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2013.8.24 玄海原発の再稼動に反対する – 本当は原発のコストは高い(2013.8.29最終更新)
    
     *3より          2013.8.19日経新聞より     2013.8.5日経新聞より       

(1)原発の本当のコスト
 私が、このブログの「原発」「内部被曝」「環境」のカテゴリーにずっと記載しているとおり、原発でシビアアクシデントが起こった場合は、近隣の住民が一時的に避難すれば災害を免れるというものではない。外に放出された放射性物質は、*1のように森林や土壌を汚染して植物や動物(人間も含む)の体内に入り、結局は、人間が食べ物や呼吸によって内部被曝させられる。また、汚染された水は、いろいろな経路で川や海に流れ込んで海産物を汚染するが、人間にとって危険物であるため、除染も容易ではない。

 そのため、原発のコストには、電力会社が支出する経費だけでなく、国が原発立地自治体に支払う交付金や原発事故処理のために支出するコスト、金銭の受け渡しがなかったとしても住民が危険にさらされたコストや農林漁業や観光業が受けた損害としてのコストがある。金銭の受け渡しがないのに、関係のない他者が支払うコストを、経済学では「外部不経済」と呼び、その典型的な例が公害だ。

(2)佐賀県の首長の意見
 「今回、シビアアクシデントを起こしたのは、東京電力であって九州電力ではない」と地元の関係者には言う人が多い。しかし、技術やセキュリティーのレベルはあまりかわらないし、事故が起こった際には、玄海原発の方が福島第一原発よりも陸地の汚染地域が広くなる。そのため、これだけのリスクを犯してまで原発で発電する必要はないと私は考えている。

 *3及び上の左図は、原発交付金を受けており、自民党支持者の多い佐賀県の首長アンケートの結果だが、原発の今後については「将来的に廃止」が16人で最も多く、「数を減らして維持」「現状維持」は合わせて4人で、ごく少数であった。一般市民では、さらに再稼働反対が多く、再稼働を認める人でも、「原発で生活しているから」「今は仕方がないから」という理由が多い。

(3)もう再稼動させない
 *4のとおり、長崎県漁連も原発再稼働に反対している。また、私もこのブログの2018.8.23に記載しているとおり、放射線被害に関する電力会社や日本政府の環境意識は高くはなく、規模をより大きくした水俣病の二の舞になりそうだと思っている。また、原発は、事故が起これば被害が大きく、人間の力が及ばないため、もう再稼動は許さないようにしよう。そう決めてしまえば、*5や上の中央・右図のように、いろいろな工夫があり、やりようはいくらでもあるのだから。

*1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20130824/CK2013082402000139.html (東京新聞 2013.8.24) 捕獲のシカから1000ベクレル イノシシと合わせ7検体が基準値超え
 栃木県が実施した野生鳥獣の放射性物質モニタリング調査で、宇都宮、大田原、日光、市貝、塩谷の五市町で捕獲されたシカとイノシシの計七検体から、国の一般食品の基準値(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)を上回る放射性セシウムが検出された。県の発表によると、六~七月にかけて県内十四市町で捕獲したシカ六検体、イノシシ十三検体、カルガモ二検体の計二十一検体を今月二十二、二十三の両日に測定。最高値は日光市で六月三十日に捕獲されたシカで、一〇〇〇ベクレルあった。ほかにシカ二検体とイノシシ四検体から一六〇~二八〇ベクレルが検出された。県は「捕獲場所周辺での野生鳥獣の自家消費は控えて」と注意を呼びかけている。

*2:http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_gnavi#Edit2
(朝日新聞 2013年 6月 29 日) 原発と政治―「地元」をとらえ直そう
 原発が事故を起こせば、極めて広範囲に打撃を与える。この最低限の教訓さえ、まだきちんと生かされていない。国は福島の事故後、防災対策を準備する「重点区域」を、原発の8~10キロ圏から30キロ圏に広げた。対象の自治体は45市町村から135市町村に増えた。原発を再稼働するなら、これら「地元自治体」から同意を得るのが不可欠だろう。実際、関係する自治体は電力会社に、再稼働時は同意を条件とする立地自治体並みの協定を結ぶよう求め始めている。だが、交渉は難航している。関西電力が早期の再稼働をめざす福井県の高浜原発では、30キロ圏内に入る京都府や滋賀県の自治体が関電と交渉中だが、関電は認めようとしない。
 立地自治体の側にも、被害地域を広く想定する国の方針に反発する動きがある。福井県は全国最多の14基の原発が集中立地し、大きな災害が起きれば原発が相次いで事故を起こす心配がある。ところが、県は「国の避難基準があいまい」などとして、隣接する他府県の自治体との交渉を後回しにし、避難先を県内に限る計画をつくった。その結果、美浜原発の過酷事故を想定した6月の避難訓練では、美浜町民は原発から遠ざかる滋賀県ではなく、県の計画に従い、大飯原発のある県内のおおい町へ逃げた。これが、住民の安全を第一に考えた対応だと言えるだろうか。背景には、原発事業者と立地自治体との特別な関係がある。事業者は自治体に寄付金や雇用の場を提供し、自治体は危険な原発を受け入れる。「地元」が広がれば、事業者にとっては再稼働のハードルが上がり、立地自治体もこれまで通りの見返りが得られる保証はない。事故の現実を目の当たりにしてもなお、双方に、そんな思惑が見え隠れする。こんないびつな関係を続けることは、もう許されない。
 事業者は30キロ圏内の自治体と協定を結び、監視の目を二重三重にする。自治体は広域で協力し、発言力を強める。そして万一の際の避難計画をつくる。もたれあいでなく、住民の安全を第一に、緊張感のある関係を築かねばならない。しかも、これからは新しい規制基準のもと、再稼働できない原発も出てくる。国策に協力してきた自治体にとっては厳しい事態ではある。原発への依存から方向転換するのは容易ではない。ただ、福井県も「エネルギー供給源の多角化」を掲げ、液化天然ガス(LNG)の受け入れ基地の誘致に動き出すなど、脱原発依存に向けた試みが垣間見える。安倍政権は、再稼働への理解に努力するのではなく、新たな自立への支援にこそ、力を入れていくべきだ。

*3:http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2507474.article.html
(佐賀新聞 2013年7月13日) 原発再稼働 知事・首長アンケート
 九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)の新規制基準に基づく安全審査申請に合わせ、佐賀新聞社は知事と県内20市町の首長に玄海原発の再稼働や将来的な原子力政策について聞いた。再稼働は21人のうち、玄海町長が「賛成」、14人が「条件付き賛成」、「反対」が5人、「その他」が1人だった。今年3月時点のアンケートと比べ、「反対」が2人増えた。ただ、「条件付き賛成」「反対」のいずれも、「地元理解」を求める意見が多く、再稼働に向けては、安全協定の締結を含めた同意手続きの在り方が焦点になりそうだ。再稼働について、「賛成」「条件付き賛成」「反対」の3項目から選択してもらった。樋渡啓祐武雄市長と田中源一江北町長が前回の「条件付き賛成」から「反対」に変わった。ただ、反対の理由は「新基準をクリアするには現時点で無理がある。まずは地元への事前説明を」(武雄)、「時期尚早。何が何でも反対ではないが、(安全協定を含め)県民の理解を得る努力を」(江北)と、丁寧な説明と地元理解を求めた。「条件付き賛成」でも、「規制委の厳しいチェックを」(田島健一白石町長)と厳格な審査を求める意見のほか、「周辺地域の安全対策や安全協定の締結」(塚部芳和伊万里市長)、「市長会として協定締結の話し合いを進めている」(横尾俊彦多久市長)など、九電に対して安全協定を求める声も多かった。このほか、「最終的には国が判断し、自治体などに十分説明して住民の不安払しょくを」(坂井俊之唐津市長)、「国が安全性確保を保障し、十分な説明を」(秀島敏行佐賀市長)など、国の積極的な関与を求める声も多かった。古川康知事は「いずれも選択せず」とした上で、「現時点で判断材料がまったく示されていないため、国が責任を持って判断し、再稼働までのプロセスを明確に示してほしい」と今後の手続きの明確化を求めた。 7月8日に施行された新規制基準については「シビアアクシデント対策などが強化された」と一定の評価を示す声がある一方、「専門的知識もなく、判断できない」との意見も目立ち、自治体独自での安全性確認の難しさも浮き彫りになった。原発の今後については3月の回答と変わらず、「将来的に廃止」が16人で最も多く、「数を減らして維持」「現状維持」が合わせて4人。古川知事は「その他」とし、「中長期的には依存度の低減を進めていく必要がある。エネルギー戦略は国が責任を持って決めていくべきもの」と答えた。

*4:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2525873.article.html
(佐賀新聞 2013年8月5日) 長崎県漁連、原発の再稼働反対 / 玄海、海上デモも
 長崎県漁業協同組合連合会は5日、理事会を開き、原発事故が起きた場合の漁業被害対策について九州電力から納得のいく説明がないとして、玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働に反対することを決めた。漁船による海上デモの実施方針も確認。都道府県単位の漁連として異例の対応を取る。理事会では「玄海原発再稼働に関する緊急対策本部」(本部長・川端勲長崎県漁連会長)を5日付で設置した。今後実施する反対活動の詳細を詰める。海上デモのほか、国への要請活動や農協など1次産業に関わる他団体との連携を検討する方針も確認した。

*5:http://qbiz.jp/article/22355/1/
(西日本新聞 2013年8月23日) 九州の太陽光発電、普及堅調 玄海1号並み容量に
 昨年7月に始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度で、九州7県で発電を始めた太陽光発電の設備容量が、5月末で玄海原発1号機(佐賀県玄海町、出力55万9千キロワット)を上回る56万2千キロワットに達した。太陽光発電は天候に左右され、出力は最大でも設備容量の半分程度にとどまるものの、記録的な猛暑が続く中、電力の供給力確保に一定の貢献をしているとみられる。20日に経済産業省が公表した資料を基に集計した。九州7県で稼働中の太陽光発電設備容量は、全国の19%を占め、九州で再エネの導入が堅調であることがうかがえる。県別で九州最大は福岡の17万6千キロワットで、全国でも愛知県の18万1千キロワットに次ぐ2位だった。九州の2番目は熊本の7万8千キロワット、3番目が大分の7万5千キロワットだった。福岡県の稼働設備容量が全国トップクラスであることについて九州経済産業局は「短期間で太陽光発電を設置する技術を持つ業者がいることが一因」とみている。一方、九州で同制度を活用するための認定を受けた設備容量は計498万1千キロワット。稼働設備容量の9倍近くあり、稼働しているのは認定設備容量の11%にとどまる。県別では鹿児島の105万4千キロワットが九州で最も多く、全国でも4位だった。大分は95万7千キロワットで全国5位。福岡は75万9千キロワットで九州で3番目だった。太陽光発電以外で九州で稼働しているのは、長崎のバイオマス発電(2千キロワット)、鹿児島の水力、大分の地熱など計3千キロワット。認定を受けながら未稼働の施設(計7万9千キロワット)としては、鹿児島の風力発電4万4千キロワットが目立ち、熊本と宮崎の水力、熊本と鹿児島の地熱などが含まれる。

PS(2013.8.29追加):小泉元首相の政策選択のセンスは、やはりGoodです。
*6:http://mainichi.jp/opinion/news/20130826ddm003070155000c.html
(毎日新聞 2013年8月26日 東京朝刊) 風知草:小泉純一郎の「原発ゼロ」
 脱原発、行って納得、見て確信−−。今月中旬、脱原発のドイツと原発推進のフィンランドを視察した小泉純一郎元首相(71)の感想はそれに尽きる。
 三菱重工業、東芝、日立製作所の原発担当幹部とゼネコン幹部、計5人が同行した。道中、ある社の幹部が小泉にささやいた。「あなたは影響力がある。考えを変えて我々の味方になってくれませんか」。
 小泉が答えた。
 「オレの今までの人生経験から言うとね、重要な問題ってのは、10人いて3人が賛成すれば、2人は反対で、後の5人は『どっちでもいい』というようなケースが多いんだよ」。「いま、オレが現役に戻って、態度未定の国会議員を説得するとしてね、『原発は必要』という線でまとめる自信はない。今回いろいろ見て、『原発ゼロ』という方向なら説得できると思ったな。ますますその自信が深まったよ」。
 3・11以来、折に触れて脱原発を発信してきた自民党の元首相と、原発護持を求める産業界主流の、さりげなく見えて真剣な探り合いの一幕だった。
 呉越同舟の旅の伏線は4月、経団連企業トップと小泉が参加したシンポジウムにあった。経営者が口々に原発維持を求めた後、小泉が「ダメだ」と一喝、一座がシュンとなった。
 その直後、小泉はフィンランドの核廃棄物最終処分場「オンカロ」見学を思い立つ。自然エネルギーの地産地消が進むドイツも見る旅程。原発関連企業に声をかけると反応がよく、原発に対する賛否を超えた視察団が編成された。
 原発は「トイレなきマンション」である。どの国も核廃棄物最終処分場(=トイレ)を造りたいが、危険施設だから引き受け手がない。「オンカロ」は世界で唯一、着工された最終処分場だ。2020年から一部で利用が始まる。
 原発の使用済み核燃料を10万年、「オンカロ」の地中深く保管して毒性を抜くという。人類史上、それほどの歳月に耐えた構造物は存在しない。10万年どころか、100年後の地球と人類のありようさえ想像を超えるのに、現在の知識と技術で超危険物を埋めることが許されるのか。
 帰国した小泉に感想を聞く機会があった。
−−どう見ました?
 「10万年だよ。300年後に考える(見直す)っていうんだけど、みんな死んでるよ。日本の場合、そもそも捨て場所がない。原発ゼロしかないよ」。
−−今すぐゼロは暴論という声が優勢ですが。
 「逆だよ、逆。今ゼロという方針を打ち出さないと将来ゼロにするのは難しいんだよ。野党はみんな原発ゼロに賛成だ。総理が決断すりゃできる。あとは知恵者が知恵を出す」。
 「戦はシンガリ(退却軍の最後尾で敵の追撃を防ぐ部隊)がいちばん難しいんだよ。撤退が」。

| 原発::2013.7~9 | 12:55 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.8.23 東京電力と政府は、汚染水対策を始めから真面目にやっていなかったが、これが、電力会社と日本政府の環境に対する意識レベルである。(2013/8/31最終更新)
   
   フクイチ1号機と3号機の爆発        爆発後の状況       漏れた地下貯水槽

(1)国も東電も汚染水対策を真面目にやらなかったのである
 私が、左のカテゴリー欄の「原発」という項目にずっと記載してきたように、東京電力福島第一原発事故の後、国と電力会社は放射性物質で強度に汚染された水を流出させ続け、海を汚染し続けてきたが、事故の正確な状況が公表されていないため、根本的な解決策をとることができなかった。そして、*1~*3に書かれているように、国民に負担増を強いながら無駄な予算を使い続けて、もう2年半が経過する。

 そして、右図のようなすぐに漏水した地下貯水槽や、下図のようなたった2年半で漏水するちゃちなタンクに原発事故による強度汚染水を貯めてきたわけだが、これらにどれだけの費用を使って何年保管するつもりでやってきたのか開示すべきである。いくら何でも、事前にその程度の計算ができていないようでは、10万年も面倒を見なければならない核廃棄物の最終処分など推して知るべしであり、とても原発を使う資格などないわけだが、政権が代われば、海への放出が許されるとでも思っていたのだろうか。そして、ずっと東電のバックにいた政府の判断力や行動は信用できるのか。

(2)規制委の「漁業の風評被害」「海外の誤解」という見解は正しいか
 このような中、*1で「東電と原発推進サイド(経産省)、規制サイド(規制委)が責任を押しつけ合ったり、あいまいにしたりして対策が遅れるような事態は最悪」「カギを握るのは、規制委」などと言われて出てきた規制委の中村佳代子委員は、*4のように、「漁業の風評被害や海外の誤解がないよう信頼できるデータを提供していきたい」と話したそうだ。

 しかし、“風評被害であり、海外の誤解だ”と言えるためには、実害はなく噂による被害のみだということを証明できていなければならない。しかし、このような事態になった国は日本だけであるため、そういう証明ができているわけがなく、実害がないわけもない。それでも「風評被害であり、海外の誤解にすぎない」と主張したい人は、自分も家族と共にそこに移り住み、そこで獲れたものを食べ、20年くらい疫学調査した結果を論文として世界に発表して認められる必要がある。つまり、命に関わるのに言うことが無責任であり、とても学者とは思えないのだ。

 論拠もないのに、「自分は正しいデータを持っているが、消費者や外国は風評に惑わされている馬鹿で、*5の漁業者は、風評被害のみにより操業を停止せざるを得なかったのだ」と主張するのであれば、規制委も不誠実で役割を果たしていないし、実力の割に、あまりにも傲慢で国民を馬鹿にしている。

(3)日本の原発技術、環境意識は先進的か
 このようなわけで、結論から言って、日本の原発技術や環境意識が先進的などということはない。

 それにもかかわらず、*1には、「大きな反省点は東電任せにしていた結果、汚染水対策が後手後手に回り環境汚染が進んできたことだ」「原発施設を囲むように土を凍らせ地下水流入を防ぐ工事費の一部を負担する方針を経産省が示すなど新たな取り組みも動き出したが、この費用負担は研究費名目で、あまりに腰が引けている」と書かれている。しかし、原発施設を囲むように土を凍らせて防水壁を作るということしか思いつかないような政府にできることはない。ただ、国民の税金を引き出し、メディアを黙らせて、本質的とはほど遠い実験程度の“対策”を行い、努力しているふりをして国民の目をくらませながら、予算の無駄遣いを繰り返しているだけである。

 さらなる負担増を叫んでいる国が、国民のなけなしの税金を投入するには、まず、「原発は、低コストで、安全で、環境によい電源だ」と嘘八百を言った人の総ざんげと脱原発宣言から始めるべきだ。その理由は、これ以上、国民が嘘ツキの無駄遣いに付き合わされなくてすむように、である。

   
  汚染水の経路とされるもの       タンクの配置        水漏れを起こしたタンク

*1:http://digital.asahi.com/articles/TKY201308160463.html?ref=comkiji_redirect&ref=nmail_20130817mo&ref=pcviewpage (朝日新聞社説 2013.8.17) 汚染水対策 政府の責任を明確に
 東京電力・福島第一原発の事故は、まだ終わっていない。政府は、東日本大震災の日に出した「原子力緊急事態宣言」を、今も解除できずにいる。放射性物質で汚染された水が流出し、地下や海を汚染し続けている。この事実は、原子力災害が今も進行中であることをはっきりと物語っている。安倍首相は先週、汚染水問題について「対応すべき喫緊の課題」「東電に任せるのではなく、国としてしっかりと対策を講じていく」と述べた。緊急事態宣言に基づいて設置されている原子力災害対策本部での、本部長としての発言だ。政府は、現場で事故対応にあたる東電、国の関係機関の責任分担を明確にして、放射能の封じ込めなどに全力をあげる必要がある。大きな反省点は、東電任せにしていた結果、汚染水対策が後手後手に回り、環境汚染が進んできたことだ。むしろ政府の関与が遅かったくらいである。
 首相は、経済産業相に「スピード感を持った東電の指導」を指示した。原子力規制委員長には、「安全確保に向けた原因の究明と有効な対策について、規制当局の立場から全力を挙げて取り組むよう」求めた。現場での対策は引き続き東電が担うが、原発施設を囲むように土を凍らせ地下水流入を防ぐ工事費の一部を負担する方針を経産省が示すなど、新たな取り組みも動き出した。ただ、この費用負担は研究費名目である。事態の緊急度を考えると、あまりに腰が引けていないか。規制委も「東電、資源エネルギー庁が中心になってやっている。(規制委は)オブザーバー的に入っていて助言する立場」(田中俊一委員長)と、一歩引いて構えている。東電と原発推進サイド(経産省)、規制サイド(規制委)が責任を押しつけ合ったり、あいまいにしたりして対策が遅れるような事態は最悪である。カギを握るのは、やはり規制委である。規制委は首相指示に先んじて汚染水対策を検討する作業部会を設けた。「地下水くみ上げの効果は」「電源ケーブル管路などでの汚染水の広がりは」などと具体的な検討事項を示して、東電の対策をリードする動きを見せた。積極姿勢をもっと前面に出し、専門的見地から人知を尽くす必要がある。旧原子力安全委員長は原災本部の構成員でさえなかったが、規制委員長は副本部長だ。事故の教訓から与えられたその権能を最大限いかしてほしい。

*2:*1:http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1090/20130821_02.htm
(河北新報 2013年8月21日) 福島第1 タンク汚染水漏れ 継続的な流出見逃しか
 福島第1原発の地上タンクからの汚染水漏れで、20日に判明した漏えい量は過去最大の305トンに達した。東京電力はタンクから継続的に汚染水が漏れていた可能性を指摘する。「政府主導」を掲げ、汚染水対策の強化に乗り出した安倍晋三政権は、新たな漏えいを許す悪循環を断ち切れないままで、地元の不信感は募るばかりだ。
◎厳しい批判次々
 「きわめて遺憾だ」。20日午後の福島県庁。県生活環境部の古市正二次長は東京電力福島本社の高原一嘉広報部長を呼び、汚染水漏れの原因究明と再発防止を求めた。「早急に対応したい」と頭を下げる高原部長に、古市次長は「(求めているのは)基本の基本の大切な事項だ」とくぎを刺した。いわき市では、国や東電が漁業者に汚染水問題を説明。出席者から「いつになったら漁を再開できるのか」「次から次へと問題が出る。応急処置の繰り返しだ」と厳しい批判が相次いだ。東電側は汚染水対策の一つとして、原子炉建屋に入る前の地下水をくみ上げて海に流す「地下水バイパス」の実施に理解を求めたが、福島県漁業協同組合連合会の野崎哲会長は「(タンクの水漏れが)大きなネックになると思う」と話した。
◎政府も頭抱える
 安倍首相が今月7日の原子力災害対策本部で「国としてしっかりと対策を講じる」と指示した後も、次々と明らかになる汚染水漏れに政府は頭を抱える。「東電だけでは限界がある」(首相周辺)と、汚染水対策を国費で支援する意向も示したが、抜本的な解決策は示せないままだ。原子力規制委員会は14日、第1原発の廃炉作業の安全対策をまとめた東電の「実施計画」を認可したばかり。必要に応じ東電に新たな対策を命令できるようにするなど、監視体制を強化した。「海への流出はない」とする東電に対し、原子力規制庁は広範囲に水が流れた形跡があるとして詳しい調査を指示。現地の保安検査官が独自に行った測定で汚染の広がりを指摘するなど厳しい姿勢で臨むが、トラブルなどの未然防止にどうつなげるか、課題は重い。「少量の漏えいが続いていたのに気づいていなかった可能性もある」。東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は、タンクから継続的に汚染水が漏れていた可能性に言及した。コンクリートのせきの内側に残っていた汚染水の量が約4トンと少なかったことから、以前から汚染水がにじみ出し、雨水と一緒に周辺に流れていたとの見立てだ。事実なら、毎日午前と午後2回の巡回をしながら、汚染水漏れを見逃していたことになる。
◎同タイプは350基
 東電は容量が大きい地下貯水槽の汚染水漏れが発覚した今年4月以降、汚染水をためるタンクの増設を突貫作業で進めた。「タンク内の水がいつか漏れるのでは」。ある作業員は不安を抱えながら作業に当たった。タンク組み立ての資材は大急ぎで調達されたためか、さびたボルトや亀裂が入ったものも混ざっていたという。タンクからの汚染水漏れはすでに5例目。すべて今回と同じ種類のタンクで発生している上、現在も敷地内でこのタイプ約350基が運用中だ。新たなトラブルがどこで起きても不思議ではない状況が今も続いている。

*3:http://digital.asahi.com/articles/TKY201308220297.html?ref=com_top6
(朝日新聞 2013.8.21) 別タンク2基からも汚染水漏れか 東電「微量の可能性」
 東京電力福島第一原発のタンクから大量の高濃度の放射能汚染水が漏れた問題で、東電は22日、別の2基のタンクのそばで高い放射線が検出されたと発表した。漏れや水たまりは確認できなかったが、「微量の汚染水が漏れた可能性は否定できない」としている。東電によると、高い放射線が見つかったのは、19日に漏れが見つかったタンクがある一画とは別の一画。11基のうち2基の底の部分から、毎時70~100ミリシーベルトの高い放射線が検出された。タンクには、放射性セシウムを取り除いた高濃度汚染水を1基あたり約1千トンためている。点検したところ、タンクの水位は下がっておらず、見た目では水漏れの跡は見つかっていないという。今後、付近を除染し、原因を究明する。タンクから300トンの汚染水漏れが見つかったのを受け、東電が22日に同型のタンク300基を一斉点検したところ、見つかったという。

*4:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013082101001091.html
(東京新聞 2013年8月21日) 規制委、海洋流出の影響検討へ 来月6日に初会合
 東京電力福島第1原発の汚染水が海に流出している問題で、原子力規制委員会は21日、汚染水による海への影響について議論する検討会を設置することを決めた。9月6日に初会合を開く。水と性質が似ており、放射性物質の除去設備では取り除くことができないトリチウムが魚介類に与える影響を主な議題とする。会合には外部専門家として国立環境研究所や日本原子力研究開発機構の研究者ら計5人が参加。オブザーバーとして福島県の担当者も加わる。規制委の中村佳代子委員は「漁業の風評被害や海外の誤解がないよう信頼できるデータを提供していきたい」と話した。

*5:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013082201001407.html
(東京新聞 2013年8月22日) 原発汚染水で福島沖試験操業中止 9月から、地元漁協決定
 東京電力福島第1原発事故による汚染水問題が深刻化していることを受け、福島県相馬市の相馬双葉漁業協同組合は22日、昨年6月から続けている試験操業の実施を9月1日から当面見送ると決定した。県南部のいわき市漁協は既に、9月から始める予定だった事故後初の試験操業の延期を決めている。県北部の相馬双葉漁協も見送ることで、福島県沖の漁業は中断することになる。相馬双葉漁協の佐藤弘行組合長は「現状では消費者の理解を得られない。一日も早くこの状況を打開するために、国は対策を講じてほしい」と述べた。再開時期は未定。

PS(2013/8/31追加):呆れてものが言えませんが、こういう放射性物質の管理をする人たちに、原発を扱う資格はありません。
*6:http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2013083100335  (時事ドットコム 2013/8/31) タンク4カ所で高線量=最高毎時1800ミリシーベルト-福島第1汚染水漏れ・東電
 東京電力福島第1原発で放射能汚染水を保管しているタンクから水漏れがあった問題で、東電は31日、同原発敷地内のタンク群4カ所で高線量を確認したと発表した。このうち2カ所についてはこれまでに高い線量が確認されていた場所だが、さらに値が上昇し、最大毎時約1800ミリシーベルトだった。残りの2カ所は今回新たに判明した。タンクの汚染水が漏えいした可能性があり、同原発内にある約350基の同型タンクの安全性に対する懸念がさらに高まるのは確実。汚染水の保管は危機的状況が続いている。

| 環境::2012.10~11 | 08:47 AM | comments (x) | trackback (x) |
2013.8.20 民主主義や主権在民とは程遠い政策の決め方と議員の選挙力について
   
                       *1より

(1)誰のどの政策を決めたかったのに、決められなかったというのか
 *1に、①政府・与党は工程表に盛り込んだ改革内容を具体化するため、社会保障制度改革国民会議の後継組織として新たな有識者会議を年内にも設置する検討に入った ②党内に根強い給付減・負担増への慎重論をけん制する狙いがある と書かれており、これは本当であろうが、選挙で選ばれた国会議員を馬鹿にしている。

 ①のような組織や審議会は、政府(縦割りの省庁の集まりであるため省内のやりくりが多く、国民の方を向いていない)が作った政策を、高名な学者が、多少の意見は言うが権威付けする目的で答申するものであり、②は、国民から選挙で選ばれた自民党の政治家が、有権者からの要望や意見を踏まえて給付減・負担増に対して慎重な意見を発しているものである。従って、日本国憲法によれば②の方が重いのだが、②を①に合わせるように行動しているということであり、その中心となっている野田毅委員長は、財務省出身の自民党議員だ。これでは、何のために選挙しているのかわからない。

 また、*2に、「野田佳彦首相は、1月の施政方針演説で『決められない政治からの脱却』を訴え、民主、自民、公明の3党合意で、消費増税関連法が成立し、『決める政治』への期待が芽生えた」と書かれているように、決められないからいけないと言われた政策は、財務省由来の消費税増税と社会保障の削減だったわけである。しかし、これは、国民が望んでいない政策だから決められなかったのであって、松下政経塾出身の野田佳彦首相が、「決められない政治からの脱却」を訴えたのは、単に財務省の方針を丸暗記して演説しただけで、政治家としての誇りも論理的思考もない。

(2)国会議員の役割は何か
 第二次世界大戦後に定められた日本国憲法では、前文の最初に、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し(中略)主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」と書かれている。すなわち、主権者は国民であって、選挙で選ばれた政治家が有権者の意見を反映して決めていくということが明記されているのであり、”有識者”会議や省庁には何の権限もないため、(1)の②を①に合わせるように行動することや、*1、*2のようなメディアの論調はおかしいのである。

(3)では、どういう議員が生き残って継続的に当選しやすいのか
 *1には、「7月の参院選で関係業界団体から支持を集めた党側が、自ら歳出抑制を言い出すのは難しい」と書かれているが、歳出抑制しなければならないのは、200兆円も支出するといわれている公共事業である。しかし、生き残りやすい議員の第一は、地元に公共工事をひっぱってきて地元業界団体から応援を受ける議員であって、社会保障を守る議員ではない。

 次に、財務省出身の野田毅議員は、「いま生きている有権者の顔だけ見ていてはいけない。借金に頼ってきた社会保障財源には限界がある」と呼び掛けたそうだが、本当は、日本の借金1000兆円の多くは、社会保障ではなく、景気対策を口実とした1円当たり効率の低い公共事業によって作られたものが多い。そのため、現在生きている人間を幸福にしない視点を持つ人が、将来生きる人間の幸福をだしにするとはおこがましいが、生き残りやすい議員の第二は、各省庁の代弁をする省庁出身の議員である。

 そのほかにも、生き残りやすい議員の類型はいくつかあるが、決して本物の民主主義に資する議員が生き残りやすいのではないということを添えて、その内容は、次にまわそう。

*1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20130820&ng=DGKDASFS1902Z_Z10C13A8PP8000 (日経新聞 2013.8.20)
社会保障改革へ新会議 負担増への露払い役に 自民、プログラム法案骨子を了承
 自民党は19日の社会保障制度特命委員会で、今後の社会保障制度改革の道筋を定めるプログラム法案の骨子を了承した。これを受け、政府・与党は工程表に盛り込んだ改革内容を具体化するため、21日に設置期限を迎える社会保障制度改革国民会議の後継組織として新たな有識者会議を年内にも設置する検討に入った。党内に根強い給付減・負担増への慎重論をけん制する狙いが透ける。プログラム法案は国民会議が6日に安倍晋三首相に提出した最終報告書の内容に沿って、実施時期などを明記した。政府は21日に閣議決定する。正式な法案を秋に改めて閣議決定したうえで、10月中下旬に召集予定の臨時国会で成立を目指す。
 法案が成立すれば社会保障制度改革の今後のスケジュールが規定される。例えば、現在は1割に抑えている70~74歳の医療費の窓口負担は、早ければ2014年度にも本来の2割に戻す。新たに70歳になる人から段階的に2割負担の対象にする方向だ。政府・与党はプログラム法案の成立後、新たな有識者会議を設置する考え。改革のより具体的な内容や中長期的な改革を議論する案を検討している。プログラム法案骨子が「中長期的に受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度を確立するために必要な体制を整備する」と盛り込んだのを踏まえた措置だ。会議を設置する狙いについて、党政調幹部は「有識者に高めのボールを投げてもらう方が党内調整がやりやすい」と漏らす。7月の参院選で関係業界団体から支持を集めた党側が、自ら歳出抑制を言い出すのは難しいとみているためだ。
 党内には「痛み」を伴う改革への慎重論が根強く、19日の特命委では出席者から「保険給付対象となる療養範囲を縮小するのか」などの意見が出た。野田毅委員長が「いま生きている有権者の顔だけ見ていてはいけない。借金に頼ってきた社会保障財源には限界がある」と呼び掛け、一任を取り付けた。党内で反対論が広がらず、首相官邸主導で手続きが進むのは、今回の法案がスケジュールを定めただけで、実際の制度変更には別途、個別の法案が必要になるからだ。慎重派は「正念場は来年以降に提出する個別法案」とみており、改革に伴う痛みをなるべく少なくするよう徐々に圧力を強めていく構えだ。お盆休みの直後という日程もあって、プログラム法案骨子は通常の法案の了承手続きに必要な党政策審議会や総務会での議論を省略し、閣議決定される見通しだ。

*2:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS21024_R20C12A9SHA000/
(日経新聞 2012/9/23) 「決められない政治」の源
 「決められない政治」という言葉が新聞紙上で使われ始めたのは、2008年の春先からである。
 前の年の参院選で自民党が大敗し、衆参の多数派が異なるねじれ国会になっていた。これを打開するために進められた自民、民主両党の大連立構想が頓挫し、当時の福田内閣は国会運営で苦労を強いられていた。08年の通常国会では、小沢一郎代表が率いる民主党の反対で、日銀総裁人事が決まらない異常事態に陥る。「決められない政治」が強く意識されたのは、日銀総裁の国会同意人事がきっかけだった。ねじれ国会が生みの親といえる。
 野田佳彦首相は1月の施政方針演説で「決められない政治からの脱却」を訴えた。民主、自民、公明の3党合意で、消費増税関連法が成立し「決める政治」への期待が芽生えたが、衆院解散・総選挙をめぐる与野党対立のあおりで、一過性で終わりそうな気配だ。まず前通常国会で可決された首相問責決議の問題がある。当の野田首相の党代表再選が決まり、野党は秋の臨時国会で審議拒否を辞さぬ構えだ。法的拘束力はないのに、過去に首相問責決議を受けた福田康夫、麻生太郎両氏が早期退陣に追い込まれた前例がある。
 もう1つの懸案が、予算執行に不可欠な赤字国債発行法案の処理をどうするかだ。野党は衆院解散を約束しない限り、法案成立に協力しない方針で、財源が枯渇するとされる11月のタイムリミットが近づく。昨年は菅直人首相の退陣と引き換えに、赤字国債発行法が成立したが、政局絡みで成立が遅れている一因は民主党の国会対策にもある。本来、予算案と同時に衆院で採決すべきなのに、赤字国債発行法案の処理を先送りしてきたからだ。城島光力国会対策委員長らは、前国会で予算案と一緒に赤字国債発行法案を参院に送るよう主張した。衆院通過から60日以内に参院で採決されなければ否決とみなされるため、本当に否決するかの踏み絵を野党に迫る狙いからだ。結局、消費増税関連法案で野党の協力が必要という判断から、赤字国債発行法案の採決は見送られた。成立の見込みがないまま参院に送ることには財務省が最も強く抵抗したという。

| 民主主義・選挙・その他::2013.1~11 | 04:35 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.8.18 介護保険制度はもっと充実すべきで、その財源は39歳以下の年齢層にすべきだ。
         

(1)介護保険制度とは
 このブログの年金・社会保障のカテゴリーに何度も記載したとおり、介護保険制度は、私の発案で検討されて、1997年に国会で制定され、2000年4月1日から施行された日本の社会保険制度だ。そして、その財源は、税金による補填もあるが、被保険者が納付する保険料が主である。しかし、現在のところ、*3のように、まだ支払者は40歳以上の人のみであり、介護サービスの受給は、65歳以上の人は全面的だが、40歳~64歳の人は制限が多いというように、不公平で未熟な制度である。

 1)第一号被保険者:65歳以上の人。保険料は、原則として年金から徴収。
              認知症、寝たきりなど介護が必要な時や手伝いが必要な時には、
              介護保険でサービスを受けられる。
 2)第二号被保険者:40歳~64歳の人。加入している医療保険の保険料と併せて徴収。
              厚生労働省の定める特定疾病にかかって介護や支援が必要に
              なったら、介護保険によるサービスを受けられる。

(2)何故、不公平で不公正な制度なのか
 支払者を40歳以上としたことに理論的な根拠はなく、本来は39歳以下の人も医療保険の保険料と併せて介護保険料を支払うべきだったのである。それにもかかわらず、支配対象者を40歳以上として年齢による差別を行った結果、人件費削減のために40歳定年制を行おうとする企業も出てきており、被用者にはマイナスとなった。また、40歳~64歳の人は、介護保険料を支払っているにもかかわらず、給付に制限を受けて不公正であるため、加入者は必要に応じて全介護サービスを受けられるようにすべきだ。

 そのためには負担が必要だが、負担は39歳以下の人も行うこととし、高齢者の負担ばかりを増やすことなく、全世代平等に負担と給付を行うべきである。2000年4月1日からは、家族だけで介護を負担することなく、介護が社会化されたことを考えれば、39歳以下の人も医療保険の保険料と併せて介護保険料を支払うことに合理性はあるし、また、必要に応じて介護サービスを受ける権利もなければならない。

(3)現在の介護サービスは十分か、また、どんなサービスが必要なのか
 高齢者が受けている全介護サービスでも、自宅で療養しながら一人暮らしをする高齢者には十分ではない。そして、核家族化が進んだ現在、子どもがいても一人暮らしをする高齢者は多いのであり、子どもや孫は、介護するために仕事を辞めたり、介護費用を仕送りしたりはできない状況にある。そのために介護を社会化したのであるから、安価で同じ以上の効果を上げることができるように工夫するのはよいが、介護サービスをカットするという話にしてはならない。

 なお、*2については、地域間を移動した人の介護・医療費用を転居前の自治体が負担するのは合理性があるが、高齢者が必要としているのはケア付き賃貸住宅ではなく、住み慣れた自宅でケアを受けることであり、そのためには、訪問看護ステーションや介護ステーションを的確な場所に多く作ってサービスを充実させることが必要だ。そのため、せっかくの介護保険がまたハードに流用されることについては、厳重に注意しなければならない。

     
       *1より        *2より
*1:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=22817
(日本農業新聞 2013/8/17) 高齢者負担ずしり 社会保障制度改革国民会議の報告書
 国の財政逼迫(ひっぱく)を背景に、高齢者に負担がのしかかってきそうだ。政府の社会保障制度改革国民会議が今月、安倍晋三首相に提出した報告書によると、医療費の窓口負担の引き上げ、介護保険から「要支援」を外すなど“在宅弱者”にしわ寄せが及ぶ。現場では不安と戸惑いが広がっている。
●70歳以上 医療費2割 介護 行政間で格差も
 報告書は医療費について、70~74歳の患者の窓口負担を1割に抑えてきた特例の廃止を提言。2割負担とし、来年4月以降、70歳になる人から対象にする。静岡県御前崎市でミニトマトを作る岡村文雄さん(66)は、右膝を痛め、高血圧も抱える。定期的に病院に通う中で「負担割合を上げられると生活に響く。これからもっと医者に行く回数も増えるだろうし、安心して年を取れない」と心配する。医療費の窓口負担は本来、2008年度から1割を2割に引き上げることが法律で決まっていたが、07年参院選で自民党が大敗したことなどから凍結、歴代政権が続けてきた。同会議は「世代間の公平を図る観点からやめるべき」とし、法律通りの引き上げを要請した。日本農村医学会の藤原秀臣理事長は「財源確保のために仕方ない」との見方を示しつつも「高齢者の多い農村部への大きなしわ寄せだ。負担増を強いる前に、地域医療の崩壊を食い止める具体策を、政府はもっと真剣に打つべきだ」と指摘する。
 介護では、歩行や食事など、身の回りの世話が必要な「要支援」を介護保険の対象から切り離し、段階的に市町村の独自事業へ移行する。15年度から着手する方針だ。熊本県あさぎり町の溝口鷹則さん(57)は、父の偲さん(88)を週3回、JAのデイサービスセンターへ送り出す。偲さんは足が不自由で介護度は要支援2だ。デイに行けば友達もいるし、段差がない施設で転ぶ心配もない。毎回楽しみにしている。「家族が農作業などで出掛けている日中、家に一人きりでいると座りっぱなしで足腰が弱るだけだ。デイで話したり体操したりするから体調が悪くならずに、元気でいられる」と鷹則さん。利用できなくなったら「毎日誰かが家にいなければならない。労力的にも経済的にも、負担が増して悪循環」と危機感を募らせる。事業の移行先となるあさぎり町は「介護保険対象外となる人に、これまで通り満足のいく支援が提供できるのか。予算の問題も大きい」と頭を悩ませる。
 JA全中が事務局を務める高齢者福祉ネットワークの山本敏幸事務局長は「市町村ごとに、介護支援の格差が出る」と問題視する。財政や福祉への取り組みが違うため、国の事業のような均一サービスは担保されず、住民が不利益を被る恐れがある。「国の財政破綻を市町村が押し付けられ、住民につけが回った格好だ」(山本事務局長)。JA介護保険事業も「要支援」の利用を失い経営に打撃を受けるため、行政と連携した受け皿づくりを急ぐ必要がある。一方、助けあい組織のミニデイや家事援助などは、介護保険で要支援者が利用してきたサービスに代わる可能性もある。プロ化を目指した助けあい組織が市町村から事業を受託し、JA経営を補う役割を果たすことも求められる。
〈ことば〉  社会保障制度改革国民会議
 大学教授ら有識者15人で構成し、医療、介護、年金、少子化対策の4分野で改革の具体化に向けて話し合う。政府は同会議の報告書を基に、改革の手順や実施時期をまとめた「プログラム法案」の要綱を21日までに閣議決定し、今秋の臨時国会に提出、成立させる見込みだ。

*2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20130818&ng=DGKDASFS1701J_X10C13A8MM8000  (日経新聞 2013.8.18) ケア付き住宅 移行支援 転居前市町村、介護費を負担 高コスト施設の増加抑制
 政府は高齢者向けの介護サービスを、自宅にいたまま世話をする「在宅型」中心の仕組みに改める。大都市郊外でケアサービス付き賃貸住宅の整備を加速。同住宅に引っ越した高齢者の介護・医療費を、転居前の市町村が負担する仕組みを2015年度にも導入する。特別養護老人ホーム(特養)など高コストの介護施設の増加に歯止めをかけ、財政負担の膨張を抑える。政府の社会保障制度改革国民会議は6日に公表した報告書で「病院・施設から地域・在宅へ」との方針を打ち出した。これを受け厚生労働省は介護保険法を含む関連法の見直し作業を本格化。14年の通常国会に改正法案を提出する。
 介護保険の対象は、約50万人が入居する特養ホームなどの施設介護が主流だった。だが、特養1人あたりの給付費は月27万円前後で在宅サービスの約3倍になる。介護給付膨張を回避するため、在宅型の一種であるケア付き賃貸住宅を向こう10年で現在の5倍超の60万戸整備する方針だ。建設促進の一環として、同住宅に引っ越す人の介護・医療費用を転居前の自治体が負担する特例を導入する。高齢者の転入に伴う介護・医療費負担で財政悪化が進みかねず、住宅の建設許可に消極的な市町村もあるためだ。市町村間の負担が偏らないようにする「住所地特例」は特養ホームなどに適用してきた。この特例をケア付き賃貸住宅にも適用する。都市部の空き家を転用したケア付き住宅も整備し、あわせて100万~180万戸の住宅の受け皿を整える。在宅中心の介護サービスの仕組みを作る一方、症状が軽い人の特養への新規入所を認めないよう15年度から基準を厳しくする。これらの政策を進めることで、施設介護を中心とする介護保険運営の見直しを急ぐ。
 65歳以上の高齢者は現在約3000万人だが、25年には3600万人超に増える。現状のままの介護保険運営を続ければ給付費は11年度の約7兆6千億円から25年度には2.6倍の約20兆円に膨らむ。厚労省は財政悪化の主因である社会保障給付の抑制を探っている。ただ、今回の介護保険見直しだけでは給付効率化に不十分との見方も根強い。医療や年金を含め高齢者向け給付を見直し、現役世代の負担増を抑制する政策の強化は今後も必要だ。

*3:http://www.tetuzuki.net/insurance/nursing.html 介護保険とは。
 介護保険は、まもなく来る高齢社会によって介護のニーズが増え、今までの福祉や家族での介護が難しくなることを予測してできた社会保険制度です。少子高齢化によって、老人施設は常に定員オーバー。家族は食べていくのに精一杯でとても介護まで手が回らない。核家族化によって増えた高齢者世帯や独居世帯はどうやって介護すれば?という状態が見えてきたので、高齢者が介護が必要な状態になっても自立した生活ができるように、国民みんなで助け合おうじゃないかという制度が介護保険なのです。
 介護保険では、65歳以上の人を第一号被保険者といい、40歳~64歳の人を第二号被保険者といいます。第一号被保険者の人は、認知症や寝たきりなど介護が必要になったときや介護まではいらないけどちょっとしたお手伝いが必要なときに、介護保険でサービスを受けることができます。第二号被保険者の人は、厚生労働省の定める特定疾病にかかって介護や支援が必要になったら、介護保険によるサービスを受けられます。そのサービスは、介護や支援の度合いによる6段階の認定にしたがって提供されます。

| 年金・社会保障::2013.8~2017.4 | 06:11 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.8.17 環境省が行った甲状腺癌の頻度調査は、本物の調査をする気のない調査に見える。(2013.8.18追加あり)
 
   フランス気象庁2011.3.19測定               *3より

(1)比較する地域の偏りについて - 青森、山梨、長崎の3県は、真に汚染のない地域ではない
 福島第一原発の爆発により、上図及び*2のように、関東、東北も少からず汚染されている。特に山梨県は福島第一原発事故現場に近く、土壌が汚染されているため、食べ物や呼吸からの内部被曝も考慮した時、真に汚染のない地域とは言えない。また、青森県には原発施設が多く、福島第一原発からも距離があるとはいえ風下だ。さらに、長崎県は被爆地であるため、68年経過した現在でも癌になる人が多いのであり、西日本ではあっても真に被曝の影響のない地域とは言えない。従って、正しい比較を行うために選択すべき地域は、九州なら、熊本県、大分県など、原爆や既存の原発の影響を受けていない地域である。

(2)サンプル数の少なさについて
 *1に、「青森県弘前市、甲府市、長崎市の3~18歳の計4365人の甲状腺について、昨年11月から調べた結果を発表した」と記載されているが、合計が4365人であれば、各地域、年代別のサンプル数は非常に少なく、統計上の分散が大きくなるため、有意な疫学調査とならない。環境省が行うのであれば、汚染地域として関東、東北の各県、クリーンな地域として西日本の各地域の調査を福島県と同レベルで行うべきである。

(3)調査した疾患、調査する年代の少なさについて
 放射性物質による健康被害は、甲状腺癌だけではなく、白血病、その他の癌、心疾患など多岐にわたる。また、健康被害を受ける年代は、3~18歳のみではない。そのため、福島県も含めて、それらの全ての項目を検査すべきであり、一人の人には一日の検査で、それらすべてを検査することが可能だ。

(4)調査結果の世界への影響
 もし、既存の原発立地地域も含め、しっかりした疫学調査を行い、有意の差があることが証明されれば、世界の原発のみならず、核兵器も止めることができるだろう。そして、原発立地地域では、シビアアクシデントがなくても、白血病や甲状腺癌が増えることが、事故前から囁かれているのである。

PS(2013.8.18追加):右写真の被曝牛は、継続的にその健康状態を調べれば、放射性物質による汚染が哺乳類にどういう影響を与えるかを調べる格好の研究材料になる。それをやらずに*3のように抹殺しようとしていることや放射性物質を含んだ牧草を焼却して放射性物質を空気中にばら撒こうとしていることは、あまりにも非科学的な意思決定だ。

*1: http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1503H_V10C13A8CR8000/
(日経新聞 2013/8/15) 甲状腺調査、青森など3県で継続 原発事故の影響探る
 東京電力福島第1原発事故による子どもの健康への影響を調べるため、環境省は15日までに、青森、山梨、長崎3県での甲状腺調査を継続することを決めた。福島県では事故後の調査で甲状腺がんと確定した子どもが12人に上るが、事故の影響がない3県で甲状腺がんの発生頻度を調べ、福島県での割合が高いかどうかの判断材料にする。福島県の「県民健康管理調査」では、従来考えられていたよりも高い割合で甲状腺がんが見つかっている。小さいしこりの発症割合は3県と比較して差がなかったため、大きなしこりが見つかった3県の子どもの細胞や血液を継続して調べる。
 環境省は今年3月、青森県弘前市、甲府市、長崎市の3~18歳の計4365人の甲状腺について、昨年11月から調べた結果を発表した。5ミリ以下のしこりや、20ミリ以下の嚢胞(液体がたまった袋)が見つかった割合は、3県全体で56.5%。県別では、弘前市で57.6%、甲府市で69.3%、長崎市で42.5%だった。福島県の約13万3千人を調べた結果(2月公表時点)は41.2%で、環境省は「福島と3県は、ほぼ同様」としている。新たな調査は、5.1ミリ以上のしこりや、20.1ミリ以上の嚢胞が見つかった3県の44人(1%)が対象となる。福島県の健康管理調査で、甲状腺検査の対象は約36万人。6月時点で約17万4千人の1次検査の結果が確定し、1140人が、2次検査が必要とされた。このうち甲状腺がんと「確定」したのは12人、「がんの疑い」は15人だった。

*2:http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/6783140.html
(朝日新聞 2012.12.1より) 東京の子どもたち36%の甲状腺にものう胞が見つかった!
 東京の伊藤病院の岩久建志医師らが2012年11月30日、日本甲状腺学会で発表した情報によれば,東京の病院で3千人に行なった検査でも福島と同程度ののう胞が見つかったということです。

*3:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013081802000110.html
(東京新聞 2013年8月18日) 被ばく牛 細るエサ 汚染牧草、国が焼却処分
<写真は、福島県内外からもらってきた放射性物質で汚染された牧草を食べる「希望の牧場・ふくしま」の牛@同県浪江町>
 東京電力福島第一原発二十キロ圏内で被ばくした牛を飼う畜産農家らが、エサの入手に困っている。放射性物質に汚染された牧草の焼却処分を国が始め、農家に回ってこなくなっている。事故後に農家の収入は途絶え、牛の命をつなぐには、無償でもらってくる汚染牧草に頼らざるを得なかった。窮状を訴えても国は耳を貸さず、農家は途方に暮れている。福島県浪江町の「希望の牧場・ふくしま」では、ほかの農家から預かった牛を含め約三百五十頭を飼っている。被ばくして家畜としての価値はない。それでも「原発事故が起きたからといって、簡単に命を奪うわけにいかない」と、国が求める殺処分を断ってきた。
 今年七月、同県鮫川村に汚染牧草五十トンの提供を求め、断られた。事故後に刈り取られた汚染牧草を村は保管しており、昨夏は百三十五トンをもらえた。今年は当てが外れた。理由は国の方針だった。環境省は村に汚染ゴミを燃やす焼却炉を設置し、その運転が十九日に始まる。環境省の担当者は「村から相談があった。牛に与えると放射性物質を含むふんが出て、回収できなくなる。焼却するよう村に伝えた」と説明。焼却して灰にすることでかさを減らし、一時保管場所で保管するのが狙い。ただ、放射性物質は減らない。窮状を訴え、ほかの農家などから牧草をもらったが、残りは一週間分ほどしかない。ほかに多量の牧草が手に入るめどもない。牧場スタッフの針谷(はりがや)勉さん(38)は「被ばくした牛は原発事故の生き証人。支援を国は考えてほしい」と訴えた。ほかでも事情は同じ。同県富岡町で動物の保護をするNPO法人「がんばる福島」は五十頭の牛を飼っている。他県からも牧草を集めようと試みたが、焼却を理由に断られた。牧場の牧草も秋にはなくなる。代表の松村直登(なおと)さん(54)は「このままでは冬は越せない。どうやって生かしていけばいいのか」と頭を抱えている。
<牛の殺処分と汚染牧草の焼却> 政府は福島第一原発から20キロ圏内の家畜は、所有者の同意を得て殺処分を進めている。また、汚染牧草など1キロ当たり8000ベクレルを超える放射性セシウムを含む廃棄物は国が処分する。汚染ゴミ減量の実証実験として環境省が福島県鮫川村に焼却炉を造り、牧草や牛ふん、除染ゴミを燃やす。

| 環境::2012.10~11 | 02:23 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.8.16 電力の自由化と市場競争のためには、公正取引委員会で十分な筈だが、何故、今まで電力会社の地域独占や横暴な価格決定を許してきたのだろうか?
   
                        夏の花
(1)消費税転嫁のための特別措置法について
 2013.8.8に、公認会計士協会で「消費税転嫁対策」というテーマの研修があったので聞きに行ったところ、消費税率引き上げの決定を前に、「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法」が既にできており、公正取引委員会、財務省税制二課、消費者庁の表示担当者が講師として来て、それを説明していた。

 その中でおかしいと思ったことの一つは、「税抜価格+消費税」という消費者にとって明確な値札表示を避け、税込みか税抜きか判然としないような値札表示を奨めていたことで、*3の消費者庁の発案者で設置に尽力した私としては、これが消費者のために働くべき消費者庁のすることかと情けなく思った。

 もう一つは、消費税を消費者に転嫁させるため、消費税分を値引きする等の宣伝や広告を禁止する規定で、「消費税は当店が負担します」「消費税相当分、ポイントを付与します」というような表示を禁止するものだった。こういうことを禁止するのは、むしろ市場における自由競争に反し創意工夫を妨げるので、公正取引委員会がこれを推奨しているのもおかしいと思った。そのため、私は、これまで値引製品か否かは気にせずものを買っていたが、今後は、タフに「20%引き」などと書いてある物を買うことに決めた。

(2)公正取引委員会は、何故、電力会社の地域独占を問題にしないのか
 *2に記載されているように、公正取引委員会は、自由経済における公正かつ自由な競争を促進し、企業の創意を発揮させ、消費者の利益を確保することによって、国民経済の健全な発達を促進することを目的として設置された機関である。しかし、(1)のようなくだらないことは行うが、電力会社の地域独占については、これまで全く問題にしなかった。

 そのため、電力会社には自由競争がなく、発電方法に創意工夫も生まれず、消費者の利益は害され、国民経済の足を引っ張ってきた。本当は、これこそ変えるべきであり、40年遅れだと思うが、公正取引委員会も役所であるため、強いものには弱く、弱いものには強い、ご都合主義の決定をするのだろう。

*1:http://digital.asahi.com/articles/TKY201308100437.html?ref=pcviewpage
(朝日新聞社説 2013.8.11) 電力自由化 本当の競争のためには
 中部電力が東京電力の管内で企業向けに電力を販売する。三菱商事傘下のダイヤモンドパワー(東京都)を買収し、今秋にも首都圏市場に参入する。企業など大口向けの電力販売は2000年に自由化されている。電力会社は地域に関係なく販売することが可能になっていたのに、相互乗り入れはまったく進まなかった。どの大手電力も、他の地域に攻め込むよりは自分の地盤を守り、業界秩序を維持したほうが得策と考えてきたからだ。その一角を占めてきた中部電力が、みずから殻を破る。震災後の大きな環境変化や今後の電力改革をにらんだ経営判断を、歓迎する。同様の動きが広がることを期待したい。ただ、今回は特殊な事情がある。東電は原発事故を抱えて経営難に陥り、いまや自前では電力供給すらおぼつかない状況にある。そうしたなかでの中部電の参入は、「助け合い」の側面がないとはいえない。料金体系やサービスなど、本当に消費者の選択肢が増えるような競争になっているか。注視が必要だ。既存の大手電力同士が手を組んで、新電力を締め出すようなことがあっては本末転倒である。電力改革の成否は、なにより新興勢力を育てられるかどうかにかかっている。
 原発の停止に伴って大手の値上げが相次ぐなか、新電力との契約を希望する企業は増えているが、新電力側は必要な電力量を調達できていない。大きな発電所や自治体が所有する水力発電は大手電力が抱え込んでいるからだ。電力需給が逼迫ぎみなこともあって、卸売市場もなかなか活性化しない。こうした課題を克服し、競争を促していくためには、必要な措置を命じる権限をもった規制機関が必要だ。先の通常国会に提出された電力システム改革法案にも、発送電の分離とともに、そうした新機関を、15年をめどに設立することが盛り込まれていた。政局の混乱に巻き込まれて廃案になってしまったが、もともと民主党政権時に骨格をつくった法案でもある。与野党で協力し、次の国会で成立させることが不可欠だ。新機関発足までの間、同様の役割を担うワーキンググループが今月、初会合を開いた。電力事業者らからデータを提出させたりして公正な競争市場の育成を監視する。現行法の枠組みでできる最大限の競争促進を担ってほしい。

*2:http://100.yahoo.co.jp/detail/%E5%85%AC%E6%AD%A3%E5%8F%96%E5%BC%95%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A/ 公正取引委員会 [ 日本大百科全書(小学館) ]
 内閣府の外局。独占禁止法(正式名称は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」昭和22年法律第54号)に基づき、自由経済における公正かつ自由な競争を促進し、企業の創意を発揮させ、消費者の利益を確保することによって、国民経済の健全な発達を促進することを目的として設置された行政委員会。略称は公取委または公取。
 公取の権限は、行政的権限、準司法的権限、および準立法的権限から構成される。行政的権限には、株式の保有、役員の兼任、合併、分割、株式移転、事業譲渡、国際協定等の届出の受理や認可、事業活動の調査、下請代金支払い遅延・不当景品・不当表示に関する法定事項の監視などがある。準司法的権限には、独占禁止法の違反行為に対する調査、勧告および審判による排除処分、課徴金納付命令などがある。準立法的権限には、独占禁止法に基づく各種の届出、認可申請、報告、審判等の手続に関する規則の制定、不公正な取引方法の指定(1982年告示)などがある。これら権限が、独占禁止法のみにとどまらず、不正競争防止法(平成5年法律第47号)など広く経済活動の規制にかかわる諸法に関連しているために、公取はしばしば「経済活動の番犬」とよばれる。
 公取は、35歳以上の経済・法律の学識経験者のなかから総理大臣が国会の同意を得て任命する、委員長と委員4名をもって構成される。委員長の任免は天皇により認証される。委員の定年は70歳。委員会の審決等の決定は、委員による非公開の合議による。委員会には事務総長が統括する事務総局が置かれ、審判官6人(うち1人は上席審判官)、官房・経済取引局・審査局からなる内部部局、北海道・東北・中部・近畿中国四国・九州の5事務所からなる地方機関によって構成される。
 公取は、第二次世界大戦後の占領政策(財閥解体、経済民主化)の一環として制定された独占禁止法により、アメリカの反トラスト法による連邦取引委員会Fair Trade Commissionを範として設けられた。両者を比べると、反独占に集中するアメリカの委員会よりも、日本の公取のほうがはるかに大きな権限を有している。しかし、その活動経過をみると、当初は法令の機械的な運用に終始し、その保守的消極性を批判されることも多かった。その後、経済の高度成長や国際化により、純粋持株会社の解禁、M&A(企業の合併・買収)の内外にわたる広範な活用、新しいビジネス手法の展開、消費者意識の高まりなどが進み、問題事例が多発するようになって、法の改正もあり、公取の活動は活発化した。合併や市場占有率の判断基準の変化に典型的にみられるように、その運用は実態に即して柔軟かつ敏速に、しかも有効・適切に行われるようになった。

*3:http://kotobank.jp/word/%E6%B6%88%E8%B2%BB%E8%80%85%E5%BA%81 消費者庁 ( 知恵蔵2013の解説)
 消費者行政の一元化を図ることを目的として2009年4月に設置された行政機関。消費者基本法をはじめとする消費者問題に関する約30の法令の運用について、各省庁からの移管を受けるよう調整が進められた。生産者と消費者の間での自由で対等な取引は市場経済の基本である。しかし、両者の交渉力には歴然たる差があり、商品が多様化・複雑化する現代、消費者が商品の欠陥や性能などについての十分な情報や知識をもつことは容易ではない。このため、さまざまな消費者保護の施策がとられてきた。
 それまでの消費者行政は、例えば農産物の規格・品質表示に関してはJAS法で農林水産省、その加工や添加物については食品衛生法に基づいて厚生労働省の所管、というように所轄が多数の省庁にまたがっていた。この縦割り行政の弊害から、近年多発した家庭用器具の欠陥による事故や食品の偽装表示などについて対応が遅れ、被害が深刻化した。
 このことから消費者行政の一元化や対応窓口の一本化が急務とされ、福田内閣が設置した「消費者行政推進会議」により消費者庁の創設が提起され、麻生内閣に引き継がれた。「消費者行政推進会議」では、「消費者庁は、商品・金融などの『取引』、製品・食品などの『安全』、『表示』など、消費者の安全安心に関わる問題を幅広く所管する。」「消費者庁を、一元的な窓口機能、企画立案、法執行、勧告などの機能を有する消費者行政全般についての司令塔として位置づける。」などの基本方針が示された。
 これに対して野党からは、内閣府の外局の一つに過ぎない消費者庁では、地方の消費者行政との連携が取れないなど実効性ある行政が展開できないとの批判がなされ、内閣や国会から独立した強い権限で行政機関を監視する「消費者権利院」を創建すべきであるなどの構想も出された。

| 消費税増税問題::2012.8~2014.11 | 06:56 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.8.15 菅元首相が視察したことを問題にする前に、それならば東電は独自で対応できたのか。
 
            2013.8.9 朝日新聞より                2013.8.7 日経新聞より

(1)事故の事実は開示されていたのか
 2011年3月12~15日に東電福島第1原発が爆発して2年5ヶ月が経過しているが、事故の真相は未だ国民には知らされておらず、爆発した原発の地下や核燃料がどうなっているのかわからない。しかし、高濃度汚染水は確実に海洋に流出しており、経産省の担当者は、「汚染水は、事故直後から流出している可能性も否定できない」と言うが、東電が汚染水海洋流出の事実を認めたのは2013年7月であり、都合の悪い事実は隠していた。*5には、「恐れるべきは、この責任者が、国なのか東電なのか、はっきりしないことである」と書かれているが、国は、東京電力からの情報に基づいて対応しているため、東京電力が正確な情報を適時に国や地方自治体に開示していたか否かは重要な問題である。

(2)汚染水対策は的確だったのか
 そのような中、*3に書かれているように、海への流出防止のために薬剤で土を固めて地下に設置した「土の壁」を越えて、汚染水は海に流出している。その土の壁は、地表から深さ約1・8メートルまで作ったもので、横も上も閉じていないため、横と上から汚染水が流れ出ている。また、*2に書かれているように、地下水の水位が上昇した分、貯水槽が40センチ浮いたそうだが、これらは、やってみるまでもなく当然のことである。そういう土の壁を作ると地下水の流れを止めることができるというのは、誰の発案で実行に移されたのだろうか。無駄な税金を使ったのだから、責任追及すべきだ。

 次は、*4、*5に記載されているように、「抜本対策の切り札として、経済産業省と政府が原発1~4号機の周囲1.4キロの土壌を凍らせて地中に壁を作り、地下水の流入を抑制する『凍土遮水壁』で地下水を阻止する」とのことである。しかし、永久凍土地帯でもないのに、原発周囲の大量の地下水に熱を与えられ、これが成功するわけがない。人の生命線である社会保障を減らし、消費税率を上げようと言いながら、このように何も産まない無駄遣いばかりするのはいい加減にすべきだ。「大事なのは、一刻も早く汚染水の流出を止めることだ」と記載されているが、それならば、原発周囲に、コンクリートで遮水壁を作るべきだろう。結局、水で冷やし続ける方法は破綻したのだから。

(3)菅元首相が視察に行って邪魔したからベントができなかったというのは言い訳だ
 *5のように、いざという時には、「東電だけで事態を打開するのが困難だから、国が税金を使って前面に出よ」という声になるにもかかわらず、東電は、(1)でも明らかなように、菅元首相に適時、的確に情報を伝えたとは思えない。そのためもあって、菅元首相は視察に行ったのだと思う。それで邪魔されたからベントができなかったなどというのは東電の言い訳にすぎないが、*1によれば、「菅元首相が東日本大震災が起きた翌日に福島原発の視察を強行した」という理由で刑事責任を問うた人がいるので驚いた。何故なら、言いがかりも甚だしいからである。首相は、何も知らずに金だけ出せとでも言うのだろうか?それでは、国民が困る。

 しかし、勝俣前東電会長や東電関係者は、①事実や情報を正確に伝えなかった ②事故の対応が的確でなかった ③シビア・アクシデントを想定外にしていた などの理由で、業務上過失致死等の罪に問われるのは当たり前であり、急に与党となっていた民主党の菅元首相とは事情が違うだろう。

*1:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2533169.article.html
(佐賀新聞 2013年8月14日) 菅元首相、原発事故刑事責任ない / 告訴・告発で検察に文書提出
 東電福島第1原発事故をめぐり、業務上過失傷害容疑などで福島県の住民らから告発された菅元首相が「事故直後の対応に問題はなかった」と自身の刑事責任を否定する文書を14日、弁護士を通じて検察当局に提出した。 菅元首相は東日本大震災が起きた翌日に福島原発の視察を強行したとして批判を浴びた。関係者によると、提出した書面では、当時の対応を時系列で詳細に説明し、原子炉格納容器の圧力を下げるベントについては「視察前に東電側の要請を受けて了承しており、対応に問題はなかった」と主張したという。 検察は、勝俣前東電会長ら東電関係者も含む約40人について不起訴処分にする見通し。

*2:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130813-00000032-asahi-soci
(朝日新聞デジタル 8月13日) 貯水槽40センチ浮く 福島第一原発、地下水の浮力か
 東京電力は13日、福島第一原発で4月に汚染水が漏れた地下貯水槽が最大40センチ浮き上がったと発表した。周囲を流れる地下水によって浮力が生じたことが原因とみられる。汚染水は地上タンクに移送され、貯水槽は空だった。東電は、新たな汚染水の漏れはないと説明している。東電によると、高濃度の汚染水が入っていた3号貯水槽(縦56メートル、横45メートル、深さ6メートル)が最大約40センチ浮き上がり、5、6号機の建屋地下の低濃度汚染水を入れていた4号貯水槽(縦40メートル、横25メートル、深さ6メートル)も最大約15センチ浮き上がった。3、4号貯水槽は、いずれも1~4号機の建屋の山側にある。1日千トンの地下水が流れているという。貯水槽周辺の地下水位は4月から1メートル程度上昇したという。対策として東電は、地下貯水槽の上に50センチほどの砂利を敷き、重しにする。ゲリラ豪雨などで急に地下水位が上がった場合は、地下貯水槽の周囲の井戸から地下水をくみ出し、別の地下貯水槽に移すという。

*3:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2530705.article.html
(佐賀新聞 2013年8月10日)  土の壁越え、原発の汚染水流出 / 地下水上昇し海側に
 福島第1原発の汚染水流出問題で、東京電力は10日、海への流出防止のため地下に設置した「土の壁」から約2メートル山側の地下水の水位を測ったところ、壁を越える高さだったと発表した。周辺の地下水からは高い濃度の放射性物質が検出されており、東電は「汚染された水が壁を乗り越えて海側に流出している可能性が高い」としている。土の壁は護岸の地盤を薬剤で固めて、汚染水が海へ流れ出さないようにする仕組みだが、地表から深さ約1・8メートルまでは薬剤がうまく注入できず壁をつくることができないため水が通過する。これに対し、10日に測定された地下水の水位は地表から深さ約1・2メートル。

*4:http://373news.com/_column/syasetu.php?ym=201308&storyid=50440
( 南日本新聞 2013.8.10 ) [汚染水対策] 東電に任せておけない
 東京電力福島第1原発の汚染水が海に流出している問題で、安倍晋三首相が「東京電力に任せるのではなく、しっかりと対策を講じる」と政府主導で対応する考えを明らかにした。経済産業省は、2014年度予算の概算要求に原子炉建屋への地下水流入防止策の関連費用を盛り込む方針だ。認められれば、汚染水対策で初の国費投入である。汚染水の流出が明らかになったのを受け、東電は護岸の土壌改良など防止策を急いでいるが、効果は不透明だ。加えて、敷地内の汚染水は毎日400トンのペースで増え続けているのに、対策の決め手はない。東電の汚染水対策は事実上、破綻している。
 このままでは海洋への汚染拡大が懸念される。責任を負うべき東電だけで事態を打開するのは困難だ。国が前面に出て、汚染水の封じ込めに全力を挙げてほしい。政府は、原発敷地内から毎日300トンの汚染水が海へ流出しているという試算を公表した。原発周辺で1日約1000トンの地下水の流れがあり、そのうち、地下にたまった高濃度の汚染水と混ざって汚染された水が、海へ漏れ出しているとみている。経産省の担当者は「事故直後から流出している可能性も否定できない」という。事故からもう2年5カ月になる。東電が海洋流出の事実を認めたのは先月のことだ。あまりに遅すぎると言わざるを得ない。問題を放置し、対策を講じてこなかった責任は重大である。政府は抜本対策の切り札として、原発1~4号機の周囲1.4キロの土壌を凍らせて地中に壁を作り、地下水の流入を抑制する「凍土遮水壁」に期待している。汚染水が増え続ける原因となっている地下水を阻止する作戦だ。ただ、これほど大規模な施工例はなく、効果は見通せない。工事費は300億~400億円、冷却のための維持費も膨大という。国費を投入する以上、実効性を慎重に検証する必要がある。そもそも汚染水問題は、原発事故直後の11年4月に超高濃度の汚染水漏れが見つかった時からの懸案である。廃炉計画を進めるにもこの問題の解決が欠かせない。安倍政権は発足直後から政府主導の廃炉対策推進を掲げてきたが、具体的な取り組みは遅れた。東電の対策の遅れを放置してきた責任も、国は重く受け止める必要がある。大事なのは、一刻も早く汚染水の流出を止めることだ。国は総力を結集して、具体的で実効性のある対策を講じなければならない。

*5:http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013081002000135.html (東京新聞 2013年8月10日) 福島原発対策 国際海洋汚染の自覚を
 何と恐ろしい話だろう。今この瞬間にも、放射能に汚染された地下水が海に流れ込んでいる。政府試算では、その量は一日三百トンにも上る。流出の元を誰かが断たねば、海洋汚染は広がるばかりだ。目の前の漁場を汚され、生活の糧を奪われ、なすすべもない漁師の心中は、察するに余りある。流出がこのまま続けば、英国の石油資本BPによる三年前のメキシコ湾原油流出事故を上回る、国際海洋汚染事件に発展する恐れもあるのではないか。九日の長崎平和宣言は「東京電力福島第一原発事故は、いまだ収束せず、放射能の被害は拡大しています」と訴えた。止められない汚染水は、被害拡大の象徴ではないか。恐れるべきは、この拡大の責任者が、国なのか東電なのか、はっきりしないことである。
 経済産業省は、1~4号機の周りにパイプを巡らせ、マイナス四〇度の冷却材を循環させて、凍土の壁で囲い込み、地下水の流入を食い止める計画に、国費を投入するという。トンネル工事に用いられる工法だが、これほど大規模な遮水工事に効果があるかどうかは未知数だ。事故直後から構想はありながら、実行に移されてはいなかった。冷却材を循環させ続けねばならず、電力も費用もかかる。恒久的な対策とは思われない。
 水の流れを、地中で完全に遮断するのは難しい。遮水工事を進めるのと同時に必要なのが、流出する地下水を減らす方法を見つけることだ。地下水の建屋への流入経路と、汚染水となって海へ広がる流出経路を突き止めて、完璧にふさいでしまうための調査こそ、必要なのではないか。建屋の周辺では、高い放射線量があらゆる作業を阻む、だとすれば、例えば日本のものづくり技術を総動員して、遠隔操作で探査や作業ができるロボットの開発を急ぐべきではないか。誰が費用を負担するかを議論しているような場合ではない。東電の負担なら電力料金に跳ね返る。国費なら税金だ。結局、負担するのは国民なのだ。その国民も、両者がそれぞれに全力を挙げ、一刻も早く汚染水の流出が止まり、廃炉への作業が安全に進むよう願っている。国費をつぎ込む以上、研究や作業の進み具合を、周辺住民はもちろん、国民すべてに速やかに報告すべきは、言うまでもない。

| 原発::2013.7~9 | 03:31 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.8.14 適正な年金積立金を計算するためには、公的年金にも退職給付会計のような計算が必要であること
(1)適正な年金資産の金額はいくらか
 私が書いた、このブログの2013年8月12日の記事に反論してか、*1の日経新聞記事に、「世界的には、日本はたくさんの年金資金を持つ国である」「日本の資産額は世界に比べて些少というわけではない」という内容を記載した記事があった。しかし、日本の年金資産額を、年金制度の異なる他国の年金資産額と比較しても無意味だ。

 何故なら、あるべき年金資産の金額は、年金制度の内容、人口構成、退職後の平均余命で変わるからである。そのため、このブログの2012.12.18に記載しているとおり、年金制度が開始して年金保険料を徴収し始めた時点から、支払時のことを考えて積み立てておくのが当たり前であり、そうしなければ、人口構成が変化した時に支払金額を削減しなければならない、まさに現在のような状況が起こるのである。

 それでは、必要十分な積立金額はいくらかと言えば、米国では1985年にFASB83で導入され、日本では私が1996年に言い出して1997年から議論され始め、民間企業で2000年4月に導入された退職給付会計で算定されるような計算が必要なのである。しかし、日本では、民間企業も2000年4月までは、「退職給与引当金」としてざっくりした金額しか積み立てていなかったし、公的年金は、今でも勘に頼った少ない金額しか積み立てていない。

 さらに、それだけではなく、公的年金は、もともと積立方式だったのだが、団塊の世代が働き盛りとなったまさに1985年に、専業主婦を3号被保険者として賦課方式に変更し、積立金の必要性すら論じなくなったのである。そのため、今、必要なことは、契約どおり支払うために必要な積立金の金額を計算し、現在ある積立金との差額を、特定の世代に負担をかけないよう、50年くらいかけて補填することである。

(2)周到に準備したというのは嘘だ
 (1)より、*1の「日本がいまのような年金資産を持てているのは、団塊世代への給付急増が保険料の急騰に陥らないようにするため、周到に準備した結果です」というのは真っ赤な嘘であり、必要な積立金額の計算すらしていなかったことがわかるだろう。そのため、「団塊世代が現役のうちに多めに保険料を徴収し、彼らの将来の給付のために積立・運用してきたことで、実は現役世代の負担軽減になっている」とまで書かれると、よくここまで嘘を書けるものだと呆れてしまう。そして、まさにこの体質が問題なのだ。

(3)反省なき自画自賛では何も解決しない
 必要な年金資産の金額を計算することすらできず、運用も徴収も杜撰なのであるから、「年金運用のマネジメントについてはもちろん議論が必要」というのは、私が、このブログの2012.4.4及び2012.5.5に記載したとおり正しいが、「世界に少し目を向けてみると、日本も悪くないと思える部分もある」というのは、1960年に年金制度が導入されて50年以上も経つ日本としては、もう完成しているべき時期であるため賛成しない。そのため、約170兆円の年金資産に満足する前に、契約どおり年金を支払う場合にあるべき積立金額との差額を、速やかに計算すべきだ。そして、その差額がわかって初めて、次の解決策が考えられるのである。

*1:http://www.nikkei.com/money/features/18.aspx?g=DGXNMSFK1201N_12082013000000&df=3
(日経新聞 2013/8/13) 世界と徹底比較 意外と悪くない日本の年金
■世界的には、日本はたくさんの年金資金を持つ国である
 日本の年金制度について過度に悲観的な意見を述べる人は、決まって年金積立金の話題を持ち出します。年金積立金が十分でなく、枯渇の恐れがあるという論調です。確かに公的年金を安定的に支払ううえで、年金の積立金は重要な役割を持っています。日本には約170兆円の年金資産がありますが、おそらくほとんどの人は、日本の積立状況は世界的にはたいしたことがないと思っているでしょう。もっと準備しなければならないのにうまくいっていない、というイメージなのだろうと思います。
 しかし、実は日本の年金積立額は世界トップクラスの水準です。年金シニアプラン総合研究機構のレポートによれば、公的年金の積立金は米国(2010年度末で約186兆円)、ノルウェー(2012年度末で約50兆円)、カナダ(2011年6月時点で約13兆円)、韓国(2010年末で約22.6兆円)といった例がありますが、100兆円規模の資産を持つ国はほとんどありません。日本の資産額は世界に比べて些少(さしょう)というわけではないのです。ちなみに、厚生年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は機関投資家として世界最大規模です(先ほど触れた米国の186兆円はすべて債券運用。公務員の年金運用などの団体も各20兆円ほどです)。人口を考えると、日本並みに積立金を有してもおかしくない先進国や発展途上国の国々があるのに、なぜそうなっていないのでしょうか。理由は2つです。一つはまだ積立金をほとんど持てていないからです。急激な経済成長に見合った社会福祉の充実が追いつかず、いつかは日本のように数年分くらいの積立金を作りたい、と思いつつ実現が難しい国がたくさんあります。もう一つは、賦課方式(保険料がそのまま給付に充てられる)を変更せずにきたため、積立金を持つ必要を強く認めていない国があるからです。例えばドイツは1カ月ほど、英国は2カ月ほどの給付に必要な年金資産しか保有していません。何となく100兆円くらい持っていそうなイメージがありますが、実はそうではない国もたくさんあるのです。
 日本がいまのような年金資産を持てているのは、団塊世代への給付急増が保険料の急騰に陥らないようにするため、周到に準備した結果です。団塊世代が現役のうちに多めに保険料を徴収し、彼らの将来の給付のために積立・運用してきたことで、実は現役世代の負担軽減になっているのです(もちろん運用益が得られればそれも負担軽減になります)。年金運用のマネジメントについてはもちろん議論が必要です。しかし世界に少し目を向けてみると、日本も悪くないと思える部分もあるわけです。

| 年金・社会保障::2013.8~2017.4 | 06:53 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.8.12 「痛み」を伴う改革をすべきは誰なのか? また、「政治」は、決められるか否かより何をどう決めるかが大切である。
(1)痛みを伴う改革(=消費税増税+社会保障の削減)をしなければ批判するメディアの主張は、的を得ていない
 *1のように、日経新聞はじめ多くのメディアが、財務省の方針に従って、「政府が2日公表した中期財政計画の骨子案は、来年4月以降に予定する消費税率の2段階引き上げの実施を明記せず、具体的な歳出削減策も素通りしたので、痛みを伴う構造改革を先送りしがちな安倍政権の姿勢が浮き彫りになった」と、①痛みを伴う改革の必要性 ②消費税増税の必要性 ③歳出削減としての社会保障費削減の必要性 を声高に叫んでいる。

 そして、「『国際公約』でもある国・地方を合わせた基礎的財政収支の名目国内総生産比の赤字幅を2010年度から半減する目標を達成するにはPB赤字額を15年度までに17兆円程度圧縮する必要がある」とも述べているが、きちんと説明すれば、東日本大震災が2011年3月11日に起こったにもかかわらず、「基礎的財政収支の赤字幅を2010年度から半減する」という国際公約を守らなかったからと言って批判するような国はない。ここで財務省もメディアも区別できていないのは、臨時的経費と経常的経費の違いである。また、国会の決議もないのに勝手に国際公約してきたから守れというのは、憲法の主権在民に反する。

(2)消費税増税は、本当に必要なのか
 *1は、「現行法は消費税率を14年4月に8%、15年10月に10%に上げると定めるが、消費税率を予定通り10%まで上げれば、15年度には国に7兆円程度の税収増が見込める」として消費増税を勧め、安倍晋三首相が「中期財政計画では決め打ちしない」という意向を示したことを暗に批判している。私は、このブログの2012.6.30及び2012.7.15などに記載しているように、消費税率を上げれば税収が上がるとは思わないし、昨年の衆議院議員選挙では、公約に反して上記法律を作った民主党への批判が民主党敗退の大きな要因であったため、他に有力な選択肢のなかった参議員議員選挙において自公が勝利したからといって、国民が消費税増税に賛成したと思ったら間違いであると思う。そして、このブログに何度も書いているように、よりよい方法が他にある。

 なお、*1には、「財務省幹部は『高齢化で毎年約1兆円ずつ膨らむ社会保障費の自然増も考慮していない。歳出を削減せずに8兆円の収支を改善するには、消費増税以外にもアベノミクスによる税収増が5兆円程度は必要』と指摘する」と述べているが、高齢化、少子化は1960年代から予測できていたことであるため、戦後ベビーブームの人口増をボーナスなどと考えて散財し、その人たちが高齢者になった時の社会保障に必要な金額を積み立ててこなかった財務省・厚生労働省・社会保険庁に責任があるのであって、国民に責任があるのではない。そのため、痛みを伴う改革をし、徹底して考え方を改めなければならないのは国民ではなく、財務省・厚生労働省・その他の関係省庁なのだが、これはできていない。

(3)節約すべきは社会保障なのか、またサービス提供時に所得で差をつけるのは合理的か
 *2、*5に書かれているように、社会保障国民会議が消費増税に伴う社会保障改革の報告書を提出し、政府が今後の改革の手順をまとめたプログラム法案を秋の臨時国会に提出するそうである。

 その中で、医療については、70~74歳の医療費窓口負担を1割から2割に引き上げ、高額療養費制度の負担上限額見直しを行うとしているが、これにより、いくつもの慢性疾患を持つ高齢者の負担はかなり重くなる。また、高所得者の保険料引き上げも書かれているが、ここでいう「高所得者」の定義は、年間所得いくらだというのだろうか?医療保険料や医療費は、生活費とは別にかかるため、「高所得者」の定義によっては、医療を受けられないか、生活できなくなる高齢者が出るだろう。

 また、介護についても、「所得が一定以上の利用者の負担を1割から引き上げ」と書かれているが、ここでも、一定以上の所得とはいくらかが重要だし、介護保険料を支払う際にすでに所得の再配分は行っているため、サービス提供時にも所得で差をつけると二重負担となるが、これは基礎的な知識である。さらに、介護費用は生活費とは別に毎日かかるライフライン・コストであるため、介護費用を払えなければ社会的入院や施設入所者が増え、別の部分でより大きく歳出が増えた上、生活の質は下がる。さらに、「要支援向けサービスを介護保険から市町村事業に移管する」とも書かれているが、そうすれば、どの地域でも現在以上の支援を受けられる保証があるのだろうか?そうでなければ改悪である。なお、仕事は、60~70歳で定年だが、家事は病気になっても死ぬまでやれというのでは、家事の仕事としての位置づけがあまりにも低すぎる。実際には、家事も病気や高齢ではできないのだが、殆ど男性ばかりで意志決定しているため、こうなるのであろう。

 さらに、年金も減額すべきという声が大きいが、そもそも年金資金が足りないのは、①日本経済や世界経済全体で利子率(配当も連動する)が低すぎた ②運用が杜撰だった ③社会保険庁が意識してしっかり管理し、適正な金額を積み立ててくるということがなかった などの原因がある。このうちの①については、*4のように、株価の上昇で少し改善しているが、他の原因については、あまり改善していない。

 そのような中、*3のように、日経QUICKニュースでは、「4~6月期の実質GDPが年率2.6%増であり、3期連続プラスなので、消費税増税の条件が整った」というように書いている。しかし、これらの改革のうち高齢の年金生活者に関係があるのは、物価上昇、社会保障給付削減、消費税増税、社会保険料値上げという負担を強いる痛みだけであり、そもそもの前提や感受性がおかしいことは明らかである。

*1:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS02048_S3A800C1EA2000/
(日経新聞 2013/8/3) 痛み伴う改革先送り 中期財政計画骨子案、歳出削減も素通り
 政府が2日公表した中期財政計画の骨子案は、来年4月以降に予定する消費税率の2段階引き上げの実施を明記せず、具体的な歳出削減策も素通りした。社会保障制度改革国民会議が同日まとめた最終報告書案も給付抑制や負担増への道筋を描ききれていない。衆参両院のねじれが解消しても、デフレ脱却を最優先するあまり、痛みを伴う構造改革を先送りしがちな安倍政権の姿勢が浮き彫りになった。内閣府は2日の経済財政諮問会議で中期財政計画の骨子案を示した。「国際公約」でもある国・地方を合わせた基礎的財政収支(PB)の名目国内総生産(GDP)比の赤字幅を2010年度から半減する目標を達成するにはPB赤字額を15年度までに17兆円程度圧縮する必要があると指摘。国の一般会計ベースではPBを8兆円改善する必要があると試算した。だが最も有力な手段であるはずの消費増税は「経済状況等を総合的に勘案して判断する」と注記するにとどまった。現行法は消費税率を14年4月に8%、15年10月に10%に上げると定めるが、安倍晋三首相が秋に消費増税を最終判断する意向を示したのを受け、「中期財政計画では決め打ちしない」とする首相官邸の意向を反映したためだ。甘利明経済財政担当相も2日夕の記者会見で「経済成長と財政再建を両立できるベストの道を探る」と強調した。
 消費税率を予定通り10%まで上げれば、15年度には国に7兆円程度の税収増が見込める。ただこの一部は待機児童の解消など社会保障の充実策に充てるため、収支改善に全て回せるわけではない。財務省幹部は「高齢化で毎年約1兆円ずつ膨らむ社会保障費の自然増も考慮していない。歳出を削減せずに8兆円の収支を改善するには、消費増税以外にもアベノミクスによる税収増が5兆円程度は必要」と指摘する。それでも計画策定過程で財務省が異議を唱えることはなかった。歳出削減が景気を下押しすれば消費増税にはマイナスになりかねないためだ。複数の財務省幹部は「中期財政計画で勝負する必要はない。首相が消費増税を最終判断するまで静観するしかない」と語る。
 中期財政計画には14、15年度の新規国債発行額を今年度(約42兆8500億円)以下に抑えるため最大限努力するとの項目も盛り込んだが、税収増を歳出増に回す可能性は否定していない。参院選での勝利を受け、政府・与党に広がる歳出膨張圧力に歯止めをかけられるか、不透明感は強い。「9月上旬の20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に出せるよう作業を進めてほしい」。首相は諮問会議で計画の来週中の取りまとめを指示した。だが、政府関係者からは「日本に財政再建を求めてきたドイツなど海外から批判が出る可能性も否定できない」との懸念も出ている。

*2:http://digital.asahi.com/articles/TKY201308090662.html?ref=pcviewpage
(朝日新聞 2013.8.9) 介護保険見直し15年度めど、医療分野改革17年度までに 社会保障改革の法案骨子
 安倍政権が進める社会保障改革のスケジュールをまとめた「プログラム法案」の骨子案がわかった。国民健康保険(国保)の再編や所得に応じた保険料・窓口負担の増減など、医療分野の改革は2017年度までに実施する。介護保険制度見直しは15年度をめどと明記した。政府は19日から与党と本格的に調整し、21日に骨子を閣議決定する方針だ。プログラム法案は、社会保障国民会議が消費増税に伴う社会保障改革の報告書を提出したのを受け、政府が今後の改革の手順をまとめたもの。秋の臨時国会に提出する。大筋で報告書に沿っているが、一部の項目では実施期限を初めて示した。一方、報告書に比べ時期があいまいになったものもある。
 医療分野では、国保の運営を市町村から都道府県に移す▽会社員の健保や公務員の共済が高齢者医療に出す支援金の算定方法で、加入者の収入が高いと割当額が増える「総報酬割」を全面拡大▽紹介状のない大病院の外来患者に定額負担を導入――について、15年の通常国会への法改正案提出を明記した。国民会議の報告書では、70~74歳の医療費窓口負担の引き上げについて「早期に結論」とし、総報酬割の全面拡大は「15年度に実施」としていた。しかし骨子案ではいずれも「17年度までに措置」となった。与党内や医療関係団体に根強い慎重論に配慮したとみられる。
一方で介護分野では、要介護度が低い「要支援」向けサービスを介護保険から外し、市町村の独自事業に移す▽所得が一定以上の利用者の負担割合引き上げ――について、14年の通常国会で法改正し、15年度をめどに実施するとした。年金は受給開始年齢の引き上げなどを検討項目としたが、時期には触れていない。
■社会保障改革のスケジュール案
◆医療
〈2014年の通常国会で法改正→14年度めどに実施〉
・難病への医療費助成の拡充
〈14年の通常国会で法改正→17年度までに実施〉
・都道府県が医療提供体制の改革を進める仕組みの導入
〈15年の通常国会で法改正→17年度までに実施〉
・国保の運営を市町村から都道府県に移管
・会社員、公務員らの保険が高齢者医療に出す支援金の見直し(「総報酬割」全面拡大)で大企業健保の負担増
・紹介状のない大病院の外来患者に定額負担を導入
〈17年度までに実施〉
・70~74歳の医療費窓口負担を1割から2割に引き上げ
・高額療養費制度の負担上限額見直し
・低所得者の国保料・後期高齢者医療制度保険料の負担軽減
・高所得者の保険料引き上げ
◆介護
〈14年の通常国会で法改正→15年度めどに実施〉
・所得が一定以上の利用者の負担を1割から引き上げ
・「要支援」向けサービスを介護保険から市町村事業に移管
・所得が低い高齢者の保険料軽減

*3:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL120FC_S3A810C1000000/
〔日経QUICKニュース 2013.8.12〕 4~6月期実質GDP、年率2.6%増 3期連続プラス
 内閣府が12日発表した2013年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.6%増、年率換算では2.6%増だった。プラスは3四半期連続。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」による円安・株高を背景に景気回復期待が高まり、個人消費が引き続きけん引した。一方、設備投資はプラスに転じることはできなかった。QUICKが9日時点で集計した民間予測の中央値は前期比0.9%増、年率3.6%増だった。生活実感に近い名目GDPは前期比0.7%増、年率では2.9%増だった。名目でも3四半期連続のプラスだった。その結果、名目成長率が実質を下回る「名実逆転」が解消した。逆転解消は2012年7~9月期以来3四半期ぶり。実質GDPの内訳は内需が0.5%分押し上げ、外需は0.2%分のプラスだった。輸出は3.0%増。円安を追い風に米国向け自動車などが堅調だった。輸入は1.5%増。液化天然ガス(LNG)など高水準のエネルギー輸入が影響した。
 項目別に見ると、個人消費が0.8%増と3四半期連続でプラス。円安、株高基調を受けて消費者心理が上向き、外食や旅行、衣料などへの支出が増えた。株式売買が活発で金融取引も増えた。住宅投資は0.2%減。5四半期ぶりのマイナスに転じた。設備投資は0.1%減。減少は6四半期連続。個人消費の改善を受けて小売りなどは底入れしたが、製造業は慎重姿勢が続いた。公共投資は1.8%増。政府の13年度補正予算による緊急経済対策の効果が出てきた。民間在庫の寄与度は0.3%のマイナスだった。
 総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期と比べてマイナス0.3%。15四半期連続で前年を下回った。季節調整して前期と比較するとプラス0.1%となった。輸入品目の動きを除いた国内需要デフレーターは前年同期比0.1%下落した。

*4:http://digital.asahi.com/articles/TKY201308090515.html?ref=pcviewpage
(朝日新聞 2013.8.9) 年金、過去最大の黒字 厚生・国民 株高で運用好調
 厚生労働省は9日、会社員が入る厚生年金と、自営業者や短時間勤務の非正社員らが入る国民年金の2012年度決算(時価ベース)を公表した。厚生年金は6兆3677億円、国民年金は2250億円の黒字。いずれも時価ベースの決算がある01年度以降で最大の黒字だった。昨年末からの株価上昇で積立金の運用成績が良く、黒字幅を押し上げた。公的年金の決算は、保険料や国庫負担(税金)の収入などから支給額を差し引き、さらに積立金の運用益を加えたもの。運用益は厚生年金が10兆4691億円、国民年金が7291億円。両方合わせた積立金額は増え、計126兆269億円となった。

*5:http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF0300J_T00C13A8NN1000/
(日経新聞 2013/8/3) 高所得の高齢者、介護負担増15年度に
 政府は2015年度に介護保険の自己負担を所得の多い高齢者について現行の1割から引き上げる。合わせて介護の必要度が低く食事などの世話だけがいる人を、介護保険給付の対象から段階的に外す。社会保障制度改革国民会議が5日にまとめる最終報告書を受け、介護や医療などの改革項目や手順を記す「プログラム法案」に盛り込む。国民会議は、介護のほか医療、年金、少子化対策の社会保障4分野の改革方針を、最終報告書にまとめる。これを受けて政府はプログラム法案を策定し、今秋の臨時国会に提出する。介護の負担増については、14年の通常国会に介護保険法改正案を提出。15年度からの新たな介護保険事業計画や介護報酬改定と同時に実施する。医療では国民健康保険(国保)などの関連法改正案を15年にも提出。17年度か18年度までに国保の運営をいまの市町村から都道府県へと移す。合わせて75歳以上の高齢者医療への支援金で所得の多い大企業の健康保険組合の負担を増やす。

| 消費税増税問題::2012.8~2014.11 | 01:09 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.8.10 公職選挙法違反の超拡大解釈が目に余るが、取り締まる側に悪い目的があるだろう。(2013.8.11最終更新)
(1)選挙の常識
 佐賀県でも全く同じだが、自民党と公明党は選挙協力している。また、同じ党だったり選挙協力している党だったりすれば、政治目的が同じなのだから、衆議院議員と参議院議員が選挙で協力するのも当たり前であり、これは、協力しているのであって、悪い点は全くない。

(2)違反とされている事例について
 そのような中、*1、*2に記載されている事例について、私は、悪くもない普通のことに対し、公職選挙法を超拡大解釈して違反としていると考える。何故なら、田中良生衆議院議員は(同期なので知っているが)実直な人であり、自民党の公認候補である古川氏と、公明党公認候補である矢倉氏を、自民党の方針どおりに推薦する文書を、自らの後援会に郵送したにすぎないからだ。雇ったばかりの公設第1秘書が無許可でそのようなことをすべき動機はなく、秘書が事務所の仕事や後援会の世話をするのもまた当たり前なのであり、田中議員の事務所や秘書宅などの複数の関係先を家宅捜索した理由がわからない。何かの目的で、買収の嫌疑をかけたり、話を大きくしたりして嫌がらせをしているのかも知れないが、それならばひどい話だ。

 なお、この事例は、「法定外文書を頒布、事前運動」と書かれているが、このような場合に誰に投票するのがよいかを尋ねるであろう後援会の人(国会議員の場合は1万人以上いるのが普通)に、「家族の一人を、両方に投票させて下さい」という田中良生衆議院議員の手紙を送ったということであるため、他の人からの電話連絡ならよいが、本人の署名入りの手紙を郵送するのならいけないという理由は全くなく、受取る人にとっては、他の人からの電話より、本人の署名入りの手紙の方がよほど価値がある筈だ。

(3)公職選挙法の憲法違反にあたる条文は変えるべきである
 なお、公職選挙法では、142条で、法定外の文書図画(書面やチラシ)を頒布してはならないと定めているが、候補者でない人が何を配ろうと、事実無根の誹謗中傷でない限り、自由であろう。そして、チラシの頒布を禁止すれば、むしろ憲法の言論の自由・表現の自由に反する。

 また、候補者は、「法定文書でも集会以外では頒布してはならず、新聞折込のみ可能」とされているが、これは、大きな集会を開けるベテラン候補者に有利であり、その他の議員候補者にとっては、公職選挙法の規定が憲法の言論の自由・表現の自由に反し、多くの人に情報開示や連絡を行うことを不可能にしている。そのため、前時代的な動機を想定して作られたこの公職選挙法の条文を、新時代の議員に無理矢理当てはめて罰することやその罪を秘書に転嫁することは、本当の民主主義を害すると考える。従って、公職選挙法は、その条文の合理性を見直すべきであるし、もちろん、現在の運用の仕方もご都合主義であり、悪い。

(4)小沢氏の事件も、不正で汚れた感じをなすり付けるためのものだった
 石川議員が録音していたので取り調べの内容と捜査報告書が異なり、捜査報告書が虚偽だったことが明らかになったが、小沢議員や石川議員の事件も、*3のとおり変だった。しかし、このブログの2012.12.17に記載した通り、これに対してメディアは、事実とは異なる理不尽な報道を繰り返し、日本の進路を変えた上、その行為を総括していないため、メディアの体質も問われる。

*1:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2529062.article.html
(佐賀新聞 2013年8月8日) 田中良生議員の秘書を書類送検へ / 自民、公選法違反容疑
 参院選公示前に投票を依頼する文書を郵送したとして、埼玉県警は公選法違反(法定外文書頒布、事前運動)の疑いで、自民党の田中良生衆院議員(埼玉15区)の公設第1秘書の男性(38)を、9日にも書類送検する方針を固めたことが8日、捜査関係者への取材で分かった。参院選埼玉選挙区では、自民党が公認候補の古川俊治氏とともに、公明党の矢倉克夫氏を推薦する異例の協力関係を結んで2人とも当選しており、依頼には次期衆院選で公明党の支援を得る狙いがあったとみられる。県警は7月22日、田中議員の事務所や秘書宅など複数の関係先を家宅捜索した。

*2:http://www.47news.jp/CN/201308/CN2013080801002071.html
(共同通信 2013/8/8) 田中良生議員の秘書を書類送検へ 自民、公選法違反容疑
 参院選公示前に投票を依頼する文書を郵送したとして、埼玉県警は公選法違反(法定外文書頒布、事前運動)の疑いで、自民党の田中良生衆院議員(埼玉15区)の公設第1秘書の男性(38)を、9日にも書類送検する方針を固めたことが8日、捜査関係者への取材で分かった。参院選埼玉選挙区では、自民党が公認候補の古川俊治氏とともに、公明党の矢倉克夫氏を推薦する異例の協力関係を結んで2人とも当選しており、依頼には次期衆院選で公明党の支援を得る狙いがあったとみられる。県警は7月22日、田中議員の事務所や秘書宅など複数の関係先を家宅捜索した。

*3:http://373news.com/_column/syasetu.php?ym=201308&storyid=50470
(南日本新聞2013.8.11) [特捜検事不起訴] 十分な捜査をしたのか
 陸山会事件の虚偽捜査報告書問題で、検察審査会が「不起訴不当」と議決した東京地検の元特捜検事(辞職)について、最高検は嫌疑不十分として再び不起訴処分とした。検審は、昨年の1度目の不起訴に至る捜査を「不十分」と厳しく指摘していたが、2度目の議決も強制起訴に進む可能性がある「起訴相当」議決ではなかったため、これで捜査は終了した。だが、最高検による再捜査は、報告書に虚偽の供述を記載された石川知裕元衆議院議員の参考人聴取を、本人が録音を希望したことを理由に中止するなど、十分に行われた様子はない。検察が組織防衛を優先させ、早期の幕引きを図ったと言われても仕方あるまい。元特捜検事による虚偽の捜査報告書は、陸山会事件で小沢一郎元民主党代表(現・生活の党代表)が不起訴となったことに対する検審の「起訴相当」議決を受けて行われた捜査で作成された。小沢氏の起訴を断念した東京地検特捜部が、小沢氏の関与をにおわせる報告書を作り、検審に「宿願」を託したのでは、との疑念は当初からあった。それだけに身内を捜査する最高検には動機とその背景の解明が求められていた。最高検は、再捜査では元検事の釈明にうそがないか確認することに重点を置き、「できる限りのことをした」と説明した。だが、結局は「以前の聴取と混同した」という元特捜検事の供述をうのみにした格好で、不起訴の判断に疑問が出てくるのは当然だ。
 多くの特捜経験者が「特捜検事が混同することはあり得ない」と口をそろえ、「特捜では『こういう調書を取れ』と指示された」という複数の体験談もある。上司の指示や期待に応える内容を、故意に報告書に盛り込んだと考えるのが自然だろう。元特捜検事が起訴されれば、この検事が作成した他の事件の調書の信用性に疑問が生じ、政治資金規正法違反の罪で有罪判決を受け、上告している石川元議員の事件への影響が懸念される。検察は大阪地検特捜部の不祥事などで信頼を失っており、最高検がさらなるダメージは避けたいと考えたとしてもおかしくない。今回の問題を刑事告発した市民団体は、元検事らを対象に新たな刑事告発を検討しているという。虚偽の捜査報告書は、検審が小沢氏の強制起訴を決めた根拠にもなった重大な事案である。検察自身の公正さが問われ、身内の調査に不透明さが残る以上、受理された場合の捜査には、第三者機関による検証や監視を求めたい。

| 民主主義・選挙・その他::警察が勝手な拡大解釈を行った運動員の逮捕事件 | 01:33 PM | comments (x) | trackback (x) |

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