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2014.4.29 バリアフリー社会では、司法の“社会通念”も、このような踏切事故の責任は鉄道会社に帰属させるべきで、そうすれば、鉄道の高架化は、リスク管理上、必要不可欠になるということ
  
                      踏み切り                動物に注意
(1)社会の変化とともに、司法判決も変えるべき
 *1、*2に書かれているように、認知症の91歳の男性がJR東海の電車にはねられて死亡した事故について、JR側が遺族に賠償を求めた訴訟で、一審の名古屋地裁は男性の妻(85歳)と長男(63歳)が「見守りを怠った」として、JR側の請求通り720万円の支払いを命じていたが、名古屋高裁判決では、「監督不十分な点があった」として妻の責任だけを認めることにした。しかし、これは、鉄道事故の責任を被害者家族に押し付けており、次の点で、間違っていると思う。

 1)鉄道優先の発想は、明治5年(1872年)10月14日、「新橋~横浜」間に日本初の鉄道が開通
   した時に作られ、当初の踏み切りは横断できる余裕が十分にあったが、現在はそうではない
 2)鉄道優先の発想ができた頃は、高齢者や認知症の人は少なかったが、現在はそうではない
 3)21世紀になってから、高齢者や障害者に対するバリアフリーが徹底して行われ始めている
 4)在宅医療に移行しつつあるが、介護制度は不十分で、核家族化による「老老介護」が多い

 そのため、この名古屋高裁判決は、被害者とその家族を鞭打つものであり、判決は取り消されるべきであり、被害者家族の弁護士は、むしろ、「*3のように、高齢者が巻き込まれる踏切事故が多発しているにもかかわらず、JR東海が危険な踏み切りを放置していたこと」を反訴して、事故による精神的被害と裁判になったことによる金銭的被害について損害賠償請求すべきである。そうすれば、裁判所も、世の中の流れを察知して判決を出せると思うが、「可哀想の論理」でしか弁護できないところに、わが国の司法の、世界では闘えない論理性のなさがあるのだ。

(2)妻に監督責任を認めた名古屋高裁判決は間違っており、責任はむしろ危険な踏切を放置していた鉄道会社側にある
 *3、*4に書かれているように、名古屋高裁は、被害者である男性の長男の監督責任はないとしたが、「見守りを怠った」「センサーを作動させる措置を取らず、監督不十分な点があった」などとして要介護1の認定を受けていた当時85歳の妻に監督責任を認定して359万円の損害賠償を命じており、問題である。何故なら、踏切事故に遭った被害者の男性は、仮にセンサーが作動していたとすれば外に出なかったかどうかも疑問であるし、認知症の人を施設などに入れずに無理をしながらも家で介護して夫を亡くした妻に対して、そういう責任を求めるのは、妻に二重三重の苦痛を与えるからだ。

 また、介護で24時間見守るのは不可能であり、そうするには部屋に閉じ込めたり、縛ったりするしかないため、介護施設でそういう措置をとるようになると、バリアフリーの理念から外れる。バリアフリーとは、施設ではなく自宅を中心とする地域の中で自然に生活させ、周囲がそれを受け入れる社会への転換を目指しているものであるため、この判決は国の方針にも矛盾するのである。

(3)歩道橋は、渡るのに不便で不十分
 *3に、「高齢者が踏切を渡りきれずに犠牲になる事故がなくならず、高架化や地下化には費用の壁があるため、臨時の歩道橋を造ったり、高齢者向けに簡易エレベーターを設置したりする対策が必要だ」とも書かれているが、道路に架かっている高い歩道橋は私でさえ渡るのが大変で、「自動車の方が上がったり降りたりすべきだ」と日頃から思っているため、歩道橋が高齢者や障害者の役に立つとは思えない。従って、そういうことに金を使うよりも、万障繰り合わせて、早急に電車を高架化もしくは地下化すべきである。なお、このブログの2014年4月19日等に記載しているとおり、高架化にも多くの手法がある。

(4)認知症への地域の向き合い方
 「認知症に優しい町」宣言をしたベルギーの地域のように、認知症の高齢者が人間らしい生活を維持できるように、自宅で暮らすことを前提として、市役所、警察、タクシー、宅急便、郵便局、駅、施設などが有効な連絡網をつくり、行方が分からなくなっても、すぐに発見できるシステムを構築すべきである。

(5)踏切事故は、都会の開かずの踏切だけではない
 *5のように、踏切事故は都会だけにあるのではなく、JR九州でも、シカなどが列車と衝突して遅れた「鳥獣類による輸送障害」が、2013年度に過去2番目となる計456回に上っているが、環境という視点から、鳥獣類ならひき殺してもよいということはない。また、滅多に列車の来ない踏切では、つい油断しがちになり、30分に1本しか来ない列車に出会って事故を起こす人間の子どもや車も少なくない。

*1:http://www.saga-s.co.jp/news/ronsetu.0.2671624.article.html
(佐賀新聞 2014年4月29日) 認知症事故の賠償 家族に責任を問うのは酷
 愛知県で徘徊症状がある認知症の91歳男性が電車にはねられ死亡した事故をめぐり、名古屋高裁が男性の妻の監督責任を認定し、359万円の損害賠償を命じた。超高齢化社会で在宅介護が奨励されている中、同居家族の責任を問うのは論議を呼びそうだ。厚生労働省によると、認知症の人は65歳以上の15%を占め、全国で約462万人(2012年度)と推計されている。佐賀県内は約2万人。そのうち3割が介護者も高齢の「老老介護」とみられている。徘徊に伴う事故が増えるのは避けられず、判決は決して人ごとではない。男性は2000年ごろから認知症の症状が出始め、1人で外出し行方不明になることもあった。事故が起きたのは07年12月7日。デイサービスから帰宅して、当時85歳の妻がうとうとしていた数分の間に、近くのJR駅構内で電車にはねられて死亡した。JR東海は遺族に損害賠償を請求したが、話し合いがつかず訴訟に発展した。一審の名古屋地裁は「徘徊を防止する措置を怠った」などと家族側の責任を認めた。これを不服とした控訴審で遺族側は「24時間一瞬の隙もなく、認知症高齢者に付き添うのは不可能」と主張していた。JR側は「男性には資産もあり、ヘルパーを頼むなど防止措置はとれたはず」と過失を指摘していた。鉄道事故が起きた場合、乗客の振り替え輸送費や人件費、設備修理費などを遺族側に請求するのが通例という。しかし、徘徊は認知症の特性であり、完全に防ぐことは難しい。スタッフがそろった施設でも防げない場合がある。認知症の男性には責任能力がなく、判決は監督者の法的責任を認めた。法律論では正しくても、老老介護の実態からは釈然としない思いが残る結論だ。自宅で懸命に介護してきた人が家族を事故でなくした上、多額の賠償を負わされるのは酷である。介護の専門家から「家族は精いっぱいやっているという実態を抜きにした判決」と憤る声が出るのも当然だろう。国土交通省によると、12年度に全国で発生した鉄道事故は811件で死者は295人。認知症患者の事故統計はないものの、高齢者が踏切などで列車にはねられる事故は県内でも起きている。交通事故を含めて社会的な対応がいる。男性は改札口を通ってホームに行ったとみられ、判決はJR側の監視が不十分だった可能性にも言及している。鉄道会社の社会的責任として、ホームや踏切などの安全対策を向上させると同時に、認知症について学ぶことも必要になりそうだ。全国1万1千人の会員を持つ「認知症の人と家族の会」は、今回の裁判に関し、認知症の行動から出た被害や損害については家族の責任にしてはいけないと主張している。解決策の一例として、介護保険制度の中に損害賠償の仕組みを設けることを提案している。ぜひ検討すべきだ。田村憲久厚労相は「今回のような事故が起こり得ること自体が大きな課題。どう防ぐかを念頭に置き、政策をつくりたい」と述べている。政府を挙げた自殺対策が成果を生んだように、啓発活動にとどまらず実効性のある取り組みを求めたい。

*2:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-224387-storytopic-11.html
(琉球新報社説 2014年4月27日) 徘徊事故高裁判決 家族に責任を押し付けるな
 認知症の高齢者を抱える家族にとっては酷な判決であり、理不尽の極みだろう。徘徊症状がある認知症の91歳の男性がJR東海の電車にはねられ、死亡した事故をめぐり、JR側が遺族に賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は男性の妻(91)の責任を認定し、359万円の支払いを命じた。昨年8月の一審判決は、男性の妻と長男(63)が「見守りを怠った」として、JR側の請求通り720万円の支払いを命じていた。高裁判決は「JR側の駅利用客への監視が十分で、ホームのフェンス扉が施錠されていれば事故を防げたと推認される」などとして減額した。妻の責任だけに変更したとはいえ、家族に責任を課す司法判断の本質は何も変わっていない。認知症患者の介護に当たる家族の実態を理解せず、高齢化社会が直面する問題に正面から向き合おうとしない判決だと指摘せざるを得ない。事故は2007年12月に発生。認知症で「要介護4」の認定を受けた愛知県大府市の男性がJR駅構内で電車と衝突して死亡。同居していた妻と近くに住む長男の嫁が目を離した隙に外出していた。男性の家族は、夜間の徘徊を防ぐため自宅玄関にセンサーを設置するなどの対応を取っていたが、高裁判決は「センサーを作動させる措置を取らず、監督不十分な点があった」とし、要介護1の認定を受けていた妻の責任を認めた。高裁判決は、高齢者が介護に当たる「老老介護」の厳しい実態にも目を閉ざし、非情ですらある。施設を利用している高齢者でさえ、徘徊で行方不明になる事例を考えると、在宅介護の厳しさは察するに余りある。徘徊の責任を家族に押し付ける司法判断がまかり通れば、認知症のお年寄りを社会から隔離し閉じ込めてしまうことになる。在宅介護を放棄してしまう家族も出てくるだろう。厚生労働省の調べでは、認知症高齢者は12年時点で462万人と推計される。にもかかわらず、認知症の理解と社会で支える仕組みは追い付いていないのが現状だ。国や自治体をはじめ、企業や学校など地域が連携した取り組みは待ったなしだ。今回の高裁判決は、介護する家族の意欲を大きく減退させるだけでなく、社会全体で認知症対策を考える機運をそぐ。判決は取り消されてしかるべきだ。

*3:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11110013.html?ref=nmail
(朝日新聞 2014年4月29日) 踏切、高齢者置き去り 渡りきれぬ場所、解消進まず
 高齢者が長い踏切を渡りきれず、犠牲になる事故がなくならない。理想は立体交差化を進めて長い踏切をなくすことだが、費用の壁は高い。進む高齢化にどう対応すればよいのか。現場を歩いて考えた。東京都足立区にある東武伊勢崎線の踏切。今年2月6日の夜、自転車を押していた女性(当時76)が、北千住駅を出発した急行列車にはねられて死亡した。踏切は長さ23メートル。普通、急行、快速など様々な列車が通るため、線路は5本ある。警視庁などの調べでは、女性が2本目にさしかかったころ、警報機が鳴り始めた。後ずさるように引き返し、1本目まで戻ったところではねられた。音が鳴り始めてから遮断機が下りるまで約20秒、その約20秒後に電車が通過した。今年3月、25歳の記者が実際に歩いてみると、18秒で渡りきった。だが、近くの羽室万里子さん(76)は32秒かかった。2~3年前から足腰が悪く、背中もやや丸い。踏切内は急ぎ足で進むようにしているが、向かいからの歩行者や自転車は、止まらないとよけられない。「危ないからできれば通りたくないけど、買い物に行くには一番近道なので」。踏切は北千住駅から約800メートルの場所にあり、朝夕は登下校の子どもや通勤する人、昼間は買い物客が多い。1時間に40分以上閉まることがあるとして国土交通省が認定する「開かずの踏切」の一つで、東武鉄道によると、ラッシュ時は1時間に49分閉まったままになる。遮断機が上がってすぐ、再び警報音が鳴ることも珍しくない。近所の遠峰良輔さん(68)は、渡りきれずに遮断機をくぐって外に出る人をよく見かけるという。「若い人はいいかもしれないけど、年寄りには不親切」と不満を漏らす。
■高架・地下化、費用の壁
 国交省は、歩行者の速度を成人並みの時速5キロ(秒速約1・39メートル)と想定し、警報機の鳴り始めから遮断機が下りるまでの標準時間を15秒としている。だが国立長寿医療研究センターの鈴木隆雄所長によると、75歳女性の平均歩行速度は秒速1メートル。高齢者は急がないと、長さ15メートル以上の踏切は渡りきれない計算になる。また、鈴木所長は「認知機能が低下した高齢者は、警報が鳴り出しても前に進むべきか戻るべきか瞬時に判断できない。パニックになっているうちに事故に遭いかねない」と指摘する。現状には、同じ国の機関からも疑問が示されている。総務省近畿管区行政評価局が大阪府内で長さ15メートル以上の踏切20カ所を調べたところ、4カ所で遮断機が下りるまでに電動車いすが渡りきれない可能性があった。同局は昨年10月、「高齢者や障害者に配慮していない」と国交省近畿運輸局などに指摘した。遮断機が下りるまでの時間を延ばす手もあるが、国交省鉄道局は「開かずの踏切がますます開かなくなり、渋滞が悪化する」と否定的。線路の高架化や地下化で踏切をなくすことを目指している。開かずの踏切を含めた全国の「危険な踏切」は2007年4月時点で1428カ所あった。そのうち13年3月までの6年間でなくなったのは130カ所だけ。土地の取得や建設に巨額の費用がかかるうえ、地権者との協議に時間がかかり、なかなか進まないという。JR東日本は、約7千カ所ある踏切の約4割に障害物検知装置を付けているが、対象は車だ。歩行者用は「動物やごみにも反応するため、導入予定はない」という。閉じ込めなどの事例には、約6割の踏切に設置した非常ボタンで対応する姿勢だ。ただ、列車の停止まで数百メートルかかることもあり、「押した後は中に入らないで」と呼びかける。(工藤隆治)
■臨時の歩道橋を
 鉄道事故に詳しい関西大の安部誠治教授(公益事業論)の話 都市部の踏切事故をなくすには、究極的には立体交差化が有効だ。少しずつ進んではいるが、一気に解消するのは難しい。立体交差化までのつなぎとして、臨時の歩道橋を造ったり、高齢者向けに簡易エレベーターを設置したりする対策が必要だ。
■周囲が見守って
 踏切事故の遺族でつくる「紡ぎの会」の加山圭子代表の話 高齢者や車いすの人が長い踏切を渡ろうとしている際は、周りの人が渡り終えるのを見届けたり、声をかけあって一緒に歩いたりしてもらえれば。そうすれば、万一、踏切内に取り残されそうになっても、すぐに非常ボタンを押したり、周囲に助けを求めたりでき、事故を防げるのではないか。
◆12年度は死者121人
 <高齢者の踏切事故> 2012年度に起きた全国の踏切事故295件のうち、60歳以上の通行者が巻き込まれたのは48%にあたる142件。死者数は121人で、ここ十数年ほぼ横ばいの状態が続いている。
■高齢者が巻き込まれた主な踏切事故
 <2014年1月 長さ:10m>
 神奈川県座間市の小田急線で杖をついた認知症の女性(84)が死亡
 <13年11月 長さ:9m>
 東京都世田谷区の東急大井町線で手押し車を押した女性(96)が死亡
 <13年10月 長さ:12m>
 横浜市緑区のJR横浜線で倒れた男性(74)を助けようとした女性(40)が死亡
 <13年8月 長さ:22m>
 横浜市鶴見区のJR横須賀・京浜東北線で杖をついた男性(88)が死亡
 <12年10月 長さ:9m>
 大阪府豊中市の阪急宝塚線で酸素ボンベのカートを引いた女性(73)が死亡
 <05年8月 長さ:41m>
 横浜市鶴見区のJR東海道・横須賀・京浜東北線で腰の悪い女性(80)が死亡


*4:http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=68092
(沖縄タイムス社説 2014年4月29日)  [認知症徘徊事故]地域で支える仕組みを
 認知症の介護現場に目をつぶり、介護家族を苦境に追いやりかねない。愛知県大府市で2007年12月、徘徊症状がある認知症の91歳男性がJR東海の電車にはねられ死亡した。この事故をめぐり、JR東海が遺族に振り替え輸送代などの損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は「見守りを怠った」などとして、男性の妻(91)の責任を認定し359万円の支払いを命じた。一審名古屋地裁では、遠くで別居する長男(63)の監督責任も認め、計720万円の支払いを命じていた。高裁判決は監督責任から長男を除いたものの介護家族の責任を問うたことに変わりはない。死亡した男性は認知症で「要介護4」、妻も「要介護1」と認定されていた。妻がまどろんでいるすきに男性は外出していた。判決は「男性が通常通っていた事務所入り口のセンサーを作動させなかった」と妻を非難したが、とても納得できるものではない。認知症の介護で24時間片時も目を離さず見守るのは不可能だ。そうするには部屋に閉じ込めるしかない。介護施設でも責任を恐れ、同じ措置をとるようになるだろう。国の「認知症施策推進5カ年計画(オレンジプラン)」は、施設から自宅を中心とする地域の中で生活することへの転換を目指している。介護家族を萎縮させるような判決は国の方針にも反する。判決はJR東海に対しても監視体制が十分でホームの扉を施錠していれば事故が防げたと推認されると指摘した。だが家族やJRだけの責任負担にしないためにも賠償制度の仕組みづくりが必要だ。
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 認知症は誰でもなる可能性がある。これからもさらに増加することが確実であることを考えると、決して人ごとではないからである。厚生労働省は、65歳以上の認知症高齢者は12年時点で、約462万人と推計している。予備軍の軽度認知障害は約400万人に達し、それを含めると、計約862万人に上る。65歳以上の実に4人に1人が該当する「認知症時代」が到来しているといっても過言でない。認知症徘徊に関し、ショッキングなデータがある。警察庁によると、認知症が原因で行方不明になったとして12年に9607人の届け出があった。沖縄県警にも63人。12年中に確認できた人は、それ以前から行方不明になった人を含め9478人。このうち359人は死亡していた。
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 国内でも地域ぐるみで認知症対策に取り組んでいる自治体があるが、NHKテレビで「認知症に優しい町」宣言をしたベルギーの地域が紹介されていたことを思い出す。住み慣れた自宅で暮らすことを前提に、NPOが中心となって市役所、警察、病院、商店街などに呼び掛け、緊密なネットワークをつくる。行方が分からなくなった場合でも情報を共有し、いち早く発見できるシステムを構築していた。認知症の高齢者が人間らしい生活を維持するために地域全体がどう向き合うか。ベルギーの事例は多くのヒントを与えるのではないだろうか。

*5:http://qbiz.jp/article/36591/1/
(西日本新聞 2014年4月26日) シカと衝突、最多317件 JR九州、鳥獣被害が倍増
 JR九州は25日、2013年度の運転事故発生状況を発表。シカなどが列車と衝突し遅れが発生する「鳥獣類による輸送障害」が、過去2番目となる計456回に上った。集計を始めた06年度の2倍超に増加。いずれも乗客にけがはなかった。同社によると、里山の荒廃などにより、線路沿いにシカやイノシシが出没するケースが増え、列車との衝突事故が年々増加。特にシカは13年度に317回で過去最多だった。豪華寝台列車「ななつ星in九州」でも計10回発生し、うち8回はシカだったという。同社は05年から、肥薩線でシカが線路内に侵入しないよう防護ネットを設置。日豊線、日田彦山線などでも同様の対策を進めている。同社は「防護ネット区間を延長し、衝突事故の減少に努めたい」としている。

| まちづくりと地域振興::2014.4~2015.4 | 05:41 PM | comments (x) | trackback (x) |

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