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2014.2.12 普天間基地の辺野古移設について
   

(1)名護市長選の結果
 *1-1、*1-2、*1-3に書き尽くされているとおり、沖縄県名護市の市長選で、政府の辺野古案が厳しく拒絶され、名護市民の意思が明確になった。そのため、日本政府は、この事実を重く受け止め、米軍普天間飛行場の同市辺野古への移設を強行してはならないと、私は考える。

(2)沖縄の米軍基地は、本当に日本の防衛目的に資するか否か、まず明確にすべきだ
 *2に書かれているとおり、沖縄復帰前の1960年代初め、沖縄を統治していた米軍は、生物兵器の研究開発のため、「いもち病菌」を散布し、実験データを収集していたことが、米国の情報公開制度で明らかになったそうである。

 また、猛毒のダイオキシンを含む枯れ葉剤が沖縄に保管されていたことを示す公文書の存在も明らかになり、沖縄は、化学兵器を大量に貯蔵し、生物兵器の研究開発の実験場でもある軍事植民地であり、米軍は日米地位協定に基づき返還時の原状回復義務を免除されているため、原状回復義務がなく、有害物質等の保管・管理・処理に関する届け出義務もないそうだ。

 さらに、沖縄の米軍は、他国に駐留しており、主権者である国民の監視も受けないため、軍隊が「モラル・ハザード(倫理の欠如)」を起こしていたとのことであり、土壌汚染に関する総合環境調査と地位協定の見直しを、早急に進めるべきである。

(3)日本政府は、何故、ここまで民意を無視するのか?
 しかし、*3-1に書かれているとおり、19日の名護市長選で辺野古移設阻止を掲げた稲嶺進氏の再選から僅か2日後に、沖縄防衛局が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた代替施設設計などの受注業者を募る入札を公告し、民意を全く無視する決定をした。これでは、日本は、アメリカと価値観を同じくする民主国家とは言えない。

 また、*3-2に書かれているとおり、米識者も、日米両政府は「仲井真知事による埋め立て承認は、日米関係の突破口になる」と歓迎しているが、知事の承認により普天間論争が解決され、日米の安全保障協力の強化が促進できるとの期待は「希望的観測にすぎない」と断言したそうだが、そのとおりである。

(4)これでは「沖縄差別」だ
 そのため、*4のように、沖縄の地方紙が、ケネディ大使に、上空からではなく、自らの目、耳、足で確かめて名護市長と会談して欲しいと英語と日本語で掲載している。これは、名護市長選の結果を考慮することなく、「沖縄差別」を続け、辺野古の埋め立て工事に向けた手続きを進めている日本政府への不信任であることを、日本政府は素直に受け止めるべきだ。

*1-1:http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/516247.html
(北海道新聞社説 2014年1月20日) 名護市長選 辺野古案を厳しく拒絶
 市民は国からの圧力をきっぱりとはね返した。沖縄県の米軍普天間飛行場を県内名護市辺野古へ移設する是非が最大の争点となった名護市長選で、反対派の稲嶺進市長が勝利した。過重な基地負担の押しつけを拒否する民意が稲嶺氏を押し上げた。仲井真弘多沖縄県知事は国による辺野古埋め立て工事を承認したが、地元の不支持が明確になった。日米両政府は結果を重く受け止めなければならない。計画を白紙撤回し、県外、国外への移設を真剣に模索すべきだ。選挙戦で稲嶺氏は「辺野古の海にも陸にも基地をつくらせない」と反対姿勢を貫いた。住民にさらなる基地負担を強いる上、環境への影響も心配される現行計画を受け入れられないという主張は理解できる。初当選を目指した推進派の末松文信氏は安倍晋三政権とのパイプを強調した。しかし、振興策と引き換えに基地を受け入れるかのような姿勢に支持が集まらなかった。「国や県の姿勢には納得いかない」。それが名護市民の思いだろう。安倍政権は、見通しが不明確な基地返還の前倒しなどを約束して仲井真知事に埋め立て承認を迫った。沖縄選出の自民党国会議員には県外移設の公約を撤回させた。あまりに強引な進め方だった。知事の埋め立て承認も、県外移設の公約に違反すると言われても仕方ないものだった。県議会は、強制力はないものの、知事辞任を求める決議を可決した。全市町村議会がすでに辺野古移設反対を決議している。県内移設反対が沖縄県民の大多数の意思だ。名護市民の選択はそれを代弁していると言える。稲嶺氏の勝利によって、辺野古への移設工事はなかなか進まなくなることも予想される。工事に必要な道路や港湾などの使用には市長の許可が必要なものがあるためだ。気になるのは政権幹部が名護市長選の結果にかかわらず、辺野古移設を進める構えを見せていることだ。知事の埋め立て承認が根拠だ。だが名護市長選の結果は単なる首長の決定ではなく、有権者の厳粛な意思表明だ。無視すれば民主主義の否定につながる。国はこれまでも基地負担を沖縄に一方的に押しつけてきた。辺野古移設が実現しなければ、普天間基地が固定化するかのような恫喝も続けてきた。こうした手法は地元の反感を増幅させるだけだ。工事の強行は到底認められない。このまま作業を進めても混乱は必至だ。日米間で協議して県外、国外への移設を目指す方が現実的であるという事実を直視すべきだ。

*1-2:http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014012002000150.html (東京新聞社説  2014年1月20日) 名護市長選 「辺野古」強行許されぬ
 沖縄県の名護市長選で、市民の意思が明確になった。政府はこの事実を重く受け止め、米軍普天間飛行場の同市辺野古への移設を強行してはならない。それでも日本政府は、米海兵隊普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古沿岸部への「県内」移設を強行しようというのだろうか。辺野古移設の是非が問われた名護市長選である。反対する現職、稲嶺進氏(68)が、賛成する自民党推薦の新人、末松文信氏(65)を破り、再選された。安倍内閣が強力に推進し、仲井真弘多沖縄県知事が追認した辺野古移設に反対する、名護市民の明確な意思表示である。
◆民主国家と言えるか
 菅義偉官房長官は、市長選の結果は辺野古移設には「全く影響はない。国民の生命、財産を守る観点からも予定通り進めさせてほしい」と述べた。稲嶺氏勝利を見越して予防線を張ったのだろう。果たしてそうだろうか。外交、安全保障は国の役割だ。日米安全保障条約上、基地提供の義務を負うのは日本政府である。しかし、米軍基地は地元の住民に大きな負担を強いる。騒音や事故、米兵らの犯罪、そして戦争への加担という精神的重圧だ。基地の安定的提供には周辺住民の理解が欠かせない。反対意見が多数を占めるにもかかわらず、押し付けるのは民主主義国家と言えず、どこかの専制国家と同じだ。ましてや、沖縄には在日米軍基地の約74%が集中している。危険な普天間飛行場の返還は急務だが、名護市民がこれ以上の基地負担を拒み、稲嶺氏も市長権限で移設阻止の構えを見せる以上、「国外・県外」移設に切り替えた方が、返還への早道ではないか。米軍基地負担の県内たらい回しにすぎない辺野古移設を、もはや強行してはならない。
◆知事判断への不信任
 昨年十二月二十七日、仲井真知事は、辺野古沿岸部に代替施設を建設するために政府が許可申請した海面の埋め立てを承認した。市長選で稲嶺氏の当選が決まった後では許可しにくくなるため、駆け込みで手続きを進めたのだろう。仲井真氏は再選された二〇一〇年の県知事選で普天間飛行場の県外移設を公約し、その後も県民の反対が強い県内移設は「事実上不可能」と繰り返し強調していた。県外移設を求める考えに変わりないと、仲井真氏は強弁しているが、県内移設のための埋め立てを承認することはやはり、公約違反ではないのか。公約と違う政策を進めるのなら、辞職して県民に信を問い直すのが筋だ。今回の市長選は知事の埋め立て承認後、初めての関係自治体の首長選でもある。辺野古移設に反対する候補が勝利した選挙結果は知事の判断に対する不信任だと、重く受け止めなければならない。公約違反は知事だけではない。一二年の衆院選で、自民党本部は普天間問題を公約に明記せず、沖縄の同党公認候補はそれぞれ県外移設を訴えた。一三年参院選では党本部は県内移設を掲げたが、党沖縄県連は県外移設を「地域公約」として訴えた経緯がある。国政選挙で自民党を支持した沖縄の有権者にとって県外移設こそ自民党との契約だ。にもかかわらず、党沖縄県連は県内移設容認に転換し、仲井真知事の埋め立て許可を後押しした。このまま県内移設を推進する立場に立つのなら、公約違反との批判は免れまい。沖縄選出の自民党国会議員は全員、潔く辞職し、四月の統一補欠選挙で有権者の信を問い直すべきである。仲井真知事や自民党沖縄県連に公約違反を迫ったのは、安倍晋三首相率いる内閣であり党本部だ。年間三千億円台の沖縄振興予算という「アメ」と、危険な普天間飛行場の固定化という「ムチ」をちらつかせて辺野古移設を迫る手法は、名護市民に拒絶された。無視し得ない民意の高まりだ。琉球新報など地元メディアの県民世論調査で、知事の埋め立て承認を支持する回答は34・2%で、不支持は61・4%。しかし、共同通信の全国世論調査では、承認を評価する回答は56・4%、評価しないは30・7%と、全く逆だ。
◆人ごとで済まされぬ
 この世論調査からうかがえるのは、米軍基地負担は沖縄県民が受け入れて当然という、本土の側にある、どこか人ごとの空気だ。日米安保体制が日本と周辺地域の平和と安全に不可欠と言うのなら、その基地負担は沖縄に押し付けず、国民が可能な限り等しく負うべきである。本土の側にその覚悟がないのなら、日米安保体制の重要性を口にする資格などない。本土による沖縄への基地押し付けや差別的政策は、もはや許されない。名護市長選の結果は、われわれにそう語りかけてくる。

*1-3:http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=60995
(沖縄タイムス社説 2014年1月20日) [稲嶺氏が再選]敗れたのは国と知事だ
 米軍普天間飛行場の辺野古への移設に対し名護市民は「ノー」の民意を、圧倒的多数意思として示した。国の露骨な圧力をはね返して勝ち取った歴史的な大勝である。同時に仲井真弘多知事が、辺野古埋め立てを承認したことに対し、市民が明確に拒否したことも意味する。名護市長選で辺野古移設に反対する現職の稲嶺進氏(68)が、移設を積極推進する新人の末松文信氏(65)を破り、再選を果たした。普天間の辺野古移設の是非が文字通り最大の争点となった市長選は今回が初めてだ。過去4度の市長選では、移設容認派が推す候補は選挙への影響を考慮して、問題を争点化しなかった。移設問題を明確に市民に問うたのは、1997年の市民投票以来である。市民投票では、条件付きを合わせた反対票が52・8%と過半を占めた。住民投票的な性格を帯びた今回の選挙で市民は再び移設反対の意思を明確にしたのだ。日米両政府は辺野古移設計画を撤回し、見直しに着手すべきだ。今回の市長選で末松氏は、基地受け入れによる再編交付金を財源にした地域振興策を前面に掲げた。これに対し、稲嶺氏は、再編交付金に頼らない4年間の実績を強調し、「再編交付金は一時的なもの。基地のリスクは100年以上も続く」と反論した。「すべては子どもたちの未来のために」をスローガンに、基地に頼らない街づくりを訴えた。本紙などの世論調査では、最も重視する政策を「普天間移設問題」と答えた市民が56%に達し「地域振興策」の23%を大きく上回っていた。市民の選択は、沖縄だけに負担を押し付け、その矛盾を振興策で覆い隠す「補償型」の基地行政がもはや通用しないことを証明した。名護市民がそのことを国内外に発信したことは、沖縄の基地問題の歴史的な転換点となろう。日米政府が進めてきた普天間の県内移設策が、大きな変更を迫られることは間違いない。
 市長選は、国による辺野古埋め立て申請を承認した仲井真知事の政治姿勢に対する信任投票の側面もあった。埋め立て承認に至る経過はいまだに不透明なままである。知事は、当事者である名護市民への説明もなく、選挙応援では、振興策のみに言及した。それにしても、安倍政権・自民党の策を弄するやり方は目に余った。仲井真知事から年内の埋め立て承認を得るため、県関係国会議員、県連に圧力をかけ県外移設の公約を転換させた。知事の翻意を促すため沖縄振興予算を大盤振る舞いし、実効性の担保が乏しい基地負担軽減策を「口約束」した。
 名護市に対する「アメとムチ」もあからさまだった。市の喜瀬、許田、幸喜の3区にまたがるキャンプ・ハンセンの一部の返還で、国は幸喜の分を先に返すことを決めた。返還予定地は利用価値が低く、幸喜区には軍用地料が入らなくなる。辺野古移設への協力姿勢を示さなかった同区へのいやがらせとしか受け取れない。選挙期間中も、菅義偉官房長官が、選挙結果に左右されることなく辺野古移設を「粛々と進めていきたい」と発言。自民党の石破茂幹事長は「基地の場所は政府が決めるものだ」と述べた。その石破氏は、選挙終盤の16日に名護入りし、同市の地域振興に500億円規模の基金を立ち上げる意向を表明した。基金は新たな財源措置ではなく、既存予算内の調整を念頭にしたものとみられるが、あからさまな選挙への介入であり、地方自治の精神にもとるものだ。県外移設を求める「オール沖縄」の枠組みは崩れたが、その精神は息づいている。自民県連OBが稲嶺氏を支援し、那覇市議会が知事の埋め立て申請に抗議する意見書を可決したことは、象徴的だ。今回は公明党が自主投票となったことも稲嶺氏の当選を後押しした。再選を果たした稲嶺氏は、公約に掲げた政策実現に向けて選挙のしこりを解消し、市民一体となった態勢づくりに取り組まなければならない。

*2:http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=60541
(沖縄タイムス社説  2014年1月13日) [生物兵器実験]底知れぬ軍事優先の闇
 稲に大きな被害をもたらす「いもち病菌」を大量に散布し、人為的に「いもち病」を発生させる-復帰前の1960年代初め、沖縄を統治していた米軍が、生物兵器の研究開発のため、「いもち病菌」を散布し、実験データを収集していたことが米軍の報告書で明らかになった。60年代初め、米軍はマクナマラ国防長官の指示で、「プロジェクト112」という名の化学兵器開発計画を進めていた。この計画に基づいて63年、1万3000トンの毒ガスがホワイトビーチに陸揚げされ、知花弾薬庫のレッドハットエリアと呼ばれる区域に貯蔵された。米軍が排他的な統治権を持っていた軍政下の沖縄に大量の核兵器が貯蔵されていたことは「公知の事実」に属するが、その上、沖縄は、アジア最大の化学兵器備蓄基地でもあった。今回、明らかになった生物兵器開発のための屋外実験も、「プロジェクト112」の一環だと思われる。報告書は米国の情報公開制度を利用し、共同通信が入手した。それによると、1961年から62年に、少なくとも12回の実験を実施。「ナゴ」(名護)、「シュリ」(首里)、「イシカワ」(石川)などの具体的な地名も記載されている。あらためて痛感するのは、核・化学兵器を大量に貯蔵し、生物兵器の研究開発の実験場でもあった沖縄の、軍事植民地としての異常さである。県内各地で相次いでいる返還軍用地の土壌汚染問題は、米軍政下の異常な現実が決して過ぎ去った過去の話ではないことを示している。
  ■    ■
 沖縄市の市営サッカー場の地中からダイオキシン類が付着した大量のドラム缶が見つかったのは昨年のことだ。それ以前にも、恩納通信所の跡地から水銀、PCB、鉛、ヒ素などの有害物質が検出され、北谷町・桑江中学校近くの基地返還跡地から「タール状物質」の入ったドラム缶が215本も発見された。嘉手納弾薬庫地区の返還跡地からはカドミウムが検出され、キャンプ桑江北側の返還跡地からもヒ素、鉛、六価クロムなどの有害物質が見つかった。猛毒のダイオキシンを含む枯れ葉剤が沖縄に保管されていたことを示す公文書の存在も明らかになっている。米軍は沖縄に枯れ葉剤が保管されていたことを公式には認めていない。だが、退役米兵や県民からも枯れ葉剤に関する証言が寄せられており、米軍の説明は説得力を欠いている。
  ■    ■
 米軍は日米地位協定に基づいて返還の際の原状回復義務を免除されている。それがネックになっているのは明らかである。原状回復の義務がなく、有害物質等の保管・管理・処理に関する届け出義務もなく、他国に駐留しているため主権者である国民の監視も受けない軍隊は確実に「モラル・ハザード」(倫理の欠如)を起こす。土壌汚染に絡む信頼のおける総合環境調査と地位協定の見直しによる新たな仕組みづくりを早急に進めるべきだ。

*3-1:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-218188-storytopic-11.html
(琉球新報社説 2014年1月22日) 辺野古入札公告 民主国家の自殺行為だ
 世界中を捜しても民意をこれほど露骨に踏みにじる「民主主義国家」は存在しないのではないか。沖縄防衛局が21日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた代替施設設計などの受注業者を募る入札を公告した。19日の名護市長選で辺野古移設阻止を掲げた稲嶺進氏の再選から、わずか2日後だ。政府に求められるのは移設作業の加速ではなく、選挙結果を尊重し、県内移設を撤回することだ。稲嶺市長は「選挙で示された名護市民の民意を無視して手続きを進めるのは民主主義社会としてあり得ない。あまりにひどい」と政府を批判した。まさに正論だ。しかし、小野寺五典防衛相は「埋め立て承認を得られているので、関係法令にしたがって進めていく」と述べた。民主的な選挙結果を歯牙にもかけない態度は権力の暴走以外の何物でもない。ただ、移設作業には名護市長の許可や協議が必要な手続きもある。作業ヤード設置のための漁港使用、キャンプ・シュワブ内への水道敷設、資材搬入のための道路使用、飛行場施設への燃料タンク設置、建設で影響を受けた場合の河川の水路切り替えなどだ。稲嶺市長は「建設阻止へ権限を行使する」と述べており、市長権限の手続きについては、国から申請されても許可しない方針を示している。それでも国が強引に作業を進めるというのなら、民主国家としての自殺行為だ。名護市は、過去に基地建設に関する国の調査申請を不許可にしたことがある。こうしたことから、石破茂自民党幹事長は「市長の権限はきちんと法に従った形であるべきだ」と述べ、市長方針をけん制する。自治体の判断への介入を予告するような圧力は言語道断だ。今回の入札公告について、地元では条件付きで移設を容認する住民からも疑問の声が挙がる。辺野古有志会代替施設安全協議会の許田正武代表理事は「移設を百パーセント、ノーと言っている稲嶺進市長への当てつけだ」と批判する。政府は入札公告を取り消すべきだ。直ちに米政府に対し、辺野古移設の断念と普天間固定化の回避策について協議を申し入れるのが筋だ。沖縄は植民地扱いを拒否する。政府は沖縄の非暴力の異議申し立てを力で屈服させるつもりなら民主主義を語る資格を失うと自覚すべきだ。

*3-2:http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=60503
(沖縄タイムス 2014年1月12日) 「辺野古移設 緊張続く」米識者が警鐘
 米大手シンクタンク「ランド研究所」の研究員ステイシー・ペティージョン氏はこのほど、米外交専門誌ナショナル・インタレストに寄稿し、仲井真弘多知事の名護市辺野古の埋め立て申請の承認を歓迎する日米両政府の甘さを指摘し、「米軍普天間飛行場の移設問題は今後も日米同盟の緊張の要因であり続ける」と警鐘を鳴らした。同氏は、普天間移設をめぐるこれまでの経緯に触れたうえで、日米両政府は「仲井真知事による埋め立て承認は、(停滞してきた)日米関係の突破口になると歓迎している」と指摘。知事の承認により普天間論争が解決され、日米の安全保障協力の強化が促進できるとの期待は「希望的観測にすぎない」と断言。返還合意から17年以上が経過しているとし、「埋め立て許可は、普天間移設手続きの始まりにすぎない」と評した。また、「すべての県民が移設反対ではなく、基地建設が経済的利益をもたらすと信じ、計画を支持する層もある」とし、こうした移設計画における支持派と反対派の対立が「普天間闘争が今後も日米同盟の緊張の要因であり続けるだろう」と分析。名護市長選挙で現職の稲嶺進氏が勝利すれば、「辺野古再考への圧力増加に燃料を注ぐことになる」との見方を示した。同氏は今後の見通しについて「米国防総省は(普天間より)論争の少ない岩国基地の建設に10年以上を要した」と指摘した上で、「普天間を閉鎖し、海兵隊の機能を辺野古に再配置するには、すべてがスムーズに進行した場合でも少なくとも10~15年かかる」と分析。その上で、普天間移設の進行が「ふたたび行き詰まった場合、ワシントンと東京は計画を振り出しに戻し、他の選択肢を検討する必要が生じるかもしれない」と警鐘を鳴らした。

*4:http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=62412
(沖縄タイムス 2014年2月11日) EDITORIAL [Dear Madame Ambassador Kennedy] Please Meet with Mayor Inamine
Welcome to Okinawa, Madame Ambassador Caroline Kennedy. It is your first visit to Okinawa as the US Ambassador to Japan. Many Okinawans are paying close attention to your visit and the statements you will make.
They are listening closely because they want you to see the real situation here, the real Okinawa that cannot be described in State Department staff briefings or reports from Japanese government officials.
They want you to see USMC Futenma Air Station, located in the heart of the densely populated city of Ginowan. They want you to experience- not from the sky, but with your own feet, your own eyes, your own ears - the ocean at Henoko, in the city of Nago, the proposed location of Futenma’s replacement and designated by our prefectural environmental survey as a Rank 1 site : Urgent Need for Environmental Protection.
In November, 1963, on the day your father, US President John F. Kennedy was assassinated in Dallas, Texas, this island was also enveloped in that sadness.
The red light district of Koza dimmed its neon lights as restaurants and bars closed of their own volition. The following day, at schools and workplaces, many residents grieved in silence the loss of the President.
After being appointed as ambassador to Japan, surely you have learned much about the concerns surrounding the US ? Japan relationship. As you know, the issue of USMC Futenma Air Station has been a huge strain on that relationship in the 18 years since your government and ours pledged to return it to the Okinawan people in 1996.
Why hasn’t the issue been resolved? Please visit Henoko. Talk to the people in the tent village on the seashore who have for years been sitting in protesting the proposed relocation. You will hear the raw voice of Okinawa, far different from the explanations of our governments’ foreign ministers and defense secretaries. You will quickly come to the heart of the problem.
The mayoral election was a clear expression of the will of Nago city. Residents reelected incumbent Susumu Inamine, who said that the relocation of Futenma to Henoko was in direct contradiction with the regional needs of Nago and its residents. In a prefecture wide opinion survey conducted by the Okinawa Times and another news organization at the end of last year, close to 70% of Okinawans expressed opposition to the proposed Henoko relocation. The majority in Okinawa are still opposed to any relocation of Futenma within the prefecture.
During your visit here, you should meet with Mayor Inamine and listen to the reasons why.
You have expressed “deep concern” about the “inhumaneness” of dolphin hunting on Twitter, saying that “the US government opposes dry hunt fisheries”.
The ocean around Henoko is the habitat of the Dugong, an ocean mammal like the dolphin. The Dugong is a Japanese natural monument and the Ministry of Environment has designated it as an endangered species at high risk of extinction.
If the ocean around Henoko is buried, the Dugong will lose their home and their extinction cannot be avoided. To forever lose the Dugong from the planet for the sake of the construction of a military base would be a great detriment to the human race.
The Japanese government has ignored the result of the Nago mayoral election and continued to move forward on the process of burying the ocean at Henoko. To allow the construction of this base to continue in direct opposition to the will of local residents is completely unacceptable in a democratic society.
To attempt to build a new military airbase in Okinawa after the tragedy of the Battle of Okinawa, the 27 long and difficult years of American occupation that followed it, and the disproportionate burden of military bases shouldered by Okinawa since, is nothing but blatant discrimination against the Okinawan people. Please relay these feelings to President Obama.

(沖縄タイムス社説 2014年2月11日) [拝啓 ケネディ大使]現地訪ね市長と会談を
 キャロライン・ケネディさん、ようこそ沖縄へ。駐日米大使として、きょう初めて来県されるんですね。沖縄の多くの人があなたの発言に注目しています。
 大使館スタッフのブリーフィングや日本政府関係者の情報からはとらえきれない、この島のありのままの姿を見て考えてもらいたいからです。
 宜野湾市の市街地の真ん中にある米軍普天間飛行場。移設先に予定されている名護市辺野古の海は、県の環境保全指針で「自然環境の厳正な保護を図る区域」であるランク1に評価されています。
 上空からではなく、自らの足で、目で、耳で確かめてください。
 1963年11月、あなたの父ジョン・F・ケネディ大統領がテキサス州ダラスで悲劇に見舞われた日、この島も悲しみに包まれました。
 コザの繁華街はネオンを消し、飲食店は営業を自粛しました。哀悼の日には、学校や職場などで多くの住民が黙とうし、哀悼の意を表しました。
 駐日米大使としての赴任に当たって日米間のさまざまな懸案について学んだことと思います。普天間問題は、ご存じのように96年の返還合意から18年にわたって、迷走を続けています。
 なぜでしょうか。辺野古を訪れ、移設反対を訴えテント村で座り込みを続けている人たちとじかに話してみることです。日米の外務・防衛官僚の説明とは違った沖縄の生の声が聞けるはずです。それによって、この問題の深層に触れることができるでしょう。
   ■    ■
 先の名護市長選で、名護市の民意は示されました。普天間の辺野古移設は地域利益に反するという稲嶺進市長の主張に多くの市民が賛同したのです。
 沖縄タイムス社などが昨年末に実施した県民世論調査では、7割近くが辺野古移設に反対でした。沖縄の多数意思は今も、普天間の県内移設に反対しています。
 今回の来県で、名護市を訪れ、稲嶺市長と会い、その考えに耳を傾けるべきです。
 あなたは短文投稿サイトのツイッターで「米国政府はイルカの追い込み漁に反対します」と表明しました。
 辺野古の周辺海域は、イルカと同じ海洋哺乳類ジュゴンの生息域です。ジュゴンは国の天然記念物で環境省は「絶滅の危険性が極めて高い種」に指定しています。
 沿岸域が埋め立てられれば、影響は避けられません。基地建設によってジュゴンを失うことは人類にとって大きな損失です。
   ■    ■
 日本政府は、名護市長選の結果を考慮することなく、辺野古の埋め立て工事に向けた手続きを進めています。民主主義を大切にする社会で、地元合意なしに一方的に軍事基地を建設することは許されません。
 沖縄戦と27年間の米軍統治、その後も過重な基地負担を背負わされている沖縄に、新たな米軍飛行場を建設するのは「沖縄差別」というしかありません。多くの県民の思いをぜひオバマ大統領に伝えてほしいのです。

| 辺野古・普天間基地問題::2012.2~2015.3 | 11:28 AM | comments (x) | trackback (x) |

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