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2016.7.8 日本国憲法を変えたい勢力は、①何のために ②何を改正しようとしているのか ③改正した場合の効果 について正面からの説明が必要である - 日本国憲法、自民党改正草案の「前文」「天皇」「憲法改正要件」「緊急事態条項」「道州制」について (2016年7月11、13日に追加あり)
       
2016.7.8西日本新聞 憲法改正必要論の理由 憲法改正要件国際比較 日本国憲法に署名した人 

    
  憲法改正   自民党憲法 自民党憲法改正案    日本国憲法は     憲法改正世論調査
   手続き  改正案のポイント 緊急事態条項  今でも最先端であること

(1)「自民党憲法改正草案」は、改正ではなく改悪である
1)敗戦後の占領下で作られたから悪いわけではないこと
 今回の参議院議員選挙では、上の一番左の表のように「日本のこころ(自民党の中でも右だった人の分派)」が、「占領下で制定された日本国憲法をまるごと変えて自主憲法を制定したい」という憲法改正理由を書いており、これが憲法改正を強く主張する勢力の本音だ。この発想は自民党も同じであるため、上の左から2番目の表のように憲法改正理由の第一に、「敗戦後の占領下で作られ、日本国民の自由な意思を反映していないので、国民の手によって憲法を制定する」というのがあがっているわけだ。

 そして、自民党が、平成24年4月27日に総務会を通して党として決定した憲法改正草案(https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/130250_1.pdf 参照)は、結論から言ってひどい改悪だと考える。分量が多いため、今日は国の形を現す最も重要な部分である「前文」と「天皇の地位」を中心に記載するが、他の部分にも戦前への郷愁が散見される。

2)前文について
 日本国憲法の前文は、*1-1のように、「①日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、・・主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」「②国政は、国民の厳粛な信託によるもので、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」「③日本国民は、恒久の平和を念願し、・・平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」「④われらは平和を維持し、・・国際社会において名誉ある地位を占めたいと思ふ」「⑤われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」としており、現在でも通用する立派なものである。

 この文章中にある「公正と信義に信頼して」という文章はテニヲハの使い方が誤りだと言う人もいるが、私は、文語調で訳した法律用語であるため、違和感を感じない。

 そして、ここで重要なのは、「国政は国民の信託によるもので、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その結果生じる福利は国民が享受する」というように、国民を主人公とする徹底した国民主権が述べられていることである。つまり、国民が主であり、国という組織を主として国民が国という組織のために尽くすのではない民主主義の発想が明確に記されており、日本国憲法は、第二次世界大戦とその敗戦で多くのものを失ったが、唯一得ることができた資産だと私は考える。*1-2の日本国憲法原文(The Constitution Of Japan)が、「We, the Japanese people, 」や「We」を主語としているのを見れば、一人一人の国民が主体であることがさらに明確になる。

 一方、自民党憲法改正草案は、*1-3のように、「①日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家である」「②日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り」「③基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する」「④自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる」「⑤日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する」としている。

 しかし、①は国を主体とする国家の成り立ちに関する自慢話が多すぎ、これについては科学的・文化的に正確な歴史書で述べるべきである。また、②で国民は国と郷土(いずれも組織)を守るための存在になり下がり、③は基本的人権を尊重するとさらっと書いてはいるものの、和を尊び家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成することこそ大切だとして個人の人権に制限を加え、④は国民の福利より国を成長させることが重要だというメッセージを発している。そして、⑤では、国民を国家存続のための道具と位置付けている。つまり、自民党憲法改正草案は、国が主であり、国の存続のためとして国民の福利をないがしろにし、「国民の国民による国民のための政治」という資産がなくなっているのである。

 つまり、占領下だったからこそ国民同士が争うことなく大きな改革をして国民主権にできた日本国憲法を、100%とまでは言わないにしても、国を主にしてかなり戦前回帰させているため、自民党憲法改正草案は改悪なのである。

3)天皇について
 日本国憲法における天皇の地位は、*2-1のように「日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴」とされているが、自民党憲法改正草案における天皇の地位は、*2-2のように「日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴」とされ、「元首」という言葉が加わっている。

 国家元首(英訳:head of state)とは、対外的に代表権を持つ存在であり、大日本帝国憲法では第4条で天皇を元首と規定していたが、日本国憲法には天皇を元首とする規定はなく、国事行為に関する規定があるのみだ。国民主権の国で世襲による天皇を対外的代表権を持つ存在である“元首”と位置づけるのは矛盾であり、これも自民党憲法改正草案の戦前回帰であるため、とても賛成できない。

(2)改憲論議は、現在の憲法をしっかり護り、その考え方が国民に浸透してからにすべきである
 東京新聞によると、*3のように、安倍首相は「ニコニコ動画」の党首討論会で、「参院選の結果を受け、どの条文を変えていくか、条文の中身をどのように変えていくかについて議論を進めたい。次の国会から、自民党総裁として憲法審査会をぜひ動かしたい」と述べられたそうだ。憲法改正は自民党にとっては結党以来の党是であり、自民党憲法改正草案は安倍首相が作ったものではなく、自民党憲法改正推進本部(本部長・保利耕輔衆院議員《当時》)が作ったものである。

 私は「いくらなんでも天皇が元首とは・・」と思ったので、地元の離島関係の会合で保利浩輔氏にお会いした時に、「天皇が元首というあの憲法改正草案は、いくらなんでも駄目ですよ」と言ったところ、保利耕輔衆院議員(当時)は「今までと同じことをするんだし、(自民党の)総務会も通ったもん」と言っておられたので、この憲法改正草案には憲法改正に執着する自民党議員の考え方が多く含まれていると考える。

 従って、野党の「安部政権の下での憲法改正に反対する」という批判は、感情論に終始して問題を矮小化している。私は、日本人が日本国憲法を本当に遵守し、そのよさを理解した上で、それよりもよい方向に改正できる時がくるまで、憲法改正は止めるべきだと考える。

<憲法前文の比較>
*1-1:http://www.houko.com/00/01/S21/000.HTM (日本国憲法)
前文 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものてあつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

*1-2:http://japan.kantei.go.jp/constitution_and_government/frame_01.html (THE CONSTITUTION OF JAPAN)
 We, the Japanese people, acting through our duly elected representatives in the National Diet, determined that we shall secure for ourselves and our posterity the fruits of peaceful cooperation with all nations and the blessings of liberty throughout this land, and resolved that never again shall we be visited with the horrors of war through the action of government, do proclaim that sovereign power resides with the people and do firmly establish this Constitution. Government is a sacred trust of the people, the authority for which is derived from the people, the powers of which are exercised by the representatives of the people, and the benefits of which are enjoyed by the people. This is a universal principle of mankind upon which this Constitution is founded. We reject and revoke all constitutions, laws, ordinances, and rescripts in conflict herewith.
 We, the Japanese people, desire peace for all time and are deeply conscious of the high ideals controlling human relationship, and we have determined to preserve our security and existence, trusting in the justice and faith of the peace-loving peoples of the world. We desire to occupy an honored place in an international society striving for the preservation of peace, and the banishment of tyranny and slavery, oppression and intolerance for all time from the earth. We recognize that all peoples of the world have the right to live in peace, free from fear and want.
 We believe that no nation is responsible to itself alone, but that laws of political morality are universal; and that obedience to such laws is incumbent upon all nations who would sustain their own sovereignty and justify their sovereign relationship with other nations.
 We, the Japanese people, pledge our national honor to accomplish these high ideals and purposes with all our resources.

*1-3:http://www.saga-s.co.jp/senkyo/sanin/30402/320758 (佐賀新聞 2016年6月9日) 自民党憲法改正草案全文(抜粋)
自民党が2012年に発表した憲法改正草案は11章、102条から成る。前文など、日本国憲法を大幅に手直しした部分が少なくない。日本国憲法とともに、その全文を紹介する。
■自民党憲法改正草案全文
 (前文)
 日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する。

<天皇についての比較>
*2-1:http://www.saga-s.co.jp/senkyo/sanin/30402/320757 (佐賀新聞 2016年6月9日) 日本国憲法(抜粋)
  第一章 天皇
第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する
      日本国民の総意に基く。
第二条 皇位は世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
第三条 天皇の国事に関するすべての行為には内閣の助言と承認を必要とし、内閣がその責任を負ふ。
第四条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
      天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。
第五条 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を
      行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。
第六条 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
      天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。
第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
 一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
 二 国会を召集すること。
 三 衆議院を解散すること。
 四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
 五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状
   を認証すること。
 六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
 七 栄典を授与すること。
 八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
 九 外国の大使及び公使を接受すること。
 十 儀式を行ふこと。
第八条 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に
      基かなければならない。

*2-2:http://www.saga-s.co.jp/senkyo/sanin/30402/320758 (佐賀新聞 2016年6月9日) 自民党憲法改正草案(天皇) 
第一章 天皇
 (天皇)
第一条 天皇は、日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地位は、
      主権の存する日本国民の総意に基づく。
 (皇位の継承)
第二条 皇位は世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
 (国旗及び国歌)
第三条 国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする。
 2 日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない。
 (元号)
第四条 元号は、法律の定めるところにより、皇位の継承があったときに制定する。
 (天皇の権能)
第五条 天皇は、この憲法に定める国事に関する行為を行い、国政に関する権能を有しない。
 (天皇の国事行為等)
第六条 天皇は、国民のために、国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命し、内閣の指名に基づいて
     最高裁判所の長である裁判官を任命する。
 2 天皇は、国民のために、次に掲げる国事に関する行為を行う。
 一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
 二 国会を召集すること。
 三 衆議院を解散すること。
 四 衆議院議員の総選挙及び参議院議員の通常選挙の施行を公示すること。
 五 国務大臣及び法律の定めるその他の国の公務員の任免を認証すること。
 六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
 七 栄典を授与すること。
 八 全権委任状並びに大使及び公使の信任状並びに批准書及び法律の定めるその他の外交文書を
    認証すること。
 九 外国の大使及び公使を接受すること。
 十 儀式を行うこと。
 3 天皇は、法律の定めるところにより、前二項の行為を委任することができる。
 4 天皇の国事に関する全ての行為には、内閣の進言を必要とし、内閣がその責任を負う。ただし、
    衆議院の解散については、内閣総理大臣の進言による。
 5 第一項及び第二項に掲げるもののほか、天皇は、国又は地方自治体その他の公共団体が
    主催する式典への出席その他の公的な行為を行う。
 (摂政)
第七条 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名で、その国事に
    関する行為を行う。
 2 第五条及び前条第四項の規定は、摂政について準用する。
 (皇室への財産の譲渡等の制限)
第八条 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が財産を譲り受け、若しくは賜与するには、法律で
     定める場合を除き、国会の承認を経なければならない。

<憲法改正手続き>
*3:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201606/CK2016062002000120.html (東京新聞2016年6月20日)安倍首相「次の国会から改憲議論」 参院選後 具体的に条文審査
 安倍晋三首相は十九日、インターネット動画中継サイト「ニコニコ動画」の党首討論会で、改憲について「参院選の結果を受け、どの条文を変えていくか、条文の中身をどのように変えていくかについて、議論を進めていきたい。次の国会から憲法審査会を動かしていきたい。自民党の総裁としてぜひ動かしたい」と秋の臨時国会から、衆参両院に設置されている憲法審査会で、具体的な改憲項目の議論を与野党で進めたい考えを示した。首相は在任中の改憲に意欲を示している。首相の自民党総裁としての任期が切れる二〇一八年九月までに改憲の国民投票を終えるためには、来年秋の臨時国会で原案を審議し、発議する必要がある。そのためには、今年後半から国会で議論を始め、来年前半の通常国会までに原案をまとめる必要がある。参院選で与党が改憲の争点化を避けていると野党側が批判したのに対し、首相は「(改憲は)自民党結党の精神。選挙で争点とすることは必ずしも必要はない」と反論。「私たちは党草案を示しており、何も隠していない」と強調した。一方、公明党の山口那津男代表は「改憲について、国民に問いかけるほど議論が成熟していない。議論を深めて国民の理解を伴うようにしなければならない」と慎重な議論を求めた。民進党の岡田克也代表は「立憲主義を理解している首相でないと、非常に危ない。(首相は)最後は力で押し切る。改憲はよほど慎重でなければならない」と首相をけん制した。改憲には原案を衆院百人以上、参院五十人以上の賛同で提案。その後、両院の憲法審査会で審査した後、衆参の本会議でともに三分の二以上の賛成で可決し、国民に発議しなければならない。発議後、六十~百八十日以内に国民投票が行われ、承認には過半数の賛成が必要となる。討論会には、首相を含む与野党九党の党首が参加した。


<憲法の改正要件について>
PS(2016年7月11日追加):参院選の結果、*4-1のように、参議院でも改憲勢力が3分の2を超えた。「改憲項目が異なるので3分の2を超えても問題ない」とする勢力もあるが、両院で3分の2を超えると、*4-2の憲法改正要件を緩和するという姑息な改正を行うことも可能となり、上の図のようにこれを改正項目の一つとする人もいるため要注意だ。なお、我が国の憲法改正回数は0だが、それは国民が憲法改正の必要性を感じなかったからで我が国の憲法改正要件が世界の中で特に厳しいからではない。

*4-1:http://www.saga-s.co.jp/news/national/10201/332433
(佐賀新聞 2016年7月11日) 議席確定、改憲勢力で3分の2超、野党共闘及ばず
 第24回参院選は11日午前、全121議席が確定した。安倍晋三首相(自民党総裁)が目指す憲法改正に賛同する改憲勢力は、非改選議席と合わせ165議席となり、国会発議に必要な全議席の3分の2(162議席)を超えた。自民党は55議席、公明党は14議席へ伸ばし、与党で改選過半数(61議席)を上回り、勝利した。民進党は32議席。民進、共産、社民、生活の野党4党は32の改選1人区で候補を一本化し、3分の2阻止へ共闘したが及ばなかった。おおさか維新の会は7議席、共産党は6議席で伸長した。自民党は無所属1人を追加公認したが27年ぶりとなる単独過半数に届かなかった。

*4-2:http://www.saga-s.co.jp/senkyo/sanin/30402/320757
(佐賀新聞 2016年6月9日) 日本国憲法全文(抜粋)
 第九十六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、
          国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は
          国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
          憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を
          成すものとして、直ちにこれを公布する。


<緊急事態条項と道州制について>
PS(2016年7月13日追加):上の下の段の左から3番目の表、*5-1、*5-2のように、自民党憲法改正草案は「緊急事態条項」を新設し、①武力攻撃 ②内乱 ③大災害 の時に、内閣総理大臣は国会の事後承認で緊急事態を宣言でき、緊急事態が宣言された時は、基本的人権を最大限尊重はするものの何人も国や公的機関の指示に従わなければならないとのことである。しかし、最も賛同を得やすい③でさえ、内閣総理大臣が緊急事態を宣言するより地方自治体が最前線で救援を行い、国は最前線から必要と言われるものを援助した方が効果的だという意見が多い。まして、①の武力攻撃はどういう理由で起こり、その時に何をすることが想定されているのか、②はどういう状態を内乱(犯罪とは異なる)と定義して国が鎮圧するのか について説明する必要がある。全体から見ると、「緊急事態条項」は、民主主義・基本的人権の尊重・平和主義という日本国憲法の三大原則から離れており、戦前の戒厳令や国家総動員法を思わせるため、決して入れるべきではないと私は考える。
 さらに、*5-2で触れられている道州制については、地方自治法を改正して県が合併すればよいため、憲法改正はいらない。しかし、北海道、九州、四国については道州の区切りに異論が出にくいものの、他地域については堺目をどこにするかについても異論が出やすい。そのため、まとまりになれる県が先に合併していくのがよいだろうが、県が合併したくない場合は道州制は成立しない。

*5-1:http://qbiz.jp/article/90492/1/
(西日本新聞 2016年7月11日) 改憲 まず9条以外 緊急事態条項 参院改革 環境権
●抵抗少ない項目から議論
 憲法改正論議の対象項目として、大規模自然災害時の国会議員任期延長を含む「緊急事態条項」新設や、参院選の合区解消に向けた参院改革などが浮上している。自民党は「本丸」の9条改正について、憲法の基本原則である平和主義に関わるため野党や国民の抵抗感が強いと判断。最初の改憲対象にはせず、比較的理解を得やすいと思われる項目で改憲の「実績」をつくりたい考えだ。自民党は昨年5月の衆院憲法審査会で緊急事態条項以外に、良好な自然環境を享受する権利の「環境権」、野放図な国の借金拡大を防いで財政の健全性を確保する「財政規律条項」の新設を提示した。首相が今秋の臨時国会から開始したい意向を示した衆参両院憲法審査会の議論でも、引き続き候補になるとみられる。自民党改憲草案の緊急事態条項は、国会議員任期延長以外に(1)首相による緊急事態宣言発出(2)内閣への権限集中(3)国民に国の指示に従うよう義務付け−などを規定。自然災害以外に他国からの武力攻撃、内乱時も列挙した。野党や弁護士会からは、過度な人権制限や政府による乱用の危険性が指摘されている。合区解消は、「1票の格差」に関係なく、改選ごとに各都道府県から参院議員を選出する趣旨の条文を盛り込むべきだとの主張だ。今回の参院選から鳥取・島根、徳島・高知の二つの合区が導入され、自民党参院議員や地方自治体が「地方切り捨てにつながる」と強く批判している。おおさか維新の会が改憲項目として参院選で公約した道州制導入を含む「統治機構改革」なども、議論の対象になる可能性がある。
 ◇  ◇
●壁高き改憲 世界では実現、ドイツ60回 米国27回 フランス24回
 世界の多くの国は日本と同様、憲法改正に一般の法律よりも厳格な手続きを定めている。高いハードルを乗り越えて改正にこぎ着けた回数や具体例は、国によってさまざまだ。ドイツでは、旧西ドイツで1949年に制定された憲法を「基本法」と呼ぶ。議会事務局によると、改正は旧西ドイツ時代に36回、東西統一後に24回の計60回に上る。「文化財の国外流出防止」を国の義務とするといった、日本では一般の法律で規定するような内容も基本法に盛り込まれていることが、改正が多い理由の一つ。ナチス時代の反省から、人権尊重などを定めた条文は改正できない。世界最初の近代的成文憲法である米合衆国憲法は、1787年に制定された。これまで27回修正され、奴隷解放や婦人参政権のほか、銃所持の権利を保障するとされる「武装の権利」などを明文化した。修正には連邦議会で上下両院の出席議員の3分の2以上が賛成した上で、全米50州の州議会のうち、4分の3以上の賛成が必要。超党派の幅広い支持が最低条件となるため、容易ではない。1958年に制定されたフランス現行憲法の改正は24回。これによって大統領直接選挙制などが実現した。

*5-2:http://www.saga-s.co.jp/senkyo/sanin/30402/320758 (佐賀新聞 2016年6月9日) 自民党憲法改正草案全文 (第九章 緊急事態 《抜粋》)
(緊急事態の宣言)
第九十八条 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、
        地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要が
        あると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発す
        ることができる。
      2 緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なけれ
        ばならない。
      3 内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、国会が緊急事態の
        宣言を解除すべき旨を議決したとき、又は事態の推移により当該宣言を継続する必要が
        ないと認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、当該宣言を速やかに
        解除しなければならない。また、百日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、
        百日を超えるごとに、事前に国会の承認を得なければならない。
      4 第二項及び前項後段の国会の承認については、第六十条第二項の規定を準用する。こ
        の場合において、同項中「三十日以内」とあるのは、「五日以内」と読み替えるものとする。
(緊急事態の宣言の効果)
第九十九条 緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の
        効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その
        他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。
      2 前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認
        を得なければならない。
      3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言
        に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発
        せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、
        第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、
        最大限に尊重されなければならない。
      4 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が
        効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙
        期日の特例を設けることができる。

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2016.7.5 日本国憲法は、同性婚を禁止しておらず環境権も含んでいるため加憲の必要はなく、地域主権・議員の選出方法・裁判所の違憲立法審査権行使にも憲法改正は不要であること (2016年7月5、9、10日《図表を含む》に追加あり)

       2015.4.28朝日新聞       2015.5.3朝日新聞     2014.12衆院選時の  
         有権者の意見                        憲法改正賛否 集団的自衛権賛否

 
 2016.6.26佐賀新聞   2016.6.28            2016.7.1日経新聞
                  西日本新聞

 *1-1のように、「憲法をめぐる議論は9条に集中しがちだが、『同性婚』や『環境権』などの新しい権利も憲法と深く関わる」として、同性婚や環境権などの加憲を餌に、一気に憲法改正を進めようとする勢力もあるため、同性婚を認めたり、環境を守ったりするのに加憲は不要であることについて述べる。

 なお、下の段の一番左のグラフのように、今回の参院選で憲法改正を重視する人の割合は低いが、憲法は、日本が今後どういう方向に進んで行くかの羅針盤であるため、最も重要なテーマだ。

(1)環境権や同性婚の加憲は不要である
1)同性婚について
 *1-1に「憲法24条は同性婚の禁止を意味するかが議論になっている」と書かれている。しかし、*2のように、日本国憲法24条は、「1項:婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により維持されなければならない」「2項:配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならない」としている。

 この憲法24条の立法趣旨は、それまで大日本帝国憲法(明治憲法)の家制度の下で、本人同士の意志とは関係なく決められることが多かった結婚相手を、個人の尊厳と両性の本質的平等に基づいて民法を定めて具体化せよということであり、まさにライフスタイルに関する「自己決定権」を認めたものである。

 では、「両性」とは男女でなければならないかと言えば、日本国憲法成立当初は男女しか意図していなかったかもしれないが、「両性」は異性でなければならないとは書かれていないため、夫婦役をする2人が同等の権利を有することを基本とし、個人の尊厳を維持しながら相互協力により婚姻関係を維持すればよく、同性婚を禁止しているのではないと解せられる。

 しかし、現在の日本は過度のジェンダー(生物学的ではなく社会的に要請される「男らしさ」「女らしさ」)を要求するため、それと正面から闘えない人は、性同一性障害でなくても性同一性障害のような気になってしまうのではないかと私は危惧している。しかし、ともかく同性婚のために憲法を改正する必要はなく、例外として民法に同性婚を書き加えればよいだろう。

2)環境権について
 私は、結論から言って、*1-1のように、「環境権」を憲法に加える必要はないと考える。何故なら、憲法25条は、「1項:すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」「2項:国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と定めており、国民が健康で文化的な生活を営むためには、良好な環境の維持が不可欠だからだ。

 また、*3の環境基本法は、①国民が健康で文化的な生活を確保するためには環境保全が不可欠であると明確に述べ ②人の活動により環境に負荷をかけること(公害を出すこと)を禁止し ③事業者は事業活動を行うに当たって、煤煙、汚水、廃棄物等の処理を適正に行い、公害を防止して自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有するとし ④環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築が必要 としているので、Perfect(完全)に近い。

 そのため、現在、環境に悪いことがまかり通っているのは、法律が不備なのではなく、環境を守るという意識が薄いからにすぎない。従って、これは、憲法を改正したから変わるというものではなく、国民が自らの健康で文化的な生活を護るために環境を守るという意識を高めなければならないのだ。

(2)原発事故と健康被害、及び、それを隠すためにさらに環境破壊を行う環境意識の低さ
 *1-2のように、日本と米国の専門家は、福島原発事故で漏洩した放射能汚染物質は太平洋をまたぎ、北米西海岸に影響を及ぼしていると発表したそうだ。そして、東京海洋大学副学長、日本海洋学会副会長の神田穣太氏は、「セシウム137が福島原発事故の放射能漏れの最も中心的な物質で、1−2万テラベクレルが海洋に流出した」とし、この数値を5万テラベクレルと見積もる研究者もいるそうだ。そして、1万5000テラベクレルは、広島原爆168発分とのことである。

 そして、「福島原発事故の海洋への影響は、空前絶後」で、この放射能汚染に関して日本はすでに多くの調査結果を出しているそうだが、メディアは、一般の人が見る時間には、この事実を報道していない。

 また、*1-3のように、東京電力福島第一原発事故事故後、子どもたちの甲状腺検査を進めてきた福島県は有識者による検討委員会などで、罹患統計から推定される有病数に比べ「数十倍のオーダーで多い甲状腺がんが発見されている」と認めながら、科学的とは言えない根拠で「放射線の影響とは考えにくい」と主張しており、憲法にも環境基本法にも違反している。

 その上、*1-4のように、環境省の有識者検討会が、放射性物質濃度が基準以下となった除染土(放射性セシウム濃度が1キログラム当たり5千~8千ベクレル以下)を全国の公共工事で使うとする再利用方針案を大筋で了承したそうで呆れた。何故なら、コンクリートで枠を作って漏れ出さないようにし、もともと放射性物質濃度の高い場所の防潮堤に使うならまだしも、汚染土を全国の道路などの公共工事に使って拡散すれば、工事中の作業員や周辺住民の環境からの年間被曝線量が1ミリシーベルト以下であったとしても、地下水に溶けて長期間日本全国を汚染するからだ。

 その効果は、「日本全国で心臓病や癌が増えているので、心臓病や癌が増えた理由は原発事故のせいではなく高齢化のせいだ」と言うことができるようになるという恐ろしいものだが、大手メディアは、お天気、災害、テロ事件、舛添氏の政治資金問題の表面的な追求ばかりを行い、このような事実の報道はしていない。

<現在の状況>
*1-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20160703&ng=DGKKASDG02H7X_S6A700C1CR8000 (日経新聞 2016.7.3) 「9条以外も議論して」 同性婚や環境権 憲法めぐり当事者ら
 参院選は与党などが改憲を発議できる議席数を確保するかどうかが焦点の一つ。憲法をめぐる議論は9条に集中しがちだが「同性婚」や「環境権」などの新しい権利も憲法と深く関わる。改憲の是非は別として、当事者たちは選挙を機会にこうしたテーマの議論が深まることを期待している。
■国に拒まれたみたい
 「婚姻届が受理されないのは、国から『あなたたちの関係はダメ』と拒まれるようなもの。少数派も尊重してほしい」。自らレズビアンだと公表し、昨年4月に女性同士で結婚式を挙げたタレントの一ノ瀬文香さん(35)は訴える。憲法は24条で「結婚は両性の合意のみに基づく」と規定すると同時に、14条では性差別を禁じている。これが同性婚の禁止を意味するかが議論になっている。民法に同性婚の規定はない。国の研究班が昨年実施した意識調査では、同性婚の法制化に「賛成」「やや賛成」は計51%で反対を上回ったが、20代は71%が賛成なのに70代は24%と、賛否は世代で大きく割れている。一ノ瀬さんは同性婚をきっかけに、憲法に関心を寄せるようになった。「改憲せず民法改正で同性婚を実現すべきだ」との立場だが、多くの人が議論することが大切と考えている。「憲法や民法を通じて、少数者や多様性を尊重することを皆が考えてほしい」と話す。
■新章設置訴え
 大気や水、日照など良好な自然環境を享受できる「環境権」。環境問題に取り組むNPO「環境文明21」は憲法に環境専門の新章を設け、基本原則のひとつにすべきだと訴える。共同代表で環境庁出身の加藤三郎さん(76)は「昨年末の第21回気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で採択されたパリ協定は、覚悟を決めて環境問題に取り組むよう世界に求めた」と強調。「国内の環境問題を巡る議論は以前より低調だ。この機会に改めて活発な議論を促したい」
■広がる新たな権利
 中絶や尊厳死、ライフスタイルなど、一定の個人的事柄を公権力の干渉を受けることなく、幅広く自分で決められるとする「自己決定権」を憲法で認めるべきだとの意見もある。衆参両院の憲法審査会では、自己決定権を憲法上の権利として明記すべきだとの意見が出た。一方で、明文規定がないことがこうした権利の実現にとって障害になっているわけではないとの声もあり、議論の方向性は明確になっていない。木村草太・首都大学東京教授は「憲法には9条以外にも様々なテーマがあり、日常生活と密接につながっている。どんな国にしていくかという理念を考えることが、憲法改正について考えることになる」と話す。

*1-2:http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2016-05/26/content_38539636.htm (中国網日本語版 2016年5月26日) 福島原発事故、原爆168発分のセシウムが漏えい 太平洋全体にほぼ拡散へ
 日本と米国の専門家は、福島原発事故から5年が経過するが、漏えいした放射能汚染物質は潮の流れにより太平洋をまたぎ、北米西海岸に影響を及ぼしていると発表した。東京海洋大学副学長、日本海洋学会副会長の神田穣太氏によると、セシウム137は福島原発事故の放射能漏れの最も中心的な物質で、1−2万テラベクレルが海洋に流出したという。この数値を5万テラベクレルと見積もる研究者もいる。ベクレルは放射性物質の計量単位だ。厚生労働省は福島原発事故後、安全に食用できる野菜・穀物・肉類などの食品中の放射性物質の新たな基準値を、1キロ当たり500ベクレルとした。1テラベクレルは1兆ベクレル。日本政府は2011年に発表した報告書の中で、福島原発の原子炉3基が放出したセシウムは1万5000テラベクレルに達するとしていた。米国が第二次大戦中に広島に投下した原爆は、89テラベクレルのセシウムを放出していた。1万5000テラベクレルは、広島の原爆168発分だ。しかし日本政府内には、原爆を福島原発が放出した放射性物質と、単純に比較することはできないとする観点もある。神田氏によると、太平洋東部のセシウム濃度は西部より高めとなっている。これはセシウムが潮の流れにより、米国西海岸に到達したことを意味する。多くの専門家が同じ観点を持つ。福島原発事故後まもなく、日本原子力研究開発機構の中野政尚研究員が行った研究によると、セシウムは潮の流れにより5年後に北米に到達し、10年後に一部がアジア東部に回帰し、30年後に太平洋全体にほぼ拡散するという。福島大学環境放射能研究所の青山道夫教授も2015年、1年内に約800テラベクレルのセシウムが北米西海岸に到達すると予想していた。北米の科学界は、すでに実地調査によりこれを裏付けている。米国科学アカデミー紀要が昨年掲載した、カナダのベッドフォード海洋学研究所の報告書によると、北米西海岸で福島原発事故による放射性物質が検出されている。米ウッズホール海洋研究所の専門家は、「1986年のチェルノブイリ事故による放射能漏れは福島原発事故の10倍だが、海洋への影響は後者の方が大きい。漏えいした放射性物質の8割が海に入ったからだ。福島原発事故の海洋への影響は、空前絶後と言える」と指摘した。この放射能汚染は、魚介類と海の生態系に影響を及ぼす恐れがある。日本はすでにこれに関する、多くの調査結果を出している。

*1-3:http://digital.asahi.com/articles/ASJ4H3JLHJ4HUGTB007.html
(朝日新聞 2016年4月18日) 福島)甲状腺がんの県見解、ロ報告書と矛盾 尾松氏講演
 チェルノブイリ原発事故から30年の26日を前に、「避難の権利」を明記したチェルノブイリ法を日本に初めて体系的に紹介したロシア研究者の尾松亮氏がこのほど、東京都内で講演した。「ロシア政府報告書」を取り上げ、県や県立医大が県内の小児甲状腺がんの「多発」について原発事故の影響を否定する論拠にした「チェルノブイリ後の事実」とは異なる事実が報告されている、と指摘した。東京電力福島第一原発事故事故後、子どもたちの甲状腺検査を進めてきた県は有識者による検討委員会などで、罹患(りかん)統計から推定される有病数に比べ「数十倍のオーダーで多い甲状腺がんが発見されている」と認めつつ、「放射線の影響とは考えにくい」と主張。その論拠として、チェルノブイリ事故後に甲状腺がんが多発したのは①事故から5年後②5歳以下であるのに対し、福島では①がん発見が1~4年で早い②事故当時5歳以下の発見がない③被曝(ひばく)線量がはるかに少ない――などとしてきた。2011年発表のロシア政府報告書を詳細に検討した尾松氏は、報告書の内容が、県側の説明と「大きく食い違う」と批判。同報告書では甲状腺がんは①事故翌年から著しく増え(年平均1・7倍)、4~5年後にさらに大幅に増加②事故時5歳以下に急増するのは事故約10年後で彼らが10代半ばになって以降③被曝推計の最高値比較では大差があるが、低線量被災地でも増加――などと分析していることを明らかにした。そのうえで尾松氏は「現時点でデータは少ないが、チェルノブイリ後の10代での増え方などは違いより類似が目立つ」とし、「先例となる被災国の知見をゆがめて伝えることで、教訓を生かせなくなるのではないか」との懸念を表明した。

*1-4:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016060701001850.html
(東京新聞 2016年6月7日) 公共工事で除染土を再利用へ 全国の道路、防潮堤に
 東京電力福島第1原発事故に伴う除染廃棄物の減量と再利用に向けた環境省の有識者検討会は7日、東京都内で会合を開き、放射性物質濃度が基準以下となった除染土を全国の公共工事で使うとする再利用の方針案を大筋で了承した。近く同省が正式決定する。方針案によると、管理責任が明確で、長期間掘り返されることがない道路や防潮堤などの公共工事に利用先を限定。工事中の作業員や周辺住民の年間被ばく線量が1ミリシーベルト以下となるよう、用途や期間に応じて放射性セシウム濃度を1キログラム当たり5千~8千ベクレル以下と定めた。

<日本国憲法の規定>
*2:http://www.jicl.jp/kenpou_all/kenpou.html 日本国憲法(抜粋)
第二十四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、
        相互の協力により、維持されなければならない。
      2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他
        の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなけ
        ればならない。
第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
      2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進
        に努めなければならない。

<環境基本法>
*3:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H05/H05HO091.html 環境基本法 (平成五年十一月十九日法律第九十一号) 最終改正:平成二六年五月三〇日法律第四六号
第一章 総則
(目的)
第一条  この法律は、環境の保全について、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とする。
(定義)
第二条  この法律において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
2  この法律において「地球環境保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
3  この法律において「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。第二十一条第一項第一号において同じ。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。以下同じ。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。
(環境の恵沢の享受と継承等)
第三条  環境の保全は、環境を健全で恵み豊かなものとして維持することが人間の健康で文化的な生活に欠くことのできないものであること及び生態系が微妙な均衡を保つことによって成り立っており人類の存続の基盤である限りある環境が、人間の活動による環境への負荷によって損なわれるおそれが生じてきていることにかんがみ、現在及び将来の世代の人間が健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受するとともに人類の存続の基盤である環境が将来にわたって維持されるように適切に行われなければならない。
(環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築等)
第四条  環境の保全は、社会経済活動その他の活動による環境への負荷をできる限り低減することその他の環境の保全に関する行動がすべての者の公平な役割分担の下に自主的かつ積極的に行われるようになることによって、健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会が構築されることを旨とし、及び科学的知見の充実の下に環境の保全上の支障が未然に防がれることを旨として、行われなければならない。
(国際的協調による地球環境保全の積極的推進)
第五条  地球環境保全が人類共通の課題であるとともに国民の健康で文化的な生活を将来にわたって確保する上での課題であること及び我が国の経済社会が国際的な密接な相互依存関係の中で営まれていることにかんがみ、地球環境保全は、我が国の能力を生かして、及び国際社会において我が国の占める地位に応じて、国際的協調の下に積極的に推進されなければならない。
(国の責務)
第六条  国は、前三条に定める環境の保全についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
(地方公共団体の責務)
第七条  地方公共団体は、基本理念にのっとり、環境の保全に関し、国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
(事業者の責務)
第八条  事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずるばい煙、汚水、廃棄物等の処理その他の公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。
2  事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合にその適正な処理が図られることとなるように必要な措置を講ずる責務を有する。
3  前二項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が使用され又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するように努めるとともに、その事業活動において、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。
4  前三項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、これに伴う環境への負荷の低減その他環境の保全に自ら努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。
(国民の責務)
第九条  国民は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。
2  前項に定めるもののほか、国民は、基本理念にのっとり、環境の保全に自ら努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。
(環境の日)
第十条  事業者及び国民の間に広く環境の保全についての関心と理解を深めるとともに、積極的に環境の保全に関する活動を行う意欲を高めるため、環境の日を設ける。
2  環境の日は、六月五日とする。
3  国及び地方公共団体は、環境の日の趣旨にふさわしい事業を実施するように努めなければならない。
(法制上の措置等)
第十一条  政府は、環境の保全に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。
(年次報告等)
第十二条  政府は、毎年、国会に、環境の状況及び政府が環境の保全に関して講じた施策に関する報告を提出しなければならない。
2  政府は、毎年、前項の報告に係る環境の状況を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書を作成し、これを国会に提出しなければならない。
第十三条  削除
   第二章 環境の保全に関する基本的施策
    第一節 施策の策定等に係る指針
第十四条  この章に定める環境の保全に関する施策の策定及び実施は、基本理念にのっとり、次に掲げる事項の確保を旨として、各種の施策相互の有機的な連携を図りつつ総合的かつ計画的に行わなければならない。
一  人の健康が保護され、及び生活環境が保全され、並びに自然環境が適正に保全されるよう、大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。
二  生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保が図られるとともに、森林、農地、水辺地等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全されること。
三  人と自然との豊かな触れ合いが保たれること。
    第二節 環境基本計画
第十五条  政府は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
2  環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一  環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱
二  前号に掲げるもののほか、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3  環境大臣は、中央環境審議会の意見を聴いて、環境基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
4  環境大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、環境基本計画を公表しなければならない。
5  前二項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。
    第三節 環境基準
第十六条  政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする。
2  前項の基準が、二以上の類型を設け、かつ、それぞれの類型を当てはめる地域又は水域を指定すべきものとして定められる場合には、その地域又は水域の指定に関する事務は、次の各号に掲げる地域又は水域の区分に応じ、当該各号に定める者が行うものとする。
一  二以上の都道府県の区域にわたる地域又は水域であって政令で定めるもの 政府
二  前号に掲げる地域又は水域以外の地域又は水域 次のイ又はロに掲げる地域又は水域の区分に応じ、当該イ又はロに定める者
イ 騒音に係る基準(航空機の騒音に係る基準及び新幹線鉄道の列車の騒音に係る基準を除く。)の類型を当てはめる地域であって市に属するもの その地域が属する市の長
ロ イに掲げる地域以外の地域又は水域 その地域又は水域が属する都道府県の知事
3  第一項の基準については、常に適切な科学的判断が加えられ、必要な改定がなされなければならない。
4  政府は、この章に定める施策であって公害の防止に関係するもの(以下「公害の防止に関する施策」という。)を総合的かつ有効適切に講ずることにより、第一項の基準が確保されるように努めなければならない。
    第四節 特定地域における公害の防止
(公害防止計画の作成)
第十七条  都道府県知事は、次のいずれかに該当する地域について、環境基本計画を基本として、当該地域において実施する公害の防止に関する施策に係る計画(以下「公害防止計画」という。)を作成することができる。
一  現に公害が著しく、かつ、公害の防止に関する施策を総合的に講じなければ公害の防止を図ることが著しく困難であると認められる地域
二  人口及び産業の急速な集中その他の事情により公害が著しくなるおそれがあり、かつ、公害の防止に関する施策を総合的に講じなければ公害の防止を図ることが著しく困難になると認められる地域
(公害防止計画の達成の推進)
第十八条  国及び地方公共団体は、公害防止計画の達成に必要な措置を講ずるように努めるものとする。
    第五節 国が講ずる環境の保全のための施策等
(国の施策の策定等に当たっての配慮)
第十九条  国は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境の保全について配慮しなければならない。
(環境影響評価の推進)
第二十条  国は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、その事業の実施に当たりあらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測又は評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮することを推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
(環境の保全上の支障を防止するための規制)
第二十一条  国は、環境の保全上の支障を防止するため、次に掲げる規制の措置を講じなければならない。
一  大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染又は悪臭の原因となる物質の排出、騒音又は振動の発生、地盤の沈下の原因となる地下水の採取その他の行為に関し、事業者等の遵守すべき基準を定めること等により行う公害を防止するために必要な規制の措置
二  土地利用に関し公害を防止するために必要な規制の措置及び公害が著しく、又は著しくなるおそれがある地域における公害の原因となる施設の設置に関し公害を防止するために必要な規制の措置
三  自然環境を保全することが特に必要な区域における土地の形状の変更、工作物の新設、木竹の伐採その他の自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、その支障を防止するために必要な規制の措置
四  採捕、損傷その他の行為であって、保護することが必要な野生生物、地形若しくは地質又は温泉源その他の自然物の適正な保護に支障を及ぼすおそれがあるものに関し、その支障を防止するために必要な規制の措置
五  公害及び自然環境の保全上の支障が共に生ずるか又は生ずるおそれがある場合にこれらを共に防止するために必要な規制の措置
2  前項に定めるもののほか、国は、人の健康又は生活環境に係る環境の保全上の支障を防止するため、同項第一号又は第二号に掲げる措置に準じて必要な規制の措置を講ずるように努めなければならない。
(環境の保全上の支障を防止するための経済的措置)
第二十二条  国は、環境への負荷を生じさせる活動又は生じさせる原因となる活動(以下この条において「負荷活動」という。)を行う者がその負荷活動に係る環境への負荷の低減のための施設の整備その他の適切な措置をとることを助長することにより環境の保全上の支障を防止するため、その負荷活動を行う者にその者の経済的な状況等を勘案しつつ必要かつ適正な経済的な助成を行うために必要な措置を講ずるように努めるものとする。
2  国は、負荷活動を行う者に対し適正かつ公平な経済的な負担を課すことによりその者が自らその負荷活動に係る環境への負荷の低減に努めることとなるように誘導することを目的とする施策が、環境の保全上の支障を防止するための有効性を期待され、国際的にも推奨されていることにかんがみ、その施策に関し、これに係る措置を講じた場合における環境の保全上の支障の防止に係る効果、我が国の経済に与える影響等を適切に調査し及び研究するとともに、その措置を講ずる必要がある場合には、その措置に係る施策を活用して環境の保全上の支障を防止することについて国民の理解と協力を得るように努めるものとする。この場合において、その措置が地球環境保全のための施策に係るものであるときは、その効果が適切に確保されるようにするため、国際的な連携に配慮するものとする。
(環境の保全に関する施設の整備その他の事業の推進)
第二十三条  国は、緩衝地帯その他の環境の保全上の支障を防止するための公共的施設の整備及び汚泥のしゅんせつ、絶滅のおそれのある野生動植物の保護増殖その他の環境の保全上の支障を防止するための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
2  国は、下水道、廃棄物の公共的な処理施設、環境への負荷の低減に資する交通施設(移動施設を含む。)その他の環境の保全上の支障の防止に資する公共的施設の整備及び森林の整備その他の環境の保全上の支障の防止に資する事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
3  国は、公園、緑地その他の公共的施設の整備その他の自然環境の適正な整備及び健全な利用のための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
4  国は、前二項に定める公共的施設の適切な利用を促進するための措置その他のこれらの施設に係る環境の保全上の効果が増進されるために必要な措置を講ずるものとする。
(環境への負荷の低減に資する製品等の利用の促進)
第二十四条  国は、事業者に対し、物の製造、加工又は販売その他の事業活動に際して、あらかじめ、その事業活動に係る製品その他の物が使用され又は廃棄されることによる環境への負荷について事業者が自ら評価することにより、その物に係る環境への負荷の低減について適正に配慮することができるように技術的支援等を行うため、必要な措置を講ずるものとする。
2  国は、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、製品、役務等の利用が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。
(環境の保全に関する教育、学習等)
第二十五条  国は、環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに環境の保全に関する広報活動の充実により事業者及び国民が環境の保全についての理解を深めるとともにこれらの者の環境の保全に関する活動を行う意欲が増進されるようにするため、必要な措置を講ずるものとする。
(民間団体等の自発的な活動を促進するための措置)
第二十六条  国は、事業者、国民又はこれらの者の組織する民間の団体(以下「民間団体等」という。)が自発的に行う緑化活動、再生資源に係る回収活動その他の環境の保全に関する活動が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。
(情報の提供)
第二十七条  国は、第二十五条の環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに前条の民間団体等が自発的に行う環境の保全に関する活動の促進に資するため、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ環境の状況その他の環境の保全に関する必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。
(調査の実施)
第二十八条  国は、環境の状況の把握、環境の変化の予測又は環境の変化による影響の予測に関する調査その他の環境を保全するための施策の策定に必要な調査を実施するものとする。
(監視等の体制の整備)
第二十九条  国は、環境の状況を把握し、及び環境の保全に関する施策を適正に実施するために必要な監視、巡視、観測、測定、試験及び検査の体制の整備に努めるものとする。
(科学技術の振興)
第三十条  国は、環境の変化の機構の解明、環境への負荷の低減並びに環境が経済から受ける影響及び経済に与える恵沢を総合的に評価するための方法の開発に関する科学技術その他の環境の保全に関する科学技術の振興を図るものとする。
2  国は、環境の保全に関する科学技術の振興を図るため、試験研究の体制の整備、研究開発の推進及びその成果の普及、研究者の養成その他の必要な措置を講ずるものとする。
(公害に係る紛争の処理及び被害の救済)
第三十一条  国は、公害に係る紛争に関するあっせん、調停その他の措置を効果的に実施し、その他公害に係る紛争の円滑な処理を図るため、必要な措置を講じなければならない。
2  国は、公害に係る被害の救済のための措置の円滑な実施を図るため、必要な措置を講じなければならない。
    第六節 地球環境保全等に関する国際協力等
(地球環境保全等に関する国際協力等)
第三十二条  国は、地球環境保全に関する国際的な連携を確保することその他の地球環境保全に関する国際協力を推進するために必要な措置を講ずるように努めるほか、開発途上にある海外の地域の環境の保全及び国際的に高い価値があると認められている環境の保全であって人類の福祉に貢献するとともに国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するもの(以下この条において「開発途上地域の環境の保全等」という。)に資するための支援を行うことその他の開発途上地域の環境の保全等に関する国際協力を推進するために必要な措置を講ずるように努めるものとする。
2  国は、地球環境保全及び開発途上地域の環境の保全等(以下「地球環境保全等」という。)に関する国際協力について専門的な知見を有する者の育成、本邦以外の地域の環境の状況その他の地球環境保全等に関する情報の収集、整理及び分析その他の地球環境保全等に関する国際協力の円滑な推進を図るために必要な措置を講ずるように努めるものとする。
(監視、観測等に係る国際的な連携の確保等)
第三十三条  国は、地球環境保全等に関する環境の状況の監視、観測及び測定の効果的な推進を図るための国際的な連携を確保するように努めるとともに、地球環境保全等に関する調査及び試験研究の推進を図るための国際協力を推進するように努めるものとする。
(地方公共団体又は民間団体等による活動を促進するための措置)
第三十四条  国は、地球環境保全等に関する国際協力を推進する上で地方公共団体が果たす役割の重要性にかんがみ、地方公共団体による地球環境保全等に関する国際協力のための活動の促進を図るため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。
2  国は、地球環境保全等に関する国際協力を推進する上で民間団体等によって本邦以外の地域において地球環境保全等に関する国際協力のための自発的な活動が行われることの重要性にかんがみ、その活動の促進を図るため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。
(国際協力の実施等に当たっての配慮)
第三十五条  国は、国際協力の実施に当たっては、その国際協力の実施に関する地域に係る地球環境保全等について配慮するように努めなければならない。
2  国は、本邦以外の地域において行われる事業活動に関し、その事業活動に係る事業者がその事業活動が行われる地域に係る地球環境保全等について適正に配慮することができるようにするため、その事業者に対する情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。
    第七節 地方公共団体の施策
第三十六条  地方公共団体は、第五節に定める国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた環境の保全のために必要な施策を、これらの総合的かつ計画的な推進を図りつつ実施するものとする。この場合において、都道府県は、主として、広域にわたる施策の実施及び市町村が行う施策の総合調整を行うものとする。
    第八節 費用負担等
(原因者負担)
第三十七条  国及び地方公共団体は、公害又は自然環境の保全上の支障(以下この条において「公害等に係る支障」という。)を防止するために国若しくは地方公共団体又はこれらに準ずる者(以下この条において「公的事業主体」という。)により実施されることが公害等に係る支障の迅速な防止の必要性、事業の規模その他の事情を勘案して必要かつ適切であると認められる事業が公的事業主体により実施される場合において、その事業の必要を生じさせた者の活動により生ずる公害等に係る支障の程度及びその活動がその公害等に係る支障の原因となると認められる程度を勘案してその事業の必要を生じさせた者にその事業の実施に要する費用を負担させることが適当であると認められるものについて、その事業の必要を生じさせた者にその事業の必要を生じさせた限度においてその事業の実施に要する費用の全部又は一部を適正かつ公平に負担させるために必要な措置を講ずるものとする。
(受益者負担)
第三十八条  国及び地方公共団体は、自然環境を保全することが特に必要な区域における自然環境の保全のための事業の実施により著しく利益を受ける者がある場合において、その者にその受益の限度においてその事業の実施に要する費用の全部又は一部を適正かつ公平に負担させるために必要な措置を講ずるものとする。
(地方公共団体に対する財政措置等)
第三十九条  国は、地方公共団体が環境の保全に関する施策を策定し、及び実施するための費用について、必要な財政上の措置その他の措置を講ずるように努めるものとする。
(国及び地方公共団体の協力)
第四十条  国及び地方公共団体は、環境の保全に関する施策を講ずるにつき、相協力するものとする。
(事務の区分)
第四十条の二  第十六条第二項の規定により都道府県又は市が処理することとされている事務(政令で定めるものを除く。)は、地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号 に規定する第一号 法定受託事務とする。
   第三章 環境の保全に関する審議会その他の合議制の機関等
    第一節 環境の保全に関する審議会その他の合議制の機関
(中央環境審議会)
第四十一条  環境省に、中央環境審議会を置く。
2  中央環境審議会は、次に掲げる事務をつかさどる。
一  環境基本計画に関し、第十五条第三項に規定する事項を処理すること。
二  環境大臣又は関係大臣の諮問に応じ、環境の保全に関する重要事項を調査審議すること。
三  自然公園法 (昭和三十二年法律第百六十一号)、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律 (昭和四十五年法律第百三十九号)、自然環境保全法 (昭和四十七年法律第八十五号)、動物の愛護及び管理に関する法律 (昭和四十八年法律第百五号)、瀬戸内海環境保全特別措置法 (昭和四十八年法律第百十号)、公害健康被害の補償等に関する法律 (昭和四十八年法律第百十一号)、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律 (平成四年法律第七十五号)、ダイオキシン類対策特別措置法 (平成十一年法律第百五号)、循環型社会形成推進基本法 (平成十二年法律第百十号)、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律 (平成十二年法律第百十六号)、使用済自動車の再資源化等に関する法律 (平成十四年法律第八十七号)、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号)、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律 (平成十六年法律第七十八号)、石綿による健康被害の救済に関する法律 (平成十八年法律第四号)、生物多様性基本法 (平成二十年法律第五十八号)及び愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律 (平成二十年法律第八十三号)によりその権限に属させられた事項を処理すること。
3  中央環境審議会は、前項に規定する事項に関し、環境大臣又は関係大臣に意見を述べることができる。
4  前二項に定めるもののほか、中央環境審議会の組織、所掌事務及び委員その他の職員その他中央環境審議会に関し必要な事項については、政令で定める。
第四十二条  削除
(都道府県の環境の保全に関する審議会その他の合議制の機関)
第四十三条  都道府県は、その都道府県の区域における環境の保全に関して、基本的事項を調査審議させる等のため、環境の保全に関し学識経験のある者を含む者で構成される審議会その他の合議制の機関を置く。
2  前項の審議会その他の合議制の機関の組織及び運営に関し必要な事項は、その都道府県の条例で定める。
(市町村の環境の保全に関する審議会その他の合議制の機関)
第四十四条  市町村は、その市町村の区域における環境の保全に関して、基本的事項を調査審議させる等のため、その市町村の条例で定めるところにより、環境の保全に関し学識経験のある者を含む者で構成される審議会その他の合議制の機関を置くことができる。
    第二節 公害対策会議
(設置及び所掌事務)
第四十五条  環境省に、特別の機関として、公害対策会議(以下「会議」という。)を置く。
2  会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
一  公害の防止に関する施策であって基本的かつ総合的なものの企画に関して審議し、及びその施策の実施を推進すること。
二  前号に掲げるもののほか、他の法令の規定によりその権限に属させられた事務
(組織等)
第四十六条  会議は、会長及び委員をもって組織する。
2  会長は、環境大臣をもって充てる。
3  委員は、内閣官房長官、関係行政機関の長及び内閣府設置法 (平成十一年法律第八十九号)第九条第一項 に規定する特命担当大臣のうちから、環境大臣の申出により、内閣総理大臣が任命する。
4  会議に、幹事を置く。
5  幹事は、関係行政機関の職員のうちから、環境大臣が任命する。
6  幹事は、会議の所掌事務について、会長及び委員を助ける。
7  前各項に定めるもののほか、会議の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
   附 則
 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第四十三条及び第四十四条の規定は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
   附 則 (平成一一年七月一六日法律第八七号) 抄
(施行期日)
第一条  この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一  第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日
(環境基本法の一部改正に伴う経過措置)
第二十七条  施行日前に第五十三条の規定による改正前の環境基本法第十七条第三項の規定により内閣総理大臣の承認を受けた公害防止計画は、第五十三条の規定による改正後の同法第十七条第三項の規定により内閣総理大臣の同意を得た公害防止計画とみなす。
(国等の事務)
第百五十九条  この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条  この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
2  この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条  施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
2  前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
(手数料に関する経過措置)
第百六十二条  施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第百六十三条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
2  附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。
(検討)
第二百五十条  新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第二百五十一条  政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第二百五十二条  政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
   附 則 (平成一一年七月一六日法律第一〇二号) 抄
(施行期日)
第一条  この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
二  附則第十条第一項及び第五項、第十四条第三項、第二十三条、第二十八条並びに第三十条の規定 公布の日
(職員の身分引継ぎ)
第三条  この法律の施行の際現に従前の総理府、法務省、外務省、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、労働省、建設省又は自治省(以下この条において「従前の府省」という。)の職員(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条の審議会等の会長又は委員長及び委員、中央防災会議の委員、日本工業標準調査会の会長及び委員並びに これらに類する者として政令で定めるものを除く。)である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務条件をもって、この法律の施行後の内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省若しくは環境省(以下この条において「新府省」という。)又はこれに置かれる部局若しくは機関のうち、この法律の施行の際現に当該職員が属する従前の府省又はこれに置かれる部局若しくは機関の相当の新府省又はこれに置かれる部局若しくは機関として政令で定めるものの相当の職員となるものとする。
(別に定める経過措置)
第三十条  第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。 (以下略)


<地域主権は憲法改正を要しないこと>
PS(2016.7.5追加):「地域主権のために憲法改正が必要」と主張して憲法改正にこぎつけようとしている勢力もあるが、*4-1のように、日本国憲法は、第92条で「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて法律で定める」としており、これにより地方自治法が定められている。そのため、地域主権にしたければ地方自治法を改正すればよいのだが、*4-2のように、地方自治法はかなり地域主権であり、問題があるとすればその大部分は運用にあるだろう。 

*4-1:http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~kazyoshi/constitution/jobun/chap08.html (日本国憲法)  第8章 地方自治
第92条(地方自治の基本原則)
地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。
第93条(地方公共団体の機関、その直接選挙)
1.地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。
2.地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。
第94条(地方公共団体の権能)
地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。
第95条(特別法の住民投票)
一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。

*4-2:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO067.html (地方自治法)
第一編 総則
第一条  この法律は、地方自治の本旨に基いて、地方公共団体の区分並びに地方公共団体の組織及び運営に関する事項の大綱を定め、併せて国と地方公共団体との間の基本的関係を確立することにより、地方公共団体における民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、地方公共団体の健全な発達を保障することを目的とする。
第一条の二  地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。
2  国は、前項の規定の趣旨を達成するため、国においては国際社会における国家としての存立にかかわる事務、全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動若しくは地方自治に関する基本的な準則に関する事務又は全国的な規模で若しくは全国的な視点に立つて行わなければならない施策及び事業の実施その他の国が本来果たすべき役割を重点的に担い、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねることを基本として、地方公共団体との間で適切に役割を分担するとともに、地方公共団体に関する制度の策定及び施策の実施に当たつて、地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮されるようにしなければならない。(以下略)


<議員定数の都道府県割も憲法改正を要しないこと>
PS(2016年7月9日追加):*5-1のように、「自民党が各都道府県から改選ごとに少なくとも一人の参院議員を選出できるよう憲法改正することを盛り込む」とのことだが、*5-2のように、憲法は第43条で「両議院は全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」「両議院の議員定数は法律でこれを定める」、及び、第44条で「両議院の議員及びその選挙人の資格は法律でこれを定める」「人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない」と規定しているだけで、地域による一票の重み格差(差別?)については言及していないため、議員定数の都道府県割を目的とする憲法改正は不要であり、公職選挙法を変更すれば足りる。そのため、何でも憲法改正に結び付けようとしているのは見苦しく、このような主張をする人は日本国憲法を読んだこともないのかと思われる。

*5-1:http://www.sankei.com/politics/news/160404/plt1604040023-n1.html (産経新聞 2016.4.4) 「参院議員は都道府県から必ず1人選出」 自民党が参院選公約に盛り込みへ 憲法改正案に規定を追加
 自民党が夏の参院選公約に、各都道府県から改選ごとに少なくとも一人の参院議員を選出できるよう憲法を改正することを盛り込む検討を始めたことが3日、分かった。「一票の格差」是正に向け、今回の参院選から一部選挙区が合区されることに対し、党内に「地方の声がかき消される」との懸念が根強いことから、安倍晋三政権が掲げる「地方創生」と合わせて参院選で訴える方針だ。夏の参院選では、改選1人区だった鳥取、島根、徳島、高知4県が、それぞれ「鳥取・島根」「徳島・高知」の2選挙区に合区される。自民党は2選挙区でともに現職の青木一彦氏(島根)と中西祐介氏(徳島)を擁立するが、合区のままの選挙が続けば、1人も参院議員を選出できない県が出る可能性がある。

*5-2:http://www.saga-s.co.jp/senkyo/sanin/30402/320757 (佐賀新聞 2016年6月9日) 日本国憲法全文(抜粋)
第四章 国会
第四十一条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。
第四十二条 国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。
第四十三条 両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
         両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。
第四十四条 両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、
         社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。
第四十五条 衆議院議員の任期は、四年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に
         終了する。
第四十六条 参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。


<裁判所の違憲立法審査権行使にも憲法改正は不要であること>
PS(2016年7月10日追加):*6-1のように、おおさか維新の会は「憲法の恣意的解釈を許さないため憲法裁判所の設置が必要」としているが、*6-2のように、現行憲法は第81条で「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である」と規定している。そして、*6-3のように、「個別の法律などについて抽象的に憲法違反を訴えることはできない」と制限していることこそ憲法違反であり、裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを判定すべきなのだ。なお、政府の意向を受けるため最高裁判所でさえできないこと(実は、これは三権分立違反だが)は、憲法裁判所などという小さな組織を作れば、さらに政府の意向に沿った決定しかできなくなるだろう。

*6-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12418837.html
(朝日新聞 2016年6月21日) 参院選公約(要旨) おおさか維新の会 (抜粋)
◆憲法改正し教育無償化
■古い政治を壊す。新しい政治を創る。
1 憲法改正で教育無償化、道州制含む統治機構改革、憲法裁判所設置
 教育無償化を憲法で規定、国に予算措置と立法を義務づけ▽自治体を広域自治体の「道州」と「基礎自治体」の二層制にする▽恣意的憲法解釈を許さない憲法裁判所を設置

*6-2:http://www.saga-s.co.jp/senkyo/sanin/30402/320757
(佐賀新聞 2016年6月9日) 日本国憲法全文(抜粋)
第八十一条 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

*6-3:https://kotobank.jp/word/%E9%81%95%E6%86%B2%E7%AB%8B%E6%B3%95%E5%AF%A9%E6%9F%BB%E6%A8%A9-431676 (朝日新聞 2013..5.3 朝日新聞掲載「キーワード」の解説より) 違憲立法審査権
 法律や行政行為が憲法に違反していないか審査する権限。日本では、憲法81条により、最高裁に最終的な権限が与えられていることから、最高裁は「憲法の番人」とも呼ばれる。この規定により、地裁や高裁も憲法判断できる。日本の場合、個別の法律などについて抽象的に憲法違反を訴えることはできないとされており、具体的な争いの中で合憲・違憲が判断される仕組みになっている。

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2016.6.26 日本国憲法や教育基本法を護ることが重要で、教育の無償化に憲法改正は不要であること ← 日本国憲法、教育基本法と教育について (2016年6月27、28日、7月2、3日に追加あり)
     
2016.6.20 働き手の比率低下 2016.5.31   女性の労働力率      2015.5.31  
 東京新聞               日経新聞                      佐賀新聞

 
   上  高校進学率      65歳以上の   産業別・国籍別外国人労働者数 日本の難民認定数
(97%超の人が高校に進学) 労働力率世界比較                    2015.9.4朝日新聞

 「憲法は権力のみを縛るもので、国民を縛るものではない」と主張する勢力があるが、これは日本国憲法になるべく影響されずに国政を進めたいと考えた日本国憲法導入当初の人たちが法学部教育を通じて行った解釈の拡散ではないかと、私は考える。

 何故なら、具体的事例として、*1-1の憲法第26条2項に定められているとおり、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ」とされ、憲法は義務を設けて国民をも明確に縛っているからだ。また、日本国憲法は、「義務教育は、これを無償とする」と定めているが、「義務教育以外は有償でなければならない」とは定めていないため、教育を無償化するのに憲法改正は不要である。それどころか、*1-2の教育基本法には「教育の機会均等」が定められており、消費税増税とは関係なく、誰もが教育を受ける機会を保証されなければならないことになっている。

 さらに、「憲法改正しない」というのも明確な代替案であるため、「憲法改正草案を出していない党は代替案を示していない」という批判は当たらない。つまり、各政党、行政、メディアなどが主張している議論には事実に反するものが多いため、主権者たる国民はしっかり勉強して騙されないようにチェックしなければならないのである。

 なお、*1-2の日本国憲法の理念から導かれた教育基本法はPerfect(完全)であり、憲法改正の理由に教育の無償化を掲げるのは、「消費税を社会保障財源にする」と主張するのと同様、憲法改正を進めるためのごまかしにすぎない。私は、教育については、まず日本国憲法と教育基本法の理念をしっかり実現することこそ、最も重要だと考える。

<*立憲主義(https://kotobank.jp/word/%E7%AB%8B%E6%86%B2%E4%B8%BB%E7%BE%A9-148946) 法の支配 rule of the lawに類似した意味を持ち、権力保持者の恣意によってではなく、法に従って権力が行使されるべきであるという政治原則をいう。狭義においては、特に政治権力を複数の権力保持者に分有せしめ、その相互的抑制作用を通じて権力の濫用を防止し、もって権力名宛人の利益を守り、政治体系の保全をはかろうとする政治原則>

(1)義務教育と無償化の範囲
 *1-3に書かれているとおり、保育所や学童保育の待機児童は子育て問題の一部にすぎず、大学や塾などの教育にかかる費用は増加し、インフレと比較して賃金上昇率は低く、実質賃金が下がって子育ての経済的負担は大きく、第二子、第三子となるにつれて高くなる児童手当は子の生活費に差をつけており金額も少ない。また、非正規労働者には、奨学金の返済も負担である。

 しかし、産業の付加価値を上げられず、その結果として一人当たりの分配が小さくなるのは、労働者の教育の不十分さ(単なる学歴を言っているのではない)とイノベーション不足に由来するところが大きい。その上、教育費が高くなれば、親の貧富の差が子の教育格差となり、十分な教育費を出せない親の子はハンディを背負って、次世代もまた貧しい生活を強いられるという悪循環になる。

 そのため、私は以下のことを提案する。
  1)学校外教育費の負担を減らすため、公教育を充実させること
  2)義務教育を3歳~18歳までとし、幼児教育と高校教育を義務教育として無償化すること
    学校の幅広い選択権を保護者に与え、教育内容は前倒しして、飛び級も可能にすること
  3)保育園は0~2歳とし、この間も生活習慣や外国語などの家庭ではできない教育を行うこと
  4)貸与型ではなく給付型の奨学金を増やし、条件を満たす人は大学や大学院も無償にすること

(2)財源 ← 教育は投資であり、社会保障と同様、財源が消費税でなければならない理由はない
 民進党の公約では、*1-4のように、①消費税増税を2年間再延期するかわりに行政改革を徹底して財源を捻出し社会保障を充実させる ②返済不要の給付型奨学金創設など「人への投資」で経済成長を図る としている。私は、行政改革を徹底すれば消費税を増税しなくても社会保障費や教育費は出る上、教育を充実させて教育された人材を有効に使えば産業の付加価値を上げることができるため、消費税増税は不要であると考える。

 何故なら、よく勉強した人材は、*1-5の「朝三暮四」のような算術でしかものを考えられないのではなく、「消費税を増税しないから社会保障財源がない」「痛みがあるからよい改革だ」「国会議員が身を切ったから増税を飲む」などの馬鹿な詭弁を信じない、論理性や創造力を持った人材になれるからである。

(3)小・中・高校について
 馳文科大臣は、*2-1のように、かつての「ゆとり教育」には戻らないとする見解を公表したが、これは、公教育を充実して貧しい家庭の子にも十分な教育を受けさせるために重要なことだ。知識は思考するためのツールとして不可欠であるため、仮に小・中・高の教育関係者が、「『ゆとり教育』か『詰め込み教育』かといった選択しかできないとすれば、それこそが重要な問題である。

 なお、日本に限らず、親を失って学校に行きたくても行けない子もいる。そのため、*2-2のように社会奉仕活動を重視するライオンズクラブの会員のような人たちが、外国からでも親のない子を引き取ってもう一人(もしくは兄弟・姉妹)を育てる取り組みを進めれば、①不幸な子が減り ②少子化による労働力減少の影響が緩和でき ③育った子どもたちが生まれた国と日本との懸け橋になる。そして、その里親の負担を軽くするためにも、やはり義務教育を3歳~18歳までとして無償化し、給付型の奨学金を増やして大学や大学院も無償で行けるようにすることが必要なのである。

(4)大学について
 *3のように、東京大学など東京都内の有名5大学で、今春の入試合格者の75~55%を首都圏の高校出身者が占め、その比率は30年間で約1.4倍に増えており、理由は、①公教育のゆとり化の結果、塾や受験指導に力を入れる男女別学の私立中高一貫校が多い都市部の子が学力習得に有利になったこと ②地方からの進学者の経済的負担増(家賃を含む) などだそうだ。

 これは、中央省庁(農水省、国土交通省、総務省、経産省、厚労省、財務省、内閣府を含む)、大企業、大手メディアなどにも首都圏の男女別学の私立中高一貫校出身者の採用が増えるという結果をもたらし、政策作成やメディアの論調に歪みをきたしている。そのため、地方は、それ以上、ゆとりを追求している場合ではないことを忘れないで欲しい。

(5)職場において
 *4-1の三菱自動車の燃費偽装事件は、燃費のよさで税金を軽減するという馬鹿な制度に根本的原因があると思うが、(空気を読んでか)それを誰も正面から指摘することなく長期間机上で不適切な測定をし続けたのは、エンジニアのあるべき姿ではない。しかし、何かそうさせてしまうものが、現在の教育や企業の指揮命令系統の中にあると思われ、その本質が問題であるため、社長が引責辞任すれば問題解決するというものではないだろう。

 なお、*4-2のように、女性研究者の国際的人材ネットワークの創設が行われるそうだが、研究開発においても女性の視点は重要であるため、(30~60年遅れではあるが)「男女差に対する偏見の解消」や「女性研究者を活躍させる職場環境の整備」は大切だ。島尻担当相は「仕事と家事の両立で困っている日本のリケジョ(理系女性)に海外のロールモデルを示せば大いに刺激になる」などとしているが、実際には、日本女性の意識が低いのではなく女性を育成する環境がなかったことがポイントで、家事・子育てもハードワークで第一線の仕事と両立するのは困難であるため、海外と同様に、女性を差別しない職場環境を整え、お手伝いさんを雇って家事・子育ての負担を軽減しやすくするのが効果的である。

*1-1:http://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/about/a002.htm
(日本国憲法より抜粋)
第23条  学問の自由は、これを保障する。
第26条  すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を
      有する。
2  すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。
   義務教育は、これを無償とする。

*1-2:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H18/H18HO120.html
教育基本法より抜粋 (平成十八年十二月二十二日法律第百二十号)
●前文
 教育基本法(昭和二十二年法律第二十五号)の全部を改正する。我々日本国民は、たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願うものである。我々は、この理想を実現するため、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。ここに、我々は、日本国憲法の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓く教育の基本を確立し、その振興を図るため、この法律を制定する。
●第一章 教育の目的及び理念
(教育の目的)
第一条  教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
(教育の目標)
第二条  教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
一  幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。
二  個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。
三  正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
四  生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。
五  伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。
(生涯学習の理念)
第三条  国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない。
(教育の機会均等)
第四条  すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。
2  国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない。
3  国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならない。
●第二章 教育の実施に関する基本
(義務教育)
第五条  国民は、その保護する子に、別に法律で定めるところにより、普通教育を受けさせる義務を負う。
2  義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする。
3  国及び地方公共団体は、義務教育の機会を保障し、その水準を確保するため、適切な役割分担及び相互の協力の下、その実施に責任を負う。
4  国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料を徴収しない。
(学校教育)
第六条  法律に定める学校は、公の性質を有するものであって、国、地方公共団体及び法律に定める法人のみが、これを設置することができる。
2  前項の学校においては、教育の目標が達成されるよう、教育を受ける者の心身の発達に応じて、体系的な教育が組織的に行われなければならない。この場合において、教育を受ける者が、学校生活を営む上で必要な規律を重んずるとともに、自ら進んで学習に取り組む意欲を高めることを重視して行われなければならない。
(大学)
第七条  大学は、学術の中心として、高い教養と専門的能力を培うとともに、深く真理を探究して新たな知見を創造し、これらの成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする。
2  大学については、自主性、自律性その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない。
(私立学校)
第八条  私立学校の有する公の性質及び学校教育において果たす重要な役割にかんがみ、国及び地方公共団体は、その自主性を尊重しつつ、助成その他の適当な方法によって私立学校教育の振興に努めなければならない。
(教員)
第九条  法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。
2  前項の教員については、その使命と職責の重要性にかんがみ、その身分は尊重され、待遇の適正が期せられるとともに、養成と研修の充実が図られなければならない。
(家庭教育)
第十条  父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする。
2  国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。
(幼児期の教育)
第十一条  幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることにかんがみ、国及び地方公共団体は、幼児の健やかな成長に資する良好な環境の整備その他適当な方法によって、その振興に努めなければならない。
(社会教育)
第十二条  個人の要望や社会の要請にこたえ、社会において行われる教育は、国及び地方公共団体によって奨励されなければならない。
2  国及び地方公共団体は、図書館、博物館、公民館その他の社会教育施設の設置、学校の施設の利用、学習の機会及び情報の提供その他の適当な方法によって社会教育の振興に努めなければならない。
(学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力)
第十三条  学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする。
(政治教育)
第十四条  良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。
2  法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。
(宗教教育)
第十五条  宗教に関する寛容の態度、宗教に関する一般的な教養及び宗教の社会生活における地位は、教育上尊重されなければならない。
2  国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない。
●第三章 教育行政
(教育行政)
第十六条  教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。
2  国は、全国的な教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るため、教育に関する施策を総合的に策定し、実施しなければならない。
3  地方公共団体は、その地域における教育の振興を図るため、その実情に応じた教育に関する施策を策定し、実施しなければならない。
4  国及び地方公共団体は、教育が円滑かつ継続的に実施されるよう、必要な財政上の措置を講じなければならない。
(教育振興基本計画)
第十七条  政府は、教育の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、教育の振興に関する施策についての基本的な方針及び講ずべき施策その他必要な事項について、基本的な計画を定め、これを国会に報告するとともに、公表しなければならない。
2  地方公共団体は、前項の計画を参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体における教育の振興のための施策に関する基本的な計画を定めるよう努めなければならない。
●第四章 法令の制定
第十八条  この法律に規定する諸条項を実施するため、必要な法令が制定されなければならない。
   附 則 抄
(施行期日)
1  この法律は、公布の日から施行する。

*1-3:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/322021 (佐賀新聞 2016年6月12日) 収入増「実感ない」85% 地方ほど高い割合、子育て世代、大きな経済負担 全国面接世論調査
 アベノミクスの一環として経済界に賃上げを求めてきた安倍政権だが、2012年12月の第2次政権発足以降に給与などの収入が増えたという実感がないと答えた人は「あまりない」も含め85%に上った。地方ほどこの割合は高まり、景気が回復したとの感覚が得られていない現状が浮き彫りとなった。収入増の実感がないと答えた割合を衆院比例代表のブロック別にみると、四国が94%で最も高かった。中国は92%、東北は91%と高かった。収入が増えたとの実感があると答えた人は「ある程度ある」も含め全体で13%だった。ブロック別では東京の19%が最高で、南関東、近畿がいずれも16%。景気回復を感じている人は大都市圏に偏っていた。政権発足以降に経済格差が広がったと思うかどうかを尋ねると「変わらない」が59%で最も多くを占めた。「広がった」は36%で、「縮まった」との回答は2%しかなかった。経済格差の認識について年代別に見ると、年齢層が高くなるほど格差が広がっていると感じていた。「広がった」と答えた人は、中年層(40~50代)は34%、高年層(60代以上)は44%だった。一方、若年層(20~30代)では「変わらない」が72%にまで高まり、「広がった」という人は25%だった。
■子育て世代大きな経済負担
 池本美香・日本総研主任研究員の話 子育て支援などの少子化対策を社会保障の重要項目に挙げた人が増えたのは、待機児童や保育所建設中止の問題が昨今大きく報道されたことが背景にあるのだろう。しかし、保育所不足は少子化や子育て問題の一部にすぎない。大学や塾など教育にかかる費用は増加の一途だが、世帯収入は伸びておらず、子育て世代は経済的負担に苦しんでいる。具体的な支援策に「施設整備」と並んで「費用の負担軽減」を求める人が若年層に多いのはその現れだ。「奨学金を返すのに精いっぱいで結婚や子育てなんて考えられない」という声もよく聞く。貸与型ではなく給付型の奨学金を増やしたり、学校以外の教育費負担を減らしたりするなどの思い切った支援や若い世代が安定した収入が得られるような雇用対策が必要だ。

*1-4:http://www.saga-s.co.jp/news/national/10201/322370
(佐賀新聞 2016年6月14日) 民進、行革徹底で社会保障充実、成長目指し「人への投資」
 民進党が参院選で掲げる公約の全容が13日、判明した。消費税増税の2年再延期を表明。行政改革を徹底して財源を捻出し、社会保障を充実させると強調した。憲法9条改正に反対し、安全保障関連法の撤回も求めた。党独自の経済政策として返済不要の給付型奨学金創設など「人への投資」で経済成長を図る一方、大企業や富裕層に税負担を求め、格差を是正する姿勢を打ち出した。アベノミクスに対抗し、経済政策を前面に押し出すことで、安倍晋三首相の「経済対案がない」という批判をかわす狙いがあるとみられる。

*1-5:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12416400.html
(朝日新聞社説 2016年6月19日)参院選 社会保障の将来 給付と負担の全体像を
 たくさんの猿を飼っている人が、家計が苦しくなって餌のトチの実を減らすことにした。朝は三つ、夕方に四つ与えると言うと猿たちが怒ったので、朝に四つ、夕方は三つにすると言ったら喜んだ。「朝三暮四」の由来になった中国の寓話だ。目先を変えて言いくるめるたとえである。参院選での社会保障をめぐる議論もさながらこの話のようだ。各党は選挙公約で「充実策」を競い合う。その先にある「痛み」を覆い隠すように。だが、そんなその場しのぎは有権者に見透かされるだろう。むしろそうした姿勢が、制度への不信や将来への不安を高め、消費を冷やし、経済低迷の一因となっているのではないか。「子育て世帯を支援していく決意は揺らぎません」。消費増税の再延期を表明した記者会見での安倍首相の言葉だ。「アベノミクス」の成果と誇る税収の増加分を使い、保育や介護の「受け皿」を増やし、保育士と介護職員の賃金アップに優先して取り組むという。
■財源危うい「充実」
 だが、保育所を増やせば運営費として毎年約1千億円がかかる。保育士や介護職員の待遇改善には年に約2千億円が必要とされる。景気次第の税収増は、安定した財源とは言えない。そもそも子育て支援では、「税と社会保障の一体改革」で決めた施策が置き去りになっている。消費税収などを財源に保育士の配置を厚くするといった充実策を進めるはずなのに、いまだに財源のあてがない。子育てだけではない。低所得者の介護保険料の負担を軽くする、無年金の人を減らすといった対策も、消費増税の再延期で宙に浮いている。国民は今、さまざまな不安を感じている。子育て、医療や介護、雇用、貧困・格差の拡大……。これらを解消していくために社会保障を立て直す。そのために必要な財源を確保する。一体改革で示した対策は国民への「約束」であり、いずれも喫緊の課題ではなかったのか。約束をなし崩しにしているのは、首相が率いる自民党だけではない。一体改革をともにまとめた公明党や民進党も消費増税の延期に賛成し、安定した財源のめどがないままにもっぱら充実策を言っている。置き去りになっているのは、充実・強化の約束だけではない。少子高齢社会のもとで制度をどう維持していくかという議論が一向に聞こえて来ない。
■高まる抑制の圧力
 日本の総人口が減っていく一方で、2025年には「団塊の世代」が75歳以上になり、社会保障費は増えていく。医療費は今より約1・4倍、介護費は約1・9倍に膨らむと見込まれている。国の財政は国債発行という将来世代へのつけ回しに頼っており、国の借金は1千兆円を超えてなお増え続ける。社会保障費は政府予算の約3割を占め、財政難と表裏の関係にある。一体改革では、消費税の増税分をすべて社会保障に充てるとされたが、その大半は借金が増えるのを抑えるのに使われ、新たな「充実策」には約1%分しか回らない。社会保障を支える財政の状況はそれほど厳しい。さらに、消費税率を10%にしてもそれだけでは借金の増加は止まらない。安倍政権は、社会保障費の毎年度の増加を高齢化に伴う「自然増」程度に抑える目標を掲げている。そのための方策として、高齢者の医療費の負担増、介護保険の利用者負担の引き上げ、要介護度の低い人へのサービスの見直しなどが検討課題に挙がっている。しかし本格的な議論は参院選後に先送りされた。
■政治の役割は何か
 選挙では充実ばかり唱え、終わった途端に負担増や給付減を言い出すのか。そんなやり方は、政治や社会保障への国民の不信を強めるだけだろう。制度のほころびを繕い新たなニーズに対応する。全体の費用はできるだけ抑えていく。これをどう両立させるのか。経済的に余裕のある人には、高齢者であっても負担を求める流れは加速するだろう。だが、それにも限界はある。これ以上の給付の抑制・削減が難しければ、国民全体でさらなる負担増も考えねばならない。既存の制度をどう見直し、限りある財源をどこに振り向けるのか。必要な財源をどうやって確保していくか。選択肢を示し、合意を作っていくことは、まさに政治の責任だ。税・社会保障一体改革は、与野党の枠を超えて「給付」と「負担」の全体像を示し、国民の理解を得ようとする「覚悟」だったはずだ。だが、参院選に臨む3党の姿勢は一体改革の土台を自ら掘り崩すかのような惨状である。このままずるずると「一体改革前」へと後戻りしていくのか、それとも踏ん張るのか。3党の責任はとりわけ重い。

<小・中・高校>
*2-1:http://mainichi.jp/articles/20160510/dde/041/100/065000c
(毎日新聞 2016年5月10日) 馳文科相、「脱ゆとり」を宣言 次期指導要領 「知識軽視」誤解解く
 馳浩文部科学相は10日、今年度中に予定されている次期学習指導要領改定に向け、授業内容を減らしたかつての「ゆとり教育」には戻らないとする見解を公表した。次期指導要領では、児童・生徒が討論や体験などを通じて課題を探究する学習形態「アクティブ・ラーニング」の全面的な導入を目指しているが、教育関係者の一部から「ゆとり教育の理念を復活させる」と誤解されていることを受けた対応という。馳氏は10日の閣議後の記者会見で「『ゆとり教育』が『緩み教育』というふうに間違った解釈で現場に浸透してしまった。どこかで『ゆとり教育』との決別宣言を明確にしておきたいと思った」と話した。馳氏は「教育の強靱(きょうじん)化に向けて」と題する見解で「学習内容の削減を行うことはしない」と強調。「『ゆとり教育』か『詰め込み教育』かといった、二項対立的な議論には戻らない。知識と思考力の双方をバランスよく、確実に育む」とした。そのうえでアクティブ・ラーニングについて「知識が生きて働くものとして習得され、必要な力が身につくことを目指すもの。知識の量を削減せず、質の高い理解を図るための学習過程の質的改善を行う」と説明している。指導要領の改定はほぼ10年ごとに実施される。前回の2008年は、詰め込み教育の反省で1970年代から軽減されてきた授業内容を約40年ぶりに増やし、「脱ゆとり」と呼ばれた。今年度改定される指導要領では、思考力や表現力の育成を重視する方針だが、これが一部で「知識の軽視」との誤解を招いており、改めて文科省としての考え方を示したという。

*2-2:http://qbiz.jp/article/89285/1/
(西日本新聞 2016年6月22日) ライオンズクラブ活動紹介パネル展 福岡市・天神
 福岡市で24日に開幕する「第99回ライオンズクラブ国際大会」にちなんで、クラブの活動を紹介するパネル展が21日、福岡市・天神のエルガーラ・パサージュ広場で始まった=写真。県内116団体のクラブの歴史のほか、献血や青少年育成など社会奉仕活動を約120枚のパネルで説明。岩田屋本店本館7階では22日から、来年創立100周年を迎えるライオンズクラブ国際協会の取り組みを紹介するパネル展も開催される。いずれも国際大会が閉幕する28日まで。国際大会は福岡ヤフオクドーム(中央区地行浜)をメイン会場に、国内外から約3万8千人が訪れる。パネル展の問い合わせは大会ホスト委員会事務局=092(407)8199=へ。

<大学>
*3:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12337211.html
(朝日新聞 2016年5月1日) 東京5大学合格、大半が首都圏高 東大・早慶など、30年で1.4倍
 東京大など東京都内の有名5大学で、今春の入試合格者の75~55%を首都圏の高校出身者が占め、30年間で約1・4倍に増えていることがわかった。下宿生の経済負担増などが背景にあるとみられる。地方出身者の東京離れを食い止めようと、大学側は奨学金新設などの対策を始めている。進学情報誌を発行する大学通信と毎日新聞出版は毎年、主要大学の出身高校別合格者を調査。1986年と2016年のデータ(16年分は朝日新聞出版も調査に参加)を元に、東大、東京工業大、一橋大、早稲田大、慶応義塾大の合格者(早大と慶大は一般入試のみ対象)を分析した。その結果、首都圏(東京都、埼玉、千葉、神奈川県)の高校出身者は、東大は86年の47・3%に対し今春は55・2%。ほかは東工大61・6%→74・7%▽一橋大44・7%→69・4%▽早大51・8%→73・9%▽慶大56・0%→72・6%と、いずれも増えていた。東京地区私立大学教職員組合連合の15年度の調査では、都内で下宿する私大生への平均仕送り月額は86年度比で16%減少。一方で家賃は76%上がった。また、受験指導に力を入れる学校が多い私立中高一貫校は、全国の約4割が首都圏にある。高校関係者や専門家からは、こうしたことが影響しているとの指摘がある。学生の画一化などを懸念する大学側は、地方出身者の確保策に乗り出した。早大や慶大は近年、地方出身者向けの奨学金制度を新設している。

<職場>
*4-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12364251.html
(朝日新聞 2016年5月19日) 三菱自社長、引責辞任へ 燃費偽装、新たに5車種
 三菱自動車は18日、すでに燃費偽装が発覚している軽自動車の4車種(日産自動車向け含む)のほか、新たに5車種でデータを机上計算する偽装があったと発表した。不適切な測定をしていた車種を含め、軽4車種を含む13車種のうち12車種で問題があった。相川哲郎社長と中尾龍吾副社長は、6月24日の株主総会日付で引責辞任する。相川氏は「不正があった開発部門に長く在籍してきた。その風土で育った私が社長として残っていては、改革の妨げになる」と辞任理由を語った。軽4車種以外の販売は続ける。燃費を測り直したところカタログ値との隔たりが最大3%ほどにとどまったとして、中尾氏は「お客さまに迷惑をかけるレベルではない」と述べた。三菱自によると、新たに偽装がわかった5車種は、人気のスポーツ用多目的車(SUV)やミニバン。法定の実走試験を省き、机上の計算によって燃費測定の元データとなる「走行抵抗値」を出していた。「RVR」は別のセダンのデータを元に机上計算。「アウトランダー」「パジェロ」「(プラグインハイブリッド車の)アウトランダーPHEV」と「デリカD:5」のガソリン車は、車体に所定の重さを加えない軽い状態で実走試験をし、机上計算でデータを補正した。さらに「パジェロ」のガソリン車では、空気抵抗が小さい別の車のデータを流用する偽装も見つかった。また、これらと一部重複する6車種では、国の定めと違う不適切な方法で走行抵抗値を測定。試験日や天候も、国土交通省に事実と違う報告をしていた。生産・販売を止めている軽4車種では、三菱自本社の性能実験部幹部が、子会社「三菱自動車エンジニアリング」の管理職にデータ不正を指示していたことを正式に認めた。相川氏の後任社長は未定。今月12日に日産との資本業務提携で基本合意しており、年内をめどに34%の出資を受けて日産傘下に入る方針。その後、新たな経営陣で再建をめざす。益子修会長兼最高経営責任者(CEO)は「新体制が誕生するまで現職にとどまる」としつつ、その間の報酬はすべて自主返納するという。

*4-2:http://mainichi.jp/articles/20160515/k00/00m/040/112000c
(毎日新聞 2016年5月15日) 「リケジョ」人材ネット創設へ
 15日に茨城県つくば市で開幕する主要7カ国(G7)科学技術相会合の共同声明に、女性研究者に特化した国際的な人材ネットワークの創設が盛り込まれる見通しであることが分かった。議長を務める島尻安伊子科学技術担当相が14日、毎日新聞などの取材に明らかにした。同会合では「保健医療」「海洋の未来」など六つのテーマが議論される。このうち「次世代の人材育成」の議題について、島尻担当相は研究人材の多様性確保の観点から、女性研究者を支える国際協力の必要性を強調。17日にまとめる共同声明「つくばコミュニケ」に、▽国際人材ネットワーク作りの支援▽女性研究者の模範例の共有▽男女差に対する偏見解消▽女性研究者が活躍できる政策や職場環境の整備−−を盛り込む考えを示した。国際人材ネットワークでは、海外の企業や研究機関の採用情報などを共有し、行き来しやすくする仕組みを整えることで、女性研究者のキャリアアップにつなげてもらうという。科学技術分野では、男性に比べ女性の割合が少ない国が大半。日本の女性研究者は約13万人で、20年前からほぼ倍増したが、全体に占める割合は2014年で14.6%と国際的に最低レベル。英国(37.8%)やイタリア(35.5%)など同会合参加国と比べ著しく低い。島尻担当相は「仕事と家事の両立などで困っている日本のリケジョ(理系女性)に海外のロールモデルを示せば大いに刺激になるし、国内の対策にも生かせる」と話した。


<給食費と食育・食器>
PS(2016年6月27日追加):*5のように、公立小中学校の給食費は無償化してよいと私も思うが、文科省は「財源や給食を実施していない自治体との公平性を考える必要がある」として、いつものとおり最悪に合わせる形の公平性を主張している。しかし、「給食は食育にも活用されており、教材でもある。無償とする義務教育の範囲に給食を入れるべきだ」というのは尤もだ。また、食育には食材だけでなく食器の使い方も含まれるため、磁器による食器の画像を掲載しておく。

  
   従来の食器              強化磁器の食器           佐賀県鳥栖市の食器
(エサの入れ物のようだ) (強化磁器はよいが、模様がイマイチだにぱっ)   (トレイ以外はGood)

*5:http://qbiz.jp/article/89584/1/
(西日本新聞 2016年6月27日) 給食費、負担に地域差 九州の市町村、3割が補助制度
 公立小中学校の給食費について2015年度、九州7県の全233市町村の約3割、64市町村が全額または一部を補助していることが西日本新聞のまとめで分かった。人口減対策で子育て環境を整えようと補助制度を導入する自治体は増加傾向にある一方、食材費高騰から値上げも相次いでおり、負担の二極化が進んでいる。保護者からは地域間格差の是正、一律無償化を求める声も出ている。九州の各県教育委員会によると、64市町村は生活保護や就学援助とは別に、すべての小中学生無料や、小1と中1が無料、第2子以降は半額などの補助制度を設けている。県別では鹿児島が21市町村と最も多く、熊本(15市町村)、福岡(14市町村)、宮崎(6町村)、佐賀(5市町)、長崎(3市町)と続いた。大分はゼロだった。制度導入の背景には、人口減少に対する自治体の危機感がある。民間提言機関による「消滅可能性都市」に含まれる佐賀県太良町。手厚い支援で子育て世代の流入と流出防止を図ろうと、15年度に全額無償に踏み切った。16年度も制度を新設、拡充する自治体は増え、福岡県古賀市は第3子以降を無償化(これまでは半額)。熊本県人吉市も全ての児童生徒に対する月額千円の補助を始め「最終的には全額補助が目標」(担当者)という。宮崎県小林市は、ふるさと納税を財源に半額補助に乗り出している。一方、給食費は近年の消費税増税や食材費の上昇を受けて値上がり傾向にある。文部科学省の調査によると、14年度の平均月額給食費は小学校4266円、中学校4882円。5年前に比べてそれぞれ153円、200円上がった。福岡市は15年度、小学校で300円増の月額4200円、中学校は400円増の同5千円に値上げした。中1と小4の母親(40)=福岡市西区=は「わずかな値上げでも毎月必要な給食費は負担感が大きい。地域によって異なるのは不公平でおかしい」と疑問の声を上げる。一律無償化について、文科省健康教育・食育課は「財源や給食を実施していない自治体との公平性を考える必要がある」との姿勢。名古屋大大学院の中嶋哲彦教授(教育行政学)は「給食は食育にも活用されており、教材でもある。無償とする義務教育の範囲に給食を入れるべきだ」と指摘している。学校給食 公立小中学校では、学校給食法に基づき学校を設置する各自治体などが実施。食材費は保護者負担、給食にかかる施設整備や人件費は自治体の負担と定めている。文部科学省によると、公立の小学校の99.7%、中学校の93.7%で実施(2014年度)。また、同省の12年度の抽出調査では、児童生徒の0.9%が給食費を納めておらず、その理由の6割は「保護者の責任感や規範意識の問題」、3割が「保護者の経済的な問題」などとなっている。政府の経済財政諮問会議の民間議員は4月の同会議で、給食費の免除制度を充実させるよう政府に提言している。

<IT教育とデジタル教科書>
PS(2016年6月27日追加):*6-1のように、タブレット端末の導入が全3学年に行き渡った佐賀県の県立高で来年度以降に導入する学習用パソコンをキーボード付にするかどうか検討する会合が開かれたそうだが、キーボード操作は、(日本に限らない)大学に進んだり、会社で仕事をしたりして文章を書く時に必要不可欠であるため、キーボード操作にも慣れさせておくことを、私は薦める。
 そのような中、*6-2のように、生徒の上達と比較して、情報を管理する「校務支援システム」のセキュリティーは甘すぎたらしく、「最先端の佐賀県システムが破られた」として文科省担当者がショックをあらわにしたそうだ。しかし、小中学生3万4,739人、高校・特別支援学校などの県立学校生5万6,590人、教職員7,987人という大量の個人情報をまとめて保存し、校外からアクセスできるシステムにしておくのは、個人情報の意味やセキュリティーについてあまりにも疎すぎると言わざるを得ない。
 なお、*6-3のように、最近は「デジタル教科書」があり、私も雑誌「ニュートン」が作ったデジタル教科書で地球46億年の大陸移動や日本列島ができる様子を動画で見たことがあり、とてもわかりやすくて最近の生徒を羨ましく思ったほどだ。しかし、デジタル教科書は紙の教科書のようにめくったり全体を一覧したりすることはできないため、紙の教科書と併用するのがよいと考える。

*6-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/320345
(佐賀新聞 2016年6月8日) 県立高の使用端末、次期機種選定で会合
 生徒一人一人へのタブレット端末の導入が全3学年に行き渡った県立高について、来年度以降に導入する学習用パソコンの在り方を協議する専門委員会の初会合が7日、佐賀県庁で開かれた。学校現場の意見を踏まえながら次期機種選定に向け、秋ごろ佐賀県教委に提言する。専門委は藤原久嗣県情報統括監や学校長ら7人で構成。渡辺健次・広島大大学院教授が委員長を務める。機種の選定はせず、キーボード付きのタブレットで続けていくかどうかや、OS(基本ソフト)は何にするかなどを論議する。委員からは「英語のリスニング学習で効果的に使われている」「工業系資格試験対策で作業手順を何度も動画で確認できる」といった事例が報告された。「今まで構築した教材がそのまま使えるか不安」と現行機種を望む声や、使い勝手向上のため変更してもよいとする意見も紹介された。渡辺委員長は「県民の中には導入を『やめろ』という意見もあるかもしれない。必要性を説明するためには、ICT利活用を県の教育目標でどう位置付けるか、もう一度確認しないといけない」と語った。

*6-2:http://mainichi.jp/articles/20160627/k00/00e/040/156000c
(毎日新聞 2016年6月27日) 「最先端の佐賀県システム破られるとは」
●文科省担当者はショックをあらわに
 「ICT(情報通信技術)化が最も進んでいる佐賀県のシステムが破られた。とても驚いている」。佐賀県立高校の生徒の成績などが流出した事件で、文部科学省の担当者はショックをあらわにした。同省は27日、佐賀県教委に事実関係の早急な報告を求めた。全国の公立小中高校の普通教室に設置されている電子黒板の整備率(2015年3月時点)は全国平均が9%なのに対し、佐賀県は76.5%で全国1位。パソコンの整備状況も生徒2.6人に1台と全国トップで、国が第2期教育振興基本計画(13〜17年度)で定める目標の3.6人に1台を唯一超えており、ICT化の先進地域として知られていた。同省によると、児童や生徒の学籍や成績などの情報をコンピューターで管理するシステムは「校務支援システム」と呼ばれ、各地の学校で導入が進んでいる。教職員同士が情報を共有することできめ細かな指導をしたり、教員の校務負担の軽減を図ったりするメリットがあるとされる。佐賀県のシステム「SEI−Net(セイネット)」は全国に先駆けて13年度から導入された。学校側が授業支援のためのデジタル教材を提供し、児童生徒が家庭でダウンロードして予習や復習に利用したり、ネット経由で相談に乗ったり、学校行事の確認をしたりすることも可能にしていた。佐賀県教委によると、このシステムには5月1日現在で小中学生3万4739人、高校や特別支援学校などの県立学校生5万6590人、教職員7987人の情報が登録されていた。教職員が成績や住所などの個人情報にアクセスするには、校内ネットワークに接続したうえでIDとパスワードを入力する必要がある。児童生徒はIDとパスワードを入力すれば、校外からでもネットに接続して、自分のテスト結果や電子教材などは閲覧できるという。

*6-3:http://www.saga-s.co.jp/news/national/10206/318376
(佐賀新聞 2016年6月2日) デジタル教科書、20年度から、当面は紙と併用、文科省中間案
 文部科学省の有識者会議は2日、タブレット端末などを使う「デジタル教科書」を、次期学習指導要領が実施される2020年度から、紙の教科書と併用する形で導入するとの報告書の中間まとめ案を大筋了承した。4月に示した案から大きな変更はなかった。年内に報告書をまとめる予定。当面は紙の教科書を基本とし、単元によってデジタル版だけを使う形を認める。教育効果や健康への影響などを調べた上で、教育委員会の判断で紙かデジタル版のどちらかを選ぶ制度も将来的には考えられるとした。


<社会科の学び方>
PS(2016.6.28追加):*7で公民科が適切に教えられるのか否かは不明だが、日本国憲法の理念は正しく教えるべきである。また、地理と歴史は相互関係が深く、時代によって国境線も変化し、日本は古代から世界と無関係に存在していたわけではない。そのため、日本史と世界史を総合的に学習するのは真実を理解するためによいことで、そうすることによって社会科が単なる暗記科目ではなく、人類の歴史の壮大な物語として理解できるだろう。

*7:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20160628&ng=DGKKASDG27HDD_X20C16A6CR8000 (日経新聞 2016.6.28) 現代社会を廃止 高校必修、公共・歴史総合に 次期指導要領で中教審案
 中央教育審議会の専門部会は27日、2022年度以降に導入する高校の次期学習指導要領の地理歴史・公民について、科目の構成やおおまかな学習内容を取りまとめた。公民科は選挙権年齢の18歳への引き下げを踏まえ「公共」を新設。法律や経済の仕組みに加え、社会保障の現状などを学び問題点を理解する。学習内容が重複する「現代社会」は廃止する。地理歴史科は近現代史の理解度が低いことから、18世紀以降を中心に日本史と世界史を関連づけて学ぶ「歴史総合」を新必修科目とする。近代化やグローバル化の流れを学習の中心に据える。近代以前の歴史も含めてより深く学習する「日本史探究」「世界史探究」は選択科目とする。「地理総合」も新たに必修科目に。環境問題など、全世界が直面する共通の課題と国際協力の在り方などを学ぶ。地図情報をコンピューターで加工する「地理情報システム(GIS)」の使い方も学習する。選択科目の「地理探究」は世界の民族・宗教や産業、資源などをより深く知ることを目指す。現行の学習指導要領では、公民科は「現代社会」1科目か「倫理」「政治・経済」の2科目が必修。地理歴史科は「世界史A」「世界史B」から1科目、「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」から1科目が必修となっている。


<地方の人手不足>
PS(2016年7月2、3日追加):*8-2の高齢化率が高いという結果は、出生率や死亡率の統計を見れば1980年代から予想できたことで、その原因を究明して政策を作るのが当然だったわけである。しかし、*8-3の人手不足をカバーする方法もあり、それは日本人女性や高齢者を採用したり、雇用が不足している国から外国人労働者を採用したりすることだ。そのため、外国人労働者の生活基盤を準備した上で、九州でまとまって海外募集を行ってはいかがかと考える。なお、社会保険の観点から、女性・高齢者・外国人労働者も正規労働者として人権をないがしろにしない採用をすべきだ。

     
主な企業の外国人採用     高齢者の雇用条件     女性管理職比率   給与・雇用・議員数 
2016.5.3西日本新聞    <同一労働同一賃金?>   <何とかかんとか言って日本の職場
                                       における男女平等度は低いので、
                                       *8-1の憲法27条、労働基準法、
                                       男女雇用機会均等法を護るべきだ>

*8-1:http://www.jicl.jp/kenpou_all/kenpou.html 日本国憲法(抜粋)
第二十七条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
3 児童は、これを酷使してはならない。

*8-2:http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS29H27_Z20C16A6000000/?n_cid=NMAIL002 (日経新聞 2016/6/29) 全都道府県で子供より高齢者多く 15年国勢調査人口
 総務省は29日、2015年国勢調査の抽出速報集計結果を公表した。65歳以上の高齢者人口は10年の前回調査比で14%増の3342万人となり過去最高だった。高齢者の割合は26.7%で、5年前の調査に続き世界各国で最も高い。15歳未満の子ども人口の割合も12.7%と過去最低で、調査開始以来初めて全都道府県で高齢者人口が子ども人口を上回った。労働力人口は5年間で294万人減少した。15歳以上人口に占める働く意欲のある人の比率である労働力率は59.8%と10年比1.4ポイント低下した。少子高齢化により全体の就労者が減るなか、女性の労働力率は49.8%と0.2ポイント上昇した。女性は25~29歳の労働力率が初めて8割を超え、35~39歳も72.4%と4.4ポイント上昇。出産による退職などで女性の30歳代の労働力率が下がり、育児後に再び上昇する「M字カーブ」の底が上昇した形だ。

*8-3:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/329364
(西日本新聞 2016年7月2日) 豊かさはどこに(上)雇用 人材確保に悩む中小企業
■大手の求人増、経営に逆風
 「自動車メーカーが押し上げ、大手企業の夏のボーナスは過去3番目の高水準です」。喜々として伝えるテレビのアナウンサーに、佐賀市の自動車部品メーカーの専務(35)はいら立ちを隠さなかった。「うちの社員が変に期待してしまうから、こんなニュースは流してほしくない」。これ以上、賃上げをする余力がないことを強調した。安倍政権の経済政策「アベノミクス」は円安を誘導し、自動車メーカーなど輸出企業の業績を回復させた。その孫請け企業が潤う「トリクルダウン効果」はあったのか。「何も恩恵はない」と専務。コスト削減ばかり求められ、受注単価は横ばいか微減。受注量はリーマンショック前の水準にすら戻っていない。むしろ円安で原材料費が10%値上がりし、利幅は目減りしている。安倍晋三首相が参院選で強調する雇用改善。佐賀労働局によると、県内の5月の有効求人倍率は1・11倍で、バブル期の水準までに回復した。6カ月連続で1倍を超える。年度別にみても、アベノミクスが始まった2012年から急速に数値は上向いている。自動車部品メーカーの専務はそれも実感できずにいる。毎年数人採用してきた新入社員は期待をかけて仕事を丁寧に教えても、半年たたずに辞めてしまう。「ものづくりに魅力を感じず、楽で給料がいい業種に移ってしまうのか」。若手の引き留め策で新たな手当を導入し、月給を最大28万円に引き上げた。それでも求人票には反応がない。今春卒の高校生の県外就職率は44・3%。過去10年で4番目に高い水準となった。佐賀市内の高校の進路担当教諭は2年前から、大手・中堅の製造業、建設業の求人が県外から急増していると明かす。「保護者が安定を求めるからなのか、優秀な学生ほど大企業に挑戦したがる」と説明する。先の自動車部品メーカーの従業員は約20人で、平均年齢は30代後半。一人前に育てるには5年かかり「50代の工場長がしっかりして、仕事が回る今のうちに技術を継承したいのだが…」と専務は危機感を口にした。派遣社員は短い期間で入れ替わるため育成が難しいだけに、産業用ロボットの導入を本気で検討し始めた。人材不足は製造業だけの問題ではない。佐賀市のIT企業は、年3回の会社説明会を倍に増やした。社員だけでは対応できなくなり、外部に業務委託せざるを得なくなった。経営幹部はコストがかさむ現状に「首都圏の雇用改善が私たちの足かせになっている」と困惑する。円安の恩恵を享受してきた大企業も、英国の欧州連合(EU)離脱で風向きが変わった。県内の大手電子部品メーカーは「円高が1円進むだけで6億円の利益が吹き飛ぶ。コスト削減に努める以外に方法はない」。為替リスクに左右される無常感を口にした。


PS(2016年7月3日追加):*9に、「現代の学校教育では美術、音楽の時間がないがしろにされており、活動は実質20分程度で芸術は育たない」と書かれているが、義務教育を3歳から始めれば時間にゆとりがあるため、適時に適切な時間を芸術やスポーツにも当てることができる。しかし、現在、学んでいる知識や服飾技術などもすべて人類の文化に入るため、*9で言う「文化」とは具体的に何なのか書いてなければわからない。また、世界の第一線で活躍できる人を育てるには、時間さえとればよいというものではなく、ベースを教える指導者も本物でなければならない。そのため、児童・生徒に時間の無駄をさせず、その魅力を教えて効果を上げられる人材を、日本人に限らず探してきて揃えるべきだと考える。

*9:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/329649
(佐賀新聞 2016年7月3日) 候補者へ(11) 文化教育の充実を
 現代の学校教育では美術、音楽の時間がないがしろにされている。40分授業なら準備、後片付けもあって活動は実質20分程度。そんなんじゃ芸術は育たない。このような状況は家庭にも悪影響を及ぼし、子どもたちから文化の芽を摘む。世界の第一線で活躍する芸術家を育てるには、まずはベースから。家庭でも文化を愛する教養が育まれるような素地をつくらないと。フランスがそうであるように、芸術は世界中から人を呼び寄せる経済的資源になり得る。芸術や文化に敬意を払う政策を願いたい。

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