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2012,12,30, Sunday
(*1より)
2012.12.27に、「民主主義に基づく選挙結果と民意のずれ」という題で、普通とはかけ離れた人が選挙で当選して国会議員になりがちだということを書いた。もちろん、国会議員としての適性があると言う意味で普通と違うのなら問題はない。しかし、そうではなく、選挙戦への有利さで普通とかけ離れた人が選ばれるため、国民のニーズとは異なる政策が如何にもよいことであるかのように決まっていくのが問題なのである。何故だろうか?今日は、その理由を説明しよう。 (1)政党は選挙に強い人を候補者に選ぶ理由がある。 政党が公認しても、選挙後に当選していなければ、その政党は、選挙後、議員数で多数を占めることはできない。そのため、政党は、政策作成能力より当選力で候補者を選ぶことになる。 (2)世襲候補が多くなるのは何故か? 当選力で候補者を選ぶと、世襲候補が多くなる。その理由は、前代に、ベテラン秘書、後援会組織、親派の首長・県議団・市議団がしっかりとできており、この人たちが選挙を支えてくれるからである。そのため、*1に書かれているように、全体で10%、自民党では25%が世襲候補となるのだ。なお、自民党は与党時代が長かったため、これら支持母体の団結が強く、世襲候補は、前代の秘書として働いていたり、家族も選挙戦に慣れていたりして、総合力で選挙に強くなる。 (3)世襲候補は、選挙に強いから選ばれているだけか? *1、*3に記載されているように、25%だった世襲候補は、大臣では50%を超える。これは、①世襲議員は地盤がしっかりしており、選挙に強いため連続して当選すること ②議員として取り立てられやすいこと ③①と②の相互作用 などが原因である。 わかりやすい例を挙げれば、2008年に発足した自民党の麻生内閣で、少子化対策・男女共同参画担当大臣に小渕優子衆議院議員が任命されたが、その理由は、①小渕前首相の娘であること ②子どもを産んだこと などであった。もちろん、小渕議員は、男女雇用機会均等法改正や男女共同参画基本法改正に力を尽くしたわけではなく、特にそれらに問題意識があったわけでもない。敢えて言えば、猪口邦子氏や私の方が、それに関する経験も実績も豊富であったため、私は、当時、選択基準に関して「いい加減にも程がある」と思ったものである。また、当時80歳だった私の母は、「子どもを産んだだけで少子化担当大臣になれるのなら、私は2人も産んで自分で育てたのだから、私でもなれる」と言って憤慨していた。現在は、小泉進次郎代議士が、メディアでよく取り上げられるが、それより知識・経験・実績の豊富な議員はいくらでもいるため、何故、小泉進次郎氏がリーダーのように言われるのか不思議だ。つまり、自民党だけでなく、メディアも、本人の実力とは異なる評価を与えて、世襲議員を取り立てているのである。 しかし、こうして、世襲議員が、大臣はじめ多くの経験を積める結果、*2のように、自民党の首相候補は5人全員が世襲議員になったのだろう。何故なら、偏った基準で選ばれても、政治家として多くの経験を積んだ人が、次第に首相になるための条件を備えていくからである。しかし、それでよいのだろうか? (4)アジアは欧米より世襲が多いが、民主主義の成熟度が違うのだろう。 *4のように、2012年12月19日の韓国大統領選挙で、与党セヌリ党の朴槿恵氏(60歳)が当選し、韓国初の女性大統領となった。韓国は、日本と並んで男女差別の大きな国であるため、朴槿恵氏は快挙であり、心からお祝い申し上げたい。しかし、朴槿恵氏も世襲だ。 このほか、アジアの女性では、大統領になったインドのインディラ・ガンジー氏も、インドの初代首相であるジャワハルラール・ネルー氏の娘だし、国民民主連盟を率いて大勝したが軍事政権に権力の移譲を拒否され軟禁されていたアウンサンスーチー氏もビルマの独立運動を主導し、その達成を目前にして暗殺された「ビルマ建国の父」と言われるアウンサン将軍の娘である。また、フィリピンの初代女性大統領コラソン・アキノ氏は、マルコス政権下で国家反逆罪に問われ、1983年8月にマニラ国際空港で暗殺された元上院議員ベニグノ・アキノ氏の妻であり、アロヨ大統領は第9代マカパガル大統領の娘である(http://www13.ocn.ne.jp/~tip/president.htm 参照)。さらに、インドネシアのメガワティ大統領も初代大統領スカルノ氏の長女だ。つまり、アジアの政治家は、世襲や親族関係が多い。一方、ヨーロッパ系では、イギリスのサッチャー首相、ドイツのメルケル首相、オーストラリアのジュリア・ギラード首相は、世襲でも親族でもなく、この違いは、民主主義の意識の普及度や成熟度によるものではないかと思われる。 (5)血筋にこだわっていては広く才能を集めることができない。 中国では科挙による登用、日本では官僚制度を作ったように、血筋にこだわっては広く才能を集めることができないため、国政には血筋に関係なく人材を登用する制度が作られてきた。国政は、そのくらい選りすぐりの人材が行うべきものであり、国会議員を選ぶのに世襲が有利になるのはよくない。 (6)わが国では、メディアも女性議員に対する蔑視を含んだ論評をして、偏りを作っている。 *5に書かれている題名は、「アレの差?女チルドレン“賞味期限”切れ15人全滅」というものだが、まず、女性議員の“賞味期限”は、高齢の男性議員よりずっと短いという発想自体、女性蔑視を含むものであり失礼だ。また、「アレの差」とは何の差だと言いたいのだろうか? 言ってもらおうではないか。そして、このように女性を馬鹿にした論調は、わが国のメディアには今でも多い。 次に*5には、「角谷氏は『マドンナともてはやされて当選しても、研鑽を積まなければ結局は採決の数合わせ要員に終わり、使い捨てにされるだけだ。すべての候補者は、彼女たちを他山の石にしたほうがいい』と話している」と書かれている。しかし、女性議員は“マドンナ”でしかないと書いていること自体、女性議員の実力や実績を過小評価して吹聴しており、選挙妨害である。また、話したこともないのに研鑽を積んでいないと決め付けているのも、根拠なく人を馬鹿にした偏った論評であり侮辱だ。福島第一原発事故報道では、メディアの素人記者が勉強も研鑽も足りず、感傷的な報道を繰り返すばかりで、真実の情報を伝えるという社会的責任を放棄していた。また、採決の数合わせ要員に終わらされているのが女性議員だけでないのは、消費税増税採決時に反対した民主党議員に、党を出て行くよう、はやし立てていたメディアはよくわかっている筈だ。他山の石にすべきは、そのレベルのメディアである。 最後に、角谷氏が「風に頼る選挙しか知らないし、4年間、なんら政治を勉強していない人もいる。逆風下で彼女たちが当選するのは非常に厳しい」と語ったと書いてある。しかし、まず、私が4年間も自民党議員をやって風に頼る選挙しか知らなかったというのは、事実とかけ離れており侮辱だ。また、「4年間、なんら政治を勉強していない」というのも、何も知らないくせに失礼極まりない。「勉強」という言葉の定義や生き方が違うのだろうから、自分と同じにしないでもらいたい。私は、権力に媚びない信念とそれを裏打ちする知識や経験を持った人間である。さらに、「逆風下で彼女たちが当選するのは非常に厳しい」とも書かれているが、2009年総選挙時の逆風下で当選するのが厳しかったのは、小泉チルドレンの女性だけでなく、世襲や長く議員をやって確固たる地盤を持っている議員を除き、多くの自民党議員が同じだった。そして、そういう状況を作って自民党を先祖返りさせ、本当の改革を阻んだのは、このように事情も知らずに真実とはかけ離れたことを言いたい放題言ったメディアであることを決して忘れてはならない。つまり、最も反省すべきは、メディアなのである。 PS(2013.1.6追加):なお、国会議員、閣僚、一般企業の上級管理職は殆ど男性だが、女性のグラスシーリング(ガラスの天井)も、世襲候補が取り立てられるのと同様に、不公正な基準で男性が取り立てられた結果、生じたものである。それにより、多くの才能を無駄にして、国の方針を誤らせ、生産性を落としているが、その背景には、メディアが、*5のように、「女は馬鹿だ」「女にはリーダーシップがない」等々のメッセージを発して、一般の人の”先入観”を作っていることも大きい。さらに、こういうことを言うと、「(女のくせに)生意気だ」「謙虚でない」というのもある。言わなければ気がつきもしないにもかかわらず、だ。これらが、重大な問題なのである。 *1:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012120500311 (時事ドットコム 2012/12/5) 自民、4人に1人が世襲=全体では1割弱【12衆院選】 父母、義父母、祖父母のいずれかが国会議員、または三親等内の親族に国会議員がいて同一選挙区から出馬した候補を「世襲」と定義すると、今回の衆院選は145人が世襲で、前回(158人)よりわずかに減った。全体に占める世襲候補の割合(世襲率)は9.6%で前回比1.9ポイント減。こうした中で自民党は89人、世襲率は26.4%と突出している。自民党では福田康夫元首相や武部勤、中川秀直両元幹事長ら重鎮の息子が父親の地盤を継いで出馬した。候補者の公募・予備選を通じて「脱世襲」を図ったがうまくいかず、最後は「世襲であれば絶対に駄目なのか。世襲でもいい人はいい」(石破茂幹事長)と開き直った。 一方、民主党は21人で世襲率は7.9%。国土交通相の羽田雄一郎参院議員は引退した父・羽田孜元首相の長野3区からの出馬を模索したが、党が前回衆院選前に決定した、世襲を禁じる内規に抵触するため断念した。 「第三極」を見ると、新党大地は全候補者7人のうち鈴木宗男代表の長女・貴子氏ら2人が世襲のため、世襲率は28.6%と全党を通じ最も高かった。日本維新の会からは自民党の伊藤公介元国土庁長官や前職の西野陽氏の息子が出馬し、世襲率は7.6%。みんなの党は8.7%、日本未来の党は7.4%が世襲候補だ。共産、社民、国民新の各党は世襲候補はいなかった。 *2:http://sankei.jp.msn.com/life/news/120914/trd12091422530030-n1.htm (MSN産経ニュース 2012.9.14)立候補5氏全員が世襲議員 自民党総裁選に立候補した5氏は、全員が、父親らが政治家だった世襲議員だ。安倍晋三氏は父が晋太郎元外相。父方の祖父は寛元衆院議員、母方の祖父は岸信介元首相で大叔父は佐藤栄作元首相、弟は岸信夫参院議員という政治家ファミリー。石破茂氏は父、二朗氏が建設事務次官を経て鳥取県知事、自治相などを歴任。祖父の市造氏も大御門村長だった。町村信孝氏の父、金五氏は衆院議員、北海道知事、参院議員、自治相を歴任。いとこの娘婿には警視総監も務めた原文兵衛元参院議長がいる。石原伸晃氏の父は慎太郎東京都知事。弟は宏高元衆院議員で、現在は自民党東京3区の支部長を務める。林芳正氏は、厚生相や蔵相を務めた義郎氏を父に持つ。祖父は佳介元衆院議員で、高祖父の平四郎氏は貴族院議員、衆院議員を歴任。林氏自身は三井物産などで勤務経験がある。一方、民主党代表選へ出馬した野田佳彦氏(首相・党代表)は父が陸上自衛官で自身は松下政経塾出身。原口一博氏も同塾出身。赤松広隆氏の父は元衆院議員の勇氏、鹿野道彦氏の父も衆院議員を務めた彦吉氏と、ともに世襲議員だ。 *3:http://www.nikkei.com/article/DGXNASDE26006_W2A221C1M10600/ (日経新聞 2012/12/26) 世襲10人、半数超える 第2次安倍内閣 第2次安倍内閣では、親が国会議員だったり、親族から地盤を引き継いだりした「世襲議員」が安倍晋三首相を筆頭に計10人に上り、半数を超えた。また一時は女性5人を起用する方向で調整したが、最終的に森雅子少子化担当相と稲田朋美行政改革担当相の2人にとどまった。 主な世襲では、首相は父が安倍晋太郎元外相、祖父が岸信介元首相。麻生太郎副総理は父が衆院議員、祖父が吉田茂元首相と政治家一族だ。谷垣禎一法相らも父親が閣僚だった。野田内閣や第1次安倍内閣の発足時はともに4人だった。 世襲の多さを反映して、議員秘書経験者は9人。首相や谷垣氏のほか林芳正農相、岸田文雄外相、甘利明経済再生担当相らは父の秘書を務めた。官僚OBは根本匠復興相のみだった。〔共同〕 *4:http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8BI04N20121219 (ロイター 2012年12月20日) 韓国大統領選で朴槿恵候補が勝利、初の女性大統領誕生へ 19日の韓国大統領選挙は、与党セヌリ党の朴槿恵(パククンヘ)候補(60)が接戦を制し勝利した。同国で初の女性大統領の誕生となる。朴氏は分断された社会の融和に努める考えを示した。開票率約88%の時点で、朴氏の得票率は51.6%と、民主統合党の文在寅(ムンジェイン)候補の48%を引き離した。これを受け、文氏は敗北を認めた。朴氏はソウル中心部で熱狂的な支持者らに出迎えられ、「これは危機克服と景気回復を願う国民によってもたらされた勝利だ」と勝利宣言した。来年2月に就任する。任期は1期限りで5年間。朴氏は、北朝鮮問題や景気底上げなど待ったなしの課題に対応していくことが求められる。韓国の国内総生産(GDP)伸び率は、急成長を遂げた過去数十年の年平均5.5%から2%程度に鈍化。また近年は貧富の差が拡大しており、とりわけ若者層は経済問題とともに、十分な収入が保証される雇用の創出が大きな関心事だ。また前週には、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル技術を試したとみられるロケットの発射を強行。朴氏に対しても北朝鮮に「恨み」を抱き「対立」をあおっていると非難するなど対決姿勢を強めており、景気対策とともに喫緊の課題となっている。朴氏は北朝鮮の金正恩第1書記と交渉する意向を示しているが、支援の前提条件として核兵器プログラムの断念を求めている。朴氏は米国との自由貿易協定(FTA)を強く支持しており、経済政策では李明博(イ・ミョンバク)大統領の自由市場政策を堅持するとみられている。 *5:http://www.zakzak.co.jp/top/200907/t2009073128_all.html (ZAKZAK 2009/7/31) アレの差?女チルドレン“賞味期限”切れ15人全滅 ー 灼熱8・30投開票2009総選挙 (但し、角谷 浩一(1961年4月3日~)は、日本の政治ジャーナリスト、ラジオパーソナリティ、経歴:1961年神奈川県横浜市生まれで1985年に日本大学法学部新聞学科卒業、1985年4月より株式会社東京タイムズ入社、編集局勤務) 8・30総選挙に向け、民主党は与党大物に女性新人を次々とぶつける戦略に出ている。これに対し、2005年の郵政選挙で初当選した小泉チルドレンのうち、「マドンナ候補」ともてはやされた女性前職15人は軒並み落選危機だ。31日には、うち1人が離党する事態に陥ったが、政治ジャーナリスト、角谷浩一氏の分析では全滅も現実味を帯びている。 【広津素子は離党届】 「政権交代という四文字熟語にばかりとらわれず、候補者や政策本意で選んでほしい」 東京5区に出馬する自民党の佐藤ゆかり氏(47)は30日夕、東京都目黒区の都立大学駅付近でこう演説し、支持を訴えた。これに先立ち、佐藤氏は10年以上愛用しているというマウンテンバイクに乗って商店街を遊説した。(中略)角谷氏が個別の最新選挙区情勢を分析した当落予測は表の通り。対立候補をリードしている候補はひとりもいない。キャラが立っている人は多いように見えるが、賞味期限切れなのか。角谷氏は「風に頼る選挙しか知らないし、4年間、なんら政治を勉強していない人もいる。逆風下で彼女たちが当選するのは非常に厳しい」と語る。 【猪口邦子ら比例単独組「中ぶらりん」】 かろうじて接戦を繰り広げているのが、「やや劣勢」の佐藤氏や静岡7区の片山さつき氏(50)ら5人。片山氏は郵政造反組の無所属、城内実氏(44)に地元有力企業が付いたことなどが響きそうだ。(中略)佐賀3区で保利耕輔政調会長との公認争いに敗れた広津素子氏(56)は31日、党本部に離党届を提出した。かねてから「他党や新党からの出馬も選択肢」と話しており、事態を打開するための行動とみられる。ただ、新党に入れるかどうかも含めて先行きは不透明だ。猪口邦子氏(57)ら比例単独組は、中ぶらりん状態が続いている。角谷氏は「マドンナともてはやされて当選しても、研鑽(けんさん)を積まなければ結局は採決の数合わせ要員に終わり、使い捨てにされるだけだ。すべての候補者は、彼女たちを他山の石にしたほうがいい」と話している。
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2012,12,27, Thursday
図1(*1より) 図2 (1)原発ゼロは否定されたのか? 図1のように、59.8%の人が「原発は0にする」という政策に賛成であったにもかかわらず、明確に原発ゼロを掲げた政党の議席数は28.0%しかなかった。これには、もちろん議席獲得のマジックもある。しかし、自民党は、原発ゼロに反対だったのかと言えば、反対はしておらず、さらに電力自由化を公約にしていた。そして、本当に電力自由化が進めば、私が、このブログの2012年11月24日、9月2日に記載したとおり、原発はコストが見合わないため消滅した上、電気料金は下がる。従って、私は、自民党は、覚悟を持って徹底した電力自由化を行い、電力市場に公正な競争を導入すべきだと思うし、そのためのインフラを最小のコストで整備すべきである。そして、そこまで考慮した人を含めれば、原発ゼロの方針は総選挙でも否定されていない。 (2)消費税増税反対は否定されたのか? 消費税増税反対の人が55.6%いたにもかかわらず、消費税増税をしないという公約を掲げた政党の議席数は、12.0%に留まった。これは、消費税増税に賛成か、反対かという1点で賛否を問う選挙ではなかったので、①マニフェスト等の実行力で自民党に投票したが、消費税増税には反対だ ②他のテーマを優先して消費税増税反対をしている政党に投票しなかった という人も多いだろう。つまり、争点を1点に絞って投票しているわけではないので、そのテーマでの民意と選挙結果がずれることはある。また、官僚が背後で操って、こういう結果を導いていることもある。 (3)憲法9条改正反対はどうだったのか? 憲法9条改正反対の人は41.4%いたが、議席数は16.0%しかなかった。その差は大きいが、その理由は、憲法9条改正反対をしているのが、主に共産党、社民党であるため、世界ではすでにマルクス主義や共産主義・社会主義が淘汰されている現在、選択しにくい政党だからだと思う。しかし、マルクス主義、共産主義、社会主義を主張している点を除けば、両党は、一般の人が賛成しやすいことを言っている場合が多いため、私は、両党が世界の歴史に合わせて共産主義や社会主義を主張するのをやめてはどうかと思う。そして、*2については、阿部知子さんは、環境や生命を大切にし、まともなことを言う方であるため、阿部さんを中心として「緑の党」を作ってもよいではないかと思った。 安部さんは、党派を超えて、表舞台から下ろすには惜しすぎる人材だからである。 なお、私自身は、憲法は9条2項のみを改正して自衛隊に関する超法規的な憲法解釈をやめ、自衛隊を軍としてきちんと定義して防衛できるようにした方がよいと思っている。戦後生まれで戦争をしたいと思っている人はいないので、憲法改正や集団的自衛権についても、そろそろ国民の前で議論して、その意図や内容を明確に示すべき時だろう。 (4)選挙制度について 図2のように、投票率が59.3%で低かったため、第三局に投票しがちな浮動票が少なかったと思われる。そうなると、確固たる支持基盤を持つ自民党や民主党の候補に有利だ。また、小選挙区制では得票数が1番の人以外は当選しないため、当選者以外の候補への票は死票になり、議席数と民意が比例しない。さらに、自民党は選挙に慣れており、長く政権を担っていたため、支持団体のボランティアも団結が強く、選挙を手伝い慣れているということもある。また、支持してくれた団体には、予算や政策で返すことができるため、実際には純粋なボランティアではないということもあろう。 では、中選挙区制の方がよいのかと言えば、対象地域が広くなるため、ポスターやビラの印刷枚数がそれだけ多く、選挙に多くの金がかかる。そうすると、金があり、慣れたボランティアを動員できる人しか立候補できないため、当選者も普通の人とはかけ離れた人になりそうだ。 *1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012121702000259.html (東京新聞 2012年12月17日) 脱原発 世論6割、当選3割 3大争点すべてズレ 衆院選では、原発政策とともに大きな争点だった消費税増税や憲法九条でも民意と選挙結果に隔たりのある結果となった。本紙が公示直前に行った世論調査と、東京都の二十五選挙区に立候補した百三十四人を対象に行ったアンケートを比較するとその差は歴然としている。 原発では、世論の約六割が原発ゼロを訴えていたが、東京の二十五選挙区でも自民党候補が続々と勝利。当選した自民党の中にはアンケートで「原発ゼロ」と答えた候補もいたが、二十五人の中で脱原発を求める当選者は28%にとどまった。 消費税増税について世論調査では反対が55・6%で、半数を超えていた。消費税増税は民主党と自民、公明両党の三党の枠組みで決めた。マニフェストで約束していなかったのに増税を決めた民主党は、世論の批判をまともに受けて惨敗。しかし、その代わり自民党が小選挙区で躍進し、公明党も議席を獲得したため、結局、増税勢力が多数を占めた。 憲法九条は、世論調査では改憲反対と賛成が拮抗(きっこう)していたが、選挙結果では改憲し「国防軍」を明記すると主張した自民党が勝利。維新も含めた「改憲勢力」で三分の二を占めた全国的な傾向と同様の結果となった。 *2:http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-ddfa.html 「未来の党」共同代表に社民党旧ナンバー2・これで日本の緑の党に生まれ変わる可能性は消えた。 (ポイント)「未来の党」の共同代表に阿部知子氏がなりました。嘉田由紀子氏が滋賀県議会から強烈な批判を浴びていたのは周知のことですから、予想されたことですが、最悪の人選だと私は思います。たぶん、小沢氏の影響力排除なのかもしれませんが、よりにもよって阿部氏とは(絶句)。阿部氏は社民党政審会長というナンバー2の地位にいて、福島党首との折り合いの悪さから脱党した人です。ただし、これで阿部氏の政治理念に変化があった訳ではなく、反自衛隊、反基地、外国人参政権法賛成、安保反対、護憲、反自民などの政治姿勢はキープし続けるつもりだと思います。私はこのような政治イデオロギーが、脱原発運動に大量に流入していることにかねてから危惧を持っていました。(中略)私はかねてから、日本の脱原発運動になくて、ドイツにあるものは何か考えて下さい、と言ってきました。答えから言えば、それはドイツ緑の党(Die Grünen)です。(以下略)
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2012,11,23, Friday
本物の改革をするにあたっても、既得権のある強力な人が反対してなかなかできないこともある。電力改革・電力自由化に反対する人はその良い例で、そのような時、総合的に物を考えることができ、先見の明ある政治家や首相がイニシアティブを発揮することは重要だ(その後、解釈がかわって変になった部分もあるが、郵政民営化はもともとそれだった)。
しかし、やってはいけない改革をするのに、自分の立場を使って、もしくは自分の立場を忘れて止めようとする人もいる。私は、消費増税は、やる必要もなく、やってはいけない改革だと思っているが、財務省主導で行われている。それに反対する候補は公認しないというのは、官にひれ伏した政治だ。 官の方針決定ではいけない理由は、①官は選挙がないので国民の審判を受けず、国民の方を向いて政治をしているのではないこと(民主主義ではない) ②それぞれの省は、省内と関係団体間のやりくりしか考えることができないため国の大きな方針変更はできないこと などである。そのため、政治主導が必要なのだが、*1、*2、*3のように、野田首相を中心とする民主党は、政治主導をしようとした人、国民の意見を吸い上げようとした人を排除しており、政治家として先見の明がなさすぎる。 民主主義における政党と議員の本当の関係は、議員は、政党に雇われているのではなく、国民に雇われているのであり、誰をその議員にするかは国民が決めるものだということである。そして、政党とは、国民の代表である議員が、自分の政策を通しやすいように、似た政策をもっている人同士で集っているにすぎないもので、官僚組織や会社組織とは異なる。そこでむやみに首相の“リーダーシップ”で党議拘束をかけ、国民の要望と異なる採決を議員に強要すれば、民主主義は機能しなくなる。 最近、議員の数を減らして消費税増税の言い訳にしたり、政策の異なる人を党の支持に背く人として選挙前に突然公認しないことにしたりすることが横行しているが、そのようなリーダーシップは、民主主義の力を弱めることになるということを、国民は認識していただきたい。多くのメディアが理解しておらずグルでもあるため、難しいかも知れないが・・。 *1:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012111800037 (時事ドットコム 2012/11/18) 反消費増税候補は公認せず=鳩山氏にも「誓約書」求める-民主 民主党の安住淳幹事長代行は18日のNHKの番組で、衆院選に関し「野田佳彦首相の考え方についてこられないと公認できない」と述べ、消費増税や環太平洋連携協定(TPP)推進などの方針に賛同しない候補者は公認しない意向を明らかにした。また、党の基本方針に従うとの誓約書の提出を公認の条件とする考えも示した。安住氏は「民主党はいいこともしたが、離党者を出してガバナンス(統治)を問われた」とした上で、「反対しても党で決めたらこれを守るという誓約書を書いてもらい、公認する」と述べた。この後、安住氏は記者団に、消費増税関連法の採決で反対した鳩山由紀夫元首相(北海道9区)が民主党公認で出馬する意向を示していることに関しても「誰であっても党の約束は守らなければならない。守るのなら新人でも元首相でもいい」と述べ、例外扱いはしないと強調した。 *2:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121121-00000304-sph-soci (スポーツ報知 11月22日) 鳩山元首相、涙の引退表明「戦えない」 (ポイント)民主党結党時のメンバー、鳩山由紀夫元首相(65)=衆院北海道9区=が21日、政界引退を正式表明した。地元の北海道苫小牧市で後援会に報告。会見では「波乱万丈だったが、幸せだった」と時折、涙を見せながら話した。消費増税や環太平洋連携協定(TPP)などをめぐる主張が現政権と異なるため、公認が得られず「戦えない」と判断。引退を決定づけたという政策への賛同を「踏み絵」と表現した。消費増税やTPP推進への賛同を候補者公認条件とした党執行部への反発が引退の要因だ。苫小牧市での会見では「公認されないと知り、これでは戦えないと判断した」と話した。 一方、党関係者は「公認の条件として党方針に従うよう求められたことが引退の理由ではない。党の調査で鳩山氏は自民党候補に負けており、首相経験者として晩節を汚さないほうがいいと親族から説得された」と明かす。鳩山氏自身が身を引く形をつくり、名誉ある撤退を図ったというわけだ。苫小牧入りする前には党本部で野田首相と10分間会談。「考え抜いた揚げ句、決断した。第三の人生を歩みたい」などと伝えた。首相は「元首相の決断なので、重く受け止めます。党勢拡大に努め、政権交代の先頭に立っていただいた」とねぎらった。固い握手をして別れたが、慰留はしなかったという。 *3:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-199496-storytopic-11.html (琉球新報 2012年11月22日)鳩山元首相引退 「県外」追求は正当だった 2009年の政権交代の象徴だった鳩山由紀夫元首相が政界引退を表明した。消費増税などに反対を貫き、民主党の公認を得られる見通しがなくなったことで、「名誉ある撤退」を図ったとされる。沖縄の最大懸案である基地問題で功罪相半ばする鳩山氏の引退に、県民は複雑な思いに駆られているだろう。09年の衆院選前の沖縄遊説で、鳩山氏は米軍普天間飛行場の返還・移設問題をめぐり、「最低でも県外移設」と強調した。県民は、県内移設の呪縛にとらわれた日米両政府の基地政策に風穴が開くという期待感を高めた。 1996年の日米の返還合意以来、1ミリも動かない普天間飛行場の危険性と過重な基地負担にあえぐ県民の声に耳を傾け、鳩山氏が従属的な対米関係の見直しなどを模索したことは正当だった。だが、米国と気脈を通じて「県外移設」つぶしに暗躍した外務、防衛官僚らに包囲網を敷かれ、鳩山氏は2010年に辺野古移設に回帰した。指導力の弱さを突かれ、沖縄社会を大いに失望させた。鳩山氏は歴代首相で初めて、日本の安全保障政策の官僚支配の病弊と、沖縄への基地偏在に潜む差別的構造を可視化した。基地負担をこれ以上引き受けないという沖縄の民意がかつてなく強まるきっかけをつくった点で、歴史に刻まれることは間違いない。 鳩山氏が対米関係を揺るがしたとみなす在京大手メディアは、普天間問題を鳩山氏個人の責任に矮小化することで、結果的に「県外移設」は困難と印象操作に走っている。木を見て森を見ない、アンフェアな見方と言わざるを得ない。今年5月の本土復帰40周年記念式典に出席した際、鳩山氏は本紙のインタビューで県外移設が実現できなかった最大の要因について「防衛、外務官僚は米側を通して辺野古でないと駄目だという理屈を導いた」と証言した。鳩山氏は引退後、沖縄などに平和研究所を設立する考えを示している。首相に面従腹背していた官僚や政治家の内実を、具体名を挙げて後世に示すことが最初の務めであろう。 消費増税反対の議員を押しやるなど、危うい純化路線に走る野田佳彦首相らに対し、鳩山氏はつっかい棒のような存在でもあった。総選挙を機に、沖縄の民意に背を向けた基地押し付けがさらに強まることを警戒する必要がある。
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2012,09,11, Tuesday
私は、谷垣さんをよく知っているが、自民党の中で、大きなポスターにしてもさまになる、数少ない人材である(笑)。また、頭がよくて、いい人である。そのため、自民党が野党の間のみの総裁で首相になれなかったのは、気の毒に思う(*1参照)。
政策に関しては、消費税増税について、私とは見解が異なり、ずっと増税派だった。また、脱原発依存であるが脱原発ではないため、この点も私とは異なる。最近、奥さまを亡くされ、一人で闘っておられたが、これからも、元気で頑張って欲しい。 しかし、あれだけ消費税増税に突き進んだ人が党の顔になれば、今度の総選挙でも自民党は敗北したと思う。他の人なら勝利するかどうかも疑問だが、国民は、冷静にそれぞれの党の政策を比較して選択すべきだし、メディアは、それを可能にするよう、政局と痴話話ばかりではなく(*2参照)、正確な政策の比較を国民に伝えるべきだ。 *1:http://www.asahi.com/politics/update/0910/TKY201209100127.html (朝日新聞 2012年9月10日) 谷垣氏、石原氏との決裂が決定打 3党合意の継承焦点に 自民党総裁選で再選を目指していた谷垣禎一総裁が、突然の立候補断念を表明した。石原伸晃幹事長との一本化調整に失敗し、再選への視界が狭まったことが決定打となった。谷垣氏が進めた民自公3党合意による消費増税や社会保障改革などの路線の継承も、総裁選の焦点となりそうだ。 谷垣氏は10日午前11時半から臨時の記者会見を設定。決断した時期は「ちょっと前。今朝ということです」と説明した。この直前まで、谷垣氏は自民党本部で石原氏と会談していた。 谷垣氏は7日の党本部での記者会見で立候補の意向を表明。9日の地元・京都のパーティーでは「総裁として、あと一歩。この壁は私自身が体当たりしてぶち破っていかねばならない」と決意を語っていた。 *2:http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120910/crm12091021590020-n1.htm (MSN産経ニュース 2012.9.10)現職大臣の死 今週発売週刊誌で女性問題報道も 民主党代表選が10日、告示され、自民党総裁選もせまり政局が混迷を深めるなか、国民新党の松下忠洋金融・郵政民営化担当相(73)の自殺の報が駆け巡った。郵政民営化法案に反対した熱血漢の一面もあった松下氏。今週発売の週刊誌に約20年交際していたとされる女性の記事が掲載される予定だったという。現職大臣の突然の死と関係はあるのか。各方面に動揺が走った。「しっかりやっていくからな」。松下氏は8、9日に地元の鹿児島県に戻り、懸案の日本郵政の幹部人事について、こう意気込みを語っていたという。国民新党鹿児島県支部の吉原範雄幹事長(75)によると、妻とともに地元入りし、薩摩川内(せんだい)、霧島両市で郵便局関係者のソフトボール大会などに顔を出した。吉原さんは「自殺するようなそぶりはまったくなかった。どういうことなのか…」と驚いていた。
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2012,09,10, Monday
2012.9.9に引用した「維新八策」の中に、「維新は『八策は基本理念を示すもの』と数値目標や工程表を盛り込んでこなかったが、『身を切る部分は数値を入れて訴える必要がある』(幹部)と方針転換した。任期の4年間で実行する政策を選挙前に、別途公表する。また、国会議員との意見交換を経て、一部は変更する可能性があるという。」という記述があり、「消費税増税するためには、まず国会議員が身を切るべきだ」と広報したメディアも多いが、私は、この論調には、下の点で賛成できない。
1)消費税増税は、国会議員が身を切れば認められるというような感情論ではなく、理論的な 根拠に基づいて、行うか、行わないかを決めるべきものだった。 2)日本国憲法は、前文において「主権在民」を掲げ、それを実行する手段として43条1項に おいて「衆参両議院は、全国民を代表する選挙された議員で組織する」と定めている。 従って、いたずらに議員数を減らすことは、国民の代表者数を減らすことになり、主権在民 を危うくするものである。 3)43条2項において、両議院の定数は、法律でこれを定めるとしているため、両議院の定数 は変更できるが、そのためには、国民の意思が適切に反映できるための数を、憲法の理念 を実現するという発想から導くべきである。 4)しかし、小選挙区で国会議員を通すための予算の無駄遣いが多かったことは否めない。 5)また、小選挙区で当選するためには、地元での冠婚葬祭や後援会作りなどの仕事が多く、 本当に政策にかかわる時間が、その分だけ制限されたのも否めない。 6)また、小選挙区で一人だけを選ぶ場合、一般有権者は男性を支持する傾向が、現在の日本 にはまだある。 そのため、私は、2012.8.24に、「選挙制度改革については、日本全体の比例に、2030年には一方の性の割合が40%未満にならないようにするポジティブ・アクションを段階的に加えること」を提案した。 そこでは数を書かなかったが、一院制や半数でよいということは絶対にないと思う。なぜなら、憲法42条に「国会は、衆議院及び参議員の両議院でこれを構成する」と書かれており、両議院を作る意味は、衆議院が誤った結論を出した時に、その政策をチェックして止めさせるという機能が参議員に課せられており、国の方針を決めるにあたり、もっともなことだからである。衆参両議院がねじれていたため、消費税増税が決まらずに困ったのは、国民ではなく、財務官僚だったのを忘れてはならない。
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2012,09,05, Wednesday
朝日新聞より 毎日新聞(*2)より *1、*2のように、脱原発の方向に世論が向いてきたところ、*3のように、電力総連が、衆議院議員選挙の候補者に踏み絵を行って、脱原発の候補者は支援しない方向を示した。このようにして、政党は圧力をかけられるのだが、政治家がまっとうなことを言い、実行できるためには、当然のことながら、そういう人が当選する仕組みになっていなければならない。 しかし、実際は、どこへ行くかわからない気ままな浮動票よりも、自分たちの利益を優先にして硬く結び付いた業界票の方が確実に基礎票をとれるため、党首や候補者が、その力に縛られるケースは多い。その結果、政策がその業界寄りによじれるのである。 そして、そのような組織に縛られない国民が民意を達成するために必要なことは、メディアが、ある政党が反対した理由や賛成した理由、それぞれの議員の考え方などを、国民に、正確に伝えることである。これが、民主主義をうまく運用するKeyになるのだが、現在は、そうなっていないのが問題なのだ。 私は、今回の総選挙では、①それぞれの政党が脱原発・除染・避難の時期とやり方をマニフェストで明示すること(脱原発せず原発を増やす、現状を維持するという政党もあるだろう) ②電力総連が推薦する候補者は原発推進であるため、脱原発派の人は、間違っても電力総連が推薦する候補者に投票しないこと ③政党の意見も当選した議員の意見で変わるので、政党だけではなく候補者の意見も知って投票すること などが、少なくとも必要だと思う。 *1:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2272968.article.html (佐賀新聞 2012年08月24日) 原発ゼロ目標明記へ / 政府検討、工程表も 政府が策定中の新たなエネルギー・環境戦略に、中長期的に原発をゼロにする目標を盛り込む検討に入ったことが24日分かった。2030年を基準に達成時期にも言及し、廃炉の進め方など実現に向けた課題や具体策を整理した工程表をつくる。脱原発に慎重な意見に配慮し、定期的に内容を見直す条項も入れる方向だ。民主党と調整し、閣僚で構成するエネルギー・環境会議で9月上旬にも新戦略を決める。エネルギー政策の国民論議で原発ゼロを求める声が強いことを踏まえた。政権として脱原発の方向性を示し、衆院解散後の総選挙で争点になるのを避ける思惑もある。 *2:http://mainichi.jp/feature/news/20120827dde012040008000c.html (毎日新聞 2012年8月27日) 原発ゼロの世界/上 存続派の「まやかし」 - 原発比率の落としどころ 「国民が知りたいのは、原子力の比率をどうするかなどではない。再稼働をするかしないか、するならば、どこの原発を動かすのかという点です。2030年に0%、15%、20-25%という政府の選択肢の示し方は、さも15%が中庸であるかのように見せかけ、世論を原発存続へ誘導しようとしたとしか思えない」。そう憤るのは、「原発のコスト」の著書のある大島堅一・立命館大教授(環境経済学)だ。実際、政府は原発比率の落としどころとして15%を模索していたようだ。ところが、その政府が実施した討論型世論調査(=DP。無作為抽出して電話調査した6849人のうち、2日間の討論会に参加してアンケートにも答えた285人が対象)では、0%を支持する人が討論前の41%から47%へと増えた。 さらにパブリックコメント(意見公募)に寄せられた約9万件のうち約7000件を分析したところ、「ただちに原発ゼロ」が81.0%、「段階的にゼロ」が8.6%で、「ゼロ」派は合計89.6%に上った。まるで原発ゼロに向けて世論の“地殻変動”が起きているかのようだ。そもそも政府が有力視していた15%は「中庸」と呼べるような案だったのか。 *3:http://www.jiji.com/jc/zc?k=201209/2012090400832 (時事ドットコム 2012/9/4) 「脱原発」は支援せず=候補者に踏み絵-電力総連 電力業界の労組で構成する電力総連の種岡成一会長は4日、名古屋市内で開催した定期大会のあいさつで、「引き続き原子力発電がわが国の基幹電源の一翼を担っていくのが現実的な選択」との認識を示すとともに、「私たちと考え方を異にする議員、候補者を支援することは組合員の理解が得られない」と述べた。同総連内では、東京電力福島第1原発事故を受け政権内で高まっている「脱原発」に対し、労働環境を脅かすとの指摘が多い。このため、今秋以降に行われる総選挙や来夏の参院選を念頭に、脱原発を目指す候補者に主張を続けるのか、選挙支援を選ぶのか「踏み絵」を迫った形だ。 PS: 2012年9月6日に下の記事を見つけましたが、この方針には5年ごとの見直し条項が入っており、「原発ゼロ」は、この方針を決めた人たちが、すべて引退した後の話になっているため、「現状維持」のち「原発推進」の案です。国民は、このようなまやかしに、決して惑わされないようにすべきです。 http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2279671.article.html (佐賀新聞 2012年9月5日) 政府、2段階で「原発ゼロ」に / エネ戦略で調整 政府は5日、新たなエネルギー・環境戦略で、2030年時点で総発電量に占める原発比率を15%以下に引き下げ、最終的には「原発ゼロ」を目標とする方向で調整に入った。全原発の廃炉に向けた工程表を15年までに作成し、2段階で脱原発を実現する。再生可能エネルギーの普及状況や国際的なエネルギー情勢をにらみながら工程表を5年ごとに見直す。民主党内には、早期の原発ゼロへの慎重論が根強く、実現時期を明示することは難しいと政府は判断。段階的に原発を廃止する目標を掲げることで決着を図る考えだ。
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2012,06,29, Friday
死刑廃止論の大きな理由は、*1のように、冤罪で死刑になる人がいることだそうだ。しかし、冤罪事件については、下の理由により死刑の廃止で問題が解決するものではない。
①真犯人がつかまっておらず、罰せられていないこと ②冤罪被害者が罰せられても、殺人被害者にとっては何の慰めにもならないこと ③冤罪被害者を捕え長時間かけて裁いている間に、真犯人を捕える機会が失われること ④真犯人を捕えられない時や権力の圧力がかかった時に、警察や検察がメンツのため、かわりに 比較的孤独で支援者のない人を捕えて冤罪をかぶせる傾向があるということ ⑤裁判所も本当の独立性を持っておらず、冤罪に加担する場合もあること そして、冤罪被害者の側から見れば、殺人犯に仕立てられて15~30年も経過した後に、「間違いでした」と認められても、認められないよりはましだろうが、失った人生は帰ってこない。つまり、年をとってから、「実は、あなたが犯人ではなかった」と確定しても、たまったものではないのである。その間の本人や家族(親、配偶者、子ども)の苦しみや失った幸福は、計り知れない。 そして、冤罪被害者に対する刑事保障では、拘束された期間1日あたり12,500円(最高金額)の保障があり、その後に国家賠償を受ければ、判決された額から刑事保障の分が相殺されるそうだが、そもそも最高でも12,500円というのは年収4,562,500円(12,500円 X 365日)のサラリーマンの日当程度であり、人生を棒に振らされた冤罪被害者の苦痛と被害を考慮している筈がない金額だと思う。しかし、これが、現在、国民に対する基本的人権の侵害に対して、司法が妥当と考えている損害賠償額ということになる。これで計算すると、20年拘束されても最大で91,250,000円(4,562,500円 X 20年)ということになるが、人によるとしても、生涯所得の逸失利益と慰謝料から計算すると、もっと大きな金額になる人は多いだろう。 課題は、司法が、真実を明らかにして真犯人を捕える発想と技量に欠けていること、真相追及のための裁判に、修正が効かなくなる10年単位の期間を要することである。これは、人の人生を左右する問題であるから、「裁判官や弁護士が忙しいから」などという弁解をすることは、あまりにも人権意識が低すぎると言わざるを得ない。 なお、これについては、司法のみでなく立法・行政・民間企業にも多くの人材を送っている、我が国の法学部教育にも問題があるのだと聞いている。もし、これが医学部だったら、医者が、胃がんの人の肝臓を間違って摘出したら、病気は治らないし大変なことになるので、病気の原因を正確に把握してから治療するという勉強をして大学を卒業する。 *1: http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/309985 (西日本新聞 2012年6月28日) 地裁で死刑判決を言い渡しているうちに涙声になり… 地裁で死刑判決を言い渡しているうちに涙声になり、控訴を勧めた裁判長がいた。10年ほど前の九州でのことだ。極刑を下す人の苦悩を物語る死刑判決にかかわる裁判官の胸中は、一審であれ最高裁であれ、基本的に違いはない。殺人事件で死刑維持の判決を言い渡したあと傍聴席から投げつけられた「人殺し!」の言葉を胸に刻んだ最高裁判事もいる。団藤重光さんだ。被告は否認していた。一抹の不安が、罵声を生涯忘れられないものにした。人が人を裁くことの怖さをかみしめ直し、退官後は死刑廃止運動にかかわった自著「死刑廃止論」は1991年の出版から10年間で6版を重ねた。刑法学者として世に出た団藤さんは現行刑事訴訟法の生みの親となり、最高裁判事時代は人権派として鳴らした。広く深く知られた軌跡が退官後の言動に重みを与えてきた。先日、98歳で亡くなった。一昨年開かれた集会に次のようなメッセージを寄せている。「この20年間で死刑廃止国と存置国は逆転した。若い皆さんが死刑廃止へ向けて努力してくださることを願ってやみません」(朝日新聞から)。先進国で死刑を執行している国は今や珍しい。裁判員制度のもと一般市民も死刑判決に加わるようになった。施行3年を経て裁判員制度は見直し時期に入ったが、法務省は「国民の評価は高い」として抜本見直しには消極的と伝えられる。団藤さんはどう聞いていただろう。
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2010,06,16, Wednesday
「7.11の参議院議員選挙に出ないのですか?」という質問を、よくいただきますので、出られない理由を、簡単に説明します。
選挙で立候補するのは、サッカーでシュートするのと異なり、無料ではなく、多くの資金を必要とします。そして、選挙で落選した後は収入がないため、数多くチャレンジすればよいというものではなく、高い確率で勝てる戦いをしなければなりません。 資金はどのくらいかかるのかと言えば、クリーンで全く普通の選挙を行っていても、選挙区の広い参議院議員選挙の場合は数千万円かかると言われています。その理由は、出さなければならない郵便物や貼るポスターの数が大変多く、人手もかかるからです。また、供託金も出さなければならず、これは、とれる票数が少ないと返してもらえません。なお、政党によりますが、政党から公認されていれば、公認料が出たり、供託金を払ってくれたりして、一部、負担してもらえます。 そのため、有権者である国民は、自分が出てもらいたいと思う人には寄付したり応援したりしなければ、候補者だけに負担をかけることになります。つまり、国民の代表を自分たちで選び、本当に自分たちが議員になってもらいたい人を議員にして自分たちが望む政治を進めるためには、寄付したりボランティアで応援したりと、自分たちもサポートすることが必要なのです。
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2010,05,12, Wednesday
ご無沙汰しました。また、衆議院議員在職中は、いろいろとお世話になりました。
私は、昨年8月の衆議院議員選挙では、ふるさとであり地元であった佐賀三区の代表として国会で活躍できるよう、私を公認しなかった自民党を衆議院解散後の2009年7月31日に離党し、「みんなの党」から立候補しましたが、25000票弱しかとれず、落選しました。 みんなの党は、新しい小さな政党であるため、昨夏の衆議院議員選挙の時も、今夏の参議院議員選挙でも、公認料や支部への交付金などの資金的支援は全くありません。そのため、全額自費で、ふるさとのために、リスクをとって立候補したわけです。 けれども、議員は落選すれば収入はなく、収入がない以上、他に資金源がなければ、選挙活動もできませんので、2010年3月31日付で、「みんなの党佐賀県第三選挙区支部」を、解散しました。 そもそも、私が、2005年の郵政解散の時に佐賀三区から立候補したのは、右肩下がりになっているように見えたふるさとを持ち上げるためでした。そして、実際に、私は、農林水産業やまちづくりをはじめ、いろいろな分野で、リードして改革してきました。 そこで、私は、この4年間に経験してきたことで、地元有権者の方に対して注文があります。その地域の全員にお知らせを配って国政報告会やまちづくりタウン・ミーティングを行っても、申し合わせて参加せず、「参加しているところを、誰かに見られてはまずい。(私の感想:誰にまずいのか?また、見られると何をされるのか?)」「表立っては応援できない。(私の感想:私は、リスクを全部背負ってやっているのに・・)」「難しくて、わからない。(私の感想:有権者として、理解する努力もしてもらいたい・・)」等、主権在民の国の有権者としては、後ろ向きな発言が多かったと思います。 主権を持つ市民だということは、堂々と、自分の考えに基づいて行動し、その結果については自分が責任を持つということです。そして、責任を持てる決定をするためには、普段から、自分たちの政治課題は何で、自分たちが選ぶ議員がそれに対してどう行動しているかを知っておくことが必要です。私は、有権者も、努力して、よい政治を作っていくべきだと思います。 なお、主権在民の国の有権者が間違わずに投票行動をできるためには、マスコミは有権者への情報の媒体として、偏向のない情報を正確に伝える必要があります。しかしながら、私がマスコミに対して、いくら最先端の政策課題と議論の内容を説明しても掲載されず、「刺客」「くノ一」「感情的に主張している」など、女性蔑視の先入観を含んだ報道振りが多かったと感じました。これでは、私が、地元をフィールドとして要望を集めて、4年間一日も休まずに必要なことを政策にしている改革派の仕事師であるという真の姿は伝わらなかったと思います。そして、それでは、当然、有権者に、正しい投票行動は期待できないでしょうから、頑張っている議員ほど、遣り甲斐がないでしょう。 また、衆議院議員選挙中に、うちの事務所がアルバイトの人に支払ったアルバイト代が、買収として何度も報道され、一般の人に「広津素子が選挙で買収した。」などという印象を与えられましたが、法定ビラを配ったアルバイトの人にアルバイト代を支払ったのが「買収」という表現になるのは変だと思います。私は、あの事件は、立法趣旨の違う法律を、状況と意図の異なるケースに無理やり適用して、「買収」「買収」と叫んでおり、誰かの策略だと思っています。 実際には、私は、小学校から大学まで公立学校の出身であり、お金を払って裏口入学するという発想は全くありません。そのため、あれは本人も驚くような、事実とは全く逆の汚いイメージを、私になすりつけるためのものだったと思います。そして、そもそも全部自費で賄っている資金不足の国会議員の選挙で、無駄使いを嫌う私が、数人買収しても意味もないのに、「なんで、わざわざ数千円を支払って、数人を買収するだろうか!」と思い、クリーンな人に、ダーティーなイメージをなすりつけて、その後の活動を妨げることが目的の、理不尽な捜査であったと感じています。
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2010,04,15, Thursday
2010.3.31付で、みんなの党佐賀県第三選挙区支部を解散しましたので、急いで、看板を付け替えました。現在は、衆議院議員時代の資料・写真等の整理をしています。
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