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2012,06,30, Saturday
(1)我が国の公債残高が増えた理由
図1:1956~2004年のGDP成長率推移 図2:建設公債・特例公債残高、利払費 左の図1のグラフは、1956年~2004年までの我が国のGDP(国内総生産)成長率で、1956年~1973年の第一ステージの間は平均9.1%と高く、1973年のオイルショック後の1973年~1990年の第二ステージの間は平均3.8%くらいに下がり、バブルがはじけた後の1991~2009年の第三ステージの間には平均0.8%となったこととその理由を、このブログの5月18日に説明した。 そして、右の図2のグラフは、昭和40年~平成23年(1965~2011年)の建設公債残高(オレンジ色)、特例公債残高(水色)、利払費(紺色の折れ線)の推移である。公債残高は、第二ステージの昭和48年(1973年)頃から少しずつ増え始め、1985年以降から第三ステージにかけて急速に増加している。それに伴い、利払費は次第に増加し、低金利政策をとってから少し減少して、また増加に転じている。 これは何故か? 私は、我が国の政府が、第一ステージの経済モデルを我が国特有の成功と信じ、第二ステージ、第三ステージでも変更しなかったことが最も大きな原因であると考える。その理由は、第一ステージはすでに手本のある欧米経済文化に追いつけばよく国民が一斉にそれをやるべき時期だったが、第二ステージ以降は、経済発展を遂げた先進国として我が国が次の経済文化を作りだす担い手になっていかなければならなかったにもかかわらず、これを怠り、金融緩和と財政支出でバブルを作り出して景気対策・雇用対策という対症療法のみを行い、本来の産業振興(これについては、そのうち書きます)をしてこなかったからである。 それでは何故、いけなかったのか? それは、金融緩和と財政支出では、消費者の選択や生産者の凌ぎを削る本物の競争、政府の見識の高い後押しなどで生まれる本当に先を見越した生産性の高い分野への投資選択ができないため、本物の経済発展に結びつかず、政府支出(税金)一円あたりの経済効果が低いからである。極端には、「景気と雇用を回復するには、穴を掘って埋める作業をして金をばらまいてもよい」とさえ言われていたが、これでは、公債残高を増やして経済発展できないのは、誰が考えても明らかであろう。 (2)消費税増税の経済と税収に与える影響 図3:昭和60年~平成23年(1985~2011年)からの所得税(赤)、 法人税(黄)、消費税(青)、物品税(紫)、相続税(緑)の推移 公債残高が増えてきた1989年4月1日に3%の消費税が導入され、その2年後(水色の領域)に景気後退して我が国のGDP(国内総生産)成長率は第三ステージに入ったとともに、さらなる財政支出を行ったため公債残高が増えた。そして、1997年4月1日に消費税が5%に引き上げられた後、またしても景気が落ち込み、これを押し上げるために財政支出を行って公債残高を増やした。そして、今回も「税と社会保障の一体改革」という名目で消費税率を引き上げた後、同じことが繰り返されそうだが、同じ失敗を繰り返すのは馬鹿である。 (3)先進諸外国と日本の税収に占める消費税割合の比較 わが国では、消費税が導入されて後、景気やGDP(国内総生産)成長率が落ちたため、法人税・所得税収入は減少し、税収全体に占める消費税の割合は高くなっている。これは、下図でも明白であり、消費税率5%でも、税収全体に占める消費税の割合はヨーロッパ諸国とあまり変わらず、アメリカには消費税はない。アメリカに消費税がない理由は、所得税を低コストで徴収できるシステムがしっかりと構築されているからで、これは、わが国も同じである。一方、ヨーロッパで消費税を高くしているのは、所得税を徴収するシステムが弱いからだと言われている。 消費税増税と景気対策による財政支出がセットで行われる場合の効果は、国民が消費にまわす可処分所得を減らして、その分、公共投資や種々の補助金などの政府支出にまわすということである。つまり、国民から政府への所得移転が行われるのであり、その分、政府(官僚と官僚にとって都合のよい政治家)がどこに支出するかを決定することになるのである。 (4)官僚と官僚組織について 官僚には、実際に優秀な人が多く、私が先進的な政策を提案した時に、すぐ採用してくれたのも官僚である。しかし、官僚は天下りシステムを持っており、それを維持する方向に政策を歪曲するという動機付けが働く。また、官僚は、大学卒業後ずっと官僚組織で働いており、民間企業の一員としてダイナミックな市場競争の中で働いたことがないため、将来の本当の需要を把握して効率的な投資を行うのとは異なる判断や行動パターンをとる場合が多い。また、若くして本省を離れて天下りさせられる官僚も本来の能力を十分に発揮できておらず、人材の無駄遣いであって、もったいない。 このような官僚組織を中心とした官主主義が力を発揮する時代は、明治時代から戦後第一ステージまでの、欧米に明確な模範があり、それを速やかに取り込むべき時代であった。我が国の第二ステージ以降は、官僚組織をスリム化して、民間企業の第一線や開発分野に優秀な人材を多く配置すべきだったにもかかわらず、わが国では、メディアも官僚に追随しながら意味のある改革を拒んだため、本当の経済成長ができずに、今に至っているのである。 (5)結論 結論として、「税と社会保障の一体改革」は、*1の主張とは全く異なり、有害無益である。また、官僚組織に関しては、定年を65~70歳に引き上げて天下りする必要性をなくすことや省ごとではなく全体として採用を行って採用数を大幅に減らし、省益あって国益なし(一例:管轄省庁が異なるため起こる幼保一体化の阻止など)という判断が行われないようにすることが重要である。それによって官に採用されなかった優秀な人材は、民間第一線に行って効率よく働けばよいのであり、その方が日本経済にとってプラスである。なお、我が国の格差は諸外国より小さいので、「給料減らせ」「身を切れ」というような妬みに基づく批判はしない方がよいと思う。何故なら、国の重要なポジションには、激しい競争を勝ち抜いてくる本当に優秀な人材を置かなければ国益に反するし、そのためには、処遇の良さが必要だからである。 *1: http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/309955 (西日本新聞 2012年6月28日) 消費税増税のことを「社会保障と税の一体改革」と呼ぶようになったのはいつからか 消費税増税のことを「社会保障と税の一体改革」と呼ぶようになったのはいつからか。本紙の過去記事を検索すると、福田康夫政権だった2007年12月までさかのぼる。政権交代を挟んで4年半。「理念」は自民党から民主党に引き継がれ、増税法案は衆院を通過した。支出の半分を借金で賄う財政事情。しかも、高齢化で社会保障費は毎年1兆円ずつ増え続ける。「まだ無駄遣いがある」などと悠長に構えていられない。民主党は政権与党を経験し、増税の必要性で自民党と同じ認識に至ったのだろう。ならば一体改革とは何か。「消費税増税で社会保障を立て直す」。そんな触れ込みで世論の抵抗を和らげようと政治が編み出した方便だ。しかし、もう年金制度改革の棚上げで「化けの皮」がはがれたのだから、野田佳彦首相は正直に言えばいいのだ。「増税の大義はある。財政再建だ」と。(植田祐一)
| 経済・雇用::2011.8~2012.9 | 12:17 PM | comments (x) | trackback (x) |
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2012,06,29, Friday
死刑廃止論の大きな理由は、*1のように、冤罪で死刑になる人がいることだそうだ。しかし、冤罪事件については、下の理由により死刑の廃止で問題が解決するものではない。
①真犯人がつかまっておらず、罰せられていないこと ②冤罪被害者が罰せられても、殺人被害者にとっては何の慰めにもならないこと ③冤罪被害者を捕え長時間かけて裁いている間に、真犯人を捕える機会が失われること ④真犯人を捕えられない時や権力の圧力がかかった時に、警察や検察がメンツのため、かわりに 比較的孤独で支援者のない人を捕えて冤罪をかぶせる傾向があるということ ⑤裁判所も本当の独立性を持っておらず、冤罪に加担する場合もあること そして、冤罪被害者の側から見れば、殺人犯に仕立てられて15~30年も経過した後に、「間違いでした」と認められても、認められないよりはましだろうが、失った人生は帰ってこない。つまり、年をとってから、「実は、あなたが犯人ではなかった」と確定しても、たまったものではないのである。その間の本人や家族(親、配偶者、子ども)の苦しみや失った幸福は、計り知れない。 そして、冤罪被害者に対する刑事保障では、拘束された期間1日あたり12,500円(最高金額)の保障があり、その後に国家賠償を受ければ、判決された額から刑事保障の分が相殺されるそうだが、そもそも最高でも12,500円というのは年収4,562,500円(12,500円 X 365日)のサラリーマンの日当程度であり、人生を棒に振らされた冤罪被害者の苦痛と被害を考慮している筈がない金額だと思う。しかし、これが、現在、国民に対する基本的人権の侵害に対して、司法が妥当と考えている損害賠償額ということになる。これで計算すると、20年拘束されても最大で91,250,000円(4,562,500円 X 20年)ということになるが、人によるとしても、生涯所得の逸失利益と慰謝料から計算すると、もっと大きな金額になる人は多いだろう。 課題は、司法が、真実を明らかにして真犯人を捕える発想と技量に欠けていること、真相追及のための裁判に、修正が効かなくなる10年単位の期間を要することである。これは、人の人生を左右する問題であるから、「裁判官や弁護士が忙しいから」などという弁解をすることは、あまりにも人権意識が低すぎると言わざるを得ない。 なお、これについては、司法のみでなく立法・行政・民間企業にも多くの人材を送っている、我が国の法学部教育にも問題があるのだと聞いている。もし、これが医学部だったら、医者が、胃がんの人の肝臓を間違って摘出したら、病気は治らないし大変なことになるので、病気の原因を正確に把握してから治療するという勉強をして大学を卒業する。 *1: http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/309985 (西日本新聞 2012年6月28日) 地裁で死刑判決を言い渡しているうちに涙声になり… 地裁で死刑判決を言い渡しているうちに涙声になり、控訴を勧めた裁判長がいた。10年ほど前の九州でのことだ。極刑を下す人の苦悩を物語る死刑判決にかかわる裁判官の胸中は、一審であれ最高裁であれ、基本的に違いはない。殺人事件で死刑維持の判決を言い渡したあと傍聴席から投げつけられた「人殺し!」の言葉を胸に刻んだ最高裁判事もいる。団藤重光さんだ。被告は否認していた。一抹の不安が、罵声を生涯忘れられないものにした。人が人を裁くことの怖さをかみしめ直し、退官後は死刑廃止運動にかかわった自著「死刑廃止論」は1991年の出版から10年間で6版を重ねた。刑法学者として世に出た団藤さんは現行刑事訴訟法の生みの親となり、最高裁判事時代は人権派として鳴らした。広く深く知られた軌跡が退官後の言動に重みを与えてきた。先日、98歳で亡くなった。一昨年開かれた集会に次のようなメッセージを寄せている。「この20年間で死刑廃止国と存置国は逆転した。若い皆さんが死刑廃止へ向けて努力してくださることを願ってやみません」(朝日新聞から)。先進国で死刑を執行している国は今や珍しい。裁判員制度のもと一般市民も死刑判決に加わるようになった。施行3年を経て裁判員制度は見直し時期に入ったが、法務省は「国民の評価は高い」として抜本見直しには消極的と伝えられる。団藤さんはどう聞いていただろう。
| 民主主義・選挙・その他::2010.4~2012.12 | 09:52 AM | comments (x) | trackback (x) |
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2012,06,27, Wednesday
自動車産業を見ればわかるとおり、電気自動車、ハイブリッド車、燃料電池車(水素燃料で走行)、LPガス車を、いち早く市場に投入したところは販売が伸び、決算でも黒字を計上しています。しかし、いつまでも昔の感覚から抜けきれず、ガソリン車の改良でお茶を濁していたところの決算は厳しいようです。それは、下のような理由で、ガソリンを大量に消費する車は、販売が伸びなくなったからです。
①世界の需要と供給の関係で、燃料であるガソリンの値段が一貫して上がってきていること ②ユーザーの環境意識が上がり、環境によいものを購入するという判断が働いてきたこと ③政府も、エネルギー自給率の向上や環境に配慮した車を後押ししていること 電力会社も、いつまでも古い技術の原子力や重油火力にしがみついている会社は、同じ運命を辿るでしょう。何故なら、ユーザーは、電力料金だけでなく、環境や健康も考慮するところまで成熟したからです。そして、今後は、電力自由化を進めて電力市場に競争原理を入れ、電力料金の低下を図るのが、我が国の産業発展に不可欠であるとともに、新エネルギーによる発電で、エネルギー自給率の向上、低コスト発電、環境などを両立させる技術を速やかに実用に供さなければなりません。そして、政府も、いつまでも高コストの電力(原子力、重油火力)を応援する仕組みを堅持するのではなく、新エネルギーを後押ししなければ、我が国の産業が世界に置いていかれるでしょう。 なお、下の記事のように、関西電力の筆頭株主が大阪市で、橋下徹市長が株主総会に出席したというのは面白いと思いました。そこで橋下徹市長に提案したいのですが、関西付近には、明石海峡、紀淡海峡、鳴門海峡など、汐潮発電に向く流れの速い場所がいくつもあるため、すでにイギリスで実用化されている汐潮発電機を設置すれば、あとは燃料費無料でかなりの発電ができます。それに、日本で改良を加えてもよいでしょう。また、関西も住宅が多いので、太陽光発電をリース会社も使ってどんどん設置すれば、かなりの普及率と発電量が見込まれ、大飯原発を動かす必要はなくなると思います。それは、電力会社がやってもよいし、他の企業がやってもよく、それを自治体が後押しすれば進展すると思いますので、是非、やったらいかがでしょうか。 http://www.asahi.com/business/update/0627/OSK201206270037.html (朝日デジタル 2012年6月27日) 橋下市長「関電このままではつぶれる」 関西電力の筆頭株主である大阪市の橋下徹市長は株主総会で質問に立ち、「関西電力はこのままではつぶれると大変危惧している」「関電は将来リスクの説明が不十分だ」と訴えた。 使用済み核燃料について「再処理事業は今後も継続するとお考えか。中止のリスクは考えているのか」と指摘し、「原発が何基止まれば赤字になるということを念頭において経営しているのか」と経営陣にただした。 橋下氏はそのうえで、「政権も代わる予定がある」と主張。「政権が代わり、エネルギー政策が変わって原発依存度がゼロになるような流れになったとき、関西電力はどう対応するのか」「今がまさに時代の、エネルギー供給体制の転換(期にある)。経営陣はリスクを念頭に置いて新しいエネルギー供給体制を目指してほしい」と迫った。
| 原発::2012.6~8 | 02:29 PM | comments (x) | trackback (x) |
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2012,06,26, Tuesday
「社会保障は消費税増税で賄わなければならない」と唱えている人たち(政党・メディア・その他)は、下の点で社会保障を軽視している人たちであることを国民は決して忘れてはなりません。なぜなら、国税収入は、法人税、所得税、相続税、その他の間接税などがあり、その上に消費税があるのであって、社会保障は消費税で賄わなければならないとは決まっていないからです。従って、下の検討をすべきであるにもかかわらず、それは全くなされずに「税と社会保障の一体改革」が唱えられていることからも、「社会保障のための消費税増税」という念仏のようなお題目は、「電気を人質にした原発再稼働」と同様、「社会保障を人質にした消費税増税」であることがわかります。
<検討も質問もされていない事項> 1)もし社会保障を消費税で賄うとすれば、他の税収は何に使うつもりか、まず、全体として税収と歳出の振り分け割合を検証すべきだがしていないこと。 2)何故、社会保障費用は他の税収から支出してはならないかの検討も説明もないこと。 3)それぞれの社会保障(年金、医療、介護など)は、使用目的を明確にして保険料の形で徴収しており、現在、徴収や運用において不完全かつ不公正な部分が多く、これを改善することにより収入が増えるとともに公正性・公平性が増すため、これを改善することこそが最初の課題であるが、それには手をつけずに消費税増税を主張しているのはおかしいが、不問に付されていること。 4)その保険料の徴収・運用における問題を曖昧にしたまま消費税増税を行えば、歪みが残ったまま無駄な支出が増えるばかりで本当の問題解決はできないが、国民にどうしても消費税増税を押し付けるのは、現状維持か利権拡大をしたい意図があること。 5)子ども子育てについても、幼保一体化もできず、本質的な改革はせずに、自民党時代からあった認定子ども園でさらに組織を3本化して歳出を増やしているだけであり、これで、母親が便利になって少子化に歯止めがかかるとは思えないが、その議論はかき消されたこと。 このような中での下の野田首相の演説は、財源で国民を脅迫しながら「消費税増税をお願いします、お願いします」と言っているだけであり、官主主義にひれ伏した腰ぬけとしか言いようがありません。また、財務省が省を上げて推進している消費税増税などは、それに乗るのであれば野田首相の言う「命を懸ける」ほど難しいものではありませんし、命を懸けるなら世界の脱原発や行政改革のように抵抗勢力が強く、どうしても必要なものに懸けるのが首相の本分でしょう。野田首相の「命を懸ける」という言葉の軽さに唖然としますが、これはほんの一例であり、他の言葉も似たようなものなのです。 そして、メディアもまた、「小沢グループは造反で離党すべきだ」というような政局の報道しかできないレベルにあるのが、我が国の主権在民を建前だけの内容なきものにし、主権在官を堅持させて国民の不幸を作っている根源になっているのです。なぜなら、主権在民を本当に機能させるためには、有権者である国民に、日頃からきちんと分析された真実の情報を提供し続けていなければ、主権を行使するにあたって正しい判断や選択はできないからです。我が国のメディアは、「人権」や「主権在民」など、憲法に基づく基本的な意識の上で、開発途上国の報道より遅れているように思います。 http://www.asahi.com/politics/update/0625/TKY201206250441.html (朝日新聞 2012年6月25日) 増税法案賛成「心からお願い」 首相、民主代議士会で 消費増税関連法案は26日の衆院本会議で民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決され、衆院を通過する。野田佳彦首相は25日夕、国会内で開かれた民主党臨時代議士会で挨拶し、「社会保障が待ったなしの状況の中で、先送りしたらこの国は持たない。一致結束してご支援、ご賛同を賜りますよう、心から、心から、心からお願い申し上げる」と述べ、法案に賛成するよう求めた。 首相は社会保障政策について「年金関連の2法案、子ども子育てに関わる3法案で、修正はあったが、私どもが勝ち取ろうとしていることはしっかりと勝ち取ってきている。今日、(国会で)最低保障年金も後期高齢者医療制度の廃止も旗は降ろしていないと明確に申し上げた」と強調。そのうえで「安定財源を確保し、経済の再生もやる。政治改革も行政改革もすべてやり抜いていく本格的な改革を、皆で結束して実現していこう」と訴えた。 民主党内では、小沢一郎元代表グループの議員らが反対票を投じると明言。54人以上が離党すれば、与党勢力は衆院で過半数割れする。内閣不信任決議案が可決される可能性が高まる一方、予算案や重要法案なども与党単独で可決できず、首相の政権運営は一気に厳しさを増すことになる。 PS:衆議院での採決が終わり、消費税増税法案が三党合意による圧倒的多数で衆議院を通過してしまいました。そして、メディアは、「反対した民主党議員57人は造反であるから処分せよ」とけしかけていますが、何を寝ぼけているのでしょう!議員は、一人一人が国民の代表であって、政策について執行部に白紙委任して執行部に忠誠を誓う党の部品ではありません。従って、マニフェスト違反で、かつ、一方的議論打ち切りによる党の決定に賛成しなかったからといって、「造反」などと言われる筋合いはないでしょう。もちろん、反対した民主党議員57人の方は、マニフェスト違反で消費税増税を行い、国民の声を無視して原発再稼働の決断を行った民主党から出て別の政党として行動した方が、選挙上は、立ち位置がはっきり見えてよいという選択もあるでしょうが、与党として行動しなければ自分の政策が実現できなくなるというディメリットもありますから、難しい判断でしょう。
| 消費税増税問題::2010.6~2012.7 | 09:49 AM | comments (x) | trackback (x) |
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2012,06,21, Thursday
下の*2からわかるように、SPEEDIは、原発事故時に放射性物質の放出量を測れなくても、地形や風向きを考慮して予測データを出すもので、実測した地点での実測値をインプットしていく度に、予測の精度があがるものです。そのため、*1のように、文部科学省が、「『放出源の情報が得られていないため実態を正確に反映していない予測データの公表は無用の混乱を招きかねない』と判断して、事故から1か月以上たった4月25日まで公表を見送った」というのは、本来の使い方をしておらず、全くおかしいのです。そして重要なことは、情報が開示されなかったことにより、(関東も含む)住民は、適切な避難方法や避難方向を選ぶことができず、無用な被曝をさせられたということです(*3の計算結果参照)。
そして、*2に書かれているところでは、2012年3月3日の中国新聞によれば2011年3月15日、政務三役らが出席した会議において、SPEEDIの計算結果を高木文部大臣らが見て、一般には公表できない内容であると判断し、他のデータを用意することになったのだそうです。このときは原子炉内の全ての放射性物質の放出を想定し、関東、東北地方に放射性雲が流れるとの結果が出たという広範囲な流出も予測していたそうで、文部科学省が最悪の事態を想定し計算を繰り返していたことは明らかです。そして、この前日の3月14日より計画停電が開始され、国民が原発事故に苦情を言わない背景が作られ始めていたのです。現在の関西と似ていますね。 そのため、今後の国会では、①SPEEDIの本来の役割 ②開発費 ③福島第一原発事故の情報を開示しなかった本当の理由 ④それにより余分な被曝をさせられた人の数と被曝量 ⑤福島第一原発が溶融して爆発したという前提で、SPEEDIによる東北・関東に降り注いだ放射性物質の種類別推定量 ⑥その前提での健康被害予測 ⑦安全な震災瓦礫はあるのか などについて、徹底して追及することが必要です。何故なら、SPEEDI情報の非公開は、国体や産業を守って個々の国民の生活や命を軽んじる政治哲学に基づくものであり、消費税増税・社会保障削減など、あらゆる分野に共通して出てくる官主主義の悪い点だからです。 *1: http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20120611/index.html (NHKオンライン 2011年6月11日) SPEEDIで実測も非公表 (ポイント)SPEEDIの運用は文部科学省が所管する原子力安全技術センターが担当し、研究や運用にこれまで120億円余りの費用が投じられています。 福島第一原発の事故では、SPEEDIの計算の前提になる原発からの放射性物質の放出源の情報が、地震に伴う停電によって得られなかったため、原子力安全技術センターは、震災当日から放出量を仮定して入力した得られた予測データを文部科学省に報告してきました。 一方、報道機関などは、事故の直後からSPEEDIの予測データを公表するよう求めてきましたが、文部科学省は「放出源の情報が得られていないため実態を正確に反映していない予測データの公表は無用の混乱を招きかねない」として、3月23日に公表された一部の試算データを除いて、事故から1か月以上たった4月25日まで公表を見送りました。この結果、SPEEDIの情報は、住民の避難や範囲などの決定に役立てられることはなく、原発事故の際の国の情報公開の在り方を巡って大きな問題となりました。 SPEEDIの活用に関して、原発事故について検証する政府の事故調査・検証委員会は「仮に予測データが提供されていれば、自治体や住民は、より適切な避難経路や避難の方向を選ぶことができたと思われる」と指摘しているほか、民間の事故調査委員会も「住民の被ばくの可能性を低減するため、最大限活用する姿勢が必要だった」と述べています。 *2:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%8A%E6%80%A5%E6%99%82%E8%BF%85%E9%80%9F%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%BD%B1%E9%9F%BF%E4%BA%88%E6%B8%AC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0#.E5.A4.96.E9.83.A8.E3.83.AA.E3.83.B3.E3.82.AF (ポイント)緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムとは、緊急事態において気象条件や地形情報などから放射性物質の環境への拡散を地理的、数値的に予測するシステムで、通称、SPEEDI。2011年3月に起きた福島第一原子力発電所事故では、3月11日夜以来原子力安全・保安院が、12日未明以来文部科学省が、多数試算していた。SPEEDIは100億円以上かけて開発され、事故後5,000枚以上の試算結果があったとされるが、試算なので国民の無用な混乱を招くだけと判断され国民に公開されず、自治体が住民避難を計画する参考にも供されなかった。情報を非公開としたことにより、放射性物質の飛散方向と同じ方向に避難した住民を多く発生させてしまい、強い批判を受けた。情報を非公開としたことについては、後に政府が「パニックを避ける」ことを優先させすぎたが故の誤った判断だったと認め、謝罪している。しかし、事故直後の3月14日に文部科学省は試算結果を外務省を通じて米軍に提供していた。また、原発立地地域の住民に対する従前の説明では、万一の事故時の避難に際してはSPEEDIのデータを活用する前提であると説明していた。公開を求める声が多く、3月23日に一部が公開されたが、国会で全容の公開が強く求められた結果、5月になって試算結果が関係省庁のサイトに揃って公開された。2011年9月2日、原子力安全・保安院は3月11日の事故以後の緊急時対策支援システム(ERSS)による事故進展予測試算結果を公表した。それによれば全電源喪失による原子炉停止から1号機では15時間22分後、2・3号機では8時間35分後の炉心溶融を予測し、さらに格納容器過温破損とその後1時間後、5時間後、10時間後の放射性物質の放出率(Bq/h)や環境中の残存量率(Bq)を予測した。また1号機の予測結果に基づきSPEEDIでの放射性物質の拡散予測・試算なども行っていたが、総理大臣官邸危機管理センターには2・3号機の緊急時対策支援システム(ERSS)の予測を送付しただけで、SPEEDIでの放射性物質の拡散予測結果は報告しなかった。原子力安全・保安院で解析した45件もそのうち2件のみしか送付しなかった。送付しなかった理由は分からないが、SPPEDIの結果を使うという思いが至らず問題があったとしている。2011年6月17日の参議院東日本大震災復興特別委員会にて、自由民主党の森まさこ議員が、高木義明文部科学大臣に対して、3月12日にSPEEDIの算出結果を公開しなかったことを質問したところ、「現地情報がないため計算できなかった」「計算していることを私は知らなかった」と答弁した。 しかし、2012年3月3日の中国新聞によると、2011年3月15日、政務三役らが出席した会議において、SPEEDIの計算結果を高木らが見て「一般には公表できない内容であると判断」し、他のデータを用意することになったのだという。このときは原子炉内の全ての放射性物質の放出を想定し「関東、東北地方に放射性雲が流れるとの結果が出た」と広範囲な流出も予測したという。文部科学省が最悪の事態を想定し計算を繰り返していたことが明らかになった。 *3:http://www.nisa.meti.go.jp/earthquake/speedi/speedi_index.html 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の計算結果
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2012,06,18, Monday
税と社会保障の一体改革に関しても、日経新聞は典型的な増税推進・社会保障カットの論調で推移しており、まさに官の広報版と言っても過言ではありません。そして下の記事に論点の多くが含まれていますので、これに反論する形で消費税増税・社会保障切捨論者の「無ヒューマニズム」を指摘します。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1504S_V10C12A6MM8000/ (日経新聞 2012/6/15) 一体改革、3党合意 消費税率上げへ前進 ●民自公3党の実務者は15日、税制、社会保障の修正協議をそれぞれ断続的に開き、夜に社会保障、税制の両分野で合意文書を交わした。 ←(批判1)メディアは「消費税増税を行う人が責任感のあるいい人だ」という浅い主張を繰り返し、今回も、民自公3党の談合でも何でもよいから消費税増税・社会保障切捨ての合意文書を交わしたことを歓迎している。これは、メディアが、軽減税率適用対象になりたいからだと言われている。 ●税制分野は消費増税の際に「名目3%、実質2%」の経済成長率を目標とする景気条項を法案の付則に残す方針で一致。所得・相続増税は年末の来年度税制改正論議に結論を先送りした。 ←(批判2)「名目3%、実質2%」の経済成長率ということは、物価が毎年1%上昇し、実質経済成長率が2%だということである。これは、負債を持つ企業にとっては負債が物価上昇分だけ目減りするため歓迎であろうが、国債や預金などの資産を持つ国民にとっては、物価上昇分だけそれらの資産が目減りした上に消費税が上がるので二重に厳しくなる。また、賃金や年金収入は、物価上昇より遅れて上昇するため、国民生活へはマイナスとなる。これが、インフレ、インフレターゲット、物価上昇の意味と目的である。 ←(批判3)所得税・相続税のブラケットは、現在、所得税非課税の人が多すぎるため、確かに国際標準にすべきであるが、この結論は先送りだそうである。 ←(批判4)資源・エネルギーを国産にすれば、資源・エネルギー代を外国に吸い取られなくてすむので、内国法人の利益が増え、法人税率を上げなくても法人税収を増やすことができる。また、電力自由化や天下り廃止などで公共料金を下げても、やはり内国法人の利益が増え法人税収が上がるのだが、既得権益者との闘いになるのはこれまで見てきたとおりである。すなわち、国民の支持がなければこれらは実現しないが、メディアは、このように既得権益者として官についているのである。 ●消費増税時の低所得者対策では、税率を8%に引き上げる条件に現金給付の実施を明記したほか、公明党の主張に配慮して軽減税率の余地も残した。 ←(批判5)現金給付は、納税者のみが対象であれば納税すらしていない貧しい人は救えないが、誰に、いくら現金を給付し、その対象者をどうやって捕捉するのだろうか? また、軽減税率はどの商品・サービスに適用するのかなど課題が多い。 ●社会保障分野では民主党マニフェスト(政権公約)の主要政策である「最低保障年金の創設」「後期高齢者医療制度の廃止」の扱いについて、両政策の「撤回」方針を明示せず、新設する「社会保障制度改革国民会議」に検討を事実上棚上げする。公明党は法案提出を定めた閣議決定の取り下げなど「撤回」を求めてきた。しかし、15日夜の3党合意の際、年金・高齢者医療制度改革について「あらかじめ内容などについて3党間で合意に向けて協議する」と明記した確認文書を交わして折り合った。3党は国民会議の設置などを盛った「社会保障制度改革推進法案」を国会に共同提出する方針だ。 ←(批判6)自民党がしつこく「最低保障年金の創設」「後期高齢者医療制度の廃止」を取りやめるよう要求しているが、自民党の言う「社会保障制度改革」は社会保障給付を減らすことに終始しており、ヒューマニズムがない。公明党も同様か? ●このほかパートへの厚生年金の適用拡大について、対象者を民主党が主張していた45万人から25万人に圧縮することで合意。基礎年金の国庫負担割合を50%に維持する財源の「年金交付国債」の発行を取り下げることも盛り込んだ。 ←(批判7)「パートへの厚生年金の適用拡大」を妨げるのは、パート労働者から搾取している企業に利するだけで、正規労働者を雇用しようとする企業に逆のインセンティブを与えて雇用・労働問題に有害である。また、公的年金は、職種に関わらず一元化して同じ条件にするのが公平・公正であろう。 ●3党実務者による正式合意を受け、民主党執行部は18日に開く会合で党内了承の手続きに入る。 ←(批判8)このような条件で了承する民主党議員は誰か、政権交代やマニフェストの意味を考えて、よくみておくべきである。 ●首相がメキシコで開く20カ国・地域(G20)首脳会合から帰国する20日にも3党党首会談の開催を検討する。 ←(批判9)3党党首だけの密室談合で決めるのは、民主主義の自殺行為である。 ●自民党の谷垣禎一総裁は15日夜、党首会談について都内で記者団に「(修正協議が)まとまればそういうことがあると思う。決められない政治をどう動かすかを話す」と語った。 ←(批判10)メディアがけしかけて「決められない政治はよくない」と言うのをよく耳にするが、大政翼賛会によりさっさと決められて太平洋戦争に突っ走った歴史を忘れたのだろうか?むしろ、変な政策がすぐ決まらないために、わが国は憲法で二院制になっているのであり、それぞれの政党が異なる意見を国会で闘わせるのが民主主義のあり方である。民意と異なる官の政策を国会で速やかに決めなければならないというのが、まさに官主主義なのである。 ●一方、民主党内では小沢一郎元代表ら増税反対派の間に最低保障年金などの棚上げにも反発する声が上がっている。反対派の動きが強まれば党内が緊迫し、調整作業が難航する可能性もある。 ←(批判11)「反対派の動きが強まれば党内が緊迫し、調整作業が難航する」などと、必ず、反対する人が悪いかのような書き方をしているが、マニフェストに忠実に正論を言っているのは、増税反対派の方である。馬鹿もいい加減にせよ。
| 消費税増税問題::2010.6~2012.7 | 05:39 PM | comments (x) | trackback (x) |
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2012,06,17, Sunday
日経新聞が、最も典型的な原発再稼働推進論を展開しており、下の記事に、うまくその要約がなされているので、これに反論する形で、原発再稼働推進論者の論理の無理を指摘します。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1600D_W2A610C1000001/ 大飯原発の再稼働を政府決定 (日経新聞 2012/6/16) ●野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら3閣僚は16日午前、首相官邸で協議し、関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)3、4号機の再稼働を正式に決めた。福井県の西川一誠知事が再稼働への同意を表明したためだ。国内のすべての原発が止まった状態はほぼ2カ月ぶりに解消する。 ←(批判1)国内のすべての原発が止まった状態を早く脱し、原発なしでも困らないという実績を作られるのを阻止したことを白状している。 ●関電の管内で、予期せぬ停電などを通じて暮らしや企業活動が深刻な打撃を受ける危険性はやわらぎそうだ。 ←(批判2)原発再稼働がなければ、病院や信号機の停電で命にかかわるというふれ込みの脅しもあったが、そもそも、計画停電するためには重要性の順位があるのが当然であり、病院や信号機を他と同じ次元で停電させざるを得ないシステムにしているというのがおかしい。もし、選択的に停電させることができないシステムになっており、重要部分にも通常の電力供給網一つしかないのであれば、事故や地震など災害時の危機管理ができていないということであり、それを問題にすべきである。なお、病院や信号機など命にかかわるものは、もともと自家発電その他で十分にバックアップしておくべきである。 ←(批判3)企業活動への深刻な打撃は、①今まで原発に頼らせて自然エネルギーの普及を阻害してきたこと ②自国で算出できる天然ガスなどのエネルギー開発をせずに安易な輸入燃料に頼らせてきたこと ③電力自由化や発送電分離を行わなかったこと 等が原因であり、経済産業省(特に、資源エネルギー庁)のミスである。そして、原発再稼働を推し進めることは、それらを改善し環境と両立しながら経済成長する機会をさらに阻害する。 ●首相は協議で「再稼働することを政府の最終判断とする」と語った。そのうえで「政権として原子力行政への国民の信頼回復に向けてさらなる取り組みを進める決意だ」と強調した。協議に先立ち、首相は西川知事と会談。知事が「国の安全確保のいっそうの努力と支援の約束を頂いたので(再稼働に)同意する決意を伝えたい」と述べたのに対し「決断に深く感謝申し上げる」と謝意を表明した。知事は再稼働への消費地の理解を深めることや、日本海側の津波や地震の調査推進など8項目の要望も首相に伝えた。 ←(批判4)何度も書いたが、野田首相や西川知事に原発の安全性を判断する能力はないし、責任をとると言っても、どう責任をとるのか明らかにしておらず、本当は責任などとれるわけがない。そのような状況で、消費地の理解を深めるなどというのは不誠実であるし、日本海側の津波や地震の調査が今まで行われておらず、そのままで今から再稼働しようとしているのは、無謀としか言いようがない。 ●昨年3月の東日本大震災で東京電力福島第1原発の事故が起きてから、原発の運転再開が決まったのは初めて。国内にある原発50基は北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)が5月5日に定期検査に入って以来、約42年ぶりに全基が運転停止となっていた。政府が大飯原発の再稼働を正式に決めたのを受け、関電はただちに準備作業を始める。最初の3号機のフル稼働まで約3週間かかり、次の4号機も含めると2基が共にフル稼働するのは最短で7月24日になる見通しだ。 ←(批判5)「待ってました!」と言わんばかりの関電の対応であるが、負けてはならない。 ●政府などの試算によると、大飯原発が再稼働しなければ関電管内では猛暑だった一昨年夏のピーク時に比べて15%の電力が足りなくなる。無秩序に停電が起こる可能性が高まり、企業の経済活動や家庭生活に支障が出かねない情勢だった。再稼働により、こうした最悪の事態は避けられる公算が大きくなった。ただ、関電の見通しでは一昨年並みの猛暑になれば、昨年の節電効果を反映しても8月の電力需給の余裕度を示す「予備率」はゼロになる。このため、需給が逼迫した場合に備えて関電は事前に時間や対象地域を決めて停電を実施する「計画停電」の準備は続ける。 ←(批判6)いつも「関電管内で猛暑だった一昨年夏のピーク時」と比べ、その後、何ら節電対策を行っていないという前提で話を進めているところに無理がある。LED電球の使用や節電型家電への買い替え、太陽光発電をはじめとするさまざまな自家発電装置により、もう、15%くらいの節電はできていなければならない筈である。関東ではできるのに、関西ではできないとでも言うのだろうか? ●政府は早期の大飯再稼働をめざしていたが、立地自治体の福井県の同意を得られなかっただけでなく、消費地である周辺自治体が慎重な姿勢を崩さなかったため、手続きが滞っていた。首相は経済活動やエネルギー安全保障の観点から「原発は重要な電源」と表明しており、運転を止めているほかの原発の再稼働もめざす方針。年内は伊方(愛媛県)、泊(北海道)の2原発の再稼働が課題になる。 ←(批判7)全貌が見えていない首相が表明したからといって、「原発は重要な電源」とはならない。また、手続きをすれば危険なものが安全になるということもない。さらに、原子力燃料は、外国依存であるためエネルギー安全保障には資さない上、原発が爆発すれば大きな自損事故となり、自らの国土を崩壊させるとともに、外国にも迷惑をかけることが福島第一原発事故で証明されたのに、何を血迷ったことを書いているのだろうか。 ←(批判8)そして、やはり運転を止めている他の原発の再稼働を進めるきっかけとするのであるから、野田首相は全く民意を汲んでおらず、不信任に値する。 ←(批判9)さらに、この記事は日経新聞の社説に掲載されていたものであり、日経新聞の中でも選ばれた記者が書いたと思われる。それでも、このような聞きかじりのコメントを連ねて全体としては結果ありきの深みのない社説を出すというのは、新聞社自体のスタンスがわかると同時に、(文系であろう)記者の能力や志の低さを感じさせる。こういうのを「暗記型秀才」というのであろうが、全く論理性がないことに自らは気がつかないのだろうか?
| 原発::2012.6~8 | 03:07 PM | comments (x) | trackback (x) |
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2012,06,16, Saturday
「 http://www.ustream.tv/recorded/13775234 」は、弁護士でフリージャーナリストの日隅一雄さんが、福一原発事故の東電記者会見で、汚染水放流の判断理由と責任者について質問している動画です。この動画のインターネット報道後、視聴者から服の色の「オレンジ」というニックネームがつけられたそうですが、東電担当者の中には、日隅さんを睨み付けている人もおり、口では「すみません」と言いつつ、ポイントについてはなかなか答えていません。そして、汚染水は、現在でも流れ出し続けており、国や経済産業省の漁業に関する認識の甘さには、驚くほどのものがあります。後に、水俣病と同じような公害問題に発展することが予想されるのに、大メディアの記者は、記録するでもなく、何か質問するでもなく、ぼーっとしているのが印象的です。これは、記者クラブ制で、会社の方針により大本営発表しているからだそうで、まれに詳しい記者がいて、いい質問をしていると配置転換されたのだそうです。また、フリージャーナリストは、何度も排除されたとのことでした。
そのように隠し事の多い中、*2のように、今また、大飯原発が再稼動寸前です。何度も書きますが、発電燃料は代替可能で安くもでき、国民生活や国土は代替不能です。*1のように、専門家を中心とした原告団が玄海原発の運転差し止め訴訟も始めています。野田佳彦首相や福井県知事にも、自らが政治を志した理念(まさか、なかったなんて言わないでしょうね!)を思い出してもらいたいと思います。 なお、関西電力大飯原発の30km圏内には、京都府・滋賀県の一部が入り、100km圏内には、京都府・滋賀県の全域と福井県の殆ど、兵庫県・大阪府・岐阜県の一部が入りますので、これら地元の承諾は、最低必要でしょう。 *1: http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/307933 (西日本新聞 2012/6/16) 「反原発」2度目の挑戦 長谷川原告団長が意見陳述 (ポイント)「原発建設を止められなかった科学者として社会的責任がある」。玄海原発の運転差し止め訴訟の法廷に立った前佐賀大学長の長谷川照(あきら)原告団長(73)は、半世紀近く前を振り返りながら意見陳述した。長谷川氏の専門は原子核理論。京都大卒業後の1967年、佐賀大に助手として赴任。当時、玄海町では九州初の原発となる玄海1号機の建設計画が進んでいた。「原発は時期尚早だ」。コントロールできない核の脅威を知る長谷川さんは、反原発の立場から数々の運動に参加。それでも施設は着工し、75年に営業運転が始まった。そして、学長退任の1年8カ月後に起きた東日本大震災で再び“反原発魂”に火が付いた。 *2: http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2226271.article.html (佐賀新聞号外 2012年6月16日) 大飯原発、再稼働へ 福井知事が同意 (ポイント)福井県の西川一誠知事は16日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働への同意を野田佳彦首相に官邸で伝えた。これを受け、政府は同日、再稼働を正式に決める。首相は知事に対し「福井県の決断に深く感謝したい」と述べた。 昨年3月の東京電力福島第1原発事故後、国内の原発の再稼働決定は初めて。5月5日に国内の商業用原発全50基が停止した「稼働原発ゼロ」は終わることになる。
| 原発::2012.6~8 | 01:40 PM | comments (x) | trackback (x) |
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2012,06,13, Wednesday
今朝、HPで、日隅さん(http://yamebun.weblogs.jp/my-blog/、http://blogos.com/blogger/hizumi_kazuo/article/)が永眠されたことを知りました。日隅さんの運命は、過酷すぎたと思いますが、癌の余命宣告をされても、他の人にはできない仕事をして立派に闘われたことに、心から敬意を表します。生きていればもっと活躍でき、今の日本で重要な人材になるでしょうし、私も政治面で協調し続けたいと思っていましたので、現在、悲しみと喪失感でいっぱいです。ご自身の悔しさもいかばかりかと存じますが、天国に行ってしまわれたので、ご冥福を祈ります。 私は週刊文春に嘘八百の記事を書かれ、その後もしつこくインターネットでその記事を引用して侮辱され続けたため、3年ほど前、名誉毀損で提訴しましたが、その時に日本弁護士連合会前会長の紹介で、日隅さんに訴訟代理人を引受けていただきました。そして、私の負担をかなり背負っていただきましたことに感謝申し上げますとともに、まだ、あまりお返しもできていないことをお詫びします。 しかし、福島第一原発事故処理は未だ進行中であり、東電記者会見に出席し続けて、(私の勧めで)上の2冊を書き上げられた日隅さんは、日本の原発を廃止に追い込むきっかけを作られたことに間違いありません。そして、それを世界での原発廃止にもつなげたいと思っていたのに、日隅さんの他界を機会に原子力ムラが元に戻らないよう、どこにいても、これからもご協力いただければ有難く存じます。是非、そうして下さい。そして、そのうち、みんなそちらに集まりますから、その時はまた、笑顔で迎えて下さい。 東電記者会見の現場 自由報道協会賞授与 「検証:福一原発事故」執筆 インターネットテレビ なお、まさに報道の魂を見せてもらった日隅さんの闘いが、下のように放送されましたが、25:20という時間帯の放送とは、TBS自体は腰が引けているのではないでしょうか?もっと視聴率の高い時間帯に放送して、報道の魂を見せてもらいたいと思います。 http://www.tbs.co.jp/tv/daily/20120617.html TBS 6月17日(日)25:20 報道の魂 バッジとペンと~日隅一雄の闘い~末期がんの中で *1:http://iwj.co.jp/feature/hisumi.html 日隅一雄さんの最後のメール(岩上) 東京共同法律事務所所属、日本弁護士連合会前事務総長の海渡雄一弁護士のご許可を得てアップします。これが最後のメールになります。遺言の代わりです。 ------------------------------------------ Re: 東電値上に係る公聴会 Mon, 11 Jun 2012 07:39:43 +0900 山口先生 ぜひ、東電にも情報公開の義務を負わせて下さい。 欧米各国(国連欧州経済委員会の加盟国)は、1998年6月、「環境問題に関する、情報へのアクセス、意思決定における市民参画、司法へのアクセスに関する条約」(以下「オーフス条約」といいます)をデンマークのオーフス市で行われた国連欧州経済委員会で採択しました(発効は2001年10月)。オーフス条約は、①環境に関する情報へのアクセス、②意思決定における市民参画、③環境問題に関する司法へのアクセスについての国際的な最低基準を定めるもので、欧米諸国は、この条約の要請に沿った国内法制度を整えようとしています。環境に関する情報は私企業が保有しているものでも情報公開の義務を負うとされています。 この条約を受けて、英国では、「2004年環境情報規則」を制定し、国や地方自治体のみならず、公益事業者にも情報公開請求に対し応じるよう定めています。 オーフス条約 http://www.aarhusjapan.org/convention_jpn.html *2:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012061302000102.html (東京新聞 2012年6月13日朝刊) 昨年3月の東京電力福島第一原発事故直後から、政府や東電の責任を追及してきた元新聞記者で弁護士の日隅一雄(ひずみ・かずお)さんが12日午後8時28分、入院先の東京都新宿区河田町8の1の東京女子医大病院で死去した。49歳。昨年5月、末期胆のうがんで余命半年と告知されていた。広島県出身。京大卒業後、産経新聞記者を経て1998年に弁護士登録。第二東京弁護士会に所属。NHK番組改変訴訟や沖縄返還密約情報開示訴訟などに携わる一方、弁護士やジャーナリストらで設立したインターネット市民メディア「NPJ(News for the People in Japan)」編集長を務めた。 12日に亡くなった日隅一雄さんは、弁護士・ジャーナリストとして福島第一原発事故の問題を追及し、ブログなどで発信を続けた。東電や政府の記者会見に足を運んだ数は延べ100回以上に上る。会見への出席は「市民に必要な情報がきちんと出ていない」との危機感を募らせたことが発端。既存のメディアにも問題を突きつけていた。 今年2月、東京新聞のインタビューでは「今は政策決定が官僚主導。『主権在官』になっている」とし、国民が情報を得にくい制度に問題があると指摘。「市民が情報共有して主権を行使できる社会にし、日本に実質的な民主主義を根付かせなくてはいけない」と強い口調で説いた。一方で「今の記者はおとなしすぎる」と憂い、「官僚は常にメディアをコントロールしようとする。勝たなきゃだめだ」とも訴えていた。今年1月に「検証 福島原発事故・記者会見」(共著)、4月には「『主権者』は誰か」を刊行。病をおして対談や講演に出向き、真の民主主義の実現に最期まで執念を燃やした。 2012年6月22日広津素子追加:大雨で放射性物質を洗い流しながら、また、大風で放射性物質を吹き飛ばしながら、警告のように日本を縦断して福島第一原発の上を通っていった*3の季節はずれの台風4号は、日隅さんの涙と怒りのように思えました。まだ、働いているのですよね! (千の風になって 作詞:不詳 作曲:新井満) 私のお墓の前で 泣かないで下さい そこに私はいません 眠ってなんかいません 千の風に 千の風になって あの大きな空を 吹きわたっています *3:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120620/t10015956511000.html (NHKニュース 2012年6月20日) 台風4号 関東~福島県が暴風域 (ポイント)台風4号は関東甲信や福島県などを暴風域に巻き込みながら北東へ進んでいます。台風を取り巻く雨雲の影響で、関東の山沿いを中心に激しい雨が降っていて、気象庁は土砂災害や川の増水などに厳重な警戒を呼びかけています。中心の気圧は985ヘクトパスカル、最大風速は30メートル、最大瞬間風速は40メートルで、中心の南東側190キロ以内と北西側110キロ以内では風速25メートル以上の暴風が吹いています。関東甲信と福島県、それに新潟県と静岡県が台風の暴風域に入っています。台風を取り巻く雨雲の影響で、山沿いを中心に激しい雨が降っていて、午前0時までの1時間には▽茨城県北茨城市花園で46ミリ▽栃木県那須町で41ミリ▽福島市鷲倉で35ミリの雨を観測しました。東北の太平洋側では午前3時前後に満潮時刻になり、台風の接近と満潮が重なると高潮が起きるおそれがあります。 2012.7.17広津素子追加:日隅さん、下の左の本は、亡くなる2日前に完成したそうですね。尊敬です。また、ご覧になっていると思いますが、「http://twitter.com/yamebun 」で書かれていたことは、2012.7.16に代々木公園で行われた 「さよなら原発10万人集会」で、17万人もの国民の意思として表明され、一歩、前進しました・・。 2012.9.12広津素子追加:日隅さん、今日、日本記者クラブで、民主党代表選挙に出ている野田佳彦、赤松広隆、原口一博、鹿野道彦の4代議士の政策討論会があり、その中で、佐賀一区選出の原口一博さんが、「主権者は誰か」という日隅さんの本をかざして、「弁護士でジャーナリストの日隅一雄さんという、真実の情報を伝えようとした人がいるでしょう。『主権者は誰か』、これですよ。」と言っていらっしゃいました。原口さんは、国民投票による脱原発支持でしたが、記者クラブでやってもらって、全国放送になり、よかったですね。
| 日隅一雄弁護士 | 11:50 PM | comments (x) | trackback (x) |
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2012,06,11, Monday
下の*1、*2で書かれているように、大メディアを通じてなされている「災害がれきは、広域で焼却処理しても安全であり、それをすることこそが日本人の絆だ」というキャンペーンは、しっかりとした実験結果を踏まえて言われているものではなく、新しい安全神話である。
また、北九州市は、燃焼試験をして安全だったとしているが、ほんの少々の燃焼試験を行って、大量の瓦礫を焼却をした後の状況がわかるはずがなく、放射性物質が風向きで一定の場所に集まることも考慮しておらず、さらに、焼却灰をコンクリートに使ったり、埋め立てしたりしても安全だと言える証拠はない。これは、*4のような日本環境学会の報告から見ても明白であり、*5のように市民の反対が出るのは、当たり前である。 さらに、比較的汚染の低い災害瓦礫であれば、運賃をかけて遠い九州に運んで焼却するのではなく、現地で、*3のように、瓦礫を使った堤防づくりなどに活かすのが、最も安上がりで、瓦礫となったものたちが喜ぶ方法でもあろう。 私は、「日本人の絆を発揮した瓦礫の広域焼却処理」という美辞麗句の背後にある本音は、①広域焼却処理をするための予算(税金で支払われる)に群がる自治体や事業者 ②後に疫学調査をした時に、日本全国で癌や心臓病の発生率が上がるようにして、「原発事故が原因ではなく、日本人の生活習慣が原因で、日本全国で癌や心臓病の発生率が上がったのだ」という結論を導き、原発事故の影響を過小評価させること だと思う。 大メディアには専門家もいるだろうし、本物の専門家に取材する機会も容易に作れるのだから、このくらいのことは見通すことができなければ、「でくの坊」である。 *1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2012012102000034.html 「見切り発車」の災害がれき処理 (東京新聞 2012年1月21日) 東京電力福島第一原発事故の放射能に汚染された東日本各地の焼却施設で連日、ごみが燃やされている。岩手、宮城両県の災害がれきは地元では処理しきれず、全国で受け入れる計画が進む。焼却施設から放射性物質がまき散らされ、住民が2次被ばくする恐れはないのか-。環境省は「安全」と言い張るが、その根拠は薄弱だ。同省は昨年6月、実際のデータがないまま、災害がれきの焼却処理方針を決めていた。 *2:http://panda.betoku.jp/article/0483178.html 東京新聞「特報」でバグフィルターの安全性についての特集記事1/21の東京新聞「特報」でバグフィルターの安全デマが特集されました。 「見切り発車の災害がれきー焼却ありき、密室で決定」 本日の東京新聞で環境省がデータなく放射性物質がバグフィルターで除去できると言っていたことが報道され、5大新聞の一角でようやく事実が報道されました。災害廃棄物安全評価検討会という名の有識者会議で検討されたのは、放射性物質の除去実験ではなかったことは、たびたび報告してきましたが、今回環境省は東京新聞の取材で、データなく焼却の方針を決定していたことを認めました。「99.99%除去できる」は、環境省だけでなく、瓦礫の受け入れを検討している地方自治体も口移し的に説明していますが、今回の報道により、各自治体は説明の根拠をなくしたことになります。受け入れの中止を求めましょう。また瓦礫だけでなく放射能汚染廃棄物(汚泥、草木)の焼却もチェックしてゆきましょう。 *3:http://mainichi.jp/feature/news/20120526ddm012040068000c.html (毎日新聞 2012年5月26日) 瓦礫を活かす森の長城プロジェクト:がれき活用へ財団設立 東日本大震災で出た瓦礫を活用した盛り土に植樹する「森の防波堤構想」の推進を目的とした一般財団法人「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト(理事長・細川護熙元首相)」が2012年5月25日、設立された。同構想の提唱者、宮脇昭・横浜国立大名誉教授(植物生態学)が副理事長となり、理事には作詞家の秋元康、東京大教授のロバート・キャンベル、アートディレクターの佐藤可士和の各氏らが名前を連ねる。1口500円の寄付や企業からの寄付を募り、9000万本の苗木を栽培し被災地の沿岸部で防波堤づくりを進める。 *4:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/306916 日本の環境問題考える (西日本新聞 2012年6月10日) 環境問題に取り組む研究者や教員、企業などが参加する日本環境学会の研究発表会が9日、別府市北石垣の別府大で開幕した。11日までの3日間、廃棄物やエネルギー問題についての発表や講演がある。「廃棄物・都市問題」について考える分科会では、東日本大震災で発生した瓦礫の広域処理をめぐる問題点もテーマとなった。学会前会長で元大阪市立大教授の畑明郎氏が、瓦礫を処理した焼却灰1キロ当たり数千から数万ベクレルの放射性セシウムを検出したことや、がれきに重金属やアスベスト(石綿)など、有害な化学物質が含まれている可能性があるなど危険性を指摘。「有害物質対策が不十分で、がれきを拡散すべきでない」と訴えた。 *5: http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/306906 不安訴える声続出 北九州のがれき説明会 (西日本新聞 2012年6月10日) 東日本大震災で発生した宮城県石巻市の瓦礫受け入れをめぐり、北九州市は9日、処理関連施設の周辺住民向け説明会を門司区と若松区で開いたが、住民から健康への影響を不安視する意見が続出した。灰を埋め立てる処分場がある若松では、ほぼ定員の約800人が参加。地元の女性は「若松は国のPCB処理施設を受け入れ、ごみ捨て山だ。住民の気持ちを理解していない」と灰の持ち込みに反対した。
| 瓦礫の広域処理 | 10:28 AM | comments (x) | trackback (x) |
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