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2012.9.30 環境税の価格転嫁による販売減より、消費税増税による販売減の悪影響の方がずっと大きいこと
 *1のように、佐賀新聞が、2012年9月28日に「環境税10月から課税 価格転嫁で販売減も」という記事を書いていますが、第一に、環境税の価格転嫁による販売減より消費税増税による販売減の方がずっと大きいのです。第二に、消費税はすべての製品やサービスの販売にかかるので問題なのですが、環境税は環境に負荷をかける製品にかかるものであるため、それは販売減した方がよいものなのです。

 つまり、環境税は、経済学でいうところの外部経済(無料で環境に負荷をかけ、他人の金で後始末させること)を内部化(環境に負荷をかけた人から金をとって後始末したり、負荷をかけさせないようにすること)するものであるため、むしろよいのです。本当は、環境に害を及ぼす核燃料にも大きな環境税をかけるべきで、そのための代替エネルギーやハイブリッド車・電気自動車・燃料電池車・ゼロエミッション住宅などは、すでに実用化されています。もう15年以上待って今に至っているので、いつまでもブツブツ愚痴ばかり言わないようにすべきです。

 なお、*2のように、消費増税の成立報道で正論を示したのは地方ブロック紙3社のみで、佐賀新聞は、環境税課税のみで価格転嫁による販売減がよくないかのように書いているわけです。環境を守るという意識が低すぎると思います。

*1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2297509.article.html 
(佐賀新聞 2012年9月28日) 環境税10月から課税 価格転嫁で販売減も
 地球温暖化対策税(環境税)の課税が10月1日から始まる。ガソリンなど石油製品が1リットル当たり25銭、天然ガスは1キロ当たり26銭の増税となる。ガソリン価格の値上がりなどが懸念されるが、折からの節約志向もあり、佐賀県内のガソリンスタンド(GS)や都市ガス業者は、価格転嫁による値上げはさらなる販売減少を招きかねないと対応に頭を悩ませている。 武雄市と佐賀市で計八つのGSを経営する木寺石油の木寺洋信社長は「(増税のタイミングで)値上げする考えはない」と話す。ただ、元売りからは課税された製品が卸された段階で請求が増える見込みで、来月からの増税分で月額30万~40万円程度の負担が増すとみている。原油価格の動向も含め「全体としての収支が厳しくなれば、価格転嫁もやむを得ない」と話した。ガソリンなどの石油製品の小売りは、1リットル当たりの単価を1円単位で請求する場合が多いため、1円の値上げは便乗値上げとの批判を招きかねない。県石油商業組合の光武繁専務理事は「増税分はGSがかぶるしかない。経営は厳しくなる一方」と危ぐする。
 天然ガスを原料とする都市ガスを扱う県内の4事業者は、いずれも西部ガス(福岡市)から仕入れているため、対応は「西部ガス次第」(佐賀ガス)となる。西部ガスは「増税分を価格転嫁するかどうかも含めて検討中」とし、方針決定の時期も「未定」という。 佐賀ガス(佐賀市)は「2016年度までに段階的に増税される状況や液化天然ガス(LNG)の高騰傾向を見れば、価格への転嫁は避けられない」。課税される10月1日以降の輸入化石燃料が出回るのが12月前後とみられ、「値上げする場合は年明け以降になるのでは」との見方を示す。 唐津ガス(唐津市)は値上げする場合の幅について「試算していないので明確なことは言えない」と前置きした上で、「増税分だけとすれば銭単位の値上げになる見通し」と話す。
 ただ、値上げをすると、消費を抑制する力も働く。佐賀ガスの担当者は「節電意識の浸透が、ガス利用にも広がり、『この際、節ガスも』となると経営に打撃を与える」と心配する。

*2:http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-dcfd.html
(植草一秀 2012年8月11日) 消費増税法成立報道で正論示したのは地方ブロック紙3社のみ
(ポイント)消費増税法案が国会で可決され、成立したが、これがこの問題の最終決定でないことを主権者国民は明確に把握しておく必要がある。消費増税を含む抜本的な税制改革を実施する場合には、必ずその前に総選挙で国民の意思を問うというのが、政府が表明してきた考え方である。これは、民主党の総選挙公約を覆して消費増税提案を示した菅直人氏が明示した方針である。菅直人氏が提示した消費増税路線をそのまま引き継いだのが野田佳彦氏である。ただ、この野田佳彦氏自身が2009年8月総選挙に際して、「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」ことを高らかに宣言した張本人であることは、かなり多くの主権者国民が知るところになっている。
 主権者国民は民主党のこの公約を踏まえて民主党に政権を委ねた。国民との約束は「シロアリ退治なき消費増税はやらない」というものである。ところが、野田佳彦氏が強引に推進している政策は、「シロアリ退治なき消費増税」そのものである。みんなの党の小野次郎氏も参議院本会議で、「国民を欺罔して政権を詐取したと指弾されても、どうにも弁解できない」と指摘した。野田佳彦民主党は主権者である国民を騙し、野党の自民党、公明党と結託して巨大な消費増税を実施する法律を可決させた。その一方で、財務省、経産省をはじめとする霞が関官僚機構の巨大な天下り利権には、一切手を入れる気配さえ示さない。岡田克也氏に至っては、経産省から電力会社への天下りについて、「公務員が民間企業に就職するなというのは暴論」と述べるなど、問題の本質をすり替えて逆切れするありさまである。主権者国民は2009年8月総選挙、2010年参院選で、いずれも明確に消費増税を否定した。これが民意である。民自公密室談合大政翼賛勢力がいま強引に推進している政策は、主権者国民の意思を踏みにじるものであり、現段階ではまったく正統性を有しない。消費増税法が正統性を持つには、総選挙で主権者国民がこれを肯定することが不可欠である。つまり、総選挙で民意が確認されるまでは、消費増税法には正式免許は出されていない状態なのだ。仮免許状態であることを忘れてならない。消費増税法の国会での成立を各紙が伝えているが、マスメディア16社のなかでまともな社説を掲げたのは地方ブロック紙3社のみである。
    北海道新聞:「消費増税法が成立 国民欺く理念なき改革」
    東京新聞:「消費税増税法が成立 「代議」機能せぬ危機」
    西日本新聞:「一体改革法成立 潔く国民の審判を受けよ」
 次の総選挙で主権者国民がこの増税を肯定して初めて正統性を持つことになる消費増税を既成事実化しないことが絶対に必要だ。

| 環境::2011.8~2012.9 | 11:53 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.9.30 何故、中国が1970年頃から尖閣諸島の領有権を主張し始めたのかわかりました。日本は、これも含めて論理的に主張すべきです。
                  (*1より) 
    領海(12海里)、接続水域(12海里)、排他的経済水域(200海里)、大陸棚、公海の関係

 *1のように、200海里の排他的経済水域内では、その国に水産資源・鉱物資源に関する権利があり、航行、上空飛行、海底電線・海底パイプラインの敷設が、独占的にできます。

 この排他的経済水域は、*2のように、1967年の第二次国連海洋法会議でマルタ共和国の国連大使パルドー博士が提唱し、1982年のジャマイカ、モンテゴ・ベイの第3次国際連合海洋法会議で作成されて、1982年11月10日に国連総会で採択された条約で規定されたのです。そして、1994年11月16日に発効しています。そのため、中国は、1970年頃から、尖閣諸島が自国の領土でなければならないという必要性を感じ、領有権を主張し始めたのでしょう。

 日本は、1983年に署名し、1996年に94番目の批准国となり、現在でも、尖閣諸島は手付かずで維持管理しようと言っているわけです。つまり、自国の利益になる事の重要性がわかっておらず、全くアクションが遅いわけです。この条約には、もちろん中国も批准しており、日本より早くから入っています。

*1:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8E%92%E4%BB%96%E7%9A%84%E7%B5%8C%E6%B8%88%E6%B0%B4%E5%9F%9F 排他的経済水域
(ポイント)排他的経済水域(exclusive economic zone; EEZ)とは、国連海洋法条約に基づいて設定される経済的な主権がおよぶ水域のことを指す。沿岸国は国連海洋法条約に基づいた国内法を制定することで自国の沿岸から200海里(約370km<1海里=1,852m>)の範囲内の水産資源および鉱物資源などの非生物資源の探査と開発に関する権利を得られる。その代わりに、資源の管理や海洋汚染防止の義務を負う。排他的経済水域において全ての国は、以下のことを行うことができる。
 航行、上空飛行、海底電線・海底パイプラインの敷設

*2:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E6%B4%8B%E6%B3%95%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%80%A3%E5%90%88%E6%9D%A1%E7%B4%84 海洋法に関する国際連合条約
<概要>海洋資源開発などの権利に加え、平和利用や環境保全など義務を規定。1967年の第二次国連海洋法会議でマルタ共和国の国連大使パルドー博士が提唱し、1982年のジャマイカのモンテゴ・ベイの第3次国際連合海洋法会議で作成され国連総会で採択された条約で、1994年11月16日に発効した。日本は1983年に署名し1996年に94番目の批准国となった。基本思想は「海は全人類のものであり国家は海洋に関して人類に対する義務を有する」というもので12海里の領海、国際海峡、200海里の排他的経済水域、その外側の公海を規定し大陸棚の限界、閉鎖海、深海底、海洋環境の保護、海洋の科学的調査、紛争の手続も含む包括的内容で世界の海の憲法と呼ばれている。日本でも発効に対応するため多数の関連立法、法律改正が行われた。なお、本条約に基づき、国際海洋法裁判所が設置されている。 
<採択>1982年11月10日
<条約発効>1994年11月16日
<批准国162カ国) アルバニア, アルジェリア, アンゴラ, アンティグア・バーブーダ, アルゼンチン, アルメニア, オーストラリア, オーストリア, バハマ, バーレーン, バングラデシュ, バルバトス, ベルギー, ベリーズ, ベニン, ボリビア, ボスニア・ヘルツェゴビナ, モンテネグロ, ボツワナ, ブラジル, ブルネイ, ブルガリア, ブルキナファソ, ビルマ, カメルーン, カナダ, カーボベルデ, チリ, 中国, コモロ諸島, コンゴ, クック諸島, コスタリカ, コートジボワール, クロアチア, キューバ, キプロス, チェコ, デンマーク, ジブチ, ドミニカ国, エジプト, 赤道ギニア, エストニア, 欧州連合, フィジー, フィンランド, フランス, ガボン, ガンビア, グルジア, ドイツ, ガーナ, イギリス, グレナダ, グアテマラ, ギニア, ギニアビサウ, ガイアナ, ハイチ, ホンジュラス, ハンガリー, アイスランド, インド, インドネシア, イラク, アイルランド, イタリア, ジャマイカ, 日本, ヨルダン, ケニア, キリバス, 韓国, クウェート, ラオス, ラトビア, レバノン, リトアニア, ルクセンブルク, マケドニア共和国, マダガスカル, マレーシア, モルディブ, マリ, マルタ, マーシャル諸島, モーリタニア, モーリシャス, メキシコ, ミクロネシア連邦, モナコ, モンゴル, モザンビーク, ナミビア, ナウル, ネパール, オランダ, ニュージーランド, ニカラグア, ナイジェリア, ノルウェー, オマーン, パキスタン, パラオ, パナマ, パプアニューギニア, パラグアイ, フィリピン, ポーランド, ポルトガル, カタール, ルーマニア, ロシア, セントクリストファー・ネイビス, セントルシア, セントビンセントおよびグレナディーン諸島, サモア, サントメ・プリンシペ, サウジアラビア, セネガル, セルビア, セーシェル, シエラレオネ, シンガポール, スロバキア, スロベニア, ソロモン諸島, ソマリア, 南アフリカ, スペイン, スリランカ, スーダン, スリナム, スウェーデン, タンザニア, トーゴ, トンガ, トリニダード・トバゴ, チュニジア, ツバル, ウガンダ, ウクライナ, イギリス, ウルグアイ, バヌアツ, ベトナム, イエメン, ザンビア, ジンバブエ, ベラルーシ, チャド, コンゴ, ドミニカ共和国, レソト, リベリア, マラウイ, モロッコ, ニウエ, スイス, モルドバ, タイ

| 資源・エネルギー::2012.9~2013.3 | 02:03 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.9.29 尖閣諸島問題で日本のメディアは、要するに何を言いたいのでしょうか?
            
       28日付の米ニューヨーク・タイムズ紙などに掲載された
       中国が沖縄県・尖閣諸島の領有権を主張する新聞広告 

 中国は、何十年もかけて尖閣諸島付近を領有する準備をしており、「今が勝負の時」と認識して、国際世論を味方につけるために、*1の写真のように米ニューヨーク・タイムズ紙などに、中国が「釣魚島(沖縄県・尖閣諸島の中国名)は中国領」と題する広告を掲載しているのに、NHKの解説委員は、2012.9.29の「ニュース深読み」で、*2のように「中国についていえば、いまあんまりそんな過熱していないですよ」「尖閣に関してはね、早く解決することだけが解決法じゃない、解決しないということも解決法なんだと私は思います」などと発言しました。

 もちろん、歴史的事実を国民に知らせることは大切ですが、「尖閣諸島問題は、しばらく棚上げした後、中国に譲れ」という主張でしょうか? この論調ではそうしかなりませんので、NHKは、原発の事故時はじめ、いつものとおり、のん気でぬるま湯な発言です。これでは、経済や戦争だけではなく、外交でも負けるでしょう。

 なお、 NHK解説委員は、「当時は、中国は石油の輸出国です。いまのような状態だったら、石油はほしいから、いうかもしれないんですけれども、当時はそうじゃないんですね」とも言っていますが、中国は、人口10億人の経済を賄うために、春暁ガス田(日本名:しらかばガス田)付近も探査してすでに採掘しています。その時のことしか考えずにたかをくくっているのは、日本政府だけではないでしょうか。

 また、*3の「中国各地で起きた反日デモは、中国の現政権への批判でもある」というような論調は日本国内でよく見かけますが、これは、反日感情を中国の政権や中国経済の不備のせいにすり替えており、中国を馬鹿にしていると思います。もし逆の立場だったら、「大国の自信と不安で反日を利用しているなんて勝手な想像だ。中国の内政のことは『いらん世話』だから、自らの過去を反省しろ」と思うのではないでしょうか。

 その上、*1に書かれているように、駐米大使が記者会見で、まともに「日中間で大きな問題になっている時に誤解を与える。看過できない」と語っている時に、世界が注目するNHKや朝日新聞が、*2、*3のような報道をすれば、抗議した大使は立場がなく、2階に上がってはしごをはずされた状況でしょう。

*1:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012092900107 
(時事ドットコム 2012/9/29) 「尖閣、日本が強奪」と全面広告=中国紙が米有力紙に掲載
【ワシントン時事】28日付の米紙ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストに、「釣魚島(沖縄県・尖閣諸島の中国名)は中国領」と題する広告が掲載された。広告主は中国の英字紙チャイナ・デーリー。同諸島は「いにしえより中国固有の領土であり、争いの余地なく主権を有する」と主張し、「日本が強奪した」と非難している。広告は、タイムズ紙は見開きの2ページを全て、ポスト紙は大部分を使い、尖閣諸島のカラー写真を掲載。1403年の文書に島の存在が記録され、明の時代(1368~1644年)には施政権下にあったと断定している。また、「日清戦争の結果、日本に強奪されたが、第2次世界大戦後に中国に返還された」と主張。日本政府の国有化は「中国の主権を激しく侵し、反ファシスト戦争(第2次大戦)の勝利を踏みにじるものだ」と訴えている。これを受け、在米日本大使館と在ニューヨーク総領事館はポスト、タイムズ両社にそれぞれ「事実に反する一方の主張を載せるのは不適当だ」と申し入れた。ポスト社は「広告の内容は社の立場を反映していない」と回答したという。藤崎一郎駐米大使はこの日の記者会見で、「日中間で大きな問題になっている時に誤解を与える。看過できない」と語った。

*2:http://www.nhk.or.jp/fukayomi/backnumber/120901.html 
(NHKニュース深読み 2012.9.29  NHK加藤解説委員の発言のみ転写)
〈NHK加藤解説委員〉あの、まず石油が出たからあそこが自分のものだと中国がいったわけではなくて、中国は、もともとあそこは自分のものだといってたと、一応主張しているわけですね。明の時代からですね、ちょっとご説明すると、 中国は明の時代からですね、自分たちが名前をつけたんだと、だから自分たちのものだといっていたんですけども、いっていたと主張しているわけなんですけども、ただ公式にですね、自分たちのものだといったというのが、なぜ1970年だったかというと。まず日本が1895年に、あそこが日本の領土であるということを宣言したわけですども、それは調べにいったらば、これを10年前ぐらいに調べてにいったんですね。誰もそこは住んでいない、誰のものでもないということがわかったので、それで95年にもうここはじゃあ、自分たちのものですと宣言したと、そのときに誰も反対しなかったから、ここは自分たちのものだということになったということでいってるわけですね。ところが、それに対して異議を唱えていなかったのに、1971年ごろになってですね、自分たちのものだといい出したっていうのは、それはきっとあそこに直前に国連が調べたらば、石油があった、どうもここにあるということが分かってきたんで、それでいったんだろうという風にこっちで想像していると。むこうが「あそこに石油がありますから自分たちのものです」と、いったわけじゃないんですね。当時は、中国は石油の輸出国です。いまのような状態だったら、石油はほしいから、いうかもしれないんですけれども、当時はそうじゃないんですね。で、1971年がどういう年かっていいますと、中国が国連に加盟した年なんです。それ以前は中国というのは、むしろ中国の、中国の代表としてね、まあ、国際的にあまり認められていなかった。日本も中国の代表というのは、台湾の国民党政府だといったし、アメリカもそういっていた。で、中国が国連に加盟し、そして日本との国光正常化交渉がはじまり、こういう状況になってきて初めて中国の、いまの中国が政府としての国際認知をされはじめるようになってきた、ということなんです。

〈加藤解説委員〉中国についていえば、いまあんまりそんな過熱していないですよ。それは確かにね、インターネットをみれば過激なことがたくさん書いてあります。でも、それが中国の全体の世論ではないです。実際に私もね、中国の最近出ている新聞を読みました。

〈加藤解説委員〉尖閣に関してはね、早く解決することだけが解決法じゃない、解決しないということも解決法なんだと私は思います。で、中国のことわざにこういう言葉があるんですよ。重い石を無理やり持ち上げようとすれば、ものすごく力がいるんです。でも、置いといたらば、力は何もいらないんです。という、ことわざがあるんですね。だから、何にもしないことが最善の策かもしれない。っていう、これ私、そういうのも知恵だと思いますよ。

*3:http://www.asahi.com/paper/editorial.html 
(朝日新聞社説 2012年9月29日) 日中国交40年―交流広げ、信頼立て直せ
祝賀の雰囲気はない。日中国交正常化から40周年を迎えた。だが、日本政府が尖閣諸島を所有者から買ったことに対し、領有権を主張する中国が激しい批判を続けている。中国共産党序列4位の賈慶林(チアチンリン)・全国政治協商会議主席は、訪中した日中友好団体代表らに、両国の関係を「これまでになく厳しい局面」と評した。日本でも愛読される中国の古典、論語に「四十にして惑わず」とある。ところが、同じ年月がたった日中関係は全面停滞の様相だ。日本企業は操業停止などの大きな影響を受け、さまざまな交流事業が中断した。ここまでこじれた背景には、互いの体制や文化への無知や無理解がある。野田首相は、ウラジオストクで中国の胡錦濤(フーチンタオ)国家主席と話しあった直後に尖閣諸島の購入に踏み切った。体面を重んじる中国には受け入れがたかった。中国に挑発的な石原慎太郎・東京都知事の購入計画を防ぎ、火種を取り除こうという日本政府の思惑を、「中央政府は地方政府を抑えられる」と考える中国は理解しようとしなかった。この40年の積み重ねは何だったのかと、嘆かざるを得ないような行き違いである。
■大国の自信と不安
「中国が他人に虐げられた時代は去り、二度と戻らない。」中国のメディアではこんな論調が繰り返された。列強に踏みにじられた苦い歴史の記憶にあえて触れ、愛国意識を高めた。1972年の正常化後、最初の20年は、戦争から急速に復興した日本が、途上国・中国の成長に手を貸す構図だった。関係が大きく変わり始めたのが、90年代初めだ。日本ではバブルがはじけて経済が滞り、中国は改革開放路線をひた走って急成長期に入った。2008年の世界金融危機で景気を下支えした中国は、大国としての自信を固め、10年には国内総生産(GDP)で日本を抜いた。自信は外交の強硬姿勢となった。古代ローマや大英帝国のように、新しい大国の登場は時代の地殻変動となって、周辺や先行する大国との摩擦を生んだ。だが足元の中国社会では、貧富の格差や汚職といったさまざまな矛盾が噴き出している。コネがなければ機会さえ与えられず、年間600万人近くにもなる大学卒業生の就職難は深刻だ。成長の原動力だった人口増は急速な高齢化に転じ、社会保障の不備が目立っている。先々週末、中国各地で起きた反日デモでは、毛沢東の肖像を掲げる参加者がいた。貧しくても平等だった日を懐かしむのだろう。それは現政権への批判でもある。その共産党は11月、指導部が入れ替わる党大会を開く。だが激しい人事や路線の駆け引きが繰り広げられたとされ、大会日程の発表は大幅にずれこんだ。異常な事態だ。
■「反日」利用はやめよ
日本が向きあっているのは、不安定さを抱えこんだまま大国になった中国だ。つきあい方は難しさを増しているのに、双方で関係を進める力が弱まっている。中国では市場経済で共産主義の理念が薄れた。共産党はかわりに経済成長と愛国主義で国内の団結を図った。党の原点は抗日戦争の勝利であり、愛国は反日の感情を強めた。折に触れて繰り返された反日デモの過激さは、日本の対中観を冷えこませた。中国指導者と個人的な信頼関係でつながる政治家の姿も見えない。だが、両国が重要な隣国同士だと言うことに変わりはない。グローバル化で日中の経済は相互依存を深め、切り離すことはできない関係だ。このまま対立が続けば、中国に進出した日本企業の損害は巨額となり、現地で働く中国人の雇用不安にもつながる。世界第2、第3位の経済大国の争いに世界も気をもんでいる。負の関係から抜け出すためには、中国での対日感情の改善が必要だ。中国にとっても、反日は反共産党に変わりかねない。外に敵を作り、中をまとめようとする手法は必ず行きづまる。中国は反日の政治利用をやめるべきだ。日本も、相手に実像を伝える努力が必要だ。総額3兆円超にのぼる対中円借款で、中国の成長の基盤づくりに尽くしたという事実も、中国ではほとんど知られていない。官民を問わず、人の交流をこれまで以上に厚くするしかない。
■歴史と、今を見る
そして日本は、歴史にしっかり向きあう必要がある。日中戦争は、日本が中国の国土でおこした。大勢の中国の人たちが犠牲になったのは、逃れようのない事実だ。浮ついた「愛国」は人々を豊かにしない。それは中国も日本も同じだ。歴史と今を冷徹に見つめ、立て直しを始めよう。

| 外交・防衛::2010.10~2012.12 | 12:12 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.9.23 まず、「脱原発基本法案」を通すのが、Bestでしょう。(9月24日追加:21世紀の本命、水素燃料もあるということ、9月28日追加:九州では再生可能エネルギーで早くも原発一基分!)
                    
        LNG埋蔵量                   東京新聞より、発送電分離
 左端の図のように、日本にはLNGの海底埋蔵量が多く、再生可能エネルギーによる発電技術も進んでいます。そして、中央の図のように、最近、公正取引委員会が、電力会社の地域独占を排して電力の自由化を達成するため、電力会社の発電・送配電・小売を分離することを提言しました。これによれば、電力会社は発電会社、送配電会社、小売会社に分かれることになるため、既存の電力会社は、送配電子会社と小売子会社の売却収入で、原発の廃炉費用を賄うことができます。また、右端の図は、生協が必要な電力をまとめて安く買い、一般家庭に小売りする事例です。この方法を使えば、何で発電した電力をいくらで買うか、消費者が決定することが可能になります。

 そのような中、*1のように、中小野党による超党派の議員グループが、2012年9月7日に、将来の原発ゼロを目指す「脱原発基本法案」を衆議院に共同提出し、これには、原発の立地地域や周辺の経済への影響に適切な対策を講じることも盛り込まれています。そのため、与野党協力してこれを通し、この機会に、玄海町などの原発立地地域を原発に頼らなくてすむ町にするのが、皆のためになると思います。

 そのため、*2の佐賀県民世論調査は、だいたい妥当な結果だと思いますが、20代は原発再稼働に賛成46・8%、反対31・9%で、唯一賛成が多かったとのことで、気にかかりました。しかし、これは、ゆとり教育で、物理や生物の知識が少なくなっていることに加え、「原子力は安全」とする副読本で誤った教育をしてきた結果ではないでしょうか。教育は、一般常識を作り、人材や労働者の質を決めて産業を振興させたり衰退させたりもするため、大変重要であり、すべての基になると言っても過言ではありません。

*1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012090702000223.html 
(東京新聞 2012年9月7日) 脱原発基本法案を提出 全国ネットが作成
 中小野党による超党派の議員グループは七日、将来の原発ゼロを目指す「脱原発基本法案」を衆議院に共同提出した。今国会は八日に会期末を迎え、継続審議となる見通し。ノーベル賞作家の大江健三郎さんらが代表世話人を務める市民グループ「脱原発法制定全国ネットワーク」が原案を作成。議員グループが微修正を加え、提出した。基本法案は「二〇二五年三月十一日までのできるだけ早い時期に実現させる」とした。最新の科学的知見に基づく災害防止基準に適合しなければ、原発の運転を認めないことや、再生可能エネルギーの拡大、原発の立地地域や周辺の経済への影響に適切な対策を講じることが盛り込まれている。

*2:http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2292240.article.html 
(佐賀新聞 2012年9月23日) 玄海原発再稼働、「反対」44% 「賛成」上回る
 原子力行政を取り巻く情勢が揺れ動く中、佐賀新聞社の県民世論調査では、玄海原発再稼働について「賛成」30・3%、「反対」44・2%で、反対が13・9ポイント上回った。将来的な原発の比率では「減らして維持」といった“維持派”は45・2%、「即座にゼロ」などの“廃炉派”は47・3%で拮抗(きっこう)。福島第1原発事故を踏まえ、地元の原発再稼働には反対が多い一方、電力供給などの問題もあり、将来的な原発利用については意見が分かれた。 性別で見ると、玄海原発の再稼働について、女性は賛成23・3%、反対46・3%に対し、男性はそれぞれ38・5%、41・7%だった。年齢別では30~70代以上の各年代で反対が賛成を8・3~24・3ポイント上回ったが、20代は賛成46・8%、反対31・9%で唯一、賛成が多かった。将来的な原発比率では、50~70代以上は「今より増やす」「現状維持」「減らして維持」の維持派より、「即座にゼロ」「30年代より早くゼロ」「30年代までにゼロ」「もっと時間をかけてゼロ」の廃炉派が多かった一方で、20~40代は維持派が過半数を占め、若い世代ほど原発が必要と考えている傾向が表れた。玄海原発が立地・隣接する唐津市と東松浦郡では再稼働に賛成が36・1%、反対が45・4%で、県全体に比べて賛成がやや多かった。原子力防災対策重点地域が原発の半径8~10キロ圏から30キロ圏に拡大するのに伴い、市全域が30キロ圏内に入る伊万里市は賛成30・0%、反対57・5%。将来的な原発の比率については唐津市、東松浦郡は廃炉派が59・8%で、県全体より12・5ポイント高かった。 


PS(9月24日追加):下のような水素燃料もあり、これが21世紀の本命です。それは、燃焼した後に水しか出ず、クリーンでパワーがあり、日本国内でも、いろいろな方法で、容易に作れるからです。

*3:http://sankei.jp.msn.com/region/news/120924/kng12092419000006-n1.htm 
(産経ニュース 2012.9.24) 水素エネルギー普及へ勉強会 神奈川県
 水素エネルギーの普及に向けて関連企業と意見交換するため、神奈川県が設置した「水素エネルギー社会を目指す勉強会」の初会合が24日開かれ、石油・ガス関係企業や自動車メーカーなどが参加した。水素エネルギー技術では、水素と酸素で走る「究極のエコカー」とされる燃料電池自動車(FCV)の普及に自動車、エネルギー業界が足並みをそろえており、自動車大手3社が平成27年の量産車販売を目標に掲げている。国も水素の取り扱いに関する規制の再点検などを進めている。実用化段階に入りつつある中、県内に水素を製造、供給できる製油所や製鉄所が集中していることから、県は規制緩和などについて意見交換した上で、太陽光発電の普及を柱とする県のスマートエネルギー構想に反映できるか検討する。


PS(9月28日追加):2012年7月に始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度で、すでに原発1基分の出力が確保されましたが、やはり送配電分離をしなければ、新規参入企業に余計な負担がかかります。電力会社は、再生可能エネルギーの実力を過小評価する傾向にありますが、まだまだこれからでしょう。そのほか、投資ファンドやリース会社が個人等の家の屋根を借りて太陽光発電を行い、販売するスキームなども考えられます。

http://kumanichi.com/news/local/main/20120926002.shtml 
(くまにちコム 2012年9月26日) 再生エネ、原発1基分 九電買い取り申し込み
(ポイント)2012年7月に始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を受け、九州電力(福岡市)に太陽光などの買い取り・接続を申し込んだ件数(50キロワット以上)が8月末現在で約260件、総出力で計83万キロワットに上っていることが25日、分かった。総出力は原発1基分に相当、国が予想する初年度の再生可能エネルギー導入量(250万キロワット)の約3分の1に当たる。九電は「買い取り価格や日射量などの好条件が後押ししている」と分析。「当初予想を上回る勢い」(経済産業省新エネルギー対策課)で再生可能エネルギー事業への異業種参入が進んでいる。異業種が発電事業に参入する場合、九電の送電線への接続工事や費用などの協議が必要で、その後、国が買い取り制度の対象施設として認定する仕組み。8月末までに経産省が認めた九州7県の発電施設(10キロワット以上)は762件、総出力約18万キロワット(家庭分除く)。県内では、熊本製粉や東京エレクトロンなど145件、1万4千キロワットに達している。九州経済産業局では9月に入ってからも、1日50~70件程度の申し込みがあっているという。新たに加わる再生可能エネルギーの供給力について、九電は「夏の最大電力使用時にプラスとなるが、気象条件に左右されるため(原子力や火力など)他の設備と同様には見込めない」と慎重な見方を示している。九州大大学院の古山通久教授(次世代エネルギー技術)は「天候の影響が大きい再生可能エネルギーを活用するためには、西日本全域で再生エネの電力を融通し、調整する体制づくりを同時並行で進める必要がある」と指摘している。

| 資源・エネルギー::2011.8~2012.9 | 02:12 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.9.26 少数の雇用を守るために、原発事故の重大な危険や使用済核燃料の10万年にも及ぶ未来への管理を押し付ける権利のある人はいない。代替案を考えるべきだ。
 *1のように、「原発がゼロになると玄海町の旅館が全滅し災禍である」という論調が出てきた。しかし、*2、*3を見ればわかるように、原発は事故が起こった時の生物に対する影響が大きく、それは、人間が一時的に避難すれば足りるという性格のものではない。

 また、今まで満室だった旅館やビジネスホテルは、原発の定期検査によるものであり、これは電気料金として消費者が支払っていたもので、他の発電方法ならかからないものである。そして、原発の危険性は、本当は福島原発事故が起こる前からわかっていたことだが、事故が起こるまでは、このように雇用や電力供給を理由に反論されると、強く主張することが難しかったのである。

 そのため、*4のように、今が、原発から他のエネルギーへの転換を行うチャンスだ。玄海町は、風光明媚なリアス式海岸が広がり、良好な釣り場が多く、農業・漁業が盛んで、元寇が襲来して最近元寇船が発見された鷹島に近い場所である。また、玄海町を通って、伊万里市、松浦市まで筑肥線を複線で延長すれば、九州一の繁華街である福岡市中心部のベッドタウンにもなりうる距離なので、21世紀の現在としては、こちらを進めて素敵な街づくりをしてもらいたい。

*1:http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120924/dst12092408470003-n1.htm (産経新聞 2012.9.24) 「原発ゼロ」がもたらす災禍 困窮する玄海町「近いうちに旅館は全滅…」 
(ポイント)九州電力の主力発電所である玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)は、玄界灘に突き出た巨大な岩盤の上にその威容を誇る。周囲には風光明媚(ふうこうめいび)なリアス式海岸が広がり、良好な釣り場も多い。だが、原発の入り口となる国道204号沿いに軒を連ねるホテルや旅館は閑散としていた。「3月頃まではどこもほぼ満室で地元の方々に手伝ってもらっても手が足りないほどだったんですが…」。家族3人と従業員2人で旅館とビジネスホテルを切り盛りしてきた小豆朋行さん(53)は、真っ白な宿泊客帳簿をめくりながらため息をついた。町内の宿泊施設16軒すべてが同じような経営危機に陥っているという。原子炉は通常、13カ月間連続運転し、運転停止後に2~3カ月間の定期検査を義務づけられる。4基の原子炉を有する玄海原発では、年の半分はいずれか1基が常に定期検査を行ってきた。これに伴う技術者や臨時作業員は1基につき約1千人。遠方からきた作業員らは当然近くに宿泊する。だからこそ特別な名所もなければ行楽地もない人口6400人の町で16軒の宿泊施設が経営を続けることができたのだ。

*2:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012092202000122.html (東京新聞 2012年9月22日) 事故翌日 双葉町1590マイクロシーベルト
(ポイント)福島県が21日、東京電力福島第一原発事故が起きた2011年3月11日から同31日までの、放射性物質の飛散状況をモニタリングポストで観測した結果を公表した。空間放射線量の最大値は、原発から北西に約5.6キロの双葉町上羽鳥で、12日午後三時に毎時1590マイクロシーベルトを記録した。県によると、原発の敷地外ではこれまでで最も高い。一般の人の被ばく線量限度は年間一ミリシーベルト(1000マイクロシーベルト)で、これを一時間で超える数値。事故の状況が悪化する中、1号機では12日午前に格納容器の圧力を下げるための蒸気排出(ベント)作業を開始。午後2時半ごろ、格納容器の圧力が低下し、午後3時36分ごろ水素爆発した。1590マイクロシーベルトを記録したのは爆発の前で、県は「爆発の前から放射性物質が漏れ出していたと考えられ、風向きが影響した可能性がある」としている。福島県は原発周辺25カ所のモニタリングポストについて、震災や津波で通信回線が途絶えたり、電源喪失したりした箇所があったため、データの回収を進めていた。

*3:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012092101001221.html (東京新聞 2012年9月21日) 福島県大熊町「5年間帰らない」 議会が決定、苦渋の決断と町長
 福島県大熊町議会は21日、東京電力福島第1原発事故で役場機能を移した同県会津若松市で9月議会本会議を開き「5年間は帰町しない」とした町の第1次復興計画案を可決した。福島第1原発がある大熊町は、町民約95%が住む地域が長期避難を余儀なくされる「帰還困難区域」に再編される見通し。残された地域だけでは生活が成り立たないとして「5年間は帰町しない」と明記した。区域再編は10月以降になる見通し。渡辺利綱町長は議会終了後の取材に「苦渋の決断をせざるを得なかった。5年間は帰るための環境整備に努める」と述べた。 (共同)

*4:http://www.saga-s.co.jp/news/ronsetu.0.2292250.article.html 
(佐賀新聞 2012年9月23日) エネルギー政策 原発ゼロは夢想か
 政府が打ち出した「2030年代に原発ゼロ」を目指す方針が早くも揺らいでいる。目標を掲げた新たなエネルギー戦略が多くの矛盾をはらんだ“生煮え”で、原発維持派、脱原発派双方から批判にさらされ、関係自治体や欧米の反発、懸念も招いている。財界を中心に非現実的と根強い反対があるが、果たして「原発ゼロ」は夢想にすぎないのだろうか。問題の解決を先送りしないと明言した野田佳彦首相の決意と覚悟が、今こそ問われている。政府は新戦略の公表5日後の19日、今後のエネルギー・環境政策について閣議決定した。そこには「2030年代に原発ゼロ」や「原発に依存しない社会」という文言は見あたらず、「新戦略を踏まえて」という表現にとどまった。新戦略自体が参考文書扱いというのでは、首相が「骨抜き」批判に反論しても、いかにも後退した印象だ。さらには「柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら遂行する」という“霞が関文学”であいまいさを助長させている。前倒しで積極的に進めることも、逆に先送りや後退させることも「見直し」には違いなく、どちらへ進むかが不透明なのだ。エネルギー政策は日本の将来を左右する、重大な政策である。大転換にあたり、閣議決定の表現が弱められたのは、関係自治体や原子力協定を結んでいる米国などに配慮した結果とみられる。だが、政府がここでふらついていては、甚だ心もとない。
 玄海原発(東松浦郡玄海町)を抱える佐賀県の古川知事は政府方針を受け入れるつもりだが、「国として決めたはずのものが揺らいでいる。何をよりどころに議論していいか分からない」と困惑を隠さない。昨年、菅直人首相時に玄海の再稼働で振り回された苦い経験もあって、ぶれない明確な道筋を望むのは当然である。そもそも疑わしくしているのが新戦略の中身である。ゼロを目標に掲げる一方、原発維持が前提の核燃料サイクルを継続している。使用済み核燃料の行き場を考えれば、その方策が見いだせない中では問題の先送りにすぎない。東日本大震災後、建設を中断した原発の建設再開を容認する姿勢を示したことも新・増設を認めない原則から外れ、不信に拍車をかけた。
 原発を維持したい経済界などからは産業の空洞化や電気料金の大幅値上げ、電力供給の不安定さなど脱原発が「できない理由」が並べられた。一方で、原発を減らせば、その代替となる再生可能エネルギーの技術革新、開発が必要となる。さらには廃炉事業が当然始まる。これらは長期間にわたり関連産業の需要が約束された大きな成長分野と考えるのは安直だろうか。震災前の暮らしぶりを見直さず、経済成長のためなら、あまねくエネルギーを使い続ける。もはやそのような社会が当たり前でないことは、多くの人が肌で感じている。今後は人口減社会でもある。将来の電力需要が増え続けるとは考えにくい。それでも地震列島の日本で原発が何十基も稼働しなければならない理由は見出しにくい。野田首相は原発ゼロ実現の取り組みは「極めて困難なチャレンジであっても、先送りできない」と述べた。その言葉が総選挙目当てでないことを信じたい。

| 原発::2012.9~10 | 09:52 AM | comments (x) | trackback (x) |
2012.9.22 規制委が放射線データを公開できないのは、公開できるような値ではないからでしょう。
 放射性物質の拡散に関して風向きを考慮して予測するシステム「SPEEDI」の計算結果を使わず、やるべき時にすぐ作動するベントの仕組みにもなっておらず手動でしか動かなかったことなど、原発は、事故に対する準備や対応がまともに行われておらず、住民の健康や命を軽く見ており、土壌や海、農林水産物をも大きく汚染することが、あらためて明らかになりました。何と弁解しても、「風評被害」だと言い逃れようとしても、すでに多くの人がそれを見抜いています。

 そして、*1は、2012/9/22に初めて見た情報ですが、避難のために最も必要な2011年3月12日~20日という時期にそれを隠して住民に無用な被曝をさせ、罪の意識も感じていない人など、そもそも原発を扱う資格がありませんし、関東在住の人でもたまったものではありません。

 そして、*2のように、新しくできた原子力規制委員会は、東電福島第1原発の周辺で観測された放射線量データを公開できず、「立ち上げ準備に注力し、発足後のことに考えが回っていなかった」などと、また「想定外」と同じレベルの弁解をしていますが、人が一人しかいないわけじゃあるまいし、これで原子力規制委員会は、一寸先のことも考えられず、東電、原子力保安院の延長であることを証明したようなものです。データを公開できないのは、公開できるような値ではないからではないですか? ぷん

*1:http://www.minpo.jp/news/detail/201209223792 
(福島民報 2012/9/22) ベント作業で放射能漏れか 風向き影響の可能性
 福島県が20日公表した東日本大震災直後のモニタリング結果では、水素爆発を起こした東京電力福島第一原発の北側で昨年3月12日に、南側で15日に空間放射線量のピークを迎えていることが分かった。県は第一原発の水素爆発やベント作業、当時の風向きが影響したとみている。
空間放射線量が最大値だった双葉町上羽鳥の毎時1590マイクロシーベルトは、1号機が水素爆発する直前の12日午後3時に測定された。1号機では同日午前に原子炉の圧力を下げるためにベント作業が行われ、午後3時36分に水素爆発が起きた。県は「爆発前からベント作業などで放射性物質が漏れていたと考えられ、風向きが影響した可能性がある」としている。上羽鳥では13日午前零時に毎時100マイクロシーベルトを割り込んだ。一方、第一原発南側の富岡町夜の森では15日午前2時に毎時186マイクロシーベルトを記録した。各測定地点の空間放射線量は全体として、第一原発の北側で12日に上昇し、南側では15日ごろまで大きな変動がない。県は「当時の風向きなどと整合性がある」と分析している。昨年1月6日から90日間の積算線量では、原発敷地の境界を除いて大熊町夫沢中央台の150.62ミリシーベルトが最大だった。降下物の核種分析では大熊町大野で、1カ月間で一平方キロ当たり560万メガベクレル(メガは100万倍)のセシウム137が検出された。県は原発周辺の25カ所のモニタリングポストについて、震災で通信回線の断線や電源喪失、津波による流出があったため、データの回収を進めていた。今後、さらにデータを精査し、当時の事故や避難の状況と照らし合わせる作業を行う。

*2:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012092101001169.html 
(東京新聞 2012年9月21日) 規制委、放射線データ公開できず HP上で、発足初日から
 原子力規制委員会が東京電力福島第1原発の周辺で観測された放射線量データを、発足初日の19日からホームページで公開できていないことが21日、分かった。委託業者との契約内容に問題があったためで、規制委の事務局は「これまで立ち上げ準備に注力し、発足後のことに考えが回っていなかった」と頭を抱えている。公開できていないのは原発周辺の海水に含まれる放射性物質濃度や、陸域の放射線量データで、東電と福島県がそれぞれ測定。21日午前の時点で公開されていない。

| 原発::2012.9~10 | 04:01 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.9.16 尖閣問題は、坐して領土と宝の海を譲るつもりか。(9月20日、21日追加あり)
      
9/15に反日デモのあった主な都市(*3)  中国でのデモ(*2)   湖南省長沙、日系デパート(*3)

 日本は、国境離島によって領海が広くなっている。2012年9月14日にも書いたとおり、尖閣諸島近海には、イラクに次ぐ石油系資源が埋蔵されており、日本が採掘に成功すれば、消費税増税やインフレ政策で国民の生活を脅かすことなく、社会保障の充実・財政の健全化・文化の振興などができる。しかし、そのためには、まず、尖閣諸島が日本の領土であることを、他国に対して証明し、主張する必要がある。

 領海での資源開発のためには、私が衆議院議員であった平成19年(2007年)4月に、すでに*1の海洋基本法を制定した。そのため、この間、国として、先見の明を持って海洋資源の開発及び利用の推進をすべきだったのだ。いつまでも、ひっそりと領有しているつもりなのだろうか?

 中国はずっと、着々と領有権を主張する準備をしてきたが、わが国の方は、国民に対して「領有権に関する争いはない」という神話を流しながら、坐していただけである。領有権を主張すると、的外れの批判をしてきたメディアも、その意識を問われなければならない。「冷静」で「穏やか」に、「大局観」にたって「平和裏に」、領土と宝の海を中国に譲るわけにはいかないのだから(*4参照)。

*1:http://law.e-gov.go.jp/announce/H19HO033.html  海洋基本法 (平成十九年四月二十七日法律第三十三号)
(海洋資源の開発及び利用の推進)
第十七条  国は、海洋環境の保全並びに海洋資源の将来にわたる持続的な開発及び利用を可能とすることに配慮しつつ海洋資源の積極的な開発及び利用を推進するため、水産資源の保存及び管理、水産動植物の生育環境の保全及び改善、漁場の生産力の増進、海底又はその下に存在する石油、可燃性天然ガス、マンガン鉱、コバルト鉱等の鉱物資源の開発及び利用の推進並びにそのための体制の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。
(排他的経済水域等の開発等の推進)
第十九条  国は、排他的経済水域等(排他的経済水域及び大陸棚に関する法律(平成八年法律第七十四号)第一条第一項の排他的経済水域及び同法第二条の大陸棚をいう。以下同じ。)の開発、利用、保全等(以下「排他的経済水域等の開発等」という。)に関する取組の強化を図ることの重要性にかんがみ、海域の特性に応じた排他的経済水域等の開発等の推進、排他的経済水域等における我が国の主権的権利を侵害する行為の防止その他の排他的経済水域等の開発等の推進のために必要な措置を講ずるものとする。
(離島の保全等)
第二十六条  国は、離島が我が国の領海及び排他的経済水域等の保全、海上交通の安全の確保、海洋資源の開発及び利用、海洋環境の保全等に重要な役割を担っていることにかんがみ、離島に関し、海岸等の保全、海上交通の安全の確保並びに海洋資源の開発及び利用のための施設の整備、周辺の海域の自然環境の保全、住民の生活基盤の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。

*2:http://www.asahi.com/international/update/0912/TKY201209110859.html (朝日新聞 2012年9月12日) 尖閣問題、中国の反発拡大 軍が異例の言及関連トピックス尖閣諸島
 日本政府が沖縄県・尖閣諸島の国有化を11日に閣議決定したことを受け、中国国防省の耿雁生報道官は同日、「われわれは事態の推移をよく注視し、相応の措置を取る権利を留保する」と述べ、軍も報復措置をとる可能性を示唆した。尖閣問題について軍当局者が具体的な関与について発言するのは異例だ。耿報道官は「日本はさまざまな口実を使って軍拡をして、釣魚島(尖閣諸島)問題でいざこざを起こしてきた」と指摘。「中国の政府と軍隊の領土・主権を守る決意と意思は固く揺るぎない」と訴えた。11日付の軍機関紙・解放軍報は国有化は「第2次大戦後、中国の主権に対する最も露骨な挑戦」と批判。「今の中国は甲午戦争(日清戦争)や日本による対中侵略戦争時代の中国ではない」と牽制(けんせい)した。中国軍内の一部には、尖閣付近の海域での軍事演習の実施などを求める声がある。

*3:http://www.asahi.com/international/update/0916/TKY201209160001.html?ref=reca (朝日新聞 2012年9月16日)
 日本が尖閣諸島を国有化したことに抗議する中国各地での反日デモは15日、約50都市に広がり、日本企業の工場が焼き打ちに遭い、日系デパートの一部が破壊されるなどした。日本製品を標的にした破壊行為や不買運動も広がっている。山東省青島市の開発区内にあるパナソニックの工場にデモ隊が押し入り、放火した。関係者によると、一部が延焼した。同じ開発区にある別の日系工場も同様の被害を受けた。イオン黄島店でも、デモ隊がエレベーターやエスカレーターを破壊。関係者によると、専門店も合わせて約2億元(約24億円)分あった在庫の大半が、略奪または破壊されたという。

*4:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012091600229 
(時事ドットコム 2012/09/16) 中国、大陸棚拡張を申請へ=日本の尖閣国有化に対抗
 中国外務省は16日、東シナ海で領海の基線から200カイリを超えて延びている部分を大陸棚に設定する案を、国連海洋法条約に基づき、大陸棚限界委員会に申請すると決めたことを明らかにした。中国側は東シナ海のガス田開発などに絡み、これまでも一貫して、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)を含め、沖縄トラフまでを自国の大陸棚と主張している。同委員会は中国側から提出された情報を検討し、大陸棚拡張を認めるかどうか勧告する。日本政府の尖閣諸島国有化をめぐり、中国政府は同諸島に独自に設定した領海基線や地理座標を公表し、国連に対しても表と海図を提出した。同条約に基づく手続きを取ることで、領有権の主張を国際社会にアピールする狙いだ。


PS(9月20日、21日追加):メディアの論調でいつもおかしいと思うのは、中国政府が、*5のように公演中止や日本旅行中止をさせ、*6のように着々と日本を追い詰め、*7のように首相が欧米で説明してまわっているのに、日本のメディアは、「旅行中止が残念だ。経済的損失だ。」とインタビューで答えている人のコメントばかりを報道することである。つまり、日本のメディアは、中長期的な領土問題より現在の娯楽優先という平和ボケの状況なのだ。これでは真面目に領土問題に対応している政治家や海上保安庁がやりにくくなり、領土問題は悪い方向に進むだろう。馬鹿もいい加減にすべきだ。 ぷんすか

*5:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120919/k10015130211000.html 
 (NHK 9月19日) ユンディ・リさん 来日公演中止に
 中国で反日デモが続くなか、世界的に活躍する中国人ピアニストのユンディ・リさんの来日コンサートを予定していた音楽事務所は、中国政府からリさんに対し現在の状況に鑑み、訪日を見合わせるよう指導があったとして、19日、コンサートの中止を発表しました。ユンディ・リさんは、伝統のあるショパン国際ピアノコンクールで優勝するなど、世界的なピアニストとして知られています。リさんのコンサートは、今月22日から東京や大阪、札幌など日本各地で予定されていましたが、コンサートを運営する音楽事務所によりますと、中国で反日デモが続くなか、中国政府からリさんに対し、「現在の状況に鑑み、訪日を見合わせるように」という指導があったということです。このため、事務所は19日、コンサートの中止を発表しました。事務所は「このようなときにこそ日中間の文化交流をはかり、予定どおり来日公演を果たせるよう、交渉を続けてきましたが残念です」とコメントしています。

*6:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120920-00000039-jij-int 
(時事通信  9月20日) 尖閣「日米安保適用外を」=中国系団体が米紙に意見広告
【シカゴ時事】米中西部シカゴの中国系団体は、19日付の米紙シカゴ・トリビューンに意見広告を出し、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)は中国の領土だと主張、米政府に対し同諸島を日米安保条約の適用外とするよう訴えた。1ページの広告は、最上部に赤字で「中国の領土である釣魚島に対する日本の侵略を阻止せよ」と記載。「歴史的、地理的に中国に属する」などと主張しているほか、尖閣諸島の地図、この問題をめぐるシカゴ地域での抗議集会の様子を伝える写真2枚が掲載されている。

*7:http://www.asahi.com/international/update2/0921/TKY201209210207.html 
(朝日デジタル 2012年9月21日) 温首相「中国領土と世界は知るべき」 尖閣巡り欧州で
 欧州連合(EU)との首脳会談のためベルギーを訪れている中国の温家宝(ウェンチアパオ)首相は20日、現地の中国系住民との集会で、「全世界は釣魚島(尖閣諸島の中国呼称)が中国の固有の領土であることを知るべきだ」と述べた。

| 資源・エネルギー::2011.8~2012.9 | 06:08 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.9.18 日本は資源国になれるのに、何故、資源国にならないという選択をするのか?
*1:http://www.teikokushoin.co.jp/statistics/map/index17.html 
(帝国書院統計地図 エネルギー・鉱産資源)  天然ガスの生産トップ10と日本の輸入先

  

           天然ガス生産のトップ10国             日本の天然ガス輸入先

 わが国は、資源がないので製造業の加工貿易で生きると、ずっと言われてきた。そして、政府や経済産業省をはじめとする各省庁は、今でも、その前提で動いている。そのため、わが国の天然ガス自給率は3.8%であり、殆どをマレーシア、オーストラリア、インドネシア、カタール、ロシアなどから輸入している。

 しかし、採掘技術が進歩した21世紀の現在でも、本当にわが国は資源がないのかと言えば、産出国はわが国を取り巻く地域であり、*2のように尖閣諸島近海の原油の埋蔵量はイラクに匹敵するという調査もある。また、日中中間線あたりには天然ガス田があって、中国は既に採掘している。つまり、*2のように、日本の経済産業省はまともな調査をしておらず、よそから買った方が安いとたかをくくってきた結果、「わが国は資源がないので、加工貿易でしか生きられない」というパラダイムを、これまで変えることができなかったのだ。それにより、国民が汗水たらして作った国富が、資源・エネルギー代金として、大きく外国へ流出してきたのは、誰もが知っているとおりである。

 私は、尖閣諸島などの離島を基地として原油、天然ガスなどを採掘すれば、海底から採掘するよりも、環境に与える悪影響を少なくできるため、離島を活用する方向に準備してはどうかと思っている。

*2:http://freeride7.blog82.fc2.com/blog-entry-2842.html 
 尖閣諸島近海の地下資源、原油の埋蔵量はイラクに匹敵(時事ネタ、ニュース  2012-4-18)
(ポイント)以前から尖閣諸島近海に多量の原油が埋蔵されていると言われていますが、調べてみると、膨大な量の天然資源が埋蔵されていることが分かりました。
●原油の埋蔵量は1000億バレル超
 最近、東京都の石原都知事が「東京都が尖閣諸島を購入する」と発言し話題を集めています。地理的にも重要な位置にある尖閣諸島ですが、尖閣諸島近海に膨大な量な天然資源が埋蔵されているということは一般的にあまり知られていません。実際に尖閣諸島近海の天然資源について調査が行われたのは1960年代で、国連ECAFE(アジア極東経済委員会) の協力により1968年に東シナ海で海底調査が行われました。翌年の1969年に調査結果が発表され、内容は「尖閣列島周辺海域に1,000億バレルを超す原油埋蔵量がある」というものでした。1,000億バレルの埋蔵量とは、イラクやウェートに匹敵する量になります。
●調査結果
 現在の原油価格は1バレルで100ドルほどです。1,000億バレルと言うことは10兆ドル分。1ドル80円換算で808兆円。つまり808兆円を超える原油(とは別に2,000億m3の天然ガスもあるとされる)が尖閣諸島近海に眠っているということになるのですが、この埋蔵量推定(1,000億バレル)は1970年ころのものであり、日本政府が独自に調査確認はしていないようです。シフトムのコラム記事には尖閣諸島近海とは別に、日中中間線の日本側の天然資源について2004年に最新の3次元地震探査を使い調査がおこなわれたもののその埋蔵量について日本政府は公表していないと書かれています。

| 資源・エネルギー::2011.8~2012.9 | 09:08 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.9.18 低線量被曝・内部被曝に関して、初めて、まともな意見を見たが、大メディアは、北九州の震災がれき焼却開始に関する報道もせず、何をやっているのか。
 低線量被曝・内部被曝に関して、*1で、初めてまともな意見を見たような気がしました。それにもかかわらず、大メディアは、人間の健康に関するリスクについてまともな報道をせず、北九州で抵抗している市民がいることも報道すらしていません(*2)。

 なお、いくら薄めて焼却しても、総量で「62,500トン=62,500,000Kg」の瓦礫が焼却されるわけですから、最大、「100ベクレルX 62,500,000 Kg =6,250,000,000ベクレル=62億5000万ベクレル」分の放射性物質が空中に放出され、灰となって残った8,000ベクレル以下のものは埋め立て処理されることになるのです。

 瓦礫の処理方法は他にもあるにもかかわらず、何のために、このような危険なことをしなければならないのでしょうか。ここが重要なポイントです。

*1:http://www.saitama-np.co.jp/news09/16/02.html (埼玉新聞 2012年9月16日) 国会原発事故調査委員・崎山さん講演「放射線を過小評価」 浦和区
 昨年3月の東日本大震災に伴って発生した東京電力福島第1原発事故の国会事故調査委員会委員を務めた、医学博士で元放射線医学総合研究所主任研究官の崎山比早子氏を講師に招いた緊急講演会が15日、さいたま市浦和区の浦和コムナーレで行われた。第1部の講演には約150人が来場し、崎山氏が「国会事故調報告が明らかにしたこと これからなすべきこと」をテーマに講演。第2部の昼食懇談会には約50人が参加し、市民らが崎山氏にさまざまな質問や疑問をぶつけるとともに、活発に意見交換した。国会原発事故調査委員会は昨年秋、事故原因を究明し、被害軽減などの施策を提言することを目的に、各界の識者らを委員に任命して設置。今年7月に「事故は人災だった」として、東京電力や政府の対応の不備を厳しく指摘する報告書を提出している。講演で崎山氏は、がん研究の専門家として、被ばくによる危険性を解説した。「体内のDNAは、放射線が1本通っただけでも切断される。その損傷を修復するときにミスが起きると、がんになっていく。しかも、そのようなDNAの突然変異は、子孫に受け継がれる」と警告。「だが、放射線のリスクは過少評価されている」と訴えた。低線量被ばくの危険が正当に評価されなくなった理由について、崎山氏は「許容される放射線量が厳しくなると、対応する政府などの予算が増えてしまうからだろう」と指摘。その上で、昨年秋に文部科学省が発行した放射線副読本に触れ、「原発事故のことや、どれだけの地域が汚染されたかは、ほとんど書かれていない。これでは、子どもたちが自分で考える力がつくはずがない」と批判した。
 事故調は東京電力の内部資料も提出させて、原因究明などに取り組んだ。崎山氏は「東京電力にとってのリスクとは、放射能汚染ではなく、事故で原子炉が長期間停止することだと考えていたのが明らかになった」と、企業体質を糾弾。「事故当時、ほとんど機能しなかった緊急被ばくの医療体制は現在も変わっていない。それにもかかわらず、原発が再稼働されている」と強い危機感を示した。懇談会では、崎山氏と市民らが約2時間にわたって活発に議論した。県内の住民だけではなく、福島県から東京都内に避難している被災者らも参加。崎山氏は「事故調の報告書を生かすのは市民。原発再開の決断をした政治家を選挙で落選させることが、彼らの最も恐れていることではないか」と、主体的に行動するよう呼び掛けていた。

*2:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/324502 (西日本新聞 2012年9月17日) 北九州市で震災がれき焼却開始 来年度末までに最大6万2500トン 西日本初の広域処理
 東日本大震災で発生した宮城県石巻市のがれきの焼却が17日、北九州市内の3工場で始まった。がれきの広域処理は西日本で初めて。1日約110トンを焼却し、2014年3月末までに最大約6万2500トンを処理する予定。日明(ひあがり)工場周辺(小倉北区)では受け入れに反対する約30人が抗議行動をしたが、大きな混乱はなかった。北橋健治市長は同日、「安全なものを受け入れて処理するので、健康には全く影響はない。1日でも早く被災地が復興の日を迎えられるよう、着実に作業を進めたい」とのコメントを出した。
 市は同日、がれきを小倉北区の一時保管施設から日明、新門司(門司区)、皇后崎=こうがさき=(八幡西区)の3工場にトラックなどで搬入。一般ごみ9割、がれき1割の比率で混ぜて焼却を始めた。その後、焼却中の工場周辺の放射線量を測定。1時間当たり0・05~0・09マイクロシーベルトで、市は「焼却前と同レベル」とした。焼却灰は18日から、若松区の響灘西地区処分場で埋め立て処理される。市が受け入れるのは、木くずを中心とした可燃物。放射性物質濃度が、国の一般食品の基準値と同等の1キロ当たり100ベクレル以下に限定する。北九州市議会は3月、市に受け入れを求める決議を全会一致で可決。市は5月に試験焼却を実施し、市長が6月、安全性などを確認できたとして受け入れを表明していた。市は既に、焼却工場周辺などでの放射線量の測定結果を市のホームページで公表している。

| 瓦礫の広域処理 | 08:49 AM | comments (x) | trackback (x) |
2012.9.17 中国の反日デモは、国際司法裁判所や国際連合での決定まで考慮して世界にアピールするための組織的なものだが、日本は、それも想定外か。
   

    日本が主張する日中国境線           2012.9.16に中国で起こったデモ
       (朝日新聞より)                    (朝日新聞より)

 *1、*2で明らかなとおり、中国の反日デモは、日本のメディアが自慰的に述べているような不満分子の大暴れではなく、中国政府が組織した、尖閣諸島に対する領有権と実効支配を世界にアピールするための行動である。中国が尖閣諸島の領有権を主張する目的は、地下資源と漁業資源だ。そして、この案件が、国際司法裁判所や国際連合に提出された場合でも、日本人以外は皆、「尖閣諸島は、本来、中国のものだったが、日本が無理矢理、略奪したものだ」という考えを持ち、中国に有利な裁定を下すための行動が、今、進みつつあるのだ。そのため、*3のような世界でのアピールも欠かせないのである。

 日本の方は、*4のように、前任の丹羽中国大使が、公用車の国旗をもぎ取られてすぐにお祭りに出てはしゃいでいたり、後任で駐中国大使に任命された西宮氏は、任命された途端に死去するなど、情けない限りだ。つまり、体力や肝の据わり方が足りず、駐中国大使となるにふさわしくない。また、藤村官房長官の「尖閣諸島は日本の領土だ」という広報も、紙を読んでいるだけで全く眼を上げず、中国外務省の報導官と比較して、あまりにも自信がなさそうである。これでは、日本人でも、「本当にそうなのか?」と自信をなくしそうだが、現在では、放送は世界を駆け巡っていることを忘れてはならない。

 私は、もう戦後は卒業したいと考えているが、中国では反日教育が徹底しており、このような大規模な愛国・反日デモが起こる下地となっている。一方で、わが国の教育は、歴史の真実を知って必要な改善をするということもなく、「全員が悪い」式の自己批判ばかりしてきたため、こういうことになっているのではないだろうか。教育の問題も、変えなければならないポイントである。

*1:http://www.nikkei.com/article/DGXNASDE10002_Q2A910C1PP8000/ (日経新聞 2012/9/10) 中国、尖閣諸島を領海の基点に 日本に対抗措置
(ポイント)中国政府は10日、中国領海の範囲を測量する基点として沖縄県の尖閣諸島など計17カ所を指定した。中国が領海の基点として具体的な緯度や経度とともに尖閣諸島を挙げたのは初めて。日本政府が同日の関係閣僚会議で尖閣諸島の国有化方針を確認したことへの対抗措置といえる。中国は3月には尖閣諸島を含む71の島に命名しており、今回の基点への指定で尖閣諸島の領有権の主張を一層強める狙いがある。中国の国営新華社によると温家宝首相は10日、北京市内で講演し「中国が半歩すら退くことは絶対にあり得ない」と強調した。楊潔●(ち)外相も10日、丹羽宇一郎駐中国大使を中国外務省に呼んで抗議した。中国外務省は「中国の主権を侵し、国民感情を著しく傷つけた。日中関係の大局を守ることに反する行為だ」との声明を発表した。中国の程永華駐日大使は10日、外務省で佐々江賢一郎外務次官に抗議した。佐々江氏は中国側の主張に「受け入れられない」と反論した。

*2:http://news.goo.ne.jp/topstories/world/893/e99803950bde04ce1520be4c6760f379.html (朝日新聞  2012年9月16日)中国漁船、尖閣周辺へ出航準備 東シナ海の休漁明ける
 中国中央テレビによると、尖閣諸島(中国名・釣魚島)がある東シナ海の休漁期間が16日正午(日本時間午後1時)に明けた。初日は台風のため出航を見合わせたが、天候の回復を待って中国の漁船の船団が尖閣周辺に向かって出航するという。国営の同テレビは「釣魚島は中国のものだ!」のロゴを付けたニュース番組で報道。尖閣諸島周辺が中国や台湾の伝統的な漁場であることを強調し、漁民へのインタビューで出航の準備が整っていることを伝えた。また、農業省所属の漁業監視船を尖閣周辺に向かわせて漁船の操業の安全を確保するという。漁船や漁業監視船が尖閣周辺にたびたび現れれば、情勢が一段と緊張する可能性もある。

*3:http://www.asahi.com/special/senkaku/TKY201209160237.html (朝日新聞 2012年9月16日) 中国系米国人も反日デモ サンフランシスコで4千人行進
 日本政府による尖閣諸島の国有化に抗議するデモが米国にも拡大した。中国系米国人の多いサンフランシスコで15日、約4千人がデモ行進。16日には首都ワシントンの日本大使館前やニューヨークの日本総領事館前でも抗議活動が展開された。「日本は釣魚島(尖閣諸島の中国名)から出て行け」。在サンフランシスコ日本総領事館によると、15日昼過ぎから中華街で中国系団体の代表者らが中国語で抗議の演説をした。参加者らは拡声機やのぼり、横断幕などを手にシュプレヒコールを上げた。総領事館前にも約200人が集まった。主催者に近い中国系米国人によると、240以上の団体が中国語新聞に広告を出すなどして参加を呼びかけた。その際、「(柳条湖事件の)9・18を忘れるな」と、満州事変と今回の国有化とを結びつけてあおる文言がちりばめられたという。(ロサンゼルス=藤えりか)

*4:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS16010_W2A910C1PE8000/ (日経新聞 2012/9/16) 政府、駐中国大使の後任選び急ぐ 西宮氏死去
(ポイント)西宮伸一(にしみや・しんいち)駐中国大使が16日朝、東京都内の病院で死去した。60歳だった。民間出身の丹羽宇一郎氏の後任として、11日付で駐中国大使に就任したばかりだった。赴任準備中の13日に都内の自宅付近の路上で倒れ、病院に搬送されていた。政府は沖縄県・尖閣諸島の国有化を巡り中国国内で反日デモが相次ぐなど緊迫した日中関係を踏まえ、後任の人選を急ぐ考えだ。告別式の日取りなどは未定。西宮氏は1976年に外務省に入り、北米局長や外務審議官(経済担当)などを歴任した。中国での特命全権公使の経験もあり、日中関係の立て直しが期待されていた。後任を巡っては、政府内では外務次官級経験者を軸に人選を進めている。中国政府の同意を取り付けたうえで閣議決定を経て発令するため、着任時期は「ある程度の時間がかかる」(外務省幹部)見通しだ。後任大使が着任するまでは前任の丹羽氏が大使の任務を務める。

| 外交・防衛::2010.10~2012.12 | 10:46 AM | comments (x) | trackback (x) |

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