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2013.8.16 電力の自由化と市場競争のためには、公正取引委員会で十分な筈だが、何故、今まで電力会社の地域独占や横暴な価格決定を許してきたのだろうか?
   
                        夏の花
(1)消費税転嫁のための特別措置法について
 2013.8.8に、公認会計士協会で「消費税転嫁対策」というテーマの研修があったので聞きに行ったところ、消費税率引き上げの決定を前に、「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法」が既にできており、公正取引委員会、財務省税制二課、消費者庁の表示担当者が講師として来て、それを説明していた。

 その中でおかしいと思ったことの一つは、「税抜価格+消費税」という消費者にとって明確な値札表示を避け、税込みか税抜きか判然としないような値札表示を奨めていたことで、*3の消費者庁の発案者で設置に尽力した私としては、これが消費者のために働くべき消費者庁のすることかと情けなく思った。

 もう一つは、消費税を消費者に転嫁させるため、消費税分を値引きする等の宣伝や広告を禁止する規定で、「消費税は当店が負担します」「消費税相当分、ポイントを付与します」というような表示を禁止するものだった。こういうことを禁止するのは、むしろ市場における自由競争に反し創意工夫を妨げるので、公正取引委員会がこれを推奨しているのもおかしいと思った。そのため、私は、これまで値引製品か否かは気にせずものを買っていたが、今後は、タフに「20%引き」などと書いてある物を買うことに決めた。

(2)公正取引委員会は、何故、電力会社の地域独占を問題にしないのか
 *2に記載されているように、公正取引委員会は、自由経済における公正かつ自由な競争を促進し、企業の創意を発揮させ、消費者の利益を確保することによって、国民経済の健全な発達を促進することを目的として設置された機関である。しかし、(1)のようなくだらないことは行うが、電力会社の地域独占については、これまで全く問題にしなかった。

 そのため、電力会社には自由競争がなく、発電方法に創意工夫も生まれず、消費者の利益は害され、国民経済の足を引っ張ってきた。本当は、これこそ変えるべきであり、40年遅れだと思うが、公正取引委員会も役所であるため、強いものには弱く、弱いものには強い、ご都合主義の決定をするのだろう。

*1:http://digital.asahi.com/articles/TKY201308100437.html?ref=pcviewpage
(朝日新聞社説 2013.8.11) 電力自由化 本当の競争のためには
 中部電力が東京電力の管内で企業向けに電力を販売する。三菱商事傘下のダイヤモンドパワー(東京都)を買収し、今秋にも首都圏市場に参入する。企業など大口向けの電力販売は2000年に自由化されている。電力会社は地域に関係なく販売することが可能になっていたのに、相互乗り入れはまったく進まなかった。どの大手電力も、他の地域に攻め込むよりは自分の地盤を守り、業界秩序を維持したほうが得策と考えてきたからだ。その一角を占めてきた中部電力が、みずから殻を破る。震災後の大きな環境変化や今後の電力改革をにらんだ経営判断を、歓迎する。同様の動きが広がることを期待したい。ただ、今回は特殊な事情がある。東電は原発事故を抱えて経営難に陥り、いまや自前では電力供給すらおぼつかない状況にある。そうしたなかでの中部電の参入は、「助け合い」の側面がないとはいえない。料金体系やサービスなど、本当に消費者の選択肢が増えるような競争になっているか。注視が必要だ。既存の大手電力同士が手を組んで、新電力を締め出すようなことがあっては本末転倒である。電力改革の成否は、なにより新興勢力を育てられるかどうかにかかっている。
 原発の停止に伴って大手の値上げが相次ぐなか、新電力との契約を希望する企業は増えているが、新電力側は必要な電力量を調達できていない。大きな発電所や自治体が所有する水力発電は大手電力が抱え込んでいるからだ。電力需給が逼迫ぎみなこともあって、卸売市場もなかなか活性化しない。こうした課題を克服し、競争を促していくためには、必要な措置を命じる権限をもった規制機関が必要だ。先の通常国会に提出された電力システム改革法案にも、発送電の分離とともに、そうした新機関を、15年をめどに設立することが盛り込まれていた。政局の混乱に巻き込まれて廃案になってしまったが、もともと民主党政権時に骨格をつくった法案でもある。与野党で協力し、次の国会で成立させることが不可欠だ。新機関発足までの間、同様の役割を担うワーキンググループが今月、初会合を開いた。電力事業者らからデータを提出させたりして公正な競争市場の育成を監視する。現行法の枠組みでできる最大限の競争促進を担ってほしい。

*2:http://100.yahoo.co.jp/detail/%E5%85%AC%E6%AD%A3%E5%8F%96%E5%BC%95%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A/ 公正取引委員会 [ 日本大百科全書(小学館) ]
 内閣府の外局。独占禁止法(正式名称は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」昭和22年法律第54号)に基づき、自由経済における公正かつ自由な競争を促進し、企業の創意を発揮させ、消費者の利益を確保することによって、国民経済の健全な発達を促進することを目的として設置された行政委員会。略称は公取委または公取。
 公取の権限は、行政的権限、準司法的権限、および準立法的権限から構成される。行政的権限には、株式の保有、役員の兼任、合併、分割、株式移転、事業譲渡、国際協定等の届出の受理や認可、事業活動の調査、下請代金支払い遅延・不当景品・不当表示に関する法定事項の監視などがある。準司法的権限には、独占禁止法の違反行為に対する調査、勧告および審判による排除処分、課徴金納付命令などがある。準立法的権限には、独占禁止法に基づく各種の届出、認可申請、報告、審判等の手続に関する規則の制定、不公正な取引方法の指定(1982年告示)などがある。これら権限が、独占禁止法のみにとどまらず、不正競争防止法(平成5年法律第47号)など広く経済活動の規制にかかわる諸法に関連しているために、公取はしばしば「経済活動の番犬」とよばれる。
 公取は、35歳以上の経済・法律の学識経験者のなかから総理大臣が国会の同意を得て任命する、委員長と委員4名をもって構成される。委員長の任免は天皇により認証される。委員の定年は70歳。委員会の審決等の決定は、委員による非公開の合議による。委員会には事務総長が統括する事務総局が置かれ、審判官6人(うち1人は上席審判官)、官房・経済取引局・審査局からなる内部部局、北海道・東北・中部・近畿中国四国・九州の5事務所からなる地方機関によって構成される。
 公取は、第二次世界大戦後の占領政策(財閥解体、経済民主化)の一環として制定された独占禁止法により、アメリカの反トラスト法による連邦取引委員会Fair Trade Commissionを範として設けられた。両者を比べると、反独占に集中するアメリカの委員会よりも、日本の公取のほうがはるかに大きな権限を有している。しかし、その活動経過をみると、当初は法令の機械的な運用に終始し、その保守的消極性を批判されることも多かった。その後、経済の高度成長や国際化により、純粋持株会社の解禁、M&A(企業の合併・買収)の内外にわたる広範な活用、新しいビジネス手法の展開、消費者意識の高まりなどが進み、問題事例が多発するようになって、法の改正もあり、公取の活動は活発化した。合併や市場占有率の判断基準の変化に典型的にみられるように、その運用は実態に即して柔軟かつ敏速に、しかも有効・適切に行われるようになった。

*3:http://kotobank.jp/word/%E6%B6%88%E8%B2%BB%E8%80%85%E5%BA%81 消費者庁 ( 知恵蔵2013の解説)
 消費者行政の一元化を図ることを目的として2009年4月に設置された行政機関。消費者基本法をはじめとする消費者問題に関する約30の法令の運用について、各省庁からの移管を受けるよう調整が進められた。生産者と消費者の間での自由で対等な取引は市場経済の基本である。しかし、両者の交渉力には歴然たる差があり、商品が多様化・複雑化する現代、消費者が商品の欠陥や性能などについての十分な情報や知識をもつことは容易ではない。このため、さまざまな消費者保護の施策がとられてきた。
 それまでの消費者行政は、例えば農産物の規格・品質表示に関してはJAS法で農林水産省、その加工や添加物については食品衛生法に基づいて厚生労働省の所管、というように所轄が多数の省庁にまたがっていた。この縦割り行政の弊害から、近年多発した家庭用器具の欠陥による事故や食品の偽装表示などについて対応が遅れ、被害が深刻化した。
 このことから消費者行政の一元化や対応窓口の一本化が急務とされ、福田内閣が設置した「消費者行政推進会議」により消費者庁の創設が提起され、麻生内閣に引き継がれた。「消費者行政推進会議」では、「消費者庁は、商品・金融などの『取引』、製品・食品などの『安全』、『表示』など、消費者の安全安心に関わる問題を幅広く所管する。」「消費者庁を、一元的な窓口機能、企画立案、法執行、勧告などの機能を有する消費者行政全般についての司令塔として位置づける。」などの基本方針が示された。
 これに対して野党からは、内閣府の外局の一つに過ぎない消費者庁では、地方の消費者行政との連携が取れないなど実効性ある行政が展開できないとの批判がなされ、内閣や国会から独立した強い権限で行政機関を監視する「消費者権利院」を創建すべきであるなどの構想も出された。

| 消費税増税問題::2012.8~2014.11 | 06:56 PM | comments (x) | trackback (x) |

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