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2014.8.26 特定秘密保護法について ― 日本政府にないと言われた福島第1原発事故の議事録が、アメリカの情報公開法で米国が保有 していた資料として公開された事例をもとに (2014年8月28日、30日に追加あり)
      
フクイチ1号機爆発 3号機爆発    フクイチ爆発による汚染状況

(1)フクシマ原発事故の吉田調書について
 *1-3に書かれているとおり、フクシマ原発事故に関して政府事故調が行った東電の吉田元所長(故人)からの聴取記録が、第三者の権利や利益、国の安全に関する部分が黒塗りという条件付きではあるが、9月に公開されることになった。吉田氏は生前、自分の発言が独り歩きする懸念から、内容を非公開とする上申書を提出していたそうだが、国民の税金を使って調査している政府事故調に話しているのであり、フクシマ原発事故の原因や今後の日本のエネルギー政策に重要な意味のある国民の資産となるものである以上、公開されることを前提に話すべきだった筈だ。そして、聴取記録を読む人も馬鹿ばかりではなく、複数の証言や証拠と突き合わせて判断するため、独り歩きする問題はないだろう。

 なお、*1-1、*1-2に書かれているとおり、原発周辺の13市町村長(当時)と福島県知事は、取材に応じた11人中8人が公開を求め、とりわけ、福島第一原発のある双葉、大熊、浪江町、南相馬市、楢葉町、川内村、葛尾村、いわき市などの8首長(当時)が公開を求めているそうだ。このようにして、言論の力で公開にこぎつけたフクシマ原発事故に関する朝日新聞の報道は、フクシマ原発事故の真実に迫るために有用であり、勇気ある行動だったと私は評価している。

(2)フクシマの現実と驚くべき解決策
 *2-1に書かれているとおり、福島事故直後、日本政府が作成していないと発表していた議事録を、米国政府は作成しており、それが、アメリカ連邦情報公開法に基づく開示決定で公開されたそうだ。また、米国NRCは、近藤駿介氏の1535本の燃料棒が溶融するとされる最悪シナリオよりも多い2000本以上の燃料棒が96時間以内に溶ける事態を想定していたことが判明し、同心円上ではなく風向きまで予想した内容(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム《SPEEDI》でわかる)となっていた。

 しかし、これらSPEEDIの情報は日本では公開されず、*2-2のとおり、フクシマ原発事故の恐ろしさを肌身で知る福島の人たちが、特定秘密保護法に関する公聴会で、「秘密より情報公開が重要だ」として特定秘密保護法案への懸念を語り、「SPEEDIの情報が適切に公開されず、町民が放射線量の高い地域に避難した」「情報公開がすぐに行われていれば低線量被曝を避けることができた」などの問題を述べている。

 にもかかわらず、*2-3のように、フクシマ原発事故で初期の住民避難に活用されなかったとして、原子力規制委員会は「SPEEDI」の来年度予算を半額以下に大幅減額する方針だそうだが、これは、活用しなかった人が悪かったにすぎない。また、大幅減額の理由は、放射性物質の広がりを即座に予測できないためとされ、代わりに放射線量を実測するシステムを強化するとのことだが、実測は事後にしかできないため、実測より予測の方が速いのは明らかである。原子力規制委員会は、こういうレベルか・・・。

 さらに、SPEEDIの予測は、各地点のモニタリングポストで実測した数値を入れていくことで、事実に基づいた実測にしていくことができ、逆算すればどれだけの分量の放射性物質が放出されたかもわかる筈だが、そのSPEEDIを辞めて、周辺のモニタリングポストなどの実測値のみをもとに避難させれば、それだけローテクになって被曝リスクが上がり、住民の安全は守られない。

 なお、SPEEDIの予測は、原発が稼働していなくても、廃炉時や放射性物質を含むゴミ焼却時(本当は、放射性物質を焼却して空気中に放出してはいけない)の放射性物質の拡散予測にも役立つ。

(3)特定秘密保護法について
 *3-1に書かれているとおり、国民の反対を押し切って2013年12月に成立した特定秘密保護法は、政府に不都合な情報が恣意的に隠蔽され「国民の知る権利」が制限されかねないとの指摘が多いにもかかわらず、政府は、秘密を漏らした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法の運用基準に関する素案をまとめ、その実際の運用は各府省の判断に委ねるとのことである。

 そして、監視機関は、*3-2に書かれているとおり、内閣官房に「内閣保全監視委員会」、内閣府に「独立公文書管理監」を設置するそうだが、是正要求に強制力がない上、どちらも政府内の官僚組織であるため、内部統制や内部監査程度の役にしか立たず、政府(=行政)を監視することはできないため、監視機関に独立性があるとはとうてい言えないものである。つまり、行政のやりたい放題となり、内部通報窓口や秘密指定の対象制限などは、それらが秘密に運用される以上、何の役にも立たないのだ。

 つまり、「議事録を作りたくないから、会議を開かない」とか「放射線被害の実態を知られたくないから、SPEEDIを活動不能にする」などというのが、現在実行されつつある驚くべき事態で、それに特定秘密保護法が加わるわけである。

(4)秘密保護に関する世界基準と日弁連の意見
 *4-1に書かれているように、世界の潮流は、「ツワネ原則」に示されているとおり、国家機密の必要性は認めながらも、国が持つ情報の公開原則とのバランスに配慮すべきだと勧告しており、公開の規制対象は国防計画、兵器開発、情報機関の作戦や情報源などに限定して、①国際人権・人道法に反する情報は秘密にしてはならない ②秘密指定の期限や公開請求手続きを定める ③すべての情報にアクセスできる独立監視機関を置く ④情報開示による公益が秘密保持による公益を上回る場合には内部告発者は保護される ⑤メディアなど非公務員は処罰の対象外とする としており、もっともである。

 また、情報を秘密にする正当性を証明するのは政府の責務で、秘密を漏らした公務員を行政処分にとどめず刑事訴追できるのは、情報が公になったことが国の安全に「現実的で特定できる重大な損害」を引き起こす危険性が大きい場合に限るとしているが、日本の特定秘密保護法案をめぐる審議に、この新しい国際的議論の成果は反映されていない。

 さらに、法案の狙い(!)である違反者への厳罰化も疑問で、欧米では敵国に国家機密を渡すスパイ行為は厳罰だが、これに該当しない秘密漏えいの最高刑は英国が禁錮2年、ドイツが同5年までで、日本の法案と同じ最高懲役10年の米国(2010年に過剰機密削減法成立)は、欧州諸国と比べて厳しすぎるとの指摘があり、欧米は近年、むしろ情報公開を重視する方向に進んでいるのである。

 また、*4-2のとおり、日弁連は、会長声明を出して、特定秘密保護法案に反対し、ツワネ原則に則して秘密保全法制の在り方を全面的に再検討することを求めている。

(5)次は、放射線の安全神話(!)
 *5に、「福島の37万人を調査した結果、フクシマ原発事故で、子どもの甲状腺癌の発症割合は、第一原発周辺で避難などの措置がとられた「13市町村」では0.034%。県中央の「中通り」は0.036%、沿岸部の「浜通り」は0.035%と地域差はなかった」「原発から一番遠い会津地方は0.028%とやや低めだったが、医大は検査を終了した子どもが、ほかの地域に比べ少ないためと説明した」「国立癌研究センターなどによると、10代の甲状腺癌は100万人に1~9人程度(0.0001~0.0009%)とされてきたが、自覚症状のない人も含めた今回のような調査は前例がないので比較が難しい」などとしている。

 ここで分析の間違いを列挙すると以下のとおりだ。
  1)フクシマ県内の13市町村という、いずれも放射能汚染された地域同士で甲状腺癌の発症割合
    を比較して、「地域差はなかったため、この甲状腺癌は原発事故の影響ではない」としている
  2)原発から一番遠い会津地方の低めの数値を、母集団に対する割合で比較せず検査終了児の
    割合が低いせいにしている上、そもそも事故から3年半も経過しているのだから、本来、全員、
    検査終了しておくべきである
  3)甲状腺癌の発見率が、10代の平均の40~300倍以上もあることについては、「自覚症状のない
    人も含めた今回のような調査は前例がないので比較が難しい」として、統計の取り方のせいに
    している

 これらは、放射線の安全神話を造るための結論ありきの調査分析であり、本当は、フクシマ事故で放射能汚染されていない大阪以西の地域で、20,000~100,000人くらいの同年齢の全児童を検査し、比較対象とすればすぐに明確になることだ。この際、食物からの内部被曝もしていない地域を選ぶのがよいため、大都市は避け、食品の地産地消が進んでいる九州の農漁村がよいだろう。

<フクシマの吉田調書について>
*1-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11309241.html
(朝日新聞 2014年8月21日) 吉田調書、8人「公開を」 福島原発事故県内の14首長
 福島第一原発事故を調査した政府事故調査・検証委員会が吉田昌郎元所長(故人)を聴取した記録(吉田調書)について、原発周辺の当時の13市町村長と福島県知事に公開すべきかを聞いたところ、取材に応じた11人中8人が公開を求めた。朝日新聞は、原発から20キロ圏内の警戒区域や、20キロ圏外で放射線量が年20ミリシーベルト超の計画的避難区域などの指定を受けた市町村長13人と、福島県の佐藤雄平知事を取材した。政府事故調の委員を務めた川俣町の古川道郎町長と、広野町の山田基星前町長は取材に応じず、富岡町の遠藤勝也前町長は取材依頼中の7月に亡くなった。福島第一原発のある双葉、大熊両町のほか、浪江町、南相馬市、楢葉町、川内村、葛尾村、いわき市の8首長(当時)は吉田調書の公開を求めた。佐藤知事と田村市長、飯舘村長は判断を保留した。11人中6人が聴取されたと答え、5人は自身の調書の公開を認めると答えた。政府は約770人分の調書について、聴取対象者に意向を確認中。民主党政権の関係者では、細野豪志元原発相らが調書の公開を容認する考えを明らかにしている。本人の同意があり、第三者の権利を侵害したり、国の安全に関係したりする部分を除き、年内に公開する。ただ、吉田調書については本人が非公開を求めているとして開示しない方針だ。

*1-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11175493.html?ref=reca
(朝日新聞社説 2014年6月6日) 吉田調書 国民の財産を隠すな
 政府は誰のために活動しているのか。国民のためであろう。政府が集めた情報は、国民の財産である。福島第一原発の事故後、政府の事故調査・検証委員会は当時の吉田昌郎所長(故人)をはじめ772人もの関係者から聴取をした。なのに政府事故調が短期間で活動を終えた後、政府は貴重な証言を死蔵し、聴取対象者も開示していない。改めて主張する。政府は証言類をただちに最大限、公開すべきだ。菅官房長官はきのう「本人の同意が得られたものは必要な範囲で開示したい」と述べ、関係者の意思確認を指示した。しかし、吉田氏の聴取結果書(吉田調書)は非開示の方針を崩していない。「本人が上申書で非開示を求めている」との理由だが、納得できない。吉田氏は現場責任者である。本来なら国会など公の場で自ら詳しく証言すべきところ、病気と死去でかなわなかった。今となっては、吉田調書は最も貴重な国民の財産だ。吉田氏自ら聴取の冒頭で「ほぼそのままの形で公にされる可能性がある」と説明され、「結構でございます」と答えている。後に事故調に提出した上申書で吉田氏は記憶違いを心配しているが、他の証言などと照らせば明らかになる。他者の評価などを率直に語っている点も、調書の開示ルールを作れば済み、全体を非公開とする理由にはならない。朝日新聞が入手した吉田調書をみると、事故調の分析は不十分とわかる。最終報告書は「東京電力が全員撤退を考えていたかどうか」との観点から証言に触れているが、所長の指示・命令が守られず、現場で指揮に当たる職員まで10キロ以上離れた福島第二原発に一時退避したという指摘は無視された。当時、何が起きていたのか。関係者がどう判断し、どう動いたのか、動かなかったのか。そもそも事故調は全容解明にはほど遠いことを認め、調査継続を強く求めていた。政府による事実上の調査打ち切りは、国民の期待に反している。閣僚などの立場で事故の対応にあたった民主党関係者の多くも「自らの調書を公開していい」と表明している。政府は証言者の意思確認で公開の意義を強調し、積極的に同意を求めるべきだ。特に事故対応に深くかかわった人は公開が原則でなければならない。証言類を幅広く公開することで、悲惨な事故が改めて多角的に分析されるはずだ。

*1-3:http://mainichi.jp/select/news/20140825k0000e010192000c.html
(毎日新聞 2014年8月25日) 原発事故・吉田調書:官房長官「9月に公開」一部黒塗りで
 菅義偉官房長官は25日午前の記者会見で、東京電力福島第1原発の事故を巡り、政府の事故調査・検証委員会(政府事故調)が行った吉田昌郎元所長(故人)の聴取記録について「9月のできるだけ早い時期に公開する」と発表した。公開内容については「第三者の権利や利益、国の安全に関する部分は黒塗りにしたい」と述べ、部分的に非開示にする考えを示した。吉田氏は生前、提出した上申書で内容を非公開とするよう求めており、政府はこれまで公開してこなかった。しかし、朝日新聞や産経新聞が聴取内容を報道。菅氏は方針転換の理由について「一部のみを記事にした複数の報道があり、(自分の発言が)『独り歩き』するとの吉田氏の懸念がすでに顕在化している。非公開とすることが本人の意思に反する」と説明した。政府は、政府事故調から聴取を受けた他の東電や政府関係者にも意向を確認し、本人の同意が得られたものから順次、公開する方針。菅氏は「年内には(公開を)全て終えたい」と述べた。

<フクシマの現実と驚くべき解決策について>
*2-1:http://echo-news.net/japan/usnrc-disclosed-fukushima-criss-proceedings (echo-news 2013.11.21) 日本政府にない福島第1事故の議事録、米国が保有 アメリカ情報公開法で公開
 アメリカNRC最高決定機関・時系列議事録福島事故直後に、日本政府が作成していないと発表していた議事録を、米国政府が作成していたことが判明しました。アメリカ連邦情報公開法に基づく開示決定で、本紙編集長の江藤貴紀などに公開しました。さらに、米国NRCは、別の文書も情報公開。近藤駿介氏の1535本の燃料棒が溶融するとされる最悪シナリオよりも多い2000本以上の燃料棒が96時間以内に溶ける事態を想定していたことも判明。加えて、同心円上ではなく風向きまで考慮したより危険な内容となっています。

*2-2:http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_gnavi#Edit2
(朝日新聞社説 2013年 11月 26 日)秘密保護法案―福島の声は「誤解」か
 特定秘密保護法案を審議する衆院の特別委員会がきのう福島市で地方公聴会を開いた。福島第一原発の事故は日本にとって近年最大の危機だった。その恐ろしさを肌身で知る福島の人たちは公聴会で、口々に法案への懸念を語った。秘密より情報公開が重要ではないか――。そんな意見が相次ぎ、自民党の推薦者を含む全員が法案に反対した。与党である自民、公明両党は、この事実を重く受けとめるべきだ。「情報公開がすぐに行われていれば低線量の被曝(ひばく)を避けることができた」。浪江町の馬場有(たもつ)町長は、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の情報が適切に公開されず、町民が放射線量の高い地域に避難した問題を取り上げた。自民、公明両党の委員は「誤解がある」「今回の法案の対象ではない」と反論したが、そう単純な話ではない。危急の時にあっても行政機関は情報を公開せず、住民の被曝につながった。その実例を目の当たりにしたからこそ、秘密が際限なく広がりかねない法案のあり方に疑問を投げかけているのではないか。法曹関係者は公聴会で「(秘密の範囲について)拡張解釈の余地をきちんと狭めるべきだ」と指摘した。特別委員会の審議で明らかになった、こんな事実もある福島第一原発の事故直後、現場の状況を撮影した情報収集衛星の画像を、政府が秘密保全を理由に東京電力に提供しなかったというのだ。東電には秘密保全措置がないから、画像は関係省庁だけで利用した。代わりに商業衛星の画像55枚を4800万円で購入して東電に提供したという。情報収集衛星は災害目的にも使われるはずだった。それが肝心のときに「秘密」にされた。公聴会の出席者に自民党議員は「どうぞ信頼していただきたい」と述べた。どう信頼すればいいのか。反対意見を真摯に受け止めるべきだ。地方公聴会を、みんなの党、日本維新の会を含めた4党による衆院通過に向けたアリバイづくりにしてはならない。福島県議会は10月、法案への慎重対応を求める意見書を出した。「もし制定されれば、民主主義を根底から覆す瑕疵(かし)ある議決となることは明白である」と訴えている。与党はもう一度、考えたほうがいい。福島の人々の懸念は、ほんとうに「誤解」なのか。

*2-3:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11315477.html
(朝日新聞 2014年8月25日) SPEEDI、予算大幅減 事故時の放射線量、予測困難 来年度方針
 東京電力福島第一原発事故で初期の住民避難に活用されず問題になった「SPEEDI(スピーディ)」について、原子力規制委員会は来年度予算を半額以下に大幅減額する方針を固めた。放射性物質の広がりを即座に予測するには技術的な限界があるため、代わりに放射線量を実測するシステムを強化する。SPEEDIを頼りにしてきた自治体の避難計画は見直しを迫られることになる。福島の事故時、SPEEDIによる予測のもとになる原子炉などのデータが得られず、放射線量を予測できなかった。規制委は事故発生直後の住民避難の指標としてきた位置づけを2013年に改定した原子力災害対策指針で「参考情報」に格下げしており、予算の上でも明確にする。実測システムの強化は、改定指針が周辺のモニタリングポストなどの値をもとに、原発30キロ圏内の緊急時の避難を判断する方針に転換したのを踏まえた。大量の放射性物質が放出されるおそれが生じた時点で、5キロ圏は放出の有無にかかわらず即避難。5~30キロ圏は屋内退避を原則とし、実測値をもとに避難の必要性とタイミングを地域ごとに判断する。不確実な予測よりも迅速で的確に対応できるとの考え方が背景にある。規制委は今年度から、実測値の情報を即時に官邸や道府県と共有するシステムの導入を始めている。避難などの判断根拠となるデータを、関係者がそれぞれの端末の画面でリアルタイムで見られるようにする。集約作業や紙でのやりとりを省き、事故時の混乱を防ぐ狙いで、国側の監視態勢や維持の費用にSPEEDIの予算を振り向ける。自治体には、定められた避難の区域ごとに少なくとも1カ所のモニタリングポスト整備が求められる。居住地や山地の別や放射性物質の拡散傾向を踏まえ、5キロ間隔を目安にする。SPEEDIは14年度も保守管理の事業委託費用に約5億円が充てられている。事故発生直後の予測だけでなく、事前の避難計画づくりや訓練にも使われ、福島の事故では実測値をもとに広範囲の汚染状況を推定するのにも使われた。自治体には引き続き活用を求める声もある。人件費などを圧縮することで事故時に最低限の計算はできるよう維持するが、参考情報としてどう扱うかはあいまいなままだ。自治体は実測値の扱いなど詳細な検討が必要になる。
◆キーワード
 <SPEEDI> 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム。原発などの事故時に、原発から放出された放射性物質の量や空間放射線量、被曝(ひばく)線量などを気象条件や地形をもとにスーパーコンピューターで予測し、地図上に示す。旧日本原子力研究所が開発し、原子力安全技術センターが1986年に運用を始めた。震災後、文部科学省から規制委に移管。開発や維持に2010年度までで約120億円の国費が投入された。

<特定秘密保護法について>
*3-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140718&ng=DGKDZO74419540Y4A710C1PP8000 (日経新聞2014.7.18)特定秘密、監視機関の独立性課題 55項目指定対象
 政府は17日、機密を漏らした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法の運用基準に関する素案をまとめた。秘密を指定する機関を政府の19機関に限定し、指定対象を55項目とした。秘密の範囲が無制限に拡大することに一定の歯止めを示したが、実際の運用は各府省の判断に委ねられる部分がなお多い。監視機関によるチェックの実効性確保などが課題となる。「秘密の取り扱いの客観性と透明性がよりいっそう進展することが期待される」。政府が17日に開いた「情報保全諮問会議」(座長・渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長)の冒頭で安倍晋三首相はこう語った。座長の渡辺氏も「報道、言論などを不当に規制することがないようになかなか配慮されている」と述べた。政府は7月中に素案の意見公募(パブリックコメント)を始め、同会議での議論を経て9~10月にも閣議決定する。特定秘密保護法は12月の施行予定だ。昨年12月に成立した特定秘密保護法は政府に不都合な情報が恣意的に隠蔽され「国民の知る権利」が制限されかねないとの指摘が多かった。素案はこうした批判を念頭に「必要最小限の情報を必要最低限の期間に限って指定する」と明記。法律の段階はあいまいだった秘密の指定や解除、監視に関する具体的な手続きを示した。法律の施行令の素案は、秘密を指定する機関を政府の61機関のうち外務・防衛両省や国家安全保障会議(NSC)など19機関に限定。指定した年月日や指定期間などを記した管理簿を作る。秘密の指定や管理が適切でないと思われた場合に内部通報できる窓口も各機関内に置く。法律の別表は秘密指定の対象は防衛、外交など4分野の大枠を示すのみだったが、素案はこれを細分化し「武器、弾薬、航空機などの性能」「衛星などを用いて収集した電波、画像情報」など55項目を示した。しかし、これらの項目に該当しているかどうかの判断は役所側に任されており、何を秘密に指定するかを巡り、政府の恣意性は残る。監視機関によるチェックの実効性を確保できるかが法律運用のカギを握る。一方、監視機関については内閣官房に「内閣保全監視委員会」、内閣府に「独立公文書管理監」を設置する。ただ、両組織が出す是正要求に強制力はない。いずれの機関も官僚組織であり、どこまで独立性が担保されるかも今後の運用次第だ。運用基準は有識者の意見を踏まえて作成するとしていたが、今回の情報保全諮問会議を開くのは1月の初会合以来、半年ぶり。この間、事務局と同会議の委員でやりとりし、素案のたたき台の意見聴取などを行った。政府はやりとりの資料はウェブサイトに載せたが、委員の中には「議事録を作りたくないから会議を開かなかったのではないか」と透明性を疑問視する声もある。

*3-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11249761.html
(朝日新聞 2014年7月18日) 秘密法、弱い監視権限 運用基準55項目、大臣らに拒否権
 政府は17日、特定秘密保護法の運用基準を公表した。防衛、外交、スパイ活動防止、テロ防止の4分野に55項目を挙げたが、定義が抽象的なため、省庁の判断で秘密の範囲が広がる恐れは残った。また、不正を防ぐために政府内につくるチェック機関は、各省庁に特定秘密を開示させる強制力がないなど、権限は限られている。政府が、有識者でつくる「情報保全諮問会議」(座長=渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長・主筆)に示した運用基準では、特定秘密に指定する情報を秘密法で示した23項目から55項目に細分化した。しかし、秘密指定の具体的な判断は、各省庁に委ねられる。秘密指定が適正かチェックする機関として、「独立公文書管理監」と、事務局の「情報保全監察室」を内閣府に新たに設ける。管理監は、各省庁の大臣らに特定秘密を含む資料の提出や指定解除を要求できる。しかし、大臣らは「我が国の安全保障に著しい支障を及ぼす」と判断すれば資料提出を拒否できる。管理監は、不都合な情報が隠された場合の内部通報の窓口になるが、通報を受けた調査でも、各省庁は情報開示を拒否できる。安倍政権にとって、特定秘密保護法と、安保政策で「官邸主導」を確立する国家安全保障会議(日本版NSC)、そして集団的自衛権の行使容認は、「安保強化の3本柱」といえる。NSCは集団的自衛権行使を含む安保政策の司令塔であり、NSCを機能させるために情報管理を徹底する手段が秘密法だからだ。

<秘密保護に関する世界基準と日弁連の意見>
*4-1:http://mainichi.jp/opinion/news/20131125k0000m070099000c.html
(毎日新聞社説 2013年11月25日) 秘密保護法案を問う ツワネ原則
◇世界の流れも知ろう
 国家機密の保護をめぐる規定は各国さまざまだが、一つの指針として今年6月にまとまった50項目の「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」が注目されている。国連関係者を含む70カ国以上の専門家500人以上が携わり、2年以上かけて作成された。発表の場が南アフリカの首都プレトリア近郊ツワネ地区だったため「ツワネ原則」と呼ばれる。人権問題などを協議する欧州評議会の議員会議が10月、この原則を支持する決議を採択した。ツワネ原則は、国家機密の必要性を認めながらも、国が持つ情報の公開原則とのバランスに配慮すべきだと勧告している。公開の規制対象は国防計画、兵器開発、情報機関の作戦や情報源などに限定し、(1)国際人権・人道法に反する情報は秘密にしてはならない(2)秘密指定の期限や公開請求手続きを定める(3)すべての情報にアクセスできる独立監視機関を置く(4)情報開示による公益が秘密保持による公益を上回る場合には内部告発者は保護される(5)メディアなど非公務員は処罰の対象外とする−−などを盛り込んだ。また、情報を秘密にする正当性を証明するのは政府の責務であり、秘密を漏らした公務員を行政処分にとどめず刑事訴追できるのは、情報が公になったことが国の安全に「現実的で特定できる重大な損害」を引き起こす危険性が大きい場合に限るとしている。日本の特定秘密保護法案をめぐる審議に、この新しい国際的議論の成果は反映されていない。法案の狙いである違反者への厳罰化も疑問だ。欧米では敵国に国家機密を渡すスパイ行為は厳罰だが、これに該当しない秘密漏えいの最高刑は英国が禁錮2年、ドイツが同5年までだ。日本の法案と同じ最高懲役10年の米国は、欧州諸国と比べて厳しすぎるとの指摘がある。欧米は近年、むしろ情報公開を重視する方向に進んでいる。米国では2010年、機密指定の有効性を厳格に評価する体制作りなどを定めた「過剰機密削減法」が成立した。秘密情報が増えすぎて処理能力を超えたことが逆に漏えいリスクを高めているという反省もある。また英国では3年前、秘密情報公開までの期間が30年から20年に短縮され、議会監視委員会の権限が今年から強化された。こうした世界の流れから日本は大きくはずれている。審議中の法案は廃案とし、国家機密保持と情報公開の公益性のバランスについて十分な議論を尽くすべきだ。

*4-2:http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2013/131115.html (日本弁護士連合会会長 山岸憲司 2013年11月15日) 特定秘密保護法案に反対し、ツワネ原則に則して秘密保全法制の在り方を全面的に再検討することを求める会長声明
 国が扱う情報は、本来、国民の財産であり、国民に公表・公開されるべきものである。「特定秘密の保護に関する法律案」は、行政機関が秘密指定できる情報の範囲を広くかつ曖昧に設定し、かつ、運用の実態は第三者がチェックできない一方で、このような情報にアクセスしようとする国民や国会議員、報道関係者などのアクセスを重罰規定によって牽制するもので、まさに行政機関による情報支配ともいうべき事態である。当連合会では、本年9月12日に「『特定秘密の保護に関する法律案の概要』に対する意見書」を、同年10月23日に「秘密保護法制定に反対し、情報管理システムの適正化及び更なる情報公開に向けた法改正を求める意見書」を公表し、同月25日に「特定秘密保護法案の閣議決定に対する会長声明」を公表した。当連合会の相次ぐ意見表明に対して、新聞やテレビ、ラジオ、雑誌、インターネットニュースなどがこぞって法案を問題とする報道を行うようになったこともあり、多くの国民が法案に関心を抱くとともに、法案の賛否に関わらず早急な成立を望まない声が日増しに強くなっている。このような国民の意向を受けて、政府及び国会には、法案の慎重審議が強く求められている。ところが、政府及び与党は、法案を慎重審議するどころかむしろ短期間で成立させようとしている様子さえ窺える。政府及び与党が我が国における法案の重要性を強く認識するのであれば、尚更のこと、国民の理解と納得を得られるよう、法案の内容を検討し直すべきである。「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」(以下「ツワネ原則」という。)は、自由権規約19条等をふまえ、国家安全保障分野において立法を行う者に対して、国家安全保障への脅威から人々を保護するための合理的な措置を講じることと、政府の情報への市民によるアクセス権の保障を両立するために、実務的ガイドラインとして作成されたものであり、本年6月、南アフリカ共和国の首都・ツワネで公表されたものである。
 当連合会では、これまでの提案を踏まえ、ツワネ原則による法案の見直しと撤回を求める。以下、ツワネ原則に則して特定秘密保護法案の問題点を指摘する。
1 ツワネ原則1、4は国家秘密の存在を前提にしているものの、誰もが公的機関の情報にアクセスする権利を有しており、その権利を制限する正当性を証明するのは政府の責務であるとしている。しかし、法案にこの原則が明示されていない。
2 ツワネ原則10は、政府の人権法・人道法違反の事実や大量破壊兵器の保有、環境破壊など、政府が秘密にしてはならない情報が列挙されている。国民の知る権利を保障する観点からこのような規定は必要不可欠である。しかし、法案には、このような規定がない。
3 ツワネ原則16は、情報は、必要な期間にのみ限定して秘密指定されるべきであり、政府が秘密指定を許される最長期間を法律で定めるべきであるとしている。しかし、法案には、最長期間についての定めはなく、30年経過時のチェックにしても行政機関である内閣が判断する手続になっており、第三者によるチェックになっていない。
4 ツワネ原則17は、市民が秘密解除を請求するための手続が明確に定められるべきであるとしている。これは恣意的な秘密指定を無効にする上で有意義である。しかし、法案はこのような手続規定がない。
5 ツワネ原則6、31、32、33は、安全保障部門には独立した監視機関が設けられるべきであり、この機関は、実効的な監視を行うために必要な全ての情報に対してアクセスできるようにすべきであるとしている。しかし、法案には、このような監視機関に関する規定がない。
6 ツワネ原則43、46は、内部告発者は、明らかにされた情報による公益が、秘密保持による公益を上回る場合には、報復を受けるべきでなく、情報漏えい者に対する訴追は、情報を明らかにしたことの公益と比べ、現実的で確認可能な重大な損害を引き起こす場合に限って許されるとしている。しかし、法案では、この点に関する利益衡量規定がなく、公益通報者が漏えい罪によって処罰される危険が極めて高い。
7 ツワネ原則47、48は、公務員でない者は、秘密情報の受取、保持若しくは公衆への公開により、又は秘密情報の探索、アクセスに関する共謀その他の罪により訴追されるべきではないとし、また、情報流出の調査において、秘密の情報源やその他の非公開情報を明らかすることを強制されるべきではないとしている。しかし、法案にはこのような規定がないどころか、第23条ないし第26条の規定によって広く処罰できるようにしている。この原則の策定には、アムネスティインターナショナルやアーティクル19のような著名な国際人権団体だけでなく、国際法律家連盟のような法曹団体、安全保障に関する国際団体など22の団体や学術機関が名前を連ねている。この原則には、ヨーロッパ人権裁判所やアメリカ合衆国など、最も真剣な論争が行われている地域における努力が反映されている。起草後、欧州評議会の議員会議において、国家安全保障と情報アクセスに関するレポートにも引用されている。当連合会は、政府が安全保障上の理由によって一定の事項を一定の期間、秘密とする必要があると判断し対応していることを、全面的に否定するものではない。しかし、このような対応を許容することによって、国民の基本的人権である言論の自由、プライバシー権が侵害されるべきではない。法案に上記のような構造的な問題点があることが明らかであるから、政府は、法案を一旦白紙に戻し、現存する国家公務員法や自衛隊法などの中に含まれる秘密保全法制も含めて、秘密保全法制の在り方を根本的に見直すべきである。

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*5:http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2014082502000184.html
(東京新聞 2014年8月25日) 【福島原発事故】子ども、甲状腺がん57人 福島の37万人調査
 東京電力福島第一原発事故による健康への影響を調べている福島県は二十四日、震災当時十八歳以下の子ども約三十七万人を対象に実施している甲状腺検査で、甲状腺がんと診断が確定した子どもは五月公表時の五十人から七人増え五十七人に、「がんの疑い」は四十六人(五月時点で三十九人)になったと発表した。福島市内で開かれた県民健康調査の検討委員会で報告した。地域による発症率に差がないことも報告され、委員会の星北斗座長は、現時点で放射線の影響がみられないことが裏付けられたとした上で、「今後、詳細な分析が必要だ」と述べた。調査を担当する福島県立医大は、今回初めて県内を四つに分けた地域別の結果を公表。検査を受けた子どものうち、疑いを含めた甲状腺がんの発症割合は、第一原発周辺で避難などの措置がとられた「十三市町村」では0・034%。県中央の「中通り」は0・036%、沿岸部の「浜通り」は0・035%と地域差はなかった。原発から一番遠い「会津地方」は0・028%とやや低めだったが、医大は検査を終了した子どもが、ほかの地域に比べ少ないためと説明した。国立がん研究センターなどによると、十代の甲状腺がんは百万人に一~九人程度とされてきたが、自覚症状のない人も含めた今回のような調査は前例がなく、比較が難しい。疑いも含めた甲状腺がんの子ども計百三人のうち、最年少は震災当時六歳。原発事故から四カ月間の外部被ばく線量の推計値が判明した人のうち、最大は二・二ミリシーベルトだった。
◆個人被ばく量 分析急務
 福島県で相次いで見つかっている甲状腺がんが、東京電力福島第一原発事故による放射性物質の影響かどうかを明確にするためには、地域間のがん発症率の比較だけでなく、個人被ばく線量との関連の分析が必要となる。二十四日に福島市で開かれた県民健康調査の検討委員会では、集計が終わっていない一部地域を除き、疑いを含めた甲状腺がんの割合は、空間の放射線量が異なる地域間で差がなかったと報告された。がんが放射線の影響とは考えにくいとする従来の県の見解を裏付けるものだ。だが、被ばく線量は個人差が大きく、地域間の比較だけでは不十分だ。検討委員会は結果を多方面から慎重に検討するとしているが、現状では個人被ばく線量のデータ収集は進んでいない。県民全員の被ばく線量を推計する調査では回答率が約26%と低迷。また、県は市町村が管理する内部被ばくの実測値と外部被ばく線量などとの個人データの一元化を始めたが、こちらの進捗(しんちょく)状況も芳しくない。今後本格化する二巡目以降の甲状腺検査で結果を正確に評価するためにも、個人被ばく線量との関連を分析する体制整備が急務だ。


PS(2014.8.28追加):このブログの2011年7月30日に記載しているとおり、2011年7月27日の衆議院厚生労働委員会参考人質疑で、参考人として招かれた児玉教授(東京大学先端科学技術研究センター教授 東京大学アイソトープ総合センター長)が、「今回の福島原発の問題はチェルノブイリと同様、原爆数10個分に相当する量と原爆汚染よりもずっと多量の残存物を放出したことを前提としなければならない」と話しているとおり、*6は、3号機の爆発が水素爆発ではなく核爆発であり、環境に大量の核燃料を放出したことを意味している。そのため、吉田調書で、吉田所長が「爆発音がした。水素爆発だと思うけど・・」と連絡していたのは、事実確認前の話であり、事実ではないだろう。

*6:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014082701001722.html
(東京新聞 2014年8月27日) 茨城のちりからウラン検出 原発事故の溶融燃料
 東京電力福島第1原発事故直後に約170キロ離れた茨城県つくば市で採取した大気中のちりから、核燃料や原子炉圧力容器の材料のウランや鉄などを検出したとの研究結果を東京理科大と気象庁気象研究所のチームが27日までにまとめた。事故で溶けたウラン燃料が原子炉内の他の物質と混ざった状態で外部に放出されたことを裏付ける結果で、同大の中井泉教授は「事故直後の炉内や放射性物質の放出状況の解明につながる」とさらに詳しい分析を進めている。チームは、2011年3月14日夜から翌朝にかけてつくば市の気象研究所で採取された高濃度の放射性セシウムを含む粒子に着目し分析してきた。


PS(2014.8.28追加):*7のように、福島県立医大の教授は、「甲状腺がんの子供に原発影響は考えにくい」 としているが、このブログの2014.2.24に記載したとおり、東京の甲状腺専門の伊藤病院の岩久医師らは、日本甲状腺学会で関東の子どもの甲状腺異常の増加を発表している。そのため、原発の影響ではないとするのなら、その根拠を科学的に説明すべきだ。

*7:http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG2803U_Y4A820C1CR8000/
(日経新聞 2014/8/28) 甲状腺がんの子供「原発影響考えにくい」 福島の検査で学会
 福島県立医大の鈴木真一教授は28日、東京電力福島第1原発事故を受け福島県が実施している甲状腺検査で、がんの疑いが強いと診断、手術した子供の具体的な症例を横浜市で開かれた日本癌治療学会で報告した。がんは原発事故の影響とは考えにくいとの見方を示した上で、過剰診断や必要のない手術との声が上がっていることに触れ「基準に基づいた治療だった」と強調した。福島県の甲状腺検査は震災発生当時18歳以下の約37万人が対象。これまで甲状腺がんと確定した子供は57人、「がんの疑い」は46人に上る。子どもの甲状腺がんが急増した1986年のチェルノブイリ原発事故と比較し、鈴木氏は「症状も年齢分布もチェルノブイリとは異なる」とした。がんの57人のうち県立医大が手術した54人について、8割超の45人は腫瘍の大きさが10ミリ超かリンパ節や他の臓器への転移などがあり、診断基準では手術するレベルだった。2人が肺にがんが転移していた。残る9人は腫瘍が10ミリ以下で転移などはなかったが、7人は「腫瘍が気管に近接しているなど、手術は妥当だった」。2人は経過観察でもよいと判断されたが、本人や家族の意向で手術した。手術した54人の約9割が甲状腺の半分の摘出にとどまった。福島の甲状腺がんをめぐっては一部の専門家から「手術をしなくてもいいケースがあったのではないか」との指摘があり、患者データの公開を求める声があった。


PS(2014.8.30追加):上記のように、SPEEDIによる放射性物質の拡散予測や環境への放射性物質の放出量がわかっているにもかかわらず、それを公表して避難に役立たせることをせず、防げる被曝をさせたのだから、*8の訴訟は当然で、人の命がかかっていることを考えれば、1人当たり10万円の慰謝料は安いくらいだ。

*8:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014082901002106.html
(東京新聞 2014年8月29日) 福島、被ばく対策不十分と提訴 親子88人、健康に深刻な不安
 原発事故の被ばく防止対策が不十分で精神的苦痛を受けたとして、事故時に福島県に住んでいた親子88人が29日、国や県に対し、1人当たり10万円の慰謝料を求め、福島地裁に提訴した。訴状によると、国や県は事故発生後、空間放射線量の正確なデータを速やかに伝えないなど、住民の被ばくをできる限り抑える職務上の義務を怠り、子どもに無用な被ばくをさせた。その結果、親子に今後の健康へ深刻な不安を抱かせたとしている。原告のうち、今も福島県に住み小学校や中学校、特別支援学校に通う計24人は、居住地の自治体に対し安全な環境で教育を受ける権利があることの確認も求めた。

| 原発::2014.8~10 | 10:59 AM | comments (x) | trackback (x) |

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