■CALENDAR■
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31      
<<前月 2021年05月 次月>>
■NEW ENTRIES■
■CATEGORIES■
■ARCHIVES■
■OTHER■
左のCATEGORIES欄の該当部分をクリックすると、カテゴリー毎に、広津もと子の見解を見ることができます。また、ARCHIVESの見たい月をクリックすると、その月のカレンダーが一番上に出てきますので、その日付をクリックすると、見たい日の記録が出てきます。ただし、投稿のなかった日付は、クリックすることができないようになっています。

2014.4.15 ジェンダーに基づく偏った評価が女性の登用を阻む事例は枚挙に暇がない ← それを解決せずに、配偶者控除のみを廃止しても、単なる増税にしかならない (2014.4.17最終更新)
      

(1)経団連が女性登用で自主計画を要請したのは、かなりの進歩だが・・
 *1の西日本新聞で、「経団連は、2014年4月14日、企業で働く女性の活躍を促す提言をまとめた」「役員・管理職への女性の登用について会員企業に自主行動計画の策定を要請する」と書かれているのは、これまで雇用における女性差別を行い、男性社員に下駄をはかせて男性社員を指導的地位に登用してきた日本企業の取り組みとしては、かなりの進歩である。

 しかし、*2のように、経団連が、女性差別をしてきた事実を隠し、女性の活躍が進まなかった理由は女性自身の自覚の問題として、「粘り強い啓発活動が必要」などと、差別されてきた女性側に責任を押し付けているのは、責任転嫁であり卑怯だ。この点で、「企業上層部の男性が認識を改めるべき」というのは正しいが、実は、顧客、銀行、株主、メディア、行政、司法などの国民の認識も同様に改めるべきで、「役割分担論(ジェンダー)」が女性の活躍を阻んでいるのは、会社内部の女性差別だけではないのである。

(2)経団連が変わった理由
 *1に、「女性の活用は優秀な人材確保に加え、人口減少で働き手が少なくなる中で重要」と書かれているとおり、人口の半分である男性だけから下駄をはかせて指導者を選抜していれば、結局、優秀な人材も半分しか得られない。わが国の経済構造が、開発途上国型の輸出ではなく、内需依存になった今、内需に詳しい女性を退ければ企業が発展できない状況になったことも、変化すべき大きな要因だ。そのため、*2で、「女性の活躍が企業の価値を高める」「イノベーションを起こすには女性の活躍が必須」とされているわけである。

 また、生産年齢人口が減少すれば、女性を働かせ続けても雇用は足りるが、「(女性の)役員や管理職への登用は進んでいない。欧米では管理職に占める女性の割合が30%以上なのに対し、日本は10%程度にとどまっている」というように、女性の自己実現を図り、幸福を増す事象は遅れている中で、企業利益増加の論理ばかりが強調されるのは、日本国憲法に定められた「両性の平等」「基本的人権の尊重」に反すると考える。ここで、「立憲主義だから、私企業は憲法を守らなくてもよいのだ」と言う人もいるが、そんなことはないだろう。

(3)女性管理職が少ないのは何故か
 *1では、「女性管理職の養成講座を開く」「女性の幹部候補を対象に、管理職としての心構えや、社外との人材交流を深める養成講座を経団連内で開講する」など、女性管理職が少ないのは、あたかも女性が管理職としての知識がないか、管理職としての心構えができていないかのような表現がなされている。

 しかし、男女雇用機会均等法に規定されているとおり、採用、配置、昇進、退職で男女差別を行わなければ、当然、女性社員も男性社員と同じ能力がつくため、女性管理職の養成講座を開き、女性の幹部候補を対象に管理職としての心構えや社外との人材交流を深める養成講座を開講しなければならないというのは、まるで女性には特別なことをしなければ管理職になる能力がないようような印象を受け、失礼千万だ。そして、このような考え方をしたり、メディアがこのような表現をばら撒いたりすることが、日本社会のジェンダーをさらに増幅し、昇進における女性差別を合理化しているのである。

(4)本当に男女の評価基準は同じか? ← リケジョの扱いの事例から
 *1では、「(今ごろではあるが)理工系の女性社員『リケジョ』の採用なども進める」と書かれており、*2には、「女性にチャンスを与えるが評価は公平に行う」と書かれているため、私もそれでよいと思うが、実際に評価が公平に行われているかと言えば、*3の小保方博士のSTAP細胞論文発表の例でも明らかなように、女性の業績に対しては、実績の過小評価とあら捜しの報道が多く、これは、小保方博士が次のステップに移るのを妨げている。

 例えば、*3の「理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーは14日、代理人の三木秀夫弁護士を通じて報道陣に配布した文書で、『STAP細胞は日々培養され、解析されていた』などと主張した」という記事も、「などと主張した」として、「科学的なデータや写真は示していないのだから、どうせ嘘だろう」と暗示する悪意に満ちたものだ。(その割には、メディアは真実を伝えていることの方が少ないが・・)

 しかし、iPS細胞発見時も、最初からすべてがわかっていたわけではなく、長期的視野を持って次の成果を待った。これに対し、小保方博士のSTAP細胞には、このような長期的期待が与えられず、「直ちにすべての事象を解決・証明できなければ科学的ではなく、真実でもない」として、(「女のくせに生意気な」と感じた)小保方博士よりも科学に疎い記者が、異常に厳しい”評価”を日本全国にばら撒いているのだ。

 そもそも、小保方博士は、そのような悪意あるメディアに科学的なデータや写真を公表する義務はなく、*4のバカンティ教授の対応が科学者の標準である。そして、このような悪意の報道に晒され続ければ、研究を妨げられるので、小保方博士は、バカンティ教授が言うように、ボストンに戻った方が早く次のステップに移れるが、そうなると、日本は、またSTAP細胞に関するすべてのチャンスを失うことになる。

 これを、一般会社に置き換えれば、*2の「私は社長を目指す」という女性がいれば、周囲が「生意気でかわいくない女だ」として不利に扱い、そのような女性が育つ環境ではないため、会社が人材を失うということだ。そのため、*2の「社会全体で取り組むべき課題」は、小中学校の段階からすべての人にジェンダー教育を行い、社会のすべての人が、このようなジェンダーで人を”評価”しないようにすることである。

 また、「ロールモデル不足が課題」として、子どものいる女性を登用しなければならないとする動きもあるが、ロールモデルがなければ挑戦できないような人は、男性であれ女性であれ、どうせ大したことはできない。その上、女性の昇進に「子どもがいること(自分で子どもを育てたこと)」という条件をつければ、これは世界でも類を見ない男女で異なる女性差別的な評価基準になる。

(5)配偶者控除をなくせば、問題が解決するのか
 *1には、「2017年までの40万人の待機児童解消を前倒しで実施することも要望」と書かれ、*2には、「保育施設は重要な社会インフラ」「介護休職者の増大を前提に制度設計を」「男性にも育児をする権利がある」と書かれているように、現在、保育、介護の社会的制度が不十分なため、女性が仕事を辞めざるを得ないケースが多い。また、男女を問わず、正規社員はどこへでも転勤させる企業風土も、単身赴任や女性が仕事を辞めざるを得ないケースを増やしている。

 これらをそのままにして、*5のように、配偶者控除のみを廃止もしくは縮小しても、問題は解決せず、単なる増税に終わるだろう。それではどうすべきかについては、長くなるので、日を改めて記載したい。

*1:http://qbiz.jp/article/35679/1/
(西日本新聞 2014年4月14日) 経団連、女性登用で自主計画要請 リケジョ活用も
 経団連は14日、企業で働く女性の活躍を促す提言をまとめた。役員・管理職への女性の登用について会員企業に自主行動計画の策定を要請することが柱。女性管理職の養成講座を開くほか、理工系の女性社員「リケジョ」の採用なども進める。15日に森雅子・男女共同参画担当相に提出する。経団連「女性の活躍推進部会」部会長の中川順子野村ホールディングス執行役員は14日の記者発表で「提言をきっかけに、多くの企業が女性活用の計画を検討することを期待したい」と話した。提言によると、女性の活用は優秀な人材確保に加え、人口減少で働き手が少なくなる中で重要だが、役員や管理職への登用は進んでいない。欧米では管理職に占める女性の割合が30%以上なのに対し、日本は10%程度にとどまっている。このため、経団連として大企業中心の会員企業約1300社に、女性の役員・管理職の登用に向けた自主行動計画の策定を要請し、経団連のホームページで公開することにした。ただ、策定は強制ではなく、各社の自主判断とする。また、女性の幹部候補を対象に、管理職としての心構えや、社外との人材交流を深める養成講座を経団連内で開講する。理工系大出身の女性活用で大規模な採用イベントの開催なども実施したいとしている。さらに政府が掲げる2017年までの40万人の待機児童解消を前倒しで実施することも要望。女性が育児などに時間を充てられるよう、決められた時間内に業務が終えられる働き方に改め、長時間労働が評価される慣例も変えていくべきだとしている。

*2:https://www.keidanren.or.jp/journal/monthly/2013/11/
(月刊経団連 2013年11月号) 女性の活躍推進に向けて
<要点>
●女性の活躍は企業、社会に何をもたらすか
 女性の活躍が企業の価値を高める
 イノベーションを起こすには女性の活躍が必須
 育児と仕事の両立を支援する「カンガルースタッフ」
 女性中心の組織は風通しが良い
 産業革命以来のワークスタイルを変える
●女性の活躍が進まなかった理由
 育児は「協力」ではなく「参加」の時代
 粘り強い啓発活動が必要
 企業上層部の男性が認識を改めるべき
 女性の活躍を阻む「役割分担論」
 保育施設は重要な社会インフラ
●女性の活躍を推進するために企業にできることは何か
 ロールモデル、ネットワーク不足が課題
 社長を目指す女性が活躍できる環境をつくりたい
 女性管理職の比率を20%にすることが目標
 女性にチャンスを与えるが、評価は公平に行う
 上司は「期待している」と部下に伝えることが大切
●社会全体で取り組むべき課題は何か
 小中学校の段階からジェンダー教育を
 介護休職者の増大を前提に制度設計を
 男性にも育児をする権利がある

*3:http://digital.asahi.com/articles/ASG4G3F54G4GPLBJ002.html
(朝日新聞 2014年4月14日) 小保方氏が説明文書を配布 「STAP細胞を日々培養」
 STAP細胞の論文問題で、理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーは14日、代理人の三木秀夫弁護士を通じて報道陣に配布した文書で、「STAP細胞は日々培養され、解析されていた」などと主張した。この文書はSTAP細胞ができたと改めて主張する内容になっている。ただ科学的なデータや写真などは示していない。文書では、小保方氏が会見で「STAP細胞は200回以上作製に成功した」と述べた点について、「実験を毎日のように、しかも一日に複数回行うこともあった」と主張。万能細胞の指標となるたんぱく質が出ているかどうかをみて「作製を確認した」と説明している。また、「2011年4月には、(ネイチャー)論文に書いた方法でSTAP細胞が出来ることを確認し、その後、6月から9月ごろにはいろいろな細胞に、様々なストレス条件(刺激)を用いてSTAP細胞を100回以上作った」などと主張。その後も、遺伝子解析やマウス実験などに必要なSTAP細胞を100回以上作製したとしている。会見で小保方氏以外の第三者がSTAP細胞作製に成功していると述べた点については、「私の判断だけで名前を公表できないが、成功した人の存在は理研も認識しているはず」と主張した。理研広報室は「再現実験で万能細胞の指標となるたんぱく質が出ていることを確認した人は1人いるが、万能性が証明できたわけではない」としている。作製の「コツ」については、「所属機関の知的財産であることと、特許等の事情があるため、個人から全てを公表できない」と改めて理解を求めた。「状況が許されるようになれば、言葉で伝えにくいコツが分かるよう映像などを近い将来公開するよう努力したい」としている。三木弁護士は文書を出した理由について「時間が限られた会見の内容にバッシングが出て、小保方氏が心を痛めている」と話した。

*4:http://digital.asahi.com/articles/ASG4H36LQG4HPLBJ003.html?iref=com_alist_6_01 (朝日新聞 2014年4月15日) バカンティ教授「小保方氏、ボストンに戻っておいで」
 STAP細胞論文の主要著者である米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授が来日し、15日に京都市内で開かれている国際会議で講演したことがわかった。出席者によると、論文について「すでに画像の取り違えの訂正がなされており、結論には影響を与えない。STAP細胞は必ず存在する」と述べたという。バカンティ教授は理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーの米留学時代の指導教官。論文への疑惑が指摘されて以降、直接の取材に応じておらず、国内で発言するのは初めて。この日は「世界気管支学会議・世界気管食道科学会議」に出席し、「再生医療と幹細胞」というテーマで講演した。会場は報道陣の入場が規制され、警備員が出入り口を固める異例の厳戒態勢が敷かれた。出席者の男性によると、バカンティ教授はスライドを使って講演。論文が不正と認定されたことについて、小保方氏の単純ミスだと主張。ホテルでパスワードキーを3回打ち間違えて入れなくなり、無理に頼んで入れてもらった、という例をあげ、同様のミスだと話したという。また、小保方氏に対し、「(大学のある)ボストンに戻っておいで」と呼びかけたという。同会議の組織委員会によると、1年以上前にSTAP細胞とは無関係のテーマで講演を依頼。ハーバード大は「STAP細胞に関するコメントは一切行わないこと」を講演の条件に出したという。バカンティ教授はSTAP細胞論文の撤回を拒んでおり、これまで、所属する病院を通じて「発見全体を否定するような決定的な証拠がない限り、撤回すべきだとは思わない」などとコメントしている。ハーバード大学の関連病院で麻酔科部長を務め、再生医療工学の研究者として知られている。

*5:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140415&ng=DGKDASGC1400O_U4A410C1EA2000 (日経新聞 2014.4.15) 配偶者控除見直し着手
 政府の税制調査会は14日、専業主婦世帯の所得税を軽減する配偶者控除の廃止・縮小の議論を始めた。5月中旬から議論を本格化する。現行制度では妻の収入が年103万円を超えると夫の所得税の控除額が減るため、女性の社会進出を阻むとされる。ただ、同控除を廃止すれば専業主婦世帯の税負担が増す。「伝統的な家族観から見直しには慎重な意見もある」(麻生太郎財務相)と政府・与党内に反発もある。所得税の課税対象を個人単位から世帯全体にする改革が必要との意見もある。


PS(2014.4.16追加):STAP細胞とiPS細胞を比較してSTAP細胞の優位性を強調したことを問題にして叩くなどということは、(わが国では少なくないが)真実の追究や科学の進歩を妨げる。私もSTAP細胞の方が遺伝子を操作していないだけ優位性があると考えており、STAP細胞の研究者がハーバード大学に行ってしまえば、電気自動車や太陽光発電と同様、10年後の結果が目に見えるようだ。つまり、先端は、一人か少数の人が始めるもので、組織や権威の方が正しく強いということはないのである。

*6:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2663710.article.html
(佐賀新聞 2014年4月15日) STAP報道用資料は笹井氏作成 / 優位性強調、16日記者会見
 STAP細胞の論文問題で、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)が1月28日に報道機関向けの事前説明会で配布したSTAP細胞と人工多能性幹細胞(iPS細胞)とを比較した資料は、論文共著者の笹井芳樹・副センター長が作成したことが15日、分かった。この資料はSTAP細胞の優位性を強調し、誤解を招くとして後に理研が撤回するなど問題になった。笹井氏は小保方晴子氏とともに論文の主要な執筆者で、事前説明会にも出席。16日午後に東京都内で記者会見を開き、論文をめぐる一連の問題を説明する。問題発覚後、笹井氏が公の場で説明するのは初めて。


PS(2014.4.17追加):「泣きながら」「言葉にならない」などということを標題にし、好感を持って書くメディアの感性にジェンダーがある。そして、国民の何割かは同じ感性を持っているだろうが、逆に言えば、これは「感情的である」「科学的に筋を通して冷静に説明できない」と評価されるもので、女性に対しては、この2つの矛盾する要求が突きつけられるのが上昇を阻む原因である。小保方氏は、プレイヤーが男性ばかりの日本で、研究者として生きるために、そこまで読んで行動していると思うが、そうしなければ生きられない環境を変えるべきなのである。

*7:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2664229.article.html
(佐賀新聞 2014年4月16日) 小保方氏「言葉にならない」 / 笹井氏会見に、泣きながら
 理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダー(30)は16日、STAP細胞論文共著者の笹井芳樹氏の記者会見について「尊敬する笹井先生が私の過ちのため、厳しい質問に答えている姿を見て、本当に申し訳ない気持ちでいっぱい。申し訳なさ過ぎて、言葉にならない」と泣きながら話した。笹井氏の会見後、代理人の三木秀夫弁護士が、入院中の小保方氏と電話した様子を報道陣に明かした。三木弁護士によると、小保方氏は笹井氏の発言内容に言及することはなかったが、気持ちが沈んでいるようだったという。笹井氏が「弁護団として論文の撤回は検討していない」と主張した。

| 男女平等::2013.12~2014.6 | 08:32 PM | comments (x) | trackback (x) |

PAGE TOP ↑