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2015.4.29 現在は、エネルギーの世代交代をするべき時である。 (2015年4月30日、5月1日、5月4日に追加あり)
      
    2014.11.11       2015.4.29  2015.4.29   2015.4.23
     朝日新聞          日経新聞   西日本新聞    佐賀新聞

(1)水素社会へのエネルギー革命と産業革命
 *1-1のように、家庭用燃料電池「エネファーム」を普及させ、自動車や航空機の燃料を電力もしくは水素に換えて水素ステーションの整備を進めれば、2013年、2014年に、輸入額が約27兆円にも達した天然ガス、石油、石炭などの鉱物性燃料の輸入をやめることができる。

 また、*1-2のように、CO2フリーで起こした電気で水素を作って貯蔵し、必要なときに再び電気に換えることができるため、各地域にあるエネルギー源から電気や水素を取り出し、これまで域外に流出していたエネルギー代金がその地域にとどまることで、地域の経済活性化に貢献できる。さらに、エネルギー自給率が上がり、エネルギーの安全保障にも貢献するのだ。

 その水素ガスは、製油所・製鉄所・ソーダ電解事業所の副産物としても発生し、*1-3のように下水処理場から取り出すこともできる。このように、国全体で考えると、燃料の輸入低減やCO2排出削減に大きく貢献できる水素社会への産業革命は、我が国にとって問題解決のKeyになるため、それこそ全力で進めなければならない。もちろん、「エネルギーの転換には時間がかかり、容易ではない」という主張もあるが、産業革命以降、人類は、短期間に「薪⇒石炭→石油」へとエネルギーの転換を行って来たのであり、「石油→再エネ電力、水素」だけが特に難しいわけはない。

(2)九電もインドネシアで地熱発電所建設
 *2-1のように、九電の子会社である西日本技術開発が、コロンビアで現地の電力会社、東芝などと協力して、地熱発電所建設計画に参画するそうだ。西日本技術開発は九電グループの中で地熱の技術開発の中枢を担う会社で、国内最大の地熱発電所である八丁原発電所(大分県)の建設などにも携わり、海外事業にも力を入れているとのことである。

 なお、この世界最大級の地熱発電所建設プロジェクトの融資には、*2-2のように、国際協力銀行、アジア開発銀行、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、ソシエテジェネラル銀行、アイエヌジーバンクエヌ・ヴィ、ナショナルオーストラリア銀行が加わっており、地熱資源が多いインドネシアで合計32万キロワットの大規模地熱発電所を建設して、同国の国有電力会社に売電する計画とのことである。

(3)フクシマ原発事故は、現在、どうなっているか
 *3-1のように、2台のロボットが調査して映像を撮影し、格納容器下部に水がたまっていることが確認できただけで、床面から立ち上る湯気を確認できたものの、核燃料がすべて溶け落ちて格納容器内に収まっているかどうかも保証の限りではないという程度だ。

 また、*3-2のように、フクシマ原発事故の汚染雨水が排水路を通じて外洋(港湾外)に流出していた問題では、排水路内に取り付けた水のくみ上げポンプ全8台が止まり、新たに汚染雨水が外洋に流出しているのが見つかったとのことで、ポンプが停止した原因や外洋への流出量、雨水に含まれる放射性物質濃度は不明というお粗末さである。

 さらに、*3-3のように、2015年4月6日から8日に、南相馬市のモニタリングポストで突如として高い線量を検出し、常磐自動車道の鹿島SAでは55μSvという通常の1000倍もの数値を記録し、福島県は計器故障と発表して線量測定を即中止した。2号機は、4月3日に格納容器の温度が約20℃から70℃に急上昇し、さらに2日後には88℃に達し、現在も70℃前後から下がっておらず、その熱源は4年前に圧力容器からメルトダウンした最大重量100tとも推定される核燃料で、その温度は事故当初は太陽の表面に近い4000℃前後、不純物が混じって核燃デブリ(ゴミ)と化した今でも塊の内部は1000℃以上を保ち、2号機内ではそのデブリが活発化して放熱量が高まっているのだそうだ。

 また、今年に入って何度か3号機の屋上から大量の蒸気が噴き出す様子がライブ配信映像で目撃され、2号機の温度上昇と連動するように4月6日から福島第一原発周辺の「放射線モニタリングポスト」が軒並み高い数値を示し始め、福島県は、この後すぐに40ヵ所ものモニターを“機器調整中”とし測定を止めたが、4月7日には東京都内でも港区・新宿区・渋谷区・世田谷区を中心にいつもの2~4倍に達する線量上昇を確認したのだそうだ。しかし、メディアでは、そのようなニュースは全く報道しなかった。

(4)原発に対する国民世論
 エネルギー基本計画設定時のパブリック・コメントを分析すると、上の左図のように、94.4%が原発に反対であるにもかかわらず、上の2番目、3番目の図のように、経産省は、現在0%の原発を20~22%まで引き上げなければコストと環境が両立しないなどと言っている。しかし、これは原発ありきの論理構成に過ぎないため、これをおかしいと思わないほど論理性や思考力に欠ける教育は、理系か文系かを問わず、すべきではないのだ。

 なお、*4-1のように、フクシマ原発事故で被害を受け、東電や国に損害賠償を求めている全国の団体が、訴訟の進み具合や課題に関する情報を共有して、①被害者への謝罪 ②完全賠償となりわいの回復 ③医療保障の実現・充実 などを統一要求する目的で、「原発事故被害者団体連絡会」を設立して共闘体制をとるそうだ。その参加対象は「原発事故でふるさとを失った」等として損害賠償を求める全国の原告団や裁判外紛争解決手続きを申し立てている集団で、東電担当者らの刑事責任を追及する福島原発告訴団などが中心となり、全国約30団体に加盟を呼び掛けている。みやぎ原発損害賠償弁護団(仙台市)によると、原発事故の被災者や避難者が東電や国に損害賠償を求める訴訟は全国で少なくとも28件に上るが、まだ判決は出ていないそうだ。

 また、*4-2のように、九電川内原発が立地する鹿児島県薩摩川内市の市民は、九州全体より脱原発派の割合が高いことが明らかになり、直近の再稼働については「反対」が他地域を下回る“ねじれ”が生じているものの、調査元の安全・安心研究センターは、「地元経済への影響から短期的には再稼働を受け入れざるを得ないと感じているが、決して積極的な容認ではない」と市民の胸の内を分析している。

(5)原発20%台の経産省の電源構成比率
 このような中、*5-1、*5-2のように、経産省は2015年4月28日、有識者会議に2030年時点の電源構成比率(エネルギーミックス)素案を示し、頑固に原発と再生可能エネルギー比率をいずれも20%台としたそうだ。これは、エネルギー基本計画で『原発は可能な限り低減する』とした“公約”を満たしておらず、40年超の老朽原発の稼働延長をも前提としている。

 また、*5-3は、原発をコスト低減と環境配慮の両立をはかれる電源としているが、これまで原発に対して行ってきた国民負担こそ膨大だったのであり、これは大嘘だ。私は、商業目的で稼働開始して40年も経過する原発には、これ以上の国民負担は行わず、コスト低減、環境配慮、エネルギー自給率100%を図るために、今後は、原発の割合を0にしたまま、水素社会へのエネルギー革命に全力で投資するのが賢明だと考えている。

<水素社会へ>
*1-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150420&ng=DGKKZO85860180Y5A410C1KE8000 (日経新聞 2015.4.20) 水素社会への展望と課題(上)、官民でインフラ構築必要 佐々木一成 九州大学主幹教授、長期的な開発体制を 省エネやCO2削減に貢献
 「水素社会」という言葉が広く使われるようになってきた。水素を自動車の燃料として本格的に使い始めた今年は水素元年ともいわれる。燃料電池車(FCV)が一般販売され、燃料の水素ガスを購入できる水素ステーションの整備が国のロードマップに沿って進められている。2009年から販売されている家庭用燃料電池「エネファーム」は累積販売台数が10万台を超え、電気もできる給湯器として30年には全世帯の1割に設置する国の目標も掲げられている。17年には家庭用より大型の燃料電池発電システムの市販も予定されている。なぜ今、水素なのか。水素社会とはどのような社会で、どのようなメリットや課題があるのだろうか。エネルギー資源を持たない我が国にとって、資源を安定的に入手し、電気や熱、車の燃料などをできるだけ安く確保することは、国の施策の根幹にかかわる。財務省の貿易統計によると、近年、貿易赤字が増大しており、その主たる要因はエネルギー輸入の増加といわれている。13、14年とも、天然ガス、石油、石炭などの鉱物性燃料の輸入額は約27兆円に達している。現在、生活や産業に欠かせない電力の約9割は火力発電でまかなわれている。当面、この状況は避けられない。燃料電池は、水素を含む燃料から電気を取り出す技術である。水の電気分解の逆の反応であり、燃料を燃やさずに直接、電気を取り出すことができる。この反応で使われる水素は、地球上に最も多く存在する元素であり、水素ガスはいろいろな方法で作ることができる。例えば、製油所や製鉄所、ソーダ電解事業所の副産物の水素ガスを活用して車の燃料として供給することが可能である。都市ガスやLPガスなどの既存のエネルギー供給ネットワークを活用して炭化水素燃料から水素ガスを取り出すこともできる。水素ガスが車の燃料として広く使用されるようになれば、自動車産業や日々の移動が石油という特定のエネルギー資源に依存しなくなり、エネルギーの安全保障に貢献できる。FCVの燃料は純水素ガスであるが、燃料電池発電には純水素ガスのみならず、都市ガスなど水素原子を多く含む炭化水素燃料も使える。エネルギー変換効率が高い燃料電池で発電することで、同じ電気を取り出すのに必要な化石燃料の量を減らせるため、省エネと二酸化炭素(CO2)排出削減になる。つまり、水素を介して発電する燃料電池の普及によって、「水素利用社会」がまず実現できる。高効率に電気を取り出せるメリットは家庭や車に限定されない。数キロワットから数百キロワットレベルの業務・産業用など、より規模の大きい発電用に展開できる。逆に小型の携帯機器用、宇宙航空用を想定した技術開発も進められている。将来、CO2排出の大幅減が国際的に求められる時代が来た時には、CO2フリーの純水素ガスをエネルギーとして本格的に使うことで、「純水素社会」に順次移行していくことになろう。下水処理場からのメタンガスや、電力系統に流せずに余剰になった再生可能電力、海外の未利用資源などから作ったCO2フリー水素などを活用することで、長期的にはCO2排出ゼロの車社会を実現することも夢ではなくなる。再生可能エネルギーは天候に左右され、変動が激しい。その余剰電力を使って水を電気分解して作った水素でエネルギーを蓄えるシステムの開発も進められている。水素をエネルギー貯蔵のために使いこなせるようになれば、蓄電池や揚水発電所と並ぶ、中規模の蓄エネルギー技術の柱となり、再エネを利活用する余地も広がる。各地域にあるエネルギー源から電気や水素を取り出すことが可能であるため、エネルギーの地産地消が実現できる。これまで域外に流出していたエネルギー代金がその地域にとどまることで地域の経済活性化や自立にも貢献できる。ただし、再エネを活用する際には、トータルでのコストや効率、CO2排出量の精査が必要である。このように燃料電池を核にした水素エネルギーのポテンシャルは極めて大きいが、エネルギー社会全体の根幹にかかわる変化でもあるため、当然、水素社会の実現には時間がかかる。多くの課題があるが、まず第一に官民を挙げた水素インフラの構築が重要である。FCVの本格普及には水素ステーションのネットワークの確立が必要である。国などの支援は当面欠かせない。従来のガソリンスタンド型の水素ステーションだけでなく、石油燃料や電気、熱も供給できるエネルギーのコンビニにしたり、再エネからの余剰電力で水素を製造・貯蔵して販売したり、下水処理や食品系・植物系廃棄物処理で発生するバイオガスから水素ガスを作って販売することなども検討に値する。水素ステーションの設置コストの低減も欠かせない。第二に、高効率発電という本質的な利点を持つ燃料電池は、電力・ガス自由化の流れの中で次世代型の発電システムとして期待される。火力発電の効率を上げていくことで国全体のエネルギー分野の無駄を減らし、CO2の排出を減らすことができる。燃料電池を核にして、天然ガスを使い、発電効率が70%を超える超高効率発電システムを構築することも原理的に可能である。資源的な制約が少ない石炭をガスに変え、燃料電池で高効率に発電することも可能である。本格普及には低コスト化を含めたさらなる技術革新が欠かせないが、国全体で考えると、燃料輸入低減やCO2排出削減に大きく貢献できる技術である。公的な導入補助制度はもちろん、高効率発電の技術開発や老朽火力発電所更新のコストを、将来の燃料費削減やCO2排出減で回収できるような仕組みを考えていくことも大事になろう。鉱物性燃料のごく一部を節約できるだけでも、メリットは兆円単位となる。国、自治体、エネルギー事業者や利用者、投資家が投資できるレベルにするためにも、システムコスト低減や発電効率のさらなる向上が求められる。水素社会がどのような社会なのか、安全性も含め、国民に広く示していくことも欠かせない。燃料電池や水素技術を多くの方々に安心して使ってもらうためには、普及啓発に向けた地道な活動が必要である。20年の東京オリンピック・パラリンピックは、日本がリードする水素技術を世界に発信する素晴らしい機会になる。各地で進められているスマートコミュニティー、再エネを使った水素技術、大型燃料電池の実証研究などで、経済性と環境優位性が示されることを期待したい。最後になるが、エネルギー分野の技術開発では開発期間が数十年にわたることが多い。逆に、数十年の間、メンテナンスも含めて事業が継続する分野であり、裾野も広い。製品開発しながらの次世代技術開発も欠かせず、技術を磨きながら次の世代を担う人材を育て続けていく必要がある。そのため、国の成長戦略の中に、それを支える若手人材の戦略的な養成を明確に位置付けることが重要である。特に今後の海外展開も見据えて、グローバルに活躍できる博士レベルの人材を、我が国が戦略的に育成していくことが国際競争力強化にもつながると考える。日本が世界をリードしている分野であるがゆえに、国際競争力を長期にわたって維持するためにも、オールジャパンでの戦略的・組織的な対応が切に望まれる。

*1-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11715520.html
(朝日新聞 2015年4月21日) 「電気」を貯蔵、自立型システム 東芝、川崎で実証実験
 東芝は20日、太陽電池で起こした電気で水素を作って貯蔵し、必要なときに再び電気に換える国内初のシステムを川崎市の公共施設で稼働させた。災害時などは約300人分の電気とお湯を約1週間供給できる。充電池などを使う場合に比べ、大量の電気を効率よく保存できるという。太陽電池が使える日中に水を電気分解し、取り出した水素をタンクにためる。給水タンクもあるため、水道が止まっても日差しがあれば水素をつくり続けられる。この水素を使って燃料電池で電気を起こし、発電時に出る熱で、給水タンクの水をお湯にする。システム一式は長さ20フィート(約6メートル)のコンテナ三つと、長さ2メートルのコンテナ一つに入っており、他の場所で災害が起きたらトラックなどで運ぶこともできる。川崎の施設は実証実験という位置づけ。今年9月までに自治体や企業向けにシステムの販売を始め、輸出も検討するという。年50台の受注を目指す。

*1-3:http://qbiz.jp/article/59232/1/
(西日本新聞 2015年3月31日) エコカー燃料、下水で製造 福岡市で世界初の施設稼働
 下水の汚泥から水素を製造し、燃料電池自動車に供給する実証事業を行う施設が福岡市中央区荒津の市中部水処理センターに完成し、31日、現地で式典が開かれた。福岡市と九州大、民間企業2社でつくる共同研究体が、国土交通省の事業として建設。処理場に集まる汚泥の一部を発酵させてつくるバイオガスからメタンを取り出し、化学反応させて高純度の水素を製造する「世界初の施設」(同省)とされる。1日に燃料電池自動車65台分に相当する3300立方メートルを作り、併設した水素ステーションで自動車に充てんできる。市などは4月から1年かけ、施設の耐久性や水素発生の効率を検証する。月内には料金などを設定し、一般利用できるようにする方針。式典では九州大水素センター長の佐々木一成教授が「一日も早く全国や海外に展開していくことが使命だ」とあいさつした。

<九電のインドネシアにおける地熱開発>
*2-1:http://qbiz.jp/article/60500/1/ (西日本新聞 2015年4月18日) コロンビアで地熱開発 九電グループなど4社 発電所、20年運転開始へ
 九州電力子会社の西日本技術開発(福岡市)は、コロンビアで地熱発電所建設計画に参画する。現地電力会社や東芝など3社と開発に向けて協力することでこのほど合意。出力は5万キロワット級で、2020年の運転開始を予定している。実現すれば、コロンビアで初めての地熱発電所になる。建設予定地は、同国中部のカルダス県ビジャマリア市。現地電力会社は同国の公的電力会社イサヘン電力で、米資源開発技術のシュルンベルジェも協力に合意した。西日本技術開発は、建設・運営を実現するための技術やノウハウを提供し、2年程度かけて実現可能性を確かめる調査を実施。実現可能と確認されれば、東芝が蒸気タービンや発電機など主要設備機器を供給し発電所を建設。シュルンベルジェは、蒸気が出る井戸の掘削や蒸気輸送設備の供給を担当する。コロンビアの電力供給は水力を主力としているが、新たな再生可能エネルギーとして地熱が注目されているという。西日本技術開発は九電グループの中で、地熱の技術開発の中枢を担うコンサルタント会社。国内最大の地熱発電所である八丁原発電所(大分県九重町、11万キロワット)の建設などにも携わっている。海外事業にも力を入れており、インドネシアなどでも地熱開発事業を手掛けている。

*2-2:http://qbiz.jp/article/34688/1/
(西日本新聞 2014年3月31日) 九電の世界最大地熱計画、大手銀などが融資契約締結
 九州電力は31日、同社などがインドネシアで計画している世界最大級の地熱発電所建設プロジェクトで、国際協力銀行とアジア開発銀行、みずほ銀行など8行と融資契約を結んだと発表した。銀行団によると、融資総額は11億7000万ドル(約1200億円)。銀行団にはこのほか、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、ソシエテジェネラル銀行、アイエヌジーバンクエヌ・ヴィ、ナショナルオーストラリア銀行が加わっている。プロジェクトは、地熱資源が多いインドネシアで合計32万キロワットの大規模地熱発電所を建設し、同国の国有電力会社に売電する計画。九州域内などで地熱発電の経験が豊富な九電と、伊藤忠商事が25%ずつを出資し、インドネシアや米国企業も参画。4月に着工し、2016年から順次運転を始める予定。

<フクシマ>
*3-1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015041802000256.html (東京新聞 2015年4月18日) 格納容器下部の水確認 福島第一 ロボット調査
 東京電力は十七日、福島第一原発1号機の原子炉格納容器内で、ロボットが十五日に調査した際の映像を公開した。映像では格納容器下部に水がたまっている様子が確認できた。1号機では原子炉から溶け落ちた燃料を冷却するための注水を続けており、この水が格納容器下部にたまっているとみられる。東電は最終的に、格納容器下部の調査を目指している。公開されたのは十五日に格納容器一階部分をロボットで時計回りに調査した際の映像。カメラの向きを下に動かし、金網状の床面の隙間から格納容器下部を写すと、カメラのライトの光が水面に反射してゆらゆらと揺れた。また床面から立ち上る湯気も確認できた。時計回りの調査は十五、十六日の二日間行われ、調査範囲の空間放射線量は毎時四七〇〇~八三〇〇ミリシーベルト。容器内の温度は一九・四~二一・一度だった。東電は当初二台のロボットで格納容器内を調査する予定だったが、十日の反時計回りの調査で一台目が停止し、回収不能となった。時計回りで使ったロボットで十八日以降、もう一度、反時計回りに調査を進める予定。

*3-2:http://www.minyu-net.com/news/news/0421/news13.html
(福島民友 2015年4月21日)第1原発で新たに汚染水流出 水のくみ上げポンプ停止
 東京電力福島第1原発で汚染雨水が排水路を通じて外洋(港湾外)に流出していた問題で、東電は21日、この排水路内に取り付けた水のくみ上げポンプ全8台が止まり、新たに汚染雨水が外洋に流出しているのが見つかったと発表した。東電は、ポンプが停止した原因や外洋への流出量、雨水に含まれる放射性物質濃度を調べている。「K排水路」と呼ばれるこの排水路は、原子炉建屋周辺の雨水を流すため、事故前からあった。2月に発覚した汚染雨水の外洋流出問題を受け、17日から本格的に排水をポンプでくみ上げ、港湾内につながる別の排水路「C排水路」に移送し始めたばかりだった。東電によると、巡回中の作業員が21日午前8時45分ごろ、ポンプの停止に気付いた。現場のパトロールは1日3回。20日午後2時30分ごろ、最後に確認した際には異常はなかったという。

*3-3:http://news.nifty.com/cs/domestic/societydetail/playboy-20150427-46919/1.htm (niftyニュース 2015年4月27日) 周辺地域で線量が1000倍に急上昇! “フクイチ”で何かが起きている!?
 4月6日から8日に突如として高い線量を検出した南相馬市のモニタリングポスト。特に常磐自動車道の鹿島SAでは55μSvという通常の1000倍もの数値を記録、福島県は計器故障と発表し線量測定を即中止した…。このところ福島第一原発の様子が、どうもおかしい。特に気になるのが2号機で、4月3日に格納容器の温度が約20℃から70℃へ急上昇した。さらに2日後には88℃に達し、4月第3週現在も70℃前後から下がっていない。もちろん熱源は4年前に圧力容器からメルトダウンした最大重量100tとも推定される核燃料である。その温度は、事故当初は太陽の表面に近い4000℃前後で、不純物が混じって核燃デブリ(ゴミ)と化した今でも塊の内部は1000℃以上を保っているとみられる。つまり、2号機内ではデブリがなんらかの原因で活発化して放熱量が高まっているようなのだ。この点について琉球大学理学部の古川雅英教授(環境放射線学)は次のように説明する。「1~3号機ともに核燃デブリを冷やすために放水作業を続けていますが、その水量調整が実は大変に難しい。少ないと文字通り焼け石に水です。また、極めて稀(まれ)なケースですが、環境条件が整えば、水によって減速された核分裂中性子が連鎖的な核分裂を誘発する可能性もあります」。だから東電の事故処理対策では、今のところ1~3号機ひとつにつき、一般の水道蛇口ふたつを全開にしたほどの注水を続けている。これは巨大な原子炉格納容器と比べれば意外にわずかな水量といえる。にもかかわらず、なぜ2号機の温度は急上昇したのか?似た異変は3号機内部でも起きているようで、今年に入って何度か3号機の屋上から大量の蒸気が噴き出す様子がライブ配信映像で目撃された。そして、もっと見逃せないのが2号機の温度上昇と連動するように4月6日から福島第一原発周辺の「放射線モニタリングポスト」が軒並み高い数値を示し始めたことだ。中でも原発から北方向の南相馬市では、復旧したての常磐自動車道・南相馬鹿島SA(サービスエリア)ポストで通常線量の1000倍にあたる毎時55μSv(マイクロシーベルト)を最大に、市街地各所で数十倍の上昇が見られた。それぞれの線量上昇時には福島第一原発方向からの風が吹いていた。福島県内各地の放射能汚染を詳しく調べてきた「南相馬・避難勧奨地域の会」の小澤洋一さんはこう語る。「これら福島県が設置したモニターの高線量折れ線グラフは、異様に長い剣のように突き出た1、2本のピークが特徴的で、しかも短時間に限られた場所で現れたため、あいにく私の個人測定ではキャッチしていません。しかし福島県は、この後すぐに40ヵ所ものモニターを“機器調整中”とし測定を止めました。この対応はあまりにも不自然だと思います。もし本当に高額な精密モニター機器が何十台も同時故障したというなら、それ自体が行政上の大問題でしょう」。この福島第一原発2号機の温度急上昇と関係がありそうな異変は、実は福島県以外にも及んでいた。そのひとつが4月7日の東京都内だ。本誌は原発事故から4年間、都内43ヵ所の「定点」で月数回ペースの線量測定を実施してきた。そして北東・北方向から4、5mの風が吹き続けた7日正午から夕方にかけて、港区・新宿区・渋谷区・世田谷区を中心にいつもの2~4倍に達する線量上昇を確認した。また「原子力規制委員会」が公開した4月中旬までの全国線量グラフにも東北各県や神奈川県などで急激な上昇が見られた。原発事故以来、東日本地域では地表面に染み込んだ放射性セシウムが1~3月頃の乾燥期に空中へ舞い上がり、線量を高める「2次汚染現象」が続いてきた。ところが今年の春は、まるで様子が違う。今の福島第一原発から直接飛来した強い放射性物質が一部地域の線量をスポット的に引き上げているとしか思えないのだ。この新しい傾向は、何を意味するのか? 考えられるのは、原発内の核燃デブリが従来の注水冷却工程に対して異なった反応を示す状態に変化した可能性、例えば、デブリが格納容器下のコンクリートを突き抜けて地盤まで到達(メルトアウト)し、地下水と接触するなどだ。

<原発に対する世論>
*4-1:http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201504/20150417_73006.html
(河北新報 2015年4月17日) 原発賠償請求で共闘 被害者が初の全国組織
 東京電力福島第1原発事故で被害を受け、東電や国に損害賠償を求めている全国の団体などが「原発事故被害者団体連絡会」を設立することが16日、分かった。初の全国組織で、5月24日に二本松市で設立集会を開催する。訴訟の進み具合や課題といった情報を共有し、東電や国に対する共闘体制の構築を図る。参加対象は原発事故で古里を失ったなどとして損害賠償を求める全国の原告団や裁判外紛争解決手続き(ADR)を申し立てている集団など。東電担当者らの刑事責任を追及する福島原発告訴団(田村市)などが中心となり、全国約30団体に加盟を呼び掛ける。連絡会は(1)被害者への謝罪(2)完全賠償となりわいの回復(3)医療保障の実現・充実-などを東電と国に統一要求する方針。各団体が持つ情報は定期的な会合や研修会で共有。東電や国に対する要請活動は共同で展開する。みやぎ原発損害賠償弁護団(仙台市)によると、原発事故の被災者や避難者が東電や国に損害賠償を求める訴訟は全国で少なくとも28件に上り、いずれも判決は出ていない。追加提訴もあり、原告数は増える傾向にある。発起人の一人で原発事故時は福島県西郷村に住んでいた福島原発告訴団の地脇美和事務局長(44)は事故風化や団体間の情報格差を懸念。「課題は避難の長期化をはじめ多様化しており、個々の団体だけで対応するのは難しい。被害者がまとまって声を上げることで確実な要求実現につなげたい」と話す。

*4-2:http://qbiz.jp/article/60647/1/ (西日本新聞 2015年4月21日) 地元、実は脱原発傾向 「再稼働反対」「縮小」77%、薩摩川内市民調査
 九州電力川内原発が立地する鹿児島県薩摩川内市の市民は、九州全体より脱原発派の割合が高い−。民間の調査でそんな傾向が明らかになった。ただし、直近の再稼働については「反対」が他地域を下回る“ねじれ”が生じており、調査元は「地元経済への影響から短期的には再稼働を受け入れざるを得ないと感じているが、決して積極的な容認ではない」と市民の胸の内を分析している。調査したのは安全・安心研究センター(代表・広瀬弘忠東京女子大名誉教授)。昨年11〜12月、薩摩川内市180人、川内原発30キロ圏180人の計360人にアンケートを実施した。全国データは今年3月に1200人を対象に調査した分で、うち九州7県は120人だった。この中で「日本の原発をどう思うか」と聞いたところ、薩摩川内市では「再稼働を認めず直ちにやめるべきだ」が21・1%。「再稼働を認め段階的に縮小すべきだ」と合わせると77・2%に上り、九州全体(75・0%)を上回った。これとは別に、目前に迫る再稼働の賛否を尋ねた質問でも、薩摩川内市では「絶対反対」「やや反対」が計52・7%。昨年10月、市長と議会が再稼働に同意を表明したが、その後も市民レベルでは賛否が割れている実情が浮かび上がった。ただ、同じ質問で九州全体の反対派は65・8%。30キロ圏(62・8%)、全国(70・8%)とも差が出た。将来的には脱原発、直近は再稼働容認−。このねじれの背景に何があるのか。調査では原発の事故対策や避難計画についても聞いている。国の事故対策について、薩摩川内市の市民の計80・6%が「まったくできていない」「あまりできていない」と感じており、避難計画も「不十分」「やや不十分」が計78・3%に達した。いずれも全国データに迫る割合だった。一方、再稼働が家計にとって「非常にプラス」「ややプラス」と答えた市民は66・7%に及び、全国の58・7%を大きく上回った。広瀬名誉教授は「脱原発傾向は予想以上に強かった。立地自治体の原発事故に対する危機感を、経済的なメリットが薄めている」と指摘する。

<経産省の電源構成比率>
*5-1:http://qbiz.jp/article/61257/1/
(西日本新聞 2015年4月29日) 「20%台」老朽原発が頼み 経済優先、新増設も視野 
 経済産業省が28日の有識者会議に示した2030年時点の電源構成比率(エネルギーミックス)素案は、焦点の原子力発電と太陽光発電などの再生可能エネルギーの比率をいずれも20%台とし、わずかに再生エネが多い巧妙な配分になった。だが、再生エネが国民負担の増大を理由に抑制された一方、原発は新増設も視野に入るレベルを確保し、方向性は対照的。政府の「原発回帰」の姿勢がより鮮明になった格好だ。「これで(昨春の)エネルギー基本計画で『原発は可能な限り低減する』とした“公約”を満たしたといえるのか」。有識者会議の会合で東京理科大の橘川武郎教授は、経産省が示した原発比率に強く反発した。政府は福島第1原発事故を受け、原発の運転を「原則40年」に制限。このルールを厳守すると、30年の原発比率は15%程度に下がる見通しだったが、産業界から「電気料金の値下げ」を求める声が拡大。経産省は当初から、最長20年の運転延長を認める「特例」を活用し、原発を一定程度確保する方針だった。こだわったのは20%台という水準だ。安倍晋三首相周辺は国民の反発を和らげるため、原発比率を「19〜18%」に引き下げる案を検討したが、経産省は譲らなかった。橘川教授は「10%台だと、国民に『40年廃炉』を厳格に進めるというメッセージになると考えたのではないか」といぶかる。
   ◇    ◇
 エネ基で「約2割を上回る水準を目指す」とした再生エネは、目標をわずかに超える22〜24%になった。再生エネをめぐっては環境省が4月上旬に「最大35%供給可能」との試算を発表し、原発推進の姿勢をみせる経産省をけん制した。試算のうち、再生エネが33%超となる案は、全国の送電線網の整備などに4兆3千億円かかるが、年平均では約2300億円。試算に携わった千葉大大学院の倉阪秀史教授は「無理な水準ではない」と強調する。経産省は28日、13年度に3500億円だった固定価格買い取り制度に伴う電気料金への上乗せ額が、30年に最大4兆円に膨らむとの新たな試算も公表。「再生エネの拡大は国民負担が大きい」(幹部)とのメッセージを出し、最終的に20%前半まで抑えた格好だ。
   ◇    ◇
 電源比率の素案は与党での議論を経て正式決定するが、曲折も予想される。経産省が期待する老朽原発の運転延長は、巨額の安全対策費がかかるため、電力会社がどの程度、延長を申請するかが不透明。原子力規制委員会が運転延長を認める保証もない。このため、28日の会合では「原発比率の達成は難しい」「想定通りにいかなければ、火力発電に頼る今の状態に戻ってしまう」などと懸念の声が上がった。経産省が、コストを理由に再生エネ拡大に慎重なことについて、有識者会議メンバーでもある名古屋大大学院の高村ゆかり教授は「30年以降の姿をみていないからだ」と指摘する。再生エネの固定価格買い取り制度は20年で買い取り期間が終わるため、32年以降、電気料金への上乗せ額は徐々に減る。高村教授は訴える。「将来は、高い上乗せ額を負担しなくても、(太陽光などの)国産のエネルギーを活用できる。長期的な視野をもって政策議論をすべきだ」
◆九電、30年には原発2基に
 2030年時点の電源構成比率で原発を20〜22%とする政府の方向性は、九州電力管内の原発の存廃にも影響を与えそうだ。九電は原則40年の法定運転期間に従う形で27日に玄海原発1号機(佐賀県玄海町)を廃止にしたばかりで、残る原発は玄海2、3、4号機と川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の計5基。40年ルールに従えば、30年時点で残るのは玄海3、4号機の2基のみとなる。玄海3、4号機の出力は計236万キロワット。設備利用率(稼働率)80%の前提だと年間発電量は約165億キロワット時で、14年度の九電の販売電力量(約812億キロワット時)の約20%に相当する計算。ただ、30年時点の電力需要は、電化が進むことなどで現在より増える可能性もあり、この2基のみで九州内の需要の20%以上を賄えるかは見通せない。状況次第で川内1、2号機の運転延長を目指す動きなども想定される。電力業界は16年4月に電力小売市場が全面自由化され、20年4月には大手電力会社の送配電部門が切り離される「発送電分離」も実施される予定。「地域独占」の壁が崩れる中、九電管内の原発の行方は他の大手電力会社の状況にも大きく左右されそうだ。

*5-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11729660.html
(朝日新聞社説 2015年4月29日)原発の比率 40年超を前提にするな
 原発比率を「20~22%程度」とすることには、問題がある。というのも、「20~22%」は事実上、40年超の原発も運転し続けることを前提にした数字だからだ。この水準を維持するには、原発を新増設するか運転を延長するしかないが、政府は「新増設は考えていない」との姿勢を崩していない。福島第一原発の事故後、原子炉等規制法が見直され、原発は40年を寿命とする原則が決まった。この法律と整合しない数値を示すことに、正当性はあるのだろうか。国内で建設が始まった当初、原発は30~40年の寿命が前提とされてきた。だが、新規立地が難しくなり、主として経済的な要因から運転延長が認められてきた経緯がある。ただ、運転を長く続ければ原子炉圧力容器などが劣化し、安全性も下がる。事故後は「供給側の事情に配慮するような発想を切り離す」ことを目指して、運転を40年に制限することが改正法に盛り込まれた。法律には原子力規制委員会の特別な審査に合格すれば1回だけ最長20年の延長が認められる規定がある。ただ、これは法案をつくる時点で、電力不足に陥る懸念があったために「極めて例外的」なケースとして設けられたもので、規制委の田中俊一委員長も規制委発足時の会見で「(特別審査への合格は)相当困難」との認識を示している。国内の原発は運転開始から30年を超えるものが多く、40年規制を自動的に当てはめるだけで、30年時点での原発比率は15%程度に低下する。大地震の恐れや活断層などの問題があったり、十分な避難計画が策定できなかったりする原発については寿命をまたずに閉めることを踏まえれば、比率はさらに下がるはずだ。電力会社側は「40年には科学的根拠がない」として、関西電力が3基について運転延長を申請する準備に入っている。しかし、審査に通るかどうか、現時点では見通せず、40年超を前提にすることには無理がある。骨子案をもとに、政府は6月にも電源構成を決める。原発比率は再考するべきである。

*5-3:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150429&ng=DGKKASDF28H1R_Y5A420C1MM8000(日経新聞2015.4.29)原発、電源の20~22%に 経産省30年案再生エネ倍増
 経済産業省は28日、2030年時点の望ましい電源構成(ベストミックス)案を公表した。原子力の比率は20~22%と、東日本大震災前の28.6%より低くした。太陽光などの再生エネルギーは最大24%を掲げ、原子力を上回る普及をめざす。震災後に揺れ動いてきたエネルギー政策の見取り図を示し、コスト低減と環境への配慮の両立をはかる。28日に開いた「総合資源エネルギー調査会」(経産相の諮問機関)の専門委員会で大筋了承された。与党内の協議や国民の意見を聞いた上で6月までに決めるが、経産省案から大きく変わらない見通しだ。政府が望ましい電源構成を示すのは民主党政権時代の10年以来、5年ぶりとなる。経産省案では停止中の原子力発電所の再稼働を進め、30年時点で20%以上に戻す。政府は原発をコストが低く、昼夜を問わず安定的に発電できる基幹電源の一つと位置づけており、稼働から40年以上の老朽原発(総合2面きょうのことば)の運転延長も織り込んだ。ただ、安全性への国民の不安が根強いことを踏まえ、大震災前には及ばない。 再生エネは天候により発電量が変わる太陽光と風力を合計で9%弱にとどめる一方、安定して発電できる地熱や水力、バイオマスで最大15%程度を確保する。13年度時点で約11%の再生エネを30年までに主要な電源に育て、温暖化ガスの大幅削減につなげる。政府試算では発電コストが安いとされる原発の比率を20%以上にすることで再生エネの普及コストを吸収し、電気料金の上昇を抑えたい考えだ。代わりに火力発電の割合は減らす。石炭火力を13年度の30%から26%に、液化天然ガス(LNG)火力は43%から27%にし、化石燃料への依存度が9割近くとなっている現状にメスを入れる。政府は28日に示した電源構成案を基に、30日にも温暖化ガスの削減目標案を示す。30年までに排出量を13年比で26%、05年比で25%強減らす案を固めている。


PS(2015年4月30日追加):*3-3に、「2015年4月6日から8日に南相馬市のモニタリングポストや周辺地域で線量が1000倍に急上昇し、デブリが格納容器下のコンクリートを突き抜けて地盤まで到達し、地下水と接触したことが考えられる」と書かれている。これと符合するのが、*6の2015年4月10日に、茨城県鹿島灘に多数のイルカが打ち上げられた事件だ。イルカが打ち上げられた理由は、イルカが放射性物質を蓄積した魚を大量に食べたことで急性放射線障害による腸壁傷害の下痢を起こしたのかもしれないし、この付近の海水の放射性物質濃度が高くなっていた可能性も高い(http://www.antiatom.org/Gpress/?p=3038 参照)。ちなみに水俣病の時も、魚を中心に食べる猫がおかしな歩き方をし始めたのが最初の異変で、その時、日本政府は公害の影響を否定していた。そして、あれだけ多くのイルカのサンプルがありながら「原因がわからない」とされていること自体、原発事故が怪しいのだ。

*6:http://mainichi.jp/select/news/20150410k0000e040176000c.html
(毎日新聞 2015年4月10日) イルカ:150頭、砂浜に…10キロ点在 茨城・鹿島灘
 10日午前6時5分ごろ、茨城県鉾田市台濁沢(だいにごりさわ)の鹿島灘で、通行人の男性から「多数のイルカが打ち上げられている」と第3管区海上保安本部(横浜市)に通報があった。鹿島海上保安署員が駆け付けたところ、鉾田市汲上(くみあげ)から同市上幡木(かみはたき)間の海岸(約10キロ)で、約150頭のイルカが打ち上げられていた。大半が生きているとみられ、市などが救助活動を行っているが、救出は一部にとどまる見通しという。アクアワールド茨城県大洗水族館(同県大洗町)などによると、打ち上げられたイルカはカズハゴンドウで、体長は約2〜3メートル。鹿嶋市内にも打ち上げられており、被害頭数は拡大する可能性もある。現場では地元住民も協力し、イルカにブルーシートをかぶせたり、バケツで海水をかけたりして救助活動を行った。付近では毎年、数頭のイルカが打ち上げられており、2011年3月には鹿嶋市で、カズハゴンドウ54頭が見つかっている。原因ははっきりしていないという。


PS(2015年4月30日追加):*7のように、電気自動車の無料急速充電設備がスーパーの駐車場にあると、そのスーパーを選択する理由の一つになるため、スーパー側にもメリットがある。しかし、女性がスーパーに行くために使う車は300万円くらいまでの実用車か軽自動車であるため、テスラも女性好みの実用車のラインナップを増やした方がよいと思う。なお、駐車場に下の写真のような太陽光パネルの屋根を設置すると、自動車が熱くなり過ぎないなど、エコと駐車場のグレードアップの両方の効果がある。

   

*7:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150430&ng=DGKKASGM29H22_Z20C15A4FF2000 (日経新聞 2015.4.30)
米テスラCEO「EV充電拠点、日本で拡大」 年内に5倍30ヵ所
 米電気自動車(EV)メーカー、テスラモーターズのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は28日、日本経済新聞のインタビューに応じ、日本でEVに無料で急速充電できる設備を今年中に現状の5倍の30カ所程度まで増やす方針を明らかにした。本州全域をEVで縦断できるようになる。将来的に全国数百カ所まで増やす計画で、電池切れの不安を軽減しEV普及を促す。急速充電器の設置場所は商業施設の駐車場が中心。急速充電器の電気は太陽光で賄う。太陽光パネルを充電器に設置するか、太陽光で発電した電力を他社から購入する。マスク氏は「日本で長期的に投資を増やす」と語った。投資額には触れなかったが、充電器設置拡大に加え、現在は横浜に限られている修理などを担うサービス拠点を増やす考えも明らかにした。自社だけでなく他社のEVも使える充電機能付きのパーキングメーターの設置支援を「日本政府にも提言する」と述べた。テスラのセダンEVは家庭用電源も利用できるが、フル充電には一晩かかる。急速充電器を使えば20分で半分程度まで充電でき、商業施設の利用時間を活用して充電できる利点がある。現状は首都圏と阪神間の6カ所にとどまっている。テスラは現在、1000万円近い高級EVを販売するが、2017年後半をめどに420万円程度で発売する中価格帯EVの開発を進めている。蓄電池の価格が最大の課題だが、マスク氏は「3年以内に価格は確実に3割以上下がる」と商品化に自信を見せた。さらに価格を下げた大衆用EVも投入する予定で「認知度を上げるためブランドはテスラのまま変えない」とした。自動車向けサービスを開発している米アップルや米グーグルなどと連携する可能性については「顧客が求めるならありうるが、当面は独自のサービス開発を追求する」とし、短期的には可能性を否定した。アップルからの買収提案の噂についても笑いながら「特にない」と語った。13年春の経営危機時にグーグルに身売りしかけていたとの報道についても「非公式な議論止まりだった。現在そうした議論は全くない」と明言した。


PS(2015.5.1追加):温暖化ガスの削減は、私の提案で1995年頃から太陽光発電や電気自動車の開発を本格的に始めた日本が言いだし、1997年に京都議定書ができたものであるため、日本は世界のトップランナーだった。しかし、*8のように、政府は「①米国が05年比26~28%削減、欧州連合(EU)が1990年比で40%削減目標を打ち出した中、日本が低い目標では国際的に孤立する」「②諸外国の批判を招かないよう、国際的に遜色ない水準にする」「③経産省幹部が『これで15年後に原子力が20%を割ることはなくなった』とつぶやいた」そうである。このうち、①②は、バスに乗り遅れないようにのみあせる追随型三等国の政策であり、③は、発電のためのエネルギーに、火力か風力か原子力しか思いつかない物理音痴の発想で、考えるための基礎的知識が足りないものである。

     
   2015.5.1     2015.1.17  2015.1.3     太陽光発電
                日経新聞

*8:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150501&ng=DGKKASDF30H1I_Q5A430C1EA2000 (日経新聞 2015.5.1) 
欧米にらみ最後に上積み 温暖化ガス削減目標、経産・環境省が攻防
 政府が30日にまとめた2030年の温暖化ガス排出削減目標は、政府内の激しい綱引きの末、省エネや森林整備による吸収効果を積み上げ、13年比で26%を捻出した。最優先したのは「欧米に見劣りしない目標」だった。省エネには巨額の投資が必要となり、実現の可能性は未知数だ。「05年に比べて約3割削減する環境省サイドの案はどうやっても実現不可能だ」。水面下の調整が始まった4月上旬、経済産業省幹部は政府内の意見の隔たりの大きさを嘆いた。同時に検討していた30年の電源構成案を基にすると、削減目標は「十数%」というのが経産省の当時の見立てだった。経産省は環境・外務両省と調整を進め、「13年比で20%に乗せる水準」という折衷案が政府内で有力となった。だが、環境省は巻き返しに動いた。米国が05年比26~28%削減、欧州連合(EU)が1990年比で少なくとも40%削減の目標を既に打ち出した中で、低い目標では国際的に孤立すると恐れたためだ。環境省は国際エネルギー機関(IEA)の昨年の試算値をベースに「24%減」を最低ラインとして論陣を張った。4月18日東京・新宿の新宿御苑。安倍晋三首相が主催する「桜を見る会」で首相と同席した望月義夫環境相は「国際的に日本の努力が分かるようにする必要がある」と進言した。岸田文雄外相が訪独から帰国すると、外務省も大幅削減に傾き、「20%台半ば」の削減論が政府内で強まった。国際的に遜色ない水準を望んだのは、6月に主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)を控えた首相も同じだった。政府関係者によると、首相は4月20日、官邸に入った経産省幹部に「諸外国の批判を招かないようにしてくれ」と指示した。大幅な削減目標を達成するため、経産省はほぼ大枠が固まりつつあった電源構成に手を加えた。排出量の多い石炭火力の比率を今の30%から、30年時点で26%に減らし、省エネの目標も2月時点の試算から1割上乗せした。電源構成の変更と省エネで、21.9%分を稼ぎ、将来の森林整備による吸収などの効果と合わせ、26%に乗せた。見せ方にもこだわった。05年比では日本は欧米に見劣りするが、13年比では上回る。だが、環境省は05年比という従来の基準をむやみに変えれば国際的な信用を失うと譲らず、国連に2つの削減目標を登録する異例の対応が決まった。高い削減目標の実現には今後15年間で37兆円の投資が必要となりハードルは高い。今回の削減目標を公約すれば結果的に温暖化ガスの排出が少ない原子力発電所の再稼働には追い風との思惑もちらつく。経産省幹部は「これで15年後に原子力が20%を割ることはなくなった」とつぶやいた。


PS(2015年5月4日追加):*9に書かれているとおり、原発を再稼働させて2030年の温室効果ガス排出量を2013年に比べてやっと26%減らすという政府案は姑息で、他国に比べて環境保護や省エネ・再エネ技術の開発意欲に欠けている。そして、馬鹿の一つ覚えのように、「それなら代替案を出せ」と言う人がいるが、代替案は既に20年前に出しており、理解力とやる気の問題だったのだ。

*9:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11738017.html
(朝日新聞社説 2015年5月4日)温室ガス目標 政府案は意欲に欠ける
 2030年のガス排出量を13年に比べて26%減らすという。気候変動枠組み条約や京都議定書の基準年1990年に比べれば、40年かけてわずか18%ほど減らす目標に過ぎない。すでに1人当たり排出量で日本より少ない欧州連合(EU)は、90年比で40%以上の削減を掲げている。それに比べて政府案のレベルは低すぎる。実質的に国際水準に劣るのに、基準年を最近の年へずらしたため、そう遜色がないようにも見える。そんな姑息(こそく)なやり方で近年の無策をごまかしては、国際社会の信頼を失うだけだ。真剣に考え直すべきである。最大の問題は、経済成長で当然のようにエネルギー消費が伸びるとしている点だ。原発回帰を進めようとするのも、つまりはエネルギー消費構造への切り込みが足りないからである。日本はEUなどと異なり、京都議定書で13~20年のガス削減に参加しなかった。このため、国全体の取り組みがゆるみ、政府が基準年とした13年の排出量は90年より約11%も増えた。それは原発事故の影響だけではない。この間、事務所など業務部門の排出量は2倍以上、家庭部門も1・5倍以上になった。政府案は両部門での省エネを特に強めるというが、それでも業務部門の30年の想定排出量は90年より多く、家庭部門もわずかに下回る程度だ。全体の約3割を排出している産業部門の削減幅が、13年比で約7%というのは、あまりにも低すぎる目標である。確かに産業部門は業界ごとに計画を立てて省エネを進め、90年比で約15%減らしてきた。だが、もっと余地があるはずだ。経済産業省系の省エネルギーセンターによると、製造業では保温断熱材の劣化だけでエネルギーを10%も損しているという。複数の工程や事業所を結んでの省エネも遅れている。欧米は経済成長とエネルギー消費の切り離しを積極的に進めている。例えば、電力会社などエネルギーの供給や小売りを担う事業者に一定の供給削減を義務づけることで、工場や事務所、家庭などの省エネ投資を促す政策が広がりつつある。その結果、省エネ策を提案・提供する新産業が育ってきた。省エネは世界の一大潮流である。国内で本気になって最新の経験を積まなければ、急速な成長が見込まれる途上国の省エネ需要も取り込めないだろう。

| 資源・エネルギー::2014.10~2015.4 | 03:44 PM | comments (x) | trackback (x) |
2015.3.5 原発に頼らず「環境都市づくり」をする目標を立て、「ふるさと納税」と地方債で資金集めをするのがよいと思う。 (2015年3月5日、6日、9日、11日、14日に追加あり)
      
*2-2より     2015.2.25NHK   セシウム土壌汚染 *3-2より *4-1より

(1)環境都市づくり
 *1-1のように、日本でエネルギー効率の高い環境都市づくりが本格的に始動し、経産省が2015年3月に全国から重点支援地域を10カ所選定して、エネルギーの効率利用に太陽光発電設備や大型蓄電池などの導入費用の3分の2を補助し、自治体だけでなく民間企業の参入も促すそうだ。さらに、1件当たり3000万円を上限に事業化計画の策定も支援して、2020年に向け、各地で次世代型の都市を整備する考えとのことである。

 私は、佐賀県も、玄海町を中心として唐津市(離島を含む)・伊万里市などの30キロ圏内の地域は、広域で、この環境都市づくりに参加するのがよいと考える。もちろん、佐賀市や小城市など、その他の地域でもよく、その資金は、「脱原発・環境都市創出のための支出」としてふるさと納税のメニューにして、県人会や同窓会で寄付を募れば、かなりの額が集まるだろう。なお、「30万円(10万円?)以上寄付した人は、ネーム・プレートを作って目立つ場所に展示し続ける」というのが、寄付を集めるコツである。

 そして、そのような先進的な取り組みを行い、21世紀型の環境都市ができる魅力的な地域であればこそ、*1-2の都会の若者の移住先として積極的に選ばれ、「地方創生」に繋がっていくのだ。

(2)フクイチで隠されていた高濃度汚染水の流出
 *2-1によれば、フクイチ原発でタンクから高濃度の放射性物質を含む汚染水が100トン漏れ、その汚染水からは、放射性ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり2億3000万ベクレル、セシウム137も国の海への放出基準の100倍余りの1リットル当たり9300ベクレルという極めて高い濃度で検出された。そして、*2-2には、この汚染水に含まれるストロンチウム90は、海への放出基準の760万倍余りであると記載されている。

 なお、*2-1のNHKの軽く見せようとする説明とは異なり、実際には、*2-2のように、東京電力は汚染水を外洋に垂れ流していることを1年前に把握しながら放置して公表していなかったそうだ。さらに、原子力規制庁も、*2-1、*2-2に書かれているように、東電が報告するまで気づかず、あわてて放射性物質がしみこんだ土を回収したり、同じタイプのタンクに漏えいがないかを早急に調べることを指示したりした程度であり、専門家が誠意と責任をもって対応しているとは、とても思えない。

 そのため、*2-2、*2-3のように、地元漁協の組合長が「漏れた汚染水は100トンと半端な量ではない。試験的な漁を始めた状況で、全国の消費者に不安を与えることにつながるので心配だ」「人為的なミスによるものだとしたら絶対にあってならないことだ。こうした事態が続けば漁業者の東京電力に対する信頼感が失われ不信感が増す」「東電との信頼関係を揺るがせる事態だ」と話しているのであり、漁業者からも「なぜ我々に黙っていたのか」「情報隠しだ」との批判が相次いだのである。

 しかし、「3号機は核爆発を起こして、その周辺と広い地域に、核燃料と使用済核燃料の放射性物質をばら撒いた」という真実を語るべきである。何故なら、それによって初めて、3号機の爆発映像、3号機の爆発後の姿、土壌汚染マップのセシウム汚染地域の広さ、いまだに核燃料のありかがわからないとされている理由、甲状腺癌発生の増加理由などを、整合性を持って説明でき、今後の対応の基礎となるからで、本来は、フクイチ事故後、速やかにそれをやるべきだったのである。

(3)佐賀県の原発について
 そのような中、*3-1のように、佐賀県議会が原子力安全対策特別委員会を開いて山口新知事に原子力行政への認識を尋ね、山口知事は「①この分野で自分のカラーを出そうとは考えておらず、原発の問題は慎重に地に足を付けた対応が大切」「②県に規制監督の権限はなく、国並みに専門家を有してもいないため、県として原子力の専門家会議を立ち上げる考えはなく、高度な見識を持つ原子力規制委員会を信用したい」「③新規制基準は世界一がどういうことか分からないが、自然災害の多い日本で、福島の事故を踏まえて作られた相当厳しい基準で、さまざまな事態に対応できると思う」としたそうだ。

 しかし、原子力規制委員会は(2)で述べたとおり、専門家として高度な見識を持つとは言えない上、山口知事の「④県民の生活安定を考えると、価格と安定的な電力供給の問題がある」という発言は、経産省や地域独占の大手電力会社が今でもそんなことを言っているのはあまりにも努力不足の言いわけであり、それだからこそ電力自由化や発送電分離が重要だったのである。

 なお、経産省と九州電力は、*3-2のように、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の運用を見直して新ルールを作り、太陽光発電の年間抑制日数を最大165日にしたそうだが、このように太陽光発電を抑制して原発に回帰し、太陽光発電でトップランナーだったシャープを活躍させずにつぶしたまさにその価値観と行動こそが、日本企業の利益率を低迷させ、低経済成長を作り出し、日本国民を貧しくさせている元凶なのだということを忘れてはならない。

(4)(私が提案してできた)ふるさと納税の展開
 *4-1のように、2014年の「ふるさと納税」は、長崎県平戸市(12億7884万円)の額が一番で、佐賀県玄海町(9億3206万円)が2位、北海道上士幌町(9億1098万円)が3位だった。そして、トップ10は、肉類や魚介類など魅力ある特典を複数そろえ、ネットなどを使ったPRに熱心なことが共通しており、九州はトップ10に5市町が入っているそうだ。そして、*4-2のように、埼玉県飯能市も、今後、特典を新設して「ふるさと納税」に参戦するとのことである。

 特典があるのは魅力的だが、政策に「脱原発して環境都市の建設」「鉄道の高架化、複線化」「電線の地中化」「街の再開発」「自然再生のための植林」「除染」「保育所・学童保育の整備」など、市町村がやりたい政策を掲げても、内容が魅力的であれば、地域住民や出身者はじめ賛同者が協力すると考える。

 そのため、複式簿記による公会計制度が導入され、適切に地方自治体の財政・収支状況が開示されれば、地方債も発行しやすくなるが、現在は、ふるさと納税が資金源として使えると考えている。

<環境都市づくりの本格化>
*1-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150304&ng=DGKKASDF03H1N_U5A300C1MM0000 (日経新聞 2015.3.4) 環境都市づくり始動、エネルギー効率高く、月内に10カ所選定、企業の技術活用へ
 国内で環境に配慮した都市(スマートシティー)づくりが本格化する。経済産業省は3月中にも全国から重点支援地域を10カ所選ぶ。エネルギーの効率利用に必要な太陽光発電設備や大型蓄電池などの導入費用の3分の2を補助し、自治体だけでなく、企業の参入を促す。民間主体の収益事業として定着すれば、新しい都市づくりが加速する可能性がある。スマートシティーは、太陽光や風力などで発電した電力を大型蓄電池や電気自動車にたくわえ、必要な時に家庭やオフィスビルに供給する仕組みを整えた都市を呼ぶ。次世代電力計(スマートメーター)を使って電力需給や天候に応じて消費電力を効率よく管理し、消費電力を2割程度減らすと同時に、電力を地産地消するのが特徴だ。経産省は2011年度から横浜市のみなとみらい周辺や、愛知県豊田市、関西のけいはんな学研都市、北九州市の該当地域で、スマートシティーの事業化が可能か、実証実験を進めてきた。4都市に4年間で総額300億円を投じ、関連設備への初期投資だけでなく、管理・修繕などの運営費も補助してきた。その結果、自治体や民間企業に運営を委ねても十分に採算が合うと判断、実用化段階に移行することにした。10カ所ほどの新たに選ぶ地域では運営費は補助しない。一方、初期費用の補助率をこれまでの2分の1から3分の2に引き上げ、民間企業などの参入を促す。15年度中に約80億円を投じる。経産省によれば、初期費用の負担を軽くすれば、運営費は十分に回収できる。横浜市の場合、太陽光などで発電した電力の販売収入が大きいほか、電力の使用状況から一人暮らしの高齢者の安否状況を確認するサービスを有料化して参入した事業者は収益を確保しているという。実証事業として先行した4地域でのこうした実績やデータは、新規参入する自治体や企業に積極的に公開する。時間帯ごとに電気料金に差をつけてピーク電力を下げたり、消費電力を予測したりするノウハウも提供する。1件当たり3000万円を上限に、事業化計画の策定も支援する。スマートシティー建設のための投資規模は世界で10~30年の累計で4000兆円との試算もある。経産省は訪日外国人の増加が見込める20年の東京五輪に向け、各地でこうした次世代型の都市を整備したい考え。国内の次世代都市を海外にアピールし、海外へのインフラ輸出にもつなげる。

*1-2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150304&ng=DGKKASFB09HG7_U5A300C1CR0000 (日経新聞 2015.3.4) 
都会の若者、地方に移住、「地域おこし協力隊」14年度1.5倍に
 国が費用を出し、都市の若者らが地方に移り住んで活性化を後押しする「地域おこし協力隊員」が急増している。制度が始まって6年目の2014年度は、前年度の1.5倍の約1500人となり、受け入れ自治体も約3割増えて400を超えたもようだ。「地方創生」の担い手として期待が高まっている。総務省が09年度に始めた協力隊は、主に三大都市圏の住民が地方で農林漁業や観光の振興、高齢者の支援、地域情報の発信などに取り組む。国が自治体に、隊員1人当たり年間400万円を支援する。最長3年の任期後には定住する人も多い。安倍晋三首相は16年度末までに隊員を3千人にする目標を表明している。13年度に168人で全国最多だった北海道が14年度は200人を超える見通し。受け入れ市町村も58から80近くに増える。続く長野県も約7割増えて約140人となり、自治体も20から35に増えた。14年10月までの同県の累計では任期を終えた隊員の60%が任地などに定住したという。「地方創生」を掲げる国も協力隊の拡充に動いている。総務省は昨年12月、隊員の最終年度か任期後1年間に任地で起業する人材には、100万円を上限に支援額を上乗せすることを全国に通知。隊員の出身地の条件も、人口の多い地区であれば過疎地を抱える地方都市も認めるように改めた。明治大農学部の小田切徳美教授(地域ガバナンス論)は「協力隊の仕組みによって都市から地方への移住のハードルはかなり下がった。起業の後押しといった追加支援で、定住への橋渡しも進むだろう」と指摘している。

<フクイチで隠されていた高濃度汚染水の流出>
*2-1:http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/181367.html
(NHK 2015年2月20日) 極めて高濃度 汚染水100トン漏れる
 東京電力福島第一原子力発電所で19日夜、山側のタンクから極めて高濃度の放射性物質を含む汚染水が漏れ、およそ100トンがタンクを囲うせきの外に流出しました。東京電力は、配管の弁の故障などで、移送していた汚染水が予定していなかったタンクに入ったため、あふれたとみて調べています。19日午後11時半ごろ、福島第一原発4号機の山側にある汚染水をためるタンクから、水が漏れているのをパトロール中の作業員が見つけました。東京電力が調べたところ、水はタンクの天板の継ぎ目から漏れ、雨どいをつたって、タンクを囲うせきの外に流出していたということで、隣接するタンクに水を移して、水位を下げるなどして、発見から6時間余りで漏えいが止まったことが確認されたということです。せきの外に流出した汚染水の量はおよそ100トンとみられ、放射性ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が、タンクからの汚染水漏れとしてはこれまでで最も高い、1リットル当たり2億3000万ベクレルという極めて高い濃度で検出されました。また、セシウム137も国の海への放出基準の100倍余りの1リットル当たり9300ベクレルと高い濃度で検出されました。東京電力は20日午前、臨時の記者会見を開き、「心配をおかけして大変、申し訳ありません」と陳謝しました。原因については、処理設備から汚染水を移送する配管の途中にある1つの弁が故障していた疑いがあるほか、本来、閉まっているはずの別の2つの弁も開いていたため、予定していなかったタンクに汚染水が入り、あふれたと説明しています。また、19日午後2時すぎ、タンクの水位が高まったことを示す警報が鳴りましたが、直後のパトロールでは異常に気付かなかったということです。東京電力は、汚染水が漏れたタンクの近くに排水路がないため、海への流出はないとしていますが、詳しい状況を調べるとともに、漏れた汚染水や汚染水がしみ込んだ土の回収を進めることにしています。
●規制庁が対応を指示
 東京電力福島第一原子力発電所で、タンクから極めて高濃度の汚染水が漏れ出したことについて、原子力規制庁は、放射性物質がしみこんだ土を回収することや、同じタイプのタンクにも漏えいがないかなどを早急に調べて報告するよう、東京電力に指示しています。
●漏れた汚染水の濃度は
 漏れた汚染水からは、ベータ線と呼ばれる種類の放射線を出す放射性物質が、1リットル当たり2億3000万ベクレルという極めて高い濃度で検出されました。この汚染水には、主に放射性物質のストロンチウム90が含まれていて、2億3000万ベクレルを、ストロンチウム90の海への放出基準と比較すると、760万倍余りに当たります。
●漁業者から不安の声
 汚染水がタンクから漏れたことについて、福島県沖で試験的な漁を行っている地元の漁業関係者からは、不安の声が聞かれました。いわき市漁協の矢吹正一組合長は、「漏れた汚染水は100トンと半端な量ではない。試験的な漁を始めた状況で、全国の消費者に不安を与えることにつながるのではないか心配だ」と話しました。また、相馬双葉漁協の佐藤弘行組合長は、「人為的なミスによるものだとしたら絶対にあってならないことだ。こうした事態が続けば漁業者の東京電力に対する信頼感が失われ不信感が増す。汚染水を増やさないための地下水を、海に放出する地下水バイパスの対策への協力にも影響しかねない」と話しました。

*2-2:http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2015022502100009.html (東京新聞 2015年2月25日) 汚染水 外洋に垂れ流し 1年前に把握、放置 福島第一
 東京電力が、福島第一原発の排水溝から高濃度の放射性物質を含む水が外洋に漏れ続けるのを放置していたことが二十四日、分かった。外洋への継続的な漏出を昨年四月に把握しながら公表せず、排水溝を専用港内に付け替えるなどの対策も取っていなかった。東電によると、昨年四月十六日以降、一週間に一回、四本ある排水溝の出口付近で流れる水を採取し、放射性セシウムやストロンチウムなどを分析。当初から四本とも明確に汚染が確認され、特に1~4号機の山側を通る排水溝(K排水溝)では、ほかよりも一段高い濃度を示していた。例えば、昨年八月二十六日には、一リットル当たりセシウムが一〇一〇ベクレル、骨にたまりやすいストロンチウムなどは一五〇〇ベクレルと、水としては非常に高い値だった。日常的に、両物質とも数十ベクレル以上のレベルで推移している。流量は一日当たり約千七百トンに上る計算になる。2号機の建屋屋根にたまった放射性物質などが雨で流され、溝に入り込んだ可能性がある。ほかの排水溝も、K排水溝ほどではないものの、日常的に汚染が確認され、降雨で濃度が上がる同様の傾向を示している。東電は、一昨年八月にタンクからの高濃度汚染水漏れを受け、タンク群近くのC排水溝の出口は、水が比較的拡散しにくい専用港内に付け替えた。しかし、東電は他の排水溝は対策を取ろうとせず、昨年四月以降のデータを公表しようともしなかった。東電は、自社が実施する外洋の濃度測定で、セシウムとストロンチウムなどはほとんどが同一ベクレル以下であるとして、「外洋には影響はない」と説明している。東電の小林照明原子力・立地本部長代理は「(排水溝内を清掃するなど)できるだけ放射性物質の濃度を下げるという方策を取ってきた。(漏出防止については)重要な項目であるので、検討を進めたい」と話した。
◆東電、今も続く隠蔽体質
<解説> 東京電力は「福島復興への責任を果たす」と強調する一方で、福島第一原発から高濃度汚染水が漏れ続けているのを知りつつ公表せず、対策を講じようともしなかった。東電の隠蔽(いんぺい)体質は今も続き、福島を裏切り続けていたとも言える。海に出た汚染水は、波や潮流で急速に薄まる。海水魚は取り込んだ塩類をどんどん放出するため、淡水魚に比べセシウムなどを体内にためにくいのも事実だ。しかし、汚染水は「八」の字形をした原発専用港の中でブロックされているどころか、外洋を直接汚していた。しかも雨のたび通常の百倍の濃度にまで高まる状況。こんな状況を放置していて何も影響が出ない保証はない。東電の精度の低いモニタリングでも、原発の南北にある放水口近くの海水から時折、一リットル当たり数ベクレル、高い時には一〇ベクレルを大きく超える放射性セシウムが検出されてきた。こうしたデータは、海の浄化作用でもカバーしきれない汚染が続いていることを示している。せめて問題の排水溝を専用港内に付け替え、港内の海水を浄化する機能を強化しないと、復興に向けて試験操業を続ける地元の漁業者にとっても大きな痛手となりかねない。本紙と共同で福島や首都圏各地の放射能汚染調査を続けてきた独協医科大の木村真三准教授は「やはり原発の状況を、東電自身ではなく、第三者がきちんと調べないと、信頼回復につながらないのではないか」と指摘した。

*2-3:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11621191.html
(朝日新聞 2015年2月26日) 流出非公表、東電に憤り 「信頼揺らぐ」 福島第一汚染水
 東京電力福島第一原発から港湾外の海に汚染水が流出していた問題で、地元の福島県からは25日、流出を公表してこなかった東電の姿勢に一斉に反発の声が上がった。建屋周辺の地下水をくみ上げ、浄化後に海に流す「サブドレン計画」の交渉は棚上げに。信頼関係が失われ、廃炉計画に影響する可能性も出てきた。福島県漁業協同組合連合会(野崎哲会長)は25日午前、いわき市で組合長会議を開いた。東電幹部が出席、雨が降るたびに排水路の水の放射性物質濃度が高まることを把握しながら公表しなかったことを陳謝した。東電が排水路の放射性物質の定期測定を始めたのは昨年4月。8月には、ベータ線を出す放射性物質で通常の10倍以上の1リットルあたり約1500ベクレルを検出した。これに対し、漁業者からは「なぜ我々に黙っていたのか」「情報隠しだ」と批判が相次いだ。この日はサブドレン計画について協議する予定だったが、持ち越しとなった。会合後、野崎会長は「東電との信頼関係を揺るがせる事態だ」と記者団に語り、計画をめぐる交渉を凍結する考えを示した。県も内堀雅雄知事ら幹部が急きょ対応を協議。内堀知事は「情報の速やかな公表と、その意識の徹底という基本がなされなかったことは極めて遺憾だ」と強い口調で東電を批判した。排水路には、2号機の原子炉建屋とつながる「大物搬入口」の屋上にたまった雨水が汚染されて流れ込んだとみられる。東電は、外洋と仕切られた港湾内へ排水路の水を流すポンプの設置などを検討するという。菅義偉官房長官は25日午後の記者会見で、流出先の海水での濃度は低い値だとして「港湾外への汚染水の影響は完全にブロックしている。状況はコントロールされている」と強調した。ただ、原子力規制委員会にも、検出状況は報告されていなかった。東電は「原因を調べ結果が分かってから公表するつもりだった」と釈明。搬入口が原因と特定できたため24日になって公表したという。規制委の田中俊一委員長は25日の会見で「環境に影響するようなことなら、速やかに発表するべきだ」と指摘した。東電は過去にも、放射性物質の分析結果や流出を示すデータを公表せず、批判を招いてきた。サブドレン計画をめぐっても、以前から地下水くみ上げを検討しながら、浄化して海に放出する考えを明らかにしたのは昨年8月。計画は汚染水対策に必要として理解を求めている最中だった。
■福島第一原発のデータ公表について東電が批判された例
<2013年6月>
【内容】5月に岸壁近くの井戸で高濃度の放射性物質を検出。対策開始後の6月まで公表せず
【東電の説明】測定に不備があり、念のため追加の分析をした
<13年7月>
【内容】汚染された地下水の海への流出を示すデータを社内で共有できず、流出と判断後も3日間公表せず
【東電の説明】情報共有が不十分、情報を公表する姿勢も積極的でなかった
<14年1月>
【内容】港湾内や地下水中のストロンチウム濃度の計測値を半年分公表せず
【東電の説明】他のデータとつじつまが合わなかった。隠す意図はなかった
<15年2月>
【内容】2号機搬入口上部のたまり水が流れる排水路で、雨のたびに放射性物質濃度が高まることを把握しながら10カ月公表せず
【東電の説明】排水路の清掃に目を奪われ、情報公開の観点が欠けていた。

<佐賀県の原発>
*3-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/162819
(佐賀新聞 2015年3月5日) 山口知事 原子力特委に初出席「原発問題は慎重に対応」
 佐賀県議会は4日、原子力安全対策特別委員会を開き、初めて出席した山口祥義知事に、原子力行政への認識などを尋ねた。山口知事は、独自の施策を打ち出す考えがないかどうかを問われ、「この分野で自分のカラーを出そうとは考えていない。それは地域振興などでやることで、原発の問題はむしろ慎重に地に足を付けた対応が大切」との姿勢を示した。議員が県として原子力の専門家会議を立ち上げる考えがないかを尋ねた。山口知事は「県に規制監督の権限はなく、国並みに専門家を有してもいない。高度な見識を持つ原子力規制委員会を信用したい」とし、「安易に専門家会議を立ち上げ、諮問したり、尊重するという考えはない」と答えた。「世界一厳しい」と標榜(ひょうぼう)している新規制基準の所見を問われ、山口知事は「世界一がどういうことか分からないが、自然災害の多い日本で、福島の事故を踏まえて作られた相当厳しい基準で、さまざまな事態に対応できると思う」と述べた。廃炉が取り沙汰されている九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)1号機については「事業者である九電が判断すべきことだが、どういう結論になっても、県民の安全を第一に考える姿勢で臨みたい」と語った。山口知事は反原発の市民団体から求められれば、直接会う意思を示している。その本意について山口知事は「県政に何か訴えたいのにその場がないのはつらいこと。私に直接伝える場があってもいい。対話の場が長く続くよう、一定のルールづくりを担当課に指示した」と明かした。玄海原発の再稼働に関しては「中長期的には再生可能エネルギーの導入などで原発依存度を可能な限り低減させるべきだが、県民の生活安定を考えると、価格と安定的な電力供給の問題があることも事実」とし、「規制基準に適合すると認められ、住民の理解が得られた場合は、原発再稼働の方向で検討する」と従来の見解を繰り返した。

*3-2:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/162824
(佐賀新聞 2015年3月5日) 太陽光買い取り 九電発電抑制最大165日
年間試算今秋にも要請開始 
 再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度運用見直しで、九州電力は4日、太陽光発電を無制限で抑制できる新ルールに関し、年間の抑制日数が最大で165日になるとの試算を公表した。電力需要が少なくなる今秋にも、抑制の要請を始める可能性がある。売電事業者にとっては採算が合わなくなり、普及にブレーキがかかる恐れもある。経産省の有識者会合に同日、試算の一部を提出した。年度内にも時間単位で抑制した場合の目安を示し、国が妥当性を評価する。ただ、細やかな発電抑制に必要な機器の整備時期は「国で仕様が検討されている段階で未定」としている。試算では、従来ルールでの接続可能量(817万キロワット)を300万キロワット超過した場合、新ルールで契約する事業者には年間94~165日の抑制を要請するとした。最大で年間発電可能量の52%が抑制される計算になる。抑制日数は、最小需要が788万キロワットだった2013年度の実績を基に、日射量などが予測通りになった場合と誤差が生じた場合の二つの条件で試算した。超過が100万キロワットの場合は35~117日、200万キロワットでは70~139日とした。管内全体では、1月末時点で買い取りや契約手続きしている量は818万キロワットあり、従来ルール枠を既に上回っている。さらに手続き中や申し込みを検討している分が約6万3000件、約1100万キロあり、半年後にも抑制が必要になるとの見通しを示した。旧ルールで契約した事業者の抑制日数は従来通り年間30日を適用。家庭用の10キロワット未満は4月以降の申し込み分が新ルールになる。どの事業者の発電を抑制するかに関しては、抑制日数が30日になるまでは新旧ルールの事業者を30社程度のグループに分け、順番に要請する。
◆4700件参入辞退 県内は300件
 九州電力が太陽光発電の買い取り手続きを再開した2月以降、参入を辞退した事業者が九州全体で少なくとも4700件に上ることが4日、分かった。佐賀県内は約300件で、無制限で発電が抑制される新ルールの適用を受け、事業性が不透明になったことなどが影響しているようだ。九電は1月末時点で管内全体の6万3000件、1100万キロワット、県内は2638件、23万8千キロワットの契約手続きを中断。国の制度見直しに伴い、無制限での発電抑制に応じることを条件に手続きを再開した。九電によると、手続き再開に関する2月4日の事業者説明会以降に参入を辞退した事業者は2月末時点で4700件で、発電量ベースで140万キロワット。県内は291件、3万6000キロワットに上るという。理由は「採算性が見込めない」などで、新ルールが適用される事業者のうち、管内全体で7%、県内は11%の事業者が辞退したことになる。

<ふるさと納税>
*4-1:http://qbiz.jp/article/56675/1/ (西日本新聞 2015年2月26日) ふるさと納税、九州にんまり 14年度納税額、トップ10に平戸など5市町
 2014年に「ふるさと納税」の額が一番多かったのは、長崎県平戸市の12億7884万円−。インターネットで各自治体のふるさと納税の特典などを紹介しているトラストバンク(東京都渋谷区)が、同社ホームページにアクセス数が多かった自治体に問い合わせ、トップ10をまとめた。ふるさと納税は、応援したい自治体に寄付すると、居住地の税金が軽減される仕組み。平戸市は13年8月、寄付額を有効期限なしのポイントに換算する仕組みを導入。ためたポイントに応じてカタログから特典を選べるようにしたのが好評で、13年に2175万円だった寄付額が約60倍に急増した。市は「人口減対策に生かしたい」としている。10万円を寄付すると、1年間毎月、旬の特産品が贈られる佐賀県玄海町(9億3206万円)が2位、地元のブランド牛が人気の北海道上士幌町(9億1098万円)が3位だった。トップ10は、肉類や魚介類など魅力ある特典を複数そろえ、ネットなどを使ったPRに熱心なことが共通しているという。ふるさと納税は4月から、安倍政権の掲げる「地方創生」の一環で軽減される税金の上限が2倍になり、寄付額の大幅増が見込まれる。トラストバンクは「地元ならではの特産品をいかに発掘するか、寄付金をどう使うのかなど、自治体の知恵の見せどころになる」と指摘する。

*4-2:http://digital.asahi.com/articles/ASH2T6GJTH2TUTNB015.html
(朝日新聞 2015年2月26日) (埼玉県)飯能市、ふるさと納税に参戦 特典を新設
 応援したい自治体に寄付の形で納税する「ふるさと納税」に、飯能市も本腰を入れることになった。自治体にとっては、アイデア次第で「税収」を増やすチャンス。高額納税者向けに、飯能の自然を楽しむカヌーの道具や、人気アニメをあしらったバスの貸し切りツアーなど個性的な特典を用意。先行する4市町に追いつけとばかりに参入した。飯能市は4月から、寄付者への特典を新設。1万円以上の寄付者は名栗カヌー工房製作のミニカヌーパドルか、カルシウムが豊富なルバーブジャムなどの特産品セットから選べる。さらに、100万円以上の高額を寄付した人には飯能が舞台のアニメ「ヤマノススメ」をあしらった貸し切りバスで市内の古民家や温泉を巡り、そば打ちも体験してもらう日帰りツアー(寄付者を含め最大20人が参加可能)を独自に企画。それぞれ、納税額の3割相当の価値があるという。飯能市は2011年度からふるさと納税の受け付けを始めたが、特典は提供していなかった。そのためか、13年度で6件(納税額543万円)、今年度は先月28日までに8件(同247万円)と少なめで、特産品の提供を大々的に打ち出して寄付を集める他の自治体に先行されていた。このため、市の自然や観光資源をいかした特典をつけて、市をPRする機会にしようと企画。事業費を新年度予算案に計上した。大久保勝市長は「飯能市を知ってもらい、訪れるきっかけにしてもらえれば」。1件で100万円を超える高額の寄付は、12年度に4件、13年度に2件あった。さて、ラッピングバスツアーは実現するか?(戸谷明裕)
■前年の3・6倍 1万8115件 昨年の県内
 海産物やブランド牛などをひっさげた自治体が「特典競争」を引っ張ってきたふるさと納税。首都圏の自治体は税収を奪われるばかりでむしろ出遅れていたが、県内でも近年、参入の動きが広がっている。県市町村課によると、昨年県内の自治体に寄せられたふるさと納税は1万8115件。前年(5013件)から約3・6倍の大幅増。ほとんどを占めるのが上位の4市町だ。トップの鶴ケ島市は前年から激増。件数、金額とも一気に首位に躍り出た。昨年9月、お茶だけだった特典の種類を増やしたのがきっかけ。今や30種類以上に増え、独自の特典開発に乗り出す業者も出てきた。羽生市は特典の地元産米とブルーベリー加工品などが好評で、件数は前年の12倍に伸びた。前年にツートップだった宮代町と幸手市も引き続き順調だ。一方で、その他の市町村はいずれも200件に満たない。県民のふるさと納税によって昨年度、県内自治体が減らした市町村民税は計1億2737万円。多くは県外に「流出」したとみられる。税金を「とられる」ばかりではなく「集める」ため、志木市は特典として特産品を贈る事業を始めるため、新年度予算案に127万円を計上。特典の魅力アップをはかる自治体はまだ相次ぎそうだ。


PS(2015.3.5追加):離島は、底まで見える透き通った海の近くまで山が迫り、別天地だ。その唐津市鎮西町松島でオリーブが採れ、初めてオリーブオイルが作られて、宗さんによって島で採れたウニ、サザエ、アワビ、タイなどとともにコース料理になったそうだが、これは、都会にはない採れたての食材を使った美味しい料理だ。しかし、松島だけでは面積が小さく採れる量が限られるため、私は、他の島や九州本土でもオリーブを作ればよいと考えている。

    
                     *5より
*5:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10105/162903
(佐賀新聞 2015年3月5日) 苦節10年、初の搾油 一日限定レストランで堪能 唐津市
 行政や観光関係者を招いて限定オープンしたレストラン「リストランテ マツシマ」。参加者は島の魅力発信を頭に描きながら料理を味わった=唐津市松島の老人憩いの家
■若手シェフ“凱旋”、島の恵みで伊料理 
 玄界灘に浮かぶ唐津市鎮西町の離島「松島」。人口60人ほどのこの小さな島に1日、一日限りのイタリアンレストラン「リストランテ マツシマ」がオープンした。島民が10年がかりで育ててきたオリーブから初めてオイルが搾油できたことを記念した催し。海の幸など島の恵まれた食材を使い、島出身の若き料理人が腕を振るって招待客をもてなした。松島でオリーブ栽培が始まったのは約10年前。荒れ地だった斜面の畑を島民総出で耕し、県職員に技術指導を受けて育てた。オリーブは虫が付きやすく、島は風が強くて受粉に適さない環境というが、それでも女性を中心に地道に草刈りを続けるなど努力を重ねた。現在は約30アールに100本ほどが生育、本年度初めて瓶4本半のオリーブオイルが搾油できた。特産品化への道のりはまだ遠いが、頑張りを形にし、喜びを分かち合おうと企画されたのが今回のレストランだった。「外国産に比べてあっさりしておいしいですよ」。料理を担当した宗勇人さん(25)はそう語る。高校進学を機に生まれ育った松島を離れ、現在はJR博多駅ビル内のイタリアンレストラン「ザッコ アルポルト」で働くが、今回「島のためにずっと何かしたいと思っていた」と限定レストラン開店の話を快く引き受けた。職場の仲間を引き連れて総勢4人で島に“凱旋”。オリーブオイルで、色鮮やかな料理を味付けした。あいにくの雨模様となった当日。教会の見える波止場での屋外レストランとはいかなかったが、島の「老人憩いの家」に招待された行政や観光関係者ら約20人が、ウニやサザエ、アワビ、タイなど島の食材をふんだんに使った宗さんのコース料理に舌鼓を打った。席上、総務省の事業「地域おこし協力隊」の隊員として離島振興に取り組む土谷朋子さん(45)は、招待客に問い掛けた。「島に来てこの料理を味わう。いくら出せますか?」。島を活性化し、人口減少に歯止めをかけるため、今後レストランを定期的に開き、ツアーとして商品化できないか検討していくという。「島で生まれて良かったし、島の素晴らしい食材で料理を作れて幸せだった」と宗さん。すでに「第2回」で振る舞う料理のレシピを用意、今後も協力は惜しまないつもりだ。区長の坂口正年さん(66)は「七つの離島で最も小さい島だが、これからもできることを探し、頑張っていきたい」と話す。10年かかったオリーブのように、島民一丸で根気よく、活性化の道を探っていく。


PS(2015.3.6追加):「コープさが」がアンケート調査をしたところ、*6のように、「原発は廃止すべき」と回答した人が86%で、「すぐ廃止」という人が33%だった。しかし、フクイチ事故後の現在でも再稼働してしまうようなら、「将来、原発廃止」というのは、もう一度どこかで過酷事故が起こるまで不可能であるため、脱原発は今しなければならない。そして、「有害物質を決して含まない食品を生産する九州(又は日本)」というスタンスを守り、そのイメージを定着させるには、今、脱原発することが必要不可欠である。

*6:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/163292
(佐賀新聞 2015年3月6日) 「原発は廃止」86% コープさが生協アンケート
 コープさが生協(干潟由美子会長)が組合員を対象に原発と電力供給をテーマに行ったアンケートで、8割以上が「原発を廃止すべき」と回答した。時期については「将来」が53%で、「すぐ」が33%。理由として「事故の可能性がゼロではなく、事故による被害が大きすぎる」が85%に上った。アンケートは2014年8月、生協の意思決定に関わる275人と、無作為抽出の一般組合員228人、計503人に初めて実施した。原発の継続・廃止の考えなどを無記名方式で聞き、半数の252人が答えた。理由は複数回答。「廃止すべき」とした理由はほかに、「使用済み核燃料の処分方法が決まっていない」が69%だった。事故のリスクに加え、使用済み核燃料の処理技術が確立されていないことに対する不安の大きさが表れた。「将来も必要」は7%で、その理由として「安さと安定供給」が65%、「新しい規制基準で安全性が高まった」が59%だった。原発再開にあたって不安に思うことは、「使用済み燃料の処理方法」が56%、「放射能漏れ事故を完全に防ぐ方法」が54%、「事故が起きた場合の情報開示」45%と続いた。


PS(2015.3.9追加):やはりメルケル首相は偉い。そして、「日本は資源確保に問題を抱えている」というのも、日本の経産省が「大金で石油を買えばよい」という態度を続けてきた傲慢で不作為の結果にすぎず、実際には、水素、地熱、太陽光、風力、水力などの再生可能エネルギーを真剣に開発すれば、使いきれずに受付を中止するほどの電力ができ、化学工業も天然ガス由来の成分で可能なのである。

*7:http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2015030902000130.html
(東京新聞 2015年3月9日) 脱原発「日本も同じ道を」 独首相が呼び掛け
 【ベルリン=共同】ドイツのメルケル首相は7日に政府ホームページ上で公開された映像で、東京電力福島第一原発事故を受けてドイツが早期の脱原発を決断し、再生可能エネルギーの普及を進めているとし「日本も同じ道を歩むべきだ」と呼び掛けた。メルケル氏は9日から訪日する。ドイツは二二年までに全ての原発を停止する計画だが、日本では原発の再稼働に向けた動きが本格化。九州電力川内1、2号機の今夏以降の再稼働が見込まれている。メルケル氏は「日本は島国のため資源確保に問題を抱えている。(日独が)原子力をめぐり違う道を歩んでいる理由は、そういうところにあるのかもしれない」と指摘。事故の経験から言えることは「安全が最優先ということだ」と強調した。また、日本について、中国に次ぐ「アジアの貿易相手国で、ドイツと価値観を共有している」と強調。九日の安倍晋三首相との首脳会談では、ドイツで六月に開かれる先進国首脳会議(サミット)の議題について説明するとした。


PS(2015.3.11追加):私は、*8-1、*8-2の小泉元首相の発言に賛成で、「脱原発こそ、日本の持続可能な経済成長を支え、エネルギー自給率100%の国を作り、福祉に福音を与える」と信じている。また、*8-3のように、原発に反対してきた京大原子炉研究所の小出助教の発言もあり、原子力分野は小出さんのような人を最後まで助教(少し前まで“助手”と呼んだ)にしかせず、公開討論会でも馬鹿にしたような態度をしていたことを忘れてはならない。

*8-1:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150311/k10010011801000.html
(NHK 2015年3月11日) 小泉元首相 政治主導で原発のない社会を
小泉元総理大臣は福島県喜多方市で講演し、原発の再稼働を進める政府の方針を批判したうえで、政治主導で原発のない社会を実現すべきだという考えを重ねて示しました。この中で小泉元総理大臣は、福島の原発事故に関連して、「事故から4年たったが、原因究明がきちんとされず、汚染水も『コントロールされている』と誰かが言っていたが、全然されていない。政府は『日本の安全基準は世界でいちばん厳しい』と言うが、ほかの国より何が厳しく安全なのか説明しておらず、それで再稼働しようということにあきれている」と述べ、原発の再稼働を進める政府の方針を批判しました。そのうえで、小泉氏は、今後のエネルギー政策について、「政治が『原発ゼロ』にかじを切れば、必ず自然エネルギーで経済成長できる国になる。実現可能な大きな目標が原発ゼロの社会だ」と述べ、政治主導で原発のない社会を実現すべきだという考えを重ねて示しました。小泉氏は、講演のあと記者団に対し、「安倍総理大臣が『原発ゼロ』にしようと言えば、自民党の多数は協力するし、野党も協力する。一国の指導者として、自然エネルギー大国を実現する環境が整っていながら、やらないのは、もったいない」と指摘しました。また、小泉氏は、戦後70年の「総理大臣談話」について、「少し騒ぎすぎだ。安倍総理大臣がさまざまな方面の意見を聞きながら判断すればいい」と述べ、安倍総理大臣の判断を尊重すべきだという考えを示しました。

*8-2:http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2442115.html
(TBS 2015年3月11日) 耐え続ける福島、原発事故で「止まった時間」
 津波に加えて、原発事故の傷に4年経っても耐え続けている福島。原発から20キロ圏内に市の一部がかかっている南相馬でも、鎮魂の灯りが灯されました。福島県の沿岸部にある南相馬市では、4年前のあの日と同じように小雪がちらつき、冷たい風が吹きつけています。こちらでは、メッセージが書かれたキャンドルに灯りが灯され、震災の犠牲者を追悼するイベントが開かれています。南相馬市では、津波などで500人以上が犠牲になっただけでなく、福島第一原発から20キロ圏内にある市の南部の地域は、原発事故によって現在も避難指示が続いています。福島県内では、地震や津波などであわせて1604人が犠牲になりました。これに対し、原発事故による避難などが影響して亡くなった「関連死」は、1884人にのぼっていて、震災の「直接死」を上回っています。原発事故で、今もおよそ12万人の避難が続いている福島県。原発の問題を抱える「被災地」の4年間です。東京電力・福島第一原発。事故から4年を迎える現場は今、汚染水をめぐる問題で揺れています。東日本大震災から4年を迎えた11日、福島第一原発の免震重要棟には、東京電力の広瀬社長などが訪れ、社員に訓示しました。「我々は少なくとも(県民と)同じ方向を向いて、一日でも早い復興、一日でも早い漁業の再開を我々も目指していく」(東京電力 広瀬直己社長)。一方で、福島県内には11日、小泉純一郎元総理も訪れ、集まった県民を前に「脱原発」を訴えました。「『原発安全』『コストが安い』『クリーンエネルギー』。これが全部ウソだということが分かったんです。よくもこういうウソをいまだに政府が言っているなとあきれているんです」(小泉純一郎元首相)。福島県では原発事故の影響により、今もおよそ12万人がふるさとを離れて避難生活を送っています。そうした中、国は除染で出た土などを保管する中間貯蔵施設を福島第一原発の周辺に建設することを決め、13日から一時保管場に廃棄物の搬入を始めます。施設が建設される町の住民は、ふるさとの土地を奪われることに、複雑な思いを抱いています。「非常に我々地権者も悔しい気持ちでいっぱい。(施設が建設される)大熊町民・双葉町民、みんな幸せになる権利がある」(施設の地権者)。原発事故、そして放射能の問題を抱える福島県。福島第一原発周辺の地域では、来年度以降、徐々に避難指示が解除されていく見通しですが、時間が止まったままの地域をどのように再生していくか、課題も残されています。

*8-3:http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20150307000149 (京都新聞 平成27年3月8日) 小出・京大助教「原発は犠牲を他者に」 退職前に講演印刷用画面を開く
 京都大原子炉実験所助教の小出裕章さんの現職では関西で最後となる講演が7日、京都市下京区のシルクホールであった。小出さんは「原子力は徹頭徹尾危険で、犠牲を他者にしわ寄せする」と指摘し、原発再稼働に向けた審査が進む流れを「避難計画は自治体任せで誰も責任を取らない仕組みだ」と批判した。府民らが企画した「バイバイ原発3・7きょうと」の一環。約500人が参加した。小出さんは、汚染水が増加している東京電力福島第1原発の現状を「施設全体が放射能の沼のようになっている」と表現。研究者としての経験を踏まえ、「原子力の場にいた人間として大きな責任がある。子どもたちの被ばくを少しでも少なくしたい」と語った。また「仮に事故にならなくても生み出してしまった放射性物質は消えない」と原発の問題点を挙げた。「人間という生物種のスケールでも測れない長い期間、責任を取れない毒物を生み出す。いいかげんに目を覚まし、原子力利用から抜け出ることが大切だ」と訴えた。


PS(2015.3.14追加):事故があれば、農林漁業はじめ工業・観光業もすべて駄目になるのに、鹿児島県の人はそれでいいのだろうか?

*9:http://qbiz.jp/article/57920/1/
(西日本新聞 2015年3月14日) 川内1号機、工事計画18日認可 6月下旬にも再稼働
 原子力規制委員会が、再稼働の前提となる審査を進める九州電力川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の工事計画を、18日の定例会合で認可する方向になったことが分かった。認可されれば、審査はほぼ終了。使用前検査を経て、6月下旬にも新規制基準に沿った原発として全国で初めて再稼働する。2号機はさらに1カ月程度遅れる。規制委事務局の原子力規制庁関係者は13日、川内1号機の工事計画の審査について「作業は終盤」と述べ、18日の定例会合で議論する方針を明らかにした。安全対策の詳細設計をまとめた工事計画は、九電が2月末に提出。今月10日に一部修正版を提出している。工事計画が認可されれば、九電は設備の作動状況などを確認する使用前検査を申請。検査は3カ月程度かかる見通しで、再稼働は6月下旬以降になるとみられる。九電は、1号機と一部設備を共用する2号機の工事計画の書類を4月上旬に提出する予定。2号機の工事計画と、運転管理体制をまとめた1、2号機共通の保安規定の認可で、13年7月に始まった川内原発の審査は最終的に終了する。

| 資源・エネルギー::2014.10~2015.4 | 11:41 AM | comments (x) | trackback (x) |
2015.1.30 輸入LNG由来ではなく、国内自然エネルギー由来の水素を使うべき ← 国富を流出させ、どうしても化石燃料を輸入したいのは、経産省と商社の怠惰にすぎない
  
2014.12.13日経新聞      2015.1.14西日本新聞     2015.1.3日経新聞    

(1)九電の再生エネ買取制限
 *1-1のように、九電が再生エネルギーの新規契約を中断したことにより、鹿児島県内だけで太陽光・風力発電の新規契約への回答保留が約1万5千件に上り、契約違反で困っている人が多い。これについて、九電は「九州の太陽光発電量は全国の4分の1を占め、他地域より急速に再生エネが加速した。このままでは電力の需給バランスが崩れ、安定供給できなくなる」などと説明したそうだが、一方で、川内原発を再稼働させようとしており、九電の説明には無理がある。

 もちろん、環境・景観・農業などを無視したメガソーラーの乱立は控えるべきだが、これは契約を結んで投資させる前に断らなければならないものであり、口頭の了承であっても契約は成立しており、契約違反には訴訟して損害賠償請求することができる。そのため、被害者は集団訴訟する方法もある。

 また、*1-2のように、九州経済産業局が福岡市で新ルールの説明を行った時も、「ルール変更で採算性が見えなくなった」などの不安や疑問の声が上がったそうだが、一方的なルール変更(契約変更)による損害も損害賠償請求できるし、九電ではなく新電力に電力を販売する方法もある。新電力は電力不足で九電より高く電力を購入するが、再生エネの収益で原発や火力発電の穴埋めなどを行う必要がないため、採算が合うだろう。

 そのため、*1-3のような「あきらめムード」にはなって欲しくないし、「九州では、再生エネ由来の電力が、電力需要を上回りそうなときに『出力抑制』を無制限に行えるように、一方的に契約を変更する」というのは、他の方法がないわけではないため、商取引の信義側に反している。そのため、一方的な契約変更による損害は、契約した事業者や個人の責任ではなく、契約変更した電力会社と国の責任であり、損害賠償請求ができるのだ。また、家庭用を含む全ての太陽光発電に出力抑制を拡大しつつ、安定電力がないから原発を再稼働させるというのは、今の時代、誰が聞いても呆れる。

(2)化石燃料の輸入に固執する日本政府
 *2-1のように、石油元売り大手の東燃ゼネラル石油が高効率の火力発電所を建設し、液化天然ガス(LNG)船でLNGを輸入して、売電や電力小売りにコスト競争力の高い電源を確保するそうだ。しかし、LNGは日本にはメタンハイドレートという形で大量に埋蔵されており、それを使えばLNGは輸入どころか輸出でき、国庫にも税外収入が入る。

 また、(1)の自然エネルギー由来の電力で水を電気分解すれば、水素と酸素がいくらでもできるのに、経産省は、2-2のように、「商業用水素発電所の実用化に向け国内調達だけでは水素が足りない」としてわざわざ化石燃料由来の水素を海外調達するために、来年度予算案に20億円を盛り込んだそうで、これは大変な無駄遣いだ。

 経産省や商社が化石燃料由来のエネルギーを輸入したがるのは、これまで世界で最も高い価格で化石燃料を輸入してきた人員を擁しているからだろうが、高い価格で買うのは誰にでもでき、安い価格で買ったり、高い価格で売ったりすることが難しいのであって、後者の方が国民経済や産業のために役立つのである。そのため、そういう人材は、LNGや水素の輸出部門に移動させるのがよいと考える。

(3)韓国では・・
 *3のように、韓国の現代自動車グループが、韓国南西部の光州を水素バレーに育てる計画を始め、水素と燃料電池車(FCV)で光州を世界トップの地位につけたいそうだ。そして、ディーゼル車100万台をFCVに置き換えれば、年間1兆5000億ウォン(約1600億円)の原油輸入代替効果をもたらし、二酸化炭素(CO2)排出量を年間210万トン減らせるとのことで、こちらの方がまともだ。

 また、2030年の燃料電池市場は世界で400兆ウォン、2040年の燃料電池産業は韓国国内で107兆ウォン、生産誘発効果は約23兆5千億ウォン、雇用効果は17万3298人と見込まれるそうだが、私が最初に言って日本で始まった水素でさえ、日本は外国を見て真似することしかできないとは情けない。そして、この理由こそが、改革すべき岩盤なのである。

(4)政府公用車も燃料電池車と電気自動車にすべき
 そのような中、*4のように、九大は大学の公用車として燃料電池車(FCV)を3月中旬にも導入し、トヨタ自動車の「ミライ」を導入するそうだ。九大が水素エネルギー分野の研究に力を入れているのはGoodだが、政府や地方自治体も燃料電池車や電気自動車の優秀さを知り、普及に先だってインフラの課題を理解し解決するために、公用車は燃料電池車(FCV)か電気自動車に早急に変えるべきである。

<電力会社の急な再生エネ買取制限>
*1-1:http://qbiz.jp/article/47065/1/
(西日本新聞 2014年10月3日) 怒号上がり会場騒然 鹿児島説明会に550人、再生エネ契約中断
 九州電力は2日、再生エネルギーの新規契約を中断したことについて、鹿児島県内の事業者向けの説明会を鹿児島市鴨池新町の県市町村自治会館で開いた。定員の200人を大きく上回る約550人が詰めかけ、九電は急きょ追加の説明会を同市与次郎2丁目の九電鹿児島支社でも開催した。九電によると、鹿児島県内で太陽光・風力発電の新規契約への回答保留は約1万5千件に上る。説明会で九電側は「九州の太陽光発電量は全国の4分の1を占め、他地域より急速に再生エネが加速した。このままでは電力の需給バランスが崩れ、安定供給できなくなる」などと説明。保留した契約が将来どうなるのかについては「なるだけ早く示したい」と述べるにとどめた。参加者からは「時期を示せ」「自己破産したらどうしてくれる」と怒号も上がり、会場は騒然とした。九電は3日も午後1時半から県自治会館で説明会を開く。
◆「老後どうなる」「無責任」
 「このままでは倒産だ」「対応が無責任すぎる」−。鹿児島県での再生エネ新規契約中断の説明会の参加者からは、不安や憤りの声が相次いだ。大崎町の自営業男性(31)は、太陽光発電への設備投資に銀行から1億円を借り入れ、既に土地購入と造成で5千万円を使ったという。「九電の営業担当者の『大丈夫』という言葉を信じて投資したのに…。契約の一律中止は納得できない」と怒りをあらわにした。同様に鹿屋市の会社員男性(59)は、来年の定年に備えて千数百坪の土地を約400万円で山中に購入。九電に個人で売電契約を申し込んでいた。有給休暇を取って説明会に参加したが、九電から納得のいく説明はなく、「年金生活の足しにしようと思っていたのだが…。私の老後はどうなるのか」と漏らした。鹿児島市の不動産会社に勤める男性(33)は、福島第1原発事故後、太陽光発電設備向けの土地の販売業務に当たってきた。「これまで業績は順調だったが、土地が売れなくなると、2、3億円の損害は免れない」とため息をついた。霧島市の電気工事会社の社員の男性(48)は、回答保留になった顧客の申し込みを数十件抱えている。「顧客に説明するため来たが、こんな内容では何の説明もできない。説明会の会場も狭すぎるし、九電は真摯(しんし)に対応する気があるのか」と不信感を募らせた。説明会の質疑応答では、「個別事情は把握していない」などと繰り返す九電の担当者に対し、参加者から「川内原発が再稼働すればますます電気が余るので、大変ですね」と皮肉の声も上がった。

*1-2:http://qbiz.jp/article/54799/1/
(西日本新聞 2015年1月30日) 電力買い取り、新制度に不安 九州経産局が再生エネ説明会
 太陽光発電など再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度のルール変更に伴い、九州経済産業局は29日、福岡市で新ルールの説明会を開催した。九州各地から集まった事業者や個人からは「ルール変更で採算性が見えなくなった」など不安や疑問の声が上がった。予定の300人を大幅に上回る500人以上が参加。経済産業省資源エネルギー庁の担当者が、26日から適用された新ルールで九州では、需要を上回りそうなときに電力会社が事業者に発電を止めてもらうなどの「出力抑制」を無制限に行えるようになったことなどを説明した。会場からは「時間制の出力抑制は、1回当たりどれくらいの長さか」「再生エネの接続可能量を定期的に見直すとしているが、どれくらいの期間か」などの質問が続出。これらに対し、同庁担当者は「出力抑制の公正、公平なルールを早期に整備したい」「接続可能量の見直し期間は決まっていないが、1年ごとぐらいになると思う」と答えた。終了後、再生エネ事業を展開する機械メーカー(東京)の担当者は「出力抑制が無制限となるため、事業性の試算ができなくなる。もともと国の制度設計に甘さがあった」と指摘。福岡市の事業者は「今後は、新規計画を進めるのは難しい」との見通しを示した。出力抑制は、出力500キロワット以上の大型設備だけでなく、家庭用を含む全ての太陽光発電に拡大。3月末までに契約した出力10キロワット未満の太陽光発電は対象から外れるが、4月からは新ルールが適用される。住宅用太陽光発電の施工を手掛ける福岡県筑紫野市の事業者は「お客から多くの相談を受けるが、説明会ではよく分からなかった」と困惑した表情。「2月4日にも九州電力の説明会があるので、そちらにも参加して対応を考える」と述べた。再生エネの買い取り制度について国は、価格改定を現在の1年ごとから半年ごとに変更するなどの検討を進めている。事業者や個人にとって、いかに採算予見性などを示せるかが、今後の普及の鍵となりそうだ。

*1-3:http://qbiz.jp/article/54799/1/
(西日本新聞 2015年1月30日) 再エネ事業化、あきらめムード 福岡、新制度説明会に500人超
 太陽光発電など再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度のルール変更に伴い、九州経済産業局は29日、福岡市で新ルールの説明会を開催した。九州各地から集まった事業者や個人からは「ルール変更で採算性が見えなくなった」など不安や疑問の声が上がった。予定の300人を大幅に上回る500人以上が参加。経済産業省資源エネルギー庁の担当者が、26日から適用された新ルールで九州では、需要を上回りそうなときに電力会社が事業者に発電を止めてもらうなどの「出力抑制」を無制限に行えるようになったことなどを説明した。会場からは「時間制の出力抑制は、1回当たりどれくらいの長さか」「再生エネの接続可能量を定期的に見直すとしているが、どれくらいの期間か」などの質問が続出。これらに対し、同庁担当者は「出力抑制の公正、公平なルールを早期に整備したい」「接続可能量の見直し期間は決まっていないが、1年ごとぐらいになると思う」と答えた。終了後、再生エネ事業を展開する機械メーカー(東京)の担当者は「出力抑制が無制限となるため、事業性の試算ができなくなる。もともと国の制度設計に甘さがあった」と指摘。福岡市の事業者は「今後は、新規計画を進めるのは難しい」との見通しを示した。出力抑制は、出力500キロワット以上の大型設備だけでなく、家庭用を含む全ての太陽光発電に拡大。3月末までに契約した出力10キロワット未満の太陽光発電は対象から外れるが、4月からは新ルールが適用される。住宅用太陽光発電の施工を手掛ける福岡県筑紫野市の事業者は「お客から多くの相談を受けるが、説明会ではよく分からなかった」と困惑した表情。「2月4日にも九州電力の説明会があるので、そちらにも参加して対応を考える」と述べた。再生エネの買い取り制度について国は、価格改定を現在の1年ごとから半年ごとに変更するなどの検討を進めている。事業者や個人にとって、いかに採算予見性などを示せるかが、今後の普及の鍵となりそうだ。

<化石燃料の輸入と原発に固執する日本政府>
*2-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150129&ng=DGKKZO82516690Y5A120C1TJ2000 (日経新聞 2015.1.29) 東燃ゼネがLNG火力、最大200万キロワット、静岡ガスと連携 電力小売りにらむ
 石油元売り大手の東燃ゼネラル石油は静岡市に高効率の火力発電所を建設する。液化天然ガス(LNG)を燃料とし最大200万キロワットの発電能力を備える。投資額は1500億~2千億円で、稼働は2021年以降の予定。静岡ガスなどとの連携を見込む。エネルギー事業の多角化を打ち出した東燃ゼネが大型火力発電設備を持つのは初めて。電力会社への売電や電力小売りに向けコスト競争力の高い電源を確保する。建設に必要な環境アセスメント(影響評価)に向け、前段階となる環境配慮書を28日に経済産業省と静岡県、静岡市に提出した。静岡市の清水港近くにある東燃ゼネの敷地内に建設する。同所には東燃ゼネの油槽所や、静ガスと共同出資するLNG貯蔵施設がある。LNG船を受け入れる桟橋など発電所運営に必要なインフラがそろっている。燃料費は石炭の方が安いが設備投資を抑えられる。発電はまず100万キロワット規模で始め、需要に応じ200万キロワットまで拡大できるように設計する。石油元売り、都市ガス大手など異業種が建設を計画している発電所は数十万~100万キロワット級が多く、200万キロワットが実現すれば最大級になる。電気は東京電力や中部電力への売電に加え、一部は16年に全面自由化される小売りに回すことも視野に入れる。東燃ゼネはエコカーの普及でガソリンなどの需要が減るなか電力事業を新たな収益源に育てる考えだ。出遅れ気味だったエネルギー事業の多角化では、今回のLNG火力が本格的な最初のプロジェクトとなる。発電事業には、電力小売り参入を表明している静ガスのほか、東電や三井物産も参加を検討している。東電は域外での電力販売に力を入れており、域外に電源を確保できるメリットがある。三井物産はLNG取引量を増やせる。コンバインドサイクル(複合発電)と呼ぶ高効率の火力発電方式を採用する。ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせて効率よく電気をつくる。二酸化炭素(CO2)や大気汚染物質の排出も抑えられる。建設資金は事業が生み出すキャッシュフローを返済原資とするプロジェクトファイナンスで調達する考えだ。大手銀のほか地元地銀や県などとも調整している。

*2-2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150129&ng=DGKKASDF28H0T_Y5A120C1EE8000 (日経新聞 2015.1.29)
経済水素発電の実用化を支援 経産省、企業の調達費補助
 経済産業省は、商業用水素発電所の実用化に向け、企業支援に乗り出す。まず水素の海外調達などの取り組みにかかる費用の3分の2まで補助する制度を創設。来年度予算案に20億円を盛り込んだ。今後は水素発電の実証設備や安全規制などの整備を進める考えだ。水素は発電時に二酸化炭素を排出しないため注目されている。2030年以降、水素による電気が家庭にとどく環境を整える。工場などが自家発電で水素を使うケースはあるが、商業用の大型水素発電所はまだない。経産省は昨年10月、実用化に向けた有識者会議を立ち上げた。今年度中に水素発電の導入に向けた経済面や制度面の課題を整理し、政策に生かす。実現には、水素の流通量が少ないことが課題だ。経産省によると、今は1立方メートル当たり20円から30円台後半を中心に取引され、市場への流通量は年間3億立方メートルほど。100万キロワット級の水素発電所1基で年間約24億立方メートルの水素が必要とみられ、国内調達だけでは水素が足りない。

<韓国では>
*3:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150130&ng=DGKKZO82568680Z20C15A1FFE000 (日経新聞 2015.1.30) 現代自会長の「水素愛」 光州で産業集積進むか
 現代自動車グループの鄭夢九(チョン・モング)会長の「水素愛」が、韓国南西部の光州で花開く。(政府の新産業育成施設の)光州創造経済革新センターが27日開かれ、光州を水素バレーに育てる計画が始まった。鄭会長は昨年、スポーツ多目的車(SUV)「ツーソン」がベースの燃料電池車(FCV)を披露しただけに、光州が世界トップの地位につける役割を果たすことが期待される。これは鄭会長が強調してきた「水素自動車の経済学」から始まった戦略に沿ったものだ。韓国自動車産業研究所によると、ディーゼル車100万台をFCVに置き換えた場合、年間1兆5000億ウォン(約1600億円)の原油輸入代替効果をもたらす。FCV100万台の運用で、二酸化炭素(CO2)の排出量は年間210万トンほど減らせる。日経BPクリーンテック研究所によると、2030年の世界の燃料電池市場は400兆ウォン。ブ・キョンジン・ソウル大教授は「40年の燃料電池産業は国内で107兆ウォンに達し、生産誘発効果は約23兆5千億ウォン、雇用効果は17万3298人と見込まれる」と説明する。光州のインフラは魅力的だ。現代自の関係者は「水素の生産基地である麗水産業団地が近く、光州科学技術院、全南大学など研究施設が充実している」と指摘。関連企業も多く、産学連携でFCV関連技術の競争力を引き上げる計画を示す。だが現代自グループは水素バレー構想には慎重だ。構想は光州圏の議員らが作ったもので、20年までに総額8347億ウォンを投じ、光州を自動車100万台生産都市にするという内容だ。現代自グループは光州に40万台を追加生産できる設備を整える必要があるが、人件費が中国の3倍かかり、対応できないとの立場を示している。

<政府公用車も燃料電池車と電気自動車にすべき>
*4:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150129&ng=DGKKZO82499970Y5A120C1TCQ000 (日経新聞 2015.1.29) 九州大、公用車に「ミライ」導入
 九州大学は大学の公用車として燃料電池車(FCV)を3月中旬にも導入すると発表した。トヨタ自動車の「ミライ」を導入する。FCVは燃料電池の開発を含む研究に活用したり、学長が使用したりする。イベントなどで貸し出して住民への情報発信にも利用する。九大は現在、移転を進める伊都キャンパス(福岡市西区、福岡県糸島市)内で水素エネルギー分野の研究に力を入れている。キャンパス内ではFCVの燃料となる水素を製造、貯蔵する水素ステーションを備え、水素を電気に変える燃料電池を研究している。


PS(2015年1月31日追加):*5-1に、2030年時点の電源構成比率(エネルギーミックス)について、有識者会議の坂根委員長の発言が掲載されているが、「①再生エネはコスト高」「②理想と現実は分けるべき」「③温暖化対策の観点から原発は20%台必要」「④再生エネは出力が天候に左右される欠点がある」「⑤再生エネの買い取り価格も電気料金に上乗せされる」「⑥発電実績(13年度で11%)や国民負担のバランスを勘案すると、比率は20%台前半が現実的」などとして、「⑦新たなエネルギーミックスでも原発を一定水準確保する」と結論づけている。
 しかし、①④は、再エネが導入されてから10年程度で機器や蓄電池・水素燃料などが進歩し、*5-2のように、建設してから50年以上経ても重要なことが何一つ解決していない原発とは比較にならないほど解決している。また、③は環境の視点で人にとって最も悪いのは原発由来の放射性物質であることを意図的に隠蔽しており、⑤については輸入化石燃料はすこぶる高い上、原発こそ最も国民負担の多いエネルギーだという証明済の事実を無視している。さらに、②のように「理想と現実は違う」として何でも妥協して短期的視野で安きに流れるのをよいこととするのが文系の駄目なところであり、こういう意識に基づいた判断がせっかくの先進技術を殺して日本経済を停滞させているのである。
 また、⑥の発電実績は、太陽光発電は原発とは異なり、受け入れ電力会社が買取拒否するほど短期間に伸びたことで有用性が証明済であり、このように、⑦の結論を導くために再生エネへの言いがかりや論理の不備・こじつけが多すぎるのは、見兼ねるものがある。

     
 2014.1.19            2015.1.31西日本新聞         2014.7.8京都新聞  
 西日本新聞
*5-1:http://qbiz.jp/article/54890/1/
(西日本新聞 2015年1月31日) どうなるエネルギーミックス 原発と再生エネが焦点
 経済産業省は30日、有識者による「長期エネルギー需給見通し小委員会」(委員長・坂根正弘コマツ相談役)の初会合を開き、2030年時点の電源構成比率(エネルギーミックス)に関する議論を始めた。温暖化対策がテーマになるとみられる6月のドイツ・サミットまでに結論をまとめたい考え。委員会は再生可能エネルギーや原発、火力の発電コストを再検証し、安定供給や安全性、自給率、環境への適合性などを踏まえ最適な電源構成を決める。坂根委員長は「まずは省エネと再生エネをどこまで導入できるか、徹底的に議論したい」と述べた。会合では再生エネについて「エネルギーの自給率向上や温暖化対策につながる」と導入拡大を求める意見が出た一方で、「再生エネはコスト増につながる。中小企業は電気料金値上げであえいでおり、理想と現実を分けて考えるべきだ」と慎重な声も相次いだ。
   ■    ■
 経済産業省が30日に始めた電源構成比率(エネルギーミックス)の議論は、東京電力福島第1原発事故や環境問題などを踏まえ、原発と再生可能エネルギーをどう位置付けるのかが最大の焦点だ。論点をQ&Aで整理する。
 Q エネルギーミックスとは。
 A 国民生活や企業活動に不可欠な電力の需要を、どう賄うかを示す重要な指標だ。経済性や環境性
   などを勘案して原子力、火力、太陽光などの再生可能エネルギーの配分を決める。1960年代から
   3〜5年ごとに見直し、2000年代以降はエネルギー基本計画に合わせて策定している。政府は
   昨年4月に新しい計画を閣議決定したが、その際は電源構成比率は盛り込まなかった。前回は
   民主党政権時代の10年に示されており、5年ぶりの見直しになる。
 Q 注目点は。
 A 原発の位置付けになる。前回は20年後(2030年)の原発比率を約50%とした。原発は二酸化炭
   素(CO2)を排出せず環境に優しく、発電コストも低いという考え方だ。当時(09年度実績)の原発
   の発電比率は29%。2倍近くに増えることになり、九州電力が川内原発(鹿児島県薩摩川内市)に
   3号機建設計画を進めるなど、原発拡大の機運が高まった。それが、11年3月の福島第1原発事
   故で一変。民主党政権は12年に原発ゼロ方針を打ち出した。ところが、政権を奪回した自民党は
   原発活用路線に戻し、昨年4月のエネルギー基本計画に原発を「重要なベースロード電源」と明記
   した。新たなエネルギーミックスでも原発を一定水準確保する方針だ。
 Q 政府は、原発の運転期間を原則40年としている。原発の比率は自然に下がっていくのでは。
 A ルールを厳格に適用すると、48基ある原発は30年に18基になる。建設が進む2基が稼働すれ
   ば発電比率は15%程度になる。ただ、原発は条件を満たせば60年まで運転を延長できる。
   政府は「原発依存度を可能な限り低減する」としているが、温暖化対策の観点から20%台は必要
   との声がある。
 Q 再生エネはどうなりそうか。
 A 国民の原発不信は根強く、政府は前回の「約20%」を上回る水準とする方針だ。再生エネは欧州
   などで導入が進むが、出力が天候に左右されるなどの欠点もある。増やすには広域で電力を融通
   するための連系線増強や補助電源の確保が必要で、多額のコストがかかる。コストも、再生エネ
   の買い取り価格も電気料金に上乗せされる。再生エネの発電実績(13年度で11%)や国民負担
   のバランスを勘案すると、比率は20%台前半が現実的なところとみられている。

*5-2:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015012801001163.html
(東京新聞 2015年1月28日) もんじゅ、未点検機器約7千点に 報告書で不備
 日本原子力研究開発機構は28日、事実上の運転禁止命令が出ている高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)について、昨年12月に原子力規制委員会に提出した機器保全計画の見直し報告書に不備があり、未点検機器が約500点増え、7千点近くに上ると明らかにした。敦賀市役所で記者会見した機構幹部は「確認が甘かった」と謝罪した。機構によると、不備があったのは禁止命令解除に必要な報告書で、保安規定の変更申請とともに昨年12月、規制委に提出した。その後確認作業を進めると、1次系ポンプに関する機器などが未点検の数に含まれていなかったことが分かった。

| 資源・エネルギー::2014.10~2015.4 | 10:44 PM | comments (x) | trackback (x) |
2015.1.16 原発再稼働は、水素燃料・燃料電池時代には不要である (2015年1月16日、17日に追加あり)
        
ソフトバンクの電力買取 燃料電池+太陽光発電  ハイブリッド発電 ハウスの太陽光発電  

(1)玄海原発の再稼働について
 佐賀県知事選の後、*1-1のように、山口新知事は、来週中にでも九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)を視察する考えを表明したそうである。しかし、「現場主義」は当たり前であり、現場を見ずに判断できることなど殆どなく、現場で何を見てどう判断するのかが重要である。そのため、就任直後に原発視察が実現したからといって、それが早期の原発再稼働の判断に繋がると考えるべきではない。

 現在、原発再稼働の問題は、主に①過酷事故発生の可能性 ②過酷事故で汚染される地元の範囲 であり、私が、このブログにずっと記載しているとおり、①はゼロではなく、②の汚染される範囲は便宜的に30キロ圏内とされているものの、実際には奈良県まで達するわけである。このような中、鹿児島県の川内原発が、立地自治体である薩摩川内市と鹿児島県の同意だけで再稼働の手続きを終えたとしているのは、単なる手続主義であって、危機管理上の雛型には全くならない。

 また、実際に過酷事故が起こったフクシマでは、事前の説明や事故後の対応への不信から、*1-2のように、福島県民は「負担増でも脱原発」という意見が4割を占め、また、*1-3のように、福島県民の7割が「原発再稼働反対」になっている。また、*1-4の東海村JCO 臨界事故の後、JCOから地元や国への通報が遅れて住民が危険に晒されたため、東海村村長も脱原発派になったのである。

 そのため、*1-1に書かれているように、「山口新知事は茨城県東海村のJCO臨界事故の際に、内閣官房の担当者として現場で事故処理に当たり、危機管理分野の行政経験が豊富」というのなら、その時、どういう方針で事故処理に当たったのかが最も重要である。そして、その対応と判断の方針が、一般に法学部卒で行政官だった人には期待できない理由で、法学部教育の問題だと言われているのだ。

(2)水素と燃料電池の進歩により、原発の必要性はなくなったこと
   
         農業現場で使われている電気自動車            トヨタのミライ

 「①原発は安価」「②原発は安定電源」「③原発はCO2を出さないため無公害」などが、原発の利点としてよく言われてきたが、①は真っ赤な嘘であり、②は集中電源であるため広域停電の可能性があり、③は、CO2より深刻な放射能公害を引き起こすため、すべてが否定された。そして現在は、自然エネルギー由来で100%国産エネルギーのクリーンな水素燃料が実用化されている。

 さらに現在は、*2-1のように、東京都が燃料電池バスに購入補助を行って普及を促し、トヨタ自動車は、*2-2のように、燃料電池車「MIRAI(ミライ)」の受注が1カ月で約1500台に達し、燃料の水素を補充する「水素ステーション」の整備が進められている時代である。ミライの個人購入者は男性が9割を占めるのは、燃料電池車のスタイルと価格帯のせいであり、女性の方が趣味の運転ではなく実用目的で車に乗っているため、ラインナップを増やせば、費用が安くて環境によい車を選択する傾向が強いだろう。

 このような中、*3-1、*3-2のように、九電が太陽光発電などの余剰電力で水素を製造し、燃料電池車(FCV)などの燃料として活用するそうだ。これは、環境に優しい水素社会の実現に向けたモデルケースになるため、原発に交付金を与えるのではなく、この次世代エネルギーを補助して推進すべきなのである。日本では、これまで、離島など田舎に行くほど燃料費が高くて不利だったが、これによって地方でエネルギーが作られて新しい収入源になるため、これらを早急に実用化すべきだ。

(3)では、原発について佐賀県民がやるべきことは何か
 このまま原発再稼働をせずに脱原発すれば、佐賀県や玄海町、唐津市が原発交付金を得られなくなるのは事実だ。しかし、佐賀県民は、①今後もそういうリスクをとって交付金をもらう立場を続けるのか ②原発やオスプレイなどのリスクは引き受けずに、農林漁業、製造業、サービス業などの普通の産業で稼ぎだすのか についての選択をしなければならない。

 そして、②の意志決定をすれば、今までもらっていた交付金を埋めるだけの産業振興方針と県民全体の頑張りが必要であるため、その覚悟を決めるためにも、原発再稼働一点に絞って県民投票をするのがよいと考える。そうやって卒原発すれば、他地域の雛型にもなるだろう。

 私自身は、必要なインフラを整備して時代の変化の中で新しい産業に入り、本気でふるさと納税を集め、消費税を地方税化させれば、脱原発は可能であるし、そうしなければならないと考えている。なお、このブログの「まちづくり」等のカテゴリーで記載してきたように、インフラ整備にもいろいろな方法がある。

*1-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/146046
(佐賀新聞 2015年1月16日) =選択の先に~山口新知事=(下)玄海原発再稼働
 「できるだけ早急に、来週中にでも時間が取れればと思っている」。14日の就任会見。山口祥義知事は九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)を視察する考えを表明した。スケジュールを担当する秘書課職員に「最初の視察先」として指定したのは当選翌日の12日。「まずは玄海と決めていた」というように、その行動は速かった。「現場主義」。選挙中から声高に主張し続けた政治スタイルを早速、県政の最重要課題の舞台で実行してみせることになる。「まずは原発を見たいと言われていたが、就任直後に実現するとは。驚いている。早期の再稼働の判断にもつながる」。玄海町の岸本英雄町長は知事の言動を期待感を持って受け止める。
▽二つの宿題 
 玄海原発の再稼働問題は、佐賀空港へのオスプレイ配備計画と同じく、古川県政時代から引き継がれた「宿題」だ。ただ、この県民世論を二分する二つの問題に対する山口知事のスタンスは微妙に違う。オスプレイ問題では「古川県政の承継ではない」と明言し、前知事が「民間空港の使用・発展に支障はない」とした判断を含めて再検証する考えを示し、前知事との違いを強調した。一方で原発再稼働をめぐっては、原子力規制委員会の審査に合格し、住民の理解を得られた場合は容認する考えで、前知事の路線を踏襲しているように映る。規制委の審査が終盤を迎えるなか、今後の焦点となるのは「地元同意の範囲」だ。先行する鹿児島県の川内原発は、地元の薩摩川内市と県の同意だけで手続きを終えた。ただ、玄海原発は、30キロ圏内の伊万里市が立地自治体並みの安全協定締結を求めて九電と交渉を続けている。「鹿児島方式の追従ではなく、周辺自治体の意見も聞くべき」。塚部芳和市長は「地元」を譲るつもりはない。山口知事は、地元の範囲については「国の話をしっかり聞くことが大事。その後に私の考えを伝えたい」と明言を避けた。伊万里市には「ぜひ、話を聞いてみたい」との考えも示したが、地元の範囲に含めるのか、方向性は見えていない。
▽経験豊富 
 30キロ圏内の自治体や福祉施設などが策定している避難計画の検証も、再稼働を容認する山口知事にとって大きな課題になる。自身は茨城県東海村のJCO臨界事故の際、内閣官房の担当者として現場で事故処理に当たった。危機管理分野の行政経験も豊富で、「実効性ある防災計画や避難計画は必要」との認識だ。現在の計画に対して住民からは「いろんな想定に対処できておらず、絵に描いた餅」との批判も多い。30キロ圏内の福祉施設関係者も「根本的な部分から検証が必要。もっと深く現場のことを知ってほしい」と注文する。24日は玄海原発の重大事故を想定した原子力防災訓練が実施される。「危機管理のプロ」を自任する山口知事の目には、現在の防災、避難態勢はどう映るのか。不安を抱える住民や関係者との向き合い方を含めて、「現場主義」の真価が問われる。

*1-2:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141014-00010001-khks-soci
(河北新報 10月14日) 福島県民「負担増でも脱原発」4割
 福島県民の4割超が、脱原発に伴う電気料引き上げを容認する考えであることが河北新報社のアンケートで分かった。6割近くが原発に依存していない電力会社からの電力購入を望んでおり、福島第1原発事故を契機とした厳しい市民感情を裏付けた。家庭用を含めた電力小売りについて、国は2016年に自由化する方針を掲げる。経済的負担より脱原発を優先させる回答が一定数あったことは、原発再稼働を目指す東北電力からの顧客離れをうかがわせる。脱原発に伴う負担増は全体の42.5%が認めた。許容できる値上げ幅は「10%まで」が最多の21.0%。以下、「5%まで」16.5%、「20%以上でも」4.5%、「15%まで」0.5%と続いた。電気の購入先については「原発に依存しない電力会社」が58.5%と過半を占め、「依存する会社」との回答は2.5%にとどまった。「特に気にしない」は39.0%だった。東北電力は東通(青森県東通村)、女川(宮城県女川町、石巻市)両原発に計4基を所有している。同社が目指す再稼働に関しては「反対」「どちらかといえば反対」が64.0%となり、賛成意見は21.5%だった。再稼働に理解を示した人の中でも、原発に由来しない電力の購入を望む声が2割近くあった。再稼働反対派では8割に上った。調査は9月末から10月初めに福島、いわき両市で成人の男女計200人から聞き取った。福島県内では9日に知事選が告示され、26日に投開票される。立候補した6人は、原発事故からの復興の在り方をめぐり論戦を繰り広げている。

*1-3:http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201410/20141015_63009.html
(河北新報 2014.10.15) 福島県民「再稼働反対」7割
 東北大大学院情報科学研究科の河村和徳准教授(政治意識論)の調査では、東日本大震災と福島第1原発事故後、岩手、宮城、福島の被災3県の有権者に原発再稼働への賛否や復興の進め方なども聞いた。原発再稼働について、「反対」「どちらかといえば反対」は福島が69.6%と最も高く、宮城62.2%、岩手60.6%と続いた。「賛成」「どちらかといえば賛成」は福島11.3%、宮城16.0%、岩手16.5%。再稼働反対の姿勢は、原発事故の影響が色濃く残る福島の有権者に強く表れた。震災からの復興を進める上で「合意形成」と「スピード」のどちらを重視するかの質問では、「スピード重視」が福島47.0%、宮城43.7%、岩手41.1%だった。原発事故からの復旧・復興の道のりが津波被災地に比べて不透明な中、福島の有権者が合意形成よりもスピードを重視していることが浮き彫りになった。県職員への信頼度を比較するため、現場の問題を速やかに改善・対処できるかどうかを尋ねた結果、「そう思う」「ややそう思う」は岩手31.1%、宮城31.0%に対し、福島は22.6%。「あまりそう思わない」「そう思わない」という否定的な見方は福島が63.7%で最も高く、岩手55.5%、宮城54.4%だった。同じ質問を市区町村の職員で比べたところ、肯定的な回答は岩手が40.7%で最も高く、宮城37.0%、福島32.0%だった。否定的な見方は福島58.8%、宮城53.1%、岩手49.9%。復興の最前線に立つ市区町村職員への信頼度が、県職員に比べ、やや高い傾向にあることが分かった。

*1-4:http://www.nuketext.org/jco.html
東海村JCO 臨界事故 (要点のみ抜粋)
●現場の動きと対応
1.まずJCOから地元や国への通報が遅れたことが問題です。消防本部への通報も正確さを欠いていました。JCOには、一斉送信システムも備えられていなかったそうです。
2.科学技術庁は約44分後に「臨界事故の可能性」について連絡を受けているのですが、政府が事故対策本部を設置したのはそれから3時間40分も経過しています。その間住民は危険に晒されていました。(この点について当時の野中官房長官は「・・・今回のような民間施設での事故は想像を絶する事態だった。・・・事故の深刻さの認識があまかったのを率直に認めなければならない。」と述べています。1999.10.2 朝日新聞)
3.東海村が国の判断を待たずに村の措置として住民に避難を要請したことは高く評価できますが、それでも避難開始までに付近の住民はかなり多量に被ばくをしていたと考えられます。
4.安全宣言については、放射性ガスの放出が約1ヶ月続いていることから考えて、判断が早すぎたと考えられます。
5.避難の範囲についても根拠があいまいでより広い範囲で被ばくの危険性があります。風向きの変化を含め避難の方法も再考すべき点がありました。
●被ばくの実態
 今回の事故では、わずか1mgのウランの核分裂が大きな被害をもたらしました。(ちなみに100万kw級の原子力発電所では、1 日当たり2~3kgのウランが核分裂しています)。 臨界による放射線の放出で、東海事業所内の人々はもちろん、付近の多くの住民までが被ばくしてしまいました。放射線の種類は、中性子線及びガンマ線、そして気体の放射性物質ですが、今回の被ばくの主な原因は中性子線でした。中性子線は透過力が極めて強く、厚いコンクリートも通り抜けます。中性子線を止めるのは水素を多く含むものです。人の体は多くの水でできているので、中性子線は人体によく吸収され、細胞を傷つけたり、死なせたりします。

<燃料電池について>
*2-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150106&ng=DGKKZO81575580V00C15A1L83000(日経新聞2015.1.6)燃料電池バス購入に補助 都方針、五輪までに100台目標
 東京都は5日、燃料電池バスの購入補助制度を設ける方針を固めた。2015年度予算案に10億円を計上。高価な燃料電池バスを事業者が通常のバスと同程度の価格で買えるようにする。東京五輪のある20年までに都内で100台の普及を目指す。都は仕事始めの同日、15年度予算案の知事査定に着手した。舛添要一知事は査定に先立つ職員向けの新年挨拶で、20年五輪までの5年間について「東京と日本を復活させるビッグチャンスでありラストチャンス」と強調。「東京を世界一の街にする」と重ねて表明した。15年度の一般会計総額は14年度当初比4%増の6兆9500億円程度とする。都税収入は3500億円ほど増えて約5兆200億円となる見込みだ。5兆円台に乗るのは08年度決算以来、7年ぶり。企業の業績回復で法人税収が伸びるほか、消費税率8%への引き上げで都の取り分も増える。14年度の当初予算案は知事不在の1月に副知事以下で編成。このため2月に就任した舛添知事は既にできあがった案を事実上追認するにとどまっていた。今回は舛添知事が編成する初の本格予算となる。16日に原案を発表する。福祉の充実へ、男性向け不妊治療費助成制度なども創設する方針だ。

*2-2:http://qbiz.jp/article/53818/1/
(西日本新聞 2015年1月15日) MIRAI、1カ月で1500台受注 目標大幅に上回る
 トヨタ自動車は15日、2014年12月15日に発売した燃料電池車「MIRAI(ミライ)」の受注が約1500台に達したと発表した。発売から1カ月となる15年1月14日時点で集計した。15年末までに400台としていた国内販売目標を大幅に上回っている。受注の内訳は中央官庁や自治体、企業が約6割。中央官庁は経済産業省や国土交通省、環境省など。個人は約4割で、男性が9割を占め、60代以上が多いとしている。地域別では、燃料の水素を補充する「水素ステーション」の整備が進められている東京都や神奈川県、愛知県、福岡県が中心となっている。トヨタはミライの好調な受注を受け、15年末までに700台としていた生産台数を大幅に増やすよう調整している。

<九電が余剰太陽光電力で水素製造>
*3-1:http://qbiz.jp/article/53645/1/ (西日本新聞 2015年1月14日) 九電、余剰太陽光で水素製造 再生エネ導入拡大に活路、離島での事業検討
 九州電力が太陽光発電など再生可能エネルギーを利用し、離島で水素を製造する事業の検討に入ることが13日分かった。余剰電力を使って水素を製造し、燃料電池車(FCV)などの燃料として活用する試み。採算性などを見定めた上で、九州本土での導入も検討するとみられる。電力大手では極めて異例の取り組みで環境に優しい水素社会の実現に向けたモデルケースとして注目される。再生エネの固定価格買い取り制度に基づく太陽光発電の新規契約が頭打ちになりつつある中、余剰電力の用途に活路が開かれ、導入量の拡大も見込める。離島の取り組みで成果が出れば、九電が本格的に水素事業に乗り出す可能性もある。九電管内の離島では現在、主にディーゼル発電によって島内の電力を賄っている。出力の変動が大きい再生エネが大量に導入されると需給バランスが崩れ、供給が不安定になる恐れがあり、特に離島では調整力の確保が課題となっている。今回の検討では、余剰電力を使って水素を製造・貯蔵し、再び電力に戻したり、燃料として使ったりする事業の可能性を探る。作業のスケジュールなどは未定。水素の製造・供給コストの低廉化など課題は多く、事業化までは息の長い取り組みになりそうだ。九電関係者は「発電燃料となる石油の価格変動に左右されない、地産地消のエネルギーとして価値がある。再生エネで車が走るのも夢ではない」としている。再生エネの固定価格買い取りをめぐっては、九電は昨年7月から、長崎、鹿児島両県の6島で、新規契約を1年程度中断する措置を講じている。九州本土では昨年9月に新規契約を中断。今月中旬にも太陽光発電の契約手続きを再開する。中断対象設備の大半については、九電が無制限に発電抑制できるため、多くの事業者が導入を断念する可能性がある。
■水素エネルギー 燃料電池の燃料として使われ、酸素と結び付いて高効率で発電する。二酸化炭素(CO2)などを排出しないため環境に極めて優しい。燃料電池車(FCV)や家庭用燃料電池の普及に伴う需要拡大が見込まれ、水素ステーション整備の動きも本格化しつつある。灯油、液化石油ガス、天然ガスなどの原料から取り出すことができ、水を電気分解することによっても造れる。

*3-2:http://qbiz.jp/article/53636/1/
(西日本新聞 2015年1月14日) 【解説】なぜ今、九電が水素製造事業か
 九州電力が再生可能エネルギーを使った水素製造の検討に乗り出すのは、電力の安定供給を維持しながら再生可能エネルギーの導入拡大を実現することを目的としているが、二酸化炭素(CO2)を排出しない水素社会の実現に向け大きな可能性を秘めている。水素は現状、製鉄所などの工場で石炭などの化石燃料を燃やす際の副産物として造られることが多く、その過程でCO2が発生している。しかし、再生エネから水素を造れば、製造過程からCO2排出をゼロにできるため、地球温暖化問題などの解決につながる。水素をめぐっては、トヨタ自動車が昨年末に燃料電池車(FCV)として世界初の市販車「MIRAI(ミライ)」を発売し、他の自動車大手も追随する方針。都市ガスなどから水素を取り出す家庭用燃料電池の普及も進んでおり、市場拡大が見込まれている。電力小売りの全面自由化など国の電力システム改革が進む中、九電は電力事業以外も本格的に展開する「総合エネルギー企業」を目指す方針で、今後の有望なエネルギー源として水素にも着目。水素を生み出せる燃料や電気を大量に取り扱う大手電力が水素事業に参入すれば、水素社会の実現に弾みがつくとみられ、他の大手電力にも同様の動きが広がる可能性がある。ただ、水を電気分解して水素を造るには大規模施設が必要で、多くの電気も欠かせない。電力コストのほか貯蔵・運搬費用を抑える方法や安全性を確保できる技術力も課題になるとみられ、本格的な事業展開には他社との提携も必要となりそうだ。


PS(2015.1.16追加):*4のように、東芝は、水素を使って電力を大量貯蔵するシステムを2020年にも実用化するそうだ。一方、玄海町には農業や水産業もあり、放射能リスクは0でなければならないため、原発をやめてこちらに移行するのがスマートでよい。

  
               *4より                      *4より
*4:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150116&ng=DGKKZO81990780W5A110C1TJ2000 (日経新聞 2015.1.16) 東芝、水素使い電力貯蔵、設置費用、蓄電池の半分 再生エネ事業者など向け
 東芝は水素を使い電力を大量貯蔵するシステムを2020年にも実用化する。水を電気分解していったん水素にし、必要に応じ燃料電池で酸素と反応させ電気として取り出す技術にめどをつけた。既存の蓄電池に比べ電力を長期に大量保管しやすく、設置・運用費は半減できるという。再生可能エネルギーの発電事業者や自治体などにとって蓄電方式の選択肢が広がりそうだ。まず1万世帯が8時間使う電力に相当する4万キロワット時を蓄えられるシステムを提供する。システムは600平方メートルほどの敷地に燃料電池や電気分解装置、水素貯蔵タンクなどを組み合わせて構成。水を電気分解して得た水素をタンクにため、燃料電池で空気中の酸素と反応させ電気を作る。電力を熱にするなどエネルギーの形態を変えた際、元のエネルギーをどれだけ再現できるか示す「エネルギー変換効率」は東芝のシステムで8割に達する。電気でくみ上げた水を流下させて発電するダムの揚水発電の7割を上回る。一般的な蓄電池のエネルギー変換効率も8割程度とされるが、大容量化には電極部材が大量に必要だ。4万キロワット時の蓄電池の設置コストは20億円近いとされる。蓄電池は自己放電するなど長期保存の課題もある。水素を使う場合、漏出防止など安全技術を担保すればタンクの大きさの調整だけで大容量化でき、既存の蓄電池に比べ設置から運用までの総コストを半減できるという。太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーで作った電力が電力会社の受け入れ能力を超えるとして、きめ細かい発電出力の抑制措置が15年からとられる。再生エネの発電事業者にとって余剰分を低コストで貯蔵する仕組みを確保できれば、発電した電力を買い取ってもらえないリスクを減らせる。ほかにも災害時の非常用電源として自治体などの利用が見込める。東芝は350キロワット時の電力を貯蔵する小型実証設備を15年春に川崎市内に設置、太陽光発電と組み合わせ公共施設の非常用電源などに活用する。再生エネとの組み合わせで、地域の電力の自給自足につながる可能性もある。東芝は実証設備の成果に加え、水素を大量生産する技術や燃料電池の発電の高効率化で、大規模システムの実用化につなげる。


PS(2015.1.17追加):このように技術進歩している中で、*5のように、「脱原発世論の説得のために、原発と再生エネの比率を20%の同程度とする」「電源構成のベストミックスを決める」などというのは、結論ありきのこじつけであり、科学的ではない上に、経済学もわかっていない。そして、これが、日本の法学部を中心とする文科系のものの考え方の限界なのである。

*5:http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150116-OYT1T50175.html
(読売新聞 2015年1月17日) 原発比率20%軸に検討…再生可能エネと同程度
 政府が、2030年の国内の発電量に占める原子力発電の割合について、太陽光など再生可能エネルギーと同程度の約20%を軸に検討を進める見通しになった。原発を可能な限り減らすとの方針に沿って、東日本大震災前(10年度)の28・6%から引き下げることになる。今月末から経済産業省に新設する有識者会議で、発電方法ごとにどの程度の割合にするかを示す最適な電源構成(ベストミックス)の議論に着手する。発電方法別のコストなどを検証し、今夏までに結論を出したい考えだ。政府は、14年4月に決めた新しいエネルギー基本計画で、将来の再生エネの割合を「約2割を上回る水準」と決めた。一方、原子力などは決定を先送りしていた。政府内では、「原発を減らしすぎると電力供給に支障が出るが、脱原発の世論を考えると再生エネ以上の活用は難しい」(政府関係者)などの見方が強まっている。宮沢経産相は、原発の割合を30%未満にする意向を昨年10月に表明している。


| 資源・エネルギー::2014.10~2015.4 | 01:55 PM | comments (x) | trackback (x) |
2015.1.11 公害は、地球温暖化だけが問題なのではない ← フクシマ原発事故がもたらした放射線公害は深刻であること
   
  *5より         *5より                  電気自動車関係
(1)公害を地球温暖化しか思いつかない経産省は思考停止状態
 *1-1のように、経済産業省が審議会で「2050年の目標として原発を世界の地球温暖化対策に不可欠と位置づける」とい事務局案を示したところ、委員から「世界の地球温暖化対策に不可欠なゼロエミッション電源として、(原発が)重要なオプションとなることを目指す」などと批判が相次いだそうだが、原発は地球温暖化よりも深刻な放射能公害を引き起こし、核燃料も外国から輸入しているため、ゼロエミッション電源ではない。本物のゼロエミッション電源は、国内の自然エネルギー由来電力である。

 そのため、*1-2のように、東京新聞は新年の社説に、「福島の事故などなかったかのように3.11以前にも勝る原発過保護が始まったが、原発ゼロへ再出発すべきだ」と書いており、全くそのとおりだ。

(2)佐賀県知事選は重要な選択になる
 九州の地元紙である西日本新聞が、*1-3のように、「玄海再稼働、オスプレイ…民意、割れる賛否 候補者語らぬ賛否、佐賀県知事選」という記事を書いているとおり、今回の佐賀県知事選は、重要政策をテーマに争っているが、国がこのような状態であるため、知事選は重要になる。川内原発再稼動に対する鹿児島県知事の判断は、他の原発の雛形にはならないため、佐賀県知事の対応は重要であり、全国規模で*1-4のようなブログも出ている。

(3)フクシマの原発汚染水と水産物
 フクシマでは、今でも一日300トンの汚染水が流され続けており、*2-1のように、韓国は、現在、福島県などの水産物の輸入を禁止している。そして、*2-2のように、韓国政府は、2014年12月に続いて、1月に再び専門家を日本に派遣して岩手県や青森県などで現地調査を行うことになり、一連の調査結果を踏まえて輸入禁止措置を継続するか否かを判断することにしているそうだ。つまり、原発事故は、これだけ水産業や観光にも悪影響を与えているのだ。

(4)放射線公害をなかったことにする日本は、ロシアより人権侵害の国ではないのか
 *3-1、*3-2に、月刊宝島が「WHO『福島県でガン多発』報告書” 国と記者クラブが無視!」「汚染地域に暮らしていた(もしくは暮らし続けている)若年層における甲状腺ガン、白血病、乳ガン、固形ガンの多発を予測するWHO報告書はなぜ無視され続けるのか?」という記事を書いている。そして、結果から見てWHO報告書の方が現実に近く、しばらくすれば、こうして隠せなくなることは初めからわかっていたのである。

(5)日本は資源がない国というのは嘘であり、エネルギーは自給できる
 「日本のエネルギー自給率は5%程度にとどまるため、日本は資源がない国」と言うような人は多いが、*4-1のように、日本は、排他的経済水域内にメタンハイドレートを多く埋蔵している。それにもかかわらず、「昨年12月27日に初めて、政府がメタンハイドレートの開発促進を閣議決定した」というのがおかしいのである。

 また、*4-2のように、発電、給湯、暖房から車や船の動力源まで、水素を暮らしや産業に使う社会を作り、脱化石燃料になれば、資源枯渇問題と地球温暖化防止の両方が解決でき、日本のエネルギー自給率を100%にするエネルギー革命を起こすことができる。この水素は、自然エネルギーから作った電力を使えば、日本国内において無公害でいくらでもできるため、この水素をサハリン、アラスカ、アイスランドなどで作り、化石燃料を使い燃料費をかけて輸入するなど、何を考えているのかということだ。

(6)無公害の燃料、水素へ
 *5のように、日経新聞が「水素社会元年が到来」としているように、トヨタの「ミライ」ほか、東京ガスが首都圏初の商用水素スタンドを開いた。水素そのものは燃焼すれば水しか出ないため無公害だが、多くの自動車が水素燃料になると、トンネルの中で酸素が不足して息苦しくなる事態も出るだろう。そのため、水素は、やはり水を電気分解して作り、副産物としてできた酸素も使えるようにしておくべきである。

<公害は地球温暖化しか考えない経産省は思考停止状態>
*1-1:http://mainichi.jp/select/news/20150109k0000m020135000c.html
(毎日新聞 2015年1月9日) 温暖化対策:経産省「原発不可欠」 審議会委が批判次々
 原発の安全性向上などを議論する経済産業省の審議会の8日の会合で、2050年の目標として原発を「世界の地球温暖化対策に不可欠」と位置づける事務局案を同省が示したところ、委員から「国民の視点に立っていない」などと批判が相次ぎ、案を作り直すことになった。原発利用拡大を図りたい経産省の姿勢に待ったがかかった。この審議会では、原発の安全技術や人材育成の目標を定めたロードマップを5月までに策定する。経産省は日本原子力学会に協力を求め、20年、30年、50年の目標案をこの日の会合で示した。案では、50年の原発の姿として「世界の地球温暖化対策に不可欠なゼロエミッション(無排出)電源として重要なオプション(選択肢)となることを目指す」とした。しかし、複数の委員から「原子力関係者が『あるべき姿』として作っているとしか見えない」「50年もこれだけ前のめりに原子力を使うのが大前提なのか」などと批判が続出。経産省の担当者は「5月までに再検討する」と釈明した。

*1-2:http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015011002000176.html (東京新聞社説 2015年1月10日) 年のはじめに考える 原発ゼロへの再出発
 3・11以前にも勝る原発過保護が始まったのか。福島の事故など、なかったように。後ろ向きに時代の坂を駆け降りる、そんな新年にしてはいけません。やっぱりゼロが焦点でしょう。新年六日、東京電力の広瀬直己社長が新潟県庁を訪れ、泉田裕彦知事と一年ぶりに会いました。柏崎刈羽原発の再稼働に理解を求める広瀬社長に、泉田知事は、政府の事故調査・検証委員会による調書のうち、勝俣恒久会長ら当時の東電役員分を公開するよう要求した。広瀬社長は「同意するかどうかは個人の問題」と、それをはねつけました。
◆なぜ公開を拒むのか
 勝俣氏らは、なぜ、かたくなに公開を拒むのでしょう。口を閉ざせば閉ざすほど、原発の安全性に疑念が募るというのに、です。泉田知事は「それでは、安全性の議論はスタートラインに着けない」と断じています。事故のさなかに、東電トップが何を考え、どんな判断を下して、どのような指示を出したか。そんなことも分からないまま、知事として県民に、原発の安全性を説明できるわけがありません。再稼働に同意できるわけがない。全性の議論は、まだ始まってもいない-。泉田知事の立ち位置は、新潟県民だけでなく、国民の多くが抱く不安の代弁だと言えるでしょう。原子力規制委員会は、九州電力川内原発や関西電力高浜原発が、3・11後の新たな規制基準に適合するとは言いました。しかし、安全を保証してくれるという人は、まだ誰もいないのです。政府は原発から三十キロ圏内の自治体に、避難計画を策定するよう義務付けました。どこへどうやって逃げるのか。ほとんどの市や町が、苦慮しています。そもそも、本当に安全なら、どうして避難計画が必要なのか。原発事故は二度と起こしてはならないものではないですか。昨年夏の電力需要期は、原発なしで支障なく乗り切った。この冬も電気が不足する気配はありません。それなのに、政府と電力業界は、再稼働への道のりをひたすら急ぎます。年末の衆院選の前後から、その足取りは加速しました。四月に閣議決定された国の新たなエネルギー基本計画は、原発を「重要なベースロード電源」と位置付けた。一方で「原発依存については、可能な限り低減させる」と明記しました。将来的には、できるだけゼロに近づけるという意味ではなかったでしょうか。
◆安全配慮というよりは
 ところが自民大勝に終わった衆院選後、「重要なベースロード電源」だけが独り歩きし始めます。原発ゼロをめざすどころか、原発神話の復活と永続を意図したような、政府のあからさまな“原発びいき”が目立ちます。暮れに開かれた原子力政策の方向性を議論する経済産業省の小委員会では、老朽原発を廃炉に導く一方で、敷地内で建て替え(リプレース)を進めるべきだとの意見が多く出ました。四十年を超えて原発を運転するには、規制委の特別点検を受ける必要があり、安全対策を含めて一基一千億円以上の費用がかかるとされています。電力各社は、日本原電敦賀原発1号機など、五基の廃炉を検討しています。出力三十五万キロワットから五十五万キロワットという小型のものばかりです。安全配慮というよりは、もうけの少ない小型を整理して、大型に置き換え、効率よく利益を生み出そうとの考え方が基本にある。その先には新増設さえ、見え隠れし始めました。これでは原発依存を解消できるはずがありません。このほかにも原発の優遇策は、小委員会の話題になりました。たとえば価格保証です。来年、家庭用電力の小売りが自由化され、原発を擁し、地域独占を謳歌(おうか)してきた電力会社も競争にさらされる。原発の電気が消費者に支持されず、市場価格が一定の水準を下回った場合には、差額を補填(ほてん)する仕組みを設けるべきだという。原発の運転コストは安いはずではなかったか。なりふり構わぬ原発過保護ではないか。3・11被災者の悲哀を忘れ、福島の事故など初めからなかったかのような原発依存への急旋回は、一体誰のためでしょう。
◆国民的議論がないと
 逆流する時間を止めて、私たちは何をすべきでしょうか。泉田知事の言うように、まずは事故原因の徹底的な究明です。そして情報公開です。それに基づく科学的判断と国民的議論です。安全か、安全ではないか。最後に決めるのは、私たち国民です。人は痛みを忘れることで過ちを繰り返す。新しい年を忘却と後戻りの年にしてはなりません。

*1-3:http://qbiz.jp/article/53190/1/ (西日本新聞 2015年1月7日) 玄海再稼働、オスプレイ…民意、割れる賛否 候補者語らぬ賛否、佐賀県知事選
 11日投開票の佐賀県知事選は、九州電力玄海原発の再稼働や自衛隊の新型輸送機オスプレイの佐賀空港配備計画という国策への対応が争点の一つだ。新知事の判断が重みを持つ国政課題だが、有権者はこの二つの国策をどう考えているのか。期日前投票をした有権者への調査では、同じ候補者に1票を託した人でも賛否が分かれている実情が浮き彫りになった。西日本新聞社は期日前投票が始まった昨年12月26日から県内7カ所の投票所で出口調査を実施。今月6日までに392人から回答を得た。原発再稼働については、「賛成」17・9%、「どちらかといえば賛成」24・8%で、計42・7%が支持。一方で反対派は、「反対」35・0%、「どちらかといえば反対」16・1%で計51・2%。反対派が賛成派をやや上回った。投票先との比較では、再稼働を進める与党が推薦する元佐賀県武雄市長の樋渡啓祐氏(45)に投票した人の50・3%が賛成、43・3%が反対の考えを示した。再稼働を容認する元総務省官僚の山口祥義(よしのり)氏(49)に投票した人も、賛成は41・3%、反対は52・0%と意見が分かれた。オスプレイ計画への賛否は、賛成派が「どちらかといえば」を含め計46・3%。反対派は計46・3%。賛否が真っ二つに分かれた。計画を「条件付き賛成」とする樋渡氏を選んだ人でも反対が35・1%いた。賛否を明確にしていない山口氏を選んだ人は賛成44・7%、反対48・6%と意見がきっこうしている。また、再稼働にもオスプレイ計画にも反対を掲げる九州大大学院教授の島谷幸宏氏(59)を選んだ人は、ほとんどが反対の立場を示した。農業の飯盛(いさがい)良隆氏(44)の投票者は、どちらも賛否が50%ずつだった。他方、再稼働反対派の25%がオスプレイ計画には賛成だった。佐賀市の20代男子学生は「どこかが負担を引き受けないといけない」と同計画を支持したが、「危険だ」として再稼働には反対。同市の20代会社員女性は「説明不足のオスプレイ計画は反対」と回答し、再稼働については「経済が回らなくなる」として賛成の考えを示した。重視する施策は、「景気・雇用問題」を選んだ人が30・4%で最も多かった。「玄海原発再稼働の可否」は7・7%、「オスプレイ配備計画の可否」は9・2%だった。

*1-4:http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-18794
(中村隆市ブログ 「風の便り」 2015/1/10) 原発問題 神様知恵をください 9歳の小学生の願い
    
福島県の死因ワーストランキング 福島県の慢性リウマチ性心疾患死亡率(増加と全国比較) 

   
 福島県の急性心筋梗塞死亡率  福島県の甲状腺検査結果   チェルノブイリの基準
 
 佐賀県の皆さんに大事なお願いがあります。原発の再稼働について、9歳の小学生が新聞に投稿した「声」に耳を傾けてほしいのです。そして、絶対に明日の県知事選挙を棄権しないでほしいのです。あなたが持っている1票が子どもたちの人生を左右します。通常、子どもの甲状腺がんは、100万人に1人か2人、未成年の甲状腺がんも100万人に数人と言われていました。しかし、福島県では38万人に84人もがんが見つかっています。「がんの疑い」28人を加えると112人にもなります。手術した54人のうち8割超の45人は腫瘍の大きさが10ミリ超かリンパ節や他の臓器への転移などがあり、2人は肺にがんが転移していました。特に心配なのは、検査をするほどに2次検査(精密検査)をしなければならない子どもたちが増えていることです。福島原発事故後、3年間の子どもの甲状腺検査で分かったことは、表を見るとよくわかりますが、甲状腺がんが増えただけでなく、がんになる可能性がある結節やのう胞が年ごとに急増していることです。5ミリ以上の結節が、0.5% → 0.7% → 0.9% と、この2年で1.8倍に急増し、のう胞も、36.2% → 44.7% → 55.9% と激増(3人に1人が2人に1人以上に)そして、2次検査(精密検査)が必要な子どもも1.8倍になっています。そして、福島で増えている病気は、甲状腺がんだけではありません。2013年の統計で、全国平均より福島の死亡率が1.4倍以上高い病気は、内分泌・栄養及び代謝疾患(1.40倍)、皮膚がん(1.42倍 )、脳血管疾患(1.44倍)、糖尿病(1.46倍) 脳梗塞(1.60倍)、結腸がん、腎臓病、消化器系の疾患などは、原発事故後に急増しています。
   (表は宝島から拝借)
そして、セシウムが蓄積しやすい心臓の病気は、急性心筋梗塞の死亡率が2.40倍、慢性リウマチ性心疾患の死亡率が全国平均の2.53倍で、どちらも全国1位になっています。
*2010年以前から全国1位。原発事故が起こった2011年から急増。2014年1~3月 福島の477人は、3か月間に急性心筋梗塞で亡くなった人の実数。全国の実数は、12,436人。福島県の人口は、全国の1.53%なので、12436×0.0153=190人 全国平均なら福島は190人ですが、その2.51倍の477人が亡くなっています。原発事故以前から全国1位という数字を見て思い出すのは、原発周辺では事故を起こさなくても白血病やがんが多いというドイツ政府やフランスでの発表と福島には原発が10基もあったこと、そして、2011年の原発事故前から「小さな事故」が多発していたこと、さらに事故の隠ぺいが日常化し、29年間も臨界事故が隠されていたことです。同じ心臓病の「慢性リウマチ性心疾患」は、急性心筋梗塞より1年遅れの2012年から死亡率が急増しています。グラフにするとその急激な増加がよくわかります。赤色が全国平均、紺色が福島県です。こうした状況にありながら日本政府は、ウクライナ、ベラルーシ、ロシアが制定している被ばく線量を減らすための法律(「チェルノブイリ法」)をつくろうとしません。年間1ミリシーベルト以上は「避難の権利」があり、5ミリシーベルト以上は「移住の義務」があることを柱としている「チェルノブイリ法」は、移住のための費用や医療費などの手厚い補償があります。移住を選んだ住民に対して国は、移住先での雇用を探し、住居も提供。引越し費用や移住によって失う財産の補償なども行われています。日本でもできるだけ早く「チェルノブイリ法」をつくる必要があります。
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◆原発問題 神様知恵をください
小学生 藤澤 凛々子 (東京都武蔵村山市 9 )
(2012年7月14日 朝日新聞 投稿欄)
この前、ギリシャ神話を読みました。
人間に火を与えた神プロメテウスに、全能の神ゼウスは言いました。
「人間は無知で、何が幸せで何が不幸かわからないからだめだ」
私はずっと人間は他の動物よりかしこいと思っていました。
火を使い、便利で幸せな生活を送っているのは人間だけだからです。
でも、大い原発が再稼働したというニュースに、
ゼウスの言う通り人間は無知なのかもと思いました。
福島第一原発事こは、まだ終わっていません。
放しゃ能で大変な事になってしまうのに、
この夏の電力や快てきな生活を優先したのです。
大い原発は幸せな未来につながるのでしょうか。
私が大人になるまでに日本も地球もだめになってしまうのではないかと心配です。
神様、どうか私に目先の事だけでなく未来のことまで考えて
何が幸せで何が不幸かわかる知恵をください。
その知恵で人も他の動物も幸せにくらせるようにしたいです。
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佐賀県の皆さん
知事選の候補者で原発再稼働に反対している候補者は一人だけです。どうか大切な1票を子どもたちのために生かして下さい。「自分にとって損か得か」でなく「子どもや孫たち世代の幸せ」のために、そして、「人も他の動物も幸せにくらせるように」投票する人が増えることを願っています。
◆原発は事故を起こさなくても周辺住民の病気を増やしている
「原発は事故を起こさなくても(日常的な放射性物質の放出によって)周辺住民の病気を増やしている」ということが、ドイツ、フランス、イギリス、アメリカ、韓国などでの調査でわかっています。ドイツ政府の調査では、原発から5km圏内の小児ガンは全国平均の1.61倍、 小児白血病は2.19倍となっており、フランス国立保健医学研究所の発表では、15歳以下の子どもは白血病の発症率が1.9倍高く、5歳未満では2.2倍高くなっています。韓国の調査では、原発から5キロ以内に住む女性の甲状腺がんの発生率は、全国平均の2.5倍になっています。また、原発は、燃料のウランを掘る段階で採掘地の環境を破壊し、放射能で汚染して、鉱山作業員と住民に被曝させ、原発で働く人たちの被曝労働や海の生態系を破壊する温排水吸水の問題。核燃料再処理工場からの膨大な放射能の排出問題。さらに、100万年後まで毒性が消えない「放射性廃棄物」の問題などがあります。(全文はコチラ)
◆佐賀県知事選:オスプレイ、原発再稼働…全国級の争点も
(2014年12月25日 毎日新聞)
◇25日告示に新人4人が出馬
 25日に告示された佐賀県知事選(来年1月11日投開票)は、自民党推薦の候補に対抗し、自民の有力支持団体である県農政協議会が別の候補を推薦する異例の展開となった。加えて県有明海漁協も県農政協に同調、保守分裂が激しさを増し、自民に危機感が漂う。一方、県内は陸上自衛隊の新型輸送機オスプレイ配備計画や原発再稼働など重要課題を抱えるが、保守分裂のあおりで争点がぼやけかねないとの懸念が出ている。 「首長は独善的であってはならない。政策も必要だが、その前に人柄だ」。県農政協が推薦した元総務官僚、山口祥義(よしのり)氏(49)の出陣式。集まった多久市長ら県内の首長や自民県議の一部、農漁協、商工会関係者らを前に、総括責任者を務める佐賀市の秀島敏行市長が自民、公明両党推薦の樋渡(ひわたし)啓祐氏(45)を暗に批判した。樋渡氏は同県武雄市長時代、市図書館運営の民間委託や市立小学校への学習塾の指導法導入など個性的な政策を実現させ、武雄の名を全国区に押し上げた。しかし、「樋渡流」といわれる行政運営が「強引」などとして自民の身内が反旗を翻し、山口氏を擁立。自民支持の県有明海漁協も24日、推薦を決め、民主県連も表向きは自主投票だが一部で支援する。農業県・佐賀で県農政協の支援が得られず、さらに衆院選佐賀1区で民主に敗れた自民党は穏やかでない。樋渡氏の出陣式には、県連会長の福岡資麿氏や前知事の古川康氏ら国会議員が並んだ。福岡氏は「人間ですから欠点はありますが、この突破力はまねできません」と樋渡流への批判を意識しつつ、「安倍(晋三)首相が自信を持って推薦している」と自民の本命候補であることを強調。28日には菅義偉官房長官の応援も予定に入った。しかし、両候補の出陣式は樋渡流への是非に終始し、政策論に乏しかった。オスプレイ配備計画がある佐賀空港(佐賀市)近くに住む会社員の石丸泰男さん(73)は「オスプレイ問題をあいまいにすべきではない。争点はオスプレイ1本に絞ってもいいくらいだ」。反原発の市民団体代表を務める佐賀市の石丸初美さん(63)も「佐賀は原発当事県であり、原発問題の議論を活発にしてほしい」と注文する。これに対し、立候補した九州大学院教授の島谷幸宏氏(59)は出陣式で「原発も再稼働も止めましょう。オスプレイ導入も軍事基地につながる可能性が非常に高く、阻止していきたい」と反原発、反オスプレイの立場を鮮明にした。安全性の高い原子炉などに限って原発再稼働容認を唱える農業、飯盛(いさがい)良隆氏(44)も立候補した。
◆福島の子どもの甲状腺がんが転移している報道
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1793
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG2803U_Y4A820C1CR8000/

<フクシマ汚染水と水産物>
*2-1:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150109/k10014555401000.html
(NHK 2015年1月9日) 日韓 水産物禁輸協議も具体的進展なし
 8日、日本と韓国の外務次官級の協議が行われ、協力関係を強化することを確認したものの、韓国が福島県などの水産物の輸入を禁止している問題では、具体的な進展はありませんでした。外務省で経済問題を担当する長嶺外務審議官は、8日、ソウルを訪れて韓国外務省のアン・チョンギ(安總基)経済外交調整官と協議を行いました。協議では、ことしが日韓の国交正常化から50年になることに関連して、エネルギー分野などで共同プロジェクトを第三国で行うことや、双方の観光客誘致などについて両政府が支援していくことを確認しました。一方で、日本側は、福島県など8つの県の水産物に対する輸入禁止の措置を早期に解除するよう求めましたが、韓国側は安全だという国民の認識が得られることが重要だとして、来週行われる韓国側の専門家による2回目の現地調査への協力を求めるにとどまり、具体的な進展はありませんでした。さらに、戦時中に動員や徴用された韓国人労働者などが日本企業に対し損害賠償を求めている裁判で、支払いを命じる判決が韓国で相次いでいることについても話し合われました。これについて長嶺審議官は協議後、「日韓の経済、ビジネス関係にも悪影響を及ぼしかねないと従来から指摘しており、日韓の経済関係にマイナスにならない対応を求めている」と述べて韓国政府に対処を求めましたが、韓国側は司法手続きを見守る必要があるという従来の立場を繰り返したということで、双方の溝は埋まりませんでした。

*2-2:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150109/t10014567211000.html
(NHK 2015年1月9日) 水産物輸入禁止の韓国 岩手などで再調査へ
 東京電力福島第一原子力発電所の汚染水問題で、東北などの水産物の輸入を禁止している韓国政府は、先月に続き、来週再び専門家を日本に派遣し、岩手県や青森県などで現地調査を行うことになりました。農林水産省の発表によりますと、今回、韓国政府が行う調査は、今月13日から4日間の日程で行われます。9人の専門家が、輸入を禁止している8つの県のうち、岩手県久慈市と青森県八戸市の卸売市場などを訪れて、水産物が販売されている様子や放射性物質の検査の状況などを視察することにしています。また、韓国の専門家は、輸入禁止の対象となっていない北海道も訪問し、札幌市と室蘭市の卸売市場などで水産物の輸出手続きの状況や水揚げの様子を視察します。韓国政府は、福島第一原発の汚染水問題を理由に、おととし9月から東北と関東の8つの県の水産物の輸入を禁止しており、この措置を継続するかどうかを検討するため、先月、専門家が来日し、福島第一原発などを視察しており、今回の調査は2回目となります。韓国政府は、一連の調査結果を踏まえて、輸入禁止の措置を継続するかどうか判断することにしていますが、時期については明らかにしていません。

<国土をも喪失させる放射線公害>
*3-1:http://blog.takarajima.tkj.jp/archives/1940402.html
(月刊宝島 2014年12月14日) 【告発スクープ】 “WHO「福島県でガン多発」報告書” 国と記者クラブが無視! ~誰も書けなかった福島原発事故の健康被害 【第3回 前編】~ガンのアウトブレイクに備えよ――汚染地域に暮らしていた(もしくは暮らし続けている)若年層における甲状腺ガン、白血病、乳ガン、固形ガンの多発を予測するWHO報告書はなぜ無視され続けるのか?
■日本の「専門家」はなぜWHO報告書を嫌った?
 10月20日、環境省が所管する「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」(以下、専門家会議)の第12回会議が東京・港区で開かれた。この日、専門家会議は、世界保健機関(WHO)と原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の2つの国際機関から出されていた線量評価報告書のうち、「福島での被曝によるガンの増加は予想されない」というUNSCEAR報告書のほうが「より信頼性が高い」として絶賛。そして、
●福島第一原発事故の被曝線量はチェルノブイリ原発事故よりもはるかに少ない
●懸念されるのは甲状腺(こうじょうせん)ガンだけであり、そのリスクも疫学的にかろうじて増加するかどうかという程度としたUNSCEARの健康リスク評価について「同意する」と表明した。これぞ“我が意を得たり”ということのようだ。一方、WHOの健康リスク評価に対しては、昨年2月の同報告書公表以来、専門家会議は「過大評価の可能性がある」と敵視し続けてきた。そしてこの日、WHO報告書を事実上無視する構えを鮮明にしたのだった。そのWHO報告書はこれまで、「がん疾患の発症増加が確認される可能性は小さい」(『毎日新聞』2013年2月28日)「大半の福島県民では、がんが明らかに増える可能性は低いと結論付けた」(『朝日新聞』同年3月1日)などと報じられてきた。報道を見る限り、UNSCEAR報告書の内容と大差はなく、専門家会議がそこまで嫌う理由が全くわからない。そこで、WHO報告書の原文を取り寄せ、精読してみたところ、驚くべき「評価内容」が浮かび上がってきた。
■WHOは若年層での「ガン多発」を明言していた
 WHOは昨年2月28日、東京電力・福島第一原発事故で被曝した福島県民たちには今後、健康面でどのようなリスクがあるのかを検証した『WHO健康リスク評価報告書』(注1)を発表していた。英文で160ページ以上にも及ぶ同報告書では、ガンと白血病の発症リスクを詳細に評価。その結果、深刻な放射能汚染に晒(さら)された原発近隣地域の住民の間で、甲状腺ガンをはじめとしたガンが増加し、特に若い人たちの間でガンが多発すると明言している。この報告書をまとめるにあたり、主な「評価対象」とされたのは、避難が遅れた浪江町と飯舘村の「計画的避難区域」に暮らしていた住民たちだ。評価では、汚染地帯から避難するまでに4カ月かかったと仮定。他にも、汚染された福島県産の食材を食べ続けたと仮定するなど、過小評価を避けるための仮定を積み重ねたうえで、住民の推定被曝線量を弾き出している。WHO報告書によると、多発が極めて顕著なのは小児(注2)甲状腺ガン。被災時に1歳だった女児の場合、浪江町では事故発生からの15年間で発症率は9倍(被曝前の発症率0.004%→影響を考慮した発症率0.036%)に増え、飯舘村でも15年間で6倍(同0.004%→同0.024%)に増えると予測した(同報告書64ページ。【図1】)。もともと幼少期の甲状腺ガン発症率は非常に低い。従って、幼少期に被曝した場合のリスクを、原発事故発生からの15年間に絞って計算すると「小児甲状腺ガンと被曝との関係性がより明白になる」と、WHO報告書は言う。ひょっとするとこの部分が、原発事故による健康被害は「ない」とする評価を続ける環境省や専門家会議の癇に障ったのかもしれない。多発が予測されたのはそれだけではない。小児甲状腺ガンほどではないにせよ、小児白血病も多発するという。被災時に1歳だった男児の場合、浪江町では事故発生からの15年間で発症率は1.8倍(同0.03%→同0.055%)に増え、飯舘村では15年間で1.5倍(同0.03%→同0.044%)に増える。1歳女児の場合、浪江町では事故発生からの15年間で発症率は1.6倍(同0.03%→同0.047%)に増え、飯舘村では15年間で1.3倍(同0.03%→同0.04%)に増える(同報告書62ページ。【図2】)。そして、乳ガンも増える。被災時に10歳だった女児の場合、浪江町では事故発生からの15年間で発症率は1.5倍(同0.01%→同0.015%)に増え、飯舘村では15年間で1.3倍(同0.01%→同0.013%)に増える(同報告書63ページ。【図3】)。さらには、固形ガンも増える。被災時に1歳だった男児の場合、浪江町では事故発生からの15年間で発症率は1.14倍(同0.08%→同0.091%)に増え、飯舘村では15年間で1.08倍(同0.08%→同0.086%)に増える。1歳女児の場合、浪江町では事故発生からの15年間で発症率は1.24倍(同0.08%→同0.099%)に増え、飯舘村では15年間で1.14倍(同0.08%→同0.091%)に増える(同報告書62~63ページ。次ページ【図4】)。つまり、福島県の若年層におけるガンは、甲状腺ガン、白血病、乳ガン、固形ガンの順に増加すると、WHO報告書では予測している。
(注1)同報告書の英語名は『Health risk assessment from the nuclear accident after the 2011 Great East Japan Earthquake and Tsunami』。URL はhttp://apps.who.int/iris/bitstream/10665/78218/1/9789241505130_eng.pdf?ua=1
(注2)本稿中の「小児」の定義は、0歳から16歳までとする。
■「過大評価」したのか?それとも「過小評価」か?
 WHOの健康リスク評価では、原発事故発生からの1年間に被曝したと思われる推定線量をもとに、地域を4つのグループに分けている。12~122ミリシーベルトの被曝とされた浪江町と飯舘村が「グループ1」。3~48ミリシーベルトの被曝とされた葛尾村、南相馬市、楢葉町、川内村、伊達市、福島市、二本松市、川俣町、広野町、郡山市、田村市、相馬市が「グループ2」。1~31ミリシーベルトの被曝とされた他の福島県内の自治体や福島県以外の都道府県が「グループ3」。そして、0.01ミリシーベルト(=10マイクロシーベルト)以下の被曝とされた近隣国が「グループ4」だ。問題は、福島第一原発の立地自治体である双葉町と大熊町、そして大熊町に隣接する富岡町の3町が、どのグループにも入っておらず、評価の対象から外されていることである。これらの町の住民は「速やかに避難」したからなのだという。しかし、3町の住民もまた、避難開始前から環境中に漏れ出していた放射能によって相当な被曝をしていた。具体例を挙げよう。福島第一原発の直近から避難してきた一般市民が被曝していることが判明し始めた2011年3月12日、放射線測定器で1万3000カウント(CPM。1分ごとのカウント)以上を計測した人のすべてを「全身の除染が必要な被曝」とみなし、シャワーで体を洗い流していた。この日、全身の除染が必要とされた住民は3人。そして翌3月13日、福島県は、原発の3キロメートル圏内から避難してきた19人にも放射性物質が付着していたと発表する。住民の被曝は22人となった。だが、翌3月14日、福島県は突然、除染基準を引き上げる。国が派遣したという「放射線専門家」の意見を聞き入れ、基準を7倍以上の「10万CPM以上」としたのだ。そしてこの日以降、「今日は何人の市民を除染」といった類いの情報が、報道から消えていた──。コントロール不能に陥っていた原発から、事故発生からの数日間だけで77京ベクレル(77×10の16乗ベクレル)にも及ぶ放射能が漏れ出す中、防護服もゴーグルも防塵マスクも着けずに避難していた彼らを評価に加えていないところが、この健康リスク評価における「過小評価」部分であり、最大の欠点でもある。人によっては、前掲の「発ガンリスク」以上の健康リスクを背負わされている恐れがある。しかも、放射線被曝による健康被害はガンばかりではない。甲状腺疾患(機能低下や良性結節など)や視覚障害(水晶体混濁や白内障など)、循環系疾患(心臓や脳血管の疾患)、生殖器官の機能不全、催奇性(さいきせい)リスク、遺伝子への影響、高線量の被曝に伴う急性放射線障害などもある。だが、これらの疾患は「発生の増加は予想されない」として、WHOの報告書では詳細評価の対象外としていた(注3)。つまり、専門家会議が危惧する「過大評価」どころか、その正反対の「過小評価」に陥っている懸念さえあるのだ。(注3)WHOが詳細評価の対象外としていたからといって、ガン以外の疾患を舐(な)めてかかってはならない。飯舘村の高汚染地域に調査目的で何度も滞在した後、白内障に罹(かか)っていた人が相当数いることを、筆者は具体的に知っている。高レベルの汚染が判明している地域に立ち入るのを極力控えるか、それとも防護服姿で訪問するかしないと、こうした疾患のリスクは減らしようがない。
(全文は『宝島』2015年1月号に掲載)

*3-2:http://blog.takarajima.tkj.jp/archives/1940410.html
(月刊宝島 2014年12月15日) 【告発スクープ】 “WHO「福島県でガン多発」報告書” 国と記者クラブが無視! ~誰も書けなかった福島原発事故の健康被害 【第3回 後編】~ガンのアウトブレイクに備えよ――汚染地域に暮らしていた(もしくは暮らし続けている)若年層における甲状腺ガン、白血病、乳ガン、固形ガンの多発を予測するWHO報告書はなぜ無視され続けるのか?(後編)
■甲状腺ガン、白血病、乳ガン、固形ガン……
 にもかかわらずWHOは、ガンに関してだけは「若年層で多発する」との評価を下していた。報告書のサマリー(要約版)には、次のような一文がある。「市民の健康監視のため、今後数年間で(注意を払うべき病気や地域の)優先順位を設定するために貴重な情報を提供します」。WHO報告書がまとめられた一義的な目的は、被曝した市民の健康被害対策において何を優先すべきかを決める際の参考資料として活用してもらうためだった。従って、WHO報告書の正しい読み方は、そこに挙げられている推定被曝線量やガン発症率の数字だけに目を奪われるのではなく、評価を通じて炙(あぶ)り出された病気や地域に着目し、対策を取ることなのだ。ガン以外の健康被害が詳細評価の対象外とされたのも、WHOなりに「優先順位」を考えた末の話なのだと割り切れば、腑(ふ)に落ちる。どうしてもガン以外の健康被害が気になるのであれば、WHOに過度な期待など抱かず、日本国民が自らの手で「詳細評価」すればいいのである。ともあれ、今後、私たちが最大限の注意を払うべき対象は、WHOでも心配していた、「汚染地域に暮らしていた(もしくは暮らし続けている)若年層における甲状腺ガン、白血病、乳ガン、固形ガン」ということになる。ここで言う「汚染地域」とは、何も浪江町や飯舘村の「グループ1」地域だけに限らない。3~48ミリシーベルトの被曝とされた「グループ2」地域と、1~31ミリシーベルトの被曝とされた「グループ3」地域も、れっきとした「福島第一原発事故による汚染地域」である。対策地域を1ミリシーベルト以上の「グループ3」地域まで広げておけば、健康被害対策としてはとりあえず及第点をもらえるだろう。
■「子どものガン多発」に目をつぶる大人たちの罪
 今年7月16日に開かれた第8回の専門家会議では、このWHO報告書の提言を健康被害のアウトブレイク対策に積極的に活かそうという重大な提案があった。発言したのは、疫学と因果推論などが専門の津田敏秀・岡山大学大学院教授。津田氏はこの日、専門家会議の場に講師として招かれていた。同日の議事録によると、津田教授発言の要旨は次のようなものだ。
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 米国のCDC(疾病管理予防センター)は、甲状腺ガンの潜伏期間は大人で2.5年とし、米国科学アカデミーは、子どもにおいては最短の潜伏期間は1年であるとしている。1歳未満の乳児が甲状腺ガンになった症例の報告もある。従って、原発事故の翌年から甲状腺ガンの多発が起こったところで何の不思議もないし、これだけ大規模に被曝した人がいれば、その中には被曝に対する感受性の高い(=ガンになりやすい)人もいる。WHO報告書も、甲状腺ガン・白血病・乳ガン・固形ガンの多発が、特に若年層で起こるということに言及している。事故3年後の福島でも、甲状腺ガンの多発が明瞭に観察されている。多発に備える対策とその準備が、早急に必要だ。白血病は、累積ガンマ線被曝が5ミリグレイ(ミリシーベルトとほぼ同じ)を超えると、統計的有意差が出てくる。白血病を除く全ガンも、15ミリグレイの累積被曝によって多発してくる。妊娠中に放射線を浴びたために小児ガンが多発するという調査報告も、世界各国で相次いでいる(注4)。病院のX線撮影室の入ロに表示してある「妊娠している可能性がある方は、必ず申し出てください」という表示は、こうした調査報告を根拠にしたものだ。福島県では今もなお、妊婦を含む全年齢層が被曝している状態であるということを、きちんと考えていただきたい。今、福島第一原発事故に絡んで語られている「100ミリシーベルト以下ならガンが出ない」というような話は、必ず撤回させる必要がある。(除染を完了したとされる地域への)帰還計画も延期すべきだと思う。
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 この提案に対し、長瀧重信座長(長崎大学名誉教授)をはじめとする専門家会議委員は、「福島ですでにガンは増えている」という見方が委員会の結論となるのを断固阻止すべく、いっせいに反発を示す。会議の司会を務める長瀧座長は、津田教授に反論するよう委員らを焚(た)きつけつつ、自身は疫学の専門家でないにもかかわらず、津田教授の見解を「非常にユニーク」だとして切り捨てようとする。だが、津田教授も負けておらず、「私は、オックスフォード大学出版局から出ている『フィールド疫学 第3版』という教科書にもとづいて話している。(ユニークだと言う)先生のほうがユニークです」と切り返す。WHO報告書をめぐる議論は、ここで打ち切られた。そして、その後の専門家会議でもWHO報告書にもとづく健康被害対策が検討されることはなく、10月20日の第12回会議で、ついにWHO報告書は正式に無視されるまでに至っていた。津田教授にコメントを求めたところ、こんな答えが返ってきた。「特に感想はないですが。もともと、あの委員会の先生方には、健康影響を論じるのは無理な話なのですから」
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 推定被曝線量の高低や、予測された発症率の高低ばかりに気を取られ、「過大評価か否か」に固執する環境省や専門家会議。そして、「がんが明らかに増える可能性は低い」などと報じていたマスコミ。そのどちらも、WHO報告書の意味を180度取り違えていた。その結果、WHO報告書の提言は福島県民の健康被害対策に生かされず、そのことを批判するマスコミ報道もない。こうして「若年層でのガン多発」というアウトブレイクに備えた対策は、今日まで何も取られていない。かわいそうなのは、こんな大人たちにこれからの人生を翻弄される、子どもたちである。(注4)妊婦の腹部への被曝が生誕後の小児ガンの原因となるということは、半世紀ほど前から知られていた医学的知見でもある。研究自体は1950年代から世界的に行なわれており、子宮内で胎児が10ミリグレイ(=10ミリシーベルト)程度のX線被曝を受けると、小児ガンのリスクが必然的に増加するという結論がすでに出ている。(全文は『宝島』2015年1月号に掲載)

<燃料は自給できる>
*4-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150103&ng=DGKKASDF27H19_S5A100C1NN1000 (日経新聞 2015.1.3) メタンハイドレート 採取調査10カ所超に、経産省、来年度に埋蔵量把握 23年以降の商業化にらむ
 経済産業省は2015年度に、次世代の国産エネルギー資源として期待されるメタンハイドレートの調査を本格化させる。海底表層の調査に北海道周辺の2海域を新たに加え、8海域に拡大する。採取を伴うサンプル調査も14年度の2海域3カ所から新たな海域も含めた10カ所超に増やす。23年以降の商業化をにらみ、エネルギーの輸入依存からの脱却を目指す。政府は昨年12月27日に閣議決定した経済対策に「メタンハイドレートの開発促進」を明記した。今後、具体的な採取カ所を選び、追加費用として20億円弱を14年度補正予算案に計上する。メタンハイドレートには海底の表層付近で取れる「表層型」と海底からさらに地下深くの地層に含まれる「砂層型(深層型)」がある。経産省は13年3月に太平洋側の愛知県沖で砂層型のサンプル採取に成功したが、技術やコストの面で課題が多い。一方、13年度以降に始まった「表層型」の埋蔵量調査では14年12月25日に上越沖、秋田県・山形県沖の2海域3カ所の掘削でサンプルの採取に成功したと発表した。将来的には「砂層型」に比べ低いコストで回収できるとの見方が多い。そこで15年度は北海道周辺の2海域などへ表層型の調査海域を広げることに加え、上越沖や隠岐周辺など日本海側の有望海域でサンプル採取を本格化させることにした。より正確な埋蔵量が確認できれば、日本のメタンハイドレート開発は大きく前進することになる。太平洋側に眠るメタンハイドレートも含め、15年度以降は資源を低コストで採掘する技術開発などを加速させる。経産省は米アラスカ州政府と連携し、同州でメタンハイドレートの低コスト掘削技術を向上させる試験もこのほど始めた。日本のエネルギー自給率は5%にとどまる。原油や天然ガスを輸入に頼っていた米国がシェール革命で純輸出国に転じたように、政府はメタンハイドレートを中長期的な日本の自給率向上の切り札として開発を加速させる方針だ。

*4-2:http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ17HAV_X11C14A1TJ2000/
(日経新聞 2014/11/20) 胎動、水素社会 東芝、エネルギー革命先導へ名乗り
 発電、給湯、暖房から車や船の動力源まで――。水素を暮らしや産業に活用する社会の実現に向け、日本企業の勢いが増してきた。化石燃料依存からの脱却は資源枯渇問題と地球温暖化防止の両面で世界的課題だ。供給量確保やコスト低減といった壁を越えエネルギー革命を起こせるか。「水素で強じんなエネルギーシステムをつくる」。東芝の田中久雄社長は約50人体制で今春発足させた次世代エネルギー事業開発プロジェクトチームに号令する。火力、原子力発電に強い同社が次に狙うのは水素だ。チームにはサハリン、アラスカ、アイスランドなど水素製造の適地を洗い出した資料がある。風力発電の電気で水を電気分解して水素を量産し、船で日本に運び発電に使う。この流れを2020年代に確立する構想だ。水素は一般に石炭や天然ガスから得ているが、これなら環境負荷も低い。日本のエネルギー自給率は6%(12年)。経済協力開発機構(OECD)加盟国で2番目に低い。東日本大震災後の原子力発電所停止で電力の火力依存度は9割近い。化石燃料輸入額(発電用以外も含む)も震災前より10兆円増えた。13年度の二酸化炭素(CO2)排出量は過去最高だった。東芝は15年度に再生可能エネルギーを利用した水素発電の第一歩を踏み出す。太陽光発電の電気を使って水から得た水素を燃料電池に送り発電する実証試験を川崎市と始める。想定出力は30キロワット程度と小規模だが、実証と並行して「災害時用として(新システムの)販売を始めたい」(田中社長)と実用化を急ぐ。水素の源は水だけではない。大阪市では下水処理場で汚泥をメタン発酵させて得た水素を燃料電池に使う実験が進む。実験に参加する水処理大手のメタウォーターは「エネルギーを自給自足できる下水処理場も実現可能だ」(宮田篤新事業技術部担当部長)とみる。水素は「燃える空気」として248年前に英国の化学者が発見した。水素と酸素を反応させ発電する燃料電池の原型は1839年に英国で生まれた。水素エネルギーの歴史は古い。だが石炭や石油の世紀が続き、その陰に長く隠れてきた。水素を直接燃やす発電技術も進む。当面は天然ガス火力に水素を混ぜる混焼が軸だが、大気汚染の原因となる窒素酸化物(NOx)の発生量は多くなる。川崎重工業は燃焼制御技術を駆使。6割を水素にしてもNOx発生量を天然ガスだけの場合と同程度に抑えられるタービンを開発中だ。15年度の市場投入を狙う。資源エネルギー庁の試算では、100万キロワットの水素専焼の発電所で1年に使う水素は燃料電池車223万台分にあたる。発電での利用が進めば量産効果で、石炭や天然ガスより割高な水素価格を下げる道が見えてくる。「水素社会についての包括的な検討を進めるべき時期に差し掛かっている」。政府は4月に閣議決定したエネルギー基本計画でこう宣言した。世界に先駆けて水素の可能性を解き放てたとき、日本は「次世代社会」のデザイナーになれる。

<無公害の燃料へ>
*5:http://www.nikkei.com/paper/article/?ng=DGKKZO81696140X00C15A1TJ1000
(日経新聞 2015.1.8) 燃料電池車 「水素社会元年」が到来
 「数年前まで1台1億円といわれていたので縁遠いと思っていたが」。トヨタ自動車の燃料電池車(FCV)「ミライ」。水素と酸素の反応で生み出した電気で走り、二酸化炭素(CO2)を排出しない。昨年12月中旬、発売直前に公道を試走した30代男性は名残惜しげに運転席を離れた。国の補助金を合わせた実質価格は約520万円。まだ高価だが、手が届く範囲に近づいてきたことを実感したようだ。トヨタは「ずっと待っていても前に進まない」(加藤光久副社長)と世界初の市販に踏み切り、FCV関連特許の無償公開で他社の参入も促す。ホンダは2015年度中にFCVを投入する方針。車選びに新たな選択肢が加わるとともに、水素関連の部材・機器開発や新事業を呼ぶ「水素社会元年」が到来する。ミライの心臓部となる発電装置「燃料電池スタック」。電極基材には炭素繊維を使った厚さ数百マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルの「カーボンペーパー」を用い、発電効率を高めた。供給する東レの日覚昭広社長は「炭素繊維は戦略製品。自動車メーカーのニーズに応えていく」と意気盛んだ。50年来開発してきた素材が新たな舞台に立つ。トヨタ紡織は特殊なプレス技術を駆使し、軽くて強いが延ばしにくいチタンを「セパレーター」と呼ぶ燃料電池の板状部品に仕上げた。FCVという革新的製品が企業の技術力を鍛える。水素は口紅やマーガリンなど身近な製品の製造にも使われるが、なじみは薄い。FCVが日常の中に水素を連れてくる。昨年暮れ、東京・練馬にある都内最大級の「光が丘団地」のすぐ近くに、東京ガスが首都圏初の商用水素スタンドを開いた。都内ではJX日鉱日石エネルギーも1月に八王子市、2月に杉並区に開設する。都は25年までに官民連携で80カ所にする目標を掲げる。等距離に設置されると仮定すると、10分程度走ればスタンドが見つかる計算だ。調査会社の富士経済は、FCV向けの国内水素燃料市場だけでも15年度の約4億円から25年度には1千億円近くに拡大すると予測する。川崎重工業が気体の水素を運びやすい液体に変えるプラントを開発するなど、連動した動きも出てきた。FCV普及は緒に就いたばかりだが、暮らしの風景や企業戦略を変える可能性を秘めている。

| 資源・エネルギー::2014.10~2015.4 | 11:32 AM | comments (x) | trackback (x) |
2015.1.10 農機具の脱化石燃料化で、日本の農業はコスト低減できるとともに、地球温暖化防止に貢献し、かつ地球上のどこででも農機具を使えるようになること (2015.1.13追加あり)
   
     電気軽トラックは実用化済            太陽光発電機器も進歩あり

(1)農機具も脱化石燃料化すべき
 *1のように、農機具の大手クボタは世界第3位で、インドで工場建設を検討して1台130万円以下の安価なトラクターを売り出し、インド市場を本格的に開拓するとのことである。

 しかし、日本国内で販売されているトラクターの価格も高すぎるため、インドで1台130万円以下のトラクターを売り出すことができるのなら、日本でもトラクターの価格を下げれば農家がコストダウンしやすくなる。また、農機具がいつまでも化石燃料に固執しているのは、太陽光発電による自家発電が可能な農家の需要を汲んでいない上、太陽光発電とセットで電動トラクターを売った方が地球環境にも貢献する。

 現在は、*2-1のように、テスラが電気自動車(EV)の特許を公開し、電気自動車の生産能力を5割引き上げようとしている時代で、*2-2のように、トヨタも燃料電池車の特許5680件を全公開する時代だ。そのため、新しい農機具の動力を、電動や燃料電池に変更するのは、まさに今だろう。

(2)農地及び農業用施設での自家発電
 一方、*3のように、農業用施設や農地への太陽光パネル設置は条件つきで可能であり、支柱の基礎部分は3年間(問題がなければ再許可可能)一時転用許可の対象となり、農産物の生産や営農に支障がなければ、農地への太陽光発電の設置も可能でなのである。ソーラーシェアリングに適した作物は、いちご、ほうれんそう、わさび、レタス、春菊などの半陰性植物だそうだ。

 最近は、太陽光発電装置も、右2つの膜のように進んできているため、いろいろとスマートな取り付け方ができるだろう。

<農機具も脱化石燃料すべき>
*1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150110&ng=DGKKASDZ09I2M_Z00C15A1TJ1000 (日経新聞 2015.1.10) インドに専用農機 クボタ、販売店も倍増
 クボタはインドで農機事業を拡大する。水田や畑作など多くの用途に使えるトラクターの現地専用製品を年内に投入し、約130店の販売店を今後5年で270店に増やす。現地での工場建設も検討し、年間8000億円超とされるインド市場を本格的に開拓する。クボタは農機の世界3位企業で、欧米では大規模農家向けに高性能製品販売に力を入れている。インドでは現地の需要にあわせて1台が130万円以下と安価なトラクターを売り出す。エンジン出力は40馬力と50馬力の2種類で、日本の多くの農家が使っている製品と同程度。インドではトラクターで悪路を走って農作物を運ぶことが多いため、専用機はけん引力やブレーキの耐久性を高めた。タイ工場で生産してインドに輸出する。現地工場を将来建設する布石として部品の6割はインド国内で調達し、部品メーカーと関係を深める。インドで競合するトラクターの価格は約100万円。価格差を3割以内に抑えて操作性の良さや故障の少なさを前面に打ち出し、需要を取り込む。現在の販売店は南部に多い。今後は北部にも店舗網を広げる。

<現在の電気自動車・燃料電池車>
*2-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150110&ng=DGKKASDZ09HO0_Z00C15A1TJ2000 (日経新聞 2015.1.10) テスラ、EV生産能力5割増 年内に年5万台
 米テスラ・モーターズは8日、2015年末までに米カリフォルニア州の工場で電気自動車(EV)の生産能力を5割引き上げると明らかにした。現在の年産能力は3万5千台で、15年末までに5万2500台に増やす。高級セダン「モデルS」の販売が伸びているほか、15年秋に予定する多目的スポーツ車(SUV)「モデルX」の生産増に対応する。同日、増設した自動化ラインなどを報道陣に公開した。昨年秋に組み立て工程でロボット増設などの設備投資を実施していた。投資額は明らかにしていない。増産に備え、同工場で新たに342人の契約社員を採用した。現在は工場棟などで約4千人が働いている。組み立て工程では車体を運ぶ大型ロボットが効率的に稼働できるようレイアウトを変更。部品の取り付けにかかる時間を5割短縮したほか、溶接工程などで最新のロボットを10台増やした。テスラのEVはパナソニック製リチウムイオン電池を搭載している。1台に約7000個の電池セルを使う。テスラは電池セルを加工して車に組み込む工程にもロボットを追加しており、1日に100万個の電池セルを加工できるという。テスラは現在、パナソニックと共同でネバダ州にEV用の電池工場の建設を進めている。

*2-2:http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK05H88_V00C15A1000000/
(日経新聞 2015/1/6) トヨタ、燃料電池車の特許5680件を全公開
 トヨタ自動車は5日、同社が持つ燃料電池車の関連特許約5680件をすべて無償で提供すると発表した。「究極のエコカー」と呼ばれる燃料電池車を定着させるためには、トヨタ1社の努力では不十分と判断。早期に普及させるためにライバル同士や業界の垣根を超えた開発競争を促す、極めて異例の取り組みに打って出る。自動車メーカーが次世代技術の特許を不特定の企業や団体に対して全公開するのは極めて珍しい。ホンダと米ゼネラル・モーターズ(GM)は燃料電池車で互いの特許を全公開する提携を結んだが、対象は両社に限定している。トヨタもこれまでエコカー技術の特許を有償で公開したことがあるが、あくまで提携先の企業に対象を絞ってきた。ハイブリッド車(HV)ではマツダや富士重工業、米フォード・モーターに一部特許の使用を許可した上で、トヨタが主導してHVを開発することで技術の流出を防いできた。燃料電池車ではこの方針を根本的に転換する。今回、提供するのはトヨタが単体で保有する燃料電池車の特許。グループの部品企業が持つ特許は対象外。水素と酸素を反応させて発電させる中核部品の「スタック」と、燃料タンク、システム制御関連の計5610件に関しては、2020年末までの特許実施権を無償とする。水素ステーションの関連特許約70件については、公共性が高いため無期限で無償提供する。

<農地及び農業用施設での自家発電>
*3:http://panerou.com/helpful_information/qa/nouchi_tenyo/8289/
農地への太陽光パネル設置は可能(条件つき)
 農地転用の手続きを行わなくても、一時転用許可を農業委員会に申請することで太陽光パネル設置は可能になります。地目が農地の状態で太陽光発電するにはいくつか条件があります。
■支柱の基礎部分について一時転用許可の対象とする。一時転用許可期間は3年間(問題がない場合には再度許可可能)
■一時転用許可に当たり、周辺の営農上支障がないか等をチェック。
■一時転用の許可の条件として、年に1回の報告を義務付け、農産物生産等に支障が生じていないかをチェック。
 上記を満たせば太陽光発電の設置は可能です。これらをソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)といいます。最近では農業振興地域などが原因で、農地から地目を変更できずに断念した方が多くいらっしゃいます。農林水産省に一時転用許可を申請することで、太陽光発電を設置することが可能かもしれません。一時転用許可の手続きは施工・販売業者の方、もしくは行政書士にお願いするとよいでしょう。代理申請の費用に関しては、設置者本人で1万円、行政書士は約20万円です(施工・販売業者は各業者によって異なります)。詳細は農地転用にかかる費用をご覧ください。ソーラーシェアリングに適した作物は?いちご、ほうれんそう、わさび、レタス、春菊などです。これらは全て半陰性植物になります。一時転用許可が出るまでの時間は?各農業委員会によってまちまちとなっています。また、全国的にソーラーシェアリングは発展途上にあるため、一時転用許可→発電開始までにかなりの時間がかかります。一時転用の制度は2013年3月からはじまったばかりなので、農業委員会事務局も過去に事例がなく、話がスムーズに進んでいないのが現状です。


PS(2015.1.13追加):*4のような自動トラクターを日本でも普通に使えるようになったり、知識の粋を集めて、砂漠やシベリアを豊かな農地に変えたりできるといいと思う。

*4:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150113&ng=DGKKZO81854770S5A110C1TJM000
(日経新聞 2015.1.13) 準天頂衛星「みちびき」、トラクターを豪で無人走行 誤差5センチ以内
 日立造船や総務省などは日本版全地球測位システム(GPS)として期待される準天頂衛星「みちびき」を使い、オーストラリアの農地で無人トラクターの走行実験に成功した。農作業に必要な誤差数センチの精度を実現した。衛星は日本からオーストラリアまでの上空を8の字で飛んでおり、アジア各国・地域も利用に関心を示しているという。
●農作業に必要な精度を実現した
 準天頂衛星は政府の新しい宇宙基本計画でも7基体制の運用を目標に掲げている。2010年に1基を打ち上げ、みちびきと名付けた。トラクターの走行実験では、オーストラリアの農地で現地時間の夜、みちびきと米国のGPS衛星の信号を組み合わせて高い精度で位置を測り、トラクターを5センチ以内の誤差で制御した。GPS衛星だけでは1~10メートルの誤差があったという。今後はトラクターにセンサーを取り付け、1月末から3月末にかけ、イネの生育状況や水温の無人測定を試みる。植え付けや刈り取りなどほぼ自動でできると期待している。マレーシアや台湾も今回のシステムを使う農業の無人作業に興味を持っているという。11年には日立造船や北海道大学が国内で無人トラクターを数センチの誤差で動かす実験に成功していた。この時は地上にある電子基準点も活用して、トラクターを正確に動かした。オーストラリアでは近くに電子基準点が無い地域でも正確に位置を測れたという。

| 資源・エネルギー::2014.10~2015.4 | 04:30 PM | comments (x) | trackback (x) |
2014.1.2 電力需要者が発電方法を選べる方法もある – 九州電力玄海原発と川内原発の事例から (2015年1月5日、10日に追加あり)
     
    ハウスの太陽光発電     養殖施設の風力発電 スコットランドの潮流発電

(1)経産省の無理で非論理的な原発維持誘導策
 *1-1に書かれているとおり、経産省の「原子力の将来像が明らかでなければ(廃炉の)判断がしにくい」という記述は非論理的で意味不明だ。むしろ、「原発は再稼働させずに0にする。そのため可能な限り廃炉を進め、これまでの原発立地自治体には他に存続できる道を準備する」という将来像しかあり得ない。また、使用済核燃料や高レベル放射性廃棄物の管理・処分費用を、原子力発電の利益を受けなかった数十~数万年先の世代にまで負担させるような制度を作るなど、決してあってはならないことである。

 このような中、廃炉後に敷地内に新しい原子炉を設置する建て替えにも言及するのは、政府のエネルギー基本計画とさえ矛盾しており、とんでもない話だ。また、「原発依存度を低減すると人材が不足し、安全確保ができない」というのも本末転倒であり、これまで原子力に従事してきた人をすべて投入しても、フクシマの事故処理と既存原発の廃炉には手が足りないくらいなのだ。

 そのため、*1-2に書かれているとおり、九電川内原発の再稼働は、薩摩川内市長と鹿児島県知事が同意したものの、過酷事故時に被害を受け、避難の準備をしておかなければならない範囲の「地元の同意」が必要であることは、フクシマ原発事故によって白日の下に晒された事実であるため、九電川内原発再稼働の同意は、フクシマ原発事故後の「ひな型」にはなり得ない。
 
 一方、佐賀県の玄海原発は、*1-3のように、前知事の古川氏が衆議院議員に転出したため、現在、新知事の知事選を行っており、「地元の同意」については、飯盛候補は「①福島事故以前と同様、佐賀県と玄海町で十分」、樋渡候補は「②県と町が基本で唐津、伊万里両市と協議」、山口候補は「③国の考え方を確認することが必要」、島谷候補は「④十分でないことは福島の事故から見ても明らかで、再稼働に反対の立場」だそうである。私自身は、①②では狭すぎ、③では国もあてにならないため、④に賛成だが、知事の仕事は原発再稼働の同意だけではないため、過酷事故で被害を受ける範囲の首長、議会、住民は動くべきだと考える。

 なお、*1-3で、育苗会社経営の古舘さんが、「事故が起きて土壌が汚染されれば、風景も何もめちゃくちゃになるし、人も住めない」「でも、ビニールハウスの温度管理で電気は必要。電気代アップの負担が厳しい」としているのは、まさに、「原発はコストが安いため、原発を再稼働しなければ電気料金を上げる」としてきた経産省はじめ政府のプロパガンダの成果であり、私が、このブログの2014.12.28に書いたとおり事実ではない。さらに、玄海原発から海を隔てて600メートルのその唐津市鎮西町では、原発ができてから白血病が増えたと言われているのに、佐賀新聞は何をしたいのだろうか。

 私は、前にも、このブログで、ハウス栽培における地中熱やヒートポンプを利用した省エネと太陽光発電由来の電力を利用した温度管理について提案したが、日本の技術を使えば、農業のエネルギーコストを0にするのは可能だと確信している。そのため、農協や地方自治体は、電力機器の製造会社と一緒になって解決策を練るべきであり、古舘さんが「こっちに足を運んでもらって、責任ある言葉を聞きたい」というような他力本願のことを言わずに、ちょっと調べればよりよい解決策が出てくるようにして欲しい。

 また、*3-2のように、電力大競争はチャンスとして、家電量販大手やソフトバンクなどが動き始めている。私は、これは、室内や工場の省エネだけでなく、化石燃料から電力に置き換えて燃料の無料化と自動化を同時に進めたい農業・漁業施設の電力マネジメントにも適用でき、そのシステムをうまく作れば、今後、アフリカなどの電力後進国を含む世界でヒットさせることができると考える。

(2)原発再稼働に対する一般市民の認識
 一般市民は、*2-1のように、玄海原発差し止め訴訟で、新たに363人が佐賀地裁に追加提訴し、原告数は8879人となった。長谷川照原告団長(元佐賀大学長、研究分野:素粒子・原子核物理学・宇宙線等)は、原子力規制委員会が関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の事実上の審査合格を出したことに対して、「衆院選の自民圧勝の結果を受け、再稼働の動きを一気に進めている。原発に慎重な世論を反映する場は司法しかない」と述べておられ、私も、そのとおりだと思う。

 さらに、*2-2のように、九電川内原発などの再稼働に反対するデモ「反原発渋谷大行進」が13日、若者らでにぎわう東京・JR渋谷駅前であり、参加者は「原発0は撤回するな」「子どもを守ろう」などと書かれたプラカードを掲げて、渋谷駅、原宿駅、代々木公園周辺の3.2キロを2時間かけて練り歩いたそうだ。小川さんが言うように、現在は原発再稼働に無関心であることが恥ずかしい時代になったのだ。

(3)発電方法による別会社化と電力需要者の選択
 電力需要者は、発電方法に関して環境意識の高い人が増えたため、日本での現在の問題点は、需要者が発電方法によって電力を選択できないことなのである。

 一方、*3-1のように、ドイツのエネルギー最大手エーオンは2014年11月30日に、原子力発電と火力発電の事業を本体から完全に分離して独立した会社にし、残った本体の発電事業は、再生可能エネルギーに特化するそうだ。この発電方法による別会社化の背景には、2022年末までのドイツの脱原発と火力発電の収益性の低さの問題があり、残った本体で風力発電と送電事業を行うそうである。

 日本でも、電力需要者が発電方法を選択し、その発電コストと送電コストに見合った電気料金を正確に支払えるようにするためには、このブログの2012.9.2、2013.2.20などに記載しているとおり、火力、原子力、地熱、水力、太陽光・風力・潮流、購入電力などの発電方法別に別会社化して持ち株会社の下につけるのがよい。また、送電事業も別会社化して、これは上場し、誰に対しても平等な料金で送電を行うようにすべきだ。何故なら、それが、電力需要者が市場を通して発電方法を選択するのに不可欠であるとともに、このようにして正確に発電コストが計算されて初めて、今後、どの電源にいくら補助金をつけて援助していくべきかを論理的に議論できるようになるからである。

<経産省の非論理的な原発維持への誘導>
*1-1:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-236470-storytopic-11.html
(琉球新報 2014年12月26日) <社説>原発維持政策 目を疑う非論理的記述
 一読、目を疑った。経済産業省の総合資源エネルギー調査会原子力小委員会がまとめた「中間整理」のことだ。そこにはこうある。「原子力の将来像が明らかでなければ(廃炉の)判断がしにくい」。何かの間違いであろう。論理的には「放射性廃棄物の最終処分方法が明らかでなければ、原発存続を判断するのは困難」と書かねばならない。使用済み核燃料を再処理して新たな燃料とする核燃料サイクルは既に破綻している。地底に埋めるといった高レベル放射性廃棄物の最終処分も、数万~数十万年を要する途方もない計画であり、許容する地域はまずあるまい。中間貯蔵ですら見通しが立ったとは言い難い。八方ふさがりだ。こんな状態でなぜ廃炉が困難なのか。むしろ維持が困難なはずだ。安倍政権は原発の再稼働に意欲を示し、世論の反発を受けている。それなのに中間整理は、廃炉後に敷地内に新しい原子炉を設置する建て替え(リプレース)に言及している。再稼働どころか新規建設をしたいということだ。「原発依存度を可能な限り低減させる」とする政府のエネルギー基本計画と矛盾するのは明らかだ。「原発が果たす役割は再生可能エネルギーと同様、非常に大きい」とも記すなど、原発維持への願望が随所ににじむ。原発依存度を低減すると人材が不足し、安全確保ができないとする本末転倒の論理も散見される。原発維持ありきに偏した議論と言わざるを得ない。現存する原発は原則として運転開始から40年で順次、廃炉になる。新規建設が途絶えればいずれなくなるのは理の当然だ。原発の建設・維持から莫大(ばくだい)な利益を得てきた「原子力ムラ」の住人たちがそんな現状に危機感を募らせていたのは想像に難くない。小委員会の人選は原発利用に前向きな人物が大半を占めた。しかも経産省は検討過程の公開にも消極的で、ネット中継は拒否した。「将来の脱原発依存」の方針は原発事故後、国民が参加する各地の会合を経て決まったはずだ。今も世論調査では国民の過半が脱原発を求めている。それなのに、透明性を欠いたまま、脱原発をかなぐり捨てる論理が説得力を持つはずがない。総選挙で原発はほとんど論戦がなされなかった。安倍政権が白紙委任を受けたわけではない。原発の是非を公明正大に論議すべきだ。

*1-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11444540.html?_requesturl=articles%2FDA3S11444540.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11444540 
(朝日新聞社説 2014年11月8日) 川内原発の再稼働 「ひな型」にはなり得ない
 九州電力川内(せんだい)原発の再稼働を鹿児島県知事が受け入れた。県議会と立地自治体である薩摩川内市の市長、市議会の意見を踏まえての判断だという。周辺30キロ圏内にある8市町の首長も、最終的に異議を唱えることはしなかった。原発再稼働の可否について立地地域に法的な権限はない。しかし、実務上は「地元の同意」が不可欠になっている。知事の判断で川内原発の再稼働はほぼ確実となった。新しい規制基準に基づいた原子力規制委員会の審査を経た再稼働は、川内原発が第一号となる。全国では12原発18基が規制委の審査にかかっている。合格した原発はすべて再稼働するとしている安倍政権は、川内を今後のひな型と位置づける考えだ。しかし、川内原発の再稼働を巡る手続きを振り返ると、とてもこのままでいいとは考えられない。原発の過酷事故に対する備えが不十分なまま再稼働に進んでいるからだ。
■住民の安全は不十分
 まず、避難計画だ。住民の安全に直結するものなのに、いまだに避難に必要なバスの確保や渋滞対策に見通しがつけられていない。いずれも、福島での事故の際に現場が最も混乱し、住民が危険にさらされた要因となった問題だ。福島での事故で、原発には制御しようのない危険があり、100%の安全はないことが明らかになった。それでも原発を動かすなら、被害を受ける立地地域の住民のリスクをできるだけ小さくする手立てを講じ、さらに十分なのか検証し、住民が納得するプロセスは欠かせない。10月に入り、県内で住民説明会が計6回開かれたものの、5回までは規制委の専門的でむずかしい審査内容に関することに限定して開催された。住民の再稼働に対する素朴な不安や提案をすくいとり、対策に反映させる場にはならなかった。参加者への事後アンケートでも「良くなかった」「あまり良くなかった」が47%に達し、6割の人が説明を受けても理解できなかった項目が一つ以上あったと答えている。県知事をはじめ首長や議会が最後は「(安全対策や住民避難も)国の責任」とした。県や市町村など地元自治体が再稼働の手続きに絡むのは、住民の安全が関係しているからだ。その国の対応も同様だった。県の要請を受けて、政府職員や幹部を送り込み、議会の場などで繰り返し「国が責任をもつ」と表明した。今月3日には宮沢経産相も乗り込んで、再稼働の必要性を訴えた。
■「責任をもつ」とは
 だが「責任をもつ」とはどういうことなのか。具体的には何も見えてこない。事故が起きた福島のその後を見ても、被災者の生活再建、廃炉・汚染水対策、除染作業や放射性廃棄物の処理と、国が責任をとりきれているものはない。事故の直接的な責任を負っているのは東京電力であり、賠償や国費の投入も、結局は電気の利用者や国民の負担だ。いったん過酷事故が起きてしまえば、立地地域は国の責任では対応しきれない打撃を受け、その影響は少なくとも数十年に及ぶ。そんな現実に目をつぶった責任論は空論だろう。むしろ国が立地地域に対して責任をもってやるべきことはほかにある。脱原発のための支援だ。安倍政権も原発依存の低減を掲げているではないか。
■脱原発依存こそ急務
 立地自治体がおしなべて再稼働に前向きなのは、過疎化が進み、原発を受け入れて交付金や税収を得ることでしか「まち」を維持できないからだ。原発依存から脱していくためには、原発に頼らざるをえない現実を変えていく努力が欠かせない。当然、立地自治体だけでは解決できない難題であり、だからこそ今から取り組むことが必要であるはずだ。地域の資源を活用した循環型の産業や人材の育成、あるいは原発推進に偏っていた予算の組み替え、電力システム改革や再生可能エネルギーの振興などと組み合わせたエネルギー政策――。電気の消費地も巻き込んでの議論を進めることこそ政府の責任だろう。朝日新聞が10月25、26日に実施した世論調査では、原発の運転再開に55%が反対した。各紙の世論調査でも国民の過半は再稼働には慎重だ。川内原発再稼働の手続きが規範となれば、原発の再稼働は立地地域が判断する問題となって、国民全体の民意と離れていく。果たしてそれでいいのだろうか。原発政策には使用済み核燃料の貯蔵や放射性廃棄物の処分など、地域と全体が対立しかねない問題が山積している。川内原発再稼働を巡る論議は、地域と国民全体の民意をどうすりあわせるのか、という問題を投げかけてもいる。

*1-3:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/141185
(佐賀新聞 2014年12月31日) =国策と地方=(2) 原発再稼働
■4候補考えに温度差
 衆院選終盤の12月中旬、唐津市で開かれた前知事の古川康氏の決起大会。「原発については、知事時代から安全性が確認され、住民の理解が得られれば再稼働すべきと話してきた」と古川氏が力を込めると、応援で壇上にいた塚部芳和伊万里市長から笑顔が消えた。普段は発信力を見せる古川氏。「やらせメール問題」発覚後は原発を自ら語ることは少なく、「国の判断」という言葉を多用した。伊万里市は「立地自治体並み」を求め、九州電力と安全協定の交渉を進めた際、県の側面的な支援を期待したが、その対応はつれなかった。今でも県内20市町で、伊万里市だけが協定を結べない状況が続く。古川氏が国政へ転身し、始まった今回の知事選。塚部市長は県の対応を苦々しく振り返る一方、事態打開に向けて「チャンスと言えば語弊があるかもしれないが、仕切り直しできる」と期待を隠さない。2011年3月の福島第1原発事故を受け避難計画が30キロ圏に拡大し、ほぼ全域が入った伊万里市。避難道路や防災行政無線など“ゼロ”からの対応に迫られている。塚部市長は繰り返す。「住民の安全を担保するには、首長が責任を持って判断できるように事前了解を求めたい」。先陣を切って鹿児島県の川内原発の地元同意が完了した今、新知事は任期1年目から玄海原発の再稼働で「地元同意」の対応に迫られる可能性が高い。川内原発の「地元」は、鹿児島県と立地する薩摩川内市だけ。玄海原発に当てはめれば、佐賀県と玄海町となる。5キロ圏内の人口なら玄海町とほぼ同数の唐津市はその枠外だ。「地元同意」の範囲について、知事選候補者4人の考えは異なる。福島の事故以前と同じように「佐賀県と玄海町で十分」というのは飯盛良隆候補。「県と町が基本」とする樋渡啓祐候補は唐津、伊万里両市と協議する考えを加える。山口祥義候補は「国の考え方を確認することが必要」と国と協議する姿勢を見せる。再稼働に反対の立場を取る島谷幸宏候補は「十分でないことは福島の事故から見ても明らか」と指摘する。玄海原発から海を隔てて600メートル離れた唐津市鎮西町串地区。ここで「ユウスゲ」の咲く地域づくりを進める育苗会社経営の古舘初美さん(66)は「もし、事故が起きて土壌が汚染されれば、風景も何もめちゃくちゃになるし、人も住めない」と心配し、続けた。「でも、ビニールハウスの温度管理で電気は必要。電気代アップの負担が厳しくて」。原発と隣り合うリスクへの不安と、再稼働を願う複雑な気持ちが交錯する。「こっちに足を運んでもらって、責任ある言葉を聞きたい」。海の向こうの原発を静かに見つめる。安倍政権は衆院選勝利を後ろ盾に再稼働に拍車をかける。立地自治体への交付金も再稼働なら増額、そうでなければ減額することも検討し、「原発回帰」を鮮明にする。国策の前で、地元同意の範囲をはじめ、県民の安心、安全をどう確保していくのか。新知事の判断は重く、大きい。

<原発再稼働に対する一般市民の認識>
*2-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/137490
(佐賀新聞 2014年12月18日) 玄海原発差し止め訴訟、363人追加提訴
 原発の再稼働に反対する佐賀県内外の市民が国と九州電力に玄海原発全4基の操業停止を求めている訴訟で、新たに363人が18日、佐賀地裁に追加提訴した。12回目の提訴で、原告数は8879人となった。原告には今回、評論家の佐高信さんらも加わった。長谷川照原告団長(元佐賀大学長)は、原子力規制委員会が関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の事実上の審査合格を出したことに対し、「衆院選の自民圧勝の結果を受け、再稼働の動きを一気に進めている。原発に慎重な世論を反映する場は司法しかない」と述べた。

*2-2:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014121402000100.html (東京新聞 2014年12月14日) 原発ゼロ 渋谷で大行進
 九州電力川内原発(鹿児島県)などの再稼働に反対するデモ「反原発渋谷大行進」が十三日、若者らでにぎわう東京・JR渋谷駅前などであった。ラップミュージックやドラムのリズムに合わせ、約三千八百人(主催者発表)が「原発いらない」「再稼働反対」と声を上げた。毎週金曜日に首相官邸前で脱原発を訴えている「首都圏反原発連合」が、今年最後の大規模デモとして開催。参加者は「原発0は撤回するな」「子どもを守ろう」などと書かれたプラカードを掲げ、渋谷駅や原宿駅、代々木公園周辺の三・二キロを二時間かけて練り歩いた。参加した台東区の無職小川千恵子さん(65)は「東日本大震災で原発の危険性を初めて感じ、それまでの無関心を恥ずかしく思って以来、行動に参加している。時間のある限り再稼働反対を訴えたい」。江東区の介護士鈴木貴晶さん(26)は「今回の行進を見て、若い人たちも原発問題に関心を持ってほしい」と話した。

<発電方法による別会社化と電力需要者の選択>
*3-1:http://www.47news.jp/CN/201412/CN2014120101001152.html
(47ニュース 2014/12/1) 独最大手、原発を分離 再生可能エネルギーに特化
 ドイツのエネルギー最大手エーオンは11月30日、原子力発電と火力発電の事業を本体から完全に分離し、独立した会社にすると発表した。原発などを分離した後の本体の発電事業は、再生可能エネルギーに特化する。ドイツは東京電力福島第1原発事故後、2022年末までの「脱原発」を決めた。エーオンは原発の停止を余儀なくされ、代替の火力発電の収益性が低いため、業績が悪化していた。再生可能エネルギーは、欧州での風力発電に重点を置く。送電事業も継続する。分離する会社の株式公開に向けた準備を15年に始め、16年の完了を目指す。

*3-2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20141024&ng=DGKDZO78819890U4A021C1EA1000 (日経新聞 2014.10.24) 号砲 電力大競争(3)これはチャンスだ
 「このチャンスを逃す手はない」。家電量販大手ケーズホールディングス執行役員の高橋修(54)は聞いたばかりの話に引き寄せられた。5月、水戸市の本社を東京電力茨城支店の営業担当者が訪ねてきた。「関西に安い電気があります」。省エネ対策の責任者で電気料金の高騰に悩む高橋は即座に見積もりを出すよう求めた。関西電力から買うより電気代を5%程度節約できる。今月、関西の20店舗が東電にくら替えした。東電が子会社を新電力登録し「宣戦布告」したのは5月22日。「全国のお客さまへ 電気の契約を見直しませんか?」と題した資料を携え、他電力の顧客を切り崩し始めた。「関電はまるで殿様やった。ライバルが出てきたのはええことや」(大阪に機械工場を持つ企業の幹部)。最初に動いたのは中部電力だった。昨秋、新電力のダイヤモンドパワー(東京・中央)を買収し東京都の施設などに供給を始めた。4月には関電も首都圏に進出。東電も「競争を正面から受けて立つことにした」(事業戦略室長の真田秀雄=50)。「コストだけでなく周辺サービスにも優位性があった」。関西や中部の62店舗で東電に乗り換えたヤマダ電機の幹部はこう評価する。東電に契約を一本化すれば、群馬県の本社で各地の店舗の電力コストをつかめる。東電と中部電は今月、火力発電事業で提携に基本合意したが、販売は別だ。提携交渉のさなかの8月、ヤマダの大量離脱を耳にした中部電幹部は「仕方ない。こちらから仕掛けた勝負だ」と厳しい表情を浮かべた。競争は電力会社間だけではない。7月、ソフトバンクが電力小売りを始めた。電力の料金規制の緩和をにらみ「通信と連携した課金も検討する」と社長の孫正義(57)。新サービスを繰り出しNTTグループなど巨人と渡り合ってきた孫は、電力の世界でも通信とのセット割引など「何をしてくるか分からない」(電力大手)相手だ。太陽光発電などを手掛ける子会社SBエナジー副社長の藤井宏明(45)が孫に「小売りは面白そうです」と提案したのは2年前。「考えておけ」との指示を受け藤井を中心に準備し、5月からは通信の営業担当者3千人を対象に電力販売の勉強会を重ねた。満を持しての参入だ。2016年には家庭向けを含め電力小売りが完全自由化される。一方的に供給してもらうものだった電気は、顧客が価格やサービスで選ぶ普通の商品に変わろうとしている。]


PS(2015.1.5追加):*4のように、原発再稼働の地元同意対象を立地自治体に限定する「川内方式」を「妥当」としたのは、全国の原発30キロ圏内に入る160自治体のうちの2割しかないそうだ。私は、過酷事故時に被曝するリスクを負う地域や避難で協力を要請される地域はすべて同意が必要であり、この結果は当然だと考える。

    
 *4より     建物にスマートに組み込む形に向かって進歩する太陽光発電機器

*4:http://qbiz.jp/article/53004/1/
(西日本新聞 2015年1月5日) 原発再稼働の地元同意手続き 立地自治体限定「妥当」2割
 原発再稼働の地元同意手続きについて、対象を九州電力川内原発の立地自治体の鹿児島県と薩摩川内市に限定した「川内方式」を「妥当」としたのは、全国の原発の半径30キロ圏に入る160自治体のうち、約2割の35自治体にとどまることが4日、共同通信のアンケートで分かった。政府は他の原発の手続きも「川内原発の対応が基本的」(菅義偉官房長官)としているが、3割強の55自治体が「妥当でない」と回答。立地以外の自治体も事故時に被害が及ぶ恐れがあり、同意手続きに加われないことへの不満が強いことが浮き彫りになった。同意を求める地元の範囲も、事故時の避難計画を策定する必要がある「30キロ圏の自治体」(42自治体)との回答が「立地自治体のみ」(29自治体)を上回った。また原子力規制委員会の審査に合格した原発の再稼働に関し「容認する」と「条件付きで容認する」は計36自治体と約2割にとどまった。川内方式について「妥当」は16自治体、「どちらかといえば妥当」が19自治体に対し、「妥当でない」が33自治体、「どちらかといえば妥当でない」は22自治体だった。批判的な計55自治体は全て立地以外だった。川内方式への反発は強く、今後の同意手続きが難航する可能性がある。一方、関電美浜原発がある福井県美浜町は「妥当」とした上で「町民の理解など問題を解決しながら原子力に貢献してきたのは立地市町と県」と強調。評価を避けた自治体も多く「分からない」「その他・無回答」が計70自治体だった。アンケートは昨年11月の鹿児島県知事の同意表明後、年末にかけて実施した。


PS(2015.1.10):*6のように、有明海で海苔の養殖をしている場合には、支柱を何本かに1本、風車にして洋上風力発電とハイブリッドで収入を得る方法が考えられる。有明海は浅い海で、風車にすれば支柱も頑丈なものを作ることができるため、一石二鳥ではないだろうか。
  
       *5より                洋上風力発電
*5:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10103/144051
(佐賀新聞 2015年1月10日) 冷凍網ノリ摘み取り本格化
 佐賀県沖東部・中部の有明海で、冷凍網ノリの摘み取りが本格化している。海水温が平年より低く、生育にやや遅れがみられるが、品質は上々という。16日に開かれる今季4回目の入札会に出品される。日中に摘み取ると太陽光で赤く変色するため、初摘みは夜間に実施。東部海域では、12月29日に張り込んだ冷凍網ノリが20センチ近くまで伸びており、6日夜から摘み取りを始めた。佐賀市川副町の中島健一郎さん(42)は8日深夜、戸ケ里漁港(同町)を出港。漁場で小さな箱舟に乗り換え、9日未明にかけて板のり2万枚分を収穫した。中島さんは「低い水温でゆっくり成長したので、とても柔らかく仕上がっている。秋芽は病気のため、平年より2割減産になっただけに、高値がついてもらいたい」と期待を込めた。一方、県西南部沖では色落ち被害をもたらす赤潮が広がっている。終息のめどが立っておらず、網の張り込みを10日にずらした鹿島市七浦沖、太良町沖では再延期も検討している。

| 資源・エネルギー::2014.10~2015.4 | 01:11 PM | comments (x) | trackback (x) |
2014.11.15 エコカーの普及は、何故、これだけ遅くなったのか? (2014.11.27に追加あり)
   
     EVバス        EVトラック      EV郵便車       EVフィット

(1)燃料電池車・電気自動車の普及と価格設定について
1)燃料電池車とその燃費について
 *1-1に書かれているように、東京都が水素エネルギーの利用拡大を目指して燃料電池車の普及を後押しするために支援に乗り出し、舛添知事は、「今後10年の都政の指針」で、それを「長期ビジョン」に反映するそうだ。そして、公用車や都バスで先行して16年度の実用化を目指し、燃料の供給拠点となる水素ステーションや家庭用燃料電池の普及目標も策定するとのことで、これは期待できる。そのため、他の大量に自動車を使う産業も燃料電池車や電気自動車に変更すれば、この変化は速く進むだろう。

 しかし、*1-2のように、産業ガス大手の岩谷産業が「燃料電池車のエネルギー源となる水素の販売価格を、ハイブリッド車と燃費がほぼ同等となるように設定する」と発表したのは、水素燃料の価格設定が変である。何故なら、*1-3のように、水を電気分解すれば水素を取り出すのが簡単なことは、50年前から小学校3年生の理科の教科書に載っている常識で、余っている太陽光発電など自然エネルギー由来の電力で水素を作れば、無公害で安価で国産のエネルギーを容易に作ることができるからである。

 また、*1-2の岩谷産業が、「燃費計算の前提として、トヨタ自動車が発売を予定する燃料電池車と同サイズのHVがガソリン1リットル当たり16キロ走るとみなし、2020年には水素価格をHVの燃料代と同等以下にする目標を掲げた」としているのも誤りだ。何故なら、①に書かれているトヨタのHVの燃費は、10月15日モードでは、アクアが40km/L、プリウスが28~38km/Lであり、ホンダのアコードも30km/Lだからである(http://e-nenpi.com/enenpi/?defact=carname_hybrid_best 参照)。そして、水素の価格はもっとずっと安くなければならないし、できる筈なのだ。

2)電気自動車の燃費について
 *2-1に書かれているように、ホンダが2012年の夏に米国カリフォルニア州とオレゴン州で一般発売した「フィットEV」は、米国EPA(環境保護局)が定める計測法に沿ったEV独自の燃費表示である「MPGe」と呼ばれるガソリン換算燃費が 50km/L でEV最高だそうだが、このくらいが妥当な燃費設定だ。

 また、*2-2に書かれているように、日産リーフの電気代は、一か月で「電力使用量114.1kWh(消費量153.5kWh・発電量39.3kWh)×12.41円/kWh=1415.9円」だったそうだが、もし、太陽光発電を行っている家庭や事業所が電気自動車を使えば、燃料費は0になる。

(2)日本企業の環境意識と価格設定について
 私がこのブログに何度も書いたように、電気自動車も燃料電池車も、日本が先鞭をつけ、基礎技術を持っていたにもかかわらず、日本のエコカーはハイブリッド車(HV)どまりでなかなか普及しなかった。しかし、HV車は、ガソリンエンジンやクランクシャフトを持っているため、車内の広さやデザインの制限がガソリン車と同じであり、部品点数を少なくすることもできない。そのため、価格やスタイルが変化に乏しい。

 一方、電気自動車や燃料電池車は、回転を電動モーターで作るため、ガソリンエンジンやクランクシャフトは必要なく、車内の広さや自動車のデザインを飛躍的に変えて電気自動車の良さを引き出すことができると同時に、部品点数が少なくなるため、価格も安くできる筈である。しかし、それにもかかわらず、日本企業は、環境意識が低く、エコカーの価格を高くして普及を阻んできた。それは、何故か。これが、次の日本企業の利益率が低い理由に繋がる解決すべき問題なのである。

(3)日本企業の利益率が低い理由は何か
 日本企業の利益率(稼ぐ力)が低い理由は、①時代のニーズをとらえて新しいものを世に出す行動が抑えられている(トップで走るリスクに見合うリターンが約束されず、むしろ横並びでないことが批判される) ②産業構造を変化させようとすると、周囲の多くがマイナスの力として働く ③環境意識が低い ④理科の基礎のない人が経営・経済・法律を学んでマネージメントする立場に多い などが挙げられる。

 そして、これらの日本企業の問題は、教育、環境等に関する社会の見識、雇用やマネジメントにおける考え方などの本質的な問題に起因しており、“景気”というようなその時点の気分の問題ではないため、それぞれの原因について本質的な解決をしなければならないのである。

<燃料電池車の普及と燃費>
*1-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20141114&ng=DGKKASFB14H06_U4A111C1MM0000
(日経新聞 2014r。11.14) 燃料電池車、都内で10万台 東京都、25年までに官民で普及支援
 東京都は水素エネルギーの利用拡大を目指し、燃料電池車(FCV)の普及を後押しする大規模な支援に乗り出す。2025年までに都内のFCVを10万台、水素ステーションを80カ所とする目標を設定し、15年度に購入や設置費の助成制度を導入する。まず五輪施設が集まる臨海部を中心に普及を図り、クリーンなエネルギーを積極的に利用する環境先進都市を世界にアピールする。自動車、エネルギー業界などの大手約20社が参加する官民の「水素社会の実現に向けた戦略会議」で計画を固めた。18日の会合で中間報告として決定し、舛添要一知事が今後10年の都政の指針との位置づけで12月に公表する「長期ビジョン」に反映する。まず東京五輪が開かれる20年にFCVを6千台、水素ステーションは35カ所とする初期目標を設ける。トヨタ自動車は12月、世界初のFCVを発売する見通し。都は購入補助制度に加えて、初期の需要を創出するために公用車で率先して採用する。日野自動車が開発中の燃料電池バスも15年度に都バスで先行して実証実験に取り組み、16年度の実用化を目指す。燃料の供給拠点となる水素ステーションを初期目標とした35カ所に設置した場合、車が都内を平均的な速度で走ると単純計算で平均15分で水素ステーションに到着できるようになるという。25年には同10分で到着できる80カ所に拡大する。家庭用燃料電池の普及目標も策定した。20年に新築マンションなどを中心に15万台、将来は既存マンションも含めて100万台に拡大する。都は15年度予算案に水素エネの普及費用として補助金など100億円規模を計上する見通しだ。五輪開催都市として海外からも注目される東京都が普及の道筋をつける。

*1-2:http://qbiz.jp/article/49940/1/
(西日本新聞 2014年11月14日) 岩谷、水素の市販価格決定 ハイブリッド車並み燃費に
 産業ガス大手の岩谷産業は14日、燃料電池車のエネルギー源となる水素の販売価格を、ハイブリッド車(HV)と燃費がほぼ同等となるように、走行距離1キロ当たり約10円に設定すると発表した。車向け水素価格を決めたのは初めて。本年度に発売される燃料電池車の普及を後押しする。政府は6月に発表した工程表で、水素価格は「2020年にはHVの燃料代と同等以下を実現する」との目標を掲げており、岩谷はこれを5年早く達成する。水素ガス約5キログラムで車が満タンになると想定し、税抜き1キログラム1100円で販売する。上羽尚登副社長は大阪市内で記者会見し「だいぶ努力して安くした。コスト減は車が増えるかどうかが最も大きな要素だ」と強調。車の普及を促すため、今回の価格設定に踏み切ったという。産業用水素の市場シェア約55%を握る最大手という利点を生かし、岩谷は燃料電池車用の「水素ステーション」整備を加速している。15年度までに東京や大阪など大都市圏を中心に、全国20カ所に建設する方針だ。岩谷によると、燃費計算の前提として、トヨタ自動車が発売を予定する燃料電池車と同サイズのHVがガソリン1リットル当たり16キロ走るとみなした。

*1-3:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11454239.html (朝日新聞 2014年11月14日) 「究極のエコ」、太陽光で水から水素 非常時の発電に 東芝、来年度発売
 太陽光発電の電気で水を電気分解して水素を取り出す技術を、東芝が開発した。二酸化炭素(CO2)を出さない「究極のエコ技術」だ。発生した水素をタンクにためておき、非常時に発電したり温水を提供したりするシステムを、2015年度に売り出す。システムはコンテナ程度の大きさで、トラックや貨物列車に載せて被災地に運ぶこともできる。1台数億円ほどで、主に自治体向けに販売。一つのタンクの水素で、300人の避難者が1週間ほど最低限の生活ができるという。水素は現在、都市ガスやLPガスから取り出すのが一般的で、その際にCO2が出てしまう。田中久雄社長は「技術が進歩すれば、(昼間しか発電できない)大規模太陽光発電所の蓄電や、燃料電池車(FCV)向けの水素ステーションなどにも応用できる」と話す。

<電気自動車の燃費>
*2-1:http://response.jp/article/2012/06/07/175674.html
ホンダ フィットEV、換算燃費は 50km/リットル…EV最高
 ホンダが今夏、米国カリフォルニア州とオレゴン州で一般発売する同社初の市販EV、『フィットEV』。同車の換算燃費が公表された。フィットEVは、『フィット』ベースのEV。最大出力123ps、最大トルク26.1kgmを発生するモーターを搭載。1回の充電で、最大132kmを走行できる。二次電池は、蓄電容量20kWhのリチウムイオンバッテリー。充電は240Vチャージャーなら、約3時間で完了する。ホンダの米国法人、アメリカンホンダは6日、フィットEVの換算燃費を公表。これは、米国EPA(環境保護局)が定める計測法に沿ったEV独自の燃費表示、「MPGe」と呼ばれるもの。日産『リーフ』や三菱『i』(日本名:『i-MiEV』)も、このMPGeの数値を消費者に開示している。同社の発表によると、フィットEVの換算燃費は、複合モードで118MPGe(約50.17km/リットル)。ホンダによると、日産リーフの99MPGe(約42.1km/リットル)、フォード『フォーカス・エレクトリック』の105MPGe(約44.64km/リットル)、三菱i-MiEVの112MPGe(約47.62km/リットル)を上回る、EV最高数値だという。アメリカンホンダのスティーブ・センター副社長は、「航続距離と充電時間がEVにとって最重要。フィットEVはその点で完璧」と述べ、高い自信を示している。

*2-2:http://togetter.com/li/145868
日産リーフ[LEAF]|電気自動車ランニングコストシミュレーター
 電気自動車の月々と年間のランニングコストを、普段の走行距離、電費、電気料金から計算できます。日産リーフ10月の電気代は、「電力使用量114.1kWh(消費量153.5kWh・発電量39.3kWh)×12.41円/kWh=1415.9円」でした。走行距離1033.6kmで平均電費はEVドライブに絶好の気候で9.1km/kWh。


PS(2014.11.27追加):*3のように、中国がEV充電施設の建設を後押しする方向に動いた!「補助金は充電施設の建設・運営、管理のみに宛て、新エネ車の購入補助などへの充当は禁じた」というのは、インフラは整備するが、EV価格はEVの普及と各自動車メーカーの努力によるという意味で効果的だ。EVのデザインも優れているので、中国のEVが安価に供給されるようになれば、EVでも中国が勝つだろう。また、中国が電気自動車や燃料電池車に舵を切れば、人口が多いだけに効果が高く、太陽光発電や水素燃料による住宅の発電システムも加われば、冬の大気汚染で九州にPM2.5が飛んでくることもなくなる。アジアには人口の多い振興国が多いため、次はインドなどの対応が期待される。

   
                          中国のEV
*3:http://qbiz.jp/article/50686/1/
(西日本新聞 2014年11月27日) 中国 EV充電施設の建設後押し、モデル都市に補助金
 中国の財政省、科学技術省、工業情報省、国家発展改革委員会(発改委)の4省・委員会はこのほど、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)向け充電施設の建設奨励に向け、中央財政から補助金を給付すると発表した。期間は2013年から15年度まで。16年以降は、新エネルギー車の普及規模や、充電施設の建設コストを考慮した上で、補助制度の見直しを行う。給付対象は、4省・委員会が新エネ車普及モデルに指定する都市や都市群。普及活動にはっきりとした効果がみられ、かつ地元政府による補助制度がないことを条件として付加した。普及モデル都市以外でも、新エネ車の普及に効果がみられる都市や都市郡であれば、4省・委員会への申請が許可されれば、補助を受けられる。補助金は充電施設の建設・運営、管理のみに充て、新エネ車の購入補助などへの充当は禁じた。4省・委員会は毎年、モデル都市を対象に新エネ車の普及状況を調査し、結果が良ければ補助を増額、結果が悪ければ減額する。中国政府は新エネ車の普及目標を都市・都市群ごとに設定しており、北京・天津・河北、長江デルタ、珠江デルタなど大気汚染対策の重点都市で、13年:2,500台以上、14年:5,000台以上、2015年:1万台以上。その他の都市で、13年:1,500台以上、14年:3,000台以上、15年:5,000台以上――と定めている。この目標を達成させるため、普及活動において不可欠となる充電インフラ環境の整備を加速させる。詳細は財政省のウェブサイト<http://jjs.mof.gov.cn/zhengwuxinxi/tongzhigonggao/201411/t20141125_1160262.html>から確認できる。


PS(2014.11.27追加):上に記載しているように、世界が脱石油して環境悪化防止に努め、燃料費を安くするイノベーションを起こそうとしているのに、*4のように、「原油価格下落で物価の伸び率が鈍り、低インフレを招いて景気を冷え込ませる」などと解説しているのは、「デフレがいけない=インフレがよい」という誤った知識を持っているせいである。実際には、原油価格高騰は、日本にコストプッシュ・インフレーション(悪いインフレ)を起こして実質経済を縮ませているものであるため、メディアは、経済学のわかっている人に経済記事を書かせるべきである。なお、産油国は、原油で潤沢な資金が得られている間に、国内にいろいろな産業を作るのがよい。

*4:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11476839.html (朝日新聞 2014年11月27日) 原油、減産か維持か きょうOPEC総会、市場注視 価格下落、対応に温度差
 中東などの産油国12カ国でつくる石油輸出国機構(OPEC)は27日、ウィーンで総会を開く。原油価格の下落に歯止めをかけるため生産を減らすよう主張する国があるものの、加盟国の足並みはそろっていない。生産目標を据え置くのか、減産するのか。金融市場の注目が高まっている。OPEC総会を目前に控えた25日、有力産油国のサウジアラビアとベネズエラ、ロシア、メキシコの石油相らがウィーンで急きょ4者会談を開いた。OPECに加盟していないロシアとメキシコも加わった会談は、減産の可能性を探るのが狙いとみられた。だが、協調減産に向けた合意はできなかった。原油価格の下落傾向は止まらず、指標となる北海ブレント原油の先物価格は25日、1バレル=78ドル(約9200円)台に下がった。115ドル台をつけた6月に比べ、3割超の値下がりだ。値崩れを防ごうと、少なくない産油国から減産を求める声が上がるが、足並みはそろわない。各国で異なる財政事情があるからだ。アラビア半島の東端にある産油国オマーン。議会は23日、外国居住者からの送金に2%課税する新法を承認した。国防費など政府予算の削減も進める。いずれも、原油価格の下落による財政赤字の拡大を食い止めるためだ。国際通貨基金(IMF)の推計によると、オマーンが財政を黒字化するのに必要な「財政均衡原油価格」は1バレルあたり102ドル。原油の市場価格が回復しなければ、深刻な赤字に陥りかねない。苦しいのはイラン、イラクも一緒で、OPECに価格下支えを求める声が相次いでいる。一方、外貨準備が潤沢なサウジは、当面の赤字をかぶってでも市場でのシェアを確保したいため、大幅な減産には消極的だ。クウェートやアラブ首長国連邦(UAE)なども追随する。ロンドンの調査・コンサルティング会社「エナジー・アスペクツ」のアナリスト、ビレンドラ・チャウハン氏は「市場は減産が必要と見ているが、加盟国内でどこがどれだけ減らすのか決めるのは難しい」と指摘する。
■低インフレ懸念も
 OPECが減産で合意できなければ、原油価格がさらに値下がりするとの見方が市場には強い。今の生産目標の日量3千万バレルは維持する、と見るコメルツ銀行のアナリスト、カルステン・フリッチ氏は「原油価格は値下がりし、1バレル=75ドルを下回るだろう」と言う。市場には、1バレル=60ドル台まで下がるとの見方すらある。原油価格の下落は、日本など輸入に頼る国にとってはプラスの効果が期待される。ガソリン価格をはじめ、化学製品など原油を原料とする幅広い商品の価格を引き下げるからだ。一方で、原油価格の下落によって、物価の伸び率は鈍る。デフレ懸念が高まる欧州では、現在0%台の物価上昇率がさらに下がる可能性もある。そもそも今回の原油価格の値下がりは、欧州に加え、中国など新興国の景気減速による需要の伸び悩みと、米国などのシェールオイルの生産増で、供給過剰になるとの見方からだ。原油価格の下落が低インフレを招き、さらに景気を冷え込ませるという悪循環に陥るおそれもある。

| 資源・エネルギー::2014.10~2015.4 | 12:18 PM | comments (x) | trackback (x) |
2014.10.24 燃料電池車の価値は、環境に悪影響を与えず、低コストで、100%国産の水素を使うことであるため、水素燃料の生産過程でCO2はじめ排気ガスを発生させるのはセンスがなさすぎる → 教育論へ (2014.10.25追加あり)
   
          燃料電池車                    燃料電池飛行機

(1)燃料電池車の価値は、環境に悪影響を与えず、低コストで、100%国産の水素を使うことである
 *1-3のように、福岡では、排気ガスを出さない「究極のエコカー」であるFCVの普及を図る産学官連携組織が発足して燃料電池車の魅力を発信することになり、日本の燃料電池車がやっとスタートラインに立った。水素燃料は、100%国内で自給できるエネルギーで環境に排ガスなどの悪影響を与えないのが大きな価値であるため、燃料を作る段階からそれを徹底しなければ、当初の目的が達せられない。

 そのような中、*1-1のように、九大と福岡県が九大伊都キャンパスで、国の総合特区推進調整費を活用し、太陽光や風力発電を使う次世代燃料電池の実用化に取り組んで2017年の製品化を目指すということで、これは期待できる。
 
 水素エネルギーは、*1-2に書かれているとおり、家庭用燃料電池(エネファーム)や燃料電池自動車の普及、新たな用途拡大により、2030年に1兆円の国内市場が立ち上がり、2050年には8兆円まで拡大すると新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が発表し、「水素を電源構成の一翼を担う存在に押し上げる」と表明している。

(2)水素燃料の生産過程で、CO2はじめ排気ガスを発生させるのはセンスがない
 しかし、*2-1のように、日経新聞は、①FCVを走らせるのに十分な水素は調達できるのか ②生産過程で発生するCO2が課題 ③燃料費はガソリン車の2倍以上 という内容の記事を書き、環境に悪い排気ガスをCO2のみに限定した上で、如何にも水素燃料が環境に良いわけではなく、価格はガソリン車の2倍以上で、調達が難しいと報じている。
 
 そして、②の理由を、水素を作る過程で二酸化炭素(CO2)が発生し、「水を水素と酸素に分解するには大きな電力が必要で、包丁でスパッと切り離すようにはいきません」などと女性提案者を舐めた説明を掲載しているが、実際には、*2-2のように、電力会社が太陽光発電等の再生可能エネルギーの受け入れを中断するほど再エネ由来の電力は豊富で、化石燃料を分解して水素を作ることこそ、本来の目的を理解しない馬鹿な方法なのである。

 なお、素材メーカーの排出ガスから水素を取り出す方法は、廃棄物の有効活用であるためアッパレだが、これは、これまで処理して捨てなければならなかったものを利用するため、安価にできる筈である。

 従って、「燃料電池車の燃料費はガソリン車の2倍以上」などという状態は、やる気があればあり得ないのであり、応用力のある理科の勉強をしてこなかったため、このような発想しかできない人が日経新聞の記者をしているというような事態が、日本の初等・中等・高等教育の重要な問題なのである。

    
   農業現場で使われている電気トラックと燃料電池車(燃油高騰、恐るべからず) 

*1-1:http://qbiz.jp/article/44238/1/
(西日本新聞 2014年8月20日) 次世代燃料電池に特区推進費 九大と県、17年実用化へ
 九州大と福岡県は19日、同大伊都キャンパス(福岡市西区)で、国の総合特区推進調整費を活用し、次世代型の燃料電池の実用化に取り組む方針を明らかにした。同大とメーカーが発電などに使う燃料電池を共同で開発し、2017年の製品化を目指す。燃料電池は、酸素と水素の化学反応を利用して電気をつくり、水を排出する「究極のクリーンエネルギー」とされる。同大では、主要部品の電解質に薄い焼き物(セラミックス)を使う「固体酸化物形」と呼ばれるタイプの次世代型を研究。発電効率が高く、家庭用から火力発電の代替用まで幅広い用途が期待されている。同キャンパスには、13年1月に開所した「次世代燃料電池産学連携研究センター」があり、TOTO(北九州市)や西部ガス(福岡市)など16社が研究所を設置するなど燃料電池分野の研究拠点となっている。本年度、新たに国から17億5千万円の助成を受け、発電に対応する産業用(約250キロワット)や業務用(約5キロワット)の燃料電池を開発。耐久性や発電効率の向上に取り組む。太陽光や風力発電を使って製造した水素を同キャンパスの「水素ステーション」に貯蔵し、同大が購入する燃料電池車に供給する事業も行う。同大工学研究院の佐々木一成主幹教授は「九大が核となり最先端の研究をしたり、企業の製品開発を支援したりできるような態勢を整備したい。未来の社会を伊都キャンパスで実証して世界に発信したい」と話している。

*1-2:http://qbiz.jp/article/42959/1/
(西日本新聞 2014年7月30日) 水素エネ、50年に8兆円市場へ NEDOが初の白書
 経済産業省所管の独立行政法人、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は「水素エネルギー白書」を初めてまとめ、30日発表した。家庭用燃料電池(エネファーム)や燃料電池自動車の普及、新たな用途拡大により2030年に1兆円の国内市場が立ち上がり、50年に8兆円まで拡大すると予測している。水素は燃焼時に二酸化炭素(CO2)が発生せず、環境にやさしいエネルギーとされる。水素と酸素の化学反応で発電する燃料電池分野で、日本は世界一の特許出願件数を有しており、政府はエネルギー基本計画で水素の活用推進を掲げた。白書はNEDOとして「水素を電源構成の一翼を担う存在に押し上げる」と表明。産官学での取り組みに弾みがつきそうだ。白書は、エネルギー安全保障や環境対策、産業競争力の強化のため、水素は極めて重要な技術領域であると強調。エネファーム、燃料電池車に次ぐ第三の柱に水素発電を挙げた。エネファームについては、設置工事費を含めて150万円程度と販売初期の半分程度まで安くなったが、本格普及にはさらなるコスト低減が必要と指摘している。政府はエネルギー基本計画で、エネファームの導入目標を30年に530万台としたほか、燃料電池車の普及に向けた環境整備として首都圏、中京圏、関西圏、福岡都市圏で水素ステーションを15年に100カ所整備する計画を打ち出した。

*1-3:http://qbiz.jp/article/44224/1/
(西日本新聞 2014年8月20日) 「FCVクラブ」福岡に発足 燃料電池車の魅力発信
 二酸化炭素(CO2)を排出しない「究極のエコカー」と期待される燃料電池車(FCV)の普及促進を図る産学官連携組織「ふくおかFCVクラブ」(代表=麻生泰九州経済連合会会長、小川洋福岡県知事)の発足式が19日、福岡市・天神のエルガーラであり、行政や企業などの約400人が出席した。FCVは、2014年度内にトヨタ自動車が市販する予定。同クラブは、試乗会やセミナーを通じてFCVをPRするほか、燃料の水素を補給する水素ステーションの設置状況や、購入時の支援制度などについての情報を発信する。会員の自治体、企業、大学などには率先してFCVを導入するよう促す。発足式で、麻生会長は「政府はFCVの世界最速の普及を目指している。クラブ発足でその勢いを福岡から広げたい」と表明し、小川知事は「普及には大きな初期市場が重要。クラブとしてFCVの魅力発信に努めたい」と強調。タクシー大手の第一交通産業(北九州市)など3企業・大学が業務などでFCVを活用する「導入宣言」をした。この日は記念講演会を開いたほか、近くのパサージュ広場でトヨタの市販モデル車や水素ステーションの水素供給装置を展示した。

*2-1:http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75788890Y4A810C1000000/
(日経新聞 2014/8/19 ) 始動した燃料電池車 普及の鍵は「眠れる水素工場」
 トヨタ自動車が2014年度内に燃料電池車(FCV)を市販する。価格を700万円程度まで引き下げ、政府も一台あたり200万~300万円の補助金を出す構えだ。普及への期待が一気に高まるが、気になるのが燃料電池を動かす水素の供給体制だ。FCVを走らせるのに十分な水素は調達できるのか、ガソリンと比べた価格は。水素事情を探ってみた。
■生産過程で発生するCO2が課題
 FCVは水素を燃やし(酸化させ)て走るため、走った後に出てくるのは水だけ。「究極のエコカー」と呼ばれるゆえんだ。しかし話はそれほど単純ではない。水素を作る過程で二酸化炭素(CO2)が発生するのだ。そもそも水素はどうやって作るか。中学の理科で習ったように、水から酸素を取り除けば水素になる。つまり「水素は水から作ることができる」。間違いではないがFCVの燃料としての水素を考えると、この作り方は現時点では現実的ではない。工業用水素で国内最大のシェアを持つ岩谷産業の担当者は「水を水素と酸素に分解するには大きなエネルギー(電力)が必要で、包丁でスパッと切り離すようにはいきません」と説明する。もちろん原理的には、水から水素を作れる。しかし電解にかかる電力コストを加味すると、かなり割高になってしまう。このため現在、半導体の製造工程や金属の表面処理などで使う工業用水素はLPガスや石油、天然ガスといった化石燃料を分解して作る。しかし生産過程でCO2が発生し、化石燃料への依存度も低下しない欠点がある。さらに現在、国内の水素生産量は年間1億立方メートル。だがFCVの普及が本格化する25年の需要は24億立方メートルと予想されている。この需給ギャップを埋めながら、水素を生産するときのCO2排出量を減らさなければ、FCVは「究極のエコカー」にはなれない。
■素材メーカーが排出ガスから取り出し
 考えられる解決方法は大きく分けて2つある。一つは「都市鉱山」の活用だ。日本国内には「眠れる水素工場」がかなりの規模で存在する。高炉や化学プラントである。鉄鋼や化学品の製造過程で発生する排出ガスの中には大量の水素が含まれている。高炉大手や化学品メーカーはこれらの一部を燃料として再利用しているが、その大半は捨てられている。その量は現在、水素工場で作られている工業用水素の100倍近いとも言われる。素材メーカーが排出ガスから水素を取り出して外販を始めれば、日本全体でCO2の排出量を増やさずに水素の供給量を引き上げることが可能だ。本物の鉱山を使う手もある。オーストラリアなどにある低品質の褐炭から水素を取り出すのだ。火力発電所では使えない低品質の褐炭は現在、そのほとんどが使われずに放置されている。ここから水素を取り出し、液化して日本に運んでくるのだ。水素の生産過程でCO2が発生する問題は残るが、十分な量の水素を確保するという意味では最も現実的だろう。そして第3の方法が実現すれば、FCVはより「究極のエコカー」に近づく。洋上に水素工場を浮かべ、組み上げた海水を太陽光や風力で作った電気で分解するのだ。水と太陽光、風力を使っていくらでも水素を作ることができる。コストを考えると今の時点では現実的な解とは言えないが、ここまで来ると水素は「電気の缶詰」になる。H2OをH2に分解するときに充電し、H2を燃やしてH2Oに戻す時に放電する。このサイクルを繰り返せば、「Well to Wheel(井戸から車輪まで)」で完全な「CO2フリー」が実現する。水素先進国のアイスランドでは地熱や水力で生み出した電気で水素を作り、自動車や船舶を動かす国家プロジェクトが進められているのだから、洋上水素工場もおとぎ話ではない。
■燃料費はガソリン車の2倍以上
 最後に気になる価格を見てみよう。現在、工業用水素の相場は1立方メートル当たり約150円。最新のFCVは水素1立方メートルで10キロメートル走るから、ガソリン車並みに満タンで500キロメートル走るには50立方メートル、つまり7500円の燃料費がかかる。感覚的にはガソリン車とほぼ同等の燃費性能だが「税金や水素ステーションの設置コストなどを足し込むと、2倍以上にはなる」(岩谷産業)という。その水素ステーションは今年度でも全国で約40カ所足らず。大都市の一部でしか設置されない。3万カ所を超えるガソリンステーションに追い付くにはまだ時間がかかる。FCVを販売するディーラーが水素漏れ点検装置などの導入に1店あたり500万円以上を投じる必要があることも普及の妨げだ。しかし初代プリウスが登場したのは今から16年前。当時に比べれば今の方が「消費者のエコカーへの関心は格段に高い」(トヨタ)。水素インフラの整備にはかなりの時間とお金がかかるが、道筋が見えていないわけではない。あとは日本の産業界全体が本気で「水素社会」を作る気になるかどうかの問題である。

*2-2:http://qbiz.jp/article/48164/1/
(西日本新聞2014年10月21日) 九電、住宅用太陽光は契約再開 再生エネ保留、一部解除
 再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に基づく新規契約を中断している九州電力は21日、出力10キロワット以上の住宅用太陽光などの買い取り手続きを再開すると発表した。出力50キロワット未満で、契約中断を発表した9月24日までの申し込み分が対象。契約中断発表後、九電への苦情が殺到したことなどから対象を再検討した結果、住宅用については電力の安定供給への影響が限定的と判断した。
■なぜ再生エネ契約中断? 今後は?
 九電によると、再開の対象となるのは九州全域の約1万1100件で、発電容量は計32万1千キロワット。出力50キロワット未満でも、事業者が接続条件の緩和を狙って、大規模設備の敷地を分割して申し込んでいるケースは対象外とする。住宅用太陽光について、九電はこれまで10キロワット未満に限って契約中断の対象外としていたが、10キロワット以上のパネルを住宅に設置する計画の家庭などから「住宅ローンの返済計画が狂う」「発電設備を既に購入してしまった」といった反発が続出。国から対応策の検討を求められたこともあり、買い取り範囲の拡大を決めた。九電は「太陽光発電の急増で、管内の電力供給が不安定化する恐れが生じている」として、9月25日から再生エネの新規契約を九州全域で中断していた。今回の手続き再開後も、申し込み済みのうち事業用を中心とする約5万5500件(発電容量約1150万キロワット)は引き続き保留対象とする。再生エネの契約中断の動きは全国の他の電力会社にも広がっており、経済産業省の有識者専門部会が年内をめどに、各社の受け入れ可能量を検証する方針だ。
*固定価格買い取り制度 再生可能エネルギーによる発電を増やすため2012年7月に導入された制度。大手電力会社に対し、再生エネ事業者が発電した電気を国が決めた価格で長期にわたり買い取るよう義務付けた。電力会社の買い取り費用は電気料金に上乗せされる。ただ、大手電力の間で買い取り手続きを中断する動きが広がったことから、経済産業省は制度を抜本的に見直す議論を始めた。


PS(2014.10.25追加):私が本文で、「経済新聞記者でさえ、応用力のある理科の勉強をしてこなかったため、このような発想しかできない」と書いたところ、翌日、*3の記事が掲載されたが、これは本当に重要な問題点は記載していない。それは、1)私立文系の大学入試には、数学、物理、化学、生物などの理数系科目がないため、高校以下で理数系科目をしっかり勉強しておらず、知識も論理的思考力も身についていないこと 2)大学でも文系は大教室で知識を伝える講義を中心とし、知識を覚えたか否かの試験を行うため、学生がその知識に疑問を投げかけ解答を得ておく習慣を身につけていないこと 3)これを導くことができるのは先生の資質であるため、先生の質の確保のため、初等教育から先生の報酬を惜しまず、待遇をよくするとともに、先生の社会的地位を上げなければならない ということである。

 これまで、教育改革と言えば、*3のように、「①知識偏重がいけないので、知識量を問う『従来型の学力』を測るテストから、知識を活用し課題を解決できる能力を見る入試へ」「②知識の活用力や思考力、主体性を評価する入試に転換」「③筆記試験の点数ではなく、志望理由書や面接、プレゼンテーション能力、集団討論、部活動の実績、資格試験の成績などを組みあわせる」など、知識や学力を軽視する方向への変更が行われ続け、これが日本の公教育による学力低下を招き、貧困の世代間連鎖を生んだ。

 しかし、①②は、小中高の段階では、よい先生に導かれて多方面の知識と論理的思考力をしっかり身につけることによって達成できるものだ。さらに、③は、TOEFLなどの信頼できる資格試験を除き不確かな判断基準となり、評価者以上のとびあがりの学生やその時代の“標準”では予想できない学生も評価できない。そのため、それぞれの大学が、客観的で公正な大学入試センター試験をミニマムとし、自らの教育理念に従って必要な追加試験を行って選別し、その教育理念にそって学生を磨くべきだと考える。

*3:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11420347.html?_requesturl=articles%2FDA3S11420347.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11420347 (朝日新聞 2014年10月25日) 大学入試、知識の活用重視 集団討論・プレゼン・記述式… 中教審が改革答申案
 大学入試改革を議論している中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は24日、入試選抜方法の改革を促す答申案をまとめた。年内にも答申される。知識量を問う「従来型の学力」を測るテストから、知識を活用し自ら課題を解決できる能力を見る入試に改める。個別試験では、早ければ今の高校2年生が対象となる、2016年度入学の入試から導入される。大学入試センター試験も選抜方法が変わる。答申案は、センター試験や個別試験の知識偏重で1点を争うテストから、知識の活用力や思考力、主体性を評価する入試に転換するべきだと指摘している。個別試験については、筆記試験の点数ではなく、志望理由書や面接、プレゼンテーション能力、集団討論、部活動の実績、資格試験の成績などを組みあわせて選抜するよう提言した。学力を測る場合は、選択式だけでなく、「記述式、論述式」にするとした。個別試験の改革は「強力に推進する」べきだとされ、各大学には、学生のどのような力をどのように評価するのかを明確にし、求める人物像を示した基本方針を必ず策定することを求めた。国には、改革の取り組みに応じて補助金を出すなどの必要性を指摘した。一方、センター試験は、「思考力・判断力・表現力」を評価する「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」に変える。このため、国語と理科など複数教科を合わせた問題や記述問題を導入。各大学には試験結果の活用を勧める。こちらは20年度から「複数回」の実施を検討している。高校生の就職活動などにも使える新テストは「高校基礎学力テスト(仮称)」とし、19年度から始める。高校2年、3年で複数回受験でき、結果は大学受験の資料としても使用できる。いずれも、具体的な内容は専門家らが検討を進めるが、英語については、TOEFLなどの民間試験の活用が求められた。
◆キーワード
 <大学入試改革> 政府の教育再生実行会議が昨年から議論し、「能力・意欲・適性を多面的、総合的に評価する大学入学者選抜制度」を同年10月に提言した。センター試験は、知識の暗記だけでは解けない「考える力」をみるものに転換することを提案。学力水準の判定とともに、面接や高校時代の活動歴も評価するよう大学に求めた。これを受け、中央教育審議会が改革案を議論していた。

| 資源・エネルギー::2014.10~2015.4 | 10:41 AM | comments (x) | trackback (x) |
2014.10.18 21世紀の航空機・船舶の動力は、水素による燃料電池か電力でしょう (2014.10.19追加あり)
   
     *1より            *3より           船舶用電動モーター

(1)燃料電池航空機の飛行実験はアメリカで成功しているそうだが・・
 *1に書かれているように、IHIとIHIエアロスペースは、米ボーイング社と共同で、2012/10/4に燃料電池システムを搭載した航空機の飛行実験に成功しているそうだ。燃料電池はIHI製で、発電後は水のみを排出し、排出した水をまた水素と酸素に分解して燃料を再生するところは全くアッパレだ。しかし、それを、米ボーイング社と共同でしかできないところが残念だ。

(2)日本企業の視野は矮小で追随主義ではないのか?
 *2に書かれているように、ホンダが、2014/10/16に、小型航空機エンジン事業で世界シェア3割を目指す方針を明らかにしたのはよいことだが、燃料電池車を作っているメーカーであるのに、その視野には、燃費性能と耐久性しか入っておらず、空気を汚さないという環境意識が欠けているのが情けない。
 
 これを見ると、日本企業の経営者は、まだ、「エンジンは油の匂いがしなければならない」「油にまみれて働いているのが美徳である」という発想から抜け出せない古い世代なのではないかと思わざるを得ないが、これでは21世紀をリードして世界で勝ち残ることはできないだろう。

 私がそういうことを書く理由は、市販の自動車の動力に電気や水素を使用することを経産省に最初に提案したのは私で、それは1995年くらいのことだったが、いち早く電気自動車を作ったのは日産のゴーン社長(両親はレバノン人、生まれはブラジル、育ちはフランス)であり、トヨタはハイブリッド車止まりで、三菱自動車は燃料電池車を最初に作ったものの、未だにブレイクできずにいるからだ。

(3)三菱重工の旅客機開発について
 *3のように、三菱リージョナルジェット(MRJ)が、70~90席クラスの地域路線向け小型旅客機の開発を行い、2015年度中の就航を目指しているそうだ。三菱重工は、MRJの開発に航空宇宙部門から700人近い技術者を投入し、社運を懸けて開発しているとのことで、頑張って欲しい。

 しかし、三菱は燃料電池車を最初に実用化した企業グループであるため、水素燃料によるモーターを使うのは容易であるにもかかわらず、遅れて出発して燃費しか追求せず、ブラジル、カナダなどのライバルと同次元の競争をするのは単に不利でしかない。

 一方、得意技を生かして燃料電池による旅客機を作れば、航空機業界の巨人であるボーイングやエアバスにさえエンジンの供給をできるかも知れず、参入障壁はない。そのため、三菱航空機の二ツ寺機体設計部長が言われるとおり、経済性、環境性、快適性のすべてにおいて優れた次世代のジェット機を作ってもらいたい。現在の航空機は、エンジン音がうるさ過ぎて中で音楽を聞いていると大きな音にせざるを得ないため耳が痛くなり、上空を飛ばれるとやかましく、燃費が悪い上に空気を汚しているので、必ず売れ筋になると考える。

(4)船舶の燃料について
 東京湾を代表として、船舶の往来が激しい港の海水は濁って汚いが、それは、いろいろな形で燃料の重油を海に漏らしているせいだ。船舶も、経済性、環境性、快適性のすべてにおいて優れたものにすべきであり、そのツールは、電動、燃料電池、それらと自然エネルギーのハイブリッドなど、既にできている。

*1:http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD040HW_U2A001C1TJ1000/
(日経新聞 2012/10/4) 燃料電池搭載した航空機、飛行実験に成功 IHI
 IHIとIHIエアロスペースは4日、米ボーイングと共同で、燃料電池システムを搭載した航空機の飛行実験に成功したと発表した。小型機「737」に燃料電池を搭載し、米シアトル上空を約5時間飛行。燃料電池による電力供給や、航行時の航空機エンジンからの充電などを試験した。航空機内の補助電源として実機採用を目指す。燃料電池はIHI製で、エンジンとは別に電気を供給できるのが特徴。発電後には水のみを排出するため、環境に優しい。排出した水を水素と酸素に分解し、燃料電池として再生する仕組み。今後は燃料電池の小型化や出力増強などの改良を進め、新型機などへ導入を働きかけていく。機内の電源は現在、航空機エンジンによって駆動した発電機で賄われている。エンジン出力の低い地上移動中や降下中には電力が不足する一方、巡航中や上昇中は余裕が生まれやすい。これらの余裕分を燃料電池に蓄電しておくことができる。

*2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20141017&ng=DGKDASDZ16HD6_W4A011C1TJ2000 (日経新聞 2014.10.17) 
ホンダ、小型航空機エンジンのシェア3割目標 初の外販、米社と合意
 ホンダは16日、小型航空機エンジン事業で世界シェア3割を目指す方針を明らかにした。機体メーカーや中古機のエンジン交換を手がける企業などにエンジンを外販し、プラット&ホイットニー(P&W)など米エンジン大手に対抗して事業を拡大していく。米ゼネラル・エレクトリック(GE)と共同開発したジェットエンジンを小型ビジネスジェット機など向けに売り込む。最初の外販先として、中古機の改造などを手掛ける米シエラインダストリーズ(テキサス州)へ納入することで基本合意した。エンジン価格は機体1機当たり8000万円前後とみられる。競合品を10%上回る燃費性能や耐久性を前面に打ち出す。2020年には年300~400機分のエンジン需要があると予想し、P&Wなどのシェア切り崩しを狙う。ホンダはこのエンジンを自社開発のビジネスジェット機「ホンダジェット」に搭載し、15年初めにも米国で納入を始める。エンジン単体の販売も事業化し、新たな収益源に育てる。

*3:http://toyokeizai.net/articles/-/13951 (渡辺清治:東洋経済編集局記者2013年5月15日)三菱重の旅客機開発、狙うは世界シェア5割、次世代リージョナルジェット、誕生への大きな試練
 昨年、名古屋市で開催された航空展示会で客室が公開され、多くの報道陣と見学者が訪れた三菱リージョナルジェット、略してMRJ――。総合重機メーカー最大手、三菱重工業が計画する70~90席クラスの地域路線向け小型旅客機だ。2015年度中の就航を目指し、子会社の三菱航空機(本社・名古屋市港区大江町)を通じて開発作業を進めている。MRJの開発に三菱重工は航空宇宙部門から700人近い技術者を投入、総開発費は1800億円にも及ぶ。まさに同社の社運を懸けた一大プロジェクトと言っていい。オールジャパンによる初の国産旅客機、「YS-11」(初飛行は1962年)の生産が1972年に終了して以降、国産旅客機の誕生は途絶えている。同機の開発で中心的役割を果たした三菱重工は、その後も独自に定員10人未満の小型ビジネス機を開発したが、事業としては失敗。以後、国内航空機産業は海外完成機メーカーの下請けに甘んじ、新たな国産旅客機の開発は日本の航空機産業、そして三菱重工の悲願だった。長きにわたる空白期間を経て、三菱重工は2008年に旅客機の自主開発を決断。同年春に事業主体となる三菱航空機を設立し、MRJの本格的な開発をスタートさせた。そこから今年で6年目。この間、設計変更や開発の遅れから2度のスケジュール変更を余儀なくされたが、いよいよ今年秋から、実機による飛行試験のフェーズに入る。
●飛行試験用の機体製作急ぐ、初号機は夏までに完成
 飛行試験は膨大な検証データを集めるのが目的で、MRJは日本と米国で延べ2500時間に及ぶ飛行試験を計画している。必要なデータを効率よく集めるために、飛行試験用の実機を5機用意し、それを並行して飛ばすという。機体を製作するのは三菱重工本体の仕事だ。愛知県内の航空関連工場がその役割を担い、製造現場では飛行試験に向けた機体の準備に追われている。地上での強度試験にも2機使用するため、必要となる試験用の実機は合計7機。すでに初号機に関しては組み立て作業に取りかかっており、遅くとも夏までには機体が出来上がる予定だ。
●ライバルはブラジル、カナダ勢など4社
 MRJが参入する100席以下の小型リージョナル旅客機は現在、北米、欧州を中心に世界で約3400機が飛んでいる。そうした既存機の更新需要に加え、将来的にはアジアなど新興国でも地域路線の整備が予想されるため、「今後20年間で新たに5000機前後の需要が見込まれる」(三菱航空機の福原裕悟・営業部部長代理)。航空機業界の巨人であるボーイング、エアバスはいずれも100席以下の旅客機を手掛けておらず、このクラスはエンブラエル(ブラジル)とボンバルディア(カナダ)の2社が市場を二分。さらに軍用機で知られるロシアのスホーイ社が2011年に出荷を開始、中国企業も同サイズ機の開発を進めている。いちばん最後に名乗りを上げたのがMRJだ。多くの実績がある2社のみならず、ロシア、中国勢にも地盤を確立されてしまったら、参入のチャンスは永久になくなる――。三菱重工が2008年に開発本格着手へと踏み切った背景には、そうした強い危機感もあった。MRJは開発スタートが最後発になった分、米国プラット&ホイットニー社が開発した最新鋭の次世代型エンジンを採用。同エンジンは燃費性能と騒音などの環境性能に優れている。また、機体のデザインにおいても、最新の空力設計技術を取り込んだ。三菱航空機の二ツ寺直樹・機体設計部長は、「われわれが目指すのは、次世代のリージョナルジェット機。経済性、環境性、快適性。そのすべてにおいて優れたものになる」と話す。
●燃費性能を武器に大口受注、「シェア5割取る」
 中でも最大の“売り”は、他社機種より2割優れているという燃費性能だ。現在、リージョナル機の平均的な1日当たりの総運航距離は6000キロメートル前後で、その燃料コストは1機当たり年間6億円前後に上ると言われている。燃費性能が2割違えば、それだけで年間のコストが1億円以上浮く。燃料高に頭を抱えるエアライン(航空会社)にとって、これは非常に魅力的だ。高い性能を掲げるMRJに、海外のエアラインからも大きな注目が集まる。昨年12月には、米国のスカイウェスト社から、オプション(=優先予約権)を含め200機の大口受注を獲得。これでバックオーダーは確定分が170機、オプションも含めると300機を超えた。MRJの定価は1機4200万ドル(42億円弱)。定価で計算すると、金額にしてざっと7000億円の受注をすでに確保したことになる。三菱航空機の川井昭陽社長によれば、「リージョナル機で飛行試験前にこれだけのオーダー数が集まるのは画期的なこと」だという。しかも、大口契約を結んだスカイウェスト社は、毎日4000便を運航する米国最大の地域エアライン。その同社から選ばれたことで、業界内での注目度は一段と高まった。「米国に限らず、MRJに対するエアラインの関心は非常に強い。最低でもこれから出てくる需要の半分、シェア5割は取りたい」と川井社長は自信を見せる。
●最大の難関は型式証明の取得
 となると、期待は高まるばかりだが、MRJを世に送り出すには、まだまだ多くの課題が残されている。川井社長の言葉を借りれば、「開発作業は、初飛行まで行ってようやく5合目程度。そこからが本当のヤマ場」だ。飛行試験で膨大なデータを集めたら、今度はそれを解析して、設計にフィードバックする作業が待っている。今までの開発作業はあくまで、さまざまな仮定数値を前提としたシミュレーションの世界。実際に機体を作って飛ばせば、地上では想定しえなかった多くの問題に直面する可能性がある。問題点が出てくれば、当然、設計の見直しを強いられる。設計を見直せば、再び実機を使った検証作業も必要だ。こうした作業の末に、「次世代リージョナルジェット機」の名にふさわしい旅客機へと仕上げられるかどうか。MRJは高い性能をうたっているだけに、そのハードルもおのずと高い。そしてもうひとつの大きな課題が、安全性の証明だ。墜落すれば大惨事が避けられない旅客機は、航空法で厳しい安全基準が課せられている。実際に製品として出荷するには、開発メーカー自身が機体の安全性を確信するだけでなく、それを客観的に証明して、国から型式証明と呼ばれる設計承認を得る必要がある。「極論すれば、飛行機自体を作るよりも、その安全性を証明するほうが大変」と川井社長自身が語るように、型式証明の取得には膨大な労力と時間を要する。何しろ、型式証明は「飛行」や「強度」「設計・構造」「動力装置」など分野ごとに数十項目、全部でざっと400もの細かな基準項目が定められており、そのすべての基準を満たすことが義務づけられている。開発メーカー側は項目ごとに必要な解析・試験データを用意し、基準に適合することを自ら証明しなければならない。こうした証明作業は開発と並行して進められていくが、「1項目を証明するための提出資料が数百ページに及ぶのはザラ」(審査に当たる国土交通省の航空機技術審査センター)というから、何とも気の遠くなるような作業である。
●「何としてでも開発をやり遂げる」
 開発に伴う資金負担もこれから一挙に重くなる。人件費に加え、飛行・地上試験に必要な実機製作に伴う出費が本格的に始まるからだ。「開発費用は今2013年度からハネ上がり、14、15年度と高い水準が続く」(三菱航空機)。しかも、期間損益の黒字化は商業機の量産開始から数年後、投資を回収し終えるのははるか先のことだ。こうした一連の課題や多額の先行投資負担は、MRJを世に送り出すための“産みの苦しみ”とも言えるが、「われわれが全力で頑張れば乗り越えられる。何としてでもやり遂げる」と三菱重工の大宮英明会長は言い切る。その大宮氏から4月に三菱重工社長職を引き継いだ、宮永俊一新社長も思いは同じだ。「旅客機は参入障壁が非常に高い。しかし、その大きな壁を乗り越えれば、長期にわたって開発者メリットが享受できる。MRJは当社の長期的な発展に欠かせない」。三菱重工の未来をも背負ったリージョナルジェット旅客機・MRJ。その誕生に向けた挑戦が続く。


PS(2014.10.19追加):*4に書かれているように、2008年に開発がスタートしたのは、私が衆議院議員をしていた時(2005年~2009年)に、自民党の部会で「戦後60年が経過したので、付加価値の高い航空機を作り始めましょう」と言ったのがきっかけである。しかし、ゼロ戦を作っていたビルで開発しているのはやりすぎだろう。

*4:http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ18H0Z_Y4A011C1000000/?dg=1 (日経新聞 2014/10/18) MRJを初公開 三菱重工会長「ものづくりの英知の結晶」
 国産小型旅客機「MRJ」を開発中の三菱航空機(名古屋市)は18日午後、MRJの機体を初公開した。機体がほぼ完成し、航空会社など関係者の前でお披露目される「ロールアウト」と呼ばれる式典を開いた。初飛行は来年4~6月を計画している。式典は三菱重工業・小牧南工場(愛知県豊山町)で開かれ、約500人の関係者が出席。午後2時過ぎ工場の幕が開き、白地に赤黒金の3色のラインが引かれたMRJの飛行試験用機体が登場した。式典で三菱重工の大宮英明会長は「事業を決心した当時は、会社の屋台骨を揺るがしかねないという覚悟だった」と振り返りながら、「(MRJは)高い技術力で品質を追求するものづくりの英知の結晶。世界に誇れるメード・イン・ジャパンだ」とあいさつした。2017年に初号機を受け取るANAホールディングスの伊東信一郎社長は「『さあいよいよだな』と気持ちの高ぶりを覚える。初号機受領がいまから待ち遠しい」と初飛行への期待感を示した。MRJは2008年に開発がスタート。3度の開発延期に見舞われながら今年6月に胴体と主翼、エンジンが結合された。これまで日米やミャンマーの航空会社6社から407機(オプションなど含む)を受注している。

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