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2014.9.26 これも冤罪では?
(1)遺体発見翌日の容疑者逮捕で兵庫県警は何とか面目を保ったが、容疑者は真犯人か?
 *1-1のように、9月11日から2週間近くも行方が分からなくなっていた神戸市長田区の小学1年生、生田美玲ちゃんが9月23日に遺体で見つかり、翌日、近くに住む47歳の男が警察に取り調べられ、容疑が固まりしだい死体遺棄の疑いで逮捕する方針とのことである。そして、すべてのTVチャンネルが、長い時間を割いて、まだ犯人と確定していない男性の悪い噂を探しては報道しているが、これが、我が国のメディアのレベルだ。

 *1-1などのTV報道で、「遺体が入っていた袋の中に、近くに住む47歳の男の名前が書いてある診察券が入っていた」と報じられた時、私は公認会計士として経験を積んだ監査人の直感で、遺体を捨てる袋にわざわざ自分の診察券を入れるのは不自然だと思ったが、これが取り調べを始める決め手となり、同じく袋に入っていた煙草の吸殻のDNAと容疑者のDNAが一致したのだそうだ。つまり、遺体を入れた袋には、犯人特定に必要なすべてのものが入っていたが、遺体は切断されて複数の袋に分けて入れられ、下半身は見つかっていないというのであり、これは普通では考えられない。

 また、*1-2に書かれているように、死体遺棄容疑で逮捕された無職の君野容疑者は、逮捕前に自宅を訪問した警察官を警戒することなく招き入れ、「女児のことは知らない」と話していたそうだが、もし部屋で犯行に及び、部屋に女児の遺体があれば、警戒することなく招き入れることはできない筈である。

 そして、*1-2、*1-3に書かれているように、複数の防犯カメラが不審な男の行動を記録し、服装などから兵庫県警はいずれも君野容疑者とみているそうだが、それはつまり、防犯カメラに顔ははっきり映っていなかったということだ。

(2)真犯人なら、わざわざ遺体の袋に診察券や煙草の吸殻を入れない
 兵庫県警は何度も探したが、その草むらだけは探していなかったとしているが、これは捜査の専門家にしてはおかしな話だ。さらに、本物の犯人なら、わざわざ遺体の袋に診察券や煙草の吸殻を入れたりはしないと思われるので、報道されるたびに、この事件の展開はおかしいと思っていたところ、*2-1のように、「またまた、兵庫県警による大冤罪事件か?」というブログがあった。

 *2-1には、「遺体の入ったポリ袋に唾液の着いた吸殻と診察券。真犯人が君野容疑者に罪を擦り付けるために行った小学生でも判るトリックに騙される低脳」「レイプを隠蔽するため下腹部の隠蔽(精液で犯人を特定されるのを防ぐため)など明らかに捜査の基本を知っている人間の犯行」「冤罪発生装置の兵庫県警と記者クラブ制度で警察発表を鵜呑みで垂れ流すクソマスゴミを許すな」と書いてあり、このシナリオの方が自然に思えた。

(3)冤罪のパターン
 *2-2にまとめられているこれまでの冤罪事件をみると、袴田事件では、事件から1年以上経って味噌樽から発見された5点の衣類が犯行着衣とされ、弁護団の実験では、1年以上味噌樽に付け込んだ衣類は真っ黒になり、発見された時のような状況には、数時間漬け込んだ時になるということだった。そして、それまで何度も捜査をしながら味噌樽からは何も発見できなかったのに、1年以上経過した後に発見され、それが重要証拠となって有罪とされているのが、今回の容疑者の診察券と煙草の吸殻入り遺体袋の発見と似ている。

 なお、冤罪に落とし込むには、周りの反発が少ないため、身寄りがなく無職で孤独な人を選ぶのだと聞いたことがある。君野容疑者はまさにそれにあたるため、弁護士はしっかりしてもらいたいところだが、弁護士も、国選弁護人や交通事故の弁護士として警察から情報をもらうため、容疑者より警察との利害関係が深く、容疑者の立場で弁護するとは限らないところが問題なのである。

<遺体発見と容疑者逮捕>
*1-1:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140924/t10014824601000.html
(NHK 2014年9月24日) 小1女児遺体遺棄事件 近所の47歳男逮捕へ
 今月11日から行方が分からなくなっていた神戸市長田区の小学1年生、生田美玲ちゃん(6)が遺体で見つかった事件で、警察は近くに住む47歳の男が事件に関わっている疑いがあるとして取り調べていて、容疑が固まりしだい死体遺棄の疑いで逮捕する方針です。取り調べを受けているのは、神戸市長田区の47歳の男です。この事件は、23日午後4時すぎ、神戸市長田区の雑木林で袋に入った子どもの遺体が見つかったもので、警察によるDNA鑑定の結果、24日午前、同じ長田区で今月11日から行方が分からなくなっていた小学1年生の生田美玲ちゃん(6)と確認されました。警察によりますと、遺体が入っていた袋の中には、近くに住む47歳の男の名前が書いてある診察券が入っていたということで、取り調べを始める決め手になったということです。警察は男が事件に関わっていた疑いがあるとして、容疑が固まりしだい死体遺棄の疑いで逮捕する方針です。これまでの調べによりますと、遺体は切断され複数の袋に分けて入れられていました。また、現場からは美玲ちゃんのものと特徴がよく似たサンダルやワンピースが見つかっています。調べによりますと、美玲ちゃんは行方不明になった当日の午後、小学校からいったん帰宅したあと再び外出し、午後3時15分ごろ、家から400メートルほど離れたコンビニエンスストアの防犯カメラに、日傘をさして1人で歩く姿が確認されています。そして午後5時半ごろに、そこから数百メートル離れた高校のグラウンドの近くを1人で歩いている様子が目撃されたのを最後に行方が分からなくなり、警察が付近を捜索していました。警察は遺体の状況などから殺人と死体遺棄の疑いで捜査本部を設置して捜査しており、死因についても調べを進めることにしています。

*1-2:http://digital.asahi.com/articles/ASG9V31Q1G9VPTIL002.html
(朝日新聞 2014年9月26日) 逮捕前、訪問の警察に「女児知らない」 神戸・遺棄事件
 神戸市長田区で市立名倉小1年の女児(6)の遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された無職君野康弘容疑者(47)が逮捕前、自宅を訪問した警察官に「女児のことは知らない」と話していたことが捜査関係者への取材でわかった。行方不明当日に君野容疑者とみられる男と女児の姿が防犯カメラに映っていたが、事件前の面識の有無は不明だ。兵庫県警が最初に君野容疑者に接触したのは、女児が行方不明となってから5日後の今月16日だった。捜査関係者によると、君野容疑者は警戒することなく捜査員を招き入れた。女児との面識について問われると、「知らない」と説明したという。行方不明当日の11日の自らの行動については「覚えていない」と述べ、事件への関与を否定したという。ただ、複数の防犯カメラが、不審な男の行動を記録していた。11日午後3時15分ごろ、コンビニエンスストアのカメラに、女児の後ろを歩く男が映っていた。コンビニ近くの同級生のマンションに女児が入ったのとほぼ同じ頃にも、マンションの入り口のカメラに男の姿が映っていた。これらの映像を端緒に君野容疑者が浮上したという。これ以降、女児の目撃証言は同日午後5時半ごろまであるが、2人の接触を裏付けるものは見つかっていないという。君野容疑者の自宅アパートの関係者によると、現在の神戸市長田区長田天神町1丁目のアパートに君野容疑者が入居したのは昨年6月。同じ長田区内からの転居だった。一方、女児は今年4月、君野容疑者の自宅からも近い名倉小学校に入学した。夏には近所のマンションから現在のアパートに転居した。場所は君野容疑者のアパートから西へ約100メートル余りしか離れておらず、2人の生活圏は、この時点で非常に接近していた。君野容疑者と女児が以前から面識があったのかは、君野容疑者が黙秘しているため判然としない。事前に面識はなかったとみている捜査関係者もいる。女児の遺体は23日に見つかり、君野容疑者は翌24日に逮捕された。
■運動会開催へ
 神戸市教委は26日、開催の見送りを決めていた名倉小の運動会を10月に開くことを明らかにした。女児の母親から「子どもたちのために開いてほしい」との意向が伝えられたという。運動会は今月27日に予定されていたが、遺体発見を受けていったん見送りを決めていた。名倉小の平井正裕校長が母親にお悔やみの電話をかけた際、運動会についても相談したところ、「開いてほしい」と言われたという。事件前、女児は熱心にダンスの練習に取り組んでいたという。

*1-3:http://www.asahi.com/articles/ASG9T6DBJG9TPTIL01Q.html?iref=comtop_pickup_05 (朝日新聞 2014年9月26日) 複数の防犯カメラに容疑者の姿 神戸・女児遺棄
 神戸市長田区で市立名倉小学校1年の生田美玲(いくたみれい)さん(6)の遺体が見つかった事件で、行方不明になる11日に美玲さんが近所の同級生のマンションを訪れた際、その周辺をうろつく無職君野康弘容疑者(47)=死体遺棄容疑で逮捕=とみられる男の姿が複数の防犯カメラに記録されていたことが兵庫県警への取材でわかった。県警は、君野容疑者が被害女児に関心を持っていたとみて調べている。捜査関係者によると11日午後3時15分ごろ、マンション近くのコンビニエンスストアの防犯カメラに、日傘を差して歩く女児と、その後ろをふらふらした足取りで通り過ぎる不審な男が映っていた。その直後、女児は同級生を訪ねるためにマンション内に入った。ほぼ同じころ、マンションの防犯カメラには、入り口付近にいる似た男の姿が映っていた。さらにコンビニ店の防犯カメラには、マンション方面から戻ってきて立ち止まる男の姿も記録されていた。男は、マンションのほうをうかがうように見たあと、もともと来た北方向に立ち去っていた。服装などから、県警はいずれも君野容疑者とみている。一方、女児は同級生と会えないままマンションを出た。北隣にある公園の防犯カメラに姿が映っているが、コンビニ店のカメラには戻ってくる女児の姿が確認できないことから、公園とコンビニ店の間にある脇道に入った可能性があるとみられている。女児はその後、午後5時半ごろまで近辺を1人で歩く姿が目撃されている。県警は、これ以降に再び君野容疑者と接近した場面があったとみて、2人の詳しい足取りを調べている。
    ◇
 君野容疑者に25日夜、県警本部で接見した弁護士が報道陣の取材に応じた。君野容疑者について「表面上は落ち着いているように見えたが、とにかく疲れた様子だった」と語った。

<冤罪のパターン>
*2-1:http://blog.livedoor.jp/tacodayo/archives/7538708.html
(tacodayoのブログ) またまた、兵庫県警による大冤罪事件か?
 神戸連続児童殺傷事件で無実の中学生を犯人に仕立てあげた前科がありますからね。神戸市長田区の小学1年生、生田美鈴さん(6)の切断遺体が見つかった事件で、遺体発見現場の近くに住む君野容疑者(47)が逮捕されましたが、遺体の入ったポリ袋に唾液の着いた吸殻と診察券。真犯人が君野容疑者に罪を擦り付けるために行った小学生でも判るトリックに騙される低脳馬鹿ザル。真犯人は兵庫県政の大物の子弟か県警幹部周辺人物でしょう。レイプを隠蔽するための下腹部の隠蔽(精液で犯行を特定されるのを防ぐため)など明らかに捜査の基本を知っている人間の犯行。冤罪発生装置の兵庫県警と記者クラブ制度で警察発表を鵜呑みで垂れ流すクソマスゴミを許すな!!

*2-2:http://blog.iwajilow.com/?eid=1071754 (つぶやきいわぢろう 2013.6.16) 
TVディレクターがメディアでは伝えられないニュースの裏側を日々レポ
 「助けてください」冤罪被害者の叫び、「息子は人を殺めていません。無実なんです。私が生んで私が育てたんです。どうか息子を助けてください(涙)」。仙台北稜クリニック事件の守大助さんのお母さんの叫びです。大阪に僕が行っていたのは昨日開かれた「なくそう冤罪 救おう無実の人々」というたんぽぽの会の集会に出席するためでした。クレオ大阪西のホールで開かれたこの集会は、ほぼ満席という盛況ぶりでした。集会では布川事件の桜井さんが司会で、福井女子中学生殺害事件の前川さん、袴田事件の袴田さんのお姉さん、そして守大助さんのお母さんによるパネルディスカッションが行われました。皆さん再審請求審が進められています。
 事件から1年以上経ってから味噌樽から発見された5点の衣類が犯行着衣とされて有罪証拠とされた袴田事件。この5点の衣類は本当に袴田さんのものなのか?事件から1年以上、味噌樽に付けられたものなのか?弁護団の実験では1年以上味噌樽に付け込まれた衣類は真っ黒になり、とても発見された時のような状態ではないことがわかりました。しかも数時間、漬け込めば発見された時のような状況になることもわかりました。それまで何度も捜査をしながら味噌樽からは何も発見できなかったのに、なぜ1年以上経過した後に発見されたのか?不思議でなりません。袴田さんの再審請求審では5月24日。この実験を行った方の証人尋問が行われたそうです。またDNA鑑定でもこの5点の衣類についた血痕が被害者のものでも袴田さんのものでもないことがわかりました。お姉さんはこう言います。「DNA鑑定の結果が出て大変良かったのでこれでしゃべれると思いました。それまでは沈黙を続けていましたが、去年から大いに弟は無実であると訴えています。5月24日に味噌漬実験の証人尋問が終わりました。普通、こういった証人尋問で裁判所に呼ばれることはありません。母親は『もうダメかいね、もうダメかいね』といって死んできました。私は母親を背中にしょっています。その苦しみを少しでも軽くしたいと思っています。すで兄たちも2人が他界しました。亡くなった兄たちのためにも少しでも頑張りたい。裁判所には何を言ってもしょうがないと思っています。ひたすら再審開始を願ってやっています」。袴田さんのお姉さんはすで80歳です。ずっと独身を通してきました。「縁談もないことはなかったのですが、巌のことを承知してもらってくれるというのは何かあると思ってね、そんなことをしなくていいと思って、面倒だと思って独身できました」。検察と警察の悪意は家族の人生もボロボロにします。
 守大助さんのお母さんはこう言います。「有罪を下した唯一の証拠が大阪科捜研の鑑定なんです。去年の12月に三者協議で検察がこの誤りを認めました。それを先延ばしにしているんです。このことに対する怒りを我慢することができません。警察官とすれ違うだけでムカムカします。「本当に悔しい」。
 去年名古屋高裁で再審開始決定が取り消されてしまった前川さん。再審に向けて頑張っていたお父さんの体調はあまり良くないそうです。「本当にショックでかなり堪えたみたいです。未だに僕も信じられません。ただ最高裁でひっくり返る可能性もないことはないとい言うのでそこに向けて頑張っています」。前川さんには事件当夜のアリバイがあります。「その当時家族と一緒にいたんですね。母親が退職してその退職金が入ったのと、それから姉がいるのですがその姉が結婚するので、婚約者と一緒に来ていたんです」。その家族で一緒に食事をしていました。しかし、その姉とも疎遠になってしまっているそうです。桜井さんはこう言います。「検察は目の前の人間を犯人にするためには何をやってもいいと思っているんですね。そして誰も責任を取らない。検察は今もこう言っているんですね。『桜井と杉山はたまたま有罪が立証できなかっただけであいつらは犯人である』。
 今、私は国賠訴訟を起こしていますが、証拠開示を実現したいと思っているんです。税金で集めた証拠をなんで見せてもらえないのか?なんで隠すのかおかしいと思いませんか?検察はこういうんですよね。『証拠を開示する法律はない』。だから開示しなくていいという。確かに『証拠を開示する』という法律はありません。けれども『開示しない』という法律もないんです。これは検察が『証拠を隠す』ということは想定してないんです。まさか、そんなひどいことをしないという前提のもとにあるんです。
 酷いと思いませんか。http://blog.iwajilow.com/manage/?mode=write&eid=1071668 僕は検察、裁判官、警察この司法3公務員の腐敗ぶりは目を覆うばかりだと思います。今もたくさんの冤罪被害者が国家権力に人生を台無しにされています。DJポリスが表彰されるってことは、いかにいつも国家権力が庶民に対して高飛車であるかということの象徴じゃないでしょうか?本当にこの国の司法はどうかしていると僕は思います。

| 司法の問題点::2014.3~ | 05:26 PM | comments (x) | trackback (x) |
2014.4.1 ストーカー事件における警察の対応に見る女性軽視は、女性の被害を大きくすること
    
       2012年ミスインターナショナルの吉松育美さん

 私が、このブログの2014年3月29日に記載した袴田さんの冤罪事件のような理不尽なケースは、他人事であって自分とは関わりないと思っている人も多いだろうが、ストーカー事件であれ殺人事件であれ、事件と遭遇して、自分がお世話にならなければならない時に司法が歪んでいると、普段から税金を払っているにもかかわらず、自分も正しいケアを受けられないことを認識しておくべきである。

 しかし、自分がお世話にならなければならない時には、自分の身を守ることで精一杯の弱者となっているため、司法の理不尽さを指摘することまではできないので、このようなことは普段から意識して改善しておく必要がある。

(1)ストーカー事件に見る警察・裁判所の女性軽視
 *1のように、警察が把握したストーカー被害は2013年に2万1089件で、東京都三鷹市の女子高校生が元交際相手に刺殺されたり、神奈川県逗子市の女性が2012年11月に元交際相手の男に殺害されたりした。そして、警察に届けたのに対応されず、犯罪に至ったケースが多い。

 *2の長崎ストーカー殺人事件では、警察に届けたにもかかわらず、警察署員が女性の被害届受理を先送りして北海道に旅行し、殺人が起こるまで野放しにした上、(男性)裁判員が、「逃げられなかったのは家族や同僚を守るためだけですか?」と質問して、「女性にも未練があったのでは?」という二次的セクハラに当たる問いを発している。しかし、“未練”は、警察に届けた時点では全くないと考えるのが自然だ。

 つまり、司法を含む全体として、①女性の主張は無視又は軽視する ②ストーカーになった男にでも女性にも未練があったのではないかと考える など、女性の意思や命を男性のそれよりも軽視しているように見え、それは、普段からメディアや演歌で毎日のように流布され、人々の脳裏に刻印され続けている男性中心の男女関係像からくるものだと考えられる。そして、このように全ての人の発想に影響を与えるため、偏見と差別だらけのメディアの質の悪さは、表現の自由を超える重大な問題なのだ。

(2)ミスインターナショナルで優勝した吉松育美さんへのストーカー行為について
 *3に書かれているように、2012年に日本人として初めてミスインターナショナルで優勝した吉松育美さんは、美人であるだけでなく中身もしっかりした人であるため、現代の山本富士子や吉永小百合として晴れやかな未来があっても不思議ではないのに、女優としてチャンスを与えて大切に育てられることもなく、大手プロダクションの男性から執拗なストーカー行為や業務妨害を受けたり、その人が裏で仕掛けた週刊誌記事によって仕事を失ったり、警察に事情を話しても「自宅周辺のパトロールを強化する」と言われただけで終わったり、裁判所で身の安全を確保するための仮処分の申請をしてもそっけなくあしらわれたりしており、もったいないことである。

 そのため、「女性が輝く社会を作る」と言っておられる安倍総理に、「人の命が無くならなければ動けないようなシステムを変えるため、女性に対する暴力と犯罪の加害者への取り締まりや処罰を厳しくし、警察の意識改革をし、メディア報道の問題も変えていただきたい」とのことだ。

 私も、2012年12月26日に、このブログに記載したように、衆議院議員及び候補者の時に、週刊文春記事やGoogleをはじめとするインターネットを使って、私の名誉を棄損をしたがるストーカーから、事実でもない悪い評判を立てられ続けた。そして、これは、美人の女性や優秀な女性を貶めるために行っているもので、女性蔑視・軽視に端を発する同じ動機に依るものであるため、決して許してはならない野蛮な行為だ。また、「美人だから知的ではない」「知的だから美人ではない」というのも、多くの人が信じる根拠のない“常識”であり、そのような必然性はなく、人間もサラブレッドと同様、機能美が美しいのである。

*1:http://qbiz.jp/article/34103/1/
(西日本新聞 2014年3月20日)  ストーカー被害底なし 昨年2万件超
 全国の警察が2013年に把握したストーカー被害は前年比1169件(5・9%)増の2万1089件となり、初めて2万件を超えたことが20日、警察庁のまとめで分かった。ドメスティックバイオレンス(DV)も5583件(12・7%)増の4万9533件で、過去最多を更新した。同庁は「関心が高まり、被害者が積極的に相談するようになったため」とみている。逮捕件数が11月以降、前年の同じ時期より2割以上増えたことも判明した。東京都三鷹市の女子高校生が元交際相手に刺殺された事件を受け、警察庁の米田壮長官が10月25日の全国警察本部長会議で、危険な場合は逮捕を優先して被害者を守るよう指示した影響とみられる。ストーカー事案を脅迫や傷害、ストーカー規制法違反容疑などで摘発したのは1889件あり、116件増加。DVの摘発は198件増の4405件だった。このうち容疑者を逮捕したのはストーカーが1716件、DVは3323件。1カ月の平均件数を前年と比べると、1〜10月はストーカーが3・2%増の137・6件、DVが4・6%増の277・6件だったのに対し、11、12月はストーカーが20・6%増の170件、DVは25・2%増の273・5件に急増していた。一方、13年7月に施行された改正ストーカー規制法に盛り込まれた「電子メールの連続送信」で摘発したのは43件あり警告は143件、禁止命令は8件だった。警察庁は昨年12月、ストーカーやDVを一元的に扱う専門チーム設置などの体制構築を全国に指示した。26都府県警が既につくり終え、残りも今月中に整えるという。
●福岡県内では1141件
 福岡県内の昨年のストーカー被害は前年比341件増の1141件で、DV被害は前年比238件増の1280件だった。福岡県警幹部は「今後とも被害者の安全確保を最優先に、組織一体となって被害の未然防止に努める」と話している。
■逗子ストーカー殺人 神奈川県逗子市の女性が2012年11月、元交際相手の男に殺害された事件。男は前年6月、女性への脅迫容疑で逮捕され、執行猶予付き有罪判決を受けた。女性に接触しない決まりだったが、その後千通を超すメールを送り付けた。連続メールがストーカー規制法の対象外だったため県警は逮捕せず、保護観察所もメール送信を把握していなかった。逮捕状の読み上げがきっかけで女性の新住所が特定されていたことも判明。運用の改善や法改正が行われた。

*2:http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1800Q_Y3A510C1CC0000/
(日経新聞 2013/5/18) 被害女性「逃げることもできず」 長崎ストーカー事件
 長崎県西海市の2女性殺害事件で、殺人罪などに問われた筒井郷太被告(28)=三重県桑名市=の長崎地裁(重富朗裁判長)で開かれた裁判員裁判で、被告からのストーカー被害を訴えていた女性(24)が18日までに、証人として出廷した。「死刑でも足りない。家族を殺すと言われていたので、死ぬことも逃げることもできなかった」と涙ながらに訴えた。女性の証人尋問は17日の第4回公判で、地裁内の別室と法廷を結んだビデオリンク方式で実施。女性の姿が映る小型モニターが筒井被告から見えないように、弁護側の机には紙と布でできた仕切りが設置された。女性は2011年5月に筒井被告と交際を始めたが、千葉県習志野市の女性宅で同居を始めるとすぐに暴力を振るわれるようになったと述べ「鉄亜鈴やコップで殴るなどひどかった」と話した。また、女性が職場にいても束縛された状況を「雑貨売り場で男性客を接客する時は、携帯電話を通話状態のままにさせられていた」と明かした。殺害された2人は女性の母、山下美都子さん(当時56)と祖母、久江さん(当時77)。筒井被告は、殺人罪のほか、女性にけがをさせた傷害罪などを否認し、全面無罪を主張している。女性は「自分を守るためにうそをついて現実から逃げているだけ」と語気を強め、死刑にしてほしいと繰り返した。2人が殺害される10日前、習志野署員が女性の被害届受理を先送りにして北海道に旅行したことについては「自分を助けてくれ、支えてくれたみんなを私も守らなければと警察に行ったのに、野放しにされて捕まえてくれなくて……」と涙を流し、言葉を詰まらせた。男性裁判員が「逃げられなかったのは家族や同僚を守るためだけですか」と質問すると、女性は「それだけです」と答えた。筒井被告は終始顔色を変えず、ノートにメモを取り続けた。

*3:https://www.change.org:443/ja/キャンペーン/stalker-zero-被害者が守られる社会へ
(吉松育美:http://ameblo.jp/ikumi-621/) 『吉松育美から安倍総理へ 女性に対する暴力、犯罪、ストーカー行為をなくすために、タスクフォースの成立を!』
 2012年に初めて日本人としてミスインターナショナルで優勝した吉松育美です。大会を優勝してからのこの一年、私は大手プロダクションの男性から執拗なストーカー行為、嫌がらせ、脅し、業務妨害を受けています。彼の行為というのは、約1年前から始まり、私の仕事場に現れたり、大事な企業との契約を破談にしたり、“芸能界”という特殊な環境の中で仕事をする身には精神的虐待とでもいえる酷い被害を受けてきました。私のみならず、彼は実家の電話番号を調べ上げ、大切な両親にも脅しとも言える電話や郵便物を幾度となく送りつけ、全く関係のない家族をも恐怖に陥れました。探偵を雇い、私の自宅周辺を調査させ、ある日スーツ姿の強面な男性が部屋の窓から覗き見写真を撮りました。その人物はマスコミにも影響力のある人物で、彼が裏で仕掛けた週刊誌の記事により、私は仕事を失い、さらにはミスインターナショナル日本人初の世界一としての最後の役目をも奪われてしまいました。このようなことが一年間自分自身の身に起こり、今も、何が起きるか分からない恐怖から逃れられず、自宅ですら一人では安心していられません。もちろん、警察に事情を話したこともあります。しかし、警察からは「自宅周辺のパトロールを強化します。」と言われ、終わりました。それでも自分の身を守るために裁判所へ行き、身の安全を確保するため仮処分申請も出しました。しかし、プロテクションの基本となる仮処分ですら1ヶ月経ってもまだおりません。思わず感情的になり、裁判官に「この間に身に何かあったらどうするのですか?!」と言ったことがあります。しかし、眉間にシワを寄せられ「それは弁護士の先生方に相談してください。」と言い返される次第です。現代社会で、こんなにもストーカー事件が後を経たない中、警察や裁判所、法律に疑問を持たざるを得えません。実際にこの数年間、ストーカー事件で守れた命はいくつあったでしょうか。人の命が無くならなければ動けないシステムを変えなければ、ターゲットにされた被害者は安心した生活が送れません。また犠牲者が出ることを待つだけです。「守れるはずの命は、守らなければいけない。」「守るべき人は、守らなければいけない。」。この一年間、自分が受けてきた被害を私は意を決して自身のブログに心境を語り、さらには日本と海外に向けて2度の記者会見も開きました。その反響というものは想像していたよりも遥かに大きく、力強いものでした。日本のメデイアは沈黙を続ける一方で、世界中のメデイアが報道し、話題となりました。何百万人の方が事件の経緯と報告をしている私のブログを読んで下さり、数千件にも及ぶメッセージや被害者からのお話が送られてきました。その中で私と同じようにストーカー被害にあい、今でも恐怖と戦っている被害者、女性たちの声がとても多いことを改めて認識しました。ストーカーというものは、元恋愛関係にあった男女間だけではなく、組織からの集団ストーカーや同性からのストーカーまで、様々な形で悪質な行為を受けている被害者がいることを忘れてはいけません。総理は「女性が輝く日本」を経済戦略の柱として掲げ、女性の活躍の重要性を主張して来られました。成長戦略の一つにも、「女性が働きやすい環境を整え、社会に活力を取り戻す」と唱え、第68回国連総会の総理演説の中でも『「女性が輝く社会をつくる」――。そう言って、私は、国内の仕組みを変えようと、取り組んでいます。』と心強いお言葉を、私は聞きました。「女性が輝く社会」というのは、まず「女性が安心して輝ける環境を作ること」です。その環境を作るためには、総理のリーダーシップが必要です。この問題を解決するには、法律を強化し、取り締まりや加害者への処罰を厳しくすることが必然です。警察の意識改革、そして被害者が相手の保全処分を求めやすくすることも大事です。メディアの報道の問題も多く存在します。被害者のセーフティネットとなる市民団体への支援も拡大する必要もあります。第一歩として、ストーカー被害などの女性に対する暴力と犯罪に関わる全ての組織や人の意識が変わるような新しい法律、また法律の改正を打ち出し、国の問題として取り組むタスクフォースを内閣府として設立していただきたいです。女性が輝く日本に向けて、ご検討いただければ幸いです。

| 司法の問題点::2014.3~ | 09:44 AM | comments (x) | trackback (x) |
2014.3.29 警察を始め、司法もメディアもおかしいということ-袴田事件の判決から
     
  再審が決定し、釈放後    死刑を確定させた証拠の不自然さ

(1)最初の袴田事件判決について
 *1-1に書かれているとおり、冤罪により人の誇りある幸福な人生を奪った行為は、 国家の犯罪である。しかし、*1-3に書かれている先輩判事を説得できなかったとする静岡地裁で死刑判決を書いた1審元裁判官の熊本典道さん(76)は、上司の圧力に屈して冤罪判決を書いたことについては、当然非難されるべきであるものの、2審以降で判決が覆るのを期待していたのかもしれない。

 何故なら、*1-2に書かれているように、袴田さんは、拷問のような取り調べの末に追い込まれて自白し、その内容は日替わりで変わり、公判では起訴内容を一貫して否認しており、一審判決は、捜査段階で作られた四十五通の自白調書の四十四通を信用性も任意性もないとして証拠から排斥した上で、残り一通の検察官作成の自白調書だけを証拠として採用し、色もサイズも整合性のないズボンを証拠として死刑を言い渡したからだ。これらは、DNA鑑定しなくても、直ちに不自然さを指摘できる証拠である。

 しかし、その矛盾を、当時の弁護士は控訴審で強力に指摘しなかったのだから、警察・検察・裁判所だけでなく、仕事上の利害関係で警察と一体になっている弁護士もまた追及されるべきである。

(2)48年後の再審決定の意味
 DNA鑑定しなくても、直ちに証拠の不自然さを追求できる状況にありながら、控訴審でも死刑判決が出た上、48年間も再審決定がなされず、48年後に再審が決定して釈放された意味を考えたところ、48年という期間は、高卒の18歳で警察署に就職した人も66歳となり、当時の関係者でこの事件の真相を知る人はすべて退職して、無事に年金を支給されている時点だった。

 つまり、司法は、司法の信頼性を維持するために、無実の個人に冤罪を着せて死刑判決を下し、その関係者がすべて退職するまで、再審を認めず拘束し続けたということなのである。つまり、司法の信頼性維持とその関係者の保護が、一人の人間の人生を奪うことよりも重要だという価値観なのだ。

(3)冤罪で失われたものは大きい
 冤罪事件の罪は、①真犯人を探し出して罪の償いをさせる機会を奪うこと ②冤罪になった人の希望に満ちた人生を奪うこと ③真犯人に罪の償いをさせたかった被害者が報われないこと である。今回も①②③のすべてが起こったが、これらの重大な罪に対し、司法自身は、どういう裁きと償いをするのかが重要な注目点だ。

(4)歩ける人を車椅子に乗せたり、健康な人を入院させたりするのは、適切ではない
 *2-1には、今後は体調を整えてから静岡県内の医療施設で療養すると書かれており、写真や映像にも、歩いて出てきた袴田さんが車椅子に乗っている姿が映し出されたが、歩ける人を車椅子に乗せることは不要であり、健康な人にも病人の意識を与えてマイナスであるため、病院はそのような指示はしない。そのため、何故、車椅子に乗せたのか不明だし、今後の再審の進展のためにその必要があったとすれば、それこそが重要な問題である。

 また、袴田さんが長期間の身柄拘束で拘禁症状があるというのは正常な防御反応と思われるし、「袴田さんがやっと『ありがとう』と言った」などと強調しているメディアもあったが、「俺の一生を返せ」と言うのが当たり前の状況であるから、「ありがとう」という言葉は、努力して再審までこぎつけてくれた人のみに対して発せられて当然の言葉である。さらに、認知症は、頭脳に刺激のない場所(長期入院も含む)に拘束されていれば起こるのが当たり前で、刺激のある場所に出てくれば治る可能性が高く、糖尿病などの指摘をされている人は一般人にも多い。

 なお、*2-1で、静岡地裁の村山浩昭裁判長が再審開始を認めた27日の決定で「捏造の疑いのある証拠によって有罪とされ、死刑の恐怖の下で拘束されてきた。これ以上拘束を続けることは正義に反する」としたのは、本来は当然なのだが、勇気ある行動だ。これに対し、*2-2のように、検察は、釈放を行わないよう申し立てを行っていたが、東京高裁が28日、検察の申し立てを退ける決定を出したのはもっともで、まずは、早急に過ちを正すべきである。

(3)死刑を廃止すればすむ問題ではない
 司法のメンツを保つため、冤罪は人を選んで着せられるのだそうで、そういう冤罪が少なくないため、「死刑廃止」の意見もあるが、これは、死刑を廃止すればすむ問題ではない。例えば、①中卒で元プロボクサーの袴田さんのように、皆が先入観と偏見を持って犯人だと納得しそうな人 ②身よりがなく孤立していて親身に再審の請求をしてくれる人がいない人 ③被害者の配偶者 などが冤罪被害者になりやすいそうだ。確かに被害者の家族を逮捕してしまえば、被害を訴える人も親身に再審の請求をする人もいなくなるため、警察は一石二鳥だろうが、このように計算しつくされた悪を許すわけにはいかない。

 そして、犯罪のストーリーを考える司法関係者はじめ裁判員やそのストーリーを受け入れる一般市民の先入観や偏見は、このブログの2014年3月26日に記載したように、メディアが、日々、国民の頭脳に刻印し続けて作り出しているものであるため、メディアの偏向報道は、あらゆる場所に問題の基礎を作っているのである。

*1-1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014032802000164.html (東京新聞 2014年3月28日) 袴田事件再審決定 冤罪は国家の犯罪
 裁判所が自ら言及した通り、「耐え難いほど正義に反する状況」である。捏造された証拠で死刑判決が確定したのか。速やかに裁判をやり直すべきだ。事件発生から一年二カ月後に工場のみそタンクから見つかった血痕の付いた衣類五点は、確定判決が、袴田巌さんを犯人と認定する上で最も重視した証拠だった。その衣類について、今回の静岡地裁決定は「後日捏造された疑いがある」と述べた。検察庁も裁判所も証拠の捏造を見抜けないまま死刑を宣告していたのであろうか。
◆「こちらが犯行着衣」
 絶対にあってはならないことであるが、死刑を言い渡した当の裁判所が、その疑いが極めて高くなったと認めたのである。ただならぬ事態と言わざるを得ない。そもそも、起訴の段階で犯行着衣とされたのは、血痕と油の付着したパジャマだった。ところが、一審公判の中でパジャマに関する鑑定の信用性に疑いがもたれるや、問題の衣類五点がみそタンクの中から突然見つかり、検察官は「こちらが真の犯行着衣である」と主張を変更した。袴田さんは、公判では起訴内容を否認したが、捜査段階で四十五通の自白調書が作られていた。毎日十二時間以上に及んだという厳しい取り調べの末に追い込まれた自白で、その内容は、日替わりで変遷していた。一審判決は、そのうち四十四通を、信用性も任意性もないとして証拠から排斥したが、残り一通の検察官作成の自白調書だけを証拠として採用し、問題の衣類五点を犯行着衣と認定して死刑を言い渡した。判決はそのまま高裁、最高裁を経て一九八〇年に確定した。この間、どれほどの吟味がなされたのか。この確定判決をおかしいと考えていたのは、再審を請求した弁護側だけではなかった。
◆新証拠の開示が鍵に
 一審で死刑判決を書いた元裁判官の熊本典道さん(76)は二〇〇七年、「自白に疑問を抱き無罪を主張したが、裁判官三人の合議で死刑が決まった」と告白している。「評議の秘密」を破ることは裁判官の職業倫理に反する暴挙だと批判されたが、この一件で、袴田事件に対する市民の疑念も決定的に深まったのではないか。第二次再審請求審では、弁護団の開示請求を受けて、裁判所が検察側に幾度も証拠開示を勧告。静岡地検は、これまで法廷に提出していなかった五点の衣類の発見時のカラー写真、その衣類のズボンを販売した会社の役員の供述調書、取り調べの録音テープなど六百点の新証拠を開示した。その一部が再審の扉を開く鍵になった。これまでの再審請求事件では、捜査当局が集めた証拠の開示、非開示は検察の判断に委ねられたままで、言い換えれば、検察側は自分たちに都合のよい証拠しか出してこなかったともいえる。弁護側から見れば、隠されたことと同じだ。今回の請求審では、証拠開示の重要性があらためて証明されたといっていい。そもそもが、公権力が公費を使って集めた証拠である。真相解明には、検察側の手持ち証拠が全面開示されてしかるべきだろう。柔道二段で体格もよい被害者を襲う腕力があるのは、元プロボクサーの彼以外にない…。従業員だから給料支給日で現金があることを知っている…。袴田さんは、いわゆる見込み捜査で犯人に仕立てられた。一カ月余り尾行され、逮捕後は、時に水も与えられない取り調べで「自白」に追い込まれる。典型的な冤罪の構図である。無理な捜査は証拠捏造につながりやすい。冤罪であれば、警察、検察庁、裁判所、すべてが誤りを犯したことになる。真犯人を取り逃がした上、ぬれぎぬを着せられた人物の一生を破滅に追い込む。被害者側は真相を知り得ない。冤罪とは国家の犯罪である。市民の常識、良識を事実認定や量刑に反映させる裁判員裁判の時代にある。誤判につながるような制度の欠陥、弱点は皆無にする必要がある。
◆検察は即時抗告やめよ
 司法の判断が二転三転した名張毒ぶどう酒事件を含め、日弁連が再審請求を支援している重要事件だけでも袴田事件以外に八件。証拠開示を徹底するなら、有罪認定が揺らぐケースはほかにもあるのではないか。冤罪は、古い事件に限らない。今も起きうることは、やはり証拠捏造が明らかになった村木厚子さんの事件などが示している。袴田さんの拘置停止にまで踏み込んだ今決定は、地裁が無罪を確信したことを意味している。検察は即時抗告することなく、速やかに再審は開始されるべきである。

*1-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11053300.html (朝日新聞 2014年3月28日) 袴田さん、48年ぶり釈放 「国家が無実の個人陥れた」 死刑停止、再審決定 
 1966年に静岡県の一家4人が殺害、放火された「袴田事件」で、静岡地裁(村山浩昭裁判長)は27日、死刑が確定した元プロボクサー袴田巌(いわお)さん(78)の再審開始を認める決定をし、袴田さんは同日夕、東京拘置所から釈放された。逮捕から48年ぶり。死刑囚が再審決定と同時に釈放されるのは初めて。検察側は身柄をとどめるよう地裁に求めたが、退けられた。決定は、物証が捏造(ねつぞう)された疑いに言及し、「捏造する必要と能力を有するのはおそらく捜査機関(警察)のほかにない」と指摘。「国家機関が無実の個人を陥れ、45年以上拘束し続けたことになり、刑事司法の理念からは到底耐え難い」と悔恨もにじませた。今回の第2次再審請求審では、犯行時に着ていたとされた「5点の衣類」についていた血痕のDNA型鑑定が実施された。まず11年12月に、被害者のものとされていた血痕が別人のものの可能性が強いことが弁護側の鑑定で判明。12年4月には、袴田さんの血痕とされた白半袖シャツの右肩の血と、袴田さんのDNA型が一致しないとする結果が、検察、弁護側双方の鑑定で明らかになった。検察側は「DNAが劣化していた可能性がある」と信用性を争ったが、地裁決定は弁護側鑑定の信用性を認め、「DNA型鑑定が裁判で提出されていれば、有罪判断に達していなかった」と指摘。5点の衣類は袴田さんのものでも犯行時の着衣でもない可能性が十分あると認定した。5点の衣類は事件の約1年2カ月後、現場近くのみそ工場タンク内からみそ漬けの状態で発見された。弁護側は血をつけた衣類をみそ漬けにする実験の結果、長期間漬かっていた衣類と色が違うと主張。地裁決定も、「事件から相当期間経過した後、みそ漬けにされた可能性がある」として、「後日、捏造されたと考えるのが最も合理的」と判断した。また、5点の衣類のうち、「B」と書かれた札がついたズボンにも言及。確定判決は「B」を肥満体用の表示と認定し、袴田さんが装着実験でズボンをはけなかったのに、元々肥満体用のズボンがみそに漬かっている間に縮んだとしていた。しかし弁護側は、検察側の新たな証拠開示で得られた供述調書の中身から「B」は色を表すと指摘。地裁決定も「ズボンは袴田さんのものでないとの疑いに整合する」と判断した。
■再審開始決定の骨子
 ◆確定判決で犯行時の袴田さんの着衣とされた「5点の衣類」は、弁護側が提出したDNA型鑑定に
   よれば、袴田さんのものでも、犯行時の着衣でもなく、後日、捏造(ねつぞう)された疑いがある。
 ◆5点の衣類が(事件の約1年後にみそ工場のタンクから)発見された当時の色合いや血痕の赤み
   は、長期間、みそのなかに隠されていたにしては不自然だ。
 ◆その他の証拠を総合しても袴田さんを犯人と認定できるものはない。
 ◆再審を開始する以上、死刑の執行停止は当然。捜査機関によって捏造された疑いのある証拠で
   有罪とされ、極めて長期間、死刑の恐怖の下で身柄を拘束されてきた。これ以上、拘置を続ける
   ことは耐え難いほど正義に反する。よって拘置の執行も停止する。
■姉や支持者と車に
 袴田巌さんは27日午後5時ごろ、東京拘置所(東京都葛飾区)から釈放された。同20分すぎ、姉のひで子さん(81)や支援者らと車に乗り込んだ。ひで子さんらは釈放前に20分ほど面会。立ち会った弁護士によると、巌さんは当初、「袴田事件は終わった」などと再審開始を信じない様子だったという。拘置所から外に出たことがないため、ぼろぼろの靴しかなく、靴は拘置所から借りた。巌さんとひで子さんはこの日、都内のホテルに宿泊。ビールとケーキを用意したが、疲れた様子で、すぐに寝てしまったという。
◆キーワード
 <袴田事件> 1966年6月30日未明、静岡県清水市(現・静岡市清水区)のみそ製造会社専務(当時41)宅から出火。焼け跡から専務、妻(同39)、次女(同17)、長男(同14)の遺体が見つかった。全員、胸や背中に多数の刺し傷があった。県警は同年8月、従業員の袴田巌さん(同30)を強盗殺人などの疑いで逮捕。一審・静岡地裁は袴田さんは家を借りるための金が必要で動機があるなどとして死刑を宣告した。
<おことわり> これまで「袴田巌死刑囚」と表記してきましたが、刑の執行停止や釈放などを受け、今後は「袴田巌さん」と改めます。

*1-3:http://mainichi.jp/select/news/20140327k0000e040162000c.html
(毎日新聞 2014年3月27日) 袴田事件:「やっていません」に涙出る…1審死刑の裁判官
 静岡市(旧静岡県清水市)で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして強盗殺人罪などで死刑が確定した元プロボクサー、袴田巌死刑囚(78)側の第2次再審請求。静岡地裁(村山浩昭裁判長)は27日、再審を開始し、死刑執行を停止する決定を出した。1審・静岡地裁で死刑の判決文を書いた元裁判官、熊本典道(のりみち)さん(76)は「公判で袴田さんが『やっていません』と言った姿が忘れられない。思い出すと涙が出る」と、今でも悔やみ続けている。真っすぐに裁判長を見据えて受け答えする袴田死刑囚の様子や、任意性に乏しい供述調書などを通じ、「有罪認定は難しい」と思っていた。だが、結審後に判決文を検討する中で、結果的に先輩判事に押し切られた、と振り返る。半年後、耐えられず退官し、弁護士に転じた。合議の秘密を破り、第1次再審請求中の2007年、「無罪の心証があった」と告白したが、請求棄却が確定した。先月末には古巣の静岡地裁を訪ね、再審開始を求める上申書を提出。「自分は他の裁判官を説得できなかった。償いをしたい」と訴えた。

*2-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140328&ng=DGKDASDG2704V_X20C14A3CC1000 (日経新聞 2014.3.28) 袴田さん「ありがとう」 、再審決定、48年ぶり釈放
 1966年に静岡県で一家4人を殺害したとして死刑が確定し、静岡地裁が再審開始を決定した元プロボクサー、袴田巌さん(78)が27日、東京拘置所から釈放された。66年8月の逮捕以降、約48年にわたり身柄を拘束されていた。弁護団によると、今後は体調を整えてから静岡県内の医療施設で療養する見通しだという。静岡地裁は27日午前、袴田さんの再審開始を認め、刑の執行とともに拘置も停止する異例の決定をした。検察側は身柄を拘束する法的根拠はないと判断し、釈放の手続きをとった。検察側は再審開始の決定については、東京高裁に即時抗告を申し立てる方向で検討している。釈放された袴田さんは27日午後5時20分すぎ、姉の秀子さん(81)らと共に車で東京拘置所(東京・葛飾)を出た。弁護団などによると、袴田さんは長期間の身柄拘束による拘禁症状に加え、現在は認知症も進んでいるとされる。拘置所の医師からは糖尿病などの指摘があったという。静岡地裁の村山浩昭裁判長は再審開始を認めた27日の決定で「捏造の疑いのある証拠によって有罪とされ、死刑の恐怖の下で拘束されてきた。これ以上拘束を続けることは正義に反する」としていた。
お断り:「袴田巌元被告」と表記していましたが、釈放に伴い「袴田巌さん」と改めます。

*2-2:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140328/k10013328441000.html
(NHK 2014年3月28日) 高裁も袴田さんの釈放認める
 昭和41年に静岡県で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」で再審=裁判のやり直しが認められた袴田巌さんの釈放を、東京高等裁判所も認める決定を出しました。検察が今後、最高裁判所に申し立てを行っても認められる可能性は低いとみられるため、釈放を認めた判断が確定する見通しです。袴田巌さんは昭和41年、今の静岡市清水区で、みそ製造会社の専務の一家4人が殺害された事件で強盗殺人などの罪で死刑が確定しましたが、静岡地方裁判所は27日、再審を認める決定を出しました。さらに裁判所は釈放を認める異例の決定を行い、袴田さんは、昭和41年に逮捕されて以来、およそ48年ぶりに拘置所から釈放されました。これに対して検察は、釈放を行わないよう申し立てを行っていましたが、東京高等裁判所は28日、退ける決定を出しました。今後、最高裁判所に申し立てを行っても認められる可能性は低いとみられるため、釈放を認めた東京高裁の判断が確定する見通しです。検察はこれとは別に、再審開始についても取り消しを求める即時抗告を行う方向で検討しています。

| 司法の問題点::2014.3~ | 12:58 PM | comments (x) | trackback (x) |

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