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2013.10.3 消費税増税とその底に流れる高齢者・生活者軽視の考え方
  
   *4より   2013.10.1西日本新聞     2013.10.2西日本新聞

(1)消費増税は本当にやむを得なかったのか
 *1には、「それでも、消費増税はやむをえないと考える。借金漬けの財政を少しでも改善し、社会保障を持続可能なものにすることは、待ったなしの課題だからだ」と記載してあるが、借金漬けになった原因と社会保障を持続可能なものにするためのさまざまな解決策の選択過程は全く記載されていない。しかし、原因分析を行って原因を取り除かなければ物事の本当の解決はできないし、解決策もいろいろある。それにもかかわらず、日本のメディアは、このように思考停止で省庁の説明をまる写しした記事が多い点で質が低く、この手の報道ばかりがなされた結果、国民も思考停止に陥る人が増えたのである。

(2)国の借金の原因は社会保障か
 *1には、「『社会保障と税の一体改革』という原点に立ち返ろう。国債を中心とする国の借金の総額は国内総生産(GDP)の約2倍、1千兆円を突破した。今年度の一般会計では、新たな国債発行が40兆円を超え、予算の半分近くに及ぶ。最大の原因は、高齢化に伴う社会保障費の伸びだ」と書かれているが、高齢化して高齢者の割合が増えれば、一人当たりの社会保障費を減らさない限り、全体の社会保障費が増えるのは当然である。そのかわり、この人たちが働いていた時期には多くの労働人口が保険料を支払っていたのだから、管理者はそれを積み立てておかなければならなかったのだ。

 いくらなんでも、この人口構造の変化を「想定外だった」とは言わせないが、国は、長期的見通しに基づいた適切な積立額の計算ができず、単年度思考で、入ってきた金はその年に使ってよいと考えていたところが問題なのである。そして、それは現在も同じだ。

 さらに、*1には、「医療や年金、介護の財源は、保険料や窓口負担だけでは足りない。国や自治体が多額の予算を投じており、国の社会保障費は年に1兆円ほど膨らみ続ける。将来の世代に借金のツケを回しながら、今の世代の社会保障をやりくりする――。こんなことをいつまでも続けられるはずがない。社会保障を安定させ、財政の危機を未然に防ぐには、今を生きる私たちがもっと負担するしかない」とも書かれているが、保険料の支払いを行ってきた国民は、契約通りに受け取る権利があるのであって、運用の失敗に関する責任はすべて運用管理者にあるのだということを、もう一度、明確にしておきたい。従って、国民に、契約違反で迷惑や不便をかけないよう、私がこのブログで何度も示している他の代替案で解決すべきなのだ。

(3)高齢者を標的にして負担を増やすという倫理観のなさ
 *1には、「社会保障による給付は高齢者向けが中心だ。お年寄りの割合は上がり続けており、所得税など働く世代の負担だけに頼るわけにはいかない。(中略)こうした点を考えれば、国民が幅広く負担し、税収も安定している消費税が、社会保障の財源に最もふさわしい」と書かれているが、*3で明らかなように、所得税は、働く世代だけでなく高齢者も他の世代と同じ基準で公平に支払っている。もちろん年金収入も雑所得として総合課税されている。そのため、ここで、とりわけ高齢者を標的として消費税を課さなければならないとしているのは、租税公平主義に反するとともに、倫理観にも欠ける。

(4)企業が積立金を持ち、財務体質を強化するのは当然である
 *1で、「政権は、与党内の根強い反対を押し切り、法人税の減税方針を打ち出したが、多くの企業は、収益が上向いても使おうとしない。こうした現状を改める必要がある」と記載されているが、企業がこれまで内部留保を増やしてきた理由は、日本における退職給付会計の導入で引当金が大幅に足りないことが判明して積み増していたこと、貸しはがしで破綻させられないよう自己資本比率を上げ財務体質を強くする努力をしていたこと、リターンの見込める投資先がなかったことなどが原因だ。つまり、むやみに散財することなく、堅実な経営をしていたということである。

(5)あるべき社会保障を考えたことがあるのか
 *2には、「アベノミクスには2つの忘れ物がある。1つは高齢化で膨らみ続ける社会保障費の抑制だ。医療、年金、介護などの給付は100兆円を突破。国の社会保障関係費は30兆円の大台に迫り、国内総生産(GDP)の2倍超の借金が積み上がった」「将来の増税を圧縮するには社会保障費の抑制が不可欠だが、安倍政権はどうも熱心ではない」等々が記載されており、いつもの調子で、消費税増税と社会保障の抑制が必要だと説いている。しかし、社会保障論や公共政策を論じている学者は、経済系の人ばかりであり、経済の観点からしか論じていない。そして、「負担増、給付抑制」を、もっともらしくまくしたてているが、それは、どんな馬鹿でも考えられる最低の方法にすぎない。

 これらの人には、「どのような社会保障が必要で、少なくとも現状より質を落とさず、むしろ質を上げながら、それを最少の費用で達成するためには、どうしたらよいと考えているか」という質問をすれば、何も考えていないためまともな答えはできず、単に空気で論じているだけであることが明らかになる。

 なお、「団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になるのは東京五輪の後の2020年代前半。五輪の宴のあと、事実上の財政破綻に陥ったギリシャの二の舞いとなってはならない。時間はそれほど残っていない」とも書かれているが、お祭りの宴で散財した後に店がつぶれているようでは、その店の店主は無能というほかない。

*1:http://digital.asahi.com/articles/TKY201310010543.html?ref=pcviewpage
(朝日新聞社説 2013.10.2) 17年ぶり消費増税 目的を見失ってはならぬ
 安倍首相が消費税の増税を決めた。5%の税率は来年4月から8%に上がる。1997年4月に3%から5%になって以来、17年ぶりの消費増税だ。これまでは所得税などの減税とセットだったが今回はない。金額にして8兆円余り。わが国の税制改革史上、例のない大型増税である。家計への負担は大きい。
■一体改革の原点
 それでも、消費増税はやむをえないと考える。借金漬けの財政を少しでも改善し、社会保障を持続可能なものにすることは、待ったなしの課題だからだ。「社会保障と税の一体改革」という原点に立ち返ろう。国債を中心とする国の借金の総額は国内総生産(GDP)の約2倍、1千兆円を突破した。今年度の一般会計では、新たな国債発行が40兆円を超え、予算の半分近くに及ぶ。最大の原因は、高齢化に伴う社会保障費の伸びだ。医療や年金、介護の財源は、保険料や窓口負担だけでは足りない。国や自治体が多額の予算を投じており、国の社会保障費は年に1兆円ほど膨らみ続ける。将来の世代に借金のツケを回しながら、今の世代の社会保障をやりくりする――。こんなことをいつまでも続けられるはずがない。社会保障を安定させ、財政の危機を未然に防ぐには、今を生きる私たちがもっと負担するしかない。では数多い税金のうち、なぜ消費税なのか。社会保障による給付は高齢者向けが中心だ。お年寄りの割合は上がり続けており、所得税など働く世代の負担だけに頼るわけにはいかない。しかも、現役組は賃金が増えないなか、子育てや教育、住宅など多くの負担を抱える。支援を強化しないと、人口減少に拍車がかかりかねない。こうした点を考えれば、国民が幅広く負担し、税収も安定している消費税が、社会保障の財源に最もふさわしい。あわせて豊かな人たちを対象に、所得税や相続税を強化する必要がある。格差を縮めるためにも不可欠だ。ただ、これだけで消費増税に匹敵する財源を確保するのは難しい。
■法人税減税への疑問
 政府の責任は、規制改革などで経済を成長させつつ、税金をしっかり集め、むだ遣いせず効果的に配分することだ。この三つの課題に向き合わなければ、増税への理解は得られない。ところが、安倍政権は増税で予想される景気悪化への対策を理由に、これに反するような政策を打ち出した。5兆円の経済対策である。所得の少ない人の負担が重い消費増税では、低所得者への支援策が必要だ。補正予算にその費用を盛り込むのはわかる。しかし、対策の柱がなぜ、法人税の減税なのか。政権は、与党内の根強い反対を押し切り、法人税の減税方針を打ち出した。東日本大震災の復興費にあてる上乗せ増税を予定より1年早く今年度で打ち切ることや、その先の税率引き下げの検討を急ぐという。企業は経済成長の担い手であり、雇用の場でもある。国際的に法人減税の競争が続いているのも事実だ。ただ、日銀の統計では、企業(金融を除く)は現金・預金だけで220兆円も抱え込んでいる。多くの企業は、収益が上向いても使おうとしない。まず、こうした現状を改める必要がある。安倍首相は税率引き下げをテコに賃上げを迫る構えだが、財政への影響が大きい一律減税の前に、賃金や雇用、投資を増やした企業の税負担を軽くする手立てに集中すべきではないか。
■政権に自覚はあるか
 経済対策は支出面でも疑問がある。代表例が公共事業だ。老朽化した社会インフラの更新は急ぐべきだが、公共事業が足もとの景気を支える効果に飛びつき、「金額ありき」で上積みする姿勢がありありだ。バブル崩壊後、毎年のように補正予算を組んで財政を悪化させてきた愚を繰り返すのか。消費税の制度そのものにも課題が残る。国民が払った税金がきちんと税務署に納められることは税制の大原則である。業者の手元に一部が残る「益税」対策を徹底することが欠かせない。業者間の取引に、税額を明示したインボイス(明細書)を導入すべきだ。商品やサービス自体の価格と消費税分の区分けがはっきりすれば、取引時の転嫁がしやすくなり、立場の弱い中小事業者が泣き寝入りすることも減らせる。税金は安いにこしたことはない。それでも納税するのは、政府が暮らしに必要な政策に取り組むと信じるからだ。消費増税の目的をはき違えていないか。安倍政権は、国民の厳しい視線が注がれていることを自覚すべきだ。

*2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20131003&ng=DGKDZO60546430T01C13A0MM8000
(日経新聞 2013.10.3) アベノミクスの忘れ物
 アベノミクスには2つの忘れ物がある。1つは高齢化で膨らみ続ける社会保障費の抑制だ。医療、年金、介護などの給付は100兆円を突破。国の社会保障関係費は30兆円の大台に迫り、国内総生産(GDP)の2倍超の借金が積み上がった。「消費増税だけで財政を安定させるには30%超の税率が必要」。米アトランタ連銀のR・アントン・ブラウン氏らははじく。将来の増税を圧縮するには社会保障費の抑制が不可欠だが、安倍政権はどうも熱心ではない。
 「小泉政権時代の後遺症が残っている」と与党関係者は口をそろえる。小泉政権では2007年から5年間、社会保障費の伸びを毎年2200億円ずつ抑制する方針を決めたが、「高齢者切り捨て」との批判を招き、09年の政権交代につながったという思いが強い。投票率が高く、政治的な影響力の増す高齢者を前に、政治は痛みを伴う改革を避けたがる。
 70~74歳の高齢者の医療費自己負担はようやく来春、現在の1割から本来の2割に引き上げられる見通しだが、昨年12月の政権発足当初は引き上げを見送った。高所得者を対象にした介護サービスの自己負担引き上げや高額療養費見直しも予定されるが、抜本的な給付抑制策とはほど遠い。
 年金は最たるものだ。鈴木亘学習院大教授によると今のままではサラリーマンらが加入する厚生年金の積立金は2038年度に枯渇してしまう。現実的な運用利回りや保険料の未納率を想定すれば「100年安心」とは言い切れないはずだ。来年の公的年金の財政検証を受け、年金の支給開始年齢の引き上げも選択肢から排除せず、給付と負担のあり方を総点検すべきだ。年末の14年度予算編成での診療報酬改定は改革への本気度を問う最初の試金石となる。
 もう1つの忘れ物は、第3の矢である成長戦略の柱となる医療・介護、農業、雇用分野の「岩盤規制」の見直しだ。規制改革の目玉となる国家戦略特区。特区内での雇用ルールの緩和が焦点の一つだが、田村憲久厚生労働相は「慎重に対応しなければならない」。特区での混合診療の全面解禁や医学部新設に日本医師会の横倉義武会長は9月25日の記者会見で「反対」と明言した。規制改革を核とする構造改革が必要なのは、競争の促進や技術革新を通じ、潜在成長率を引き上げる効果が期待できるからだ。各省庁や支持団体の抵抗を押し切るには、安倍首相の強い指導力と覚悟がどうしても要る。金融政策の成功で手綱が緩み、政治が持続可能な社会保障改革と成長戦略を怠ればアベノミクスの出口は遠のく。
 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になるのは東京五輪の後の2020年代前半。五輪の宴(うたげ)のあと、事実上の財政破綻に陥ったギリシャの二の舞いとなってはならない。時間はそれほど残っていない。(経済部次長 瀬能繁)

*3:http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1600.htm
[平成25年4月1日現在法令等]  公的年金等の課税関係
公的年金等は、年金の収入金額から公的年金等控除額を差し引いて所得金額を計算します。
この雑所得となる主な公的年金等は、次のものです。
 (1) 国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による年金
 (2) 過去の勤務により会社などから支払われる年金
 (3) 外国の法令に基づく保険又は共済に関する制度で(1)に掲げる法律の規定による社会保険
     又は共済制度に類するもの

*4:http://qbiz.jp/article/24133/1/
(西日本新聞 2013年09月26日) 消費増税「悪影響」6割 九州・沖縄836社調査、価格転嫁に懸念
 帝国データバンク福岡支店は25日、消費税率引き上げに関する九州・沖縄836社への意識調査の結果を発表。来年4月に予定される消費税増税を「業績に悪影響」と答えたのは、全国平均より5・0ポイント高い60・3%に上った。販売先からの値下げ要求を「承諾しない」と答えたのは30・6%にとどまり、増税分の価格転嫁に懸念を残した。調査は8月に実施。増税を「悪影響」とした企業は1年前の調査(69・9%)に比べて9・6ポイント減少した。ただ、全国平均と比べると「影響はない」(19・6%)も5・7ポイント下回った。業界別では、小売の81・6%、農林水産の75・0%が「悪影響」と答えた一方、金融は0社だった。増税前の駆け込み需要の有無については、不動産が30・4%、建設も19・9%が「既にある」と回答。一方、農林水産の75・0%、製造の41・5%が「現在も今後も駆け込み需要はない」と答えるなど、業界間での差が目立った。増税を理由に販売先から値下げを求められた場合の対応については、「条件や企業との関係性による」「承諾する」と回答した企業が計53・2%で過半数となった。大企業より中小企業の方が「承諾する」と答えた割合が高く、増税に伴う中小企業へのしわ寄せが懸念される結果となった。

| 消費税増税問題::2012.8~2014.11 | 02:53 PM | comments (x) | trackback (x) |

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