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2014.5.2 九州電力の原発について → 当然、再稼動すべきではない (2014.5.16追加あり)
  
                     *1-1より
(1)甘い想定を重ねて成り立っている原発の“安全性”
 *1-1のように、佐賀県が進めていた玄海原発事故時の避難時間シミュレーションが公表され、30キロ圏外への避難が最長で30時間半という結果になったそうだが、これは、避難途中の食事・トイレ、保育園・学校へのお迎え、入院患者・施設入所者などの災害弱者に関しては考慮されていないとのことである。そして、専門家は、佐賀県のシミュレーションは、「単に物理的な移動時間を示しただけで、実際の避難にかかる前後の時間を考慮しておらず、想定に無理がある」と指摘している。

 なお、最大の甘さは、30km圏内の住民だけが避難すればよく、「避難した住民は、事故が収まれば、すぐに帰宅して元の生活に戻れる」と想定しているところにあり、実際には、豊かだった土地や海が半永久的に使えなくなり、住民は、そのまま避難し続けるか、どこかへ移住しなければならないのである。

(2)玄海原発の周辺自治体である伊万里市の攻防とメディアの役割
 *1-1のように、伊万里市の塚部市長は、「伊万里市は防災行政無線が整備されておらず、初動体制に不安が残る。もっと現実的な計画が示されない限り再稼働は難しい」と強調したそうだが、これは、原発周辺自治体からの具体的な問題点の指摘だ。

 また、*1-2のように、西日本新聞記者が、「塚部市長の意見は、自治体の首長として正論であり、喝采を送るのは市民ばかりではない」「伊万里市長は正論を貫くか」と書いており、私も同感である。しかし、「市長は歴史という法廷の被告人席に座らされている」かもしれないが、その歴史の法廷は原発再稼働問題だけで市長に判決を下すわけではなく、伊万里市のよりよい発展という視点から判決を下す。そして、伊万里市は、産業振興では工業化を進めており、経産省、九州経済団体、九電から有形無形の圧力がかかる可能性があるので心配だ。

 そのような中、伊万里市長が正論を通せるか否かは、西日本新聞や佐賀新聞などのメディアが、原発の危険性に関する正しい情報を報道して主権者に知らせるか否かにかかっており、これが民主主義社会におけるメディアの役割であって、既存の権力や広告料に弱いメディアでは民主主義は守れない。

(3)そのほかも甘い想定ばかりである
 *2-1では、九州工業大学原子核物理学の岡本名誉教授が、「九電は、炉心溶融は起きえないと本心では考えているのではないか」と指摘するように、原発の過酷事故対策は甘い。

 また、*2-2のように、地震・津波という自然現象についても、九州大学地球科学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所の辻健准教授らのグループが、「南海トラフ地震の発生源とされる巨大断層が、従来の想定より約30キロ沖まで延びている」とする調査結果をまとめており、これまでの巨大断層の想定が過小だったことがわかる。

 さらに、*2-3のように、「脱原発をめざす首長会議」は、原子力規制委が審査を進めている九電川内原発1、2号機の再稼働反対や避難計画の問題点などを訴える決議を採択し、川内原発については、巨大噴火の被害を受ける恐れを指摘するとともに、原発の新規制基準についても、コアキャッチャーを義務付けておらず「世界一厳しい基準とは言えない」と批判しており、事故時の避難計画に関しては、「避難者の受け入れ計画とセットでなければ円滑な避難はできない」としており、もっともである。

(4)川内原発の周辺地域も頑張らないと
 *3のように、九電は4月30日に川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)再稼働の前提となる審査の申請書類について、原子力規制委員会の指摘を反映した内容に作り直して再提出したそうだ。過酷事故対策として格納容器内の水位を正確に測るための水位計増設に取り組むそうだが、このような子ども騙しの対策で過酷事故が防げると思っているのだろうか。

 川内原発周辺の鹿児島、宮崎、熊本各県は、豊かな自然と農林漁業を有する日本の南の食糧庫であり、天孫降臨伝説のある高千穂の近くでもある。原発で発電することと、これらの資産を守ることのどちらが大切かは、再度書くまでもないだろう。

*1-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2672991.article.html
(佐賀新聞 2014年5月1日) 原発の避難時間推計 患者搬送に不安の声
 玄海原発の事故時の大渋滞を想定し、佐賀県が作業を進めていた避難時間シミュレーションがようやく公表された。30キロ圏外への避難が最長で30時間半という結果に、住民からは「想像以上」の声が上がる一方、長時間に及ぶ患者搬送などの課題も浮上している。県試算の“最悪”ケースは、原発に近い場所ほど周辺部の渋滞で逃げ遅れるという想定で、5キロ圏内から30キロ圏外に出るまで30時間半。玄海町内の自営業男性(67)は「避難するのに1日ほどかかるのは覚悟していたが、予想以上。別の避難道を造るなどして1時間でも早く避難する方法を考えて」と訴えた。原発から十数キロ離れた唐津市中心部でも16時間かかるとみられ、七山経由で神埼市に避難することになる女性(61)は「避難に半日かかれば、食事やトイレの問題も出てくる。学校へのお迎えで混雑するだろうし、交通誘導をよほどうまくやらないと、もっと時間がかかる」と指摘した。シミュレーションは地域ごとの推計を出しておらず、自治体の詳細な分析はこれから。唐津市は西九州自動車道を使った福岡県経由の避難で、県内の渋滞が緩和できることに着目。岡本憲幸総務部長は「福岡方面への避難が早いことがシミュレーションでも証明された。秋の訓練までには避難ルートや避難場所の見直し作業を終え、市民に周知できれば」と語った。ただ、入院患者や施設入所者など“災害弱者”対策となると、5キロ圏内のみで、5~30キロ圏は示されていない。伊万里市の山元記念病院の山元章生理事長は「患者の状態が避難中に悪化することもある。要支援者を避難させるには、もっと細かな想定が必要で、医療関係者も交えて避難シミュレーションを考えるべきだ」と県に注文をつけた。昨秋の予定が半年遅れての結果公表。国の原発安全審査が最終段階に近づくなか、再稼働の“条件整備”という見方も少なくない。玄海町の岸本英雄町長は「避難時間は想定の範囲内」とした上で、「安全対策工事も進んでおり、推計結果は直接、再稼働に影響するものではない。避難計画の精度を高める材料に生かしたい」と受け止めた。一方、市民の30キロ圏外避難が、基本ケースで7時間以内という結果が出た伊万里市の塚部芳和市長は「本当にそうなら一安心だが、大丈夫だろうかという思いが強い」と語り、玄海原発の再稼働について「伊万里市は防災行政無線が整備されておらず、初動体制に不安が残る。もっと現実的な計画が示されない限り再稼働は難しい」と強調した。玄海原発の廃炉を求め提訴している市民団体の石丸初美代表は「そもそも避難先の受け入れ態勢を含め、防災計画は不備だらけ。避難時間の予測自体できるわけがない」と厳しく批判した。
■「想定に無理ある」 専門家指摘 準備時間考慮されず
 玄海など国内全原発の住民の避難時間を独自試算している民間団体「環境経済研究所」(東京都)の上岡直見代表は、県のシミュレーションを「物理的な移動時間を示しただけで、実際の避難にかかる前後の時間を考慮していない」と不十分さを指摘する。3月に原子力規制庁と統合した原子力安全基盤機構による避難時間の定義は、「避難準備時間」「移動時間」「避難完了確認時間」の総和になっている。しかし、県のシミュレーションは、避難指示までに避難準備が整い、指示と同時に移動を開始したと想定。「実際に大事故が起きたときにそのようなスムーズな行動ができるのか。想定として無理がある」と疑問を呈す。これに対し、県消防防災課は「現実的には準備できない人もいるだろうが、準備時間については事故のケースによって大きく変わるので想定は難しい」とし、円滑な避難準備ができるようになるため、今後広報や訓練を通じて体制の充実を図るとしている。上岡さんは「住民の被ばくの可能性について全く触れないなどほかにも問題点はあるのに、県は安全に避難できることが確認できたと言っている。現時点でそこまで言う立地自治体はほかに聞いたことがない」と話した。

*1-2:http://qbiz.jp/article/36891/1/
(西日本新聞 2014年5月2日) 伊万里市長は正論を貫くか
 前任地という縁もあり、佐賀県伊万里市の動向が気になっている。玄海原発(佐賀県玄海町)から最短で12キロ。市は九州電力との原子力安全協定に原発立地自治体並みの権限である「事前了解」を盛り込むよう求めているが、九電側が難色を示しており、原発30キロ圏の自治体で唯一、九電と協定を結んでいない。塚部芳和市長は昨年3月、本紙のインタビューにこう語っている。「福島第1原発事故で、私の意識は大きく変わりました。放射性物質は広範囲に拡散し、事故が立地自治体だけの問題ではないことが分かりました。玄海原発で事故が起きると、とんでもないことになる。市民の生命、財産を守る首長として、危機意識を強く持つようになりました」。
 自治体の首長の意見としては正論であり、喝采を送るのは市民ばかりではあるまい。だが、一方の九電は伊万里市との協定に立地自治体並みの権限を盛り込むのは難しいとの立場。県と玄海町に限っている「地元」の範囲を広げると原発再稼働がやりにくくなる上、唐津市などと既に締結している協定との整合性がとれなくなるためとみられる。原子力規制委員会が玄海原発3、4号についても再稼働の前提となる審査を進める中、このまま両者の協議が平行線をたどるとどうなるか。2基が審査に合格したとしても九電は、伊万里市と協定を結ばないまま再稼働に踏み切れるだろうか。再稼働の地元了解プロセスは国が明示していないが、九電にとって難しい判断になるのは間違いない。再稼働を強行すれば、伊万里市内外から「乱暴なやり方だ」といった批判が集まることが想定される。
 北海道函館市は4月、電源開発(Jパワー)が青森県大間町に建設中の大間原発の建設中止を求めて提訴に踏み切った。伊万里市が同様の行動に出る可能性も否定はできない。
 一刻も早く原発再稼働を実現させたい九電としては協議の“落としどころ”を見いだしたい。しかし、4月に4選を果たしたばかりの塚部氏にも、譲歩の余地は少ない。思い起こされるのは昨年12月、協定について「交付金を取るための駆け引きの道具」と発言し、謝罪に追い込まれた経緯。仮に九電側からカネを引き出す形で事態を収束しようとすれば、市長も九電も「市民の安全をカネに代えるのか」といった批判は免れない。「市長は常に歴史という法廷の被告人席に座らされている」。かつて、原発とは関係のない、ある問題で重要な決断を迫られたときの塚部市長の言葉だ。今回の問題は原発再稼働に絡むだけに、さまざまな角度から有形無形の圧力がかかることも想像に難くない。歴史の判決を受けるべく、市長が正論をどこまで貫き通すか注目している。

*2-1:http://qbiz.jp/article/36615/1/ (西日本新聞 2014年4月27日) 
原発過酷事故備え万全か 懸念残る九電シナリオ 溶融物冷却できるか
 原発の過酷事故対策が不十分ではないか−。専門家から、そんな疑問の声が上がっている。事故で冷却機能が失われ、原子炉内の核燃料が溶融し、炉を覆う格納容器を破壊して大量の放射性物質を放出させる「過酷事故」。安倍政権は原子力規制委員会の新規制基準を「世界一」と強調するが、世界ではそれを上回る安全性を整えた新設炉が建設されている。新基準では、格納容器内の圧力が高まった際、爆発を避けるため、放射性物質を含む気体を外部に排出させるベント(排出口)と呼ばれる最終手段も、九州電力などの加圧水型軽水炉(PWR)では設置の先送りが認められた。「コアキャッチャーの設置は求められていなかった。(略)。格納容器の圧が高まっていた。溶け出した核燃料が圧力容器(原子炉)を破壊し、格納容器のコンクリートと反応し、大量の水素と一酸化炭素が発生している証左であった。ベントを行うしかなかった…」。現役国家公務員が「若杉冽(れつ)」のペンネームで原発政策の問題点を告発した小説「原発ホワイトアウト」終盤の一節。東京電力福島第1原発事故後の新規制基準と電力会社の対応がなお不十分で、過酷事故に見舞われるという設定だ。小説に出たコアキャッチャーとは、原子炉から溶け出した3千度弱の炉心溶融物を受け止め、近接する貯留部に誘導して冷やすなどする設備だ。フランスのアレバ社は、フィンランドや中国、フランスで建設中の次世代原子炉(欧州加圧水型炉)に設ける。ホワイトアウトが指摘した、溶融物とコンクリートとの反応で、容器を爆発させるような事態を回避するためだ。だが規制委の新規制基準にコアキャッチャーの設置義務はない。では、九電などPWR保有各社の対策はどのようなものか−。規制委の審査で九電は、配管の破断で原子炉に冷却水が送れず、電源も失われた過酷事故対策を説明してきた。何とか移動式発電機をつないで格納容器への注入を再開するなどし、原子炉下のキャビティーと呼ばれるスペースに水をため、落下する溶融物を徐々に冷やすシナリオだ。この対策に、疑問の声が出ている。「溶融物がキャビティーに徐々に落ちると、水中で小さい粒になる。粒は膜に覆われ熱を保ち続け、膜が何かのきっかけで連鎖的に破け始めると、最も破壊力がある水蒸気爆発につながる可能性がある」。元燃焼炉設計技術者の中西正之さん(70)=福岡県水巻町=はこう指摘する。一方、水をためなければ「ホワイトアウト」の展開通り、コンクリート反応で水素や一酸化炭素が発生するリスクが高まるという。燃料溶融で発生する水素で建屋が爆発したとされる福島原発3号機。ただ、国会事故調の報告書では、爆発直前にオレンジ色の閃光(せんこう)が確認されたことに触れ「一酸化炭素の不完全燃焼と推論すると理解しやすい」と、複合要因の可能性を指摘している。キャビティーに水をためれば水蒸気爆発、水をためないとコンクリートと反応し一酸化炭素などによる爆発の懸念が残る。九州工業大の岡本良治名誉教授(原子核物理学)は「格納容器の爆発を防ぐには最終的にはベントで放射性物質を外に逃がして減圧するしかない」と説明。ただ、格納容器が大きいPWRは、気体の密度が高まりづらく爆発の危険性が比較的低いとして、ベント設置は5年間猶予された。「九電は、炉心溶融は起きえないと本心では考えているのではないか」。岡本名誉教授は指摘する。東電は、柏崎刈羽原発を抱える新潟県からの「コアキャッチャーを設置しないのか」との質問に、「格納容器下部に耐熱材を敷設するなど、浸食を軽減させるさらなる安全性向上策を検討中」と、新基準を上回る独自の追加対策を示唆している。

*2-2:http://qbiz.jp/article/36702/1/
(西日本新聞 2014年4月29日) 南海トラフ断層、30キロ長かった 九大グループが構造解明
 九州大カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所の辻健准教授(地球科学)らのグループは、南海トラフ地震の発生源とされる巨大断層が、従来の想定より約30キロ沖まで延びているとする調査結果をまとめた。辻准教授によると、この断層の構造が解明されるのは初めて。国際学術誌「アース・アンド・プラネタリー・サイエンス・レターズ」(電子版)に発表した。辻准教授によると、調査は1944年の東南海地震の震源となった紀伊半島沖で実施。沖合約100キロの南海トラフ付近から日本列島方向へ約60キロの線上で、海上から海底に向けて音波を発信して断層の亀裂内の水圧を調べた。亀裂内の水圧が高い箇所ほど活発に動くと考えられており、高水圧が連続する巨大断層とみられる層を確認。従来、地震を引き起こす巨大断層は陸側から南海トラフの手前約30キロにかけて延びていると考えられていたが、南海トラフ付近までつながっていることが分かったという。周辺の断層群は巨大断層から分岐したものと考えられるという。辻准教授は「地震発生前は断層内の水圧の数値が変化する可能性が高く、継続して水圧を調べることで地震や津波が予測できる可能性がある」としている。南海トラフは東海沖から九州沖の海底にある深さ約4千メートルの細長い溝状の地形。政府はマグニチュード9の巨大地震が発生した場合、津波などで最大33万人以上が死亡するとの想定を発表している。

*2-3:http://qbiz.jp/article/36616/1/
(西日本新聞 2014年4月27日) 川内再稼働に反対 脱原発首長会が決議 火山リスク問題視 
 鹿児島、佐賀など39都道府県の現職の市町村長やOBなどでつくる「脱原発をめざす首長会議」(94人)は26日、神奈川県小田原市で総会を開き=写真、原子力規制委員会が優先的に審査を進めている九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働反対や避難計画の問題点などを訴える決議を採択した。再稼働に反対する川内原発については、巨大噴火の被害を受ける恐れがあると指摘。東京電力福島第1原発の事故を受けた原発の新規制基準も、溶けた核燃料を受け止める設備(コアキャッチャー)を義務付けておらず、「世界一厳しい基準ではない」と批判した。事故時の避難計画に対しては、「避難者の受け入れ計画がセットでなければ、円滑な避難ができない」と主張。総会に参加した福島県双葉町の井戸川克隆前町長は、長期化する避難生活を紹介して「私たちの悲惨な経験が何も生かされていない」と訴えた。九州から加盟する9市町村長は欠席したが、玄海原発がある佐賀県玄海町民の避難先となっている同県小城市の江里口秀次市長は、取材に対し「避難が長期化した際の受け入れ態勢を市町村に求められても不可能。原発を再稼働させるのなら、国は住民の避難にも責任を持つべきだ」と話した。

*3:http://qbiz.jp/article/36856/1/
(西日本新聞 2014年5月1日) 川内再稼働、九電が申請書再提出
 九州電力は30日、川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働の前提となる審査の申請書類について、原子力規制委員会の指摘を反映した内容に作り直して再提出(補正申請)した。最大規模の揺れ(基準地震動)や最大規模の津波の想定(基準津波)を厳しく見直し、安全対策を追加した。九電は基準地震動を540ガルから620ガルへ、基準津波を約3・7メートルから約5・4メートルへ引き上げたほか、津波対策として海抜15メートルの防護壁の設置を追加。格納容器内の水位を正確に測るため水位計を増設するなど、過酷事故対策にも取り組む。全対策の工事費は約1300億円、工事終了は6月末の予定。規制委は今後、判断をまとめた審査書案を策定し、意見募集などを行う。機器の耐震評価の審査など全ての手続きが順調に進んでも、再稼働は8月以降になる見通し。


PS(2014.5.2追加):*4のような人間の不注意や操作ミスもありますが、空調設備とポンプのスイッチを間違うなどということは普通の会社でもありませんので、本当は故意ではないでしょうね。

*4:http://www.47news.jp/CN/201405/CN2014050201002093.html
(47ニュース 2014/5/2) 汚染水誤送、スイッチ間違えたか 東電福島第1原発
 東京電力福島第1原発で使う予定のないポンプが動き、移送先ではない建屋に高濃度汚染水が流入した問題で東電は2日、建屋で作業していた社員が空調設備を動かそうとした際、誤ってポンプのスイッチを入れた可能性が高いとの調査結果をまとめ、原子力規制委員会に報告した。この問題では、「プロセス主建屋」と「焼却工作建屋」の二つの建屋にあるポンプ4台が動き、本来の移送先ではない焼却工作建屋に汚染水が流入した。東電は、プロセス主建屋の水位が3月20日以降急上昇しているため、同日、ポンプ電源が入ったと推定。社員への聞き取りで、空調設備の電源を入れた社員がいたことを確認した。


PS(2014.5.16追加):*5のように、川内原発再稼働の動きがあり、九州の経済団体連合会は再稼働を要請しているが、自社を原発から遠く離れた場所に置きながら、「原発は安全だ」と称して再稼働を推進するのはエゴが過ぎる。そのため、「原発は安全だ」と主張する会社は、外部企業との関係が少ない本社管理部や経理部、工場を玄海町や薩摩川内市に移してもらいたい。玄海町(福岡市に近い)や薩摩川内市(鹿児島市に近い)及びその周辺にも住民は多くいるのであり、農林漁業を中心とする産業もある。そこに、いくつかの製造業が移転してくれば、そもそも玄海町や薩摩川内市は原発を再稼働する必要もなくなるし、現在は、原発を誘致した時代とは違って、どちらもちょっと手を入れれば便利な地域になる。

*5:http://qbiz.jp/article/37842/1/
(西日本新聞 2014年05月16日) 川内原発再稼働、9月以降か 申請書再提出は5月末に
 九州電力は15日、川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働の前提となる審査で、原子力規制委員会から42カ所の記載漏れを指摘された申請書類の出し直し(再補正)が5月末になる見通しを示した。審査会合で九電の中村明上席執行役員は、これまで同月末に提出するとしていた工事計画などほかの申請書類の提出について「作業的に厳しくなり、6月にずれ込む」と述べた。この影響で審査終了は7月以降になり、地元了解を取り付けて再稼働するのは9月以降になる可能性が高まった。

| 原発::2014.5~8 | 02:54 PM | comments (x) | trackback (x) |

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