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2013.7.6 ここまで無益な対応しかできない主体が、安全審査の申請をするなど、ずうずうしいにも程がある。そして、国の態度は、水俣病と同じ構図だ。
         
                    現在の送電線

 *1、*2の汚染水は、港湾だけではなく海に大量に流れ込んでいると考えるのが自然である。そして、ここまでくると、人間の手には負えないだろう。そのため、*3のような試験操業をするなど、無意味としか思えない。つまり、日本は、世界でも有数の漁場とそこに根付いていた優れた水産業・加工業を福島第一原発事故で失ったのであり、これも原発のコストなのである。

 消費者には、加齢以上の速度で消化器系の癌が増え始めているのだから、福島県漁連は、*3のように、この海域で漁を始めるようなことは考えてもらいたくない。国の基準以下なら、食べ続けても健康に影響はないと証明した人はいないのである。そして、これが、これまで原発で潤ってきたことのつけを払っている状態なのだ。

 そのような中、*4の柏崎刈羽原発の再稼働申請は、何をクリアしたからそういう話になったのか、意味不明である。新潟県も、優れた農産物、水産物を有しており、東電の利益より、よほど価値がある。

 電力会社は、これまで総括原価方式で優遇されて整備してきた送電設備とメンテナンス要員を含む送電会社を作って、新しい送電網ができる前にこれを売却し、キャッシュフローを得ればよい。これにより、徹底した発送電分離にも繋がり、一石二鳥である上、発送電分離こそ、新電力が普及する必要条件なのだから。

PS: *5のように、有機水銀を含んだ排水による水俣病も、無数の人間の一生を台無しにしてまで企業の保護を行い、国は、長期間認めなかった。そして現在、全く同じことが、規模を大きくして放射性物質による汚染でも行われようとしているのである。

*1:http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013070401018
(時事ドットコム 2013/7/4) 港湾内のトリチウム濃度上昇=福島第1取水口付近-東電
 東京電力は4日、福島第1原発1~4号機取水口北側の港湾内で1日に採取した海水から、これまでで最高の1リットル当たり2200ベクレルのトリチウム(三重水素)を検出したと発表した。取水口北側では、6月21日採取分から1100ベクレル、24日採取分から1500ベクレルと、同地点で事故後最も高い値を続けて検出。28日採取分ではいったん半減したものの、改めて上昇に転じた。

*2:http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20130706ddm002040143000c.html
(毎日新聞 2013年7月6日) 福島第1原発:高濃度汚染水検出 2号機、別の井戸で90万ベクレル 海から25メートルで検出
 東京電力は5日、福島第1原発2号機タービン建屋と海の間に新たに設けた観測用の井戸から、1リットル当たり90万ベクレルのストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質が検出されたと発表した。この井戸の北東にある別の井戸から採取した水では3800ベクレルとなっており、200倍以上の濃度だった。2011年4月の事故直後に高濃度汚染水が漏れた地点に近く、東電は「一部が地中に残っている可能性がある」と説明している。東電によると、新しい井戸は海から約25メートルの地点に掘り、5日に水を採取。この井戸から23メートル北側の井戸からは、トリチウム(三重水素)最高50万ベクレル、ストロンチウム90が1000ベクレル含まれる高濃度の汚染水が検出され、海への汚染水流出が懸念されている。

*3:http://digital.asahi.com/articles/TKY201306240703.html?ref=comkiji_redirect&ref=reca
(朝日新聞 2013.6.25) 福島県漁連、いわき沖で試験操業を計画 原発港湾汚染、障害の恐れ
 福島県漁業協同組合連合会は24日の組合長会議で、同県いわき市沖で9月に試験操業を始める基本計画を了承した。だが、会議の終了後に、東京電力福島第一原発の港湾内で海水のトリチウム濃度が上昇していたことが判明。計画への影響を心配する声も出そうだ。試験操業はいわき市漁協が申請した。底引き網漁と船引き網漁を実施する。県のモニタリング調査で、魚の放射性セシウムが一部魚種をのぞき検出限界値未満となったためだ。実現すれば、昨年6月から行われている同県相馬市沖に続く試験操業となる。底引き網漁は魚を流通させる前提で、ミギガレイなど15種類を漁獲する。海域は同県楢葉町からいわき市にかけての、おおむね40キロ以上の沖合。船引き網漁は岸から10キロ以内でシラスをとる。震災前と同様に茨城県北茨城市の業者に水煮加工してもらうが、流通経路は未定。いずれも、いわき市の小名浜魚市場で放射性物質の検査をする。一方、県漁連はこの日、国と東京電力が求めていた福島第一原発の原子炉建屋に流入する前の地下水放出を了承しなかった。再度の説明会を求めている漁協があることや、「問題発生が相次いでいて決められない」などの意見があり、まとまらなかった。

*4:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013070590140421.html
(東京新聞 2013年7月5日) 再稼働申請 柏崎市長「信頼損ねる」 東電社長、新潟訪れ説明
 東京電力の広瀬直己社長は五日午前、停止中の柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)6、7号機の再稼働に向けた安全審査の申請方針を説明するため、柏崎市の会田洋市長、刈羽村の品田宏夫村長と相次ぎ会談し、原発の新規制基準で義務付けられたフィルター付きベント(排気)設備の設置を了解してもらえるよう要請した。会田市長は、東電が地元への説明前に審査申請を表明した対応手順を「信頼関係を損ねかねない」と批判した。会談終了後、審査申請自体については「手続きを踏まれた。良いとも悪いとも言えない。東電の問題」と話した。品田村長は「冷静に捉え、きちんと判断したい」と述べた。東電が原発再稼働で地元自治体と協議したのは、福島第一原発事故後初めて。広瀬社長は午後、新潟県庁で泉田裕彦知事とも会談する。泉田知事は、事前の地元説明がなかったことに「これ以上の地元軽視はない」と反発しており、再稼働協議は難航しそうだ。ベント設備設置の了解要請に会田市長は「検討する」と回答した。品田村長は会談後、記者団に「柏崎市と足並みをそろえて判断したい」と述べた。東電は福島第一原発事故の賠償費用や廃炉費用、火力発電の燃料費などがかさみ、二〇一三年三月期連結決算の純損益は事故後三年連続で巨額赤字となった。同社は銀行融資打ち切り回避などのため黒字化を急いでおり、柏崎刈羽原発の再稼働が不可欠と判断、全七基のうち年数がたっていない6、7号機の安全審査の申請を今月二日の取締役会で決めた。原発の新規制基準が施行される八日以降、速やかに原子力規制委員会に申請する方針だ。

*5:http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20130704/CK2013070402000193.html (東京新聞 2013年7月4日) 水俣病「体返して」 群大で講演 患者が病、差別語る
 前橋市の群馬大で二日、講演会「『水俣病』の経験から何を学ぶか」が開かれた。母親の胎内で水俣病になった「胎児性水俣病」と闘う熊本県水俣市の松永幸一郎さん(50)と永本賢二さん(53)が、病や差別と向き合ってきた経験を学生や市民ら約四十人に語った。水俣病は一九五六(昭和三十一)年に公式確認され、五九年には熊本大が原因物質を有機水銀であると発表したが、新日本窒素肥料(現在のチッソ)は六八年まで工場排水を流し続けた。六三年に生まれた松永さんは「排水がもっと早く止まっていれば…。くやしい。チッソが憎い」と語った。五歳になっても歩けなかったため親元を離れて十三年間施設で暮らした。いまは車いすを使っている。永本さんも幼少のころは歩けず、八歳まで三輪車を車いす代わりにして移動していた。通学路でほかの子どもから「よかね、補償金もらえて。アイスクリーム買ってくれよ」といじめられた経験を振り返り、「本当に情けない。補償金じゃないよ、体返してくれよ」と声を振り絞った。

| 原発::2013.5~7 | 09:16 AM | comments (x) | trackback (x) |
2013.7.3 3号機は、水素爆発ではなく、格納容器もろとも爆発したのではないのか?
   
        フクイチ汚染地域                       朝日新聞より
 広い汚染区域。山、田畑、住宅地、海の汚染。それに伴う木材、農産物、魚介類など食料の汚染。爆発時の写真から見ても、3号機は、水素爆発ではなく格納容器もろとも爆発して、中に入っていた核燃料は、周囲にばら撒かれたのではないのか。そう考えなければ、未だに、①核燃料の所在場所が不明 ②事故原因に地震が関係していたのかも不明 ③地下水が汚染されているのは事実だが、流出しているかどうかは不明 というように、「不明」という言葉が続く原因が、わからないのである。

 そこで、「不明である」というのを「とても言えるような状況ではない」と読み変えると、すべてが説明でき、*1、*2、*3などの多くの事実がそれを証明している。そのため、これを「風評被害」と呼び、注意を喚起しないことこそ、人権侵害であろう。

 そして、もう一箇所で原発が事故を起こせば、日本には安心して住める場所や安全な食料を作れる場所がなくなるのだから、*4のように、素早い政治決断が望まれる。

*1:http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013062900190 (時事ドットコム2013/6/29) 港湾近くで高濃度汚染水=ストロンチウムなど-福島第1原発井戸から・東電
 東京電力福島第1原発敷地内の観測用井戸から高い濃度の放射性物質を含む地下水が検出された問題で、東電は29日、新たに港湾近くに掘った井戸の地下水からも、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質を1リットル当たり3000ベクレル検出したと発表した。同原発の港湾内ではトリチウム(三重水素)濃度が一時上昇しており、放射性物質の海への流出が疑われている。東電によると、この井戸は港湾から約6メートル西にあり、現在四つある井戸のうち最も海に近いが、放射性物質濃度の値は最高だった。東電は「地下水が海に近い場所で汚染されているのは事実だが、流出しているかどうかは分からない」としている。

*2:http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20130625/CK2013062502000015.html
(中日新聞  2013年6月25日) シイタケ原木から基準超すセシウム検出 高島のJA
 高島市は二十四日、同市マキノ町蛭口にあるJAの倉庫に福島県産シイタケ原木が保管され、一部から国の基準を超える放射性セシウムを検出したと発表した。原木はJAが福島第一原発事故直後の二〇一一年四月に購入。市は今年四月に県からの連絡で把握した。ビニールで密閉してあり倉庫周辺の放射線量は通常値と変わらない。福井正明市長は「状況を把握していた県からの連絡が遅れたのは残念」と述べた。市とJAマキノ町によると、原木は一昨年四月、同JAが福島県内の業者から約二千本を購入。マキノ町内の農家に販売した後の同年九月、県の調査で原木の表面から平常値を上回る放射性物質を検出した。同年十二月に県が農家に販売自粛を要請し、シイタケが出荷されることはなかった。原木は昨年七月にJAが引き取るまで野ざらしの状態だった。今年四月に国の事業で放射性廃棄物の処理に補助金が出るようになったことに伴い、この原木が対象になるとして県から市に初めて連絡があったという。市の要望を受けた県が今月四日、国の規定に沿って倉庫の原木の一部を検査したところ、三検体から国が定める五十ベクレルを上回る七十~二百四ベクレルの放射性セシウムを検出した。今後の原木の処理についてはJAマキノ町と福島の販売業者の間で続いている返品交渉の推移を見守るという。
◆県「風評被害」を懸念、自治体名公表せず
 福島県は二十四日、県庁で会見し、原木が保管されていた経過などを説明した。福島産の原木が流通したこと自体は二〇一一年十二月に公表していたが、「風評被害につながる」として具体的な市町まで明らかにしていなかった。今回は「ごみ処理が絡む可能性がある」として自治体名も公表したと説明した。県は一一年九月、林野庁からの情報提供で、高島市内の農家が福島産の原木を購入したことを把握した。農家に出荷自粛を求めた際に、具体的な市は明かさぬよう強く求められ公表を控えたという。原木の処理については今後、JAと業者の交渉次第だが、仮に高島市で焼却や埋め立て処分することになっても数値的に環境や人体への影響はほとんどないとみる。ただし住民の同意などは「必要になる可能性もある」とした。

*3:http://www.minyu-net.com/news/news/0703/news11.html
(福島民友ニュース 2013年7月3日)楢葉で高線量の破片 毎時3400マイクロシーベルト
 楢葉町井出の井出川河口付近で表面放射線量が毎時3400マイクロシーベルトの汚染度の高い破片が発見されたことが2日、分かった。環境省から物質を分析するよう依頼を受けた東京電力が明らかにした。発見場所は福島第1原発から南に約15キロの地点。東電は「事故の際に飛散した物質の可能性もあり、放射性物質が検出された原因を調べる」としている。発見場所は避難指示解除準備区域。東電によると、発見されたのはベータ線とガンマ線を出す表面線量が3400マイクロシーベルト、表面汚染密度が10万cpm以上の物質と、ガンマ線を出す表面線量が100マイクロシーベルトの物質の2点。3400マイクロシーベルトの物質は長さ約3センチ、幅約1.5センチ、厚さ約0.5センチ。6月20日に震災がれきを処理する際の線量測定で見つかった。

*4:http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_gnavi#Edit2
(朝日新聞 2013年 6月 29 日) 原発と政治―未来にツケを回すのか
 あの日。地震と津波の脅威にがく然としていた私たちに追いうちをかけたのが、「福島第一原発で全電源を喪失」「原子炉の冷却不能」というニュースだった。爆発で原子炉建屋が吹き飛ばされる映像を目にして、背筋が凍った。そのことを、よもや忘れたわけではあるまい。安倍政権の原発政策である。自民党は参院選の公約で、原発の再稼働について地元の理解を得ることが「国の責任」と明記した。「安全性が確認された原発は動かす」が、安倍政権の基本方針だ。首相は国会閉会後の記者会見で「原子力規制委員会の基準を満たさない限り再稼働しない」と言い回しを変えたが、規制委さえクリアすれば、原発というシステムには問題ないという認識のようだ。
 折しも7月8日に、新しい規制基準が施行され、既存の原発が新基準に適合しているかどうかの審査が始まる。確かに、新基準はさまざまな点で改善はされている。旧来は規制当局が電力会社に取り込まれ、電力側が基準づくりや審査を都合よく誘導していた面があった。新基準は、活断層を厳しく吟味するほか、地震・津波対策やケーブルの不燃化、電源・冷却手段の多重化、中央制御室のバックアップ施設などを求める。今後も新たな基準を設けた場合、既存原発に例外なく適用することになったのは前進だ。過酷事故が起きることを前提に対策を求めた点も評価する。しかし、新しい基準への適合は「安全宣言」ではない。規制委が、「安全基準」から「規制基準」へ名称を変えたのも、そのためだ。安倍政権はそこから目をそらしている。なにより、福島の事故があぶり出したのは、安全対策の不備だけではない。たとえば、原発から出る危険なゴミの問題である。使用済み核燃料や廃炉で生じる高レベルの放射性廃棄物をどこにどうやって処分するか、まったく手つかずのままだ。当座の保管場所さえ確保できていないのが現状である。安倍政権は発足当初から、使用済み核燃料を再処理して利用する核燃料サイクル事業の継続を表明した。6月の日仏首脳会談でも、両国が協力して推進していく姿勢を強調した。しかし、計画の主役だった高速増殖炉は失敗続きで見通しがつかない。使用済み燃料から取り出したプルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を商業炉で使うプルサーマル発電に頼るしかないが、これまでに取り出したプルトニウムを消化しきるのも難しい。ましてや、青森県六ケ所村の再処理工場を動かせば、プルトニウムをさらに増やすことになり、核不拡散を定めた国際公約に違反する。
 こうした負の側面に目をつぶり、課題を先送りするような原発回帰は「政治の無責任」としかいいようがない。原発というシステム全体の見直しを怠るなかでの再稼働は、矛盾を拡大させるだけだ。規制委の審査も、リスクの高い原発をふるい落とす仕分け作業と位置づけるべきである。「NO」とされた原発は、政府がすみやかに廃炉措置へと導く手立てを講ずる。基準への適応が認められた原発も、再稼働するには「本当に必要か」という需給と経済面からの検討が欠かせない。事故当時に比べると、節電意識や省エネ投資が進み、少なくとも需給面では乗り切れる情勢になった。あとは、原発が動かないことによる電気料金の値上げがどの程度、生活や経済活動の重荷になっているかという問題だ。負担感は人や立場によって異なるだろう。議論には根拠のあるデータが欠かせない。民主党政権時代に試行したコスト等検証委員会や需給検証委員会のような枠組みをつくり、国民に公開された場で合意を形成しなければならない。その際、火力発電の燃料代の増加といった目先の負担や損失だけでなく、放射性廃棄物の処理費用や事故が起きた場合の賠償など中長期に生じうるコストも総合して考える必要がある。未来世代に確実にツケが回る問題に手を打つことこそ、政治の仕事である。

| 原発::2013.5~7 | 09:40 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.6.28 原発が稼働しなければ、電気代が上がり、CO2排出量が増えるという方便は、もうやめるべきである。原発のDemeritから考えれば、比較にもならないのだから。
  
2013.6.27西日本新聞より     2012.10.29佐賀新聞より     九州に及ぼす影響
             SPEEDIによる事故時の放射性物質の広がり
 *1のとおり、再生可能エネルギーの利用を邪魔しなければ、再生可能エネルギーによる世界の発電量は、2016年に天然ガスによる火力発電を超えるというのが国際エネルギー機関の予測で、すでに原発の発電量は裕に超えている。従って、原発が稼働しなければ電気代が上がり、CO2排出量が増えるというのは原発推進派の方便であり、電力自由化と再生可能エネルギーへの変換を行えば、電気料金は半額程度になると思う。

 それにもかかわらず、*3のように、前回の選挙で大勝したのをよいことに、自民党は原発推進を行っているが、選挙は原発のみを争点として行われたのではなく、選挙結果は、経済政策、農業政策、電力自由化、候補者の優位性など、その他の要素が大きく働いて出たのであり、原発推進を多数の国民が望んでいたと考えたら、大間違いである。

 それどころか、事故を起こしたのがフクイチであっても、フクイチからわかったことは、①原発を使う電力会社の危機管理意識は非常に低いこと ②平時から人間に有害な物質をフィルターも通さずに環境に排出するような意識だったこと ③事故が起きたら想定外ばかりで後始末もできないこと ④原発には製造者責任が課されていないこと ⑤核廃棄物の捨て場もないこと など、人間や環境を如何にないがしろにし、国策であることに甘えていたかということであった。従って、これは他の原発も同じであり、「このような主体には、原発を作る資格も、運転する資格も、監督する資格もない」というのが結論なのであって、*2の玄海原発も例外ではない。

*1:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2494350.article.html
(佐賀新聞 2013年6月28日) 再生エネ発電、ガス火力超える / IEAの16年予測、原発の2倍
 再生可能エネルギーによる世界の発電量は、2016年に天然ガス火力発電を超え、石炭火力発電に次ぐ第2の電源になるとの予測を、国際エネルギー機関(IEA)が28日までにまとめた。発電量は約6兆1千億キロワット時に達し、原子力発電の2倍になるという。クリーンなエネルギーを求める声の高まりやコストの低下によって、風力や太陽光発電が世界的に拡大しているため。IEA事務局長は「多くの再生可能エネルギーは誘導策がなくても普及するようになったが、さらに拡大し続けるには中長期的に安定した政策が必要だ」と訴えている。

*2:http://qbiz.jp/article/19707/1/
(西日本新聞 2013年6月28日) プルサーマル発電再開方針 九電玄海3号機
 2009年に玄海原発(佐賀県玄海町)3号機で国内初のプルサーマル発電を始めた九州電力は、同3号機を含む原発4基の早期再稼働を目指しており、認められれば、同3号機ではプルサーマル発電を再開する方針だ。九電は09年、同3号機の全燃料193体のうち、MOX燃料を16体装荷してプルサーマル発電を始めた。10年6月に新たにMOX燃料20体を搬入。このうち16体を追加して11年4月から運転する予定だったが、東京電力福島第1原発事故の影響で、玄海3号機の運転再開は見送られたままとなっている。九電は現在、計36体のMOX燃料を保有しており、新たな搬入予定はないという。

*3:http://digital.asahi.com/articles/TKY201306270743.html?ref=pcviewpage
(朝日新聞 2013年6月28日)見過ごせぬ、議論なき原発回帰 論説主幹・大野博人
 経済の先行きや外交の緊張に目が向きがちだが、参議院選挙では、安倍政権の原発政策を問わないわけにはいかない。昨年末の総選挙の公約で自民党は「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立をめざす」としていた。「脱」ではないが、原発を相対化する姿勢は見せていた。ところがここに来て、それさえうやむやにしつつある。原発の再稼働に傾斜する、核燃料サイクルという考え方にこだわる、インド、トルコ、中欧などに立て続けに原発の売り込みをかける――。参院選の公約からは「脱依存」が消え、かわりに再稼働に向けて地元理解を得るための「最大限の努力」を掲げる。「原発に依存する経済・社会構造」の復活を目指しているように見える。見過ごせないのは、依存への傾斜を真正面から問わず、なし崩しに強めつつある点だ。たとえばエネルギー白書から原発ゼロをめぐる記述が抜けた。議論もせずに依存へと回帰するのは民主的ではない。場合によっては今後3年は国政選挙がない。参院選ではっきりと国民に説明するべきだ。
■事故原発抱える現実
 もし仮に、日本がすべての原発をすみやかになくすと決めても、廃炉作業に手をつけることさえ容易ではない原発がある。福島第一だ。炉内でどうなっているか依然としてわからない燃料の冷却が続く。その冷却水の処理にも四苦八苦だ。除染も出口は見えない。避難した人々の将来の展望も開けていない。現場や周辺地域、行政、避難先で多くの人が今もなお苦闘している。それは今後数十年たっても完全には終わらないだろう。その間、不測の事態が発生するリスクも排除できない。2011年の3月11日から、日本は違う時代に入った。それ以前とは異なり、危険な事故原発を抱える国になった。もう一つ重大な事故が起きる事態に耐える余裕はないだろう。ならば規制基準を厳しくし、事故対策を整えながら、原発をなるべく早く減らしていくしかないではないか。それが今日の日本の身もふたもない現実だ。
■こっそりと逆行
 にもかかわらず、安倍政権が進める政策は、その現実から出発しているようには見えない。自民党の高市早苗政調会長の発言や原発再稼働を求める議員連盟の発足を見ればなおさらである。結局、この政権はエネルギー政策を福島の事故前の軌道に、ほぼそのまま戻したいようだ。できれば事故を、わたしたちの現代史の文脈の中でカッコでくくり、読み飛ばしても許される過去としたいのかもしれない。しかし実際は、日本の針路を決定づける歴史的な出来事のはずだ。福島を論じない選挙にしてはならない。

| 原発::2013.5~7 | 08:05 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.6.19 「原発事故で死者なし」と発言した人は多いが、それは真実ではない。
           
      福島第一原発事故による陸地の汚染          (同)海の汚染

 *1の高市氏の「原発事故で死者なし」という発言は、事実でないにもかかわらず、原発推進派のいろいろな人から聞いた。そして、自民党内でも高市氏だけがそう思っているわけではないからこそ、高市氏もそう語ったのだ。そのような中で、18日の「誤解されたのであればしゃべり方が下手だったのかもしれない」という言い訳は、「相手が誤解したものである」としている点で、相手に対して失礼であるとともに、誠実さに欠ける。

 ここで本当に必要なことは、①福島第一原発事故で死者が出なかったというのは真実か(これまでも死者は出たし、これからも出るだろう) ②真実でないにもかかわらず、「原発事故で死者なし」と主張して国民を欺くのは誰か を明らかにすることである。国民の前で、そう語った議員だけがそう思っているわけではないので、メディアは、議員一人一人にアンケートを取り、その考え方を明らかにして有権者に示すべきだ。何故なら、国民には、それ以外に議員や候補者の人となりを知るすべがないからである。

*1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013061902000104.html
(東京新聞 2013年6月19日) 高市氏「原発事故で死者なし」発言 与野党から批判噴出
 自民党の高市早苗政調会長は十八日、原発の再稼働について「東京電力福島第一原発事故で死者が出ている状況ではない」として、原発再稼働を主張した自らの発言について「誤解されたなら、しゃべり方が下手だったのかもしれない」と釈明した。
ただ、震災関連死を無視するような言葉だけに、与野党から厳しい批判を浴びている。高市氏は十八日、十七日の講演での言及について「被ばくが直接の原因でなくても体調を崩し亡くなられ、なりわいを失い、自ら命を絶たれた方がいる。(死亡者がいないから)再稼働するなんて考え方は、そもそも持っていない」と記者団に説明した。菅義偉官房長官も記者会見で「前後(の文脈)を見ると問題になるような発言ではなかった」と擁護。「被災者に寄り添う形で東日本大震災復興を加速させるとの政府方針を高市氏も理解していると思う」と語った。しかし、被災者への配慮を欠いた発言に対する擁護論は少ない。自民党の溝手顕正参院幹事長は、夏の参院選への影響を懸念し「この期に及んで余計なことを言わなくてもよい」と指摘。公明党の山口那津男代表は「今なお故郷に帰れない方々が大勢いる中、被災者に共感を持たなければならない。被災者の苦労や苦痛をいかに解消するかに全力を挙げなければならない」と苦言を呈した。
 野党では、民主党の細野豪志幹事長が、福島県内で大勢の震災関連死者が出ていることを挙げて「この数字の重さを理解できない人は政権を担う資格がない」と厳しく批判。みんなの党の江田憲司幹事長も「深刻な原発事故への影響の認識が甚だ薄い。政治家を辞めるべきだ」と述べた。みどりの風の谷岡郁子代表は「事故を小さく見せるための無理な考えだ」と発言の撤回を求めた。
      ◇
 自民党の高市政調会長の東京電力福島第一原発事故をめぐる発言要旨は次の通り。
■高市氏発言の要旨
 【十七日】日本に立地したい企業が増えているが、電力の安定供給が不安要因だ。原発は廃炉まで考えると莫大(ばくだい)なお金がかかるが、稼働中のコストは比較的安い。東日本大震災で悲惨な爆発事故を起こした福島原発も含めて死亡者が出ている状況にない。そうすると、最大限の安全性を確保しながら(原発を)活用するしかないのが現状だ。火力発電も老朽化し、コストがかかる。安いエネルギーを安定的に供給できる絵を描けない限り、原発を利用しないというのは無責任な気がする。(神戸市での講演で)

 【十八日】趣旨を取り違え報道されている。安全基準は最高レベルを保たなければいけないと伝えたかった。誤解されたのであればしゃべり方が下手だったのかもしれない。被ばくが直接の原因でなくても、体調を崩し亡くなられ、なりわいを失い自ら命を絶たれた方がいる。(死亡者がいないから)再稼働するなんて考え方は、そもそも持っていない。(国会内で記者団に)

| 原発::2013.5~7 | 10:51 AM | comments (x) | trackback (x) |
2013.6.18 日赤の基準が合理的である。
 *1の記事があり、様々な職種の被曝限度が記載されていたが、それぞれ意味があって異なるものであるため、日赤の救護隊員の年間被曝限度を1ミリシーベルトとするのは合理的である。むしろ、福島県で、年間線量が20ミリシーベルト以下であれば住民の早期帰還を目指すということの方が人権侵害であるため、以下にその理由を記載する。

【250ミリシーベルト】東京電力福島第一原発事故直後の作業員の緊急被曝限度
←原発作業員の被曝限度は100ミリシーベルトであり、250ミリシーベルトは本来は
 許されないが、上限が100ミリシーベルトでは、福島第一原発の事故対応ができな
 かったので、急遽、上限を250ミリシーベルトに上げたのである。この250ミリシー
 ベルトは、本来は違法であり、現在は、元の100ミリシーベルトに戻されている。
 そのため、ここで作業した作業員には高い危険手当がついた筈である(さや抜きさ
 れたかもしれないが・・)。

【100ミリシーベルト】消防隊員の人命救助の際の被曝限度
【50ミリシーベルト】消防隊員の通常活動の年間被曝限度
【10ミリシーベルト】消防隊員の通常活動の被曝限度
←100ミリシーベルトは、原発事故の際に、それに対応するためにやむなく消防隊員
 が被曝する許容限度であり、通常活動の年間被曝限度は50ミリシーベルト、通常
 活動の被曝限度は10ミリシーベルトである。また、消防隊員の人命救助はどれも
 危険を伴う仕事で、体力に自信のある人がその仕事を選択して訓練を積んでいるの
 であって、危険手当もついている。

【100ミリシーベルト】原発作業員や放射線科医ら放射線業務従事者の緊急時の被曝限度
【50ミリシーベルト】放射線業務従事者の平常時の年間被曝限度
←100ミリシーベルトは、緊急時の被曝限度であり、放射線業務従事者は平常時には
 50ミリシーベルトが年間被曝限度である。また、震災前、原発作業員の被曝限度は、
 年間50ミリシーベルト以下、5年間の累積で100ミリシーベルト以下だった。さらに、
 原発作業員や放射線医療関係者は、放射線の危険を承知でその仕事を選択した人
 であり、知識を持って普段からなるべく被曝しないように管理を行っている。そして、
 *2のように、厚生労働省は、過去35年で10人の原発労働者を労災認定しており、
 労災認定された10人のうち、白血病が6人で累積被ばく線量は129・8~5・2ミリシ
 ーベルト、多発性骨髄腫が2人で、それぞれ70・0、65・0ミリシーベルト、悪性リンパ
 腫も2人で、それぞれ99・8、78・9ミリシーベルトだったとのことである。

【20ミリシーベルト】福島で年間線量がこれ以下であることが確実な地区は、住民の早期帰還を目指す
←リスクを承知で仕事を選択した体力ある原発労働者でさえ、5・2ミリシーベルトの被曝
 で白血病による労災を認定されているにもかかわらず、老若男女で、体力はさまざまで
 あり、被曝の危険性を承知して居住地を選択したのではない住民に20ミリシーベルトの
 被曝限度を押し付けるのは狂っている。なお、*2で、厚労省が、「がんに対する100ミ
 リシーベルト以下の低線量被曝の影響は科学的に証明されていない」としているが、科
 学的に健康に影響がないことを証明できない限り安全とは言えないのであり、立証責任
 が逆である。さらに、いつまでも「証明されていない」とするのも不自然で、マウス等で実
 験すれば、哺乳類にどういう影響があるのか、わかる筈だ。

【1ミリシーベルト】日赤の救護隊員の被曝限度、平常時の一般住民の年間被曝限度、福島県での長期的な除染目標の上限
←日赤の救護隊員は、被曝することを前提として仕事を選択したわけではなく、これから
 出産の可能性のある医師や看護師も含まれるため、平常時の一般住民の年間被曝限
 度と同じにするのが正しい。むしろ、福島県で年間被曝量が1ミリシーベルトを超える場
 所に住民が居住することこそ問題なのであり、このような場所に、医療従事者が居住す
 ることを選択するだろうか。利害関係で偏っていないプロの判断こそ、重視すべきである。

*1:http://digital.asahi.com/articles/TKY201306120502.html
(朝日新聞 2013年6月16日) 日赤、原子力災害時に救護指針「累積被曝1ミリまで」
 日本赤十字社が、原子力災害時の医療救護の活動指針を作った。住民の立ち入りが制限される警戒区域内には入らず、累積被曝(ひばく)線量が1ミリシーベルトを超えない範囲で活動すると決めた。1ミリは一般住民の平常時の年間限度。これに対し、被曝医療の専門家から「被災者への救護、対応が十分にできない」と見直しを求める声が出ている。
 日赤は法律により、災害時の被災者の救護が業務の一つと定められている。医師1人、看護師3人、運転手1人、事務職員1人が1組の救護班を全国に500組以上、組織している。東日本大震災では延べ900組の救護班が被災地に入ったが、当初、原子力災害への備えがなく、東京電力福島第一原発事故直後の福島県内では、救護班がいない「空白期間」が生じた。その反省から、原子力災害の活動指針を作ったという。救護班は線量計や安定ヨウ素剤を携行し、累積被曝線量が1ミリシーベルトを超える恐れがあれば、安全な地域に退避するとした。
 これに対し、原子力災害で首相官邸が助言を求める専門家チームの長瀧重信・長崎大名誉教授(放射線医学)は「医療従事者はけが人や病人を助けるのが使命。警戒区域内の患者の支援を、自衛隊や警察、消防だけに任せるのはおかしい。1ミリは平常時の一般市民の線量限度で、災害時の救護活動では低過ぎる」と、官邸の会議などで批判した。浅利靖・弘前大教授(救急医学)も「1ミリシーベルトを超えて被曝しても健康影響はない。医療従事者がこの基準を使う必要性はない」と話す。
 消防隊員の被曝基準では、人命救助では100、通常の活動では10、年間限度は50(5年間では100)ミリシーベルトまでと定められている。放射線科医や診療放射線技師、原発作業員ら放射線業務従事者は緊急時は100、通常は年50(5年で100)ミリシーベルト以下だ。
 日赤の活動指針が、全国に1150ある厚生労働省認定の災害派遣医療チーム(DMAT)などの基準作りに影響を与える可能性もあり、長瀧さんは「みなが日赤基準にならったら、警戒区域内の患者や高齢者の避難が混乱し、福島の二の舞いになりかねない」と心配する。日赤の山沢将人・原子力災害対策事務局長によると、内部の議論では「1ミリ」に賛否両論があったが、救護班には事務職員らもいることを考慮したほか、ひとつの救護班の派遣期間は通常1週間以内のため、1ミリが上限でも線量が高い区域で活動できると判断したという。山沢さんは「原子力災害時に被災者を救いたいという前向きな気持ちで作った。必要なら、これをたたき台に改善していきたい」と話す。

■様々な線量の目安(単位はミリシーベルト)
【250】
・東京電力福島第一原発事故直後の作業員の緊急被曝(ひばく)限度
【100】
・消防隊員の人命救助の際の被曝限度
・原発作業員や放射線科医ら放射線業務従事者の緊急時の被曝限度
【50】
・消防隊員の通常活動の年間被曝限度
・放射線業務従事者の平常時の年間被曝限度
【20】
・福島で年間線量がこれ以下が確実な地区は、住民の早期帰還を目指す
【10】
・消防隊員の通常活動の被曝限度
【1】
・平常時の一般住民の年間被曝限度
・福島県での長期的な除染の目標の上限
・日赤の救護隊員の被曝限度

*2:http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-5175
(共同通信 2011/4/28) 原発労働者のガン 累積被ばく線量 5~130ミリシーベルトで労災認定
 厚生労働省は27日、がんになった原子力発電所の労働者のうち、過去35年で10人が累積被ばく線量などに基づき労災認定されていたことを明らかにした。福島第1原発の事故を受け、初めて労災の認定状況を公表した。1976年度以降、労災認定された10人のうち白血病が6人。累積被ばく線量は129・8~5・2ミリシーベルトだった。このほか多発性骨髄腫が2人で、それぞれ70・0、65・0ミリシーベルト。悪性リンパ腫も2人で、それぞれ99・8、78・9ミリシーベルトだった。厚労省によると、がんに対する100ミリシーベルト以下の低線量被ばくの影響は科学的に証明されていないが、線量が増えれば比例して発がん可能性も増すとの仮説があり、同省は「100ミリシーベルト以下での労災認定もあり得る」としている。

| 原発::2013.5~7 | 10:23 AM | comments (x) | trackback (x) |
2013.6.17 何とか原発事故と無関係であるとするのは、科学的でも公正でもない。
    
 福島第1原発3号機爆発     壊れた原子炉建屋     原発事故汚染地域

 私は、*1の山下教授、清水教授の説明は下の点でおかしく、津田教授の「(12人は)明らかに多発と言える。原発事故との関係を念頭に、対策を強化するべき」というのが正しいと思う。

1)山下俊一・前県民健康管理調査検討委員会座長、長崎大学大学院教授:
 甲状腺がんは、チェルノブイリ原発事故後に放射性ヨウ素を体内に取り込んだ子どもから多く見つかったが、福島原発事故で放出された放射性ヨウ素の量は「チェルノブイリ事故時の数分の一」程度とされている上、汚染された牛乳が早期に廃棄処分されたことなどから、「甲状腺が継続して被曝する状況にはなかったと考えられる。

←福島原発事故で放出された放射性ヨウ素の量が、チェルノブイリ事故時の数分の一程度であるという証明はされていない。また、放射性ヨウ素を体内に取り込むのは、牛乳からとは限らず、その他の食品や呼吸によって取り込むこともある。フクシマの場合は、汚染された牛乳は捨て、乳児には汚染地域以外で作られたミルクを与えていたのであれば、外に出歩かない乳児の方に甲状腺癌の発症が少なく、検査した中では、9~17歳前後に多いのは自然である。

2)清水一雄・日本甲状腺外科学会理事長、日本医科大学内分泌外科大学院教授:
 今回の結果では「甲状腺がんないし、その疑い」とされた子どもの平均年齢が16~17歳前後で、9歳が最年少であることなどから、「乳児が多く発症したチェルノブイリ事故とは明らかに様相が異なる。

←チェルノブイリ事故と様相が異なるから、原発事故と関係がないとは言えない。さらに、甲状腺癌は、子どもにしか発症しない病気ではないため、子どもにしか超音波検査を行っていないのも間違いである。科学的には、先入観なく全員を調査対象にすべきだ。

*1:http://toyokeizai.net/articles/-/14243 (岡田 広行 :東洋経済 記者  2013年6月9日) 
「福島の子ども、12人甲状腺がん」の謎 がん発見率は定説の85~170倍、なのに原発事故と無関係?
●12人の子どもが甲状腺がんの診断、別途15人が疑い
 2011年3月の原発事故時に0~18歳だった子どもを対象に実施されている福島県による甲状腺検査で、これまでに12人が甲状腺がんと診断された。12人とは別に、甲状腺がんの疑いのある子どもも、15人にのぼっている。これは、6月5日に福島県が開催した「県民健康管理調査検討委員会」(星北斗座長)で報告された。甲状腺検査の責任者を務める福島県立医科大学の鈴木眞一教授は昨年の『週刊東洋経済2012年6月30日号』インタビューで、「通常、小児甲状腺がんが見つかるのは100万人に1~2人程度。1986年のチェルノブイリ原発事故で小児甲状腺がんが多く見つかったのは被曝の4~5年後からで、発症までに一定のタイムラグがある」と語っていた。
●がんの発見率は、定説の100倍以上にも
 だが、今回の調査で甲状腺がんが見つかった子どもの数は「100万人に1~2人」どころか、その85~170倍にものぼる。この倍率は、11年度に1次検査を実施した4万0764人を分母として設定。一方、分子には「悪性、悪性疑い例数11人」(右上表)のうちの、7人(甲状腺がんが確定した子ども)を設定して、計算した場合の数値だ。鈴木教授は記者会見での「(甲状腺がんは)多発と言えるのではないか」とのフリージャーナリストの質問に対して、「最新の超音波機器を用いて専門医が実施したうえでの発見率。想定の範囲ではないか」と述べているが、実際のデータは「100万人に1~2人」という従来の説明からは、乖離がかなり大きいようにも見える。福島県によれば、甲状腺検査の対象となる子どもは全部で、約37万人だ。
 11年度からの2年間では、約17万5000人の子どもが超音波検査(一次検査、11年度4万0764人、12年度13万4735人)を受けており、そのうち5.1ミリメートル以上のしこり(結節)が見つかったことなどで精密検査(二次検査)の対象となった子どもは、1140人(11年度分205人、12年度分935人、2つの表参照)にのぼる。そのうち、すでに二次検査を受けた421人から27人が「甲状腺がんまたはその疑い」とされた(11年度11人、12年度16人、2つの表参照)。
もっとも、前ページの下表でもわかるとおり、12年度検査分では、二次検査対象者が935人なのに、実際に二次検査を実施したこどもは255人であり、検査の実施率はまだ3割にも満たない。今後、二次検査の進捗とともに、甲状腺がんと診断される子どもがさらに増加する可能性が高い。
 甲状腺がんは、チェルノブイリ原発事故後に放射性ヨウ素を体内に取り込んだ子どもから多く見つかった。福島原発事故で放出された放射性ヨウ素の量は「チェルノブイリ事故時の数分の一」程度とされているうえ、汚染された牛乳が早期に廃棄処分されたことなどから、「甲状腺が継続して被曝する状況にはなかったと考えられる」(山下俊一・前県民健康管理調査検討委員会座長、長崎大学大学院教授)とされてきた。また、今回の結果では「甲状腺がんないし、その疑い」とされた子どもの平均年齢が16~17歳前後で、9歳が最年少であることなどから、「乳児が多く発症したチェルノブイリ事故とは明らかに様相が異なる」と、新たに委員に就任した清水一雄・日本甲状腺外科学会理事長(日本医科大学内分泌外科大学院教授)は説明している。
●謎に包まれる被曝状況
 しかし、最大のカギを握る個々の子どもの被曝状況は、ベールに包まれている。原発事故後、床次眞司・弘前大学被ばく医療総合研究所教授による62人を対象とした測定を除き、精密な機器を用いた甲状腺被曝状況の測定が実施されなかったことから、甲状腺被曝の実態解明は難しいのが実情だ。国連科学委員会(UNSCEAR)は「放射線被曝による甲状腺がんの過剰な発現は考えにくい」との見解を5月31日に公表したが、前提とする甲状腺の被曝線量は、さまざまなデータの寄せ集めに基づく推計値にすぎない。環境疫学を専門とする岡山大学大学院の津田敏秀教授は、「検査によって多く見つかる傾向があるとはいえ、(12人は)明らかに多発と言える。事故後に発症したがんが、検診によって早い時期に見つかった可能性もある。原発事故との関係を念頭に、対策を強化するべきだ」と指摘している。

| 原発::2013.5~7 | 12:48 AM | comments (x) | trackback (x) |
2013.5.25 内部被曝に関する国連の見解は妥当で、今行われていることは、人権侵害であること(2013.5.28図のみ変更)
         
 *3:原発避難区域と5ミリシーベルト地帯(当時)
                 →2013.5.28 避難指示区域決定(日本農業新聞)

 多くのメディアで報道していないが、*1のように、国連の人権理事会が、一般住民の被曝基準について、現在の法令が定める年間1ミリシーベルトの限度を守り、それ以上の被曝をする可能性がある地域では住民の健康調査をするよう、日本政府に要求し、国が年間20ミリシーベルトを避難基準としている点については、「人権に基づき1ミリシーベルト以下に抑えるべき。年間1ミリシーベルトを超える地域について、避難に伴う住居や教育、医療などを支援すべきだ」としているが、まさに正論である。

 つまり、この勧告は、これまでの放射線防護に関する知見から見て当たり前なのだが、*3のように、日本政府は、年間20ミリシーベルト以下の地域で帰還準備を本格化しようとしており、避難に関する基準は安全性よりも、避難者数、避難地域、経済性に配慮して作られていると言わざるを得ない。ちなみに、チェルノブイリ事故のケースでは、避難地域・農業禁止区域は、*2のとおりである。

 また、原発被災者支援法の基本方針の策定が放置されていることを批判している*4の記事でさえ、子ども以外には放射線被曝の影響がないかのような書きぶりになっているのは驚くほかない。さらに、*5では、暫定許容値(1キロ当たり400ベクレル)以下の牛ふん堆肥を使って、大豆づくりを始められることを喜んでいるが、そもそも暫定基準は甘い基準である上、濃度が基準値内であっても総量が多ければ、それで栽培された作物がどうなるかについては保証の限りではない。そして、そのようなことに気をつける人を、「風評被害を撒き散らす人」と決めつける論調が多いが、これは人権侵害であり、日本産農産物全体の安全性という価値も落としている。

*1:http://mainichi.jp/select/news/20130524k0000e040260000c.html
(毎日新聞 2013年5月24日) 福島第1原発事故:国連報告書「福島県健康調査は不十分」
 東京電力福島第1原発事故による被ばく問題を調査していた国連人権理事会の特別報告者、アナンド・グローバー氏の報告書が24日明らかになった。福島県が実施する県民健康管理調査は不十分として、内部被ばく検査を拡大するよう勧告。被ばく線量が年間1ミリシーベルトを上回る地域は福島以外でも政府が主体になって健康調査をするよう求めるなど、政府や福島県に厳しい内容になっている。近く人権理事会に報告される。報告書は、県民健康管理調査で子供の甲状腺検査以外に内部被ばく検査をしていない点を問題視。白血病などの発症も想定して尿検査や血液検査を実施するよう求めた。甲状腺検査についても、画像データやリポートを保護者に渡さず、煩雑な情報開示請求を要求している現状を改めるよう求めている。
 また、一般住民の被ばく基準について、現在の法令が定める年間1ミリシーベルトの限度を守り、それ以上の被ばくをする可能性がある地域では住民の健康調査をするよう政府に要求。国が年間20ミリシーベルトを避難基準としている点に触れ、「人権に基づき1ミリシーベルト以下に抑えるべきだ」と指摘した。このほか、事故で避難した子供たちの健康や生活を支援する「子ども・被災者生活支援法」が昨年6月に成立したにもかかわらず、いまだに支援の中身や対象地域などが決まっていない現状を懸念。「年間1ミリシーベルトを超える地域について、避難に伴う住居や教育、医療などを支援すべきだ」と求めている。
◇グローバー氏の勧告の骨子
<健康調査について>
 ・年間1ミリシーベルトを超える全地域を対象に
 ・尿や血液など内部被ばく検査の拡大
 ・検査データの当事者への開示
 ・原発労働者の調査と医療提供
<被ばく規制について>
 ・年間1ミリシーベルトの限度を順守
 ・特に子供の危険性に関する情報提供
<その他>
 ・「子ども・被災者生活支援法」の施策策定
 ・健康管理などの政策決定に関する住民参加

*2:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E4%BA%8B%E6%95%85
チェルノブイリ原子力発電所事故(ウィキペディアから抜粋)
 およそ1週間後の1986年5月までに、当該プラントから30km以内に居住する全ての人間(約11万6000人)が移転させられた。その他、当該プラントから半径350km以内でも、放射性物質により高濃度に汚染されたホットスポットと呼ばれる地域においては、農業の無期限での停止措置および住民の移転を推進する措置が取られ、結果として更に数十万人がホットスポット外に移転した。ソ連の科学者の報告によると、28,000km2が185kBq/m2を超えるセシウム137に汚染した。当時、約83万人がこの区域に住んでいた。約10,500km2が555kBq/m2を越えるセシウム137に汚染した。このうち、ベラルーシに7,000km2、ロシア連邦に2,000km2、ウクライナに1,500km2が属する。当時、約25万人がこの区域に住んでいた。これらの報告データは国際チェルノブイリプロジェクトにより裏付けられた

*3:http://digital.asahi.com/articles/TKY201305240624.html?ref=pcviewer
(朝日新聞 2013年5月24日) 帰還基準厳格化、見送る 民主政権時、原発避難増を懸念
 福島第一原発の事故で避難した住民が自宅に戻ることができる放射線量「年20ミリシーベルト以下」の帰還基準について、政府が住民の安全をより重視して「年5ミリシーベルト以下」に強化する案を検討したものの、避難者が増えることを懸念して見送っていたことが、朝日新聞が入手した閣僚会合の議事概要や出席者の証言で明らかになった。民主党政権が2011年12月、三つの避難区域に再編する方針を決め、安倍政権も継承。再編は今月中に川俣町を除く10市町村で完了し、20ミリ以下の地域で帰還準備が本格化する。避難対象や賠償額を左右する基準が安全面だけでなく避難者数にも配慮して作られていた形で、議論が再燃する可能性がある。
 5ミリ案が提起されたのは11年10月17日、民主党政権の細野豪志原発相、枝野幸男経済産業相、平野達男復興相らが区域再編を協議した非公式会合。議事概要によると当初の避難基準20ミリと除染目標1ミリの開きが大きいことが議論となり、細野氏が5ミリ案を主張した。チェルノブイリ事故では5年後に5ミリの基準で住民を移住させた。年換算で5・2ミリ超の地域は放射線管理区域に指定され、原発労働者が同量の被曝(ひばく)で白血病の労災認定をされたこともある。関係閣僚は「5ミリシーベルト辺りで何らかの基準を設定して区別して取り組めないか検討にチャレンジする」方針で一致した。
 ところが、藤村修官房長官や川端達夫総務相らが加わった10月28日の会合で「20ミリシーベルト以外の線引きは、避難区域の設定や自主避難の扱いに影響を及ぼす」と慎重論が相次いだ。5ミリ案では福島市や郡山市などの一部が含まれ、避難者が増えることへの懸念が政府内に広がっていたことを示すものだ。11月4日の会合で「1ミリシーベルトと20ミリシーベルトの間に明確な線を引くことは困難」として20ミリ案を内定。出席者は「20ミリ案は甘く、1ミリ案は県民が全面撤退になるため、5ミリ案を検討したが、避難者が増えるとの議論があり、固まらなかった」と証言し、別の出席者は「賠償額の増加も見送りの背景にある」と語った。

*4:http://www.iwate-np.co.jp/ronsetu/y2013/m05/r0522.htm
(岩手日報 2013年5月22日) 原発被災者支援法 基本方針策定なぜ放置
 「原発事故直後、子どもを屋外に出した。健康不安を背負っていかなければならない。早期発見、早期治療の徹底をお願いしたい。関東の被害者も見捨てないでほしい」。栃木県から横浜市に避難した女性は訴えた。「年末を迎えるたび、『来年も暮らせるだろうか』と不安になる。住宅支援がいつ打ち切られるか心配だ。支援法に基づき、継続的で体系的な支援策をつくってほしい」。福島市から札幌市に自主避難している男性の声だ。発言したのは、「原子力事故による子ども・被災者支援法」をテーマに福島市内で開かれたフォーラムの場。支援法は全会派共同提案・全会一致の議員立法により昨年6月に成立した。東京電力福島第1原発事故で被災した住民の生活を支えるのが趣旨だ。子どもや妊婦に対する医療費の減免、子どもの健康診断の実施、親と離れて暮らす子どもの支援などを盛り込んだ。自主避難者も対象に含めて、国が住宅の確保や就業を支援するとしている。しかし、成立から1年近くたつのに、施策推進に必要な基本方針策定は棚上げされたままだ。国会議員の総意でつくったはずだが、政府の腰は重い。最大の課題は対象地域の未決定。同法の対象は「避難区域に住んでいた人」か、「一定基準以上の放射線量が計測された地域に住んでいたか、住み続けている人」だが、この一定基準が決まらない。一つの目安となりうるのは追加線量が「年間1ミリシーベルト以上」の汚染状況重点調査地域。これだと本県を含む8県の約100市町村に及ぶ。設定によっては対象者が拡大し、財源負担が膨らむ。実際、被害を受けているのは広範囲にわたる。それこそが原発の過酷事故がもたらす恐るべき影響だ。支援法は、原子力政策を進めてきた国の社会的責任を明記した。住民や避難者に対して手だてを講じる努力を政府は惜しんではならない。フォーラムの実行委員長を務めた熊坂義裕・社会的包摂サポートセンター代表理事(前宮古市長)は、同センター運営の電話相談に寄せられる被災者たちの苦しい状況を紹介し、「支援法に魂を入れていかなければならない」と訴える。復興庁は3月、「原子力災害による被災者支援施策パッケージ」を公表したが、「全く不十分」(日弁連)と批判が強く、支援法が求める水準を満たすものではない。原発再稼働にシフトする政権だが、原発事故被害者の救済こそが政府に求められる優先施策のはずだ。被害者を置き去りにしたまま原発に回帰する政策は許されない。

*5:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=21149
(日本農業新聞 2013/5/24)  滞留堆肥やっと日の目 大豆畑散布スタート 福島県白河市
 東京電力福島第1原子力発電所事故の影響で、福島県内の畜産農家の敷地に滞留していた国の放射性物質の暫定許容値(1キロ当たり400ベクレル)以下の牛ふん堆肥が、事故から2年2カ月を経てようやく動きだした。東京電力が費用を負担し、畜産農家の敷地から耕種農家の畑に運搬・散布することが決まり、23日、第1弾として白河市内で作業が始まった。他の地域でも順次作業が始まり、14年6月までには滞留が解消する見通しだ。
●許容値以下 来年は解消
 この日は作業を受託するJAしらかわの子会社、(株)JAしらかわアグリが、白河市大信地区の畜産農家3戸の堆肥舎から堆肥を運び出し、同地区の大豆畑に散布した。作業は6月7日までの予定で、堆肥277トンを大豆畑13・6ヘクタールに施用する。JA管内では、推定2000トン以上が滞留しているという。今後、管内の他の地域でも作業を始める。同地区で乳牛80頭を飼育する佐藤房義さん(39)は「これでやっと(滞留していた)堆肥が動きだす」と胸をなでおろした。同地区で大豆1ヘクタールを栽培する渡辺一男さん(64)は、散布作業を見ながら「堆肥で地力が向上すれば、いい大豆ができる」と期待を込めた。作業員として参加した、同地区で肥育牛30頭を飼育する國井孝士さん(62)は「今年は堆肥のもらい手が見付からず、自分の水田に通常の2倍の量をまいた。今回の取り組みを契機に、何とか前に進んでいくしかない」と語った。作業に立ち会ったJAの小室信一組合長は「(問題解決に向け)一歩進んだ。畜産、耕種両方の農家にとって意義がある」と強調した。県によると、県内では暫定許容値を下回っていても、作付け制限や自粛による耕作面積の減少や、「風評被害」で堆肥の利用が進まず、推計15万トンが滞留している。今後、地域ごとに設置した、市町村やJAで構成する協議会が畜産農家と耕種農家のマッチングや運搬・散布計画を決め次第、作業に入る予定だ。

| 原発::2013.5~7 | 06:06 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.5.24 世界で原発を止めよう。原発輸出なんて、とんでもない。
      
   日本の原子炉輸出第1号となった台湾の第4原発建設反対を訴え、デモ行進する市民
                    (台北市、2013年5月19日)

 *1、*2、*3のように、広い範囲に放射性物質を撒き散らして、生物に悪影響を及ぼし、他産業に大損害を与えながら、被害を過小評価するのは、もういい加減にすべきです。

 そして、国内では新設はおろか再稼働もできないため、*4のように、かわりに外国に輸出するというのでは、あまりにも倫理観がなさすぎます。いくら「世界一安全」と繰り返しても、そうなるものではないことは、技術的にも危機管理意識の上でも、すでに明らかになっているのです。つまり、あれでは、とても無理なのです。それより、クリーンな再生可能エネルギーを進めるのが、日本の使命であり、スマートでしょう。

*1:http://www.minpo.jp/news/detail/201305238580
(福島民友 2013/5/23) 地下水放出、来月判断 30日と7日に説明会
 東京電力が福島第一原発の汚染水増加対策として、敷地内の地下水を海に放出する計画について、国と東京電力が今月末から県内の漁協組合員向け説明会を2回開催することが県漁連への取材で分かった。国と東電は漁協の理解を前提に、6月中に実施の可否を判断する。説明会は5月30日と6月7日、いわき市と相馬市で県内の漁協組合員を対象にそれぞれ開催。放出する地下水は、原子炉建屋に流入して放射性物質が混ざった汚染水と異なり、放射性セシウムの値は検出限界以下か国の基準値を下回っている。国と東電はこうした点を説明し理解を求める。

*2:http://digital.asahi.com/articles/TKY201305170093.html
(朝日新聞 2013年5月17日)ウナギから基準超セシウム 研究者通報、都県は調査せず
 東京都と千葉県の県境を流れる江戸川で釣り人が取ったウナギから国の基準を超す放射性セシウムが検出されたとする研究者の調査結果について、3月末ごろ把握した都と千葉県が、独自調査や情報の公表を先送りしていたことがわかった。両都県は「漁業でなく流通しないので調査しなかった」と説明している。調査したのは近畿大の山崎秀夫教授(環境解析学)。東京都葛飾区で自営業女性(47)が3月9日に釣ったウナギから、国の基準値(1キロあたり100ベクレル)を上回る147・5ベクレルの放射性セシウムが検出された。ゲルマニウム半導体検出器で調べた。女性は、報道で江戸川下流にセシウムがたまっていると知り、山崎教授へ送ったという。公的調査の裏付けや、他の魚種への影響を調べる必要性を考えた山崎教授は3月末、水産庁へ通報。同庁は都と千葉県へ知らせたが、両都県は16日までに調査をしていない。都水産課は「流通に回るものが基本的な検査対象。ウナギ漁は夏から」、千葉県漁業資源課は「県内になりわいでとっている人がいない」としている。水産庁は「食べている実態があれば調査するよう都県に連絡した」と説明。17日、山崎教授が保存する検体の調査を始めた。山崎教授の調査によると、4月と5月に同じ女性が江戸川で釣ったウナギ4匹で1キロあたり97・4~129・6ベクレルを検出し、3匹で基準値を上回った。江戸川周辺は趣味のウナギ釣りが盛んで釣り雑誌にも紹介されている。これまで公的機関では、江戸川で取れたウナギで基準値超えは確認されていない。
     ◇
 〈江戸川河口などでセシウムの魚介類への影響について調べる東大・鯉渕幸生准教授(沿岸環境学)の話〉 ウナギが雑食で、川にいる魚はセシウムをとりこみやすく、捕獲した所が川底にセシウムがたまる河口近くなど、複数の要素が重なったまれなケースではないか。河口付近の他の魚や貝を調べているが、セシウムは検出されていない。ただ、注意深く調査を続けることが必要だ。

*3:http://www.minyu-net.com/news/news/0517/news4.html (2013年5月17日 福島民友ニュース) 山菜4品目が出荷停止 相馬や須賀川で基準値超え
 政府は16日、原子力災害対策特別措置法に基づき、相馬市のコシアブラや須賀川市のゼンマイなど10市町村で採取した山菜4品目について、県に出荷停止を指示した。福島県による放射性物質検査で、食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を上回る1キロ当たり110~5400ベクレルの放射性セシウムが検出されたための措置。県は同日、各市町村などに政府の指示を伝えた。基準値超の山菜はいずれも出荷前のため、市場には流通していない。

*4:http://mainichi.jp/feature/news/20130522dde012010007000c.html
(毎日新聞 2013年5月22日) 相手国の民主化ブレーキも 恥ずかしいぞ原発輸出 エコノミックアニマルから「野獣」へ
 トップセールスの売り言葉は「世界一安全」−−。アベノミクスの成長戦略として原発輸出を掲げ、トルコ、アラブ首長国連邦(UAE)を訪れ、原発輸出を約束した安倍晋三首相。いまだ16万人もの原発事故の避難者がいることを思えば、「恥ずかしいからやめてくれ」と言いたくなる。なりふり構わず利益を追求する姿は、経済活動に血道を上げ、エコノミックアニマルとやゆされた時代よりも深刻ではないか。福島第1原発の事故後、官民一体で具体化させた4月30日からの中東歴訪。安倍首相は現地で「原子力の安全向上に貢献していくことは日本の責務」と、原発輸出を成長戦略の柱に据える考えを強調した。サウジアラビアでは「(日本は)世界一安全な原発の技術を提供できる」とアピール。一方、国内向けには2月の施政方針演説(衆院)で「できる限り原発依存度を低減させる」と表明、国内外で言葉を使い分けている。「リコール中の自動車を他国で販売するようなもの。日本独自の経済倫理思想のかけらもない。たとえグレーゾーンであってももうければ良いという考えを私は『修羅の経済思想』と呼んでいますが、まさにそれです」。中央大学総合政策学部の保坂俊司教授(比較文明論)は、原発輸出を切り捨てる。
 保坂さんによると、日本の伝統的な経済倫理思想を表す言葉は「三方善(よ)し」だ。近江商人に由来するもので、経済活動は生産者、流通者、消費者それぞれが、自己の利益ばかりを優先せずに他者の立場で考えるという発想だ。エコノミックアニマルという言葉は1960年代後半から70年代にかけて、日本人が利己的に振る舞い、経済的利益ばかりに血道を上げることを示す言葉として流行した。保坂さんは「当時でも他者の利益を考え、その上で自らの利益を上げるという姿勢はまだ残っていた。金が金を生むバブル経済の崩壊を経て『他者性』は失われました」という。例として挙げるのが、日本国内だけで独自の進化をしたといわれる携帯電話。生産者側の価値観で作られ、利用者が使わない、使いこなせない機能がたくさんある。「付加価値をつけることで単価を上げ、利益を得てきた」と指摘する。トルコとは、総事業費が2兆円超のシノップ原発建設の優先交渉権で合意した。輸出する側には大きな利益だが、福島原発では、最近も汚染水漏れや停電による冷却システムの停止が起きている。相手に「原発は有益」と胸を張って言い切れるのか。保坂さんは「もしも原発事故があった場合に、他者(相手国)に対して製造者としての責任を果たせるのか。そういう視点を持っているのでしょうか」と疑問を投げかける。

| 原発::2013.5~7 | 07:51 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.5.22 世界で原発を止めなければならない時に、環境汚染、最終処分場、廃炉についての責任も持てないまま、原発を輸出するのは国益に逆行する。
 *1のように、欧米などの先進国では原発建設が鈍化し、中東やアジアはエネルギー需要の増加を背景に原発新設に動いているのは、中東やアジアでの環境意識と産業振興の程度が、欧米先進国よりも、30年以上遅れているからである。

 このような中、日本が特定企業の利益のために、国内では建設できなくなった原発の輸出をトップセールスで行い、原発のリスクヘッジに日本国民の税金を使う約束をするのは、あまりにも後ろ向きの支出であり、決して前向きの支出ではない。また、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、イラン、インドは太陽光発電の適地であるとともに、原発を持つには危険すぎる国でもある。

 そのため、日本は、*1、*2のように、世界の技術進歩と、核なき世界への移行を、逆行させないようにすることこそ、与えられた使命だと思う。 四葉

*1:http://www.saga-s.co.jp/news/ronsetu.0.2459599.article.html
(佐賀新聞 2013年5月21日)「原発輸出」国内政策との整合性を
 日本経済復活のため「アベノミクス」を掲げる安倍晋三首相が医療、原発、防災などのインフラ(社会資本)システム輸出へ、積極的な経済外交を展開している。現在の10兆円を2020年までに30兆円に拡大する方針という。なかでも1基当たり数千億円とされる原発輸出に力が入っている。首相は連休中のサウジアラビア、トルコなど中東歴訪で、原発を積極的に輸出していく姿勢を鮮明にした。近々にインド、6月中旬には東欧4カ国を訪問する予定で、そこでも原発輸出が議題になる見込み。「世界中のどこへでもトップセールスに出かける」と首相は意気盛んだ。「原発ゼロ」を掲げた民主党政権も原発輸出を推進した。安倍政権はアベノミクス三本の矢のうち、最も重要な成長戦略に位置づけた。民間の設備投資を喚起する施策であるものの、東京電力福島第1原発の事故が収束していない中で、輸出に前のめりになるのは違和感がある。中東やアジアはエネルギー需要の増加を背景に原発新設に動いている。原発を持たないサウジは30年までに16基、アラブ首長国連邦は今後14基を造る考えという。原発輸出は本体に加えて道路や港湾、送電網の整備など多岐にわたる。巨額の利益が見込めるため、メーカーも政府の後押しを期待している。欧米など先進国では原発建設が鈍化している。日本国内にとどまれば原子力産業の先細りは避けられないが、福島事故の原因究明も終わっていない現状で輸出推進はどうだろうか。地震のリスクのほか、大量の水を使う原発が乾燥地帯に合うのか素朴な疑問もある。最大の懸念は原子力技術が核兵器開発に転用される恐れがあることだ。発電など民生用に使われるならいい。イランや北朝鮮も当初は「平和利用」を訴えていたが、北朝鮮は今や核保有を国是とした。イランもウラン濃縮を試みて核兵器開発能力を手にしたとみられている。そのイランと対立するのがサウジである。これまで日本は国際原子力機関(IAEA)の条約締結国を選んで原子力協定を結んできたが、サウジは締結国ではなく、締結の意思も表明していない。原発輸出によって中東で「核ドミノ現象」を引き起こすことにもなりかねず、慎重の上に慎重を期すべきだ。オバマ米大統領は「核なき世界」を提唱した。現実には核不拡散と核軍縮は極めて困難な道になっているが、核兵器のない世界という到達点を目指す必要がある。日本は唯一の被爆国で、未曽有の原発事故を体験した。その国が核なき世界のビジョンを逆行させるようではいけない。政府は年末までにエネルギー基本計画を策定する。将来の原発の姿をどのように描くかが最大の焦点だが、国内の位置づけを示さないまま、輸出だけを促進するのは矛盾となる。首相は「できるだけ原発依存度を低減させる」としている。その方針との整合性も問われるだろう。最近の共同通信の世論調査では、政府の原発輸出の方針について「賛成」が41.0%、「反対」が46.2%と賛否は分かれた。原発再稼働では反対が大きく上回るなど安全に関しては不信感が根強い。国際的にも説明責任を尽くす必要がある。

*2:http://qbiz.jp/article/17637/1/
(西日本新聞 2013年5月21日) 北海道でメガソーラー建設見直し ソフトバンク
 ソフトバンクは21日までに、北海道安平町の2カ所と八雲町の計3カ所で計画していた大規模太陽光発電所(メガソーラー)について、建設計画の見直しを決めた。中止も含めて検討する。北海道電力が売電申請を認めなかったことが理由。関係者によると、3カ所で計18万キロワット以上の発電を予定していた。北海道電は4月、固定価格買い取り制度導入に伴う大規模な太陽光発電の受け入れは、出力2千キロワット以上で40万キロワット程度が限度と発表。天候で出力が変わる太陽光発電の割合が増えると電力供給が不安定になるためと説明していた。北海道電によると、2千キロワット以上の売電申請は4月末時点で87件、156万8千キロワットに上り、7割以上が実現困難な見通しとなっている。ソフトバンクの孫正義社長は16日、東京都内で開かれた会合にビデオメッセージを寄せ、「北海道電力だけでなく、他の電力会社も同様に上限を設けて拒否する構えだ。日本の再生可能エネルギーはここでストップしてしまう」と電力各社の姿勢を批判していた。

| 原発::2013.5~7 | 09:45 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.5.4 どうして世界一安全な原発と言えるのか?根拠なき新しい安全神話には愕然としたが、この状況は事故前も同じだった。
   
   2013.4.6東京新聞           2013.2.28NHK           ウィキペディア     

 *1、*3のように、安倍首相が先頭に立って、三菱重工業と仏アレバ連合のコンビで、トルコやサウジアラビアの原発を受注するとは、あまりにも思慮がなさすぎる。事故が起これば、また日本国民の税金が使われるではないか。さらに、仏アレバ社と言えば、福島第一原発事故の後、汚染水を浄化する設備を高額で受注して作り、代金は日本国民の税金で支払っているが、*4、*5のように、その汚染水処理は、現在、破綻寸前であって、地中に流れ出した汚染水は、土壌を汚染しているのだ。そして、海に流すのは、あの大きな太平洋でさえ被害が大きすぎる状況だ。その福島第一原発事故の原因は、本当は地震ではないかとも言われており、現在、「わかっていない」で済まされているが、トルコは地震国で、サウジアラビアは絶対君主国である。そして、どちらも太陽の国で、天然ガスも埋蔵されている。

 また、原発が作る熱の2/3は海に捨てられるが、これは、日本海でさえ海水温の上昇に影響して生態系を変え、漁獲高を減らしていると言われている。その上、*2のように、トルコの黒海は湖のような海であり、ここに原発の廃熱を捨てれば、黒海の生態系が変わってしまい、水産業や環境に大きな被害を与えることは明らかだ。紅海も狭い入り江であり、同じだ。

 ここまで、他産業への損害や人命を無視し、原発の新しい安全神話を作って、何ででも発電できるにもかかわらず、世界の原発を増やすことを、何故、日本の国民が税金を払って手伝わなければならないのか。わが国の使命は、原発の売込みではなく、世界の原発を止めるべく、最先端の自然の再生可能エネルギーを推進することであろう。それが地球のためだから、である。

*1:http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130502-OYT1T01293.htm?from=tw
(日経新聞 2013.5.4)トルコと原発建設合意 首脳会談、三菱重工など受注確定
 安倍晋三首相は3日、トルコのアンカラでエルドアン首相と会談した。黒海沿岸シノプでの原子力発電所の建設を巡りトルコ政府が日本に優先交渉権を与えることで合意した。両政府は日本の原発輸出を可能にする原子力協定と、シノプに原発を建設する土地をトルコが無償で日本側に提供することなど政府間協力を定めた協定に調印した。原発建設に関する政府間合意を結ぶことで、三菱重工業と仏アレバ連合の受注が事実上確定した。東京電力福島第1原発事故の後、日本勢による初の海外受注案件で、日本の原発輸出に弾みがつきそうだ。総事業費は2兆円規模。出力は4基で450万キロワット程度となる見通しだ。2023年までに第1号機の稼働を目指す。
 首相は首脳会談後の記者会見で「過酷な事故の経験と教訓を世界と共有し、原子力安全の向上に貢献していくのは日本の責務だ」と述べた。原子力協定は核の不拡散や原発の安全利用を2国間で確認し、原発輸出の前提となる。トルコの原発計画は日中韓とカナダのメーカーが受注を競ってきたが、技術力や信頼性、価格などで日本勢の評価が上回った。両首相は両国関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げする共同宣言に署名。(1)インフラ整備や医療、農業、人工衛星打ち上げの協力(2)次官級協議の枠組みを格上げし、外相の定期協議を開催(3)防衛当局間の協議促進――を盛り込んだ。共同研究を進めている経済連携協定(EPA)の交渉開始に向けた検討推進や、社会保障協定の交渉促進で一致。北朝鮮問題や中東情勢に関する連携も申し合わせた。

*2:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E6%B5%B7 黒海
 黒海は、ヨーロッパとアジアの間にある内海。マルマラ海を経てエーゲ海、地中海に繋がる。
バルカン半島、アナトリア半島、カフカースと南ウクライナ・クリミア半島に囲まれており、ドナウ川、ドニエストル川、ドニエプル川などの東ヨーロッパの大河が注ぐ。アナトリアとバルカンの間のボスポラス海峡、マルマラ海、ダーダネルス海峡を通じて地中海に繋がっており、クリミアの東にはケルチ海峡を隔ててアゾフ海がある。黒海に面する国は、南岸がトルコで、そこから時計回りにブルガリア、ルーマニア、ウクライナ、ロシア、グルジアである。

*3:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/361286 (西日本新聞 2013年5月1日) サウジと原子力協定の事前協議へ 安倍首相とサルマン皇太子 
 サウジアラビアのサルマン皇太子(右)との首脳会談に臨む安倍首相=4月30日夜、ジッダ(代表撮影・共同) 【ジッダ共同】ロシア訪問を終えた安倍晋三首相は4月30日夜(日本時間5月1日未明)、2番目の訪問国となるサウジアラビアを訪れ、サルマン皇太子と会談し、日本の原発輸出を可能にする原子力協定締結交渉入りに向けた事前の事務レベル協議を開始することで一致した。政治・安全保障での関係強化を確認、外務・防衛当局間の安全保障対話の新設で合意した。首相は「東京電力福島第1原発事故後、原発の安全性を高めている」と強調。エネルギー安全保障を重視する観点から、サウジ側に引き続き日本への安定的な石油供給に協力を要請した。

*4:http://www.kahoku.co.jp/news/2013/04/20130418t63007.htm
(河北新報 2013年4月18日) 汚染水処理破綻寸前 福島第1原発漏えい
 福島第1原発の放射能汚染水漏えい問題で、東京電力の汚染水処理計画が破綻寸前に追い込まれている。水漏れの起きた地下貯水槽から地上貯水タンクに汚染水を移す作業を始めたが、地下水の流入で汚染水は増え続ける一方。タンクを増設して容量を増やす考えだが、将来的に飽和状態を迎えるのは確実で、急場しのぎの策にとどまっている。
<貯水槽の使用中止>
 移送対象は1~3、6号貯水槽に保管される計約2万3000トン。漏えい問題を受け、東電は貯水槽を今後使用しない方針を示し、全量をタンクに移す。移送は16日に始まり、6月中の完了を見込んでいる。既存タンクの空き容量は約2万9000トンで、貯水槽の水を移せば余裕はあと約6000トン。構内では地下水が原子炉建屋に流れ込み、原子炉冷却水と混じって1日約400トンの汚染水が発生している。タンクの数が現状のままなら15日間でいっぱいになる計算だ。東電はタンクを増やしてしのぐ考え。試算では貯水槽の水の移送完了までに3度、空き容量が切迫する。6月上旬には空きが3600トンまで減ると予想され、トラブルが起きれば処理計画は行き詰まる。汚染水は放射性セシウムを取り除いた水。東電は試運転中の「多核種除去設備(ALPS)」を本格稼働させ、汚染水から62の放射性物質を除去するとしているが、トリチウムは残り、完全浄化はできない。
<海洋放出に現実味>
 地下水の流入量を減らすバイパス整備も進めている。だが、減らせる量は1日100トンで決め手にならない。東電は2015年9月までに70万トンのタンクを増設して貯蔵量を確保する方針だが、汚染水の最終的な行き場はなく、敷地内にたまり続ける。将来的に海洋放出が現実味を帯びるものの、地元漁業者の反発が強く、実現は難しい。広瀬直己社長は17日、福島県楢葉町の福島本社で記者会見し、「汚染水は海に出さないよう努力する。タンクを造り続けて水を保管し、その間にトリチウムを取り除く対策を考える」と述べた。
◎エネ庁連携「住民の望み」 独立性維持を強調
 福島第1原発の地下貯水槽から高濃度汚染水が漏れた問題で、原子力規制委員会・原子力規制庁と経済産業省・資源エネルギー庁が連携を強めていることについて、規制委の田中俊一委員長は17日の記者会見で「政府一体の取り組みを住民は望んでいる」と述べた。両者は規制庁の池田克彦長官とエネ庁の高原一郎長官が11日に初会談したのを契機に、政府の廃炉対策推進会議への田中委員長の参画や両庁審議官の定期的な意見交換などを決めた。第1原発事故の反省で分離された原発の規制と推進の再接近を懸念する質問に、田中委員長は「問題が起きてから対応する『モグラたたき』では廃炉は進まず、規制側も現実的な対応が必要だ。独立性が保たれなくなるとは考えていない」と強調した。田中委員長はまた、青森県六ケ所村の使用済み燃料再処理施設の新規制基準で、対策を義務付けることにした重大事故の範囲について、「化学溶液の外部漏えいが心配だ。臨界事故の可能性は否定しないが、施設は多重制御されており、外部被害が生じない瞬間的な事故にとどまると思う」と述べた。

*5:http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013042800007 (時事ドットコム 2013/4/28)  土壌の放射能濃度10倍に=1号貯水槽、2日前と比べ-福島第1
 東京電力福島第1原発の地下貯水槽から放射能汚染水が漏えいした問題で、東電は28日、1号貯水槽の外側土壌で27日に採取した水の放射能濃度が、2日前と比べ10倍超に上昇したと発表した。貯水槽外側土壌での水採取場所は2カ所あり、今回上昇が判明した場所はこれまで濃度が低い状態が続いていた。東電は「原因は分かっていない。監視を続ける」としている。東電によると、放射能濃度が上昇したのは1号貯水槽の南西側土壌。27日に採取した水でストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1ミリリットル当たり1.1ベクレル検出された。26日は検出限界値未満で、25日は同0.099ベクレルだった。

| 原発::2013.5~7 | 02:12 PM | comments (x) | trackback (x) |

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