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2014,08,01, Friday
北部九州の空港 長崎空港の地図 大村湾の様子 ハウステンボス (1)有明佐賀空港の軍事利用と基地化について *1-1、*1-2、*1-3に書いてあるように、「佐賀県立有明佐賀空港を自衛隊と米軍が利用して、オスプレイを佐賀空港に配備する計画」があるそうだが、その有明佐賀空港は、航空機の発着が少なく赤字が続いていたものの、生き残りをかけて格安航空会社(LCC)を誘致した結果、上昇気流をつかんで離陸し始めた。 また、有明佐賀空港周辺は、品質の良い作物を産出する豊かな農業地帯であるとともに、高品質の有明海苔(山本山の海苔は殆どこれ)を生産しており、この品質を保ってブランドを確立するためには、県を挙げて一方ならぬ努力をしている。そのため、有明海の汚染や豊かな農地の破壊は重大な問題であり、*3-1、*3-2のように、軍事転用しないとする地元農協や漁協との約束があるわけだ。 さらに、「辺野古移設までの間、米海兵隊に佐賀空港を利用させてもらうことも視野に入れる」とは、辺野古を埋めたてる上に、佐賀空港を利用するための建設工事を必要とするため、建設関係の無駄遣 いが甚だしい。本当に長崎県佐世保市の相浦駐屯地に新設する水陸機動団の隊員を輸送するのが目的なら、箕島に1975年に開港して約1kmの箕島大橋で大村市と繋がっている長崎空港の方が、佐世保にずっと近い上、基地として爆撃されても市民には影響を与えず、大村湾(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%9D%91%E6%B9%BE 参照)は、入口が狭いため防御しやすく、大型船が入港できる水深があるため、より向いている。 つまり、有明佐賀空港の防衛利用は、迷惑施設を押し付けて交付金を与える方式を具体化しようとしているものだが、この手法は、防衛にも産業開発にももう古いのだ。 (2)これに対する沖縄の見解 *2で沖縄タイムス社説は、「普天間飛行場を5年内に完全に運用停止し、暫定使用のため佐賀空港に関連施設を整備し、佐賀空港で運用した後、辺野古に新基地が完成した段階で再び沖縄に移すという手法は、財政面から言っても、軍事合理性から言っても、住民感情から言っても、無理筋の話だ」としており、私もそう思う。 さらに、「沖縄の負担軽減のためと本気で考えるのであれば、普天間飛行場の県内移設を断念し、その機能を佐賀空港に移すことを佐賀県が拒否するのであれば、沖縄県内にも移設すべきではない」と書かれており、私も辺野古埋め立てには反対である。基地の再編をするのなら、「迷惑施設を押し付けて交付金を与える」という発想ではなく、既に飛行場を持つ人口の少ない離島のうち、基地として便利な場所を選んで移し、住民の移住選択を保証するのがよいと考える。 (3)迷惑施設の一般企業への悪影響 *3-1、*3-2のように、食品を生産している農業・漁業に対する米軍・自衛隊基地による毒物汚染のダメージは計り知れないし、それは消費者を不幸にすることだ。また、有明佐賀空港は、農業、漁業による製品を中心に夜間貨物を輸送しており、これは地元の農業・漁業を支える手段ともなっているため、今後、農産物・海産物の輸出が増えれば、さらに貨物が増えると考えられる。また、*3-3、*3-4のような一般企業を誘致するにも、基地の存在はマイナス要因にこそなれ、プラス要因にはならない。 (4)有明佐賀空港の発展のためには、運営権の売却か株式上場がよい 農・漁業や一般企業の振興をしながら、空港の赤字を無くして儲かる空港にするには、一つには、*4のように運営権を売却する方法がある。そのほか、株式会社にして株式を上場する方法もあり、この場合は、主要株主とする相手を、鉄道会社、バス会社、ホテル、運送会社、通販会社、農協・漁協、関連自治体など、今後の空港の利益獲得にアイデアや資金を出せる組織にするのがよいと考える。 例えば、唐津線が有明佐賀空港まで直通になれば、沿線住民は福岡空港から有明佐賀空港にシフトできるし、有明佐賀空港の近くにアマゾンのような会社があって運送会社と連携すれば、日本全国やアジアを視野に販売を行うのが容易になる という具合である。 <防衛での佐賀空港利用> *1-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/87187 (佐賀新聞 2014年7月25日) =緊急連載= 激震 オスプレイ(下)揺れる佐賀空港 ■求められる相当の覚悟 揺れる佐賀空港 壁一面ガラス張りの搭乗待合室からは、どこまでも続く田園風景と有明海が一望できる。「佐賀の記憶をおみやげに持ち帰ってほしい。そんな願いを込めた造りだ」。昨年12月の佐賀空港国際線ターミナルビルの完成記念式典であいさつした古川康知事。そんな佐賀らしいパノラマは遠くない将来、ごう音を響かせながらオスプレイが飛び交う緊迫した空気に包まれているのだろうか。 ■LCCの拠点に 佐賀空港は1998年に3路線で開港。名古屋便、大阪便が相次いで撤退し、長く低迷にあえいだが、地方空港の生き残りをかけた格安航空会社(LCC)の誘致合戦を制し、上昇気流に乗った。東アジアのLCC拠点空港を目指し佐賀県が9億円を投じた国際線ビル。人口減少で地域経済が縮小する中、成長著しいアジアの勢いを取り込もうと国際観光に力を入れる。利用者を伸ばし続け、LCCが相次いで就航する佐賀空港は古川知事にとってまさに政策の中核をなす“掌中の玉”だ。佐賀空港はどう変わるのか-。「この分野で県庁に十分な知識や経験はない」「県営空港を自衛隊が借りた事例が見つからない」と会見で語った古川知事。県の関係部局は情報収集に追われている。国土交通省航空局によると、民間航空と自衛隊や米軍が共に乗り入れる空港には二つのパターンがある。一つは自衛隊や米軍が設置、管理する飛行場を民間利用する「共用空港」。この場合は航空法や日米地位協定に乗っ取って国交省が指定手続きを取る。岩国や三沢、徳島など全国に8空港ある。もう一つは国や自治体が管理する空港を自衛隊が利用するパターン。佐賀空港への要請もこれに該当するが、航空局は「空港はあくまで公共施設。もともと使用者を限定した基地の飛行場と違い、誰でも使うことができる。自衛隊だからだめだとか、法律上の制限とかない。要は離発着の頻度や部隊の規模に応じて個別に話し合いで決めること」と説明する。後者は大半が国管理の空港だが、2005年に国管理から愛知県管理に変わった名古屋空港は東側に隣接する航空自衛隊小牧基地が滑走路を共用。年間1万3千回ほど離発着している。県営に変わったタイミングで県条例に基づき着陸料を徴収し、12年度は自衛隊機だけで9億8千万円の収入があった。管制業務や空港の消防業務も防衛省で実施している。最初から県が設置、管理する佐賀空港とは事情が異なるが、議論の参考にはなりそうだ。 ■「地元の理解を」 ただ、国管理であれ、自治体管理であれ、後から米軍が駐留した空港は「承知していない」(航空局)。武田良太防衛副大臣は運用について、夜間の飛行時間などを制限した県の空港条例に「基本的に沿う」と強調したが、県空港課の懸念は拭いきれない。1月、羽田最終便の佐賀空港到着が現在の午後8時半から同9時5分になった際、空港課は飛行直下で騒音の影響が大きい柳川市の住民向けに説明会を開いて同意を得た。「とにかく地元の理解を大切に空港運営を進めてきた」。その思いは米軍にも届くのか。基地問題に詳しい流通経済大学の植村秀樹教授(安全保障論)は「沖縄では夜間の違反飛行が常態化している。佐賀だけルールが守られることはないし、管制も米軍優先になるだろう。米軍に一度使わせると治外法権になる」と危惧する。佐賀空港の姿は、県民の営みは今後、どう変わっていくのか。交付金などの懐柔策でなりふり構わない国と渡り合うには、県にも相当の準備と覚悟が求められる。そして“我が身”に降りかかってきた沖縄の「痛み」とどう向き合うのか。その姿勢も問われている。 *1-2:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/86417 (佐賀新聞 2014年7月23日) オスプレイ佐賀空港配備 米海兵隊暫定移転も 防衛省の武田良太副大臣は22日、佐賀県の古川康知事や佐賀市の秀島敏行市長らと会談し、陸上自衛隊が導入する新型輸送機オスプレイ17機を佐賀空港(佐賀市川副町)に配備する方針を説明、協力を要請した。沖縄県の基地負担軽減のため、米軍普天間飛行場の辺野古移設が実現するまでの暫定措置として、訓練だけでなく海兵隊の一部を移転する可能性にも言及した。市街化が進む陸自目達原駐屯地(神埼郡吉野ケ里町)のヘリ50機を同空港に移転させる考えも示した。古川知事は会談で「県民から安全性などで不安の声が寄せられている。政府が責任を持って説明し、理解を得るとともに、県民生活の安全確保が必要だ」と指摘した。会見では賛否について「まったく白紙」とした上で、今後、地元や佐賀市、県議会など関係者の意見を聞きながら、対応を検討する考えを述べた。武田副大臣は会見で来年度政府予算の概算要求締め切りとなる8月末までに地元の理解を得たい考えを表明した。これに対し古川知事は政府のスケジュールにこだわらず、慎重に検討するとした。秀島市長は会見で、市議会の反対決議(2010年)や軍事転用しないとする地元漁協との覚書などを挙げ、「これまでの経緯を考えると(受け入れは)考えられない。受け入れることを含めて難しい問題」と難色を示した。空港建設時に県と公害防止協定を結んでいる県有明海漁協の徳永重昭組合長も武田副大臣との面談後、「正直、戸惑っている。まずは組合員に説明し、今後の対応は各支所と十分協議していく」と述べるにとどめた。武田副大臣は、長崎県佐世保市の相浦駐屯地に新設する「水陸機動団」の隊員を輸送するオスプレイ17機の配備先について「地理的、環境的、運用面的要素を総合的に判断した結果、佐賀空港がベスト」と選定理由を説明した。目達原駐屯地も地元の負担軽減を理由にヘリ50機を移転させ、空港の部隊は700~800人規模になる見通しを示した。佐賀空港の滑走路を利用し、空港西側の民有地に約20~30ヘクタールの駐機場を設け、格納庫や、滑走路と駐機場をつなぐ誘導路を整備する。全体面積は最低でも30ヘクタール以上とし、来年度予算に用地取得費を計上する方針。3年間で施設整備を進め、2019年度の配備を目指す。具体的な運用は、夜間の飛行時間などを制限した県の空港条例に「基本的に沿う」とした。海兵隊の利用は、沖縄県が5年以内の普天間飛行場の運用停止を求めていることを挙げ、必要性を強調した。訓練だけでなく、部隊の一部が佐賀空港に暫定移転されることも「想定される」と語った。 ☆要請内容骨子 ■自衛隊に導入するオスプレイ17機を佐賀空港に配備 ■米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設実現まで、米海兵隊オスプレイが暫定的に佐賀空港を利用 ■陸上自衛隊目達原駐屯地のヘリ50機を佐賀空港に移駐 *1-3:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/86419 (佐賀新聞 2014年7月23日) 事実上の基地移転 市街地上空夜間飛行も 武田良太防衛副大臣は22日、自衛隊に導入する新型輸送機オスプレイ17機の配備と合わせて、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の米海兵隊オスプレイも、佐賀空港を利用する可能性に言及した。沖縄の基地負担軽減に向け、名護市辺野古への移設までの暫定的な使用としているが、専門家からは「事実上の基地移転になりかねない」という声も上がる。沖縄県の仲井真弘多知事は2013年12月、政府に対し米軍普天間飛行場の5年以内の運用停止を要請。この点を踏まえ武田副大臣は「要請に応えるためにも、辺野古移設までの間、米海兵隊に佐賀空港を利用させてもらうことも視野に入れている」と説明した。佐賀空港へのオスプレイ配備は19年度からとされる。辺野古の代替施設は本年度の着工から9年以内に完成する予定で、少なくとも佐賀には4年間、米海兵隊が駐留することになる。ただ、基地問題が計画通りに進む保証はない。普天間移設は1996年当初、5~7年以内の返還を目標としていたが、いまだに実現していない。沖縄では辺野古移転への反対が根強く、佐賀への駐留が長引く可能性もある。基地問題に詳しい流通経済大学の植村秀樹教授(安全保障論)は「辺野古移設を取りやめるなら一定の基地負担軽減にはなるだろうが、暫定的では意味がない。逆に期限を切って佐賀に移すことで、辺野古の工事を強引に進める口実をつくりかねない」と指摘。沖縄では飛行するルートや時間などについて日米両政府で運用ルールに合意しているが、違反飛行が常態化。「沖縄で守られていないルールが、佐賀だけ守られることはない」と植村教授。仮に米海兵隊が駐留した場合、佐賀市の市街地上空を夜間に飛行する可能性も否定できないという。沖縄国際大学の佐藤学教授(政治学)は「日米両政府の都合に振り回されているのが沖縄。オスプレイや米海兵隊の必要性を真正面から議論しなければ、佐賀でも配備されてからでは手遅れになる」と警鐘を鳴らす。政府から案が示された今、日米の軍事一体化について、本質的な検証作業は緒についたばかりだ。 <沖縄の見解> *2:http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=77573 (沖縄タイムス社説 2014年7月23日) [オスプレイ佐賀配備]負担軽減は見せかけだ 島しょ防衛のため自衛隊の活動拠点を新たに確保するとともに、全国至る所に日米が共同使用できる基地を増やし、軍事面の一体化をさらに進める-自衛隊、米軍による佐賀空港利用計画は、こうした大きな流れの一環である。防衛省は22日、陸上自衛隊に導入する新型輸送機MV22オスプレイ17機を佐賀県の佐賀空港に配備したい、と佐賀県に正式に要請した。県庁で古川康知事と会談した武田良太防衛副大臣は、米軍普天間飛行場の辺野古移設が実現するまでの間、米海兵隊のオスプレイの暫定使用も想定していることを明らかにした。佐賀空港に近い長崎県佐世保市に配置する新設部隊の「水陸機動団」の輸送手段として活用する。2019年度から順次配備する計画だ。陸上自衛隊目達原(めたばる)駐屯地(佐賀県吉野ヶ里町)のヘリ約50機も移駐させる方針だという。武田副大臣は「沖縄の負担軽減のため」でもあることを強調した。沖縄の負担軽減と言えば断りにくいだろうし、県民も国民も理解してくれるはずだと思っているのだろうか。逆である。そもそも普天間飛行場を5年内に完全に運用停止し、暫定使用のため佐賀空港に関連施設を整備し、佐賀空港で運用したあと、辺野古に新基地が完成した段階で再び沖縄に移すという手法は、財政面から言っても、軍事合理性から言っても、住民感情から言っても、無理筋の話だ。佐賀県民や沖縄県民・名護市民の住民感情をもてあそぶような、失礼極まりない提案である。 ■ ■ なぜ、この時期に、こういう常識外れの案が飛び出したのか。今年1月の名護市長選で自民党の石破茂幹事長は、辺野古推進候補を後押しするため、選挙期間中に唐突に500億円の振興基金構想を打ち出した。性懲りもなくあの手法を試みているとしか思えないのだ。昨年12月、仲井真弘多知事は、組織的手続きを省いて、まったく唐突に、政府の沖縄政策協議会の場で「沖縄振興および基地負担の軽減」を要請。安倍晋三首相から「驚くべき立派な内容」の回答を得て、その直後、辺野古の埋め立てを承認した。要請文の中には「オスプレイ12機程度を県外の拠点に配備」することも盛り込まれている。官僚との事前調整の存在を疑わせるこの要請内容と今回の佐賀空港活用を照らしあわせると、11月県知事選を強く意識した手法であることをうかがわせる。 ■ ■ 沖縄の負担軽減のためだと本気で考えるのであれば、普天間飛行場の県内移設を断念し、その機能を佐賀空港に移したほうが分かりやすい。それを佐賀県が拒否するのであれば、沖縄県内にも移設すべきではない。しかし、政府の構想はどっちの負担軽減にもつながらない、いびつなもの。実態は沖縄、佐賀両県に日米が共同で使用することのできる新たな基地を建設するという負担増の話だ。官僚が決めたことが議論もないまま実現するのは、あまりにも危うい。 <一般企業の誘致への影響> *3-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/88367 (佐賀新聞 2014年7月29日) =激震オスプレイ= 農協とも事前協議必要 防衛省が導入する新型輸送機オスプレイの佐賀空港配備問題で、空港を管理する佐賀県が「空港運営の変更には事前協議が必要」とする協定書や合意書を、地元佐賀市川副町の2農協(現・JAさが)と福岡県柳川市との間で締結していたことが28日、分かった。県は地元漁協と結んだ覚書で「自衛隊との共用は事前協議の対象」と明記。仮に軍民共用化する場合は、漁協に加えて農協、柳川市との事前協議が必要になる。県は1990年、空港建設に際し、関係2農協(川副町、西川副)、県有明海漁連、関係8漁協、川副町(現・佐賀市)と計四つの公害防止協定を締結した。軍民共用に触れているのは関係漁協、県漁連の二つだけだが、関係農協との協定書の中でも「空港の運営変更」に関する事前協議の定めが盛り込まれている。川副町との協定書には記載がなかった。県は飛行直下にある柳川市とも空港開港時の98年、「環境保全に係る合意書」を結んだ。その第4条「計画変更時の協議」の該当項目として「空港用途を変更するとき」と記載している。また、飛行時間帯に関する第2条で「午前0時から同4時半までは夜間貨物便専用」としており、この時間帯の自衛隊機の訓練飛行はできない可能性がある。古川康知事は25日の定例記者会見で、軍民共用が空港運用の変更に当たるとの認識を示している。防衛省は駐機場など整備予定地の地権者である漁協と協議を進めていく考えだ。仮にそこで漁協の同意が得られたとしても、県が受け入れを判断する場合、農協と柳川市の意向も重要な要件となる。 *3-2:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/89120 (佐賀新聞 2014年7月31日) 漁協トップに協力要請「覚書」には触れず オスプレイ 防衛省の槌道(つちみち)明宏九州防衛局長が30日、佐賀市の佐賀県有明海漁協を訪れ、佐賀空港への新型輸送機オスプレイ配備方針を徳永重昭組合長に説明した。配備計画への協力をあらためて要請した。県は漁協と交わした公害防止協定の覚書付属資料で「県は佐賀空港を自衛隊と共用するような考えを持っていない」と明記している。配備に伴い増設する空港隣接の予定地は漁協関係者数百人が個人や団体のさまざまな形で登記している。協議は非公開で行い、終了後、報道陣の取材に応じた。槌道局長は空港西側へのオスプレイ配備に加え、米軍普天間飛行場の海兵隊の暫定移転などを説明した。予定地の権利関係については尋ねたものの、覚書には触れなかったという。槌道局長は「まだ土地交渉という段階ではない。漁協や地元住民の理解が得られるよう努力したい。説明する機会を設けることができれば」と述べた。Q}徳永組合長は「土地の権利関係が複雑であることを説明した。オスプレイの風圧がノリ養殖に与える影響などの不安も訴えた。私たちだけではなく県や市、近隣住民と考える問題。どう対応していくか、まだ何も決まっていない」と語った。 *3-3:http://qbiz.jp/article/42471/1/ (西日本新聞 2014年7月23日) ソニー、長崎・熊本に350億円投資 センサー増産へ ソニーは23日午後、子会社のソニーセミコンダクタ(熊本県菊陽町)の中核工場、長崎テクノロジーセンター(長崎県諫早市)と熊本テクノロジーセンター(熊本県菊陽町)に、2015年度上期までに総額約350億円を投じ、スマートフォンなどに使う画像センサーの生産能力増強を行う、と発表した。スマートフォンやタブレットに使われる画像センサーは、画質向上や高機能化、小型化を図る半導体部品で、今後も需要拡大が見込まれるため、生産増強を決めた。投資の内訳は、14年度が約90億円(長崎約30億円、熊本約60億円)、15年度が約260億円(長崎のみ)。今回の投資により、生産能力は現在の月産約6万枚から、15年8月時点で13%増に当たる同6万8000枚に増強される。長崎への投資が大きいのは、「長崎はもともとシステムLSIの生産拠点で、徐々にセンサー半導体生産にシフトしているため、まだ(センサーの)増産の余地があるため」(ソニー広報担当)としている。 *3-4:http://qbiz.jp/article/42498/1/ (西日本新聞 2014年7月24日) 水素エネルギー拠点化急ぐ 福岡戦略会議が事業計画 福岡県などの産学官連携組織「福岡水素エネルギー戦略会議」は23日、福岡市で総会を開いた。トヨタ自動車が燃料電池車(FCV)を市販する2014年度を「水素元年」と位置付け、関連産業の拠点化を急ぐことなどを柱とする新事業計画を決めた。会員企業だけでなく、全国から企業の担当者など約320人が集まった。14年度計画では「FCVの市販開始が間近になり、水素社会の実現に向けた動きが活発化している」と現状を分析。九州大を中心に研究開発の先進地となっている福岡県が、関連産業の集積でも他地域に先駆けるため、(1)FCVと水素ステーションの一体的整備(2)関連製品の実用化と産業化に向けた地場企業の支援強化(3)産学官で次世代型燃料電池の実用化と産業化を加速−の3点の施策を掲げた。今後、官民で「ふくおかFCVクラブ」を設立して普及を呼び掛けるほか、水素ステーションの設置場所の確保や財政支援を強化する。水素タンクの損傷診断や水素漏れの遠隔検知システムなどの製品化に向け、九州大などと共同開発する地場企業3社を助成することも報告された。また、経済産業省の戸辺千広・燃料電池推進室長が、6月に策定された関連ビジネスの工程表について講演。現在は700万円程度とされるFCVの車両価格を25年ごろにハイブリッド車(HV)並みに引き下げ、燃料コストも15年ごろにガソリン車並み、20年ごろにHV並みを目指すと説明した。 <運営権の民間売却> *4:http://qbiz.jp/article/42633/1/ (西日本新聞 2014年7月25日) 最低落札額は2兆2千億円 関空運営権の売却で国交相 太田昭宏国土交通相は25日の記者会見で、関西空港と大阪(伊丹)空港の運営権売却の最低落札額を約2兆2千億円などとする入札条件を承認したと発表した。運営期間は2015年度からの45年間。運営会社側は、最低落札額の場合で年平均490億円を新関西国際空港会社に支払う。太田氏は「国際拠点としての関空強化や、関西の経済活性化が大きく前進することを期待している」と述べた。また「運営権売却は成長戦略の重要な施策で一律に外資を排除することは適切でない」として、入札を日本企業に限定することには慎重な考えを示した。新関空会社は、運営権売却で、負債約1兆2千億円を完済できる見通し。入札には複数の企業による連合が参加、有利な条件を示した企業連合に来年6月ごろ、優先交渉権を与える。優先交渉権を得た企業連合は、空港運営に当たる会社を共同出資で設立、16年1月ごろから民間による空港の運営を開始する。企業連合が当初、新空港会社に支払う保証金は数千億円規模となる見通しだ。 PS(2014.8.3追加):米軍も使うのであれば、宿舎は長崎県佐世保市にあるハウステンボスの近くがよいと考える。 *5:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%82%B9 (フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』) ハウステンボス ハウステンボス(ラテン文字表記:Huis Ten Bosch)は、長崎県佐世保市にある、オランダの街並みを再現したテーマパークである。略称はHTB・テンボス。テーマはヨーロッパ全体である。ドラマ・映画・CMなどのロケ地としても使われる。町名にもなっており、ハウステンボスの所在地の住所は「佐世保市ハウステンボス町1-1」である。(以下略)
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2014,06,15, Sunday
シーレーン *3より 2015.6.15日経新聞 (1)シーレーンの機雷掃海は、日本国民の生命、自由、幸福追求に不可欠か? *1に書かれている、自民党が集団的自衛権を行使するのに必要とする自衛権発動の「新3要件」の(1)の中で、我が国に対する武力攻撃が発生し、他に適当な手段がないため、必要最小限の武力行使をした際に、それを応援した国への武力攻撃に対して自衛隊が反撃するのは当然で、これは個別的自衛権では説明できず、集団的自衛権の限定的行使と言えるだろう。 また、*1では、「他国に対して武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される恐れがある場合も、集団的自衛権の行使が認められる」としており、*2によれば、「①それは、中東のホルムズ海峡を念頭にしたシーレーンの機雷掃海を含む」「②理由は、石油の輸入が困難に直面すれば石油も物価も高騰し、株価も大きな影響を受けるため、わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される恐れがあるから」としている。 しかし、相手が海賊やテロリストではなく国の場合に①を行えば戦争となり、日本国憲法9条に違反する。また、その理由とされる②は、わが国本位の利己的な都合にすぎない上、「わが国は資源が乏しい」「中東の石油輸入が困難になれば存立が脅かされる」などというのは、50年1日の如く、念仏のように同じことを唱えているものだ。実際には、わが国は排他的経済水域に天然ガスを埋蔵し、自然エネルギーを使って電気や水素を作れる国であるにも関わらず、政府の不作為で、それらを行わなかったのである。そのため、日本は、シーレーンの機雷掃海のために武力行使をするよりも、むしろ天然ガスや水素の輸出国になるべきで、その方が、環境と両立でき、国民の幸福追求の権利は、より達成される。 なお、中東から日本に原油を運び、日本で石油化学工業を行って工業製品を輸出するというスキームは、現在では古い上、運搬時の環境負荷が大きい。鉱業も6次産業化すれば、不要なものまで運搬しなくてすむため、石油化学工業は産油国で行うようにすれば、中東にも雇用ができ、民衆の教育・文化レベルが上がって、*3のような宗教戦争は収まるだろう。日本は、植物や天然ガスから工業製品を作り、水素をエネルギーとして使う技術を開発すればよいのであり、これが、日本にできる地球貢献である。 (2)「テロリスト」は、何故テロリストになったのか? *3のように、イスラム過激派「イラク・シリアのイスラム国」というテロリストが、イラクの首都バグダッドへの進撃を目指しているため、イラクのマリキ首相が掃討作戦開始の声明を出し、隣国イランのロウハニ大統領もイラクから要請があれば支援する用意があると表明したそうだ。日本で集団的自衛権の論議をしている時に、タイミングが良すぎると思うが、中東地域はこのような争いが多い。 これを根本的に解決するには、先に工業化した国と産油国の一部の為政者が原油争奪戦を繰り返すのではなく、産油国である中東に上質の雇用を作って文化・教育のレベルを上げ、民衆の暮らしを豊かにして、古い宗教に救いを求めて争う気持ちを無くさせるのがよいと考える。将来の地球人口を思えば、中東では、石油化学工業だけでなく、砂漠での農地開発も行うべきであるし、イスラム教の下での異常なまでの女性差別に対する内部からの抗議は命をかけたものにならざるを得ないため、その環境を変えるべきなのである。 *1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11189040.html?_requesturl=articles%2FDA3S11189040.htmlamp (朝日新聞 2014年6月14日) 自民案、9条を逸脱 武力行使3条件、閣議決定案の柱 集団的自衛権 自民党は13日、集団的自衛権を使えるようにするため、自衛権発動の新しい前提条件(新3要件)を公明党に示した。安倍晋三首相がめざす集団的自衛権行使を認める閣議決定案の柱となる。公明の山口那津男代表も同日、「合意をめざしたい」と述べ、限定的に行使を容認する方向で党内調整を始めた。憲法9条の下で専守防衛に徹してきた日本だが、この枠組みが外れることになる。これまで自衛権は、憲法9条のもと日本が直接攻撃を受けた時にだけ反撃できる「個別的自衛権」に限られ、その発動の3要件の一つが「我が国に対する急迫不正の侵害がある」ことだった。だが、自民党の高村正彦副総裁が13日の与党協議で示した「新3要件」では、「他国に対する武力攻撃が発生し」た時も自衛権を発動できるとし、集団的自衛権の行使容認を明確にした。加えて自民は新3要件の一つに、1972年の政府見解で示された「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがあること」との文言も盛り込んだ。公明がこの72年見解を踏まえ、集団的自衛権を狭く限定する形での容認を検討していることから、公明の理解を得やすくする狙いがある。しかし、72年見解は「集団的自衛権の行使は憲法上認められない」と結論づけており、都合のよい部分だけを切り取ったに過ぎない。政府は13日、新3要件を内閣法制局に示し、細かな文言調整をするよう審査を指示した。公明党と合意に至れば、集団的自衛権の行使を認める閣議決定案に盛り込む考えだ。ただ、新3要件には、ときの政権の判断で自衛隊の活動範囲を拡大できるようなあいまいな表現がある。公明党は朝鮮半島有事での対応など極めて狭い範囲に限って認めることを想定しており、早速、「自衛隊の活動が際限なく広がりかねない」(党幹部)との批判が出ている。今後の協議で文言をめぐる攻防が予想される。 ■参戦の道、歯止めきかぬ 《解説》自民党が提示した新3要件は、日本を守る場合に限って武力を使うことを認める「専守防衛」という、戦後日本が長年にわたって守ってきた基本方針を事実上放棄するものだ。新3要件が適用されれば、日本は自分の国への攻撃がなくても、ときの政権の政治判断によって、他国どうしの戦争に参戦できるようになる。日本は先の大戦の反省を踏まえ、これまでの3要件では、日本を防衛する目的であっても自衛隊の出動を厳格に抑制してきた。武力行使が可能となるのは、自国が直接攻撃される「急迫不正の侵害」という明確な基準を設けた。さらに、政府は武力行使が可能となる具体的な場面を国会答弁などで例示してきた。例えば、北朝鮮を念頭に置いた弾道ミサイル攻撃への対応については、相手国から「東京を火の海にしてやる」という表明があり、発射態勢になった場合などと、具体的に答えている。一方、今回の発動要件は「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれ」としており、極めてあいまいだ。ときの政権が「我が国の存立が脅かされるおそれがある」と判断すれば、「地球の裏側」での戦争でも、参戦できるようになる。自民党の提案は集団的自衛権の行使を認めているうえ、その歯止めにもならない。行使に慎重姿勢を示してきた公明党は、これにどう向き合うつもりか。「平和の党」を自任する公明党の存在意義が問われている。 ◆自民党が集団的自衛権を行使するのに必要とする自衛権発動の「新3要件」 憲法第9条の下において認められる「武力の行使」については、 (1)我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は他国に対する武力攻撃が発生し、これにより 我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される おそれがあること (2)これを排除し、国民の権利を守るために他に適当な手段がないこと (3)必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと という三要件に該当する場合に限られると解する。 *2:http://www.saga-s.co.jp/news/national/10202/74157 (佐賀新聞 2014年6月14日) 与党協議、機雷掃海も視野に議論、自衛権3要件で首相 安倍晋三首相は14日、自衛隊による国際的な機雷掃海活動について、日本への攻撃がなくても他国に対する武力攻撃が発生した場合に自衛権発動を認める新たな3要件の対象とすることも視野に議論する考えを表明した。公明党は集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈変更を容認する方向だが、対象事例を限定的に捉えており、与党協議の焦点になりそうだ。首相は、視察先の鳥取県境港市で記者団に「正面から向き合っていく必要がある。当然、機雷掃海も視野に入れて議論したい」と述べた。同時に「資源の少ない日本にとって、海外からの石油や食料は死活的に重要だ。日本がなすべきことはやらなければならない」と強調した。これに関連し、自民党の石破茂幹事長は、新3要件の下でも、集団的自衛権行使を容認すべき事例として政府が示した国際的な機雷掃海活動など全8事例への対処は可能と明言した。「できると思っている。国民生活を根底から覆す蓋然性が高いと評価されれば認められる」と広島市内で記者団に語った。石破氏は、輸入原油の多くが通過する中東のホルムズ海峡を念頭にしたシーレーン(海上交通路)の機雷掃海に関し「石油の輸入が困難に直面すれば石油も物価も高騰する。株価も大きな影響を受ける」と指摘した。3要件は、自民党の高村正彦副総裁が13日の与党協議会で「たたき台」として提示。自衛権行使の要件の一つとして「わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される恐れがある」場合を挙げた。 *3:http://www.saga-s.co.jp/news/national/10201/74194 (佐賀新聞 2014年6月14日) イラク軍、過激派に反撃準備、掃討作戦の開始宣言 イラクのマリキ首相は13日、首都バグダッドへの進撃を目指すイスラム過激派「イラク・シリアのイスラム国」に対する掃討作戦の開始を宣言する声明を出した。イラク軍高官は14日、攻防戦の焦点となっている中部サマラに援軍が到着、反撃の準備を整えたと語った。フランス公共ラジオが伝えた。隣国イランのロウハニ大統領は14日の記者会見で、イラクから要請があれば支援する用意があると表明した。ただし、まだ要請は受けておらず、軍部隊の派遣については「していないし、しないと思う」と語った。シーア派のイランは同派主導のマリキ政権と緊密な協力関係にあるが、米国などの反発が必至である直接的な軍事介入には慎重とみられる。マリキ政権はバグダッドの北方約100キロ前後に位置する中核都市サマラ、バクバを首都防衛ラインとして死守する構えだ。同ラジオによると、治安部隊と政府支持派の住民は13日、両市の間に位置するドルイヤ周辺で武装勢力を撃退した。バグダッドやイラク南部では、シーア派最高権威シスタニ師の「テロリストとの戦い」への参加呼び掛けに応じ、多数の住民が志願を登録した。
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2014,06,11, Wednesday
*2より
(1)日本国憲法には、「個別的自衛権は認めるが、集団的自衛権は認めない」とは書かれていない *1のように、毎日新聞は2014年6月11日の社説に、「①歴代政権が過去40年以上、積み重ねてきた憲法解釈の一部をつまみ食いして都合良く解釈し直しており、理屈が通らない」「②『政府見解が展開した基本論理は正しいが、集団的自衛権の行使は許されないという結論が間違っていたから、行使は許されるという結論に変更する』という説明には納得できない」「③これほどの安全保障政策の大転換をするなら、憲法改正を国民に問うしかない」などが記載されている。 しかし、①②については、私が、このブログの6月3日に記載しているとおり、憲法9条の解釈は変遷し、司法の中でも見解が分かれていた。また、*3のように、憲法9条は、「1項:日本国民は、戦争と武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する」「2項:前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は保持しない。国の交戦権は認めない」と定めているだけであって、「個別的自衛権は認めるが、集団的自衛権は認めない」とはしていない。そのため、③の「安全保障政策の大転換」というのは、どれほどの大転換になるのか、具体的に示すべきである。ちなみに、公明党は、「(その程度なら)個別的自衛権や警察権で対応できる」としているわけだ。 なお、③には、「憲法改正を国民に問うしかない」とも書かれているが、「個別的自衛権は認めるが、集団的自衛権は認めない」とは書かれていない憲法を、どう改正せよと言うのだろうか。つまり、もともと、憲法改正の問題ではなく解釈の問題であり、私は、憲法改正を許す方が、同時にいろいろな条文が改正されるリスクが高いと考えている。 (2)新たな後方支援基準について *2のように、政府は、自衛隊の国連決議に基づく多国籍軍などの後方支援活動について、新たに上図のように、(1)他国部隊が戦闘行為を行っている場所では活動しない (2)活動現場で戦闘行為が行われた場合は活動を休止する (3)戦闘現場でも人道的な捜索・救助活動は例外とする などの参加基準を示したそうだ。 そして、新たな3基準では、戦闘が行われていない地域での武器・弾薬の輸送と日本の領域での医療活動は可能で、自衛隊が後方支援中に戦闘が発生しても、救助・捜索活動は継続できるとした。しかし、人道的な捜索・救助活動なら、赤十字などの民間団体が敵味方の区別なく行うのが普通で、戦闘地域での捜索・救助活動であるため自衛隊が行うのであれば、明確なマークをつけ、敵味方の区別をしないなど、人道的な捜索・救助活動であることが敵にも明確にわかる形で行うべきである。なお、戦場で負傷者に応急処置をした後は、速やかに戦闘中ではない近隣諸国や日本の病院に搬送して治療すべきだ。 (3)集団的自衛権を認めなくてもできるという主張について 新たな3つの後方支援であれば、集団的自衛権を行使しなくてもできるだろう。また、尖閣諸島などの領土防衛も、個別的自衛権で対応できるとする主張があるが、尖閣諸島の場合、アメリカが応援してくれたとしても、その際に攻撃されるアメリカの軍隊を、自衛隊が守ることはできるのだろうか。私は、これが微妙だと思っているが、公明党が言うように、それも個別的自衛権や警察権で対応できるのならば、アリの一穴になりそうな集団的自衛権を認める必要はないのかもしれない。 参考資料: *1:http://mainichi.jp/opinion/news/20140611k0000m070141000c.html (毎日新聞社説 2014年6月11日) 集団的自衛権 理屈通らぬ閣議決定案 政府・自民党は、集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈変更の閣議決定の原案を、今月13日にも与党協議で示し、今国会中の閣議決定を目指す方針を明確にした。これまでに明らかになった原案の内容をみると、歴代政権が過去40年以上、積み重ねてきた憲法解釈の一部をつまみ食いして都合良く解釈し直しており、理屈が通っていない。原案は、1972年に田中内閣が参院決算委員会に示した政府見解を根拠にしている。政府見解は「自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置」を認めたうえで、「その措置は必要最小限度の範囲にとどまるべき」だとして、「集団的自衛権の行使は憲法上、許されない」と結論づけた。原案は、この見解が認める「自衛のための必要最小限度」の武力行使の範囲に、限定的な集団的自衛権の行使が含まれると憲法解釈を変更するのが柱だ。政府見解を根拠にしながら、結論だけを全く逆のものにひっくり返している。これほどの安全保障政策の大転換をするなら、憲法改正を国民に問うしかないと私たちは主張してきた。だが政府・自民党は、憲法の解釈変更で突破する道を選択し、その根拠を探してきた。最初は、米軍駐留の合憲性などが争われた59年の砂川事件最高裁判決を根拠に「最高裁は個別的、集団的の区別をせずに必要最小限度の自衛権を認めている」と主張した。だが、公明党などから「判決は個別的自衛権を認めたものだ」と批判を受けて、代わりに持ってきたのが72年の政府見解だ。政府高官はこう解説する。 政府見解が展開した基本論理は正しい。ただ「集団的自衛権の行使は許されない」という結論が間違っていた。だから「行使は許される」という結論を「当てはめる」−。こんな説明に納得できる人が果たしてどれほどいるのだろうか。公明党は、閣議決定の原案の協議に入ることに難色を示している。政府・自民党は、公明党の理解を得るため、原案の表現を「集団的自衛権を行使するための法整備について今後検討する」などぼかすことも検討しているようだが、実質的には憲法解釈変更を閣議決定するのと変わらない。10日の与党協議では、政府が集団的自衛権の行使容認が必要とする8事例について、初めて本格的議論が行われた。個別的自衛権や警察権で対応できるという公明党と、集団的自衛権でなければ対応できないという自民党の主張は平行線だった。議論は始まったばかりだ。こんな生煮え状態で閣議決定すべきでない。 *2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140607&ng=DGKDASFS06038_W4A600C1PP8000 (日経新聞 2014.6.7) 後方支援「戦闘現場は原則除外」 、政府が要件見直し、公明に配慮 捜索・救助活動は例外 政府は6日の安全保障法制整備に関する与党協議会で、国連決議に基づく自衛隊の多国籍軍などの後方支援活動について戦闘現場を原則対象外とする新基準を示した。3日の会合では「提供する物品・役務が戦闘行為に使われる」などの4要件を提示していたが、公明党に配慮し、範囲を限定した。政府・自民党は議論を加速し、集団的自衛権の行使容認問題の本格的な検討に移りたい考えだ。政府は3日の協議会で(1)支援する他国部隊が戦闘を行っている(2)提供する物品・役務が戦闘行為に直接使われる(3)支援場所が戦闘現場(4)支援内容が戦闘行為と密接に関係する――の4要件を提示。「すべてに該当した場合を除き後方支援できる」としたため、公明党が「制限がほとんどなくなる」と反発していた。このため政府は6日の会合で4要件を撤回。新たに(1)支援対象の他国部隊が戦闘行為を行っている現場では活動しない(2)活動現場で戦闘行為が行われた場合は活動を休止(3)戦闘現場でも人道的な捜索・救助活動は例外――とする3つの参加基準を示した。 新たな3基準によれば、戦闘が行われていない地域での武器・弾薬の輸送や、日本の領域での医療活動は可能。自衛隊が後方支援中に戦闘が発生しても、救助・捜索活動は継続できる。ただし、戦闘が行われている場所への武器・弾薬の供給や、他国部隊に組み込まれる医療活動はできない。公明党の北側一雄副代表は「柔軟に考えてもいい」と評価しており、自公両党内で議論する方針だ。国連平和維持活動(PKO)での「駆けつけ警護」と領域国の同意に基づく邦人救出の分野でも議論が進んだ。これまで自衛隊の海外での武器使用は正当防衛などに限ってきた。自衛隊が攻撃を受けた相手が「国や国に準ずる組織」だった場合、反撃すれば憲法9条が禁ずる「海外での武力行使」にあたるためだ。政府は6日の協議で「相手国政府が領域を実効支配していることを国家安全保障会議(NSC)が判断した場合」は、その政府以外の武装集団に自衛隊が武器を使っても問題はないとの解釈を打ち出した。この内容で制度改正が進めば自衛隊の武器使用基準が拡大することになる。 *3:http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=4&H (日本国憲法 昭和21年11月3日発布) 第二章 戦争の放棄 第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 ○2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
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2013,10,28, Monday
尖閣諸島 尖閣諸島の位置 (1)集団的自衛権の行使について、何のための憲法解釈変更か 私は、「日本国憲法9条の平和主義は大切で、集団的自衛権を認めれば、湾岸戦争、イラク戦争のように、アメリカが出兵する時に日本も出兵するなどということになりかねないため、集団的自衛権は認めない方がよい」と考えていた。しかし、尖閣諸島の例のように日本の領海に他国が侵略してきたような場合には、集団的自衛権を認めなければ、応援してくれる同盟国に悪すぎると、2006年頃、考え直した。 私が考え直したきっかけは、元防衛庁長官の愛知和夫氏に「集団的自衛権も、認めていいものと悪いものがあると思うんだ」と言われたことである。つまり、確かに憲法9条1項は、『国権の発動たる戦争と国際紛争を解決する手段としての武力行使を永久に放棄する』と述べているが、自衛のための戦争までは否定していないと解釈されており、それならば、自衛戦争で集団的自衛権を行使するのは許されるのではないかということだ。 (2)認められる集団的自衛権の範囲 1)尖閣諸島の防衛は、集団的自衛権の範囲か 尖閣諸島の防衛について、中国との戦争を回避したいアメリカは、「現在の尖閣諸島の施政権が日本にあることは認めるが、領有権が日中どちら側に帰属するかは、アメリカの関知するところではない。つまり、実効支配している限りは、尖閣諸島は日本の領有だが、実効支配が中国に代わった場合には、施政権は中国に移る」という態度だ。 これでは、何のための日米安全保障条約かわからないが、まず、アメリカは日本が領有権を有している場所に関しては、日米安全保障条約の範囲内だとしているわけである。この時、もしアメリカが尖閣諸島を守るための行動をした場合には、日本も集団的自衛権が認められなければおかしい。 2)米国がシリアに出兵した場合、集団的自衛権の範囲か 政府・与党内には、米国がシリアに出兵した場合、集団的自衛権の範囲内だと言った人もいたが、これは日本国憲法違反だ。そして、イギリス、ドイツは米国から同調するように言われても、国内で議論して反対が勝れば断るという独立した民主主義国家の基本を持っているが、わが国の政府は、国民の意思を無視しても米国から言われるままに動くという特性を持っていることを考えれば、憲法9条1項は功を奏しており、このような場合に集団的自衛権を認める解釈をしてはならないだろう。 3)アルジェリア石油施設襲撃テロ事件に出兵し、日本人を守るために自衛隊がアルジェリア軍と共同して闘うのは、集団的自衛権の範囲か アルジェリア石油施設襲撃テロ事件のような場合に、日本人を守るために自衛隊がアルジェリア軍と共同して闘うのは、資源獲得のための侵略戦争と紙一重になりかねない難しさがある。私は、このような場合は、アルジェリア軍に任せるべきで、そもそも地元の人から喜ばれない海外資源を調達するよりも、わが国領海内の海底資源を開発すべきだと考えている。 4)国連平和維持活動(PKO)に参加した自衛隊の集団的自衛権は認めるべきか イラク戦争でわかったことは、どちらが正義かわからなかったということである。そのため、わが国が、これを判断する独立国家の基本を持っていない以上、武力を行使せずにすむ地域での平和維持活動のみに専念するのがよいと思う。それで文句を言う国はないだろう。 5)公海上で自衛隊艦船の近くにいる米艦が攻撃された場合の防護は集団的自衛権の行使になるか *1に書かれている「公海上で自衛隊艦船の近くにいる米艦が攻撃された場合の防護」については、どういう理由でそうなったかによって異なる。例えば、尖閣諸島防衛のための戦争であれば集団的自衛権の範囲になるし、米国独自の判断による他国との戦争であれば加担してはならない。テロや海賊からの攻撃であれば協力することになるだろうが、何でも“テロ”や“海賊”とする正当化には気をつけるべきだ。 6)米国に向かうかもしれない弾道ミサイルへの迎撃は集団的自衛権の行使に当たるか *1によれば、「米国に向かうかもしれない弾道ミサイルの迎撃は技術的に不可能との指摘もある」とのことだが、その前に、日本の自衛に関係があるか否かで判断すべきだ。 (3)結論 私は、日本国憲法9条は、世界に誇るべき平和主義の理念が入っていると考える。しかし、自衛はしなければならず、また、そのための自衛軍も所有しているのだから、自衛のための集団的自衛権のみは認めるべきだし、自衛軍の存在もきちんと憲法に明記した方がよいと思う。 *1:http://mainichi.jp/opinion/news/20130918k0000m070139000c.html (毎日新聞社説 2013年9月18日) 集団的自衛権 何のために論じるのか 安倍政権は、集団的自衛権の行使を可能にするための憲法解釈の変更に向け、有識者会議「安保法制懇」の議論を7カ月ぶりに再開した。安倍晋三首相は会合で、「憲法制定以来の変化を直視し、新しい時代にふさわしい憲法解釈のあり方を検討していく」とあいさつした。しかし、これまでの推移からは、肝心な何のための行使容認か、行使容認がアジア太平洋地域の安全保障にどう寄与するのかが見えない。歴代政権は、日本は国際法上、集団的自衛権を有しているが、憲法9条のもとで許容される必要最小限度の自衛権の範囲を超えるため行使できない、と解釈してきた。有識者会議の座長代理・北岡伸一国際大学長は、憲法9条のもとで許される必要最小限度の自衛権行使の中に、集団的自衛権も含まれるというのが持論で、歴代政権の「誤った解釈を正す」と公言している。内閣法制局の長官経験者たちからは、必要ならば真正面から憲法改正を論じるべきだと反発があがっている。行使容認の目的、憲法の解釈変更か改正かの手法、地理的条件や対象国を含む容認の範囲、歯止めなど、政府内の見解はまだまとまっていないようだ。 議論が整理されない原因の一つは、何のために行使容認を目指すのかが、具体的政策論として明確に示されていない点にある。第1次安倍政権時に今回とほぼ同じメンバーが議論してまとめた報告書は、(1)公海上で自衛隊艦船の近くにいる米艦が攻撃された場合の防護(2)米国に向かうかもしれない弾道ミサイルの迎撃−−などについて、集団的自衛権の行使を認めるよう求めた。今回は、類型を拡大して行使を容認する方向で議論されている。しかし(1)は、日本有事ならば自衛隊は個別的自衛権の範囲で対応できるし、そうでなくても米軍が自身で守る態勢をとっていない可能性はほぼない、との意見も根強い。(2)は技術的に不可能との指摘もある。それ以外に想定しているというのなら、どんなケースなのか。現実味の乏しいシナリオをもとに、日米同盟強化の姿勢を示すために議論をしているのではないか。そんな疑問が一部専門家の間からも指摘されている。首相にはおそらく、北朝鮮の核開発や中国の海洋進出の一方、米国の力が相対的に低下するなか、日本は自らの役割を増強する必要がある、という問題意識があるのだろう。しかし、こんな状態では中国、韓国はおろか、国民に理解してもらうのも難しいのではないか。首相はまず行使容認の目的は何か、どんな効果があるのかを、きちんと国民に説明する責任がある。 *2:http://qbiz.jp/article/25027/1/ (西日本新聞 2013年10月9日) 尖閣諸島 「棚上げ」合意はあったのか否か 日本政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化から1年余。日中関係が冷え込む中、1972年の国交正常化交渉の過程で尖閣諸島問題をめぐって両政府間に「棚上げ」の合意があったか否かをテーマにした講演会が11月13日、福岡市で開かれる。九州の経済人や文化人でつくる「九州日中クラブ」(代表・石原進JR九州会長)の主催。尖閣諸島をめぐり日本政府は「歴史的にも国際法上も固有の領土。領土問題は存在せず、棚上げもない」との立場。中国政府は「棚上げ」を首脳会談の開催条件とし、こう着状態が続いている。こうした中、72年当時、外務省条約課長だった栗山尚一・元駐米大使は「解決しないことで当面の解決策とする黙示の了解があった。これを棚上げと呼んだ」とする論文を発表した。一方、池田維・元外務省アジア局長は「棚上げしようという合意はこれまで日中間に存在したことがない」と栗山論文を全面否定する論文を発表、外務省OBの見解も割れている。講演会は11月13日午後2時から福岡市・天神の福岡国際ホール(西日本新聞会館16階)で。日中協会の白西紳一郎理事長が一連の論文の背景を解説、「尖閣諸島問題 領土ナショナリズムの魔力」の著者で共同通信客員論説委員の岡田充さんが「尖閣諸島問題で誰が本当のことを言っているのか」と題し講演する。参加費2千円。申し込みは九州日中民間文化交流協会・山口恵さん=ファクス092(281)7488。問い合わせは同協会の張晶さん=090(1084)5659。 *3:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013092800216 (時事ドットコム 2013/09/28) 駆け付け警護容認を=小野寺防衛相 小野寺五典防衛相は28日、宮崎市内で講演し、国連平和維持活動(PKO)に参加する自衛隊が、攻撃された他国部隊要員や邦人を守る「駆け付け警護」について「自衛隊はPKOを盛んに海外でしているが、日本のNGOが武力集団に危害を加えられているときに駆け付けて救ったりできない。今のままの解釈でいいのか」と述べ、憲法解釈を変更して容認すべきだとの考えを示した。 *4:http://digital.asahi.com/articles/TKY201309140046.html (朝日新聞 2013年9月14日) 「集団的自衛権、必要なら遠くも行く」石破・自民幹事長 ■石破茂・自民党幹事長 (集団的自衛権は)誰も米国だけを相手にするとは言っていないし、攻撃する国が極東と限っていない。集団的自衛権は、国連の概念であって、地理的にどうのこうの、相手がどうのこうのじゃない。必要であれば遠くでも行くし、必要でなければ近くでも行かない。例えば東南アジア。フィリピン、マレーシア、どこかの国が攻撃を受けた。そこが日本にとって死活的に重要。そういう場合に知らん顔、そういうときは米国が出て行く。そういうことで本当にやれるのか。
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2013,08,09, Friday
2013年8月6日 広島平和祈念式典 (1)世界での核兵器廃絶について 長崎市長は、2013年8月9日の平和記念式典で、日本政府に被爆国としての原点に返ることを強く求め、「核不拡散条約(NPT)再検討会議準備委員会で提出された共同声明に日本政府が署名せず、世界の期待を裏切ったこと」や「NPTに加盟せず核保有したインドへ原子力協力を行い、北朝鮮などの動きを正当化する口実を与えたこと」を批判し、「2009年4月にアメリカのオバマ大統領が『核兵器のない世界』を目指す決意を示し、被爆地はオバマ大統領の姿勢を支持するが、世界には今も1万7千発以上の核弾頭が存在し、その90%以上がアメリカとロシアのものであるため、オバマ大統領、プーチン大統領に、もっと早く大胆に核弾頭の削減に取り組んでいただきたい」というメッセージを、被爆地から真摯に発しており、2013年8月6日の広島市長とともに、よい平和宣言だった。 しかし、TVはどのチャンネルも、大雨、確定犯ではなく冤罪の可能性も大きい殺人事件の容疑者に関する推測だらけの報道、スポーツなどに終始し、このように重要な事実を一般人の印象に残していなかったことを反省すべきだ。こう言うと、メディアの記者は、だいたい「一般人のレベルに合わせている」と弁解するのだが、一般人のレベルはメディアが作っていることを忘れてはならない。 (2)福島第一原発事故とエネルギー政策のこと 長崎市長は、「東京電力福島第一原子力発電所の事故は未だ収束せず、放射能の被害は拡大しており、多くの方々が平穏な日々を突然奪われた上、将来の見通しが立たない暮らしを強いられている」と述べ、広島市長は「国民の暮らしと安全を最優先にした責任あるエネルギー政策を早期に構築し、実行することを強く求める」と述べている。そして、私は、全くそのとおりで、今後のリスク回避のためには、脱原発して自然エネルギーに進むしかないと思っている。 なお、広島市長は、被爆者健康手帳を持っている嫁が「被爆した嫁はいらん、すぐ出て行けと離婚させられた。謂れのない風評によって、結婚や出産という人生の節目節目で、多くの被爆者を苦しめてきた」と述べているが、被曝すれば卵子も変化するため、これは謂れのない風評ではなく、根拠のあることだ。そのため、原発も、放射線に被曝しても安全だという新しい安全神話を作ることなく、放射線に暴露される人が一人でも少なくなるように、また、不運にも放射線に暴露されることがあっても、その量ができるだけ少なくなるように、最大限の注意を払うことが必要なのだ。 *1:http://www.city.nagasaki.lg.jp/peace/japanese/appeal/ (長崎市HP 2013.8.9) 平成25年長崎平和宣言 68年前の今日、このまちの上空にアメリカの爆撃機が一発の原子爆弾を投下しました。熱線、爆風、放射線の威力は凄まじく、直後から起こった火災は一昼夜続きました。人々が暮らしていたまちは一瞬で廃墟となり、24万人の市民のうち15万人が傷つき、そのうち7万4千人の方々が命を奪われました。生き残った被爆者は、68年たった今もなお、放射線による白血病やがん発病への不安、そして深い心の傷を抱え続けています。このむごい兵器をつくったのは人間です。広島と長崎で、二度までも使ったのも人間です。核実験を繰り返し地球を汚染し続けているのも人間です。人間はこれまで数々の過ちを犯してきました。だからこそ忘れてはならない過去の誓いを、立ち返るべき原点を、折にふれ確かめなければなりません。日本政府に、被爆国としての原点に返ることを求めます。 今年4月、ジュネーブで開催された核不拡散条約(NPT)再検討会議準備委員会で提出された核兵器の非人道性を訴える共同声明に、80か国が賛同しました。南アフリカなどの提案国は、わが国にも賛同の署名を求めました。しかし、日本政府は署名せず、世界の期待を裏切りました。人類はいかなる状況においても核兵器を使うべきではない、という文言が受け入れられないとすれば、核兵器の使用を状況によっては認めるという姿勢を日本政府は示したことになります。これは二度と、世界の誰にも被爆の経験をさせないという、被爆国としての原点に反します。 インドとの原子力協定交渉の再開についても同じです。NPTに加盟せず核保有したインドへの原子力協力は、核兵器保有国をこれ以上増やさないためのルールを定めたNPTを形骸化することになります。NPTを脱退して核保有をめざす北朝鮮などの動きを正当化する口実を与え、朝鮮半島の非核化の妨げにもなります。日本政府には、被爆国としての原点に返ることを求めます。非核三原則の法制化への取り組み、北東アジア非核兵器地帯検討の呼びかけなど、被爆国としてのリーダーシップを具体的な行動に移すことを求めます。 核兵器保有国には、NPTの中で核軍縮への誠実な努力義務が課されています。これは世界に対する約束です。2009年4月、アメリカのオバマ大統領はプラハで「核兵器のない世界」を目指す決意を示しました。今年6月にはベルリンで、「核兵器が存在する限り、私たちは真に安全ではない」と述べ、さらなる核軍縮に取り組むことを明らかにしました。被爆地はオバマ大統領の姿勢を支持します。しかし、世界には今も1万7千発以上の核弾頭が存在し、その90%以上がアメリカとロシアのものです。オバマ大統領、プーチン大統領、もっと早く、もっと大胆に核弾頭の削減に取り組んでください。「核兵器のない世界」を遠い夢とするのではなく、人間が早急に解決すべき課題として、核兵器の廃絶に取り組み、世界との約束を果たすべきです。 核兵器のない世界の実現を、国のリーダーだけにまかせるのではなく、市民社会を構成する私たち一人ひとりにもできることがあります。「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」という日本国憲法前文には、平和を希求するという日本国民の固い決意がこめられています。かつて戦争が多くの人の命を奪い、心と体を深く傷つけた事実を、戦争がもたらした数々のむごい光景を、決して忘れない、決して繰り返さない、という平和希求の原点を忘れないためには、戦争体験、被爆体験を語り継ぐことが不可欠です。若い世代の皆さん、被爆者の声を聞いたことがありますか。「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ウォー、ノーモア・ヒバクシャ」と叫ぶ声を。あなた方は被爆者の声を直接聞くことができる最後の世代です。68年前、原子雲の下で何があったのか。なぜ被爆者は未来のために身を削りながら核兵器廃絶を訴え続けるのか。被爆者の声に耳を傾けてみてください。そして、あなたが住む世界、あなたの子どもたちが生きる未来に核兵器が存在していいのか。考えてみてください。互いに話し合ってみてください。あなたたちこそが未来なのです。 地域の市民としてできることもあります。わが国では自治体の90%近くが非核宣言をしています。非核宣言は、核兵器の犠牲者になることを拒み、平和を求める市民の決意を示すものです。宣言をした自治体でつくる日本非核宣言自治体協議会は今月、設立30周年を迎えました。皆さんが宣言を行動に移そうとするときは、協議会も、被爆地も、仲間として力をお貸しします。長崎では、今年11月、「第5回核兵器廃絶-地球市民集会ナガサキ」を開催します。市民の力で、核兵器廃絶を被爆地から世界へ発信します。 東京電力福島第一原子力発電所の事故は、未だ収束せず、放射能の被害は拡大しています。多くの方々が平穏な日々を突然奪われたうえ、将来の見通しが立たない暮らしを強いられています。長崎は、福島の一日も早い復興を願い、応援していきます。 先月、核兵器廃絶を訴え、被爆者援護の充実に力を尽くしてきた山口仙二さんが亡くなられました。被爆者はいよいよ少なくなり、平均年齢は78歳を超えました。高齢化する被爆者の援護の充実をあらためて求めます。原子爆弾により亡くなられた方々に心から哀悼の意を捧げ、広島市と協力して核兵器のない世界の実現に努力し続けることをここに宣言します。 2013年(平成25年)8月9日 長崎市長 田上 富久 *2:https://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1110537278566/index.html (広島市HP 2013年8月6日) 広島市長の平和宣言 「あの日」から68年目の朝が巡ってきました。1945年8月6日午前8時15分、一発の原子爆弾によりその全てを消し去られた家族がいます。「無事、男の子を出産して、家族みんなで祝っているちょうどその時、原爆が炸裂(さくれつ)。無情にも喜びと希望が、新しい『生命(いのち)』とともに一瞬にして消え去ってしまいました。」。幼くして家族を奪われ、辛うじて生き延びた原爆孤児がいます。苦難と孤独、病に耐えながら生き、生涯を通じ家族を持てず、孤老となった被爆者。「生きていてよかったと思うことは一度もなかった。」と長年にわたる塗炭(とたん)の苦しみを振り返り、深い傷跡は今も消えることはありません。生後8か月で被爆し、差別や偏見に苦しめられた女性もいます。その女性は、結婚はしたものの1か月後、被爆者健康手帳を持っていることを知った途端、優しかった義母に「『あんたー、被爆しとるんねー、被爆した嫁はいらん、すぐ出て行けー。』と離婚させられました。」放射線の恐怖は、時に、人間の醜さや残忍さを引き出し、謂れのない風評によって、結婚や就職、出産という人生の節目節目で、多くの被爆者を苦しめてきました。無差別に罪もない多くの市民の命を奪い、人々の人生をも一変させ、また、終生にわたり心身を苛み続ける原爆は、非人道兵器の極みであり「絶対悪」です。原爆の地獄を知る被爆者は、その「絶対悪」に挑んできています。辛く厳しい境遇の中で、被爆者は、怒りや憎しみ、悲しみなど様々な感情と葛藤(かっとう)し続けてきました。後障害に苦しみ、「健康が欲しい。人並みの健康を下さい。」と何度も涙する中で、自らが悲惨な体験をしたからこそ、ほかの誰も「私のような残酷な目にあわせてはならない。」と考えるようになってきました。被爆当時14歳の男性は訴えます。「地球を愛し、人々を愛する気持ちを世界の人々が共有するならば戦争を避けることは決して夢ではない。」 被爆者は平均年齢が78歳を超えた今も、平和への思いを訴え続け、世界の人々が、その思いを共有し、進むべき道を正しく選択するよう願っています。私たちは苦しみや悲しみを乗り越えてきた多くの被爆者の願いに応え、核兵器廃絶に取り組むための原動力とならねばなりません。そのために、広島市は、平和市長会議を構成する5,700を超える加盟都市とともに、国連や志を同じくするNGOなどと連携して、2020年までの核兵器廃絶をめざし、核兵器禁止条約の早期実現に全力を尽くします。世界の為政者の皆さん、いつまで、疑心暗鬼に陥っているのですか。威嚇によって国の安全を守り続けることができると思っているのですか。広島を訪れ、被爆者の思いに接し、過去にとらわれず人類の未来を見据えて、信頼と対話に基づく安全保障体制への転換を決断すべきではないですか。ヒロシマは、日本国憲法が掲げる崇高な平和主義を体現する地であると同時に、人類の進むべき道を示す地でもあります。また、北東アジアの平和と安定を考えるとき、北朝鮮の非核化と北東アジアにおける非核兵器地帯の創設に向けた関係国の更なる努力が不可欠です。今、核兵器の非人道性を踏まえ、その廃絶を訴える国が着実に増加してきています。また、米国のオバマ大統領は核兵器の追加削減交渉をロシアに呼び掛け、核軍縮の決意を表明しました。そうした中、日本政府が進めているインドとの原子力協定交渉は、良好な経済関係の構築に役立つとしても、核兵器を廃絶する上では障害となりかねません。ヒロシマは、日本政府が核兵器廃絶をめざす国々との連携を強化することを求めます。そして、来年春に広島で開催される「軍縮・不拡散イニシアティブ」外相会合においては、NPT体制の堅持・強化を先導する役割を果たしていただきたい。また、国内外の被爆者の高齢化は着実に進んでいます。被爆者や黒い雨体験者の実態に応じた支援策の充実や「黒い雨降雨地域」の拡大を引き続き要請します。 この夏も、東日本では大震災や原発事故の影響に苦しみながら故郷の再生に向けた懸命な努力が続いています。復興の困難を知る広島市民は被災者の皆さんの思いに寄り添い、応援し続けます。そして、日本政府が国民の暮らしと安全を最優先にした責任あるエネルギー政策を早期に構築し、実行することを強く求めます。私たちは、改めてここに68年間の先人の努力に思いを致し、「絶対悪」である核兵器の廃絶と平和な世界の実現に向け力を尽くすことを誓い、原爆犠牲者の御霊に心から哀悼の誠を捧げます。 平成25年(2013年)8月6日 広島市長 松井 一實
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2013,07,22, Monday
辺野古の埋立予定地とその海 (1)沖縄の民意は、国外か県外で一致している 沖縄県では、*2のように、普天間基地の国外移設を求めていた糸数慶子氏が参議院議員に当選し、沖縄県知事、市町村長、議員も全員が辺野古埋め立てに反対し、自民党沖縄県連も含めて県外移設を求めていた。そして、普天間基地を移設する先は、辺野古を埋め立てる以外には確保できないのかと言えば、九州の他県にも、すでに滑走路のある場所や広い土地を確保することができ、そちらの方が安上がりである上、環境への影響も小さい。 (2)何故、辺野古埋め立てに固執するのか それにもかかわらず、辺野古に固執する理由は、埋め立て業者や漁業者など、金をばら撒く相手がいるからとしか思えない。しかし、そのようなことのために、国民の血税を無駄遣いするくらいなら、福祉に使ってもらいたい。そのため、*1のような要請を受ければ、沖縄県知事は自民党系であるため、つらい面もあるだろうが、ここは、政治生命をかけても断固として申請を却下するのが、今後の日本及び沖縄のためになるだろう。それは、政治家として本望とも言える役割を果たすことになるのではないだろうか。 (3)予算の無駄使いをして環境破壊するのは、もうやめるべき時である 沖縄県の漁業者は、保証金をもらって辺野古の埋め立てに同意したようだが、現在は、そのような無駄遣いをしながら環境破壊を許す時代ではなく、海は漁業者だけのものでもない。そのため、*3のように、ジュゴンの住む美しい海を、わざわざ見苦しく埋め立てて環境破壊する必要はない。 *1:http://digital.asahi.com/articles/TKY201307210238.html 辺野古埋め立て許可「知事に要請したい」 菅官房長官 菅義偉官房長官は21日夜のテレビ朝日の番組で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設のため県に埋め立てを申請していることについて、「知事に(年内の許可を)お願いさせていただきたい。(米軍基地の集中による)沖縄県民の負担をできる限り少なくすることに全力を尽くしている」と述べた。参院選沖縄選挙区で、県外移設を掲げる野党候補の勝利が確実になったことを受けて語った。 *2:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130722-00000003-okinawat-oki (沖縄タイムス 2013年7月22日) 参院選:政府、辺野古移設への影響懸念 沖縄選挙区で自民党公認候補が落選し、野党が推した現職の糸数慶子氏が当選したことに対し、政府関係者からは、米軍普天間飛行場の移設進展への影響を懸念する声がある一方、政府方針が変わることはなく現行通り名護市辺野古への移設を進めていくべきだとする見方もあった。防衛省関係者は、普天間の「県外、国外」を訴えてきた糸数氏の再選が最新の沖縄の民意となることから「来年1月の名護市長選や、仲井真弘多知事の埋め立て承認申請の判断に少なからず影響を与えるのではないか」と指摘。ただ「自民党県連や仲井真知事も『県外』を求めている状況は同じで、政府として沖縄の理解を求めていく立場は変わらない」と引き続き溝を埋める作業が必要との考えを示した。ある官邸関係者は「自民候補の落選は、糸数氏個人の知名度の高さによるものか、基地問題をはじめとする政権や政府への県民の怒りなのか読み取りにくい」と話す。一方で「沖縄の民意は民意として受け止めるべきだが、立ち止まっていては政策が進まない」と、普天間の辺野古移設を進めるべきだとの立場を示した。 *3:http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-07-16_51755 (沖縄タイムス 2013年7月16日) 辺野古藻場保全の県民意見求める 日本自然保護協会 日本自然保護協会(東京都)は15日、名護市辺野古の海域で海草藻場を観察し、周辺海域の保全を訴えた。同協会は、米軍普天間飛行場の移設に向けた埋め立て申請に対し「利害関係者の意見」として「より多くの県民に意見を出してもらいたい」と呼び掛けた。提出期限は18日。 同協会によると、辺野古や大浦湾には県内で最大の海草藻場が広がる。この日の観察では、ジュゴンの食(は)み跡は確認できなかったが、同海域で見られる海草7種のうち、リュウキュウスガモやウミジグサなど5種を確認。いずれも生育状況は良かったという。同協会保護プロジェクト部の安部真理子さんは、埋め立てが及ぼす生物への影響は甚大だと強調。「埋め立てを阻止するために、一人でも多くの県民に意見書を提出してほしい。正式に意見が出せるのは今回が最後のチャンスだ」と呼び掛けた。同協会はホームページでも、意見書の提出方法などを掲載している。
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2013,07,15, Monday
*1より 尖閣諸島(西日本新聞より) *1の中国が日中中間線の中国側で海上施設の建設を進めていることに関しては、日中中間線から約26キロメートルしか離れていないとしても、中国が、*2のように、「自国の管轄海域で開発活動を行っている」というのは正しく、日本は、文句を言う筋合いはない。日本がやるべき重要なことは、中国の開発に日本法人が資本参加することを要請することではなく、日本側で日本が開発することなのである。つまり、今までそれをやってこなかった経済産業省、外務省及び日本政府が情けないのだ。 また、中国は日本が言う「日中中間線」を受け入れていないわけではない。何故なら、中国は、日本の言う(国際法上の)中間線の中国側でしか開発していないからである。そのため、自分たちの言い分を既成事実化したことにはならない。変なことばかり言っていると、まともな言い分も通らなくなるため、変な言いがかりはつけるべきではない。このような時には、「歴史認識とは別の問題である」として、日本は日本の権利を行使すればよいのである。また、そうしなければ、権利放棄したと看做されるのが国際常識だ。 なお、私は、このブログで領有権については、地下資源の所有権の問題で特に重要な尖閣諸島のことしか書いていない。しかし、日本政府と自民党は、二つ、外交上の失敗を侵している。失敗の一つは、中国に対して尖閣諸島の領有権を主張しながら、同時に、韓国に対して竹島の領有権を主張し、さらに慰安婦問題を正当化しようとしたため、本来同盟国になるはずの韓国を、*3のように、敵にまわしたことである。古来より、敵の敵は味方になるものだ。 もう一つの失敗は、占領下で作られたことを理由に日本国憲法を改悪しようとしたり、普天間の代替施設を辺野古埋め立てに固執したり、フクイチの実情を日本国内では発表していないなど、日本が人権を大切にする国にはなっていないことを白日の下に晒したことである。経済的にも軍事的にも中国の影響が大きくなった今、アメリカも、これでは日本を、価値観を同じくする国とは思わなくなり、日本は、唯一の同盟国であるアメリカから見放されまいと、国内産業を人質にしてTPPに参加しようとしているが、これでは主権まで放棄ではないか。 *4については、「どこまでが自衛か?」という自衛の定義を明らかにし、自衛のためには国際法にのっとって武力も使うし、集団的自衛権も行使することを自衛隊法に明記すればよいのではないかと考える。 *1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20130704&ng=DGKDASFS03049_T00C13A7PP8000 (日経新聞 2013.7.4) ガス田、また火種に 中国、東シナ海「日中中間線」で無断開発 中国が東シナ海の「日中中間線」付近で、ガス田開発のためとみられる新たな掘削施設の建設を進めていることが3日、分かった。中間線よりも中国寄りの地点ではあるものの、境界が画定していない海域での一方的な開発に日本は強く抗議。沖縄県の尖閣諸島を巡って対立する日中関係は険しさを増している。日本政府は中間線の西側約26キロメートルの地点で、中国の大型クレーン船が海上施設の建設を進めていることを確認。6月27日に当時の河相周夫外務次官が中国の程永華駐日大使に抗議した。菅義偉官房長官は3日の記者会見で「双方の主張が重複する海域で一方的に開発を進めることは認められない」と強調した。 東シナ海のガス田については、日中両政府が2008年6月に(1)中国側が開発を進めている白樺(中国名・春暁)に中国の法律に従い、日本法人が資本参加(2)日中中間線をまたぐ北部海域に共同開発区域を設ける――などで合意。両国で見解が異なる排他的経済水域(EEZ)の境界問題は棚上げにした。ただ、実現に向けた条約締結の交渉は10年9月、尖閣諸島付近での漁船衝突事件をきっかけに中国側が延期を通告した。早期再開を求める日本の呼びかけに、中国側が応じる気配はない。08年の日中合意で共同開発に向けて継続協議とした樫(中国名・天外天)などでは、中国が単独で開発する動きを続けている。中国は日本が訴える「日中中間線」を受け入れておらず「自国のEEZは沖縄本島のすぐ西まで及ぶ」と主張する。中間線付近で新たな施設を建設する背後には、自分たちの言い分を既成事実化する狙いも透ける。 日中関係は尖閣諸島や歴史認識を巡ってぎくしゃくしており、2日に閉幕した東南アジア諸国連合(ASEAN)の一連の会合でも外相会談を開けなかった。外務省幹部は「関係改善に向けて宿題がまたひとつ増えてしまった」と語った。 *2:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013070301001751.html (東京新聞 2013年7月3日) 「抗議受け入れず」と中国 東シナ海ガス田施設建設で 東シナ海での中国による新たなガス田採掘関連施設建設で、中国外務省の華春瑩副報道局長は3日の記者会見で「中国は自国の管轄海域で開発活動を行っている」として事実上建設着手を認めた上で、「日本側の抗議は受け入れられない」と述べた。菅義偉官房長官が同日午前の記者会見で、中国による新たな施設建設着手が確認されたと明らかにしていた。 *3:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013071102000134.html (東京新聞 2013年7月11日) 日韓首脳会談に朴大統領否定的 竹島、慰安婦問題に言及 韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は十日、韓国メディア論説委員らとの昼食会で日韓首脳会談に関連し、竹島(韓国名・独島)や旧日本軍慰安婦問題について「日本は国民の傷を刺激し続けている。未来志向で進む雰囲気の中で行われなければならない」と、日本側の態度に変化がなければ会談は難しいとの考えを示した。青瓦台(大統領府)当局者が明らかにした。朴氏は「首脳会談は良い結果が出てこそ意味がある。会談直後に独島や慰安婦問題が出ては、両国関係がさらに悪化する可能性もある」とも強調した。二月に就任した朴氏は、米国に次いで日本を訪れてきた歴代大統領の慣習を破り、五月の訪米に次いで六月に中国を訪問。これまで五月に行われてきた日中韓首脳会談も実現せず、安倍晋三首相との顔合わせが実現していない。 *4:http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201307/0006149051.shtml (神戸新聞社説 2013/07/11) 防衛方針/「専守」の理念どう考える 沖縄県・尖閣諸島の周辺では中国艦船の領海侵入が目立つ。北朝鮮は国際社会の警告を無視して核実験やミサイル発射などの挑発行為を続けている。いつ、不測の事態が起きてもおかしくない。「安全保障環境は一層厳しさを増している」という今年の防衛白書の指摘は、その通りだろう。国民の生命や財産をどう守るか。参院選で政党間の活発な論議を聞きたいところだが、どうも盛り上がりに欠ける。特に「先頭に立って領土、領海、領空を守る」などと宣言した安倍晋三首相率いる自民党が、選挙戦で踏み込んだ議論を避けているように見える。 経済政策を正面に掲げ、議論を呼びそうな問題は選挙の後に、と考えているのなら、姑息というしかない。集団的自衛権行使の容認など、憲法解釈の見直しにつながる重要テーマこそ、党の方針を積極的に語らねばならない。集団的自衛権とは、自国と密接な関係にある国が第三国から武力攻撃された場合、共に協力して防衛する権利をいう。主権国家として日本も集団的自衛権を有する、というのが政府の見解だ。自国が攻撃されなくても他国に向けて武力を行使できる。その点が、「国際紛争解決の手段としての武力による威嚇または武力行使」を禁じる憲法9条との関係で議論を呼んできた。 歴代内閣は「自国の防衛以外に武力は行使できない」との憲法解釈を受け継いできた。「権利はあるが使えない」という考え方だ。安倍内閣も同じである。しかし、安倍首相は集団的自衛権の行使を容認する考えを何度も口にする。自民党の公約は容認への法整備として「国家安全保障基本法」の制定をうたう。「専守防衛」の理念はどうなるのか。「平和国家」の国是にも関わり、国民に詳しく説明するのが筋だろう。 連立を組む公明党の山口那津男代表は「断固反対」を明言する。政権内の考え方が真っ向から違えばなおさらだ。今年の防衛白書は、敵国の基地を自衛隊が攻撃できる能力の保持など、自民党が目指す他の政策にも触れている。やはり「専守防衛」に関わる問題だ。「安倍カラー」を強く打ち出した白書だが、本来なら選挙戦で議論を深めるべき事柄である。参院選後の3年間は国政選挙の予定がない。その間に物事を推し進めようとの狙いなら、国民の理解は得られない。各党とも、議論するなら今だろう。
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2013,06,05, Wednesday
事実として、領有権問題の棚上げ合意が存在したとしても、いつまで棚上げするかが重要なのである。1972年当時は、まだ、終戦後27年しか経っておらず、当時の田中角栄首相と周恩来首相は、日中国交正常化を目的として会ったのだから、問題となりそうな領土問題を棚上げしたのは当然である。 しかし、現在は、その日中国交正常化が実現してから41年が経過し、終戦からは68年が経過して、日中両国の状況は変った。今の時点で、田中角栄首相と周恩来首相が尖閣諸島の領土問題を話し合ったとすれば、二人とも「領土問題を棚上げしよう」とは言わなかった筈である。 そのような中、野中氏が「領土問題を棚上げする日中合意があった」とのみ言うために中国に行ったとすれば、国益に反し、不可解だと思った。もちろん、それに対する日本政府の「書面に書かれていないので、そういう話はなかった」と言うのは、中国にさらなる不信感を与える不誠実なもので、「その時は棚上げしたが、もうはっきりさせるべき時である」と言う方が、お互いの信頼を損ねず次に繋がると考える。 *1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013060502000129.html (東京新聞 2013年6月5日) 「日中が尖閣棚上げ」発言 野中氏「撤回しない」 野中広務元官房長官は四日、帰国後に関西空港で記者団の取材に応じ、沖縄県・尖閣諸島をめぐり「領土問題を棚上げする日中合意があった」とした自身の発言について「私はそれを言うために(中国に)行ったのだから、発言の撤回などしません」と話した。野中氏は「尖閣諸島をめぐるわが国と中国の対立は国民に異常な不安感を与えている」と主張。「政府がそれ(棚上げ)を無視しているから対立がある」と述べた。発言が中国に利用されるのではとの指摘については「利用されたくないし、中国もそうは思っていないと思う」と反論した。 <日中国交正常化交渉と尖閣問題> 1972年9月、当時の田中角栄首相は北京を訪問し、中国の周恩来首相と国交正常化交渉に臨んだ。日本側の記録によると、田中氏が沖縄県・尖閣諸島に言及したのに対し、周氏は「尖閣問題は今回話したくない」と提案。これに続く田中氏の発言は記載されていない。一方の中国は田中氏が提案に「分かった」と返答したとして「領有権問題の棚上げ合意は存在する」と主張している。 PS(2013/6/6追加):あの状況で棚上げに合意したとすれば、領有権問題の存在に合意したことになるのか、私は疑問に思いました。物事は、一度には改善できないので、徐々にやるのが普通だからです。 *2:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS05048_V00C13A6PP8000/?dg=1 (日経新聞 2013/6/6) 尖閣「棚上げ」論で応酬 野中氏発言に政府反発 1972年の日中国交正常化の際、沖縄県の尖閣諸島の領有権問題を棚上げする共通認識があったとする野中広務元官房長官の発言に政府が強く反発している。背景には「領有権問題の存在を認めること」を日中首脳会談開催の条件にし棚上げ合意の受け入れを迫る中国と、それを拒む安倍政権のせめぎ合いがある。中国側に両国関係の改善へ向けた思いがあるとの見方も浮上している。「野中さんは田中角栄元首相(から聞いた)と言っていたが、40年前の伝聞で聞いたこと。確たる根拠も示さず、招待された中国でわざわざ発言することに非常に違和感を覚える」。菅義偉官房長官は5日の記者会見で、野中氏の発言を批判した。「棚上げや現状維持を合意した事実はない。(領土)問題は存在しない」と両国間の合意の存在も否定した。野中氏ら超党派議員団は昨年訪中する計画だったが、同9月の尖閣国有化を受けて見送っていた。中国側の招待で再調整が本格化したのは今年5月中旬ごろ。議員団関係者は「急な話だった」と説明する。そのころ中国は日中韓首脳会談の開催を断るなど強硬姿勢を続けていた。日中首脳会談などハイレベル交流の再開条件として、中国は「尖閣での領土問題の存在を認めること」を提示していた。日中関係筋によれば、最近「棚上げ合意を受け入れること」との条件に変えたという。尖閣問題で日本から譲歩を得られなければ、中国指導部は国内で弱腰批判を浴びかねない。間接的に領土問題の存在を認めればいい「棚上げ合意の確認」は、中国側にしてみれば関係改善に向けた「誘い水」だった。だが、日本には受け入れられない内容だ。安倍晋三首相は5月11日、米外交専門誌、フォーリン・アフェアーズのインタビューに対し「尖閣問題を棚上げすることに、我々が同意したことは一度もない。過去にそう合意していたと主張することは、まさに嘘を言っていることになる」と強く否定した。中国外交筋は、5月16日付で電子版に載った同発言に「非常に驚き、今後の対応に困惑した」と説明する。公明党の山口那津男代表が1月の訪中前に「将来の知恵に任せることは一つの賢明な判断」と事実上の棚上げ論に言及するなど、安倍政権に一定の柔軟姿勢への期待があったためだ。野中氏の発言をきっかけに尖閣を巡る日中間の応酬が再燃したことで、首脳間交流の再開が一層遠のく可能性もある。
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2013,03,12, Tuesday
日本の春(花畑) *1のように、北朝鮮が「朝鮮戦争休戦協定を完全に白紙化した」と宣言しているのは、ここで韓国と最後の一戦を交えて、朝鮮半島を統一したいからであろう。そして、統一後、どういう体制になるかについては、東西ドイツの統一がそのよい事例である。従って、世界の対応は、*2のように、北朝鮮が「白紙化」を宣言した朝鮮戦争休戦協定が、現在も有効だと主張するより、ここは、韓国と米国が形だけ戦争をするか、何らかの方法で北朝鮮の国民を開放すべきなのだ。 今まで、近隣諸国には、北朝鮮の国民を開放すると、難民が押し寄せて困るという考慮があった。しかし、*3のように、現在、日本は、東日本大震災からの復興や災害に対応できる新しいまちづくりで、人手が足りなくて困っている状態であるため、北朝鮮からの労働者を雇用することができる。つまり、日本の難民受入体制も整ったわけだ。なお、日本に永住する予定のない外国人労働者には、2011年11月23日に記載しているように、半分はドルによる賃金支払いをして本国送金に充ててもらうようにアレンジすれば、日本の円高差益も復興に利用できる。 そして、日本に永住し、子どもに日本の教育を受けさせる人には、日本人と同様、児童手当を支給し、高校無償化や大学進学時の奨学金の恩恵も与えればよいと考える。 *1:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013031101001246.html (東京新聞 2013年3月11日) 北朝鮮、南北直通電話を遮断 協定白紙化宣言 米韓は合同演習 【平壌、ソウル共同】北朝鮮は11日、南北軍事境界線上にある板門店の南北直通電話を遮断した。朝鮮労働党機関紙、労働新聞は同日、「まさに今日から朝鮮戦争休戦協定が完全に白紙化された」と宣言、「鋼鉄の砲身と戦略ロケット(ミサイル)が発射の瞬間を待っている」と米韓を威嚇する記事を掲載した。一方、米韓両軍は同日、定例の合同軍事演習「キー・リゾルブ」を韓国で開始した。3度目の核実験を強行した北朝鮮は、国連安全保障理事会の制裁強化決議や合同演習実施に強く反発。過去の南北不可侵に関する合意を破棄するとも宣言しており、米韓は追加核実験などの挑発行為を警戒している。 *2:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/352418 (西日本新聞 2013年3月12日) 朝鮮戦争の休戦協定は「有効」 一方的離脱できぬと国連 【ニューヨーク共同】国連のネザーキー事務総長報道官は11日の記者会見で、北朝鮮が「白紙化」を宣言した朝鮮戦争休戦協定は現在も「有効だ」と述べ、協定の定めにより、一当事者が一方的に離脱することはできないと指摘した。報道官は「ホットライン(の切断)と休戦協定(の白紙化)についての報道を把握しているが、休戦協定はなお効力を保っていると強調したい」と述べた。また潘基文事務総長が北朝鮮に対し、休戦協定を今後も尊重するよう求めたことも明らかにした。 *3:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2417347.article.html (佐賀新聞 2013年3月11日) 首相、高台移転へ手続き簡素化 / 原発被災者に帰還工程表 安倍晋三首相は11日、東日本大震災から2年を迎えたのを受けて官邸で記者会見し、津波被災地の住居の高台移転を加速するため、行政手続きの大幅な簡素化に乗り出す意向を表明した。東京電力福島第1原発事故で避難した住民の早期帰還に向け、立ち入り可能となった地域の道路や医療機関などインフラ整備を進め、いつ住めるかを明示した工程表を、今夏をめどに公表する考えを示した。復旧の現状に触れ「被災地の厳しい現実から目を背けることはできない。東日本大震災は現在進行形」と指摘。国民に「一人一人が復興のために、それぞれの持ち場で、できることに力を尽くしていこう」と呼び掛けた。 PS(3月17日広津追加):*4の記事は、見透かされているようで、こわいですね。 *4:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/353398 (西日本新聞 2013年3月17日 ) 北朝鮮、核攻撃言及で日本威嚇 党機関紙「例外でない」 【北京共同】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は17日、米国に対する核先制攻撃の可能性に言及した記事を掲載し「必要な時に、必要な対象に向け自衛的な軍事行動を取る。(米に加担する)日本も決して例外ではない」と日本を威嚇した。3度目の核実験を受けた国連安保理による北朝鮮制裁強化の決議採択後、独自制裁の検討を本格化させる日本を強くけん制した。記事は「米国が核戦争の導火線に火を付けるなら、核先制攻撃の権利を行使する」と主張。日本が米軍の基地となっていると指摘し「日本は海の向こうにいるからといって、攻撃を免れることができると誤解してはならない」と警告した。
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2013,03,06, Wednesday
*1のように、尖閣諸島の領海に中国船が侵入して「中国固有の領土だ」と主張し、世界に向かってもそうアピールしているが、2012年9月4日付のこのブログへの記載にも書いたとおり、尖閣諸島は明らかに日本の領土だ。 そのため、*2のように、与那国島に自衛隊(ただし、日本の国境警備には、陸自の沿岸監視部隊より海自の国境監視部隊の方が重要だと思う)を配備したり、*3のように、海上保安庁が、海上自衛隊から退役する護衛艦を譲り受けて巡視船に転用したりするのはよいと思う。何故なら、自衛隊が攻撃すれば戦争になってしまうが、海上保安庁であれば、領海侵犯者の逮捕は当然の逮捕となり、戦争という話にはならないからである。しかし、現在の海上保安庁は、国境警備体制も能力も手薄であるため、退役する護衛艦を活用するのは名案だと思う。 なお、*3には、操船技術の違いや乗組員の確保で問題が残っていると書かれているが、自衛隊は戦争をする軍隊であるため退職年齢が若く、隊員は再就職先を見つけるのに苦労していると聞く。一方、海上保安庁の退職年齢は一般と同じであるため、自衛隊で退役した人を海上保安庁で中途採用して海上保安官としてのあるべき行動を研修した上で、乗船してもらえば解決するであろう。いつまでも官の縦割意識を持つのは、技術ある人材の有効活用という点からもやめるべきである。 *1:http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013022401001423.html (47ニュース 2013/2/24【共同通信】) 尖閣領海に中国船侵入 2日連続、15分間 24日午前8時20分ごろ、沖縄県・尖閣諸島周辺の領海に中国の漁業監視船「漁政206」が侵入するのを海上保安庁の巡視船が確認した。約15分間、領海を航行した後、領海の外側にある接続水域に出た。漁政206は、23日も午後4時50分ごろから約1時間、領海に侵入しており、2日連続の領海侵入。第11管区海上保安本部(那覇)によると、同船は尖閣諸島・久場島の東側から領海に侵入した。巡視船が領海から出るよう警告したのに対し、漁政206は「釣魚島(尖閣諸島の中国名)や付属の島々は中国固有の領土である」と中国語で応答した。巡視船が、領海に再び入らないよう警戒を続けている。 *2:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013030400728 (時事ドットコム 2013/3/4) 15年度までに与那国配備=陸自沿岸監視部隊-安倍首相 安倍晋三首相は4日の衆院本会議で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で中国軍などが活動を活発化していることを受け、日本最西端に位置する与那国島(同県与那国町)への陸上自衛隊沿岸監視部隊の配備を2015年度末までに実現する方針を表明した。 尖閣諸島から与那国島までは約150キロメートル。防衛省は、艦船や航空機に対する沿岸からの警戒監視を強化するため、100人規模の部隊を与那国島に常駐させる方針で、13年度予算案には敷地造成費など約62億円を計上している。 首相は、藤井孝男氏(維新)の代表質問に対し「わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、南西諸島をはじめとする島しょ部の防衛体制充実は極めて重要だ」と指摘した上で、同部隊を「15年度までに配備したい」と述べた。 *3:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130305-00000009-asahi-soci (朝日新聞デジタル 2013年3月5日) 尖閣監視へ退役海自艦の転用検討 海保、巡視船に 海上保安庁が、海上自衛隊から退役する護衛艦を譲り受けて巡視船に転用する案を検討していることがわかった。沖縄県・尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返す中国公船に対応し、態勢を増強するためで、海保は退役予定の護衛艦を1月に視察した。ただ、操船技術の違いや乗組員の確保など、解決すべき問題もある。 護衛艦の転用は、政権交代前の昨年11月、自民党の安倍晋三総裁が提案した。中国公船への対抗策として「物量において阻止しなければいけない」と語った。太田昭宏国土交通相は先月末、朝日新聞の取材に、転用を検討中だと認めた。 海保幹部によると、転用候補に挙がっているのは海自を来年までに退役する4隻。海保の技術担当者が海自横須賀基地(神奈川県)を視察し、転用が可能か情報収集したという。候補は満載排水量約4千トンの「はつゆき」型とみられる。防衛省によると、退役予定の4隻は就役から30年近く経っており、通常はスクラップにされるか、訓練でミサイルや魚雷の標的として沈められる。
| 外交・防衛::2013.1~2014.8 | 12:47 AM | comments (x) | trackback (x) |
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