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2013.4.9 汚染水漏出問題は、海への排出をしないという前提のない杜撰な環境意識の下で生まれたものである。このような行動主体を信用してよいわけがない。
   
                *1より                         *3より
(1)国及び東京電力に、放射性物質を海に流さないという基本方針はあったのか?
 *1のように、3枚の遮水シートを敷いただけの貯水池に汚染水を貯めていたのだから、もともと、放射性物質を決して漏らさず海に流さないという基本方針はなかったと思われる。何故なら、遮水シートの耐久性は長くはなく、貯水池の構造があまりにも貧弱だからだ。そして「水漏れの予兆」というべき異変があった時にも、東電は水漏れを否定する方向で調査を進めていたのだから、「絶対に自然界に出さない」「海に流さない」という意識はなかったと考えるのが妥当である。

(2)放射性物質を含む水は危険だと言う認識はあるのか?
 東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は七日の会見で、「あらためて整理すると(水位の低下を)確認できるが、日々の作業で認識するのは難しい」と語ったそうだが、それでは、測っていたこと自体が無駄である。さらに、*2によれば、漏れた量は推定百二十トンと書かれているが、雨で増えた水量もあるので、減った水量のみが流れ出した水量ではない筈だ。これらを総合して考えれば、危険な毒物を排出しないように管理しているという意識がない。

(3)今後、汚染水をどうするつもりなのか?
 *2によれば、「福島第一には大小七つの貯水池が造られ、合計容量は五万八千トンで、処理水は、放射性セシウムの大半が除去されているが、ストロンチウムなどは残っている」とされる。これでは、環境に排出することは不可能であり、今後も溜めていくしかない。しかし、処理するというのは、環境に排出できるレベルまで処理することであり、そうでなければ意味がない。いったい、いくらかけて処理設備を導入し、今後、どれだけの期間にどうするつもりなのか、明らかにすべきだ。これは、最初に予算を使って処理設備を導入する時から見えていなければならない展望であるため、「うっかり・・」「試行錯誤で・・」「結果論だ」などという言い訳を聞く必要はない。

(4)土中にしみ込んだ汚染水が海に流れることに関する意識の低さ
 *3の「土壌に漏れれば海へ出るという可能性は考えていなかった」、*4の「貯水槽の外側で放射性物質が検出されて初めて気がついた」などというのは、土中にしみ込んだ汚染水は、地下水となって海に流れ込むことについて少しも考えていない。こういう人が広報をやっているのだから、他の人の意識も推して知るべしである。現在、日本の環境基準では、毒物を環境に排水してはならず、毒物を出す企業は、浄水してから排水しなければならない(http://www.env.go.jp/chemi/tmms/lmrm/02/ref02.pdf#search='%E6%97%A5%E6%9C%AC+%E6%AF%92%E7%89%A9%E3%81%AE%E6%8E%92%E6%B0%B4'参照)。日本では、政府と東電が揃って、これに反する行為を行っているのだから、とうてい中国を批判できるような状況ではない。

*1:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013040890070131.html
(東京新聞 2013年4月8日) 東電予兆問題視せず 別貯水池も汚染水漏出
 東京電力福島第一原発の地下貯水池から、高濃度汚染水を処理した水が漏れた事故で、東電は先月二十日ごろには、貯水池の水位がじりじり下がり、池の遮水シートの近くで微量の放射性物質も計測しながら、水漏れの予兆を見逃していたことが分かった。早期に水漏れを疑って対応していれば、漏出量は最小限にとどめられた可能性が高い。東電の危機管理のあり方が問われる。東電の資料によると、問題の貯水池の水位は三月十日前後から不安定になり、二十日ごろには明らかな下降線をたどった。今月五日の公表時には、最高値だった時より0・5%下がっていた。
 東電は遮水シートの内外で放射性物質の濃度も測っている。これまで計測されなかったのに、二十日には、微量ながら放射性物質を計測していた。二つの小さな異変を「水漏れの予兆」と疑うべきだが、東電は逆に、水漏れを否定する方向で調査を進めていた。その根拠としたのが塩素濃度だ。シートの外側では、処理水に含まれる塩分を検知する塩素濃度も常時、計測している。水が外に漏れていれば上昇するはずの外側の値が、二十日の時点では大きな変化はなかったことから、このときは「水漏れはない」という判断に傾いたという。
 東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は七日の会見で「あらためて整理すると(水位の低下を)確認できるが、日々の作業で認識するのは難しい。危機意識が足りなかった」と述べた。一方、東電は水漏れがあった貯水池の東側に隣接する別の貯水池でも、処理水が漏れていると明らかにした。この貯水池にも処理水約一万一千トンが貯蔵されている。シート外側で採取した水から一立方センチメートル当たり二〇〇〇ベクレル前後の放射性物質と塩素が計測された。東電は、漏えい量は〇・三~三リットルとみている。

*2:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013040690135415.html
(東京新聞 2013年4月6日) 福島第一 漏出汚染水120トン 「収束」後、最悪
 東京電力福島第一原発の地下貯水池から、高濃度汚染水を処理した後の水が漏れ出した問題で、東電は六日、漏れた量は推定百二十トンと明らかにした。周辺の地盤に流出した可能性が極めて高い。汚染水の漏出量は二〇一一年十二月に政府が「事故収束」を宣言して以来最大の規模となった。地下の貯水池は、上空に送電線があって地上タンクを造りにくい土地を有効利用するために考案され、地下に深さ数メートルの穴を掘り、三重の遮水シートを施工する方式。
 福島第一には大小七つの貯水池が造られ、容量は計五万八千トン。うち三つの貯水池には既に計二万七千トンの処理水が入っている。処理水は、放射性セシウムの大半が除去されているが、ストロンチウムなどは残っている。水漏れが確認されたのは、三つのうちの一つで、入れられている水量は一万三千トン。三日にシート外側の状況を確認した際、未検出だった放射性物質が検出されたため調べたところ、五日になって一番外側のシートの内側で採取した水から、一立方センチメートル当たり約六〇〇〇ベクレルの放射性物質を確認。塩分濃度も高かったことから、塩分を含む処理水が内側二層の遮水シートを越えて漏出していることが分かった。三層目の外の地盤でも、同二〇~三〇ベクレルの放射性物質が検出されている。漏れが確定的となり、東電は六日朝、隣接する未使用の貯水池に、一万三千トンの処理水を移す作業を始めた。移送完了には五日以上かかる見通し。

*3:http://mainichi.jp/select/news/20130406k0000e040187000c.html
(毎日新聞 2013年4月6日) 福島第1原発:汚染水漏えいで会見 終始苦しい説明
 東京電力福島第1原発の地下貯水槽から汚染水が漏えいした問題で、東電は6日未明から昼にかけて記者会見を2回開いた。最初の会見は、6日午前1時半に開始。終始苦しい説明に追われた。4月3日に貯水槽の外側から採取した水から微量の放射性物質が検出されたが、原子力規制委員会への報告も、会見もしなかったことについて、記者から「本店や現場で漏えいを疑わなかったのか」と問われ、尾野昌之原子力・立地本部長代理は「外部からの影響の可能性などに頭がいっていた。後から振り返ってみれば、証拠が出た時に発表していればよかったなと申し訳ないところもある」と弁明した。東電は、貯水槽の水位が4センチ下がったことについても「誤差の範囲」と認識したと振り返り、「土壌に漏れれば海へ出る可能性があると考えなかったのか」との質問には、「おっしゃる通り。(報告が遅れて)申し訳ない」と陳謝した。その一方で、記者から「薄いシートではなく、なぜもっと頑丈なものにしなかったのか」と問い詰められた尾野本部長代理が、「反論はしないが結果論の部分もある」と言い返す場面もあった。

*4:http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG08011_Y3A400C1CR0000/?dg=1
(日経新聞 2013/4/8) 福島第1原発の汚染水漏れ、半月以上気づかず
 東京電力福島第1原子力発電所の地下貯水槽(容量1万4千トン)から汚染水が漏れた問題で、最初に漏洩が発覚した貯水槽では3月10日すぎから、水位が下がり始めていたことが分かった。東電が予兆を見逃し、4月5日まで漏洩を確認できなかったという。外部への放射性物質の流出量もまだ確定されていない状況だ。今回、最大で120トンの汚染水が漏れだしたとみられるのは7つある貯水槽のうちの1つ。1月に完成し、2月上旬から汚染水を入れ始め、ひと月かけて満水にした。その直後から水位が変動し始め、3月中旬以降は下降傾向が続いた。
 3月3日には容量の95%だった水位が、4月4日には94.5%まで下がった。貯水槽の外側で放射性物質が検出されてはじめて漏洩に気づいたという。ほぼ毎日、水位の計測を続けながら漏洩を見逃していた理由について、東電は「差が少ないので評価ができなかった」と弁明する。だが水位を記録したグラフからは明らかに右肩下がりの変化が読み取れる。一方、7日には隣接する別の同型貯水槽(容量1万1千トン)からの汚染水漏洩も発覚した。発見のきっかけは隣の槽での水漏れを受けた調査だった。こちらの貯水槽からの漏洩量は3リットル程度とみられている。全体の漏洩量について東電は最大120トンと見積もっているが「他のデータとの整合性がとれず、まだ確定できない」としている。

| 原発::2013.1~4 | 04:38 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.3.11 これでも原発に固執し、TPPに参加するのですか? - TPPに参加すれば、日本の農産物輸出額が大幅に増えるなどというのは幻想にすぎないのに・・。
      
       田のれんげ           蓮根(レンコン)畑           わさび田と流水

 *1のように、外国から見れば、「日本の農水産物」は放射性物質による汚染が懸念されるので、わざわざ日本製は買わないということになる。そして、理由を詳しく書くのは省くが、大した根拠もないのに、政治家が食べて見せたり、「風評被害だ」「放射能に対する理解が足りない」「食べて協力しろ」などと言えば言うほど、その程度の意識なのかと思われ、さらに信用をなくす。

 なお、「日本の米は美味しいので、TPPで関税がなくなれば輸出が増える」と、TPPのメリットを説明する人がいるが、とんでもない希望的観測である。米の美味しさは料理法や食習慣とセットであるため、日本の米が他国の米より美味しいのは、日本の料理法で食べた場合のみと考える方が妥当だ。また、人気のある品種の玄米を輸出すれば、その品種に世界特許を取っていない限り、翌年からどこの国でも同じものを作ることができる。私が衆議院議員だった頃、自民党の米どころ出身の農林族議員が中国に行き、中国産コシヒカリと日本産コシヒカリを食べ比べて、区別がつかなかったという笑い話もある。

 そのような中、*2、*3、*4のように、脱原発を求めて、日本だけではなく台湾の人も立ち上がったのは、中国はじめ世界で原発を止める上で心強い。脱原発を求めるのに女性主導が多いのは、環境に悪い洗剤は使わず、油も固めて捨て、身体に悪い農薬や洗剤に細心の注意を払って家族の健康を守っているため、環境や食品安全に関する知識が多いからだろう。

 そのほか、*5のように、テロやミサイル攻撃もないとは言えず、楽観主義では安全は守れないため、あらゆる意味で、脱原発こそ最善の政策だと私も思う。

*1:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013030901001299.html
(東京新聞 2013年3月9日) 44カ国・地域が輸入規制継続 原発汚染懸念で日本の農水産物
 東電福島第1原発事故から11日で2年を迎える今も、中国、韓国など44カ国・地域が日本の農水産物の放射性物質による汚染を懸念して、輸入停止や検査証明書を求めるなどの輸入規制を続けている。規制はさらに長期化する恐れがあり、海外への日本の食品輸出にとって大きな足かせとなっている。農水省によると、カナダやメキシコなど10カ国がこれまでに規制を解除したが、「全体的な状況はそれほど改善していない」(輸出促進グループ)のが現状。中国は10都県産の食品全ての輸入を停止しており、韓国もホウレンソウやキノコ、魚を含む多くの品目を輸入停止の対象にしている。

*2:http://www.asahi.com/national/update/0310/TKY201303100081.html
(朝日新聞 2013年3月10日) 「原発ゼロ、いま主張しないと」 各地でデモや集会
 東京電力福島第一原発事故から2年を前に「原発ゼロ社会」を求める集会や行進が10日、各地であった。東京都千代田区の日比谷野外音楽堂の集会では、作家の落合恵子さんが「無関心層にどれくらい言葉が響くかが効果につながる。声をかけ続けましょう」と呼びかけた。日比谷の集会は首相官邸前で抗議行動を続ける市民団体が主催。同団体によると、集会の参加者を含む約4万人が「再稼働反対」などと書いたプラカードを掲げて官庁街や国会前を練り歩いた。幼い息子2人を連れた中山直子さん(29)は「いま(原発は)いらないと主張しないと、なし崩しで再開してしまう」。原発の是非を問う国民投票の実施を求める市民団体は新宿でデモや集会を催した。
大阪市でも御堂筋などでデモ行進。インターネットなどで参加を呼びかけた市民団体代表の池島芙紀子さん(73)は「あれだけの惨事があったのに、今の政権は何もなかったように再稼働を進めている」と危機感をあらわにした。

*3:http://www.47news.jp/CN/201303/CN2013030901001772.html
(2013/3/9 共同通信) 台湾で主婦らが脱原発デモ 5万人規模、芸能人ら支持
 台湾の主婦ら約200人が結成した。「原発監視ママ連盟」の呼び掛けで、台北近郊の「第4原発」の建設中止などを訴える脱原発デモが9日、台北市中心部で行われ、約5万人(警察発表)が参加した。デモは台湾中南部や東部でも行われた。同連盟は「子どもたちの未来を守ろう」と、4人の子どもを持つ大手金融機関トップの夫人、陳藹玲さん(51)が中心となって結成。人気女優リン・チーリンさんが加入したほか、著名な作家や歌手らも支持を表明し、脱原発の訴えが社会に広がりを見せている。総統府の周囲を約6キロ行進したデモ隊には、赤ん坊を抱いた母親など女性が多く見られた。

*4:http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2412488.article.html
(佐賀新聞 2013年3月7日) 玄海原発廃炉など要請 操業停止訴訟の有志
 全国の5千人以上が原告となっている九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)操業差し止め訴訟の原告有志が6日、佐賀県の古川康知事に玄海原発の廃炉と、再稼働をしないよう要請した。有志は昨年12月、同原発近くから風船を飛ばし、事故が起きた場合の放射性物質の拡散を予測。最も遠い場所で約555キロ離れた奈良県で見つかったことなどを伝え、徹底した防災体制の構築や核エネルギーに依存しない県政の実現を求めた。要請した長谷川照原告団長は「風船は、市民の関心が高い放射性物質の広がりを示す象徴。本来は行政がやるべきこと」と指摘。「想定外が起こることが福島の教訓で、県民の命を守る行政の責任を果たしてほしい」と訴えた。風船を飛ばす活動は季節ごとに予定し、次回は4月14日に実施する。

*5:http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_gnavi
(朝日新聞社説 2013年3月8日) テロとミサイル攻撃―脱原発こそ最良の防御だ
 原発テロを想定した訓練を請け負う会社が米国にある。レーザー銃で「武装」した模擬部隊を編成し、実際に原発に突入する。迎え撃つのはやはりレーザー銃を持つ発電所の警備隊。レーザーが当たれば相手は倒れる想定だ。テロリストに原発が占拠されるか、警備隊が勝利して安全を守りきるか。米原子力規制委員会(NRC)が最低3年に1回、原発で行う「フォース・オン・フォース」という訓練だ。演習後、NRCは徹底的に発電所の成績を評価する。2001年9月11日の同時多発テロ以来、米国では原発へのテロを警戒し、全電源喪失に備えた機材の追加と訓練の強化を104基の原発に義務付けた。今、それでもテロ対策として十分ではないという声がある。福島第一原発の事故が敵に弱点をさらけ出したからだ。バックアップ機能も破壊し水と電気を遮断すればテロリストは福島の危機を再現できる。使用済み核燃料の貯蔵プールが原子炉格納容器の外にある原発は、安全確保が不十分である。米NGO「憂慮する科学者同盟」の上級研究員、エドウィン・ライマン氏は福島が示したアキレス腱(けん)をそう指摘する。
■次の脅威への備え
 米国の原発は、脅威の大きさに応じて設計基準を見直す「DBT」(設計基礎脅威)という考え方をとる。テロや事故で原発の弱点が明らかになれば脅威のレベルはあがり、基準が修正される。福島の事故の後、NRCは改善策の導入をすすめている。サイバー攻撃への警戒も高まる。システムに侵入され、電源系統の遠隔操作によって冷却機能がまひする恐れもある。9・11以後、施設の改善に業界全体で12億ドルをかけたという米原子力エネルギー協会(NEI)は「世界貿易センター(WTC)に比べて核施設は小さく、飛行機によるテロ攻撃は困難だ。サイバー対策はネットを外部から孤立させれば心配ない」と説明する。しかしサイバーテロに詳しい米科学者連盟のチャールズ・ファーガソン会長は「USBメモリーを持ち込めば、システムをウイルス感染させることはできる。相手は表も裏もある人間なのだから」と警鐘を鳴らす。高まる脅威にどこまで対策を打つか。国際テロの再発防止に大国の威信をかける米国ですら、見えない敵への対処法は暗中模索である。
■ジレンマの中の日本
 2月、日本の原子力規制委員会の緊急事態対策監がNRCを訪ねた。7月に策定する原発の新安全基準の骨子を説明し、意見を求めるためだ。新基準の柱の一つがテロ対策だ。航空機激突で全電源が喪失する。その時に備え、原子炉を冷却するため電源設備を分散して配置する。100メートル以上離れた所に第2制御室も必要――。これらの過酷事故対策を、今までのように電力会社まかせにせず、法律で義務化する。日本はすでに国際原子力機関(IAEA)の核物質防護勧告に基づき、立ち入り制限区域の設定や重要施設周辺の柵、カメラなどの設置を進めてきた。だが、今月4日に開かれた規制委の核セキュリティーに関する検討会の初会合では、原発で働く作業員の身元も精査されていない実態が報告された。日本は他国から核セキュリティー後進国とも指摘される現状を、まず認識する必要がある。他方で、民間警備員も武装する米国方式をそのまま導入するのは無理がある。では、どんな危機対応が最適なのか。ジレンマの中にある。
■核燃料は特殊容器に
 「ミサイルで日本の原発を攻撃すれば、広島型原爆の320倍の爆発が起こる」。北朝鮮の朝鮮労働党幹部がこう講演したと、韓国のネットメディアが昨秋、報じた。真偽は定かではない。だが現実に日本海沿岸のものを含めて多くの原発が、北朝鮮の中距離弾道ミサイルの射程内に入る。2007年、イスラエル空軍の戦闘爆撃機がシリアに侵入、東部の核施設を空爆したとされる。原発攻撃は、あり得ない話と切り捨てられない。国内の原発などには1万数千トンの使用済み核燃料がある。原発を再稼働すれば、新たに使用済み核燃料が出てくる。どうすべきなのか。100%の迎撃率を望めないミサイル防衛に命運はあずけられない。テロ対策を無限に拡大するわけにもいかない。リスクを減らすには、やはり、原発をできるだけ早く減らしていくしかない。同時に、プールにある使用済み核燃料を空冷式の頑丈な容器に移し変えていくことも必要だ。安倍政権は、民主政権の「30年代の原発ゼロ」の白紙化を強調する。再稼働にも前向きである。原発攻撃へのリスクをどう考えてのことだろうか。

| 原発::2013.1~4 | 03:14 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.3.9 福島第一原発事故の実態と影響を隠しているのは、公開したくないほど深刻な状況だったということだ。
         
         キャベツ畑               トマト畑               茶畑    

 私が、このブログの2012.6.13に記載した弁護士でジャーナリストの日隅一雄さんが、福島第一原発事故直後から、毎日、東京電力の記者会見に出席して質問したが、肝心の答えはなかなか返ってこなかったことを、このブログの2012.1.21に記載した「福島原発事故記者会見―検証 東電・政府は何を隠したのか」という本にまとめておられ、これが真実だと思う。そして、*1のように被ばくの実態を示すデータが消されたのは、周辺住民の健康・損害・研究上の重要なデータを消されたということであり、許し難い。

 また、*2のように、海、畑、川、森林などでも福島第一原発事故で放出された放射性物質による環境汚染、生物(食品)汚染が進んでいるが、これも、セシウムだけしか測っておらず、ストロンチウムなどの他の核種については、一切、公表されていない。隠ぺいすれば、事故の影響がなかったことになるわけではなく、いろいろな現象から、如何に隠ぺいしたかまで明らかになるにもかかわらずである。

 そのような中、*3のように、玄海原発操業差し止め訴訟の有志が昨年12月8日、玄海原発近くから千個の風船を空に放ち、事故が起きた場合の放射性物質の広がり方を予測したところ、約555キロ離れた奈良県十津川村でも2個見つかり、500キロ以上、飛散することが明らかになった。原告団長が原子物理学者だけあって、よい実験をしたものである。ただし、佐賀新聞が言うように、年末総選挙で脱原発が争点にならなかったのは、自民党が電力自由化を公約とし、脱原発も否定していなかったからだ。電力システムを自由化すれば、原発が自然淘汰されるのは容易に想像がつく。さらに、私も聞いていたが、安倍晋三首相の施政方針演説は、原発再稼働を目指す姿勢ではなく、「今後、しっかり準備をした上で、ベストミックスを考える」と言っていたのであり、その中には、原発0という選択肢も含まれる。

 なお、*4のように、福島第一原発事故関連の損害賠償を求めている埼玉県に対して、東京電力は、「政府の指示で実施を余儀なくされた検査ではないため、県が学校などで行った空間放射線量測定費用を賠償の対象外とする」と伝えていたことがわかった。しかし、政府の指示がなければしなくてよいという他の製造業ではあり得ない態度が今回の事故を起こした元凶なのである。そして、埼玉県は福島第一原発事故から200~250キロしか離れておらず、私の家では、事故後、リビングの床で0.20~0.25μSv/h、ベランダでは、0.25μSv/hの状態だった。これが、事故の被害でなくて何だろうか。

 そして、*4は、「埼玉県の空間線量測定費 東電『賠償の対象外』」という記事になっており、埼玉県は、汚染土壌や廃棄物の処理費のほか、県内の小中学校や高校の校庭などで放射線量を調べるための測定機八台(計約三百七十万円《単価が高すぎる》)や測定時の人件費などを請求し、県民の安心・安全のために測定は不可欠だったとして東電に見直しを申し入れたそうである。しかし、それだけしかやらなかったのなら、県の対応はあまりにも鈍感だ。なぜなら、①空間線量しか測らなければ、地面や床に積もりがちな放射性物質の量を過小に測っていること ②学校の校庭しか測っていないのならば、他の場所の汚染をチェックしていないということ などの理由により、埼玉県の対応は不足だからである。

 埼玉県の住民から見れば、最大値を示す場所(地面、溝など)を完全にチェックして除染してもらいたい。また、洗濯物やふとんも外には干せず、掃除の回数を増やし、内部被ばくに注意しても健康を害される恐れのある状態を作り出されたこと自体について、東京電力には損害賠償してもらいたいくらいだし、これも原発のコストである。

*1:http://mainichi.jp/select/news/20130309ddm041040116000c.html  (毎日新聞 2013年3月9日) 東日本大震災2年:福島第1原発事故 県、放射線データ消去 「大きな箱」何のため 避難住民、募る隠蔽の疑念
 「宇宙服のような姿の人たちが、大きな箱を置いていった」。福島県が、持ち運びできる可搬型放射線測定器を大熊町の避難所に設置した11年3月12日の夜明け前、東日本大震災の津波と余震を恐れて逃れてきた住民たちは、東京電力福島第1原発が危機的状況にあることを知らされていなかった。しかも「箱」に収められた被ばくの実態を示すデータは消去されていた。「どのくらい浴びたのか」。住民の不安と疑念は募る。避難所になった大熊中学校に「TEPCO」(東電の英字ロゴ)とペイントされた小型バスが乗りつけたのは午前5時ごろ。防護服と防護マスク姿の3人が「箱のようなもの」を手に降り立った。1人は県職員、2人は県から同行を指示された東電社員だった。当時この避難所に逃れていた住民は約100人。体育館で眠れぬ夜を過ごしていた多くの人が、この光景を目撃した。住民が防護服姿の一人に尋ねると、「線量を測るためです」と答え、線量が表示されている画面を示したという。
 福島県は取材に、線量の広がりを知るほかに「住民に線量を知らせて避難に役立ててもらうためだった」と設置理由を説明。しかし、当時居合わせた複数の住民は「(機器に表示された)数字の単位も分からず、機器の設置にどんな重要な意味があるのかさえ知らされなかった」と証言した。東電によると、12日午前4時ごろから第1原発敷地内で線量が急上昇。国はベントを行う前提で午前5時44分、避難指示を10キロ圏に拡大した。原発の西約5キロの同中で、避難住民が国土交通省の手配したバスに着の身着のまま乗り込んだのは午前8時ごろ。「一時的な避難」と思っていたが、バスが西約40キロの田村市内に到着した後に初めて「原発が爆発するかもしれない」と知らされたという。
 1号機の原子炉建屋が水素爆発したのは同日午後3時36分。避難所に設置された可搬型器は、ベント前からの線量上昇を記録していた可能性がある。避難所にいた男性は「私たちの不安は、安全な場所に避難するまでどのくらいの線量を浴びたのかということ。特に子どもたちの将来への影響が心配でたまらない」と訴える。別の女性は「住民の被ばくが隠蔽(いんぺい)されているのでは」との疑念を拭えないでいる。

*2-1:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130228/k10015859581000.html
(NHK 2月28日) 魚から51万ベクレルの放射性セシウム
 東京電力福島第一原子力発電所の専用の港で、魚が外に出るのを防ぐ網にかかったアイナメから、これまでで最大となる1キログラム当たり51万ベクレルの放射性セシウムが検出され、東京電力は、魚が港の外に出るのを防ぐ対策を強化するとともに、港の中で、魚の駆除を進めることにしています。東京電力福島第一原発に面した専用の港で捕獲された魚介類からは、非常に高い濃度の放射性セシウムが検出されるケースが相次ぎ、東京電力は今月8日、魚が港の外に出るのを防ぐ網を設置しました。東京電力が今月17日に網を引き上げて、かかった魚を調べたところ、アイナメ1匹から1キログラム当たり51万ベクレルの放射性セシウムが検出されました。この値は、魚から検出されたものとしては最大で、国の食品基準の5100倍に当たります。また、網が設置される前の去年12月に捕獲されたムラソイ1匹から検出された、これまでの最大値、1キログラム当たり25万4000ベクレルのおよそ2倍になります。東京電力は、魚が港の外に出るのを防ぐ対策をさらに強化するとともに、港の中で魚の駆除を進めることにしています。東京電力の新妻常正常務は「魚の移動を防いだり駆除したりといった対策を、計画的に、かつ前倒しして取り組んでいきたい」と話しています。

*2-2:http://www.minyu-net.com/news/news/0305/news7.html
(2013年3月5日 福島民友ニュース) 福島の「大豆」2点から基準値超セシウム検出
 福島県は4日、放射性物質検査の結果、福島市の旧佐倉村と旧水保村で栽培された大豆各1点からそれぞれ食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を上回る放射性セシウムが検出されたと発表した。検出値は旧佐倉村が1キロ当たり110ベクレル、旧水保村同120ベクレル。県は同日、同市に旧佐倉村と旧水保村の大豆について出荷自粛を要請した。県によると、出荷前のため市場には流通していない。このほか、同市の大豆3点から1キロ当たり6.2~14ベクレルのセシウムが検出されたが、食品の基準値を下回った。矢祭、塙2町の小豆3点からはセシウムが検出されなかった。

*2-3:http://www.kahoku.co.jp/news/2013/02/20130209t61018.htm
(河北新報 2013年2月9日) 福島県の森林汚染調査 腐葉土最大23万ベクレル
 福島第1原発事故で福島県内の森林(避難区域を除く)の腐葉土の放射性セシウム濃度が1キログラム当たり最大23万2980ベクレルだったことが8日、県の森林汚染状況調査で分かった。広範囲な森林汚染の実態を裏付けている。腐葉土の最大値は県北地方の森林で測定された。最小値は344ベクレルで平均は2万2709ベクレルだった。土壌は最大が2975ベクレル、最小が不検出で平均は634ベクレルだった。葉は、原発事故前の2009~10年に出た旧葉が最大7万6964ベクレルで平均1万1092ベクレル、11~12年に出た新葉は最大3万2441ベクレル、平均4358ベクレル。樹皮は最大1万3093ベクレル、平均1694ベクレルだった。空間線量率は毎時0.08~2.61マイクロシーベルトで平均0.61マイクロシーベルトだった。調査は昨年8~11月、県内の森林925地点で針葉樹(スギ、マツ、ヒノキ、カラマツ)を対象に実施した。全地点で空間線量率を測り、うち90地点で樹皮、50地点で樹皮と葉、腐葉土、土壌のセシウム濃度も調べた。調査は原発事故が起きた11年に空間線量率を測定したが、今回初めて土壌や葉、樹皮も対象に加えて詳しく調べた。国は現時点で生活圏以外の森林を除染対象にしていない。県森林計画課は「除染範囲を拡大する必要性が調査で裏付けられた。間伐など林業生産活動と一体化した除染を求めていきたい」と話している。

*3:http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2411551.article.html
(佐賀新聞 2013年3月6日) 心に響く伝え方を 玄海廃炉訴訟の2原告団
 毎週金曜日、首相官邸周辺を囲んだ脱原発デモ。3・11後に沸き起こった大きなうねりは今、岐路に立つ。年末総選挙では争点たり得ず、安倍晋三首相は施政方針演説で原発再稼働を目指す姿勢を明確にした。九州電力玄海原発全4基の廃炉を求め、佐賀地裁で闘う二つの原告団は、風船で放射性物質の拡散を予測したり、戸別訪問をしたりと法廷外でも模索を続ける。「脱原発への思いは、市民の心にくすぶっているはず」。そんな思いをよりどころに。
 「ひろってください」。2月25日の夕刻、高知県室戸市の海岸を散歩していた会社員吉松靖祐さん(36)は、そう書かれた風船を見つけた。風船は、全国の5千人以上が原告となっている玄海原発操業差し止め訴訟の有志らが昨年12月8日、同原発近くの外津橋から飛ばした千個のうちの一つ。事故が起きた場合の放射性物質の広がり方を予測しようと、空に放った。事務局によると、当日の風向きは西北西、天候は晴れ。午後2時に放ち、2時間20分後に約40キロ離れた福岡市西区で最初の発見情報があり、7時間後には約400キロ離れた徳島県那賀町で見つかった。これまでに7県で17個が見つかり、最も遠いのは約555キロ離れた奈良県十津川村で2個。四国からは12個の情報が寄せられ、佐賀県内では佐賀市鍋島で見つかった。高知市に住む吉松さんは「愛媛の伊方原発ならまだしも、佐賀から飛んでくるなんて。3・11以前なら活動に共感できたかどうか。風船を見つけてあらためて、原発のことを真剣に考え始めている」と話した。
 原告有志は6日、古川康知事に結果を伝え、玄海原発の廃炉と再稼働をしないように要望する。リーダーの柳原憲文さん(42)=福岡県糸島市=は「脱原発の実現には、裁判だけではなく運動も必要。福島の被害を忘れないよう、地道に支持を広げていきたい」。今後も季節ごとに風船を飛ばし続ける。「原発の危険性を知ってほしいと思い、法廷外でも活動しています」。2月17日に九州大学で開かれた集会。プルサーマル裁判の会の石丸初美さん(61)=佐賀市=は、1号機の老朽化など玄海原発が抱える問題を説明した。裁判の会は昨年4月以降、毎月2回、玄海町を戸別訪問。これとは別に、県内外で月2回程度は座談会も開く。「放射能の“刃”は福島の人だけではなく、全市民に向いていることを伝え切れていない」との反省からだ。石丸さんは「福島の事故を機に、ほとんどの市民感情は脱原発になった」と思っていた。世論の後押しも感じ、裁判の会は3号機のMOX燃料使用差し止め訴訟に加え、玄海原発全4基の運転差し止めを求める訴訟も起こした。今は「危機感がある」。衆院選では原発問題を明確に争点化できず、脱原発を前面に掲げた政党も瓦解。新政権は再稼働を目指す姿勢を鮮明にする。「こんな時だからこそ、私たちの活動がぶれてはいけない。一人一人と丁寧に向き合い、心に響くような伝え方をしなければいけない」。2月末でほぼ全戸を一巡した玄海町の戸別訪問。「原発のことは話せない」と口ごもっていた町民も、少しずつ心を開いてくれている。「核のごみが心配」「原発の建設自体、反対だった」-。打ち明けられる話にじっと耳を傾け、「一緒に考えましょう」。そう、声をかける。

*4:http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013030702000138.html
(東京新聞 2013年3月7日) 埼玉県の空間線量測定費 東電「賠償の対象外」
 東京電力が、福島第一原発事故関連の損害賠償を求めている埼玉県に対し、県が学校などで行った空間放射線量測定費用を賠償の対象外とする、と伝えていたことが分かった。東電は「政府の指示で実施を余儀なくされた検査ではない」と説明したが、県は「県民の安心・安全のために測定は不可欠だった」として、東電に見直しを申し入れた。
 埼玉県は昨年八月、二〇一一年三月~一二年三月分の計約三億円を東電に請求した。この中には汚染土壌や廃棄物の処理費のほか、県内の小中学校や高校の校庭などで放射線量を調べるための測定機八台(計約三百七十万円)や、測定時の人件費なども含まれている。東電が二月に県に配布した資料では原発事故後の放射線量について、文部科学省が全国のモニタリングポストなどで測定した結果、「一定の安全は確保されている」と指摘。自治体独自の線量測定は「政府の指示で実施を余儀された検査ではなく『必要かつ合理的な検査』に当たらない」として、測定費を賠償対象外とした。

| 原発::2013.1~4 | 08:56 AM | comments (x) | trackback (x) |
2013.2.20 電力会社の遅れた会計システムと公害に対する意識
    
                  東京新聞(2013.1.27及び2013.1.23)より

 *1、*2のように他産業の方が勉強しているにもかかわらず、*3のように、電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は2月15日の記者会見で、「(発送電分離により)送配電網が切り離されれば売り上げが減り、原発の維持費用などを出せなくなるため、原発は持てない」と述べたそうだが、これは、電力会社のコスト把握がどんぶり勘定でずさんであり、原発のコストを他の収入で賄っていたことを証明する発言である。

 もともと、発電と送電は異なる事業を行っているため、事業部として分離するか、子会社として分離して収支を把握しておくのが合理的な経営を行うツールである。そして、有価証券報告書を見ればわかるとおり、世界で凌ぎを削っているわが国の大企業は、そうやって経営を合理化しているのだ。そのような中、八木会長の発言は、「原発のコストは安い」と主張してきた電力会社が、実際には原発の収支すら正確に把握せず、どんぶり勘定のずさんな経営をしてきたことを証明している。このような企業が、コスト削減を行い、お客さまの利益につながるシステムを作れるわけがない。

 また、八木会長は、「(発送電分離による送電は」低廉で安定的に電気を送れるのか検証されていない」とも述べているが、そのようなことは、言われなくても電力会社がこれまでにやっておかなければならなかったことであり、これまで日本の電気料金が安かったわけでもない。それでも、これまで電力会社が続いてこれたのは、地域独占企業であり、このブログの「2012.9.2 国民が負担する原発の本当のコストは、決して安くなく、実は膨大」という記事に書いているとおり、幾重にも保護されていたからである。

 さらに、八木会長は「(発送電分離は)お客さまの利益につながるシステム改革にはならない」と反対したそうだが、新しい送電網に期待できる理由は、私が、このブログの「原発」というカテゴリーの中に多く書いているとおりだ。これまで、安い電気エネルギーを供給するという社会的責任も果たせずに農業を始めとする他産業に迷惑をかけ、福島第一原発事故では、*4、*5、*6のように、住民や農林水産業に公害による決定的な被害をもたらして収束すらできない電気事業連合会が、まだ自らの利益のみを擁護する発言を繰り返すとは、厚顔無恥も甚だしい。

*1:http://mainichi.jp/opinion/news/20130218k0000m070101000c.html
(毎日新聞社説 2013年2月18日) 電力制度改革 骨抜き許さぬ具体策を
 規制と独占から自由と競争への転換を目指す電力制度改革が、実現に向け一歩前進した。経済産業省の有識者会議による制度改革の報告書が、目標年次を示して電力小売りの全面自由化や大手電力会社の発電部門と送配電部門を分社化する「発送電分離」を明記したからだ。これらをサービス向上や料金抑制という成果につなげるため、具体的な制度設計に知恵を絞る必要がある。報告書は、家庭向けを含めた電力小売りの全面自由化については3年後に、発送電分離は5〜7年後に実施するとした。小売り自由化が実現すれば、一般家庭でも他地域の大手電力や新規参入する「新電力」から自由に電気を買えるようになる。電力会社間で競争が始まり、利用者の利便性が高まるはずだ。
 公正な競争のためには、大手電力が保有する送配電施設を各社が公平に使えなければならない。発送電分離は送配電施設の中立性を高め、公平性を確保するための手段だ。全面自由化は第1次安倍晋三政権時代に大手電力会社と自民党の抵抗で頓挫した経緯がある。大手電力に組織の変更を迫る発送電分離には、小売り自由化以上の抵抗がある。それだけに、目標年次を明示して実行を迫る今回の報告書は前進と評価できる。改革の内容は今後、順次法案化される見通しだが、与党審査などを通じて後戻りすることがあってはなるまい。
 もっとも、改革の実現には電力安定供給の確保、離島や過疎地での料金抑制といった課題が残る。それらを克服し、利用者にメリットをもたらすには周到な備えが必要だ。そこで、報告書に盛り込まれた二つの新設機関に注目したい。まず、電力需給を調整する「広域系統運用機関」だ。電力が余っている地域から不足している地域に送配電するよう電力会社間の調整を図るほか、全国的な送配電網の整備計画を作る。安定供給や設備の保全に欠かせない機能といえるだけに、大手電力に対する強い権限を担保するための法整備を求めたい。
 改革の実効性を確保するために設ける「規制機関」も重要だ。小売りの自由化、送配電部門の中立化、さらに電力卸市場の活性化が適正に機能しているかをチェックする。これまでの改革で、新規参入が進まなかったのは、市場の公平性を検証する機能が欠けていたからだ。立派な制度を作っても運用次第では骨抜きになる。官僚の天下り機関を増やすようでは話にならない。改革が「絵に描いた餅」に終わらないよう、新設する機関の組織や体制などを工夫してほしい。

*2:http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2399922.article.html
(佐賀新聞 2013年2月15日) 「燃やさない文明を」 鳥栖政経セミナー
 佐賀新聞社の鳥栖政経セミナーが14日、鳥栖市のホテルビアントスで開かれた。東大総長室アドバイザーの村沢義久氏が「電気自動車と太陽光発電による『燃やさない文明』の提言」と題して講演、再生可能エネルギーと電気自動車(EV車)を組み合わせたスマートグリッド(新電力網)が低炭素社会に果たす役割の重要さを訴えた。村沢氏は、使用済み核燃料の処理など原発が抱える課題を挙げた上で、太陽光発電の役割を強調。「砂漠、耕作放棄地など有効活用されていない場所でのメガソーラー設置が進めば、大きな発電量となる」と指摘し、買い取り価格が普及のカギを握るとした。EV車については「2050年までにはEV車だけになる」と予測。「太陽光発電とEV車、家庭用バッテリーを組み合わせたスマートハウス、それを地域に広げたスマートグリッドの社会が中心となり、既存の発電は補助的になる」として、燃やさない文明への理解を求めた。

*3:http://www.asahi.com/business/update/0215/TKY201302150442.html
発送電分離なら「原発持てない」 八木電事連会長
 電力会社から送配電部門を切り離す「発送電分離」について、電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は15日の記者会見で、「今の状況では(原発は)多分持てない」と述べた。送配電網が切り離されれば売り上げが減り、原発の維持費用などを出せなくなると心配しているからだ。経済産業省の専門委員会は8日、「5~7年後をめどに分離を進める」との報告書をまとめた。電力会社の子会社に送配電部門を移す「法的分離」(別会社方式)を想定している。これに対し、八木氏は「低廉で安定的に電気を送れるのか検証されていない」「お客さまの利益につながるシステム改革にはならない」と反対した。

*4:http://www.minyu-net.com/news/news/0219/news6.html
(2013年2月19日 福島民友ニュース) 政府、出荷停止を県に指示 旧立子山村の大豆
 政府は18日、原子力災害対策特別措置法に基づき、福島市の旧立子山村で生産された大豆について出荷停止を県に指示した。福島県による放射性物質検査で、旧立子山村の大豆1点から食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える1キロ当たり110ベクレルの放射性セシウムが検出されたため。県は同日、同市などに政府の指示を伝えた。

*5:http://www.chibanippo.co.jp/c/news/politics/123650
(千葉日報 2013年2月19日)37万本が廃棄対象 シイタケ原木、放射性物質指標値を超過
 2月千葉県議会は18日、農林水産と商工労働企業の2常任委員会が開かれた。農林水産部は、福島第1原発事故の影響で一部出荷停止が続いている県内の原木シイタケについて、原木の調査を実施した結果、37万本が国の指標値を超え、廃棄対象となっていることを明らかにした。公明党の赤間正明議員の質問に答えた。県森林課によると、県内の原木シイタケ生産者が保有する原木は計186万本。このうち、伐採箇所や時期、管理状況から放射性物質濃度の確認が必要なのは116万本で、昨年秋ごろから876検体を抽出して検査を実施してきた。検査の結果、430検体の原木が国の指標値(1キログラム当たり50ベクレル)を超過。本数に換算すると37万本が廃棄対象となった。県は生産者に廃棄を急ぐよう要請するとともに、今春入れ替える希望本数を確認。生産者からは計約24万本の要望があり、県森林組合を通じて山梨県などから確保するという。

*6:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013021802000106.html
(東京新聞 2013年2月18日) 推定20トン汚染水漏れ 福島第一 低濃度セシウム含む
 原子力規制委員会事務局と東京電力は十七日、福島第一原発5、6号機で、建屋内にたまった水を淡水化装置に送る途中にある屋外の水槽から、推定で最大二十トンに上る低濃度の汚染水があふれ出たと発表した。原因は分かっていない。あふれた水は、津波で入った海水や雨水が混ざった地下水で、低濃度のセシウムを含んでいるという。東電などによると、十六日午後七時半ごろ、淡水化装置を止めようとした東電の協力会社作業員が、あふれているのを発見。水を送るポンプを止めると、あふれるのも止まった。十七日になって、あふれた量が二十トンと推定された。水は地面の砂利に染みこみ、近くに側溝などがないことから、海への流出は確認されていない。

| 原発::2013.1~4 | 09:36 AM | comments (x) | trackback (x) |
2013.2.11 砂漠の産油国に原発を輸出するなど、馬鹿もいい加減にして、国民の税金を無駄遣いしないようにすべきだ!(2013年2月12日最終更新)
 この記事には驚いた。何故なら、相手国を幸福にせず、わが国の私企業の利益のために税金を使うもので、方針の間違いも甚だしいからである。

 相手国を幸福にしない理由は、サウジアラビアは砂漠の多い太陽の国であるため、再生可能エネルギーである太陽光発電の適地であり、石油や天然ガスも豊富であるため、リスクと隣り合わせの原発など不要だからだ。もし、本当にサウジアラビアのことを考えるならば、石油が燃料として使われなくなる日に備え、ここに石油化学コンビナートを作って原油を現地で製品まで加工することを進めるべきだろう。そうすれば、地元に雇用が増え、教育水準が上がり、無駄な燃料を使ってCO2を排出しながら、加工のために原油を別の国に輸送する必要がなくなると同時に、タリバンなどの源となっている市民のフラストレーションも消えていくだろう。また、このブログの「資源・エネルギー」や「環境」のカテゴリーで述べているような新しい機器を使えば、砂漠も農業の適地になりうる。そのようにして初めて、地球の役に立ち、相手国からも感謝されるだろう。

 また、原発を輸出すると言うが、福島第一原発事故を見てもわかるように、事故があった際の被害は並大抵のものではない。原発を輸出するに当たり、その際の保障を日本国民から徴収した税金で支払うなどという契約があるとすれば、とんでもないことだ。事故があれば、偏西風で放射性物質が飛び、多くの国が被害を受ける。サウジアラビアの東は、人が住んでいる陸地であることを忘れてはならない。環境への影響についても、しっかり確認すべきである。

 なお、「原発を再稼動しないと、原子力の人材を育成できない」という意見もよく聞くが、原子力の人材を大量に育成してどうするつもりか。核融合する原発など、さらに危険なのでいらないため、技術者は、廃炉に必要な人材がいればよいではないか。また、東大の理科1類(数学、物理、工学系の学科)、理科2類(生物、地球物理系の学科)、文科3類(社会学、文学系の学科)は、それぞれの分野に人材を配分するシステムになっているため、全く原子力の人材を育成できなくなるわけではない。例えば、農業にスポットライトがあたっていなかった時代でも、農学部は、理科2類から一定数の人をとり、そこで次の時代の最先端の農業を研究させており、文科1類(法学部のみ)、文科2類(経済学部のみ)、理科3類(医学部のみ)とは仕組みが異なる。つまり、その時代にスポットライトがあたっていない分野にも人材を配置しているので、原子力の研究目的の人材育成なら、それで十分だろう。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013021001001450.html
(東京新聞 2013年2月10日) 経産相、サウジ原発で協力提案 輸出視野に
 【アブダビ共同】中東歴訪中の茂木敏充経済産業相は9日、サウジアラビアの首都リヤドで、原子力開発などを担当する政府組織「アブドラ国王原子力・再生可能エネルギー都市」のファラジ副総裁と会談した。茂木経産相は日本からの将来の原発輸出も視野に、同国の人材育成などを含む「原子力協力文書」の締結を提案した。
 世界最大級の産油国サウジアラビアは、石油資源温存のため原発新設を目指している。日本政府がサウジの原子力推進に協力する姿勢を明確にしたのは、東京電力福島第1原発事故以来、初めてとみられる。

| 原発::2013.1~4 | 12:05 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.2.1 原発も、再生可能エネルギーや天然ガスと同じ次元でコスト比較ができるように、保険料も含めて、すべて電力会社が負担すべきだ。(2013/2/2追加あり)
 *1のように、原子力規制委員会がまとめる安全基準は、原発を運転する以上、最低、守らなければならないルールだ。そのため、その基準に適合していない原発を稼動させるという発想自体、電力会社が、如何に住民の安全より経済性を大切にしているかという姿勢の現われである。

 また、経済性についても、原発は安価で、天然ガスや再生可能エネルギーは高いという屁理屈を何度も聞いたが、それならば、原発もすべてのコストを電力会社で負担した上で、他のエネルギーと比較すべきである。実際には、私が、このブログの2012.9.2に記載したとおり、原発の本当のコストは他の発電方法と比較して、決して安いものではなく、国が負担している費用が多い。確かに、これまで国策だったので、福島第一原発事故の損害賠償費用等は、東京電力を主体としながらも、国がバックアップするのは妥当と言わざるを得ないが、それでも納得いかない点もあるだろう。

 しかしながら、このブログの2012.9.15に記載したように、原発0シナリオを選んだ国民が87%もおり、その時の政府が少なくとも2030年代での原発ゼロを目標にすると決定したのだから、今後は、原発の維持は国策ではなく、原発維持のために国民の税金を使うのは妥当ではない。どうしても原子力で発電したい電力会社は、国策ではないのだから、一切の公害を出さず、公害を出したら自分で損害賠償できるように、事故時のための保険料も私企業として自らが支払うべきである。それが、他産業の通常のあり方だ。“安全”と主張する以上、保険料は安いと考えているのだろうから(皮肉)。

 そして、発電コストの比較は、そこまでのすべての費用を電力会社が負担した上で、他の発電方法と同じ次元で比較して行うべきである。

PS(2013.2.2追加):*2では、「7号機でベントの基礎工事が始まり、他の号機も順次着手する予定」と記載されているが、廃炉にする原発に追加工事を行うのは、無駄以外の何ものでもない。どういう意図で、追加工事を行っているのだろうか。
 
*1:http://mainichi.jp/opinion/news/20130201k0000m070115000c.html
(毎日新聞社説 2013年2月1日) 原発新安全基準 「猶予」で骨抜きにするな
 原発の新しい安全基準の骨子を原子力規制委員会がまとめた。東京電力福島第1原発の過酷事故の背景のひとつに、安全基準の甘さがあったことを思えば、今回は、妥協は許されない。新基準は既存の原発にも適用される。大規模な改修が必要となる場合もあるだろうが、それにかかる時間やコストを考えれば規制がゆがむ。田中俊一・規制委員長は「コストのことは全く頭にない」と述べているが、当然のことだ。対応できない施設が淘汰(とうた)されていくのは健全な姿であり、規制委は今後も政治や行政、産業界からの独立性を貫いてもらいたい。新安全基準は、地震・津波対策も、設計基準や過酷事故対策も強化しており、その点は評価したい。福島の事故前は、津波に対する基準があまりにおざなりだった。新基準はこれを厳格にし、活断層の評価も従来よりさかのぼり約40万年前以降を考慮するよう求めている。地震の揺れだけでなく、断層のずれによる施設の損傷も考慮の対象となる。福島の事故では、すべての電源が長時間喪失し、原子炉が冷却できなくなった。新基準は、電源の多重性や多様性を求めており、電力事業者はしっかり受け止めてほしい。対策を取っても事故は起こりうるというのが福島の教訓であり、過酷事故対策を法的に義務づけたのも当然だ。航空機事故やテロ攻撃なども可能性が否定できない以上、考慮に入れる必要がある。安全基準が新たに求める免震重要棟のような「緊急時対策所」、放射性物質をこし取るフィルター付きベント装置、原子炉の冷却を遠隔操作できる第2の中央制御室など「特定安全施設」も必要不可欠だ。福島の事故では、免震重要棟が事故対策の拠点となった。これがなければ、事故はさらに拡大したに違いない。
 一方で、気になるのが重要な施設の設置に対する「猶予期間」だ。規制委は地震・津波対策には猶予期間を置かない方針だが、緊急時対策所や特定安全施設、一部のフィルター付きベントなどについては、一定の猶予期間を設ける可能性がある。その際には、こうした重要施設が設置されないままに事故が起きた場合に、どう対策が取れるかが示されなくてはならない。納得のいく事故対策ができないのであれば、猶予を許すべきではない。電力事業者にも再認識を求めたいことがある。国の安全基準は最低限守るべき基本線であり、原発の安全を守る一義的な責任は事業者にあるという点だ。安全基準が厳しいと訴えるより先に、安全確保の決意を新たにしてほしい。

*2:http://www.niigata-nippo.co.jp/opinion/editorial/
(新潟日報社説 2013/2/2)  原発新安全基準 厳格な運用担保できるか
 東京電力福島第1原発事故を踏まえ、原子力規制委員会が検討を進めてきた原発の新たな安全基準の骨子がまとまった。新基準は過酷事故対策と地震・津波対策から成る。意見公募を経た上で7月に施行される予定だ。新基準のハードルは高く、施行直後に再稼働を申請できる原発は極めて限られるとの見方が強い。火力発電などの燃料費が経営を圧迫し再稼働を急ぎたい電力業界は抵抗を強めている。
 だが、安全神話をうのみにして対策を十分に講じなかったことが、放射性物質の大量放出と住民の暮らしを奪った一因であるという事実を忘れてはなるまい。むしろ、率先して安全性の向上を図る。電力業界にはそうした姿勢を望みたい。新基準では活断層の定義を「13万~12万年前以降に活動した断層」から「約40万年前以降」に実質的に拡大し、活断層の真上に原子炉など重要施設を設置できないとした。原発ごとに想定される最大規模の津波を設定し、防潮堤などの整備も求めている。事故時に原子炉格納容器の圧力を下げるために蒸気を排出するフィルター付きベント設備のほか、テロなどがあっても制御できるよう「特定安全施設」の設置も義務づけた。いずれも断層の再調査や大規模な改修工事が必要となり、対策に長期間を要する可能性が高い。場合によっては再稼働が困難となる原発も出てこよう。
 注目されるのが柏崎刈羽原発だ。24万年前の前後以降に活動した断層が多数見つかっているのに加え、沸騰水型原発ではフィルター付きベントの設置が必須となったからだ。7号機でベントの基礎工事が始まり、他の号機も順次着手する予定だが、設備本体は設計中のため完成のめどは立っていない。断層も、重要施設に影響を与えるのかどうか、具体的な調査と審議はこれからだ。安全性が確保されない以上、運転停止が長期化したとしてもやむを得ないだろう。

| 原発::2013.1~4 | 05:37 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.1.25 法令で定められた濃度未満であれば、放射性物質を含んだ汚染水を放出しても、そこの魚を食べた人に害がないという証明はできていない。
 *2によれば、東京電力は24日、福島第1原発で増え続けている放射性物質を含んだ汚染水を、処理装置で、法令で定められている濃度未満まで放射性物質を除去した後、海に放出する方針を明らかにし、関係者の合意を得ながら行うと説明したそうだが、①法令で定められている濃度未満に処理すれば、魚介類の汚染はないと証明できたのか? ②関係者の合意を得ながら行うという関係者は誰か? について疑問がある。

 そして、*1のように、原発に関係する人々が、汚染水の生物及び人体に与える影響に関して無知・無頓着で対応が甘いことは、すでに実証されている。また、法令はどうにでも決められるが、人間が法令で安全と決めたからといって生物学的に安全になるわけではなく、それに関する研究もない。また、大量の汚染水を捨てれば、濃度が低くても捨てる放射性物質の総量は大きい。そして、これまでの政府の対応を見れば、すでに、信用には値しないという結論が出ている。

 そのような中、*3のように、重要な関係者である地元漁業関係者が怒りの声を上げるのは当然だ。また、関係者としては、癌、白血病、心疾患になりたくなければ、三陸沿岸や関東以北の太平洋側の海産物及びその加工品を食べるのを控えなければならなくなった消費者もいる。何故、そこまで無神経に、宝の海を壊せるのだろうか?

*1:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013012490071627.html
(東京新聞 2013年1月24日) 海洋汚染対策後回し 東電会議映像
 東京電力が二十三日に新たに公表した福島第一原発事故をめぐる社内のテレビ会議映像で、東電は建屋にたまった高濃度汚染水が、海に漏れる危険性を知りながら、汚染水による作業員の被ばく対応などに追われ、漏出防止対策を後回しにしていたことが分かった。今回公開されたのは、二〇一一年三月二十三~三十日と四月六~十二日の映像。これまで二回の公開分と合わせ、事故後一カ月間のやりとりがそろった。
 会議の映像を分析すると、東電は三月二十日前後は、使用済み核燃料プールに向け大量に放水される水が、建屋などに付いた放射性物質を洗い流し、海に流れ込む可能性を非常に気にしていた。しかし、二十四日に3号機タービン建屋地下で作業員らが高濃度汚染水で被ばく。汚染水の分布調査や、増え続ける汚染水の移送先の確保に追われた。その後、放水口近くの海水から高濃度の放射性物質が何度も検出され、海への漏出防止策に注力する転換点はあったが、後回しになっていた。二十八日になると、建屋内の汚染水は外のトレンチ(配管用の地下トンネル)や海のすぐ近くにある立て坑にまでたまり、いつ海に漏れてもおかしくない状況だった。
 だが、東電本店では「単純にトレンチまで(汚染水が)いってますと、今まで言っていない事実だけを公表する」などと、発表は必要最小限の内容にとどめる方針が決められていた。その一方、海水の汚染の原因究明や防止策を話し合う場面は見られなかった。四月二日、2号機取水口近くで毎時一〇〇〇ミリシーベルト超の汚染水が海に漏出していることが判明。その後になって、東電は立て坑をコンクリートでふさいだ。早い段階でこうした対応をしていれば、海への漏出は防げた可能性が高い。
 東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は記者会見で「汚染水の海への漏出を把握したのは四月二日が最初」とあらためて強調し、「その時点でできる対応をしていた」と釈明した。

*2:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013012401001798.html
(東京新聞 2013年1月24日) 東電、汚染水を海へ処理後放出 東電「合意得ながら」
 東京電力は24日、福島第1原発で増え続けている放射性物質を含んだ汚染水について、処理装置で放射性物質を除去した後に海に放出する方針を明らかにした。廃炉計画が妥当かを議論する原子力規制委検討会で説明した。地元の反発も予想され実現は不透明。東電は「法令で定められている濃度未満に処理し、関係者の合意を得ながら行う」と説明。これまでは「関係省庁の了解がなければ行わない」としていた。福島第1原発では、原子炉に注水し燃料を冷却。使い終わった水は放射性セシウムを除去して再び原子炉で循環させている。原子炉建屋には汚染水が増加、貯蔵タンクを追加設置してしのいでいる。

*3:http://www.minpo.jp/news/detail/201301256241
(福島民友 2013/1/25) 漁業関係者怒り 東電の汚染水処理方針
 東京電力が24日、福島第一原発の放射性物質を含んだ汚染水について処理装置で放射性物質を除去した後に海に放出する方針を明らかにしたことに対して、県内の漁業関係者からは怒りの声が上がった。県漁連の野崎哲会長は「多核種除去設備(ALPS)の稼働については以前から容認できないと東電に伝えている。東電から正式な報告は受けていないが今後も反対の姿勢に変わりはない」と強調した。
 いわき市漁協は22日に試験操業検討委員会を開き、底曳部会が提案した試験操業の9月開始を目標とする案を了承している。県漁業協同組合青壮年部連絡協議会長で市漁協に所属する吉田康男さん(45)=同市久之浜町=は「原発事故から2年近くたって試験操業に向けてようやくスタートラインに立てたばかりだ。到底、受け入れられる話ではない」と憤る。
 相馬双葉漁協は本県沖での漁業再開を目指して昨年6月から試験操業を続けている。遠藤和則総務部長(57)は「たとえ処理済みだとしても汚染水を再び海に流すなんて言語道断。漁業者の思いを踏みにじる対応で、受け入れられるわけがない」と反発している。

| 原発::2013.1~4 | 12:19 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.1.19 政策を誤り、問題が多いのは、科学オンチで、人命より自らの利益を優先するリーダーの頭である。
 *1の記事では、安全を前提にした早期の原発再稼働には強い反対はなかったそうだが、安全を前提にしているのならば、福岡市内で原発を再稼働したらどうか。こう言わなければ、「安全を前提にはできないから、再稼働してはならないのだ」ということが、自分の安全の問題として理解できないのだろうか。

 政策を誤り、問題が多いのは、「革新的エネルギー・環境戦略」「再生可能エネルギー」ではなく、科学オンチで、人命より自らの利益を優先するリーダーの頭である。よく考えれば、経済オンチでもある。

*1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2382860.article.html 
(佐賀新聞 2013年1月19日)  「1日も早い原発再稼働を」九州経済同友会
 九州経済同友会は18日、電力供給の不安や電気料金値上げの影響を懸念し、一日も早い原発再稼働などを求めた意見書を発表した。「原子力規制委員会で安全性が確認された原発は、政府の責任で速やかに再稼働を決定すべき」としている。29日に経済産業省に提出する。2030年代に原発稼働ゼロを目指して民主党政権が策定した「革新的エネルギー・環境戦略」は問題が多いとして、原発の重要性を踏まえた新エネルギー基本計画の策定を要望。さらに再生可能エネルギーの推進や電力システム改革は慎重な検討を求めた。
 福岡市で記者会見した代表委員の石原進JR九州会長は「原発への不安が市民に染み付いているが、政策を間違えると日本の経済や国民生活に大きな影響がある。民主党とは違う考えの政権が誕生したので、意見をとりまとめた」と述べた。九州・沖縄8県の経済同友会の代表幹事が書面で意見をすり合わせた。「再生可能エネルギーの推進を強調すべき」との意見もあったが、安全を前提にした早期の原発再稼働には強い反対はなかったという。

PS:*2のようなこともあり、安全基準も頼りになるとは限らないので、ご参考まで。
*2:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1803H_Y3A110C1EE8000/ 
(日経新聞 2013/1/18) 原発新安全基準に電力会社が反論
 原子力規制委員会は18日、7月に導入する原子力発電所の新安全基準について電力会社の関係者を呼んで意見を聞いた。過酷な事故やテロへの対策を詳細な内容まで示して求めた規制委に対し、電力会社は「具体的な内容は事業者が決められるようにすべきだ」と反論。実現しやすい基準にするよう求めた。規制委の原案は水素爆発を防ぐ機能が付いた水素排出設備を求めたが、電力会社は「海外でも要求した例はない」とし、爆発防止機能は不要だと主張。規制委側は「福島原発事故で水素爆発をあれだけ経験した」と主張し、設置を改めて求めた。電力会社は原子炉から離れた場所に設ける非常用冷却施設にも「距離を取れない場合がある」と注文をつけた。18日は議論が長引いたため、25日にも会合を開く。規制委は31日に新安全基準の骨子案をまとめる方針だ。電力会社の反論をどこまで反映させるかは不透明だ。

PS:また、*3のように、港湾口への網の設置や魚の駆除で問題が解決すると考えるのは、水系による生態系に関する考えが甘く、命に対する温かみも思考の深さもない。
*3:http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1804V_Y3A110C1CR8000/ 
(日経新聞 2013/1/18) 魚から基準の2千倍超セシウム 福島第1原発の港湾内
 東京電力は18日、福島第1原発の港湾内でとったムラソイから、魚類では過去最大値となる1キログラム当たり25万4千ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。国が定める一般食品の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)の2540倍に相当する。このムラソイを1キログラム食べた場合の内部被曝(ひばく)線量は約4ミリシーベルトと推定される。東電は今後、港湾内の魚が外洋に移動しないよう港湾口に網を設けるほか、港湾の内外で駆除も進めるという。
 水産庁などによると、これまで魚類の最大値はアイナメの2万5800ベクレル。第1原発港湾内では昨年10月にとったマアナゴの1万5500ベクレルだった。福島県沖ではミズダコなどの試験操業を除いて漁を自粛している。今回の調査では、ムラソイを含め、港湾内で昨年12月20日にとった5種類の魚のすべてが基準値を超えた。このうち別のムラソイで14万ベクレルと4万9千ベクレル、タケノコメバルで10万1千ベクレル、アイナメで4万ベクレルが検出された。

| 原発::2013.1~4 | 07:58 AM | comments (x) | trackback (x) |
2013.1.8 原発の仕組みは、いい加減にも程がある。また、福井県のリーダーは先見の明がないのではないか?(2013.1.9に追加あり)
 *1の伊方原発のある愛媛県の愛媛新聞社説に、「再登板の自民政権に、原発立地地域の人々の暮らしを別の形で支え、安全なエネルギーをかつての原発のように支援、発展させてもらいたい」と書いてあるが、これは、玄海原発でも同じだ。他の地域も、どうすれば原発なしで成り立つようにできるかを考え、皆が苦しい中から支払っている税金による予算は、そのような前向きな費用に充てて欲しい。

 しかるに、*2の「福島第一原発、大量の汚染水処理が課題」の記事には呆れた。事故が起こらなくても、原発では使用済核燃料を水で冷やしているので、その水を環境に戻す際には放射性物質を取り除かなければならなかった筈である。にもかかわらず、これまで除去できなかった放射性物質が、放射性ストロンチウムなど62種類もあるというのは、平時は除去せずに環境に排水していたのだろうか。原発は海に面しており、そこは漁場であるため、環境を軽視するのもいい加減にしてもらいたい。

 そして、*3では、放射性物質の分析や廃炉の研究に、経産省が補正予算で数百億円要求したと書かれているが、それでは、今まで放射性物質の分析もできず、廃炉の技術もなく、汚染水の処理もできず、使用済核燃料の捨て場もなく、原発を運転し続けていたことになる。それにもかかわらず、安価で環境によいエネルギーとして今後も運転すると主張するのは、呆れるほかない。

 そのような中、*4のように、敦賀市では新春市民交流会で、日本原電敦賀3、4号機増設の必要性を国や関係機関にさらに訴えていく決意を示したそうだが、福島第一原発事故を教訓として何を考えたのだろうか。河瀬市長が、「原発は安心安全を確保して稼働していくことがベスト」と述べたそうだが、環境や人命に鈍感な人々にそのようなことは望むべくもないし、100%安全な機械は作れないものだし、人為的ミスも皆無にはできないことが明白であるのに、先見の明がなさすぎる。

*1:http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201301035579.html (愛媛新聞特集社説 2013年1月3日) 「原発ゼロ」の行方 希望の具体化こそ政治の責任
 政治は「希望」から目を背け、時計の針を戻すのか。しっかりと見定め、声を上げねばならない年が始まった。 民主党の前政権が掲げていた「2030年代に原発稼働ゼロ」の目標について、自民党の茂木敏充経済産業相は就任直後の会見で「再検討が必要だ」と政策転換を明言。安倍晋三首相も「希望の段階では直ちに政策になっていかない。責任ある政策を進める」と見直す考えを示した。東京電力福島第1原発事故から1年9カ月余。取り返しのつかない事故と、原発頼みのエネルギー政策への真摯(しんし)な反省を踏まえ、「脱原発」の方向性を決定づけたのは「民意」だった。「原発の安全神話の中で原子力政策を推進してきた反省に立って、復興に取り組んでいきたい」(安倍首相)と本気で考えるのであれば、さしたる議論もなくその大方針をやすやすと覆すことは到底許されない。原発ゼロへの国民の願いを「希望」と認めながら、目先の経済性を優先させ「できるはずがない」と思考停止し、安全に目をつぶって旧来の原発推進策に戻すことが「責任ある政策」だろうか。希望を絵空事と決めつけず、実現への道筋、具体策を早急に示すことこそ政治の責任であると肝に銘じてもらいたい。
 前政権の戦略は、原発ゼロを掲げながら核燃料サイクル政策は継続とするなど、矛盾や不十分な点が多々あった。それでも、意見聴取会や討論型世論調査を通じ、国のエネルギー政策に関して初めて国民の意見を聞いたことは画期的。9万件近い公募意見の大半が「原発ゼロシナリオ」支持だったことも含め、その重みは決して無視できない。自民党のエネルギー公約は「遅くとも10年以内に『電源構成のベストミックス』を確立」する、と抽象的。言葉を濁して選挙をしのいだ感は否めない。だが「事故後」の日本は省エネや節電が浸透し、人口減も進む。原発に固執して、慌てて再稼働や新増設を急ぐ必然性は薄い。まずは電力システム改革が最優先課題。家庭が電力会社を選べる電力自由化や、電力会社から送電部門を切り離す発送電分離を実現すれば、電源の多様化とコスト抑制、新技術の育成は加速できる。耐用年数を過ぎた原発の廃炉作業や、必ず取り組まねばならない核廃棄物の処理も、今後も多額の投資が不可欠な「産業」とみて力を注ぎたい。
 原発立地の生活や電力供給が原発に依存せざるを得ない今の社会を構築したのは、紛れもなく前の自民党。再びの自民政権には、国策に振り回されてきた人々の暮らしを別の形で支え、安全なエネルギーをかつての原発のように支援、発展させるという、新たな責務を担ってもらいたい。

*2:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130105/k10014594861000.html (NHK 2012年1月5日) 福島第一原発、大量の汚染水処理が課題
 廃炉作業が進む東京電力福島第一原子力発電所では、大量の汚染水の処理が課題となっていますが、対策の要となる新たな処理設備の運転開始が大幅に遅れており、事故から2年近くがたっても、増え続ける汚染水を安全に管理する抜本的な解決策は見いだせていません。福島第一原発では、事故直後から、1日400トンほどのペースで建屋に地下水が流入し、汚染水となって今も増え続けています。こうした大量の汚染水は、現場の放射線量を押し上げる要因ともなっているほか、万一、外に漏れ出せば環境汚染につながりかねないことから、できるだけ放射性物質を取り除き、安全に管理することが求められています。この対策の要となるのが、これまでは除去できなかった放射性ストロンチウムなど62種類の放射性物質を取り除く新たな処理設備で、東京電力は当初、去年9月の運転開始を目指していました。ところが、設備が完成したあとに、処理に伴って発生する放射性廃棄物を保管する容器の強度不足が判明し、国から追加の試験や容器の補強を求められています。このため、設備の運転開始の時期が大幅に遅れていて、東京電力は「年内のできるだけ早い時期に運転を始めたい」としていますが、具体的な時期は見通せない状況です。汚染水を巡って東京電力は、増加の原因となっている地下水をくみ上げて建屋への流入を防ぐ対策や、原発から海への流出を防ぐため地下に鋼鉄製の壁を設置する対策なども進める計画です。しかし、設備からの水漏れや、トラブルによる処理設備の停止が相次いでいて、事故から2年近くがたっても、汚染水を安全に管理する抜本的な解決策は見いだせていないのが現状です。

*3:http://www.minyu-net.com/news/news/0108/news8.html (2013年1月8日 福島民友ニュース) 廃炉研究に数百億円要求 補正予算で経産省
 経済産業省は7日、政府の2012(平成24)年度補正予算案の編成作業で、東京電力福島第1原発の廃炉作業を促進させる研究施設整備のため数百億円超を財務省に要求した。廃炉に向けた拠点として放射性物質を分析する研究施設のほか、災害現場など過酷な環境下でも使える遠隔操作ロボットの開発施設を整備する方針。廃炉作業に直接関連した予算を要求したのは初めて。放射性物質の研究施設は溶け落ちた核燃料や高濃度の放射性廃棄物の処理方法などを研究する見通し。県は「廃炉を前進させるには欠かせない施設」とし、県環境創造センター(仮称)との連携を目指す考え。

*4:http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/npp_restart/39085.html (福井新聞 2013年1月5日) 原発増設の必要性、国に訴え決意 市民交流会で敦賀市長
 敦賀市の新春市民交流会は4日、同市のプラザ萬象で開かれた。河瀬一治市長はあいさつで「(原発の新増設は)安倍政権で否定されておらず、可能性が示唆されている」とし、日本原電敦賀3、4号機増設の必要性を国や関係機関にさらに訴えていく決意を示した。約400人が出席した。河瀬市長は「原発は安心安全を確保して稼働していくことがベスト」と述べ、原発再稼働への期待感もにじませた。5選を果たした高木毅衆院議員は、自民党の再稼働の判断やエネルギー政策決定について「3年、10年という数字があるが、前倒しして結論を出す必要がある」と話した。出席者たちは敦賀商工会議所の有馬義一会頭の音頭で万歳三唱し、今年1年の市の飛躍を誓っていた。

PS(2012.1.9追加):その後、下の記事を教えてくれた方があった。やはり、福井県のリーダーは、地域振興には原発しかないと思う先見の明のない人たちなのだろう。しかし、国会議員も選挙があるので、無下には断りにくい。今後、このように、原発再稼働を要求した地域は、事故・その他についても共同責任とすべきだ。

*5:http://www.kahoku.co.jp/news/2013/01/2013010801001704.htm (河北新報 2013年1月8日) 原発再稼働、方針明確に 福井県知事、経産相に要望
 原発が多数立地する福井県の西川一誠知事は8日、経済産業省で茂木敏充経産相と会談し、原発再稼働で国の方針を明確にするよう求めた要望書を提出した。核燃料サイクル政策と使用済み核燃料の扱いも方針を示すよう要請した。西川知事は会談で「安全な原発からしっかり疑義を晴らして稼働し、エネルギー問題に現実的に向き合う政治が必要だ」と訴えた。これに対し経産相は、原発の安全性の判断は原子力規制委員会に委ねるとした上で「地元への説明など、国がきっちりと説明責任を果たす」との方針を示した。

| 原発::2013.1~4 | 12:57 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.1.2 原発事故と危機管理の甘さについて(2013.1.4に追加あり)
 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)で得られる予測値に、それぞれのポイントで計測された実際の汚染度を示す実測値をインプットしていけば、逆に、風向きや地形も考慮して計算した上で東京電力福島第1原発で何が起こっているかが明確にわかった筈である。それをやらずに、*1のように、SPEEDIが単なる予測値で不完全であるため公開しなかったと説明したり、日本に派遣された米特殊チームをすぐに帰したり、汚染度を示す実測値を公開しなかったりしたのは、東京電力福島第1原発で何が起こっているかを知られないことが目的だったとしか思えない。つまり、人命が第一にされなかったということで、そのために、*3のようなことが起こっているのである。もし、病気の原因を正確に把握して統計をとれば、原発事故による被曝で発生する病気の理論的な発生率に近いと思われる。

 なお、地方自治体も、原発を誘致して住民に「原発は安全だ」と説明する以上、「どういう危機管理体制で臨んでいるから、何故、安全なのか?」ということを、自ら理解しておかなければ、自分の言葉に責任を持てないし、「原発は安全だ」という説明はできない筈である。そして、原発を誘致した地域の病院やメディアも、事前に問題点と対応策を検討しておくのが当然だ。この点について、すべて国任せにしていたので、自分たちには何の責任もなく、単なる被害者だと言うのは、実はおかしい。

 さらに、*2のように、東京電力が福島第1原発への想定津波を最大6.1メートルと小さめに設定していたのも、過去の貞観地震津波等の研究を調べれば津波の見積もりが小さすぎることはわかっていたのだから、危機管理は最悪の事態にも対処できるようにすべきなのに、あまりにも考えが甘すぎた。これに対し、東京電力幹部は、「原子力安全・保安院が具体的な判断基準を示さなかった」「評価が定まっていなかった」などを理由に挙げているが、国が判断基準を示さなかったから予測が難しかったのであれば(それもおかしいが)、「原発は、地震津波が起こった際には安全かどうかわからない」と説明すべきであって、「原発は安全だ」と説明してきた責任をあまりにも軽く考えすぎている。つまり、このような人たちに、当事者として原子力を扱う資格はないし、これまでの一連の行動に対する責任は当然あると思う。

*1:http://www.kahoku.co.jp/news/2013/01/20130101t63005.htm 
(河北新報 2013年1月1日) 福島原発事故 米特殊チームの情報生かせず「人災」地元怒り
 東京電力福島第1原発事故を受けて日本に派遣された米特殊チームが収集したのは、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)で得られる予測値ではなく、実際の汚染度を示す実測値。住民避難の「指針」となるべき貴重な情報が生かされなかったことに、地元の怒りは収まらない。2012年7月、国会に参考人として出席した福島県浪江町議会の吉田数博議長は、原発から北西方向に高い放射線量が検出されたことを示す放射能汚染マップを見て、「(早期に)公表されていれば、多くの町民を放射能から守れたのではないか。無念さと同時に憤りを感じる」と政府対応を厳しく批判した。浪江町は中心部が第1原発の半径20キロ圏に入るが、北西部は20キロ圏外のため、一時は中心部から約8千人が北西部へ避難。その後、多くの人が町外へ移動したが、20~30キロ圏は屋内退避区域とされたことから、北西部にとどまった住民もいた。吉田議長は国会で「何の対策もデータも持たないわれわれには(米国の実測データは)得がたい情報であったはず。公開しなかったことは人災そのものだ」と怒りをあらわにした。最近の取材にも「政府は(汚染マップを)SPEEDIと同じようにとらえたのか。残念だ」と語気を強めた。当時、官房長官として危機管理に当たった枝野幸男氏は「(米データを活用していれば)屋内退避エリアの避難が早くなった可能性はある。なぜ政務まで上がってこなかったのか。本当に遺憾だ」と話した。

*2:http://mainichi.jp/select/news/20121230k0000m040061000c.html
(毎日新聞 2012年12月30日) 福島第1原発:津波「過小評価」に注目 検察が任意聴取
 東京電力福島第1原発事故の刑事責任の有無を捜査している検察当局が、東日本大震災発生前の08年に東電が15メートル級の津波を試算していたことに注目し、地震や津波の研究者から任意で事情聴取を始めたことが分かった。東電幹部らは業務上過失致死傷容疑などで告訴・告発されており、検察当局は想定津波の科学的根拠を調べることで▽巨大津波は予見可能だったか▽事故は回避可能だったか、などの判断の中核に位置づけるとみられる。東電は、同原発への想定津波を最大6.1メートルと設定していたが、震災では10メートル以上の津波が到達。冷却用ポンプや非常用のディーゼル発電機が水没し、1〜3号機は全電源が喪失して炉心溶融(メルトダウン)や放射性物質拡散につながった。東電の事故調査委員会などによると、最大6.1メートルの想定津波は2009年2月、電力会社の研究者や大学教授らでつくる「土木学会」が策定した津波の計算式「津波評価技術」に基づき設定された。一方、その約8カ月前の2008年5〜6月に文部科学省の地震調査研究推進本部が発生の可能性を指摘した福島県沖の海溝沿いの地震津波についても社内で独自に検討。最大15.7メートルの津波を試算していた。しかし、東電幹部は15メートル級の津波について▽原子力安全・保安院(現・原子力規制委員会)が具体的な判断基準を示していない▽福島県沖の海溝沿いでは大きな地震は起きないとされていて評価が定まっていない−−ことなどを理由に、対策を先送りした。また、2008年12月ごろには、貞観(じょうがん)地震(869年)に伴う津波の論文に基づき、最大9.2メートルと試算したが、同様の理由から対策を見送っていた。
 検察当局は、複数の科学者にそれぞれの想定津波の発生可能性や試算方法などについて詳しく事情を聴いている模様だ。その上で、より低い「最大6.1メートル」を想定津波と設定した判断が妥当だったかを見極めていくとみられる。【島田信幸、山本将克】
◇予測の難しさ 立証の壁に
 原発事故を巡っては全国の1万4000人余が、当時の東電幹部ら計33人について「津波の危険性を踏まえた対策や事故防止の注意を怠り、事故を発生させ住民らに被ばくによる傷害を負わせた」などとして業務上過失致死傷容疑などで告訴・告発している。検察当局は来春をめどに刑事処分の判断を行うとみられるが、「起訴は困難」との見方が強い。

*3:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130102/k10014552111000.html 
(NHK 2013年1月2日) 被災地で新たに要介護者5万人
 震災や原発事故で被害が大きかった東北3県の42の自治体では、震災が起きてから新たに介護が必要になった人は5万人余りに上り、今後、どのように支援していくかが大きな課題となっています。岩手、宮城、福島の3つ県の沿岸部と福島第一原発事故の影響で避難区域に指定されている地域の合わせて42の市町村では、震災が起きてから去年11月までに新たに介護が必要だと認定された人は、▽宮城県で2万9400人、▽福島県で1万6206人、▽岩手県で6609人と合わせて5万2215人に上っていました。このうち、津波や原発事故の影響で過去の記録が把握できない自治体を除く38の市町村では、去年9月までの1年間だけでも合わせて2万9094人が認定され、震災前の3年前の同じ時期と比べるとおよそ4000人、16パーセント余り増えています。市町村別では、▽福島県浪江町で震災前の3.1倍、▽富岡町で3倍、▽楢葉町で2.1倍と、いずれも原発の周辺の福島県の自治体で急増していました。被災地では長引く避難生活による体調の悪化や将来への不安などから、介護が必要な人がさらに増え続けることが予想され、健康対策や独り暮らしの高齢者の見守りなど、支援態勢の強化が求められています。


PS(2013.1.4追加):この記事を書いて後、下のHPを紹介して下さった方があったため追加するが、私は「やはり・・」と思った。大メディアは何をしていたのだろうか? つまり、記者や編集者は、どういう人材が担当していたのだろうか?

*4:http://www.chibanippo.co.jp/c/newspack/20120303/71388 (ちばとぴ 2012年3月3日) SPEEDI予測「公表できない」 文科省文書に記載
 東京電力福島第1原発事故5日目の昨年3月15日、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による放射性物質の拡散予測について、当時の高木義明文部科学相ら政務三役や文科省幹部が協議し「一般にはとても公表できない内容と判断」と記した内部文書が作成されていたことが2日、同省関係者への取材で分かった。文科省は「事務方が作ったメモだが不正確。公表の具体的な判断はしなかった」と内容を一部否定している。事故直後のSPEEDIの試算公表をめぐる文科省の議事録などは公表されていなかった。

| 原発::2013.1~4 | 03:44 PM | comments (x) | trackback (x) |

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