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2012.11.25 高齢になったら如何に生きたいか、及び、それを支える介護保険制度について
        
             *2より                    *3より
 最後は、すべての人がお世話になる介護保険制度であり、配偶者を介護して看取った後、一人で残った人には、介護や看取りは深刻な問題である。そういう人は、特殊だろうか?いや、世界がグローバル化して子どもを自由に羽ばたかせた結果、子どもが近くに住むとは限らず、子どもの家庭とは一線を隔して生活する親が多い現代では、それが普通なのである。

 それにもかかわらず、高齢者福祉を世代間闘争に仕立て上げた時点で、高齢者福祉の問題の立て方は間違っていると、私は思う。つまり、自分、自分の両親、自分の祖父母も世話になり、一昔前のように、特定の個人が大きな介護負担を負わなくてすむようになる介護保険制度に、年齢にかかわらず、働く人が応分の負担をするのは当然である。

 しかし、現在は、*1のように、65歳以上(第1号被保険者)は介護保険料を支払い、限定のない介護サービスを受けられるが、40~64歳(第2号被保険者)では介護保険料を支払った上、狭く限定された介護サービスしか受けられない。そして、40歳から介護保険料を支払うことになるため、40歳定年制を言い出す企業さえある。

 本来、介護保険制度は、働き始めたらすぐ加入し、年齢にかかわらず、必要になったら介護サービスを受けられるようにするのが当たり前である。そうすることにより、何に使われるかわからない消費税よりも、確実に介護保険に収入が入り、介護関係者の給料を妥当なところまで引き上げたり、必要なサービスを充実できたりする。それにもかかわらず、どうしても40歳からしか介護保険制度に加入したくないと年齢にこだわる人は、自分の両親や祖父母は介護保険の世話にはならず、昔のように自分が仕事を辞めて介護するとでも言うのだろうか、その根拠を明確にすべきである。

 なお、高齢化社会における福祉サービスを考える上で大切なことは、*2のように、高齢者がQOL(Quality Of Life =生活の質)の高い生活をしながら、必要な医療・介護の支援を受け、安心して幸福な最期を迎えられることである。そして、注意したいのは、①高齢者とは何歳以上なのか ②高齢者になってもQOLの高い生活を送ることができるためには、どのような街づくり・道具・サービス・支援があればよいのか ③質の高い医療・介護を、最低のコストでやる方法は何か である。それは、あなたにもそのまま該当することであり、決して他人事ではない。

①高齢者とは何歳以上か 
 誰が支援を必要とする高齢者かは状況によって変わる。健康寿命が延びれば支援を必要とせず、
働いている限り年齢とは関係なく支援する側であるため、なるべくそういう状況を作るべきである。
そして、人間は、働いている方が元気でいられるため、私は、年金支給開始年齢の引き上げとセッ
トの定年延長を提案する。なお、これは逆に、働けない人は、何歳であっても、支援が必要な人と
いうことだ。

②高齢者になってもQOLの高い生活を送ることができるためには、どのような街づくり・道具・サービ
 ス・支援があればよいのか 
 それでも、高齢になると、病気になったり、昔は普通にできたことができなくなったりする時が来る。
しかし、そのような人でも住みやすい街、使いやすい道具、必要とするサービスがあれば、自立して
生活することができるため、高齢化の問題は、介護以前に、まず、高齢者や障害者が自立して住み
やすい街を作り、必要な道具やサービスを提供することが重要だ。これは、高齢化に伴う社会的コス
トを下げるとともに、多くの産業にとって、ビジネスチャンスでもある。

③質の高い医療・介護を、最低のコストでやる方法は何か
 私は、これまでの団地を高層住宅に建て替え、訪問看護・介護ステーション、スーパー、レストラン、
診療所を1階に配置した事例を知っているが、こうすると自宅で療養する人への訪問看護や介護が
やりやすく、社会的入院をせずにすむため、高齢者がQOLの高い生活を送りながら、そのコストは
安くすむだろう。そして、こういう住宅は、高齢者でなくても便利である。工夫は、いろいろな方向から
考えられるが、*2、*3のように、高齢者が尊厳を保ちながら暮らし続けることができる社会を、これ
までの資産を活かしながら、安いコストで作ることが目標になるだろう。

*1:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/335833
(西日本新聞社説 2012年11月25日) 社会保障改革 残されたものが多すぎる
 ■2012総選挙■
 社会保障と税の一体改革と言われて、どうもピンと来ないのはなぜか。今回の社会保障改革で変わる部分より残された課題の方が多いからではないか。国民に見えにくい部分が多いからではないか。例えば、介護サービス利用者は2011年度の426万人が25年度は641万人と1・5倍になるとの推計がある。このとき、65歳以上(第1号被保険者)と40~64歳(第2号被保険者)が払っている介護保険料はどうなるのか。高齢者の自立を支援するさまざまなサービスが利用料の1割の自己負担で受けられる介護保険制度が始まったのは2000年である。当時、65歳以上が支払う平均保険料は月額3千円弱だった。それが、いまは5千円近くだ。では、25年はいくらになるか。政府の社会保障・税の一体改革案に推計値はなかった。25年は大きな節目の年でもある。戦後の第1次ベビーブームの1947年から49年生まれの「団塊世代」が75歳を超える。後期高齢者(75歳以上)の比重がどんどん増していく、まさに未知の超高齢社会に突入する。それから先、医療の保険料はどうなっていくのだろう。
 既に高齢者医療の支援で負担が重すぎると現役世代からは悲鳴も上がる。10年、15年後の負担はどうなるのか。政府の一体改革案ではよく分からなかった。改革で何が変わったか。例えば、無年金者をなくすために公的年金受給資格を保険料支払期間25年から10年に短縮した。高齢者に傾斜した社会保障制度に少子化対策を新たに加え、消費税引き上げ分の一部を財源に充てることを決めた。ただ、これが社会保障制度改革だと胸を張られても困る。抜本改革ではなく、制度の穴を埋める継ぎはぎ策に見える。民主党が掲げた新たな年金制度の創設は一体改革案に盛り込まれたが、これには消費税の再引き上げが前提とされた。結局、政府は国民に対し、小刻みに新たな負担を求めながら、現行制度の大枠を維持していくしかないのか。抜本的な見直しはできないか。誰もが思う。
 では、誰がその仕事を担うか。時の政権や官庁と距離を置き、第三者の立場で現行制度全体を検証し、新たなあり方を提言する組織があっても良さそうだ。民主党と自民、公明両党の合意で今夏成立した社会保障制度改革推進法に基づく政府の国民会議が発足し、近く初会合を開く。年金、医療、介護、子育てなどの専門家を集め、主に年金や後期高齢者医療制度のあり方を議論する。ただし、来夏までの期間限定で、その間に何らかの結論を得る必要がある。社会保障改革は難しい。国民生活に直接影響が及び、しかも一人一人の置かれた立場によって得失が違う。改革に終わりはない。中立客観的な常設機関を置き、不断の見直しに取り組んではどうか。

*2:http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/ (厚生労働省) 介護・高齢者福祉:高齢者が尊厳を保ちながら暮らし続けることができる社会の実現を目指して
(ポイント)高齢者が、介護が必要になっても、住み慣れた地域や住まいで尊厳ある自立した生活を送ることができるよう、質の高い保健医療・福祉サービスの確保、将来にわたって安定した介護保険制度の確立などに取り組んでいます。

*3:http://www.yomiuri.co.jp/homeguide/senior/ansin/20120417-OYT8T00731.htm  (読売オンライン) 平成24年度介護保険制度改正、これからどうなる?
 4月1日から、シニア世代に関心の高い「介護保険制度」が改正されました。これにより新設されたサービス、および介護報酬改定で気になるポイントについて解説します。
●新設された24時間訪問介護サービス
 このたびの介護保険制度改正により新設されたのは、「定期巡回・随時対応サービス」。中・重度の要介護者でも、介護を受けながら自宅で過ごせるように、1日のうち数回決まった時間にヘルパーや看護師が訪問、また必要に応じて24時間緊急連絡に応じてくれるというサービスです。 このサービスは、要介護1~5の方が対象で、要支援の方は利用できません。費用は、1か月間定額で、約9,300円~30,500円(介護・看護一体型の1割負担/地域や事業者によって金額は異なる)となっています。24時間いつでも、と聞くと頼もしい限りですが、現実的にはさまざまな課題も多くあります。日中の介護職でも人手が十分とは言えない中で、24時間介護職として働ける人材の確保が難しいと予測されています。また、モデル事業では、定期訪問は1人あたり1日約5回程度(1回訪問が約15分)といわれており、重度の要介護者にとって十分かどうかは判断が難しいところです。利用者が介護事業者を自由に選択できる分、事業者側からすると訪問先が拡散されてしまい非効率となります。その点、本サービスの事業所併設の高齢者住宅などは、ほとんど同施設内にいるのと同様のメリットもあり、随時対応などへの期待もできるでしょう。住み替え検討時に覚えておきたいポイントです。
●介護報酬改定で気になるポイント
 介護保険は、サービスごとに全国一律の「単位数」という基準を定めており、この単位数に地域別の単価をかけて費用を算出します。基準は単位数に10円をかけますが、東京23区などは物価が高いので、11.05円など(サービスにより異なる)になります。よって同じサービスでも、地域により費用が異なってきます。今回は介護報酬の改定も行われ、各介護保険サービスで利用できる時間や単位数が変更されました。中でも、介護付有料老人ホームに注目してみましょう。介護付有料老人ホームは、「特定施設入居者生活介護」(1か月の介護の費用が定額制)です。今回の改定で単位数が減ったため、利用者側からすると“安く”なったといえます。さらに特定施設の看取りの対応について、今回新しく「看取り介護加算」がつくられました。これにより、介護付有料老人ホームの運営企業が『入居者がホームで最期を迎えられる体制』を整えてくれることに(全ホームとはいかないまでも)期待ができます。看取り加算は、利用者にとっては費用負担が生じますが、最期を病院で迎えたくないと思う本人や家族には、メリットのある今回の改定ではないでしょうか。そのほかにも、在宅サービスを含めさまざまな改定がなされています。今後住み替えを予定している方にとっても、介護費用に密接に関係する部分です。ぜひ知識をもっておきましょう。

| 年金・社会保障::2012.4~2013.7 | 05:10 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.11.24 総括原価方式の変更、発送電分離、電力自由化を行えば、自然と脱原発になるという解があること
       (出典:*2)
                    
 私がこのブログの2012年9月2日に記載しているように、原発の本当のコストは決して安くない。それでも原発のコストが安いとしている人がいるのは、他との比較において検証不能な都合のいいコスト計算をしていることや国が支払うコストを考慮していないことが原因だ。

 また、電力会社のコスト削減というと、政府は、人件費削減しか思いつかないようだが、本当は、総括原価方式をやめ、徹底して発送電分離を行い、電力会社の地域独占を排し、発電への自由参入を認めれば、低コストの発電が工夫され、高コストの発電方法は市場原理により淘汰されるため、電力会社による燃料等の高値買いもなくなり、結果として脱原発にもなる。これにより、コスト削減が実現しているのが、他産業の普通の姿だ。

 そして、このような料金値上げによる地域独占企業の横暴はできなくなり、すべての産業の基礎である電力価格自体が下がり、エネルギー自給率は上がる。

 しかし、この問題に関するメディアの報道状況を見るために、東京新聞とNHKの2つの論調を並べてみると、多くの国民が見ているNHKでは追求が甘く、実像を国民に知らせていない。「これは何故か」ということも重要な問題である。

*1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012110202000133.html?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter 
(東京新聞社説 2012年11月2日) 電気値上げ 家計にツケを回すな
 関西、九州電力が値上げの検討に入った。北海道電力なども追随する見通しだ。原発に代わる火力発電の燃料費増が理由という。世界最高値で買ってツケを消費者に回す商慣習は改めねばならない。原発を再稼働しないと財務体質が悪化する。八木誠関電社長は赤字を計上した中間決算を念頭に値上げ理由をこう説明した。東京電力の福島第一原発事故を境に一時は全原発が運転を停止し、再稼働できたのは関電大飯原発の二基にとどまる。電力供給の約半分を原発に頼っていた関電は、火力発電用液化天然ガス(LNG)などの燃料費が前年より六割膨らみ、他社からの電力購入費も増えた。北陸と沖縄を除く八社の中間決算の赤字額は計六千七百億円に上る。
 しかし、燃料費が増えたからといって、家庭や企業などが簡単に値上げを受け入れるだろうか。
 九月、枝野幸男経済産業相が産ガス国と消費国による東京での「産消対話」で産ガス国にLNG値決め方式の見直しを求めた。この発言こそ、LNG輸入が抱える問題点を的確に言い表している。日本は一九七〇年代の石油危機を機に、LNG価格を原油価格に連動させる方式でカタールなどと長期輸入契約を結んできた。天然ガス液化施設などに投じた資金の早期回収を求める産ガス国と、安定確保に期待する日本。そこで互いに折り合ったのが原油連動だ。ところが、LNGの需給状況を直接反映せず、原油価格が上がればLNGも上昇するので、日本は高値づかみから逃れられない。九月は百万BTU(英国熱量単位)十七ドルの日本に対し、欧州は十二ドル。自由取引とは無縁の原油連動方式と、市場で価格が決まる欧州との決定的な違いでもある。
 年間一兆五千億円を産ガス国に支払っている東電を例にとると、欧州価格ならば四千億円も節約でき、値上げ幅の圧縮が可能だ。今や米国を中心に地中の岩盤からガス・原油を採取するシェール革命が世界規模で起きている。日本も中部電力と大阪ガスが米国からの共同調達を、東アフリカなどでは商社が外資と組んで開発計画を推進中だ。十ドル前後で調達できるとされ、これを「武器」にすれば、遠くない時期に、既存の産ガス国との交渉で値下げを迫れるようになる。政府も安いLNGの流通を目指し、アジア市場の設立を主導すべきだろう。燃料費増による安易なツケ回しに終止符を打つときだ。

*2http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121124/k10013720281000.html
(NHK 11月24日) 九州電力 料金値上げ8%台で調整
 九州電力は、悪化している経営状況を改善するため、来週にも政府に対して行う家庭向けなどの電気料金の値上げ申請について、値上げの幅を8%台とすることで最終的な調整を進めています。九州電力は、火力発電用の燃料費の負担が膨らんでいることなどから、今年度の中間決算は過去最大の1495億円の赤字となり、経営状況を改善するため、今月27日にも、政府に対し家庭向けなどの電気料金の値上げを申請する見通しです。関係者によりますと、申請する値上げの幅について、九州電力は8%台とすることで最終的な調整を進めており、来年4月から実施したいとしています。また、料金設定が自由化されている企業など、大口向けの電気料金についても値上げする方向で調整しています。九州電力は人件費の削減も検討するものとみられますが、政府は値上げの申請に対して人件費などのコストを厳しく検証することにしていて、申請どおりに値上げできるかは流動的です。家庭向けなどの電気料金を巡っては、関西電力も来年4月から12%前後値上げする申請を26日にも政府に対して行う方向で最終的な調整に入っています。

| 資源・エネルギー::2012.9~2013.3 | 08:03 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.11.23  党議拘束をやりすぎると、民主主義にならないということ
 本物の改革をするにあたっても、既得権のある強力な人が反対してなかなかできないこともある。電力改革・電力自由化に反対する人はその良い例で、そのような時、総合的に物を考えることができ、先見の明ある政治家や首相がイニシアティブを発揮することは重要だ(その後、解釈がかわって変になった部分もあるが、郵政民営化はもともとそれだった)。

 しかし、やってはいけない改革をするのに、自分の立場を使って、もしくは自分の立場を忘れて止めようとする人もいる。私は、消費増税は、やる必要もなく、やってはいけない改革だと思っているが、財務省主導で行われている。それに反対する候補は公認しないというのは、官にひれ伏した政治だ。

 官の方針決定ではいけない理由は、①官は選挙がないので国民の審判を受けず、国民の方を向いて政治をしているのではないこと(民主主義ではない) ②それぞれの省は、省内と関係団体間のやりくりしか考えることができないため国の大きな方針変更はできないこと などである。そのため、政治主導が必要なのだが、*1、*2、*3のように、野田首相を中心とする民主党は、政治主導をしようとした人、国民の意見を吸い上げようとした人を排除しており、政治家として先見の明がなさすぎる。

 民主主義における政党と議員の本当の関係は、議員は、政党に雇われているのではなく、国民に雇われているのであり、誰をその議員にするかは国民が決めるものだということである。そして、政党とは、国民の代表である議員が、自分の政策を通しやすいように、似た政策をもっている人同士で集っているにすぎないもので、官僚組織や会社組織とは異なる。そこでむやみに首相の“リーダーシップ”で党議拘束をかけ、国民の要望と異なる採決を議員に強要すれば、民主主義は機能しなくなる。

 最近、議員の数を減らして消費税増税の言い訳にしたり、政策の異なる人を党の支持に背く人として選挙前に突然公認しないことにしたりすることが横行しているが、そのようなリーダーシップは、民主主義の力を弱めることになるということを、国民は認識していただきたい。多くのメディアが理解しておらずグルでもあるため、難しいかも知れないが・・。
 
*1:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012111800037 (時事ドットコム 2012/11/18) 反消費増税候補は公認せず=鳩山氏にも「誓約書」求める-民主
 民主党の安住淳幹事長代行は18日のNHKの番組で、衆院選に関し「野田佳彦首相の考え方についてこられないと公認できない」と述べ、消費増税や環太平洋連携協定(TPP)推進などの方針に賛同しない候補者は公認しない意向を明らかにした。また、党の基本方針に従うとの誓約書の提出を公認の条件とする考えも示した。安住氏は「民主党はいいこともしたが、離党者を出してガバナンス(統治)を問われた」とした上で、「反対しても党で決めたらこれを守るという誓約書を書いてもらい、公認する」と述べた。この後、安住氏は記者団に、消費増税関連法の採決で反対した鳩山由紀夫元首相(北海道9区)が民主党公認で出馬する意向を示していることに関しても「誰であっても党の約束は守らなければならない。守るのなら新人でも元首相でもいい」と述べ、例外扱いはしないと強調した。

*2:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121121-00000304-sph-soci
(スポーツ報知 11月22日) 鳩山元首相、涙の引退表明「戦えない」
(ポイント)民主党結党時のメンバー、鳩山由紀夫元首相(65)=衆院北海道9区=が21日、政界引退を正式表明した。地元の北海道苫小牧市で後援会に報告。会見では「波乱万丈だったが、幸せだった」と時折、涙を見せながら話した。消費増税や環太平洋連携協定(TPP)などをめぐる主張が現政権と異なるため、公認が得られず「戦えない」と判断。引退を決定づけたという政策への賛同を「踏み絵」と表現した。消費増税やTPP推進への賛同を候補者公認条件とした党執行部への反発が引退の要因だ。苫小牧市での会見では「公認されないと知り、これでは戦えないと判断した」と話した。
 一方、党関係者は「公認の条件として党方針に従うよう求められたことが引退の理由ではない。党の調査で鳩山氏は自民党候補に負けており、首相経験者として晩節を汚さないほうがいいと親族から説得された」と明かす。鳩山氏自身が身を引く形をつくり、名誉ある撤退を図ったというわけだ。苫小牧入りする前には党本部で野田首相と10分間会談。「考え抜いた揚げ句、決断した。第三の人生を歩みたい」などと伝えた。首相は「元首相の決断なので、重く受け止めます。党勢拡大に努め、政権交代の先頭に立っていただいた」とねぎらった。固い握手をして別れたが、慰留はしなかったという。

*3:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-199496-storytopic-11.html
(琉球新報 2012年11月22日)鳩山元首相引退 「県外」追求は正当だった
 2009年の政権交代の象徴だった鳩山由紀夫元首相が政界引退を表明した。消費増税などに反対を貫き、民主党の公認を得られる見通しがなくなったことで、「名誉ある撤退」を図ったとされる。沖縄の最大懸案である基地問題で功罪相半ばする鳩山氏の引退に、県民は複雑な思いに駆られているだろう。09年の衆院選前の沖縄遊説で、鳩山氏は米軍普天間飛行場の返還・移設問題をめぐり、「最低でも県外移設」と強調した。県民は、県内移設の呪縛にとらわれた日米両政府の基地政策に風穴が開くという期待感を高めた。
 1996年の日米の返還合意以来、1ミリも動かない普天間飛行場の危険性と過重な基地負担にあえぐ県民の声に耳を傾け、鳩山氏が従属的な対米関係の見直しなどを模索したことは正当だった。だが、米国と気脈を通じて「県外移設」つぶしに暗躍した外務、防衛官僚らに包囲網を敷かれ、鳩山氏は2010年に辺野古移設に回帰した。指導力の弱さを突かれ、沖縄社会を大いに失望させた。鳩山氏は歴代首相で初めて、日本の安全保障政策の官僚支配の病弊と、沖縄への基地偏在に潜む差別的構造を可視化した。基地負担をこれ以上引き受けないという沖縄の民意がかつてなく強まるきっかけをつくった点で、歴史に刻まれることは間違いない。
 鳩山氏が対米関係を揺るがしたとみなす在京大手メディアは、普天間問題を鳩山氏個人の責任に矮小化することで、結果的に「県外移設」は困難と印象操作に走っている。木を見て森を見ない、アンフェアな見方と言わざるを得ない。今年5月の本土復帰40周年記念式典に出席した際、鳩山氏は本紙のインタビューで県外移設が実現できなかった最大の要因について「防衛、外務官僚は米側を通して辺野古でないと駄目だという理屈を導いた」と証言した。鳩山氏は引退後、沖縄などに平和研究所を設立する考えを示している。首相に面従腹背していた官僚や政治家の内実を、具体名を挙げて後世に示すことが最初の務めであろう。
 消費増税反対の議員を押しやるなど、危うい純化路線に走る野田佳彦首相らに対し、鳩山氏はつっかい棒のような存在でもあった。総選挙を機に、沖縄の民意に背を向けた基地押し付けがさらに強まることを警戒する必要がある。

| 民主主義・選挙・その他::2010.4~2012.12 | 11:20 AM | comments (x) | trackback (x) |
2012.11.22 TPP参加におけるわが国の第一次産業、特に農業の問題点
 現在、強力にTPPを推進しているのは、*1のとおり、経済産業省とその傘下にある工業の製造業だ。日本は、第二次産業の振興には成功したため、日本国内での円高・人件費高・人材難を除けば国際競争力があるが、そのような企業は、円高・人件費高・人材難を避けて、すでに外国に子会社や合弁会社を作り、現地で生産・販売しているため、TPPに参加するか否かは、さほど重要ではないと思われる。

 一方、第一次産業(農業、林業、水産業、鉱業)は、戦後の近代化、工業化の中で打ち捨てられ、経営を合理的に行う尺度たる会計基準も存在しない産業である。実際、私は、わが国には農業、鉱業の会計基準すらなく、国際会計基準にはきちんとした基準があり、その内容が合理的であるのに驚いたことがある。この事態は、その産業が、その国でどれだけ重視されてきたかの尺度でもあり、経営に差がつくのも当然であるため、TPPとは関係なく、わが国でも急いで改善しなければならないことだと思っている。

 そして、これから人口過剰になる地球を考えた時、希少価値を持つ製品は、新興国でも次々と大量生産できるようになった工業製品ではなく、食料・エネルギーだ。そのうち、食料の生産をする農業がTPPでは打撃を受け、日本政府は、“競争力のある”農業製品以外は、捨ててもよいという時代錯誤の判断をしようとしている。が、農業で、世界で勝負した時、“競争力のある”製品となるのはどういうものだろうか? 例を挙げれば、ハウスで液肥を使って大量生産された形だけはよいが栄養価の低いトマトや、手をかけて育てたが日本人でも買えないような高価格に差別化されたブランド農産品ではないだろうか?

 しかし、農業に求められるものは、①有機肥料等による生産で、国民に、安全で美味しく栄養価の高い食料を提供すること ②自然と向かい合って生産することにより、食料生産しながら環境を守ること などの多角的機能である。そのため、これで競争力を持つように努力はしなければならないが、それが、化学肥料等で大量生産された農産物より価格競争力があるとは思えず、次第に真心をこめた品質の高い日本の農産物の方が淘汰される運命になりそうだ。そのため、TPPに参加すれば、日本国民にとっては不利である。一方、アメリカにとっては有利であるため、アメリカは進めたいのである。

 また、科学技術の背景も変った。今では、化学・工学だけでなく、生物学やDNAの研究が進み、生物の形質自体を人間が操作するツールが増えたため、①品種改良の時間が短縮された ②過去には思いもよらなかった品種改良ができるようになった などの変化がある。例えば林業における木材では、花粉の出ない杉もできており、木目の美しさ、硬さ、成長の早さなどを品種改良すれば、家具や家を作るのに適した木材や、紙を作るのに適した木材など、材料自体を進歩させることもできるだろう。

 農林漁業は、国内的に、これらの改善が終わって、本当の意味で国際競争に勝てるようにならなければ、TPPで国際競争すれば、深刻な事態になると思う(*2、*3参照)。そのため、大メディアでも、正確に問題点を取り上げて、指摘すべきである。

*1:http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1103&f=politics_1103_007.shtml (Searchina 2011/11/3) TPP交渉 早期参加が国益に 枝野経産大臣
 枝野幸男経済産業大臣は、2日午後4時過ぎから経済産業省内で開かれた内閣官房主催のTPP協定交渉に関する討論会に出席し「(TPP交渉に参加するかどうか)時間をとれるなら最大限時間をとって議論すべきだと思うが、あまり遅れると、日本はこのルールに入るのか、入らないのかの選択を迫られることになる」と語り、選択を迫られる段階で無く、ルールづくりの段階で交渉参加していくべきとの考えを示した。
 また、「TPP参加が農業や漁業に深刻な影響を与えるのは明らか」として参加に反対している加藤好一生活クラブ連合会長が「東京新聞はAPECでも手遅れという記事を載せていたが」と枝野大臣に向けたのに対し、枝野大臣は「(手遅れというのは何を根拠にしているのか分からないが)ルールづくりにコミット(参加)するには遅いことは間違いない。早ければ早いほど(ルールづくりに)コミットできる」と早期参加が国益につながるとの考えを述べた。特に、枝野大臣は「市場原理の行き過ぎの中で、最低限のルールをつくっていこうとしている。だからこそ、日本の考えを織り込んでいく必要がある」とも語った。
 枝野大臣は農業の国際競争力について「競争力という言葉は変えた方が良い。安いものを沢山つくることが競争だという(昔の)イメージがあるから」とし、「高いけれどもいいものを売る」という付加価値の高い商品づくりと第2次産業の技術と農業をやる人とをつなぐことの重要性などについても語った。
 TPP討論会は下村健一内閣官房審議官が司会をつとめ、枝野大臣、加藤氏、新浪剛史ローソン代表取締役社長が日本の経済活力をいかに高めるか、農業の競争力強化、アジア・太平洋地域のルールづくりをテーマに1時間を超えて議論し、ネットでライブ中継された。加藤氏はTPP参加は日本の農業の競争力を高める良い機会になるとした。又、農業に産業界が資金やノウハウを支援、サポートしていくことの重要性も語った。

*2:http://www.niigata-nippo.co.jp/opinion/editorial/
(新潟日報社説 2012/11/17) TPP 国益にかなう議論必要だ
 衆院が解散された。12月4日公示、16日投開票の衆院選で、争点となる重要課題は多い。
 各党、候補者が今回初めて姿勢を問われるのが、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加問題である。野田佳彦首相が自ら、解散直前に争点化に意欲を示した。昨年11月に交渉参加に向けて関係国との協議に入る方針を野田首相が示してから、1年が過ぎた。だが、この間、議論はほとんど進んでいない。推進派、反対派の主張は対立し、真っ二つに割れたままだ。是非を論じようにも、メリットとデメリット、具体的な影響など判断材料が国民に十分に提示されているとは言い難い。論戦を通じ、国民的論議を深める機会にしなければならない。
 最大の焦点が農業分野であり、農業県の本県でも関心が高い。貿易自由化の影響が懸念され、基盤強化へ抜本対策を示すことが不可欠だ。政府は昨年、規模拡大を柱とした農業再生策をまとめた。だが、これで果たしてTPPに対応しきれるのだろうか。目玉の農地の集約化一つとっても、はかどっていない。政府は水田農業の規模を1戸当たり20~30ヘクタールに拡大する目標を掲げたが、実現性には疑問符が付く。農地を拡大すれば将来展望が開ける環境にもない。長期にわたるコメの生産調整(減反)、需要減、価格低迷、高齢化…。農政の構造的な歪みが露呈している。これまで繰り返してきたような場当たり的、小手先の策では、自由化の荒波に到底太刀打ちできまい。TPPを争点とすること自体に、何ら異議はない。ただ、野田首相の立ち位置はどこにあるのか。自民党を揺さぶる対立軸にしようというだけのことなのか。民主党のマニフェスト(政権公約)原案に「交渉参加を表明」と盛り込んだが、党内で反対論は根強く離党者も出た。交渉参加は経済界からは支持されるだろうが、農業団体などは強く反発している。
 TPPを主導してきた米国のオバマ大統領が再選された。交渉参加で日米関係をより強固なものにしたいとの思惑もあろう。日本が議論を先送りしているうちに、メキシコとカナダは正式にメンバー入りを果たした。交渉入りには、参加国との事前協議で承認を得なければならない。日本は、米国との事前協議に関する調整が難航している。米国は日本の参加を認める条件として自動車、保険、牛肉の市場開放を求めている。政局に絡めた「駆け込み」で決めることはできない。賛成、反対だけで論じられるものではない。国益に沿った通商戦略を描くことだ。最善の道に導くのは、政治の役割にほかならない。

*3:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012111501001758.html
(東京新聞 2012年11月15日) JA全中が都内で反TPP集会 1500人が参加
 JA全中が開いたTPP交渉への参加表明に反対する集会=15日午後、東京都千代田区
全国農業協同組合中央会(JA全中)は15日、環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加表明に反対する集会を都内で開き、組合員ら約1500人が参加した。JA全中は関税の撤廃は日本農業に壊滅的な打撃を与えるとして、交渉への参加反対を衆院選で候補者や政党を支援する条件としている。自民党の大島理森前副総裁はあいさつで「例外なき関税の撤廃に党として明確に反対する」とTPPへの慎重姿勢をあらためて示した。民主党から出席した一川保夫幹事長代理は、TPPの議論を契機に農業の重要な役割を国民が理解しつつあるとし、「チャンスと捉え農業強化の施策を構築していく」と語った。

| 環太平洋連携協定(TPP)::2012.11~ | 11:28 AM | comments (x) | trackback (x) |
2012.11.17 日銀の金融緩和・インフレ政策と1997年日銀法改正の意味 (2012年11月20日追加あり)
 2012.2.24にも書いたように、「デフレ脱却のためにインフレ目標を作り金融緩和をする」という政策は、いくつかの政党がマニフェストに入れようとしているが、そもそも、日銀法二条(*1)で、「日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。」と定められている。その理由は、通貨の安定を通して国民の財産を保護することも日銀の役割だからだ。

 そして、*2の1997年日銀法改正は、物価の安定と日銀の独立性向上のために、(私発で)行われたものだが、この改正が必要だった理由は、旧日銀法は、1942年に制定された国家総動員法に基づく戦時色の強いもので、日銀が大量の通貨を発行することにより物価を上げ、債務者の債務(例:国の国債発行残高、企業の社債や借入金残高など)と債権者の債権(例:国民が所有している国債残高、銀行預金残高など)の価値を目減りさせることができるものだったからだ。

 つまり、デフレを脱却させてインフレにすると、①給料や年金は物価上昇より遅れてしか上がらないため、人件費を安く抑え、年金支給の負担を軽くすることができる ②債務者の債務と債権者の債権を目減りさせることによって、国や企業の借金返済を楽にすることができる という国民の収入や資産を犠牲にして政府や企業が儲かるという効果があるのだ。また、わが国のバブル期に、日銀が過度の金融緩和を行った結果、正当な事業への行き場を失った金が、土地や海外資産への投資に集中してバブルを引き起こし、それがはじけた後に、わが国が20年もバブルの後処理のために苦しんだことは記憶に新しい。

 確かに、経済学にはマネタリズムがあり、「現在の日本は需要不足だから、日本銀行が金融緩和を行えば、日銀→市中銀行→企業のルートでマネーが行き渡りデフレを脱却できる。」と説く人は多い。しかし、経済学の理論には限界があり、それは、技術進歩や日本及び世界情勢の変化をすべて与件として無視し、与件がかわらなければ、どうして景気を回復させればよいかという命題を解いていることだ。また、企業がわが国で投資を増やすには、作れば売れる最終需要がなければならないが、上の理論の企業の後に続くべき「企業の投資需要の増加⇔最終需要の増加」はないのだ。

 現在の世界情勢は、新興国が工業生産に参入したことで、安くて質もそこそこによいものが手に入るようになっているため、収入の目減りした人は、購入する数量を減らすか、より安い新興国産のものを買う選択をするほかない。そのため、わが国の最終需要は減少調整され、国内での企業の投資が進まないため、金融緩和によって国内総生産が増加することはないだろう。さらに、わが国は、環境をはじめとする技術進歩を経済に取り入れる決断が遅かったり、技術進歩を取り入れた魅力ある製品は、価格が非常に高く設定されたりするため、国内製品への買換需要が発生しにくいという現状もある。

 これらの状況があるにもかかわらず、何故、このような政策になるのかについては、大学教育や人材配置の影響が大きいと思うが、*3、*4も読まれた上、皆さまの判断にお任せしたい。

*1:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H09/H09HO089.html  日本銀行法
第一章 総則
(目的)
第一条  日本銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うことを目的とする。
2  日本銀行は、前項に規定するもののほか、銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資することを目的とする。
(通貨及び金融の調節の理念)
第二条  日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。
(日本銀行の自主性の尊重及び透明性の確保)
第三条  日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない。
2  日本銀行は、通貨及び金融の調節に関する意思決定の内容及び過程を国民に明らかにするよう努めなければならない。
(政府との関係)
第四条  日本銀行は、その行う通貨及び金融の調節が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。
(業務の公共性及びその運営の自主性)
第五条  日本銀行は、その業務及び財産の公共性にかんがみ、適正かつ効率的に業務を運営するよう努めなければならない。
2  この法律の運用に当たっては、日本銀行の業務運営における自主性は、十分配慮されなければならない。

*2:http://www.publicchoice.jp/takahasi.htm 
「改正日銀法と中央銀行の独立性」 高橋 智彦(ニッセイ基礎研究所)
(ポイント)改正日本銀行法(以下―日銀)は1997年6月11日に参議院本会議で成立し、1998年4月1日より施行されている。旧日銀法は1942年に制定された戦時色の強いものであったが、独立性、透明性を軸に半世紀ぶりに全面改正された。改正の重要な視点である独立性は、極めて公共性の高い問題である。
(改正のポイント)
日本銀行の目的、独立性、透明性・説明責任、プルーデンス政策、金融調節等
 ①政策目的:日本銀行の目的を物価の安定を理念とする通貨、金融調節・信用秩序維持を明記
 ②独立性:主務大臣の一般的業務への命令権を廃止、政策上の意見相違を理由とする役員の
   解任の禁止、政策委員会を改革し、業界代表方式を廃止、総裁1名、副総裁2名、審議委員
   6名の計9名。政府委員は2名とし、政策委員会での議決権はもたないが、議案提出権、議決
   延期請求権を持つ。予算については大蔵大臣の認可を要する点で旧法と同じ。
 ③透明性・説明責任
 ④プルーデンス政策
 ⑤金融調節等

*3:http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120521/mca1205211009002-n1.htm (サンケイビズ 2012.5.21)【日曜経済講座】浮上する「日銀法改正」 インフレ目標で脱デフレ義務づけ
 日銀にとってみればまさに薮(やぶ)から棒、とでも言うべきか。消費増税法案をめぐる与野党のせめぎ合いの中から、日銀法の改正案が飛び出す雲行きだ。現行日銀法は1998年4月に施行された。日銀が80年代後半、ワシントンの意向を受けた大蔵省(現財務省)の圧力に屈して超金融緩和政策を長引かせたために、株や不動産のバブルを膨張させたという反省から、同法は日銀に対し、政治や政府からの高度の独立性を保障した。ところが、日本はこの98年から物価が継続的になだらかに下がる慢性デフレ病にかかった。2008年9月の「リーマン・ショック」からは悪化し、治る見通しが立たない。「物価安定」を日銀の判断に委ねていては、デフレからいつまでも脱出できないという批判が強く出るようになった。
■疑われる「本気度」
 改正案の要点は、日銀政策の「目標」と「手段」を明確に分ける。金融政策をどう運営するかは日銀の判断だが、目標については、政府と共有するか、政府や国会の意向に沿うようにする。そして日銀に明確な「インフレ目標」値を持たせ、達成を義務付ける。日銀は伝統的に「物価上昇率ゼロ%台」をめざし、インフレを極度にまで警戒してきた。2010年秋以降は「同1%程度」を内部での「理解」と説明するようになったが、目標値とするのを拒否してきた。米連邦準備制度理事会(FRB)がこの1月下旬に「インフレゴール(目標)」を打ち出すと、急遽(きゅうきょ)2月14日に「1%の消費者物価上昇率のメド」を決定し、市場を驚かせ、円高に歯止めをかけた。が、その後市場から「本気度」を疑われる始末で、4月後半にはその効力が失(う)せた。

*4:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121030-00000166-reut-bus_all
(ロイター 10月30日) 焦点:日銀追加緩和の効果に厳しい評価、共同文書が思惑呼ぶ
 日銀が打ち出した追加緩和や貸出支援策の効果に対し、エコノミストの評価は厳しい。市場の期待に精一杯応えようとする努力はうかがえるものの、物価目標の達成や貸出増加を通じた経済活性化は実効性が期待できそうにないとの声が広がっている。それよりも市場関係者の関心を引いたのは、「デフレ脱却への取り組み」と題した政府と日銀の共同文書。政府と日銀の事実上のアコード(政策協定)だとして、政府が日銀に一段の追加緩和を迫るとの見方もあるが、逆にデフレ構造を変える自覚を政府に迫るもの、日銀法改正などの圧力をかわすために日銀が政府に手厚い配慮を示したもの、といった解釈も浮上している。
<自他ともに認める「緩和効果期待できず」>
 今回の追加緩和策自体は市場の予想の範囲内として、サプライズととらえる声は聞かれなかった。それでも新たに設けた貸出支援策や、デフレ脱却をアピールするための日銀・政府の共同声明も発表し、それなりに努力の余地もうかがえた。ただし、それらが実際にデフレや実体経済の回復につながるとの評価はほとんどない。資産買入の増額は、もはや追加緩和をアピールするための増額としての意味しかなくなりつつある。実体経済や物価に効果があるわけではないのはもはや周知の事実で、みずほ証券チーフマーケットエコノミスト、上野泰也氏は「日銀は、景気は弱含みとなっていると現状判断を下方修正した。だが、今回の追加緩和が景気や物価に対して有する刺激効果は、直接的にはほとんどない」と言い切る。日銀自身、超低金利下でこれ以上の金利低下が経済を刺激する効果がほとんどないことは認識している。効果があるとすれば、景気状況に合わせて中央銀行がきちんと動くという信頼感、そして企業や市場の間に安心感を醸成するという程度だが、それも重要という立場だ。
<14年度の物価見通しは相当強気>
 実効性なき追加緩和を織り込んだところで、1%という物価目標は政策効果では達成できそうにない。今日発表された「展望リポート」では14年度の物価見通しも0.8%の上昇にとどまり、1%には届かない。それでも「着実に1%に近づいていく」と表現した背景には、国際商品市況の上昇や海外経済の持ち直しといった外部要因を前提にしている面が大きい。エコノミストからはそうした外部要因が実現したとしても、見通しは上方バイアスがかかっているとの見方が目立つ。伊藤忠経済研究所・主任研究員の丸山義正氏は「日銀の14年度のインフレ率見通しは相当に強気なもの。消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動も踏まえれば、14年度のインフレ率は、消費税率引き上げの影響を含まないベースで2013年度よりむしろ低下し、ゼロ近くにとどまる可能性が高い」と指摘する。白川方明総裁は会見で、木内昇英委員と佐藤健裕委員が、14年度に「1%に近づいていく」との表現に反対したことを明らにした。展望リポートで示された見通しが、必ずしも政策委員の間で共有されたものではないことがうかがえる。
<政府と日銀の共同文書、多様な解釈>
 日銀は今回、新たな貸出支援策も打ち出した。貸し出しを増加させた金融機関が、同額の資金供給を受けられる制度で、すでに海外の中央銀行が導入している。ただ、金融機関の貸し出しが伸びないのは資金不足のせいではなく、企業の資金需要が低迷していることが主因であることは、日銀も承知している。こうした新制度をあえて導入した点に、日銀の苦しい立場が透けて見えるというのが、エコノミストのもっぱらの評価だ。日銀が並べた多種多様なメニューの中で、エコノミストや市場関係者の注目を最も集めたのは、政府と日銀が共同で発表した「デフレ脱却に向けた取り組み」の文書だった。決定会合に出席した前原誠司経済財政担当相は、この共同文書を「政府・日銀の一体的な取り組みがこれにより担保される」として評価。ゴールドマン・サックス証券は「政府と日銀の政策的アコードへの第一歩」と、消費税引き上げに向けて日銀への圧力がますます強まる材料と見ている。一方で、逆に政府に対する圧力が強まるとの見方もある。RBS証券は「日銀が金融環境を緩和的に維持した上で、政府がデフレを生みやすい経済構造を変革するという、役割分担が明確になった」と指摘。日銀側は十分に役割を果たせていると受け取れる内容だとし、「従来の枠組みを超えた劇薬的な金融政策がとられる可能性は大きく低下した」としている。第一生命経済研究所・主席エコノミストの熊野英生氏は「日銀側にも思惑がある。外債購入やインフレターゲット、総裁の責任論といった厳し内容を盛り込んで日銀法を改正されたくはない。だから、野田首相が率る官邸に対して120%の協力をした」と解釈している。


PS(11月20日追加):但し、東日本大震災からの復興、次に起こりそうな災害への準備、エネルギー政策変更のためのインフラ整備、基地の再編(*5参照)やその後のまちづくり、古くなった既存インフラの更新など、今、国がやらなければならない本当に必要なことも多いので、そのための財政支出をしてその需要を充てるのであれば、需要増加があります。そのため、建設国債を発行してこれらに資金を充て、その分を金融緩和するのはよいと思います。そして、それにより雇用は創出されるでしょう。しかし、何百兆円もの金額が先に決まっている、景気と雇用対策だけが目的の、何でもありのばら撒きに税金を使ってインフレにし、消費税を引き上げるのは許されません。

*5:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012112001002129.html
(東京新聞 2012年11月20日)沖縄・普天間で1万人デモへ 「基地と共存できぬ」
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)への新型輸送機MV22オスプレイ配備や、相次ぐ米軍人の事件に抗議し、沖縄県の市民団体などが20日、12月23日に普天間周辺でデモをすることを決めた。1万人以上の参加を目指す。沖縄県では、10月のオスプレイ配備による県民の強い反発の中、集団強姦致傷容疑や中学生への傷害容疑などで米軍人が逮捕、起訴されたり、書類送検されたりする事件が続いている。デモの事務局の「沖縄平和運動センター」の山城博治事務局長は「県民を挑発するように事件が起きている。米軍基地と県民の生活が共存しえない状況だ」と開催理由を説明した。

| 経済・雇用::2012.9~2013.6 | 01:59 AM | comments (x) | trackback (x) |
2012.11.19 日米安全保障条約・日米地位協定、基地問題の解
     (出典:2012年11月19日沖縄タイムス)
            
 日米安全保障条約のポイントは、*1のとおりである。それに対し、*2、*3、*4のように、沖縄では基地の集中的負担と危険性に不満があり、日米双方で「地位協定の改定が必要」と認識するに至った。

 しかし、*1の③のように、日米安全保障条約は、1970年6月23日以後は、両国のいずれでも終了の通告をすることができ、その場合には通告後1年で終了することができる。では、日米安全保障条約はいらないのかと言えば、日本の軍備や危機管理能力は、まだ信頼に耐えない程度のものであるため、日本の都合から考えても日米安全保障条約は必須であると、私は思っている。

 「軍備があるから戦争が起こるのか?」と言えば、永世中立国のスイスでも軍備は持っており、尖閣諸島の事例を見れば、背後にアメリカ軍の力があるからこそ、中国が、あの程度で収まったことがわかる。つまり、平和を維持しながら領有権を主張するためにも、軍備や日米安全保障条約は必要なのだ。

 そのため、1)これまで沖縄に過重の基地負担を強いてきたこと 2)本土及び沖縄で、40~60年前には人家が少なく基地として適地であった場所でも、現在では、人家や化学工場等が密集して基地に適さなくなった場所が多いこと 3)基地は、迷惑施設として置いてくれる場所に置いてもらうより、戦争になったら戦いやすい場所に配置しなければならないこと 4)日米地位協定を見直して一歩前進させたいこと などの理由から、九州や日本海側などに、必要な自衛隊基地を充実し、そこにアメリカ軍も駐留してもらうのがよいと、私は思っている。その時、基地に上がるのは、星条旗のみではなく日章旗もであり、日米地位協定の問題も解決する。

 なお、それでも、沖縄の地理的位置は重要である。しかし、それは普天間基地を辺野古に移設する方法ではなく、すでに滑走路のある離島に移設する方法が、基地周辺の住民に騒音・振動・危険などの被害を与えず安上がりであるため、よいと思う。その離島の住民は、沖縄本島や他の島に移住したければしてもよいし、その島に残って事業をしたければしてもよいという形で保証すればよい。ちなみに、漁業者はどの島から出港しても漁場に行けるし、農業者・その他の事業者も必要な時に船で通えば事業の継続は可能である。また、離島の中には、人口や子どもの数が減り、教育インフラや医療・介護インフラに不自由する場所も多いので、島の住民を合併すれば、住民サービスを向上させることもできる。

*1:http://100.yahoo.co.jp/detail/%E6%97%A5%E7%B1%B3%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BF%9D%E9%9A%9C%E6%9D%A1%E7%B4%84/ [日本大百科全書]
「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」(=日米安全保障条約)
(ポイント)1960年(昭和35)1月19日に署名され、同年6月23日に発効した。条約のほかに、合衆国の軍隊の地位に関する協定(日米地位協定)をはじめ、交換公文、合意議事録が、これに付属している。現行の条約は1960年の「安保改定」によって、旧安保条約(1951年9月8日調印、52年4月28日発効の「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約」)に代替したものである。その主な内容は、以下のとおりである。
①第6条で、米軍は日本における施設・区域の使用を許され、日本はこれを無償で提供すべき義務を
  負うとされる。日本が米軍に基地を供与する目的として、「日本国の安全に寄与し、並びに極東に
  おける国際の平和及び安全の維持に寄与するため」と規定されている。米軍の基地維持の目的が、
  日本の防衛のみに限定されているのではなく、広く極東の平和の維持に及んでいることから、この
  規定は「極東条項」とよばれている。
②第3条で、「武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力」を維持し発展させることを定め、さらに第5条で
  「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃」に対しては、「共通の
  危険に対処するように行動する」ことを明示している。これによって、いわゆる相互防衛体制が構
  築されている。その運用を円滑化するために、両国は、随時協議するものとされ(4条)、そのため
  に、閣僚級で構成される「日米安全保障協議委員会」、次官級の「日米安全保障高級事務レベル
  協議」、局長級の「日米防衛協力小委員会」、「日米合同委員会」、「日米装備・技術定期協議」な
  どがある。
③発効後10年を経過した後、すなわち1970年6月23日以後は、両国のいずれでも終了の通告をす
  ることができ、その場合には通告後1年で終了することを規定している。実際には、終了の通告は
  行われず現在に至っているが、これを安保条約の自動延長または自動継続と呼んでいる。

*2:http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-11-04_41065
(沖縄タイムス 2012年11月4日) 米紙社説「地位協定の改定必要」
 米紙ニューヨーク・タイムズは3日付で「沖縄の怒り」と題する社説を掲載した。相次ぐ米兵による事件で「沖縄県民は怒りを表現する形容詞が不足する状況に達している」などと緊張の高まりを指摘した上で、沖縄の懸念に迅速に対応するには、日米地位協定の改定と在沖米軍の県外移設が不可欠とし、沖縄の異議を真剣に受け止めない米政府の対応に警鐘を鳴らしている。同紙は、相次ぐ米兵らの事件で、米軍普天間飛行場への海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備ですでに炎症を起こしていた島の緊張がさらに悪化したと指摘。一方で、在沖米軍の地理的優位性を説く日米両政府に対し、県民の見解は無関係だと受け止めているといった温度差なども説明した。
 また、2米兵暴行事件では、米当局が謝罪や夜間外出禁止を発令したものの、仲井真弘多知事は日本の司法制度下での裁判を可能にする日米地位協定の改定を求めていると指摘。こうした要請に対し「米国防総省は抵抗するだろう」との同紙の見解を示した上で、地域の安定に在日米軍の継続的駐留の重要性を主張する米政府は「沖縄の正当な懸念に迅速に対処する必要がある」とした。米軍をより厳しい監督下に置くだけでなく、在沖米軍を日本本土やハワイ、グアムなど県外へ移動させる必要があるとの主張を展開し、日米両政府は、沖縄が唱えている異議を真剣に受け止める必要性があると説いた。社説は、9月に掲載された「沖縄のオスプレイ」を執筆したアンドリュー・ローゼンタル論説委員が執筆した。

*3:http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh201211040073.html 
(中国新聞 2012/11/4) 繰り返される米兵事件 地位協定 今こそ改定を 
 一体、いつまで繰り返されるのだろう。沖縄でまた、米兵による暴力事件が起きた。おととい未明、米軍嘉手納基地の米兵が住居に侵入し、中学生を殴ってけがを負わせた。先月も集団強姦(ごうかん)致傷の疑いで米兵2人が逮捕、送検されたばかり。これを受け、在日米軍は夜間外出禁止令を出していた。相次ぐ事件に県民の我慢と怒りは頂点に達している。だが政府や米側の受け止めは深刻さに欠けているとしか見えない。野田佳彦首相は「極めて遺憾」と型通りのコメントをし、抗議を受けたルース駐日米大使は陳謝した。つい先日も目にした光景ではないか。基地がある限り、住民に安心はないのだろうか。事件の前、米兵は酒に酔い、居酒屋に現れた。店にいた人から外出禁止の時間帯だと指摘され、逆上したという。外出禁止令が徹底していないのは明らかである。米軍は綱紀粛正、再発防止を強調するが、兵士の意識が変わらなければ、むなしく響くばかりだ。事態の根底に、日米地位協定があるのではないか。米軍人は公務外に罪を犯しても基地内に逃げ込めば原則、起訴まで日本側に身柄を引き渡されない。「協定が諸悪の根源」「沖縄は米兵にとって治外法権的空間になっている」。沖縄県の仲井真弘多知事が憤る。中学生を暴行した後、米兵は転落して負傷し、米軍基地内の病院に運ばれた。沖縄県警が捜査しているが、協定が壁となって身柄は確保できていない。藤村修官房長官は「起訴前の身柄引き渡しを要請する必要はないと考える」と語った。凶悪犯罪ではないことや、米軍が捜査に協力的というのが理由のようだが、住民感情と懸け離れた甘い認識といえよう。先月の事件の際も、仲井真知事は日米地位協定の抜本改定を強く求めた。だが官房長官は、改定ではなく運用面での見直しで、との考えを示している。協定の見直しに動こうとしない消極性に、事件が起きても受け身のまま幕引きを図ろうとする弱腰ぶり。こうした政府の姿勢が米側に甘く見られてきた要因にも思えてくる。米軍に特権的な身分を保障する地位協定。ドイツや韓国では改定により、基地内の環境汚染などについて立ち入り調査の権限が認められている。一方、日本ではこの半世紀余り、一度も改定されていない。「不平等」との批判に応え、日本側から声を上げるべきだ。
 米軍普天間飛行場に強行配備された垂直離着陸輸送機MV22オスプレイにも、県民は不信を募らせている。ヘリモードのまま市街地上空を飛ぶなど運用ルール違反が相次ぐ。騒音防止協定で制限する午後10時以降の飛行も確認されたからだ。おとといの全国知事会議で、首相はオスプレイ訓練の本土分散に協力を求めた。山口や静岡県の知事が「不明な事柄が多すぎる」「いきなりで一方的な通告に驚愕する」と反発するのも無理はない。自国の女性や子どもが傷つけられ、危険にさらされている。由々しき事態なのに、政府はどこを向いているのか。腹を決めて米側と渡り合うときだ。実効ある対策を引き出し、国民を守らなければならない。

*4:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-198835-storytopic-11.html
(琉球新報社説 2012年11月5日) 軍用地契約拒否 「我慢の限界」の民意映す  
 まさに「我慢の限界」が示される場となった。今年5月15日で国の使用期限が切れて暫定使用となっている県内の米軍16施設の一部土地(所有者107人、194筆、約30万2643平方メートル)の強制使用手続きに関して、県収用委員会(當真良明会長)が開く公開審理が1日から始まった。「国のために長い間、協力してきた。だが沖縄はいつまでもいじめられている」。嘉手納弾薬庫に土地を有する男性(51)は、長年にわたる基地の過重負担への怒りをぶつけた。この男性のように、今回の特徴は、20年前は賃貸借契約に応じた地主が拒否に転じたことだ。対象107人の中には、20年の間に所有者となった反戦地主や一坪反戦地主が20人余り含まれるとみられるが、多くは従来「反基地」から距離を置いていた人たちだ。後を絶たない米軍基地・米兵絡みの事件事故、依然続く普天間飛行場の県内移設計画、「欠陥機」オスプレイの強行配備…。県民の尊厳と人権を踏みにじるような横暴がまかり通っている現実。契約拒否に転じた地主の訴えは、もうこれ以上基地の犠牲にはなりたくない、子や孫の時代に基地を残したくないという多くの県民の切実な思いとも通底する。
 沖縄防衛局は土地の継続使用の理由について、米軍の安全保障上の役割を強調し、米軍の活動の基礎となる施設・区域を提供することは日米安保条約上の義務、などと説明している。しかし、その論拠がいかに空疎で欺瞞(ぎまん)に満ちているかを、県民は肌で感じている。「安保」は守るが、市民のささやかな生活、権利を守れない「公僕」とは何なのか。防衛局は、米軍駐留やその施設は「今後相当期間にわたる」とし、16施設とも一律に10年の使用を求めている。普天間飛行場内の土地も含まれるが、普天間関連では昨年9月の県収用委員会では8年使用期間申請に対して4年の裁決だった。「世界一危険な飛行場」の長期使用は認められないというのが理由だ。県収用委には切に望む。普天間飛行場をはじめ、過去に米軍車両による男児轢死(れきし)事故が起きた村道の区有地返還を求めている宜野座村城原区の例など、個々の実態に照らして十分に審理してもらいたい。単に使用期間を短縮するだけでは、地主はもちろん、もはや多くの県民も納得しないだろう。

| 辺野古・普天間基地問題::2012.2~2015.3 | 10:58 AM | comments (x) | trackback (x) |
2012.11.18 原発事故による汚染の影響
 *1によれば、福島県立医大は「チェルノブイリ原発事故でも甲状腺がんの発見に最短で4年かかった」として、放射線との因果関係は低いとみているそうですが、チェルノブイリ原発事故では、直ちに事故を起こした原発をコンクリートで固め、住民を遠方へ避難させたのに対し、日本では、「大丈夫、大丈夫」と言いながら、未だに放射能を出し続けている原発の側に住まわせているのですから、低線量被曝によるがん患者が出るのは当たり前です。そして、翌日の11月18日には、*2の事例も報告されました。

 実際に、*3、*4、*5、*6のように、広い範囲の山林、河川、海が汚染され、汚染が動植物にも取り込まれているにもかかわらず、「食べて協力」と言って汚染された食品を食べさせ続けているのですから、内部被曝もするのであり、子どもに限らず、被曝総量に対応しきれなくなった弱い個体から順に、病気になっていきます(人間も動物の一種です)。そのため、子どもしか検査していないのは不十分なのです。 

 つまり、原発は、ここまでいろいろな面で深刻な影響をもたらし、それを修復するコストも天文学的に高いので、電気を起こす為に原子力を使う必要はないと考えます。人間は神様ではないので、100%完全な装置を作り、100%ミスなく使い続けることはできないのですから・・。

*1:http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121117/dst12111719510002-n1.htm
(産経新聞 2012.11.17) 1人が「直ちに2次検査必要」 福島の甲状腺検査でがんの疑い
 東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べるため、福島県が18歳以下の約36万人を対象に行っている甲状腺検査の1次検査で、がんの疑いがあり「直ちに2次検査が必要」と初めて判定された子供が1人いることが17日、関係者への取材で分かった。18日に報告される。調査を進めている福島県立医大は「チェルノブイリ原発事故でも甲状腺がんの発見に最短で4年かかった」として、放射線との因果関係は低いとみているが、血液や細胞を調べ、がんかどうか判断する。1次検査による判定は、しこりの大きさなどを基に、軽い方から「A」「B」「C」があり、今回の1人は「C判定」。県立医大は「県内全ての子供の検査という前例のない調査なので、早期発見の子は少なからず出る。放射線との関係を丁寧に調べていく」としている。

*2:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012111801001284.html (東京新聞 2012年11月18日) 女性1人「2次検査必要」、福島 18歳以下の甲状腺
 東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べている福島県の「県民健康管理調査」検討委員会が18日、福島市で開かれ、18歳以下を対象とした甲状腺検査の1次検査で、1人が初めて「直ちに2次検査が必要」と判定されたと報告があった。調査主体の福島県立医大によると、判定されたのは16~18歳の女性。詳しい年齢は明らかにしていない。がんかどうか、今後詳しく調べる。甲状腺検査は震災当時に18歳以下の約36万人が対象で、これまで1次検査の結果が判明したのは約9万6千人。このうち今回の「直ちに2次検査」は「C判定」。緊急性は低いが念のため2次検査が必要という「B判定」が500人。

*3:http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20121031/CK2012103102000071.html  (中日新聞 2012年10月31日)小山の野生キノコから基準値超セシウム
◆静岡県が周辺市町での採取と摂取自粛呼び掛け
 静岡県は三十日、同県小山町の野生キノコから食品衛生法の基準値(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。県は同町と周辺自治体での野生キノコの採取と摂取の自粛を呼び掛けている。基準値を超えたのは二十六日に採取されたユキワリで、一キログラム当たり三五〇ベクレルの放射性セシウムが検出された。県衛生課は東京電力福島第一原発事故の影響としている。市場などへの流通は確認されていない。県は同町周辺の富士宮市、御殿場市、裾野市などのキノコも調査する。二十三日と二十五日に山梨県鳴沢村、富士吉田市、富士河口湖町の野生キノコから基準値を超す放射性セシウムが検出されたため、隣接する小山町のキノコを検査した。同時に検査したヌメリイグチ、コムラサキシメジは基準値以下だった。

*4:http://www.niigata-nippo.co.jp/news/pref/41595.html (新潟日報 2012年10月30日) セシウム、クマ肉から基準超え - 十日町で捕獲、野生鳥獣で過去最大
 新潟県は29日、十日町市で捕獲されたクマの肉から、新基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える760ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。県が実施している野生鳥獣の検査では過去最大値。肉は販売されておらず処分する。24日に有害鳥獣として捕獲されたクマを調べた。県は、市町村や猟友会を通じ、同市で捕獲されたクマの食用自粛を呼び掛けている。

*5:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012111601001949.html
(東京新聞 2012年11月16日) イワナから1万1千ベクレル 環境省、福島県内調査で
 環境省は16日、東京電力福島第1原発事故を受け、福島県周辺の河川や湖、海域の魚類や昆虫に含まれる放射性セシウム濃度の測定結果を発表した。福島県南相馬市の新田川で採取したイワナから、国が定める一般食品の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)の百倍を超える1キログラム当たり1万1400ベクレルを検出した。このほか、真野ダム(飯舘村)のコクチバスで4400ベクレル、ナマズで3千ベクレル。いわき市沖のアイナメからは290ベクレルが検出された。7月に公表した昨年12月~今年2月分に続き2回目の調査。環境省は「前回同様、海域よりも河川や湖で濃度が高い傾向があった」としている。

*6:http://mainichi.jp/select/news/20121103k0000m040067000c.html
(毎日新聞 2012年11月2日)福島第1原発:港湾内で1万ベクレル超の魚
 東京電力は2日、10月10日に福島第1原発の港湾内で採取したマアナゴから、1キロ当たり1万5500ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。港湾内の魚類の検査結果が公表されたのは初めて。東電によると、10月9〜16日に港湾内と沖合20キロ圏内から魚類を採取。港湾内ではこのほか、エゾイソアイナメから同4200ベクレルのセシウムが検出。沖合約2キロではクロソイが同1470ベクレルだった。これまでの最大は、今年8月に沖合約20キロのアイナメから検出された同2万5800ベクレル。

| 原発::2012.10~12 | 12:12 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.11.16 太陽光発電システムの進歩
    
       *1のフィルム型                   *2の屋根融雪一体型

 太陽光発電システムも進歩し、窓に貼るだけの透明な遮熱フィルム型(*1)や太陽電池・屋根鉄板・面状電気ヒーターを一体化した雪国の屋根融雪システム型(*2)など、便利なものが出ています。

 鉄道のホーム屋根やビルの壁面などは、面積が大きいので、太陽光発電にしなければもったいないくらいで、駅のホームは、いつまでも吹きさらしではなく、透明な壁を設けて、この電力で空調を効かせるくらいのことはして欲しいです。

 そのほか、道路などの地面が太陽光発電できる太陽光発電システムができれば、面積が大きいだけに出力も大きいでしょう。その道路を所有する自治体の収益にもなりますので、税収から支出するだけでなく、稼ぐことも考えてみる自治体はありませんか?

*1:http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20111007/553230/
(2011/10/7)窓に貼るだけで発電、透明な遮熱フィルム
 フィルム 節電 飛散防止 太陽光発電 住友スリーエム シーテック 遮熱 ガラス
CEATEC会場で行われている発電のデモンストレーション。フィルムを貼った窓に光を当てて、発電効果と遮熱効果を示している(写真:日経アーキテクチュア)将来、街中の窓ガラスが発電装置に変身するかもしれない。夏季の電力供給の逼迫を受け、節電ツールとして注目を集めた遮熱フィルム。住友スリーエムは千葉市の幕張メッセで10月8日まで開催している「CEATEC JAPAN 2011」(シーテック)で、同社の遮熱フィルムを進化させた「3M(仮称)シースルー太陽光発電フィルム」を参考出展した。

*2:http://www.hikarien.co.jp/
 太陽電池・屋根鉄板・面状電気ヒーターを一体化し、雪国でも設置が可能。屋根融雪システムとして積雪量の多い地域に普及している。

| 資源・エネルギー::2012.9~2013.3 | 11:04 AM | comments (x) | trackback (x) |
2012.11.15 日本発の脱原発ですが、やはりアメリカが先でした。情けない。
    

 *1のように、アメリカ原子力規制委員会のマクファーレン委員長が、日本で発足した新たな原子力規制委員会について、「原子力産業の振興には配慮すべきでない」「原発の安全な運用にとって重要なのは、独立した規制組織だ」と述べているのは当然のことであり、わが国は、ここまでアメリカの指摘がないとまともなこともできないのかと、残念に思います。なお、マクファーレン委員長は女性です。

 また、「アメリカではシェールガスの生産が伸び、ガスによる発電のコストが下がって、原発の採算が取れなくなったものは閉鎖を決めている」とも書かれていますが、日本こそ、太陽光発電、汐潮発電、地熱発電、国産天然ガス発電など、(相当前から言っているので)とっくにできていなければならない時期で、上の右図のように公募意見でも原発ゼロを望む人が多かったにもかかわらず、日本の原子力規制委員会は、*2のように、何とかかんとか言って、基準を甘くしていっているのは情けない限りです。

 確かに、運転期間一律40年というのは、技術的な議論から出たものではありませんが、機械装置の耐用年数は、通常17年以下であり、電気事業法に関するものに18~22年というのもありますが、耐用年数が40年という機械装置はなく、鉄筋コンクリートの建物の耐用年数が40~50年なのです。原発の重要な部分は、いくら頑丈に作っても、建物ではなく、機械装置です。

*1:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121114/t10013480041000.html
(NHK 11月14日) 米原子力規制委“原子力産業に配慮必要ない”
 アメリカのNRC=原子力規制委員会のマクファーレン委員長がNHKのインタビューに応じ、日本で発足した新たな原子力規制委員会について、「原子力産業の振興には配慮すべきでない」と述べて、原発の安全性確保を最優先にして規制を行い、原子力産業そのものの維持は考慮すべきではないと強調しました。NRCのマクファーレン委員長は、13日、ワシントン郊外でNHKの単独インタビューに答えました。日本では、安全のための規制を担う原子力安全・保安院が、原子力を推進する経済産業省と一体となっていたことへの批判から廃止され、原子力規制委員会が発足しましたが、これについて、マクファーレン委員長は「原発の安全な運用にとって重要なのは、独立した規制組織だ」と述べて、独立性の維持が安全性確保の鍵になるという考えを示しました。また、アメリカではシェールガスの生産が伸びて、ガスによる発電のコストが下がっており、採算が取れなくなったとして閉鎖を決める原発も出てくるなど、原発の安全規制を強めることでコストが増大し、原子力産業が相対的に割高になる可能性も指摘されています。これについて、マクファーレン委員長は「原子力産業の振興はわれわれの仕事ではない」と述べて、原発の安全性確保を最優先し、原子力産業そのものの維持は考慮すべきではないという立場を強調し、日本の規制委員会にも同じ姿勢を貫くよう促しました。

*2:http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866922/news/20121108-OYT1T01792.htm?from=tw (読売新聞 2012年11月9日 )原発の40年超運転、容認も…更田・規制委員
 原子力発電所の運転を原則40年に制限する国の新たな規制について、原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志(とよし)委員(55)は8日、「数年前に建設された比較的新しい炉が、40年後に危険な存在になるとは言い切れない」と話し、安全基準に適合していれば、40年を超える運転の容認もありうるとの考えを示した。読売新聞の単独インタビューに答えた。改正原子炉等規制法では、運転期間を40年に制限する一方、1回に限り最長20年の運転延長を認めている。規制委は、そのための詳しい基準作りを担当している。具体的な作業の開始は、来年1月以降の見通し。原子炉安全の専門家である更田委員は、「『一律40年』は技術的な議論から出たものではなく、検討の余地がある」とし、炉型や安全設備に加え、事業者が常に技術的改善を続けているなら、「年月で判断するものではない」とした。

| 原発::2012.10~12 | 03:04 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.11.12 私も、TPP参加に反対です。
        

 *1のように、野田総理大臣が、今月後半にカンボジアで開かれるASEAN(東南アジア諸国連合)の首脳会議でTPP交渉参加を表明するのではないかと言われているが、国内で話し合う前に外国で意思表明して既成事実化するのはやめてもらいたい。野田首相は「守るべきものは守る」と言っているそうだが、それなら、参加を表明する前に、何をどう守らなければならないのか、そしてそれは可能なのか否かついて、リストと守るべき理念を作って話し合いができていなければならない筈だが、それはない。

 そして、*3は、BSE対策の牛肉輸入規制が、現行の「20カ月以下」から「30カ月以下」に緩和されるというように、日本の食品基準がアメリカから非関税障壁だと言われて緩和される例だが、BSEについては、日本国内では全頭検査しているものだ。このように、農産品を安価で大量に生産して輸出したい国と、その食品を輸入して食べなければならない国とでは基準の厳しさや判断の視点が異なり、一律に同じ基準にすればよいというものではない。また、エネルギー自給率や食料自給率は、高く保っておかなければ、安全保障上の問題があるが、TPPに参加すれば、そのための対策もできないだろう。

 それぞれの国の考えがあって質が保たれ、産業振興をしているどの産業も、非関税障壁はもちろんいけないが、主権の放棄は、さらにまずいと思われる。

*1:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121112/k10013414591000.html
(NHK 11月12日) TPP 超党派議員が反対申し入れへ
 野田総理大臣が、次の衆議院選挙に向けた民主党の政権公約にTPP=環太平洋パートナーシップ協定を推進していく方針を盛り込む考えを示しているなか、TPPの交渉参加に慎重な超党派の議員は、今週、拙速な交渉参加に反対する決議をとりまとめ、野田総理大臣に申し入れることにしています。
野田総理大臣は、次の衆議院選挙に向けた民主党の政権公約に、太平洋を囲む国々で関税の撤廃などを進めるTPP=環太平洋パートナーシップ協定を推進していく方針を盛り込む考えを示しています。こうしたなか、TPPの交渉参加に慎重な超党派の議員は、民主党の山田元農林水産大臣や自民党の加藤元幹事長ら与野党13党などの議員が呼びかけ人となって、今週15日に集会を開くことになりました。交渉参加に慎重な議員は、野田総理大臣が、今月後半にカンボジアで開かれるASEAN=東南アジア諸国連合の首脳会議の場で交渉参加を表明するのではないか、などと警戒感を強めていて、できるだけ多くの議員に集会への参加を呼びかけ、拙速な交渉参加に反対する決議を取りまとめ、野田総理大臣に申し入れることにしています。

*2:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20121111-OYT1T00282.htm
(読売新聞 2012年11月11日) TPP「曖昧」の自民・公明両党、争点化に苦慮
 環太平洋経済連携協定(TPP)を争点にして衆院選に臨む野田首相の戦略に、自民、公明両党が頭を悩ませている。両党とも、党内にTPP参加に賛否両論があり、方針をはっきりさせず曖昧なままにしたいためだ。自民党内では、明確な方針を示すべきだという意見もくすぶっている。自民党の石破幹事長は10日、名古屋市で記者団に、TPPについて「我が党は、聖域なき関税撤廃には反対だ。首相は『守るべきものは守る』と言っているが、一体何を守るのか。説明責任を果たしていない」と述べた。自民党は、谷垣禎一前総裁の執行部当時、TPPについて、「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、交渉参加に反対」という基本方針を定めた。TPPについて直接的な評価を避けた表現となっており、今の執行部もこれを踏襲している。

*3:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2323395.article.html
(佐賀新聞 2012年11月6日 )牛肉の輸入緩和方針を正式決定 / 米国など4カ国と協議へ
 厚生労働省は6日、牛海綿状脳症(BSE)対策として実施している牛肉の輸入規制で、米国などからの輸入を認める牛の対象月齢を現行の「20カ月以下」から「30カ月以下」に緩和する方針を正式に決めた。内閣府の食品安全委員会が10月に「30カ月以下に緩和しても人への健康影響は無視できる」と答申したのを受けたもので、同省がこの日、薬事・食品衛生審議会部会に報告、了承された。厚労省は今後、米国、カナダ、フランス、オランダの4カ国と月齢管理のための体制整備などをそれぞれ協議し、最終的に同審議会に報告した上で、来年初めにも輸入規制を緩和する。

| 環太平洋連携協定(TPP)::2012.11~ | 04:21 PM | comments (x) | trackback (x) |

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