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2014.9.20 日本政府に不足しているのは、「自然や生態系の維持は、生態系の一部である人間のためでもある」という発想だ
    
   鯨のおば      鯨の刺身    鯨の竜田揚げ   鯨のステーキ

(1)生物資源管理としての捕鯨の制限について ← 鯨の数は、元にもどったのか
 *1-1、*1-2のように、国際捕鯨委員会(IWC)は、科学委員会に続き、総会でも、日本が南極海で行っている調査捕鯨の再開を先延ばしすることを決議し、日本が調査捕鯨する際に出している計画を科学委員会だけでなく総会にも提出するよう要求したが、日本はそれに従わず、捕鯨再開の方針を変えないとのことである。これに対し、日本が国際ルールを無視していると批判されるのは当然だ。

 しかし、日本政府関係者は、*1-2のように、「日本は、今回の決議で、少なくとも次回2016年の総会まで南極海での調査捕鯨ができなくなったため、今後は、反捕鯨国に対して、国会議員や大使ら政府関係者が個別に働きかけ続けて、日本の方針への理解を求めていく」としている。

 私は、(動物愛護からではなく)人間の捕獲によって鯨の数が減り、日本近海だけでは十分な数の鯨が獲れなくなったため南極海まで行って捕鯨しているのだから、この日本政府の方針には反対だ。日本人の食文化としての鯨の捕獲なら、調査捕鯨ではなく商業捕鯨そのものであり、日本の近海で鯨を捕獲できるだけの鯨資源があった時代に成り立っていた食文化であるため、そういう状況になってから捕鯨を再開するのが筋である。

(2)「鯨を食べるのは日本の食文化」という主張は、どこまで通るのか
 *1-3に書かれているように、日本が世界中の非難を受けながらも捕鯨再開にこだわる理由は、①科学的根拠に基づく資源管理はしている ②鯨食は日本の食文化である ③捕鯨が日本の主張や愛国主義の象徴になっている などだそうだ。しかし、①については、江戸時代に日本近海で鯨を捕獲していた頃ほど鯨資源が回復したわけではないので成立しないし、②についても、今では子どもの頃に鯨を食べていた50歳以上の人にしか通用しないため、成立していない。さらに、③については、このようなことで横車を押していると、尖閣諸島についても、日本の方に正当性がないかのように他国に思われるため、その方が重大な問題である。

 また、*1-3で、「日本人は英語が不得意だから世界の世論を理解できていない」とされているのは、「日本人は、英語が不得意な人が多く、日本語の情報しか入手しないため、日本は特別な国で日本が中心だという発想をしがちだ」というのが正しいだろう。

 なお、ここで捕鯨にこだわる「日本」とは、一部の日本人と、その一部の日本人を代表する政治家や官僚、その太鼓持ちになっている日本のマスコミである。

(3)“調査捕鯨”は、商業捕鯨の抜け穴にすぎない
 *1-3には、「生物資源に関しては、持続可能な利用と保全の両立を基本的目標にするという持続利用原則が広く受け入れられており、我々は無規制で乱獲につながるような捕鯨の再開、絶滅が危惧されるような鯨種の捕獲を求めているわけではない」「捕鯨に反対する人の中には、すべての鯨類が絶滅に瀕しており,捕鯨国がそれを捕り尽くそうとしていると単純に誤解している人も多い」「捕鯨国が持続的に資源の豊富な鯨類を利用することを認めて欲しい」等が、書かれている。

 しかし、“調査捕鯨”とは、そもそも調査のための捕鯨であって商業捕鯨ではないため、食文化や生物資源の持続可能な利用・保全とは関係がない筈である。それにもかかわらず、*2-2のように、「調査」という名目の抜け穴を使って商業捕鯨を行い、1年間で何百頭ものクジラを捕殺するというのは、国が率先してとるべき行動ではない。また、DNA鑑定や遠隔監視ができる時代に、科学者が大量の鯨を捕殺して行わなければならないような科学的調査はない。

 また、*2-3に書かれているように、販売されている鯨肉のDNA鑑定をしたところ、1966年以来保護されているザトウクジラなども交じっており、生物資源の持続可能な利用・保全をしているとも言えないそうだ。そして、このような嘘や言葉のトリック、抜け穴を許さないのは、「感情的な反捕鯨派」にとどまらず、人類共通の倫理観である。

(4)日本人は、今、どうして鯨を食べる必要があるのか
 鯨食派の人は「鯨は美味しい」と言うが、鯨は南氷洋から運ばれて来るので、刺身も冷凍物であり、野生動物として泳ぎまわっていたのだから、筋肉質で固い。そして、鯨と牛の大和煮の缶詰を食べ比べてみればわかるように、牛の方が格段に美味しいのである。

 50~60年前は、牛や豚が少なく、高くて滅多に食べられなかったため、その代用品として鯨を食べていたにすぎない。上の写真の鯨の脂肪をさらした「おば」は安い食べ物の代表だったし、学校給食に出ていた鯨の竜田揚げは、独特の匂いがして固く、はっきり言ってまずかった。また、私は、鯨のステーキを食べたことはないが、野生動物である以上、国産牛のような味と柔らかさは期待できないだろう。

 従って、牛、豚、鶏、その他の動物性蛋白がふんだんに手に入る日本で、江戸時代ほど鯨が増えたわけでもないのに、家畜として日本近海で飼っているならともかく、わざわざ国際ルールを犯してまで南氷洋に鯨を取りに行って、鯨を食べなければならない理由はないと考える。

< 南極海の捕鯨継続派の意見>
*1-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140919&ng=DGKDZO77260320Z10C14A9EE8000 (日経新聞 2014.9.19) 
調査捕鯨、先延ばし決議 IWC総会 日本は「再開」変えず
 スロベニアで開いている国際捕鯨委員会(IWC)の総会は18日、ニュージーランドが提案した調査捕鯨の計画への評価や手続きを厳しくする決議を過半数の支持で採択して閉幕した。決議は日本の南極海での調査捕鯨の再開を事実上、先延ばしするように求めた。日本は調査捕鯨を再開する方針を変えていないが「総会決議違反」との批判は避けられなくなる。水産庁によると、決議に賛成したのは35カ国。米国やオーストラリア、チリ、メキシコなどが含まれるとみられる。反対は日本など20カ国にとどまり、棄権が5カ国あった。決議は日本が調査捕鯨をする際に出している計画をこれまでのIWC科学委員会だけではなく、総会にも提出するように要求している。これに従うと毎年開く科学委員会と違って総会は2年に1度しか開かないため、調査捕鯨の再開は最短で2年後の2016年となる公算が大きい。決議には法的拘束力はない。このため日本政府は予定通り、2015年度から南極海での調査捕鯨を規模を縮小したうえで再開する方針だ。ただ反捕鯨を掲げる欧米諸国が「日本は国際ルールを無視している」などとして反発を一層強めるのは必至とみられる。

*1-2:http://www.yomiuri.co.jp/world/20140918-OYT1T50172.html
(読売新聞 2014年9月18日) IWC調査捕鯨先延ばし決議…日本従わない方針
 国際捕鯨委員会(IWC※)総会は最終日の18日、日本の南極海での調査捕鯨開始を遅らせることを狙ったニュージーランドの決議案を賛成多数で採択し、閉幕した。決議に拘束力はないため日本は従わず、来年12月頃に調査捕鯨船団を出港させる方針を改めて表明したが、今回の総会で反捕鯨国との亀裂がさらに深まる結果になった。決議案は16日に提案された。日本政府関係者によると、豪州や米国、南米諸国、日本などが修正協議を行っていたが、特に南米の姿勢が強硬で交渉は決裂した。現在の手続きでは、日本は来年5月のIWC科学委員会で新しい調査計画の審査を受ければ、来冬から南極海の調査捕鯨を始められる。これに対し、決議では同委員会の審査に加え、隔年で開催される総会でも計画内容を議論し、総会が何らかの勧告を出すまで調査をしないよう求めている。決議に基づけば、日本は次回の16年の総会で新しい調査計画が議論されるまで、南極海での調査捕鯨ができない。さらに過半数の反捕鯨国が調査捕鯨に猛反対する総会では、日本に厳しい勧告が行われることになる。ただ、決議には拘束力がなく、日本は16年総会での議論を待たずに、来冬に南極海の調査捕鯨を実施する。一方、沿岸域でミンククジラ17頭を捕獲する商業捕鯨を求める日本の提案も審議され、4分の3の賛成が得られずに否決された。今後、日本は16年総会までの2年間に反捕鯨国に対し、国会議員や大使ら政府関係者が個別に働きかけを続け、日本の方針への理解を求めていく。しかし、反捕鯨国との対立が緩和されない限り、16年総会ではさらなる反発が出ることも予想される。日本は、国際社会の逆風を受け続けてまで調査捕鯨を継続するのか、決断を迫られる可能性もある。

*1-3:http://www.e-kujira.or.jp/whaletheory/morishita/1/
(水産庁森下丈二参事官 2007年12月20日) どうして日本はここまで捕鯨問題にこだわるのか?
 このコーナーへの投稿の第一弾として,「日本はどうして世界中の非難を受けながらも捕鯨再開にこだわるのか」という疑問についての考えを私なりにまとめてみたい。この疑問は様々な機会に呈されてきたが,その答えも様々である。捕鯨を支持する立場からは,科学的根拠に基づく資源管理を支持するから,日本の文化だからといったものが主張され,捕鯨に反対する立場からは,捕鯨関係者の政治力が強いから,一部官僚の独走,捕鯨が愛国主義の象徴となっているといった意見が聞かれる。日本人は英語が不得意だから世界の世論を理解できていない,もっと一般の日本人を啓蒙すべきだという記事もオーストラリアの新聞に掲載されたことがある。ここで,捕鯨にこだわる「日本」が,日本人一般なのか,一部の日本人なのか,日本のマスコミなのか,日本政府なのかによって,その答えは千差万別であろうが,本文は,あくまで私自身の立場から見た考え方である。
 まず明確にしなければならないことは,我々は無規制で乱獲につながるような捕鯨の再開や,絶滅が危惧されるような鯨種の捕獲を求めているわけではないということである。資源が豊富な鯨種を,持続的に(すなわち銀行の預金の利子だけを使い,元金を減らさないような方法で),国際規制の下で利用したいと求めているのである。これに対して,全ての捕鯨は破壊的であり規制などできないという捕鯨性悪説の主張があるが,そうした主張については次の機会に詳しく議論したい。我々が捕鯨問題に「こだわる」理由をあえてまとめれば,次のような観点がある。
(1)捕鯨問題は持続的利用の原則の象徴
 生物資源に関しては,持続可能な利用と保全の両立を基本的目標とするという持続利用原則が広く受け入れられている。これは,1992年のリオ会議(地球環境サミット)で確立し,『環境と開発に関するリオ宣言』や『アジェンダ21』に具体化された原則である。言い換えれば,漁業資源を含むすべての生物資源について,資源状態の悪いものについては保全措置をとり,資源が豊富なものについては持続的に利用して良いということが,世界的な常識となっている。他方,いわゆるカリスマ的生物(クジラやゾウなどのアピール性の強い生物)については,資源が豊富に存在しても,イコン(偶像,象徴)として手付かずで保護すべきとの考え方がある。捕鯨に反対する人の中には,すべての鯨類が絶滅に瀕しており,捕鯨国がそれを捕り尽くそうとしていると単純に誤解している人も多いが(仮にそうであれば捕鯨は非難されるべきである),そうではなく,クジラは特別な動物なので,いかなる場合でも保護すべきとの主張があるということである。現に強硬な反捕鯨国である豪州などは,IWCの場において,いかなる状況下であっても(資源が豊富でも,持続的管理が可能でも,充実した監視取締措置を導入しても)捕鯨に反対であるとの立場を公言している。この考え方には,誰が,どのような基準で「特別な動物」を決めるのか,「主要国」が特別な動物を決めれば,それを他の国に強制することが出来るのか,「特別な動物」が次々に増えていくことに対する歯止めはあるのかといった重大な問題が含まれる。インドが,ウシは特別な動物だから牛肉を食べるべきではないと国連などで主張し,これを経済制裁などで他の国に強制すれば,その異常さは誰の目にも明らかである。他方,クジラについてはまさにこれが行われているが,「世界の世論」として受け取られる。クジラは野生動物だから保護すべきとの主張もあるが,漁業対象の多くの魚は野生動物であり,世界人口のかなりの割合が陸上野生動物を捕獲し利用している。ちなみに,くだんの豪州は野生動物であるカンガルーを年間に数百万頭(数百頭ではない)捕獲し,食肉やペット(ドッグ)フードとして販売している。持続的な捕鯨を支持するということは,持続的利用の原則を支持するということであり,その持続的利用原則に恣意的な例外を作らないということであり,一部の「主要国」のわがまま(これには環境帝国主義という名前が付けられている)を認めないということであり,国際的な交渉においてはカリスマ性といった感情論ではなく科学と国際法を尊重するということなのである。捕鯨支持にこだわるのは当然ではないだろうか。
(2)理不尽な反捕鯨の主張
 反捕鯨の主張を理不尽な押し付けと捉える人は多い。日本を含む持続的利用支持派は,反捕鯨国が自国の水域内や,自国国民に対してクジラを完全に保護することを否定しているわけではなく,ホエールウォッチングも認めている。ただ,捕鯨国が持続的に資源の豊富な鯨類を利用することを認めて欲しいと求めている。他方,反捕鯨勢力は,捕鯨国の主張は受け入れず,自分たちの主張を全ての国が受け入れることを強く一方的に求めている。そこには相互の考え方を尊重し,妥協を受け入れるとの観点はきわめて希薄である。本年(2007年)のアンカレッジでの第59回IWC年次会合で,日本は捕獲頭数を空欄にして日本の沿岸小型捕鯨地域に対する捕獲枠を要請する提案を行った。これは,捕獲頭数について交渉をする用意があるとの意思表示であり,たとえば,論理的には誰が見ても資源に悪影響を与えない捕獲頭数(極端にいえば1頭などという象徴的な捕獲も議論としてはありえる)を提示し,捕鯨問題の本質を浮き彫りにしたいという意図もあった。反捕鯨国はこの提案を明確に拒否した。主な理由は,日本の沿岸小型捕鯨には商業性があり,同じアンカレッジ会合で認められた米国やロシアの先住民生存捕鯨とは異なるというのである。IWCが開催されたまさにそのホテルでは,アラスカ先住民が捕獲したホッキョククジラのヒゲや骨などの工芸品が一点数十万円という値段で販売されていたが,反捕鯨国によれば,このような工芸品の販売は商業性があるとはみなさず,一方では,日本の沿岸小型捕鯨地域で鯨肉が地域住民や市場に販売されれば商業性があって認められないというわけである。商業性をこれほど罪悪視すること自体も問題であるが,そもそも反捕鯨国のいうような「商業性」の定義(工芸品はいいが肉はだめ)はいかなる常識でも正当化し得ない。ここに,「日本には何があっても捕鯨はさせない」という基本方針があると疑うのは過剰反応であろうか?このような反捕鯨国の主張を理不尽と感じながら,「世界の世論」として受け入れるべきであろうか?日本の海外での評判という国益のために,捕鯨はあきらめるべきであろうか?捕鯨問題に関する街頭インタビューなどで,「反捕鯨国はウシを食べておきながらクジラを食べるなというのはけしからん」という意見を良く聞く。これに対しては,ウシは家畜でクジラは野生動物だから比較できないといった反論があるだろうが,一般市民が感じ,見抜いている捕鯨問題の理不尽さを端的に表した意見ではないだろうか。
(3)持続的利用を支持する国やNGOからの支持
 日本は捕鯨問題について国際的に孤立しており,IWCで日本を支持するのは援助で買われた開発途上国だけだという批判がある(これについても別の機会に詳細に書くこととしたい)。しかし,持続的捕鯨は広い方面から支持されている。まず国としては,西アフリカ,アジア太平洋,カリブ中米などの開発途上国約30カ国に加えて,ロシア,中国,韓国,ノルウェー,アイスランドなどがIWCにおいて管理された捕鯨の実施を支持している。特に,開発途上国は自国の漁業資源などの自然資源への依存を背景に,持続的利用の原則堅持を強く主張している。中国,韓国は捕鯨に従事していないが,やはり持続的利用の原則支持の立場から基本的に持続的捕鯨を支持している。また,NGOとしては,現在は活動を休止しているが,捕鯨の伝統のある世界の先住民の団体である世界捕鯨者連盟(WCW)があり,カナダの先住民,ニュージーランドのマオリ族などもメンバーとして参加している。また,生物資源の持続的利用を支持し,ゾウの問題などについて活動している国際NGOであるIWMC(国際野生生物管理連盟)は,1982年から1990年までワシントン条約事務局長を務めたユージン・ラポワント氏が率いるワシントン条約に関する専門家集団である。豪州に本拠を置くSMS(生物種管理専門家集団)も,元ワシントン条約動物委員会議長ハンク・ジェンキンス氏がリーダーを務めるワニや爬虫類管理などの専門家グループであり,ヨーロッパで持続的利用を支持するNGOのEBCD(欧州保全開発組織)は欧州議会やIUCNと強いつながりを有する。これら持続的捕鯨を支持するグループは,捕鯨問題を生物資源の持続的利用という大きな流れの中の問題として捉えており,捕鯨を持続的利用原則の立場から支持し,捕鯨問題における後退は,持続的利用原則の後退そのものと捉えているという点である。彼らの主要関心事項がゾウやワニやタイマイであることがこれを明確に示している。捕鯨問題が彼らの関心事項と深いつながりがあるとの認識が無い限りは,捕鯨を支持する理由は無い。彼らの中では,これらの問題を Wise-use という考え方と Non-use という考え方の対立と位置付けている。Wise-use とは保全を図りつつ資源を持続的に利用するということであり,Non-use とは動物愛護運動に代表されるような自然には一切手をつけるべきではないという考え方である。
 さらなる特徴は,自然資源の利用に生活を依存している先住民や開発途上国がクジラの利用を支持しているということである。彼らには,自然資源の利用が科学的な裏づけも無く制限や否定されることへの強い反発と危機感があり,捕鯨問題にその象徴を見ている。それを裏付けるように,IWCでの彼らの発言には食料安全保障や資源利用に関する国家主権などの話題が頻繁に登場する。反捕鯨運動は,独立国が主権に基づいて資源の持続的利用を実現し,開発につなげるという姿勢・考え方に対する攻撃と捉えられており,とりわけ開発途上国にとっては重大問題である。捕鯨問題は原理原則の問題であるといわれる。一部の関係者の利害を越えた,裾野の極めて大きな問題であるからこそ短期的な損得ではなく,より広い視野から資源管理のあり方の原則に沿った対応に,我々はこだわるのである。

<鯨保護派の意見>
*2-1:http://news.goo.ne.jp/article/jiji/business/jiji-140916X102.html (Gooニュース 2014年9月16日) 捕鯨継続への理解焦点=日本、沿岸捕獲枠を提案―IWC総会開幕
 国際捕鯨委員会(IWC)の総会が15日(日本時間同)、スロベニアのポルトロジュで4日間の日程で始まった。国際司法裁判所(ICJ)による南極海調査捕鯨の中止命令を踏まえ、日本は新たな計画を策定し、調査捕鯨を継続する方針を表明する。日本の主張がどの程度の理解を得られるかが焦点だ。総会開催は2年ぶり。IWCによると、初日は加盟88カ国のうち63カ国が参加した。参加国の過半数は反捕鯨国とされ、日本に対する反発が一段と強まる事態も予想される。初日の15日の討議で日本は、網走(北海道)や鮎川(宮城県)などで行われている沿岸小型捕鯨をめぐり、ミンククジラ17頭の捕獲枠の設定を提案。沿岸小型捕鯨に関する提案は過去何度も否決されてきたが、日本は今回、IWC科学委員会が昨年行った試算に基づき、商業捕鯨の例外として捕獲枠を新たに求めた。これに対し反捕鯨国からは、「(商業捕鯨を一時停止している)モラトリアムの抜け道だ」(ニュージーランド)といった厳しい意見が相次ぎ、16日以降も審議を続けることになった。

*2-2:http://www.ifaw.org/japan/our-work/whales/
(IFAW) 「調査」捕鯨の真実
 捕鯨の全面禁止にもかかわらず、国際捕鯨委員会(IWC)のモラトリアムは「科学許可による捕鯨」として知られる大きな抜け穴を含んでいます。この許可によって捕鯨船は調査の名目でクジラを捕獲することが許可されています。この抜け穴は1946年以来、国際捕鯨取締条約に含まれ、1986年に捕鯨モラトリアムが成立した後も残っています。しかし、これには科学的な要素は何もありません。
 •科学許可による捕鯨では鯨肉を利用する必要があり、鯨肉を販売するなり、あげるなりして、利用しな
  くてはいけません。つまり、科学許可は鯨肉の販売許可と大差ないのです。
 •科学許可による捕鯨は申請した国によって認可されます。つまり、日本は外部の精査や説明の必要も
  なく、自国の調査捕鯨を自国で認可しているのです。
 •調査捕鯨を行う国だけが鯨肉市場の開拓に熱心であることは偶然ではありません。日本の調査捕鯨
  プログラムによって、2009年だけで何百頭ものクジラが捕殺されました。
 •大量虐殺の原則に基づいて行われる科学的調査など、他の種では考えられません。
●調査捕鯨の代替案
 DNA鑑定や遠隔監視の時代に、科学者が調査目的でクジラを捕殺する必要はありません。クジラが脱皮する皮、脂肪、糞便からサンプルを採取することも可能です。科学者はクジラが噴気孔から息を吐き出す時にサンプルを採取して、病原体を検出することもできます。IFAWの調査船「ソング・オブ・ザ・ホエール」号の科学者は、クジラに危害を加えずに研究する技術と手法を開発しました。

*2-3:http://www.ifaw.org/japan/our-work/whales/
(IFAW) DNA鑑定が提示する違法捕鯨の証拠
 1995年以降、IFAWの定期的な調査は、日本と韓国による絶滅危惧種のクジラの違法捕鯨及び鯨肉販売の有力な証拠を明らかにしてきました。販売されたクジラ肉のサンプルのDNA鑑定によって、各サンプルの種と地理的起源が特定できます。サンプルには以下の鯨肉が含まれていることがわかりました:
 •ザトウクジラ:1966年以来保護されています。今日市場で見つかったザトウクジラの肉がこれほど
  古いはずはありません。
 •ナガスクジラの肉:1991年までアイスランドから輸入されていましたが、その後輸入は数年間停止
  されました。そしてごく最近、取引再開を目指して少量のナガスクジラの肉が再びアイスランドから
  日本に輸出されました。しかし、近年アイスランドで捕殺されたナガスクジラの肉の大半は買い手
  が付きません。ナガスクジラの肉は一部、日本と韓国で備蓄されていますが、現在の市場の供給
  量は需要をはるかに上回っています。
 •ニタリクジラとシャチの肉:ニタリクジラは1987年から2000年まで、シャチは1997年以降ずっと保護
  の対象になっています。
 •イワシクジラ:1979年以来、南半球では捕獲されていません。
●抜け穴のための抜け穴作り…
 IFAWの捕鯨調査が1995年に公表された後、日本はクジラが「偶然」日本の漁師の網にかかった際の「偶然捕獲されたクジラ」の販売を合法化しようとしました。この抜け穴を認めたIWCは、保護されたクジラの販売を原則的に認可したのも同じです。

| 環境::2012.12~2015.4 | 03:20 PM | comments (x) | trackback (x) |

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