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2020.1.15~16 女性リーダーと社会の受入体制 (2020年1月17、18、20、21日追加)
  
2020年1月11日の総統選で勝利した蔡英文氏    日本のジェンダー・ギャップ指数 

(図の説明:中国と向き合うにはかなりの覚悟が必要だが、左の2つの図のように、2020年1月11日の総統選では、中国と向き合う台湾の女性総統である蔡英文氏が圧勝した。日本は、右の2つの図のように、世界経済フォーラムの2019年ジェンダー・ギャップ指数で、総合121位《中国、韓国、インド以下》となり、特に政治分野における順位が144位と低い)

(1)台湾の民意と関係諸外国の対応
1)台湾総統選での蔡英文氏の圧勝を祝福する
 台湾の総統選(2020年1月11日投開票)で、*1-1のように、蔡英文候補が圧勝されたことを心から祝福する。高い投票率と蔡氏の過去最多得票により、台湾の民意は「中国との距離を保って自由で民主的な社会であり続けることだ」と明確に示された。

 これには、香港の状況を目の当たりにした台湾の有権者の切実な危機感と昨年1月の習近平中国国家主席の「一国二制度」による統一を迫る演説が影響し、総統選前に中国が台湾海峡を航行させた国産空母も台湾住民の反発を招いたそうだ。その理由は、自由や人権の有り難みを知っている人は、それが踏みにじられようとすれば必死でそれを護ろうとする上、台湾の人口構成は中国系ばかりではないからだろう。

2)米国の対応
 このような中、*1-2のように、トランプ米政権は、軍事・経済の両面で台湾を支援しており、今後は米国が世界における自国の「抑止力の源泉」と位置づける軍事と経済の両分野で中国の覇権的な攻勢の最前線に立つ台湾を積極支援していく考えだそうで、これには私も賛成だ。

 米国は、2018年に米高官の台湾訪問や定期的な武器売却を求める「アジア再保証イニシアチブ法」をトランプ大統領の署名で成立させ、「自由で開かれたインド太平洋地域」の推進に向けた台湾支援を着実に進めてきた。トランプ政権は、台湾経済が中国への依存度を急速に強めていることにも危機感を募らせ、現在、議会や政府内部で米国と台湾との経済関係の緊密化に向けた自由貿易協定(FTA)の締結を提唱する声が広がりつつあるそうだ。

 ここが、*1-1に書かれている「①台湾独立志向の蔡政権に対して中国は牽制を強め、台湾と国交を持つ国は中国の圧力で15ヶ国まで減った」「②蔡氏は中国が主張する『一つの中国』を受け入れないが、民進党が綱領で定める『独立』も封印してきており、そのバランス感覚を持ち続けてほしい」などと言うような強い側について、前例どおりに、いつまでも現状維持すればよいとする日本人の態度とは異なる。私自身は、台湾(中華民国)が中国から独立したままでいてよいと考える。

3)中国の対応
 2016年、トランプ米次期大統領が1979年以来の前例を破って正式な外交関係のない台湾の蔡英文総統と電話会談した時には、*1-3のように、中国は米政府に「米中関係の大局が不要な妨害を受けることがないよう、『1つの中国』政策を守って台湾問題を扱うよう促した」とのことである。

 また、2020年の台湾総統選における蔡総統の再選について、日米英の高官らが歓迎の談話を出したことについて、*1-4のように、中国外務省報道局長は「一つの中国の原則に反するやり方で、強烈な不満と断固とした反対を表明する」とのコメントを発表して各国に抗議した。

4)日本の対応
 日本は、*1-5のように、日経新聞も「台湾の中国離れ加速が米中対立の火種になる」などと記載しているが、台湾は親日的な国であり、火種になっても弱者を犠牲にすればよいのではなく、やらなければならないことはある。
 
 さらに、「台湾(中華民国)が独立したままでは、中国とよい経済関係を持てない」ということはあってはならない筈で、日本はじめ他の独立国は中国と経済関係を持ち貿易をしている。そのため、台湾は中華民国として国連に加入し、台湾の「経済的利益」をWTOを通して、または米国・ヨーロッパなどとのFTAで保ちながら、「国家の安全」と「経済的利益」を両立させればよいと考える。その方が、近くの日本も安心して付き合いやすい。

(2)女性に「控えめであること」を要求する日本文化
 台湾総統選では、台湾人の人権や一国二制度への賛否が重要なテーマになったため、今回は蔡英文氏への女性差別どころではなかったと思うが、*2-1のように、男女は発信についても機会均等ではない。

 私自身は、ディスカッション時には積極的に挙手して堂々と発言する方だが、そうすると、女性の場合は「声が大きい」「でしゃばり」「人の意見を聞かない」「独善的」等々の男性ならありえない批判に晒されることが多い。しかし、発言も発信もしなければ認められないため、女性の場合は矛盾した要求の下に置かれるわけだ。

 また、黙っていても周りが実績を理解し評価して昇進させてくれるほど世の中は甘くないため、上を目指せば自分の経歴や実績をアピールせざるを得ないが、女性がそれを行うと「謙虚でない」「目立ちたがり」「性格が悪い」等々のマイナス評価もついてくる。つまり、女性が発言や発信に控えめになるのは、生まれつきの「男女の違い」や「女性の不得意部分」などではなく、女性に「控えめであること」を要求する文化によるものであり、女性への矛盾した要求が女性の活躍を妨害しているわけである。

 そのため、*2-3のように、女性リーダーの育成において、まるで女性に覚悟が足りないかのように女性に覚悟の大切さを学ばせるというのは、本当の理由を理解しておらず、女性に対して失礼である。

(3)女性の実績と評価
 「ウィキペディア」の記事も、*2-2のように、男性の記事が8割を占めるそうだが、リーダーに占める女性の割合が低ければ、実績があっても「ウィキペディア」に載らないため、「ウィキペディア」だけが是正を目指しても限界があるだろう。

 さらに、「ウィキペディア」はじめメディアやネットに掲載されている記事は、その多くが本人ではなく他人が書いたものであるため、社会の一般常識と同様、女性を過小評価したり、頑張る女性をちゃかしたり、馬鹿にしたりする女性蔑視を含んだものが多い。そして、これが長く露出し続けるため、その評判が定着するというのが、私の経験である。

(4)農業における女性の参画とリーダーシップ
 農業は食品を扱う業種であるため、消費者の心をつかむには、*3-1のように、マーケティングが重要であると同時に、食品に関する知識が多くマーケットで商品選択の主体になっている女性を活躍させることがKeyである。そもそも「道の駅」の原点は、自分で作った農産物をリヤカーに積んで道端で売っていた農家の主婦で、彼女たちが持ってきた新鮮で安価な農産物や行き届いたサービス・料理に関するアドバイスなどが消費者の人気を集めていたのだった。

 そのため、*3-2のように、農漁業の経営が6次産業化を進める中、生産者であると同時に、生活者・消費者の視点を併せ持つ女性の役割が重要であることは明らかである。それにもかかわらず、農山漁村の女性の地位が低く、女性の社会参画促進や地位向上への啓発を今頃やっているのは、(何もしないよりはずっとよいが)遅すぎる。

 そして、2017年3月5日の記事によると、JA女性役員、女性農業委員の割合は10%には届かず、①役員になり外出が増えると夫が嫌な顔をし ②男性役員ばかりの中で意見が通らず ③組織化されていない農業女子の集まりでさえ出掛けるのに家族の許可がいる のだそうだ。

 日本農業新聞の2020年1月13日の記事では、*3-3のように、国連がジェンダー平等を含む持続可能な開発目標(SDGs)達成の担い手に協同組合を位置付け、JAグループが女性参画の数値目標を決めて女性参画を進展させた結果、2019年7月末時点で正組合員や役員比率の全てが前年を超し、女性正組合員比率が22.36%、女性総代が9.4%、全役員に占める女性割合は8.4%と増えたそうだ。しかし、役員どころか、女性正組合員比率も22.36%しかないのでは、日本の農村地帯におけるジェンダー平等はまだまだだと言わざるを得ない。

・・参考資料・・
<台湾の民意と関係諸外国の対応>
*1-1:https://www.nishinippon.co.jp/item/n/575782/ (西日本新聞社説 2020/1/15) 台湾総統選 中国は危機感受け止めよ
 中国とは距離を保ち、現在の自由で民主的な社会を守るという民意が明確に示された。台湾総統選(11日投開票)は中国との統一を拒否する与党民進党の現職蔡英文氏が過去最多得票で圧勝し、再選された。高い投票率も考え合わせると、半年以上に及ぶ香港の混乱を自国の将来と重ねた有権者の切実な危機感の表れと言えるだろう。蔡氏勝利の流れをつくったのは昨年1月の台湾政策に関する習近平中国国家主席の演説である。高度な自治を認める「一国二制度」による統一を迫った。当時、蔡氏は窮地に立たされていた。前年の統一地方選で年金制度改革など内政の混乱が響いて民進党が大敗し、党主席辞任に追い込まれ、総統再選も容易ではないとみられていた。習氏の演説以降、風向きは変わり、台湾で中国への警戒感が高まった。6月以降、香港で起こった大規模な反政府デモは「一国二制度」が形骸化している現実を国際社会に示し、それを目の当たりにした台湾では総統選の流れを決定的にした。「今日の香港は明日の台湾」と訴えた蔡氏の言葉が有権者の心をつかみ、総統選と同時に行われた立法委員(国会議員)選も民進党が過半数を維持した。中国にとっては民主派が圧勝した昨年の香港区議選に続く受け入れ難い結果だろう。だが、強権政治への拒否感が香港や台湾で広がっている現実を真剣に受け止めなければならない。台湾独立志向である民進党の蔡政権に対し、中国はけん制を強めてきた。台湾と国交を持つ国は中国の圧力で7カ国が断交し、今や15まで減った。総統選前には初の国産空母を台湾海峡で航行させた。こうした行為は台湾住民の反発を招くだけで、逆効果だったことは選挙結果から一目瞭然である。今後さらに台湾へ圧力をかけ続ければ、蔡政権を積極的に支援するトランプ米政権との対立も一段と深まりかねない。米国は昨年、インド太平洋戦略で「強力なパートナーシップ」を結ぶ相手と台湾を位置付け、戦闘機などの兵器売却を決めた。大国となった中国には、武力統一もちらつかせる強権的態度を慎み、香港や台湾の声に耳を傾ける懐の深さを示す-そうした振る舞いが求められる。蔡氏は、中国が主張する「一つの中国」を受け入れない一方で民進党が綱領で定める「独立」を封印してきた。中台間の緊張を不必要に高めない現実的な判断だろう。中台関係は東アジア情勢にも悪影響を及ぼしかねない。米中の覇権争いの最前線でもあり、難しいかじ取りを迫られるが、そうしたバランス感覚は持ち続けてほしい。

*1-2:https://www.sankei.com/world/news/200112/wor2001120024-n1.html (産経新聞 2020.1.12) トランプ政権 軍事・経済の両面で台湾支援へ
 トランプ米政権は台湾総統選での蔡英文氏の再選に関し、中国の脅威をにらんだ米台連携を円滑に継続できるとして歓迎する立場を明確に打ち出した。今後は、米国が世界における自国の「抑止力の源泉」と位置づける軍事と経済の両分野で、中国の覇権的な攻勢の最前線に立つ台湾を積極支援していく考えだ。ポンペオ国務長官は11日に発表した声明で、蔡氏について「(中国からの)容赦ない圧力にさらされる中、中台関係の安定維持に取り組んできたことを称賛する」と強調。さらに「台湾が蔡氏の下、自由、繁栄、国民のためのより良き道を希求する国々の輝かしい手本となり続けることを期待する」と表明した。米国では2018年、米高官の台湾訪問や定期的な武器売却を求める「アジア再保証イニシアチブ法」がトランプ大統領の署名で成立し、「自由で開かれたインド太平洋地域」の推進に向けた台湾支援が着実に進められてきた。中国問題に詳しい政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)のボニー・グレイザー研究員は今後の中国の出方について「当面は米台の動向を見極め、台湾に圧力をかける機会を模索するだろう」と分析。近い将来に中台が武力衝突する可能性は否定しつつも、「米国は台湾の抑止力強化に向け一層の協力を図るべきだ」と訴えた。トランプ政権は一方で、台湾経済が中国への依存度を急速に強めていることに危機感を募らせている。議会や政府内部では、米国と台湾との経済関係の緊密化に向けた自由貿易協定(FTA)の締結を提唱する声が広がりつつある。政策研究機関「ヘリテージ財団」のライリー・ウォルターズ研究員は、米台がFTA交渉に向けた「高官級の経済対話」の枠組みを構築すべきだと指摘する。同財団のウォルター・ローマン氏も「トランプ政権が中国や日本などと貿易合意に達し、蔡氏が再選した今こそが米台FTAに向けた好機だ」と強調した。

*1-3:https://www.bbc.com/japanese/38204570 (BBC 2016年12月5日) 中国、トランプ氏と台湾総統の電話会談に抗議
ドナルド・トランプ米次期大統領が1979年以来の前例を破り、正式な外交関係のない台湾の蔡英文総統と電話会談したことについて、中国外交部は3日、「米国の関係各方面に厳正な申し入れをした」と明らかにした。中国国営メディアによると、外交部は米政府に「米中関係の大局が不要な妨害を受けることがないよう」、「1つの中国」政策を守り、台湾問題を「慎重に、適切に扱うよう」促したという。またこれに先立ち王毅外相は3日朝、台湾側による「つまらない策略だ」と台湾を批判した。トランプ氏と蔡総統は2日に電話会談。トランプ陣営側が台湾総統に電話をしたという情報もあるが、トランプ氏は2日、「大統領に当選しておめでとうと、台湾総統から電話してきた」とツイートした(強調原文ママ)。トランプ陣営によると、トランプ氏は蔡総統に今年1月の総統就任への祝辞を述べたと言う。米国は1979年に中国と国交を樹立し、台湾とは断交した。それ以来、大統領や次期大統領が台湾首脳と直接会話したことはないとされている。中国の反発を呼ぶ可能性についてメディアが報道すると、トランプ氏は「米国は台湾に何十億ドルもの兵器を売ってるのに、おめでとうの電話を受けちゃいけないって、興味深いな」とツイートした。ホワイトハウスは、トランプ氏と台湾総統との電話会談は、米外交政策の転換を意味するものではないと強調。米メディア報道によると、ホワイトハウスも電話会談の後に知らされたという。トランプ氏の報道担当は、次期大統領は米国の台湾政策について「よく承知している」と述べた。
●何が問題なのか
国共内戦で毛沢東率いる中国共和党軍に敗れた中華民国と国民党は1949年、台湾に移動。中華民国は国連代表権を維持し、欧米諸国には唯一の中国政府と承認されていたが、1971年に国連総会が中華人民共和国を唯一の中国の正統な政府と承認。中華民国は国連を脱退した。米政府は1979年に台湾と断交し、中華人民共和国の「一国二制度」を支持した。しかし断交してもなお、台湾にとって米国は唯一の同盟相手で最大の友好国だ。米国の台湾関係法ではは、台湾防衛用のみに限り米国製兵器を提供すると約束し、台湾の安全などを脅かす武力行使などに対抗し得る防衛力を米政府が維持すると約束している。中国は台湾に向けて多数のミサイルを配備しており、もし台湾が公式に独立を宣言すれば武力行使も辞さないと言明している。今年1月に圧勝した蔡総統率いる民進党は、伝統的に台湾独立を綱領としており、蔡政権は「一国二制度」政策を受け入れていない。
<解説1> 懸念から危機感と怒りへ キャリー・グレイシーBBC中国編集長
台湾に関する米政府の40年近くにおよぶ慣例をトランプ氏が破り、台湾総統と直接会談したことは、中国政府関係者を驚嘆させた。11月8日の当選以来、中国政府はトランプ氏のアジア政策顧問が誰で、対中政策がどうなるのか理解しようと、躍起になっている。台湾総統との電話会談は、これまで懸念だったものを怒りに変質させるだろう。中国政府は台湾を一地方自治体とみなしている。独立主権国家としての形式を一切否定することが、中国外交政策の主要優先事項なのだ。
<解説2> 穏やかな反応 シンディ・スイBBC記者、台北
中国の反応は比較的穏やかだった。最初からいきなりトランプ氏とぎくしゃくしたくないからだ。加えて中国は、トランプ氏は政治家として経験不足だとみているので、今のところはとりたてて騒がず、見逃すつもりだ。米政府が、中国と台湾に関する政策に変化はないと表明したことも、中国にとってはある程度の安心材料だろう。しかし舞台裏では中国はほぼ間違いなく、このような外交失態を二度と起こさないよう、トランプ陣営を懸命に「教育」しているに違いない。蔡総統のこの動きを受けて、中国政府はいっそう蔡氏に対して怒り、不信感を抱き、中国からの正式独立を目指しているものとみなすだろう。

*1-4:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54333200S0A110C2FF8000/?n_cid=TRPN0017 (日経新聞 2020.1.12) 中国が日米英に不満表明 蔡氏への祝意に反発
 中国外務省の耿爽副報道局長は12日、台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統の再選に日米英の高官らが歓迎の談話を出したことに「(中国大陸と台湾は一つの国に属するという)一つの中国の原則に反するやり方で、強烈な不満と断固とした反対を表明する」とのコメントを発表した。すでに各国へ抗議したという。耿氏は「台湾地区の選挙は中国の一地方のことだ」と指摘。「台湾問題は中国の核心的利益だ。中国と国交を結ぶ国と台湾とのいかなる形の政府間往来にも反対する」と強調した。

*1-5:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54327820R10C20A1EA2000/ (日経新聞 2020/1/11) 台湾、「中国離れ」加速 米中対立の火種に
 統一を遠ざけるため距離を置くか、経済交流の果実を求めて接近するか――。中国との距離を巡る「自立と繁栄のジレンマ」と呼ばれる問題を巡り、台湾の民意は揺れ動いてきた。鴻海(ホンハイ)精密工業など台湾企業は1990年代から中国に進出し、連携を深めた。2001年の世界貿易機関(WTO)加盟で中国の経済成長に弾みがつくと、中台経済の一体化を求める声が強まり、08年には対中融和を掲げる国民党の馬英九政権が発足した。だが情勢は一変した。台湾の中央研究院による19年3月の世論調査では、対中関係で「国家安全を重視する」との回答が58%に上り、「経済利益を優先する」を27ポイントも上回った。呉介民・副研究員は「統一への危機感の高まりに加え、米中摩擦で対中接近が必ずしも利益に結びつかなくなった面もある」と分析する。対中強硬路線を鮮明にする蔡氏の再選で、台湾を巡る米中対立が激化するのも確実だ。米国は1979年に台湾と断交して中国と国交を樹立。その後は「台湾関係法」に基づき台湾の安全保障を支える一方、対中協調を重視して台湾独立を綱領に掲げる民進党と距離を置いてきた。だがトランプ米大統領は就任直前の16年12月に蔡氏と電話で直接やりとりし、19年にはF16戦闘機の台湾への売却を決めるなど、中国への配慮で封印されてきた「タブー」は次々と破られた。蔡政権は中国大陸と台湾が1つの国に属するという「一つの中国」原則を認めない一方、党が持つ独立志向を封印する立場をとる。「現実路線で米の信頼を得る戦略」(民進党幹部)だ。米国防総省は19年のインド太平洋戦略の報告書で、台湾をシンガポールなどと並ぶ「有能なパートナー」とした。蔡氏は「米国との関係は過去最高にある」と誇り、2期目では同戦略への協力や米との軍事接近を鮮明にする公算が大きい。中国にとって台湾は海洋進出の出入り口に位置し、東アジアへの米国の介入を防ぐ安保体制を築くうえでも譲れない「核心的利益」だ。米台の接近は中国の激しい反発を引き起こすのが必至だ。半導体受託生産最大手、台湾積体電路製造(TSMC)など次世代通信規格「5G」の核心技術を握る企業が存在する台湾は米中ハイテク摩擦の最前線にもなる。米国がハイテク分野で中国とのデカップリング(切り離し)を本格化すれば台湾を避けて通れず、供給網で深く関わる日本にも影響が及びかねない。

<女性に「控えめであること」を要求する文化>
*2-1:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20191202&ng=DGKKZO52770090Z21C19A1TY5000 (日経新聞 2019.12.2) 男女の発信スタイルの違い 機会平等を担保しよう OECD東京センター所長 村上由美子
 米ハーバード・ビジネススクールでは、成績上位5%の学生にベイカー・スカラーという最優秀賞を与える。MBA(経営学修士)を取得する女子学生は4割を超えたが、ベイカー・スカラーの女性比率は2割程度にとどまっていた。学力や潜在的能力など男性と同じ条件を満たして入学した女性達。入学後に苦戦したのは、クラスでのディスカッションだった。ハーバードでは成績の50%がディスカッションへの参加で決まる。積極的に高々と挙手し、ものおじせず発言する男性に比べ、女性の参加は控えめだった。この問題に気がついた大学側は、意識的に発言機会を男女平等にするよう教授陣を促した。その結果、ベイカー・スカラーの男女比率は改善。ついに昨年は男女間の成績の差異は完全に消滅した。男女のコミュニケーションや発信スタイルの違いに配慮することで、機会平等を担保するという興味深い例だ。私自身にも経験がある。ニューヨークの投資銀行で管理職に昇進した時だ。ボーナスシーズン前に自分の功績をアピールしにくる部下は全員男性だった。女性の部下が昇進やボーナスの交渉に来る事はめったになかった。私自身も新入社員時代「主張せずとも上司は私の成果を認めてくれている」と勝手に思い込んでいた。部下を評価する立場になって初めて、男性がいかに積極的に自己アピールしていたかに気づいたのだ。公平な評価・判断には、男女の違いを意識し、自らにインプットされる情報の偏りを精査する必要があると学んだ。日本でも女性を積極的に採用し、昇進を促進する企業は増えた。しかし彼女達の声は経営に生かされているだろうか。男女の違いを理解した上で、女性の持つ能力を開花させる取り組みが必要だ。効果的に会議に参加するためのコーチングを提供したり、司会役が女性に積極的に発言機会を与えたり、意識的に女性の背中を押し議論への参加を促すことが効果的だ。経済協力開発機構(OECD)の調査では、宿題にかける時間は女子学生の方が男子学生よりも長いという結果が出ている。女性は準備を周到に整える傾向があるが、自己肯定力は男性の方が往々にして高い。このような特性を理解した上で、女性の不得意部分を補う工夫を施せば、自らの能力を発揮し活躍する女性がさらに増えるはずだ。

*2-2:https://www.nishinippon.co.jp/item/n/570293/ (西日本新聞 2019/12/22) 「ウィキペディア」にも男女格差 ネット事典、男性記事が8割占める
●是正目指す「ウィキギャップ」
 インターネット上の百科事典「ウィキペディア」。何かを検索したら上位に出てくるおなじみのサイトだ。ただ、人物を紹介する記事の約8割は男性で、女性は実績があって著名でも記事が存在しないケースも多いという。そこで、ウィキペディアに女性の記事を増やし、ネット上の男女格差をなくそうというイベント「ウィキギャップ」が世界各地で開かれている。新たな試みが目指すゴールは、ネット上だけでなく、実社会における格差解消だ。2001年に登場したウィキペディアは、誰もが無料で自由に編集に参加できるのが特徴で、世界約300言語で展開されている。11月末、福岡市内のビルの一室で、女性を中心に15人ほどがパソコンに向き合い、作業に没頭していた。それぞれが詩人や経済学者など「載せるにふさわしい」と思う女性の業績や経歴を調べ、3時間ほどかけて執筆した。参加した司書の古島信子さん(50)はネットサーフィンという言葉を普及させたとされる司書「ジーン・アーマー・ポリー」について翻訳。「興味を持った人が彼女を知るツールの一つになればうれしい」。なぜ男性の記事が多いのか。「執筆者に男性が多いので、女性著名人や女性の関心が高い事柄は軽視されやすい」と指摘するのはウィキペディアに詳しい武蔵大の北村紗衣准教授(フェミニズム批評)。英王室キャサリン妃のウエディングドレスに関する記事やブラックホールの撮影に携わった女性科学者に関する記事が「百科事典として取り上げるに足らない話題」として“削除依頼”が出されたこともあるそうだ。運営するウィキメディア財団によると執筆者の9割が男性と推測される。北村准教授は「書く人の多様性がないと内容にも偏りが生じる。女性執筆者が増えることが女性記事の増加、百科事典の質の向上につながる」と力を込める。そもそも、現在「活躍する立場」の多くを男性が占めているのが現状で、男性の人物記事が多いのは当然という指摘も。特に日本は、先日発表された男女格差を指数化した報告書でも世界153カ国中、121位と低迷。女性議員(衆議院)や女性管理職の割合は1割程度にすぎない。政治分野の男女共同参画推進法や女性活躍推進法など法整備が進んでも、実態の改善には時間がかかりそうだ。一方で、ウィキペディアに女性の記事を増やす取り組みは、さまざまな立場の人が参加しやすい。北村准教授は「ネット上の男女格差解消の動きが、実社会に波及することも期待できる」と話す。
【ウィキギャップ】スウェーデン外務省などの呼びかけで「ネットの男女格差を埋めよう」と2017年に始まり、約60カ国で開催。30の言語で約3万2000本の記事が編集された。国内では東京や大阪でも開催され、今後も横浜などである予定。福岡のイベントは丸

*2-3:http://qbiz.jp/article/103068/1/ (西日本新聞 2017年2月5日) 女性リーダー育成 覚悟の大切さ学ぶ 福岡市で研修
 企業など組織の担い手となる女性を育成する「女性トップリーダー育成研修」が2〜4日、福岡市で開かれた。福岡県内の企業役員や管理職などの女性20人が参加し、さらに飛躍するために必要なことを学んだ。研修は福岡女子大(同市東区)が初めて企画。2泊3日を共にして交流を深め、将来につながる人脈を築く狙いがあるという。国際基督教大の北城恪太郎理事長や地元経済界トップらがリーダーに欠かせない心構えや教養を伝授した。4日のグループワークでは、参加者が目指すリーダー像を議論。「周囲の意見を聞きすぎて、自分らしさを出せていない」「リスクを避けようとすると部下が育たずさじ加減が難しい」などと悩みを語り合い、自分の克服すべき弱点や強みをあぶり出した。参加した福岡空港ビルディング営業部次長の鰺坂裕子さん(49)は「意識して上を目指す覚悟が必要だと感じた。ここでできたネットワークは財産になると思う」と手応えを語った。参加者は3月の最終研修までに目指すリーダー像を固め、それを実現する行動計画を発表する。

<農業における女性の参画とリーダーシップ>
*3-1:https://www.agrinews.co.jp/p39945.html
(日本農業新聞 2017年1月19日) 販売革新へ戦略を 人材育成で初講習会 全中・全農
 JA全中とJA全農は18日、農畜産物のブランド化など販売戦略の企画・実践力を向上させるための講習会を東京都町田市で初開催した。JAや連合会の販売事業戦略担当職員らが、「販売革新」をテーマに少人数のグループ討議を展開。どんな戦略をとれば販売力アップが見込めるかを参加者が提案し合うスタイルで、消費者の心をつかむ方策について議論を掘り下げた。20日まで開く。担当者と経営側との間に立つ職員を対象とし、11人が参加した。2、3人のグループでの討議で、参加者のJAが抱える販売戦略の課題克服や、JA内の意識改革をどう進めるかなど販売革新の方向性を話し合った。JA高知市が展開する、野菜「芥藍菜(かいらんさい)」の認知度向上策に関して、試食や貯金・共済の粗品とすることで消費者の認知度を高めていくとの提案があった。新潟県JA新潟みらいのカレー専用米の販路拡大に向けては、他産地との差別化のため「米どころ新潟が本気で作った専用米」とPRしたり、既存の有名カレー商品とタイアップ販売したりしてみてはどうか、といった意見が参加者から示された。これに先立ち、農産物流通に詳しい流通経済研究所の南部哲宏特任研究員が講義。マーケティングの意義について、卸売市場だけでなく「実際に食べてくれる人たちの情報を集めて意味を見つけ、どういうことが求められるのかを発見することが大事」と強調した。JAグループは自己改革でマーケットイン(需要に応じた生産・販売)に基づく事業方式への転換を目指している。講習会は、抜本的な改革が求められる中、実需・消費者の潜在的なニーズを掘り起こし、新たな販売戦略を中心となって担う人材の育成を狙って企画した。2日目は課題解決に向けた販売事業戦略の提案書を作成するためグループ討議を実施し、最終日に発表する。

*3-2:https://www.agrinews.co.jp/p40297.html (日本農業新聞 2017年3月5日) 農山漁村女性の日 発展の鍵握る活躍期待
 3月10日は「農山漁村女性の日」。この日を前後して、農山漁村女性の社会参画促進や地位向上へ、さまざまな啓発行事が行われる。女性は農業従事者の約半数を占め、農村社会と農業の発展に欠かせない存在だ。農業経営が6次産業化を進める中、生産者であり、かつ生活者と消費者の視点も併せ持つ女性の役割は、ますます重要さを増していくはずだ。その役割の価値を見つめ直すきっかけにしよう。農業経営やJAなどの方針決定の場へ、女性の参画が増えている。農水省の調査によると、女性の認定農業者は2016年3月で1万1241人と前年より429人増えた。12年から毎年400人以上増え続けている。JA女性役員は1305人(16年7月)で、全役員に占める割合は7.5%と前年比0.3ポイント増。女性農業委員も2636人(15年9月)で、全委員に占める割合は7.4%と同0.1ポイント増となった。農水省の「農業女子プロジェクト」も4年目を迎え、農業女子メンバーは、今では500人を超える。企業と提携して商品を開発したり、教育機関と組んで学生に就農を促したりと活動が盛んだ。ことし初めて、農業女子の取り組みを表彰するイベントを開いてPRを強める。ただ、社会参画への進み方は遅い。女性認定農業者が増えているとはいえ、全体の4.6%だ。JA女性役員、女性農業委員も、第4次男女共同参画基本計画で共に早期目標に掲げる10%には届かない。「役員になり外出が増えると、夫が嫌な顔をする」「男性役員ばかりの中で意見が通らない」。JA女性役員からは、そういった不満の声が上がる。一方、組織化せず活動の自由度が高く見える農業女子の集まりの中でさえ「出掛けるには家族の許可がいる」と悩む声を聞く。家族経営が主流で、かつ男性が中心となっている農村社会の閉鎖的な構図が、依然としてうかがえる。女性農業者が真に活躍し、能力を発揮するにはまだ厚い壁があるのだ。家族の後押しはもちろん、活動を受け止める男性らがさらに理解を深める必要がある。日本政策金融公庫が16年に発表した調査では、女性が経営に関与している経営体は、関与していない経営体よりも経常利益の増加率が2倍以上高かった。特に、女性が6次産業化や営業・販売を担当している経営体で、経常利益の増加率が高い傾向にあった。買い物好きでコミュニケーション能力が高い女性だからこそ、的確に消費者ニーズを把握できていることの表れだ。農業収益を増やし、経営発展の鍵を握るのは女性農業者だ。「農山漁村女性の日」が3月10日とされたのは、女性の三つの能力である知恵、技、経験をトータル(10)に発揮してほしい――との願いが込められている。もっと活躍できる社会へ、家族、地域挙げて環境整備を急ぐべきだ。

*3-3:https://www.agrinews.co.jp/p49717.html (日本農業新聞 2020年1月13日) 女性参画が進展 JA新目標着実に
 JAの運営で女性の参画が進んでいることが、JA全中の調査で分かった。正組合員と総代、役員(理事など)全ての女性参画割合が前年を上回った。国連は、ジェンダー平等を含む持続可能な開発目標(SDGs)の達成の担い手に協同組合を位置付けており、識者は「けん引する勢いで取り組んでほしい」とJAグループに期待する。
●正組や役員率全て前年超す 19年7月末
 JAグループは、2019年3月の第28回JA全国大会で、従来を上回る女性参画の数値目標を決めた。①正組合員30%以上②総代15%以上③理事など15%以上──を掲げた。第4次男女共同参画基本計画やJA全国女性組織協議会の独自目標を踏まえた。19年7月末現在の女性正組合員比率は、22・36%と前年から0・49ポイント上昇。総代は9・4%と同0・4ポイント増えた。全役員に占める女性の割合は8・4%で同0・4ポイント増だった。女性役員総数は同9人減の1366人。JAの大規模合併で、役員総数が847人減の1万6260人と大幅に減った影響とみられる。一方、100JAで女性役員がゼロだった。全中は「女性参画の推進には、JA経営トップ層の理解が欠かせない。トップ層が集まる会議で必要性や意義を伝え、理解を求めていきたい」としている。
●SDGsけん引を
△協同組合や農村女性の活躍に詳しい奈良女子大学の青木美紗講師の話
 SDGsの視点で見ると、数値を引き上げ、高い目標を持つことは大切だ。協同組合は、SDGsの推進で大切な事業や活動をしている。JAが、けん引する勢いで取り組んでほしい。一方、数値目標が独り歩きしないようにすべきだ。女性参画のメリットは、女性目線の事業提案ができること。女性組合員や生活者の視点に立った提案の実行でJA事業の拡大も期待できる。女性の意見に耳を傾け、否定しないことが重要だ。家事や育児などを行うことの多い女性が、参加しやすい環境を整えることも大事。女性参画が進めば、性別や立場を問わずさまざまな人がJAの経営や事業に参画しやすくなるはずだ。

<EU委員長の意思決定と日本の政治・行政>
PS(2020年1月17日追加):*4-1のように、EUは、域内での温室効果ガスの排出を2050年に実質0にする目標達成に向けて、経済・社会構造を転換していくために、低炭素社会への移行を支える技術革新への投資を今後10年間で少なくとも約122兆円行い、これによって再エネへの転換を図って経済成長に繋げるそうだ。これは覚悟のいる大胆な判断で、かつ科学的・合理的な判断でもあり、フォンデアライエン欧州委員長も女性だ。
 一方、私が提案して(私がこう言うと、必ず嘘だと決めつける人がいるが)太陽光発電・EV・自動運転車を世界で最初に市場投入した日本は、*4-3のように、原発と石炭を“ベースロード電源”に指定したり、送電網のコストを太陽光企業にツケ回したりするなど、再エネやEVの普及を妨害するための経産省の後ろ向きの対応にことかかない。そして、こういうことが続けば、日本に豊富な再エネの利用が阻害され、日本国民を豊かにすることはできない。
 このような中、*4-2のように、農業では無人田植え機の電動版もできたそうで、これなら日本だけでなく世界でニーズがあると思われるが、メーカー希望小売価格が1468万1700円では高すぎて国内でもなかなか普及できず、世界で普及するのは中国製をはじめとする他国製になるだろう。これが、名目インフレ(名目物価上昇)の悪弊の一つなのである。
 このように、日本では殆ど男性の“(同じ仕事を続けてきた国内志向で視野の狭い)ベテラン”と言われる政治家・行政官が政治・行政を担当してきた結果、*4-4のように、税収が伸び悩んで2025年の「基礎的財政収支」は国・地方あわせて3兆6千億円の赤字になるのだそうだ。そして、その原因に必ず世界経済の減速というような外的要因を挙げるが、景気対策と呼ぶ無駄遣いが多く、根本的解決になる投資をしないのが本当の原因であるため、これまでどおりではいけないということだ。

*4-1:https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/202001/CK2020011502000274.html (東京新聞 2020年1月15日) 温室ガスゼロへ122兆円投資 EU、技術革新へ今後10年で
 欧州連合(EU)欧州委員会は十四日、EU域内で温室効果ガス排出を二〇五〇年に実質ゼロにする目標の達成に向けて経済・社会構造を転換していくため、今後十年で少なくとも一兆ユーロ(約百二十二兆円)を投資する計画を発表した。低炭素社会移行を支える技術革新への投資を通じて経済成長を図る一方、石炭発電の比率が高い東欧などに対し、再生可能エネルギーへの転換を支援する構え。投資計画は、フォンデアライエン欧州委員長の総合環境政策「欧州グリーンディール」の資金面の裏付けとなる。一兆ユーロの約半分はEU予算で賄い、残りは加盟国や公的機関、民間などが拠出する。投資計画はEU欧州議会と加盟国の承認が必要。フォンデアライエン氏は十四日、フランス・ストラスブールで開かれた欧州議会本会議で「行動し損ねた場合のコストは巨大なものになる。今、投資するしか選択肢がないのだ」と訴え、巨額の出資に理解を求めた。「欧州グリーンディール」は先月就任したフォンデアライエン氏の看板政策。欧州委は現在策定中の二一~二七年のEU中期予算の25%を気候変動対策に充てる方針を既に示すなど、気候変動対策を急いでいる。フォンデアライエン氏は「われわれを待ち受ける(経済・社会の)転換は前例がない」と強調。構造転換の波に激しく揺さぶられる「人々や地域を支援」しつつ、「グリーン経済の投資の波を起こす」と訴えた。石炭への依存度が特に高いポーランドは、低炭素社会移行に莫大(ばくだい)な費用がかかるとして、昨年十二月のEU首脳会議で「五〇年に排出ゼロ」のEU目標への合意を留保するなど、資金調達が重要な問題となっている。

*4-2:https://www.agrinews.co.jp/p49749.html (日本農業新聞 2020年1月16日) 業界初 無人田植え機 電動コンセプトも クボタ展示会
 農機メーカーのクボタは15日、京都市内で製品展示見学会を開き、基地局の設置が必要ない自動運転トラクターや、業界で初となる無人運転田植え機を発表した。同社は、トラクターと田植え機、コンバインで自動運転農機をそろえることになる。無人運転の電動トラクターなどコンセプト農機、創立130周年記念の特別モデルも展示。スマート農業の普及につながる製品を充実させた形だ。新しく発表した「アグリロボトラクタMR1000A」は、単独で自動運転ができる機種だ。従来の無人トラクターは自動運転の際、近くに移動基地局の設置が必要で、農家にとって負担になっていた。新製品は、国の電子基準点情報を利用することで、基地局を設けなくてもよい初めての機種となった。今月中に発売。メーカー希望小売価格は1468万1700円とした。会場ではトラクターと田植え機、コンバインで、自動運転のラインアップをそろえたことをアピールした。10月に発売する「アグリロボ田植機NW8SA」は、業界初の無人運転田植え機だ。有人自動運転ができる自脱型コンバイン「アグリロボDR6130A」は昨年12月に発売した。新型機械「X(クロス)トラクター」のコンセプト機も披露した。完全無人運転の電動トラクターで、4輪クローラーで動く。車高を変える機能を備え、水田でも畑でも使えるのが特徴だ。有人運転の電動機は2023年の発売を目指す。同社は20年に創立130周年を迎えることから、会場には記念特別モデルも展示した。オレンジメタリックの特装色で、田植え機や耕運機などを用意した。この他、衛星利用測位システム(GPS)直進アシスト機能付きトラクターなどの試乗も行った。展示見学会は16日まで。2日間で代理店の担当者ら5000人の来場を見込む。

*4-3:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200117&ng=DGKKZO54478640W0A110C2EA1000 (日経新聞 2020.1.17) 送電網コスト、誰が負担? 太陽光企業にツケ回し案、国「後出し」非難受け修正も
 再生可能エネルギーの普及に向け、費用負担のルールを決める議論が紛糾している。焦点は送配電網の維持費用を誰が負担するか。普及させるには国民負担をできるだけ減らす必要があるが、新たなコスト負担を強いられる見込みが濃厚な再エネ事業者側からは、海外勢を含めて「後出しじゃんけん」との非難が噴出。今年度内の着地に向け、大詰めを迎えている。もめているのは、政府が2023年度に導入見込みの「発電側基本料金」制度の詳細だ。これまで電力の小売事業者が託送料金で負担していた送配電設備費用を発電事業者にも分担させる。負担の公平性の確保や電力システム全体のコスト低減につなげるのが狙いだ。23年度の制度導入を目指すことは19年9月の経済産業相直属の専門会合で決まっていた。ただFIT(再生可能エネルギー固定価格買い取り制度)の発電事業者については、追加コストと同水準を補填して調整する措置(調整措置)を置くことを検討することになっていた。FIT事業者が販売価格への転嫁ができないことに配慮した。ところが、前後して「利潤配慮期間」と呼ばれる12年7月~15年6月に認定された電源については、買い取り価格自体が高額に設定されていることを理由に、調整措置の対象外という案が19年夏に浮上した。これに驚いたのが、この期間に高額な買い取り価格を当て込んで日本の太陽光発電事業に参入した発電事業者らだ。
●10年間で6000億円
 太陽光発電を手掛けるオリックスの関係者は「こんなひどい後出しじゃんけんは見たことがない。当社の株主は外国人投資家も多い。日本の再エネ制度への信頼を損なう制度変更だ」と憤る。発電事業者らの試算によると、該当する期間の電源で稼働済みの全案件を対象にすると、23年度以降の10年間で計約6千億円の課金につながるという。カナディアン・ソーラー・アセットマネジメントの中村哲也社長は「予定していた利益を遡及的に奪う制度変更で納得できない。将来の投資も難しくなる」と話す。事業者からは、このまま利潤配慮期間に何の調整措置も講じられない場合、日本も加盟するエネルギー憲章条約に基づき「投資家に対する公正待遇義務に違反する」として、国との仲裁を求める訴えを起こすとの発言も飛び出す。再エネ制度の変更をめぐるトラブルが起きているのは日本だけではない。スペイン政府は10年に制度変更を行い、海外の発電事業者らから30件以上の仲裁を申し立てられた。資源エネルギー庁は「スペインの例は買い取り価格自体を引き下げるなど、より直接的な制度の不利益変更だった。日本のようにコストが上昇して間接的に利益が減ることまで条約違反といえるかは疑問」と反論する。国は高まる事業者らの不満を収めるため、19年12月17日の専門会合で新たな制度案を示した。発電側の課金によって負担が減る小売事業者と、FITの発電事業者が交渉して新たな取引価格を決める内容だ。小売り側が取引価格に一定程度を補填することを見越した案だ。
●普及へ透明性を
 結局、負担をグルグル付け替えているだけで、誰が何を負担しているのか理解しにくい構図になっている。新提案への発電事業者の反応は「少しでも補填してもらえるならありがたい」というものから「交渉力が劣る事業者が損をするのでは解決にならない」など温度差がある。1月以降も制度設計を巡る議論が続く見通しだが、結論が出るかどうかは微妙だ。再エネを普及させるために政府が当初高い収益モデルを示し、国内外から投資を呼び込む手法は欧州など海外政府も活用している。ただその後、持続可能性の観点から参入事業者に不利な制度に変え、事業者が不信感を抱く事態が繰り返されれば、再生エネの普及自体が遠のく。必要な負担をどう配分するのか。丁寧な説明も含めて、透明性の高い制度設計が欠かせない。

*4-4:https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020011701001236.html (東京新聞 2020年1月17日) 25年度の赤字額は3・6兆円に 基礎的財政収支、税収伸び悩み
 政府は17日、経済財政諮問会議を開き、中長期財政試算を示した。重要指標の「基礎的財政収支」は、高い成長率が続く楽観的な想定でも、黒字化を目指す2025年度に国・地方の合計で3兆6千億円の赤字になる。世界経済の減速で税収が伸び悩み、赤字額は昨年7月試算の2兆3千億円から拡大。目標達成に向け、一段の歳出抑制と歳入増加策が必要となる。GDP成長率は、昨年12月に決定した経済対策の効果などで、23年度に実質で2%、名目で3%台の高成長を実現すると想定した。この場合、基礎的収支は前回試算と同じ27年度に黒字化するが、黒字額は1兆6千億円から3千億円に縮小した。

<農林中金は職員を地方に多く置くべき>
PS(2020年1月18日追加):農林中金は、*5-1のように、①2022年にも本店を有楽町から大手町に移転する ②都内の複数の事務所を集約して効率化に繋げる ③賃料等で年間約20億円のコスト削減をする ④ペーパーレス化等で職員1人当たりのスペースを半減させる ⑤JAグループ一体となって効率的で働きがいのある職場づくりを目指す としているが、農林中金の役割は、農協が地方の農業者から集めた預金を農業の発展のために使うことであり、都市銀行と同様に外国で散財することではない。そのため、地方の農協に支店を置いて優秀な人材を配置し、農業地帯を歩いて実情を知った上で、農業の発展のためにできることを企画すべきだ。
 従って、①②はよいと思うが、農林中金本社に約1200人もの職員を置いておく必要はなく、本社は300人くらいにして残りは地方に配置し、農村地帯で経験を積ませるのがよいだろう。何故なら、そうすれば農業現場のニーズを知ってスキームを作ることができ、③の賃料も格段に安くなる上、地方に人材が供給されるからである。ただし、人の能力が結果を左右するため、優秀な人材を採用する必要があり、そのためには④のように職員1人当たりのスペースを半減させるのではなく、外資系並みのゆとりある快適なオフィスを作って、⑤を達成させるべきである。
 なお、現在は、*5-2のように、政府が技術革新でCO2を削減するために、今後10年間で官民あわせて30兆円を研究開発に投資し、2050年までに世界で予想される排出量以上の年600億トン以上を削減する目標を掲げているが、ここで重要な役割を果たすのは、地方にある再エネ資源と農林漁業なのだ。
 さらに、*5-3のように、台湾の鴻海がFCAと中国でのEVの合弁会社設立に向けて交渉する時代となり、再エネ・EV・自動運転は農林漁業や地方で大きな役割を果たすのである。

*5-1:https://www.agrinews.co.jp/p49765.html (日本農業新聞 2020年1月18日) 農林中金本店移転へ 東京・大手町に 事務所集約し効率化
 農林中央金庫が本店を東京・有楽町から大手町に移転する方向で検討していることが17日、分かった。都内にある複数の事務所を集約し、効率化につなげる。賃料などで、年間約20億円のコスト減を見込む。年度内をめどに移転を巡る方針を正式決定。2022年にも移転する。農林中金は1923年に創立し、当初は日本橋に本店があった。1933年に現在の場所にあった「農林中央金庫有楽町ビル」に移った。93年に第一生命ビルと一体化し、現在の「DNタワー21」となった。農林中金は土地の約4分の1、建物の3分の1強を所有している。現在のビルには農林中金の職員約1200人が勤めており、同ビル近くや豊洲、大手町のJAビルにも本店機能を持つ事務所がある。どこまで集約するかは調整中だが、これらを集約し移転することで、賃料をはじめとした運営コストの削減につなげる。移転先は、JA全中やJA全農が入るJAビル近隣のビルで調整。複数フロアを購入する方向だ。22年から1年程度で段階的に移転をしていく。厳しい事業環境を受けて、JAが経営基盤強化に取り組む中で、農林中金としても効率化を進める。ペーパーレス化などを通じて、新たなビルではこれまでに比べて、職員1人当たりのスペースを半減させることを目指す。JAビルの近くとすることで、JAグループ内の連携強化にもつなげる。農林中金は「関係者と調整中だが、本店機能集約は検討している。創立100周年に向けて、JAグループ一体となり、効率的で働きやすく、働きがいのある職場づくりを目指したい」として、移転を働き方改革にもつなげる考えだ。

*5-2:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200118&ng=DGKKZO54509560X10C20A1EA3000 (日経新聞 2020.1.18) 技術革新でCO2削減 政府新戦略、10年で官民30兆円投資
 政府は技術革新で世界の二酸化炭素(CO2)排出削減をめざす新戦略をまとめた。CO2吸収素材を活用したセメントの普及など日本が得意とする先端技術の研究を加速し、今後10年間で官民あわせて30兆円を研究開発に投資する。2050年までに世界で予想される排出量を上回る年600億トン以上を削減する目標を掲げた。政府が21日に開く統合イノベーション戦略推進会議で、革新的環境イノベーション戦略として決定する。政府は地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」実現のため19年6月に長期戦略を閣議決定した。今回の戦略はこれを補完し、日本が強みを持つエネルギー・環境分野の施策を打ち出し、世界のCO2削減を先導する役割を強調する。各国の研究機関をつなぐ拠点となるゼロエミッション国際共同研究センターを立ち上げる。ノーベル化学賞を受賞した旭化成の吉野彰名誉フェローが研究センター長に就く。吉野氏は17日、安倍晋三首相と面会し「地球環境問題は人類共通の課題。高い目標があるほど研究者は一生懸命頑張る」と述べた。内閣府などによると、世界全体では毎年500億トン規模のCO2が排出され、30年には570億トンになる見込みだ。600億トン以上削減できる技術の達成をめざす。

*5-3:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200118&ng=DGKKZO54539960X10C20A1FFN000 (日経新聞 2020.1.18) FCA、EVで巻き返し、鴻海と「空白地」中国攻略へ
欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は17日、台湾の電子機器の受託製造サービス(EMS)世界最大手、鴻海(ホンハイ)精密工業と中国での電気自動車(EV)の合弁会社設立に向け交渉していると発表した。FCAにとって中国とEVはほぼ「空白地」。自動車生産のノウハウが薄い鴻海と組む異例の戦略で巻き返しを図る。鴻海側は16日に合弁を設立する方針だと発表。FCAの17日の声明では、「最終的な合意に至るとは限らない」との注記をつけたうえで、2~3カ月以内に拘束力のある合意を目指すとした。FCAによると折半出資で次世代のEVと「つながるクルマ」を開発・生産する新会社も設立を目指す。鴻海は同社からの直接出資は4割を超えないとし、残りは関連会社などを通じた出資になる見通しだ。FCAの自動車生産のノウハウと、鴻海のスマートフォンなどデジタル機器製造のノウハウを融合し、つながるEVの生産を目指す。EVなどの次世代車の生産を巡り、自動運転技術開発の米ウェイモと自動車部品大手のマグナ・インターナショナル(カナダ)が組んだり、中国新興EV大手の上海蔚来汽車(NIO)が中堅自動車メーカーの安徽江淮汽車集団(JAC)に生産委託をするなどの動きが出ている。ソフトに強みを持つ新興企業と伝統的な自動車産業のプレーヤーが組む動きが多く、大手自動車メーカーとEMSという今回の組み合わせは異例だ。鴻海は中国の配車サービス最大手、滴滴出行に出資、FCAはウェイモと協業しており、今後こうした新興企業が合弁に合流する可能性も注目される。FCAは2019年12月に仏グループPSAと対等合併で合意、規模を生かしてEVを強化する方針を示していた。ただ両社にとって中国を含むアジアは空白地だ。調査会社のLMCオートモーティブによると、両社を合わせてもアジア全体の販売台数は約50万台(18年)でシェアは約1%にとどまる。中国のEV市場は足元では停滞しているが、長期的には成長が見込まれる。FCAは中国では広州汽車集団と自動車合弁を組んでいるが、広州汽車はトヨタ自動車やホンダとも広くEVを生産している。FCAとPSAの統合が完了すれば、鴻海との合弁を軸に、PSAが欧州で培ったEVのノウハウもつぎ込みながら、巨大市場を開拓する考えとみられる。

<女性議員や閣僚も標的になりやすいこと>
PS(2020.1.20追加):「選挙が汚れて国会議員の質は悪い」というイメージ操作が頻繁に行われ、今回は女性である河井案里氏が、昨夏の参院選で違法な報酬を支払ったと運動員が証言したと話題になっている。しかし、*6-1に書かれている「①2019年夏の参院選でウグイス嬢に法定金額を上回る、3万円の日当を支払った」「②ビラ配り、のぼりを持ったり、手を振ったりなど、選挙事務所や現場で選挙運動に直接かかわったAさんに11日で15万5千円の報酬を支払った」「③時給1000円くらいで上限は日当15000円までになると言われた」「④最初から報酬を約束されていた」「⑤数十万円の報酬を受け取った運動員が地元紙で報じられている」「⑥公職選挙法で認められていない運動員に報酬を支払った容疑」を、*6-2の現在の公職選挙法に照らして見ると、選挙運動員には報酬を支給することはできないが、うぐいす嬢には1日 1 人につき15,000円以内(超過勤務手当は支給できない)を支給することができ、労務者(人数制限はない)にも1日 1 人につき15,000円以内(10,000円+超過勤務手当はの上限5,000 円を支給することができる。そのため、①については、ウグイス嬢が手振りやビラ配りなどの単純労働も行っていれば(ウグイス嬢は、ふつう雑用も行い、地元の人とは限らないため買収しても仕方なく、こういう少額では買収されないだろう)市場価格と言われる3万円の日当を払っても法令違反とは言えないだろう。また、Aさんは単純労働しかしていないため、②③④は公職選挙法違反ではない。さらに、⑤⑥は、事実なら違法だが、検察はこの点は指摘していない。
 つまり、女性である河井案里氏を標的にして「国会議員は金で汚れている」というイメージを作っているが、現在は収支報告書で収支を報告し、監査も受けているため、昔のようなビッグな金の動きはないのである。

*6-1:https://dot.asahi.com/wa/2020011500092.html?page=1 (週刊朝日 2020.1.15) 河井案里参院議員が違法報酬も 昨夏の参院選で運動員が証言
 2019年夏の参院選で、車上運動員(ウグイス嬢)に法定金額を上回る、3万円の日当を支払ったとして刑事告発されている、河井案里参院議員。広島地検は15日、河井議員と夫で前法相の克行衆院議員の事務所を強制捜索した。さらに案里議員にはウグイス嬢への「日当疑惑」だけではなく、選挙運動した男性、Aさんにも15万5千円の報酬を支払っていたことが本誌の調べでわかった。公職選挙法では、ウグイス嬢や、選挙運動に直接関わらない事務スタッフに限り報酬の支払いが認められる。Aさんは選挙運動に直接かかわり、報酬をもらっていた。ウグイス嬢と同様に、その支払いは買収になる可能性がある。Aさんによれば、参院選の少し前に、案里議員の知り合いから選挙を手伝ってくれないかと話があったという。「4月の統一地方選で広島の地方議員さんの事務所に出入りしていたことがあった。その関係で声がかかりました」。予定が空いていたAさんは承諾。当時をこう証言する。「時給1000円くらいで、上限は日当で15000円までになるけど、いいかと聞かれました。週刊文春でも名前が出ていた、Tという秘書からでした」。ビラ配り、のぼりを持ったり、手を振ったり、選挙事務所や現場で直接、選挙運動に加わった。7月6日から選挙が終わるまで合計11日間、手伝ったという。その後、T秘書から「時間がある時に、寄ってほしい」と言われて、指定された広島市安佐南区にある案里議員の夫、克行衆院議員の政治資金管理団体「河井克行を育てる会」の事務所(広島市安佐南区安東)を訪れたのは、7月31日だった。「T秘書から封筒に入った現金112500円を渡されました。そして『残りは振り込みます』と言われました。スマートフォンで銀行口座をチェックしたところ、同じ日に43000円が案里議員の自民党広島県参議院選挙区第7支部から振り込まれていた。合計で155000円をもらったことになります」。Aさんは本誌にこう証言し、スマートフォンで銀行の取引履歴を見せてくれた。そこには<20190731 43000円 ジユウミンシュトウヒロシマケンサンギインセンキョクダイナナシブ>と記されていた。自民党広島県参議院選挙区第7支部は案里議員が支部長を務めている。「口座番号は選挙期間中に聞かれたのでメモして渡したように記憶しています。最初から報酬を約束されていましたから」(Aさん)。また、案里議員の選挙を手伝っていたBさんも報酬を打診されたという。「案里議員の選対責任者から、30万円でと言われた。断ると50万円でどうかと言われた。内容からして、公選法に引っかかるかもと辞退した。私以外にも、複数の人が報酬をもらっていると聞いた」(Bさん)。すでに、数十万円の報酬を受け取った運動員が地元紙で報じられている。「ウグイス嬢への法定で決められた金額以上の日当を払っていたという疑いや、公職選挙法で認められていない運動員に報酬を支払った容疑も浮上している。運動員への報酬は支払いがあるだけでアウトだ。そちらも捜査を進めている」(捜査関係者)。Aさんはこう言う。「公選法で受け取ることができない金とは知らなかった。取材を受けて認識しました。何か対応を考えたいと思っています」。案里議員の事務所は取材に対し、こう回答した。「刑事事件の進捗や捜査への支障の有無などを勘案し、適切な時期に皆様に説明致したい」

*6-2:https://www.city.kumagaya.lg.jp/about/soshiki/senkyo/senkyokanriiinkai/oshirase/20181106.files/senkyoundouhiyou.pdf#search=%27%E9%81%B8%E6%8C%99%E9%81%8B%E5%8B%95%E3%81%AE%E5%A0%B1%E9%85%AC%E4%B8%8A%E9%99%90%27 (「選挙運動費用の制限と届出」より抜粋) 報酬及び実費弁償の支給
<選挙運動従事者、労務者に支給することができる報酬>
①選挙運動員                 支給できない
②選挙運動のために使用する車上運動員     1日 1 人につき15,000円以内
(いわゆるうぐいす嬢 等)          (超過勤務手当は支給できない)
③専ら手話通訳のために使用する者       1日 1 人につき15,000円以内
                      (超過勤務手当は支給できない)
④専ら要約筆記のために使用する者       1日 1 人につき15,000円以内
                       (超過勤務手当は支給できない)
⑤労務者(人数制限はない)          1日 1 人につき10,000円以内
                      (超過勤務手当は10,000 円の 5 割以内)

<女性がリードした環境政策とエネルギー変換>
PS(2020.1.21追加):太陽光発電・分散発電・電気自動車は、1995年前後に私がインドに行った時、人口の多いインドで自動車が普及し始めたのを見て「化石燃料では必ず行き詰る」と考え、日本の経産省に提案したものだ。しかし、これを「私が最初に提唱した」と言うと、必ず「嘘だ。謙虚でない。そんなことは誰でもできるのに傲慢な思い込みだ」などと言われた。その後、誰でもできるのならさっさと他の人がやればよいのに、日本は大したこともせずにくだらない妨害行為を行い、ドイツのメルケル首相やヨーロッパ諸国、中国などが先に採用して、日本はまたまた外国に追随するという情けない結果となった。
 世界では、*7-1のように、ドイツで再エネによる分散発電が進みつつあり、日本では、*7-2・*7-3のように、広島高裁が伊方原発3号機の運転を認めない仮処分決定をしたところだ。原発に絶対安全はなく、事故が起これば広い地域を壊滅させる猛烈な公害を引き起こし、伊方原発は中央構造線の上にあるのに災害想定が甘すぎる上、原発を海水で冷却することによって海に大量の熱を捨てて海水温度を上げているのだが、四国電力は、まだ「極めて遺憾で、到底承服できない」として不服申し立てをしようとしている。さらに、経産省は依然として原発を重要なベースロード電源と位置付け、2030年度の電源構成に占める割合を20~22%に引き上げる計画で、脱原発を求める国民世論と大きな乖離があるのだ。そのため、安全対策の拡充で発電コストが上がり、核燃サイクル計画も破綻し、日本が世界有数の火山国で地震も極めて多いことを考えれば、今国会で速やかにエネルギー政策を考え直すべきである。
 そして、後輩の皆さん、*7-4のように、佐賀県立唐津東高校の校歌は下村湖人作詞で、大きな志や開拓者精神、希望を歌に込めた素晴らしいものだが、私はこれを歌っていた生徒の頃には、「われらの理想は祖国の理想、 祖国の理想は世界の理想」というのはどうやって実現するのか、全くわからなかった。しかし、本物の理想を追求すれば、祖国がついてきたり、祖国がすぐについてこなくても世界で採用されて祖国が後から追随してきたりすることもあり、こういうことも可能だったのだ。そして、ここに表現されている自然も護らないと・・。

    
2020.1.18毎日新聞 2020.1.17 2017.12.14朝日新聞    2019.9.12東京新聞
           中日新聞
(図の説明:左から1番目と2番目の図のように、広島高裁が伊方原発3号機の運転を認めない仮処分決定をした。右から2番目の図のように、阿蘇山から160km以内にある原発は、このほかに玄海原発と川内原発がある。また、1番右の図のように、福島第一原発事故では、広い範囲が放射性物質で汚染され、成長中で細胞分裂の激しい若い人が特に帰還できない状況だ)

*7-1:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200121&ng=DGKKZO54622930Q0A120C2MM8000 (日経新聞 2020.1.21) エネルギーバトル 電力、代わる主役(上) 技術が変える供給網、大手介さず個人で融通
 電力の主役が電力会社から個人や新興企業に移ろうとしている。自然エネルギーを使った発電技術とIT(情報技術)が急速に発展し、個人間や地域内で電力を自在にやりとりできるようになったためだ。電力会社が大型発電所でつくった電気を自社の送電網で送るという当たり前だった景色が変わりつつある。「不便を感じずに環境に貢献できてうれしい」。独南部に住むエンジニアのトーマス・フリューガーさんは、独ゾネンの蓄電池を使った電力サービスをこう評価する。2010年創業の同社は契約者間で電力を融通し合う仕組みを実用化。顧客は欧州で5万人いる。
●月額料金はゼロ
 蓄電池とソーラーパネルを家庭に取り付ける初期費用に平均200万円かかるが、月に約20ユーロ(2400円)支払うフリューガーさんは年間の電気代が6分の1程度になった。今は月額料金ゼロが標準プランだ。電気は需要と供給が一致しないと停電が起きる。日本の電力会社は多くの発電所を抱え、その稼働率の変化で供給量を調整して対応する役割を担ってきたが、ゾネンはそれを崩す。強みは人工知能(AI)に基づくアルゴリズムによる調整だ。電気が余分なところから足りないところへ、安くつくれる場所から市場で高く売れる場所へと自動で判断する。利用者は自ら気づかない間に電気を融通し合い、家庭で必要な分をまかなう。クリストフ・オスターマン最高経営責任者(CEO)は「旧来の電力会社のモデルは時代遅れだ。巨大な発電所が国全体に電力を供給するモデルは機能しなくなる」と話す。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は蓄電池の価格が30年までに16年の約4割に下がるとみる。中国企業の増産を背景に、さらに下がると指摘する関係者もおり、ゾネンのような活用は広がりそうだ。
●巨額投資不要に
 国際エネルギー機関(IEA)によると、新興国の経済成長を背景に電力需要は40年に17年の1.5倍に増える。その4割を太陽光などの再生エネが占める見込みで、発電の主役も石炭から交代する。大型の石炭火力や原子力発電所の発電能力は約100万キロワット。国内の家庭の電力消費量は1カ月250~260キロワット時で、家庭用太陽光の月間発電量は300キロワット時超が多いとされる。蓄電池でためたり、地域で融通できたりすればマネジメントは可能だ。大型発電所や、それをつなぐ長い送電網を巨額の投資で作らなくても、電力ビジネスを展開できるようになる。国内で地域ごとに独占権を持つ電力会社が「発電・送配電・小売り」の事業をまとめて手掛けるようになったのは1951年。再生エネやテクノロジーの進化が、70年の慣行を変える。電力自由化で先行した欧州では電気をつくる会社、送る会社、売る会社など、機能ごとの再編が進んだ。既に英独では石炭などの化石燃料よりも再生エネの発電量が上回る月もある。電力大手は石炭やガス、原子力などの大型発電所の効率をどう高めるかにばかり力を入れてきた。ただ、競争のルールそのものが大きくかわり、エネルギー産業は転換期を迎えている。

*7-2:https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1059877.html (琉球新報社説 2020年1月20日) 伊方差し止め 原発ゼロへ転換すべきだ
 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)について、広島高裁が運転を認めない仮処分決定をした。伊方3号機の運転を禁じる司法判断は、2017年の広島高裁仮処分決定以来2回目だ。再び出た差し止め決定を業界や政府は重く受け止めるべきである。今回主な争点となったのは、耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)や、約130キロ離れた熊本県・阿蘇カルデラの火山リスクに関する四国電や原子力規制委員会の評価の妥当性だった。地震に対する安全性について四国電は、伊方原発がある佐田岬半島北岸部に活断層は存在せず、活断層が敷地に極めて近い場合の地震動評価は必要ないと主張していた。だが高裁は「敷地2キロ以内にある中央構造線自体が横ずれ断層である可能性は否定できない」ことを根拠に挙げ、「四国電は十分な調査をしないまま安全性審査を申請し、規制委も問題ないと判断したが、その過程は過誤ないし欠落があった」と指摘した。火山の危険性を巡っては、最初の禁止判断となった17年の仮処分決定は阿蘇カルデラの破局的噴火による火砕流到達の可能性に言及したが、その後の原発訴訟などでリスクを否定する判断が続いた。だが今回は「破局的噴火に至らない程度の噴火も考慮すべきだ」として、その場合でも噴出量は四国電想定の3~5倍に上り、降下火砕物などの想定が過小だと指摘した。それを前提とした規制委の判断も不合理だと結論付けた。東京電力福島第1原発事故で得られた教訓は「安全に絶対はない」という大原則だ。最優先されるべきは住民の安全であり、災害想定の甘さを批判した今回の決定は当然である。四国電は「極めて遺憾で、到底承服できない」と反発し、不服申し立てをする方針を示した。政府も原発の再稼働方針は変わらないとしている。だがむしろ原発ありきの姿勢を改める契機とすべきだ。共同通信の集計によると原発の再稼働や維持、廃炉に関わる費用の総額は全国で約13兆5千億円に上る。費用はさらに膨らみ、最終的には国民負担となる見通しだ。原発の価格競争力は既に失われている。電力会社には訴訟などの経営リスクも小さくない。一方、関西電力役員らの金品受領問題では原発立地地域に不明瞭な資金が流れ込んでいる実態が浮かび上がった。原発マネーの流れにも疑念の目が向けられている。政府は依然、原発を重要なベースロード電源と位置付け、2030年度に電源構成に占める割合を20~22%に引き上げる計画だ。脱原発を求める国民世論とは大きな乖離(かいり)があり、再生可能エネルギーを拡大させている世界の潮流からも取り残されつつある。政府や電力業界は原発神話の呪縛からいい加減抜け出し、現実的な政策として原発ゼロを追求すべきである。

*7-3:https://www.nishinippon.co.jp/item/n/576849/ (西日本新聞社説 2020/1/19) 伊方差し止め 甘い災害想定に重い警鐘
 原発再稼働を進める電力各社の安全対策と、それを容認している原子力規制委員会の判断は妥当なのか。その根幹に疑問を投げ掛ける司法判断である。四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転禁止を求めて、50キロ圏内である山口県の住民3人が申し立てた仮処分の即時抗告審で、広島高裁が運転を差し止める決定をした。伊方原発は細く延びる佐田岬半島の根元にある。深刻な事故が起きれば半島住民の避難は困難を極める。対岸約40キロの大分県を含む九州や中国地方にも甚大な被害が広がりかねない。伊方原発のそばを国内最大規模の中央構造線断層帯が走り、約130キロ離れた熊本県・阿蘇山も活発に活動を続けている。地震と噴火による災害リスクが適切に調査、判断された結果として、再稼働が認められたのか-。これが争点だった。決定は調査、判断ともに「甘い」との結論になった。地震については、原発周辺の活断層の調査が不十分と指摘した。阿蘇カルデラの噴火によるリスク評価も過小と判断した。加えて、安全性に問題がないとした原子力規制委の判断も誤りで不合理と断定している。福島第1原発の事故後、政府は「世界最高レベルの新たな規制基準」に適合した原発の再稼働を進めてきた。伊方3号もその一つだ。今回の決定は、規制基準へ適合させてきた電力会社の調査と、規制委の判断がともに不十分と指弾しており、「基準適合」に対する国民の信頼が揺らぐことは間違いない。規制委は最新の知見を踏まえながら、不断に基準を見直す努力を重ねる必要がある。電力各社も災害リスク調査のあり方などを改めて検証すべきだ。原発に関する司法判断はかつて、行政や専門家の判断を追認するものが大半だった。福島の事故後は裁判官によって従来より厳しい判断も出るようになった。運転差し止めを認めたのは今回で5例目であり、伊方3号機の運転を認めない仮処分決定は2017年に続き2回目だ。政府は福島事故後も原発をベースロード電源と位置付け、30年度に電源構成に占める割合を20~22%に引き上げる計画だ。ただ再稼働できたのは5原発9基にとどまる。再稼働しても、司法判断で止まる可能性があることが今回改めて示された。安全対策の拡充で、発電コストにおける原発の優位性は後退している。核燃サイクル計画も事実上、破綻したと言えよう。日本は世界有数の火山国で地震も極めて多い。ここで将来にわたり原発と共存していけるのか。今回の決定はエネルギー政策を考え直す契機ともしたい。

*7-4:http://www.people-i.ne.jp/~kakujyo/kooka.htm (佐賀県立唐津東高等学校校歌 下村湖人作詞、諸井三郎作曲) 天日輝き
1.天日かがやき大地は匂い 潮風平和を奏づる郷に
息づくわれらは松浦の浜の 光の学徒  光、光、光の学徒
2.はてなく広ごる真理の海に 抜手をきりつつ浪また浪を
こえゆくわれらは松浦の浜の 力の学徒  力、力、力の学徒
3. 平和と真理に生命をうけて 久遠の花咲く文化の園を
耕すわれらは松浦の浜の 希望の学徒  希望、希望、希望の学徒
4.われらの理想は祖国の理想  祖国の理想は世界の理想
理想を見つめて日毎に進む  われらは学徒  光、力、希望の学徒

| 男女平等::2019.3~ | 02:58 PM | comments (x) | trackback (x) |
2019.7.22 女性リーダーの誕生を妨げる女性蔑視と女性差別(2019年7月23、24、25、26日に追加あり)
  
国会議員の女性割合     管理職の女性比率   女性・女系天皇(2019.7.10毎日新聞)

(図の説明:左図のように、日本の国会議員に占める女性割合は著しく低く、中央の図のように、管理職に占める女性割合も低い。さらに、右図のように、女性天皇・女系天皇に未だ反対する政党もあり、世界からは周回遅れになっている)

  
   2019.7.22毎日新聞    2019.7.22読売新聞     2019.5.13朝日新聞

(図の説明:2019年参院選の結果は、左図のようになった。女性は、中央の図のように、候補者に占める女性割合より当選者に占める女性割合が低く、一般に女性の当選率の方が悪いことがわかる。また、女性・女系天皇を認めた場合の皇位継承順位は、右図のようになる)

(1)リーダーになる機会の男女平等はあるのか
1)2019年の参院選について
 *1-2のように、①2013年4月に安倍首相が成長戦略に女性活躍を盛り込み ②2014年1月の国会施政方針演説では「全ての女性が活躍できる社会をつくるのが安倍内閣の成長戦略の中核」と述べられ ③2016年4月には企業や自治体に女性の登用目標などの計画策定・公表を義務付けた女性活躍推進法を施行し ④2018年5月には「政治分野の男女共同参画推進法」が議員立法で成立して、女性が活躍しリーダーになるための法律整備は既にできている。

 しかし、2019年の参院選における主要政党の女性候補割合は、野党は社民(71%)、共産(55%)など女性が半数を超える政党もあり、立憲民主(45%)も約半数だが、与党は自民(15%)、公明(8%)と低かった。これには意識の低さ以外に、すでに現職で埋まっているため新しい候補を擁立しにくいという事情もあるだろう。

 世の中は、少子化による生産年齢人口割合の減少で物理的にも女性労働力の重要性は増しておりが、女性の地位向上によって男性にはない視点からの気付きを意思決定や政策に反映しやすくなる。そのため、男性優位の習慣や制度は大胆に変えるのが経済的にも有効だが、日本の女性登用は欧州連合(EU)委員長と欧州中央銀行(ECB)総裁に女性を起用した欧州に比べると30年遅れである。

 なお、7月21日に投開票された参院選の候補者となった女性の当選率は、*1-1のように、26.9%で、男性の36.1%に及ばず、女性候補の比率は過去最高の28.1%となったものの全当選者に占める女性の比率は22.6%に留まった。選挙区別では、女性当選者が東京で半数の3人を占め、神奈川や大阪でも半数だったが、九州は全体で0だった。

 女性の当選率が低い理由は、女性候補が野党に多く、現職でない上に準備期間も短いため、不利な闘いを強いられることだろう。しかし、九州の0は、*2-2に代表される女性蔑視が大きな原因の一つだと考える。

2)世界と日本の男女平等度
 日本の男女平等度は、*1-3のように、世界経済フォーラムが公表する「ジェンダーギャップ指数」で示されており、この指標による日本の2018年の順位は149か国中110位とG7、G20で最下位だ。指標の内訳は、2018年で、①経済分野 0.595(117位) ②教育分野 0.994(65位) ③健康分野 0.979(41位) ④政治分野 0.081(125位) であり、いずれも決して高くはないが、政治分野は特に低い。

 政治分野の評価の対象は、「国会議員の男女比」、「女性の閣僚率」、「女性首相の在任期間」などだが、国会議員における女性の割合が衆議院10.2%、参議院20.7%(平成31年1月現在)であるのは、日本のジェンダー平等への進行が遅すぎるということだ。

 今回の参院選では、370人の候補者のうち女性は104人で28.1%を占め、過去最高の高さと言われているものの、政党別では、①自民党15%(12人) ②立憲民主党45%(19人) ③国民民主党36%(10人) ④公明党8% (2人) ⑤共産党55%(22人) ⑥日本維新の会32%(7人) ⑦社民党71%(5人)と党による差が大きい。

 しかし、採用時点で30%では、指導的地位に女性が占める割合を30%程度にすることはできず、2020年に指導的地位の女性割合を30%にするためには、採用時は50%くらいでなければ、女性に多いハードルや偏見をクリアして生き残る人は30%にならない。そして、衆議院議員・参議院議員も、なっただけでは指導的地位についたとは言えず、実力と実績で閣僚や党幹部になれて初めて指導的地位についたと言えるのである。

3)他分野における指導的地位に女性が占める割合
i) キャリア官僚への女性合格
 国家公務員キャリア官僚への女性合格率は、*1-4のように、2019年度の採用試験で1798人が合格し、女性割合は過去最高の31.5%で初めて3割を超えたそうだが、キャリア官僚になったから指導的地位に就いたとは言えないため、採用時は女性を50%採用すべきだ。

 そうすれば、次官や局長などの女性割合が次第に30%になると思われるが、2020年にはとても間に合いそうにない。

ii) 女性天皇、女系天皇は何故いけないのか
 このように、「指導的地位の女性割合を30%にしよう」と言っている時代に、*1-5のように、女性天皇や女系天皇に拒否感を示す政党は、科学的でも論理的でもなく感情的である。

 立憲民主党は「皇位継承資格を女性・女系皇族に拡大し、現代における男女間の人格の根源的対等性を認める価値観は一過性ではない」と明記し、「皇位継承順位は長子優先」とした。共産党は女性・女系天皇に賛成する立場を明らかにしており、自民党と国民民主党は男系維持だ。この「立憲民主党」「共産党」と何かと自民党に近い「国民民主党」の違いが、今回の野党間の選挙結果の違いに繋がっていると思う。

(2)女性がリーダーになることを阻害する偏見・女性蔑視
 2019年7月22日、*2-1のように、佐賀新聞が「政治分野の男女共同参画推進法成立後、初めての大型国政選挙だったが、参院選の女性当選者数は、選挙区18人、比例代表10人の計28人で過去最多の前回2016年と同数だったものの、立候補した女性104人のうち当選率は26.9%は前回を下回り、当選者全体に占める女性比率は22.6%だったと記載している。

 せっかくこの認識に至ったのなら、私には心当たりが多いため、九州は全県で女性当選者が0だったという日本の平均から見ても周回遅れだったことも含めて、何故そうなるのかを分析し、女性候補に対する報道や表現を改めてもらいたい。何故なら、選挙は候補者を直接には知らない有権者が多く投票するため、メディアの女性蔑視表現で票が減ることが多いからである。

 このような中、選挙の最中の2019年7月20日、西日本新聞が、*2-2のように、「IQ(論理的思考)とEQ(情緒的感性)には明確な男女差がある」と書いており、その内容は、「男性は論理的に思考するタイプが多く、女性は情緒的・感覚的に思考するタイプが多いという明確な差が出て、男性は論理的に考えるのが得意で、女性は共感力が高いというイメージに近い結果になった」というものだ。

 これは、「(原因が何であれ)女性は感情的で男性ほど論理的でないため、リーダーには向かない」と言っているのであり、個に当てはめると妄想であって現実ではない。また、調査の仕方にも問題があり、出した結果は女性に対する偏見や女性差別にほかならない。さらに、こういう記事を書くことは女性候補者を不利にするため、選挙違反である。相手の立場に立って考える「おもいやり」は男女の別なく持っていなければならないものだが、そもそも“共感力”とはどういう能力なのか、特定の接客業以外で必要な能力なのか、私には意味不明である。

(3)女性差別を禁止する条約締結と法律制定の経緯
 私は、東大医学部保健学科を1977年に卒業し、男性に比べて就職の条件が悪かったので公認会計士の資格を取るために勉強をしていた時、1978年頃、さつき会(東大女子同窓会)の代表だった正木直子さんから電話をいただき、「どうしてさつき会に入らないの?」と聞かれた。

 そのため、「東大の卒業証書が就職であまり役に立たなかったからで、現在は公認会計士試験の勉強中です」と答えたところ、1979年の第34回国連総会で、*3-1の女子差別撤廃条約が採択され、日本は、1985年に、*3-2の最初の男女雇用機会均等法を外圧を借りて制定し、同年、女子差別撤廃条約を締結した。正木直子さんは、労働省勤務だったのだ!

 女子差別撤廃条約の締結と最初の男女雇用機会均等法制定は、赤松良子さんや正木直子さんなど、労働省(当時)に勤務していたさつき会の先輩方が変わった人であるかのように言われながらも、日本の男女平等を進めるための法律を作ったのである。一方、同じ1985年に、厚生省(当時)は、専業主婦の奨めともなる年金3号被保険者を作り、年金制度を積立方式から賦課方式に変更し、日本では女性活躍のアクセルとブレーキが同時に踏まれたのである。

 そして、*3-3のように、内閣府が男女共同参画社会基本法を作ったのは、*1-3のように、20年前の1999年だ。しかし、男女平等ではなく、男女共同参画に過ぎない。これに先立ち、1997年に男女雇用機会均等法が改正され、努力義務でしかなかった男女の雇用機会均等を義務化したが、これは経産省に私が頼んでやってもらったものである。

 そのほか、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」は、第2次安倍内閣下の最重要施策の1つとなり、2015年9月4日に公布・施行されたが、これは私の提案がきっかけだ。

 また、2018年5月23日に公布・施行された「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」は、赤松良子さんが中心になって女性たちが協力してできた法律である。

 つまり、女性差別を禁止する法律は、日本国憲法制定で男女平等を勝ち取ったのに差別され続けた日本女性が協力して制定してきたものだ。にもかかわらず、「男性には論理的に思考するタイプが多く、女性には情緒的、感覚的に思考するタイプが多い」とか「均等法以降の女性にのみキャリアがある」「空気を読むことが大切」などと言っているのは、馬鹿にも程があるのだ。

<リーダーになる機会の男女平等はあるのか>
*1-1:https://www.jiji.com/jc/article?k=2019072200284&g=pol (時事 2019年7月22日) 女性28人、過去最多タイ=当選率、男性に及ばず-東京など半数占める【19参院選】
21日投開票の参院選で、女性の当選者は選挙区18人、比例代表10人の計28人となり、過去最多の前回2016年に並んだ。選挙区の当選者は16年より1人多く、最多記録を更新。一方、女性候補全体に占める当選者の比率は16年より2.3ポイント減の26.9%で、男性の36.1%には及ばなかった。今回の参院選は、男女の候補者数をできるだけ均等にするよう政党や政治団体に求める「政治分野における男女共同参画推進法」が18年5月に成立して以降、初の大規模国政選挙となった。ただ、女性候補の比率は過去最高の28.1%となったものの、全当選者に占める女性の比率は22.6%にとどまった。選挙区別では、改選数が1増えた6人区の東京で女性が半数の3人を占め、ともに4人区の神奈川と大阪でも男女の当選者が同数だった。政党別で見ると、12人が挑んだ自民党の当選者が10人で、16年に続き最も多かった。公明党は2人の候補がともに当選。女性を積極的に擁立した主要野党4党では、立憲民主党で19人中6人が議席を得たのに対し、候補者数が最多だった共産党は22人中3人、国民民主党は10人中1人の当選にとどまり、社民党はゼロだった。NHKから国民を守る党も女性当選者がいなかった。改選数1の1人区で無所属の野党統一候補として出馬した中では4人が勝利。日本維新の会、れいわ新選組はそれぞれ1人が初当選した。

*1-2:https://www.kochinews.co.jp/article/293741/ (高知新聞社説 2019.7.18) 【2019参院選 女性活躍の社会】看板倒れの現実直視を
 「全ての女性が活躍できる社会をつくる。これは安倍内閣の成長戦略の中核です」。2014年1月の国会の施政方針演説で、安倍首相はそう決意を述べた。13年4月に成長戦略に女性活躍を盛り込んで、もう6年以上がたつ。演説では「20年には、あらゆる分野で指導的地位の3割以上が女性となる社会を目指す」と数値目標も掲げる意気込みだった。14年9月の内閣改造では、新設した女性活躍担当相ら5人の女性閣僚を起用。16年4月には企業や自治体に、女性の登用目標などの計画策定・公表を義務付けた女性活躍推進法が施行された。矢継ぎ早に打ち出された政策に対し、現在の実績はどうか。まず13年の政策演説で発表された「17年度末までに待機児童をゼロにする」との目標は、早々と断念し20年度末に先送りされた。女性閣僚の数も内閣改造のたびに減り、現在は片山地方創生担当相ただ1人だ。鳴り物入りで設置された女性活躍担当相も、片山氏が兼務するありさまである。政策を遂行する体制がこれでは、安倍政権のやる気を疑われても仕方がない。世界経済フォーラムが公表した18年版の男女格差報告によると、日本は調査対象の149カ国中110位だ。先進国では閣僚が男女ほぼ半々という国も珍しくない。女性1人というのは極端に遅れている。こうした現状を打開しようと昨年、「政治分野の男女共同参画推進法」が議員立法で成立した。選挙で男女の候補者数をできる限り均等にすることを目指す。同法が施行されて初の国政選挙となる今回の参院選が、今後を占う試金石となる。ところが主要政党の女性候補の割合を見ると、がくぜんとする事実が浮かんでくる。野党は社民(71%)、共産(55%)と女性が半数を超え、立憲民主(45%)もほぼ半数に近い。これに対し与党は自民(15%)、公明(8%)とあまりにも低い。自公が政権を握って6年半、早くから「女性が輝く社会」をぶち上げていったい何をしてきたのか。言い出しっぺがこのありさまでは、女性活躍推進法に真面目に取り組んでいる民間企業のやる気もそぎかねないだろう。安倍首相は男女が共同参画する社会の意義について、理解と努力が不足しているのではないか。少子高齢化が進む中で、国民の半数以上を占める女性の地位向上がなければ、よい政策や企画も生まれまい。これまでの「女性活躍」が看板倒れになっている現実を直視し、男性優位の習慣や制度を大胆に変えていく気概が必要だ。激動が続く欧州では先日、欧州連合(EU)委員長と欧州中央銀行(ECB)総裁に、ともに女性を起用する人事が固まった。世界との差は開く一方のようだ。

*1-3:http://ivote-media.jp/2019/07/09/post-3196/ (Ivote 2019.7.9) 2019年は節目の年【政治×女性】〜参院選2019〜
 第25回参議院議員通常選挙が7月4日に公示され、投開票日は、7月21日となっています。2019年は12年に一度の「統一地方選挙」と「参議院議員選挙」が重なる亥年の選挙として大きな節目の年になっていてivote mediaでも取り上げています。そして、もう一つ大きな節目として、2019年は「男女共同参画社会基本法」が制定・施行されてから20年という節目の年でもあるのです。男女共同参画社会の実現というものを21世紀の日本の最重要課題と位置づけ、課題の解消のために走り始めた年から20年経過をした年になります。ジェンダー平等に関して、近年では「女性活躍」という言葉を頻繁に聞くようになり、女性活躍は安倍政権の看板政策の一つでもあり、立憲民主党はじめ他政党でもジェンダー平等について動きを見せています。そこで今回の記事では、男女共同参画社会基本法が成立してから20年が経過をした現在の日本の男女平等における状況、とりわけ「政治」の分野における状況を確認し、参議院議員選挙における、読者の方々の投票の一つの視点となってもらえればと思います。
●日本における男女平等の現状
 男女平等を世界の国々と比較するときに用いられる指標は、世界経済フォーラム(World Economic Forum)が公表する「ジェンダーギャップ指数」です。この指標では、経済・教育・健康・政治の4つの分野のデータから作成されています。そして、日本の2018年の順位は149か国中110位(前年:144か国中114位)であり、前年から4つ順位を上げたものの、G7内では最下位となっていて、男女平等については後進国といっても過言ではありません。
指標の内訳としては、(2018年←2017年)
◇経済分野 0.595(117位) ← 0.580
◇教育分野 0.994(65位) ← 0.991
◇健康分野 0.979(41位) ← 0.980
◇政治分野 0.081(125位) ← 0.078
となっています。(1が完全平等を示す。)
 政治分野の評価の対象には、「国会議員の男女比」、「女性の閣僚率」、「女性の首相在任期間」などが評価の対象となっています。皆さん、ご存じの通り、日本では未だ女性首相の誕生は一度もありません。そして、国会議員の男女比の割合について、衆議院では10.2%、参議院では、20.7%(平成31年1月現在)が女性の議員となっています。これらのデータや、皆さんの方々の実感から分かるように日本では、政治分野における男女平等は、後進国であると考えられます。しかし、男女共同参画社会基本法が成立してから、今現在まで無策だったわけではありません。国・都道府県においては、男女共同参画計画を策定し、ほぼ全ての基礎自治体においても、男女共同参画に関する計画を策定して施策を実施しています。自治体の施策だけでは解決しない問題ではありますが、ジェンダー平等に関する課題は日本の大きな課題として掲げ続けられています。そのような状況から、特に政治分野におけるジェンダー平等の不平等を解消しようという大きな動きも出てきています。平成30年(2018年)5月23日に「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が公布・施行されました。この法律では、衆議院、参議院及び地方議会の選挙において、男女の候補者の数ができる限り均等となることを努力目標として掲げ、目指しています。そこで、この法律が成立をしてから初めての国政選挙となる第25回参議院議員通常選挙の立候補者の男女の割合を見てみましょう。
●政党別立候補者数の男女比(今回の参院選)
 第25回参議院議員通常選挙には、370人が立候補をすることを予定しています。そのうちの女性候補は104人で28.1%を占めています。これは、過去最高の割合の高さとなっています。では、政党別に女性候補の数と割合を見てみましょう。
◇自由民主党  15%(12人)
◇立憲民主党  45%(19人)
◇国民民主党  36%(10人)
◇公明党    8% (2人)
◇共産党    55%(22人)
◇日本維新の会 32%(7人)
◇社民党    71%(5人)
 政治分野における男女共同参画の推進に関する法律が制定されてからのはじめての国政選挙で、以上のような立候補者の状況となっています。
●2020年30%目標
 「2020年30%目標」初めて聞く人も多いかと思います。これは、「社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする」という平成22年12月に閣議決定をされた目標です。「指導的地位」の中には、衆議院議員や参議院議員も含まれているため、国の目標としても30%という目標は達成をすべき大きな指標となっています。この目標は、兼ねてから掲げられてきた目標でありますが、今回の参議院議員選挙の立候補者の男女の割合、政党別にみたときの男女の割合はどうでしょうか。判断は皆さま方にお任せをします。(以下略)

*1-4:https://www.hokkaido-np.co.jp/article/318756?rct=n_topic (北海道新聞 2019/6/25) 国家公務員の女性合格、初3割超 19年度、総合職
 人事院は25日、2019年度の国家公務員採用試験で、中央省庁のキャリア官僚として政策の企画立案を担う総合職に1798人が合格したと発表した。うち女性は567人。割合は過去最高の31・5%で、初めて3割を超えた。前年度から4・3ポイントの増加。人事院は「中央省庁で活躍する女性が増え、入省後のイメージを描きやすくなったことが一因」と分析している。申込者数は1万7295人で、倍率は9・6倍だった。合格者の出身大学別は、東大の307人が最多で、京大126人、早稲田大97人、北海道大81人、東北大と慶応大が75人で続いた。

*1-5:https://www.sankei.com/politics/news/190611/plt1906110035-n1.html (産経新聞 2019.6.11) 立民が「女系天皇」容認 国民との違いが浮き彫りに
 立憲民主党は11日、「安定的な皇位継承を確保するための論点整理」を取りまとめた。皇位継承資格を「女性・女系の皇族」に拡大し、126代に及ぶ男系継承の伝統を改める考えを打ち出した。「女性宮家」創設の必要性も強調した。一方、国民民主党「皇位検討委員会」は同日、男系維持に主眼を置いた皇室典範改正案の概要を玉木雄一郎代表に提出。両党間で皇室観の違いが浮き彫りとなった。立憲民主党の「論点整理」は伝統的な男系継承について「偶然性に委ねる余地があまりに大きい」と指摘した。また、「現代における男女間の人格の根源的対等性を認める価値観は一過性ではない」などと明記した上で、女系天皇を容認すべきだと訴えた。皇位継承順位に関しては、男女の別を問わず、「長子優先の制度が望ましい」とした。男系を維持する手段として旧皇族を皇室に復帰させる案は明確に否定。「今上天皇との共通の祖先は約600年前までさかのぼる遠い血筋だ。国民からの自然な理解と支持、それに基づく敬愛を得ることは難しい」と断じた。また、皇族減少に歯止めをかけるため、女性皇族が結婚後、宮家を立てて皇室に残り皇族として活動する女性宮家の創設を訴えた。一方、国民民主党は女系天皇を「時期尚早」として認めず、改正案も男系を維持する内容だ。ただ、過去に10代8人いた「男系の女性天皇」の皇位継承は認める。きょうだいの中では男子を優先した。皇統に関しては、共産党がすでに女性・女系天皇に賛成する立場を明らかにしている。3党は参院選の32ある改選1人区の全てで候補を一本化したが、最重要の皇室をめぐり、「立憲民主党・共産党」と「国民民主党」の間で方向性の違いが表面化した。

<女性がリーダーになることを阻害する偏見>
*2-1:https://www.saga-s.co.jp/articles/-/403685 (佐賀新聞 2019年7月22日) 女性当選者28人、過去最多に並ぶ、政府目標には届かず
 参院選の女性当選者数は、選挙区18人、比例代表10人の計28人で、過去最多の前回2016年と同数となった。立候補した女性は104人で当選率は26・9%。前回を下回った。当選者全体に占める女性の比率は22・6%だった。政党に男女の候補者数を均等にするよう促す「政治分野の男女共同参画推進法」の成立後、初めての大型国政選挙。「指導的地位に占める女性の割合」を2020年までに30%にするとの政府目標には届かなかった。秋田と愛媛両県選挙管理委員会によると、両選挙区で戦後女性参院議員が誕生したのは初めて。

*2-2:https://www.nishinippon.co.jp/item/o/528623/ (西日本新聞 2019年7月20日) IQ(論理的思考)とEQ(情緒的感性)には明確な男女差が
●43万人の個性診断結果をビッグデータ解析して見えてきた、男女の思考性の違い
COLOR INSIDE YOURSELF( https://ciy-totem.com/ )は43万人以上が利用する、自己診断サービスです。43万人以上の診断結果をビッグデータ解析した結果みえてきた、個性や性格に関する興味深い統計データをお届けします。
●IQ(論理的思考)とEQ(情緒的感性)には明確な男女差が
 COLOR INSIDE YOURSELF(以下「CIY」)の診断結果では、個人の様々な特性が明らかになりますが、その中でも特に、「論理的に思考するタイプ」と「情緒的、感覚的に思考するタイプ」では、男女間で明確に差がでました。年齢別の診断結果の割合を多項式近似曲線で表すと、「論理的に思考するタイプ」は全年齢層で男性の割合が高く、逆に「情緒的、感覚的に思考するタイプ」では、全年齢層で女性の割合が高くなっています。ステレオタイプに言われているような「男性は論理的に考えるのが得意、女性は共感力が高い」というイメージに近い結果となりました。
●男女によって、求められる思考性が異なる?
さらに、ライフスタイル別の統計結果を見ると、男性では新社会人(23歳~29歳)から40代にかけて「論理的に思考するタイプ」が増加しています。女性では、高校から大学、社会人になるに従って「情緒的、感覚的に思考するタイプ」が増えており、30代からは緩やかに減っていきます。
●年齢とともに性格が変化する要因は、何でしょうか?
A:組織の中で、「男性は論理的であること、女性は情緒的で共感し合うこと」を求められた結果、年齢とともにそれぞれの思考性が変化していく
B:そもそも男女で年齢とともに思考性が変化していく傾向があり、結果的に「男性は論理的、女性は情緒的で共感力が高い」という集団ができていく
いずれの要因かまでは分析結果からはわかりませんでしたが、ここまで明らかになると、さらに興味深い洞察が得られそうです。
●年齢とともに性格は変わるのか?
 世代別の結果では、男性では「ゆとり第一世代~団塊ジュニア世代」までが、やや「論理的に思考するタイプ」が高くなっているようです。(女性では、世代別の変化は、あまり見られません。上述の通り、年齢や社会的なポジションに伴って性格が変わっていくのか、特定の世代に限って「論理的に思考するタイプ」がそもそも多いのかについても、興味深いポイントです。個性や性格の半分は遺伝で決まり、残りの半分はその他の要因によって決まると言われています。そのため加齢による性格の変化はそこまでないはずですが、男性で30−40代が「論理的に思考するタイプ」が多く、50代をすぎると「情緒的、感覚的に思考するタイプ」が増えていくという傾向を見ると、年齢とともに性格が変化しているとも感じられます。今後も継続的に結果を分析することで、年齢による変化なのか、特定の世代による傾向なのかを明らかにしていきたいと思います。

<女性差別を禁止する法律と条約>
*3-1:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/josi/index.html (外務省) 女子差別撤廃条約
 女子差別撤廃条約は、男女の完全な平等の達成に貢献することを目的として、女子に対するあらゆる差別を撤廃することを基本理念としています。具体的には、「女子に対する差別」を定義し、締約国に対し、政治的及び公的活動、並びに経済的及び社会的活動における差別の撤廃のために適当な措置をとることを求めています。本条約は、1979年の第34回国連総会において採択され、1981年に発効しました。日本は1985年に締結しました。(以下略)

*3-2:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/danjokintou/index.html (厚労省) 
男女雇用機会均等法

*3-3:http://www.gender.go.jp/about_danjo/law/index.html#law_brilliant_women (内閣府男女共同参画局)
男女共同参画社会基本法
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)
政治分野における男女共同参画の推進に関する法律

<女性の当選者>
PS(2019/7/23追加):滋賀県選挙区は1人区だが、脱原発を掲げる前滋賀県知事の嘉田由紀子さんが無所属で初当選された。無所属で立候補すると費用が自分持ちで大変なのだが、よく頑張られたと思う。

*4:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190722-00010002-bbcbiwakov-l25 (BBCびわ湖放送 2019/7/22) 参院選 嘉田氏当選/滋賀
 参議院議員選挙は、21日投票が行われました。即日開票の結果、滋賀県選挙区は無所属新人で、前の滋賀県知事の嘉田由紀子さんが初めての当選を果たしました。初当選を果たした嘉田さんは「この滋賀から草の根の声をあげる転換点にしたい」と意気込みを語りました。参議院選挙滋賀県選挙区の開票結果は、嘉田由紀子さんが、29万1072票自民党現職で再選を目指した二之湯武史さんが27万7165票NHKから国民を守る党の新人服部修さんは、2万1358票でした。なお、投票率は51.96%で、3年前の前回を4.56ポイント下回りました。

<多様性、正常と異常の境界など>
PS(2019/7/24追加):*5に「①生産年齢人口(15~64歳)の減少が進む日本では、女性・高齢者(65歳~)・外国人など働き手の多様化が必要」「②企業が収益・生産性を高めるためには、多様性が重要」「③多様な人材を活用するためには日本的な雇用慣行の見直しが不可欠」と書かれている。
 このうち、②③はそのとおりだが、①は、生産年齢人口を15~64歳としているのが実態に合わないので18~70又は75歳にすべきで、そうすると年金など社会保障の支え手が増えると同時に、健康寿命を伸ばすこともできる。さらに、(若年男性の雇用だけを優遇するのはもともと憲法違反だが)“生産年齢人口”が減って人手不足であり、技術革新や新産業も起こっているため、高齢者・女性・外国人の雇用が若年男性の雇用を抑制することはない。むしろ、人材の多様性により、同質ではない人材の相互作用により、新製品が作られたり、新しい販路が開けたり、生産性が上がったりする。ただし、人材が多様化した時に報酬や賃金の公平性を保つためには、年功ではなく実績に基づいた個人に対する公正な評価が必要なのである。
 なお、多様性と言えば「障害者」「LGBT」と書く記事が多いが、障害者やLGBTの人にも人権があって生きる喜びや働く喜びを享受したいのは当然であるものの、それらは多様性とは異なり異常の範疇に入る。さらに、現在、*6のように、「知的な遅れ」がないのに、たった3歳で「発達の遅れ」を指摘するような「同一主義」が横行するのは「ゆとり教育」による基礎教育不足のせいだろうか? そういう学級にいれば、正常な人は意味もなくざわつくのはうるさいと感じるだろうから、「発達障害」などとする過剰診断で、1人の人生が無限の夢あるものから支えられるだけのものになるのは痛ましく、もったいないことである。このように、“生産年齢人口”に統計学等の基礎教育が足りないのは、ますます“高齢者”の重要性を増加させるのである。

  

(図の説明:左図の人口ピラミッドを見ればわかるように、生産年齢人口が著しく減っているため女性が就職活動しても人手不足でいられ、これからは、“高齢者”や外国人も重要な労働力になるだろう。また、右図のように、“高齢就業者数”は増えているが、女性・高齢者・外国人の労働条件はいまだに悪いと言わざるを得ない)

*5:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47657400T20C19A7MM0000/?nf=1 (日経新聞 2019/7/23) 生産性向上、働き手の多様化が必要 経済財政白書
 茂木敏充経済財政・再生相は23日の閣議に2019年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を提出した。少子高齢化と人口減少が進む日本で企業が収益や生産性を高めるためには、働き手の多様化を進める必要があると分析。多様な人材を活用していくために、年功的な人事や長時間労働など「日本的な雇用慣行の見直し」が欠かせないと強調した。白書は内閣府が日本経済の現状を毎年分析するもので、今後の政策立案の指針の一つとなる。今回の副題は「『令和』新時代の日本経済」。生産性の向上を通じて、潜在成長率を高める必要性を訴えた。白書によると、日本の生産年齢人口(15~64歳)に対する高齢者人口(65歳~)の割合は43%で、世界の先進国平均より高い。2040年には64%まで増加することが見込まれている。政府は年齢や性別にかかわらず多様な人材を活用することで人手不足を緩和する働き方改革を進めてきた。高齢者の雇用拡大を巡っては、若者の処遇に影響を与えるとの懸念も根強いが、白書が上場企業の実際の状況を分析したところ、高齢者雇用の増加が若年層の賃金や雇用を抑制する関係性は見られなかったという。外国人労働者に関しても日本人雇用者との関係は補完関係にあるとの見解を示した。人材の多様性は生産性の向上につながることも分かった。企業における人材の多様性と収益・生産性の関係を検証したところ、男性と女性が平等に活躍している企業ほど収益率が向上している傾向が明らかになった。人材の多様性が高まった企業の生産性は、年率1.3%程度高まるとの分析を示した。内閣府による企業の意識調査によると、多様な人材が働く職場では、柔軟に働ける制度や、仕事の範囲・評価制度の明確化が求められている。「同質性と年功を基準とする人事制度では、個人の状況に応じた適切な評価ができない」として、日本型の雇用慣行の見直しを迫った。今年の白書では日本企業の国際展開が雇用に与える影響も分析した。グローバル化が進んでいる企業ほど、生産性や雇用者数、賃金の水準が平均的に高かった。実証分析の結果をみると、輸出の開始だけでなく、海外企業との共同研究や人材交流にも生産性が上がる効果が認められた。足元の日本経済については「緩やかな回復が続いている」との判断を示す一方、中国経済の減速などで「生産の減少や投資の一部先送りもみられる」とした。生産性の向上を賃金の上昇や個人消費の活性化につなげることが「デフレ脱却にも資する」と指摘した。

*6:https://www.nishinippon.co.jp/item/n/529530/ (西日本新聞 2019/7/24) 発達障害 学ぶ場は 「通級教室」希望でも入れず 需要急増、教員が不足…
 「通級指導教室を希望したが、かなわなかった。もっと数を増やせないのでしょうか」。発達障害があるという中学3年の男子生徒(14)から、特命取材班に訴えが届いた。調べてみると、通常学級に在籍しながら特別な指導を受けられる通級指導教室の需要は急激に伸びており、各自治体が運営に苦慮している実態が浮かび上がった。福岡県に住む生徒は、3歳で「発達の遅れ」を指摘された。知的な遅れはなく、小学校は通常学級で過ごした。中学入学後、問題が生じ始めた。通常学級に在籍したが、聴覚、視覚過敏が現れ、教室のざわつきに耐えられず、同級生とのコミュニケーションも難しくなった。昨年10月に「自閉スペクトラム症」との診断を受けた。今年2月、「コミュニケーションの方法を学びたい」として通級指導教室への入級を学校に申し出た。これに対し、特別支援教育の必要性を判定する「教育支援委員会」は9、11月の年2回しか開かれず、次回9月の委員会までは「難しい」と説明された。そもそも学校に通級指導教室がなかった。今春、通級教室が新設されたものの、既に定員は満杯。「落ち着ける場所をつくる」「苦しい時は教室を抜けることを認める」などの個別支援計画に沿って、スクールカウンセラーや補助教員がサポートすることで落ち着いた。生徒は「中学生になって急に苦しいことが増えた。状況に応じて柔軟に対応してほしい」。校長は「通級指導教室にいるのとほぼ同じ支援をしている」とする半面、「特別支援を希望する生徒は多いのに専門教員が足りず、希望に応じきれていない」と打ち明ける。
      ■
 通級指導教室は、自閉症や情緒障害、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などが対象。文部科学省によると、2017年度、通級指導を受けている児童生徒は全国で10万8946人と10年前の2・4倍。特に、発達障害の子どもが急増している。教室がある学校は5283校で全体の17・7%。福岡県は18年度は156校(271クラス)と10年で2・5倍に増えたが、全体の14・7%にとどまる。福岡市は16年度に通級の対象となったのに入れなかった児童生徒が113人と最多になったことから、設置を急ぎ、17年度以降、待機者はゼロという。北九州市も希望者が毎年200人前後に上るため、08年度に通級の対象期間を上限3年と決め、12年度以降は待機者ゼロになった。一方、特命取材班に訴えを寄せた男子生徒が住む町は本年度、待機者が12人。町教育委員会は「県に専門教員の配置は申請している。配置されるまでは現場に頑張ってもらうしかない」。福岡教育大の中山健教授(特別支援教育学)は「希望者の増加は、障害への理解が進み、保護者や本人が特別支援を望むようになったことが背景の一つにある。通常か通級かという『教育の場』だけではなく、本人、保護者、学校がよく話し合い、安心して学べる環境をつくることが大切だ」としている。

<投票率と投票の中身>
PS(2019年7月25日追加):*7-1、*7-2のように、選挙前に「参院選の投票に必ず行く」と答えた人は55.5%いたが、実際の投票率は48.8%だった。中でも10代・20代の若年層は、「必ず行く」と答えた人も男女ともに3割と低調であり、実際の10代の投票率は31%(性別:男性30.02%、女性32.75%、年齢別:18歳34.68%、19歳28.05%)で全世代より17%低かったそうだ。今回の争点は、幼児教育・保育の無償化、全世代型社会保障、年金、消費税、憲法、原発などだったため、「興味がない」「高校・大学が試験期間で選挙前に主権者教育できなかった」等は、普段から意識が低いということであって弁解の余地がない。ただ、親元を離れて進学した若者は、通常は住民票を移していないため投票できないので、国政選挙はどこででも投票できるようにして、学食付近に期日前投票所を設ければよいと考える(インターネット投票は、本人確認・重投票の防止・投票の秘密保持が不確実なため、私は賛成しない)。
 しかし、選挙権は権利であって義務でないため、興味のない人が棄権するのは自由である。さらに、普段から政治に関心を持って情報を集めていない人が適当に投票すると、選挙結果を歪める弊害もある。そのため、メディアは、殺人・放火・吉本興業事件や安っぽいなまぬる番組に大量の時間を使うのではなく、普段から正確に分析した政治情報を報道しておく必要があるのだ。


  2019.6.9赤旗  2019.7.24東京新聞 2019.7.17朝日新聞  2019.7.24朝日新聞

(図の説明:選挙の争点をわかりやすく纏めた新聞もいくつかあったが、左の赤旗もわかりやすい。年代別投票率は、中央の2つの図のように、若い世代で低く、他人任せだ。右図は、投票しない理由だそうである)

*7-1:https://www.sankei.com/politics/news/190716/plt1907160044-n1.html (産経新聞 2019.7.16) 【産経・FNN合同世論調査】参院選投票「必ず行く」55% 若年層は3割、投票率低い懸念
 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が14、15両日に実施した合同世論調査で、21日投開票の参院選の投票に行くか尋ねたところ「必ず行く」が55・5%に上った。ただし10・20代の若年層は男女ともに3割と低調だった。今年は統一地方選と参院選が12年に一度重なる「亥年選挙」で有権者らの「選挙疲れ」による投票率の低下が懸念されており、前回の平成28年参院選(54・70%)を上回るかが焦点となる。調査によると、投票に「たぶん行かない」は7・9%、「行かない」は4・8%にとどまった。これに対し「できれば行く」は20・1%、「期日前投票を済ませた」は10・2%で、投票に前向きな回答が否定的な回答を大きく上回った。性別・年代別では、高齢層ほど「必ず行く」が多くなり、「60代以上」の男性は73・3%、女性では61・3%を占めた。50代の男性は64・4%、女性では51・5%、40代の男性は56・8%、女性で53・6%といずれも過半数に達した。一方、10・20代の男性は36・5%、女性は37・3%で、それぞれ「60代以上」の約5~6割にとどまる。若年層のうち、20代の投票率低迷は顕著だ。総務省によると、全体の投票率が過去最低の44・52%を記録した7年参院選では20代が前回比8・2ポイント減の25・15%に急落した。その後は30%台で推移している。一方、有権者が投票しやすい環境に向けて増えているのが期日前投票所だ。世論調査で「期日前投票を済ませた」との回答について、男性は「60代以上」が最も多く13・1%、50代が9・7%。女性は30代が最多の15・3%に上り、「60代以上」の14・2%、40代の10・6%が続いた。総務省が発表した14日現在の期日前投票者数は630万9589人で有権者の5・92%に相当し、選挙期間が1日長かった前回の水準に迫っている。与野党は選挙戦の最終盤まで勝敗を左右する若年層や無党派層などの動向に気をもむことになりそうだ。

*7-2:https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201907/CK2019072402000138.html (西日本新聞 2019年7月24日) 参院選、10代 投票率31% 全世代より17ポイント低く
 総務省は二十三日、参院選(選挙区)の十八歳と十九歳の投票率(速報値)は31・33%だったと発表した。全年代平均の投票率48・80%(確定値)より17・47ポイント低い。大型国政選挙で選挙権年齢が初めて十八歳に引き下げられた前回二〇一六年参院選に比べ、速報値で14・12ポイント、全数調査による確定値からは15・45ポイント下がった。政治参加を促す主権者教育の在り方が課題になりそうだ。速報値は抽出調査で算出した。男性が30・02%、女性が32・75%。年齢別では、十八歳は34・68%で、十九歳は28・05%と三割を下回った。同省選挙課によると、今回は確定値を出すための全数調査は行わない。大型国政選の十八、十九歳投票率は、一六年参院選が速報値45・45%、確定値46・78%。一七年衆院選は速報値41・51%、確定値40・49%で、下落傾向が続いている。若者の投票率向上のため高校で出前授業を行ってきた「お笑いジャーナリスト」のたかまつななさんは、十代の投票率低下について「多くの高校や大学が試験期間だったことで、選挙前に主権者教育の機会を設けづらかったのではないか」と分析。「投票率が高ければ『この世代を無視すると危ないよ』というプレッシャーを政治側に与えられるのに」と悔しがった。若者の投票行動に詳しい埼玉大学の松本正生(まさお)教授(政治学)は「主権者教育だけでなく、若者が投票しやすいよう選挙制度も問い直すべき事態だ」と指摘。その上で「年長世代が『十代は投票に行かない』と一方的に批判できない」と、有権者全体の五割超が投票しない状況に危機感を示した。

<空港の設計とアクセス←女性の視点から>
PS(2019/7/26追加):*8のように、北海道で2020年に7空港が民営化され、空港ビルの建設・路線の増加・国際ハブ(拠点)空港化・道の駅機能の追加が考えられているそうだ。福岡空港は2019年4月2日に民営化され、観光客誘致のためのバス網を充実したり、ターミナルビルの商業機能を強化したりしたが、頻繁に往来する私から見ると、①空港の水道の出が悪くて不潔 ②電車と離発着窓口の距離がものすごく長くなり、重たい荷物を持っての移動が苦痛 ③航空機を利用しない人も土産物店に並んでおり、土産を買うのに時間がかかるようになった ④レストランも混んで入れなかった など、利用者の目線で改善してもらいたい点が多い。
 国交省は、羽田に行く交通機関の乗り継ぎを見ても、未だに「航空機は観光で使うもので、乗り換え距離が長ければ途中の店で買い物をする」などと思っているようだが、用があって頻繁に航空機を利用する人が荷物の多い時に買い物をすることはないため、アクセスや空港利用者の便利を第一に考え直すべきである。そして、今から整備する北海道は、このような不便を航空機の利用者に与えない設計にすることこそ、最善の空港利用者増加方法だと考える。

*8:https://www.hokkaido-np.co.jp/article/328927 (北海道新聞 2019/7/26) HKK連合、地方空港も重視 計画概要判明 稚内、ビル建て替え 釧路はアジア便誘致 新千歳新ビル470億円
 2020年度の道内7空港民営化で運営事業者に内定した、北海道空港(HKK、札幌)中心の企業連合による投資計画などの概要が25日、判明した。中核の新千歳では新空港ビル建設を計画。稚内で空港ビルの建て替え計画を盛り込むなど、新千歳以外の6空港にも積極投資する方針だ。新千歳には運営委託期間最終年度の49年度までに2900億円を投資する。現在は、国内、国際線それぞれ専用のビルがあり、国際線ビルは拡張工事中。新ビルは、両ビルを維持したまま、両ビルの南側に整備する。国内、国際線共用で30年ごろの開業を目指す。建設費は約470億円。多様な路線を展開できる態勢を整え、国際ハブ(拠点)空港としての位置付けを強める狙いとみられる。新千歳以外の6空港への投資額は、49年度までに約1300億円。稚内は空港ビルを全面建て替えし、商業施設と観光拠点を兼ねる「道の駅」のような機能を持たせる。台湾など国際チャーター便誘致も進める。

<「伝統」「言語」による女性蔑視を守るべきか?>
PS(2019年7月26日追加):私がPrice Warterhouse(当時、青山監査法人)東京事務所に勤めていた1982年、アメリカ南部の同事務所に勤務していた黒人の女性シニア・マネージャーが、「女性差別を含む不公正な評価によって、パートナーになれなかった」として提訴し、最高裁まで闘って1988年にPrice Warterhouseに勝った。私は、その女性が膨大な時間と労力を使って闘ったことに感謝するとともに、敗訴した途端に世界で使う自社出版物で「chairman」を「chairman/woman」に変更するなど、男性でなければならないと誤解させるような女性差別を含む言葉をすべて書き換えて世界に影響を与えたPrice Warterhouseにも敬意を表する。日本では、今でも「日本語だから」「伝統だから」などとして、女性に過度の尊敬語・謙譲語・謙遜・やさしさを要求し、「姦しい(かしましい)」「女々しい」「嫉妬」「姦計」「奸策」「雌伏」など悪い意味を表す言葉に「女性」を意味する漢字を多用しているのと対照的だ。
 そのため、私は、*9の「chairperson」は女性ではなくジェンダーニュートラルだと思うし、自分には「Ms.」を使うが、日本人の中には「Ms.」を使ったり、旧姓を通称使用していたりすると、「離婚したのでは?」とか「夫婦仲が悪いのでは?」などといらぬ詮索をする人がいて呆れることが多い。日本も、女性蔑視や女性差別を含む言葉を、「日本語だ」「伝統だ」として合理化するのをやめるべき時代にとっくの昔に入っているのに、である。

*9:https://digital.asahi.com/articles/ASM7T4RP5M7TUHBI01V.html?iref=comtop_8_06 (朝日新聞 2019年7月26日)「ze」を知ってますか?性別表す用語、進む言い換え
 「マンホール」の「マン」は男性を指す言葉だから、性別と関係のない「メンテナンスホール」に改める――。そんな風に、市の用語を性別にとらわれない言葉に言い換えようという条例が、アメリカ西海岸のカリフォルニア州バークリー市で提案され、話題を呼んでいます。同州では男女の平等をめぐる議論にとどまらず、性的少数者の権利を尊重する観点からも、男女の性にとらわれない「ノンバイナリー」が選択できるようになっていて、そうした意識の高まりが条例の背景にあるそうです。でも記者(32)が大学で英語を学んでいた頃から、すでに「ポリスマンは古い英語だから、ポリスオフィサーと言うように」と教わったような記憶も……。こういった言葉の言い換えは、いつから始まったのでしょうか? ゆくゆくは英語は全然違った形になるかも? 「manの語法」という論文も書いている関西学院大学の神崎高明・名誉教授(英語学)に話を聞きました。
●ハリケーンの名前も男女交互に
□ 中性的な言葉に言い換える取り組みは、いつごろ始まったのでしょうか。
 中性的なことを「ジェンダーニュートラル」と言いますが、この動きは欧米で1970年代初頭から始まったと考えられています。1960年代末から女性の権利や束縛からの解放を求めた女性解放運動「ウーマン・リブ」が活発化しました。その流れで、言語学者たちが、英語にある女性差別的・男性中心的な言葉を指摘し、言葉の整理を始めたのです。このころ、アメリカでは企業や自治体など、いろんな組織がマニュアルとして「言い換え集」を作りました。言葉の性差別の問題が非常に注目を集めたのです。
□ 例えばどんな言葉でしょうか。
 「fireman」→「firefighter」(消防士)、「chairman」→「chairperson」(議長)、「policeman」→「police officer」(警察官)などです。女性の社会進出で男女が同じ職業に就くようになり、新しい表現が必要だということになったんですね。また、アメリカではハリケーン(台風)に名前をつけるのですが、女性名をつけるのが通例でした。ところが1979年以降、男女交互につけるように変わりました。例えですが、「アンドリュー」とつけたら、次は「カトリーナ」のような具合です。
●「chairperson」は女性?
□ ジェンダーニュートラルな言葉が定着していった背景は?
 1980年代後半になると、今度は「ポリティカル・コレクトネス」という人種や性別、障害の有無などによる偏見や差別を含まない言葉や表現を使おうという動きが、アメリカの大学を中心に広まりました。1990年以降、これが世界にも広まり、性差を含まない言葉が好まれるようになっていきました。このころにはポリティカル・コレクトネスの考え方を踏まえた辞書が欧米でいくつも出版されました。アメリカでの「police officer」の使用率を調べた大阪国際大学の畠山利一・名誉教授の調査があるんですが、それによると、1970年代は20%、1980年代で50%、2000年に入って80%です。だいぶ定着していると言えるでしょう。でも、全ての言葉が定着していったわけではありません。バークリー市の言葉の言い換え案の中に含まれている「manhole(マンホール)」だって、辞書には「personhole(パーソンホール)」などの言い換えが載っていますが、定着していません。
□ 新たな言葉が生まれるのと、その言葉が定着して広く使われるのとは別の話だと。
 そうなんです。しかも、広く使われてくると、別の問題も生まれてきます。例えば「chairperson」はかなり定着してきていますが、男性議長にはいまだに「chairman」を使い、「chairperson」は暗に女性議長を指す人もいます。形が変わっても、これでは差別は変わりません。同じようなものに、女性の呼称「Ms.(ミズ)」があります。男性は結婚の有無にかかわらず「Mr.(ミスター)」なのに、女性は未婚だと「Miss(ミス)」、既婚者だと「Mrs.(ミセス)」と呼ぶのは不公平ということで「Ms.」が生まれました。でも、裏の意味で「Ms.」を離婚した人やフェミニストに対して使う人もいるのです。いろんな言葉の言い換え案ができても、定着するもの、しないもの、別の意味合いで使われてしまうものがあります。今回のバークリー市のように、すでに定着しつつある言葉も含めて、市が公に使っていくことは、定着に向けた一つの取り組みとして意義のあることだと思います。
●「his」はもう古い?
□ ジェンダーニュートラルが進むと、「he」「she」のように性別で代名詞が変わる英語は、大きく変わることになるのでは?
 「he」「she」が将来的になくなる可能性もありますよ。例えば、「Everyone loves his mother」という文章。「everyone」は単数形なので、「his」を使うのが正解でした。でも今は、「Everyone loves their mother」のように、男女を問わない「their」を使うことが広まっています。ちょっと前までは、「they」や「their」は複数形なので文法的には間違いとされましたが、現在はどちらでも正解。むしろ最近の文法書では「hisは古い用法」と注が付いているものもあります。さらに、欧米では「he」「she」に変わって、中性的な代名詞として新しく「ze(ズィー)」という語を使う大学生も出てきています。学者の中には抵抗感を示す人もいますが、言葉は大衆が使うもの。時代が変化すれば、大衆が変化し、言葉が変化するのも当然のことです。これからどの国の言葉もますます中立的な単語や表現になっていくことが予想されます。

| 男女平等::2019.3~ | 03:21 PM | comments (x) | trackback (x) |
2019.3.25 日本における女性差別の実態とその原因について (2019年3月26、27日追加)
   
2018.12.18朝日新聞     日本における女性管理職の推移    2019.3.8琉球新報

(図の説明:左図のように、日本の2017年ジェンダーギャップ指数は、総合でも110位で先進国中最低だ。また、中央の図のように、女性管理職割合の推移も低迷している。そして、右図のように、沖縄の小学校教諭は70%が女性であるのに、管理職になると女性は22%しかおらず、中学・高校では、さらに低くなっているそうだ)

(1)日本における女性差別の実態
 日本国憲法は、*1のように、「第13条:すべて国民は個人として尊重される」「第14条:すべて国民は法の下に平等であつて、人種・信条・性別・社会的身分・門地により、政治的、経済的又は社会的関係において差別されない」等を定めており、この憲法で新しく定められた内容だけが太平洋戦争のプラスの遺産だったと、私は考える。

 しかし、「女性が平等に個人として尊重され、基本的人権を有すると認められているか」については、*2のジェンダーギャップ指数を見れば、日本は戦後70年以上経過しても149か国中の110位であり、G7では最下位で、達成に程遠い。特に、経済分野の117位、政治分野の125位が低く、教育分野は初等・中等教育では1位で男女平等と評価されているものの、大学等の高等教育では103位となり、多くの女性が高度な仕事や意思決定の場で、未だに閉ざされている状況が現れている。

 また、*5-3のように、2018年に明るみに出た大学医学部入試における女性差別は、教育段階から女性が高度な仕事に就くことを妨げている一例であり、あるべき姿から程遠いが、これは大学だけでなく、高校以下の教育や(社会の価値観を反映した)家庭教育にも原因がある。

(2)高校教育における女性差別
1)男女共学高校での女性差別の刷り込み
 私自身は、東京大学を卒業するまで機会の与えられ方について女性差別を感じたことは全くなかったが、*5-1のように、東京医大だけでなく都立高校入試でも、男女別募集定員によって女子学生は男子合格者より高い点数を取っても不合格になっているそうだ。
 
 そして、「男女別募集定員の緩和措置すら必要でない」と答える中学校長が2割おり、その理由を「①東京都には私立女子高が多く、教育の支えの一つだが、男女別定員制の緩和の結果、私立の女子高から生徒を奪う」「②成績上位には女子の方が多いので、全てを男女合同定員制として合否を判定すると男女比が大きく女子に偏り、学校施設等に影響が出る」「③結果的に男子生徒の進学先が決まらない」などとしており、「他を配慮するために、女子生徒を犠牲にするのは、何でもないことだ」とする呆れた考え方を持っている。

 だが、公立学校が性別を理由に女子生徒から教育機会を奪うと、*1のように、日本国憲法「第99条:公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」という規定に違反し、「第17条:何人も、公務員の不法行為により損害を受けたときは、法律の定めるところにより国又は公共団体に賠償を求めることができる」という規定によって、損害を受けた女子生徒は損害賠償請求することができる。そして、これが、戦後、公立で男女共学が進んだ理由である。

 しかし、*5-2のように、福岡県立高校の入学式では、前列に男子、後列に女子が並ばされたそうだ。私が卒業した佐賀県立唐津東高校は、男女別でも左右に分かれて並ぶため並び方では女性蔑視は感じられなかったが、名簿は男子が先、卒業アルバムも男子の写真が先に掲載されており、確かに「男子が主で重要」「男子の方が上」というような刷り込みをしている。

 このような中、教育で大切なのは教員や保護者の意識である。その理由は、私は実力テストでは殆ど学年1番、(文系科目も90点代後半だったが)理数系科目はだいたい満点で、それに関して「男子がやる気をなくす」「女子は、今はできても先では伸びない」「ガリ勉」「カカア天下」などと聞こえよがしに言う人が少なからずいたからだ。これは、小学校時代から教員や友達の保護者まで含めて同じだったが、私はそういう“空気”を無視できたから道が開けたのである。

 従って、「ジェンダーチェック」は、先生だけでなく保護者や生徒にも必要で、小学校入学時に配布して保護者や生徒の意識からも女子への偏見や差別を徹底的になくすべきなのだ。

2)男女別学高校での男女差別の刷り込み
 *6-1に、「公立高校といえば共学のイメージですが、北関東には男女別学の公立高校がまだ残っている」「②数学・科学は男子の方が得点高く、読解力は女子が得点高いので、男女の違いを活かした教育ができるのが男女別学男女別学の強み」「③別学は勉強に集中しやすい環境と言える」「④男子任せや女子任せにせず、いろんなことに挑戦できる」「⑤別学は異性と出会うチャンスがない」などと書かれている。

 しかし、①は憲法違反で、②は平均が個人を表すわけではないので偏見による差別であり、まさにジェンダーの根源である。さらに、③⑤のように、多感な時期に異性から隔離されて育った人は、その後も異性に対して先入観を持ちがちで、職場ではジェンダーの温床となる。また、④は、男女一緒にいる中でもいろいろなことに挑戦できなければ、男女別になっていない社会ではさらに挑戦することができないので、男女共学の中で鍛えるべきなのである。

 私は関東に住んで、都立高校は特に優秀ではなく、私立は殆ど男女別学なのに驚くとともに呆れた。しかし、その周辺は公立高校も男女別学であり、これは憲法違反だと思った。しかし、*6-1に書かれているとおり、北関東に残っている男女別学は「旧制中学校・高等女学校を前身とする伝統ある高校だから」なのだそうだ。しかし、冗談いっちゃいけない。私が卒業した佐賀県立唐津東高校も、元は小笠原氏の志道館という藩校だった立派な伝統校だが、戦後に男女共学になった学校なのである。

3)男子校と女子高の教育理念の違い ← 生徒がよく歌う校歌で比較する
 そこで、旧制中学・高等女学校を前身とする伝統ある高校だとして、男女別学を譲らなかった埼玉県立浦和高校(*6-2-1、東大合格者数22人)と同浦和第一女子高校(*6-2-2、東大合格者数4人)の校歌で教育理念を比べると、以下のとおりだ。

 *6-2-1の男子校の方は、「①国家に望みある学生」「②広き宇内に雄飛せん」と生徒に国家への貢献や宇宙への雄飛を鼓舞している。しかし、*6-2-2の女子高の方は、「①三年の春秋を選ばれてすごす喜び」「②三年の青春を選ばれて誇る幸い」「③三年の教えを選ばれて受ける楽しさ」などと選ばれて入学してきたことのみを誇って卒業後の活躍を鼓舞しておらず、選ばれたレッテル付きの女性が、卒業後は家庭で子育てし、真心を込めて夫や家庭を支える良妻賢母を目指す「女子教育」を行っているのだ。

 一方、私が卒業した佐賀県立唐津東高校(*6-3、東大合格者数1人)の校歌は、下村湖人作で「天日かがやき・・光の学徒」「はてなく広ごる眞理の海を抜き手をきりつつ泳ぐ力の学徒」「平和と眞理に生命を享けた希望の学徒」「われらの理想は祖国の理想、祖国の理想は世界の理想、理想を見つめて日毎に進む」と、東大合格者数は浦女より少ないが崇高な理念を述べている。そして、これが、女性が男女共学校で教育を受ける最も大きな意味なのである。

(注)1つの指標として2019年3月の東大合格者数を比較すると、東京都立日比谷高校(男女共学)47名、埼玉県立浦和高校(男子校)22名、埼玉県立浦和女子高等学校(女子高)4名、東京にある私立中高一貫女子高のうち①桜蔭高等学校66名 ②女子学院高等学校33名 ③しらゆり学園高等学校7名、東京にある私立中高一貫男子高のうち④開成高校(男子校)187名 ⑤麻布高校(男子校)100名など、男女とは関係なく早くから計画的に勉強した方がよい成績を納めている。そのため、地方の学校は、これ以上のんびりしている場合ではなく、親の所得や教育観が子に悪い影響を与えないためには、子が行きたい大学に行けるシステムの構築が不可欠だ。

(3)女性差別は大学だけの問題ではないこと
       ← 「女性の教育」と「女子教育」の違い、メディアの表現
 女性差別は、高校・大学の入試だけでなく、メディアも含めた社会全体の問題である。その良い例は、*3-1・*3-3のように、女性が教育を受ける権利を訴えてノーベル平和賞を受賞したマララさんが、3月22日に来日して首相官邸を訪れ、安倍首相に「①G20で全ての国の指導者に女性の教育に投資するよう働きかけてほしい」「②女性も仕事ができるようにして欲しい」と語ったにもかかわらず、まず安倍首相が勘違いして「女子教育(良妻賢母養成型教育)」と表現し、その後、日本のメディアは、*3-2のように、一貫して「女子教育」と表現し続けて、マララさんが英オックスフォード大で学んでいることには殆どが触れなかったことだ。

 しかし、本当にすごいのは、パキスタン出身で女性が教育を受ける権利さえおぼつかないにもかかわらず、それを訴えて銃撃されたマララさんに、世界はノーベル平和賞を与え、英国は英オックスフォード大で学ぶ機会を与え、その人が日本の首相にG20での働きかけを頼みに来たことであり、マララさんが自分の理想を祖国や世界の理想にしようとしていることなのである。

(4)社会における女性差別
 学校を卒業して社会に出ると、*4-1のように、「小学校の先生は70%が女性なのに管理職はわずが22%」「中学・高校はさらに低い」というコンクリートの天井があり、その理由はいつも「長時間労働」と「女性の家事・育児負担」と説明される。そして、「女性への重圧が大きく、管理職を勧めるのも躊躇する」となる。しかし、自ら「家事育児を負担したいので、管理職にはならない」と希望する人以外は、何らかの形で乗り切って上に行きたいのだから、そうする機会を差別なく与えるべきであり、「平均」をもって管理職に登用しないのを差別と呼ぶのだ。

 また、*4-2に「性別役割分業の転換が急務」と書かれているが、これは教育段階でジェンダー教育が行われ、女性は家事育児が得意となるための、また男性は生計を支えるための、中等・高等教育を受ける例が多いため、ここから変えなければならないのである。

・・参考資料・・
<日本における男女平等の理想と現実>
*1:http://www.japaneselawtranslation.go.jp/law/detail_main?id=174 (日本国憲法抜粋) 第三章 国民の権利及び義務
第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
第十七条 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。
第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

*2:https://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2019/190117.html (2019年1月17日 日本弁護士連合会会長 菊地 裕太郎) 世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数に対する会長談話
 2018年12月19日、世界各国の男女平等の度合いを指数化した「ジェンダーギャップ指数」について、世界経済フォーラムから報告書が発表された。日本は149か国中110位であり、主要7か国(G7)中最下位である。ジェンダーギャップ指数は、女性の地位を、経済、政治、教育、健康の4分野で分析し、ランク付けをしているが、日本は、経済分野は117位、政治分野125位、教育分野65位、健康分野は41位である。前年と比較すると、教育分野がわずかに順位を上げただけで、その他の3分野についてはいずれも前年より後退している。経済分野においては、同種業務での賃金格差、専門的・技術職の男女比など5項目全てにおいて指数自体は改善されたにもかかわらず、順位は前年の114位から117位に後退している。これは、他国の男女格差の改善の度合いが我が国よりも進んでいるためと考えられ、経済分野における世界的な男女格差の解消に日本が追い付いていないことがうかがえる。また、政治分野が125位と上記4分野の中でも最も低い順位であったことは憂慮すべきことである。女性の政治参加は、あらゆる分野における女性の地位向上のための必須の条件というべきであり、国政の場においても地方政治の場においても、女性議員の増加を図るなど、女性の政治分野への進出が強く望まれる。教育分野については、識字率や初等・中等教育は1位で男女平等と評価されているものの、大学などの高等教育の就学率は103位と、他の項目と比して極端に低く、是正が求められる。昨年明らかとなった複数の大学医学部入試における女性差別は、この点からしてもあるべき姿に逆行しているといえる。以上から、当連合会は、日本政府に対し、職場における男女格差を解消し、女性の活躍を更に推進するために、働き方改革の取組にとどまらず、女性の政治参加や高等教育における男女格差の解消を重点課題とし、加えてこれらの課題実現に向け、速やかに具体的措置・施策を講じるよう強く求めるものである。

<女性教育と女子教育の違いとメディアの表現>
*3-1:https://digital.asahi.com/articles/DA3S13945827.html?iref=pc_ss_date (朝日新聞 2019年3月23日) 「女性の教育へ投資、呼びかけて」 マララさん、首相訪問
 女性教育の権利を訴えてノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさん(21)が22日、初めて来日した。首相官邸を訪れ、安倍晋三首相と会談。6月に大阪で主要20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれることから、「安倍首相と日本には全ての国の指導者に女性の教育に投資するよう働きかけてほしい」と語った。マララさんは首相と会談後、共同記者発表に臨み、世界中の学校に通えない女性のために「個人、企業、政府の支援が必要だ」と訴えた。首相は「マララさんが武装勢力からの脅迫に屈せず女性が教育を受ける権利を訴え続けたことは、世界中の人々に勇気を与えた」と話した。マララさんは23日、東京都内で開かれる政府主催の「第5回国際女性会議WAW!」で講演するため、来日した。

*3-2:https://www.jiji.com/jc/article?k=2019032200903&g=pol (時事ドットコム 2019年3月22日) 安倍首相、ノーベル平和賞マララさんと会談=女性活躍、G20で議題に
 安倍晋三首相は22日、初来日したノーベル平和賞受賞者マララ・ユスフザイさんと首相官邸で会談した。首相は「圧力や暴力に屈せず、女子教育の重要性を世界に訴えたマララさんに敬意を表したい」とたたえた。会談後、マララさんと共同記者発表に臨み、6月に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議で「女性が輝く社会の実現」を重要議題の一つに位置付ける考えを示した。女性教育活動家のマララさんは記者発表で「G20の議長国として、女子の教育について率先して各国リーダーに働き掛け、女子が将来の仕事に備えることを支援すべく新たな資金をコミットするよう奨励していただきたい」と語った。マララさんは23、24両日に東京都内で開催される「国際女性会議WAW!」に出席し、同会議で基調講演を行う。

*3-3:https://digital.asahi.com/articles/DA3S13947532.html (朝日新聞 2019年3月24日) マララさん「女子教育へ投資、未来作る」 国際女性会議で講演
 女性が教育を受ける権利を訴えてノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさん(21)が23日、東京都内で開かれた政府主催の第5回国際女性会議と主要20カ国・地域(G20)に政策提言を行う「Women 20(W20)」の合同セッションで講演した。マララさんは「今、女子教育に投資すれば、想像できないほどの未来を作ることができる」と訴え、各国に支援を求めた。マララさんはパキスタン出身。女性が教育を受ける権利を訴え、2012年10月にイスラム武装勢力に銃撃された。現在は英オックスフォード大に通う。講演で「過激派は教育の権利を訴えた私を攻撃した。でも失敗した」と主張。「私の声は大きくなっている。今、学校に行くことのできない1億3千万人の子どもを代表してここにいる」と語った。また、全ての女子が中等教育を受けられれば、30兆ドルの経済効果があるとの試算を紹介。「我々は行動を起こさなければいけない」と呼びかけた。安倍晋三首相は国際女性会議のあいさつで、日本政府として途上国での女子教育の支援を表明。「20年までの3年間で、少なくとも400万人に上る途上国の女性たちに質の高い教育、人材育成の機会を提供して参ります」と述べた。
■男女の労働参加、格差縮小へ提言
 W20は23日、今年6月に大阪で開かれるG20首脳会議を前に、安倍首相に女性に関する経済政策の提言を手渡した。企業のリーダーや研究者の女性たちでつくるW20はG20の公認グループで、2015年に発足した。経済発展には男女平等が不可欠として、政策を女性の視点で捉え直そうという取り組みだ。日本で初のW20開催となった今年は、「労働」「デジタル」「投資」など計7項目の提言をまとめた。重視したのは、労働参加率の男女格差の縮小。14年にG20が採択した「25年までに各国の労働参加率の男女間格差を25%減らす」という目標を達成するため、20年のG20で中間報告を行うことを求めた。企業や役所の管理職を30年までに男女同数にするとした国連による目標の達成に向けてG20が各国の進み具合を確認する仕組みも求めた。

<社会における女性差別>
*4-1:https://ryukyushimpo.jp/news/entry-885652.html (琉球新報 2019年3月8日) 小学校の先生70%が女性なのに、管理職はわずが22%  2018年度沖縄県内 中学・高校はさらに低く
 沖縄県内の小学校教諭は女性が70.2%を占めるにもかかわらず、教頭以上の管理職は女性が22.0%と低く、男女比率が逆転していることが2018年度学校基本調査から分かった。長時間労働が常態化する中で家事・育児まで負担する女性教諭は管理職に挑戦しにくく、数が伸び悩んでいると見られる。管理職経験者も「女性への重圧は大きく、管理職を勧めるのもちゅうちょする」と話す。女性管理職の割合は中学16.2%(女性教諭割合50.0%)、高校10.4%(同45.3%)とさらに低い。国が掲げる指導的地位にある女性の割合「2020年までに30%」は現実的に不可能だ。全国平均は県内よりさらに少なく、中学は県内より6.5ポイント低い9.7%、高校は1.6ポイント低い8.8%にとどまる。小学校は22.9%で県内より0.9ポイント高かった。1986年の男女雇用機会均等法の施行後、県内の女性管理職は小中学校は90年代前半、高校は半ばごろから増え始めた。小学校は2001~06年に3割を超えたが、その後減少に転じ、ここ数年は20%前半で横ばいだ。学校管理職は、年齢や教職経験などの条件を満たした教諭が試験を受けて昇任する。県教委は「試験は公平に行うため性別で区別していない」とし、女性比率の目標値は設定していない。19年度選考試験で小中高と特別支援学校を合わせた受験者は604人で、うち女性は104人と17.2%にすぎず、受験する人数自体が少ない。合格者は210人で女性は50人(23.8%)だった。多くの教員が長時間労働を強いられる中、現場からは「家事や育児もある女性が男性と同じように管理職を目指すのは難しい」との声が上がる。女性の退職教諭は「社会の変化は遅い。男性は家事・育児を引き取り、女性を解放して」と訴えた。

*4-2:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190322&ng=DGKKZO42704410Q9A320C1KE8000 (日経新聞 2019年3月22日) 働き方改革 今後の課題(上)雇用慣行見直し 抜本的に、性別役割分業の転換が急務 永瀬伸子・お茶の水女子大学教授 (1959年生まれ。東京大博士(経済学)。専門は労働経済学)
<ポイント>
○若年人口減で日本的雇用慣行の矛盾拡大
○女性の賃金底上げへ正社員比率上げ必要
○父親の帰宅なお遅く子育て参加は限定的
 2019年4月から働き方改革法のうち残業の上限規制が実施される(中小企業は20年4月から)。時間外の上限について「月45時間、年360時間」を原則とし、臨時的な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(同)が限度となる。また20年以降に施行される正規・非正規雇用労働者間の不合理な待遇差の禁止も重要だ。働き方改革は、日本経済にとって次の点から必要だ。第1に日本的雇用慣行のひずみが拡大している。企業側が長期雇用を保障し、年功的な賃金制度をとる代わりに、企業側に強い残業命令権や配転命令権が与えられる。景気が悪いときも解雇しないで済むようコア社員数を少なく採用する。このため景気が良くなると残業が発生しやすい。さらに長期雇用なので、その時々の仕事内容よりも、年功的な職能資格で賃金が決められてきた。しかし若年人口が少数となり、中高齢人口が多数を占めるような人口構造では、中年期に賃金が大きく上がる賃金制度の維持は難しくなっている。そのため企業は正社員採用を絞り、非正社員の採用を増やしていった。こうした中で、正社員の仕事負担が増えて長時間労働が恒常化する一方、非正社員の賃金は低く、若年男女の一部には貧困が拡大している。第2にグローバル競争の中で、どの先進国でも平均的な男性の年収は下落傾向にあるが、女性の稼得賃金の上昇が家計の豊かさに貢献している。しかし日本では男性が長時間労働をする一方で、女性は出産を機に離職し、その後は最低賃金近くで働く者がいまだ多い。女性の稼得能力を引き上げるには、長時間労働を当然とする働き方を改革したうえで、女性の正社員の就業継続の奨励や、非正社員と正社員の賃金格差を縮小させることが重要となる。第3に「長時間労働だが高賃金」もしくは「労働時間の自由度は高いが低賃金」という働き方の二分化は少子化を促進する。たとえ長時間働いても、男性が1人で家族を支える生涯賃金を得られる見通しを持ちにくくなった。また未婚男女に後者の働き方が広がっているが、金銭面からも、育児休業制度などの社会的保護が不十分なことからも、家族形成が困難だ。女性が稼得能力を持続しつつ子どもを持てる働き方と社会保障をつくり出すには、男性を含めた働き方の見直しが必要だ。つまりこれまでの日本的雇用慣行の大改革が必要だ。日本的雇用では、家族のケアは無職の妻が担うことが暗黙の前提とされてきた。給料に配偶者手当を上乗せする企業が多いことも、サラリーマンの被扶養配偶者を保護する社会保険での第3号被保険者制度も、こうした背景から維持されてきたのだろう。男女雇用機会均等法が施行されて30年になるが、これまでは働き方改革を伴っていなかった。このため女性にとって相対的に高賃金を得られる未婚期を延ばすインセンティブ(誘因)にしかならず、家族形成を機に「長時間労働が前提で高賃金」な仕事を離職する者が多数だった。総務省「労働力調査」によれば、17年の35~39歳層の女性正社員比率は35%程度にとどまり、有配偶に限定すれば29%で、40歳代も同程度だ。07年の35~39歳層の29%、有配偶の21%からは上昇しているが、中年期の女性正社員割合は3割程度にとどまる。また女性正社員の平均年収は300万円を超えるが、パートは100万円台、契約社員・嘱託社員でも200万円前後だ(労働力調査から所得階級の中位数を使って金額を推計)。女性の賃金の底上げには、正社員比率を上げるか、非正社員の立場でも経験とともに賃金が上がるような働き方をつくり出すしかない。ここまでの働き方改革は成功しているのだろうか。正社員女性の出産離職が大卒中心に減っているほか、女性正社員だけでなく男性正社員の労働時間についても、特に子どものいる層を中心に安倍政権下で減少しており、一定の成功を収めたといえる。労働力調査によれば、労働時間は一貫して減少している(図参照)。育児休業取得が増え育児短時間勤務も法制化されるなど、特に幼い子どものいる女性正社員の労働時間は目立って減った。変化は比較的小さいが、男性正社員の労働時間も減っている。幼い子どもを持つ男性の労働時間はより大きく減っている。しかし事業所に対する調査である厚生労働省「賃金構造基本統計調査」でみた傾向は異なる。25~34歳男性の所定内労働時間と残業時間の合計は、世界金融危機後の09年に下落した後、緩やかな増加傾向にある(図参照)。図には示していないが、10~99人企業の月間所定内労働時間は1千人以上の企業よりも10時間ほど長い。一方、1千人以上企業は景気動向とともに残業時間が最も伸びる。景気が良いときに残業が増えるのは通常の景気循環の動きだ。ではなぜ両調査の傾向はかい離しているのか。労働力調査は月末1週間の労働時間を個人に尋ねたものだから個人の記憶による。一方、賃金構造基本統計調査は常用労働者10人以上の企業で賃金台帳に記録され、賃金が支払われた労働時間だ。労働力調査はサービス残業を含めた正社員の労働時間が減少傾向にあることを示す。賃金構造基本統計調査は、最近の景気回復による需要増で残業が増加傾向にあることを示すとみられる。全般に、個人対象の調査からは依然男性の労働時間が長い実態が見えてくる。16年の総務省「社会生活基本調査」によれば、小学校在学の10歳未満の子どものいる父親は、午後7時には半数、8時には37%、9時には25%がそれぞれ仕事をしている。専業主婦世帯と夫婦共働き世帯を比較すると、8時に父親が仕事をしている割合はそれぞれ43%と35%で、共働き世帯の父親はやや帰宅時間が早い。しかし夕食時間の6時をみると、どちらの世帯の父親も7割超が仕事をしている。一方、共働きの母親は、6時を過ぎると1割未満しか仕事をしておらず、子育てへの父親参加はまだ限定されている。賃金面では、一般雇用男性の40~44歳層の所定内賃金は07年からの10年で33万円ほど減ったが358万円だ。一方、同年齢の正社員女性の賃金は13万円ほど上昇したとはいえ262万円にとどまる。なお賃金構造基本統計調査から、月間労働時間が205時間(週40時間労働で4週働き、時間外上限の原則である月45時間を足した水準)を超える者の割合を計算すると、景気回復とともに上昇しており、20歳代~40歳代の男性正社員の2割弱、女性正社員では6%程度にのぼる。特に男性については今後も仕事の効率化など工夫が求められる。残業規制の強化により、疾病やメンタルヘルス悪化の緩和が期待される。しかし男性が家庭時間を持ち、女性が働きやすくなるにはまだ道は遠い。同時に正社員と非正社員の格差縮小も重要だ。日本企業の強みは人材育成にあったとされるが、非正社員は企業内の人材育成の仕組みから外れてしまっている。同一労働同一賃金ガイドラインでは、仕事の差と賃金差について納得できるものとするよう求めている。筆者は今後の日本経済を考えれば、納得性に加えて、人材育成に寄与するステップアップ可能な働き方とすることが重要だと考える。

<男女共学高校での女性蔑視の刷り込み>
*5-1:https://news.yahoo.co.jp/byline/sendayuki/20180803-00091738/ (Yahoo 2018/8/3) 東京医大だけではない。女子中学生も入試で不当に落とされているー都立高校の入試
●東京医大以外にも、女性枠はある。
 東京医大では、2011年以降、女性が入学者の3割を超えないように入試の点数を操作していたという。女子の受験生のペーパーテストの点数を一律に減点し、男子の小論文に加点していたというのだ。酷い話である。しかし、女性がテストで優秀な点をとっても入学が許可されないことは、大学入試だけではない。実は都立高校の入試もそうである。女子学生は男子の合格者よりも高い点数を取っていても、不合格になっているのである。その理由は、男女別募集定員の存在である。
●男女別募集定員の緩和措置すら必要でないと答える中学校長が2割
 男女別定員があることによって割を食っているのは、成績優秀者が多いほうの女子である。1998年から、この男女別に募集人員を定めている都立高校の「男女間の合格最低点における著しい格差を是正するため」、募集人員の1割だけは男女に関係なく、成績順に合否を決めることで、少しでもこの不平等を是正する制度を始めている。全定員のなかのたった1割だが、それでもこの制度すら不要だと考えているひとはいるようだ。アンケートに答えた中学校の校長53人のうち、約2割程度はこの是正措置すら不要だと考えているようだ(平成30年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書。以後、この報告書を紹介する)。
●男女別定員を緩和すべきではない理由
 それでは、中学校長が男女別定員を緩和すらすべきでないと考える理由はなんだろうか。
○ 男女別定員制の緩和により合格するのは、ほとんどが女子である。東京都には私立の女子高等学校が多く、東京都の教育の支えの一つであると考えるが、男女別定員制の緩和の制度により、結果的に女子を多く入学させることになり、私立の女子高等学校から学生を奪う形となってしまう難しさがある。
○ 成績の上位には女子の方が多い傾向がある。そのため、全てを男女合同定員制として合否を判定したとすると、今以上に男女比に大きな偏りが生じ学校施設等に影響が出ることが懸念される。
○ 実際に男女別定員制の緩和を行うと、多くの場合、女子の入学者数が増加する。私立高等学校でも女子の定員の方が多いため、結果的に男子生徒の進路先が決まらない状況が生まれてしまう。つまり、女子を入学させると、私立の女子校から生徒を奪ってしまう、男性生徒が進学できなくて困ってしまう、学校の施設に影響がでる、というのである。これに対して、現場の高校の校長は、また違った意見を持っている。
○ 男女間の学力差が縮まることで授業効率が良くなり、生徒の学力向上につながっている。
○ 男女別定員制の緩和により、総合成績が同じでも性別によって合否の結果が異なってしまうことに対する不公平感を緩和することができる。
○ 男女別定員制の緩和によって女子が多く入学し、男女の生徒数のバランスを欠く状況にある。体育の授業や学校行事を実施する際の不都合や、部活動等への影響が生じる場合がある。性別ではなく学力で選抜することにより、生徒の学力向上につながっていること、不公平感が緩和されることである。他方、体育の授業や学校行事、部活動等への影響が生じるという意見もある。私自身は高校のときに男子に較べて女子の比率は半分、大学に至っては男女比が9対1(それでも女子合格者が、1割を超えたとニュースになった)、その後の仕事も男性が圧倒的に多い人生を生きている。そこまで熱心に、男女同数に配慮してもらったという記憶もない。何よりも都立高校は、定員は男女同数ですらなく、どの学校も男子の定員のほうが多い(かろうじて数校が、男女同数だ)。男女枠の緩和をこれから導入する高校もあれば、廃止する高校も同じくらいある。
○ 男女別定員制の緩和については、男女間の合格最低点を是正する点で一定の成果があるため、現行どおり、真に必要と認められる高等学校に限定して実施する。「真に必要と認められる高等学校」がどのようなものかは分からない。しかし、公立の学校が性別を理由に、女子生徒から教育機会を奪っていいのだろうか。とくに親の子に対する進学期待は、いまだ男女で違いがある。女子の進学を妨げる方向で、定員を決めることの妥当性は、何だろうか。少なくとも私には、事前に告知してあること以外、東京医大との違いは見つけられない。

*5-2:https://digital.asahi.com/articles/DA3S13912705.html (朝日新聞 2019年2月28日) (サヨナラしたい8つの呪縛:2)「男が上」、学校の刷り込み
■Dear Girls
 「なんで女子が後ろなの?」。昨春、福岡県立高校から早稲田大学に進学した女性(19)は、高校の入学式でそう思った。前列に男子、後列に女子が並ばされた。担任の女性教諭に理由を尋ねたが、教室も男子、女子と分かれた名簿順に座っており、「前からこうなっている」と返された。卒業式でもこの構図は変わらなかった。女性は「女子は男子の陰に隠れていろということか、と思えた」と振り返る。
■「差別を再生産」
 学校の中に潜む性差別を指す「隠れたカリキュラム」の事例だ、と女子栄養大の橋本紀子名誉教授(教育学)は指摘する。「例えば校長の男女比をみると、圧倒的に男性が多く、いびつだ。『上に立つのは男性』といったメッセージを子どもに伝える。学校が差別の再生産装置になっている側面もある」。橋本名誉教授によると、日本では1985年に発効した国連の女子差別撤廃条約を受け、「男女平等教育」が注目され始めた。90年代には隠れたカリキュラムへの関心が高まり、性別に関する固定的な見方から解放された教育が提唱されるように。だが、02年ごろから「伝統文化を破壊する」などとしてバッシングが始まった。
■平等めざす試み
 ただ、遅れの中にも、男女平等をめざす取り組みは重ねられてきた。滋賀県は、性別による偏見や思い込みにとらわれず、進路選択や指導ができるようにと、20年前から小中高校向けに独自の教材を作り、全校に配っている。小学生向けの教材では、学校生活の中で起こりうる場面を想定し、かける言葉を考えたり、性別による決めつけがないかを振り返ったりするページがある。「調理クラブのメンバーに、男の子は1人だけ。その子に向かって『女子の中に男子が1人だな』と言った友だちに、あなたはどんな声をかけますか――」。指導の手引には、「先生のためのジェンダーチェック」の一覧表もある。「男子に対しては女子に比べると少々厳しく指導した方がよいと思う」「生徒会や応援団長は男子がなるべきだと思う」といった意見への賛否を書き込みながら、思い込みや偏見がないか見つめ直せる作りになっている。福岡県では今年度、県教委が県立高校に男女混合名簿の導入を促した。新年度には、95校中80校近くが取り入れる。その一つの県立須恵高校の教頭は「男子が前、女子が後ろの式典風景も変わるだろう」と言う。「これまで違和感を感じる生徒もいたはずで、その気持ちにも思いを巡らせた」
■偏見知り、進む学び
 ある高校を取材した時のこと。家事分担をめぐり険悪になっている、保育士とトラック運転手の夫婦に助言を――。課題に取り組む生徒たちに先生が「ちなみに夫が保育士、妻が運転手だよ」と伝えると、「マジか!」と声が上がった。思い込みに気づいた瞬間の輝くような表情が印象的だった。無意識の偏見に気づくことは様々な学びの基礎になる。ジェンダーは格好の材料だと思う。

*5-3:https://digital.asahi.com/articles/DA3S13918841.html (朝日新聞 2019年3月5日) (Dear Girls)下げられた女性のスタートライン 医学部生、差別体験
 入試面接で「出産したらどうやって育てていくのか」と聞かれた。女子は外科に興味がないだろうからと、手術を見学させてもらえなかった――。複数の医学部入試で女子受験生が不利な扱いを受けていた問題を受け、医学生の団体が行ったアンケートには、性別を理由に差別された体験が多く寄せられた。男女のスタートラインは、女性に対する「減点」や「女性だから」という決めつけによって、一直線ではなくなっている。不正入試問題の発覚から半年あまり。現役医学部生からも、変革を求める動きが活発になっている。全日本医学生自治会連合(医学連)は先月、全国の医学生を対象にしたアンケートの中間集計と提言をまとめた。不正入試問題の受け止めや、入試や大学で性差別を受けた体験を尋ねる内容で、昨年12月から今月末まで実施中。2月1日時点で2186人(男性57・5%、女性40・7%、性別無回答1・8%)が答えた。入試に関しては「医師という職業に就く権利は最大限尊重されるべきであり、医師の多様性は社会の要請するところだと考える」(男性、3年)などの回答があった。入試の面接で、結婚や出産などに関する質問を受けた人は14%。主に女性から「妊娠はあなたにとってメリットかデメリットか」(2年)といった質問を受けた経験談が寄せられた。入学後も「『女子は外科に興味が無いだろ』と言われ、手術見学の機会を与えられなかったことがあった」(5年)など、性別を理由に学ぶ機会を奪われたという声もあったという。不正入試の背景として、医師の過重労働の問題が指摘されていることに関しては、約7割が「将来の働き方を不安に思っている」と答えた。医学連は調査結果を踏まえ、大学や自治体、病院に対して、性別・年齢を理由にした不公正な扱いを禁止することや、医師の労働環境の改善、医師の多様性を確保することなどを求める提言をまとめた。一方、先月27日、東京・永田町では、医療系学生団体「入試差別をなくそう!学生緊急アピール」の集会が開かれた。あいさつに立った医学部3年の女子学生は「受験生の時から疑問だったことが、やっと公になった。行動し、社会で問題を共有したい」と訴えた。団体は、問題発覚後の文部科学省の対応は不十分だとし、完全な差別撤廃などを求めている。
■「生きにくそう」海外志望も
 「在学中に感じていた違和感は、気のせいではなかったんだ」。20代の女性医師は昨年、医学部の不正入試問題が発覚したとき、そう思ったという。文科省の調査で、出身大学でも男女の合格率に差があったことがわかった。在学中、複数の教授らがこう発言しているのを耳にした。「最近、女子学生が増えてきて大変なんだよね、『調整』が」。めざす医師像を語っても、担当教授に「今はそう言っていても、女医さんは家庭をもったら考えが変わっちゃうから」と返された。女性は「入試でも、入学後も、医師になってからも、女性というだけで結婚・出産とひもづけられ、マイナスとみなされる。世の中の半分の人の道を閉ざすような仕組みを、残していいはずがない」と憤る。「それでも」と、女性は付け加えた。「医師の仕事にはやりがいを感じているし、経済的にも自立できる。海外で学ぶ手だってある。医師になりたい女の子たちは、どうかあきらめないでほしい」。実際、海外で医学を学ぶ女子学生もいる。千葉県出身の吉田いづみさん(24)は、2013年にハンガリーへ渡った。現在、医大4年生。留学を考えている日本の女子高校生から相談が寄せられることもある。なかには「日本だと、女子の自分は医学部への入学が難しいのではないか」という声もあるという。海外の医大を志望する都立高校1年の女子生徒(16)も「日本の医学部だと、『女子はこの診療科』と言われることがあると聞く。生きにくそう」と話す。
■浪人・地方…受験前にも壁
 18年度の学校基本調査によると、医学科の入学志願者の男女比は6:4。差があるのは、女子がそもそも受験に至る前にあきらめてしまっている面もあるのではないか。都内で医師の夫と、3人の子を育てる消化器外科医で漫画家の「さーたり」さん(41)は、そう思う。周囲には、「女の子なんだから」に続く言葉があふれていた。「多浪は恥ずかしい」「薬学部も受けておいたら?」「体力ないよね」。こうした風潮が、「女性のスタートラインを下げることにつながってきた」と感じている。「機会の不平等は医学部入試に限らない」。ジェンダー論が専門の瀬地山角(かく)・東大教授はそう話す。英国の教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)の世界大学ランキング2019によると、米ハーバード大の男女比は52:48で、中国・北京大も52:48とほぼ半々だ。選抜の仕方の違いはあるが、東大の資料(18年)によると、女子は24・3%。学部生に限ると19・5%に落ち込む。同様の傾向は京大や阪大にもあり、THEによると、男女比はそれぞれ76:24、69:31だ。東大は女子学生を歓迎するというメッセージを強く打ち出すために、17年度から女子学生向け家賃補助制度を始めた。「研究や教育の更なる向上のため、多様な学生が活躍するよう支援したい」という。ただ、なかなか「成果」は出ない。学部生に占める女子の割合は09年も19・0%で、横ばいで推移する。瀬地山教授によると、東大の合格者と受験生の男女比はほぼ同じ。「理系に進む女子が少ないのは一因だが、それだけではない。受験というスタートラインにすら立てない女子がいる」と指摘する。北日本の国立大の女性教授は「地方に優秀な女子が残る傾向にある」と打ち明ける。「経済状況が悪くなると、なかなか東京に子どもを出せなくなる。息子と娘がいて『1人だけなら出せる』となると、息子を行かせる傾向がある」。東大の瀬地山教授は言う。「地方出身、浪人の二つの属性を持つ女子は、東大では極めて少なくなる。社会は、自分の能力の限界まで努力する自由が制限されるのは深刻な差別だと認識し、女子をディスカレッジ(やる気をそぐ)しないでほしい」

<男女別学の公立・私立高校>
*6-1:https://mikata.shingaku.mynavi.jp/article/22791/ (進路のミカタ 2016.6.23) 栃木はなぜ公立校の男女別学が多い?
 公立高校といえば共学のイメージですが、北関東には男女別学の公立高校がまだ残っています。埼玉県に16校、群馬県に17校、栃木県に11校の別学校があるそう(2015年次のデータ)。この3県の教育委員会が、いまだに別学を存続させているのは、なぜでしょうか?まず、男女別学・共学のメリットをそれぞれ整理してみましょう。この記事をまとめると
○別学のメリットがわかる
○共学以外に併学というシステムもある
○栃木県にはいまだに公立校の別学が残っている
●男女別学の特色
 男女別学の強みは、男女それぞれの違いに応じた指導を受けられること。別学は勉強に集中しやすい環境と言えるでしょう。2012年のPISA(生徒の学習到達度調査)を見ると、読解力・数学的リテラシー・科学的リテラシーすべての面において、男女の得点に差があるのです。数学的リテラシーと科学的リテラシーにおいては男子の方が得点高い一方、読解力においては女子の方が得点高いことが明らかに。やはり、男子は女子に比べて生まれつき脳の空間認知中枢が大きいけれど、言語中枢が小さいため言語能力の発達が遅いという特徴を表していますね。このように、男女の違いを活かした教育ができるのが、男女別学なのです。男女別学のメリットを挙げてみると……
・男女の違いに応じた教育ができる
・異性の目を気にすることなく伸び伸びとできる
・男子任せになったり女子任せにすることがないので、バランスよくいろんなことに挑戦できる
などがあります。
ただ、高校生といえば、学校で異性とおしゃべりするのも楽しみな年ごろではあります。実際に、別学の高校だと異性と出会うチャンスは、ほとんどありません。文化祭だけが他校の異性と交流できるチャンス!と思わず力が入ってしまう学生も多いのでは? もちろん出会いは共学に比べたら圧倒的に少ないですが、それでも異性がいない気楽さや、同性ならではの団結力は魅力の一つと言えるでしょう。
●共学の特色
 一方、共学の特色を挙げて見ると……
・男女問わず友だちがたくさんできる
・学園祭や運動会が盛り上がる
・恋愛のチャンスも多い
勉強面でも、男女が共に机を並べることで、刺激し合えることもあります。別学出身の人は、いまだに共学に憧れるという声は少なくありません。一方で、恋愛に夢中になり、学業や部活がおろそかになってしまうケースもあるようです。同級生だけでなく、先輩の男子と付き合うこともあるとか。そして、別学と共学のいいところをミックスしたのが、「併学」というスタイルです。東京や神奈川にある私立のある学校3校では、校舎やクラスなどは男女別々、行事やクラブ活動を男女合同で行うことで、学習面では男女それぞれの個性を伸ばしクラブ活動では互いに刺激し合うことができます。実際に、その私学の学校は3校とも、「文部両道」の私学として全国的にも知られています。
●北関東の公立高校には男女別学が多い?
 別学、共学そして併学の特色を挙げてみましたが、実際のところほとんどの公立高校は共学で、別学か共学かという選択肢がないのが現状です。ほとんどの公立高校が共学になったのは、こんな時代背景があります。戦後新たな民主主義教育が導入されたことで、公立中学校はすべて共学になり、公立高校も北関東から東北エリアの一部を除いてほとんどが共学に。そして1970年代には、別学校が多かった東北地方や中部地方でも、共学校への移行や共学校を新設する動きが多かったようです。これは、男女共学の高校を増やすことが目的でした。男女差別撤廃条約が批准された1980年代には、さらにこの動きが加速し、1989年3月には学習指導要領が改訂され、家庭科が1994年度から男女共修になっています。こうした時代の流れで、別学はどんどん減少していく一方。それにも関わらず、北関東の埼玉県・群馬県・栃木県の3県では、別学校の共学化が議論されたことはあっても、存続されているのです。なぜかというと、北関東に残っている男女別学は、もともとは旧制中学校・高等女学校を前身とする伝統ある高校だったこともあり、歴史を重んじるという意味でも、別学を残したかったのです。特に栃木県においては、県政世論調査によると、8割近くの生徒・保護者や6割の県民が共学校と別学校の共存を望んでいることがわかります。栃木県民が、男女別学に関心があることは、ツイッターでも明らかになりました。2015年地元の新聞(下野新聞)ホームページ「SOON」のツイッターで、編集部が「全国でも屈指の『別学県』である栃木県。時代の流れか、それとも『伝統』か」と意見を求めたところ、これまでにない盛り上がりを見せ、「維持」60%、「原則禁止」26%、「分からない・その他」14%という結果になっています。栃木県民は、男女別学への想いが人一倍あることが、一目瞭然と言えるでしょう。北関東に別学が残っていたのは、偶然ではなく、きちんと意味があるのですね。地域の歴史を勉強すると、さまざまな発見があります。歴史を知ることで、より自分が住んでいるところに興味を持てるようになるかもしれません。自分が住んでいる地域に興味がある方は、地域の歴史を学んでみてはいかがでしょう。

*6-2-1:http://www.urawa-h.spec.ed.jp/index.php?page_id=189 (浦和高等学校校歌)
一、 校舎の礎動きなき       我が武蔵野の鹿島台
    朝に望む富士の嶺の      雪千秋の色清く
   夕にうたふ荒川の        水万歳の声高し
二、 将来国家に望みある       一千有余の学生が
   守る倹素と廉潔の          美風示して春ごとに
   大和心の香も深く         匂ふや庭の桜花
三、 花あり実ある丈夫が        堅忍不抜の精神を
   川ゆく水の末絶えず        高嶺の雪と磨きつつ
   雲井に続く武蔵野の         広き宇内に雄飛せん

*6-2-2:http://www.geocities.jp/musichall_8888/kouka.html (浦和第一女子高等学校校歌)
一  アカシアはもえ さみどりの           二  流れたゆとう 荒川の
   広き野をとぶ 綿雲に               朝もやをつく せきれいの
   望みはわきて かぎりなく             うたごえひびく たまゆらも
   わが胸にあふる                  清らかな空に
   思いみよ 心ひそめて               乙女子のゆめは はてなし
   ここに三年の春秋を                ここに三年の青春を
   えらばれてすごす よろこび            えらばれて 誇るさいわい
   ああ 浦和第一女子高校              ああ 浦和第一女子高校
三  夕月匂う つくばねを             四  枯葉とび散る 木枯しに
   はるかにあおぐ ひとときも            山脈 雪をかつぐとき
   瞳をあげて 祈らまし               日ざしはとおる おおらかさ
   あつき心に                    生命もあらたに
   花ひらく 遠きみらいを              まごころをこめて いそしめ
   ここに三年を学び舎に               ここに三年の御教えを
   えらばれて集う さだめを              えらばれて うけるたのしさ
   ああ 浦和第一女子高校               ああ 浦和第一女子高校

*6-3:http://cms.saga-ed.jp/hp/karatsuhigashikoukou/home/template/html/htmlView.do?MENU_ID=18744 唐津東高等学校・唐津東中学校校歌(併設型中高一貫校)
           「天日かがやき」(昭和二十五年)
                           下村湖人作詞 諸井三郎作曲
一. 天日かがやき大地は匂ひ        二. はてなく廣ごる眞理の海に
    潮風平和を奏づる郷に            抜手を切りつつ浪また浪を
   息づくわれらは松浦の浜の           こえ行くわれらは松浦の浜の
    光の学徒                  力の学徒
   光 光 光の学徒              力 力 力の学徒
三. 平和と眞理に生命を享けて       四.われらの理想は祖国の理想
    久遠の花咲く文化の園を          祖国の理想は世界の理想
   耕すわれらは松浦の浜の           理想を見つめて日毎に進む
    希望の学徒                われらは学徒
   希望 希望 希望の学徒           光 力 希望の学徒

<女性の政治参画について>
PS(2019年3月26日追加):*7に、「①朝日新聞社が2007~18年の47都道府県議選を4年ずつ1~3期に分けて分析したところ、1人区では無投票が35%から49%に広がっていた」「②候補者の中で女性が占める割合は1~3期いずれも11~12%と低い」「③特に1人区で女性候補者が少なく、3期とも6~7%」「④当選者の中での女性の割合も、1人区は3%→2%→2%と極めて低く、3期はわずか8人だった」と記載している。
 私は、佐賀三区を地元として、2005~2009年の間、自民党衆議院議員をしていたので理由がわかるのだが、①は、確かに無投票は有権者の選択機会を奪うため望ましくないが、メディアが権力と闘っている姿を演出するために薄っぺらな理由で議員を叩きすぎるので、仕事と比較して議員が尊敬されず、4年毎に選挙があるため安定しないのに報酬は低く、勤め人から議員になると損失の多いことが、まず男女共通の問題である。さらに、②③④の女性については、1人区なら男性を出して地元に強く利益誘導して欲しいという住民の願いから女性の当選率は男性より低くなり、既に男性の現職県議がいる場合は現職有利で公認されるため女性が公認されず、女性が候補者になると良妻賢母をよしとする人から「でしゃばり」「目立ちたがり」「性格が悪い」等々の罵詈雑言を浴びせられ、その結果、家族にも迷惑をかけることになるからで、つまりメディアはじめ有権者(男女とも)も女性に対して差別意識を持っているからである。

*7:https://digital.asahi.com/articles/DA3S13949873.html (朝日新聞 2019年3月26日) 無投票が半数/女性当選わずか 都道府県議選1人区、課題の山 統一地方選
 朝日新聞社が2007~18年の47都道府県議選を4年ずつ1~3期に分けて分析したところ、無投票の選挙区が1期(07~10年)の24%から、3期(15~18年)には32%に増え、なかでも1人しか当選しない1人区では無投票が35%から49%に広がっていた。1人区では、女性当選者が極端に少ない状態も続いている。1人区を見直す必要性を指摘する専門家もいる。
■07~18年分析
 1期と3期を比べると、全国の総定数は98減って2686に、総候補者数は252人減って3922人に。無投票の選挙区は、275から356に増えた。県議選は選挙区ごとに定数が決められており、1人区が全体の4割を占める。その1人区では、1期から3期にかけて無投票が166選挙区(1人区の35%)→179(同39%)→212(同49%)と急増。3割ある2人区でも、無投票は23%→25%→32%と拡大した。29日告示の統一地方選道府県議選でも、神奈川(前回11)や埼玉(前回9)などで増え、全国の無投票選挙区は過去最多だった前回を超えそうな情勢だ。候補者の中で女性が占める割合は1~3期いずれも11~12%と低い。特に1人区で女性候補者が少なく、3期とも6~7%。当選者の中での女性の割合も、1人区は3%→2%→2%と極めて低く、3期はわずか8人だった。1人区は複数が当選する中選挙区・大選挙区に比べ、「死票」も多くなり、得票率と議席占有率にズレが生まれる場合もある。3期の愛知では、選挙戦になった1人区12選挙区で、自民の得票率が49%だったが、自民の議席占有率は75%。1人区が多い埼玉でも得票率50%に対し、占有率は70%だった。
■「選択機会奪う」
 地方選挙に詳しい関西大・名取良太教授(現代政治分析)の話 無投票は有権者の選択機会を奪い、政治的関心を低下させるので望ましくない。抜本的な対策ではないものの、選挙区の区割りを変えて1、2人区を減らせば無投票は減るだろう。ただし制度だけの改革でなく、無投票を減らすには自民に対抗できる政党の存在が必要だろう。

<女性の登用について>
PS(2019年3月27日追加):*8は、見えない壁ではなく明確に見えている壁であり、その内容は1985年に制定された最初の男女雇用機会均等法で努力義務を課し、1997年の改正で禁止した女性差別そのものである(https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11902000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Koyoukintouseisakuka/0000087683.pdf 参照)。
 そのため、現在もそのような女性差別が続いているのなら、その地域は日本の先端より35年も遅れていることになるが、世帯の貧しさは女性が相応の給料で働かなければ改善せず、地域の貧しさも女性を教育して質のよい労働力を多く作らなければ改善できないため、早急に変える必要があることは明白だ。また、男女が結婚相手を選ぶ基準も、時代とともに変わる。
 なお、*9については、私も「女性の地位向上は今一つ」「強く印象に残ったのは東日本大震災と福島第1原発事故」「好きな歌謡曲は『世界に一つだけの花』」「平成は戦争のない良い時代だった」と思うし、「ネットは悪事に使う人もいるが、生活や社会を便利な方に一変させる効果があった」と考える。

*8:https://digital.asahi.com/articles/DA3S13953008.html?iref=pc_ss_date (朝日新聞 2019年3月27日) 女性ゼロ、市議も管理職も 出る杭打たれる風土 鹿児島・垂水
 女性市議が一度も存在したことがないまちがある。鹿児島県垂水(たるみず)市。4月に行われる市議選では2人の女性が立候補を予定するが、見えない壁がそびえ立つ。意思決定の場に女性がいないという現実。そして、その背景にあるものは。2月の定例会の本会議場で、議長席と議員席に12人の男性が陣取った。答弁に備える市長、副市長、各課の課長の席も男性一色。全国1788地方議会のうち、「女性ゼロ議会」は339。その一つが垂水市議会で、1958年の市制施行以来、女性議員が誕生したことはない。市役所の管理職に女性が就いたこともない。市総務課によると、昨年4月現在の職員数は男性139人に対し、女性47人。管理職にあたる課長級以上の17人は全員男性だ。森山博之総務課長(60)は「結果的にそうなっているだけ」と話した。一方、15年以上勤める女性職員は「女性に管理職を任せる下地ができていないと感じる」と言う。その象徴とみるのが、「総財企」と呼ばれる総務、財政、企画政策の3課の人事だ。この3課は市政の中枢を担い、職員数も多いが、係長級には男性が就くのが常。この女性職員は「部下の多い重要ポストに配属して育てないと、管理職も見えてこない」と漏らす。内閣府の2017年調査によると、鹿児島県の43市町村のうち、課長級以上の女性職員がいないのは、3割弱の12市町村。市区町村の管理職に占める女性比率も、鹿児島県は7・8%で、7・3%の愛媛県に次ぐ全国ワースト2だ。来月1日付の人事で、垂水市役所初の女性課長が誕生することが決まったが、変革は簡単ではない。民間での管理職経験がある市内の女性は「会社で男性社員が女性の上司に指示されると落ち込んで辞める、ということも目にしてきた」と証言する。「女性が上に立ちにくい。出る杭は打たれる風土が残っている」
■進学率、男子と開き
 女性の政治進出を阻む壁の一つが、「女性は教育水準が低いという意識」(県内の女性市議)。その根っこには、性別で教育投資が左右される現実がある。鹿児島市の女性公務員(24)は学生時代、九州大理学部を目指した。前期試験は不合格。後期は親に黙って熊本大を受験。合格を聞いた母に入学を猛反対され、地元の短大に進んだ。悔しい思いは今も残る。県内の20代の女性公務員は「女だから」「県内で就職するなら有利」と両親に言われ、短大を出た。弟は県外の4年制に通った。「女子は短大でいい、という風潮を感じる」。文部科学省の「学校基本調査」をもとに18年度の都道府県別進学率(浪人を含む)を算出すると、鹿児島県の4年制進学率は男子が43・4%で全国35位なのに対し、女子は34・1%(全国平均50・1%)で最下位。だが、女子の短大進学率は15・1%(同8・3%)で1位だ。県内で約20年短大講師をしている50代の男性は「優秀な旦那さんと結婚し、次世代を担う子を育てるという女性の役割は大きい。学生にもその思いを伝えている」と持論を述べた。鹿児島国際大の山田晋名誉教授(ジェンダー論)は、1人当たり県民所得が全国44位(15年度)という経済的な厳しさと男性優先の社会の二つが、「男女に能力差がある」との固定観念を生む「負の両輪」だと指摘。「希望する進学を妨げられて女性が負うハンデが、学歴に対する偏見と相まって、女性議員の誕生も阻んでいる」

*9:http://qbiz.jp/article/150916/1/ (西日本新聞 2019年3月27日) 平成は「良い時代」7割超が評価 女性の地位は低評価、世論調査で
 天皇代替わりに伴って、間もなく幕を閉じる平成の時代に関する郵送世論調査(3千人対象)の結果、「どちらかといえば」を含め、73%が「良い時代」と評価していることが分かった。57%が他者に対し「不寛容になった」と回答。女性の地位については「ほとんど向上していない」「まだ不十分」を合わせると86%を占めた。調査は共同通信社が2〜3月に実施した。経済が停滞し、大災害が相次いだが、戦争のない平和な時代であり、多くの人が日々の暮らしに一定の充足を感じていたといえそうだ。一方でインターネットを中心に、弱者への攻撃や排外主義的な主張が勢いを増している世相を懸念する姿も浮かぶ。強く印象に残る国内ニュース(三つまで)は、「東日本大震災と東京電力福島第1原発事故」が70%で最も多く、「オウム真理教事件」50%、「阪神大震災」40%が続いた。国際ニュースは「米中枢同時テロ(9・11テロ)」が44%でトップだった。業績を評価する歴代首相(3人まで)は、「自民党をぶっ壊す」と訴えて国民を熱狂させた小泉純一郎氏が77%の支持を得た。現首相の安倍晋三氏が38%、消費税導入を断行した竹下登氏が22%だった。平成を代表するスポーツ選手(3人まで自由回答)は、米大リーグで数々の記録を打ち立てたイチロー元選手が1位。フィギュアスケートの羽生結弦選手と浅田真央元選手が2位と3位で続いた。芸能分野では、2016年末に解散した国民的アイドルグループ「SMAP」が1位。代表曲の「世界に一つだけの花」は、好きな歌謡曲でも圧倒的に支持されてのトップだった。ネットの普及が生活や社会を一変させたことについては、「良かった」41%、「どちらかといえば良かった」45%で肯定的な意見が優勢だった。

| 男女平等::2019.3~ | 04:41 PM | comments (x) | trackback (x) |

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