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2012.8.16 この場合の強制送還は、相手に対して何のペナルティーにもならないのに、日本政府は内弁慶でなさけない(8月17日、18日、19日に追加あり)
      出典:NHK(下のHP)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120816/t10014309211000.html
逮捕の14人 強制送還で検討   (NHK 8月16日)
政府は、沖縄県の尖閣諸島に上陸するなどしたとして、不法入国の疑いで逮捕した、香港の民間団体のメンバーら14人について、17日にも強制送還する方向で検討しており、警察などの取り調べ状況を見ながら、最終的に判断することにしています。沖縄県の尖閣諸島を、中国の領土だと主張する、香港の民間団体のメンバーが、15日、尖閣諸島の魚釣島に上陸するなどしたことを受けて、警察と海上保安本部は、メンバーら14人全員を不法入国の疑いで逮捕しました。警察と海上保安本部は、14人を沖縄本島などに移送し、16日朝から本格的に取り調べることにしています。

←(広津素子コメント)海上保安庁が14人全員を逮捕したのは、今回も頑張ったと思う。

これに関連して、藤村官房長官は15日夜、記者団に対し、「尖閣諸島は日本固有の領土であり、再三にわたる警告にもかかわらず、上陸したこと自体が誠に遺憾だ」と述べたうえで、今後の手続きは国内法令にのっとって、厳正、適切に行いたいという考えを示しました。

←(広津素子コメント)「遺憾だ」というだけでは「残念だ」と言う気持ちを述べたに過ぎず、「残念だが泣き寝入りする」「残念だが折れる」などの行動もありうるため、「尖閣諸島に領土問題はない」「尖閣諸島は日本固有の領土である」と考えている以上、出るところへ出て正式に抗議すべきだ。つまり、国内でのみ言っていても仕方がないのであり、出るところへ出てきちんと抗議しなければ認めたことになるのが、国際標準である。

政府としては、平成16年3月に、中国人の活動家7人が尖閣諸島に上陸して逮捕され、強制送還された事案も踏まえて、今回の14人についても、不法入国のほかに罪を犯した疑いがなければ、17日にも入国管理局に身柄を引き渡して強制送還する方向で検討しており、警察や海上保安部の取り調べ状況を見ながら、最終的に判断することにしています。

←(広津素子コメント)一度目と二度目の対応は異なるのが当たり前だし、何度も見逃していればそれが実績となり、日本はそれでも通る国だと思われる。このケースの場合、「強制送還」は、日本では強制送還だと言っていても、中国では「正しいことをした英雄を、日本がお送り申し上げた」と解釈し宣伝するのだから、あちら側の望むところだ。しかし、抵抗したこと(公務執行妨害)、他人の土地に無断で侵入したこと(不法侵入)、巡視船を壊したこと(器物損壊)などで粛々と起訴できるはずだし、するべきである。


8月17日追加:私は、普天間基地問題、原発問題では、琉球新報の主張を支持するが、下の記事のような主張は、日本が領土問題に対応する時に、やりにくくするので指摘しておく。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-195791-storytopic-11.html
尖閣上陸問題 あくまで平和的解決を (琉球新報 2012年8月17日)
 香港の活動家らの乗った船が日本の領海に侵入し、15日午後、尖閣諸島の魚釣島に到着、沖縄県警と第11管区海上保安本部は上陸した7人を含む14人を入管難民法違反容疑で逮捕した。14人は取り調べや検証結果を踏まえ17日夕までに強制送還か送検かの判断が行われるが、政府は強制送還の方向で調整しているという。今回の問題について、政府は厳重に抗議しつつも、平和的な解決策を貫いてもらいたい。

←(広津素子コメント)我が国は平和憲法を持ち、戦後教育を受けた人たちが意思決定しているので、領土問題を戦争で解決しようと考えている人などいない。これは、問題解決にあたっているのが自衛隊ではなく海上保安庁(海の警察)であることからも明らかである。また、中国と戦争をすれば70~80年前とは異なり、日本が負けるに違いない状況である。この状況の下で、「あくまで平和的解決を」という見出しや「平和的な解決策を貫いてもらいたい」というコメントは、読者に変な先入観を与えている。領土を守る行為をしようとすると、身内からこの種の批判が出るようでは、日本政府は領土を守ることができない。

中略
 日本の法令にのっとり、厳正に対処すべきだという声もあるが、両国の領土ナショナリズムをことさら刺激しないよう配慮も必要だ。与野党に「弱腰外交」を批判し、毅然とした態度を示すべきだとする向きがある。ただ、ここで過剰に反応し、日中関係が一触即発の事態に発展することは避けねばならない。政府には粛々とした対応を求めたい。

←(広津素子コメント)中国は、「尖閣諸島は中国の領土だ」と内外に向けて主張しており、それだからこそ、中国国民が大手を振って尖閣諸島に上陸しているのである。そして、中国のこのアピールは、長期的には尖閣諸島が中国の領土だと世界に印象付ける役割を果たしており、そうなってしまってから国際司法裁判所に訴えても意味がないのである。そのため、このような場合に日本が自国の領土であることを毅然として主張しなければ、「尖閣諸島は日本の領土だ」というのは日本に大儀がなく、中国が何とか取り返そうとしているかのように世界には見えるのだということを考慮すべきである。また、ここで日本が毅然とした態度を示せば日中関係が一触即発の事態に発展するというのもおかしい。それでは、中国こそ主権の侵害を武力で行う国なのだから、日本は国連に訴えるなりその他の必要な手続きをとるなりすべきなのである。そして、私は、この主張に対しては、日本の共産党議員であれ、社民党議員であれ、反対しないと思う。むしろ、世の中が変わったのに、いつまでも昔の構図で闘わせるべきではない。

 今回の上陸について、尖閣列島戦時遭難者遺族会の慶田城用武会長は「遺族が求めるのは尖閣諸島が平穏であること。日中が互いに主張をエスカレートさせ、変な方向に行ってしまう気がしている。外交で平和裏に解決してほしい」と語った。日中関係をこれ以上悪化させないでほしい、という率直な声で傾聴に値する。

←(広津素子コメント)繰り返し言うが、日本には、現在、領土問題を戦争で解決しようと思っている国会議員はいない。しかし主権国家として、あらゆる方法を使って守るべき領土は守るのが当然である。琉球新報は、ゆで蛙のようにして、日本が自ら領土を放棄することを薦めるつもりなのか?

 日中両政府は、これまで尖閣諸島の問題を事実上棚上げしてきた。ここへきて、それぞれの主張をエスカレートさせるのは外交の失敗と言えよう。外務省は事態の沈静化に努める一方、見解の相違を埋めていけるような外交戦略を練り直すべきだ。尖閣問題をこじらせて、日中が武力衝突する事態は絶対にあってはならない。場合によっては国際社会にも見える形で正々堂々と外交交渉に乗り出し、領有権をあらためて主張することも、選択肢として検討する時期ではないか。

←(広津素子コメント)弱腰でない毅然とした外交交渉でやるしかないのに、「尖閣問題をこじらせて、日中が武力衝突する事態は絶対にあってはならない」などと身内がありもしないことを主張して、対応や外交交渉をやりにくくするのは問題である。なお、中国も遊び半分でやっているのではなく、資源を狙って本気で領有権を主張する準備を着々と進めているのであるから、見解の相違が埋まることはないだろう。棚上げしているうちに時が経ち、中国の経済力が増すほどに、アメリカも日本側に立つことには慎重になり、国連のアフリカ諸国は中国側になるだろう。つまり、外交も闘いであり、生易しくはないのである。


8月18日追加①:言ったとおりでしょう。日本人も「学習」と最新の状況に基づいた「応用」ができないと駄目です。また、下の状況は、同行した香港の記者によって英語で世界に報道されたと思います。つまり、(日本の外務省は骨なしですが)、本来は、外交もシビアな闘いであり、戦略もなくその場しのぎを続けてきた我が国は負けそうなのです。
http://dailynews.yahoo.co.jp/photograph/pickup/?1345246888
<尖閣上陸>強制送還された活動家7人が香港到着
(ポイント)「強制送還」された活動家7人が香港国際空港の到着出口に着き、支援者から帰還を祝して花輪を贈られた。そして、中国国旗を手に「釣魚島を守れ」とシュプレヒコールを上げた。
     
    香港国際空港で2012年8月17日、大谷麻由美さん撮影

8月18日追加②:長いので、ここには前文のみしか引用せず、残りは下の「続き▽」という箇所をクリックすると出てきますが、下記の共産党の見解は全くそのとおりだと思います。日本政府の曖昧な態度を見ていると、私でさえ、我が国は日中国交正常化のために、尖閣諸島の領有権を中国に譲ったのではないかと危惧します。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-08-18/2012081803_01_0.html
尖閣問題 いま必要なことは
 沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の魚釣島に15日、自称中国籍の活動家ら14人が上陸、入管難民法違反容疑で逮捕後、17日、強制送還されました。日本共産党は2010年10月、「尖閣諸島問題 日本の領有は歴史的にも国際法上も正当」との見解を示し、「何よりも重要なことは、日本政府が、尖閣諸島の領有の歴史上、国際法上の正当性について、国際社会および中国政府にたいして、理を尽くして主張することである」と指摘しました。日本政府は「努力する」との答弁にもかかわらず、その形跡はみられません。そして、今日問題が大きくなっています。いまこそ、冷静に理を尽くして日本の領有の正当性を堂々と説くべきです。

8月19日追加:香港の放送を見て、中国でツイッターによるデモが始まりましたが、そもそも「日本に対する根強い不満」の理由をもう解決すべき時ですし、「ガス抜き」として楽観的に見るのも安全神話であり、何かがあったら想定外になるのではないでしょうか。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012081901001054.html
(東京新聞 2012年8月19日)尖閣めぐり中国各地で反日デモ 日の丸燃やし抗議
【深セン、杭州共同】香港の活動家らが上陸した沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の中国領有権を訴える反日デモが19日、広東省の深セン、広州や浙江省の杭州、温州、四川省成都など中国の各都市で多いところで数千人が集まって行われ、参加者は日の丸を燃やしたり、日本料理店のガラスを割ったりして抗議した。中国での大規模反日デモは、2010年9月の尖閣諸島付近での中国漁船衝突事件を契機に発生して以来。最高指導部が交代する共産党大会を秋に控え、当局はデモが暴徒化しないよう警備態勢を強化する一方、制御可能な範囲内で認め、日本に対する根強い不満の「ガス抜き」を図った。
     
  「日本を倒し、釣魚島を守れ」などの訴えを掲げ、中国・深センで行われた反日デモ=19日(共同)

8月20日追加:中国が反発するからといって、「尖閣諸島に領土問題はなく日本の領土だ」と言ってきた政府が、くだらない書類の不備を指摘して日本人の上陸を妨げるのはおかしい。これでは、日本国民の間にも「本当に尖閣諸島は日本の領土なのか?何か密約でもあるのではないか?」という疑問を引き起こしてしまう。そのため、日本政府は、日本の領土としている場所については、日本国民に対してもその根拠をきちんと説明しておくべきだ。なお、「尖閣諸島は日本の領土だ」という認識には、表向き政党間の違いはない。
http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2270284.article.html
(佐賀新聞 2012年8月20日)都が政府に尖閣上陸申請 / 内容不備で受理せず
藤村修官房長官は20日午前の記者会見で、沖縄県・尖閣諸島の購入を計画している東京都が、17日夜、政府に対し上陸申請を提出したと明らかにした。政府は、書類に上陸予定者や日時が記載されていないなどの不備があったとして受理せず一時預かりとした。政府は尖閣国有化方針を堅持しているものの難航は必至。領有権を主張する中国側の反発も避けられない。香港の活動家や日本の地方議員らの上陸が相次ぎ日中間の対立が先鋭化する中、野田佳彦首相は一層難しい対応を迫られそうだ。

続き▽
| 外交・防衛::2010.10~2012.12 | 07:58 PM | comments (x) | trackback (x) |

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