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2012,07,14, Saturday
(1)消費税増税の背景には、財務省主導があるということ
多くの人が気付いていると思うが、*1のように消費税増税は財務省主導であるため、増税に積極的な議員は、財務省(旧大蔵省)出身の議員はじめ、財務大臣・副大臣・政務官の経験者である。あとは、本当に賛成だと思っている議員が少数、流れに乗って賛成した議員が大多数、反対している議員が少数である。もちろん、安住財務相も野田首相も、財務省の言いなりであることは明白だ。 野田首相は、「不退転の決意で」「政治生命をかけて」「決められる政治を」と演説した。しかし、財務省の方針と異なることを政治主導でやるのなら「政治生命をかけて」「不退転の決意で」やらなければできないが、財務省の方針どおりのことをやるのならば、「不退転の決意で」「政治生命をかけて」やらなくても、誰にでも簡単にできる。また、「決められる政治を」と言っている政党やメディアも多いが、何でも決めればよいというものではなく、内容が問題であり、決めてはいけないことは決めないのが健全な民主主義であるから、メディアの論調は官主導であり変である。 そして、メディアの論調を聞いていると、国会が、選挙で選ばれたわけでもない官僚の方針どおりに政策を“決める”ことを期待しており、それが与党の責任だと言いたいようだ。つまり、国民が選んだ国会議員が、国民の意思とは関係のない三党合意や党議拘束に縛られて、官僚の決めた政策を次々と法律にしていく状態をよいことであるかのように言っているが、それは、民主主義ではなく、日本国憲法とかけ離れた官主主義である。いつまで、それをやるつもりか? *1: http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1303Q_T10C12A7PP8000/ (日経新聞 2012/7/13) 消費増税法案、18日に参院特別委で審議入り 消費増税関連2法案は13日の参院本会議で趣旨説明と質疑をし、参院特別委員会の審議が18日に始まる。衆院で修正合意した自民、公明両党は成立に協力する方針だが、民主党内の増税反対派に配慮する野田佳彦首相の姿勢に反発を強めており流動的な要素もある。 首相は13日、首相官邸で安住淳財務相と会い、社会保障と税の一体改革関連法案について「参院審議が来週から始まるので全力で努力していこう」と指示した。勝栄二郎財務次官が同席し、懸案である赤字国債発行法案の扱いも協議した。 参院特別委での審議時間について、与党は120時間を超えた衆院の7~8割に当たる90時間を目安としており、順調なら8月上旬の採決が視野に入る。ただ自民党は民主党執行部を「衆院採決で造反した議員への対応が甘すぎる」と批判し、3党合意の破棄もあり得るとけん制している。 (2)消費税を増税して、浮いた分は何に使っているのか 消費税は、1%あたり約2兆円の税収があり、5%上げると10兆円近くの増税となる。 一方、日本は現在、東日本大震災と大津波、それに加えて原発事故などで、こちらが復興に援助してもらいたいくらい大変な国であり、現在の貿易収支や財政収支が赤字でも全くおかしくない国である。それにもかかわらず、自国民に対しては財政健全化を理由に消費税を毎年10兆円近く増税しようとしながら、何故、問題の多いアフガン政府に対して、“互いに責任を負って”、日本が1兆2800億円(消費税0.6%分)も支出しなければならないのかについて、*2の記事では全く記述がない。メディアの記者は、背後の理由も分析して国民に伝えなければ、何回選挙しても、有権者である国民が正しい選択をすることはできない。本来、メディアは、民主主義社会において、そういう社会的責任を持っているのだ。 *2: http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/311763 (西日本新聞 2012年7月8日) アフガン復興、160億ドル支援 「東京宣言」採択 日本政府が主催するアフガニスタン復興に関する国際会議が8日夕、国際社会が2015年までに総額160億ドル(約1兆2800億円)超を支援すると明記した「東京宣言」を採択して閉会した。宣言はアフガンの持続的発展を実現するために国際社会とアフガン政府が「互いに責任を負う」とし、国際社会は継続支援を、アフガン側は民主化推進に取り組むことをそれぞれ約束した。野田佳彦首相は「荒廃した国土の復興には国際社会からの支援が欠かせない」と指摘し、日本が支援を続ける考えを表明。 (3)「国会議員が身を切れ」という主張は、官主主義を堅持するだけだということ 企業からの寄付が全くなく、単純でわかりやすいので、私の事例を挙げよう。 <税金から出た金額> <個人の収入> <政党支部収入> 歳費(給料 + ボーナス) 2200万円 1600万円 寄付 600万円 文書交通費 1200万円 0 寄付 1200万円 公設秘書費*3 2300万円 0(全額秘書給料) 交通費 25万円 0(全額以上使用) 政党助成金 4800万円 0 1000万円 (政党助成金の残り3800万円は、政党が使っている) 小計 支援者からの寄付金 0 少額α 合計 10525万円 1600万円 2800+α万円 <政党支部支出> 私設秘書給料(2~3人)*4 800万円 事務所賃貸料 180万円 水光熱費 120万円 備品・消耗品費 200万円 通信費(機関誌郵送費を含む ) 620万円 機関誌印刷費(2~3回/年) 250万円 広告費 60万円 国政報告会等の費用 60万円 旅費交通費 120万円 選挙費積立分(1年平均) 300万円 その他 90+α万円 合計 2800+α万円 上の説明: 1)支部への寄付金を引いた後の私の収入が、1600万円となっているが、もともと1200万円 の給料をもらっていたので、国会議員になったために増えた分は、400万円のみである。 これは、高いのか低いのかと言えば低い。なぜなら、国会議員は選挙で当落が決まるた め不安定であり、50%くらいの確率でしか当選しないとすれば、1600万円x0.5=800万円 が年収となり、年収が前の仕事より下がっているからである。これで多くの人が、自分の 仕事をやめて国会議員(夢も家族も生活もある人間)になる選択をするであろうか? 2)米国では、政治家が政策立案を行うので、秘書手当てが上院で1.4~2.3億円、下院で5561 万円あり、国会議員は、政策立案能力のある秘書を10~40人抱えている。日本では*3 の公設秘書は3人だけであり、これだけでは国会事務所と地元事務所2箇所の運営にも 支障をきたすため、*4の私設秘書を少なくとも2~3人雇っている。その費用を政党支部 (私の場合は佐賀県第三選挙区支部だった)から出していたが、私は、そこへの個人的 寄付を多く行っていた。なお、一般の人からの寄付は少なかった。これは、週刊文春や他 のメディアで、嘘のネガティブ・キャンペーンをされ、私の国会議員としての資質や能力を 否定されたことが理由に挙げられるが、そもそも日本人は一般市民が政治家に寄付する という文化がないことも理由の一つである。企業から多額の寄付を受け、国民の税金を使 ってその企業に有利な施策を行う政治家を廃したければ、自分たちの代表にしたい政治家 には、一般国民が寄付する以外にないだろう。 3)国会議員の政策作成能力が低いと、官によりかかった政策となる。これは、官にとっては望ま しいが、国民にとっては選挙で選ばれた人が政治判断するわけではないので、国民主権が 形骸化して望ましくない。つまり、国会議員に使うコストは、国民主権を実現する民主主義の コストなのである。そして、仮に国会議員1人につき1億円くらいかかっていたとしても、衆議院 480名+参議院242名=722名であり、全部で722億円にしかならない。仮に、これを全部切っ たとしても、その138.5倍の10兆円の消費税増税を許す根拠にはならないだろう。 4)つまり、議員定数や議員報酬の問題は、消費税増税問題とは切り離して、国民のためになる民 主主義のあるべき姿と、それを実現するための組織として考えるべきであり、妬みから報酬を カットすれば、優秀な人材が集まらなくなり、民主主義がさらに形骸化するだけである。 5)それでは、どういう選挙制度で、どういう人数が適切なのかについては、今日は時間がないので 後で書くが、国民一人一人が自分の代表をどう選びたいかという問題として考えるべきである。
| 消費税増税問題::2010.6~2012.7 | 04:15 PM | comments (x) | trackback (x) |
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2012,06,26, Tuesday
「社会保障は消費税増税で賄わなければならない」と唱えている人たち(政党・メディア・その他)は、下の点で社会保障を軽視している人たちであることを国民は決して忘れてはなりません。なぜなら、国税収入は、法人税、所得税、相続税、その他の間接税などがあり、その上に消費税があるのであって、社会保障は消費税で賄わなければならないとは決まっていないからです。従って、下の検討をすべきであるにもかかわらず、それは全くなされずに「税と社会保障の一体改革」が唱えられていることからも、「社会保障のための消費税増税」という念仏のようなお題目は、「電気を人質にした原発再稼働」と同様、「社会保障を人質にした消費税増税」であることがわかります。
<検討も質問もされていない事項> 1)もし社会保障を消費税で賄うとすれば、他の税収は何に使うつもりか、まず、全体として税収と歳出の振り分け割合を検証すべきだがしていないこと。 2)何故、社会保障費用は他の税収から支出してはならないかの検討も説明もないこと。 3)それぞれの社会保障(年金、医療、介護など)は、使用目的を明確にして保険料の形で徴収しており、現在、徴収や運用において不完全かつ不公正な部分が多く、これを改善することにより収入が増えるとともに公正性・公平性が増すため、これを改善することこそが最初の課題であるが、それには手をつけずに消費税増税を主張しているのはおかしいが、不問に付されていること。 4)その保険料の徴収・運用における問題を曖昧にしたまま消費税増税を行えば、歪みが残ったまま無駄な支出が増えるばかりで本当の問題解決はできないが、国民にどうしても消費税増税を押し付けるのは、現状維持か利権拡大をしたい意図があること。 5)子ども子育てについても、幼保一体化もできず、本質的な改革はせずに、自民党時代からあった認定子ども園でさらに組織を3本化して歳出を増やしているだけであり、これで、母親が便利になって少子化に歯止めがかかるとは思えないが、その議論はかき消されたこと。 このような中での下の野田首相の演説は、財源で国民を脅迫しながら「消費税増税をお願いします、お願いします」と言っているだけであり、官主主義にひれ伏した腰ぬけとしか言いようがありません。また、財務省が省を上げて推進している消費税増税などは、それに乗るのであれば野田首相の言う「命を懸ける」ほど難しいものではありませんし、命を懸けるなら世界の脱原発や行政改革のように抵抗勢力が強く、どうしても必要なものに懸けるのが首相の本分でしょう。野田首相の「命を懸ける」という言葉の軽さに唖然としますが、これはほんの一例であり、他の言葉も似たようなものなのです。 そして、メディアもまた、「小沢グループは造反で離党すべきだ」というような政局の報道しかできないレベルにあるのが、我が国の主権在民を建前だけの内容なきものにし、主権在官を堅持させて国民の不幸を作っている根源になっているのです。なぜなら、主権在民を本当に機能させるためには、有権者である国民に、日頃からきちんと分析された真実の情報を提供し続けていなければ、主権を行使するにあたって正しい判断や選択はできないからです。我が国のメディアは、「人権」や「主権在民」など、憲法に基づく基本的な意識の上で、開発途上国の報道より遅れているように思います。 http://www.asahi.com/politics/update/0625/TKY201206250441.html (朝日新聞 2012年6月25日) 増税法案賛成「心からお願い」 首相、民主代議士会で 消費増税関連法案は26日の衆院本会議で民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決され、衆院を通過する。野田佳彦首相は25日夕、国会内で開かれた民主党臨時代議士会で挨拶し、「社会保障が待ったなしの状況の中で、先送りしたらこの国は持たない。一致結束してご支援、ご賛同を賜りますよう、心から、心から、心からお願い申し上げる」と述べ、法案に賛成するよう求めた。 首相は社会保障政策について「年金関連の2法案、子ども子育てに関わる3法案で、修正はあったが、私どもが勝ち取ろうとしていることはしっかりと勝ち取ってきている。今日、(国会で)最低保障年金も後期高齢者医療制度の廃止も旗は降ろしていないと明確に申し上げた」と強調。そのうえで「安定財源を確保し、経済の再生もやる。政治改革も行政改革もすべてやり抜いていく本格的な改革を、皆で結束して実現していこう」と訴えた。 民主党内では、小沢一郎元代表グループの議員らが反対票を投じると明言。54人以上が離党すれば、与党勢力は衆院で過半数割れする。内閣不信任決議案が可決される可能性が高まる一方、予算案や重要法案なども与党単独で可決できず、首相の政権運営は一気に厳しさを増すことになる。 PS:衆議院での採決が終わり、消費税増税法案が三党合意による圧倒的多数で衆議院を通過してしまいました。そして、メディアは、「反対した民主党議員57人は造反であるから処分せよ」とけしかけていますが、何を寝ぼけているのでしょう!議員は、一人一人が国民の代表であって、政策について執行部に白紙委任して執行部に忠誠を誓う党の部品ではありません。従って、マニフェスト違反で、かつ、一方的議論打ち切りによる党の決定に賛成しなかったからといって、「造反」などと言われる筋合いはないでしょう。もちろん、反対した民主党議員57人の方は、マニフェスト違反で消費税増税を行い、国民の声を無視して原発再稼働の決断を行った民主党から出て別の政党として行動した方が、選挙上は、立ち位置がはっきり見えてよいという選択もあるでしょうが、与党として行動しなければ自分の政策が実現できなくなるというディメリットもありますから、難しい判断でしょう。
| 消費税増税問題::2010.6~2012.7 | 09:49 AM | comments (x) | trackback (x) |
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2012,06,18, Monday
税と社会保障の一体改革に関しても、日経新聞は典型的な増税推進・社会保障カットの論調で推移しており、まさに官の広報版と言っても過言ではありません。そして下の記事に論点の多くが含まれていますので、これに反論する形で消費税増税・社会保障切捨論者の「無ヒューマニズム」を指摘します。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1504S_V10C12A6MM8000/ (日経新聞 2012/6/15) 一体改革、3党合意 消費税率上げへ前進 ●民自公3党の実務者は15日、税制、社会保障の修正協議をそれぞれ断続的に開き、夜に社会保障、税制の両分野で合意文書を交わした。 ←(批判1)メディアは「消費税増税を行う人が責任感のあるいい人だ」という浅い主張を繰り返し、今回も、民自公3党の談合でも何でもよいから消費税増税・社会保障切捨ての合意文書を交わしたことを歓迎している。これは、メディアが、軽減税率適用対象になりたいからだと言われている。 ●税制分野は消費増税の際に「名目3%、実質2%」の経済成長率を目標とする景気条項を法案の付則に残す方針で一致。所得・相続増税は年末の来年度税制改正論議に結論を先送りした。 ←(批判2)「名目3%、実質2%」の経済成長率ということは、物価が毎年1%上昇し、実質経済成長率が2%だということである。これは、負債を持つ企業にとっては負債が物価上昇分だけ目減りするため歓迎であろうが、国債や預金などの資産を持つ国民にとっては、物価上昇分だけそれらの資産が目減りした上に消費税が上がるので二重に厳しくなる。また、賃金や年金収入は、物価上昇より遅れて上昇するため、国民生活へはマイナスとなる。これが、インフレ、インフレターゲット、物価上昇の意味と目的である。 ←(批判3)所得税・相続税のブラケットは、現在、所得税非課税の人が多すぎるため、確かに国際標準にすべきであるが、この結論は先送りだそうである。 ←(批判4)資源・エネルギーを国産にすれば、資源・エネルギー代を外国に吸い取られなくてすむので、内国法人の利益が増え、法人税率を上げなくても法人税収を増やすことができる。また、電力自由化や天下り廃止などで公共料金を下げても、やはり内国法人の利益が増え法人税収が上がるのだが、既得権益者との闘いになるのはこれまで見てきたとおりである。すなわち、国民の支持がなければこれらは実現しないが、メディアは、このように既得権益者として官についているのである。 ●消費増税時の低所得者対策では、税率を8%に引き上げる条件に現金給付の実施を明記したほか、公明党の主張に配慮して軽減税率の余地も残した。 ←(批判5)現金給付は、納税者のみが対象であれば納税すらしていない貧しい人は救えないが、誰に、いくら現金を給付し、その対象者をどうやって捕捉するのだろうか? また、軽減税率はどの商品・サービスに適用するのかなど課題が多い。 ●社会保障分野では民主党マニフェスト(政権公約)の主要政策である「最低保障年金の創設」「後期高齢者医療制度の廃止」の扱いについて、両政策の「撤回」方針を明示せず、新設する「社会保障制度改革国民会議」に検討を事実上棚上げする。公明党は法案提出を定めた閣議決定の取り下げなど「撤回」を求めてきた。しかし、15日夜の3党合意の際、年金・高齢者医療制度改革について「あらかじめ内容などについて3党間で合意に向けて協議する」と明記した確認文書を交わして折り合った。3党は国民会議の設置などを盛った「社会保障制度改革推進法案」を国会に共同提出する方針だ。 ←(批判6)自民党がしつこく「最低保障年金の創設」「後期高齢者医療制度の廃止」を取りやめるよう要求しているが、自民党の言う「社会保障制度改革」は社会保障給付を減らすことに終始しており、ヒューマニズムがない。公明党も同様か? ●このほかパートへの厚生年金の適用拡大について、対象者を民主党が主張していた45万人から25万人に圧縮することで合意。基礎年金の国庫負担割合を50%に維持する財源の「年金交付国債」の発行を取り下げることも盛り込んだ。 ←(批判7)「パートへの厚生年金の適用拡大」を妨げるのは、パート労働者から搾取している企業に利するだけで、正規労働者を雇用しようとする企業に逆のインセンティブを与えて雇用・労働問題に有害である。また、公的年金は、職種に関わらず一元化して同じ条件にするのが公平・公正であろう。 ●3党実務者による正式合意を受け、民主党執行部は18日に開く会合で党内了承の手続きに入る。 ←(批判8)このような条件で了承する民主党議員は誰か、政権交代やマニフェストの意味を考えて、よくみておくべきである。 ●首相がメキシコで開く20カ国・地域(G20)首脳会合から帰国する20日にも3党党首会談の開催を検討する。 ←(批判9)3党党首だけの密室談合で決めるのは、民主主義の自殺行為である。 ●自民党の谷垣禎一総裁は15日夜、党首会談について都内で記者団に「(修正協議が)まとまればそういうことがあると思う。決められない政治をどう動かすかを話す」と語った。 ←(批判10)メディアがけしかけて「決められない政治はよくない」と言うのをよく耳にするが、大政翼賛会によりさっさと決められて太平洋戦争に突っ走った歴史を忘れたのだろうか?むしろ、変な政策がすぐ決まらないために、わが国は憲法で二院制になっているのであり、それぞれの政党が異なる意見を国会で闘わせるのが民主主義のあり方である。民意と異なる官の政策を国会で速やかに決めなければならないというのが、まさに官主主義なのである。 ●一方、民主党内では小沢一郎元代表ら増税反対派の間に最低保障年金などの棚上げにも反発する声が上がっている。反対派の動きが強まれば党内が緊迫し、調整作業が難航する可能性もある。 ←(批判11)「反対派の動きが強まれば党内が緊迫し、調整作業が難航する」などと、必ず、反対する人が悪いかのような書き方をしているが、マニフェストに忠実に正論を言っているのは、増税反対派の方である。馬鹿もいい加減にせよ。
| 消費税増税問題::2010.6~2012.7 | 05:39 PM | comments (x) | trackback (x) |
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2012,06,03, Sunday
消費税増税は、自民党内にも反対の人がいます。そのため、民主党も自民党も党議拘束をかけず、それぞれの国会議員が党の部品としてではなく、本来の国民の代表として良心に従って判断すれば、比較的、国民の声が反映されると思います。メディアは、それぞれの議員が個人的にはどう考えているのか、アンケートをとって一覧表にしたらどうですか?国会議員は、国の支出問題だけでなく、収入問題も総合的に考えられる人でなければならないため、これは、有権者にとって意味のある情報開示です。
<アンケート内容例> 1)「税と社会保障の一体改革案」の内容をよく理解しているか? Yes No 2)「税と社会保障の一体改革案」に賛成か? Yes No 3)賛成もしくは反対の理由は? (自由記述: 少なくとも100字は必要 ) 4)反対の場合の代替案は? (自由記述: 少なくとも100字は必要 ) 5)党議拘束なく個人として採決された場合は、どうするか? 賛成 反対 棄権 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120602-00000749-yom-pol (読売新聞 6月2日) 小沢氏は反対姿勢貫く構え…民主再会談 (ポイント)野田首相、民主党の小沢一郎元代表、輿石幹事長の3者による再会談が3日午前、民主党本部で行われる。首相は消費税率引き上げ関連法案について15日までに衆院採決を行いたい意向で、改めて小沢氏に法案への理解を求める考えだが、小沢氏は反対姿勢を貫く構えで、一致点を見いだすのは困難な情勢だ。・・・小沢氏が会長を務める「新しい政策研究会」事務総長の東祥三衆院議員は都内で街頭演説し、「首相は政権交代前に言っていたことと真逆な消費増税に前のめりになっている」と、首相を批判した。
| 消費税増税問題::2010.6~2012.7 | 01:00 AM | comments (x) | trackback (x) |
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2012,05,02, Wednesday
<2012.5.2に記載した分>
「消費税増税ができないと社会保障が危ない」と言うのも、「電気が足りないから、原発再稼動はやむをえない」と言うのと同様、ある政策を通すための国民への脅迫です。なぜなら、そもそも、社会保障は消費税で賄わなければならないとは決まっておらず、徴収してしまえば、所得税、法人税、その他の国税と区別はつかないため、何に使ったかを正確に管理するはずがありませんし、他の税金を社会保障に当てることもできるからです。そして、まずは、そのために集めている社会保険料をきっちり集めてきちんと管理・運用し、目的外に使わないようにするのが、正当なやり方でしょう。 それにもかかわらず、野田首相が、「不退転の決意」で、「政治生命をかけて」、消費税増税に突っ走り、正論を言っている小沢元代表に、「何人たりとも党員なら従ってほしい」と牽制したというのは、中身を検討する気力も能力もなく、財務省の解説を丸のみにして話をしているとしか思えません。官僚は、自分の省を中心にしてものを考えますので、省庁横断的な判断は政治家しかできないのですが、野田首相のように財務官僚の書生もしくは下僕をしていたのでは、政治家の役割は果たせないのです。 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120501/plc12050112020018-n1.htm (産経ニュース 2012.5.1 12:02) 野田首相が小沢氏を牽制 消費税法案「賛成は当然」「何の迷いもない」 野田佳彦首相は、4月30日夜(日本時間5月1日午前)、ワシントンで同行記者団と懇談し、民主党の小沢一郎元代表が消費税増税関連法案に反対する意向を示していることについて「何人たりとも党員なら従ってほしい。(賛成は)当然だ。党の方針通りまとめることに何の迷いもない」と牽制(けんせい)した。小沢氏の党員資格停止処分解除については「党役員会、常任幹事会で議論することに尽きる」と述べた。輿石東幹事長は処分を解除する方針をすでに固めている。小沢氏に法案成立の協力を求めるかに関しては「必要な人と会うことはやっていく。党員資格停止の問題を飛び越えた話ではない」と述べ、処分が解除されれば必要に応じて検討する考えを示した。 <2012.4.9に記載していた分> マニフェストで消費税を増税すると言っていなかった民主党が、そのマニフェストに基づいて集まった議員に対し、「消費税増税関連法案の採決に関して、造反者が出た場合は処分する」と言っているのは、明らかに民主主義に反する。なぜなら、小選挙区で選出された議員は、それぞれが、その地域の有権者の代表であって、民主党というトップダウンの組織の従業員ではないからだ。すなわち、小選挙区で選出された議員は、選出された地域の有権者(国民)の代弁をすることが期待されているのであって、誰の意志で決められたかわからないような民主党執行部の命令を実行したり、地元に伝えたりすることが期待されているわけではない。また、比例区で当選した民主党議員も、消費税を増税するとは書いてなかったマニフェストにより有権者に選出された議員であるから、この議員たちは、消費税増税関連法案に賛成することこそ、有権者への造反であろう。 このような中、「消費税関連法案の採決に関して、造反者が出た場合は処分する」というのは、無茶苦茶である。むしろ、消費税関連法案の採決に賛成した民主党議員こそ、有権者に対する造反として処分されて然るべきだ。 参考: http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120407/plc12040711170008-n1.htm 「消費税増税造反なら処分」民主・前原政調会長 (産経ニュース 2012.4.7) (内容)民主党の前原誠司政調会長は7日の読売テレビ番組で、消費税増税関連法案の採決に関し、造反者が出た場合には「何らかの処分をするということを考えなくてはいけない」と述べ、党所属議員が反対や棄権した場合には厳しく対処する考えを示した。前原氏は「党の決まりの中で決定し、決断しないといけない。党議拘束はかかるから、(党所属議員が)判断をするときには、責任を持って行動するのが大事だ」と強調した。また消費税増税関連法案に反対して党役職や政務三役が辞表を提出した小沢一郎元代表のグループに関しては「小沢グループでも辞めてない人もいる。全員が大挙して辞めるとは言っていない」と指摘した。
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2012,03,29, Thursday
下のYahooニュースによれば、消費税増税法案について、前原誠司政調会長が「一任いただきたい」と宣言し、民主党の消費税増税関連法案事前審査は、議論を打ち切ったとのことである。そして、それは、3月28日午前2時15分すぎで、藤井裕久税調会長(衆院比例南関東)は「8日間やった」と丁寧に議論を尽くしたとの認識を表明したそうだ。
しかし、このように、会議を夜からはじめて未明まで行い、相手を疲れさせて、時間切れで強引に決定するやり方は、反対意見が多い場合に、国会でよく使われる方法である。私も、前から書いているように、他の方法がいくらでもあるのに、自己目的化した消費税率引き上げには反対だし、自民党にも、いろいろな考えの人がいる。 そのため、国会決議は党議拘束を外し、国会議員は国民の代表として、自由に賛否を投票できるようにすべきである。民主党はもともとマニフェストに消費税増税を入れていなかったのだし、臓器移植法改正の採決に関しては、国会議員は、国民の代表として、自分の良識に従って自由に賛否を投票できるようにしたのだから、自由投票にしていけない筈がない。 そして、新聞、雑誌などのメディアは、国民の税制を決める権限のある国会議員を選ぶための情報だから、①どの議員が ②どういう理由で ③消費税増税に反対もしくは賛成するのかを ④中立かつ正確に、納税者である国民に開示すべきである。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120329-00000003-kana-l14 増税法案議論打ち切り(Yahooニュース3月29日) (ポイント)消費税増税法案については、前原誠司政調会長が「一任いただきたい」と宣言し、議論を打ち切った民主党の消費税増税関連法案事前審査。増税反対派らの反発は強く、党内の亀裂がさらに深まった形。閉会直後の28日午前2時15分すぎ。藤井裕久税調会長(衆院比例南関東)は「8日間やった」と丁寧に議論を尽くしたとの認識を表明。前原氏に対しては、「よくやったと思う」とねぎらった。後藤祐一氏(16区)も「十分、議論は尽くしたと思う」と語った。 だが、岡本英子氏(3区)は「こういうやり方はよくない。誰も一任なんてしていない」と批判。 首藤信彦氏(7区)も「議論を放棄した」と指弾し、橘秀徳氏(13区)は「前原さんは丁寧にやってきただけに残念。仕切り直しになることを祈るとしか言いようがない」と語った。 http://www.nikkei.com/news/category/related-article/g=96958A9C93819481E0EAE2E3E38DE0EAE2E1E0E2E3E09F9FE2E2E2E2 (2012/3/28 日本経済新聞) 前原氏に一任」拍手と罵声 消費税、未明の幕引き (ポイント)「こんなめちゃくちゃなやり方があるか」「執行部はよくやった」。28日午前2時半ごろ、衆院第2議員会館地下の会議室は罵声と拍手で騒然となった。民主党の前原誠司政調会長が消費増税関連法案を巡る合同会議の打ち切りを宣言したためだ。8日目となった合同会議には、過去最多の約200人の民主党議員が出席。休憩を挟んだ約6時間の議論では、約80人が発言した。
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2012,03,03, Saturday
↑ これも不十分であるが、これは、どこまで生きているのか?また、金額も入れるべきである。 * http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/289467 (西日本新聞 2012年2月29日) (ポイント)野田佳彦首相は29日の党首討論で、消費税増税を柱とした社会保障と税の一体改革に野党の協力を呼び掛けた。だが自民党の谷垣禎一総裁は衆院解散・総選挙を要求し、公明党の山口那津男代表も与野党協議には応じない姿勢を強調。首相は増税関連法案を3月中に国会提出する構えだが、与野党対立の激化はさらに鮮明となり、法案の行方は見通せない。 マスメディアは、NHKを筆頭に、消費税率引き上げ(引き上げ後、将来は10~17%にするという)を推し進める論調ばかりである。しかし、前に報道されていた目的のうち、今回の消費税率10%への引き上げで実現できるのは、①どれで、②そのためにいくらかかり、③それは、何故、消費税でなければならないのか、また、これまでの運用の仕方は適切だったのか、改善の見込みはあるのかについても、給付側の話がどんどん小さくなっている以上、メディアは、再度、情報開示すべきである。合理的な説明もできないまま、消費税率引き上げの論調を振り回しているのは、主権在民の国の有権者で、かつ納税者である国民に対し、社会的責任を全うした公正な報道とは言えず、失礼である。
| 消費税増税問題::2010.6~2012.7 | 10:22 AM | comments (x) | trackback (x) |
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2012,01,06, Friday
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE1E5E5E2E6EAE7E2E1E3E3E0E0E2E3E38297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D
(日経新聞 2011/12/31 : 消費増税の合意を実現につなげよ) <要点と批判> ①政府・民主党の税制抜本改革案が固まった。消費税率を2014年4月に5%から8%、 15年10月に10%まで引き上げる。反対派の抵抗に屈せず、増税の時期と幅を明示した ことを評価したい。 ←批判:増税の時期と幅を明示したことを評価し、いつも消費税増税に反対する者は、 次世代のことを考えない者としているが、何故、消費税でなければならないかの 説明はない。根拠はないので、説明できないはずである。 ②だが実現までの道のりは険しい。民主党内には11年度中の法案提出を先送りしたい という勢力が残る。参院で野党が多数を占める「ねじれ国会」の下で、法案成立にたどり 着ける保証もない。むしろこれからが正念場である。 ←批判:民主党内に反対があるのを、悪とする。また、野党も、反対すれば、やりにくくす る悪であり、消費税増税をやる者こそ、正義であるとしている。重ねて書くが、消費税 増税でなければならない理由は、どこにもない。 ・・・ ③見過ごせないのは社会保障費の抑制が甘い点である。今回の一体改革では70~74 歳の医療費の窓口負担引き上げなどに踏み込まず、低所得者の年金加算といった給付 の充実に重点を置いた。社会保障費にメスを入れない限り、歳出の拡大は止まらない。 さらなる消費税増税をすぐに迫られる恐れがある。高齢者にも応分の負担を求め、年金や 医療、介護の効率化を急ぐべきだ。 ←批判:社会保障費を抑制しないのが甘いと書いているが、今でも、わが国の年金は、高 齢者の生活に、ぎりぎりか足りない金額である。日本に何%いる、どのような高齢者を 視野に、政策の是非を論じているのか! ←批判:「高齢者にも応分の負担を求め、年金や医療、介護の効率化を急ぐべきだ」として、 今まで保険料を納めてきた人への給付削減を奨励している。しかしながら、これだからこ そ、高齢者だけでなく、社会保険料を支払っている現役世代の不信を買うのである。社 会保険料は、スウェーデンのように、きちんと受給できるのであれば支払うことに文句は ないが、日本政府の場合は、保険料の支払いをしても、受給時には受給額がこのように 当初の約束よりも、じりじりと減らされるから信用できないのである。少子化して人口構 造が変化することなどは、下のグラフのように、40年も前からわかっていたことであり、 15年くらい前まで、そういうことを考慮すらせずに年金資金を無駄使いしてきたところが、 信頼に値しないのである。 日本における出生数と合計特殊出生率の推移 ④民主党政権は歳出削減の努力が全般的に足りない。優先度の低い整備新幹線3区間の 新規着工を認めたのが典型である。負担増を求める国民の理解を得るため、国会議員の定 数削減や国家公務員の給与削減に全力を挙げるのも当然だ。それを消費税増税の条件に すると、先送りの口実になりかねない点には注意すべきだろう。 ←批判:八場ダムは復活したが、あれは、民主党の責任ではなかったと記憶している。また、 諫早干拓事業の無駄を最初に指摘したのも民主党であり、福岡高裁で既に開門調査の 判決が出ているにもかかわらず、未だに開門調査すらされていない。それにもかかわらず、 日経新聞は、「削減すべきは社会保障であり、民主党政権は歳出削減の努力が足りない」 と述べているのは、どういうスタンスであろうか。 ←批判:また、日経新聞は最終処分場もない原発を推進するが、原発関係の立地費用、原 発事故の除染費用はどうなのだ!国会議員の定数削減や国家公務員の給与削減額な どは、これらの事業費に比べれば、無視できるくらいに小さい。国民は、国会議員の定数 削減や国家公務員の給与削減が行われるから、痛みわけで消費税増税を受け入れるな どという感情を利用したトリックに惑わされてはならない。 ⑤消費税増税をめぐっては民主党の若手衆院議員が強く反発し、集団で離党届を提出した。 党の方針に従えない以上、離党の判断もやむを得まい。比例代表の選出者は議員辞職する のが筋である。党内の賛成派と反対派の対立も深まった。だが改革を遅らせる余裕はない。 与党の責任を自覚し、消費税増税と経済の再生に全力を挙げるべきだ。野党の姿勢も問わ れるのはいうまでもない。 ←批判:「消費税増税に反対する者は、与党の責任を自覚していない者」という批判をいつも しているが、それは、税率アップのことしか考えられない財務省の論理であり、間違ってい る。最も安易な方法と考えている消費税増税による財政再建は実際にはできないし、消費 税増税をすれば経済の再生もできなくなる。 ←批判:また、比例代表の選出者で議員辞職すべき議員は、選挙時のマニフェストと異なる 政策に賛成している議員の方ではないだろうか。 ←批判:本当の改革は、国民の福利を上げるため、省庁が国民の税金を桁違いに無駄使いし ていることに対し、闘ってそれをやめさせることであり、現在の民主党は、それを放棄してい る。「与党の責任」と言って合理化し、官僚の指示通りの政策を行って、政権党であることだ けを目的にしている政党は、本当の改革を行うどころか、本当の議会制民主主義を担う責 任すら果たしていない。
| 消費税増税問題::2010.6~2012.7 | 05:03 PM | comments (x) | trackback (x) |
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2011,11,27, Sunday
今日の日経新聞が、財務省サイドの消費税増税理由をよく説明しているが、実際には、そこで
理由とされているものは、本当は理由になっていない。そのため、ここに反論を記述する。 (1)このままでは、年金や医療サービスを維持できず、財政も破綻するとして、政府は社会保障と 税の一体改革を掲げる。安心で活力ある経済社会の実現に向け、痛みをどう分かち合うか、選択 の時だ。(日経新聞2011.11.27 消費税 どうなる一体改革 導入部分) <批判> ①所得税、法人税、相続税、間接税もあるにもかかわらず、年金や医療サービスは、消費税で 賄わなければならないとするところに、国民が消費税増税に反対できなくさせるトリックがある。 ②この記事は、他にWin Winの方法があるにもかかわらず、とにかく痛みを分かち合うことを呼び かけている点で、思考停止であり、財務省の言いなりの記事である。 (2)高齢化で毎年1兆円超のペースで増える社会保障費の「自然増」が国の借金を膨らませる。 ・・・何故、消費税なのか。その理由は、人口動態にあり、1999年に8590万人だった日本の生産 年齢人口(15~64歳)は、2020年には、7360万人に減る。逆に65歳以上の老年人口は2.4倍の 3590万人に増加。保険料を払う現役世代が減り、給付を受ける高齢者が増え続ける。(日経新 聞2011.11.27 消費税 どうなる一体改革 内容部分) <批判> ①年金原資は、平均寿命も健康年齢も延びているため、定年と年金支給開始年齢を同時に68歳 ~70歳に延長することにより、高齢化による生産年齢人口の割合の低下を防ぐことができ、すで に、以前の55歳から65歳までは伸ばしているが、こういうことが考慮されていない。 ②国民年金への所得比例の導入(所得税申告書の写しを、日本年金機構に一枚回せば計算は 容易)をすれば、現在の年金保険料の払い込みが増え、また、現在、国民年金に入っている人 も厚生年金と同じ福利が受けられるようになるため、Win Winであるが、考慮されていない。そし て、この方が、年金原資に使われることが、消費税よりずっと確実であるのに、消費税でなけれ ばならないという根拠は全くなく、その論理的な説明もあるとは思えない。 ③家事従事者として労働力人口になっていない女性が一人前の労働者として働けるようにすれば、 生産年齢人口のうち、労働力人口の割合は増えるが、この努力は少ない。 ④失業者のように、生産年齢人口でも労働力人口に入っていない人たちを、労働力人口にするた めには、景気をよくすること、仕事を増やすことが大切なのであり、消費税増税は、逆効果である。 ⑤非正規労働者として悪い労働条件で働き、年金保険料の払い込みが少ない労働者を正規労働 者にすれば、年金保険料の払い込みが増え、その労働者の福利も上がるが、その努力も皆無。 ⑥開発途上国から外国人労働者を受け入れても、生産年齢人口の割合の低下を防ぐことができる が、考慮がない。 ⑦このように、他に解決方法がいくらでもあるにもかかわらず、消費税増税をしなければ福祉が保て ないという財務省の論法には説得力がなく、それを全体的に調整できるはずの政府が財務省の 言いなりでは、財務省に使われているだけのイニシアティブのない政府・政治家というほかない。 (3)所得税や法人税を中心とする現在の税制のままでは、働く現役世代や富を生み出す企業に 税と保険料の両面で負担が集中する。一橋大準教授の小黒氏(37歳)は、「高齢者も含めて広く、 薄く負担する消費増税は世代間対立の緩和に役立つ」と指摘する・・ (日経新聞2011.11.27 消費税 どうなる一体改革 内容部分) <批判> ①高齢者と働く現役世代を対立させる問題の設定の仕方自体が間違っている。働く現役世代も、 突然、制度を変えられて、今まで払ったものを無効にされ、新たな負担を生じさせるような政府の やり方にこそ、不信を持つのである。なぜなら、それは、明日は、わが身だからである。 ②本当の問題の設定の仕方は、高齢者と現役世代との対立ではなく、国民と政府との対立であり、 その理由は、今まで、国民の福利を第一に考えないずさんな年金資金の管理をしてきたこと、そ して、現在もその反省がなく、制度変更でごまかそうとしていることである。
| 消費税増税問題::2010.6~2012.7 | 05:42 PM | comments (x) | trackback (x) |
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2010,06,20, Sunday
民主党政権になって、普天間基地から、口蹄疫へと続き、現在は、消費税率の引き上げが問題となっています。
私は、公認会計士・税理士として、ずっと税制改革に携わってきましたが、消費税については、マスコミを筆頭に、何とかかんとか言って引き上げること自体が目的のような議論が多いと思います。 税金は、消費税だけではなく、地球環境のために環境税を創設してもよいわけですし、福祉目的であれば、介護なら介護保険料を全世代から徴収するようにした方が、確実に介護のために使われ、公平・公正でもあります。 また、年金についても、国民年金の年金保険料を厚生年金のように、所得比例にするというような方法もあり、こちらの方が、消費税よりは、まだ確実に年金原資に使われると思います。 そして、私は、なるべく、海底資源を掘り当て、わが国も、サウジアラビアとまではいかないまでも、アメリカくらいの資源大国になり、その収入から、年金・医療・介護・教育・保育などの福祉支出にあてていきたいと思います。これは、しらかばガス田の例を見てもわかるように、海洋国日本では、21世紀の現在、夢ではありません。 しかしながら、マスコミの報道を追ってみると、民主党が「消費税率を上げない」と言えば、それを批判し、「上げる」と言っても、それを批判しており、どうも消費税しか頭になくて、それを政争の具にしているように見受けられ、議論が貧弱だと思います。是非、評論家やマスコミにも番組によっては代替案を出してもらい、その人や局の首尾一貫性と立場をわかりやすくしてもらいたいものだと思います。 私は、マスコミや評論家も、自分が言ったことには責任を持ち、言いたい放題はやめてもらわなければ、まじめに政治を行っている人が批判を受けて沈没してしまい、わが国の損失になると思います。人は多くても、本当の人材は少ないと言われます。 そのような中、人口約13億人のインド、人口約10億人の中国と比べ、わが国の人口は、約1億人しかいないのですから、単純に計算すれば、人材も、1/10しかいないわけです。従って、大切な資源である人材を不必要につぶさず、活かして使っていくようにしたいものだと思っています。
| 消費税増税問題::2010.6~2012.7 | 01:18 PM | comments (x) | trackback (x) |
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