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2013.6.22 安愚楽牧場の経営者は、加害者である以前に被害者ではないのか? また、農業会計の必要性について(6月24日最終更新)
  

 私は、「安愚楽(あぐら)牧場」という名前をつける人を見識が高いとは思わないし、安愚楽牧場とは利害関係もないが、この牧場の破綻に関する報道において、やり手であったらしい女性社長を感情的に叩いているものが多すぎると思ったので、この記事を記載する。その叩き方は、「社長をしているような出たがりの女は性格が悪い」と言わんばかりで、ジェンダーに繋がるものである。

(1)破綻の責任は牧場にあるのか?
 2011年3月11日に東日本大震災が発生し、3月12日に福島第一原発事故で1号機が水素爆発し、同14日に3号機が爆発した。そして、5月12~24日にかけて、東京電力は、福島第一原発の1~3号機がメルトダウンしていたことを認めた。これにより、東北、関東が放射性物質で汚染されていることは多くの人の察するところとなった。とりわけ、安愚楽牧場は、線量の高い栃木県那須塩原市にあったため、この地域の牧草が汚染され、一方で牛乳や牛肉の取引価格が落ちたり、取引そのものが減ったりしたことは容易に推測できる。そして、この大規模な牧場の経営が大きく傾いていった時期は、2011年7月なのだから、破綻の責任の多くは、原発事故にあったのではないかと思う。

(2)返金できないと分かっていて誘うのは、もちろんよくない。しかし・・。
 もちろん、返金できないことがわかっていながら、「なるべく早く振り込んでくれ」と督促するのは、不誠実で悪いことである。しかし、この時期は、金融等に関する知識の少ない社長やスタッフが、必死で資金繰りをしていたことが想像される。また、埼玉県の男性が2011年7月に投資を始めたそうだが、この時期に、この地域の牧場に投資するというのは、半分は寄付する気持ちがあったのではないのかと思われても仕方がない。そして、督促に対し、不審にも思わず100万円を振り込んだというのだから、投資家としての正当な注意にも欠ける。

(3)この記事は、どういう目的で書かれたのか?
 この記事は、「海江田万里氏も『広告塔』だった」として、まず、大きく海江田氏の名前を出しているが、この時は、東京都議会議員選挙の真最中で、海江田氏は民主党代表として闘っており、6月23日の開票で、民主党は惨敗した。また、農家出身の実直な男性が、「生き物をネタに人をだます行為は許せない。農業の現場で頑張っている生産者への冒とくでしかない」と強調したとしているが、出資対象が生き物だったことと罪の深さとは関係がなく、これは感情論にすぎない。農業への出資対象は、その殆どが生き物であり、むしろ農地であってはならない。全体として、この記事は、人々の感情に訴えて、海江田氏と牧場の女性経営者を、ことさら貶めているように見える。

(3)それでは、何が足りなかったのか?
 以下の点で、東電及び国にも責任があるだろう。
1)原発事故の報道が甘かったため、この時期に、この地域の牧場に投資した人がいたこと
2)わが国には、農業会計がないため、農業主体が農業における資産評価(この場合は、牛などの評価)
  を正確にできず、経営がどんぶり勘定になること。そのため、出資者に対し、財政状態・経営状況を
  正確に開示し、投資リスクを透明にできていない。

(4)これから急いでやるべきこと
 1)農業経営を合理化するためには、経営の尺度となる農業会計を速やかに導入すべきである。国際
  会計基準には農業会計があるが、わが国の会計基準にはこれがない。
 2)大規模に農業を営み、多くの投資家から出資を集める農業主体は、農業会計に基づいて正確な会
  計情報を作成し、公認会計士の監査を受けて、公表する必要がある。それにより、投資家は正確な
  財政状態・経営成績に関する情報を得て投資することができ、経営者も的外れな必要以上の非難か
  ら免れることができる。

*1:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130618-00000046-mai-soci
(毎日新聞 2013年 6月18日) <安愚楽牧場>4200億円集金のヤミ 解明求める声
 全国の約7万3000人から集めた約4200億円が返されないままになっている安愚楽(あぐら)牧場に18日、ついに強制捜査が入った。「返金できないと分かっていて誘ったのか」「旧経営陣はせめて真相を語ってほしい」。出資者からは、警視庁の実態解明に期待する声が相次いだ。
【海江田万里氏も「広告塔」だった】
 埼玉県の50代の男性が投資を始めたのは2011年7月。同牧場の経営が大きく傾いていた時期だった。経済誌の広告が目に留まり、100万円のコースの契約を結んだのは同月24日。その翌日、「なるべく早く振り込んでくれ」と女性の声で督促の電話があった。「月末が土日だからかな」。特段不審には思わず、26日には100万円を振り込んだ。「何だこれ」。8月2日、新聞で安愚楽牧場がオーナーへの支払いを停止したという記事を見た。すぐにクーリングオフの申し出を郵送したが「対応できない」と応じてもらえなかった。結局、100万円は今も戻ってこない。男性は新潟の農家出身。3歳の時、父親が病気で寝たきりとなり、農業と工事現場で家計を支える母を幼少の頃から手伝った。経理関係の仕事に就いてがむしゃらに働き、少しずつ預金を蓄えた。「自分が育った農業に投資できるような商品はないだろうか」。そう考えて投資したのが安愚楽牧場だったという。男性は「生き物をネタに人をだます行為は許せない。農業の現場で頑張っている生産者への冒とくでしかない」と強調した。

| 農林漁業::2013.6~2014.1 | 06:24 PM | comments (x) | trackback (x) |

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