■CALENDAR■
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31      
<<前月 2017年07月 次月>>
■NEW ENTRIES■
■CATEGORIES■
■ARCHIVES■
■OTHER■
左のCATEGORIES欄の該当部分をクリックすると、カテゴリー毎に、広津もと子の見解を見ることができます。また、ARCHIVESの見たい月をクリックすると、その月のカレンダーが一番上に出てきますので、その日付をクリックすると、見たい日の記録が出てきます。ただし、投稿のなかった日付は、クリックすることができないようになっています。

2014.2.28 野生動物と接触させないスマート鶏舎・畜舎にすれば、発電で稼ぎながら、伝染病を防げるということ
  ⇒ 
            開放型畜舎                太陽光発電付密閉型畜舎
(1)家きんや家畜の伝染病感染が多いのは何故か
 *1に書かれているように、熊本県で高病原性鳥インフルエンザの発生が見付かり、多良木町と相良村で5万6000羽づつ殺処分し、付近の養鶏農家26戸の家きんの移動、搬出が制限された。死亡鶏の感染ウイルスはH5亜型と確認され、感染経路は野鳥だったと言われている。

 また、*2のように、豚流行性下痢(PED)が発生し、半年過ぎても全国(33道県)で急激に広がっている。前に口蹄疫発生で家畜の全頭殺処分となった宮崎県川南町の遠藤威宣さんは、再度、被害を受けたそうだ。また、4年前に発生した口蹄疫は、人の移動が活発だったゴールデンウイーク後に感染が拡大したが、今回の豚流行性下痢はゴールデンウイーク前であり、いのししなどの野生動物との接触も影響があるのではないかと思う。

(2)ウイルスの抜本的対策は、予防で対応して感染させないことである
 ウイルスは、生物の要件とされる細胞を持たず、遺伝子だけを持ち、他の生物の細胞を利用して増殖するという生物と物質の中間的特徴を持っている。そのため、細胞に働きかけて殺すタイプの消毒剤ではウイルスを殺すことはできず、消毒薬や消石灰での消毒に助成しても、あまり意味がない。

 「それでは、どうすればよいのか」と言えば、予防が一番で、そのためには、①密閉できる鶏舎や畜舎を作って野生鳥獣と接触しないようにする ②世話をする人もウイルスを運ばないようにする ③餌や水の清潔を保つため管理をしっかりする ということが挙げられる。

 「それでは、コストがかかりすぎる」と思う人もいるだろうが、密閉できる鶏舎や畜舎を作り、太陽光発電や地中熱を使って温度・湿度・空気をスマートにコントロールし、低コストで快適な環境を作って、適切な餌を与えれば、生産性が上がるとともにリスクが回避されるため、結局は、利益が増えると思う。ここでも、鶏舎や畜舎に働いてもらうのが、省力化と高生産性の鍵ではないだろうか。

*1:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=27091
(日本農業新聞  2014年4月13日)  鳥インフル 熊本で確認 国内で3年ぶり
 農水省は13日、熊本県で高病原性鳥インフルエンザの発生が見付かったと発表した。国内では2010年11月から11年3月にかけて9県で発生して以来、3年ぶりとなる。県南部の多良木町、相良村の当該2農場で家きんを殺処分、焼埋却し、農場の半径3キロ以内は家きんを移動させない「移動制限区域」、3~10キロ以内は区域外からの持ち出しを制限する「搬出制限区域」に設定。当該農場だけでなく養鶏農家26戸の家きんの移動、搬出を制限した。まん延防止に向けて、全都道府県に早期発見の徹底を呼び掛けた。農水省によると熊本県が13日午前までに、多良木町で5万6000羽を飼養するブロイラー養鶏場で1100羽の死亡を確認。死亡した5羽を簡易検査し全て陽性だった。当該農場の管理者は相良村で5万6000羽の養鶏場も管理していた。このため県は相良村の農場も発生農場と判定。12日夜から両農場で家きんの移動を制限している。死亡鶏の感染ウイルスは13日、遺伝子検査でH5亜型であることを確認された。最終的な確定には早くて3日程度かかるが、農水省は「ほぼ感染とみて間違いない」(動物衛生課)とみる。一連の事態を受け、安倍晋三首相は13日、林芳正農相に対応を指示。(1)現場の情報収集(2)農水省と関係府省が緊密に連携し、防疫措置を徹底(3)国民への正確で迅速な情報提供――を命じた。首相の指示を踏まえ、林農相は13日に開いた農水省の対策本部で「まん延防止は初動対応が何よりも重要」と強調。当該農場での防疫措置に加え、移動・搬出制限区域設定や当該農場周辺の主要道路11カ所の消毒ポイント設置などを通じ、感染拡大を防ぐ方針だ。全国単位でも注意を呼び掛けるため農水省は13日、全都道府県に早期発見、通報などの徹底を促す通知を発出した。食料・農業・農村政策審議会の家きん疾病小委員会(小委員長=伊藤壽啓鳥取大学教授)も同日開き、専門家の意見を踏まえて今後の留意点を確認した。高病原性鳥インフルエンザ防疫指針に基づく防疫措置の徹底、感染経路究明の疫学調査などを重点的に進める。熊本県は、高病原性鳥インフルエンザ防疫指針に基づき、当該2農場の家きんの殺処分と焼埋却を始め、周辺は移動・搬出制限区域に設定した。同県の蒲島郁夫知事は「初動が最も大事だと認識している。まん延を防ぎ、一刻も早い清浄化を目指す」と話した。

*2:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=27354
(日本農業新聞 2014/4/25)  豚流行性下痢 GW前 拡散防止が鍵 
 7年ぶりに発生した豚流行性下痢(PED)が止まらない。発生から半年過ぎても、全国で急激に広がっている。PEDウイルスが農場外でまん延すれば、防ぐことは一層難しくなる。4年前に発生した口蹄(こうてい)疫では、人の移動が活発だったゴールデンウイーク(GW)後に感染が拡大しただけに、連休前の拡散防止が鍵となる。(鹿住正人)
●人の移動 活発化警戒 農場外まん延怖い
 口蹄疫発生で家畜の全頭殺処分となった宮崎県川南町。経営再開し、母豚400頭を飼育する遠藤威宣さん(60)の養豚場で3月、PEDが発生した。「子豚が600頭死んだ。一貫経営のため子豚がいなければ生産は落ちる」。遠藤さんは危機感でいっぱいだ。川南町を管内に持つJA尾鈴は、南九州でのPED発生を受け、消毒薬と消石灰を農家に無償で配布。2月から町と協力して消毒ポイント2カ所で車両を消毒する。
●国道も防疫を
 防疫態勢を整えても警戒は続く。遠藤さんの農場はPED発生後、ウイルスを封じ込めたが、周辺では発生が相次いでいる。「県道や町道だけでなく、国道でも防疫対策が必要だ」と訴える。町内には東九州を縦断する国道が通る。人や車の往来が激しくなる5月の連休後、口蹄疫の発生が急増。その結果、牛、豚の全頭殺処分となり、遠藤さんにとってつらい記憶が残っている。JA畜産部の松浦寿勝部長も「農場外でウイルスの密度をいかに下げることができるか。それが肝心だ」と指摘する。
●発生は33道県
 PEDは昨年10月に沖縄県で確認されて以来、半年間で33道県(4月21日現在)に拡大し、約8万3000頭が死んだ。2月末まで発生は7県だったが、3月20日以降は21道県で発生。人の動きが激しい春休みや年度の替わり目に発生は一気に広がった。感染防止に向け、各地の農場では防疫を徹底している。愛媛県今治市で年間約1万7500頭の肉豚を出荷する、JA全農えひめグループのJAえひめアイパックス直営農場「せと風ファーム」もその一つだ。農場では、普段から敷地内に入るゲートの前で全車両を消毒。従業員は一日に何度もシャワーと着替えを繰り返し、担当以外の畜舎に入らないようにするなど、対策を徹底している。だが、PED拡大を受けて対策をさらに強化。車両は全てフロアマットまで消毒。従業員は食事や退社の時間をずらすなど接触を極力減らし、畜産関係の車両も出入りを制限するほど。
●消毒に支援策
 入場を規制できない出荷車と飼料運搬車は消毒後30分、ゲート前で待機。出荷者の運転手は農場内で車から降りない。松田行雄場長は「防疫は周辺の協力が欠かせない」と必死だ。豚の観察も徹底し、異常があればすぐに家畜保健衛生所へ通報する。「万一発生すれば、ウイルスを増やさない、拡散させない責務がある」と話す。ゴールデンウイークに入れば、海外を含めて人の移動は激しくなる。このため農水省は「地域で実施する消毒には助成がある。農場の周辺や入り口の消毒にも使える」(動物衛生課)と、支援策を活用した防疫の徹底を呼び掛ける。

| 科学・医療 | 05:09 PM | comments (x) | trackback (x) |
2014.4.23 車の進化も、日本よりドイツの方が科学的・合理的で、やはり勉強は大切だ。

              *1より
(1)燃費規制への対応が、ガソリン車の改善とハイブリッド化という先見性のなさ
 *2のように、スズキは、新興国でも燃費規制が広がるという理由で、ガソリン1リットル当たり40キロメートルを目指す方針を明らかにしたそうだが、日本では、スズキの軽自動車は、公共交通機関が頼りにならない地方で、女性が生活の足として使っているものだ。そのため、環境影響や燃料費のコストダウンが大切で、ガソリン車での長距離ドライブの快感を求めてスズキの軽自動車に乗る人はまずいない。

 そのような中、現在は、電気自動車のラインナップが少なすぎるのが問題であるため、スズキの軽自動車を発展させるには、ガソリンエンジンを改良するよりも、クリーンさと安全性を追求した電気自動車にした方が、女性はじめ環境意識の高い人に好まれて将来性があると考える。また、例えば、スーパーの駐車場に太陽光発電の屋根を取り付け、安く電気自動車に充電する急速充電器を設置しておけば、そのスーパーの客も増えるだろう。

 そして、*1に書かれているように、電気自動車は将来の本命として既に進み始めており、インド、中国、東南アジアでも排気ガスを出せる時代ではなくなるため、軽自動車のガソリンエンジンを今から改良したり、ハイブリッド化したりするのは、先見性がないと思う。

(2) 「特定の病気」への差別を助長する「自動車事故厳罰化法」を定めた人の不見識
 *3に書かれているように、「自動車運転死傷行為処罰法」が2014年11月20日に参院で可決成立したが、この法律の問題点は、「故意による無謀運転」に「特定の病気」を含めたことで、この「特定の病気」に関する条項に対しては、日本てんかん学会や日本精神神経学会などの専門家が反対の声を上げていた。その理由は、問題なく運転できる「患者」が大半を占めるにもかかわらず、特定の病気であれば自動車を運転できないとか、厳罰に付される可能性があるという認識が広まり、病気に対する差別が助長されて、「患者」の社会参加を妨げるからである。

 これに対し、ドイツのBMWは、上の図のように、アクセルから足を離せば、ブレーキが強力に利いて一気に減速するという形で自動車を改良しており、前にも書いたが、こちらの方が正しい解決法である。

*1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140423&ng=DGKDZO70275290T20C14A4TJH000 (日経新聞 2014.4.22) 電気自動車(EV) 、BMW 三菱自動車 日産自動車
 化石燃料を使わず、排ガスを出さない電気自動車(EV)は、次世代エコカーの有力候補だ。1充電当たりの走行距離が短いこともあり、まだ街角で見かけることは少ないが、ここにきて急速充電器が増えるなどインフラ整備も進み、価格も下がってきた。各社は「環境に優しい」「静かで力強い走り」などの特長を前面に押し出して売り込んでいる。EVは家庭の専用電源で数時間、商業施設などに設置されている急速充電器なら30分程度充電すれば、100キロメートル以上走れる車種が多い。ただ、実際の走行距離は暖房使用や急加速など使い方次第でカタログ値の2~5割も短くなる。
■樹脂製車体を採用
 独BMWの「i3」はフル充電で229キロメートルの走行が可能だ。発電用エンジン搭載車だと最大約440キロメートルまで伸ばせる。骨格はアルミニウム合金、車体は炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を採用。重いバッテリーを搭載しながら車両重量を抑えるとともに、高い剛性を実現した。ガソリンエンジンは高回転域で出力が高まるが、モーターは始動後すぐに最大の力を発揮。「i3」は車体の軽さを生かして、時速100キロメートルまで7.2秒で加速する。操作性に優れる後輪駆動を採用し、「EVといえど走って楽しい車に仕上げた。日本仕様では立体駐車場に対応して全高を下げた」(日本法人の田島崇・BMWiプロダクトマネジャー)。2009年に発売された三菱自動車の「i―MiEV(アイ・ミーブ)」は13年11月に一部改良した。カーナビなどのぜいたく装備をそぎ落とした都市部での2台目使用に割り切った仕様で、1充電走行距離は120~180キロメートルと控えめだ。「加速性能は過給器(ターボ)付き車をやや上回る水準に設定して、回生ブレーキの利き具合などを含めガソリン軽自動車と同じ走行感を目指した」(長田鉄也・商品企画部マネージャー)。EVはプラグインハイブリッド車(PHV)などと同様に、国や自治体などから計数十万円の購入補助金がもらえる。アイ・ミーブは軽自動車規格のため、税金や保険料などの維持費も安い。
■計器類の視認性高く
 日産自動車の「リーフ」は世界累計販売台数10万台超のEVベストセラー車。12年11月の一部改良で廉価車種を導入し、周囲の状況がわかるアラウンドビューモニターなど装備を充実させた。その後も価格を下げたため、国の補助金も下がったがユーザー負担230万円程度から購入できる。リーフ車両開発主管の門田英稔氏は「専用設計でモーターとバッテリーの最適化を考え、出足のスムーズさに気を使った」と語る。1充電走行距離は228キロメートル。エコ運転状況、バッテリー残量表示、回生状態など多様な情報を示すメーター類の視認性が高いのも特長だ。

*2:http://www.nikkei.com/paper/article/?ng=DGKDASDZ160FE_W4A410C1TJ1000
(日経新聞 2014.4.17) スズキ、1リットル40キロめざす 新興国展開、優位に
 スズキは16日に燃費改善に向けた新技術を発表し、ガソリン1リットル当たりで40キロメートルを目指す方針を明らかにした。軽自動車「アルトエコ」は同35キロとすでにトップの燃費を実現しているが、「42.195キロ」を目標に掲げているダイハツ工業に対抗するとともに、新興国展開を優位に進める。
●スズキは今後、ハイブリッド車の開発を始める(会見した本田副社長)
 「低燃費化の流れは新興国で一段と強まる」。同日開いた技術説明会で本田治副社長はこう強調した。スズキが燃費にこだわるのは、2020年ごろに新興国でも燃費規制が広がり、インドや東南アジアなどにも技術が生かせると考えているためだ。「シンプルで低価格の制御システムを取り入れる」(本田副社長)。スズキは今後、ハイブリッド車(HV)の開発を始めるが、小型車は利幅が薄いためトヨタ自動車やホンダのように複雑でコストが高いシステムは取り入れにくい。既存技術の改良で燃費改善を進める。減速時にためた電気を電装品などに利用する独自のシステム「エネチャージ」を改良。加速時の駆動補助にも電気が使えるようにする。車の骨組みとなる4つの車台は軽量の3タイプに集約して15%軽くし、ガソリンエンジンの燃焼効率も高める。スズキのインドの子会社は同国での自動車販売でシェア首位。インドではイタリアのフィアットからディーゼルエンジンを調達していたが、2気筒で排気量800ccのタイプは新たに自社で開発し、同国市場で韓国の現代自動車やタタ自動車の引き離しを狙う。

*3:http://www.bengo4.com/topics/974/ (弁護士ドットコム 2013年11月21日)  「特定の病気」への偏見を助長する!? 自動車事故「厳罰化法」の問題点とは?
 悪質な自動車運転で他人を死傷させた場合の罰則を強化する「自動車運転死傷行為処罰法」が11月20日、参議院で可決、成立した。新法の柱は、悪質な運転に適用される「危険運転致死傷罪」に、新しいルールが盛り込まれたことだ。飲酒や薬物使用、特定の病気の影響により「正常な運転に支障が生じる恐れがある状態」で事故を起こした場合の罰則を、死亡事故は懲役15年以下、負傷事故は懲役12年以下とする、という内容だ。ところが、この「特定の病気」に関する条項に対して、日本てんかん学会や日本精神神経学会などは反対の声を上げていた。「特定の病気」には、てんかんや統合失調症などが想定されているからだ。この「特定の病気」に関する条項は、なぜ盛り込まれたのだろうか。また、反対があるのは、なぜなのだろうか。重大な交通事故案件を多く扱う宮田卓弥弁護士に聞いた。
●新法の背景には「てんかんの発作」によって起きた事故がある
 「今回の法律に病気に関する条項が含まれることになった直接の背景は、2011年に栃木県鹿沼市で発生した死亡事故です。この事故の加害者(運転手)は、クレーン車を運転中にてんかんの発作を起こし、6名の児童を死亡させました。加害者にはてんかんの持病がありましたが、運転免許の取得や更新の際に持病を申告せず、薬の服用を怠っていました。加害者はまた事故当時、別の事故で有罪判決を受け、執行猶予中でした」。この事故をめぐり、どのような議論があったのだろうか。「加害者には当初、危険運転致死罪(最高刑・懲役20年)の適用が検討されましたが、この罪の処罰対象である『故意による無謀運転』があったかどうかが問題となり、最終的に同罪の適用は見送られました。この加害者は結局、自動車運転過失致死罪(最高刑・懲役7年)で処罰されましたが、遺族らは刑があまりにも軽すぎると指摘し、法改正を求めていました」。今回の法律は、こうした状況に対する立法府のリアクションで、高いハードルがあった「危険運転致死傷罪」と、それ以外の「自動車運転過失致死傷罪」(最高刑・7年以下の懲役)とのギャップを埋めるため、その中間となる「新類型」を作りだした、ということだ。「今後、政令によって、てんかんが『特定の病気』として定められれば、鹿沼市の事故と同じような事故が起きた際に、この『新類型』で処罰できるようになります。その意味では、今回の法案は、刑罰に被害者の意向を重視しようとする最近の傾向に沿った形といえます」
●問題なく運転できる「患者」が大半を占めている
 この新ルールには、どんな問題点があるのだろうか。「いま懸念されているのは、法律が病名を特定することによって、その病気が自動車の運転に支障を及ぼす危険なものである、との誤った偏見を形成・助長するおそれです」。どういうことだろうか?「特定の病気の患者が事故を起こせば、すぐにこの条項が適用されると考えるのは『誤解』だということです。本来、この法律が処罰しようとしているのは、たとえば、てんかんの持病を申告せずに運転免許を取得し、服薬を怠って運転し、てんかんの発作により運転が困難になった結果、人を死傷させたような場合です。現実的には、てんかん患者であっても、治療により運転適性を有する状態を維持している人が大半を占めています。このような方々は、新しい法案の処罰対象には含まれてこないでしょう」。残念ながら、こうした話は、まだ十分周知されているとは言えなさそうだ。「このままだと、特定の病気だけを理由に処罰されるという『誤解』が国民に広まってしまう可能性があります。そうなってしまえば、病気に対する差別が助長され、患者の社会参加を妨げることにつながりかねません」。ごく一部に悪質なケースがあったからといって、それが患者全体の差別につながるような事態は、絶対に避けなければならないだろう。宮田弁護士のこうした思いが、一人でも多くの読者に伝わることを願いたい。

| 科学・医療 | 04:44 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.7.4 NHKクローズアップ現代の医療報道は間違いが多いが、誰が監修しているのか?
(1)報道のどこが、おかしかったのか?
 *1の報道は、「体性幹細胞治療を使った再生医療は危険で、iPS細胞を使ったものなら夢の医療だ」というメッセージが含まれていたので、異常さを感じた。何故なら、iPS細胞は、もともと持っていなかった遺伝子を加えているので癌細胞になりやすく、体性幹細胞治療は、全く自分の細胞であるため、癌化することなく置かれた場所の組織になり、より安全な筈だからである。

 しかし、体性幹細胞治療は危険だという結論を導いた背景には、*1のように、体性幹細胞治療を使った再生医療は、美容整形や難病治療のため注射で身体に注入し、毛細血管が詰まった事例を出していた。一方、iPS細胞の場合は、*2のように、シート状の細胞に育てて患者の傷んだ部分と入れ替えるとのことだった。

 治療の比較を行うに当たり、ここで犯した大きな間違いは、その他の条件を同じにしていない点である。もし、体性幹細胞を使ってシート状の細胞に育て、患者の傷んだ部分と入れ替えれば、本人の細胞そのものであるため、iPS細胞のように癌化する恐れはなく、iPS細胞より安全に置かれた場所の組織になるだろう。

(2)何故、メディアは、そうなるのか?
 私の経験からすると、メディアは非常に権威主義であり、すでにノーベル賞をもらったものや政府が援助しているものを推奨したがる。これは、メディアの中に、文科系の人が多いせいだろうが、それにしても、報道して大きな影響を与える以上、科学的・医学的にしっかりとした監修をしておくべきだ。

(3)歪んだ報道の結果、どうなるか?
 体性幹細胞や類似の体細胞を使う、より安全な治療方法も次々と工夫されてくる中、iPS細胞のみに固執して他を貶めていると、他の再生医療研究をやっている研究者はやりにくくなり、馬鹿らしくなって、アメリカなどの外国で自由に実績を挙げてくるようになる。研究者はこのレベルなのであり、そのような人材はもちろん少ない。そうやって、日本から重要な先進的人材が流出し、特許権も外国で発生するようになるのである。従って、意図的な報道は厳に慎み、Fairにしなければ、研究者の幸福にも国益にも繋がらない。

*1:http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3370.html
(NHK 2013年6月25日) 追跡 再生医療トラブル ~体性幹細胞治療の闇~
 病気やケガで故障した組織や臓器の機能回復を目指す「体性幹細胞治療」。患者のお腹の脂肪から幹細胞を採取し、静脈に注射で戻す再生医療の一ジャンルだ。大学病院などで臨床研究が行われている段階で、効果や副作用がはっきりしていない“未知の医療”にも関わらず、法的な規制がないため自由診療の下、全国の美容整形や難病治療を行うクリニックで実施されている。規制のない日本に海外のバイオベンチャーが患者を送り込み治療を行うケースも急増。患者が死亡したり失明したりするケースも出ており、再生医療学会は警鐘を鳴らしている。こうした中、国はついに先月、幹細胞治療に規制をかけるための法案を提出した。知られざる体性幹細胞治療の実態を取材、トラブルを防ぐために何が必要か、考える。

*2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20130627&ng=DGKDASGG2601T_W3A620C1MM8000  (日経新聞 2013.6.27) iPS、初の患者治療 厚労委が研究承認-目の難病向け 来夏メドに細胞移植
 厚生労働省の審査委員会は26日、理化学研究所などが申請していたiPS細胞を使う臨床研究計画を承認した。目の難病になった患者が対象で、2014年夏をメドにiPS細胞を使った初の治療が国内で始まる。京都大学の山中伸弥教授が人のiPS細胞を開発してから6年あまりで、同細胞を使う再生医療が実現に向けて大きく動き出した。臨床研究は理研の高橋政代プロジェクトリーダーと先端医療振興財団(神戸市)などが計画し、今年2月に厚労省へ申請した。目の網膜の病気で失明の恐れもある「加齢黄斑変性」という難病が対象で、日本人に多い「滲出(しんしゅつ)型」の患者に実施する。物がゆがんで見えたり視野の中心部が暗く見えたりする。国内に70万人の患者がいるとされ、根本的な治療法はない。同日開いた厚労省の審査委員会は国の指針に基づいて審査し、安全性や倫理面で問題はないと結論づけた。ただしiPS細胞ががんを起こさないことなどを確認するとの条件を付けた。7月中旬に厚生科学審議会(厚生労働相の諮問機関)の科学技術部会で審議に諮って厚労相に答申。理研などが臨床研究を実施する。実質的な審査は今回で終わった。iPS細胞の臨床研究が承認されたのは世界で初めて。高橋プロジェクトリーダーは「正式な通知を受けていないので詳細は分かりませんが、慎重かつ迅速に審査していただいた。(委員会から出た)条件については詳細を確認した上で対応したい」とのコメントを発表した。研究は同財団の先端医療センター病院(同市)と神戸市立医療センター中央市民病院が連携して手がけ、8月にも患者の治療に向けた準備を始める。患者の中から50歳以上で既存の薬が効かず、眼鏡などで矯正しても視力0.3未満などの条件を満たした6人を選ぶ。患者自身の皮膚などの細胞からiPS細胞を作った後、シート状の網膜細胞に育て患者の網膜の傷んだ部分と入れ替える。皮膚細胞からシートを作るには約10カ月かかるため患者の目に移植する治療は来夏になる見込み。治療を受けた患者は視力の大幅な回復は難しいものの、病気の進行は抑えられ、失明は避けられると期待される。今回の臨床研究は安全性を最優先して進める。移植してから1年間は1~2カ月に1度の頻度で検査し、その後も3年間は経過を観察する。iPS細胞はがん細胞になる可能性が指摘されているが、目はがんになりにくいとされている。万が一、がんになってもすぐに診断でき、治療も比較的容易であることなど患者の安全面を配慮した。

| 科学・医療 | 06:04 PM | comments (x) | trackback (x) |

PAGE TOP ↑