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2014.2・19 保育園と幼稚園、初等・中等教育について (2014年2月20日追加あり)
       
       正規分布       子ども園               小学校

 *1は東京都の課題だが、わが国の大都市ではだいたい同じ課題が山積している。そして、このように重要なことが今まで解決されなかった理由は、①戦後の男女共学教育の下で働く能力を十分に身につけた女性の存在を、「少数だから」と無視する人が多かったこと ②核家族化の進行による負担は女性の犠牲的労働で賄えばよいとする意見が多かったこと ③その結果、家事・育児・介護は女性の無償労働という考え方を見直す動きがあまり出なかったこと などが挙げられるだろう。

 しかし、次の時代に常識となる行動は、最初は上図の正規分布のA領域にいる少数の人から始まって次第に広がっていくものである。そのため、「少数だから」という理由で無視するのは根本的に間違いであり、政策の取捨選択は、公正性と先見の明によって行うべきだったのだ。

(1)幼児教育について-子を保育園に預けている親も幼児教育が不要だとは思っていない
 そのような中、現在、0歳~小学校就学までの子どもは、保育所(管轄:厚労省)、幼稚園(管轄:文科省)、認定子ども園(管轄:都道府県)が担当している。そして、両親が働くためには、勤務時間中に子どもを預かってもらうことが必要であるため、*2-1、*2-2のような保育所に預けることになる。

 現在、保育所は、保護者が働いているなどの何らかの理由で保育に欠ける児童を預って保育する施設とされており、幼稚園は、満3歳から小学校就学までの幼児を預かり、適切な環境を整えて心身の発達を助長するための教育施設とされている。しかし、子どもを保育所に預けている親も、適切な環境と子どもの発達を促す教育が不要だと考えているわけではなく、狭い部屋に詰め込まれている子どもの心身の発達には問題を感じている。一方で、幼稚園は、専業主婦の減少とともに空きが多くなった。

 そのため、保育所も教育機能を持ち、幼稚園も預かり機能を持てばBestだったのだが、これは監督官庁が異なるということで、私は、1995年に初めて提案し衆議院議院だった2005~2009年にもやったができなかった。そのかわり、保育所も幼稚園も、認定基準を満たす施設は、都道府県知事が「認定こども園」の認定を行うことができるようになり、預かり機能と教育機能の両方を有する施設ができたのである。従って、認定子ども園の利用者は、保育園児として入園しても幼稚園児と同じ教育が受けられるので、東京都などの地方自治体は、質と量の両方を充実できる、この制度を推し進めればよいと考える。

(2)初等・中等教育について-「ゆとり教育」は、先生のための「ゆとり」だったのでは?
 *3-1に書かれているとおり、政府の教育再生実行会議が、義務教育の開始年齢を5歳からに早める案を検討している。これに反対する人もいるようだが、イギリスの義務教育は5歳から始まる。私は、①義務教育の無償性 ②早期の語学教育や幼児教育の必要性 ③ゆっくり、しっかり学べることの有効性 などの観点から、イギリスと同様、5歳からにするのがよいと思う。

 また、「ゆとり教育」により、公立学校で勉強する内容が減ったことについては、私立や塾に行けない家庭の子どもは学業のチャンスが奪われ、親は子どもの勉強について心配と教育費用が増えた。そのため、グローバル経済の現在、*3-2のように、公立学校で学べば、国内の大学の入学試験に合格できるだけでなく、海外留学や海外での仕事も容易にできる基礎学力が身に着くようにすべきである。

(3)学童保育と補習
 *3-3のように、北九州市教委が、新年度、希望者を対象に放課後の校内で、国語と算数や数学を教える学習塾事業を始めるそうだ。学習塾は放課後の空き教室を利用して、講師は教員OBや大学生から募るそうだが、これは、質の高い学童保育の一部として、できない子(上図E領域の子)には落ちこぼれ防止効果があり、できる子(上図A領域の子)にはさらに上の段階の勉強を教えるのがよいと思う。そして、現在は不備も甚だしい学童保育も、このような質の高いものを十分に提供することが重要である。

(4)広く才能を開拓しなければ、国の発展はない
 科学技術の研究を行い、それを評価して経営を行ったり予算をつけたりする事例を考えれば、国の底力は、それを担う国民全体の知識レベルや質の高さに依存することがわかる。また、付加価値の高い製品やサービスを作り出し、国民の幸せに繋げるためには、上図の正規分布で言えば、A領域の人だけではなく、A~E領域のすべての人の総合力がものを言うのである。

       
            小学校            総合学習          社会

*1:http://mainichi.jp/opinion/news/20140203k0000m070082000c.html
(毎日新聞 2014年2月3日) 都知事選と福祉 若者がいなくなる前に
 政治や経済の中心というだけでなく、東京は1300万以上の人々が暮らす場所でもある。介護や子育てに有権者の関心が高いのは当然だ。しかし、これまでの都政が福祉に熱心だったとは言い難く、今回の各候補者の福祉政策も総じて物足りない。もっと具体的な議論が聞きたい。高齢者福祉では医療や介護の必要が高まる75歳以上がどのくらい増えるのかが重要だ。東京では2010年から30年まで前期高齢者(65〜74歳)の数はさほど変わらないが、後期高齢者(75歳以上)は127万人から211万人へと大幅に増える。このままでは深刻な病院不足、介護サービス不足に陥る。適切な対策を講じないと若年層も東京で暮らせなくなる日がやってくる。家族の構成人数が少なく、高齢者の独居や夫婦のみ世帯が多いことが東京の特徴だ。高齢者は持ち家率が高いが、高齢者のみの世帯は借家暮らしが3〜4割もある。地価が高く介護施設の新設は難しいが、その一方で空き家が約70万戸もある。財政も比較的恵まれており、都心では独自の手厚い介護サービスもある。こうした東京の特性を反映した福祉ビジョンが必要だ。もう一つ注目すべきは、親族の介護のため離職や転職をする人の8割以上が女性、要介護認定を受けて介護保険サービスを利用している人の7割以上が女性ということだ。つまり、男性は妻や娘に介護される人が多いが、長生きする女性は介護をしてくれる家族がなく、公的介護サービスに頼る割合が高くなる。最近増えているサービス付き高齢者向け住宅は家賃と食費だけで毎月10万円以上が必要だ。在宅でも要介護度が高くなれば長時間の介護サービスが必要になり、自己負担が増える。給付額の少ない国民年金しかない女性はどうすればいいのだろうか。少子化や子育て対策も急務だ。東京の出生率は1.09しかなく、全国平均(1.41)を大きく下回る。一方、全国で最も保育所の待機児童が多いのが東京だ。もともと都市は死亡率が高く出生率が低い。地方から人々が移ってくることで都市の人口は維持されている。だが、全国的に現役世代の人口が減っており、いつか東京に移入する人数が確保できなくなる時代がやってくる。負担の重さを嫌って東京から地方へ移住する人も増えるだろう。東京で暮らす現役世代の女性が安心して結婚し子供を産めるような政策が今ほど必要な時はない。今回の立候補者16人は全員が男性。介護や子育てに関する公約が新鮮味や具体性に乏しいのはそのせいだろうか。危機感を持って巨大都市の暮らしをどうするのか語ってほしい。

*2-1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014021802000103.html (東京新聞 2014年2月18日) 認可保育所、一刻も早く 杉並区役所前 母親ら40人抗議
 東京都杉並区の認可保育所に四月からの入所を申し込み、選考に漏れた区内の母親ら約四十人が十七日、区役所前で抗議集会を開いた。二十一日には、行政不服審査法に基づく異議申し立てを集団で行う。杉並区では新年度、認可保育所に三千二百五十七人が申し込み、認可保育所に千三百九十人が、区保育室に四百二十三人が内定。申請を取り下げた二十八人を除いた千四百十六人が選考から漏れた。入所の可否は十三日に通知した。区は、待機児童対策で認可保育所のほかに認可外の施設も組み合わせて対応しているが、認可保育所の希望者が多い。母親らはマイクを手に「保育士や施設の面で安心して預けられる認可保育所を増やして」などと訴えた。集会を呼び掛けた母親グループ「保育園ふやし隊@杉並」事務局の島恵子さん(40)は「区も努力しているが、認可保育所に預けられない親が大勢いる。都や国と連携し対応してほしい」と話した。昨年四月に、最終的にどこにも入れなかった待機児童数は二百八十五人。区は昨年度、認可、認証保育所整備などで受け皿を計約一千人分拡大したが、ゼロ、一歳児の入所希望や働く女性の増加で、ことし四月の待機児童解消は難しい状況にある。集会に先立ち、田中良区長は十七日午前の区議会で「新年度も認可保育所を核に六百人超の定員を確保する」と、保育施設の整備を進める方針を示した。

*2-2:http://www.nikkei.com/article/DGXNZO66955260X10C14A2L83000/
(日経新聞 2014/2/18) 東京23区の保育定員を1万人増
 東京23区が相次いで保育サービスを強化する。各区の保育所定員を集計したところ、2014年4月1日時点の定員数は、1年前に比べて1万人以上増える見通し。ただ、都心では子育て世代が増え続けており、待機児童の解消にどの程度つながるかは未知数だ。「スマート保育の施設数は23区では最多となる。今後も広域に整備し、待機児童の解消を急ぐ」と話すのは板橋区の担当者。13年4月1日の待機児童数はその前年度比約2割増の417人。このうち98%が0~2歳児だ。このため0~2歳児が対象で定員19人以下の小規模保育所に東京都が独自に補助する「スマート保育」施設を大幅に拡充する。スマート保育は、認可保育所などの基準から外れる6~19人を預かる保育施設。ビルの空き室などを活用するため低予算で素早く開設できるのが特徴だ。4月に計20カ所と現在に比べ17カ所増やす。
 江東区は14年度にマンション大手など民間企業の保育所12園の新設を補助金で後押しし、保育所定員を1088人増やす。1年間で2ケタを超す保育所の整備は過去最多。豊洲や有明など同区の湾岸部ではマンションの建設計画が相次ぎ、保育所併設を促すことで待機児童解消につなげる。
 豊洲6丁目では三井不動産などが建設中の1千戸超の超高層マンションに定員120人の園を併設する。有明1丁目でもマンション併設で定員91人の園の整備を計画しており、区内の総定員数は10%増の1万1923人になる。園の新設を支援する補助金総額は約16億円。
 品川区は14年度中に定員を406人増やす計画。用地不足などで民間の保育園新設が伸び悩んでいることから、国有地を活用した整備に着手する。南品川国家公務員宿舎跡地に定員80人の私立保育園の整備を計画し、建設・運営する民間事業者を公募で選定中だ。
 港区は14年度の保育定員を1371人増の5728人とする。私立の認可保育所が13園開園することなどが寄与し、過去最大の定員拡大となる。
 全国の区市町村で待機児童数が最多の世田谷区は14年度から、保育所の運営事業者が支払う土地賃借料への補助金の支給期間を3年程度から20年に延ばす。初期投資だけでなく、長期間にわたる運営費にも補助することで、民間が保育事業を始めやすいようにする狙いだ。保育所を整備するための民有地を区が借り上げ、運営業者に転貸する制度も始め、保育所の整備を加速させる。同区の保育サービスの予算は14年度に前年度比27%増の約208億円と、過去最大規模の予算を配分する。
 ただ、都内の保育需要は年々増加を続けている。港区の今年1月時点の待機児童は294人だが、4月の大量開園でも待機児童がゼロになるかどうかは微妙な情勢だという。新宿区の中山弘子区長も「保育定員は増やしてはいるが、新たな申し込みも増えており、待機児童を減らせるかは何とも言えない状況」と懸念を示す。

*3-1:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2636419.article.html
(佐賀新聞 2014年2月19日) 5歳から義務教育で両論 / 政府の教育再生会議
 政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は18日、首相官邸で会合を開き、義務教育の開始を5歳からに早める意見と、慎重な検討を求める声の両論が出た。幼児教育の充実が必要との認識では一致した。昨年秋に始めた「6・3・3・4」の学制見直し議論の一環として、この日は9年間の義務教育期間の妥当性をテーマに意見交換した。義務教育の開始時期をめぐっては、戦後間もない時期と比べ子どもの成長が早くなっているとして1年早めるよう求める声が出た。一方「開始時期は保護者の意向に任せるべきだ」との意見もあった。

*3-2:http://digital.asahi.com/articles/ASG243FWJG24UTIL00K.html?iref=comkiji_redirect&iref=comtop_list_edu_n02 (朝日新聞 2014年2月4日) 小中高の英語教育検討 有識者会議委員に三木谷氏ら
 文部科学省は4日、小中高校での英語教育を検討する有識者会議を設置し、発表した。委員は英語を社内公用語とした楽天の三木谷浩史社長や、予備校講師の安河内哲也氏ら11人で、今月中に初会合を開く。各学校段階の到達目標やクラス編成方法、必要な教材開発などを検討し、秋までに報告書をまとめる。下村博文文科相は4日の記者会見で三木谷氏の起用について、「直接、私からお願いした。大臣就任直後から強く私に、英語教育を学校教育にしっかり入れるべきではないかと(話された)」と説明した。

*3-3:http://qbiz.jp/article/32028/1/
(西日本新聞 2014年2月12日) 北九州市教委が小中学校で塾開講 教員OB、大学生を講師に
 北九州市教育委員会は新年度、市内の小学3〜6年と中学3年の希望者を対象に、校内で放課後、国語と算数、数学を教える学習塾事業を始める。市内の小中学校全192校のうち、まず約40校で実施する。同市は全国学力テストの正答率が全国平均を下回っており、学力の底上げを図る。学習塾は放課後の空き教室を活用。講師は教員OBや大学生から募り、教員免許の有無は問わない。小学校が6月、中学校は7月からそれぞれ週2回、約1時間ずつ、文章の読解力や漢字、九九や掛け算、分数などの基礎を無料で教える。総事業費は約7千万円。北九州市は昨年4月の全国学力テストで、国語と算数、数学の全科目で全国平均を1・7〜3・4ポイント下回った。高知県が同様の取り組みで学力テストの正答率を上げており、九州でも福岡市や熊本市が既に実施している。市教委は「学力アップのほか、学習習慣そのものを身に付けてもらいたい」としている。


PS(2014年2月20日追加):*4のように、大企業か中小企業かを問わず、グローバルな展開の可否は、ビジネスの成功に大きく影響している。

*4:http://qbiz.jp/article/32468/1/
(西日本新聞 2014年2月20日) 【わが社のアジア戦略】本多機工 国際的人材がニーズに対応          
 社内のグローバル化を目指したきっかけは、かつて、自分の机に積まれた外国語の書類の山だった。産業用ポンプを受注生産するメーカーで、龍造寺健介社長の入社は1998年。当時、輸出先から部品の注文があっても回答できる語学力を持つ社員は少なかった。米国に23年住んだ龍造寺氏に、書類の処理が回ってきた。「これだけニーズがあるのに。もったいない」。書類の多くは輸出を担う商社に送ったが、得意先に部品が届くまでの間に仲介者が増えれば価格は上がる。安価な海外製に切り替えられてしまう恐れもあった。経済成長著しいアジアでは、工場の心臓部といえるポンプの需要は増すばかり。アフターケアで輸出先とメーカー側が直接やりとりできれば、需要を十分に取り込めるはずだと読んだ。
 龍造寺氏は、義父が創業した会社を継いで2005年に社長に就任。06年に福岡市内に国際事業本部を設立し、九州にいる留学生や、外国語が堪能な日本人を含めてグローバル人材を積極的に採用し始めた。入社後は技術営業者としてインドや中国、インドネシア、タイなどに派遣。海外26社のビジネスパートナーと連携し、各国で需要を掘り起こしている。納品後はメンテナンスについてのやりとりも担った。「国際事業本部は福岡空港のすぐそば。何かあればひとっ飛びで行けます」。外国人社員は15人に増えた。海外の売上高は90年代後半、全体の20〜30%だったが、現在は60%に伸び、その大半がアジア向けだ。製品への評価も高まっている。世界で初めて、直径0・05ミリ以下の小さな気泡を発生させて排水を浄化する装置を開発した。環境問題に悩むアジア各国に売り込みを図っている。龍造寺社長は「外国との懸け橋となる人材と、オーダーメードの強みを生かしていきたい」と意気込んだ。

| 教育・研究開発::2013.11~2014.7 | 05:13 PM | comments (x) | trackback (x) |

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