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2016.6.3 日本の警察や自衛隊は、本当に国民や民主主義を護っているのか?
(1)警察は民主主義を阻害してきた歴史があり、今も阻害していること
 *1-1のように、警察庁長官が全国会議で「買収など選挙の公正を著しく害する事件に捜査の重点を置き、積極的な摘発を図ってほしい」と述べたそうだが、私は、2009年の総選挙で、公職選挙法で適法であるにもかかわらず、選管に届け出ている運動員にアルバイト代を支払ったことを「買収(!?)」とされ、選挙期間中に大々的にメディアで報じられたため打撃的に票が減った。しかし、「買収」とは、金があり金で票を買いたい候補者が行うもので、専門家が顔を見て少し話せば「買収」とするのが妥当か否かはわかる筈であるため、健全な民主主義の発展のためには、警察が取り締まりを過熱させることによって古株の議員に貢献することこそ、むしろ問題にすべきだと考える。

 なお、*1-2のように、佐賀県警も選挙違反取締本部を設置して1,190人体制で取り締まり、ウェブでも選挙違反の情報提供を求めているそうだが、今回の候補者は、1,190人もの警察官をあてて取り締まりを行わなければならないほど選挙違反のリスクが高い候補者とは思えない。そのため、「選挙の自由と公正を確保するため厳正、公平に取り締まる」のではなく、特定の人をターゲットにしていると思われる。

 また、候補者に対し、*1-3のように、県警担当者は「①文書配布 ②看板・ポスターの掲示 で違反とならないよう十分確認して」と呼び掛けたそうだが、①②で細かく候補者を縛ることは、選挙運動をやりにくくして明るくきれいな選挙運動をできなくする。そこでまず選管が言う「明るくない」「きれいでない」選挙とはどういうもので、それに①②が入るのか否かを吟味すべきだ。何故なら、このように候補者の手足を縛って選挙をやりにくくする異常な規則は、他の民主主義国にはなく、候補者をよく知って投票しなければならない有権者(ひいては国)のためにならないからである。

(2)捜査の転換は、暗黒時代への逆戻りだ
 この選挙に先立ち、2016年5月24日、*2-1の刑事訴訟法などの改正案が衆院で可決・成立した。その内容は、①警察と検察に取り調べの一部可視化を全事件の約3%義務付ける ②容疑者や被告が共犯者らの犯罪の解明に協力すれば起訴を見送るなどの司法取引を導入する ③捜査で電話を盗聴したり、メールを傍受したりできる犯罪の対象を大幅に拡大する などで、新たな冤罪を生み、国民のプライバシーを侵害する多くの問題が指摘されていたにもかかわらず、それが改善されることはなかった。

 そのため、*2-2の「刑事司法改革は冤罪を防ぐ原点に立ち返れ」、*2-3の「盗聴拡大、密告で冤罪、改悪刑訴法」というような意見は多く、私も同感である。

(3)警察は、国民の立場に立って国民を護る組織ではないということ
 それでは、民主主義の代表を選ぶにあたって1,190人もの警察官を割り振って取り締まっている警察は、本当に国民の側に立って国民を護っている組織なのかを検討すると、*3-1のように、ストーカーの危険を警察署で訴えていた女性アイドルは刺傷され、警察署はTVドラマとは異なり、「一般相談」と判断して犯罪を予防することができなかった。そして、捜査幹部は「ファン心理とストーカー心理との線引きが難しい」などという言い訳をしており、専門部署まで作ったのはポストの増加目的で、国民の命を護るための専門知識はなかったかのように見える。

 そして、*3-2のように、ストーカー事件は前から起きており、そのたびに「対策研究会」や「人身安全関連事案総合対策本部」などの新組織を作っているが、犯罪は防げていないのが実態だ。

(4)それでは自衛隊は何を護っているのか - 防衛と防災を混同すべきではないこと
 *4-1のように、「佐賀空港への自衛隊新型輸送機オスプレイ配備計画で、若宮防衛副大臣が6月3日に佐賀県庁を訪れ、山口知事らに格納庫や弾薬庫などの施設配置案を示した」そうだが、これを「九州地方の一大防災拠点としての役割、機能を担うことになる」と説明するのはおかしい。何故なら、防災拠点には弾薬庫は必要ではなく、倉庫など別の物が必要だからだ。

 さらに、*4-2のように、陸上自衛隊は宮古島と石垣島のそれぞれ22㌶に駐屯地を設けるそうだが、空自や海自ならともかく、離島に陸自はいらないことから考えても何を目的としているのか不明であり、ポストを増やすべく基地の増設をしているのではないかと思われた。

<民主主義を護っているのではないこと>
*1-1:http://www.saga-s.co.jp/news/national/10203/318312
(佐賀新聞 2016年6月2日) 参院選「積極的な摘発を」、全国会議で警察庁長官
 7月の参院選に向け、警察庁は2日、全国の警察本部で選挙違反の取り締まりを担当する課長らを集めた会議を東京都内で開いた。冒頭、金高雅仁長官は「買収など選挙の公正を著しく害する事件に捜査の重点を置き、積極的な摘発を図ってほしい」と訓示した。今回の参院選から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことを受け、「新たな有権者層の支持を巡る各陣営の運動が過熱することも予想される」と警戒強化を訴えた。警察庁は同日、庁内に選挙違反取締対策室を設置した。

*1-2:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/318616 (佐賀新聞 2016年6月3日) 佐賀県警、選挙違反取締本部を設置、1190人体制 ウェブで情報提供を
 佐賀県警は2日、参院選(22日公示、7月10日投開票)の選挙違反取締本部を設置した。県警本部と全10警察署の約1190人体制で取り締まる。捜査2課によると、これまでにポスターの掲示方法が不適切で事前運動に当たるとして、1件を警告した。「選挙の自由と公正を確保するため厳正、公平に取り締まる」と話す。県警はウェブサイトに選挙違反の情報提供を受け付ける専用コーナーも設けている。2013年の前回参院選は、公選法違反(投票干渉)で1人を書類送検し、ポスターの掲示違反などで33件を警告した。インターネットを使った選挙運動が解禁されて初の国政選挙だったが、ネットでの違反はなかった。

*1-3:http://www.saga-s.co.jp/senkyo/sanin/30401/318614 (佐賀新聞 2016年6月3日) 参院選佐賀選挙区 立候補説明会に3陣営、自民 福岡、民進 中村、幸福 中島氏
 参院選佐賀選挙区(改選1)の立候補届出事務説明会が2日、佐賀市の県自治会館で開かれ、立候補を表明している自民党の福岡資麿氏(43)、民進党の中村哲治氏(44)、政治団体・幸福実現党の中島徹氏(41)の3陣営が出席した。参院選は22日公示、7月10日に投開票される。県選管事務局が、書類の事前確認や立候補届けの受け付けなど今後の手続きを説明した。県警の担当者は選挙運動の注意点を挙げ「文書の配布や看板・ポスターを掲示をする場合は違反とならないよう十分確認して」と呼び掛けた。県選管の大川正二郎委員長は「公職選挙法にのっとり、明るくきれいな選挙運動を展開してほしい。選挙権年齢が引き下げられるので、若い世代にも政策をしっかり訴えてもらえたら」と述べた。

<捜査の転換>
*2-1:http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160525/KT160524ETI090009000.php (信濃毎日新聞 2016年5月25日) 捜査の転換 危うさはらむ法改正
 捜査のあり方を大きく変える刑事訴訟法などの改正案がきのう、衆院で可決、成立した。新たな冤罪(えんざい)を生む、国民のプライバシーを侵害するなど多くの問題が指摘されたのに、改善されることなく見切り発車した。改正の柱は三つある。▽取り調べの可視化(録音、録画)を警察と検察に義務付ける ▽容疑者や被告が共犯者らの犯罪の解明に協力すれば、起訴を見送るなどの恩典を与える司法取引の導入 ▽捜査で電話を盗聴したり、メールを傍受したりできる犯罪の対象を大幅に拡大する―。密室での強引な取り調べが数々の冤罪を生んできた。言った、言わないの争いを法廷で長時間費やしてきた。これらを考えると、可視化自体は取り調べの適正化の担保として評価できる。問題はその対象の狭さだ。殺人や放火など裁判員裁判になる重要事件と検察の独自捜査事件に限られた。全事件の3%程度にすぎない。
<一部可視化は前進か>
 冤罪は痴漢や選挙違反など対象外の事件でも起きている。事件の限定は不合理だ。それでも一歩前進だ、という見方がある。民進党など野党の一部が賛成に回ったのはそのためだ。本当にそうだろうか。可視化されるのは対象事件で逮捕、勾留された容疑者の取り調べだ。逮捕前の任意の取り調べは含まない。実際には、任意の段階で容疑を認めたとして逮捕される例が少なくない。この場合、肝心の自供に至る過程が可視化されない。捜査側に都合のいい部分だけが可視化され、証拠にされる可能性がある。その懸念が表れた例が、先月、被告に無期懲役の判決が出た栃木県の女児殺害事件だ。検察は法施行に先行して被告の取り調べを可視化した。被告は偽ブランド事件で別件逮捕された。この取り調べの中で殺人も初めて自白したとされる。その場面は録画されておらず、殺人での取り調べだけがDVDに収められ、裁判員裁判で再生された。弁護側は、録画されていない部分で取調官に誘導されたと無罪を主張したが「映像に重みがある」との印象を裁判員に与えた。改正法には対象事件であっても取調官が十分な供述を得られないと判断した場合、可視化しなくてもよいなどの例外規定がある。中途半端な可視化は一歩前進どころか、後退する危険をはらむ。全事件を対象に任意調べを含めた全過程の可視化をすべきだ。
<無実の人を巻き込む>
 司法取引は日本で初めて導入される。贈収賄や詐欺、横領などの経済事件や薬物、銃器といった組織的な犯罪が対象だ。末端の容疑者に起訴しないと約束すれば、上部の関与を話しやすくなるかもしれない。それはもろ刃の剣だ。自分の罪を逃れたいために、うそをついて他人を巻き込む。そんな心配も増す。実際、司法取引の“先進国”米国では多発している問題だ。冤罪の2割強は、司法取引での誤った証言が原因との研究報告がある。法案の修正で、容疑者と検察官との取引の協議の場に容疑者の弁護人が必ず立ち会うことになった。注意しなければならないのは、弁護人は容疑者の利益を図る立場にあることだ。無実の他人を巻き込まないかのチェック機能は期待できない。そもそも、罪を犯しても他人を売れば助かるという仕組みが国民の倫理観になじむのか。議論は不十分なままだ。犯罪捜査で電話盗聴などを認める通信傍受法は、17年前に強行採決で成立した。プライバシーが侵害されるとの強い批判を受け、対象を薬物、銃器犯罪など4類型に限定し、通信事業者が立ち会う制約も設けていた。
<プライバシーに懸念>
 今回の法改正では対象を詐欺や盗み、傷害など日常的な犯罪に広げた。しかも、通信内容を暗号化して警察署に電送すれば、立ち会いも不要とした。裁判所の令状が形式だけにならないか。犯罪に関係ある会話かどうかは聴いてみないと分からない。だから通話開始から一定時間聴く「スポット傍受」を繰り返す。これまでに傍受された通話総数の8割余が犯罪に関係のない通話だった。聴かれた方は確かめようもない。第三者の立ち会いがないので恣意(しい)的な傍受が可能になる。例えば、デモで警察とぶつかった時の傷害容疑で市民団体の内部情報を収集したり、相手をだまして特定秘密を取得しようとした詐欺容疑でマスコミの取材源を探ったりすることもできる。刑事法学者らが指摘していることだ。法改正の出発点は、相次いだ冤罪事件を防止することにあったはずだ。わずかな可視化の見返りとして、捜査機関の権限が拡大され、新たな冤罪を生む危険性が増した。大きな矛盾を抱えた法律だ。運用を厳しく監視し、絶えず見直しを求めていく必要がある。

*2-2:http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201605/0009117066.shtml
(神戸新聞 2016/5/25) 刑事司法改革/冤罪防ぐ原点に立ち返れ
 改正刑事訴訟法などが国会で成立し、取り調べを録音・録画する可視化が初めて義務付けられた。大きな一歩だが、冤罪(えんざい)を防ぐという刑事司法改革の原点から見て十分な内容とはとても言えない。焦点だった可視化義務付けは対象事件が極めて限定された。裁判員裁判事件と検察の独自捜査事件で、全事件の約3%にすぎない。取調官が十分な供述を得られないと判断すれば、録音・録画をしなくてもいいという例外規定も設けられた。取り調べの可視化は、任意の事情聴取を含む全捜査過程で実施されなければ、冤罪を防ぐどころか捜査当局の新たな武器になりかねない。そうした危惧を抱かせたのが、4月に宇都宮地裁で無期懲役が言い渡された女児殺害事件の裁判員裁判だ。取り調べの映像が検察側の証拠に使われた。検察側が見せたのはほんの一部だが、裁判員は法廷で無実を訴える被告の姿より、自白の映像を重視した。他に決定的な客観証拠がない中で、有罪を判断する決め手となったとされる。費用の問題があるとはいえ、すべての事件で、すべての取り調べを可視化し、弁護士がチェックする。そうでなければ、かえって真実をゆがめる恐れがある。今回の法改正では司法取引や通信傍受の拡大なども認められた。可視化の義務付けと引き換えに、当局が求めたものだ。司法取引では、容疑者や被告が共犯者の罪を供述したり証拠を示したりすれば、検察は起訴を見送ることや求刑を軽くすることができる。容疑者や被告が捜査当局の描いた事件の構図に沿って供述すれば、第三者を犯罪に巻き込む恐れがある。罪を他人にかぶせることも起こりうる。新たな冤罪を生むようなことになれば、何のための改革なのか。通信傍受は通信業者らの立ち会いがなくても可能になった。乱用やプライバシー侵害の恐れもある。可視化は限定され、捜査の武器は増える。当局に都合のいい形で法改正が進んだと言わざるを得ない。「可視化して 防げ罪なき 人の罪」。刑事事件の取り調べの全面可視化PRで、大阪弁護士会が3年前に募集した川柳の大賞作品だ。冤罪防止の原点を見据え、検証を重ねるとともにさらなる法改正に取り組むべきだ。

*2-3:http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-25/2016052501_03_1.html 盗聴拡大、密告で冤罪、改悪刑訴法が成立、衆院本会議
 盗聴法拡大・刑事訴訟法改悪案が24日、衆院本会議で採決され、自民、公明、民進、おおさか維新などの賛成で成立しました。日本共産党と社民党が反対しました。日本共産党は、捜査機関の盗聴自由化、司法取引導入、取り調べの部分的録音・録画を柱とした違憲の治安立法だと主張してきました。盗聴法拡大では、捜査官が犯罪に無関係な通信を根こそぎ盗み聞きすることが可能になります。市民のプライバシー情報がひそかに侵害され、あらゆる警察活動に利用されうることになります。改悪刑事訴訟法は、取り調べの部分録画が盛り込まれたことで、捜査官が強要した虚偽自白の録画が、有罪立証の証拠に使われ、司法取引の導入では密告によって他人を罪に陥れる危険があります。施行は、部分録画が3年後、司法取引は2年後、盗聴法の拡大は6カ月後です。日本共産党は、乱用を許さない国会内外のたたかいはこれからだと呼びかけています。

<警察は国民を護っているのではないこと>
*3-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12374758.html
(朝日新聞 2016年5月25日) 警察、ストーカー対応せず SNSは対象外 アイドル刺傷
 冨田さんを刃物で襲ったとして殺人未遂容疑などで逮捕、送検されたのは京都市右京区太秦中筋町の会社員岩埼(いわざき)友宏容疑者(27)。捜査関係者によると、冨田さんは5月9日に武蔵野署を訪れ、岩埼容疑者の名前を挙げて「ツイッターで執拗な書き込みがされている」と相談。書き込み内容を印刷した紙を署の担当者に渡し、「友達にまで迷惑をかけているから、やめさせてほしい」と訴えた。署では書き込み内容を確認した上で「一般相談」と判断したという。ストーカー規制法では、電話やメールを執拗に繰り返す行為を「つきまとい等」として規制しているが、ツイッターなどSNSを使った同様の行為は対象としていない。警察庁の有識者会議は2014年、SNSによる行為も対象に加えるよう提言している。岩埼容疑者が送ったとみられるツイッターの書き込みは、冨田さんのツイッターに直接送るものだった。送信は1月18日に始まり、冨田さんが送信を受け付けない「ブロック」を設定する4月28日まで、101日間で計340件に上っていた。岩埼容疑者は、冨田さんへのファンレターで自分の名前や住所を伝えており、冨田さんは署へその住所も伝えたが、署は電話での連絡ができなかったため接触していなかったという。
■専門部署、生かされず
 ストーカー対策をめぐっては、2013年10月に東京都三鷹市の女子高校生が元交際相手に殺害された事件で、事前にストーカー行為の相談があったのに防げなかったことから、警視庁が新たな取り組みをまとめ、現在の「人身安全関連事案総合対策本部」となる部署も新設した。三鷹市の事件を教訓に、警視庁は、警察署がストーカー相談を受けた場合、新設された対策本部の専門チームに報告し、そこで事態の危険性や切迫性を評価することにした。しかし今回は、女性の訴えを受けた武蔵野署が「ストーカー相談」として扱っていなかったため、署から対策本部への報告はなかったという。ある捜査幹部は「憧れるアイドルに近づきたいというファン心理と、ストーカーの心理との線引きは難しく、一般人同士の関係性と比べて判断しにくいケースもある」と話す。5月4日には、冨田さんの母親が、岩埼容疑者の自宅を管轄する京都府警右京署に「どう対処すべきでしょうか」と電話で相談。署員は、冨田さんの自宅近くの警察署に相談するよう伝えたという。警視庁は今回の対応について、「ただちに相談者の身に危険が及ぶ可能性は低いと判断した」と説明。今後、今回の対応が適切だったかどうかを検証するという。

*3-2:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160530-00000050-nksports-soci
(日刊スポーツ 2016年5月30日) ストーカー事件被害者兄が語る「GPS監視」方法も
 東京都小金井市で、アイドル活動をしていた私立大3年の冨田真由さん(20)が刺され重体となった事件で、殺人未遂容疑で送検された岩埼友宏容疑者(27)はSNSなどで執拗な書き込みを続けていた。冨田さんは警察に相談していたが、事件は起きた。神奈川県逗子市で2012年に起きた逗子ストーカー殺人事件で殺害された三好梨絵さん(当時33)の遺族で、学識者らで作る「ストーカー対策研究会議」共同代表として活動を続ける梨絵さんの兄(44)に、思いを聞いた。SNSでの書き込みはストーカー規制法の対象外だ。武蔵野署は冨田さんの相談をストーカー事案として扱っていなかった。しかし、岩埼容疑者はブログに「死にたい死にたい」「死ねよ死ねよ」という危険な文言を繰り返し記していた。梨絵さんの兄は「非常に残念だった」と語る。「うちの事件(逗子事件)、三鷹事件の後、本庁の刑事部と生活安全部が一緒に取り組む人身安全関連事案総合対策本部ができた。署で受けたストーカー相談は必ず文書にして対策本部に上げることになった。態勢は前進していたのに。署で相談を受けた署員の1人が、相談本部出身の人だったというのもショックでした」。適切に判断していれば、結果は違っていたかもしれない。兄は「情報を本部に上げていれば防げたかは分からない。ただ、年間2万件を超す相談がある中で、緊急性のある、危ない事案を見抜く能力が重要。警察も対策本部で経験値の高い人材を育てる取り組みを進めていますが、経験が足りていない」と話した。岩埼容疑者は約3年前に都内の当時10代のアイドル、昨年12月には滋賀県の女性とトラブルになり、いずれも警察に相談があった。しかし、事件が起こるまで、今回の相談との関連は把握されていなかった。「加害者は自分を被害者と思っているから繰り返してしまう人が多い。繰り返す人のリストを作り、都道府県警の枠を超えて情報を共有し、場合によってはGPSによる監視という方法もある。人権上の問題で、まだ議論すらされていないが、事件は起きている。社会的な議論が必要だ」。兄は、14年11月にストーカー対策研究会議を立ち上げた。被害者だけでなく、加害者が最悪の犯行に及ぶ前に止めることで加害者を救う視点での研究も進めている。ただ、警察も禁止命令、警告など、逮捕の前に行える手段が限られているのも現状だ。「警察へのバッシングだけでは被害は止まらない。加害者やその家族を、早期に専門のカウンセリング機関につなぐ命令など、逮捕前に加害者にアプローチできる仕組みを増やしていく必要がある」
◆逗子ストーカー殺人事件 2012年11月6日、神奈川県逗子市の自宅アパートで三好梨絵さん(当時33)が、元交際相手の無職の男(当時40)に刺され、死亡。男は首つり自殺した。男は11年6月、神奈川県警逗子署に逮捕され、執行猶予付きの有罪判決を受けた。保護観察中の12年春、再びメールが来て、梨絵さんは署に相談したが、当時メールはストーカー規制法の対象外(13年6月に対象に改正)で署は捜査を断念。同年11月、男は11年の逮捕時に署員が読み上げた住所の一部を頼りに探偵を使って住所を割り出し犯行に及んだ。
◆三好梨絵さんの兄は事件から2年後の14年11月、妹と同じ被害にあう次の被害者を1人でも救いたい思いから、ストーカー事件を法学、心理学、社会学などの研究者の視点で研究するストーカー対策研究会議を立ち上げた。加害者は厳罰だけでは止められないとの思いから、被害者を守る視点のほか、加害者や加害者の家族に早期にアプローチし、問題解決を支援することで犯行を止めるという視点での研究も続けている。

<自衛隊は何を護るのか(防衛と防災の混同)>
*4-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/318713 (佐賀新聞 2016年6月3日) 【速報】防衛副大臣「佐賀空港を防災拠点に」知事に説明、オスプレイ配備計画
 佐賀空港への自衛隊新型輸送機オスプレイ配備計画を巡り、若宮健嗣防衛副大臣が3日午前、佐賀県庁を訪れ、山口祥義県知事らに格納庫や弾薬庫などの施設配置案を示した。「九州地方の一大防災拠点としての役割、機能を担うことになる」と配備に向けた新たな根拠を示し、理解と協力を求めた。若宮副大臣は熊本地震で米軍オスプレイも投入された支援活動や自衛隊の救援活動を強調し、「今後の災害に備え、(オスプレイ配備により)九州地方の安心、安全を確保していきたい」と述べた。山口知事は「国防の重要性は認識しているが、県民の安心安全にもかかわる。確認、精査させていただきたい」と答えた。

*4-2:http://www.y-mainichi.co.jp/news/29860/
(八重山毎日新聞 2016年5月25日) 駐屯地面積、宮古と同規模 陸自計画
 石垣島に陸上自衛隊の配備を計画している防衛省は24日夜、市民を対象にした2度目の説明会を石垣市健康福祉センターで開いた。駐屯地の面積について、沖縄防衛局の森浩久企画部長は配備部隊が同じ宮古島の22㌶を例示し、「大きくかけ離れることはない」と記者団に語った。宮古島は700ー800人規模、石垣島は500―600人規模が計画されている。説明会には約200人が出席した。平得大俣東を配備先候補地に選んだ理由について森部長は「軍事的視点があるので具体的な説明はできないが、配備先は平たんで十分な地積、標高が必要。地形的要件を考えた」と回答。具体的な配備時期については「皆さんの理解をいただいて作業が進めば、具体的なスケジュールができると思う」と述べた。今回の説明会は、4月22日の前回説明会で事前に受け付けた質問141項目に対する回答がメーンとなり、会場からは「回答をして説明会をすべきだ。順序が違う。アリバイづくり」「ルールを守るべきだ。そうでないと議論が深まらない」などの批判があった。森部長は「事前に回答をした上で説明会に臨むべきだった。おわびしたい」と陳謝した上で「今回の説明会は市に求められて実施した。この機会にていねいに説明できればと考えた」とした。141項目の質問についてはまだ一部で回答を作成していないため、ホームページ上での掲載時期は現段階では未定という。次回の説明会について森部長は「今後、検討したい」とした。フロアからはこの日も反対、賛成の声が相次いで上がり、やじが飛び交う場面も。「賛成、反対の市民が市民会館大ホールで互いに議論して石垣島の将来をどうするか決めるべきだ」「具体的には住民投票がふさわしい」などの意見も出た。

| 民主主義・選挙・その他::警察が勝手な拡大解釈を行った運動員の逮捕事件 | 02:33 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.11.15 公職選挙法も議員をコントロールしたり、辞めさせたりするツールになっているため、時代に合わせて改正すべきだ。
      

  取調中の容疑者    裁判中の容疑者    メディアの闇

(1)公職選挙法違反事件とその報道の仕方
 *1に、「徳田陣営、現金買収の疑い 姉が裏金捻出か 公選法違反事件」として、裁判によって有罪か否かが確定されていない“公職選挙法違反”がメディアでいっせいに報じられ、徳田毅氏が自民党を離党したと報じられている。つまり、*2、*3だけでなく、NHKなど他のメディアでも、有罪か否か確定していない容疑の段階で同じ報道に大きな時間を割いているのだ。

 徳田議員を検索すると、検索サイトには、この報道により、「逮捕」や以前からあった「女性問題」というサジェッションが並ぶ。そして、これは、うちの運動員が逮捕された後、私を検索すると検索サイトに、「広津素子 公職選挙法違反」や「広津素子 逮捕」などの文字が並び、今でも見る人に誤解を与えているのと同じ現象だ。そして、私は、このブログの2010年8月10日に記載しているとおり、逮捕されたことはなく、公職選挙法違反もやっていないため、これは、名誉棄損、人格権の侵害、政治活動の妨害、営業妨害であり、かつ人権侵害以外の何物でもないのだ。

 このように、メディアが容疑の段階でいっせいに同じ報道を繰り返すのは、小沢一郎衆議院議員の時も同じで、私が、このブログの2012年12月17日に記載した通り、無罪が確定しても修正の報道はなされず、議員としてその報道で被った被害に対する謝罪や賠償もなく、検索サイトにはその人のイメージを悪くするサジェッションが並び続けるため、全く人権侵害なのである。また、「議員は、無罪であっても、疑われたら同義的責任をとれ」というのも、超法規的すぎて、法治国家で言うべきことではない。

(2)そのような“公職選挙法違反事件”は、どういう人に起こっているか
 私は、公職選挙法違反事件の捜査には偏りがあり、メディアもそれに加担していると思うので、どういう人が、公選法違反事件捜査のターゲットになっているか、簡単に調べてみた。この結果は、法律家の研究課題として、もっと多くの正確な統計をとれば、さらに明らかになるだろう。

 ①徳田毅(3期目で違反容疑、親族が容疑者とされ、自民党離党) X 保岡興治(元法務大臣)
 ②小林千代美(連座制適用で、1期目に辞職) X 町村信孝(元通産大臣、元外務大臣etc.)
 ③堀江貴文(落選後、証取法違反で逮捕、有罪判決) X 亀井静香(元運輸大臣、元建設大臣)
 ④石川知裕(小沢事件で1期目逮捕後、落選) X 中川昭一(元経済産業大臣、元農水大臣)
 ⑤広津素子(落選後、運動員逮捕) X 保利耕輔(元自治大臣、元文部科学大臣)

 つまり、自民党の有力議員と闘った人にターゲットになった人が多く、そのほか、共産党候補、落選候補に公選法違反事件のターゲットにされた人が多い。つまり、公職選挙法は、運用により、誰かに都合の悪い議員や候補を排除しつつ、誰かが国会議員をコントロールするツールになっているのだ。公職選挙法以外に、所得税法や相続税法も同じ目的で使われることがあり(民主党 鳩山元首相など)、現在議論されている特定秘密保護法もその恐れが大きい。

(2)それは、公正で正義なのか
 同じようなことをしても、①特定の人をターゲットにして公選法違反を言いたてる ②公選法を拡大解釈して違反と認定する ③メディアやITを使った人権侵害を野放しにする など、いちいち細かくは書かないが、不公正なことが多く、その結果、国民が判断を誤った投票をすることになる。

(3)公職選挙法は時代に即して改正すべき
 議員の選抜は、民主主義の重要な基礎であるため、まず、「何をやっても、ひっかけようと思えばひっかけられる」と豪語される公選法を時代に即して改正し、議員や候補者なら誹謗中傷による人格権の侵害や人権侵害をやりたい放題やってもよいという発想を改めさせるべきである。何故なら、それは民主主義における得票数に影響する、最も大きな選挙違反行為だからだ。

*1:http://digital.asahi.com/articles/TKY201311120631.html?iref=comkiji_redirect
(朝日新聞 2013年11月13日) 徳田陣営、現金買収の疑い 姉が裏金捻出か 公選法違反事件
 東京地検特捜部と警視庁は12日、昨年の衆院選で鹿児島2区から立候補し、当選した自民党の徳田毅(たけし)衆院議員(42)の運動員を買収したとして、毅議員の姉で、医療法人「徳洲会」グループの関連会社社長だったスターン美千代容疑者(46)ら6人を公職選挙法違反容疑で逮捕した。美千代容疑者をめぐっては、関係者の証言などから、裏金による地元議員の現金買収疑惑も浮上している。ほかに逮捕されたのは美千代容疑者の姉の越沢徳美(なるみ)容疑者(50)とグループ幹部の計5人。いずれも選挙運動に専従させたグループ職員に、事実上の報酬など計1億4750万円を支給した疑いがある。特捜部は徳洲会創設者で病気療養中の徳田虎雄・前理事長(75)が不正を主導したとみて、在宅で調べる。一方、複数の徳洲会関係者は、同じ衆院選で美千代容疑者が「裏金」約6千万円を用意し、うち約1千万円が「地元議員らに現金で渡された」と証言。別の約1千万円は逮捕容疑である運動員買収で、派遣された同会職員に支払われたと話す。特捜部もこれら関係者から事情聴取し、実態解明を進めている。関係者によると、美千代容疑者は昨年11月の衆院解散後、社長だった徳洲会の関係会社から3千万円を捻出。さらに親族らから現金3千万円を用立てた。毅議員は鹿児島2区で「奄美」「谷山」「指宿」の3地区に事務所を設立。奄美事務所には5千万円、指宿事務所にも1千万円が届き、それぞれ現金買収や事務所設営費に使われたという。毅議員陣営が提出した選挙運動の収支報告書には、収入の部に「自民党鹿児島第2支部から2650万円」の記載しかない。公選法では、有権者数に応じて選挙運動での支出上限額が決まっており、昨年の衆院選での鹿児島2区の上限額は約2770万円だった。公選法では、候補者の親族が買収で有罪が確定すると、連座制で候補者の当選は無効となる。特捜部は今後、毅議員への連座制適用も視野に捜査する方針。
■徳田氏離党の意向
 徳田氏は12日夕、国会内で自民党の石破茂幹事長に会い、「党に迷惑をかけたくない」と離党の意向を伝えた。石破氏はこれを受けて、13日に党の党紀委員会を開く手続きに入る意向を明らかにした。徳田氏は面会後、記者団に「関係者が逮捕されたという事実は大変重く受け止める」と語ったが、議員辞職については「今後の推移を見守り考えたい」と答えるにとどめた。

*2:http://www.news24.jp/articles/2013/11/12/07240113.html
(日本テレビ 2013年11月12日) 徳洲会事件 徳田毅議員の姉2人を逮捕
 医療法人「徳洲会」グループによる公職選挙法違反事件で、東京地検特捜部は12日、徳田毅衆議院議員の姉2人を逮捕した。公職選挙法違反の疑いで逮捕されたのは、いずれも徳田議員の姉の越沢徳美容疑者とスターン美千代容疑者。特捜部によると、越沢容疑者らは去年12月の衆議院選挙で鹿児島の徳田議員の陣営に派遣された徳洲会の職員563人に対し、選挙運動の報酬として現金や交通費など約1億5000万円を支払った疑いがもたれている。特捜部は、父親の徳田虎雄前理事長も越沢容疑者らとともに選挙違反を行った疑いがあるとしているが、難病で入院中のため、逮捕を見送ったとみられる。

*3:http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-11-14_56598
(沖縄タイムス社説 2013年11月14日) [徳洲会選挙違反]議員辞職は避けられぬ
 昨年12月の衆院選で、医療法人「徳洲会」グループが自民党の徳田毅衆院議員(42)=鹿児島2区=の運動員に違法な報酬を支払っていたとして、東京地検特捜部と警視庁などは徳田議員の姉2人とグループ幹部4人の計6人を公職選挙法違反(運動員買収)の疑いで逮捕した。沖縄徳洲会を取りまとめていた事務方トップも含まれている。系列病院職員を選挙運動員として派遣するという日本最大級の病院グループによる組織ぐるみの事件は、逮捕者が出る事態に発展した。6人は昨年11月ごろ~今年7月ごろ、選挙運動させるために派遣した病院職員らに報酬や航空券などを供与した疑いが持たれている。特捜部は、現金などを受け取った運動員らは563人に上り、金額は計約1億4750万円相当とみている。過去に例のない規模である。事件は系列病院の職員を欠勤扱いなどにして派遣し、減給分を賞与で補填(ほてん)していた。特捜部はこれらの行為が公選法が禁じる運動員買収に当たるとみている。徳田議員は13日、自民党に離党届を提出した。これでけじめをつけたと言いたいのなら思い違いも甚だしい。親族が逮捕されるという重大性の認識が薄いというほかない。親族が買収などで禁錮以上の刑が確定すれば連座制で、当選が無効となるからである。徳田議員は関与を否定するが、自身の選挙に関わる事件である。有権者への説明責任を果たしていない。議員辞職は免れないというべきだ。
    ■    ■
 徳田議員は、徳洲会グループを一代で築き上げた元衆院議員の徳田虎雄前理事長(75)の次男である。事実上トップの虎雄前理事長にも容疑がかかっている。難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患っているため、逮捕はせず在宅のまま取り調べる方針だ。幼少期を過ごした鹿児島県・徳之島で、実弟が医療を受けることができず、急死したことが医師を志すきっかけとなった。「生命だけは平等だ」を理念に、「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」を目指し、年中無休・24時間オープンの救急救命医療を掲げた。北海道から沖縄県まで66病院を展開。約430の医療施設を運営している。約2300人の医師を抱え、職員数は2万7千人に上る。医療が行き届かない離島・へき地など医療過疎地に貢献してきたことは事実だ。県内でも23の病院や介護施設などを運営しており、離島にも病院・診療所を開設している。
    ■    ■
 虎雄前理事長の理念に共感して徳洲会に入った医師や職員も多い。虎雄前理事長は、理想とする医療の実現には政治力が必要だと考え、国政に乗り出す。当初の志はどこで道を踏み外したのだろうか。後継の徳田議員は今年2月、週刊誌に女性問題を報じられ、国土交通兼復興政務官を辞任したばかりである。捜査当局は事件の全容解明を急いでもらいたい。病院側は入院・通院している患者の不安を取り除くことを最優先すべきだ。地域医療に影響を及ぼしてはならない。

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2013.8.10 公職選挙法違反の超拡大解釈が目に余るが、取り締まる側に悪い目的があるだろう。(2013.8.11最終更新)
(1)選挙の常識
 佐賀県でも全く同じだが、自民党と公明党は選挙協力している。また、同じ党だったり選挙協力している党だったりすれば、政治目的が同じなのだから、衆議院議員と参議院議員が選挙で協力するのも当たり前であり、これは、協力しているのであって、悪い点は全くない。

(2)違反とされている事例について
 そのような中、*1、*2に記載されている事例について、私は、悪くもない普通のことに対し、公職選挙法を超拡大解釈して違反としていると考える。何故なら、田中良生衆議院議員は(同期なので知っているが)実直な人であり、自民党の公認候補である古川氏と、公明党公認候補である矢倉氏を、自民党の方針どおりに推薦する文書を、自らの後援会に郵送したにすぎないからだ。雇ったばかりの公設第1秘書が無許可でそのようなことをすべき動機はなく、秘書が事務所の仕事や後援会の世話をするのもまた当たり前なのであり、田中議員の事務所や秘書宅などの複数の関係先を家宅捜索した理由がわからない。何かの目的で、買収の嫌疑をかけたり、話を大きくしたりして嫌がらせをしているのかも知れないが、それならばひどい話だ。

 なお、この事例は、「法定外文書を頒布、事前運動」と書かれているが、このような場合に誰に投票するのがよいかを尋ねるであろう後援会の人(国会議員の場合は1万人以上いるのが普通)に、「家族の一人を、両方に投票させて下さい」という田中良生衆議院議員の手紙を送ったということであるため、他の人からの電話連絡ならよいが、本人の署名入りの手紙を郵送するのならいけないという理由は全くなく、受取る人にとっては、他の人からの電話より、本人の署名入りの手紙の方がよほど価値がある筈だ。

(3)公職選挙法の憲法違反にあたる条文は変えるべきである
 なお、公職選挙法では、142条で、法定外の文書図画(書面やチラシ)を頒布してはならないと定めているが、候補者でない人が何を配ろうと、事実無根の誹謗中傷でない限り、自由であろう。そして、チラシの頒布を禁止すれば、むしろ憲法の言論の自由・表現の自由に反する。

 また、候補者は、「法定文書でも集会以外では頒布してはならず、新聞折込のみ可能」とされているが、これは、大きな集会を開けるベテラン候補者に有利であり、その他の議員候補者にとっては、公職選挙法の規定が憲法の言論の自由・表現の自由に反し、多くの人に情報開示や連絡を行うことを不可能にしている。そのため、前時代的な動機を想定して作られたこの公職選挙法の条文を、新時代の議員に無理矢理当てはめて罰することやその罪を秘書に転嫁することは、本当の民主主義を害すると考える。従って、公職選挙法は、その条文の合理性を見直すべきであるし、もちろん、現在の運用の仕方もご都合主義であり、悪い。

(4)小沢氏の事件も、不正で汚れた感じをなすり付けるためのものだった
 石川議員が録音していたので取り調べの内容と捜査報告書が異なり、捜査報告書が虚偽だったことが明らかになったが、小沢議員や石川議員の事件も、*3のとおり変だった。しかし、このブログの2012.12.17に記載した通り、これに対してメディアは、事実とは異なる理不尽な報道を繰り返し、日本の進路を変えた上、その行為を総括していないため、メディアの体質も問われる。

*1:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2529062.article.html
(佐賀新聞 2013年8月8日) 田中良生議員の秘書を書類送検へ / 自民、公選法違反容疑
 参院選公示前に投票を依頼する文書を郵送したとして、埼玉県警は公選法違反(法定外文書頒布、事前運動)の疑いで、自民党の田中良生衆院議員(埼玉15区)の公設第1秘書の男性(38)を、9日にも書類送検する方針を固めたことが8日、捜査関係者への取材で分かった。参院選埼玉選挙区では、自民党が公認候補の古川俊治氏とともに、公明党の矢倉克夫氏を推薦する異例の協力関係を結んで2人とも当選しており、依頼には次期衆院選で公明党の支援を得る狙いがあったとみられる。県警は7月22日、田中議員の事務所や秘書宅など複数の関係先を家宅捜索した。

*2:http://www.47news.jp/CN/201308/CN2013080801002071.html
(共同通信 2013/8/8) 田中良生議員の秘書を書類送検へ 自民、公選法違反容疑
 参院選公示前に投票を依頼する文書を郵送したとして、埼玉県警は公選法違反(法定外文書頒布、事前運動)の疑いで、自民党の田中良生衆院議員(埼玉15区)の公設第1秘書の男性(38)を、9日にも書類送検する方針を固めたことが8日、捜査関係者への取材で分かった。参院選埼玉選挙区では、自民党が公認候補の古川俊治氏とともに、公明党の矢倉克夫氏を推薦する異例の協力関係を結んで2人とも当選しており、依頼には次期衆院選で公明党の支援を得る狙いがあったとみられる。県警は7月22日、田中議員の事務所や秘書宅など複数の関係先を家宅捜索した。

*3:http://373news.com/_column/syasetu.php?ym=201308&storyid=50470
(南日本新聞2013.8.11) [特捜検事不起訴] 十分な捜査をしたのか
 陸山会事件の虚偽捜査報告書問題で、検察審査会が「不起訴不当」と議決した東京地検の元特捜検事(辞職)について、最高検は嫌疑不十分として再び不起訴処分とした。検審は、昨年の1度目の不起訴に至る捜査を「不十分」と厳しく指摘していたが、2度目の議決も強制起訴に進む可能性がある「起訴相当」議決ではなかったため、これで捜査は終了した。だが、最高検による再捜査は、報告書に虚偽の供述を記載された石川知裕元衆議院議員の参考人聴取を、本人が録音を希望したことを理由に中止するなど、十分に行われた様子はない。検察が組織防衛を優先させ、早期の幕引きを図ったと言われても仕方あるまい。元特捜検事による虚偽の捜査報告書は、陸山会事件で小沢一郎元民主党代表(現・生活の党代表)が不起訴となったことに対する検審の「起訴相当」議決を受けて行われた捜査で作成された。小沢氏の起訴を断念した東京地検特捜部が、小沢氏の関与をにおわせる報告書を作り、検審に「宿願」を託したのでは、との疑念は当初からあった。それだけに身内を捜査する最高検には動機とその背景の解明が求められていた。最高検は、再捜査では元検事の釈明にうそがないか確認することに重点を置き、「できる限りのことをした」と説明した。だが、結局は「以前の聴取と混同した」という元特捜検事の供述をうのみにした格好で、不起訴の判断に疑問が出てくるのは当然だ。
 多くの特捜経験者が「特捜検事が混同することはあり得ない」と口をそろえ、「特捜では『こういう調書を取れ』と指示された」という複数の体験談もある。上司の指示や期待に応える内容を、故意に報告書に盛り込んだと考えるのが自然だろう。元特捜検事が起訴されれば、この検事が作成した他の事件の調書の信用性に疑問が生じ、政治資金規正法違反の罪で有罪判決を受け、上告している石川元議員の事件への影響が懸念される。検察は大阪地検特捜部の不祥事などで信頼を失っており、最高検がさらなるダメージは避けたいと考えたとしてもおかしくない。今回の問題を刑事告発した市民団体は、元検事らを対象に新たな刑事告発を検討しているという。虚偽の捜査報告書は、検審が小沢氏の強制起訴を決めた根拠にもなった重大な事案である。検察自身の公正さが問われ、身内の調査に不透明さが残る以上、受理された場合の捜査には、第三者機関による検証や監視を求めたい。

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2013.4.20 わが国は、租税法定主義であるため、適法なら誰であろうと問題はない。朝日新聞のこの記事は、国会議員に、憲法に保障された「法の下の平等」を適用せず、無理にグレイのイメージを擦り付けようとしている民主主義の敵である。
 朝日新聞は、*1のように、「国会議員17人が党支部を介して税優遇を受けて悪いことをした」というイメージの記事に仕立てているが、政党支部に寄付した場合、医療費控除などと同様、一定の計算を経て寄付金控除を受けられることは、所得税法に定められており適法である(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%84%E9%99%84%E9%87%91%E6%8E%A7%E9%99%A4 参照)。そのため、税理士などの専門家は、適法だから問題ないと言うのである。しかし、朝日新聞は、誰にでも平等に適用される適法な寄付金控除と国会議員優遇との区別もつかずに、「納税者の理解を得られない」などと、政治家が何か不正なことをしたかのような言いがかりをつけているのであり、民主主義の敵である。

 実際には、企業と癒着して企業から多額の寄付などを受けていないからこそ、自分で寄付しなければならないのであり、自分で寄付しているということは、企業と癒着していない清廉な議員である証拠だ。そして、誰も多額の金を寄付したくはないが、政治資金が足りずに、やむを得ず寄付しているので、「身を削って寄付している。控除や還付があっても決しておかしいことはない」という返事が返ってくるのだ。

 後援会に直接寄付することもできるが、政党支部が寄付を受けて後援会にまわすことがあるのは、税法だけを考えても、政党支部に寄付する方が後援会に寄付するより控除できる範囲が広く、受取勘定を一本化しておいた方が間違いがないため、政党支部に一本化しているからだろう。そのため、木原議員の「申告は税理士に任せている。すべて適法かつ適正な税務申告をしていただいている」、今村議員の「税理士に『制度上、還付できる』と言われ、任せていた」、渡辺議員の「税務署に問題がないか問い合わせたところ、『問題ない』との回答があった」という返答は正しく、修正申告する必要はない。

http://digital.asahi.com/articles/TKY201304190520.html
(朝日新聞 2013.4.20) 国会議員17人、寄付還流 党支部介し税優遇受ける 
 現職国会議員の少なくとも17人が、自らが代表を務める政党支部を通して自身の資金管理団体などに寄付し、税の優遇を受けていたことがわかった。いずれの議員も適法で問題はないとしている一方、多くは「徴税する側の政治家として、納税者の理解を得られない」などと今後は優遇を受けない考えを示した。衆参両院の全議員の政治資金収支報告書を調べたところ、17人は2011年までの3年間に、自らが代表を務める政党支部に70万~2835万円を寄付し、同年内に資金管理団体に移すなどしていた。朝日新聞の取材に対し、いずれも税の優遇を受けたと認めた。このほか党支部を介した寄付はあるが、優遇の有無を答えない議員も数人いる。17人の内訳は、自民党の議員が11人、民主党と日本維新の会が各2人、みんなの党と生活の党が各1人。
 井上信治・環境副大臣(自民、衆院東京25)、松下新平・国土交通政務官(同、参院宮崎)、亀岡偉民・復興政務官(同、衆院福島1)ら政務三役3人も含まれている。松下氏は、最高額の2835万円を党支部に寄付していた。こうした会計処理は違法ではないが、「国民の理解を得られない」などとして、自民と民主が所属議員に自粛を呼びかけていたほか、公明は内規で禁じている。維新は今月12日、党規約で禁止する方針を決めた。理由として、17人の多くは政治活動のための資金不足を補うため、議員の自己資金を充てたと回答。党支部を経由したのは、寄付の受け皿として一本化していたためなどと説明している。景気低迷などで企業献金が減少傾向にあり、当選回数が少ない議員を中心に自己資金に頼らざるを得ない状況があるとみられる。井上環境副大臣は11年に2回、計370万円を党支部に寄付。資金管理団体に他の資金を含む計1千万円を2回に分けて移した。事務所によると、井上氏は同年分の所得額から寄付額370万円を差し引いて税務申告をし、約148万円の所得税の還付を受けた。事務所は「政党への個人献金で正当な手続きだ。今後は誤解される恐れがあるので、還付は受けない」とコメントした。
 新原秀人衆院議員(維新、比例近畿)は自民党県議だった11年末に700万円を党支部に寄付し、同日中に資金管理団体に約900万円を移した。「自分が寄付したお金の全部が政治活動に使える『テクニック』だと、自民党時代に党関係者から聞いていた。迂回的な処理で誤解を与えたことは申し訳ない」と答えた。
 選挙前後に資金管理団体の活動が増え、不足資金を補おうと、こうした処理をすることも多いという。上野賢一郎衆院議員(自民、滋賀2)は滋賀県知事に立候補した10年、党支部に160万円を寄付。その後、党支部から資金管理団体に約1千万円を移した。「選挙以外で支部から自分の政治団体に寄付することはない」と説明する。
 一方、こうした会計処理を節税に利用していたと認める元議員もいる。前衆院議員の中川治氏は民主党時代の10~11年、自身が代表の党支部に計470万円を寄付。他の収入とともに自分の後援会に移していた。取材に対し、「節税のために迂回させていた。年に約100万円の還付を受け、住民税をまかなっていた」と明かしている。
     ◇
■税の優遇を受けた議員の政党支部への寄付額(敬称略)
・松下新平(自民・参院宮崎、2835万)「寄付の窓口を政党支部に一本化して、足りない分を議員が寄付した」
・岸本周平(民主・衆院和歌山1区、2450万)「節税の趣旨ではないが、やり方としてはまずかったかなと思っている」
・山崎力(自民・参院青森、1563万)「寄付金控除制度にのっとっていると思っていた」
・森ゆうこ(生活・参院新潟、1550万)「節税目的の認識はない。議員本人から『寄付は政党支部で受けるように』と指示された」
・中根康浩(民主・衆院比例東海、844万)「身を削って寄付している。控除や還付があっても決しておかしいことはない」
・中西健治(みんな・参院神奈川、840万)「迂回したくてしているわけでない。今後は直接、資金管理団体に寄付することも検討する」
・山本幸三(自民・衆院福岡10区、725万)「事務所経費の不足分は私が負担せざるを得ない。NPOへの寄付と同じで問題ない」
・新原秀人(維新・衆院比例近畿、700万)「寄付したお金の全部が、政治活動に使える『テクニック』だと聞いていた」
・竹本直一(自民・衆院比例近畿、500万)「特別の意図や目的はなかったが、返納手続きを進めている」
・松村祥史(自民・参院熊本、480万)「後援会の資金が足りなかったから政党支部から回してもらった。節税の意図は全くない」
・亀岡偉民(自民・衆院福島1区、400万)「寄付したのは政党支部の資金が足りなかったから。落選していたので、金も集まらない」
・井上信治(自民・衆院東京25区、391万)「今後は誤解される恐れがあるので、還付を受けない」
・木原誠二(自民・衆院東京20区、325万)「申告は税理士に任せている。すべて適法かつ適正な税務申告をしていただいている」
・上野賢一郎(自民・衆院滋賀2区、160万)「たまたま形の上で『迂回』になっているが、意図したものではない」
・今村雅弘(自民・衆院佐賀2区、150万)「税理士に『制度上、還付できる』と言われ、任せていた」
・井上英孝(維新・衆院大阪1区、100万)「納税者から誤解を受けるようなことをしたことは反省し、修正申告する」
・渡辺猛之(自民・参院岐阜、70万)「税務署に問題がないか問い合わせたところ、『問題ない』との回答があった」

| 民主主義・選挙・その他::警察が勝手な拡大解釈を行った運動員の逮捕事件 | 03:43 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.12.21 「文書掲示」や「文書頒布」を著しく制限している公職選挙法の方がおかしいので、これを改善すべきである。なぜなら、それでは、有権者には、どういう人が立候補しているかもわからず、本当の民主主義にならないからだ。
 ターゲットにされ、選挙違反にされては危なくてたまったものではないため、私は、今回、小選挙区では立候補しないという選択をした。そのため、さらに堂々と批判しよう。

 そもそも、*1のように、「文書掲示」や「文書頒布」を著しく制限し、選挙期間中は選挙運動をしてはならないと言わんばかりの公職選挙法になっているのは、候補者の考え方や人となりを有権者に知らせる機会を著しく奪っているため、本当の民主主義を作るためにマイナスである。なぜなら、有名でなく前職でもない候補は、名前すら有権者に覚えてもらう機会を奪われ、かつ、憲法で保障された「言論の自由」や「表現の自由」を侵害されているからである。

 特に、*2の「維新の会」の場合は、候補者が落下傘で選挙区を決められ、準備期間もあまりなかったため、無償で活動してくれ、かつ頼りになるボランティアを集めることはできなかっただろうと思うが、そういう人が運動員を有償で雇うのは仕方がないし、運動員への報酬支払いは、現在の公職選挙法でも上限を設けて認められている。それでも、「維新の会」の運動員が相次いで選挙違反で挙げられているのは、「維新の会」の勢力拡大を抑えたい勢力が、ターゲットにしているからだろう。

 これに対し、維新の会幹事長の松井一郎大阪府知事が、「本人が知ろうが知るまいが、候補者の責任になる」として、違法行為が確認できれば除名処分とする方針を明言した等というのは、国会議員選挙における公職選挙法の運用をよく知らなかったからではないだろうか?そもそも、公職選挙法違反で罪にならない場合でも党として処分するというのは法治国家の政党とは言えないし、公職選挙法違反で罪になるとされた場合でも、無理やりこじつけられていることがあるのは、どの党の、どういう候補者が公職選挙法違反に当たるとして逮捕されてきたかの統計をとれば歴然として明らかである。そのような捜査に巻き込まれた時に候補者を守れず、とかげのしっぽ切りのようなことをするような政党なら、候補者はそのような党からは立候補すべきではないということになり、よい人材は集まらなくなるだろう。

 従って、国会議員は、本当の民主主義を機能させるために、まず変な公職選挙法規定の見直しと改正も優先順位を高くして行うべきである。

*1:http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-12-15_42803
(沖縄タイムス 2012年12月15日) 選挙違反、逮捕9人警告2645件
 警察庁は15日、衆院選投票2日前(14日現在)の選挙違反取り締まり状況を発表した。ポスターを破ったり演説を妨害したりした公選法の「自由妨害」で9件を摘発し、9人を逮捕。文書掲示などで2645件の警告を出した。うち30件はネットを利用して支持や投票を呼び掛けた文書頒布だった。2009年8月の前回衆院選と比べると、摘発件数は10件、逮捕者は11人の減少。警告も467件減っている。警告の内訳は「文書掲示」が2291件で前回から506件減少し、「文書頒布」は264件で41件増加。

*2:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121221-00000544-san-pol
(産経新聞 12月21日) 維新またブレた 運動員相次ぐ選挙違反…松井幹事長トーンダウン
 16日投開票の衆院選で大阪7区から立候補し、比例で復活当選した日本維新の会公認の上西小百合氏(29)陣営の運動員が公選法違反(現金買収)容疑で逮捕されたことについて、維新幹事長の松井一郎大阪府知事は21日、「候補者本人に連座制が適用されれば即除名する」と述べた。府庁で記者団の取材に応じた。
■当選議員だから擁護? 当初は「把握してなくても除名」
 松井氏は、京都1区から立候補し落選した元府議の田坂幾太氏(60)陣営の運動員が同法違反(買収約束)容疑で逮捕された後の19日には「本人が知ろうが知るまいが、候補者の責任になる」として、違法行為が確認できれば除名処分とする方針を明言。しかし今回、「連座制が適用されれば」との前提条件を加えた格好でトーンダウンしたともいえる。
 松井氏は今回の事件について「(逮捕される)そういう人が陣営に入っていただけでも残念だが、ボランティア全員の活動をチェックするのは難しい。(ほかの陣営が)悪意のある人を送り込むこともできる」と指摘。陣営を支えた大阪維新の会府議らを通じ、上西氏本人の関与について調査する意向を示した。一方で「選挙違反は絶対にやるなと指導し、その怖さも教えてきた」と語り、「そういう人を陣営に入れた道義的責任はある」とも付け加えた。

| 民主主義・選挙・その他::警察が勝手な拡大解釈を行った運動員の逮捕事件 | 09:40 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.12.17 小沢一郎代議士が無罪でもメディアの謝罪報道がなかったことに呆れたとともに、メディアのさらなる排除運動に抗議する。 ← これで、まともな民主主義ができるわけがないから。
 *2に書かれているとおり、小沢一郎代議士の事件は、メディアが憲法21条に定められている表現の自由を、憲法1条の主権在民や憲法11条の基本的人権の尊重を害して乱用してはならないという悪い事例として、法学・政治学・メディア学の歴史に残すべきだと、私は思っている。なぜなら、起訴された(推定無罪)だけで、あれだけ有罪であるかのように繰り返し報道し、小沢氏が首相になる機会を奪った上、民主党を分裂させ、日本の政治に大きな影響を与えたにもかかわらず、無罪判決が出た後は、殆ど無視してその総括をせずに、メディアには居直りとさらなる排除の論理が散見されるからである。

 この小沢事件は、2009年3月から始まり、検察審査会を通じた強制起訴による小沢裁判という形で3年半も続き、メディアによる「小沢氏=黒」の印象操作で、国民が選択した民主党政権を機能させずに分裂させたのだから、小沢代議士に対する東京高裁の無罪判決確定後は、メディアは、誤った報道を繰り返して国民を欺き民主主義を機能させなかったこと、及び、小沢代議士に対して人権侵害を与えたことに対して謝罪した上で、原因分析をして二度と同じことを起こさないようにすべきだった。

 なお、公認会計士であり、職務分掌を明確に行っており、買収する気など毛頭なかった真っ白の私でさえ、2009年8月の総選挙では、アルバイトの人にビラ配りをさせて日当を支払ったのは「買収(?!)」だなどと言って捜査され、それを新聞・テレビでしつこく報道された結果、GoogleやYahooに、そのような悪い印象の記事や検索結果が並んで掲載され、「広津素子=黒か悪か馬鹿」のイメージをつけられているが、これも、私の人格とは正反対の印象操作をされている人格権の侵害である。

 ちなみに、私自身は、*1の政治資金規正法改正案の骨格を出した人間であり、自分の収支報告書、会計帳簿、領収書等等については、きちんと会計処理を行った上、あらぬ疑いをかけられないよう、法定監査が始まる前で衆議院議員になったばかりの2005年(平成17年)分から公認会計士に任意監査を受けていたくらいなのである。そして、*1については、国会議員に関係する政治団体のみに限ったのは変であり、税金を投入されている団体は、すべて正規の公認会計士監査を受けるのが筋だ。

 つまり、「政治と金」に関する問題も、法律を作って時々刻々と前進しているにもかかわらず、まともな政治家に変な言いがかりをつけて民衆をミスリードすること自体、その関係者の指摘がワンパターンで勉強不足であることの証である。もっと時流に沿った正確な問題点の把握と指摘をすべきだ。

*1:http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/naruhodo01_1.html
(ポイント)平成19年12月、与野党合わせて6つの政党による協議の末、政治資金規正法の改正案が議員立法として提案され、成立した。この改正は、国会議員に関係する政治団体について、政治資金の収支報告が適正に行われること、及び政治資金の透明性を向上させることを目的としたものである。
■登録政治資金監査人による政治資金監査(平成21年分の収支報告書から)
 収支報告書を提出するときは、その支出に関し、あらかじめ、収支報告書、会計帳簿、領収書等などについて、政治資金適正化委員会が行う研修を修了した登録政治資金監査人(政治資金適正化委員会の登録を受けた弁護士、公認会計士、税理士)による政治資金監査を受けなければならない。また、国会議員関係政治団体の会計責任者は、収支報告書の提出に併せて、登録政治資金監査人が作成した政治資金監査報告書を提出しなければならない。

*2:http://www.news-pj.net/npj/kimura/039.html
「時代の奔流を見据えて・・・危機の時代の平和学」
(NPJ通信 2012.11.14 17) 木村 朗 (鹿児島大学教員、平和学専攻)
 権力の暴走とメディアの加担-小沢問題の意味を問う
昨日(2012年11月12日)、検察審査会での2度の起訴相当決議に基づく強制起訴による小沢一郎衆議院議員(「国民の生活が第一」 初代党首・元民主党代表)に対する裁判で東京高裁(小川正持裁判長)は、あらためて無罪判決を言い渡しました。この小沢裁判は、検察審査会での2度の 「起訴相当」決議に基づく強制起訴によって始まりました。そして、東京地裁での1審判決で無罪判決が出たにもにもかかわらず、検察官役を務める指定弁護士による強引な控訴(この控訴自体が法的根拠を欠くとの指摘あり!)によって引き続き行われていたものです。今年9月26日に開かれた控訴審の初公判で、指定弁護士が務める検察側が申請した 「新証拠」 「証人」 がすべて却下されて1日(わずか1時間程度!)で結審したことから、控訴審判決でも無罪判決となる可能性が高いとみなされてその結果が注目されていたところです。そうした流れからすれば、今回の無罪判決自体は予想通りであり、弘中惇一郎氏弁護士が 「思った以上の判決!」 と本判決を高く評価されたのも納得できるところです。
 ただ、私が異常だと思うのは、ほとんど完全無視状態ともいえるテレビ報道の少なさ、新聞各紙の社説での居直り、いまだに政治責任・説明責任・国会証人喚問に固執する野党議員(自民党や公明党だけでなく、共産党なども含む)の姿、民主党現執行部・議員の頬被り、沈黙を続ける弁護士・法学者などの法律家や、平気で無責任な発言を繰り返してきたコメンテーター・専門家の姿勢などです。なぜならば、いま本当に責任を問われなければならないのは、(国家権力を悪用した政治家・官僚・検察官・裁判官だけでなく)他ならぬそうした主張・姿勢をしている人々ではないかと考えるからです。一体そうした人々は、本来ならば日本の総理大臣となるべきであった小沢一郎氏が2度にわたってその機会を奪われ、小沢氏個人だけでなく、日本の政治と日本社会の方向性に取り返しのつかない大きな損失・打撃を与えたことをどのように考えているのでしょうか。
 そもそも、この小沢問題(小沢一郎氏をめぐる「政治とカネの問題」:小沢捜査、小沢事件とも呼ばれる)は、2009年3月の第一ラウンドの西松建設事件から2010年1月の第二ラウンドの陸山会(水谷建設)事件、そして検察審査会を通じた強制起訴による小沢裁判という形で現在まで3年半以上続いてきました。この小沢問題をめぐっては、東京地検特捜部という「史上最強の捜査機関」による、田中角栄氏・金丸信氏という「金権政治家」の流れを継ぐ小沢一郎氏の不正献金疑惑追及という「検察の正義」を前提とする見方が大手マスコミのほとんど一致した論調として毎日のように大量に流され、その流れに乗った形で国会では野党となった自民党などが、この民主党の金権スキャンダル(鳩山由紀夫元首相の政治資金問題を含む)を追及してきたという経緯・背景があります。しかしその一方で、それとはまったく異なる見方、すなわち小沢問題を「検察の正義」を前提として「小沢VS検察」という問題に矮小化するのではなく、「政治とカネの問題」以上に、検察官僚・組織の強権的体質と記者クラブに代表される大手マスコミとの癒着構造が日本の議会制民主主義にとって大きな脅威となっているという、もう一つの世論の流れがインターネット・メディアを中心に提起されてきました。
  評者自身は、すでに2010年3月~4月の時点で後者の視点・立場であることを本NPJ論評において明確にしています。
    ・第二〇回 小沢問題をどう考えるか-検察権力・マスコミ報道との関連で (上)
    ・第二一回 小沢問題をどう考えるか-検察権力・マスコミ報道との関連で (中)
    ・第二二回 小沢問題をどう考えるか-検察権力・マスコミ報道との関連で (下)
 その一連の論評では、冤罪(でっち上げを含む)と報道被害(あるいは情報操作とメディアリテラシ-)という観点から、行政による司法の侵害とメディアの加担、すなわち国家権力(とくに検察権力)による恣意的な権力乱用と、それと一体化・加担したマスメディアによる情報操作・世論誘導による深刻な人権蹂躪がなされていることを明らかにしています。それはまた、そもそもの発端からして、「検察ファッショ」と「メディア・ファシズム」が結合した 「静かな政治クーデター」、すなわち国家権力(とくに検察権力)と大手マスコミが一体化した情報操作・世論誘導によって、 2009年8月の総選挙を通じて成立した鳩山民主党連立政権を打倒する(直接的には2010年夏の参議院選挙で民主党を敗北させる)狙いを秘めた、事実上のクーデターであるとする見方であり、現在でもこうした見方を基本的に変える必要はないというが評者の認識・立場です。
 ここで小沢裁判に話しを戻しますが、上告の理由は重大な判例違反か憲法違反であり、 11月26日の期限までに指定弁護人が上告を行うことはほとんど困難な状況であるとみられます。したがって、今回の判決によって小沢一郎氏の無罪がほぼ確定したといえます。しかし、これによって、2009年3月の西松建設事件以来、3年半ほど続いたいわゆる小沢問題が一応の終結を迎えたわけでは決してありません。なぜなら、この小沢問題で小沢一郎氏を徹底的に糾弾してきた検察・裁判所・指定弁護人・検察審査会に告発した市民といった当事者ばかりでなく、政府(官邸・法務大臣)・民主党反小沢派議員・野党・識者、そしてメディア関係者などの責任が一切問われていないからです。評者がとりわけ酷いと思うのは、今回の小沢裁判(東京高裁二審)での無罪判決に対する大手マスコミの対応です。まず、最初に指摘しておきたいのは、テレビ報道です。(9時のニュースのトップに小沢無罪判決ではなく逗子・ストーカー殺人事件を流した)NHKだけでなく、民放各局もまるで示し合わせたかのようにごく小さな扱いで、控訴審での無罪判決という結果のみを短く報じただけでほとんどコメントを付けないというやり方が多かったように思います。唯一の例外がテレビ朝日の 「報道ステーション」 で、古館伊知郎キャスターがこれまでの報道についての 「反省」 の弁を少しだけ口にし、「非公開」 の検察審査会で浮かび上がった 「民意」 への 「疑問」 を提起していたことが目についたぐらいでした(その古館キャスターはもっと何かコメントを続けようとしたようにも見えたのですが、その途中で急にCMに変えることになったのは何かあったのでしょうか…)。また、新聞の方ですが、なぜか月1回の新聞休刊日と小沢判決の日が重なっていて、当日の朝刊で小沢一郎氏に対する控訴審判決がその日にあることを確認することができなかったのは偶然なのでしょうか。翌日(13日)の新聞各紙の朝刊は、さすがにテレビのように無視・軽視することはできなかったようで、どの新聞も社説とその他の記事で小沢無罪判決を一応報じてはいました。小沢無罪判決はかろうじて一面の片隅におかれていましたが、新聞各紙のその日の紙面のトップは一様に解散・総選挙へという記事一色でした(野田首相が無罪判決当日に “突然” 解散の期日を明らかにし、翌日の新聞各紙の一面がこのようになった理由にも何か隠された意図があるように感じられるのは評者だけでしょうか。石原慎太郎前東京都知事が新党 「太陽の党」 の旗揚げを13日に発表し、総選挙の期日が12月16日の都知事選と期日が重なったというこの間の動きについても同様です)。
 しかし、問題はその報道内容であり、東京新聞や日刊ゲンダイなど一部を除いて、朝日・読売・毎日・日経・産経などの全国紙・中央紙は、ほとんど小沢無罪判決の本当の意味や検察審査会をめぐる検察・最高裁の “闇” に言及することはありませんでした。もちろん、これまでの一連の小沢事件・捜査(西松建設事件、陸山会事件、強制起訴による小沢裁判)をめぐる報道の誤り(国家権力による小沢一郎氏に対する人権蹂躙・人権侵害に加担して報道被害という二次的人権侵害を犯したという “メディアの犯罪”)を、反省・謝罪する姿勢はほとんどみられませんでした。いや、それだけではありません。これまでの誤りに対する自覚と反省が欠如しているだけでなく、そうした批判を無視するかのように完全に居直って、まるで追い打ちをかけるかのように小沢氏に対するさらなる人格攻撃を続けようとする姿勢が顕著にあらわれていたと言えるのではないでしょうか。
 ここで、とくに取り上げておきたいのは、朝日新聞11月13日付の社説です。「小沢氏無罪―政治とカネ、いつまで」 と銘打ったその社説には、これまでの小沢問題についての朝日新聞の異常とも思われる報道姿勢のそのままのかたちで顕著に表れていると思うからです。まず、最初に「追加の証拠調べがなく、結論は予想されていた」 として無罪判決それ自体にあまり意味は無いかのように前置きした上で、その後の 「刑事責任の有無をはなれ、事件は “政治とカネ” をめぐる多くの疑問や不信を招いた」 という小沢事件の "核心“ へと論理を展開しようとしています。また、「金や資産の流れをそのまま明らかにして、国民の不断の監視の下におく」 という政治資金規正法の精神を強調するとともに、「問題となった土地の取引が本来報告すべき年に報告されなかったこと、元秘書が公表を先送りする方針を決め、不動産業者らと調整したこと」 が今回の判決でも認定されとして 「何億円もの動きについて、事実と異なる報告がされていた点に変わりはない」 と結論付けています。
 そして、「捜査や公判を理由に国会での説明から逃げ続け、一審の法廷では“関心は天下国家で、収支報告書は見たこともない”と述べた」ことをあげて、「こうした行いは国民と政治との距離を広げた」と小沢氏を批判しています。しかし、こうした「解説」は、「虚偽記載」の違法性を知ったうえで秘書と「共謀」して「疑惑」のある4億円を人目につかないように隠そうとしたのか、という控訴審の中心的な争点とは直接かかわりのないものです。また1審・2審と続いてきた小沢裁判の中で明らかとなった捜査報告書の「捏造」などの、検察の暴走と検察審を取り仕切る最高裁(事務局)の"闇“には一切触れようとしていない点は実に不可解です。そして、「その自覚と反省を欠いたまま、新しい政党をつくって“第三極”の結集を訴えたとしても、広範な支持を得るのはむずかしいだろう」と小沢氏の最近の政治活動にも「干渉」しようとする姿勢はあまりにも異常であるといわざるを得ません。こうした姿勢は、小沢氏個人に対する名誉毀損と人権侵害であるばかりではなく、公党(「国民の生活が第一」)に対する「選挙妨害行為」以外のなにものでもありません。この社説に見られるような、より本質的な問題から国民(読者)の目をそらさせ、重大な権力犯罪の隠蔽に手を貸すだけでなく、日本の将来にとって大きな影響力をもつ特定の有力政治家を、根拠の薄い「疑惑」で執拗に攻撃し続ける朝日新聞の「異常性」 は、次にご紹介する同じ日に出された東京新聞の社説と比較すればいっそう際立つことになります(朝日新聞の 「劣化」については永田町異聞さんのブログ「メディアは二審無罪までの小沢報道を自ら検証せよ。」を参照)。
 それに対して13日付の東京新聞の社説は、「小沢代表無罪 検察の“闇”を調べよ」と真正面から検察問題をあげており、「小沢氏無罪―政治とカネ、いつまで」と題した朝日新聞との姿勢の違いが一目瞭然です。具体的にその内容をみていくことにします。冒頭から 「問題は検察が市民の強制起訴を意図的に導いた疑いが晴れぬことだ。生ぬるい内部検証では足りず、国会が徹底調査すべきだ」 と検察問題を中心的課題として位置づけるとともに、「そもそも、なぜ小沢氏は強制起訴されたのか」と問題提起をし、「市民による検察審査会の判断」そのものの是非に迫ろうとしています。また、検察が検察審査会による1回目の起訴相当議決をうけて着手した「再捜査の過程で、小沢氏の元秘書石川知裕衆院議員を再聴取したが、作成された捜査報告書はでたらめだった」と重要な事実を指摘しています。そして、捜査報告書には 「“小沢の共謀を推認する積極証拠となりうる” などとも記されていた」ことを明らかにした上で、「本来は不起訴にした説明をする検察が、市民を強制起訴するよう誘導したと、受け止められてもやむを得ない内容だといえる」と結論づけています。さらに、「今年6月に最高検がまとめた報告書では、“(検事の)記憶が混同した”“故意ではなかった”などと結論づけ、市民から告発された検事すべてを不起訴処分にした。かつ、今も報告書をホームページなどで国民に広く知らせていない」などの事実を指摘して、「あまりに身内に甘すぎる調査結果であり、真相はなお“闇”中にあるといえよう」 と最高検の姿勢を強く非難しています。
 そして最後に、「検察が暴走したら、どう食い止めるのか…。根源的な問いも、この事件は投げかけている」と、この社説で評者が最も優れていると思った指摘・問題提起を読者に対して行っているのが注目されます。このような鋭くかつ核心を突いた指摘は他紙に見られないものであり、(最高裁事務局の“闇”への言及がないなどの限界があるとはいえ)日本のジャーナリズム魂もまだここにこうして残っているのだとの確信と、暴走する権力の監視・批判を続ける勇気の重要性を評者にあらためて感じさせてくれるものでした。
 東京新聞の社説以上に、今回の小沢無罪判決の背景と本質に迫っているのが、日刊ゲンダイの判決当日の記事 「検察敗北 小沢裁判控訴棄却 5年越し謀略に決着」です。その記事では、「この国の権力は極度に腐敗している。… “本件控訴を棄却する”と裁判長が告げると、小沢代表は顔色を変えないまま、ゆっくり一礼した。晴れて小沢の無罪が“決まった”わけだが、歴史家はこの日のことを特記すべきだ。これは紛れもない国家犯罪だからだ。“加害者”は司法検察、マスコミ、そして、その裏でいつもチラついていたのが民主党執行部だ。3つの権力が寄ってたかって、小沢一郎という政治家を葬り去ろうとしたのである」とこの小沢裁判の本質を“国家犯罪”と断言する内容は小気味よいといえるほど単純明快でわかりやすく、きわめて大胆で勇気ある指摘であると思います。評者はすべての新聞に目を通したわけではもちろんありませんが、日本の新聞やジャーナリズムもまだ捨てたものではないとあらためて感じさせてもらいました。
 ここで、もう一度小沢問題(小沢事件・捜査)の発端と全容に焦点を当ててみようと思います。すでに述べたように、東京高裁は小沢一郎氏の裁判で、一審東京地裁の無罪判決を支持し、検察官役の指定弁護士の控訴を棄却しました。このこと自体は常識的で妥当な採決であると思います。また、小沢氏の「虚偽記載」の違法性についての認識を否定したばかりでなく、二人の秘書(石川知裕議員と池田光智元秘書)の虚偽記載の故意についても一部否定さたれたことはまさに画期的でした。弘中弁護士が、「非常にいい判決でしたね。…思ったとおりというよりも、思った以上の判決だったと思います」と賞賛したことも頷けます。そして、「検察審査会が強引に起訴したということ自体が、極めて問題だった」 と述べたことも重要です。また、今回の無罪判決で注目すべきことは、「共謀共同正犯としての故意責任を問う上」で被告人の「違法性の認識」 が重要であり、それを検察(指定弁護人)側が十分に立証できていない以上、「被告人に対し、共謀共同正犯として、法的に刑事責任を問うことはできない」と被告人と秘書との「共謀」を否定している点です(小沢裁判(2審高裁)の 判決要旨 を参照)。
 なぜなら、この点は、権力(特に法務官僚)側がかなり前から導入することを狙っている「共謀罪」の危険性を考える意味で重要な意味を持っていると思うからです(「共謀罪」と「共謀共同正犯」との違いについては、「共謀罪 Q&A 」、海渡雄一、保坂展人『共謀罪とは何か』(岩波ブックレット)岩波書店 (2006/10/5)、田島泰彦、斎藤貴男『超監視社会と自由―共謀罪・顔認証システム・住基ネットを問う』花伝社 (2006/05)、纐纈厚『監視社会の未来―共謀罪・国民保護法と戦時動員体制』小学館 (2007/09)などを参照)。
 今回の小沢無罪判決とその報道の在り方については、すでに多くの論者がさまざまな貴重でかつ鋭い指摘を行っています。元検事で弁護士の郷原信郎さんは、判決日の ツイッター で 「指定弁護士は、控訴したことを後悔しているだろう。一審で止めておけば “惜敗” で済んだのに予想以上だったのは、控訴審判決が、小沢氏の “虚偽性の認識” だけではなく、石川・池田氏の“虚偽性の認識”の一部も否定したこと。近く始まる秘書公判にも重大な影響を与える。石川氏に殆ど犯意らしき犯意がなかったとすると、秘書事件一審判決の“水谷裏献金隠し”の動機は宙に浮く。今日の控訴審判決、簡単にまとめると、指定弁護士⇒《大恥》、検察・登石(秘書事件一審裁判長)⇒ 《真っ青》と言ったところか」と実に興味深い指摘を行っています。そして、「小沢氏控訴審無罪判決に関して、“検審騙し”疑惑が核心であることを正面から指摘しているのは、東京社説 【小沢代表無罪 検察の“闇”を調べよ】だけ。この問題については、拙著「検察崩壊 失われた正義」で是非。検察の暴走捜査を煽り、検審起訴議決が出ると“『民意』を重く受け止めよ”とさんざん持ち上げるなど、司法を政治的に利用しようとする目論見は、裁判所の当然の司法判断で完全敗北したが、制度の問題や政治資金処理の一般論にすり替えて非を認めない。こういうことが平気で行える神経が私には理解不能」 とさらに踏み込んだ発言をしています。さらに郷原さんは、2012年11月14日のブログ「郷原信郎が斬る」のなかで、「この事件の捜査の段階で、検察は、4億円の借入れと定期預金の担保設定は、水谷建設からの裏献金を隠ぺいするための偽装工作として行われたとの構図を描き、マスコミも、その偽装・隠蔽を “水谷建設からの裏献金疑惑” に結び付け、それこそが事件の核心であるかのように報道した。しかし、今回の判決では、被告人がそれを“違法な処理”と認識していたことを否定しただけでなく、実行者の石川氏にも虚偽の説明をしているという認識自体がなかった可能性があると認定したのである(一審判決も、この“4億円簿外処理”の偽装・隠蔽の意図を否定し“その場しのぎ”と認定していたが、マスコミは、それを一切報じなかった)」、「今回の控訴審判決では、検察と指定弁護士が事件の核心であると考えた、4億円をめぐる偽装・隠蔽そのものを否定したところに重大な意味がある。 …そして、検察にとって更に重大なことは、こうして陸山会事件の構図そのものが否定されたことによって、それを前提にしてきた検察捜査が暴走であったということと、虚偽の捜査報告書まで作成して検察審査会を起訴議決に誘導していたという、東京地検特捜部の行なった行為の不当性・重大性が一層明らかになったということである」と結論付けています。判決文要旨(現時点では判決文そのものの入手は困難)を十分精査したうえでの結論と思われるだけに、反論を許さないほどの強い説得力があります(「郷原信郎が斬る」2012年11月14日)。
 また元レバノン大使の天木直人さんはブログで、「小沢二審無罪判決を報じる記事は検察批判や司法改革についてばかりを書くが問題の本質はそこではない。小沢裁判とは政治家、官僚、メディアがグルになって意図的に一人の政治家の政治生命を奪おうとしたという最も深刻な権力犯罪ではなかったか。この事が解明されない限り小沢裁判は終わらない。」 とずばり権力犯罪とメディアの加担について核心を突く鋭い指摘をし、サンデー毎日編集長というゲスト解説委員が 「衆院解散・総選挙の記事は小沢無罪判決にあわせてぶつけてきた」 という驚くべき発言をしたあとでテレビはすぐにコマーシャルを流したことを明らかにしています(天木直人のブログ 2012年11月13日を参照)。
 フリージャーナリストの田中龍作さんはブログ(田中龍作ジャーナル「小沢氏、2審も無罪検察と記者クラブによる冤罪に終止符を」2012年11月12日)で、「記者クラブは裁判所から多大な便宜供与を受ける代わりに判決について批判めいたことは書かない。判決を批判したような記事を見かけたことはほとんどない。裁判所は検察の主張をほぼ認める。記者クラブは検察リークを受けて書き飛ばす。抑止機能なんてあったものじゃない。この国の司法はほとんどすべて検察の言いなり、と言ってよい。陸山会事件で東京地検は小沢氏に有利な証言は隠し、不利となる証言を捏造した。捏造に関与した現職(事件当時)の検事や次席検事が公文書偽造などの罪で逮捕、起訴されている。検察が捏造調書を検察審査会に送り、検察審査会はそれをもとに小沢氏を強制起訴したのである。デッチあげ裁判そのものだ。検察による捏造が明らかになってからもマスコミは小沢氏を限りなく黒に近い灰色のように扱ってきた。小沢氏が検察と記者クラブの両方から目の敵にされていたので、検察審査会を利用したイカサマが罷り通ったのである。陸山会事件は検察と記者クラブが一体となって作り出した冤罪だった」 と、検察と記者クラブメディアが一体となって作り出した 「えん罪」 を見事に描き出しています。
 評者が注目する気骨あるジャーナリストの1人である鳥越俊太郎さんは、鈴木哲夫・日本BS放送報道局長、小町谷育子弁護士との「特集ワイド:座談会・小沢裁判とは何だったのか 摘まれた首相の芽」(「毎日新聞」 2012年11月14日 東京夕刊)のなかで、「私は、この裁判は一部検察官たちの謀略戦だったと思っている。民主党が政権を取ると見られていた09年の総選挙直前に西松事件があった。東京地検特捜部は、金に絡む問題があるとみて捜査したがうまくいかず、陸山会事件で続けた。検察審査会を使って裁判に持ち込み、有罪にしようと考えたのではないか。しかし謀略は裁判所で木っ端みじんに砕かれた」、「推定有罪は、日本のメディアの持っている大きなマイナスポイントだ。一連の報道は読者らに “小沢氏の無罪はおかしい”というイメージを植え付けた。メディアはその責任をどう取るのか。無罪判決が確定したら報道の検証が必要で、場合によっては謝罪すべきだ」、「検察審査会の制度は危ういと感じた。審議は密室だ。地検が起訴できない事件でも、素人に起訴に相当するような材料を見せて起訴を促すように恣意(しい)的に審査会を導いたら、政治生命を奪うことなどは簡単だ」と堰を切ったように自分の意見を赤裸々に臆することなく堂々と述べている様子に強い共感を覚える。
 鈴木宗男・新党大地代表は、「当然の結果であり、私も国策捜査にあった者として、他人事(ひとごと)でない思いです。鬼の特捜と言われる東京地検特捜部が立件出来なかった事件を検察審査会にゆだねるだけでも問題だと考えていました。3年前、検察のリークによる小沢潰し、特に許されないのは、西松建設から渡ったとされる5千万円の件が今回の裁判でも指定弁護士は取り上げなかった。この事からしても、事実ではなかった。しかし、小沢先生にとっては、悪いイメージになってしまった。国策捜査は、私の時で止めて欲しい。終わって欲しいと願っていたが、度々繰り返される検察の暴走とも言うべきやり方に、憤りを禁じ得ない。」とのコメントを判決当日に直ちに発表し、ブログでは「判決文の中を読むと、石川知裕代議士の裁判にも大きな影響を与えるものだと私は受け止めた。今日の判決は石川代議士にとっても新たな展開、又、新しい闘いの道が切り開かれるものと前向きに私は受け止めた次第である」とも述べています。「国策捜査」の被害者として「えん罪」と「報道被害」の恐ろしさを身をもって知っておられる方(在職25年の表彰の元衆議院議員)の発言だけに、その言葉の重みが痛いほど伝わってきます(「ムネオの日記」2012年11月12日 を参照)。
 また、もう1人の国策捜査の被害者である植草一秀さん(元早稲田大学教授)は、ブログ(植草一秀の『知られざる真実』2012年11月13日「小沢一郎氏は不死鳥の如く蘇り政権奪還を実現す」)のなかで、「“被告”の呼称は、もしこの人物が無実の人間であれば重大な人権侵害となる呼称である」とマスメディアの人権感覚の欠如をまず指摘し、「無実潔白の小沢一郎氏を、日本のマスメディアは極悪非道の犯罪人として報道し続けてきた事実を忘れたのか」 と検察の権力犯罪に加担したマスメディアの責任を真正面から問うています。そして、「日本のマスメディアが腐り果てていることを知る国民が激増しているが、ここまで来ると、もはや病的である。いま日本の主権者国民に必要なことは、日本のメディアがすでに死亡しているということを正しく認識することだ。メディアは3年半の間、小沢一郎氏を極悪非道の犯罪人として報道し続けてきた。その事実の肯定、事実の検証、事実の評価、自己批判が不可欠だが、この期に及んで、自己の誤りさえ認めようとしない姿勢である」とその無責任な体質を痛烈に批判しています。さらに、「つまり、この国はいま、完全に腐っているということだ。腐っているのは権力だけでない。権力に群がるマスメディアにも腐敗臭が立ち込めている。カネのためなら何でも協力する守銭奴大資本が存在する。これと結託する利権政治屋と腐敗しきったマスゴミ。米・官・業・政・電の既得権益が日本を暗黒社会にしてしまっている」 と日本社会の根源的な病理を提起し、「この現実を変えることのできるのは、主権者国民しかいない。主権者国民が次の選挙で世直しに動かなければ、この国は本当に滅びてしまう」 と主権者である国民にいまこそ声を上げて行動することを求めています。評者もまったく同感です。こうした植草さんの一貫した姿勢と身体を賭けた呼びかけにある種の感動を覚えるのは私だけはないと思います。
 なお、本件と密接な関係があると思われるので、小沢裁判報告会で出された緊急声明の全文を下記にご紹介します(「国民の生活が第一」 の 森ゆうこ参議院議員のブログ から)
《本日2012年11月12日、東京第五検察審査会の 「起訴議決」 による 「小沢裁判」 控訴審において、一審に続き 「無罪」 の判決が言い渡された。至極当然の判決であり、裁判長の公正な判断に敬意を表するものである。
 具体的な理由もなく控訴することによっていたずらに裁判を長引かせ、この国の最も重要な政治リーダーである小沢一郎衆議院議員の政治活動を妨害した指定弁護士の責任は極めて重い。そもそも、検察が2年間に渡る執拗な捜査にもかかわらず、証拠が無く起訴できなかった事件であり、この裁判の元となった東京第五検察審査会の起訴議決自体が、検察当局の 「捜査報告書の捏造」 という重大な犯罪によって提起されたものであることは、一審の判決理由の中でも厳しく指弾されている。検察が何故このような組織的犯罪を行ったのかを検証することもせず、また具体的な理由もなく控訴したことについて、指定弁護士は国民に説明する責任がある。「捜査報告書のねつ造」 に関する市民団体の告発に対して、検察は田代政弘検事を始めとする関係者を不起訴にした。更にはこの問題の調査を最高検察庁が行ったが、「記憶違い」という田代検事の説明に問題はなかったという 「調査報告書」 を提出し、結局、減給処分となった田代検事は自主的に退職した。しかし、最高検察庁によるその「調査報告書」によって、皮肉にも捜査報告書の提出日が虚偽記載(期ずれ)であったことが既に証明されている。改めて確認するが、陸山会事件で問われているのは、あっせん利得でもなければ贈収賄でもない。会計処理上むしろ正しいと公判で専門家が証言した、登記日による収支報告書の期ずれである。
 証拠もなく強制捜査に着手し、執拗な捜査にもかかわらず証拠が無く自ら起訴出来なかった小沢一郎衆議院議員を、「捜査報告書のねつ造」という犯罪を行ってまで検察審査会を悪用し、刑事被告人に仕立て上げた検察の暴走によって、日本の政治は大きく混乱した。証拠や捜査報告書をねつ造すれば、誰でも容易に犯罪者にされてしまう。小沢一郎衆議院議員をターゲットにした検察の暴走は、選挙によって正当に選ばれた主権者たる国民の代表を不当に弾圧し、議会制民主主義の根幹を揺るがしただけではない。一人一人の国民の人権を守るというこの国の民主主義そのものを脅威に晒しているのである。我々は本日の無罪判決を契機として、日本に真の民主主義を確立するために更に団結していこう。

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2010.8.10 2009年8月の総選挙で、選管に届け出をしていた運動員へのアルバイト代を、佐賀県警が買収と決めつけて公職選挙法違反で逮捕した事件について (2014.9.15、2016.3.28追加あり)
   

 2009年8月の総選挙の後、しばらくトップページに採用していた上の左の写真に書いているように、この事件は、私の評判を落とし、あのような状態の中でも選挙の手伝いをしてくれた本当の支援者に対して、「広津素子に関わると、警察の取り調べが入り大変なことになるぞ」と印象付けるために、要件の当てはまらない公職選挙法の条文を無理やり適用して、うちの事務所の運動員を公職選挙法違反に仕立てあげたものである。

 また、私が公職選挙法違反をして逮捕されたかのように記載しているブログや検索機能もあるが、私は逮捕されたことなどなく公職選挙法違反もしていないので、このようにして私の評判を落とす印象操作をすることが、この事件の目的だったと確信している。

 そして、私は、この事件に関する警察の見立ては古すぎる政治とカネの筋書きで私の意図とはかけ離れており、主権在民をないがしろにする公権力の使用だったため再審の請求をしようとしたのだが、私自身は逮捕された本人ではなく、逮捕された本人は「もういい」と言っているため、それができなかったのである。しかし、相談した弁護士でジャーナリストの日隅一雄氏は、主権在民を実効あるものにするためには、①日本の公職選挙法は世界基準から逸脱した変な選挙運動制限規定があること ②公権力はご都合主義で拡大解釈して行き過ぎた逮捕をする場合があること ③それに対する報道もおかしいこと ④ブログへの記載に名誉棄損や人権侵害があること 等の問題について、上の右側の本を書かれた。

 そこで、以下に、うちの事務所の選挙運動員が公職選挙法違反とされた事件の概要について、具体例として説明する。

(1)被疑事実の誤認について
①被疑者 S氏は、「広津に当選を得させる目的を持って」と起訴状に書いてあるが、実際には、2009年8月18日公示、8月30日執行の第45回衆議院議員選挙に当たり、私が、8月17日より雇用して私の選挙事務所で働いていた派遣社員であり、法律違反までして「広津に当選を得させる目的」はなかった。そして、その派遣会社の社長は、私の同級生で、総選挙にあたり、ポスター貼り等々の人手が少なくて困っていた私に、リーマンショック後の不況で派遣労働者が余っていたこともあって、自らの派遣会社の労働者を貸してくれたものである。なお、私の事務所の公設秘書や私設秘書は、私が自民党の公認を受けられず、みんなの党から立候補することに決まった時、選挙前に全員退職したため、選挙中に後援会等のことがわかる人は、私以外にはいなかった。

②「第1 Sは、2009年8月27日ころ、佐賀県唐津市和多田大土井5番10号の広津もと子選挙事務所等において、同選挙区の選挙人であるSM、SE、MOに対し、広津もと子のため、同人の氏名を記載した候補者届出選挙用ビラ及び名刺の頒布など、広津への投票を依頼する選挙運動をすることの報酬として、1時間につき1,000円の割合で計算した金銭を供与する旨の約束をし(起訴状)」と記載されている部分について、「広津への投票を依頼する選挙運動をすることの報酬として」というのは、全く事実と異なる。なぜなら、私は、余ったビラをポスティング(郵便配達同様、ポストに入れていくこと)することは頼んだが、買収して自分への投票を依頼したことはないからだ。つまり、このアルバイトの人たちは、周旋勧誘はせずに時給1,000円のアルバイト代で、ポスティングという単純労働をしただけであり、無償の金銭供与はないため、買収などと言われる理由はないのだ。さらに、MO氏は、同選挙区の選挙人であるだけでなく、うちの選挙事務所の諸届出に関する代理人で行政書士である松枝氏が、選挙管理委員会に正式に届出をした選挙運動事務員であったため、アルバイト代を支払うのは適法である。また、SM氏、SE氏も、その日一日だけの手伝いであり、ポスターを張ったり、ビラを配ったりするだけの単純労働者であるため、”労務者”であって届出はいらず、アルバイト代を支払うのは適法だった。

③「同月28日ころ、上記場所において、上記広津の選挙運動者であるFU、WAに対し、上記広津もと子のため、同人の氏名を記載した候補者届出選挙運動用ビラ及び名刺の頒布などの選挙運動をしたことに対する報酬として、KOを介してそれぞれ現金5000円を供与し(起訴状)」と記載されている部分も、同様に、ビラをポスティング(郵便配達同様、ポストに入れていくことのみを意味する)したのみで、勧誘活動は全くしていない。また、この場合も、支払った現金は、時給1,000円で計算した運動員のアルバイト代であり、同じくアルバイトで金銭出納係をしていたKO氏が、業務報告の内容を見て支払いを行い、領収書を受け取ったので、投票もしくは投票依頼をするために無償の金銭供与をした事実は全くないのだ。そもそも、私は、金を払わなければ投票しないような人の一票を望んだことはない人間であるため、司法は、私の人格を見誤った。また、名刺も一緒にポスティングしたのは、名刺にも「広津もと子」のこれまでの実績を示す内容が書かれていたからであり、名刺を渡して投票を依頼しようとしたからではない。

④なお、私が、表に自分がこれからやろうとしている公約を書き、裏にこれまでの実績を書いた、証紙を貼ったビラのポスティング(郵便配達同様、ポストに入れていくことのみを意味する)を頼んだのは、それらは、誰に投票するかを決めるに当たって有権者が知っておかなければならない情報だったからであり、投票依頼をするためではない。そのため、この事件は、公選法139条違反の過去の判例とは、意図も事実関係も全く異なるのである。

⑤それもかかわらず、本当の民主主義を定着させようとしていた私の行為を公職選挙法を使って違法にできるのなら、公職選挙法自体の妥当性や運用の妥当性こそ、憲法の表現の自由や公職選挙法の立法趣旨に照らして問われなければならない。なぜなら、そうしなければ、主権在民の国の有権者に、議員候補者の人となりや考えを明らかにして投票してもらうという、当たり前の公正な選挙運動が、危なくてできたものではないからだ。

⑥さらに、私は経験豊富な公認会計士であり、外資系のビッグ4で働いていたため内部統制にも詳しく、選挙違反と言われて足を引っ張られることも想定して気をつけていたため、職務分掌を行い、金銭出納はアルバイトのKO氏、人繰りはアルバイトのS氏、届出提出は行政書士でアルバイトの松枝氏と仕事を分け、内部牽制システムを作って職務分掌して運用してもらい、私本人や私の家族が現金を扱うことはなかった。従って、彼らにとって慣れない仕事をしたためのミスはあったかも知れないが、「買収」などという意図的な不法行為が介在する余地を全くなくしていたのである。また、金銭の支払いは、やった仕事を時間毎に記載した業務日報を提出させ、金銭出納係のKO氏が記載内容をチェックした上で、チェック済の印鑑を押してから行い、支払いと引き換えに領収書を受け取ることを義務付けていたため、実際に仕事をしていない金銭授受は起こらなかった筈である。その上、私自身は、候補者としてずっと選挙カーに乗っていたため、そのような金銭授受に関与する時間は全くなかった。つまり、警察の見立ては、女性公認会計士の能力を見くびり、実力を過小評価する、女性蔑視の古いタイプのシナリオによっているのだ。

(2)捜査のやり方について
①唐津警察署は、投票日直前の2009年8月28日に、S氏、FU氏、WA氏を「有償でビラ配りをしていた」として現行犯逮捕し、この後、有権者の反応が目に見えて悪くなったが、それまでは、私の方が優勢の地域も多かったので、まさにそれが目的だろう。

②唐津警察署は、2009年9月1日にS氏を逮捕し、9月2日に、佐賀警察署が超特急で被疑者として拘留状を出し、S氏の自宅の家宅捜索を行い、その理由を、被疑者の罪証隠滅可能性及び逃亡可能性とした。しかし、S氏は、選挙公示前日の2009年8月17日から私の選挙事務所で、対価を目的として働き始めた派遣労働者であり、自分の預金通帳から買収資金を支出することなどありえない上、唐津市に自宅があって、子どもはそこから学校に通い、派遣労働者として働いていたので、私の選挙というアルバイトが終われば元の仕事に戻る人であって、逃亡や証拠隠滅の可能性は全くなかった。そのため、これは、弁護士をつける間を与えず、有無を言わせないことが目的の異常に迅速な逮捕事例だ。

③また、唐津警察署がS氏の自宅の家宅捜索を行って預金通帳まで持っていったため、S氏の家は生活費も引き出せない状態となり、S氏は取り調べの間、「認めなければ長くなる」と言われたそうだ。また、私の事務所もすべてのものが押収され、私は、選挙運動に関する公費の請求や選挙運動費用収支報告書の作成・提出ができない状態になった。

④上記は形を変えた拷問とも言うべきものであり、そのままでは困るため、とりあえずS氏が認めてS氏が拘置所(そもそも、そういう場所にいる理由のない人なので)から出られるようにした。

⑤そして、これらの押収状況は、それが目的であるかのようにマスコミで大々的に何度も報道され、GoogleやYahooの検索サイトのサジェッション機能に、「広津素子落選、広津素子公職選挙法違反、広津素子逮捕」などの文字が並び、現在でも、私の印象を悪くさせている。そのため、私は、この事件は、こういう結果を出すことにより、私の職業上のあらゆる選択肢をなくし、私をつぶすことが目的であったと考えている。何故なら、私は、ある佐賀県議に、面前で「つぶしてやる」「事務所を空中分解させてやる」と言われたこともあるからだ。なお、サジェッション機能に「広津素子逮捕」と出てくるのはGoogleだが、私は逮捕などされたことはないし、逮捕されるようなことはしたことがないので、これは重大な名誉棄損・営業妨害・政治活動の妨害・人権侵害であり、また意図的でもある。

⑥さらに、私は警察に事情聴取されて説明したことはなく、拘留中は、S氏に会うこともできなかった。私の選挙事務所の出納責任者も同様である。私の選挙事務所の出納責任者は、税理士の成富氏で、私の母の広津敦子ではないが、取り調べた警察官は、この点についても事実誤認があり、高齢のため今回の選挙には殆どタッチしていなかった母の広津敦子にばかり事情聴取をし、私(公認会計士)や出納責任者の成富氏(税理士)には何も聞いていない。「ここまで完璧な陣容で備えていたのに」である。

(3)それでは、この運動員逮捕の目的は何だったのか?
  私は、逮捕されたことなどなく、良いことこそすれ、悪いことは何一つしていない。それにもかかわらず、白を黒として、この運動員の逮捕事件はでっち上げられた。そして、2013年5月8日現在、GoogleやYAHOOの検索ソフトで「広津素子」を引くと、その示唆機能で、「逮捕」「選挙違反」「馬鹿」「KY」「落選」「信用できない」等々の悪意の示唆的文言が表示され、事実を知らない多くの人が「広津素子」は本当に黒で国会議員の資質などない人間であると考えるだろう。これは、私にとっては名誉毀損、営業妨害、政治活動の妨害、人権侵害だが、これこそが、この運動員逮捕の目的だったのだろう。そして、それを裏付けるかのように、この事件の後、佐賀県の唐津警察署が改築された。

 なお、公職選挙法には変な規定が多く、どの候補者も何かでひっかけられるようになっているそうだ。そのため、本当の民主主義を実現するためには、公職選挙法自体を公正な第三者が見直し、恣意性の入らない簡素な規定に改革すべきだ。何故なら、警察のさじ加減一つでどのようにでも選挙違反にできるのでは、権力を持っている誰かにとって不都合な政治家を公権力で逮捕し、メディアやブログを使って大々的に報道することによって追放できるため、真の国民主権や民主主義は実現できないからである。

<現在、掲載されているHP>
*1:http://ww6.tiki.ne.jp/~funabashi/2009-8syuugiin.html 
2009年8月、衆議院議員選挙公選法違反
(ポイント)運動員にたいし弁当しか提供してはならないとする公職選挙法第139条 の規定はおかしい。どのような馬鹿がこのような規定を作ったのであろうか? ・・中略・・業界団体等に利権を与えておけば、業界団体は手弁当でも運動員を出してくれるだろう。しかし利権を与えないクリーンな政治が行われるようになれば、運動員は出してくれない。「業界団体等に利権を与えるのが政治である」と法で規定しているようなものではないか。日本の政治、法は滅茶苦茶である。・・中略・・容疑別では、買収がもっとも多い282人で、うち逮捕者は56人。大阪、埼玉、宮城の3府県では、候補者3人(いずれも落選)が公職選挙法違反(買収)の容疑で逮捕された。

広津素子氏(小泉チルドレン)の運動員を逮捕 ー 報酬払った疑い
 選挙ビラを配るよう知人らに頼み報酬を払うなどしたとして、佐賀県警は1日、佐賀3区で落選したみんなの党・広津素子氏(小泉チルドレン)の運動員で派遣会社登録社員の鈴木謙輔容疑者(56)= 佐賀県唐津市富士見町=を公選法違反(供与の約束、供与)の疑いで逮捕し発表した。県警は同日、鈴木容疑者宅と広津氏の事務所を家宅捜索し、事情を聞いている。鈴木容疑者は「違法と分かっていた」と供述しているという。佐賀県警捜査2課と唐津署などによると、鈴木容疑者は8月27日、広津氏を当選させる目的で、勤務する派遣会社の経営者ら男性計5人に、時給制で選挙区内でビラを配ることを依頼。うち2人に28日、広津氏の事務所内で事務所員を介してそれぞれ数千円を渡した疑いが持たれている。鈴木容疑者は広津氏の選挙運動で車上運動員を務めていたという。選挙ビラは27日、依頼を受けた5人が数十戸に配布。選管に届け出た法定ビラだったが、決められた場所以外で配っていたことなどから、県警は5人の公選法違反(文書領布)での立件も視野に調べている。広津氏本人からも事情を聞く方針だ。
←(広津素子:実際には、私は聞かれていない。)

<日本における冤罪事例 (2014.9.15追加)>
*2-1:http://blog.iwajilow.com/ (つぶやきいわぢろう 2014.6.16) 
TVディレクターがメディアでは伝えられないニュースの裏側を日々レポート。
恵庭OL殺人事件・再審請求棄却の謎
 この4月に恵庭OL殺人事件の再審請求が棄却された。この再審請求では検察が隠していた目撃証言や燃焼実験といった証拠が次々と明らかになり、また裁判官も自ら現場検証をしたりしていた。再審開始の決定が出るのではないかと思っていた。例えば明らかになった「警察側の燃焼実験」という証拠。この事件では殺害されたOLは内臓まで炭化した状態であり、検察はこの焼却に使われたのは灯油10リットルだとしている。この灯油の量で果たして内臓まで炭化するのか。弁護団は当然、「これでは炭化しない」と。つまり炭化しないということは「凶器が違う」ということを、実験や鑑定により立証していた。ところが、実は逮捕前にすでに警察は、弁護団と同じような燃焼実験をしていたのだ。「被害当時の着衣と同種の物を用意し」、被害者と体重の近い「約50キログラム」の豚に着用させた。ご丁寧に被害者と同じ状況を作るために、タオルで両眼部を眼隠しまでした。ところが豚の状態は「内臓まで炭化」することはなかった。「燃焼状態は内部組織まで炭化している部分はなく」「内部組織までの燃焼は認められれない」と報告されている。しかも着火後約22分で鎮火状態になっている。これは11時15分に炎を見、0時5分にも炎が上がっていたという証言(この証言も隠されていた)とも矛盾する。この報告書が作られたのは5月22日だ。しかし、このストーリーと矛盾するこの結果は無視され、当時、証拠としても提出されず翌23日逮捕は決行された。こういった矛盾する証拠が明らかにされたため、再審請求は認められると思っていた。弁護団もそう思っていたという。しかし弁護側の主張は何の科学的根拠も示さずに退けられた。この裁判の指揮をとっていたのは加藤学裁判長だ。この再審請求の決定がでる3週間ほど前のこの4月に札幌地裁刑事3部から東京高裁刑事8部に異動になった。そして現在、袴田事件の抗告審を担当している。

*2-2:http://blog.iwajilow.com/ (つぶやきいわぢろう 2014.4.6) 
再審請求棄却の飯塚事件についての嫌な話し
 先月31日、飯塚事件の再審請求が棄却されました。僕はこの事件、再審開始は無理かもしれないと思っていました。すでに死刑が執行されてしまっている事件を今の裁判所が、「間違っていた」と認めることができるだろうか、ということがまずありました。そして、何よりもこの事件の死刑執行にかかわった人たちが、えらく出世をしているということです。僕が調べた限りですが、死刑執行の起案というのは法務省の刑事局がするそうです。そして、その刑事局の局長が死刑執行命令書も起案します。大臣に印鑑を押させるのは法務省の事務次官の仕事だそうです。大臣が印鑑を押さない場合、結構な問題になるそうです。ですから事務次官は大臣を説得する材料をいろいろ集めるのだろうなぁと想像します。さて死刑が執行された2008年10月。大臣が森英介氏ということは知られています。では事務次官は誰だったのか。今の検事総長でした。つまり検察いや法務官僚のトップに君臨している方です。そして刑事局長は誰だったのか。今の東京高検長、つまり検察のナンバー2だった方です。裁判所がこういった人たちの責任を問えるのか。僕はこの再審請求審でそこばかり注目していました。そして結果はこういうことになりました。そういうことなのだと思っています。


PS(2016.3.28追加):上の公職選挙法違反事件は、佐賀県警が何とか私に結び付けようとS氏に自白を強要したが、選挙事務所の全員が事実どおり「アルバイト代だ」と証言した等々の理由で、私に結び付けることができなかったものである。このようにして、私は、嘘の犯罪歴をブログに披露され続け、人格をはじめとして被選挙権などの多くの権利を踏みにじられたため、*3のように、「プライバシーの侵害だから消してもらって忘れていただく」などというような生易しい問題ではなく、被害者であるため、こちらが忘れるわけにはいかないのだ(殺されても化けて出る覚悟だ)。また、「表現の自由」は人権侵害に優先しない上、対象が議員や議員候補者であっても虚偽の公表は有権者の判断を誤らせるだけで百害あって一利なしである。さらに、グーグルやヤフーなどの事業者は、「難しいものはその都度、裁判所の判断に委ねていく」という対応を続けるそうだが、日本の裁判所は結論を出すのに時間がかかる上、損害に対する賠償金額が低く、大企業や権力側につきがちで、女性蔑視もあるため、頼りにならない。

*3:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20160328&ng=DGKKZO98918560W6A320C1TCJ000 (日経新聞 2016.3.28) サイト上のプライバシー「消して!」削除どこまで、運営者悩む 表現の自由と綱引き
 自分の名前をインターネットで検索したら、隠したい過去について書かれたサイトの情報が提示された――。誰でも検索結果を消してほしいと思うだろう。だが、検索事業者に簡単に削除してもらえるとは限らない。安易に応じれば憲法上の「表現の自由」を侵しかねないためだ。ヤフーは昨年3月、削除対応の基準を公表。検索結果について、プライバシー侵害かどうかを判断する要素などを例示した。以前も自社の判断で削除してきたが、今回は有識者会議を開き基準を明文化した。「社会的関心の高まりに対応した」とネットセーフティ企画部の吉川徳明マネージャー。だが公表後も運用は手探りが続いている。最も対応が難しい削除依頼は犯罪歴に関するもの。同社の基準は「過去の違法行為の情報は公益性が高い」と分類し慎重に構える。だが依頼者側の削除への要望は強い。吉川氏は「迷う案件は社内で合議する」と話す。考慮要素は「犯罪の内容、時間の経過、立場」など。だが「とらえ方は人により異なり、合意を形成しづらい」(吉川氏)。判断が難しい場合は削除しないという。プライバシー権は秘密をみだりに公開されず自己の情報を制御できる権利だ。判例の蓄積で認められている。憲法の幸福追求権などが根拠とされる。何を隠したいかは人それぞれで一律の判断にそぐわない面も大きい。検索事業者が自主的に削除しない場合、依頼者は地方裁判所に削除を求める仮処分を申し立てることが多い。グーグルやヤフーは日本各地の裁判所で対応をしている。2014年10月、東京地裁がグーグルに対し削除を命じる決定を出したことを皮切りに、犯罪から一定期間経過したことなどを理由に裁判所が削除を求める案件が相次ぐようになった。だが犯罪歴を消すことについては検索事業者も慎重で、争いは長引くこともある。係争では「検索結果画面の情報の、どの部分まで削除すべきか」が新たな争点となっている。検索結果は当該サイトに接続する「リンク(タイトル)」や「スニペット」と呼ぶ数行のサイト内容の抜粋で構成される。ヤフーは「スニペットが権利侵害しているなら、そこだけを削除すればいい」と主張する。リンクまで消すと侵害情報だけでなく、ページ内の適法な情報にもたどり着けなくなってしまうことを懸念するためだ。表現の自由や知る権利を守るためには、対症療法にならざるを得ないという。一方、依頼者の代理人を務める神田知宏弁護士は「スニペットだけが消えた状態はむしろ目を引く。リンクをクリックすればすぐページが読めるようでは、削除の意味がない」と批判する。さいたま地裁が今年2月に出した決定は「忘れられる権利」に言及し、犯罪歴の削除を認めた。欧州ではネット上の個人情報を消す際の根拠とされる権利だ。ただ、新しい権利のため「内容や必要性も含め議論を醸成すべきだ」と神田弁護士は指摘する。検索事業者と依頼者の表現の自由とプライバシー権をめぐる綱引きは、まだ一例も最高裁での決着をみていない。明確な法的規範がないなか、事業者は「難しいものはその都度、裁判所の判断に委ねていく」という対応を続けていくことになりそうだ。

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