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2013.10.17 日本における民主主義の成熟度 - 選挙で当選しやすい候補者の事例
(1)議員や候補者の「お祭り廻り」と「お盆廻り」
 *1で、自民党の石破茂幹事長が、「お盆にはお祭りもある。とにかく参院選のお礼回りをしなさい」等、新人議員に発破をかけられたそうだが、これは、自民党議員が地元で普通にやっていることである。このほか、地元の式典や会合に出席する、自分の国政報告会や座談会を開くなど、地元の人に浸透するように心がける。

 もちろん、地元の式典や会合に出席したり、一度その地域のお祭りに参加したりするのは、地元に関する知識を増やすことになるし、また、自分の国政報告会や座談会を開いて地元の人の声を聞くのは、当然、次の政策作成の基礎として重要である。

 しかし、お祭り廻り、お盆廻りに励むのは、議員の政策作成とは関係がなく、むしろ、それらに時間を使っている分だけ、本当の議員の仕事である政策作成に必要な時間をとられている。しかし、お祭り廻りやお盆廻りをする候補者の方が選挙で当選しやすく、国民は、政策作成に熱心な人より、お祭り廻りやお盆廻りでよく見かける人を議員に選んでいるというのが、現在のわが国の民主主義の実態であるため、ここは、有権者の方が考え方を変えるべきである。

(2)それでは誰が政策を作っているのか
 麻生財務大臣が「官僚をうまく使え」とよく言っているように、確かに、官僚がいろいろな意見をまとめて政策や法律案を作っている場合が多い。しかし、官僚は、政治家に使われてそれをやっているというよりは、政治家を使って自分たちが作った政策を法律にして「決めている」と言う方が正しい。例えば、消費税増税(財務省)、TPP(経産省)、原発推進(経産省)などがその例であり、与党の政治家がそのつもりでなくても、いろいろな手段でその方向に持っていかれるわけである。そして、官僚が、「自分たちの政策を、速やかに決める政治」を望んでいるのである。

 しかし、日本のメディアは、官僚が作った政策や法律案を成立させるのが、「『決める政治』で与党の責任だ」という言い方をする場合が多く、これは、民主主義という観点から見て本末転倒だ。

(3)新人議員は全員無知だとするメディアの論評について
 *1のように、「郵政選挙で大量当選した『小泉チルドレン』の初当選組83人が自由奔放な言動で批判を浴び次の衆院選で激減した」や「小沢チルドレンは・・・」というように、メディアは、大量に当選した新人議員を“チルドレン”と称し、「全員無知であるにもかかわらず、風にのって当選した起立要員にすぎない」というような議員を馬鹿にしたメッセージを発し続けてきた。

 しかし、新人は全員無知という発想は、終身雇用・年功序列の前提に基づいた間違いである。例えば、15年間弁護士として働いた人が新人国会議員になれば、15年間国会議員を続けてきた人よりも、法務関係の事象には詳しい。また、15年間医者であったり、15年間公認会計士であったりした人も、その分野については、15年間議員を続けてきた人よりも詳しいのである。つまり、前のキャリアは職業が変っても知識や経験として加算されるべきなのだが、日本では、「職業が変わって”新人”になれば、誰でも0からのスタートだ」と考える人が多い。これは、日本が終身雇用・年功序列を建前としていた時代の幻想で、世界標準からは程遠いのだが、日本のメディアは、拡声器よろしくそう言い続け、新人議員の信頼性を損ってきたのである。

(4)世襲議員とアピールについて
  
  フクイチ3号機爆発      爆発現場      爆発後の現場に入る人々

 世襲議員の一例として小泉進次郎議員を挙げれば、小泉純一郎元首相の後援会や秘書団を引き継いでいるらしく、選挙にゆとりがあり、当選当初から何かにつけ根回しも良くて、優遇されているように見えた。そう言う私も、ゆとりのある世襲議員のお世話になることが多かったが。

 また、進次郎議員は、毎月11日に他の国会議員を引き連れて福島県を訪れたり、*2に記載されているように除染したりしたそうだが、交通費を国費で支払って国会議員が何度も訪れながら、*3、*4のようなことを解決もせず、今頃*2のように「事故の影響で避難した人たちが戻れる環境をどうつくるかを考えなくてはならない」などと語っているのは、何度も福島県を訪れていたのが問題意識のない「お盆廻り(月命日参り)」と同レベルのアピールにすぎなかったという証拠だ。しかし、国会議員に要求されるのは、ほんの少しを自ら除染することではなく、本物の除染・避難・健康管理・復興を早急に進めることだった。

 が、そうやって国会議員という地位を確保し、「官僚の作った政策を決める」という、三権分立ではなく行政の下にある立法という構図を作っているのが、現在の日本における民主主義の成熟度である。

*1:http://career.pjin.jp/news/2013/08/08-01.php
(キャリア@PRO人 2013年8月 8日) 熱血「石破教官」新人議員に心得 夏休みの"宿題"も
 「お盆にはお祭りもある。とにかく参院選のお礼回りをしなさい」。「地元では社長さんだけでなく、従業員や受付の人も大事にしなさい」。繰り上げ当選した堀内恒夫氏を含め35人(衆院くら替え当選組3人を除く)が出席した7日の自民党参院新人研修会。石破茂幹事長の野太い声が会場に響きわたり、新人議員は真剣な表情で聞き入った。
●ミニ集会の開催や地方議員との緊密な連携など「選挙活動」のノウハウを丹念に指南した「石破教官」。
 先に訓示した安倍晋三首相(党総裁)が「たじろぐ自民党であれば党の終わりを示すことになる。皆さんは改革を進める中核になってほしい」と笑みを浮かべながらエールを送ったのとは対照的だった。石破氏の熱血指導の理由は、大量当選と落選を繰り返す「振り子現象」から脱皮することにある。念頭にあるのは平成17年の郵政選挙で大量当選した「小泉チルドレン」。当時の初当選組83人が自由奔放な言動で批判を浴び、21年の衆院選で激減したからだ。党内統治の観点から、にらみを利かすことも忘れなかった。石破氏は「何を言ってもいい。だが、その代わり(党として)決まったら一丸となって行くのだ」とクギを刺した。アドバイスと同時に"宿題"も課した。党憲法改正草案の策定経緯やポイントを記した「Q&A」形式の冊子を配り、熟読するよう指示。昨年の衆院選で当選した新人とほぼ同じ内容の研修だったが、リポート提出などは課さなかった。参院議員は任期6年。衆院と異なり解散がない。それだけに地元活動をおろそかにしないようにという指導に力点を置いたわけだ。石破氏は参院選中、候補者の名前や顔を暗記するための「単語カード」も作成した。新人が大量当選した昨年の衆院選後にも作成した単語カードの、参院版といえる。党内からは「ポスト安倍」を見据えた石破氏の言動に注目が集まるが、本人は「幹事長の最大の仕事は選挙」と自らに言い聞かせている。

*2:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2564228.article.html
(佐賀新聞 2013年10月13日) 小泉復興政務官が福島視察 / 風評被害対策を後押し
 小泉進次郎復興政務官は13日、福島市のリンゴ農家を視察し、東電福島第1原発事故による風評被害対策について「(福島県産品を)多くの人に味わってもらえるようしっかり後押ししたい」と述べた。視察したのは、阿部幸弘さん(59)の果樹園で、小泉氏が自民党青年局長だった昨年2月に除染を手伝ったことがある。この日は、阿部さんの案内で果樹園を見て回り、実ったリンゴをほお張ると「本当に甘い」と笑顔を見せた。小泉氏は視察後、原発事故の収束に向けた政府の取り組みに関して「事故の影響で避難した人たちが戻れる環境をどうつくるかを考えなくてはならない」と記者団に語った。

*3:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013101101002281.html
(東京新聞 2013年10月11日) 被災者支援限定に過半数が疑問 基本方針で復興庁発表
 復興庁は11日、東京電力福島第1原発事故の避難者らを援助する「子ども・被災者支援法」の基本方針案に4963件の意見が寄せられ、このうち「支援対象地域」を福島県内33市町村に限ったことへの疑問や見直しを求める意見が2707件あったと発表した。復興庁は基本方針案を8月30日に発表し、9月23日まで意見を公募した。これを踏まえて政府は11日、対象地域以外でも、除染や健康診断実施などの対象になり得ることを新たに明記した基本方針を閣議決定したが、対象地域の範囲は見直さなかった。

*4:http://digital.asahi.com/articles/TKY201310160927.html?iref=comkiji_redirect
(朝日新聞 2013年10月17日) 除染予算、4分の3使われず 福島第一周辺の国直轄分 検査院調べ
 福島第一原発周辺の放射線量が高い地域の環境省の除染事業をめぐり、会計検査院が昨年度までの予算約3228億円の執行状況を調べたところ、76・6%にあたる約2472億円が使われなかったことがわかった。汚染された土壌の置き場所がない、などの理由だ。また除染費用は東電に請求しているが、支払われたのは請求額の2割に満たないという。環境省は、この事業を今年度中に終えるとしていた計画を9月に撤回するなど見通しの甘さが指摘されているが、予算面からも改めて浮き彫りになった。この除染事業は、原発周辺の福島県内11市町村内の避難指示区域を「除染特別地域」として国直轄で実施する。ただ、住民の同意が得られず、土壌の仮置き場の確保などが難航しているため除染が進んでいない。今年7月末現在、田村市、楢葉町、川内村は仮置き場の必要面積を確保したが、浪江町0%、飯舘村15・2%、南相馬市18・0%など7市町村は5割未満にとどまる。除染を行う土地や家屋の所有者らとの交渉も、浪江町で12・8%、南相馬市で27・8%、飯舘村で29・6%しか済んでいない。環境省は取材に「地元住民の理解を得ながら、適切に除染が進むよう努めていきたい」と話している。一方、除染事業の費用は「放射性物質汚染対処特措法」に基づいて、国直轄分に限らず、各自治体分も含むすべてを東電が負担することになっている。今年度までに組まれた除染事業の予算総額は1兆2874億円にのぼり、今後も増え続ける見通しだ。同省はこれまでに除染が終了した分の約404億円を東電に請求したが、東電からは約67億円(16・7%)しか支払われていない。特措法は東電に「速やかに支払うよう努めなければならない」と求めているが、検査院によると、東電は「証拠の確認が完了していない」「特措法の定める支払いの範囲か判断できない」などとして支払いを拒んでいるという。東電は取材に「合意できたものは支払っている。詳細は環境省との交渉であり、回答は控えたい」としている。

| 民主主義・選挙・その他::2013.1~11 | 12:44 PM | comments (x) | trackback (x) |

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