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2012.12.23 玄海原発訴訟について
 「原発なくそう!九州玄海訴訟」が佐賀地裁に起こされた。原告団長は、佐賀大学の長谷川照前学長(73)で、京都大学出身の理学博士であり、筋の通った立派な方だ。また、私は、佐賀医大の学長だった方から、「佐賀医大に入院する患者で、原発の近くの地域の人に、特定の疾患が多いですよ」と言われたことがある。

 そのため、私は、*2のような立派な原告団で真正面から格調高く、「憲法が保障する生存権・人格権の侵害」として提訴したことはすごいことで、是非、勝って欲しいと思っている。原発の環境問題という側面からは、世界の原発を止める一歩となって欲しい。

 *1のように、原告団は、福島第1原発事故によって「安全神話は虚偽だった」とし、玄海原発は、一旦、事故が起これば偏西風によって日本列島を広く汚染する可能性が高いため、玄海原発の稼働は「憲法が保障する生存権や人格権を侵害している」として提訴しており、原発の設置・稼働は、国の原子力行政に基づくとして、被告に国も加えているそうだ。応援できる方は、応援して下さい。

*1:http://www.saga-s.co.jp/news/genkai_pluthermal.0.2357761.article.html
(佐賀新聞 2012年12月21日) 全都道府県から5千人超 玄海原発停止訴訟
 佐賀など41都道府県の4923人が、国と九州電力に玄海原発全4基(東松浦郡玄海町)の操業停止を求めている訴訟で、新たに570人が20日、佐賀地裁に提訴した。提訴は第5次。これまで空白だった福井や青森など6県からも加わり、原告は全都道府県の5493人となった。
 提訴行動には、原告と弁護団ら約30人が参加。提訴後の集会で弁護団幹事長の東島浩幸弁護士は「全都道府県から原告が参加したことで、各地の原発を止める運動にも広がりが期待できる」と話した。訴状では、昨年の福島第1原発の事故で4基が制御不能となり「安全神話は虚偽」と主張。玄海原発の操業が、憲法が保障する人格権や生存権を侵害するとしている。
 次回の口頭弁論は3月22日に開かれる。

*2:http://yaplog.jp/10000saiban/archive/2
 私たちは『玄海原発』を廃止するために裁判を起こします。あなたも裁判に参加しませんか?
東京電力福島第一原子力発電所の事故は、未曾有の放射能汚染を引き起こし、原発周辺地域における住民の歴史と文化、生活を奪い去り、日本列島や周辺国の人々や環境に対しても深刻な犠牲を強いています。3.11以降の経過は、原発事故が地震や津波のような天災ではなく人災にほかならないこと、原子力発電システムの「安全神話」は虚構であり、人々が安全かつ平穏に生活する権利を蹂躙するものであること、原子力エネルギーを技術的にコントロールできるという考えは「幻想」であり、原子力エネルギーは「荒廃と犠牲」そして破局への道であることを教えてくれました。
 ところが、人災としての原発事故の徹底した原因究明や、多数の原発を立地してきた国や電力会社等の責任を解明する作業も行わないままに、原発の再稼働を進める動きが始まっています。しかし、地震列島 日本に原発は危険すぎます。日本にある全ての原発を廃止して、再生可能なエネルギーにより安全で安心して暮らせる社会を子孫に残すことは、私たちの責任だと思います。
 私たちは、全国で始まっている『原発ゼロ』を目指す運動と連帯し、その一環として、最初に私たちの地元に立地している『玄海原子力発電所』を廃止する裁判に取り組みます。裁判では「安全神話」を振りかざして人倫に反する原発政策を推進してきた国と電力会社の責任を徹底的に解明したいと考えています。私たちと共に裁判に参加したいとお考えの方は、下記連絡先に 郵便・FAX・メールにて資料をご請求ください。皆さんのお力をお貸しください。

 呼びかけ人<順不同/敬称略>
 長谷川照(佐賀大学学長・原子核理論学)、半田 駿(佐賀大学教授・地球物理学)、豊島耕一(佐賀大学教授)、三好栄作(九州大学名誉教授・理論化学)、森 正明(元九州大学教授・臨床薬学)、上原周三(九州大学名誉教授・放射線医学)、岡本良治(九州工業大学名誉教授・原子核物理学)、石川捷治(久留米大学教授・政治学)、戸田 清(長崎大学教授・環境社会学)、原田正純(元熊本学園大学教授・医師)、花田昌宣(熊本学園大学教授・水俣学)、宮本憲一(元滋賀大学学長・環境経済学)、東島浩幸(元佐賀県弁護士会会長)、池永 満(元福岡県弁護士会会長)、原 章夫(元長崎県弁護士会会長)、三藤省三(元熊本県弁護士会会長)、清源善二郎(元大分県弁護士会会長)、松田公利(元宮崎県弁護士会会長)、森 雅美(元鹿児島県弁護士会会長)

 <資料請求先>
 〒838-0068
 福岡県朝倉市甘木1193-1
 弁護士法人 奔流法律事務所 朝倉オフィス 気付
 原発なくそう!九州玄海訴訟準備会(仮)
 TEL 0946-23-9933
 FAX 0946-21-5100
 E-MAIL:no-genpatsu@bengoshi-honryu.com

 〒840-0825 佐賀市中央本町1-10ニュー寺元ビル3階
 佐賀中央法律事務所
 TEL 0952-25-3121
 FAX 0952-25-3123

| 原発::2012.10~12 | 05:13 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.12.17 高レベル放射性廃棄物の最終処分場について
 誰が政権をとろうと、生物に有害で、環境を破壊する事故を引き起こし、高コストの原子力発電を行う必要がないことは明らかである。しかし、今まで原子力発電を行ってきたことで、すでに使用済核燃料や廃炉時に出る高レベル放射性廃棄物は大量に溜まってしまっているため、高レベル放射性廃棄物最終処分場の問題は重要だ。

 まず、*1に書いてあるように、日本では、(私の提案により)高レベル放射性廃棄物を地下数百メートルの安定した地層に埋める政策を採るとしてきたが、これは、放射性廃棄物を完全に人間界と環境から隔絶して保管し続けることが目的であった。しかし、それでも、最終処分地の公募に応じる自治体はなかったし、まれに首長が手を上げると住民からリコールされた事実がある。

 これに対し、日本学術会議が「総量管理」として、高レベル放射性廃棄物の総量に上限を設けたり、増加分を厳格に抑制したりする概念を出したそうだが、放射性廃棄物は、総量が多い時のみ、又は、増加分だけが生物に害を及ぼすわけではないため、これは論理的まやかしだ。日本学術会議というのは、いつものとおり適格性を欠く専門家の集まりではないのかと思ってしまう。さらに、「暫定保管」は、取り出し可能な状態で数十~数百年間保管するという考え方だそうだが、ゴミに、どれだけ膨大な費用をかけて保管・管理し続けると言うのか。この保管・管理料も税金から支払うのだから、これ以上、現在及び将来の世代に、原発で膨大な負担を残すのはやめることこそ、未来に責任ある政治だ。

 また、*2、*3のように、国有林だから交渉がいらないとばかりに、水源近くや地下水に触れる場所で高レベル放射性廃棄物を保管しようと考えるとは、環境省に不信任を突き付けざるを得ない。どういうセンスをしているのだろうか?候補地に選ばれた高萩市、矢板市、近隣のさくら市、塩谷市、高根沢市の心配は当然であり、風評被害ではなく実害があるため、市民は頑張って欲しい。

 では、高レベル放射性廃棄物の最終処分は、どうすればよいのか? わが国のような地震国で温暖な場所では、高レベル放射性廃棄物を地下数百メートルの安定した地層に埋めても、地下水に触れる危険性があり、10万年先にはどうなっているかわからない上、高コストであるなら、適地は国内には見つからないので、10万年以上地殻変動がなく、地下水は凍っていて流れない、永久凍土のシベリアででも、生物界から完全に遮断して地層処分させてもらうほかないだろう。それには、防衛上の配慮も必要だが。

 しかし、そもそも、放射性物質の扱いにここまで無頓着な人々が、高レベル放射性廃棄物の最終処分の見通しもなく、安易な発想で放射性物質を扱う判断をしてきたこと自体、子どもの火遊びか無免許運転と同じレベルだと、私は言いたい。

*1:http://mainichi.jp/opinion/news/20121105k0000m070103000c.html
(毎日新聞社説 2012年11月5日) 放射性廃棄物 処分政策に向き合う時
 原発から出る高レベル放射性廃棄物をどこに処分するか。これまで延々と先送りしてきたテーマである。しかし、福島第1原発の事故を経て、もはや目をつぶり続けるわけにいかないことが浮き彫りになった。政府は9月中旬に公表したエネルギー・環境戦略で、30年代に原発ゼロをめざしつつ、使用済み核燃料の再処理路線も維持するという矛盾した政策を打ち出した。これに対し、私たちは再処理をやめるべきだと主張してきた。ただし、再処理をしようとしまいと、原発を動かす限り高レベル放射性廃棄物は出続ける。原発を止めても、すでに存在する高レベル放射性廃棄物を処分しなくてはならない。本来、これを真剣に検討しなければ原発政策も決められないはずだ。日本では高レベル放射性廃棄物を地下数百メートルの安定した地層に埋める政策を採用してきた。しかし、放射能のレベルが十分に下がるまで数万年かかり、安全に管理できるのか不安に思う人は多い。原子力発電環境整備機構(NUMO)が最終処分地を公募しているが、応じた自治体はない。NUMOの側にも真剣さが感じられない。
 こうした行き詰まりに対応するひとつの方策として参考になるのが、日本学術会議が提案する「総量管理」と「暫定保管」だ。「総量管理」は、高レベル放射性廃棄物の総量に上限を設けたり、増加分を厳格に抑制したりすることを意味する。増え続ける廃棄物に目を背けたまま、全国54基もの原発を稼働させてきた問題を思えば、この考え方を導入する意味は大きい。政府が、「30年代に原発ゼロをめざす」政策を誠実に進めて行く気があるなら、廃棄物の側からもその覚悟を示すべきだ。それが、「口先だけではないか」という国民の不信をぬぐうことにもつながる。「暫定保管」は、取り出しが可能な状態で数十〜数百年間保管するという考え方だ。ある種のモラトリアムで、結局は問題の先送りに過ぎないとの批判はあるだろう。一方で、従来の地層処分が本当に妥当なのか、廃棄物処分の技術的発展が今後ありうるかを真剣に検討する猶予期間と考えることもできる。ただし、その場合には、国民一人一人が自分の問題として継続的に考えていくための工夫が必要になる。学術会議は、これまでの原発政策が電力を消費する「受益圏」と、廃棄物や事故リスクを引き受ける「受苦圏」を生み出してきたと指摘している。「受苦圏」には経済利益を提供することで折り合いをつけてきたが、廃棄物の最終処分問題にはそれを超える知恵が求められている。

*2:http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20121207/CK2012120702000145.html (東京新聞 2012年12月7日) 「最終処分場 撤回を」 4市町区長会 県と県議会に要望書
 高濃度の放射性廃棄物の最終処分場問題で、候補地に選ばれた矢板市と、近隣のさくら、塩谷、高根沢の計四市町の区長会は六日、白紙撤回を求める要望書を福田富一知事と、県議会の高橋文吉議長宛に提出した。要望書は、候補地周辺が農業用水を供給するダムや湧水が豊富な水源地帯で、処分場施設の劣化により地下水などが汚染される可能性や、推定活断層の存在を指摘。「これらに起因する風評被害は、それぞれの懸念が複雑相互に絡み合い、今までより大きなものとなることは必至」と主張している。四つの区長会の役員八人が県庁を訪れ、石崎均環境森林部長と高橋議長に文書を手渡した。矢板市区長会の江部和栄会長は「難しい問題だが、未来を担う子どもたちのためにも白紙撤回をお願いしたい」と話した。 

*3:http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13555831079518  (茨城新聞 2012年12月16日)  高萩の最終処分場問題 白紙撤回求め市民ら2000人、総決起集会
 放射性物質を含む「指定廃棄物」の最終処分場として高萩市の国有林が選定された問題で、市民団体「指定廃棄物最終処分場候補地の白紙撤回を求める高萩市民同盟」(鈴木直登会長)の総決起集会が15日、高萩市の市庁舎跡地で開かれ、市民ら約2千人(主催者発表)が参加し、「最終処分場は永久に安全が確保できない。知恵と行動で候補地の白紙撤回を」などと気勢を上げた。
 市民同盟の鈴木会長は「ダムの上流であること、最終処分場であること、子どもたちの未来を確保するため」の3項目を反対理由に掲げ、計画の白紙撤回に向けた協力を呼び掛けた。次世代の代表として登壇した同市立中2年の女子生徒(14)は「自然を破壊して処分場を建設すれば農業も破綻してしまう。処分場は要らない」。県立高1年の女子生徒(16)は「放射能は次世代に大きな影響を残す。私たちの未来を消さないでください」と涙ながらに訴えた。
草間吉夫高萩市長は「7万人以上の反対署名が集まったことを誇りに思う。国に白紙撤回を求め、ゼロからのスタートを要望する」と強調した。集会には、同じく候補地となった栃木県矢板市の遠藤忠市長や「矢板市民同盟会」(小野崎俊行会長)のメンバーら約200人も駆け付けた。遠藤市長は「環境省の選定方法は全く拙速、稚拙で、人の命や生活環境を守ることを無視している」と述べた。最後に、参加者全員で「白紙撤回」と書かれた紙を掲げながら「頑張ろう」を三唱し、結束して闘うことを確認した。高萩市、矢板市などは26日の新内閣発足を受け、27日に環境省へ白紙撤回の要望書を提出する予定。

| 原発::2012.10~12 | 11:44 AM | comments (x) | trackback (x) |
2012.11.18 原発事故による汚染の影響
 *1によれば、福島県立医大は「チェルノブイリ原発事故でも甲状腺がんの発見に最短で4年かかった」として、放射線との因果関係は低いとみているそうですが、チェルノブイリ原発事故では、直ちに事故を起こした原発をコンクリートで固め、住民を遠方へ避難させたのに対し、日本では、「大丈夫、大丈夫」と言いながら、未だに放射能を出し続けている原発の側に住まわせているのですから、低線量被曝によるがん患者が出るのは当たり前です。そして、翌日の11月18日には、*2の事例も報告されました。

 実際に、*3、*4、*5、*6のように、広い範囲の山林、河川、海が汚染され、汚染が動植物にも取り込まれているにもかかわらず、「食べて協力」と言って汚染された食品を食べさせ続けているのですから、内部被曝もするのであり、子どもに限らず、被曝総量に対応しきれなくなった弱い個体から順に、病気になっていきます(人間も動物の一種です)。そのため、子どもしか検査していないのは不十分なのです。 

 つまり、原発は、ここまでいろいろな面で深刻な影響をもたらし、それを修復するコストも天文学的に高いので、電気を起こす為に原子力を使う必要はないと考えます。人間は神様ではないので、100%完全な装置を作り、100%ミスなく使い続けることはできないのですから・・。

*1:http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121117/dst12111719510002-n1.htm
(産経新聞 2012.11.17) 1人が「直ちに2次検査必要」 福島の甲状腺検査でがんの疑い
 東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べるため、福島県が18歳以下の約36万人を対象に行っている甲状腺検査の1次検査で、がんの疑いがあり「直ちに2次検査が必要」と初めて判定された子供が1人いることが17日、関係者への取材で分かった。18日に報告される。調査を進めている福島県立医大は「チェルノブイリ原発事故でも甲状腺がんの発見に最短で4年かかった」として、放射線との因果関係は低いとみているが、血液や細胞を調べ、がんかどうか判断する。1次検査による判定は、しこりの大きさなどを基に、軽い方から「A」「B」「C」があり、今回の1人は「C判定」。県立医大は「県内全ての子供の検査という前例のない調査なので、早期発見の子は少なからず出る。放射線との関係を丁寧に調べていく」としている。

*2:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012111801001284.html (東京新聞 2012年11月18日) 女性1人「2次検査必要」、福島 18歳以下の甲状腺
 東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べている福島県の「県民健康管理調査」検討委員会が18日、福島市で開かれ、18歳以下を対象とした甲状腺検査の1次検査で、1人が初めて「直ちに2次検査が必要」と判定されたと報告があった。調査主体の福島県立医大によると、判定されたのは16~18歳の女性。詳しい年齢は明らかにしていない。がんかどうか、今後詳しく調べる。甲状腺検査は震災当時に18歳以下の約36万人が対象で、これまで1次検査の結果が判明したのは約9万6千人。このうち今回の「直ちに2次検査」は「C判定」。緊急性は低いが念のため2次検査が必要という「B判定」が500人。

*3:http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20121031/CK2012103102000071.html  (中日新聞 2012年10月31日)小山の野生キノコから基準値超セシウム
◆静岡県が周辺市町での採取と摂取自粛呼び掛け
 静岡県は三十日、同県小山町の野生キノコから食品衛生法の基準値(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。県は同町と周辺自治体での野生キノコの採取と摂取の自粛を呼び掛けている。基準値を超えたのは二十六日に採取されたユキワリで、一キログラム当たり三五〇ベクレルの放射性セシウムが検出された。県衛生課は東京電力福島第一原発事故の影響としている。市場などへの流通は確認されていない。県は同町周辺の富士宮市、御殿場市、裾野市などのキノコも調査する。二十三日と二十五日に山梨県鳴沢村、富士吉田市、富士河口湖町の野生キノコから基準値を超す放射性セシウムが検出されたため、隣接する小山町のキノコを検査した。同時に検査したヌメリイグチ、コムラサキシメジは基準値以下だった。

*4:http://www.niigata-nippo.co.jp/news/pref/41595.html (新潟日報 2012年10月30日) セシウム、クマ肉から基準超え - 十日町で捕獲、野生鳥獣で過去最大
 新潟県は29日、十日町市で捕獲されたクマの肉から、新基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える760ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。県が実施している野生鳥獣の検査では過去最大値。肉は販売されておらず処分する。24日に有害鳥獣として捕獲されたクマを調べた。県は、市町村や猟友会を通じ、同市で捕獲されたクマの食用自粛を呼び掛けている。

*5:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012111601001949.html
(東京新聞 2012年11月16日) イワナから1万1千ベクレル 環境省、福島県内調査で
 環境省は16日、東京電力福島第1原発事故を受け、福島県周辺の河川や湖、海域の魚類や昆虫に含まれる放射性セシウム濃度の測定結果を発表した。福島県南相馬市の新田川で採取したイワナから、国が定める一般食品の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)の百倍を超える1キログラム当たり1万1400ベクレルを検出した。このほか、真野ダム(飯舘村)のコクチバスで4400ベクレル、ナマズで3千ベクレル。いわき市沖のアイナメからは290ベクレルが検出された。7月に公表した昨年12月~今年2月分に続き2回目の調査。環境省は「前回同様、海域よりも河川や湖で濃度が高い傾向があった」としている。

*6:http://mainichi.jp/select/news/20121103k0000m040067000c.html
(毎日新聞 2012年11月2日)福島第1原発:港湾内で1万ベクレル超の魚
 東京電力は2日、10月10日に福島第1原発の港湾内で採取したマアナゴから、1キロ当たり1万5500ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。港湾内の魚類の検査結果が公表されたのは初めて。東電によると、10月9〜16日に港湾内と沖合20キロ圏内から魚類を採取。港湾内ではこのほか、エゾイソアイナメから同4200ベクレルのセシウムが検出。沖合約2キロではクロソイが同1470ベクレルだった。これまでの最大は、今年8月に沖合約20キロのアイナメから検出された同2万5800ベクレル。

| 原発::2012.10~12 | 12:12 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.11.15 日本発の脱原発ですが、やはりアメリカが先でした。情けない。
    

 *1のように、アメリカ原子力規制委員会のマクファーレン委員長が、日本で発足した新たな原子力規制委員会について、「原子力産業の振興には配慮すべきでない」「原発の安全な運用にとって重要なのは、独立した規制組織だ」と述べているのは当然のことであり、わが国は、ここまでアメリカの指摘がないとまともなこともできないのかと、残念に思います。なお、マクファーレン委員長は女性です。

 また、「アメリカではシェールガスの生産が伸び、ガスによる発電のコストが下がって、原発の採算が取れなくなったものは閉鎖を決めている」とも書かれていますが、日本こそ、太陽光発電、汐潮発電、地熱発電、国産天然ガス発電など、(相当前から言っているので)とっくにできていなければならない時期で、上の右図のように公募意見でも原発ゼロを望む人が多かったにもかかわらず、日本の原子力規制委員会は、*2のように、何とかかんとか言って、基準を甘くしていっているのは情けない限りです。

 確かに、運転期間一律40年というのは、技術的な議論から出たものではありませんが、機械装置の耐用年数は、通常17年以下であり、電気事業法に関するものに18~22年というのもありますが、耐用年数が40年という機械装置はなく、鉄筋コンクリートの建物の耐用年数が40~50年なのです。原発の重要な部分は、いくら頑丈に作っても、建物ではなく、機械装置です。

*1:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121114/t10013480041000.html
(NHK 11月14日) 米原子力規制委“原子力産業に配慮必要ない”
 アメリカのNRC=原子力規制委員会のマクファーレン委員長がNHKのインタビューに応じ、日本で発足した新たな原子力規制委員会について、「原子力産業の振興には配慮すべきでない」と述べて、原発の安全性確保を最優先にして規制を行い、原子力産業そのものの維持は考慮すべきではないと強調しました。NRCのマクファーレン委員長は、13日、ワシントン郊外でNHKの単独インタビューに答えました。日本では、安全のための規制を担う原子力安全・保安院が、原子力を推進する経済産業省と一体となっていたことへの批判から廃止され、原子力規制委員会が発足しましたが、これについて、マクファーレン委員長は「原発の安全な運用にとって重要なのは、独立した規制組織だ」と述べて、独立性の維持が安全性確保の鍵になるという考えを示しました。また、アメリカではシェールガスの生産が伸びて、ガスによる発電のコストが下がっており、採算が取れなくなったとして閉鎖を決める原発も出てくるなど、原発の安全規制を強めることでコストが増大し、原子力産業が相対的に割高になる可能性も指摘されています。これについて、マクファーレン委員長は「原子力産業の振興はわれわれの仕事ではない」と述べて、原発の安全性確保を最優先し、原子力産業そのものの維持は考慮すべきではないという立場を強調し、日本の規制委員会にも同じ姿勢を貫くよう促しました。

*2:http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866922/news/20121108-OYT1T01792.htm?from=tw (読売新聞 2012年11月9日 )原発の40年超運転、容認も…更田・規制委員
 原子力発電所の運転を原則40年に制限する国の新たな規制について、原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志(とよし)委員(55)は8日、「数年前に建設された比較的新しい炉が、40年後に危険な存在になるとは言い切れない」と話し、安全基準に適合していれば、40年を超える運転の容認もありうるとの考えを示した。読売新聞の単独インタビューに答えた。改正原子炉等規制法では、運転期間を40年に制限する一方、1回に限り最長20年の運転延長を認めている。規制委は、そのための詳しい基準作りを担当している。具体的な作業の開始は、来年1月以降の見通し。原子炉安全の専門家である更田委員は、「『一律40年』は技術的な議論から出たものではなく、検討の余地がある」とし、炉型や安全設備に加え、事業者が常に技術的改善を続けているなら、「年月で判断するものではない」とした。

| 原発::2012.10~12 | 03:04 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.11.1 福島第一原発事故から1年7カ月後の現在、何故こうなるのでしょうか?
 *1のように、確かに福島第一原発は現在も放射性物質を放出しているし、除染もできていない。それにもかかわらず、放射能は安全だと言って住民を住まわせ、移住者には十分な補償もしていない。ここには、人の命や生きる権利を大切にする人道主義や人権があまり感じられない。

 そして、*2のように、政府のモニタリングポストは設置場所が除染され、数歩離れれば放射線値はすぐに高くなる場所が多く、これらのモニタリングポストが、住民に誤った安心感を与えている。そして、福島市全体としては、除染は進んでおらず、多くのホットスポットが残されたままで、事故から1年7カ月たった今でも、最も急ぐべき児童公園の除染も終わっていないとのことだ。どうしてこうなるのか・・。

 また、*3のように、原発事故が起こると、高線量下で作業しなければならない人も出てくる。だからといって、投げ出して全員退避されてはたまったものではないが、作業にはやり方があるだろうし、原発事故は、人間が処理できる範囲を超えたものになるということを認識すべきだ。

 そのような中、*4のように、東京電力の広瀬直己社長は2012年10月31日に、「国のエネルギー政策を見渡して判断しなければいけないと思っており、すでに廃炉を決めた福島第1原発1~4号機以外の取り扱いは未定だ」と明言を避けたそうだが、津波と地震に何とか耐えてもっている太平洋側の原発は、今でも地震が耐えず津波の危険もあるのだから、早急に廃炉にすべきだ。富士山も噴火しそうだし・・。

*1:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012103100011 (時事ドットコム 2012/10/31)  原発事故「許せぬ殺人行為」=住民避難は苦渋の決断-福島・双葉町長
 東京電力福島第1原発がある福島県双葉町の井戸川克隆町長は30日、ジュネーブの国連欧州本部でNGOが開いた会合で原発事故後の福島の現状を報告、現在も放射能の被害は続いており「(事故は)許せない殺人的な行為だ」と訴えた。町長は、町を襲った津波や被災住民の様子などを写真で紹介しながら、「望んでいない被ばくをしても誰も謝罪しない。(悔しい)思いは決して晴れることはない」と強調。「町の形を守るより子供の健康、生命を優先した」と住民避難で苦渋の決断を迫られたことを明らかにした。

*2:http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2012412/pr20121023/
2012/10/23 グリーンピース放射線調査、福島市と飯舘村で実施 ――福島市内のモニタリングポスト 信頼性に疑問
 国際環境NGOグリーンピースは10月23日、福島県の福島市内と飯舘村で10月16日から19日に行った放射線調査(それぞれ315カ所、95カ所)の結果を発表しました。県庁所在地である福島市内のモニタリングポストでは、設置場所の除染により周辺の放射線より低く表示される例が多く見つかりました。また、7月に避難区域が再編された飯舘村では、国から事業再開が認められた工場も依然として高濃度に汚染されていることを確認しました。今回の放射線調査では、福島市では福島駅周辺・渡利などの地区を中心に315カ所を計測しました。モニタリングポストは40カ所を調査し、75パーセントにあたる30カ所で、周辺の放射線量よりも低い値が示されていました。中にはモニタリングポストから25メートル以内の場所で、表示の値より4.5倍も高い放射線が計測された場所もありました。これは、モニタリングポスト設置場所の表土の入れ替えなどの除染措置が行われていたためと考えられます。また、避難区域が再編され、除染後に住民の早期帰還をめざす飯舘村では、95カ所で放射線調査を実施し、国から事業再開が認められた工場で毎時13マイクロシーベルト、近隣の住居で毎時9マイクロシーベルトのホットスポットも見つかりました。試験的除染が実施された草野地区では、毎時5マイクロシーベルトの場所もありました(いずれも高さ1メートルで測定)。
 グリーンピース・インターナショナル放射線防護アドバイザーのリアナ・トゥールは、「政府のモニタリングポストは設置場所が除染され、数歩離れれば放射線値はすぐに高くなります。これらのモニタリングポストが、住民のみなさんに誤った安心感を与えるのではないかと懸念します。福島市全体としては除染は進んでおらず、多くのホットスポットが残されたままです。事故から1年半たった今でも、最も急ぐべき児童公園の除染も終わっていません。飯舘村では多くの除染作業が行われていましたが、森林に覆われたこの地域の除染には限界があります」と指摘しました。グリーンピース・ジャパンのエネルギー・核問題担当の鈴木かずえは、「今現在子どもを含め、住民が住んでいる場所の除染を急ぐべきです。飯舘村では住まいや田畑が高濃度に汚染され、元の暮らしを取り戻すことは困難です。汚染されていない場所で新しい暮らしを始められるように、正当な補償をするべきです」と訴えました。

*3:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012110102000105.html
(東京新聞 2012年11月1日)「高線量下の作業違法」 福島第一元作業員 労基署に申し立て
 東京電力福島第一原発事故の収束作業で、東電と作業を請け負った関電工(東京都港区)が、高い放射線量の中で被ばくを最小限に抑えるよう必要な措置をせず、作業を続けさせたのは労働安全衛生法違反に当たるとして、福島県いわき市の元作業員男性(46)が、両社を同県富岡労働基準監督署に申し立てた。いわき市の下請け会社に所属していた男性は、事故が発生して間もない昨年三月二十四日、3号機タービン建屋内で、電源ケーブルを敷設する作業に従事した。
 男性によると、事前の説明では、作業に危険はない程度の線量だと聞いていたが、実際には、建屋地下には大量の高濃度汚染水がたまり、線量も高かった。東電社員らの別の作業班は、3号機地下で毎時四〇〇ミリシーベルトの放射線量を計測したため、撤退した。しかし、男性グループは作業継続を指示された。男性は危険を感じ、汚染水につかる作業は拒否したが、四十分~一時間ほどで一一ミリシーベルト超を被ばくした。男性を含む六人の作業員のうち、脚が汚染水につかった三人の被ばく線量は、この一回の作業で一七三~一八〇ミリシーベルトに上った。これは通常の被ばく線量限度「五年間で一〇〇ミリシーベルト」の二倍近くに当たる値だった。
 男性の弁護団は、同じ場所で別の作業班が高線量の危険を避けるため撤退したのに、関電工が作業を継続させ、作業員を危険にさらしたのは違法だとして、関電工に対する処罰を求めた。発注者の東電に対しては、関電工の違法行為を止めなかったなどとして、線量管理や放射線防護のあり方を是正するよう求めた。男性は「一つ間違えば命に関わった。末端の作業員は危険手当もろくにもらわず、被ばくしながら命懸けで作業をしている。東電や元請け会社の責任は重い」と訴えた。

*4:http://www.minyu-net.com/news/news/1101/news6.html
(2012年11月1日 福島民友ニュース) 県内の全原発廃炉「未定」 東電社長、明言避ける
 東京電力の広瀬直己社長は31日、佐藤雄平知事があらためて求めた県内の原発全10基の廃炉について「国のエネルギー政策を見渡して判断しなければいけないと思っており、(すでに廃炉を決めた福島第1原発1~4号機以外の取り扱いは)未定だ」と明言を避けた。佐藤知事と会談後、県庁で報道陣の取材に答えた。広瀬社長は、今後の取り扱いが決まっていない福島第1原発5、6号機と第2原発1~4号機の再稼働の可能性について白紙の状態と強調。廃炉に伴う巨額の経費が経営に与える影響についても言及を控えた。県議会や県内の市町村議会が廃炉を求める決議を採択したことを認識しているとした上で「国と二人三脚で40年にわたり原子力政策を続けてきた。全てを踏まえて総合的に判断する」と従来の見解を繰り返した。


| 原発::2012.10~12 | 11:59 AM | comments (x) | trackback (x) |
2012.10.30 原子力規制委員会は、何の専門家ですか? これで「間違った」ですむと思っているのですか? 私がやった方がいいくらいです。(2012.11.2に追加あり)
    
    玄海原発放射線汚染情報(*2訂正後)           SPEEDIによる予測(*1より)

 *2のように、原子力規制委員会が、10月24日に公表した各地の原発で過酷事故が起きた場合の放射性物質の拡散予測を、10月29日に誤りがあったとして訂正した。その訂正後の拡散予測は、放射線汚染情報( http://www.imart.co.jp/fukushima-genpatu-houshasen-eikyou.html )によれば、上の左図のとおりである。

 訂正後の玄海原発のケースについて原子力規制委員会の予測では、糸島市が入らずに松浦市が入ってより多く海に拡散するという設定になっているが、*1のSPEEDIによる予測では、上の右図のように拡散する。拡散するエリアは、過酷事故であれば濃い地域が広がることはあっても狭まることはなく、風向きや地形を考慮したSPEEDIのデータの方が正しい。つまり、SPEEDIに福島第一発事故で放出された分量を入力すれば結果がでるのであり、天候や風向きは常に変わっているので、大きなエリアに広がることは間違いないのである。

 そして、風向きに関しては、2011年12月26日に、私がこのブログに記載したように11月20日午前8時であれば12.5m/s程度の北北西の風が標準的だが、風は季節や昼夜で異なるので、放射性物質は大きなエリアに広がり、関連自治体も多くなる。

 海への影響は、直接海に降った放射性物質だけでなく、破壊された原発から海に流れ出す高濃度の放射性物質汚染水や、山、田畑、住宅地に降った放射性物質が川や下水を伝って海に注ぐというのが、福島第一発事故で明白になったことだ。従って、環境への影響は、人間が手を施すことができないくらい大きく、海も汚染されるのである。そのため、ここまで大きなリスクを背負い、莫大な金をかけて、原子力で電気を作る必要はないというのが結論だ。人間は神様ではないので、100%事故を起こさない機械などは作れないのだから(「100%完璧ということはない」というのは、こういう時に使う言葉です)。

PS:ちなみに、私の実家と事務所も赤のエリア内にあり、父はそこに引っ越して30年後の1998年に多発性骨髄腫で亡くなり、母は、現在、甲状腺癌である。平時にも、多少の放射性物質が出ているのではないか?

*1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2317632.article.html 
(佐賀新聞 2012年10月29日) 【原子力防災訓練】回避ルートの訓練も必要
 訓練では、放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」も運用された。この日の気象条件では、玄海原発から南東の佐賀市南部方面に流れた。今回の訓練は避難ルートなどに拡散方向を勘案していないが、今後は拡散地域を避けて逃げる訓練なども必要だ。予測のための放射性物質の放出量は、福島第1原発事故レベルではなく、試算用の「1時間当たり1ベクレル」を入力。佐賀の地形と当日朝の気象予測で出た西北西の風毎秒約8~8.3メートルを基に、午前8時から6時間の積算値で3種類の線量を予測した。
 地表の放射性物質の蓄積量を示した予測図では、原発付近の10分の1濃度のヨウ素が南東20キロ付近、100分の1濃度が60キロ超の佐賀市南部や県境の大川、柳川市付近に及んだ。大人の外部被ばくの目安になる実効線量は、原発付近の100分の1濃度が40キロ付近まで到達。1歳児が屋外にいて吸入した場合の、甲状腺被ばくの目安になる等価線量では10分の1濃度が30キロを超え、100分の1濃度も60キロ以上に広がった。
 今の訓練は、放射性物質の拡散方向によって避難ルートを変えることはない。現在の暫定行動計画では玄海町、唐津市からは小城市などに避難するが、この日の拡散予測地域には小城市南部が含まれた。今後、こうした拡散の方向を回避した別ルートを検討することになる。県消防防災課は「原子力規制委員会が公表した拡散予測や、避難時間シミュレーションの結果などを基に避難計画を見直すことになる」としている。

*2:http://www.47news.jp/CN/201210/CN2012102901002378.html
(共同ニュース 2012/10/29)拡散予測、6原発で誤り 原子力規制委が訂正 
 原子力規制委員会は29日、今月24日に公表した各地の原発で過酷事故が起きた場合の放射性物質の拡散予測をめぐり、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)や九州電力玄海原発(佐賀県)など6原発の予測結果に誤りがあったと発表した。他の4原発は日本原子力発電東海第2原発(茨城県)、敦賀原発(福井県)、北陸電力志賀原発(石川県)、九電川内原発(鹿児島県)で、いずれも放射性物質が拡散する方角がずれていた。予測の基となるデータを提供した電力会社の指摘で発覚した。規制委は「地元に混乱を与えて大変申し訳ない」と謝罪し、関係自治体に内容を説明した。

PS(2012.11.2追加):やはり、*3のように、「原子力災害対策重点区域」を原発から半径30キロ圏に設定し直すための結果ありきの拡散予測だったのだ。しかし、これは科学的根拠に基づくものではないため、信頼性はない。つまり、これまでの原発規制のやり方と同じであり、原子力規制委員会は設立目的とする役割を果たしていないため、これに基づいて防災計画を策定しても安全とは言えない。

*3:http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2319891.article.html
(佐賀新聞 2012年11月1日 )玄海は対象人口10倍 原発防災・重点地域
 原子力規制委員会(田中俊一委員長)は31日、原発事故時の防災対策の枠組みとなる原子力災害対策指針を決定した。東京電力福島第1原発事故を受け、避難に備える「原子力災害対策重点区域」の目安を原発の半径30キロ圏(現行10キロ圏)に拡大することが柱。
■玄海原発の重点地域は3県8市町、25万6千人に
 玄海原発(東松浦郡玄海町)では、半径30キロ圏内に拡大された防災対策重点地域(UPZ)は、従来(10キロ圏内)の佐賀、長崎県内の2県3市町(玄海町、唐津市、長崎県松浦市)に加え、伊万里市、福岡県糸島市、長崎県佐世保、平戸、壱岐市が含まれて3県8市町に拡大。対象人口も約2万7500人から10倍近い25万6000人に増える。事故が起きた際、放射性物質放出前に避難する半径5キロ圏内(PAZ)は、玄海町と唐津市の県内2市町で、対象人口は約7100人になる。災害対策指針の原案が示された際、佐賀県などが要望していた項目の多くは検討課題として先送りされた。事故時に放射線量を測定する緊急時モニタリング体制については、事業者のほか「国および地方公共団体等」が行うよう定めたが、具体的実施手法は年内をめどに検討するとしている。安定ヨウ素剤の服用判断は、原案段階では「より住民に近い組織」としていたが、最終的には原子力規制委員会が「一義的に判断する」と転換。服用時期もPAZは「即時避難と同時」としたが、UPZを含めた具体的な服用基準や手順、責任の明確化などについては今後の検討課題とした。UPZが30キロ圏に拡大したことで、各自治体が地域防災計画を策定する際、佐賀、福岡、長崎3県の連携が重要となる。県境を超えた調整については「国が積極的、主体的に関与する」と明記した。今後、県や関係自治体は年度内をめどに防災計画の策定を進めるが、規制委では11月中に策定の手引となる「マニュアル」をまとめ、自治体に提示。具体的なやり取りをしながら、策定をサポートするとしている。

| 原発::2012.10~12 | 09:43 AM | comments (x) | trackback (x) |
2012.10.25 もっと正確にわかるのにSPEEDIを使わないのは、計算結果がすごすぎるからでは?(10月27日に追加あり)
 原子力規制委員会は、*1のように、「福島第1原発事故と同じ事故が起こったら、これまでの想定を超え、原発から最も遠いところで40kmの地点まで影響が及ぶ」とする結果を出した。しかし、これは逆に、40km以上離れていれば安全で、防災対策はいらないという言うメッセージにもなる。また、原子力規制委員会が計算した結果によれば、福島第2、柏崎刈羽、浜岡、大飯が廃炉になりそうだが、これらの原発の廃炉は、もともと強く求められていたものだ。つまり、廃炉する原発の結論があって、その理由付けのために、新しく「原発事故影響試算」が出されたように見える。

 一方、*2~*4のように、福島第1原発事故による放射性物質は、岩手県、山梨県、埼玉県など200km以上離れた地域にも降っており、農産物に影響を与えている。従って、その地域に住む人々にも内部被曝の影響が出るのは時間の問題であり、40km以上離れていれば安全とは決して言えない。

 それでは、どの範囲に放射性物質が降るのかと言えば、それを、風向きや地形まで加味して計算できるのがSPEEDIだ。何故、これを使わずに同心円を使い、暫定的な試算しかできないと言うのか? それを考えたところ、SPEEDIを使って正確な計算をすると、シミュレーション結果が目的に合わず、不都合だからだろうと思った。

*1:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121024/k10015985771000.html
(NHK 10月24日)原発事故影響試算“説明不足”の声
 24日公表された原発事故の影響範囲の試算では、これまでの想定を超えて原発から40キロの地点まで影響が及ぶなどとする結果が出ましたが、NHKが関係の21の道府県に取材したところ、すべての自治体が「試算結果は先週、メールで受け取っただけで詳しい説明がなかった」と答えました。事故の影響範囲という住民にとって関心の高い情報の説明不足に自治体からは戸惑いの声が出ています。原発事故の影響範囲の試算は、原発の立地自治体などが来年3月までに作る地域防災計画の中で、避難などが必要となる防災を重点的に行う範囲を決める際に参考にするものです。24日、公表された試算では、全国の16の原発のうち、東京電力柏崎刈羽原発など4つの原発で、避難などの準備をしておく範囲の目安とされる30キロを超えて影響が及ぶという結果が出ました。特に新潟県の場合、最も遠いところで40キロまで影響が及ぶとなっています。試算結果について事前にどのような説明があったのか、関係の21の道府県にNHKが尋ねたところ、すべての自治体が「先週、メールが送られてきただけで詳しい説明はない」と答えました。原発から40キロの地点まで影響が及ぶとされた新潟県では「どのようにみてよいのか、説明を聞かなければ分からない。防災対策の範囲を決める際に参考にできるかは、今後検討する必要がある」と話しており、多くの自治体から説明不足や戸惑いの声が上がっています。これについて、原子力規制委員会の田中俊一委員長は「規制委員会の事務局の人員の数から、自治体への丁寧な説明は時間的に無理なところがあった。今後、各自治体が地域防災計画を作る段階でよく相談をしていきたい。今回の結果はあくまでシミュレーションで、新潟県を含めて防災を重点的に行う範囲については、半径30キロで問題ないと思っている」と弁明しました。

*2:http://mainichi.jp/select/news/20121023mog00m040011000c.html (毎日新聞 2012年10月23日) 放射性セシウム:ソバ、ナメコから基準値超 岩手県が出荷自粛要請
 岩手県は22日、一関市の旧興田村で生産されたソバから国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を上回る250ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。農産園芸課によると、ソバの基準値超過は初めて。県は今年産のソバについて、検査が終了するまで出荷を自粛するよう8月21日付で全県的に要請していたが、一関市と関連団体「いわい東農業協同組合」に対し22日、出荷自粛の継続を要請した。また、林業振興課も同日、陸前高田市で露地栽培された原木ナメコから基準値を超える280ベクレルの放射性セシウムが検出されたとして同市に出荷自粛を要請した。

*3:http://www.sannichi.co.jp/local/news/2012/10/24/3.html  
(山梨日日新聞 2012年10月24日) 放射性セシウム 鳴沢のキノコ基準超す  県産食品初、村に出荷自粛要請
 山梨県は23日、鳴沢村内で採取した野生キノコ2検体から、国が定めた一般食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムを検出したと発表した。食品の放射性セシウムの新基準値が適用された4月以降、県の検査で、基準値を超えたケースは初めて。県は鳴沢村に対し、同村内で採取された野生キノコの出荷などを自粛するよう要請した。同村産のキノコが販売できなくなる農産物販売所などからは「経営の痛手になるのは必至」との声が上がっている。

*4: http://www.news24.jp/articles/2012/10/23/07216380.html
(日テレニュース 2012年10月23日) 埼玉県の鹿肉から基準8倍のセシウム
 埼玉県は23日、東京都の県境に近い秩父市浦山で捕獲されたシカの肉から、基準の約8倍にあたる一キロあたり820ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。県は鹿肉を扱う事業者に対し、出荷と販売の自粛を要請するとともに、県内で捕獲されたシカの肉を食べないように注意喚起する予定。シカやイノシシについては、他にも県内の山間部10か所で検査を行っているが、他の場所では基準値を下回っているという。

PS:地元に玄海原発をかかえている*5の佐賀新聞記事の方が、大メディアよりも問題点の把握が進んでいるようだ。私は、そこまで金を使い、犠牲を払って原発で発電すべき理由はないと思っている。どうしても原発由来の電気を使いたい人は、その人が全コストを支払うべきだし、「低線量被曝は危険ではない」と信じて聞かない人は、その人が、速やかに福島第一原発の後処理をすればよいだろう。

                 
         今回の拡散予測             SPEEDIによる1時間後の拡散予測

*5:http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2315343.article.html (佐賀新聞 2012年10月25日) 放射性物質の拡散、糸島まで 玄海有事の際
 原子力規制委員会は24日、全国16カ所の原子力発電所で福島第1原発事故のような過酷事故が起きた場合の放射性物質の拡散予測を公表した。玄海原発(東松浦郡玄海町)では、住民の避難基準となる事故後1週間の積算被ばく線量100ミリシーベルトに達する範囲は、福岡県糸島市方向の東北東が最も遠い27・5キロ地点まで達している。唐津市中心部方向の東南東は17・3キロ地点までと予測している。 試算は、(1)福島第1原発事故と同規模の77万テラベクレル(ヨウ素換算)の放射性物質が放出された場合(2)玄海原発4基全てが同時に、福島原発と同程度のメルトダウン(炉心溶融)事故を起こした場合-を想定。いずれも山や河川などの地形は考慮せず、全て平地という仮定で行った。 気象条件は昨年1年間の1時間ごとのデータ(8760時間分の風向、風速、降雨量など)を基に、放射性物質が拡散する方位(16方向)と距離を計算。風向きは常に一定という設定で、途中変化は考慮せず、国際原子力機関が、避難が必要としている「7日間で100ミリシーベルト(24時間屋外に滞在した場合の内部・外部被ばくの合計)」に達する地点がどこまで及ぶかを方位別に試算した。 事故の影響が大きい(2)のケースでは、糸島方面の東北東が27・5キロで、最も遠くまで達すると予測。島を含む陸側方位では馬渡島方面の北西が19・8キロ、加部島方面の北東が18・9キロと続いた。唐津市中心部方面の東南東は17・3キロで、同市のオフサイトセンターも含まれる。相知町方面は11・7キロ、伊万里市方面は9・9キロとなっている。 全体的にみれば、規制委が事故に事前に備える緊急時防護措置準備区域(UPZ)の設定目安とする30キロ圏内に収まっている。ただ、影響が大きい(2)のケースも福島事故程度の想定で、玄海原発4基にある使用済み核燃料を含む全ての放射性物質が放出されるという「最悪のケース」を想定した予測ではない。 また、急性外部被ばくの基準となる「10時間で1グレイ」に達する地点は東北東の1・1キロが最高で、規制委が放射性物質の拡散が始まる前に直ちに避難する区域(PAZ)の目安としている5キロ以内に収まっている。規制委は今回の予測について、各自治体が来年3月末までにまとめる地域防災計画の参考資料として作成。ただ、地形などは考慮しておらず、全ての気象条件もカバーできないとし、限界があることを踏まえた上で参考にしてほしいとしている。
■【記者解説】誤解招かぬ説明不可欠
 原子力規制委が公表した放射性物質の拡散予測は、佐賀県など関係自治体が策定する地域防災計画の参考資料として試算された。一定条件下での「拡散傾向」を知るという点では参考になるかもしれないが、地形条件を考慮していないなど精度には大きな問題が残る。住民に誤解を与える可能性もあり、行政側の丁寧な説明は不可欠だ。今回の試算の問題は、地形条件と風向きの変化を考慮していない点だ。日本の原発は全て海に面している。玄海原発も周囲は複雑に入り組んだ海岸線があり、後背地には山もあれば谷もある。原発を起点に一定方向に継続して風が吹くことはまずあり得ない。拡散途中では地形の影響を受け、飛散方向は大きく変化する。実際、福島第1原発事故でも30キロ以上離れた飯館村などで高線量を観測した。玄海原発の拡散予測では、避難基準地点は規制委が目安とする30キロ圏内に収まっている。しかし、これは30キロ圏外の安全を保証したものではない。規制委の田中俊一委員長は会見で「どこのサイトも30キロを超える事態は起こり得る」とした。今後、防災計画を策定する上では、拡散予測はあくまで一つの参考としてとどめ、地形など地域の実情を十分に分析、考慮した計画が求められる。

PS(10月27日追加):*6は、10月27日(土)に掲載された原発事故被災地の地方紙による社説ですが、もっともです。

*6:http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2012/10/20121027s01.htm
(河北新報社説 2012年10月27日)放射能拡散予測/もっと精密に試算すべきだ
 原発事故によって大量に放出された放射性物質は一体、どこまで飛んで重大な被ばくをもたらすのか。国の原子力規制委員会が初めて、全国の16原発を対象にした試算結果を公表した。「1週間の積算で100ミリシーベルトの被ばく線量」になる地点を調べたところ、東京電力柏崎刈羽(新潟県)では原発から約40キロの魚沼市で100ミリシーベルトに達するという結果になった。東電福島第2(福島県富岡、楢葉町)と関西電力大飯(福井県)でも方角によって30キロを超えた。東北電力の女川(宮城県女川町、石巻市)と東通(青森県東通村)では、いずれも十数キロ程度だった。試算は周辺自治体を対象にした原子力防災計画策定の際の参考資料となるが、今回のデータだけで効果的な防災計画を作ることは無理だろう。拡散予測をするなら、地形や風向きを最大限考慮した内容にすべきだ。その上で、確実な避難などが果たして可能かどうか、しっかり検証しなければならない。それが福島第1原発事故の教訓を踏まえた対応になる。規制委は、福島と同程度の事故が各原発の全原子炉で起きたという想定で試算した。当然、多くの原子炉を抱える原発は放出量も増え、100ミリシーベルト圏が広がることになる。だが、これでは大まかすぎる。放出量はむしろ何段階かに分けた方が分かりやすい。原子炉3基の女川原発なら、同時多発と単独の両方の事故について想定すればいい。
 さらに地形情報を加味していないのは、今回の試算の致命的な欠陥だ。福島では原発からの直線距離より風向きと地形、天候が放射性物質の拡散と汚染に決定的な影響を及ぼした。SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)のように地形のデータを入れ、風向きは仮定した方が現実的だ。つまり女川の場合、「北東の風なら石巻市で○ミリシーベルト。降雨があれば△ミリシーベルト。南西なら…」といった内容だ。
 また、一般の人の年間線量限度が1ミリシーベルトなのに、たった1週間でその100倍になるという線引きの基準は高すぎる。「100ミリシーベルト圏外だから避難計画を作らなくともいい」と誤解する自治体が出てきたら、それこそおかしな話になる。もっと低い何種類かの線量も示すべきだ。
 福島の事故後、規制委はこれまで原発から10キロ圏内だった防災の重点地域を30キロに拡大する考えだが、それでも到底十分とは言えない。女川原発から約50キロの仙台市が地域防災計画に原子力災害対策を盛り込むことを決めるなど、自治体側の危機感は強い。ただ、福島の教訓をくみ取って住民の避難にまで備えるのは、とりわけ都市部にとって負担の多い大変な作業だろう。自治体も規制委もこれから、本当に住民を守る防災対策を実行できるのかどうか、見極めなければならない。それが不可能に近いのなら、原発の存廃そのものを議論するのが筋だ。

| 原発::2012.10~12 | 01:25 AM | comments (x) | trackback (x) |
2012.10・21 原発事故による海の汚染と韓国における脱原発の動きについて
 *1のように、海の汚染について地方紙が本当のことを書き始めたが、全国紙ではまだ、こういう論点を書いた記事は見ない。冷却用に大量の海水を使う原発は海岸線に造られるので、漁業補償されていることが多く、補償された漁業者は原発立地に対して苦情を言えないのが現状なのだ。しかし、原発立地地域以外の補償を受けていない漁業者なら、苦情を言うことができるはずだ。そして、原発は海水温を上昇させて藻場を喪失させた原因の一つとも言われ、海の環境や生態系を変えていることは明らかなのだ。

 さらに、平時に排出されているのは本当に熱だけであり、放射性物質は皆無なのかについては、現職の時にそういう説明は受けたが、今一つ自信が持てないし、福島第一原発事故では、多量の放射性物質を太平洋のよい漁場に無神経にまきちらして、海を汚したのは明らかだ。そして、事故の影響による海の汚染は、陸地の汚染がなくなるまで続く。

 このような中、*2は韓国での動きだが、素早い。広い太平洋でさえ、原発事故の放射性物質はカナダまで恐れさせているのであり、釜山などの日本海に面する原発で事故が起これば、日本海全体が漁場として使えなくなるのだから、韓国の動きは、同じ日本海を漁場として生活している日本人にも歓迎である。ましてや、生簀(いけす)のような狭い瀬戸内海に面して原発を作ろうという計画がまだ進んでいるのは、信じ難い。日本を、核と電気あって食べ物なしの国にするつもりか。 ぷんすか

*1:http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1098/20121019_01.htm (河北新報 2012年10月19日)第5部・原発のまち(4)欲望/巨額補償、安全見失う
<億単位で上積み>
 「今度来るときは、もう一つゼロを付けてこい」。福島県浪江町の漁業桜井治さん(76)は請戸漁協(現・相馬双葉漁協)を代表して時折、声を荒らげながら東京電力の担当者と交渉を重ねていた。2000年の夏から冬にかけてだった。東電が福島第1原発7、8号機の増設計画(未着工)を示したのを機に、請戸など7漁協は1~8号機の温排水に対する漁業補償を求めた。
 既に運転していた1~6号機については建設当時、まだ温排水による漁場への影響が問題視されず、補償対象に含まれていなかった。7漁協に東電が当初示した額は計80億円。組合員の目算とは大きな差があったが、東電は交渉する度に億単位で上積みしていった。「目標額になるまでは絶対に譲れなかった」と桜井さん。交渉を優位に進めようと、原子力施設が集中立地する青森県・下北半島にある漁協も視察した。20回近い交渉の末、東電は同年12月、当初額を42億円上回る計122億円の支払いに同意した。組合員1人当たり約5000万円になり、請戸漁協の目標通りだった。目標額算定の基準は、後継者が船や家を買い替えられること。桜井さんは「後継者が育たなければ、原発との共存共栄はあり得ない」と考えていたからだ。「東電から引き出せる補償は、これが最後だろう。取れるだけ取りたい」。組合員にはそんな思いもあったという。
<尽きぬ請求理由>
 冷却用に大量の海水を使う国内の原発は、海岸線に造られる。そのために漁業補償は避けて通れない。1970年代以降は原発の立地計画が浮上する度、各地で地権者や漁業者が激しく抵抗し、計画が行き詰まるケースが相次いでいた。東電は分かっているだけで、これまで約200億円を福島県の漁業者に支払っている。最初は66年の約1億円。第1原発に隣接する約5万4000平方メートルを対象に、共同漁業権が消滅する9漁協(当時)への補償だった。請戸の漁業者のほとんどが、木造の無動力船で操業していたころだった。補償金でエンジン付きの漁船を購入し、漁具を更新した。 原発が動きだすと、補償の請求理由に事欠かなくなる。「ホッキ貝から放射性物質が見つかった」「核燃料を積んだ大型船が操業海域近くを通ることで迷惑している」。 地元漁業者の要求に、東電はその都度応じた。「安全を求めるのではなく、金を求めるようになっていた」(相馬双葉漁協の組合員)との自覚はその頃、まだなかった。 
<汚染された漁場>
 東電は昨年4月、福島県漁連(いわき市)にファクス1枚を送り、福島第1原発事故による低レベル汚染水の海洋放出に踏み切った。県漁連は「あまりに一方的」と抗議したが、原子炉等規制法によると、海洋放出に漁業者の了解は必要ない。漁場汚染が決定的になったことに、県漁連の新妻芳弘専務は悔やんだ。「東電との交渉には何度も立ち合ってきたが、自分を含め誰も、原子炉等規制法などは知らなかった」
◇福島県浜通りへの主な漁業補償
 1966年 東電が漁業権補償協定を請戸など9漁協と締結。補償額計1億円
   71年 第1原発1号機が営業運転開始
   73年 第2原発、広野火力発電所(火発)の漁業補償35億円で調印
        第2原発の工業用水取水に伴う漁業補償協定を締結
   75年 第2原発1号機着工
   78年 東電が県漁連と使用済み核燃料の海上輸送に伴う協定締結
   80年 東電が福島県相双沿岸漁業調整基金で覚書調印
   82年 第2原発1号機が営業運転開始
 2000年 第1原発7、8号機増設計画などと広野火発5、6号機に伴う
        漁業補償協定152億円(うち30億円が火発分)で締結

*2:http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2012102102000107.html
(東京新聞 2012年10月21日)韓国 脱原発の動き 超党派議員 10法案国会提出へ
 韓国の超党派議員グループが脱原発に向けた法案十本を準備し、来月にも順次国会に提出する。十二月の大統領選の最大野党・民主統合党(民主党)候補も未着工原発の建設計画中断を明言するなど、「原発大国」の政界に脱原発の動きが見え始めた。法案提出を準備しているのは「脱核(脱原発)・エネルギー転換議員の会」。民主党を中心に与党セヌリ党、無所属議員の計三十二人が所属する。法案は、新規原発建設の中止や老朽原発閉鎖などを盛り込んだ脱原発基本法案のほか、原発を広報する財団を廃止し、再生可能エネルギーの拡大を目的とした新財団を立ち上げる法案や、廃炉の際の施設解体計画書作成を義務づける原子力安全法改正案など。禹元植(ウウォンシク)議員(民主党)は十六日、こうした方針をソウルでの国際シンポジウムで表明。「国民は廃炉や使用済み核燃料の処理にかかる費用を知らされていない。これらを明らかにするのも国会の役割だ」と、脱原発への意欲を強調した。民主党の文在寅(ムンジェイン)候補だけでなく、無所属の安哲秀(アンチョルス)候補も、大統領選のビジョンで「原発に対する不安が深刻になっている。きれいで安全なエネルギーへの根本的な転換が必要だ」と言及している。韓国では現在二十三基の原発が稼働し、五基が建設中。二〇三〇年までに四十基体制にし、発電量に占める原子力の割合を約三割から約六割に引き上げる計画だ。

| 原発::2012.10~12 | 10:48 AM | comments (x) | trackback (x) |
2012.10.20 自民党の原発推進政策を変えられるのは、農協などの自民党支持団体しかない
 経済産業省系の経団連は、「安い電力」と称して原発必要説を堅持しているが、このブログの2012年9月2日に私が記載したとおり、本当は、原発よりも再生可能エネルギーの方が安い電力である。

 そのため、農林水産省系のJA全中が脱原発を表明し、農業用水での小水力発電や太陽光・風力発電を積極的に取り入れるという表明をしてくれたのは心強い。なぜなら、いざ脱原発の方向で動きだせば変える力のある自民党を動かせるのは、自民党支持団体しかないからだ。*2のように、「太陽光発電を用いた農業用ハウスの低コスト自動換気システム」なども既に提案されており、再生可能エネルギーで電力を作れば、農業生産で輸入燃料の代金に一喜一憂することなく、安価にハウスの温度管理ができ、農業にプラスであることは言うまでもない。それと同時にCO2は全く出ない。後は、農業用トラックや機械のエネルギーを電気に変える必要があるだけだ。

 しかし、農業団体だけでは、「経済産業省+経団連」チームにはちょっとかなわないだろう。原発事故は、林業、水産業(平時から海水への排熱の影響もある)にも悪影響を与え、環境への負荷はCO2以上に大きいのだから、その関係団体も脱原発を表明して欲しい。

 なお、*3のように、茨城県東海村の村長が茨城で脱原発サミットを開き、「このまま原発が維持されれば、必ず第二の原発事故は起こる。脱原発の闘いはこれからが本番だ」と話したというのはもっともであり、私もそう思う。それぞれの地域の首長や議員にも自民党支持者は多いので、この人たちが支援者の意を受けて率直な意見を表明してくれれば、脱原発は進むと思う。

*1:http://mainichi.jp/select/news/20121019k0000m020131000c.html
(毎日新聞 2012年10月19日) JA全中・万歳会長:脱原発へ 農業用水で水力発電
 脱原発を決議した全国農業協同組合中央会(JA全中)の万歳章(ばんざい・あきら)会長は18日、毎日新聞のインタビューに答え、太陽光発電や小水力発電など再生可能エネルギーの事業化に取り組む考えを明らかにした。JA全中などによると、全国の農村部にある農業用水路の総延長は40万キロあり、原発1基分に当たる100万キロワットの発電が可能。万歳会長は、政府の再生可能エネルギー固定買い取り制度を活用し、電力会社に売電する考えを示した。
農業用水を利用した小水力発電は、年間を通して安定した発電が可能で、JAグループでは広島県など中国地方を中心に38施設が稼働している実績がある。万歳会長は小水力発電について「まだまだ拡大できると思っている。原発のように後始末ができないエネルギーよりも、代替エネルギーの方向に行くべきだ」と述べ、脱原発への取り組みを強調。「潜在的な資源はあり、農業復権のひとつの力にしたい」と、再生可能エネルギーの可能性に期待を示した。

*2:http://farc.pref.fukuoka.jp/farc/shuyosei/H1803/shu05.pdf#search='%E5%A4%AA%E9%99%BD%E5%85%89%E7%99%BA%E9%9B%BB%E3%81%99%E3%82%8B%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E7%94%A8%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9'  太陽光発電を用いた農業用ハウスの低コスト自動換気システム 
(ポイント)世界的にCO2削減が求められる中、農業においてもクリーンエネルギーの活用が望まれています。従来の太陽光電池は重く、換気システムは待機時も一定量の電力を消費すること等が問題でした。しかし、近年、軽量薄型加工ができるアモルファスシリコン電池や消費電力を極めて少なくできるマイクロコントローラの開発が進み、農業場面で利用できるシステム開発が期待できます。そこで、生産現場で普及している農業用のハウスに適応できる、小型・軽量な太陽光発電を用いた低コストな自動換気システムを開発しました。

*3:http://sankei.jp.msn.com/life/news/121014/trd12101418420010-n1.htm 
(産経ニュース 2012.10.14) 東海村長「闘いこれから」 茨城で脱原発サミット
 茨城県東海村で14日、「脱原発サミットin茨城」が開かれた。脱原発を訴える同村の村上達也村長は冒頭のあいさつで「このまま原発が維持されれば、必ず第二の原発事故は起こる。脱原発の闘いはこれからが本番だ」と話した。日本原子力発電東海第2原発(同村)の廃炉を目指す団体「茨城の環境と人を考える会議」が主催。在職中から国の原子力政策に批判的だった福島県の佐藤栄佐久前知事も参加し、住民ら約550人が集まった。パネルディスカッションでは、「脱原発をめざす首長会議」の呼び掛け人の一人、根本良一前福島県矢祭町長が「20世紀は人類が自然に挑戦したが、21世紀は自然に敬虔にならなければいけない。そうでないと原発は止められない」と主張。佐藤前知事は「元に戻したいという強い気持ちを持ち続けないと、福島は駄目になる」と訴えた。

| 原発::2012.10~12 | 04:21 PM | comments (x) | trackback (x) |

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