誌のサイトで発表した。掲載されたストーリーは、主人公の新聞記者らが同原発の取材後に鼻血を出したり疲労感に見舞われたりする描写の後、井戸川克隆・前福島県双葉町長が「福島では同じ症状の人が大勢いますよ」と明かすという設定。一方で、主人公を診察した医師は「福島の放射線とこの鼻血とは関連づける医学的知見がありません」と話す場面もある。同編集部は「鼻血や疲労感は綿密な取材に基づき、作者の表現を尊重して掲載した。取材先や作者の実体験について、医師に見解を問う展開となっている」とした上で、これまでの連載では、検査で安全と証明されている食材を無理解で買わない風評被害を批判してきたと説明している。

*2:http://ameblo.jp/maimaikaimei/entry-11088743951.html
(2011-11-25) 放射能による皮膚症状について
 チェルノブイリ事故の被曝者を診察してきた医師の記述です。多数の方が、同じ症状を起こせば、全体として被曝である、という医学的推計ができます(法的ではない)。しかし、個々人を被曝だという特定は、診ただけでわかる場合とそうではない場合があります。政府が正確な情報を絶対ださず、行政も出しませんから、推計に従うということになります。判りますよね。そうではないこともありえるが、その可能性が高いとしか、言いようがないのです。つまり、どんな医師でも、その症状の場合、被曝であると断定できません。 ですから、微小な放射性物質のアモルファス粒子が接触した場合の症状を書きますので、ご自分でご判断いただきたいと思います。
 極めて粒子が小さく、放射性重金属成分が多い場合(セシウムだけではない場合)、皮膚に接触すると、境界の明瞭な赤い小さな点ができるか、小さな不明瞭な赤い班(虫刺されの跡のような)ができます。鼻腔開口部近傍では、鼻血、上咽頭なら痛みと炎症、声枯れ、胸の痛み、咳、鼻水などです。ここでは、皮膚だけの説明に特化します。皮膚の接触面が濡れていた場合、微粒子は、やや溶けるので、明確な境界を持たない虫刺されのようなふくらみを持つ炎症を起こし、痛みます。粒子の径によって、炎症部位の大きさとふくらみが違います。すぐに洗わなかった場合、皮下に浸透し、近傍の神経を興奮させますので、首なら首筋後部と左右の首筋の筋肉に軽度の硬直(硬くなって少し痛む)がおきます。量が多ければ、頭痛、足がつりやすくなることもあり、めまい、吐き気などがおきます。微量でこのような筋緊張の亢進が見られる場合、相当量の内部被曝による組織の細胞死が起き、炎症を起こしやすくなっていると推理できます。他のアレルギーならとっくに以前に同様の症状を起こしているはずだとも推理できます。
 皮膚症状は、二つに分かれています。1つは、丸くエッジが明瞭な穴が開き、時に出血し、あまり痛まないケースです。二つ目は、エッジが不明瞭な発赤ができるケースで、非常に痛いケースです。
 一つめは、飛程が短いα線源なら起こる現象です。痛まないのは、皮下奥までα線届かないことと、α線の届く範囲の細胞を全部殺してしまうからでしょう。
 二つ目は、強いβ線の場合、1粒子の大きさが大きい場合、皮下深くまで届き、神経を傷つけますので、痛みますし、発赤の範囲も広くなります。同時に存在する微粒子を呼吸で吸収することが多く、微量で関節痛、頭痛を起こします。二つ目でさらに大きな粒子の場合、手や指が丸ごと腫れ、回復が遅く、しばらく腫れて激しく痛みます。
 上記どちらも、私はチェルノブイリの被害者から直接聴きました。
 鼻血は、一つ目でも二つ目でも、起こりえます。今回1つ目は、私の場合、311-328に関西で降下した埃で鼻血、南相馬市に無防備で行った医師が、除染せずに他の医師を被曝させ、その被害にあった医師のかばんの除染で、腕に穴が開きました。その南相馬市に行った医師が手術した患者は、縫合不全で、抜糸に2週間もかかっています。どうやら、1Fに近いところでは、α線源がかなり多いということ、鼻血や穴は初期に多かったので、短寿命のα線核種、たとえばAmなどではなかったかと推測されます。
 現在起きている鼻血は、β線源の付着だと考えられますが(止まりにくいので傷が深い=β線が深くまで届く)、内部被曝が進行して、粘膜に炎症を起こしやすくなっているからだと考えられます。つまり、最近の鼻血は、内部被曝の指標の一つと考えられます。
 粒子が小さく数が多て、広い範囲に付着した場合、肌荒れ状の現象を起こします。呼吸器に入れば、気道粘膜に炎症を起こし、咳、鼻水などが出ます。目なら痛みと結膜炎です。これも、チェルノブイリの被害者から聞きました。さらに、呼吸器の二次疾患である風邪などの流行の話もききました。ミュンヘンでは、アトピーなどアレルギーが酷くなりました。一方、ウクライナなど、さらに激しい汚染地帯では、自己免疫疾患が一時的に良くなった、つまり、白血球の仲間や抗体産生細胞が減ることで、花粉症のような疾病が軽癒したという報告もありました。同時に、各所のリンパ節が腫れたという報告もあり、気道の白血球が微粒子を取り込み、リンパ液に戻り、リンパ節でトラップされて死に、リンパ節に放射性微粒子が残ったためだと考えられます。その割には、リンパ腫が発生した比率は低かったです。が、1Fでは判りません。花粉症が治ったというケースでは、粒子の体内取り込み量が多いと考えられます。
 内部被曝が進んでいる場合、皮膚への広範囲の微粒子の付着は、種々の形状の炎症の混在した皮膚炎を起こします。小さな水泡だったり、蚊に食われた跡を小さくしたようなものが、広範囲に出来ます。これは、ちょっとした炎症で、起炎物質が放出されやすくなっており、さらに細胞もアポトーシスしやすくなっているからだと思います。かなり危険な兆候です。
 チェルノブイリの場合、吸飲により、激しい頭痛、眩暈、間接痛、難聴、結膜、網膜異常、痙攣などが、一気に起き、皮膚の症状云々と言ってられなかったようです。こういった症状が激しかった人は、直ぐに楽天的になったようです。これは、脳の症状です。初期症状がなく、内部被曝だけだった人の場合、食べて2ヶ月ほどたってから脳症状が現れているように思います。ところが福島第一では、もっとはるかに早いのです。明らかに核種が違います。これほど早く血管内膜炎様症状を起こしていません。
 S35なら、甲状腺に取り込まれて不思議はありません。Teは、現在、枯葉の破片に濃縮され、皮膚に小さな引っかき傷のような傷をつけたり、体がチクチクするという現象を起こしているように思えます。常識的に考えてありえないようなWBCのカウントの方は、体内に大量に微粒子を取り込んでいるのでしょう。全部がイオンで均等分散していれば、体が持たないか、体のステージが別の状態へ移行します。つまり、細胞分裂がほとんど無い状態です。
 過去との違いは、明らかに進行が早いこと、より多様な症状を起こしていること、中枢症状が激しいこと、子宮、卵巣の異常が多発していることです。311-324での居た場所、食生活、普段の生活、初期症状等が判ると、かなり正確に状態がわかることがあります。
 以上まだ軽症で、ウラン腎炎と思われる方が、1Fより北で多くみられ最も北は札幌でした。その他、皮膚の脱落、眼球突出、意識喪失、血管閉塞、皮膚の異常増殖、皮下出血(紫斑)などは、福島県とホットスポットで起きています。
 さらに、嘔吐下痢は、β線核種の微粒子の摂食によるものだと思われますが、内部被曝が進んでいる現在、より簡単に起こしやすくなっています(特に下痢)。これは、腸内細菌が吸収したβ線源により、腸内細菌がβ線を腸に浴びせ続けて腸管粘膜が損壊しているからだと思います。
 過去のデータに書いてなくても、被害者から聞いた話に合致するものは多く、急に食欲が増した、などは、聞いています。日本でも、福島県にボランティアで行った県職員の食欲が増して太ったという話を、何箇所かで聞いています。飲食物の基準値が甘いためで、さらにチェルノブイリの時よりβ線、α線核種の比率が高いので、今後の健康被害は、はるかに大きいと予測できます。同時に中枢への影響が大きいので、危機感が減少し、櫛歯状に人が減っても気にしない、という状態(現在のキエフ)のようになると考えられます。酒が強くなったと感じたら、中枢障害です。今後、食物での防衛をしなければ、皮質全体と、脳幹の抑制が進みますので、突然死が増えると思います。高度汚染エリアでは、甲状腺機能低下が始まっており(含む東京)、脳の抑制で、強い欝からブラブラ病への移行期も起き始めています。核種が多いので、選択的にどこの組織がどのように損壊するかは、予測が困難です。高度汚染エリアで子供の顔の皮膚が熱く感じるようになったら危険の兆候です。この状態で、瓦礫を燃せば、目から始まって、被害が増大するだけでなく、働けなくなる人の比率が大きく上がると思います。特に給食で高濃度の放射性物質を摂取している子供への被害が大きくなるでしょう。

*3:http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0DE00N20140428
 台湾の与党・国民党の報道官は27日、記者団に対し、新北市北部に位置する第4原子力発電所の建設を凍結することを明らかにした。現地では反原発の世論が高まっており、週末には台北市内で原発計画の撤回を求めた数万規模のデモが行われた。同報道官によると、馬英九・総統が与党議員と会談し、安全検査の完了後も1号機を稼働させないことを決めた。報道官は、2号機の建設も即座に中止されるとも述べた。馬総統は25日、第4原発稼働の是非を問う住民投票の即時実施を求める野党側の要求を拒否したが、原発稼働の前にはそうした住民投票を実施するとも表明していた。

*4:http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20140428/CK2014042802000026.html
(中日新聞 2014年4月28日) 原発に頼らない敦賀を JCが講演会や討論
 原発再稼働ありきでない敦賀の将来を考える講演会とパネルディスカッションが二十六日夜、敦賀市東洋町のプラザ萬象であった。市内に立地する原発三基は東日本大震災以降、再稼働の見通しが立たないが、それでも原発に依存を続ける市民の意識を変えようと敦賀青年会議所(JC)が初めて企画した。原発が稼働して四十四年の市内は、原発関係の仕事に従事する人が多いことなどから、敦賀JCは「原発の賛否は分かれ、今回のようなテーマに触れてこなかった」という。「エネルギーとまちづくり」と題して開き、市民ら約百四十人が参加。冒頭で敦賀JCの篠原秀和理事長は「『原子力発電所がないから敦賀のまちあきまへんわ』と大人たちが言っているまちに、どうして若い人が働きたいと思うのか」と開催趣旨を説明した。講演では、21世紀政策研究所の沢昭裕研究主幹が日本のエネルギー政策の変遷を解説し「安倍政権になって原発は一基も再稼働していない。原子力を続けるべきか根本から問われている」と語った。パネルディスカッションは、市民四人と東京大の松本真由美客員准教授が登壇。松本客員准教授は「市民ファンドによるマイクロ水力発電の成功事例もある。原子力城下町として待ち続けるだけでなく、再生可能エネルギーに取り組む行動もありではないか」と提案した。敦賀商工会議所青年部の松本圭一朗会長は「敦賀市は原発の恩恵を受けすぎ、観光やまちづくりはいまいち。行政の支援の下、市外の意見も聴き魅力あるまちにしたい」。市民でもある県原子力平和利用協議会の石黒順二副会長は「原発の後始末(廃炉)で敦賀は研修場所になる可能性もある」と将来を見据えた。他のパネリストからは敦賀港の自由貿易地域指定などの提案があった。敦賀JCは今後もエネルギーについて考えてもらう事業を実施する予定だ。

*5:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11108291.html
(朝日新聞社説 2014年4月28日) 原発ゼロの夏 内向きの経営脱する時
 原発なしでは電気が足りず、電気代も上がる――電力会社はもう、そんな不安を前面に出す姿勢を改めるべきではないか。この夏の原発再稼働が見通せぬ中、電力各社は「原発ゼロの夏」を乗り切る計画を示した。実現すれば、震災後初のこととなる。とはいえ、もともと原発に過大な依存をしていた関西電力では、真夏のピーク時の余裕は3%しかない。節電の手を緩めてはならないが、つい2年前「原発ゼロなら計画停電もある」「企業活動や医療現場に影響が出かねない」と大飯原発を再稼働したときのことを思えば、世の変化に目を見張る思いだ。原動力は、予想を上回る節電の定着である。あの夏、大飯原発に頼った関電管内では予想の3倍を超える節電を達成。原発ゼロでも乗り切れた計算となった。昨年は歴史的猛暑だったのに、節電の定着ぶりは変わらなかった。こうした実績から、関電は今夏、原発2・5基分の節電を見込むことができた。原発事故を真摯(しんし)に受け止めたユーザーの努力が「節電発電所」の建設につながったといえる。電力会社の努力はどうか。安定供給には原発しかないと説き続け、リスクが明らかに高い人口密集地付近の原発でも再稼働を申請する。一方で、余った電力を地域を越えて融通しあう仕組みはなかなか整わない。関電は今夏初めて、東京電力から融通を受けて電力不足を乗り切る計画だが、周波数の違う東西での融通能力は震災時から2割増えただけだ。燃費がかさむ古い火力に頼り、「いつ故障とも知れない」「電気代が上がる」という説明も続く。最新鋭の高効率の火力発電所建設の動きが出始めたのは、ごく最近のことだ。電力市場の自由化を進める法案が、国会で審議中だ。家庭も含めて自由に電力会社を選べる時代へと移っていく。すでに自由化された自治体などの大口利用者は、電気代の安い新電力に乗り換え始めた。発想を切り替えねば、大手電力会社自身が生き残れまい。節電する人びとが求めるのは、安全に安定して、できるだけ安く電気を使えるシステムをつくっていくことだろう。再生可能エネルギーを拡大し、限られた電気を融通し合える仕組みを早く根付かせたい。福島での事故で巨大なリスクが潜むことが明らかになった以上、巨額の投資をしたから原発を動かしたいという経営の論理はあまりに内向きに見える。


PS(2014年5月11日追加):*6の問題点は国民の意識の低さで、その内容は以下のとおりである。
1)原因不明の鼻血が出れば、呼吸による内部被曝の可能性が考えられるため、病院で正確な検査を
  するべきであり、検査して異常がなければ初めて安心してよいのである。
2)検査をせずに、県がホームページに反論を掲載することは、科学的でなく、住民の健康を守る姿勢で
  もない。
3)「町民や県民への差別を助長させる」とするのは、「被曝して病気になった人は、原発事故の被害者
  であって差別すべき対象ではない」という基本的事項すらわかっていない人が多いということであり、
  行政がこのようにして被曝の事実を隠せば、検査、治療、他地域での療養などができず、深刻な病
  気になっても原因が特定できないため補償や損害賠償請求もできなくなる。そのため、被曝者は被
  害者であって差別すべき対象ではなく、身体に異常を感じた人は迅速に検査すべきだということこそ、
  HPに掲載すべきだ。

*6:http://www.minyu-net.com/news/news/0511/news7.html
(2014年5月11日 福島民友ニュース) 県がHPに反論掲載へ 「美味しんぼ」鼻血描写問題
 小学館の「ビッグコミックスピリッツ」掲載の漫画「美味(おい)しんぼ」で、東京電力福島第1原発を訪れた主人公らが原因不明の鼻血を出すなどの描写があった問題で、県が12日に県のホームページに反論を掲載することが10日、分かった。12日に発売される次号と、先月28日発売号の内容を踏まえた見解を示す予定。県によると、同作品が及ぼす社会への影響を踏まえ、抗議の意思を示すとともに、県としての見解を示し、正しい理解を求める。県民からも「県として抗議すべき」という意見が寄せられているという。同問題をめぐっては、同原発が立地する双葉町が小学館に対し「町民だけでなく、県民への差別を助長させる」との抗議文を送った。


PS(2014年5月12日追加):地表の放射線に関する正確な測定を行わず、検査も住民の健康本位ではなく、甘い線量基準を居住区域分けに使用していることから考えても、フクシマ近郊に住むのは無理があるとは思っていたが、*7のように明確に言っている人がいるのは驚きだった。一般のメディアこそ、利益追求のために安全を無視したとして韓国船沈没事故の報道ばかりしておらず、世界に影響を与える大きな事故であるわが国の原発事故の真実やチェルノブイリの関係事例・解説を、希望的観測ではなく科学的に報道すべきだ。

*7:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140512-00000030-jij-soci
(時事通信 2014年5月12日) 今の福島「住んではいけない」=前町長ら発言―「美味しんぼ」
 週刊「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)連載中の漫画「美味(おい)しんぼ」で、主人公が東京電力福島第1原発を訪問後、鼻血が出たとの描写が波紋を広げている問題で、最新号が12日発売され、登場人物が「今の福島に住んではいけない」などと発言していることが明らかになった。最新号では同県双葉町前町長の井戸川克隆氏が前号に続き登場し、鼻血や疲労感の原因について「被ばくしたから」と説明。東電や国の対応の問題点も踏まえた同氏の発言を受け、他の登場人物に「自身の体験をもとに考えに考えぬいた言葉。嘘(うそ)偽りなく重い」と語らせている。福島大学の荒木田岳准教授も登場し、「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんて、できない」と発言。登場人物は「これが福島の真実」などと述べている。


PS(2014.5.13追加):京都医療科学大学の遠藤啓吾学長(放射線医学)が、「低線量被曝が原因で鼻血が出ることは、科学的にはありえない」と断定しているのは、その根拠が「100ミリシーベルト以下、云々」などと外部被曝しか考慮していないため、科学的ではなく間違いである。何故なら、呼吸とともにフクシマ由来の核種が入って来る場合、肺に行く前にまず鼻の粘膜にぶつかり、そこに貼りついて至近距離から放射線を出し続けるものがあり、これが内部被曝を引き起こすからで、解剖学と呼吸機能を思い出せば明らかだ。また、「低線量被曝の影響で鼻血が出るのだとしたら、一般の人々より被曝線量の高い放射線技師や宇宙飛行士は鼻血が止まらないことになる」と言うのも、進化の過程における生物の適応を考慮していないため間違いだ。つまり、自然界に存在する放射線に対しては、人間は進化の過程で適応しているため強いが(何故なら、弱い個体は子孫を残せないため、生き残っているのは強い個体の子孫だから)、最近できた人工の核種には、人間は進化の過程で適応していないため、弱い個体も多いのである。さらに、放射線技師は、なるべく放射線に当たらないように気をつけて作業し、1日に24時間、放射線に晒されているわけではないし、宇宙飛行士も何年も宇宙にいるわけではない上、呼吸による内部被曝はしない。それにもかかわらず、このような根拠を出して「安心して生活せよ」と言えば、故意の傷害に当たるケースも出るだろう。

*8:http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/oishinbo/?id=6116542
(2014.5.13 産経新聞) 「美味しんぼ 福島の真実編」抗議相次ぐ 「科学的にありえない」
 京都医療科学大学の遠藤啓吾学長(68)=放射線医学=の話「低線量被曝が原因で鼻血が出ることは、科学的にはありえない。大量被曝した場合は血小板が減少するため、血が止まりにくく、鼻血が出やすくなるが、血小板が減るのは(がんの死亡リスク上昇が確認されている100ミリシーベルトの10倍にあたる)1千ミリシーベルト以上の被曝をした場合であり、それ以下の被曝では影響がない。住民も福島第1原発で働く作業員も、事故で1千ミリシーベルトを超える被曝をした人はいない。住民の被曝線量は大半が10ミリシーベルト以下。原発作業員の中に、白血球や血小板の数値に異常がある人がいるとは聞いていない。もし低線量被曝の影響で鼻血が出るのだとしたら、一般の人々より被曝線量の高い放射線技師や宇宙飛行士は鼻血が止まらないことになる。福島の人たちは過剰な不安を抱くことなく、安心して生活してほしい」。


PS(2014.5.16):私が、このブログの2012年2月29日に記載したがれきの広域処理に関する記事を、追加情報を加えて2012年5月27日に掲載しているが、そのうち参考資料1は、海外在住の日本人医師から、がれきの受け入れについて橋本大阪府知事(当時)に宛られた医師の立場からの意見書であり、ポイントは、「内部被曝を考えると、政府が問題なしと判断する汚染濃度であっても、総量では多大な健康被害を起こす汚染となり、がれきを広域に拡散することは全国を放射能汚染させることとなるため、福島県民、東日本の人たちを含む全国民に悪影響を与える行為である」ということだった。
 そのような中、*9のように、現大阪府知事松井氏と大阪市長橋下氏が、速やかに週刊ビッグコミックスピリッツの『美味しんぼ』に関する抗議文を出されたそうだが、速やかにやるべきは、本当にそういう人がいなかったかどうかを正確に調査することで、風評被害と決めつけた抗議を行うことではないだろう。核種は焼却してもなくならず、風向きによって特定の場所に集積するため、全体が均等に薄いのではなく、特定の場所が濃くなることもあり、どこが濃いかは、焼却時期のSPEEDIを見ればわかる。そのため、濃くなる地域にいた人を含んで、遠慮ない聞きとり調査をすべきであり、*10のような人がいる以上、そういう症状のある人は、実は少なくないかもしれないのである。

*9:http://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000266273.html
平成26年5月12日付:週刊ビッグコミックスピリッツ『美味しんぼ』に関する抗議文について
                                       平成26年5月12日
株式会社小学館 
代表取締役社長 相賀 昌宏 様
                                       大阪府知事 松井 一郎
                                       大阪市長   橋下 徹 
  週刊ビッグコミックスピリッツ『美味しんぼ』に関する抗議文
 平成26年5月9日付で貴社宛に、『平成26年5月12日発売予定週刊ビッグコミックスピリッツ掲載の「美味しんぼ」の内容の一部訂正』について申し入れを行いましたが、訂正等の対応をいただけなかったため、次のとおり厳重に抗議いたします。東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理において受入対象としている廃棄物は、放射性セシウム濃度が100ベクレル/㎏以下のもので、科学的にも安全に処理できることが確認されているものであり、廃棄物処理法の規制を遵守することにより、適正に処理ができるものです。
 大阪府、大阪市といたしましては、東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理について、国からの要請や岩手県からの要請を受け、岩手県宮古地区の災害廃棄物を受入れることとし、平成24年11月29日、30日の試験処理による安全性確認のうえ、平成25年1月23日から9月10日まで本格処理を行い、処理期間中や処理後においても、放射能濃度や空間放射線量率、その他必要な項目について十分な測定を行い、その結果は府市ホームページにおいて公表しておりますが、測定結果は、全て受け入れの前後で変化はなく、大幅に基準値を下回るもので、安全に処理していることを確認しており、災害廃棄物の受入による影響は見受けられませんでした。また、処理を行った焼却工場の存在する此花区役所、同保健福祉センター、此花区医師会に確認をしましたが、処理中においても、その後においても、作中に表現のある「大阪で受け入れたガレキを処理する焼却場の近くに住む多数の住民に眼や呼吸器系の症状が出ている」というような状況はございませんでした。事実と異なる貴誌「美味しんぼ」記載の表現は、此花区民をはじめ大阪府民の無用な不安を煽るだけでなく、風評被害を招き、ひいては平穏で安寧な市民生活を脅かす恐れのある極めて不適切な表現であり、冒頭述べましたように、大阪府、大阪市として厳重に抗議するとともに、作中表現の具体的な根拠について是非開示されるよう強く求め、場合によっては法的措置を講じる旨、申し添えます。

*10:http://hsaitoh.jugem.jp/?eid=182
(ライター斎藤博之  2014.5.13) 原発の事故による健康被害について~美味しんぼ 福島の真実
 漫画週刊誌『ビッグコミック スピリッツ』に連載されている「美味しんぼ」の福島県編で、福島県を取材に歩いた主人公の一行に鼻血が出るなどの症状が現れたことを描いた場面について、「事実に反する」だの「風評被害」だのと騒ぎ立てている諸君がいるらしいので、そういった健康被害にあった実在の登場人物として一言書いておく。福島県は2年かけて長期取材していたのだが、この取材に同行したスタッフの何人かに、鼻血が出る、疲れて寝込む、などの症状が現れた。わたしも、その一人だ。わたしも原作者も、お互いに同じような症状に陥っていることに気づかず、はじめは自分ひとりの病気だと思っていた。わたしなどは以前から血圧の高い傾向があったから、それが悪化したのかと思って、病院に行った。診察の結果は、原因が何かはわからないので、止血の薬を出しておく、というものだった。不思議に思って血圧のせいではないかと訊いてみた。もしも血圧が原因で鼻血が出ているのだとすれば、血管が破れる場所はここではない、とのお答え。ついでに鼻血という症状が現れる病名をひとつずつ揚げて、その場合の症状はこうだからあなたの場合は当てはまらない、と解説してくれた。どの病気にも該当しないというのである。鼻血ばかりではなく、どこかに1日取材に行くと疲れ果てて、何日も寝込んでしまうといことが続いたが、原因も病名もわからないというのでは、寝て恢復を待つ以外にはない。そんなある日、福島県双葉町から町ぐるみで埼玉県に避難しておられる方々を取材できることになって、まっさきに全町避難を決めた井戸川克隆前町長をお訪ねした。すると、その場所にたまたま偶然、岐阜環境医学研究所の松井英介所長がいらっしゃり、われわれに「体調の変化はないか」とお尋ねになるのである。これに雁屋さんが鼻血が出たり疲れたりする話をするので驚いた。わたしとまったく同じ症状だからである。お互いが同じ症状であることにようやく気づいて、われわれは顔を見合わせて唖然とした。「わたしもですよ」と井戸川前町長。「同じような人が、この避難所にも、福島県にも大勢います。みんな自分が病気だと言わず、報道されていないだけなんですよ」とおっしゃる。「わたしもね、読まなければいけない本がたくさんあるんですが、とても疲れて、原発の事故以前に較べたら何分の一も読めません。国との折衝や会議などで外出すると、もうくたくたです」。「これはね、被曝したからなんですよ」と松井所長。「放射能の影響というとみんな癌の心配ばかりしますが、健康被害は癌だけにとどまるものではありません。放射能は直接にも間接にも、人の健康に影響します。たとえば、みなさんの鼻血は鼻の粘膜が傷ついて現れる症状ですが、その原因は放射線が直接炎症を引き起こしたということではなく、放射線によって切断された水の分子が、やがて過酸化水素となって粘膜細胞を傷つけるからなんですね。鼻だけではなく、眼や咽や皮膚にも、同じ理由で症状が現れる人がいます」。わたしの場合、歯茎からも出血があった。歯もぐらつくので歯医者に行ったら、全部抜いてしまおうというので、それでは総入れ歯になってしまうと思い、断って帰ってきた。塩で歯を磨くということをずっと続け、いまは症状が治まっている。これは、われわれの身に降りかかった事実である。あとで知ったことだが、同行したカメラマンにも、同じような症状が現れたらしい。われわれにその原因はわからないが、取材の一行に同じ症状が現れていることは、原発の事故でもなければ説明がつかないだろう。松井所長のように考えれば、確かに納得できるのである。

| 原発::2013.11~2014.5 | 03:31 PM | comments (x) | trackback (x) |

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