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2016.3.6 男女雇用機会均等法ができたにもかかわらず、女性の登用が進まなかった本当の理由は何か? (2016年3月7、9、11、12日に追加あり)
   
2013.11.15朝日新聞   2015.11.19 地方議会議員     社会保障への対応   
                    朝日新聞   の女性割合

     
 多方面の男女格差  年齢別・男女別平均年収     非正規雇用者数とその増減

(1)女性総合職1期が8割も退社した理由
 *1のように、最初の男女雇用機会均等法が施行された1986年に入社した現在50代前半の女性総合職は、約30年経った2015年10月には約8割が退職していたそうだ。多くのメディアは、その理由を、①長時間労働などの慣習が変わらなかったから ②育児と仕事の両立支援が遅れたから などとしているが、最も大きな理由は、雇用における女性差別の禁止を「努力義務」に留め、男女雇用機会均等法をザル法化して、企業が女性の活躍を本当の意味では推進しなかったからである。しかし、1989年には「1.57ショック」があり、このままでは女性が仕事か子どもかを選ばされて少子化するという統計上のメッセージは出ていたが、これは無視された。

 この間、女性が結婚や出産を機会に退社せざるを得なかった背景には、まだ社会全体に残っていた家制度に基づく古い価値観(嫁は家の女と書く)があり、また、団塊の世代が働き盛りで男性だけでも雇用が満杯だったため、政府や日本企業は、本音では女性を雇用の調整弁として女性に寿退社を薦めていたことがある。これは、*3-1の「結婚したら仕事を辞める、それが私という女の生き方」として、結婚後は個性的なスター歌手から専業主婦になった山口百恵が英断として褒められ、松田聖子のように結婚しても引退しない歌手は徹底的に叩かれるという社会的風潮があったことからも明らかだ。

 また、最初の男女雇用機会均等法が創られた1986年には、*3-2のように、基礎年金制度ができて、厚生年金や共済年金に加入している者に扶養されている20~60歳の配偶者は、保険料の負担なしで基礎年金を受け取れるようになり、これは給与所得者の専業主婦に有利に働いた。

 そして、これらが、家族や社会から評価されて初めて働き続けられる日本女性の仕事の継続に不利に作用したことは言うまでもない。

(2)最初の男女雇用機会均等法について
 *2-1に、1982年に労働省婦人少年局長に就任して、最初の男女雇用機会均等法の成立に奔走された赤松良子さんの話が出ている。私は、1985年頃から赤松さんと東大の女子同窓会でお会いして何度か話をする機会があったが、労働省内にすら雇用の男女平等のための法律をつくることには根強い反対論があり、「女は家にいるのが幸せ」と考える人が多かったそうだ。そして、その後の行政改革で労働省と合併した厚生省は、労働省にもまして、その傾向が強かったと他の先輩から聞いている。

 そして、*2-2のように、最初の男女雇用機会均等法は徹底していなかったため、女性の中にも反対する人が多く、赤松さん自身も「満足する中身ではなく、後輩に改正を託す」と言っておられる。しかし、最初の男女雇用機会均等法の成立により、とにもかくにも、*6の国連女子差別撤廃条約への批准手続きを進めることはできた。

 しかし、この時点で、日本企業は総合職と補助職(現在は一般職と呼ばれている)の区分を作り、大半の女性を補助職、一部の女性だけを総合職として男性に近い昇進の機会を与えた(ただし、全く同じではなかったため、むしろ男性より負担が多かった)。つまり、日本企業は、総合職と補助職を分けるという方法で、最初の男女雇用機会均等法を骨抜きにしたのである。

(3)1997年改正の男女雇用機会均等法について
 (私が当時の通産省に提案して)1997年に、*4の男女雇用機会均等法改正が行われ、1999年4月1日から施行された。これにより、職場における募集・採用、配置・昇進、教育訓練、福利厚生、定年・退職・解雇における女性差別が全面的に禁止されたが、この改正時は不思議なほど抵抗がなかったと赤松さんが言っておられた。実は、その理由は、女性を社会で活躍させることを、女性の人権保護としてではなく、経済に好影響を与えるという論理で説明したからである。

 つまり、日本には、経済発展はしなければならないが、女性の尊厳や人権の保護、男女差別の撤廃などは疎かにしてもよいと考える風潮があり、これは民主主義については開発途上国もいいところなのである。そして、1999年4月1日からの改正男女雇用機会均等法施行後には、経産省や日本企業は、非正規社員・派遣社員という改正男女雇用機会均等法で守られない人の割合を増やすことによって、改正男女雇用機会均等法を骨抜きにした。

(4)日本で女性の登用が進まなかった理由
 上のグラフや*5で示されているように、世界経済フォーラム(WEF)の男女格差(ジェンダーギャップ)指数は、日本が世界145カ国中の101位でG7では最下位だったそうだ。その理由は、1979年に国連で採択され、1981年に発効した女子差別撤廃条約に批准して後、他の国はまともな対応をしてきたのに、日本は(1)~(3)のように、女子差別撤廃条約や男女雇用機会均等法を形骸化し、ザル法化することに専念してきたからである(日本には女子差別撤廃条約には拘束されないという主張もあるが、条約は国内法に優先するため、締結国は条約を守らなければならない)。

 そのうち、「政治への参加118位」「経済活動への参加と機会104位」は著しく低く、「教育91位」も社会の“常識”を反映するせいか意外に低く、「健康と生存34位」がまあまあといったところだ。特に、女性の政治家が少ないのは、少子化対策を産めよ増やせよ論にすり替え、社会福祉や安全な食品を疎かにして、無駄な土木や原発などの有害無益なものにうつつをぬかしている現在の政治の根本原因であるため、私も、女性議員が少なくとも3割に達するように当選させる仕組みを考えることは、日本の政治経済に真に有効だと考える。

<最初の男女雇用機会均等法の成果>
*1:http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=351228&nwIW=1&nwVt=knd (高知新聞 2016年2月1日) 【均等法1期生】なぜ8割も退職したか
 働く女性を取り巻く状況を浮き彫りにする数字だ。男女雇用機会均等法が施行された1986年に大手企業に入社した女性総合職のうち、昨年10月時点で約80%が退職していたことが共同通信の調査で分かった。この30年間に一定の前進があったとはいえ、女性が子育てなどを機に退職する「M字カーブ」の基本形は変わっていない。安倍政権は成長戦略に女性の活躍を掲げるが、過去の反省も踏まえ働き続けることができる環境を着実に整備することが欠かせない。募集、採用、昇進などでの性差別を禁じる均等法は、憲法がうたう男女平等を働く場でも保障する意味がある。それまでは男女別採用、女性だけの若年定年制、結婚退職制もあったから、女性の働き方を大きく変えることが期待された。その代表と言えるのが企業の幹部候補生である女性総合職だが、86年入社の均等法1期生は、約30年後には大半が職場を去っていた。法の想定とは大きく異なる。これには差別禁止を企業の「努力義務」にとどめた法の不備も絡んでいるが、問題なのは「義務」とした99年の法改正後も基本的な構造が変わらなかったことだ。調査では99年採用の女性総合職のうち74%が退職していた。この世代は現在は40歳前後で、これから介護などに直面すると、その割合はさらに上がる恐れがある。無論、均等法には効果もあった。女性の結婚退職はかなり減ったし、企業や役所では管理職への起用が徐々に増えている。それでも働く女性の課題は多い。それを象徴するのは、以前から指摘される「M字カーブ」であろう。総務省が2013年に実施した調査によると、女性の就業率は25~29歳が約75%と最も高いが、30~39歳は60%半ばまで低下、40歳以上で再び70%台に戻っている。かつてほどの深い谷ではないとはいえ、出産の前後に退職する人が多いことを物語っている。共働き家庭では家事、育児、介護が依然、妻に集中する傾向があり、仕事との両立は容易でないのが現実だ。均等法施行から3年後の89年には1人の女性が生涯に産む子どもの数が、当時としては記録的に減少した「1・57ショック」があった。これを受けた少子化対策では、子育て支援を中心とする新旧のエンゼルプランなどが策定されている。それでも共同通信の調査では、2007年採用の女性総合職の42%が既に退職している。大手企業がこんな状況なら、中小・零細企業ではどうなっているのだろう。安倍内閣は女性活躍推進法や第4次男女共同参画基本計画などを通じて、女性の活躍できる社会づくりを目指している。それには長時間労働など男性の働き方も見直す必要がある。これまでずっと事態の改善を阻んできた構造にもメスを入れることだ。

<最初の男女雇用機会均等法>
*2-1:http://digital.asahi.com/articles/ASHB655CBHB6ULFA014.html?iref=reca
(朝日新聞 2015年10月12日) 〈証言そのとき〉男女平等を求めて:4 政・財界に強い反対論
 1982年に労働省の婦人少年局長に就任しました。のちの「男女雇用機会均等法」の法制化に向け、一気に走り出そうと思いましたが、なかなかうまくいきませんでした。
――労働省内にすら、雇用の男女平等のための法律をつくることに根強い反対論があった。
 省内もほとんど男性ですから。女性が男女平等を叫ぶのはあんまりうれしくないわよね、誰だって。それでも良識ある人は「そうは言ってもご時世だから」ってあきらめたけど、あきらめきれない人もいたのね。「わざと過激な中身にした方がつぶしやすい」なんて悪知恵を出していた人もいたそうです。当時の大野明大臣も「女性は家にいるのが幸せ」という価値観の持ち主で、男女平等なんて大嫌いな人でした。だから省内でも「そんな法律、本当にできるの?」って白い目で見られていました。
■担当として根回し
――83年夏、赤松さんは担当局長として財界、政界への根回しに明け暮れた。
 当時の偉い男性たちの認識というのは「労働力が必要だから女性にも働いてはもらいたい。だけど結婚や出産をしたら、30歳くらいまでに辞めるべきだ」というものでした。女性が働き続けて責任あるポストに就いていくことは、家庭にも社会にも良くないというのが大勢でしたね。そこで条約と法律の関係をよく説明しました。法律ができないと、世界に約束した「女子差別撤廃条約」を批准できません。日本は先進国としての立場をまずくしますよ、と。国のメンツで説明すると、ほとんど理解してくれました。その代わり、必ず「あまり厳しい法律はごめんだ」と釘を刺されました。義務や罰則のないものでないと困ると。そのため無理に義務としないで「ソフトランディングで」と考えたわけです。これはのちに女性団体から非常に怒られるところなんですが、約束でしたから守ったんです。
――その年の秋、日経連が雇用の男女平等のための法律制定に反対する声明を出す動きがあるとのニュースが飛び込んだ。
 まだ法案の中身が決まっていない段階。こんな声明が出たら大変です。慌てて日経連の幹部のところへ説明に行きました。範囲や強さなど何も決まっていない時点で法制化に反対を表明すると、雇用の場での男女平等という原則そのものに反対だということになる。「日本の経営者はそんな考えの持ち主だと世界に知らせるようなことをしていいんですか」と言いました。大企業の社長さんたちですから、国際的な視野もあり、ちゃんと耳を傾けてくれました。すったもんだの末、反対声明は出ませんでした。
■新内閣誕生で一変
 潮目がかわったのは83年の年末です。衆院解散で第2次中曽根康弘内閣が誕生。新しく労働相に就任したのが坂本三十次氏で、彼は熱心に雇用の男女平等について勉強を始めてくれました。これで省内の雰囲気がガラリと変わった。中曽根首相にも面会がかないました。「資本家の走狗(そうく)になる覚悟で」と言われました。あなたは女性労働者の味方と思っているかもしれないが、妥協すれば財界に有利な法律になる、資本家の使い走りの犬だと言われても仕方ないんだよ、という意味でしょうね。すごい悪口よね。脅しのつもりだったのかしら? 私は励ましと思うことにしました。でも、「スゴイ言葉よね」と一緒に行った次官と話したものです。

*2-2:http://digital.asahi.com/articles/ASHBC5DLCHBCULFA001.html
(朝日新聞 2015年10月26日) 〈証言そのとき〉男女平等を求めて:6 「満点ではない」と本音
■元文部相 赤松良子さん
――1984年7月、衆院社会労働委員会で男女雇用機会均等法案の本格的な審議が始まった。
 注目法案ですから、激しい質問もありました。共産党・革新共同の田中美智子議員に「財界からの圧力に屈してこのような法律を作ったのなら、けつをまくったらどうですか。辞職願を出したらどうですか」と言われました。坂本三十次労働相が「赤松(婦人)局長はベストを尽くした」と答弁してくださいました。
■「太陽」の質問され
 その直後、今度は社会民主連合の江田五月議員が質問に立ちました。穏やかな口調で「この法案で法律としてもうできあがったと感じているか、それとももっとすばらしい法律をつくることが課題としてこれから残るとお感じか」と聞かれました。国会答弁には、できるかぎり誠実に答えるのが私のモットーでした。ただ、政府はベストの法案を国会に提出しているというのが建前ですから、たとえ法案に不十分な点があると本心で思っていても、決して言ってはいけないのです。けれど、本音を言ってしまいました。「百点満点だとは決して思っておりません。いろいろな制約の中で現実に見合ったものにしなくてはならない。あまりに現実と遊離したものではワークしないのではないかという考慮もありました」と答えました。イソップ童話「北風と太陽」のようなものですね。北風が吹きつけても旅人はコートを脱ぎませんでしたが、江田議員の質問は太陽のようで、ぽかぽか照らされて私はコートを脱いだのです。
――85年5月、均等法はいくつかの修正を経て衆院本会議で可決・成立した。
 ほっとしました。けれども、そもそも満足している中身ではないので、残念な気持ちもありました。
■後輩に改正を託す
 本会議場で成立を見届けてから、労働省に戻って乾杯しました。局長室のドアを開いて、30~40人くらいいたかしら。「これで役人としての最後の仕事だからお別れだけど、あなたたちは残って、あと何年かかっても必ず改正案を出し、より良いものにしてくださいよ」と後輩たちに言いました。「みにくいアヒルの子を白鳥にしてね」と。どこが不十分だか、作った私たちがよく知っていますからね。そしてその後、均等法は後輩たちの手で97年に改正され、差別を全面的に禁止することになりました。
――均等法成立後、国連の女子差別撤廃条約への批准の手続きも順調に進んだ。
 85年7月、世界女性会議がケニアのナイロビで開かれ、政府代表として出席しました。飛行機には、日本から参加するNGOの女性たちも乗り合わせていました。均等法に大反対していたグループもいて「あれは赤松局長よ、呉越同舟ね」という声が聞こえてきました。それを言った人とは、のちに女子差別撤廃条約の研究や普及のNGO活動を一緒にして、いまも仲良くしているんですけどね。まさに日本の条約批准が発効する日を、ナイロビの会議中に迎えました。私は会議でそれに触れ、まだ批准していない国にはぜひ早く批准して欲しいとスピーチをしました。その日は政府代表で来ていた女性官僚たちと街へ繰り出し、ドンペリを飲んで批准を祝いました。世界女性会議には各省の女性官僚が代表として出ました。

<専業主婦の薦めと専業主婦優遇>
*3-1:http://eyes-woman.com/life/2249/ (女性の人生, 恋愛・結婚 2014/9/25) 「結婚したら仕事を辞める、それが私という女の生き方です」大スターから主婦の道へ英断した、山口百恵
 今回は、売り上げたシングルは1630万枚、LP434万枚と絶頂期にありながら、俳優三浦友和さんと結婚し、引退した女性、山口百恵さんの、引退後30年たつ今でも、色あせない魅力を見つめます。
●ワタシのあの頃
◇オーディションで勝ち取ったデビュー。自身がどんどん自分の個性を引き出していった
 1972年に、オーディション番組『スター誕生!』で準優勝し、20社 から指名を受け芸能界入り。年齢が低くビジュアル面でも純朴な少女が大胆な大人の世界を歌うことで、「青い果実」「ひと夏の経験」などが次々と大ヒットに。この歌とビジュアルのギャップは所属事務所やレコード会社による周到なイメージ戦略の賜物でもありましたが、何より彼女自身が山口百恵というイメージを作り上げていったのでした。当時のスタッフは、こう振り返ります。“「テレビや映画での演技、読書や海外のアーティストの音楽などから色々なことを吸収し、レコードを1枚出すごとに上手くなっていきました。それは、テクニックだけが上手くなっていったということではなく、自然な形で百恵自身の存在感がどんどん大きくなっていき、僕らスタッフでも気圧(けお)される-気分的に圧倒される-ようなところが、他の歌手にはあまり感じなかったところだと思います」。与えられた役割をこなすだけではなく、彼女は、常に自分自身や自分の置かれた状況を、冷静に第三の目で見つめ続けていたように見えます。着るものの色や型によって、気持ちががらりと変わり、歩き方から言葉遣いまで違ってしまう自分に気が付き、仕事によって着る服を選んだり、髪型を変えたり。自身をプロデュースして「山口百恵」像を作り上げていったところも大きかったのではないでしょうか。また、勝手に作られたイメージと本当の自分の姿とのギャップに苦しみながら、心の奥底で静かに闘っている女性でもありました。どんな人でも、自分が勘違いされていると感じ、理不尽な思いをした経験があるはず。だからこそ、人々は彼女に魅かれていったのでしょう。
◇変わったきっかけ
21歳、絶頂期の中の完全引退。彼女は一人の女性としての幸せを選んだ。映画『伊豆の踊子』で共演した相手役の三浦友和さんとは、彼女の主演映画13作のうち12作も共演。二人はゴールデンコンビと呼ばれました。そして、1979年のリサイタルで、突如「私が好きな人は、三浦友和さんです」と発表。婚約発表での引退発表は、世間に衝撃を与えました。まだ21歳という若いトップスターの引退。世の中は女性進出が進み始めた時代でもあり、絶頂期にも関わらず突如として家庭に入ることに否定的な意見も多かったのです。
◇“「結婚したら仕事を辞めよう」
 あの時にはまだ、ふたりの間で“結婚”という言葉を、正式に取り交わしていなかった。ただ、このままいけば私は多分、この人と結婚するだろうとだけ、漠然とだが予感していた。やっぱり、仕事を辞めよう・・・ある日突然に私の心に浮かんだ結論。直感としか言いようがなかった。彼女はこの直観を信じて、自分のこれから先の人生を決定しました。「女優・歌手」の山口百恵としてではなく、一人の女性としての「山口百恵」を選んだのです。彼女は、世の中の、引退に否定的な意見に関しても、自分の意見をしっかり述べています。山口百恵という女性の魅力は、しっかりとした自分自身の考えをもち、世間に媚びなかったところにあるのかもしれません。彼女は、自叙伝「蒼い時」で、こう綴っています。“仕事でも家庭でも恋人でもいい。生きている中で、何が大切なのかをよく知っている女性こそが自立した女性なのだ。絶頂期の中での引退に「あなたのせいで、女性の地位は10年前に逆戻りした」、「たかが男のために、その身を滅ぼそうとしている」などと批判されながらも、彼女の思いはブレることがなかったのです。男性社会の中で声高に「私は自立する女よ」と肩ひじ張って生きなくとも、「家庭の中にも自立の道はある」と言いきることのできる潔さ。世間が「堕落や逃げ」だと決めつけている「スターから家庭への転落」というものに、新しい光を当てたのも彼女なのではないでしょうか。
◇ワタシの今、そしてこれから
 これからも大事に家を作っていきます。息子の三浦貴大は、一度も両親のけんかを見たことがないといいます。“私たちも機嫌の悪い時もある、そんな時は私たちにはひとつの決まりがある。・・・順番に天使になる、つまりトラブルが起きた後、どちらが間違っていようとも、いつも一方が引いて間違いを認めれば、お互い幸せでいられる。また、2012年の路上インタビューでも、山口さんはしっかり「今」を生きており、芸能界カムバックはまったくないことがうかがえます。“家のことしかしてませんから。・・・今まで通り、普通にやっていきます。ああしたい、こうしたいというのはなくて、何かあれば、主人に相談しながら、大事に家を作っていきたいと思っています。一見「地味」ともとられがちな「主婦」という仕事をしっかりこなし、夫や子どもたちを支えている山口百恵さん。それは、彼女の中にある「家庭」というものに対する考え方に、しっかりした基盤があるからにほかなりません。「家庭」を自分の世界をしっかり確立できる唯一の場所ととらえ、主婦ほどむずかしい仕事はないのではないかと考えているからこそ、そこに真剣に生きようと思う。過去の栄光とすっぱり決別した潔さがそこにあります。彼女には「凛とした美しさ」が漂い、言葉のはしばしに聡明さが漂います。それらが引退後30年を経た今でも我々の心をとらえて離さないのではないでしょうか。

*3-2:http://www.office-onoduka.com/nenkinblog/2007/07/3_2.html (厚生年金・国民年金情報通) 厚生年金と国民年金のニュース、年金法改正、用語説明、消えた年金問題など年金生活のための年金情報
◇国民年金の第3号被保険者とは?
 国民年金の第3号被保険者とは、ごく一般的に言うと、会社員の夫に扶養されている20歳以上60歳未満の妻のことです。正確には、厚生年金や共済年金に加入しているもの(国民年金の第2号被保険者)に扶養(年収130万円未満)されている、20歳以上60歳未満の配偶者です。第3号被保険者割合は、の99%が妻、1%が夫となっていますので、ここでは妻と断定して話を進めます。
◇第3号被保険者の問題点「不公平感」
 第3号被保険者問題の一番問題とされているのが保険料負担の不公平感です。第3号被保険者の保険料は誰が負担しているかと言えば、第2号被保険者全員で負担しているわけで、その中には母子家庭の母や、独身女性、共働き女性も含まれています。また、将来自分の年金を受け取るのに、自分で保険料を払わなければならない自営業妻の専業主婦、自営業共働きの女性、厚生年金に入れない母子家庭の母、学生から無職の人まで、第1号被保険者と比べても不公平感はぬぐえません。片方では保険料を払い、片方では保険料負担なしで同じ金額の年金を受け取る。所得が低い人や障害があって保険料が免除になっている人ならまだ保険料負担がないことに納得できますが、その免除の人たちは免除の種類に応じて受け取れる年金額は2分の1、3分の1など削られたものになってしまいます。それに対して第3号被保険者は、第1号被保険者、第2号被保険者と同じく、基礎年金はカットなしの全額給付です。専業主婦(第3号被保険者)のいる家庭というのは、育児・介護等やむをえないケースを除き、夫一人で家計を支えることができる比較的恵まれた世帯ということができますので・・・(最近ではそうでもないかもしれませんが。(中略)
◇第3号被保険者導入の歴史
 第3号被保険者は昭和61年(1986年)4月、基礎年金制度ができた時に誕生した制度です。それまで国民年金、厚生年金、共済年金はそれぞれ別々の管理運営がされており、国民年金については、夫が厚生年金加入者である専業主婦は任意加入でした。そのため、国民年金に任意加入しない妻もおよそ3割存在し、離婚した場合には将来無年金となる怖れがありました。そこで、将来自分自身の基礎年金を受け取れるように、厚生年金加入の夫を持つ専業主婦については保険料無拠出で年金に加入できる制度、第3号被保険者が誕生したのです。(以下略)

<1997年改正男女雇用機会均等法>
*4:http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20091207/105154/
(日経ウーマン 2009年12月8日) 1997年改正男女雇用機会均等法成立
1986年に施行された男女雇用機会均等法の改正法がこの年の6月に成立し、(施行は1999年4月1日)、法律としての実効性が大きく前進しました。主な改正点は以下の点です。
 (1)女性に対する差別の努力義務規定が禁止規定に
 (2)ポジティブ・アクション、セクシュアルハラスメント関連の規定の創設
 (3)母性健康管理措置の義務規定化(施行は1998年4月1日)
 この改正法では、募集・採用、配置・昇進、教育訓練、福利厚生、定年・退職・解雇において、男女差をつけることが全面的に禁止されました。1986年に施行された均等法では、経済界からの強烈な反発もあり、募集・採用、配置・昇進については努力目標とするにとどまっていたものが、この改正で罰則を伴う禁止規定となったのです。これ以後、基本的に男性のみ、女性のみの求人募集は法律違反となりますが、特例として、その企業が過去に男性を優先的に採用していた実績があるために男女間の従業員数や雇用管理に差が生じている場合は女性を優先的に雇用する「ポジティブ・アクション」によりその差の解消することは違法ではないと規定されました。また、改正法により、職種をできるだけ性別的には中立に表現する形で募集を行うこと進められました。「保母」が「保育士」に、「看護婦」が「看護士」に変更されたのもこの年のことです。さらに、この年に行われた労働基準法の改正に伴い、女性に対する深夜労働・残業や休日労働の制限が撤廃されました。これによりそれまでは実際には残業をしても「本来深夜労働をするはずがない」ということで残業代が請求できなかった事務職の女性たちにきちんと残業代が支払われるようになったり、保護を口実とした女性の排除が難しくなったりというプラス面もあったのですが、他方で深夜や長時間の労働で子育てや介護と仕事の両立の困難に直面したり、激しい労働により健康を害する女性も数多く見られるようになりました。ところで、この改正法にもひとつ大きな問題点がありました。というのも、そもそも男女雇用機会均等法は「女性に対する差別をなくす」という目的で制定された法律なので、もし「男性であることを理由とする差別」があったとしてもこの法律では直接規制ができなかったのです。そのため、商社などの一般職、看護士、保育士などの職種で男性であることを理由に採用されなかった事例は救済できず、法律が男女両性に対する差別を禁止する内容となるためにはさらに2006年まで待たなくてはなりませんでした。

<各国の男女格差>
*5:http://digital.asahi.com/articles/ASHCL5JLWHCLULFA01N.html (朝日新聞 2015年11月19日) 日本の男女格差、少し改善して101位…G7では最下位
 ダボス会議で知られる世界経済フォーラム(WEF)は19日、各国の男女格差(ジェンダーギャップ)の少なさを指数化し、順位で示した最新の報告書を発表した。日本は、世界145カ国中101位だった。前年の104位からわずかに順位を上げたものの、主要7カ国(G7)の中で最下位だった。このランキングは「政治への参加」「職場への進出」「教育」「健康度合い」の4分野の計14の項目を使って、男女平等の度合いを指数化し、総合順位を決める。1位から4位までは、アイスランド、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンと北欧諸国が独占。5位から10位はアイルランド、ルワンダ、フィリピン、スイス、スロベニア、ニュージーランドの順だった。日本の近隣国では、ロシアが75位、中国が91位、韓国が115位だった。G7ではドイツ、フランス、英国が10位台に並び、日本をのぞくと最下位のイタリアが41位だった。世界全体では、4分野のうち、「教育」「健康」では格差が縮小していて、男女の差はなくなりつつある。一方、「政治」「職場」の分野は、依然として大きな格差が残ったままだ。2006年の報告書と比べると、過去10年間で「職場」の男女格差は3%、4分野全体での格差も4%しか縮まっていない。WEFは、このままでは「格差が完全に解消するには118年かかる」としている。
■政治・職場、格差解消ほど遠く
 日本が三つとはいえ順位を上げたのは、女性閣僚が増え、「政治」の得点がアップしたからだ。報告書は15年1月時点のデータを使っており、前年の2人から4人に倍増した。衆院議員に占める女性の割合もわずかに上昇した。ただ、それでも「政治」の得点は10・3点で、格差解消にはほど遠い。世界では100以上の国が「候補者に占める一方の性の割合は6割を超えない」など何らかの「クオータ(割り当て)」のしくみを採用し、女性の政治家を増やしている。日本でも今年、超党派の国会議員が参加する「政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟」(中川正春会長)が発足。勉強会をかさね、衆院選の比例区で、各政党が男女を交互に当選させることができるようにする公職選挙法の改正案をまとめた。中川氏は「次期通常国会での提出を目指す」としており、各政党の動向が注目される。一方、「職場」分野は前年よりわずかに悪化した。女性の労働参加率は上がったが、男女の賃金格差が広がったためだ。WEFが行った意識調査で、日本の経営者は、同種の仕事についている男女の賃金格差が拡大していると考えている、という結果が出たことを反映している。働く女性は増えているが、待遇を低く抑えられた非正社員が多いことが背景にありそうだ。総務省の労働力調査(4~6月)によると、この2年で働く女性は65万人増えたが、そのうち48万人は契約社員や派遣、パートなどの非正社員だ。東京大の大沢真理教授は、「アベノミクスは女性の活躍をうたっているが、男女格差の解消には向かっていないことが報告書から分かる」と指摘する。

<女子差別撤廃条約>
*6:http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/josi/ (外務省 平成28年2月18日) 女子差別撤廃条約 (女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約)
 女子差別撤廃条約は、男女の完全な平等の達成に貢献することを目的として、女子に対するあらゆる差別を撤廃することを基本理念としています。具体的には、「女子に対する差別」を定義し、締約国に対し、政治的及び公的活動、並びに経済的及び社会的活動における差別の撤廃のために適当な措置をとることを求めています。本条約は、1979年の第34回国連総会において採択され、1981年に発効しました。日本は1985年に締結しました。
ダイヤhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/josi/3b_001.html
女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約 (全文、ただし前文の中に番号を追加)
この条約の締約国は、
 ①国際連合憲章が基本的人権、人間の尊厳及び価値並びに男女の権利の平等に関する信念を改めて確認していることに留意し、②世界人権宣言が、差別は容認することができないものであるとの原則を確認していること、並びにすべての人間は生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳及び権利について平等であること並びにすべての人は性による差別その他のいかなる差別もなしに同宣言に掲げるすべての権利及び自由を享有することができることを宣明していることに留意し、③人権に関する国際規約の締約国がすべての経済的、社会的、文化的、市民的及び政治的権利の享有について男女に平等の権利を確保する義務を負つていることに留意し、④国際連合及び専門機関の主催の下に各国が締結した男女の権利の平等を促進するための国際条約を考慮し、⑤更に、国際連合及び専門機関が採択した男女の権利の平等を促進するための決議、宣言及び勧告に留意し、⑥しかしながら、これらの種々の文書にもかかわらず女子に対する差別が依然として広範に存在していることを憂慮し、⑦女子に対する差別は、権利の平等の原則及び人間の尊厳の尊重の原則に反するものであり、女子が男子と平等の条件で自国の政治的、社会的、経済的及び文化的活動に参加する上で障害となるものであり、社会及び家族の繁栄の増進を阻害するものであり、また、女子の潜在能力を自国及び人類に役立てるために完全に開発することを一層困難にするものであることを想起し、⑧窮乏の状況においては、女子が食糧、健康、教育、雇用のための訓練及び機会並びに他の必要とするものを享受する機会が最も少ないことを憂慮し、⑨衡平及び正義に基づく新たな国際経済秩序の確立が男女の平等の促進に大きく貢献することを確信し、⑩アパルトヘイト、あらゆる形態の人種主義、人種差別、植民地主義、新植民地主義、侵略、外国による占領及び支配並びに内政干渉の根絶が男女の権利の完全な享有に不可欠であることを強調し、⑪国際の平和及び安全を強化し、国際緊張を緩和し、すべての国(社会体制及び経済体制のいかんを問わない。)の間で相互に協力し、全面的かつ完全な軍備縮小を達成し、特に厳重かつ効果的な国際管理の下での核軍備の縮小を達成し、諸国間の関係における正義、平等及び互恵の原則を確認し、外国の支配の下、植民地支配の下又は外国の占領の下にある人民の自決の権利及び人民の独立の権利を実現し並びに国の主権及び領土保全を尊重することが、社会の進歩及び発展を促進し、ひいては、男女の完全な平等の達成に貢献することを確認し、⑫国の完全な発展、世界の福祉及び理想とする平和は、あらゆる分野において女子が男子と平等の条件で最大限に参加することを必要としていることを確信し、⑬家族の福祉及び社会の発展に対する従来完全には認められていなかつた女子の大きな貢献、母性の社会的重要性並びに家庭及び子の養育における両親の役割に留意し、また、出産における女子の役割が差別の根拠となるべきではなく、子の養育には男女及び社会全体が共に責任を負うことが必要であることを認識し、⑭社会及び家庭における男子の伝統的役割を女子の役割とともに変更することが男女の完全な平等の達成に必要であることを認識し、⑮女子に対する差別の撤廃に関する宣言に掲げられている諸原則を実施すること及びこのために女子に対するあらゆる形態の差別を撤廃するための必要な措置をとることを決意して、次のとおり協定した。
第一部
第一条
 この条約の適用上、「女子に対する差別」とは、性に基づく区別、排除又は制限であつて、政治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のいかなる分野においても、女子(婚姻をしているかいないかを問わない。)が男女の平等を基礎として人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを害し又は無効にする効果又は目的を有するものをいう。
第二条
 締約国は、女子に対するあらゆる形態の差別を非難し、女子に対する差別を撤廃する政策をすべての適当な手段により、かつ、遅滞なく追求することに合意し、及びこのため次のことを約束する。   (a)  男女の平等の原則が自国の憲法その他の適当な法令に組み入れられていない場合にはこれを定め、かつ、男女の平等の原則の実際的な実現を法律その他の適当な手段により確保すること。
(b)女子に対するすべての差別を禁止する適当な立法その他の措置(適当な場合には制裁を含む。)をとること。
(c)女子の権利の法的な保護を男子との平等を基礎として確立し、かつ、権限のある自国の裁判所その他の公の機関を通じて差別となるいかなる行為からも女子を効果的に保護することを確保すること。
(d)女子に対する差別となるいかなる行為又は慣行も差し控え、かつ、公の当局及び機関がこの義務に従つて行動することを確保すること。
(e)個人、団体又は企業による女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとること。
(f)女子に対する差別となる既存の法律、規則、慣習及び慣行を修正し又は廃止するためのすべての適当な措置(立法を含む。)をとること。
(g)女子に対する差別となる自国のすべての刑罰規定を廃止すること。
第三条
 締約国は、あらゆる分野、特に、政治的、社会的、経済的及び文化的分野において、女子に対して男子との平等を基礎として人権及び基本的自由を行使し及び享有することを保障することを目的として、女子の完全な能力開発及び向上を確保するためのすべての適当な措置(立法を含む。)をとる。
第四条
1 締約国が男女の事実上の平等を促進することを目的とする暫定的な特別措置をとることは、この条約に定義する差別と解してはならない。ただし、その結果としていかなる意味においても不平等な又は別個の基準を維持し続けることとなつてはならず、これらの措置は、機会及び待遇の平等の目的が達成された時に廃止されなければならない。
2 締約国が母性を保護することを目的とする特別措置(この条約に規定する措置を含む。)をとることは、差別と解してはならない。
第五条
 締約国は、次の目的のためのすべての適当な措置をとる。  
(a)両性のいずれかの劣等性若しくは優越性の観念又は男女の定型化された役割に基づく偏見及び慣習その他あらゆる慣行の撤廃を実現するため、男女の社会的及び文化的な行動様式を修正すること。
(b)家庭についての教育に、社会的機能としての母性についての適正な理解並びに子の養育及び発育における男女の共同責任についての認識を含めることを確保すること。あらゆる場合において、子の利益は最初に考慮するものとする。
第六条
 締約国は、あらゆる形態の女子の売買及び女子の売春からの搾取を禁止するためのすべての適当な措置(立法を含む。)をとる。


PS(2016年3月7日追加):*7のように、《保育園落ちた日本死ね!!!》と題した匿名のブログで「1億総活躍社会のかけ声にもかかわらず、保育園不足が解消していない」と安倍首相を攻撃するのは、味方を攻撃しており感心しない。その理由は、*8の女性活躍推進法は、(冗長な割に内容に乏しく出来はよくないが、私が手紙に書いた提案をきっかけとして)2015年8月に安倍首相が成立させてくれたものであり、1億総活躍は女性の活躍を含むもので、保育園不足は数十年前からあって安倍首相に責任があるわけではなく、女性差別をなくして解決しようとしている人に対して苦情を言っているからである。
 なお、*7については、①どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか ②安倍晋三首相は「匿名である以上、実際に本当であるかどうかを、私は確かめようがない」と答弁した ③事務職の正社員で4月に復職の予定だったが保育所に子どもを入れられなかった とのことだが、①③については、都会の保育園不足は前からわかっているため、育てる算段を立ててから子どもを産むべきである上、少なくとも妊娠中から保育園や学童保育に入れるような地域を選んで引っ越しておくくらいの努力はすべきで、そういう場所が見つからなければ夫婦の一方が子どもか仕事かの二者択一になるのだ。そして、そんなことはわかっているからこそ、私は子どもではなく仕事を選び、子どもの扶養控除もとらずに保育園や学童保育の整備をしてきたし、安倍首相も子どもはいないのに解決しようとしているのだ。つまり、これから子どもを育てるのなら、恨む相手を間違えないくらいの冷静さがなければ、子どもも八つ当たりされて大変なのである。
 また、②については、匿名で書いたような無責任で一方的な発言に対していちいち相手をする必要はないため、政策に反映してもらいたければ、主権者として、首相、国会議員、市長などに、きちんと名前を書いて事情と要望を説明する礼をつくした手紙を出すくらいの努力はすべきだ。

       

*7:http://digital.asahi.com/articles/ASJ3355J2J33UTIL01N.html (朝日新聞 2016年3月4日) 「保育園落ちた日本死ね!」 匿名ブロガーに記者接触
 《保育園落ちた日本死ね!!!》と題した匿名のブログが注目を集めている。1億総活躍社会のかけ声とは裏腹に、なかなか解消しない待機児童問題を指摘する内容で、国会でも取り上げられた。ネット上では同じ境遇の人たちから共感の声が相次いでいる。ブログが書かれたのは2月中旬。《何なんだよ日本。一億総活躍社会じゃねーのかよ。昨日見事に保育園落ちたわ。どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか》。怒りをぶつけるような書きぶりだ。2月29日の衆院予算委員会では、民主党の山尾志桜里議員が取り上げた。安倍晋三首相は「匿名である以上、実際に本当であるかどうかを、私は確かめようがない」と答弁。議員席からは「誰が(ブログを)書いたんだよ」「(質問者は)ちゃんと(書いた)本人を出せ」とやじが飛んだ。記者がメールでブログの主に連絡を取ると、東京都内に暮らす30代前半の女性と名乗った。夫と間もなく1歳になる男児と3人暮らし。事務職の正社員で、4月に復職の予定だったが、保育所に子どもを入れられなかったという。ツイッターでは《#保育園落ちたの私だ》というハッシュタグ(検索ワード)ができ、議論が盛り上がった。《同じ悩み抱えてる人がたくさんいるからブログが広まった》《仕事だけでなく、親や子どもが外とつながる機会を持つ意味でも子どもを預けられることは大事》。投稿は相次ぎ、2千回以上リツイート(転載)されたものもあった。投稿した一人、都内の40代女性は5年前に出産。子どもを保育所に預けられなかったため、半年間、育児休業を延長し、その間に認可外保育所を探して職場復帰したという。「ブログの表現は乱暴だけど、よくぞいってくれたという気分」。ネット上の議論の矛先は国会論戦の「中身のなさ」や「やじの多さ」にも向かう。1歳の男の子を育てる女性(36)は「ブログを読み、自分の首がもげるのではと思うくらいうなずいた。国会のやりとりを聞いていると、政府が本気で考えているとは思えない」と憤った。

<女性活躍推進法>
*8:http://www.gender.go.jp/policy/suishin_law/pdf/law_honbun.pdf
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律
目次
第一章総則(第一条―第四条)
第二章基本方針等(第五条・第六条)
第三章事業主行動計画等
第一節事業主行動計画策定指針(第七条)
第二節一般事業主行動計画(第八条―第十四条)
第三節特定事業主行動計画(第十五条)
第四節女性の職業選択に資する情報の公表(第十六条・第十七条)
第四章女性の職業生活における活躍を推進するための支援措置(第十八条―第二十五条)
第五章雑則(第二十六条―第二十八条)
第六章罰則(第二十九条―第三十四条)
附則
第一章総則
(目的)
第一条この法律は、近年、自らの意思によって職業生活を営み、又は営もうとする女性がその個性と能力を十分に発揮して職業生活において活躍すること(以下「女性の職業生活における活躍」という。)が一層重要となっていることに鑑み、男女共同参画社会基本法(平成十一年法律第七十八号)の基本理念にのっとり、女性の職業生活における活躍の推進について、その基本原則を定め、並びに国、地方公共団体及び事業主の責務を明らかにするとともに、基本方針及び事業主の行動計画の策定、女性の職業生活における活躍を推進するための支援措置等について定めることにより、女性の職業生活における活躍を迅速かつ重点的に推進し、もって男女の人権が尊重され、かつ、急速な少子高齢化の進展、国民の需要の多様化その他の社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力ある社会を実現することを目的とする。
(基本原則)
第二条女性の職業生活における活躍の推進は、職業生活における活躍に係る男女間の格差の実情を踏まえ、自らの意思によって職業生活を営み、又は営もうとする女性に対する採用、教育訓練、昇進、職種及び雇用形態の変更その他の職業生活に関する機会の積極的な提供及びその活用を通じ、かつ、性別による固定的な役割分担等を反映した職場における慣行が女性の職業生活における活躍に対して及ぼす影響に配慮して、その個性と能力が十分に発揮できるようにすることを旨として、行われなければならない。
2 女性の職業生活における活躍の推進は、職業生活を営む女性が結婚、妊娠、出産、育児、介護その他の家庭生活に関する事由によりやむを得ず退職することが多いことその他の家庭生活に関する事由が職業生活に与える影響を踏まえ、家族を構成する男女が、男女の別を問わず、相互の協力と社会の支援の下に、育児、介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たしつつ職業生活における活動を行うために必要な環境の整備等により、男女の職業生活と家庭生活との円滑かつ継続的な両立が可能となることを旨として、行われなければならない。
3 女性の職業生活における活躍の推進に当たっては、女性の職業生活と家庭生活との両立に関し、本人の意思が尊重されるべきものであることに留意されなければならない。
(国及び地方公共団体の責務)
第三条国及び地方公共団体は、前条に定める女性の職業生活における活躍の推進についての基本原則(次条及び第五条第一項において「基本原則」という。)にのっとり、女性の職業生活における活躍の推進に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施しなければならない。
(事業主の責務)
第四条事業主は、基本原則にのっとり、その雇用し、又は雇用しようとする女性労働者に対する職業生活に関する機会の積極的な提供、雇用する労働者の職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備その他の女性の職業生活における活躍の推進に関する取組を自ら実施するよう努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する女性の職業生活における活躍の推進に関する施策に協力しなければならない。
第二章基本方針等
(基本方針)
第五条政府は、基本原則にのっとり、女性の職業生活における活躍の推進に関する施策を総合的かつ一体的に実施するため、女性の職業生活における活躍の推進に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
2 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一女性の職業生活における活躍の推進に関する基本的な方向
二事業主が実施すべき女性の職業生活における活躍の推進に関する取組に関する基本的な事項
三女性の職業生活における活躍の推進に関する施策に関する次に掲げる事項
イ女性の職業生活における活躍を推進するための支援措置に関する事項
ロ職業生活と家庭生活との両立を図るために必要な環境の整備に関する事項
ハその他女性の職業生活における活躍の推進に関する施策に関する重要事項
四前三号に掲げるもののほか、女性の職業生活における活躍を推進するために必要な事項
3 内閣総理大臣は、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
4 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、基本方針を公表しなければならない。
5 前二項の規定は、基本方針の変更について準用する。
(都道府県推進計画等)
第六条都道府県は、基本方針を勘案して、当該都道府県の区域内における女性の職業生活における活躍の推進に関する施策についての計画(以下この条において「都道府県推進計画」という。)を定めるよう努めるものとする。
2 市町村は、基本方針(都道府県推進計画が定められているときは、基本方針及び都道府県推進計画)を勘案して、当該市町村の区域内における女性の職業生活における活躍の推進に関する施策についての計画(次項において「市町村推進計画」という。)を定めるよう努めるものとする。
3 都道府県又は市町村は、都道府県推進計画又は市町村推進計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
第三章事業主行動計画等
第一節事業主行動計画策定指針
第七条内閣総理大臣、厚生労働大臣及び総務大臣は、事業主が女性の職業生活における活躍の推進に関する取組を総合的かつ効果的に実施することができるよう、基本方針に即して、次条第一項に規定する一般事業主行動計画及び第十五条第一項に規定する特定事業主行動計画(次項において「事業主行動計画」と総称する。)の策定に関する指針(以下「事業主行動計画策定指針」という。)を定めなければならない。
2 事業主行動計画策定指針においては、次に掲げる事項につき、事業主行動計画の指針となるべきものを定めるものとする。
一事業主行動計画の策定に関する基本的な事項
二女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の内容に関する事項
三その他女性の職業生活における活躍の推進に関する取組に関する重要事項
3 内閣総理大臣、厚生労働大臣及び総務大臣は、事業主行動計画策定指針を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
第二節一般事業主行動計画
(一般事業主行動計画の策定等)
第八条国及び地方公共団体以外の事業主(以下「一般事業主」という。)であって、常時雇用する労働者の数が三百人を超えるものは、事業主行動計画策定指針に即して、一般事業主行動計画(一般事業主が実施する女性の職業生活における活躍の推進に関する取組に関する計画をいう。以下同じ。)を定め、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
2 一般事業主行動計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一計画期間
二女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施により達成しようとする目標
三実施しようとする女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の内容及びその実施時期
3 第一項に規定する一般事業主は、一般事業主行動計画を定め、又は変更しようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、採用した労働者に占める女性労働者の割合、男女の継続勤務年数の差異、労働時間の状況、管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合その他のその事業における女性の職業生活における活躍に関する状況を把握し、女性の職業生活における活躍を推進するために改善すべき事情について分析した上で、その結果を勘案して、これを定めなければならない。この場合において、前項第二号の目標については、採用する労働者に占める女性労働者の割合、男女の継続勤務年数の差異の縮小の割合、労働時間、管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合その他の数値を用いて定量的に定めなければならない。
4 第一項に規定する一般事業主は、一般事業主行動計画を定め、又は変更したときは、厚生労働省令で定めるところにより、これを労働者に周知させるための措置を講じなければならない。
5 第一項に規定する一般事業主は、一般事業主行動計画を定め、又は変更したときは、厚生労働省令で定めるところにより、これを公表しなければならない。
6 第一項に規定する一般事業主は、一般事業主行動計画に基づく取組を実施するとともに、一般事業主行動計画に定められた目標を達成するよう努めなければならない。
7 一般事業主であって、常時雇用する労働者の数が三百人以下のものは、事業主行動計画策定指針に即して、一般事業主行動計画を定め、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に届け出るよう努めなければならない。これを変更したときも、同様とする。
8 第三項の規定は前項に規定する一般事業主が一般事業主行動計画を定め、又は変更しようとする場合について、第四項から第六項までの規定は前項に規定する一般事業主が一般事業主行動計画を定め、又は変更した場合について、それぞれ準用する。
(基準に適合する一般事業主の認定)
第九条厚生労働大臣は、前条第一項又は第七項の規定による届出をした一般事業主からの申請に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業主について、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組に関し、当該取組の実施の状況が優良なものであることその他の厚生労働省令で定める基準に適合するものである旨の認定を行うことができる。
(認定一般事業主の表示等)
第十条前条の認定を受けた一般事業主(次条及び第二十条第一項において「認定一般事業主」という。)は、商品、役務の提供の用に供する物、商品又は役務の広告又は取引に用いる書類若しくは通信その他の厚生労働省令で定めるもの(次項において「商品等」という。)に厚生労働大臣の定める表示を付することができる。
2 何人も、前項の規定による場合を除くほか、商品等に同項の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。
(認定の取消し)
第十一条厚生労働大臣は、認定一般事業主が次の各号のいずれかに該当するときは、第九条の認定を取り消すことができる。
一第九条に規定する基準に適合しなくなったと認めるとき。
二この法律又はこの法律に基づく命令に違反したとき。
三不正の手段により第九条の認定を受けたとき。
(委託募集の特例等)
第十二条承認中小事業主団体の構成員である中小事業主(一般事業主であって、常時雇用する労働者の数が三百人以下のものをいう。以下この項及び次項において同じ。)が、当該承認中小事業主団体をして女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施に関し必要な労働者の募集を行わせようとする場合において、当該承認中小事業主団体が当該募集に従事しようとするときは、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第三十六条第一項及び第三項の規定は、当該構成員である中小事業主については、適用しない。
2 この条及び次条において「承認中小事業主団体」とは、事業協同組合、協同組合連合会その他の特別の法律により設立された組合若しくはその連合会であって厚生労働省令で定めるもの又は一般社団法人で中小事業主を直接又は間接の構成員とするもの(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。)のうち、その構成員である中小事業主に対して女性の職業生活における活躍の推進に関する取組を実施するための人材確保に関する相談及び援助を行うものであって、その申請に基づいて、厚生労働大臣が、当該相談及び援助を適切に行うための厚生労働省令で定める基準に適合する旨の承認を行ったものをいう。
3 厚生労働大臣は、承認中小事業主団体が前項に規定する基準に適合しなくなったと認めるときは、同項の承認を取り消すことができる。
4 承認中小事業主団体は、第一項に規定する募集に従事しようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、募集時期、募集人員、募集地域その他の労働者の募集に関する事項で厚生労働省令で定めるものを厚生労働大臣に届け出なければならない。
5 職業安定法第三十七条第二項の規定は前項の規定による届出があった場合について、同法第五条の三第一項及び第三項、第五条の四、第三十九条、第四十一条第二項、第四十八条の三、第四十八条の四、第五十条第一項及び第二項並びに第五十一条の二の規定は前項の規定による届出をして労働者の募集に従事する者について、同法第四十条の規定は同項の規定による届出をして労働者の募集に従事する者に対する報酬の供与について、同法第五十条第三項及び第四項の規定はこの項において準用する同条第二項に規定する職権を行う場合について、それぞれ準用する。この場合において、同法第三十七条第二項中「労働者の募集を行おうとする者」とあるのは「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律第十二条第四項の規定による届出をして労働者の募集に従事しようとする者」と、同法第四十一条第二項中「当該労働者の募集の業務の廃止を命じ、又は期間」とあるのは「期間」と読み替えるものとする。
6 職業安定法第三十六条第二項及び第四十二条の二の規定の適用については、同法第三十六条第二項中「前項の」とあるのは「被用者以外の者をして労働者の募集に従事させようとする者がその被用者以外の者に与えようとする」と、同法第四十二条の二中「第三十九条に規定する募集受託者」とあるのは「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成二十七年法律第六十四号)第十二条第四項の規定による届出をして労働者の募集に従事する者」とする。
7 厚生労働大臣は、承認中小事業主団体に対し、第二項の相談及び援助の実施状況について報告を求めることができる。
第十三条公共職業安定所は、前条第四項の規定による届出をして労働者の募集に従事する承認中小事業主団体に対して、雇用情報及び職業に関する調査研究の成果を提供し、かつ、これらに基づき当該募集の内容又は方法について指導することにより、当該募集の効果的かつ適切な実施を図るものとする。
(一般事業主に対する国の援助)
第十四条国は、第八条第一項若しくは第七項の規定により一般事業主行動計画を策定しようとする一般事業主又はこれらの規定による届出をした一般事業主に対して、一般事業主行動計画の策定、労働者への周知若しくは公表又は一般事業主行動計画に基づく措置が円滑に実施されるように相談その他の援助の実施に努めるものとする。
第三節特定事業主行動計画
第十五条国及び地方公共団体の機関、それらの長又はそれらの職員で政令で定めるもの(以下「特定事業主」という。)は、政令で定めるところにより、事業主行動計画策定指針に即して、特定事業主行動計画(特定事業主が実施する女性の職業生活における活躍の推進に関する取組に関する計画をいう。以下この条において同じ。)を定めなければならない。
2 特定事業主行動計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一計画期間
二女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施により達成しようとする目標
三実施しようとする女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の内容及びその実施時期
3 特定事業主は、特定事業主行動計画を定め、又は変更しようとするときは、内閣府令で定めるところにより、採用した職員に占める女性職員の割合、男女の継続勤務年数の差異、勤務時間の状況、管理的地位にある職員に占める女性職員の割合その他のその事務及び事業における女性の職業生活における活躍に関する状況を把握し、女性の職業生活における活躍を推進するために改善すべき事情について分析した上で、その結果を勘案して、これを定めなければならない。この場合において、前項第二号の目標については、採用する職員に占める女性職員の割合、男女の継続勤務年数の差異の縮小の割合、勤務時間、管理的地位にある職員に占める女性職員の割合その他の数値を用いて定量的に定めなければならない。
4 特定事業主は、特定事業主行動計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを職員に周知させるための措置を講じなければならない。
5 特定事業主は、特定事業主行動計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
6 特定事業主は、毎年少なくとも一回、特定事業主行動計画に基づく取組の実施の状況を公表しなければならない。
7 特定事業主は、特定事業主行動計画に基づく取組を実施するとともに、特定事業主行動計画に定められた目標を達成するよう努めなければならない。
第四節女性の職業選択に資する情報の公表
(一般事業主による女性の職業選択に資する情報の公表)
第十六条第八条第一項に規定する一般事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、職業生活を営み、又は営もうとする女性の職業選択に資するよう、その事業における女性の職業生活における活躍に関する情報を定期的に公表しなければならない。
2 第八条第七項に規定する一般事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、職業生活を営み、又は営もうとする女性の職業選択に資するよう、その事業における女性の職業生活における活躍に関する情報を定期的に公表するよう努めなければならない。
(特定事業主による女性の職業選択に資する情報の公表)
第十七条特定事業主は、内閣府令で定めるところにより、職業生活を営み、又は営もうとする女性の職業選択に資するよう、その事務及び事業における女性の職業生活における活躍に関する情報を定期的に公表しなければならない。
第四章女性の職業生活における活躍を推進するための支援措置
(職業指導等の措置等)
第十八条国は、女性の職業生活における活躍を推進するため、職業指導、職業紹介、職業訓練、創業の支援その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 地方公共団体は、女性の職業生活における活躍を推進するため、前項の措置と相まって、職業生活を営み、又は営もうとする女性及びその家族その他の関係者からの相談に応じ、関係機関の紹介その他の情報の提供、助言その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
3 地方公共団体は、前項に規定する業務に係る事務の一部を、その事務を適切に実施することができるものとして内閣府令で定める基準に適合する者に委託することができる。
4 前項の規定による委託に係る事務に従事する者又は当該事務に従事していた者は、正当な理由なく、当該事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(財政上の措置等)
第十九条国は、女性の職業生活における活躍の推進に関する地方公共団体の施策を支援するために必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
(国等からの受注機会の増大)
第二十条国は、女性の職業生活における活躍の推進に資するため、国及び公庫等(沖縄振興開発金融公庫その他の特別の法律によって設立された法人であって政令で定めるものをいう。)の役務又は物件の調達に関し、予算の適正な使用に留意しつつ、認定一般事業主その他の女性の職業生活における活躍に関する状況又は女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施の状況が優良な一般事業主(次項において「認定一般事業主等」という。)の受注の機会の増大その他の必要な施策を実施するものとする。
2 地方公共団体は、国の施策に準じて、認定一般事業主等の受注の機会の増大その他の必要な施策を実施するように努めるものとする。
(啓発活動)
第二十一条国及び地方公共団体は、女性の職業生活における活躍の推進について、国民の関心と理解を深め、かつ、その協力を得るとともに、必要な啓発活動を行うものとする。
(情報の収集、整理及び提供)
第二十二条国は、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組に資するよう、国内外における女性の職業生活における活躍の状況及び当該取組に関する情報の収集、整理及び提供を行うものとする。
(協議会)
第二十三条当該地方公共団体の区域において女性の職業生活における活躍の推進に関する事務及び事業を行う国及び地方公共団体の機関(以下この条において「関係機関」という。)は、第十八条第一項の規定により国が講ずる措置及び同条第二項の規定により地方公共団体が講ずる措置に係る事例その他の女性の職業生活における活躍の推進に有用な情報を活用することにより、当該区域において女性の職業生活における活躍の推進に関する取組が効果的かつ円滑に実施されるようにするため、関係機関により構成される協議会(以下「協議会」という。)を組織することができる。
2 協議会を組織する関係機関は、当該地方公共団体の区域内において第十八条第三項の規定による事務の委託がされている場合には、当該委託を受けた者を協議会の構成員として加えるものとする。
3 協議会を組織する関係機関は、必要があると認めるときは、協議会に次に掲げる者を構成員として加えることができる。
一一般事業主の団体又はその連合団体
二学識経験者
三その他当該関係機関が必要と認める者
4 協議会は、関係機関及び前二項の構成員(以下この項において「関係機関等」という。)が相互の連絡を図ることにより、女性の職業生活における活躍の推進に有用な情報を共有し、関係機関等の連携の緊密化を図るとともに、地域の実情に応じた女性の職業生活における活躍の推進に関する取組について協議を行うものとする。
5 協議会が組織されたときは、当該地方公共団体は、内閣府令で定めるところにより、その旨を公表しなければならない。
(秘密保持義務)
第二十四条協議会の事務に従事する者又は協議会の事務に従事していた者は、正当な理由なく、協議会の事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(協議会の定める事項)
第二十五条前二条に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
第五章雑則
(報告の徴収並びに助言、指導及び勧告)
第二十六条厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、第八条第一項に規定する一般事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる。
(権限の委任)
第二十七条第八条から第十二条まで及び前条に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。
(政令への委任)
第二十八条この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。
第六章罰則
第二十九条第十二条第五項において準用する職業安定法第四十一条第二項の規定による業務の停止の命令に違反して、労働者の募集に従事した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第三十条次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一第十八条第四項の規定に違反した者
二第二十四条の規定に違反した者
第三十一条次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一第十二条第四項の規定による届出をしないで、労働者の募集に従事した者
二第十二条第五項において準用する職業安定法第三十七条第二項の規定による指示に従わなかった者
三第十二条第五項において準用する職業安定法第三十九条又は第四十条の規定に違反した者
第三十二条次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一第十条第二項の規定に違反した者
二第十二条第五項において準用する職業安定法第五十条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
三第十二条第五項において準用する職業安定法第五十条第二項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
第三十三条法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第二十九条、第三十一条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
第三十四条第二十六条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、二十万円以下の過料に処する。
附則
(施行期日)
第一条この法律は、公布の日から施行する。ただし、第三章(第七条を除く。)、第五章(第二十八条を
除く。)及び第六章(第三十条を除く。)の規定並びに附則第五条の規定は、平成二十八年四月一日から施行する。
(この法律の失効)
第二条この法律は、平成三十八年三月三十一日限り、その効力を失う。
2 第十八条第三項の規定による委託に係る事務に従事していた者の当該事務に関して知り得た秘密については、同条第四項の規定(同項に係る罰則を含む。)は、前項の規定にかかわらず、同項に規定する日後も、なおその効力を有する。
3 協議会の事務に従事していた者の当該事務に関して知り得た秘密については、第二十四条の規定(同条に係る罰則を含む。)は、第一項の規定にかかわらず、同項に規定する日後も、なおその効力を有する。
4 この法律の失効前にした行為に対する罰則の適用については、この法律は、第一項の規定にかかわらず、同項に規定する日後も、なおその効力を有する。
(政令への委任)
第三条前条第二項から第四項までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第四条政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(社会保険労務士法の一部改正)
第五条社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。
別表第一第二十号の二十五の次に次の一号を加える。
二十の二十六女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成二十七年法律第六十四号)
(内閣府設置法の一部改正)
第六条内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。
附則第二条第二項の表に次のように加える。
平成三十八年三月三十一日女性の職業生活における活躍の推進に関する基本方針(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成二十七年法律第六十四号)第五
条第一項に規定するものをいう。)の策定及び推進に関すること。
理由
女性の職業生活における活躍を迅速かつ重点的に推進し、もって豊かで活力ある社会を実現するため、女性の職業生活における活躍の推進について、その基本原則を定め、並びに国、地方公共団体及び事業主の責務を明らかにするとともに、基本方針及び事業主の行動計画の策定、女性の職業生活における活躍を推進するための支援措置等について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


PS(2016年3月9日追加):*9の高校への推薦にまつわる事件は、①万引きの非行歴があると誤った情報を書類に記載し ②万引きの事実がないのに修正されず ③教育委員会は会議資料が正式な書類でなかったため修正しないままにしていたなどと言い訳しており、人の一生を左右する推薦だけに見過ごすことができない。しかし、そもそも推薦制度は公平・公正になりにくい上、普通の人である先生がその時代の“常識”に沿って推薦するため、誰の目から見てもおかしいものだけがはじかれるわけではない。例えば私の場合、「女のくせに謙虚でない」「女だから男に道を譲れ」など、時代の“常識”を変える女子学生の将来性は予測できずに、その時代の“常識”で芽を摘まれそうになったこともあり(こういう時にガードしてくれたのは両親や夫)、男女平等に自己実現しようとしてきた私は、先入観と偏見を排除できない推薦ではなく、公平・公正な試験で東大や公認会計士試験の合非が決まったため助かったのである。

*9:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160308/k10010436001000.html
(NHK 2016年3月8日) 中3生徒自殺 誤った非行歴で進路指導の経緯は
 去年12月、広島県府中町で中学3年生の男子生徒が自殺した問題で、学校が誤った非行歴に基づいて進路指導を行っていた経緯などを、広島県教育委員会が自殺から3日後に文部科学省に報告していたことが分かりました。文部科学省への報告によりますと、去年12月8日の夕方、男子生徒が自宅で倒れているのを父親が見つけ、生徒は病院に運ばれましたが死亡しました。自宅には自殺をうかがわせる遺書が残されていたということです。その日は生徒と保護者との三者懇談が予定されていましたが、予定の時間になっても生徒は現れず連絡も取れなかったため、担任と両親だけで懇談を行いました。懇談の中で担任は両親に、男子生徒が1年生のときに万引きした事実があるため志望校に推薦できないと伝えたということです。しかし、その後の学校の調べで、この男子生徒が万引きした事実はないことが分かりました。推薦するかどうかの判定の際に使う、問題行動のあった生徒のリストに男子生徒の名前が誤って記録されていたということで、これが事実誤認の原因だとしています。県教育委員会は、こうした経緯などを生徒の自殺から3日後には文部科学省に報告していました。報告によりますと、男子生徒の欠席日数は1、2年生のときは数日で、3年生になってからは1日しか休んでいませんでした。また、学校では去年9月と11月にいじめを把握するためのアンケートを行っていましたが、この生徒の回答にいじめに関する記述はなく、周りの生徒からもこの生徒に関わる記述はなかったということです。文部科学省は「誤った非行歴に基づいた指導によって子ども1人を自殺に追い込んでしまったのであれば大変遺憾で、あってはならないことだ。なぜそのようなことが起きたのか、徹底的に調査してもらいたい」と話しています。資料修正されず誤った記載残る府中町教育委員会によりますと、「万引きの非行歴がある」という自殺した生徒についての誤った情報は、生徒が1年のときに教諭たちの生徒指導用の会議資料に記載されました。資料には複数の生徒の非行歴が記されていて、会議の中では、出席した教諭から自殺した生徒は「実際は万引きをしていない」という指摘があり、万引きの事実がないことを出席した教諭の間で確認し合ったということです。しかし、資料は修正されず、誤った記載は残ったままになりました。これについて教育委員会は、会議の資料が正式な書類ではなかったため、当時関わった教諭が修正しないままにしていたのではないかと説明しています。


PS(2016年3月11日追加):東大医学部は、免疫学・再生医療・公衆衛生学・解剖学・法医学・人類学等々の基礎研究に進む人も多く、患者と接する臨床医になる人ばかりではないため、何が資質になるかは容易に判断できない(国会議員には阿部知子さんがいる)。また、本当に優秀な人が多いので、他大学と同じにする必要はなく、*10の面接は足切り程度に留めるのがよいと考える。さらに、理3の人で(第二外国語ならともかく)日本語や英語のコミュニケーション能力に問題のある人は見ない。そして、私は理2なので理3の人と同じクラスだったが、理3の友人から1972~1975年頃(!)に聞いた言葉のうち、もっともであったため、私が2005年に国会議員になってからすぐに実行したことが下のようにある。
 1)整形外科に進んだ友人がその科を選んだ理由を、「将来は必ずロボットの時代が来るし、自分は
   ロボットに興味があるので、人間の機能を勉強したい」と語った → これにより、私は国会議員に
   なってすぐにロボット議連のメンバーとしてロボット研究を後押ししたが、こういう人が工学部に
   学士入学すればロボットの研究をやりやすいようにすべきであり、医師としての資質ややる気が
   ないなどとして排除しない方が、本人のためだけでなく国のためにもなると考える。
 2)「将来は少子高齢化時代になるので、産科・小児科ではなく高齢者に需要の多い整形外科に進む」
   と言って整形外科に行った人もいる → もっともであるため、この時から私は人口構成と需要構
   造の連動に留意するようにしている。
 3)北方領土のことを知らなかった九州出身の私に、北海道出身の理3の友人が、「北方領土は日本の
   領土だよ。知らないの!」と怒った → 私は、この時はじめて、北方領土は日本の領土だったが、
   ロシアに占有されたのだという歴史を知り、国会議員になってすぐに全島返還のために動いた。
   今はまた、展望があやしくなってきたが・・。

*10:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12251804.html
(朝日新聞 2016年3月11日) 東大理科3類、面接を再導入へ 「医師の資質見極め」
 東大によると、理科3類の入学者は主に医学部に進む。医学部では、実習で患者と接する機会を増やすなど、コミュニケーション能力が従来以上に求められている。面接は点数化せず、一定の資質・能力があるかを確認する方針だ。また、入学者には試験の点数は高くても医療や医学を目指す意欲に乏しい学生もいるという。7月をめどに実施方法を、17年には選抜要項をそれぞれ公表する。全国の国公私立大学医学部医学科の入試で、面接がないのは東大と九州大だけ。理科3類は1999年~07年の9年間、面接をしていたことがある。


PS(2016年3月12日追加):*11は、女子差別撤廃条約、男女共同参画社会基本法、女性活躍推進法などに反する発言で、これを中学校の校長が全校集会で言うと、それが学校の雰囲気となって価値感形成期の生徒に悪影響を与える。しかし、こういうことを言う人は、議員・民間議員・メディアにも多く、そういう政策をキャンペーンしているのが根本原因であるため、それらも同時に批判すべきだ。

*11:http://digital.asahi.com/articles/ASJ3C7RL6J3CPTIL03C.html?iref=comtop_pickup_02 (朝日新聞 2016年3月11日) 「女性は2人以上産むことが大切」中学校長、全校集会で
 大阪市立中学校の男性校長が2月29日にあった全校集会で「女性にとって最も大切なのは子どもを2人以上産むこと。仕事でキャリアを積む以上の価値がある。子育てした後に大学で学べばいい」などと発言していたことがわかった。市教育委員会関係者が取材に明らかにした。市教委は不適切発言として懲戒処分を検討している。関係者によると、市教委の聞き取りに校長は発言を認め「間違ったことは言っていない」という趣旨の説明をしたという。今月初め、市教委への匿名の電話で発覚した。校長は2015年3月に定年退職したが、再任用されていた。

| 男女平等::2015.5~2019.2 | 01:41 PM | comments (x) | trackback (x) |

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