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2015.5.10 男女平等に議員を選択する主権者が育たないのも、メディアの偏向した情報提供に問題があるからだ。 (2015年5月13日に追加あり)
      
国会議員の 下院女性比率    道府県議      議会に占める  管理職・役員の 
 女性割合  の世界順位     女性当選者      女性割合  女性比率世界比較 

(1)女性議員が少ない理由
1)飲み会への出席がネックではない
 *1-1に、女性衆議院議員が少ない理由として「政策より飲み会出席競争」と書かれているが、実際に私が衆議院議員として活動していた時には、飲み会や行事に出てコミュニケーションしていても、「飲み会に出てこない」「コミュニケーションが悪い」とか、よい政策を作っても「よい政策を作ったわけがない。もし、本人がそう言うのなら、それは本人が自分を知らず、謙虚さがないからだ」というように、女性の活動や能力を過小評価し、それを否定する女性は謙虚さや反省が足りないとする世論が多かった。そのような中、この記事は、女性は昼間だけしか働けず、飲み会にも出にくい人材だとしている点で、(サラリーマンではない)女性国会議員への偏見をさらに助長している。

 そもそも国会議員はサラリーマンではなく自営業であるため、上司はおらず、客は有権者で、お得意さんは後援会の人だ。政党に入っている議員は、フランチャイズの店長に似ている。また、国会議員の仕事は、国会に出席することだけでも、選挙運動することだけでも決してなく、最も重要なのは、多様な人とコミュニケーションして問題の本質を知り、政策を考えて実行することだ。

 そこで、政策を作るための情報収集手段としては、国政報告会や座談会を開いて地元の人と意見交換したり、一軒一軒のお宅を廻って環境を見ながらその家の人と話をしたり、行事に出て参加者の主張を聞いたり、食事会や飲み会に参加してざっくばらんな本音を聞いたりなど、いろいろな方法の組み合わせがあるわけだ。従って、「飲み会という方法はとりたくない」と思えば、ざっくばらんな本音を聞く機会が少し減るかもしれないが、本人の判断でそれは可能である。

 ただ、議員は、土日・祭日・夜を返上して地元廻りをし、多様な人とコミュニケーションするのが重要な仕事であるため、「夜の活動は、出産・育児との両立の問題を生む」という状況の人は、子どもを一定の年齢まで普通に育てた後で議員になった方がよいと考える。何故なら、議員は、大会社のような終身雇用でも年功序列でもなく、子育ての経験もキャリアの一つとなり、選挙に当選すればなれるものだからだ。

2)本当は、主権者の女性に対する過小評価がネックなのである
 *1-1に書かれているように、「女性は『チルドレンン』『ガールズ』などの『ブーム』があったから当選したのであって、能力があるから当選したのではない」というような女性の能力を過小評価する女性蔑視の記事は、私が衆議院議員の頃からメディアに多く存在していた。そして、それが繰り返される度に、国民の頭には女性議員は能力がないと叩き込まれ、女性議員の評価を低めて、女性議員の議員活動や選挙戦をやりにくいものにしたのである。何故なら、どの有権者も、つまらない人に人の上に立って欲しくないし、ましてや国民を代表する議員になどなって欲しくはなく、そのための寄付や協力もしないからである。

 しかし、実際は、世の中には、自らが「ブーム」を作った女性議員もおり、男性議員より能力も経験も豊富な女性議員も多く、すべての女性議員がブームのおかげで当選したわけではない。そのため、このような女性を見下げた記事の連続こそが、永田町から去る女性を増やした本当の理由である。

 なお、野田聖子議員は、「女性であることで軽く見られる」「政策より顔や容姿で判断される」とされたそうだが、「美しい女性は能力がなく、能力のある女性は美しくない」とか「キャリアのある女性や上昇志向の女性は、わがままで性格が悪い」というような変な価値観もあり、私はそういう価値観を基に書かれた週刊誌やブログの「セクハラ記事」で長所を否定された上、虚偽の短所を流布され、その結果として落選させられた。これについては、当然のことながら非常に怒っており、被害者の私に落ち度や努力不足があったわけではないため、私が変わってはならず、社会に意識変革させなければならないと考えている。

 最近は、(私が提案して始まった)安部首相の「女性活躍社会の推進」により(*3-2参照)、佐賀新聞も*1-2のように、「重い扉、佐賀の女性と議会、根深い蔑視」というような連載記事を掲載し、「繰り返される問題発言」「女性は花を添えるもの」「国会議員7人のうち女性は0」「佐賀県議会は定数38に対し女性は1」「市区町村議会に占める女性の割合は、6.02%で全国最下位」など、日本が世界から30年も遅れている状況を連載するようになり、これはよいことだと思う。

 しかし、私が衆議院議員の時には、佐賀新聞主催の催しに行くと国会議員の席ではなく一般人の席に座らされたり、その行事に参加している国会議員のうち私だけを除いた写真を撮って佐賀新聞に掲載し、地元の行事にも参加しない落下傘議員と言う評判を作られたり、目立たない席に座らされて挨拶もさせないため、その行事に出席していることが隠されるような扱いだったことがある。さらに、佐賀新聞に掲載された私に関する記事は女性蔑視の評価を含むものが多かったため、佐賀新聞が「国会議員7人のうち女性は0」などと言える立場にはなく、その状態を作ってきた理由の大半は、自らも男性中心社会である佐賀新聞はじめメディアが担っていると言える。そのため、ここでメディアの猛省を促すとともに、日本のメディア(週刊誌も含む)における女性役員比率や女性管理職比率も公開させるべきだと考えている。

(2)現在のメディアが描く“理想の女性”
 *2-1に、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」は、吉田松陰の妹を主人公にしたが、視聴率が10%を切る回もあると書かれている。私は、その理由は、「吉田松陰」という本当の主人公の見るに堪えない不遇が視聴者に与えるストレスとその妹が握り飯を出して男性を支える女性でしかなく、自らはチャレンジ精神も主体性もないため、主人公たりえないことにあると思う。その点、同様に無名の女性が主人公でも高視聴率を誇った「お花はん」は、今から約50年前に造られたNHKの連続テレビ小説であるにもかかわらず、主人公の女性は、主体性とチャレンジ精神のある女性だった。

 つまり、「花燃ゆ」は、題名からも明らかなように、女性を花を添えるものとしか捉えておらず、周囲の男性を支えて日常を生きるだけの徹底して月のような女性(今から100年以上前の明治44年《1911年》に、平塚らいちょうが書いた言葉)を理想像として描いたところが現代の価値観に合わず、主人公が女性であるにもかかわらず、女性からも支持されないドラマになったのだ。

 そのような中、*2-2のように、「女性が衆議院議員になるには家庭との両立が壁」とするのもジェンダーである。そもそも衆議院議員になれば、家事を外部委託できるくらいの歳費はもらえるため、家事との両立が壁になることはない。それにもかかわらず、「家庭との両立が壁」だとすれば、女性が衆議院議員に少ない理由は女性自身の個人的理由に依ることになるが、本当は、「①男性中心の地域では、女性の能力が正当に評価され、周囲から推薦されて公認されるところまでいかないので、当選することもない」「②選挙費用や事務所の運営費用がかかるのに寄付は少なく、経済的損失になるので家族が反対する」「③さらに痛くもない腹を探られるので、みんなやっていられないと思う」などが理由なのである。

 しかし、いつも逆の立場から社会を見てきた女性国会議員が増える必要はある。ただし、「女性は、結婚・出産していなければ、母親の思いを理解し、政策などに反映して政治活動をすることができない」というのは、男性は子どもがいても自分で育てた人は少なく、家事のみならず選挙さえ妻に手伝ってもらっている人が多い中で、女性にだけ課した高いハードルであり、また結婚・出産していなければ母親の思いを理解できないというのも事実ではないため、*4で広げるべき間接差別の対象である。

(3)日本の女性管理職
 *3-1のように、日本では会社の管理職に占める女性割合は現在でも10%程度で世界でも低く、役員に占める女性割合は2%にも満たずさらに低いが、この人たちが社会人になった時点では、ずっと働き続けるつもりだった人が6割弱おり、課長相当の管理職以上に昇進・昇格したいと思っていた人も2割弱いたにもかかわらず、その希望がかなわなかった人が多いのであるため、その原因を明らかにして改善することこそ重要である。

 さらに、役員になった女性は子どものいない人が7割を占め、企業の部課長の男性8割に子どもがいるのと比較すれば、女性は仕事か子どもか(注:「仕事か結婚か」ではない)を選ばされていたのであり、これは、この30年以上、最前線で働く女性をしてきた私の経験からも納得のいく数字だ。

 つまり、少子化の原因を女性に責任転嫁するのは本当の責任者である政府の責任逃れであり、戦後、日本国憲法で職業選択の自由を得て女性が働いて普通に昇進したいと思った当然の要求を満たす社会を作ったのか、そして、政府は、そのためにどんな政策をとってきたのかが問われ反省されなければならないのである。なお、女性議員割合、女性役員割合、女性管理職割合などの国際比較を見れば、女性の能力ややる気の問題ではなく日本の労働政策の問題だったことは明白であり、この差別の構造を、これまでのように「日本の伝統・文化」や「結婚・出産・育児」の名の下に容認することがあってはならない。

 なお、*3-2のように、安倍首相が、「女性が輝く社会をつくる」として、働く女性を後押ししておられるのは有り難く思うが、「保育所」や「働く時間」の問題だけが重要なのではない。それよりも、女性の能力を過小評価する習慣を改めることこそが、労働時間ではなく成果で公正に評価し、一度退職して再就職(転職)しても、不利に扱われることなく働けるための必要条件なのである。

<女性議員は何故少ないのか>
*1-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11740356.html
(朝日新聞 2015年5月6日) (女が生きる 男が生きる)女性衆院議員 政策より飲み会出席競争
 国会議員の仕事は、昼だけではない。「遅くなりすみません」。今年2月の午後8時すぎ、甲府市中心部の居酒屋に、自民党の宮川典子衆院議員(36)が走り込んだ。支持者の男性9人に「かわいいね」「ありがとうね」と迎えられ、ワイン片手に選挙の情勢を語る。1時間で切り上げ他の店へ。別の男性らと日本酒を酌み交わし、教育問題などを談議。午後10時、さらに1軒。終わった時、日付は変わっていた。衆院で小選挙区制度が導入されたのが1994年。同じ政党の候補者が争い、「金がかかる」などの批判を受けた中選挙区制から政策本位をめざした。だが実態は。飲み会、冠婚葬祭、行事の参加――。有権者との対話は政治家の基本だ。アルコールが入って、胸襟を開き話せることもあるだろう。だが政策本位より、飲み会出席競争に傾いてみえる時がある。両方の制度で選挙をした高市早苗総務相(54)は「得票率の目標が中選挙区と違う。(行事に)出るかどうかが、大きな影響を受ける」。夜の活動は、出産や育児との両立の問題を生む。ほかにも、複数の女性議員が「当選する前は、飲み会でセクハラされても文句は言えなかった」。少数派の女性というフィルターを通すと、政策本位と対極にある日本の政治土壌が見える。「飲み会文化」は有権者だけではない。「政治は夜動く」「料亭政治」という言葉がある。民主党の小宮山泰子氏(50)は先輩議員によく赤坂のクラブに連れて行かれた。党派を超え集まる議員と、グラス片手に政治の内幕や選挙の話。昼間の公式な場では知り得ない情報や本音が飛び交う。「政治の世界のコミュニケーションは夜」と知った。「相手の立ち位置や落としどころを探れる夜の場は、ポストにもつながる」とも感じた。小宮山氏には、飲み会が「男同士の結束を確認する場」と感じられて入りづらく、「私がいない方が楽しめるんじゃないか」と申し訳なく思ったこともあった。
■「ガールズ」への視線
 3月上旬、中川郁子農林水産政務官(56)の「路上キス」写真が週刊誌に掲載された。相手は妻子がいる国会議員だが、話題はもっぱら独身の中川氏に。大臣が辞任した日。しかも「亡夫の後継」を強調し当選してこの行動、と批判された。本人に責められるべき点はもちろんある。マドンナ、ガールズ……。女性議員には、興味本位ともみえる視線が注がれる。自民の野田聖子氏(54)は「女性であることで軽く見られる。政策より顔や容姿で判断される」。もてはやし、そっぽを向くメディアに問題はある。が、「ブーム」の終焉(しゅうえん)と共に永田町から去った女性が少なくないのはなぜだろう。自民党の小池百合子氏(62)は共著書で、政治などで女性が活躍するため三つの改革が必要だとした。性別役割分担に関する世の中の「意識」、女性の活躍を支える「制度」、女性自身が意識を高め立ち上がるための「自己」改革だ。民主党の「小沢ガールズ」と呼ばれた太田和美氏(35)。06年、衆院補選で当選。小沢一郎氏と共に12年に離党。その後落選を重ね、引退も考えた。だが、東日本大震災の原発事故で相談にきた母親たちを忘れられなかった。維新に移り昨年の総選挙に出馬、比例復活した。
■「党に覚悟が必要」
 政治で女性を増やす「制度」の改革は、少しずつだが変化の兆しがある。小池氏は12年に党の特命委員会委員長として、女性候補が少ない政党への政党助成金を減らす改正法案を提案した。委員会の最高顧問には安倍晋三氏も。その後、安倍氏は首相に就いたが、提案はたなざらし。小池氏は「党に意思と覚悟が必要。経済界などに女性の登用を2020年に3割と言って、一番の足元でやっていないのはちょっと違うのではないか。政党なら、党のトップが決めればよいことだと思う」。女性議員を増やすため100カ国超が、女性の候補者や議員の割合を定めるクオータ制度を導入済みだ。日本でも2月に「クオータ制」の導入を目指す議員連盟が発足、全政党から約50人の議員が参加する。
■夫が支える例、半数
 男性議員の場合、本人に代わり妻が地元などで活動するのは珍しくない。女性議員はどうだろう。自民党の稲田朋美政調会長(56)が初当選したのは05年。立候補の背中を押したのは、夫だった。前回衆院選では夫が仕事を休み、地元で来客対応や企業訪問などを手伝った。稲田氏は「夫がいなければ国会議員になっていなかった」と振り返る。野田聖子氏は、夫が家事や育児を担う。重い障害がある長男(4)がいるが「夫が私を支えてくれて、政治活動が成り立つ」。2人のように夫が女性を支える例は多数派ではない。「パートナーが自身の政治活動をサポートしているか」の問いには、既婚議員で「している」が12人、「していない」が12人で同数だった。「妻が選挙や地元の活動を支えている男性をうらやましいと思うか」には、「思う」が19人、「思わない」が21人でほぼ同じ。「妻の代理出席は重みがある」という声の一方、「男性が妻のために頭を下げてもプラスにならない」と抵抗がある議員は少なくない。
◇この記事は、相原亮、伊東和貴、榊原一生、高橋末菜、田中聡子が担当しました。ご感想を、メールikiru@asahi.comまでお寄せください。

*1-2:http://www.saga-s.co.jp/senkyo/senkyosaga/30108/177470
(佐賀新聞 2015年4月16日) =重い扉 佐賀の女性と議会=(1) 根深い蔑視
■繰り返される問題発言 女性議員割合全国で最下位
 世界的に見て、女性の議員が圧倒的に少ない日本。その中でも、佐賀県や県内市町の議会は女性が極めて少なく、4町は「女性ゼロ議会」だ。最も身近な自治の代表者を選ぶ「統一地方選」まっただ中の今、現職議員や議員経験がある女性らに現状を聞き、男女の人口構成とはかけ離れた議会にはらむ課題を追った。「ついていかんぎ、よかったったい」。3月17日の唐津市議会一般質問。市教育委員会指導主事のセクハラ問題について、市教委の対応を問題視していた社民党議員が質問すると、保守系会派の議席から、被害者の心をさらに傷つけるやじが飛び出した。昨年6月、東京都議会で塩村文夏議員が質問に立った時に、男性議員から「早く結婚した方がいい」とやじられたことが、大きな社会問題となった。その記憶が残る中、県内でも…。一報を伝える佐賀新聞の記事の切り抜きを手元に置きながら、佐賀中部で市議を務めていた女性は「逆行している」。怒りと悲しみを表情に浮かべた。
■「花を添える」
 元市議は15年ほど前の議場を、鮮明に覚えている。一般質問に立った男性議員が女性消防団を「出初め式に花を添えるもの」と表現し、趣向を凝らした式となるよう提案。これに対し、消防長が「花を添える活動になるように検討する」と答弁した。終了後、女性議員4人で議長に「見過ごせない発言」と抗議、訂正を求めた。消防長の答弁は訂正されたが、執行部席に居並ぶ男性幹部も「何があったと」といぶかしげ。議場で発言を聞いていたほとんどの男性は、その不適切さに気づくことさえなかった。住民の代表であるはずの議員。だが、職場や地域の常識から外れたことが、議場や議会視察などで、たびたび繰り返される。10年以上、議員を務める女性は初めて同僚議員と勉強のために訪れた視察先での懇親会を忘れられない。会場に足を運ぶと、そこには3、4人のコンパニオンの姿があった。しかも彼女たちの派遣費は公費から。帰佐して「おかしい」と訴え、懇親会のあり方を変えた。こうした問題は「過去のもの」なのか。佐賀新聞社が昨年6月、県内の女性議員に取材したところ、表沙汰になっていなかった嫌がらせや暴言の数々が聞こえてきた。「俺の女になれと交際を迫られ、拒絶すると嫌がらせを受けた」「女になんができるかと言われた」「セクハラをやめるよう指摘したら、飛びかかってこられたことがある」。
■38分の1
 佐賀県関係の国会議員7人のうち女性はゼロ。12日、統一地方選の前半戦で実施された九州の7県議選では、4県で女性が議席数を伸ばしたが、女性の立候補者が1人にとどまった佐賀県議会は定数38に対し1のままだ。内閣府が1月にまとめた都道府県、市区町村議会に占める女性の割合(2013年12月31日現在)によると、佐賀は399人中24人で6・02%。全国最下位となっている。

<現在のメディアが描く女性>
*2-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11732844.html
(朝日新聞 2015年5月1日) (クロスレビュー)NHK大河ドラマ「花燃ゆ」
 半世紀を超える歴史を誇るNHKの大河ドラマ。1月から放送中の「花燃ゆ」は、吉田松陰の妹、杉文(すぎふみ)(井上真央)を主人公にしたが、視聴率は10%を切る回もある(ビデオリサーチ調べ)。「無名の女性主人公」「イケメンパラダイス」「青春群像劇」「ホームドラマ」といった、これまでにない売り出し方が、うまく支持を広げられていないようだ。魅力と課題を探った。
■浮つかぬイケメンに「萌え」 小日向(こひなた)えり
 「歴女(れきじょ)」(歴史好きの女子)が歴史上の人物を見る時のポイントは「萌(も)え」だ。当初は「イケメン大河」と聞き、浮ついた感じはどうかと思っていた。ところが、長身で素朴な久坂玄瑞、涼しげな高杉晋作、狂気を帯びた吉田松陰と、史実のイメージを崩さず、キャラクターを盛った感じがとてもいい。国の行く末を考える長州藩の面々にあって、特に松陰には、公に生きる精神を強く感じた。演じている伊勢谷友介さんは社会起業家でもあり、現代での生きざまも重ねて見た。20代の私たちは豊かな時代に育ち、リスクをとらないと言われる世代。でも、お金より社会貢献を大切に考える人が増えている。そうした若者が自己啓発本の感覚で見られるドラマだ。
■女性の描き方が美しすぎる 中町綾子
 主人公の文が玄瑞と黒船を見に行く回や、彼の松下村塾への入塾に一役買う回は見応えがあり、視聴率もいい。文と歴史上の人物の関わりが描かれているから。だが兄の松陰らを見守る役どころだけだと、キャラクターが淡く、彼女の生き方が見えにくい。女性主人公で成功した「篤姫」では、したたかな側面が描かれていた。やはり毒の部分もないと、大河のヒロインとしては物足りない。女性の描き方として「美しすぎる」と思えてしまう。もっと複眼的であってほしい。時代ならではの苦しみはなかったか。大河では、1回も見逃せないエピソードの積み重なりがだいご味。入りやすさを優先した構成は、大河の魅力を損なったかもしれない。(日本大学教授=ドラマ表現分析)
■無名の人物、なぜ主人公に 木村和久
 ほとんどの大河ドラマを見てきたけれど、大切なのは少年ジャンプのテーマと一緒で、「努力・友情・勝利」。でも「花燃ゆ」には勝利がない。主人公は群馬県令と再婚するが、それが勝ちとは思えない。松陰が死んでしまい、ドラマの山場が終わってしまったのでは。キャラクターが弱い、無名の人物を主人公に選んだのが、最大の疑問。ジョン万次郎や乃木希典でよかった。万次郎は世界を回り、福沢諭吉が教えを請うた人物。市井の人に戻る生き方も日本人好みだ。よっぽどドラマチックに描けるだろう。NHKが安倍晋三首相の出身地、長州で主人公を探したのではと勘ぐりたくもなる。早めに終わらせて、年末まで別のドラマを放映したら、籾井勝人会長を評価するけど。
■生活者が見た歴史、新しい 成馬零一(なりまれいいち)
 これまでの大河は、伊達政宗や黒田官兵衛ら歴史を作った人物を主人公とする男の物語。「花燃ゆ」は主人公が無名の女性で、歴史の大状況には介入できない。周囲のために食事を作り、恋をして、ひたすら自分の日常を生きる。生活者が歴史をどう見たかという視点は新しく、興味深い。歴史ドラマは状況を俯瞰(ふかん)する三人称になるのが常だが、日常を描くことで一人称の歴史ドラマが生まれた。ただ、当初はなぜ文が主人公なのかがわからず、兄の松陰の物語が続くので、視聴者が離れてしまった。文を入り口にして、松下村塾の面々を見れば、従来のファンも楽しめるはず。松下村塾ができた辺りから「学園もの」というコンセプトも生きてきた。

*2-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11740381.html?_requesturl=articles%2FDA3S11740381.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11740381 (朝日新聞 2015年5月6日) (女が生きる 男が生きる)家庭と両立、半数が「壁」 女性衆院議員調査、41人回答
 次いで多かったのは「家族・親族の反対」(17人)、「金銭的な問題」(16人)、「男性中心の地域社会」(16人)だった。「女性国会議員が増える必要があると思うか」には39人が「ある」と答えた。「女性であることや結婚・出産をしていること」が、「なんらかの形で政治活動を制約しているか」には、「している」が12人、「していない」は27人だった。同様に「有権者や政治家などから批判されたことはあるか」には、「ある」が14人、「ない」が26人。「女性であることや結婚・出産をしていること」が「どのように政治活動に生かされているか」は「女性や母親の思いを理解し、政策などに反映できる」と答えたのが32人の一方で、「あえて女性や母親であることをアピールしない」が10人、「自分が女性や母親であることで、支持を獲得している」が3人だった。「政治と家庭を両立するためには、何が必要だと思うか」は、「家族の理解・サポート」が30人で最も多く、「国会内保育所など育児環境の整備」(15人)、「女性議員への政党のサポート」(14人)と続いた。

<日本の女性管理職>
*3-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150328&ng=DGKKZO84890100W5A320C1TY5000 (日経新聞 2015.3.28) 役員への道、彼女らの場合
 日本の会社役員の女性はまだわずかだ。役員までの道のりはどのようなものだったのか。後輩たちへの助言は? 役員の女性たちに聞いた。「中途採用で入社し社歴20年弱の50歳。既婚で子どもはいない」。日本経済新聞が行った調査から見える平均的な女性役員像だ。
●3人に1人は新卒採用 
 とはいえ、50歳代が約半分を占めたが、30歳代後半もいる。約3人に1人は新卒採用で、中途採用組も役員で入社した人がいた一方で半分は役職なく入社していた。採用時の職種も総合職が65%と多いものの、一般職や事務職もあった。男女雇用機会均等法施行(1986年)前後に社会人になり、ロールモデルもいないこともあってか、社会人になった時点で「(転職を含め)ずっと働き続けるつもりだった」人は6割弱。「結婚を機に働くのはやめるつもりだった」(11%)「出産を機にやめるつもりだった」(16%)「結婚・出産を機にやめ、再就職するつもりだった」(3%)と、結婚や出産でやめる派も3割にのぼった。社会人になった時点で、課長相当職の管理職以上に昇進・昇格したいと思っていた人は2割弱。課長相当職になった頃にさらに昇進したい人は3割に増えた。
●昇進とともにやりがい
 昇進・昇格への意識が変わったきっかけを聞いたところ、現在は「さらに昇進したい」という50代の執行役員は「希望したわけでもなく管理職になったが、『仕事の大きさだけ成長する』『大きな仕事は面白い』『やりたいことは裁量が大きい方が実現しやすい』などを実感した」と回答。同様に、昇進とともに裁量ややりがいが拡大した経験を挙げた人が目についた。後輩の女性社員に管理職になることを勧めるかどうかでは、「勧めない」「あまり勧めない」を選んだ人はおらず、「適任と思う人には勧める」が68%、「全般的に勧める」が30%だった。その理由でも、やりがいや経験、成長の大きさを挙げた人が多かった。「適任と思う人に」とした理由は、「誰もが管理職になりたいわけではない」や「適任でない人に勧めても良い結果にならない」といった意見に大別された。「男女かかわらず勧める」としたのは「全般的に」派の方に多く、ほかに「背中を押してあげる必要がある人が女性の方に多いと思われる」との理由もあった。自分が役員になれた要因と、一般に女性が役員になるための要因をそれぞれ複数回答してもらった設問で、両者とも最も多かったのが「引き立てたり機会を与えたりする上司の存在」。自分では68%が、一般では73%が選んだ。謙遜の可能性もあるが、一般で70%と2番目に多かった「能力」は自分では35%と半分で、自分での2番目は「運」(57%)。「昇進意欲」は一般で46%が選んだが、自分では11%と少なかった。「女性活躍推進の追い風」は自分で38%、一般で22%が挙げた。各企業が女性登用の数値目標を設けることに「積極的に賛同しないが、やむを得ない」という人が一番多く8割が賛成・容認派だ。女性であることを「有利」(11%)「どちらかというと有利」(57%)と感じている人が、「どちらかというと不利」「不利」を大きく上回った。どのような時に感じるかでは、少数派であるがゆえの利点や活躍推進の追い風を有利と感じる半面、「日本は圧倒的な男性社会で対等に見られない」という声も目立った。
●「子どもいない」7割
 プライベートでは未婚が4割と、日本人女性の50歳までの未婚率1割に比べ高い。また子どものいる人は27%。労働政策研究・研修機構による2012年の調査では企業の部課長の男性の8割に子どもがいたことと比べると、女性は仕事と家事・育児の両立が難しかったことがうかがえる。実際、子どものいる人に育児を主にどのようにしてきたか聞いたところ、「シッターなど経済的に対処してきた」と答えた人が一番多く、次いで多かった「親(義理の親も含む)の協力が大きかった」を合わせると7割を占め、夫婦以外の助けも活用していた。リクルートワークス研究所の石原直子主任研究員は「欧米でもスポンサー(引き立てたり機会を与えたりする上司)の存在が重要とされており、日本の役員の女性たちが同じことを強く感じている点が興味深い。スポンサーがつくには、与えられた仕事で成果を出し、それを高い地位にある人にきちんと認めてもらうことが大事だ」と話す。調査は2月下旬から3月中旬、日経リサーチが2月現在の全上場企業を通じ女性役員(会社法上の社内役員と執行役員)に調査を依頼、インターネットで37人の回答を得た。

*3-2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150423&ng=DGKKZO86027390T20C15A4EE8000 (日経新聞 2015.4.23) 
数字で知る日本経済2(2)女性管理職30%目標に 意識変え人手不足補う
 自分の会社の役員や管理職に女性が何人いるかを思い起こしてみよう。まだまだ男性中心の日本の会社。こうした現状を変えることが日本経済の課題になっている。「女性が輝く社会をつくる」。安倍晋三首相はあの手この手で働く女性を後押ししている。保育所を増やす。残業や転勤がないタイプの正社員制度を広げる。いずれも子育てと仕事を両立しやすくするのが狙いだ。いまは働く女性の6割が、最初の子どもを産んだときに退職してしまう。政府は国民の意識を変えようと、2020年に管理職の30%を女性にする目標を掲げた。13年の実績はわずか7.5%。女性の採用や昇進を増やすよう企業に呼びかけ、欧米諸国並みに引き上げることを目指している。産業能率大学の新入社員アンケートを見ると、「管理職を目指す」という女性は29%しかいない。お手本になる先輩が増え、仕事を続けた場合のキャリアを見通せるようになれば、出産後に仕事を辞めてしまう人は減るのではないか。そんな効果を期待している。なぜ国が働く女性を増やそうと旗を振るのか。最大の理由は日本の人口が減り続けることで、経済を引っ張る労働者が少なくなってしまうからだ。働く意欲のある人は現在約6600万人。このままだと2030年には900万人減る。今よりも多くの女性が働くようになれば働き手の目減りを補うことができる。もっと女性の視点を生かして商品やサービスを改善すれば、今までにない良いモノが生まれ、消費が増えるのではないかという期待もある。日産自動車は新車の開発チームに女性が入り、長い爪でも開け閉めしやすいドアノブをつくった。戦後から高度成長期の日本の会社では、女性は結婚したら退職するのが当たり前という風潮があった。男性と同等の戦力とはみなさず、女性だけ定年を30歳にする会社も珍しくなかった。雇用での男女差別を禁じる男女雇用機会均等法ができて今年で30年。企業も男性社員の認識も大きく変わりつつある。ただ管理職目標には摩擦もある。女性登用の数値目標をつくった大手企業の担当者は「中堅層に女性社員が少ないため、目標を達成するために女性を優先して登用している。男性社員からは不満も出ている」と明かす。第一生命経済研究所の的場康子氏は「女性の働き手を増やすには、企業は中長期的な視点で採用や育成に取り組む必要がある」と指摘する。

<間接差別>
*4:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000059264.pdf#search='%E9%96%93%E6%8E%A5%E5%B7%AE%E5%88%A5' 男女雇用機会均等法で禁止している間接差別の対象範囲拡大(要点のみ)
 平成26年7月1日から、改正「男女雇用機会均等法施行規則」等が施行されます。これまで総合職の労働者を募集、採用する際に、合理的な理由がないにもかかわらず転勤要件を設けることは、「間接差別」として禁止されてきました。
●「間接差別」となるおそれがあるものとして禁止される措置の例
 性別以外の事由を要件とする措置であって、他の性の構成員と比較して、一方の性の構成員に相当程度の不利益を与えるものとして省令で定めている措置(※以下の①〜③)を、合理的な理由なく、講じることをいいます。
①労働者の募集または採用に当たって、労働者の身長、体重または体力を要件とするもの
②コース別雇用管理における「総合職」の労働者の募集または採用に当たって、転居を伴う転勤に応じることができること(「転勤要件」)を要件とするもの
③労働者の昇進に当たって、転勤の経験があることを要件とするもの
②労働者の募集もしくは採用、昇進または職種の変更に当たって、転居を伴う転勤に応じることができることを要件とするもの
●事業主の皆さまへ
 すべての労働者の募集、採用、昇進、職種の変更をする際に、合理的な理由がないにもかかわらず転勤要件を設けることは、「間接差別」として禁止されます。


PS(2015年5月13日追加):*5のように、市役所や教員の場合は、男女とも法律通りに育休をとり、一人で子育てする時間の苦労を味わうと、その後のサービスの改善に活かされて仕事にも有用だろう。これは、幼い子の安全も配慮すべき自動車、住宅、家具、電化製品、公共交通機関など他の産業でも同じだ。また、高齢の男女も排除せずに勤務させた方が、スイッチや説明書を高齢者にもわかりやすくするなど、これから人口の割合が増える高齢者のニーズを先取りした製品やサービスが作りやすいと考える。

*5:http://qbiz.jp/article/61982/1/ (西日本新聞 2015年5月13日) 部下の育休取得率アップでボーナスもアップ!? 北九州市がイクボス宣言へ
 部下の仕事と家庭の両立を応援する上司「イクボス」を目指し、北九州市の管理職約560人が19日、“イクボス宣言”をする。研修会で育児休業を取りやすい環境づくりなどを学び、その実践度をボーナスの査定に反映させる。子育て環境の向上や女性の活躍促進につなげたい考えだ。市によると、宣言するのは課長級以上の全員で、政令市で初の試み。「私生活の時間を取りやすいよう、会議の短縮や書類の削減などを進める」「両立のための支援制度の利用を促す」など、イクボス10カ条をまとめており、19日に式を行って参加者が宣誓する。7月には研修会を開き、意識向上を図る。各管理職は、部下の育休取得や時間外勤務の削減について1年間の目標を立て、年度末に達成度を確認。結果は人事考課の材料となり、部下の意見を評価に加味することも検討する。市は、2013年度に6・1%だった男性職員の育休取得率について、19年度までに20%に引き上げるとしており、イクボスが目標達成を後押しする。

| 男女平等::2014.7~2015.5 | 02:25 PM | comments (x) | trackback (x) |

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