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2015.3.15 辺野古新基地の建設は、税金の無駄遣いである上、環境を破壊し、不合理である (2015.3.24、4.18に追加あり)
    
                  沖縄の米軍基地と辺野古

(1)沖縄の民意
 *1に書かれているように、2014年11月16日の知事選で、142万人の沖縄県民に選出された翁長氏が、「県民の期待に添うべく、誇りある豊かさを求め、ソフトパワーで沖縄の未来を拓いていくように、全力で県政運営に取り組んでいく」と就任の挨拶をしておられる。

 その内容は、①成長著しいアジアと連動した「アジア経済戦略構想」を策定して、国際物流拠点、情報通信産業、観光リゾート産業の振興などの産業の拡充・強化をする ②健康・医療分野、環境・エネルギー分野で、沖縄の地域特性を生かした産業の集積を図る ③亜熱帯気候を生かした農林水産業の沖縄ブランド確立や6次産業化を強化する ④沖縄の優位性を生かした広範な経済発展施策展開する ⑤こどもや高齢者の笑顔が輝き、女性や障がいのある方などの力が正しく生かされる活気に満ちた幸せ感あふれる社会を創る ⑥こども環境日本一の実現を目指し、女性が輝く社会づくりや女性リーダーの育成などに取り組む ⑦若者が希望を持てる社会を目指す ⑧少子高齢化社会を見据えた健康・医療・福祉政策を実行する ⑨少人数学級の導入の推進など教育施策について力を尽くす ⑩離島・過疎地域は、県民全体で支える仕組みを構築する ⑪基地の整理縮小を加速化して豊かな生活に導く土地活用を図り、近隣諸外国との平和交流を促進する平和創造施策を展開 ⑫米軍基地が沖縄経済発展の最大の阻害要因 ⑬過重な基地負担の軽減、日米地位協定の抜本的な見直しを求め、普天間飛行場の辺野古移設問題は、この知事選の結果を受けて公約の実現に取り組む などである。

 どれも大切なことだが、特に⑪~⑬は現在の沖縄で問題になっており、*3-3のように、地元である名護市の市長選・市議選はじめ、沖縄県知事選でも辺野古新基地の反対派が勝利し、衆院選でも反対の候補が全勝している。そのため、翁長沖縄県知事の主張は、確固とした沖縄全体の民意である。

(2)沖縄の民意に対する日本政府の対応
 しかし、菅官房長官は翁長沖縄県知事が繰り返し面会を求めても門前払いした上、*2-1のように、沖縄防衛局が辺野古沿岸部で海底のボーリング調査を再開し、カヌーで抗議行動して海上保安官に拘束された29歳の男性は、*2-2のように肋骨を骨折した。

 私は、日本政府は翁長知事と早急に面会して話を聞くべきだと考える。何故なら、翁長知事が辺野古の代替案として出した硫黄島は、既に滑走路があって埋め立てる必要がなく、安全保障上の地理的位置も申し分ないからで、翁長知事と話し合えば、国費を無駄遣いしてサンゴ礁を傷つけ、ジュゴンのえさ場を埋め立てて、環境という貴重な資源を破壊することのないBestな場所が浮かび上がってくるからだ。

(3)税金の無駄遣いをして自然を破壊するのは、野蛮な行為である
 私は、スキューバダイビングで、外国のサンゴ礁はじめ沖縄の慶良間や伊豆に行き、日本の海岸にある岸壁・護岸・波消しブロックは、さして必要もない場所に設置され景観を悪くしているだけのものが多いと思っていたが、ジャック・マイヨール(http://www.sponichi.co.jp/seibu/column/envi/KFullNormal20080430166.html 参照)も、「イルカと海へ還る日」という本で、全く同じことを書いていた。

 つまり、日本人は、美しい自然の水辺に必要以上のコンクリート構造物を作り、波消しブロックまで投入して、目を覆いたくなるような醜い景観を作っている上、水中生物の繁殖を妨害しているのだ。私は、いらないコンクリート構造物や波消しブロックが、えもいわれぬ美しさの沖縄、慶良間諸島でさえ見られてがっかりしたことがあり、この波消しブロックは日本全国の沿岸に大量に置いてあるため、干潮時でも水面に出ない形に並べ換えて、漁礁として使うのがよいと考えている。

 このような中、*3-1、*3-2、*3-4のようなサンゴ礁へのブロック投入と埋め立てがあるのだが、私は、税金を無駄遣いし、自然を破壊し、住環境や観光振興に悪影響を与える“景気対策”目的の公共工事は、もうやめるべきだと考える。しかし、「丁寧に理解を得ながら進めたい」とした安倍首相を非難しても実は無意味なのは、鳩山首相が「最低でも県外」と言ってもそうならなかったのと同様、誰が首相になっても同じだからだ。その理由は、首相が進めているのではなく、官が進めて大メディアが協力しているからで、これが日本の民主主義の未成熟、大メディアの形だけの権力批判の構図なのである。

 そのため、私も翁長知事には知事権限を行使してもらいたいと考えている。また、*3-3のように、普天間飛行場の代替基地を沖縄県内に置かずに単に取り払っても在日米軍専用基地の沖縄への集中度は73.8%から73.4%になるにすぎないのに、このように明確に示された沖縄の民意を踏みにじる政府の態度であれば、その政府判断に変更がない限り、沖縄の「島ぐるみ会議」が国連人権理事会に参加して、日本政府による沖縄県民への人権侵害を報告するのがよいと思う。

(4)沖縄はLost Islandの一部だったという説もあり、調査すべき面白いポイントである
   
                    与那国島付近の海底遺跡

 *4のように、与那国島付近に大規模な海底遺跡が発見され、「歴史を覆すかも?」と言われており、そこは、魏志倭人伝に書かれている邪馬台国の位置の記述と完全に一致すると言われている。そのため、調査・研究すべき面白いポイントで、世界遺産になる可能性すらある場所だ。

*1:http://ryukyushimpo.jp/news/storytopic-122.html
(琉球新報 2014年12月12日) 沖縄県知事選挙 翁長知事の就任あいさつ全文
 12日の県議会本会議での翁長雄志知事の就任あいさつの全文は次の通り。
 ハイサイ、グスーヨー、チューウガナビラ。
 平成26年第6回沖縄県議会の開会に当たり、提案しております議案のご説明に先立ち、県政運営に関する私の所信の一端と基本的な考え方を申し述べ、議員各位、ならびに県民の皆さまのご理解とご協力をたまわりたいと存じます。私は、去る11月16日の県知事選挙において、有権者多数の支持を得て当選いたしましたが、本議会に臨み、142万県民の知事として、その責任の重さにあらためて身の引き締まる思いであります。県民の皆さまのご期待に添うべく、全力で県政運営に取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。さて、これまで、私たちは、自ら持ってきたわけではない「基地」を挟んで「経済」か「平和」かと厳しい選択を迫られてきました。しかし、社会情勢の変化とともに、これらは両立し得るものとなってまいりました。私たちは、「経済と生活」「平和と尊厳」を県民一人ひとりが手にすることができるようになりました。このことをしっかり自覚した上で、「誇りある豊かさ」を求める沖縄県民の意思を明確に示さなければなりません。こうした考えの下、私は、議員各位、ならびに県民の皆さまと心を一つにし、県政運営に力を尽くしてまいる所存であります。県政運営に当たりましては、沖縄が持つ地域力、文化力、伝統力、人間力、自然力、離島力、共生力、経済力など、国内外の多くの人々を魅了する大いなる可能性を秘めたソフトパワーで沖縄の未来を拓(ひら)いていくことが重要であると認識しております。私は、こうした県民の誇りの上に沖縄経済や社会が成り立つ「誇りある豊かさ」を手にしていくことが今後の沖縄が目指すべき姿だと考えます。このような認識の下、県民の英知を結集してつくられた沖縄21世紀ビジョンで示された将来像の実現を目指して、うやふぁーふじ(先祖)から受け継いだソフトパワーを生かし、3つの視点から、沖縄を拓き、うまんちゅの笑顔が輝く沖縄を創りあげてまいります。一つ目は、沖縄の「経済」を拓く―経済発展プラン―の視点であります。経済振興につきましては、成長著しいアジアのダイナミズムと連動した「アジア経済戦略構想」を策定し、国際物流拠点の形成をはじめ、情報通信関連産業、観光リゾート産業の振興などのリーディング産業の拡充、強化を進め、沖縄の経済をさらに発展させてまいります。空手・古武道、組踊などの文化資源を守り育てながら観光資源化を図ってまいります。健康・医療分野、環境・エネルギー分野では、沖縄の地域特性を生かした産業の集積を図ってまいります。農林水産業につきましては、亜熱帯気候を生かした沖縄ブランドの確立や6次産業化などを図ってまいります。中小企業など地場産業の活性化を着実に進めつつ、沖縄の優位性を生かした新たなビジネスの動きについてもしっかりと捉えながら、広範な経済発展施策を展開してまいります。二つ目は、沖縄の「幸せ」を拓く―生活充実プラン―の視点であります。人と人とを結ぶ絆は、協働のまちづくりの礎となります。私は、こどもや高齢者の笑顔が輝き、女性や障がいのある方などの力が正しく生かされる活気に満ちた幸せ感あふれる社会を創り上げてまいります。それぞれの地域の宝を大切にしながら、そこに関わるすべての人々が尊重される生活充実施策を展開してまいります。こどもの貧困対策や待機児童の解消などに取り組み、こども環境・日本一の実現を目指すとともに、女性が輝く社会づくりや女性リーダーの育成などに取り組んでまいります。また、若者が希望を持てる社会を目指し、格差社会などの課題の解決に取り組んでまいります。少子高齢化社会を見据えた、健康・医療・福祉政策を実行するとともに、きめ細かな教育指導ができる少人数学級の導入の推進など教育施策についても力を尽くしてまいります。離島・過疎地域につきましては、県民全体でこれらの地域を支える仕組みを構築しながら、定住人口の増加につながる生活環境の整備や産業振興など各種施策を展開してまいります。三つ目は、沖縄の「平和」を拓く―平和創造プラン―の視点であります。今、過重な基地負担に立ち向かうことができるのは、先人たちが土地を守るための熾烈(しれつ)な「島ぐるみ闘争」でウチナーンチュの誇りを貫いたからであります。私は、基地の整理縮小を加速化し、豊かな生活に導く土地活用を図るとともに、近隣諸外国との平和交流を促進する平和創造施策を展開してまいります。私は、日米安全保障体制の必要性は理解しております。しかしながら、戦後約70年を経た現在もなお、国土面積の約0・6%である本県に約74%の米軍専用施設が存在する状況は、異常としか言いようがありません。そして、その米軍基地が沖縄経済発展の最大の阻害要因であることは明確であります。日本の安全保障が大事であるならば、日本国民全体で考えるべきであります。このような基本認識のもと、私は、日米両政府に対し、過重な基地負担の軽減、日米地位協定の抜本的な見直しを求めるとともに、騒音問題や米軍人軍属による犯罪など米軍基地から派生する諸問題の解決に取り組んでまいります。普天間飛行場の辺野古移設問題につきましては、この度の県知事選挙の結果を受けて、公約の実現に向けて全力で取り組んでまいります。国においては、現行の移設計画をこのまま進めることなく、わが国が世界に冠たる民主主義国家であるという姿勢を示していただきたいと思います。この問題につきましては、埋め立て承認の過程に法律的な瑕疵(かし)がないか専門家の意見も踏まえ検証いたします。法的瑕疵があった場合は承認の「取り消し」を検討してまいります。私は、建白書の精神に基づき、県民が心を一つにし、共に力を合わせて、国内外に向けた働きかけを行っていくことが、基地負担軽減の実現につながるものと考えております。この問題の解決のため、県民の皆さまと力を合わせて全力で取り組んでまいります。以上の基本的考え方に基づき、私は、県政運営に関し、多くの公約を掲げました。未来を担う子や孫のために、「誇りある豊かさ」をいかに創りあげ、引き継いでいくか。県民すべてが生き生きと活躍できる協働のまちづくりの理念を大事にし、職員と一丸となって、その一つ一つの実現に邁進(まいしん)する覚悟であります。最後となりましたが、以上申し述べましたことに対し、議員各位、ならびに県民の皆さまには、ご理解とご協力を賜りますよう、重ねて衷心よりお願い申し上げ、私の知事就任あいさつとさせていただきます。 イッペーニフェーデービル。
平成26年12月12日 沖縄県知事 翁長雄志

*2-1:http://www.asahi.com/articles/ASH1H3FZSH1HTPOB002.html
(朝日新聞 2015年1月15日) 辺野古ボーリング調査再開へ 反対派と機動隊もみ合い
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設計画で、沖縄防衛局は近く、中断していた辺野古沿岸部での海底ボーリング調査を再開する。14日夜から15日未明にかけ、調査のための重機を移設予定地に搬入。座り込みを続ける反対派と県警の機動隊がもみ合いになった。ボーリング調査が再開されれば、昨年11月の知事選で移設反対を訴える翁長雄志氏が当選して以降、初の作業となる。15日正午ごろには、移設予定地のある米軍キャンプ・シュワブの沿岸に仮設の浮桟橋を設置する作業を始めた。14日夜はシュワブ内への重機の搬入をめぐり、24時間態勢で座り込む市民と機動隊が激しくもみ合った。座り込みをとりまとめる沖縄平和運動センターの山城博治議長は「どれだけ強制的に排除されても粘り強く阻止していく」と語った。15日からは、移設反対の有識者や議員でつくる団体が、那覇市や沖縄市から辺野古に向けてバスを連日運行し、県内各地から市民を運ぶ。防衛局は昨年8月、埋め立てのために地質を調べるボーリング調査を始めた。当初は11月末までの予定だったが、9月中旬以降、台風などのため中断。11月の知事選直後に再開準備を始めたが、天候悪化で延期し、その後も12月の衆院選への影響を考慮するなどして作業は行われなかった。防衛局は調査期間を今年3月末までに延長している。(泗水康信)

*2-2:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-237483-storytopic-1.html
(琉球新報 2015年1月18日) 防衛局が辺野古沖に浮具再設置 海保が16日拘束の男性骨折
 米軍普天間飛行場の移設に伴い新基地建設の準備が進む名護市辺野古沿岸部では17日、沖縄防衛局の作業船が臨時制限区域を示す浮具(フロート)を海上に設置する作業が確認された。海上では新基地建設に反対する市民らがカヌーや船で抗議行動を展開。延べ28人が海上保安官に拘束された。浮具の設置が確認されるのは、昨年10月に台風の影響で撤去されて以来。今後は仮設桟橋の設置や海底ボーリング調査の準備が進められるとみられる。浮具は辺野古崎から長島の間にかけて設置され、辺野古側から大浦湾側への行き来がしづらくなっている。船首に小型の滑車を装備した作業船は、アンカーとみられるブロックを水中でつり下げながら移動した。設置された浮具付近で潜水作業などをしていた。作業終了後に、ブロックがなくなっていたことから、海中に沈めたとみられる。16日にカヌーで抗議行動し、海上保安官に拘束された29歳男性が肋骨(ろっこつ)を骨折していたことが分かった。ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は「弁護士と相談して告訴する方向で進める。やったのが誰か特定できていないが、泣き寝入りはしない」と話した。

*3-1:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-239982-storytopic-11.html
(琉球新報社説 2015年3月8日) ブロック再投入 知事権限で作業止めよ
 米軍普天間飛行場の移設に伴う新基地建設で、沖縄防衛局は新たに大型コンクリートブロック2個を海底に沈めた。岩礁破砕許可区域外に投入したブロックがサンゴ礁を傷つけている問題で、翁長雄志知事がブロック設置作業の停止などを指示したのに、それを一顧だにすることなく再び沈めた。県民を代表する知事を侮辱し、誠実さのかけらもない行為と言わざるを得ない。県は、辺野古埋め立て承認に関する第三者委員会が検証を終えるまで作業を中断するよう求めたが、国はそれも無視した。埋め立て工事計画の実施設計に関する県との事前協議でも、国は工事中止に応じない姿勢だ。米国のための新基地建設には民意を踏みにじり、環境破壊もいとわない国との間で話し合う余地はもうない。翁長知事は即刻、岩礁破砕許可を取り消し、作業を止めるべきだ。10~45トンもあろうコンクリートブロックを沈めれば、サンゴ礁をはじめ環境に大きな影響を与えることは容易に想像できる。新たにブロックを沈めた場所は、岩礁破砕許可区域の境界付近だ。国は「区域内」と主張するが、線が引かれているわけではない。いずれにしてもサンゴ礁破壊を懸念する県側が区域外で作業停止を指示し、区域内でも調査する意向を示す中で乱暴なやり方だ。「丁寧に理解を得ながら進める」。安倍首相は事あるごとに繰り返してきたが、これが丁寧な物事の進め方なのか。新たなブロックの設置は近く再開予定のボーリング調査に伴うもので、調査の際に展開する浮具(フロート)などを固定するためのものとみられる。ボーリング調査は水深の深い12カ所がまだ残っており、国はさらにブロックを沈める可能性がある。「丁寧に理解を得ながら」と言うならば、国は県の要請を受け入れ、作業を中断するのが筋だ。いったん前知事から岩礁破砕許可を得たからといって強引に作業を進めても、決して新基地建設を許さないという民意は揺るがない。国は県の要請を無視し、作業強行の姿勢を鮮明にしている。これ以上のブロック投入やボーリング調査の再開を許してはならない。翁長知事には速やかに知事権限を行使してもらいたい。決断の時だ。

*3-2:http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201503143940.html
(愛媛新聞社説 2015年3月14日)辺野古海底調査再開 民主国家否定する暴挙止めよ  
 これが民主主義を掲げる国のすることなのか。政府は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先、名護市辺野古沿岸部の埋め立てに向けた海底ボーリング調査を再開した。沖縄県の再開見合わせ要請や県民の強い反発に一切耳を傾けることなく、説明や対話の機会を持とうともしないままである。「粛々と工事を進める。法に基づいており、全く問題ない」(菅義偉官房長官)。権力を持つ政府が地元の民意を抑え込み、新基地建設へと突き進んでいる。これは民意の黙殺であり県民への抑圧にほかならない。民主国家を政府自ら否定する暴挙を、決して認めることはできない。直ちに中止を求めたい。県全体の民意が辺野古移設に反対していることは明らかだ。昨年、名護市長選と知事選に加え、衆院選も4小選挙区全てで反対派が勝利した。にもかかわらず、政府は日米合意を盾に、無視を決め込む。安倍晋三首相は衆院予算委員会で「基地問題のような大事な政策は、その時々の政局、選挙に利用してはならない」とけん制。就任後7度上京した翁長雄志知事に一度も会おうとしない。首相や関係閣僚が沖縄の米軍基地負担問題を地元首長と協議する「普天間飛行場負担軽減推進会議」も昨年10月から開いていない。その状況で辺野古の埋め立て工事に「夏ごろにも着手したい」(中谷元・防衛相)と一方的に言及している。「移設が進めば反発は収まっていく」と政府関係者が言うように、既成事実をつくって反対運動を抑えようとの思惑は明らかだ。到底見過ごすことはできない。地元の反発は当然だ。政府は海上保安庁や内閣府の出先機関である国道事務所を使って市民の監視や抗議の封じ込めに躍起だが、自らの強硬姿勢が県民の心を踏みにじり、緊迫の度合いを深めている現状を省みてもらいたい。沖縄は戦争で多大な犠牲を出した。戦後も在日米軍専用施設の大半が沖縄にあり、今なお米国追従の影を背負わされている。戦後70年。米国の視点でなく、沖縄の痛みから国の針路を見つめ直す時機が来ている。地元の声から逃げず丁寧に対話することで、基地縮小の道を探らねばならない。軍縮と平和を沖縄から米国へ、世界へと発信したい。沖縄の人々は、自分たちの暮らしだけでなく、自然破壊を食い止め、海の生物を守るためにも声を上げている。ボーリング調査再開のため海中に投入した大型のコンクリート製ブロックが、県の岩礁破砕許可区域外でサンゴ礁を傷つけているのも確認されている。辺野古で起きている重い現実を、いま、日本の問題として国民全体で見つめたい。

*3-3:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-240321-storytopic-11.html
(琉球新報社説 2015年3月14日) 国連人権理事会 政府の非人道性を訴えよ
 今の政府の沖縄に対する態度がどれほど非人道的か、いまさら申すまでもない。人権に敏感な国際社会の目に照らせば、非難を浴びることは火を見るより明らかだ。その意味でまことに意義深い。沖縄の政財界や労働・市民団体の有志、有識者でつくる「島ぐるみ会議」が9月にジュネーブで開かれる国連人権理事会に参加し、政府による辺野古新基地建設強行が県民への人権侵害に当たると報告する。政府の仕打ちの不当性、非民主主義的専制ぶりを訴えてほしい。それにしても安倍政権の言行不一致ぶりにはあきれ返る。安倍晋三首相は就任直後、「(基地負担に関する)地元の声に耳を傾ける」と語り、ことしの施政方針演説でも「沖縄の理解を得る努力を続け」ると述べたが、翁長雄志知事が繰り返し面会を求めても門前払いだ。「耳を傾ける」発言は仲井真弘多前知事の時だった。言うことを聞く人の声は尊重するが、そうでない人は無視するということなのであろう。首相は国会で「沖縄の基地負担軽減に取り組む」とも述べたが、片腹痛い。実際に行っていることは、軍港機能を新たに加える辺野古新基地建設の強行である。考えてもみてほしい。普天間飛行場は、代替基地を県内に置かず、そのまま取り払ったとしても、在日米軍専用基地の沖縄への集中度は73・8%から73・4%になるにすぎない。そんなささやかな望みでさえ沖縄には持つ資格がないと言わんばかりの強行なのである。地元名護市の市長選も市議選も知事選も新基地反対派が勝利し、衆院選では反対の候補が全勝した。これ以上ないほど明確に示された民意を踏みにじる今の政府の態度が、人権侵害でなくて何であろう。「日本領土内で住民の意思に反した不当な支配がなされていることに国連加盟国が注意を喚起することを要望する」。現状を指すかと見まがうが、実は翁長知事の父がかつての立法院で読み上げた決議文だ。今の日本政府の専制ぶりはかつての米軍占領統治にも等しいと分かる。国連人種差別撤廃委員会は5年前、日本政府にこう勧告した。「沖縄への米軍基地の不均衡な集中は現代的人種差別だ。沖縄が被っている根強い差別に懸念を表明する」。5年前よりはるかに深刻化し、あからさまになった人権侵害を見て、今度は絶句するだろう。

*3-4:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11649029.html?_requesturl=articles%2FDA3S11649029.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11649029 (朝日新聞社説 2015年3月14日)辺野古移設 作業を止めて対話せよ
 米軍普天間飛行場の移設に向け、政府が海底を掘って地質を調べるボーリング作業を再開した。昨年夏に中断していたもので、この作業を経て今夏にも埋め立て工事に突き進む構えだ。移設に反対している翁長雄志知事の就任後、初の大きな動きであり、知事は「県民に説明がない中で物事を進めるのは許せない」と反発した。一方の政府では、菅官房長官が「法制に基づいて手続きを行っている。粛々と工事を進めるのは当然じゃないか」と強硬姿勢を崩さない。中谷防衛相はきのう、「こちらから(知事に)会う考えはない」と発言し、異様な対立状態に陥っている。確かに、仲井真弘多・前知事は埋め立てを承認した。だが、その判断に納得できない県民が選挙で知事を交代させ、移設反対の意思を明示したのだ。翁長知事を無視し続ける政府の姿勢は頑迷というほかない。政府と沖縄県の対立をこじらせることは、国と地方の関係や、安全保障を考える上でも、決して望ましいことではない。米軍の対応もおかしい。海底の環境が損なわれた疑いがあるため、県が立ち入り禁止区域での調査許可を求めたが、米軍は「運用上の理由」で拒んだ。この海域では、海上保安庁など政府の船舶は往来している。なのになぜ、県の調査船だけが支障となるのか。県が米軍に不信感を抱くのも無理はない。県が調査することになったのは、沖縄防衛局が岩礁破砕の許可区域外に巨大なブロックをいくつも沈め、サンゴなどを壊した可能性があるからだ。この海域は埋め立て予定地の周辺部で、工事完了後もサンゴ礁などはそのまま残る。県が水産資源の保護策や環境保全策をとるのは当然だろう。ましてやこの海域は、沖縄の海岸の中でわずかに残った貴重なサンゴ礁の海。ジュゴンが回遊し、近年、新種の甲殻類なども相次いで見つかっている。翁長知事は、前知事の承認を検証する県の第三者委員会の審査が終わるまで、作業を停止するよう政府に求めている。ここは政府が提案を受け入れて作業を中止し、県との対話による関係修復に乗り出すべきだ。政府も米軍も、長年、重い基地負担に苦しむ沖縄県民の心をこれ以上傷つけてはならない。民意を重く受け止められない政府の存在は、国民全体にとっても不幸だ。

*4:http://matome.naver.jp/odai/2133751340913855001
(歴史を覆すかも?与那国島付近の謎遺跡 2012年05月20日) 
●与那国島の海底遺跡
 与那国、数年前からちょっと有名になっています。なぜかといえば、すぐそばの海底に人間が手を加えて作ったとおぼしき遺跡が発見されたからです。 その規模はかなり大きく、直角の石組や通路どが点在するもので、遺跡ポイントとしてダイバーにも有名になっています。
●海底遺跡の発見
 与那国の海は透明度の高さでは世界的にも有名で、変化にとんだ海底地形や回遊魚の群れるさまなどは水中撮影やウオッチングに適しているため、新嵩喜八郎氏はダイバーたちのためのダイビングポイントのマップ作りを思い立ちました。そして、新川鼻沖の海中に潜ったとき、海底で運命的な岩盤との出会いが待っていたといいます。200メートルを越す岩磐のラインが規則正しく東西方向に延びているのを見て驚愕した新嵩喜八郎氏は、これが人工的な構造物であることを直感し、「遺跡ポイント」と名づけました。
●遺跡の詳細
 「遺跡」は、海底にそびえたつ巨大なビルのよう。階段状になった巨大な壁が高さおよそ25m、幅東西約250m、南北150mにもわたる、巨大な物体。現在も調査活動が続いていて、この範囲がさらに大きくなるかもしれません。規模としては、なんとあの古代エジプトのピラミッドに匹敵する大きさだとか。
●本当に遺跡なのか?
 「水中に作った墓」「神殿」「船着場」「グスク」…人工物であると仮定しただけでも諸説様々あり、「与那国島の海底遺跡こそムー大陸だ」という人もいます。かつて陸上にあった証拠として、「陸上にしかできない鍾乳洞が遺跡ポイントの近くにあること」をあげる人も。
●アトランティスの一部?
海底にある高度な岩盤加工を考察する場合、プラトンの「クリティアス」と「ティマイオス」を参照しないわけにはまいりません。古代ギリシャの哲学者プラトン(BC427~BC347年)の著作集の中の「クリティアス」と「ティマイオス」に書かれているアトランティス記事は、今から1万二千年ほど前に海底に沈んだという古代都市についての、ほとんど唯一ともいえる情報です。その中で、プラトンは、「ティマイオス」で、この、消滅したアトランティスの情報源は、古代のエジプトのサイスのネイト女神の神殿の神官であると明言しています。与那国島海底遺跡の構造と石切り技術には、ピラミッド文明を連想する巨大さと高度さがあるのですから、これを検証する場合、この「プラトンのアトランティス記事」を見逃しては通れません。
●遺跡説は賛否両論
 海底遺跡と聞けば、誰でもロマンを感じることでしょう。しかし、遺跡だ!遺跡ではない!と議論をよんでいます。遺跡派は、自然にできたものとは考えられないから人工的な遺跡だ。反遺跡派は石器などの遺物が見つかっていないから人工的な遺跡ではない、と反論します。しかし、最近、古代文字らしきものが見つかったり、石器が引き上げられているのです。(以下略)


PS(2015.3.24):*5-1、*5-2のように、沖縄県知事は辺野古作業の停止を指示し、不自然だった埋め立て承認手続きの経緯を検証するため、第三者委員会を設置して、場合によっては承認を撤回すると発表した。しかし、中谷防衛相は、その日のうちに米海兵隊トップのダンフォード司令官に「一日も早く(辺野古沿岸部に)移設できるよう努力したい」と改めて約束し、菅官房長官は「この期に及んでこのような文書が提出されること自体、甚だ遺憾だ」「法律に沿って粛々と工事を進める」と述べた。しかし、*5-2、*5-3のように、承認の経緯はきわめて不自然だった上、日本の民法では「契約は守るべきもの」とされ、契約違反があれば契約解除してもよいのが法治国家日本の法律なのである。なお、米国は、日本が硫黄島など離島で既に滑走路のある、今から埋め立てる場所よりもよい場所を提示すれば無理は言わないため、どうしても辺野古を埋め立てると言うのは日本政府の変な頑迷さによるところが大きい。

   
      *5-1より         ずっと続いていた沖縄県を挙げての反対運動

*5-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150324&ng=DGKKASDE23H0E_T20C15A3EA2000 (日経新聞2015.3.24)沖縄知事、辺野古作業の停止指示 政府は移設を継続
 沖縄県宜野湾市の米軍普天間基地を名護市辺野古沿岸部に移す作業をめぐる政府と県の対立が23日、一段と深まった。翁長雄志知事は海底ボーリング(掘削)調査を含む移設作業の停止を沖縄防衛局に指示。応じない場合、許可を取り消す意向を示した。政府は移設作業を「粛々と進める」(菅義偉官房長官)との立場を崩していない。対立は泥沼化しつつある。掘削調査など移設作業の停止指示は、沖縄県の漁業調整規則に基づく。県は30日までの「7日以内」に作業停止を文書で報告することを求めている。理由は沖縄県が2月に初めて実施した辺野古沖の海中調査。沖縄防衛局が設置したコンクリート製ブロックによって工事区域の外でサンゴ礁が傷ついた蓋然性が高く、改めて広い範囲で調査する必要があるという。翁長氏は記者会見で、作業停止の指示に従わない場合、沖縄県が仲井真弘多前知事時代の2014年8月に出した岩礁破砕許可を取り消すと強調したうえで「腹は決めている」と語った。同年11月の知事選以来「あらゆる手法を尽くして辺野古に基地をつくらせない」と繰り返してきた。強硬姿勢の背景には政府対応への不満がある。日米両政府が立ち入りを制限した工事区域の内側の調査を政府と米軍それぞれに求めたが、断られた。12日には沖縄防衛局が中断していた掘削調査が再開された。「不合理極まりない」(翁長氏)と反発を強めた。一方、政府は辺野古移設の作業を進める立場を堅持している。菅長官は23日の記者会見で「この期に及んでこのような文書が提出されること自体、甚だ遺憾だ」と批判した。掘削調査を経て夏にも埋め立て工事をスタートさせる政府方針は揺らいでいない。沖縄県は許可を取り消せば政府側が一連の作業を進めることができなくなるとみている。しかし、政府は移設を遅らせるための時間稼ぎととらえ、「手続き面に瑕疵(かし)がない以上、効力はない」(防衛省幹部)と続ける見通しだ。政府と沖縄県の対立は法廷闘争に発展するおそれもある。県が取り消し処分に踏み切った場合、政府は無効を求めて提訴する構えをみせている。1995年には米軍用地の強制使用に必要な代理署名を拒否した当時の大田昌秀知事を国が提訴し、96年に最高裁で県側敗訴が確定した。日米関係に影響を及ぼすとの見方も出ている。中谷元・防衛相は23日、米海兵隊トップのダンフォード司令官と防衛省内で会談し、「一日も早く(辺野古沿岸部に)移設できるよう努力したい」と改めて約束した。日米両政府は4月下旬に外務・防衛担当の閣僚協議(2プラス2)、同28日にはワシントンで首脳会談の開催をそれぞれ予定している。今回は日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を18年ぶりに見直す節目でもある。防衛省幹部は「米国の信頼を失うわけにはいかない」と懸念している。

*5-2:http://www.shinmai.co.jp/news/20150324/KT150323ETI090003000.php
(信濃毎日新聞 2015年3月24日) 辺野古移設 政府はごり押しやめよ
 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐる沖縄県民と政府との対立が、ますます抜き差しならない状況になってきた。翁長雄志知事が記者会見し、政府が進めている海底ボーリング調査を含め「海底面の現状を変更する行為を全て停止する」ことを沖縄防衛局に指示したことを明らかにした。政府が指示に従う可能性は低い。対立の原因は県民の反対を押し切って移設を強行しようとしている政府にある。政府は、沖縄の民意を力ずくでねじ伏せるやり方をやめて、対話による問題の打開に転換すべきだ。政府は先日、辺野古のボーリング調査を再開した。知事選などへの影響を考え、昨年夏から中断していた調査である。調査は海上や沿岸部で住民の抗議行動に取り囲まれ、もみ合いが続いている。反対派女性の一人を海上保安官が馬乗りになって制圧するなど、乱暴な警備が住民の怒りを駆り立ててもいる。「法律に沿って粛々と工事を進める」。菅義偉官房長官は繰り返す。仲井真弘多前知事による許可を根拠に調査を続ける構えだ。前知事が埋め立てを承認した後の知事選で、移設反対を掲げた翁長氏が前知事を大差で破り、当選している。12月の総選挙では県内四つの小選挙区全てで自民党の公認候補が敗北した。県民は辺野古移設に対し明快に「ノー」の意思表示をしている。前知事の承認を根拠に、政府が作業を続けるのは許されない。翁長知事が調査をやめさせようとするのは当然だ。知事はきのうの会見で、埋め立て承認手続きの経緯を検証し、場合によっては撤回する考えも示した。検証のための第三者委員会は既に議論をスタートしている。早ければ4月にも報告がまとまる見通しだ。知事が姿勢を軟化させる見通しはない。翁長知事の就任後、政府は沖縄県に対する圧力を露骨に強めている。知事が何度も上京し安倍晋三首相との面会を求めても応じようとしない。2015年度予算案では沖縄振興予算を減額した。自民党も知事を党の会合に呼ばないままだ。仲井真前知事のときとは打って変わった対応である。冷遇すればそのうち音を上げる、と高をくくっているとすればとんでもない考え違いだ。住民意思を無視しての移設は沖縄では、本土による差別と受け止められている。対話の姿勢を欠いては、打開の道は遠くなるばかりだ。

*5-3:http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=108428
(沖縄タイムス社説 2015年3月24日) [辺野古 作業停止指示]筋を通した重い判断だ
 名護市辺野古の新基地建設に反対する翁長雄志知事が、自らの権限を行使し、新たな対抗措置に踏み切った。ボーリング調査を含むすべての海上作業を1週間以内に停止するよう沖縄防衛局に指示したのである。国が指示に従う可能性は極めて低い。従わなければ来週にも岩礁破砕の許可を取り消す考えだ。海底の岩石採掘と土砂採取などを内容とする岩礁破砕の許可が取り消されれば、埋め立て工事の着工に影響を与えるのは確実である。翁長知事にとっては就任以来、最も重い政治決断といえる。なぜ、何を根拠に、知事は作業の停止を求めたのか。一連の経過を冷静に吟味すれば、筋の通った毅然とした判断であることが理解できる。県は昨年8月、仲井真弘多前知事の時に、県漁業調整規則に基づき埋め立てに必要な岩礁破砕を許可した。しかし今年2月、海底ボーリング調査を再開するため海中にコンクリート製の大型ブロックを投入した際、許可区域外にコンクリートブロックを設置し、サンゴを傷つけていたことが県の潜水調査で分かった。翁長知事は「漁業調整規則違反の懸念が払拭(ふっしょく)できない」と主張、調査が終了するまでのすべての作業の中止を指示したのである。併せて県は、臨時制限区域への立ち入り調査を認めるようあらためて沖縄防衛局に申請した。公務遂行のための調査であるにもかかわらず、米軍は、県の立ち入り調査を認めていないからだ。
    ■    ■
 臨時制限区域内では、民間の工事船や海上保安庁の警備船が多数出入りし、沖縄防衛局も独自の潜水調査を実施している。なのに、県の調査だけを認めないというのは、嫌がらせと言うしかない。菅義偉官房長官は「国としては十分な調整を行った上で許可をいただき工事をしている。全く問題ない」と法的正当性を強調する。だが、岩礁破砕の許可には条件がついており、条件に反する行為が確認されれば、許可を取り消すのは当然である。それよりも何よりも最大の問題は、前知事の埋め立て承認を唯一の根拠に、県との一切の対話を拒否し、選挙で示された民意を完全に無視し、抗議行動を強権的に封じ込め、一方的に作業を続けていることだ。埋め立て承認が得られたからといって、公権力を振り回して問答無用の姿勢で新基地建設を進めることが認められたわけではないのである。
    ■    ■
 国の環境監視等委員会(第三者機関)に配布した資料の改ざん、議事録公開の遅れが問題になっている。同委員会の副委員長は、国の環境影響評価(アセスメント)に不満を抱き、辞任を表明した。埋め立て承認の適法性に疑問符が付いているだけでなく、国の環境影響評価の信頼性も、疑われ続けているのである。「1強多弱」の国会の中で、安倍政権におごりや慢心が生じていないか。新基地建設は、今や完全に「負のスパイラル」に陥っている。異常な事態だ。


PS(2015.4.18追加):*6-2のように、沖縄県が県を挙げて新基地反対の地元民意を国内外に発信するための基金を設立したりしている中、*6-1のように、安倍首相は単に翁長沖縄県知事との会談しただけで、「①少しでも基地負担軽減を進めたい」「②辺野古が唯一の解決策」と言われているが、②の理由はないため言えるわけがなく、①は念仏にすぎない。そのため、②の理由を列挙した上で、それが本当に理由になるのか、よりよい代替案はないのかについて検討すべきである。なお、朝鮮有事なら長崎県の佐世保基地や対馬駐屯地を使う方が便利だが、朝鮮有事に玄海原発は危なすぎるのだ。

*6-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150418&ng=DGKKASFS17H3J_X10C15A4MM8000 (日経新聞 2015.4.18) 
首相「唯一の解決策」 辺野古移設巡り初会談 沖縄知事「中止を」
 安倍晋三首相は17日、首相官邸で沖縄県の翁長雄志知事と会談した。両氏の会談は、昨年12月に翁長氏が移設阻止を掲げて就任して以来初めて。首相は米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古沿岸への移設について「唯一の解決策だ」と強調した。翁長氏は「唯一の解決策との固定観念に縛られずに作業を中止してほしい」と反対する考えを伝えた。首相は「戦後70年、沖縄には大きな基地負担をかけている。少しでも負担軽減を進めたい」と語った。米軍嘉手納基地以南の施設・区域返還など政府の取り組みにも触れた。「普天間の一日も早い危険性の除去は我々も沖縄も思いは同じだ」と移設への理解を求めた。翁長氏は昨年の名護市長選や知事選など移設反対派が勝った一連の選挙結果を踏まえ「辺野古反対という圧倒的な民意が示された」と力説した。普天間基地については「土地を奪っておきながら老朽化したとか世界一危険だからとか(辺野古移設が)嫌なら代替案を出せというこんな理不尽なことはない」と訴えた。首相には26日からの訪米を前に、普天間移設に向けて沖縄との協調を探る姿勢を示したい意向がある。翁長氏は日米首脳会談に臨む首相に「オバマ米大統領に、沖縄は辺野古移設に反対だと伝えてほしい」と求めた。会談は約35分間で、菅義偉官房長官と沖縄県の安慶田光男副知事が同席した。

*6-2:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015040802000136.html
(東京新聞 2015年4月8日) 辺野古基地反対で基金 米政府に「民意」直接訴え
 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設に伴う名護市辺野古(へのこ)への新基地建設をめぐり、地元経済人や有識者らが九日、新基地反対の地元民意を国内外に発信するための基金を設立する。日本政府が強行する新基地建設について、米政府や米議会にロビー活動で反対を訴え、国内でもこの問題への理解を深めてもらい、日本政府を動かすことが狙いだ。新たな基金「辺野古基金」は、昨年の沖縄県知事選で当選した翁長雄志(おながたけし)氏を支援した地元の経済人や地方議員、市民団体らが設立。重い基地負担に苦しむ沖縄の現状を訴える有識者らの活動を財政面から支え、世界一危険とされる普天間飛行場の早期閉鎖と、辺野古への新基地建設中止を目指す。共同代表には、建設会社やスーパーなどを運営する「金秀グループ」の呉屋守将(ごやもりまさ)会長、ホテル「かりゆしグループ」の平良朝敬(たいらちょうけい)最高経営責任者(CEO)ら地元経済界の重鎮が就任。本土の有識者などにも賛同者や寄付を募る。主な活動は、米政府と議会対策。米政府関係者や上下両院の議員へのロビー活動を後押しする。シンポジウム開催も検討し、米国の有識者の理解を広める。沖縄では昨年の名護市長選、知事選、衆院選の四小選挙区全てで新基地反対派が勝利。この結果を示し、「民主主義」の価値観を重視する米国で直接、建設に反対する地元の意思を伝える。県も四月、米ワシントン事務所を新設。在沖縄米国総領事館で特別補佐官を務めた経歴がある平安山(へんざん)英雄氏(66)を駐在員に起用。基金との官民一体で米国への働きかけを強める方針だ。基金は国内では、新聞への意見広告掲載やパンフレット作成などで建設反対を訴える。全国の地方議会にも、政府に対応を改めることを求める決議などで意思を示すよう働き掛ける。九日に那覇市内で設立会見を開き、翁長氏も出席する予定。設立に携わる沖縄県議は「沖縄の民意を無視し続ける政府の姿勢は許せない。国内外から政府に計画の断念を迫る」と話す。

| 辺野古・普天間基地問題::2012.2~2015.3 | 04:48 PM | comments (x) | trackback (x) |
2014.11.17 米軍普天間飛行場の辺野古移設問題については、沖縄県民が知事選で答えを出した
   

(1)沖縄知事選に対する沖縄地元紙の反応
 私が、2013年2月3日を中心として、このブログの「普天間基地問題」というカテゴリーにずっと書いてきたように、2013年1月28日、沖縄県の全市町村が普天間県外移設・オスプレイ配備撤回を求めて東京で大集会を開き、全市町村長の署名が入った「全沖縄の訴え」として米軍基地の負担軽減を求める「建白書」を手渡したにもかかわらず、2013年12月25日、日本政府は、仲井真知事に圧力をかけて辺野古埋め立てを表明させた。しかし、これは、どう見ても不合理で無理筋の話だ。

 そのため、今回の沖縄県知事選では、沖縄タイムス等の地元紙は、*1-1のように、「未来を切り開く選挙」と位置づけ、米軍普天間飛行場の辺野古移設問題を最大の争点としてリーダーを選ぶことで、選挙により民意を示す一票を投じるよう呼びかけた。そして、政治体制の保守対革新という旧来型の対立ではなく、辺野古への基地建設に保守同士が分裂して賛否を問う選挙になったわけである。
     
 その結果、*1-2のように、沖縄県知事選挙結果は、翁長氏が360,820票をとり、仲井真氏に約10万票の大差をつけて当選して、新たな基地は造らせないという民意が示された。また、同時に行われた那覇市長選挙では、城間幹子氏が101,052票で当選している。これは、沖縄県民が「沖縄のことは沖縄が決める」という自己決定権を行使し、辺野古移設拒否を政府に突き付けたことを意味しているため、政府は、率直に沖縄県民の強い民意を認めて、普天間基地の辺野古移設を中止すべきである。

 私は、すでに辺野古埋め立てに関する反対理由や代替案をこのブログに書き尽くしているため長くは書かないが、日本政府は沖縄県民に対する公平・公正な対応を行い、基地を、国の原発交付金をまだ手放せない鹿児島県の適地に移転して原発は早々に廃炉にすべきだ。鹿児島県にとっては、原発よりも基地の方がまだ安全で、基地による食料の調達も期待できる。

(2)沖縄知事選に対する全国紙の反応
 選挙前には沖縄知事選について殆ど報道しなかった全国紙も、朝日新聞は2014年11月17日の社説で、*2-1のように、「(沖縄県知事選の)最大の争点は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設の是非」「辺野古への移設計画は白紙に戻すしかない」としており、これは正しい。

 また、この対立は、旧来型政治体制の「保革対立」を超えた選択で、沖縄の未来をどう描くかという選択だった。その中で、仲井真氏は「一日も早い普天間飛行場の危険除去には、辺野古移設が現実的な方策」としたが、18年も放っておかれたことを少し早く解決するために、大きな妥協をするのは合理的でない上、「辺野古移設か普天間の固定化か」という二者択一というのは、選択肢が意図的で少なすぎる。

 しかし、2014年11月17日の日経新聞社説では、*2-2のように、「いまこそ政府と沖縄は話し合い、新知事と話し合いの糸口をつかんで予定通り普天間移設を進めるべき」「名護市での基地建設に必要な埋め立て工事は仲井真氏が承認済みであり、新知事に覆す権限はない」「日米同盟に影響する」などと言いたてて、普天間埋め立てを進めるべく世論を喚起している。これにより、どの新聞が、誰の意見を代弁しているかは、私が書くまでもないだろう。

(3)他の選択肢について
 *2-1にも書かれているように、日米両政府が「辺野古が唯一の選択肢」といくら強調しても、米国の専門家はじめ誰が考えても、より安価で優れた代替案が存在する。それでも「辺野古移設か、普天間の固定化か」と沖縄を脅しながら二者択一を迫り、新知事となる翁長氏に沖縄への一括交付金の削減で対抗するという声すらあるのでは、今度は沖縄(琉球)が独立のための国民投票をするかもしれない。

<地元紙の社説>
*1-1:http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=90738
(沖縄タイムス社説 2014年11月16日) [知事選きょう投開票]未来を切り開く選挙だ
 戦後70年近く、沖縄の人々は幾度となく政治に翻弄され、歴史の岐路に立たされてきた。 例えば1956年の島ぐるみ闘争。軍事政策を優先し住民生活を無視した米民政府に、民衆が立ち上がった。68年に実施された主席公選は、自治権拡大闘争の末、勝ち取ったものだ。米軍支配に抗(あらが)う闘いは、72年の日本復帰へとつながっていく。復帰後12回目となる県知事選の投開票日を迎えた。主席公選以降、保守対革新で争われてきた構図が崩れた、かつてない選挙である。主席公選の高揚感を思い出したという年配の人がいた。基地か経済かで激しくぶつかった98年知事選以来の熱気という人も。どのような結果になっても、沖縄が進む方向と政治の枠組みに重大な影響を与えることは間違いない。立候補しているのは、元郵政民営化担当相の下地幹郎氏、前民主党県連代表の喜納昌吉氏、前那覇市長の翁長雄志氏、現職の仲井真弘多氏。いうまでもなく最大の争点は、米軍普天間飛行場の辺野古移設問題である。長く動かない問題を前に「選挙で変わるはずがない」と背を向けている人もいるかもしれない。でもそれは違う。県外移設、軍民共用、暫定ヘリポート、県内移設…、歴代知事の対応を細かく検証していくと、時々の政策や具体的アプローチが日米の取り組みに影響し、状況に変化をもたらしてきたことが分かる。誰をリーダーにするかで辺野古問題は変わるのだ。
      ■    ■
 前回の知事選と様子が変わったのは「基地問題」を重視する県民が増えたことである。「経済」から「基地」へと関心が逆転している。県民の心の奥底で起きている変化の正体が何なのか、選挙結果が明らかにしてくれるだろう。争点であり、関心が高い辺野古移設について候補者の主張をおさらいしたい。下地氏は県民投票を実施して結果に従うとする。喜納氏は埋め立て承認を取り消して撤回すると訴える。翁長氏は新基地は造らせないとし反対を主張している。仲井真氏は普天間の危険性除去が重要だとし容認の姿勢だ。現職が勝てば辺野古の埋め立てを承認した行為が民意によって認められたことになり、埋め立て工事にお墨付きを与える。それ以外の候補者が当選すれば状況は変わる。主張の違いは明らかであり、選挙で民意を示したい。
    ■    ■
 投票率が低下傾向にあることが懸念される。前回知事選は60%で、とりわけ若い世代の低さが目立った。今回の選挙では無党派層の増加が顕著だ。公明、民主党の自主投票が投票率にどう作用するのかも気になるところである。知事選を前に、菅義偉官房長官が辺野古移設は「過去の問題」と発言したことを思い起こしたい。新しい基地は10年後、50年後の沖縄の未来に影響する。将来世代をも拘束する計画なのだ。過去を振り返り、現在を直視し、未来を切り開く一票を投じよう。

*1-2:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-234623-storytopic-11.html
(琉球新報社説 2014年11月17日) 新知事に翁長氏 辺野古移設阻止を 尊厳回復に歴史的意義
 <県知事選挙開票速報>             <那覇市長選挙開票速報>
 当 翁長 雄志 360,820票               当 城間 幹子 101,052票
    仲井真弘多 261,076票                与世田兼稔 57,768票
    下地 幹郎 69,447票
    喜納 昌吉 7,821票
 新たな基地は造らせないとの民意は揺るがない。県知事選で、そのことがあらためて証明された。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設反対を掲げた前那覇市長の翁長雄志氏(64)が、政府と共に移設を進める現職の仲井真弘多氏(75)らを破り初当選した。約10万票の大差は、県民が「沖縄のことは沖縄が決める」との自己決定権を行使し、辺野古移設拒否を政府に突き付けたことを意味する。翁長氏には、政府の強硬姿勢を突き崩して移設問題など基地問題に終止符を打つことに全力で取り組むことを期待したい。
●民意尊重は当然
 在日米軍専用施設の74%が集中する沖縄に新たな米軍基地の強権的な押し付けを認めることは、県民自ら尊厳を否定するに等しい。今知事選は1968年の主席公選を勝ち取った住民運動同様に、沖縄の尊厳と誇りを回復できるかも問われた。仲井真知事の辺野古移設工事埋め立て承認で、沖縄の尊厳と誇りを傷つけられたと感じた県民は少なくない。保守分裂選挙となったことがそれを物語っている。失われかけた尊厳を県民自らの意志で取り戻した選択は歴史的にも大きな意義を持つ。一方、政府は選挙結果にかかわらず、辺野古移設を進めると明言しているが、民主主義国家として許されない。埋め立て承認で地元の了解が得られたと受け止めているようだが、それも間違いだ。仲井真知事は前回知事選で県外移設を訴えて当選した。県民は辺野古移設推進にその後転じた仲井真知事を支持したわけではない。つまり地元の大半は了解などしていないのである。政府は辺野古移設の是非を最大の争点とした知事選で示された民意を真摯(しんし)に受け止め、辺野古移設を断念すべきだ。それこそが安倍政権の言う「沖縄に寄り添う」ことを具現化することになる。米政府も民主主義に立脚すれば、民意の重みを無視できないはずだ。ことし1月の名護市長選では移設阻止を掲げた稲嶺進市長が再選された。にもかかわらず、政府は移設工事を強行着手した。新基地建設工事を既成事実化し、県民に無力感を植え付けることを狙ったことは明らかである。だが、県民がなえることはなかった。新基地建設反対の意志をさらに強固なものにするきっかけにもなった。多くの県民が基地の県内たらい回し拒否に票を投じたことが何よりの証しだ。
●県民支援が必要
 東村高江では住民の反対を無視し、新たな米軍ヘリパッドの建設計画が進められている。翁長氏はオスプレイ配備に反対する立場からヘリパッド建設に反対している。建設断念に追い込んでほしい。県内全41市町村長が署名した「建白書」の求めるオスプレイ配備撤回の実現にも知事として力を注いでもらいたい。基地問題の解決はこれからが正念場である。辺野古移設など米軍基地の過重負担を強いる政府の厚い壁を突き破るためには、県民世論の後押しが欠かせない。「建白書」の精神に立ち返り、さらに幅広いオール沖縄で基地問題解決を訴え、翁長氏を支援する態勢の再構築も求められる。基地問題以外にも解決しなければならない課題は多い。翁長氏はアジア経済戦略構想の策定による自立経済の発展や正規雇用の拡大、4年後までの認可保育所の待機児童ゼロ、子ども医療費の無償化などさまざまな施策を通して県民生活を豊かにすることを打ち出している。那覇市長を14年務めた翁長氏の行政手腕、さらには那覇市議と県議で培った政治力、行動力を生かし、公約を実現するよう期待したい。県民は平和と豊かさの実感を望んでいる。県民の負託に応え、沖縄の将来も見据え、リーダーシップを発揮してほしい。

<全国紙の社説>
*2-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11459557.html
(朝日新聞社説 2014年11月17日)沖縄県知事選 辺野古移設は白紙に戻せ
 沖縄県知事選で、新顔の翁長雄志(おながたけし)氏(64)が現職の仲井真弘多氏(75)らを大差で破り当選した。「これ以上の基地負担には耐えられない」という県民の声が翁長氏を押し上げた。最大の争点は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設の是非だった。1月の名護市長選、9月の同市議選に続き、知事選も移設反対派が制したことで、地元の民意は定まったと言える。「沖縄に寄り添う」と繰り返してきた安倍政権である。辺野古への移設計画は白紙に戻すしかない。
■「保革」超えた動き
 政権側は辺野古移設を「過去の問題」として、知事選での争点化を避けようとした。だが、翁長氏は「あらゆる手法を駆使して辺野古に新基地をつくらせない」と主張。仲井真氏は「一日も早い普天間飛行場の危険除去には、辺野古移設が具体的で現実的な方策」と応じた。民意は翁長氏についた。県民にとって、今回の知事選には特別な意味があった。普天間飛行場の海兵隊は、山梨県や岐阜県の基地から、米軍政下の沖縄に移ってきた。米軍は「銃剣とブルドーザー」と呼ばれる強権的手段で住民の土地を奪い、基地を建設した。そして、国土の0・6%の沖縄に、全国の米軍専用施設の74%が集中する不公平。「基地は県民が認めてできたわけではない。今回、辺野古移設を受け入れれば、初めて自ら基地建設を認めることになる。それでいいのか」。県内にはそんな問題意識が渦巻く。それは「本土」への抜きがたい不信であるとともに、「自己決定権」の問題でもある。自分たちが暮らす土地や海、空をどう使うのか、決める権利は本来、我々にこそある、と。前那覇市長で保守系の翁長氏は「イデオロギーでなく沖縄のアイデンティティーを大切に」と訴え、保守の一部と革新との大同団結を実現した。とかく「保革」という対立構図でとらえられがちだった沖縄の政治に起きた新しい動きだ。
■公約違反に「ノー」
 96年に日米両政府が普天間返還に合意し、移設先として辺野古が浮上して18年。この間ずっと沖縄では、辺野古移設が政治対立の焦点となってきた。転機は2009年、「最低でも県外」と訴えた民主党の鳩山政権の登場だった。迷走の末、辺野古移設に逆戻りしたものの、「県外移設」に傾いた県民感情は収まらない。辺野古容認派の仲井真氏も、前回10年の知事選では「県外」を求め、再選された。以来、自民、公明を含めた沖縄の主要政党が辺野古移設反対で一致。「オール沖縄」と呼ばれる状況が生まれた。ところが、自民が政権に復帰すると、激しい巻き返しが始まる。党本部の圧力で、党国会議員団、党県連が、辺野古容認に再転換。仲井真氏も昨年末、埋め立てを承認した。今回有権者が突きつけたのは、本土の政権に屈して公約を覆した地元政治家に対する「ノー」だったとも言える。政府がこの夏、ものものしい警備のなか、辺野古のボーリング調査を強行したことも、県民の怒りを増幅させた。政府が打ち出す基地負担軽減策も、県民には「選挙対策か」と空々しく映っただろう。
■唯一の選択肢か
 なぜ、日本政府は沖縄に基地負担を強い続けるのか。最近は、中国の海洋進出や尖閣諸島の問題があるからだと言われる。だがそれは、米海兵隊の恒久的な基地を沖縄につくる理由になるのだろうか。尖閣周辺の対応は海上保安庁が基本だ。万が一の場合でも、少なくとも海兵隊が沖縄の基地に張り付いている必要はない。日米両政府は「辺野古が唯一の選択肢」と強調するが、米国の専門家の間では代替策も模索されている。フィリピンや豪州に海兵隊を巡回配備し、ハワイやグアム、日本本土も含め地域全体で抑止力を保つ考え方だ。米ハーバード大のジョセフ・ナイ教授は「中国の弾道ミサイルの発達で沖縄の米軍基地は脆弱になった」と指摘する。沖縄だけに基地を集める発想はかえって危ういという意見だ。「辺野古移設か、普天間の固定化か」。第三の道となる代替策を無視して二者択一を迫る政府の手法は、適切ではない。しかし、政権内に辺野古移設を見直す気配はない。新知事となる翁長氏に、沖縄への一括交付金の削減で対抗するという声すら聞こえてくる。明白になった沖縄の民意をないがしろにすれば、本土との亀裂はさらに深まる。地元の理解を失って、安定した安全保障政策が成り立つはずもない。知事選を経て、普天間問題は新たな段階に入った。二者択一の思考停止から抜け出す好機だろう。政府は米国との協議を急ぎ、代替策を探るべきだ。

*2-2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20141117&ng=DGKKZO79790180X11C14A1PE8000 (日経新聞社説 2014.11.17) いまこそ政府と沖縄は話し合うときだ
 沖縄県の米軍普天間基地の県内移設を容認した仲井真弘多知事が知事選で敗れた。移設作業が円滑に進まなくなるおそれがある。新知事との話し合いの糸口を探りつつ、日米同盟への影響をいかに小さくするか。安倍晋三首相はこの難題に取り組まねばならない。今回の知事選では、沖縄が返還された1972年から続いてきた基地容認の保守と基地反対の革新がぶつかる構図が初めて崩れた。初当選した翁長雄志前那覇市長は自民党の沖縄県連幹事長も務めた保守派である。しかし、自民党が推した仲井真氏とたもとを分かち、県内移設反対を掲げて共産党や社民党とも共闘して勝利した。背景にあるのは県民意識の変化だ。地元紙の世論調査などによると、県内移設への反対は自民党支持層でも半数を超えており、それが保守分裂を招いた。中国の海洋進出で沖縄の地政学的な重要度は高まっている。政府は沖縄などの離島防衛に力を入れると同時に、日米同盟を強化すべく防衛協力の指針(ガイドライン)の改定にも取り組んでいる。ところが沖縄ではそうした緊張の高まりが先の大戦での悲惨な経験の記憶を呼び起こし、平和運動が盛り上がるという本土とは逆の現象が起きている。ただ、反基地に賛同する県民のすべてが日米安保体制を否定しているのではない。米軍機の騒音や米兵による事件・事故など身近な不満がなかなか解消されないことで「沖縄は軽んじられている」と感情的に反発している面がある。ボタンの掛け違いを直すには、安倍政権がこれらの課題に真正面から向き合っているかを目に見える形で示さねばならない。翁長氏も国際情勢を冷静に判断し、政府との話し合いのテーブルに着いてもらいたい。名護市での基地建設に必要な埋め立て工事は仲井真氏が承認済みであり、新知事に覆す権限はない。沖縄県は長年、日米地位協定の改定を求めてきたが、米政府は消極姿勢を貫いてきた。改定は日本政府と沖縄県が足並みをそろえてこそ実現できる。その結果、県民の日常生活に変化があらわれれば県民感情も徐々に軟化しよう。普天間は市街地に囲まれた基地である。ひとたび事故が起きれば甚大な被害が生じる。政府と沖縄県がいがみ合っている場合ではない。その原点を確認するところから話し合いを始めるべきだ。

| 辺野古・普天間基地問題::2012.2~2015.3 | 12:43 PM | comments (x) | trackback (x) |
2014.2.12 普天間基地の辺野古移設について
   

(1)名護市長選の結果
 *1-1、*1-2、*1-3に書き尽くされているとおり、沖縄県名護市の市長選で、政府の辺野古案が厳しく拒絶され、名護市民の意思が明確になった。そのため、日本政府は、この事実を重く受け止め、米軍普天間飛行場の同市辺野古への移設を強行してはならないと、私は考える。

(2)沖縄の米軍基地は、本当に日本の防衛目的に資するか否か、まず明確にすべきだ
 *2に書かれているとおり、沖縄復帰前の1960年代初め、沖縄を統治していた米軍は、生物兵器の研究開発のため、「いもち病菌」を散布し、実験データを収集していたことが、米国の情報公開制度で明らかになったそうである。

 また、猛毒のダイオキシンを含む枯れ葉剤が沖縄に保管されていたことを示す公文書の存在も明らかになり、沖縄は、化学兵器を大量に貯蔵し、生物兵器の研究開発の実験場でもある軍事植民地であり、米軍は日米地位協定に基づき返還時の原状回復義務を免除されているため、原状回復義務がなく、有害物質等の保管・管理・処理に関する届け出義務もないそうだ。

 さらに、沖縄の米軍は、他国に駐留しており、主権者である国民の監視も受けないため、軍隊が「モラル・ハザード(倫理の欠如)」を起こしていたとのことであり、土壌汚染に関する総合環境調査と地位協定の見直しを、早急に進めるべきである。

(3)日本政府は、何故、ここまで民意を無視するのか?
 しかし、*3-1に書かれているとおり、19日の名護市長選で辺野古移設阻止を掲げた稲嶺進氏の再選から僅か2日後に、沖縄防衛局が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた代替施設設計などの受注業者を募る入札を公告し、民意を全く無視する決定をした。これでは、日本は、アメリカと価値観を同じくする民主国家とは言えない。

 また、*3-2に書かれているとおり、米識者も、日米両政府は「仲井真知事による埋め立て承認は、日米関係の突破口になる」と歓迎しているが、知事の承認により普天間論争が解決され、日米の安全保障協力の強化が促進できるとの期待は「希望的観測にすぎない」と断言したそうだが、そのとおりである。

(4)これでは「沖縄差別」だ
 そのため、*4のように、沖縄の地方紙が、ケネディ大使に、上空からではなく、自らの目、耳、足で確かめて名護市長と会談して欲しいと英語と日本語で掲載している。これは、名護市長選の結果を考慮することなく、「沖縄差別」を続け、辺野古の埋め立て工事に向けた手続きを進めている日本政府への不信任であることを、日本政府は素直に受け止めるべきだ。

*1-1:http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/516247.html
(北海道新聞社説 2014年1月20日) 名護市長選 辺野古案を厳しく拒絶
 市民は国からの圧力をきっぱりとはね返した。沖縄県の米軍普天間飛行場を県内名護市辺野古へ移設する是非が最大の争点となった名護市長選で、反対派の稲嶺進市長が勝利した。過重な基地負担の押しつけを拒否する民意が稲嶺氏を押し上げた。仲井真弘多沖縄県知事は国による辺野古埋め立て工事を承認したが、地元の不支持が明確になった。日米両政府は結果を重く受け止めなければならない。計画を白紙撤回し、県外、国外への移設を真剣に模索すべきだ。選挙戦で稲嶺氏は「辺野古の海にも陸にも基地をつくらせない」と反対姿勢を貫いた。住民にさらなる基地負担を強いる上、環境への影響も心配される現行計画を受け入れられないという主張は理解できる。初当選を目指した推進派の末松文信氏は安倍晋三政権とのパイプを強調した。しかし、振興策と引き換えに基地を受け入れるかのような姿勢に支持が集まらなかった。「国や県の姿勢には納得いかない」。それが名護市民の思いだろう。安倍政権は、見通しが不明確な基地返還の前倒しなどを約束して仲井真知事に埋め立て承認を迫った。沖縄選出の自民党国会議員には県外移設の公約を撤回させた。あまりに強引な進め方だった。知事の埋め立て承認も、県外移設の公約に違反すると言われても仕方ないものだった。県議会は、強制力はないものの、知事辞任を求める決議を可決した。全市町村議会がすでに辺野古移設反対を決議している。県内移設反対が沖縄県民の大多数の意思だ。名護市民の選択はそれを代弁していると言える。稲嶺氏の勝利によって、辺野古への移設工事はなかなか進まなくなることも予想される。工事に必要な道路や港湾などの使用には市長の許可が必要なものがあるためだ。気になるのは政権幹部が名護市長選の結果にかかわらず、辺野古移設を進める構えを見せていることだ。知事の埋め立て承認が根拠だ。だが名護市長選の結果は単なる首長の決定ではなく、有権者の厳粛な意思表明だ。無視すれば民主主義の否定につながる。国はこれまでも基地負担を沖縄に一方的に押しつけてきた。辺野古移設が実現しなければ、普天間基地が固定化するかのような恫喝も続けてきた。こうした手法は地元の反感を増幅させるだけだ。工事の強行は到底認められない。このまま作業を進めても混乱は必至だ。日米間で協議して県外、国外への移設を目指す方が現実的であるという事実を直視すべきだ。

*1-2:http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014012002000150.html (東京新聞社説  2014年1月20日) 名護市長選 「辺野古」強行許されぬ
 沖縄県の名護市長選で、市民の意思が明確になった。政府はこの事実を重く受け止め、米軍普天間飛行場の同市辺野古への移設を強行してはならない。それでも日本政府は、米海兵隊普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古沿岸部への「県内」移設を強行しようというのだろうか。辺野古移設の是非が問われた名護市長選である。反対する現職、稲嶺進氏(68)が、賛成する自民党推薦の新人、末松文信氏(65)を破り、再選された。安倍内閣が強力に推進し、仲井真弘多沖縄県知事が追認した辺野古移設に反対する、名護市民の明確な意思表示である。
◆民主国家と言えるか
 菅義偉官房長官は、市長選の結果は辺野古移設には「全く影響はない。国民の生命、財産を守る観点からも予定通り進めさせてほしい」と述べた。稲嶺氏勝利を見越して予防線を張ったのだろう。果たしてそうだろうか。外交、安全保障は国の役割だ。日米安全保障条約上、基地提供の義務を負うのは日本政府である。しかし、米軍基地は地元の住民に大きな負担を強いる。騒音や事故、米兵らの犯罪、そして戦争への加担という精神的重圧だ。基地の安定的提供には周辺住民の理解が欠かせない。反対意見が多数を占めるにもかかわらず、押し付けるのは民主主義国家と言えず、どこかの専制国家と同じだ。ましてや、沖縄には在日米軍基地の約74%が集中している。危険な普天間飛行場の返還は急務だが、名護市民がこれ以上の基地負担を拒み、稲嶺氏も市長権限で移設阻止の構えを見せる以上、「国外・県外」移設に切り替えた方が、返還への早道ではないか。米軍基地負担の県内たらい回しにすぎない辺野古移設を、もはや強行してはならない。
◆知事判断への不信任
 昨年十二月二十七日、仲井真知事は、辺野古沿岸部に代替施設を建設するために政府が許可申請した海面の埋め立てを承認した。市長選で稲嶺氏の当選が決まった後では許可しにくくなるため、駆け込みで手続きを進めたのだろう。仲井真氏は再選された二〇一〇年の県知事選で普天間飛行場の県外移設を公約し、その後も県民の反対が強い県内移設は「事実上不可能」と繰り返し強調していた。県外移設を求める考えに変わりないと、仲井真氏は強弁しているが、県内移設のための埋め立てを承認することはやはり、公約違反ではないのか。公約と違う政策を進めるのなら、辞職して県民に信を問い直すのが筋だ。今回の市長選は知事の埋め立て承認後、初めての関係自治体の首長選でもある。辺野古移設に反対する候補が勝利した選挙結果は知事の判断に対する不信任だと、重く受け止めなければならない。公約違反は知事だけではない。一二年の衆院選で、自民党本部は普天間問題を公約に明記せず、沖縄の同党公認候補はそれぞれ県外移設を訴えた。一三年参院選では党本部は県内移設を掲げたが、党沖縄県連は県外移設を「地域公約」として訴えた経緯がある。国政選挙で自民党を支持した沖縄の有権者にとって県外移設こそ自民党との契約だ。にもかかわらず、党沖縄県連は県内移設容認に転換し、仲井真知事の埋め立て許可を後押しした。このまま県内移設を推進する立場に立つのなら、公約違反との批判は免れまい。沖縄選出の自民党国会議員は全員、潔く辞職し、四月の統一補欠選挙で有権者の信を問い直すべきである。仲井真知事や自民党沖縄県連に公約違反を迫ったのは、安倍晋三首相率いる内閣であり党本部だ。年間三千億円台の沖縄振興予算という「アメ」と、危険な普天間飛行場の固定化という「ムチ」をちらつかせて辺野古移設を迫る手法は、名護市民に拒絶された。無視し得ない民意の高まりだ。琉球新報など地元メディアの県民世論調査で、知事の埋め立て承認を支持する回答は34・2%で、不支持は61・4%。しかし、共同通信の全国世論調査では、承認を評価する回答は56・4%、評価しないは30・7%と、全く逆だ。
◆人ごとで済まされぬ
 この世論調査からうかがえるのは、米軍基地負担は沖縄県民が受け入れて当然という、本土の側にある、どこか人ごとの空気だ。日米安保体制が日本と周辺地域の平和と安全に不可欠と言うのなら、その基地負担は沖縄に押し付けず、国民が可能な限り等しく負うべきである。本土の側にその覚悟がないのなら、日米安保体制の重要性を口にする資格などない。本土による沖縄への基地押し付けや差別的政策は、もはや許されない。名護市長選の結果は、われわれにそう語りかけてくる。

*1-3:http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=60995
(沖縄タイムス社説 2014年1月20日) [稲嶺氏が再選]敗れたのは国と知事だ
 米軍普天間飛行場の辺野古への移設に対し名護市民は「ノー」の民意を、圧倒的多数意思として示した。国の露骨な圧力をはね返して勝ち取った歴史的な大勝である。同時に仲井真弘多知事が、辺野古埋め立てを承認したことに対し、市民が明確に拒否したことも意味する。名護市長選で辺野古移設に反対する現職の稲嶺進氏(68)が、移設を積極推進する新人の末松文信氏(65)を破り、再選を果たした。普天間の辺野古移設の是非が文字通り最大の争点となった市長選は今回が初めてだ。過去4度の市長選では、移設容認派が推す候補は選挙への影響を考慮して、問題を争点化しなかった。移設問題を明確に市民に問うたのは、1997年の市民投票以来である。市民投票では、条件付きを合わせた反対票が52・8%と過半を占めた。住民投票的な性格を帯びた今回の選挙で市民は再び移設反対の意思を明確にしたのだ。日米両政府は辺野古移設計画を撤回し、見直しに着手すべきだ。今回の市長選で末松氏は、基地受け入れによる再編交付金を財源にした地域振興策を前面に掲げた。これに対し、稲嶺氏は、再編交付金に頼らない4年間の実績を強調し、「再編交付金は一時的なもの。基地のリスクは100年以上も続く」と反論した。「すべては子どもたちの未来のために」をスローガンに、基地に頼らない街づくりを訴えた。本紙などの世論調査では、最も重視する政策を「普天間移設問題」と答えた市民が56%に達し「地域振興策」の23%を大きく上回っていた。市民の選択は、沖縄だけに負担を押し付け、その矛盾を振興策で覆い隠す「補償型」の基地行政がもはや通用しないことを証明した。名護市民がそのことを国内外に発信したことは、沖縄の基地問題の歴史的な転換点となろう。日米政府が進めてきた普天間の県内移設策が、大きな変更を迫られることは間違いない。
 市長選は、国による辺野古埋め立て申請を承認した仲井真知事の政治姿勢に対する信任投票の側面もあった。埋め立て承認に至る経過はいまだに不透明なままである。知事は、当事者である名護市民への説明もなく、選挙応援では、振興策のみに言及した。それにしても、安倍政権・自民党の策を弄するやり方は目に余った。仲井真知事から年内の埋め立て承認を得るため、県関係国会議員、県連に圧力をかけ県外移設の公約を転換させた。知事の翻意を促すため沖縄振興予算を大盤振る舞いし、実効性の担保が乏しい基地負担軽減策を「口約束」した。
 名護市に対する「アメとムチ」もあからさまだった。市の喜瀬、許田、幸喜の3区にまたがるキャンプ・ハンセンの一部の返還で、国は幸喜の分を先に返すことを決めた。返還予定地は利用価値が低く、幸喜区には軍用地料が入らなくなる。辺野古移設への協力姿勢を示さなかった同区へのいやがらせとしか受け取れない。選挙期間中も、菅義偉官房長官が、選挙結果に左右されることなく辺野古移設を「粛々と進めていきたい」と発言。自民党の石破茂幹事長は「基地の場所は政府が決めるものだ」と述べた。その石破氏は、選挙終盤の16日に名護入りし、同市の地域振興に500億円規模の基金を立ち上げる意向を表明した。基金は新たな財源措置ではなく、既存予算内の調整を念頭にしたものとみられるが、あからさまな選挙への介入であり、地方自治の精神にもとるものだ。県外移設を求める「オール沖縄」の枠組みは崩れたが、その精神は息づいている。自民県連OBが稲嶺氏を支援し、那覇市議会が知事の埋め立て申請に抗議する意見書を可決したことは、象徴的だ。今回は公明党が自主投票となったことも稲嶺氏の当選を後押しした。再選を果たした稲嶺氏は、公約に掲げた政策実現に向けて選挙のしこりを解消し、市民一体となった態勢づくりに取り組まなければならない。

*2:http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=60541
(沖縄タイムス社説  2014年1月13日) [生物兵器実験]底知れぬ軍事優先の闇
 稲に大きな被害をもたらす「いもち病菌」を大量に散布し、人為的に「いもち病」を発生させる-復帰前の1960年代初め、沖縄を統治していた米軍が、生物兵器の研究開発のため、「いもち病菌」を散布し、実験データを収集していたことが米軍の報告書で明らかになった。60年代初め、米軍はマクナマラ国防長官の指示で、「プロジェクト112」という名の化学兵器開発計画を進めていた。この計画に基づいて63年、1万3000トンの毒ガスがホワイトビーチに陸揚げされ、知花弾薬庫のレッドハットエリアと呼ばれる区域に貯蔵された。米軍が排他的な統治権を持っていた軍政下の沖縄に大量の核兵器が貯蔵されていたことは「公知の事実」に属するが、その上、沖縄は、アジア最大の化学兵器備蓄基地でもあった。今回、明らかになった生物兵器開発のための屋外実験も、「プロジェクト112」の一環だと思われる。報告書は米国の情報公開制度を利用し、共同通信が入手した。それによると、1961年から62年に、少なくとも12回の実験を実施。「ナゴ」(名護)、「シュリ」(首里)、「イシカワ」(石川)などの具体的な地名も記載されている。あらためて痛感するのは、核・化学兵器を大量に貯蔵し、生物兵器の研究開発の実験場でもあった沖縄の、軍事植民地としての異常さである。県内各地で相次いでいる返還軍用地の土壌汚染問題は、米軍政下の異常な現実が決して過ぎ去った過去の話ではないことを示している。
  ■    ■
 沖縄市の市営サッカー場の地中からダイオキシン類が付着した大量のドラム缶が見つかったのは昨年のことだ。それ以前にも、恩納通信所の跡地から水銀、PCB、鉛、ヒ素などの有害物質が検出され、北谷町・桑江中学校近くの基地返還跡地から「タール状物質」の入ったドラム缶が215本も発見された。嘉手納弾薬庫地区の返還跡地からはカドミウムが検出され、キャンプ桑江北側の返還跡地からもヒ素、鉛、六価クロムなどの有害物質が見つかった。猛毒のダイオキシンを含む枯れ葉剤が沖縄に保管されていたことを示す公文書の存在も明らかになっている。米軍は沖縄に枯れ葉剤が保管されていたことを公式には認めていない。だが、退役米兵や県民からも枯れ葉剤に関する証言が寄せられており、米軍の説明は説得力を欠いている。
  ■    ■
 米軍は日米地位協定に基づいて返還の際の原状回復義務を免除されている。それがネックになっているのは明らかである。原状回復の義務がなく、有害物質等の保管・管理・処理に関する届け出義務もなく、他国に駐留しているため主権者である国民の監視も受けない軍隊は確実に「モラル・ハザード」(倫理の欠如)を起こす。土壌汚染に絡む信頼のおける総合環境調査と地位協定の見直しによる新たな仕組みづくりを早急に進めるべきだ。

*3-1:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-218188-storytopic-11.html
(琉球新報社説 2014年1月22日) 辺野古入札公告 民主国家の自殺行為だ
 世界中を捜しても民意をこれほど露骨に踏みにじる「民主主義国家」は存在しないのではないか。沖縄防衛局が21日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた代替施設設計などの受注業者を募る入札を公告した。19日の名護市長選で辺野古移設阻止を掲げた稲嶺進氏の再選から、わずか2日後だ。政府に求められるのは移設作業の加速ではなく、選挙結果を尊重し、県内移設を撤回することだ。稲嶺市長は「選挙で示された名護市民の民意を無視して手続きを進めるのは民主主義社会としてあり得ない。あまりにひどい」と政府を批判した。まさに正論だ。しかし、小野寺五典防衛相は「埋め立て承認を得られているので、関係法令にしたがって進めていく」と述べた。民主的な選挙結果を歯牙にもかけない態度は権力の暴走以外の何物でもない。ただ、移設作業には名護市長の許可や協議が必要な手続きもある。作業ヤード設置のための漁港使用、キャンプ・シュワブ内への水道敷設、資材搬入のための道路使用、飛行場施設への燃料タンク設置、建設で影響を受けた場合の河川の水路切り替えなどだ。稲嶺市長は「建設阻止へ権限を行使する」と述べており、市長権限の手続きについては、国から申請されても許可しない方針を示している。それでも国が強引に作業を進めるというのなら、民主国家としての自殺行為だ。名護市は、過去に基地建設に関する国の調査申請を不許可にしたことがある。こうしたことから、石破茂自民党幹事長は「市長の権限はきちんと法に従った形であるべきだ」と述べ、市長方針をけん制する。自治体の判断への介入を予告するような圧力は言語道断だ。今回の入札公告について、地元では条件付きで移設を容認する住民からも疑問の声が挙がる。辺野古有志会代替施設安全協議会の許田正武代表理事は「移設を百パーセント、ノーと言っている稲嶺進市長への当てつけだ」と批判する。政府は入札公告を取り消すべきだ。直ちに米政府に対し、辺野古移設の断念と普天間固定化の回避策について協議を申し入れるのが筋だ。沖縄は植民地扱いを拒否する。政府は沖縄の非暴力の異議申し立てを力で屈服させるつもりなら民主主義を語る資格を失うと自覚すべきだ。

*3-2:http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=60503
(沖縄タイムス 2014年1月12日) 「辺野古移設 緊張続く」米識者が警鐘
 米大手シンクタンク「ランド研究所」の研究員ステイシー・ペティージョン氏はこのほど、米外交専門誌ナショナル・インタレストに寄稿し、仲井真弘多知事の名護市辺野古の埋め立て申請の承認を歓迎する日米両政府の甘さを指摘し、「米軍普天間飛行場の移設問題は今後も日米同盟の緊張の要因であり続ける」と警鐘を鳴らした。同氏は、普天間移設をめぐるこれまでの経緯に触れたうえで、日米両政府は「仲井真知事による埋め立て承認は、(停滞してきた)日米関係の突破口になると歓迎している」と指摘。知事の承認により普天間論争が解決され、日米の安全保障協力の強化が促進できるとの期待は「希望的観測にすぎない」と断言。返還合意から17年以上が経過しているとし、「埋め立て許可は、普天間移設手続きの始まりにすぎない」と評した。また、「すべての県民が移設反対ではなく、基地建設が経済的利益をもたらすと信じ、計画を支持する層もある」とし、こうした移設計画における支持派と反対派の対立が「普天間闘争が今後も日米同盟の緊張の要因であり続けるだろう」と分析。名護市長選挙で現職の稲嶺進氏が勝利すれば、「辺野古再考への圧力増加に燃料を注ぐことになる」との見方を示した。同氏は今後の見通しについて「米国防総省は(普天間より)論争の少ない岩国基地の建設に10年以上を要した」と指摘した上で、「普天間を閉鎖し、海兵隊の機能を辺野古に再配置するには、すべてがスムーズに進行した場合でも少なくとも10~15年かかる」と分析。その上で、普天間移設の進行が「ふたたび行き詰まった場合、ワシントンと東京は計画を振り出しに戻し、他の選択肢を検討する必要が生じるかもしれない」と警鐘を鳴らした。

*4:http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=62412
(沖縄タイムス 2014年2月11日) EDITORIAL [Dear Madame Ambassador Kennedy] Please Meet with Mayor Inamine
Welcome to Okinawa, Madame Ambassador Caroline Kennedy. It is your first visit to Okinawa as the US Ambassador to Japan. Many Okinawans are paying close attention to your visit and the statements you will make.
They are listening closely because they want you to see the real situation here, the real Okinawa that cannot be described in State Department staff briefings or reports from Japanese government officials.
They want you to see USMC Futenma Air Station, located in the heart of the densely populated city of Ginowan. They want you to experience- not from the sky, but with your own feet, your own eyes, your own ears - the ocean at Henoko, in the city of Nago, the proposed location of Futenma’s replacement and designated by our prefectural environmental survey as a Rank 1 site : Urgent Need for Environmental Protection.
In November, 1963, on the day your father, US President John F. Kennedy was assassinated in Dallas, Texas, this island was also enveloped in that sadness.
The red light district of Koza dimmed its neon lights as restaurants and bars closed of their own volition. The following day, at schools and workplaces, many residents grieved in silence the loss of the President.
After being appointed as ambassador to Japan, surely you have learned much about the concerns surrounding the US ? Japan relationship. As you know, the issue of USMC Futenma Air Station has been a huge strain on that relationship in the 18 years since your government and ours pledged to return it to the Okinawan people in 1996.
Why hasn’t the issue been resolved? Please visit Henoko. Talk to the people in the tent village on the seashore who have for years been sitting in protesting the proposed relocation. You will hear the raw voice of Okinawa, far different from the explanations of our governments’ foreign ministers and defense secretaries. You will quickly come to the heart of the problem.
The mayoral election was a clear expression of the will of Nago city. Residents reelected incumbent Susumu Inamine, who said that the relocation of Futenma to Henoko was in direct contradiction with the regional needs of Nago and its residents. In a prefecture wide opinion survey conducted by the Okinawa Times and another news organization at the end of last year, close to 70% of Okinawans expressed opposition to the proposed Henoko relocation. The majority in Okinawa are still opposed to any relocation of Futenma within the prefecture.
During your visit here, you should meet with Mayor Inamine and listen to the reasons why.
You have expressed “deep concern” about the “inhumaneness” of dolphin hunting on Twitter, saying that “the US government opposes dry hunt fisheries”.
The ocean around Henoko is the habitat of the Dugong, an ocean mammal like the dolphin. The Dugong is a Japanese natural monument and the Ministry of Environment has designated it as an endangered species at high risk of extinction.
If the ocean around Henoko is buried, the Dugong will lose their home and their extinction cannot be avoided. To forever lose the Dugong from the planet for the sake of the construction of a military base would be a great detriment to the human race.
The Japanese government has ignored the result of the Nago mayoral election and continued to move forward on the process of burying the ocean at Henoko. To allow the construction of this base to continue in direct opposition to the will of local residents is completely unacceptable in a democratic society.
To attempt to build a new military airbase in Okinawa after the tragedy of the Battle of Okinawa, the 27 long and difficult years of American occupation that followed it, and the disproportionate burden of military bases shouldered by Okinawa since, is nothing but blatant discrimination against the Okinawan people. Please relay these feelings to President Obama.

(沖縄タイムス社説 2014年2月11日) [拝啓 ケネディ大使]現地訪ね市長と会談を
 キャロライン・ケネディさん、ようこそ沖縄へ。駐日米大使として、きょう初めて来県されるんですね。沖縄の多くの人があなたの発言に注目しています。
 大使館スタッフのブリーフィングや日本政府関係者の情報からはとらえきれない、この島のありのままの姿を見て考えてもらいたいからです。
 宜野湾市の市街地の真ん中にある米軍普天間飛行場。移設先に予定されている名護市辺野古の海は、県の環境保全指針で「自然環境の厳正な保護を図る区域」であるランク1に評価されています。
 上空からではなく、自らの足で、目で、耳で確かめてください。
 1963年11月、あなたの父ジョン・F・ケネディ大統領がテキサス州ダラスで悲劇に見舞われた日、この島も悲しみに包まれました。
 コザの繁華街はネオンを消し、飲食店は営業を自粛しました。哀悼の日には、学校や職場などで多くの住民が黙とうし、哀悼の意を表しました。
 駐日米大使としての赴任に当たって日米間のさまざまな懸案について学んだことと思います。普天間問題は、ご存じのように96年の返還合意から18年にわたって、迷走を続けています。
 なぜでしょうか。辺野古を訪れ、移設反対を訴えテント村で座り込みを続けている人たちとじかに話してみることです。日米の外務・防衛官僚の説明とは違った沖縄の生の声が聞けるはずです。それによって、この問題の深層に触れることができるでしょう。
   ■    ■
 先の名護市長選で、名護市の民意は示されました。普天間の辺野古移設は地域利益に反するという稲嶺進市長の主張に多くの市民が賛同したのです。
 沖縄タイムス社などが昨年末に実施した県民世論調査では、7割近くが辺野古移設に反対でした。沖縄の多数意思は今も、普天間の県内移設に反対しています。
 今回の来県で、名護市を訪れ、稲嶺市長と会い、その考えに耳を傾けるべきです。
 あなたは短文投稿サイトのツイッターで「米国政府はイルカの追い込み漁に反対します」と表明しました。
 辺野古の周辺海域は、イルカと同じ海洋哺乳類ジュゴンの生息域です。ジュゴンは国の天然記念物で環境省は「絶滅の危険性が極めて高い種」に指定しています。
 沿岸域が埋め立てられれば、影響は避けられません。基地建設によってジュゴンを失うことは人類にとって大きな損失です。
   ■    ■
 日本政府は、名護市長選の結果を考慮することなく、辺野古の埋め立て工事に向けた手続きを進めています。民主主義を大切にする社会で、地元合意なしに一方的に軍事基地を建設することは許されません。
 沖縄戦と27年間の米軍統治、その後も過重な基地負担を背負わされている沖縄に、新たな米軍飛行場を建設するのは「沖縄差別」というしかありません。多くの県民の思いをぜひオバマ大統領に伝えてほしいのです。

| 辺野古・普天間基地問題::2012.2~2015.3 | 11:28 AM | comments (x) | trackback (x) |
2014.1.12 普天間基地の辺野古移設問題について (2014.1.18追加あり)
   
             首里城                            沖縄の都市部

(1)仲井真知事の辺野古埋め立て承認から沖縄県議会の辞任要求決議まで
 沖縄県知事一人に大きな圧力がかかったことに同情するとはいえ、仲井真知事が辺野古埋め立て承認の表明をしたのは、沖縄県民の民意を無視した公約違反だと、私も思う。そのため、*1-1、*1-2、*1-3、*1-4のような展開で、沖縄県議会が知事の辞任要求決議を可決するという顛末になったのは自然であり、仲井真知事は辞任するのがBestだろう。

 この議論の間、沖縄の新聞では*2のような論戦を展開していたにもかかわらず、ヤマトの全TVは、膨大な時間を使って、警察のポンミスで(冤罪かも知れない)容疑者が逃げ出し、警察が4000人体制で47時間もそれを追いかけていたという報道を行っていた一方、沖縄基地や辺野古埋め立ての本質については全く報道しなかった。これは、視聴者から沖縄問題を隠すためではないかと思われるくらいで、ヤマトんちゅを“馬鹿”にするのがヤマトのTVの役割のようだ。

(2)尖閣諸島の防備と在沖アメリカ海兵隊は、本当に関係があるのか??
 このブログに何度も書いているとおり、尖閣諸島が中国に領空・領海で侵犯されているのは問題だが、今でも米軍は沖縄に駐留しているのだから、沖縄に米軍が駐留すると領土保全のための抑止力になると言うのは疑わしくなった。

 そのため、*3のように調べたところ、米海兵隊は、朝鮮戦争、ベトナム戦争、グレナダ侵攻、湾岸戦争、イラク戦争など、米国が行う大規模軍事行動で常に最前線に投入されて全世界に展開されるもので、有事の際には世界中どこにでも展開できる能力を保有しているものだということがわかったが、これを、「日本の領土保全のための抑止力を目的とする」と言えるかどうかは、ヤマト及び沖縄双方のメディアの議論を聞きたい。

(3)そこで提案
 仮に、沖縄の米海兵隊が日本の領土保全のための抑止力になっているとしても、沖縄の負担は大きすぎるため、米軍普天間飛行場の移設先は名護市辺野古ではなく九州がいいのではないかと、私は思う。

 また、*4のように、世界の識者と文化人により沖縄の海兵隊基地建設への非難声明が出ており、その中には、オリバー・ストーン映画監督や歴史学、人類学の教授なども含まれているので、彼らに、琉球の歴史と文化、第二次世界大戦での立場、そして美しい島やサンゴ礁の海を含む歴史をこめた沖縄の映画を作ってもらったらどうだろうか?ヤマトでは、科学・思想などのどの分野でも、国内ではなかなか認められないことも、逆輸入するとすんなり受け入れられることが多いからだ。

   
                      沖縄の田園地帯
*1-1:http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=59661
(沖縄タイムス 2013年12月27日) 仲井真知事、辺野古埋め立て承認表明
 仲井真弘多知事は27日午前、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた国の公有水面埋め立て申請を承認し、午後3時すぎから那覇市内の知事公舎で記者会見し、正式表明した。仲井真知事は「(国の環境保全策は)現段階で考えられる保全措置が取られており、基準に適合していると判断し承認することにした」と説明した。午前9時すぎ、審査担当の県土木建築部が申請を承認する書類に公印を押した。土建部は同9時41分に沖縄防衛局あての書類を発送し、同10時50分に到着し防衛局が受領した。知事は自らの公約である「県外移設」の主張は堅持すると説明。市街地にある普天間飛行場の危険性を早急に除去し、固定化を回避しなければならないと考え最終決断した。ただ、県民世論の強い反発を招くのは必至。来年1月の名護市長選で辺野古反対を明言する現職が再選されれば、「直近の民意」を理由に反対運動が高まるとみられ、移設実現には曲折も予想される。

*1-2:http://mainichi.jp/select/news/20131228k0000m010102000c.html
(毎日新聞 2013年12月27日) 辺野古埋め立て:知事の承認に「変節だ」反対渦巻く
◇「沖縄の心を忘れてしまった」
 米軍普天間飛行場=沖縄県宜野湾(ぎのわん)市=の移設に向けた名護市辺野古(へのこ)沿岸部の埋め立てについて、27日にゴーサインを出した仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事。「公約を変えたつもりはないし、変えていないので説明する理由はない」。記者会見でこれまでの「県外移設」公約との矛盾を突かれ、語気を強めて反論した。「銃剣とブルドーザー」で米軍に土地を奪われ、強制的に基地を造られた歴史を持つ沖縄。それだけに公約を事実上転換し、新基地建設を承認した知事に対し県民の反発は高まるばかりだ。県は27日午後になって急きょ会見場所を、移設反対派の市民が詰めかけた県庁から知事公舎に変更。仲井真氏は安倍晋三首相との会談を終えて25日夜に沖縄に戻ってから一度も県庁に登庁せず、知事公舎にこもったまま会見に臨んだ。午後3時13分。28社約80人の記者らが待つ会見場に、仲井真氏は足を引きずるように歩いて現れた。黄色い長袖のかりゆしウエア姿。胸ポケットから取り出した眼鏡をかけ、用意したペーパーを淡々と読み上げ「基準に適合していると判断し、承認いたしました」と述べると、フラッシュが一斉にたかれた。質疑応答に移ると、徐々に感情があらわになった。「県外ということも辺野古が困難という考えも変わっていない」との発言と、埋め立てを認めた判断の整合性を問われ「私への批判ですか? ちゃんと質問してください。どこが不整合だと言うのですか」と手を振り上げ声を荒らげた。「主」のいない県庁では、抗議する市民ら約1000人が1階ロビーで座り込みを続けた。テレビで会見の模様が流れると「ウソをつくな」と反発の声が。同県北谷(ちゃたん)町のアルバイト、宮里歩さん(34)は「知事は『いい正月を迎えられる』と言っていたが、とんでもない。ウチナーンチュ(沖縄の人)の心を忘れてしまったのだろう」と強く批判した。仲井真氏は旧通商産業省出身で沖縄電力会長などを歴任。2006年の知事就任時には条件付きで県内移設を容認していた。だが、09年に「最低でも県外」を掲げた民主党政権誕生を機に公約転換へ動き出す。10年の「県外移設を求める県民大会」にも参加し「沖縄の過剰な基地負担には差別の印象すら持つ」と踏み込んだ。そして2期目を目指す同年の知事選で「県外移設」にスタンスを変えた。

*1-3:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-217320-storytopic-11.html (琉球新報社説 2013年12月31日) 知事承認と世論 「もう、だまされない」 底堅い辺野古ノーの民意
 「もう、だまされない」。沖縄の未来に禍根を残す県知事の背信と政府の対応の欺瞞(ぎまん)性を、県民は冷静かつ毅然(きぜん)と受け止めている。仲井真弘多知事が、米軍普天間飛行場の移設先の名護市辺野古埋め立て申請を承認したことを受けた緊急県民世論調査で、「支持しない」が61・4%に上り、「支持する」は34・2%だった。普天間問題の解決手法を問うと、県外・国外移設、無条件閉鎖・撤去が計73・5%を占め、辺野古移設は15・9%にすぎなかった。県内への新たな基地建設を拒む民意は岩盤のように底堅い。7割を超える住民が反対する辺野古移設の強行は不可能だ。
●安倍政権の狙い不発
 知事再選時に「県外移設」を掲げていた仲井真知事の承認判断を公約違反とみなす回答は72・4%に上った。知事の支持率は過去最低の38・7%に下がり、不支持率は53・9%で、5割を超えた。最大懸案である普天間問題で、沖縄県政の舵(かじ)取り役が有権者との契約である公約をいともたやすく放棄したことに、大多数の県民が失望し、憤っている。辺野古埋め立てにお墨付きを与えつつ、「県外移設」の公約を維持しているという詭弁は破綻し、知事の主張が通用しないことが明白となった。基地問題で沖縄の県益に沿った主張をする知事は保革を超えて高い支持率を獲得する傾向にあるが、今回の支持率急落は、歴史の歯車を逆に回して期待を裏切ったことへの拒絶反応だ。知事は、県民世論の厳しさを自覚すべきだ。残り任期が1年を切った仲井真知事は「公約違反」を否定し続ける限り、さらに求心力を失い、「死に体」に近づくだろう。注目されるのは、自民党県連と所属国会議員、仲井真知事に圧力をかけ、県外移設の公約を撤回させた政府・自民党の対応に関し、「納得できない」が7割を超え、安倍政権への不支持率が54・8%を記録したことだ。国会議員に離党勧告をちらつかせて屈服させた政府・自民党の対応は、「21世紀の琉球処分」とも称される。沖縄の「自己決定権」を踏みにじり、屈従を強いた安倍政権の強権性は見透かされ、県民に諦めを植え付けようとした狙いは完全に外れた。安倍首相が知事との会談で示した基地負担軽減策については、評価しないが約7割に上った。仲井真知事は「普天間飛行場の5年以内の運用停止」などについて「最大限努力する」という首相の発言を確約とみなすが、県民はその実現性を既に見限っている。
●効力失う「アメとムチ」
 1999年、稲嶺恵一知事が移設先に辺野古を選定し、岸本建男名護市長が受け入れた際に繰り出した15年使用期限の条件は日米政府内で一顧だにされなかった。基地負担軽減の核心的な要求がはぐらかされ、消えていった経緯を知る県民は、あらためて政府への不信感を呼び起こされた。安倍首相が、2021年度までの3千億円台の沖縄振興予算を約束し、「空手形」との批判を浴びながら示した基地負担軽減策は、沖縄に対する新たなアメの性格をまとっている。その一方で、安倍政権は辺野古移設を強いるムチを猛然としならせ、仲井真知事はそれに陥落した。だが、主権者である県民は、基地受け入れの代償として沖縄振興予算を手当てする「補償型安保維持施策」、アメとムチの沖縄懐柔策の効力が失われていることを深く認識している。一方、共同通信の全国世論調査では、対照的に知事の埋め立て承認への評価が56%、辺野古推進への支持が49%に上った。沖縄に基地を押し付けて、平然と安全保障の恩恵を受ける国民が多数を占める現実がある。この「人ごとの論理」が息づいていても、地元沖縄の県内移設ノーと政権批判の強固な民意は、辺野古埋め立てを強いる安倍政権に立ちはだかる大きな障壁となるだろう。

*1-4:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-217720-storytopic-11.html (琉球新報社説 2014年1月11日) 知事辞任要求決議 もはや信を失っている 民意に背いた責任は重い
 こじつけとはぐらかし、開き直りが、これほど飛び交った議会答弁がかつてあっただろうか。県議会臨時会で米軍普天間飛行場の辺野古移設のための知事の埋め立て承認をめぐる質疑がなされたが、知事や県幹部の答弁は詭弁と言い逃れに終始していた。支離滅裂と偽装の羅列と言い換えてもいい。今の県庁には「話者の誠実性」が徹底的に欠けている。県議会が仲井真弘多知事の辞任要求決議を可決した。賛成多数とはいえ、選挙で選ばれた県民代表の構成体が辞職を求めた意味は重い。知事は辞任すべきだ。自分の決定の正しさに自信があるなら、堂々と県民に信を問うべきだ。
●開き直り
 知事は2期目の出馬の際の公約に「県外移設を求める」と掲げた。当時の記者会見では「(県内移設受け入れの可能性は)まずなくなった」とも述べている。辺野古移設にほかならない「日米共同声明」の「見直し」も明言した。県外と言えば県内反対であるのは論理的必然だ。だが今臨時会で知事は「辺野古が駄目だと言ったことは一度もない」と繰り返した。この開き直りは「だまされた有権者が悪い」と言うに等しい。知事は公有水面埋立法に照らして「基準に適合しており、不承認とする合理的理由はない」と説明したが、牽強付会(けんきょうふかい)だ。同法4条は「環境保全への十分な配慮」を必要条件としている。昨年11月末、環境影響評価に対する知事意見は「環境保全措置について懸念が払拭(ふっしょく)できない」と注文を付けたが、その後、環境保全措置は追加されていない。それなのになぜ突然、「適合」になったのか。當銘健一郎土建部長は「(今後)保全措置をやれば適合するだろう」と知事に報告したという。こんな珍妙な理屈があるか。法は、措置が十分かどうか吟味するよう求めているのだ。まだ提示されてもいない措置を勝手に推測し、それを根拠に許可するなら、今後いくらでも許可しなければならなくなる。當銘氏は、国が申請する埋め立てに対し、県は拒否できないかのような説明もしたが、そんな判例はないはずだ。他の副知事や部長の答弁も、過去の答弁との矛盾に満ちていた。県の公務員は知事への奉仕者でなく、県民への奉仕者であるべきであろう。知事は昨年末の埋め立て承認会見であえて振興予算に言及し、称賛した。この臨時会でも冒頭、予算に触れて「沖縄が飛躍的に発展する」と述べた。これで振興と基地の「リンク論はない」と強弁しても、納得する国民はいるまい。
●意味のすり替え
 今回の質疑には意味もあった。普天間の「5年内運用停止」に伴う「県外移設」は、新基地が完成すれば「機能はかなり(沖縄に)戻ってくる」と、知事が認めたのだ。「県外」が万が一現実化しても、あくまで一時的にすぎないことがはっきりした。「県外」の意味はいつの間にか「暫定」とすり替えられていたのだ。「県外移設の公約を変えていない」という知事の弁明について、今回の辞任要求決議は「不誠実の極み」と指摘する。琉球新報社などによる世論調査でも、承認を公約違反と見る意見は72%に上った。指摘の正しさを裏付ける。決議はまた「かつてこれほどまで政府に付き従い、民意に背を向けた知事はいない」と批判した。「県民の中に対立を持ち込むもの」だったのも間違いない。知事の承認表明が「沖縄の人はカネで転ぶ」「沖縄の抵抗はカネ目当て」との印象を全国に発信してしまったのは確かだ。その意味でも政治的責任は重い。県内移設は、知事や当該市長が容認していた時代でさえ失敗した。その歴史から教訓をくみ取るべきだ。まして今回は、決議が示す通り、知事はもはや信を失っている。不毛の17年を繰り返したくないなら、日米両政府は辺野古移設を断念すべきだ。

*2:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-217340-storytopic-11.html
(琉球新報社説 2014年1月1日) 年の初めに 平和と環境を次代へ 人間の安全こそ最優先に
 新年を迎えた。年の瀬に「知事、辺野古埋め立て承認」の衝撃的な決断に直面し、心を痛めて正月を迎えた県民も多かろう。だが、県民世論調査で米軍普天間飛行場の閉鎖・撤去、県外・国外移設を望む民意が強いことも明確になった。わたしたちは「命どぅ宝」の心、豊かな自然など先達が残した有形無形の遺産に支えられ「生かされている」との謙虚さを大切にしたい。来年の戦後70年も見据え、あらためて持続可能な平和と環境、経済を次世代に引き継ぐ覚悟、責任をかみしめよう。
●不平等の構造化
 普天間飛行場返還問題をめぐる自民党県連と国会議員、仲井真弘多知事の「県外移設」公約の事実上の撤回で混乱が続くだろう。だが県民は悲観も楽観もすることはない。「危険なオスプレイを飛ばすな」「民意は辺野古移設ノー」との主張には民主的手続きを踏んだ正当性がある。「沖縄に民主主義を適用せよ」との訴えも正論だ。沖縄とこの国の未来のために、三つの「原点」を見詰め直したい。
 一つは、1972年の日本復帰だ。米軍統治下で人権を蹂躙されてきた沖縄住民は「平和憲法」に救いを求めた。しかし、今なお過密な米軍基地が事件・事故、爆音、米兵犯罪の温床になっている。法の下の不平等が構造化している。もはや我慢の限界だ。米識者から駐留の軍事的合理性に疑義が出ている在沖米海兵隊の全面撤退を真剣に検討し、不平等と日米関係そのものを劇的に改善するときだ。
 二つ目は、昨年始動した「沖縄21世紀ビジョン基本計画」だ。知事は年末に首相が示した基地負担軽減策を評価し「沖縄の基地問題は日本全体の安全保障に寄与している」と述べた。首相を激励し、自らを政権の「応援団」とも言い放った。普天間飛行場の5年以内運用停止が口約束であり、オスプレイの配備中止要請に全く言及がないなど、核心部分で実質「ゼロ回答」だったにもかかわらずだ。21世紀ビジョンの基軸的な考えは、「潤いと活力をもたらす沖縄らしい優しい社会の構築」「日本と世界の架け橋となる強くしなやかな自立的経済の構築」の二つだ。会談での知事の「安保に寄与」発言には、沖縄の文化力や経済力、市民交流などソフトパワーで日本と世界の懸け橋になるとの発想がすっぽり抜け落ちている。沖縄の夢が詰め込まれた21世紀ビジョンを後退させてはならない。
 三つ目は、戦後日本の原点だ。「戦争放棄」をうたった日本国憲法の下で平和国家、民主国家として歩み、戦後一度も戦争をしなかったことは世界に誇れることだ。
●ソフトパワー
 ところが、安倍政権は「積極的平和主義」を掲げ、集団的自衛権の行使容認や武器輸出三原則緩和、自衛隊増強など、軍事拡大路線をひた走っている。軍事力を過信せず、非軍事的な国力を駆使し、戦略的互恵関係の構築により安全を実現するのが、平和国家のあるべき姿だ。国民は戦争をする軍事国家への回帰など望んでいない。「人間の安全保障」の提唱者の一人で、ノーベル経済学賞受賞者のアマルティア・セン氏は「テロや大量虐殺と戦うことは大切だが、私たちは人間の安全を脅かすものが、暴力だけでなく、さまざまなかたちで現れることにも気づかなければならない」と指摘する。これは、人々や社会の安全を脅かす貧困、抑圧、差別などの社会的不正義を「構造的暴力」と定義し、その解消を「積極的平和」と位置づける平和学の概念とも通底する。首相は軍事偏重の「積極的平和主義」ではなく「積極的平和」こそ追求し、沖縄で普天間撤去などを通じ構造的暴力を解消すべきだ。わたしたちは、琉球王国時代の万国津梁の精神に倣い多国間の懸け橋となりたい。沖縄は東アジアの緊張を沈静化し、「軍事の要石」から「平和の要石」へ転換する構想を描くべきだろう。沖縄の尊厳と安全を守るために、ソフトパワーに磨きをかけていこう。

*3:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E6%B5%B7%E5%85%B5%E9%9A%8A アメリカ海兵隊(要点)
 第二次世界大戦以後、第二次世界大戦後は朝鮮戦争において韓国救援の先遣部隊として派遣され、釜山に追い詰められた国連軍の中の米軍の中核として困難な時期を支え、マッカーサー元帥の立案した仁川上陸作戦(クロマイト作戦)に中核戦力として用いられ、上陸後のソウル奪還にも一番乗りの一翼を担った。また、中華人民共和国の参戦によって総崩れとなった国連軍の殿(しんがり。最後尾防衛)を務めたのも海兵隊であった。その後もゲリラの掃討戦に従事し、アメリカ軍やイギリス軍(イギリス連邦軍)、大韓民国軍やベルギー軍などから構成された国連軍が行った攻勢には常に主力として用いられ、海兵隊は朝鮮戦争の休戦を38度線の防御陣地で迎えることになる。
 その後も、ベトナム戦争、グレナダ侵攻、湾岸戦争、イラク戦争など、米国の行った大規模軍事行動には常に最前線に投入され、米海兵部隊は規模の大小はあるものの全世界に展開されており、有事の際には世界中どこにでも展開できる能力を保有している。創設以来、志願制による補充を原則としてきたが、第二次世界大戦中及びベトナム戦争中には徴兵による補充を行っている。

*4:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140112&ng=DGKDZO65212580R10C14A1NN9000 (日経新聞 2014.1.12) 負担軽減巡り思惑交錯
 首相が仲井真知事と約束した沖縄の負担軽減策の行方もなお不透明だ。沖縄県が要望する柱の一つは、普天間基地の5年以内の運用停止だ。計画では調査から米軍への提供まで約9年かかり、単純計算で4年前倒しする必要がある。菅義偉官房長官は「速やかに着手し、事業期間を短縮する」と語るが、日米関係者には「計画段階でかなり絞り込んだ日程。前倒しは難しい」との声も根強い。政府内には「実質的に運用停止の状態に近づければ理解が得られる」との見方もある。県は垂直離着陸輸送機オスプレイ24機の約半数を県外配備するよう求めるが、コストがかかり米側が難色を示すのは必至だ。政府は県外の訓練拡充などによる県内飛行の半減を強調している。「5年以内」を求める仲井真知事も、実現には「移設先は県外しかない」と語る。県外移設の公約をおろさず埋め立てを承認した整合性をとる説明といえるが、政府とのズレは明らかだ。もう一つの柱は、日米両政府が合意した新協定の協議だ。自治体が汚染調査などで基地内に立ち入る手続きや、環境保全の施設を整備する際の財政負担のあり方などを定める。在日米軍基地の管理などを定めた日米地位協定の補足協定との位置付けだ。米政府はこれまで地位協定の改定に一度も応じず、運用改善で済ませてきた。新協定の協議入りは、普天間を拠点とする在沖縄海兵隊の一部をグアムに移転させる米計画に弾みがつくと期待するからだ。ただ米政府は費用負担に厳しい米議会をにらみ、日本側の財政負担を多く求める可能性がある。自治体の基地内の立ち入り手続きも簡単にのめる話ではない。

    
                         沖縄の海と海岸
*5:http://ryukyushimpo.jp/uploads/img52ccad8c5288e.pdf
(プレスリリース 2014年1月) 世界の識者と文化人による、沖縄の海兵隊基地建設にむけての合意への非難声明
 私たちは沖縄県内の新基地建設に反対し、平和と尊厳、人権と環境保護のためにたたかう沖縄の人々を支持します。私たち署名者一同は、2013年末に安倍晋三首相と仲井真弘多沖縄県知事の間でかわされた、人間と環境を犠牲にして沖縄の軍事植民地状態を深化し拡大させるための取り決めに反対します。安倍首相は経済振興をエサに、軍港をともなう大型の海兵隊航空基地を作るために沖縄北東部の辺野古沿岸を埋め立てる承認を仲井真知事から引き出しました。辺野古に基地を作る計画は1960年代からありました。それが1996年に掘り起こされ、前年に起こった少女暴行事件もあり当時沖縄で最高潮に達していた反米軍基地感情を鎮めるために、日米政府は、宜野湾市の真ん中にある普天間基地を閉鎖して、辺野古の新基地にその機能を移転させようと計画しました。辺野古は稀に見る生物多様性を抱え、絶滅の危機にある海洋哺乳動物、ジュゴンが棲息する地域です。仲井真知事の埋め立て承認は沖縄県民の民意を反映したものではありません。知事は2010年の知事選直前に、それまでの新基地容認姿勢を変更し、「普天間基地移設は県外に求める」と言って、新基地反対で一貫していた候補を破って当選しました。近年の世論調査では県民の辺野古新基地への反対は7割から9割に上っていました。今回の仲井真知事埋め立て承認直後の世論調査では、沖縄県民の72.4%が知事の決定を「公約違反」と言っています。埋め立て承認は沖縄県民に対する裏切りだったのです。
 在日米軍専用基地面積の73.8%は日本国全体の面積の0.6%しかない沖縄県に置かれ、沖縄本島の18.3%は米軍に占拠されています。普天間基地はそもそも1945年の沖縄戦のさ中、米軍が本土決戦に備え、住民の土地を奪って作りました。終戦後返還されるべきであったのに、戦後70年近く経っても米軍は保持したままです。したがって、返還に条件がつくことは本来的に許されないことなのです。今回の合意は長年の沖縄の人々の苦しみを恒久化させることにもつながります。沖縄は、日本による17世紀初の侵略に始まり、19世紀末の日本国への強制併合を経て、1944年には、米軍の襲撃を控え、天皇制を守るための時間稼ぎの要塞とされました。沖縄戦では10万人以上、住民の4分の1にあたる人々が殺されました。戦後、米軍政下において基地はさらに増えました。沖縄は1972年に日本に「返還」されたものの、基地がなくなるとの沖縄住民の希望は打ち砕かれました。そして今日も、沖縄県民は基地の存在によってひき起こされる犯罪、事件、デシベル数の高い航空機の騒音や、環境汚染による被害を受け続けています。戦後ずっと、沖縄の人々は米国独立宣言が糾弾する「権力の濫用や強奪」に苦しめられ続けています。その例として同宣言が指摘する「われわれの議会による同意なしの常備軍の駐留」もあてはまります。
 沖縄の人々は、米国の20世紀における公民権運動に見られたように、軍事植民地状態を終わらせるために非暴力のたたかいを続けてきました。生活を脅かす実弾砲撃訓練に対し演習場に突入して阻止したり、米軍基地のまわりに人間の鎖を作って抵抗を表現したりしました。大規模なデモが時折持たれ、約10万人-人口の10分の1にもあたる人々が参加してきています。80代の人たちが辺野古基地建設を阻止するために立ち上がり、座り込みは何年も続いています。県議会は辺野古基地反対の決議を通し、2013年1月には全41市町村首長が、オスプレイ配備撤回と県内移設基地の建設を断念するよう政府に求める建白書に署名しました。私たちは、沖縄の人々による平和と尊厳、人権と環境保護のための非暴力のたたかいを支持します。辺野古の海兵隊基地建設は中止すべきであり、普天間は沖縄の人々に直ちに返すべきです。
ノーマン・バーンボームジョージタウン大学名誉教授
ハーバート・ビクスニューヨーク州立大ビンガムトン校歴史学・社会学名誉教授
ライナー・ブラウン国際平和ビューロー(IPB)共同代表、国際反核兵器法律家協会(IALANA)事務局長
ノーム・チョムスキーマサチューセッツ工科大学言語学名誉教授
ジョン・W・ダワーマサチューセッツ工科大学歴史学名誉教授
アレクシス・ダデンコネチカット大学歴史学教授
ダニエル・エルズバーグ核時代平和財団(Nuclear Age Peace Foundation)上級研究員、
元国防総省・国務省職員
ジョン・フェファー政策研究所(IPS)「フォーリン・ポリシー・イン・フォーカス」(fpif.org) 共同代表
ブルース・ギャグノン「宇宙への兵器と核エネルギーの配備に反対する地球ネット
コーディネーター
ジョセフ・ガーソン「アメリカン・フレンズ・サービス委員会」平和と経済の安全保障プログラム部長、政治学・国際安全保障学博士
リチャード・フォークプリンストン大学国際法名誉教授
ノーマ・フィールドシカゴ大学東アジア言語文明学部名誉教授
ケイト・ハドソン核軍縮キャンペーン事務局長
キャサリン・ルッツブラウン大学人類学・国際問題学教授
ナオミ・クライン著述家、ジャーナリスト
ジョイ・コガワ作家、『オバサン』(和訳『失われた祖国』)著者
ピーター・カズニックアメリカン大学歴史学教授
マイレッド・マグワイアノーベル平和賞受賞者
ケビン・マーティン「ピース・アクション」事務局長
ガバン・マコーマックオーストラリア国立大学名誉教授
キョー・マクレア作家、児童文学者
スティーブ・ラブソンブラウン大学名誉教授・米陸軍退役軍人(沖縄・辺野古にて1967-68年駐留)
マーク・セルダンコーネル大学東アジアプログラム上級研究員
オリバー・ストーン映画監督
デイビッド・バインアメリカン大学人類学部准教授
ロイス・ウィルソン世界教会協議会前総会議長
ローレンス・ウィットナーニューヨーク州立大学アルバニー校歴史学名誉教授
アン・ライト元米陸軍大佐、元米国外交官
(苗字のアルファベット順、2014年1月7日現在)


PS(2014.1.18追加):新たに、学者の「辺野古反対声明」が発表された。御用学者ではない学者の意見も聞く必要があるため、これは歓迎だ。
*6:http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=60857
(沖縄タイムス 2014年1月18日) 「辺野古反対」東大名誉教授ら声明
 米軍普天間飛行場の辺野古移設について、県外で活躍する経済、国文学、歴史、法学など各分野の識者が17日、都内で記者会見し、「名護市辺野古に新たな基地を建設することに反対する」と声明を発表した。政府に対して、県内の米海兵隊基地の撤去に向けた具体的措置について米国と交渉するよう求め、今後は声明の賛同者を募るとともに講演やシンポジウムを開く方針だ。発起人の和田春樹東京大学名誉教授ら18人は、7日に辺野古移設反対の声明を出した米映画監督オリバー・ストーン氏や言語哲学者ノーム・チョムスキー氏ら欧米の著名人とともに「沖縄県民側に立つ」と訴え、すべての日本人に対し「自ら引き受けられない基地を沖縄に押し付け、新たな基地建設まで強行するのは無責任の極みではないか。沖縄差別の政策をいつまで続けるのか」と問い掛け、沖縄への基地建設を「許さない」と表明した。前田哲男氏(軍事評論家)は、自民党の石破茂幹事長が辺野古への新基地建設に向けて「500億円の名護振興基金の創設を示すなど“アメとムチ”を使っている」と批判し、「沖縄の現状に無関心であってはならない」と訴えた。また、古関彰一氏(独協大教授)は「沖縄への基地の押し付けは民主主義に反する」。西谷修氏(東京外国語大教授)は「世界の人が沖縄の現状を知るべきだ」と述べた。

| 辺野古・普天間基地問題::2012.2~2015.3 | 10:46 AM | comments (x) | trackback (x) |
2013.12.25 政府は、何のために、辺野古の埋め立てに固執しているのか?(2013年12月26日、28日に追加あり)
   
                      辺野古とその周囲の海
(1)「アメとムチ」が時代錯誤というのは、本当である
 *1に書かれているように、「日本政府は14年度の沖縄振興予算を3460億円とする方針だが、仲井真知事が辺野古の埋め立てを承認しないなら、2014年度予算で沖縄の交付金を取り消す」というのは、全く沖縄を馬鹿にした発言である。何故なら、他県も交付金や必要な補助金はもらっているからだ。

 また、「沖縄は基地補助金や基地関係収入に依存している」というのも誤りである。沖縄は、観光地としては、既に世界でも有数のダイバーのメッカであり、海底資源も豊富なので、まともな産業振興を行えば、国から同情予算をもらうどころか、堂々たる日本のエンジンになれるだろう。

(2)アメの古さと選挙の構図
 *2-1に書かれているように、「安倍首相が仲井真知事と会談し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けて、公有水面の埋め立てを承認するよう要請する」とのことである。また、*2-2に書かれているように、「第5次沖縄振興計画(2012~21年度)の実施期間の沖縄振興予算を、毎年3000億円台にする」とのことだが、これも金額ありきで内容のない予算であり、国民の血税を、そのような無駄遣いに使ってもらいたくないと思う。

 そして、この予算を使って沖縄各地で土木工事を行い、埋め立てたり、コンクリートで固めたり、テトラポットを積み上げたりすれば、金の無駄遣いであるだけでなく、えもいわれぬ美しい自然という沖縄の観光資源を大きく劣化させて回復不能にする。また、この金で潤った土木建築会社が自民党を支持して選挙で自民党が勝利するという構図は、国民の意識の進歩を無視した、あまりにも古いシナリオだ。沖縄の土木建築会社も、無駄な仕事をする暇があったら、東北復興の手伝いに行くべきだろう。

(3)仲井真知事の苦しさはわかるため、全国紙も沖縄に協力して欲しい
 *3に書かれているように、仲井真知事は検査入院してしまったが、一人で首相や日本政府を相手に闘わなければならないのだから、そうなる気持ちもわかる。何故なら、徹底して闘えば、株主として東電の合理化を主張した東京都の猪瀬前知事のように、たいしたこともない埃を見つけ出して叩かれ、辞職に追い込まれたり、どうしても何もなければ殺されたりするからである。誰だって、「ぬちどぅ宝」だ。

 そのため、全国紙も、*5で信濃毎日新聞が行っているようにバックアップして欲しい。私自身は、このブログの左のカテゴリー「普天間基地問題」に何度も記載しているように、よく検討すれば、辺野古埋め立てより賢い方法がいくらでもあると考えている。

(4)後世に誇れる歴史的英断とは、どういう判断か
 まさに*4に書かれているとおり、仲井真知事は、選挙公約、県の基地・環境政策との整合性、法律要件、戦後68年間もの基地過重負担などを考慮して、歴史の批判に耐え得る「不承認」の英断を下して「県外移設」を主張すべきであり、それが歴史的英断になるだろう。その後のまともな沖縄県振興や、他の場所での基地負担は、その気になればどうにでもなるからである。

   
                        慶良間諸島と海
*1:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-217041-storytopic-11.html
(琉球新報社説 2013年12月23日) 米研究員“指南” 「アメとムチ」は時代錯誤
 あからさまな脅迫であり、時代錯誤も甚だしい発言である。米軍普天間飛行場辺野古移設に関し、米国の保守系シンクタンクの上席研究員が、仲井真弘多知事が埋め立てを承認しないのなら、日本政府は「2014年度予算で沖縄の交付金を取り消すべきだ。そうすれば沖縄は経済的苦境に陥るだろう」と論評した。米政府の政策決定に影響力のあるシンクタンク研究員の発言だ。研究員は自らの“指南”が日本政府の沖縄対策に反映されているとの認識も示しており、日米政府一体で沖縄懐柔を図る構図が浮かぶ。政府は14年度の沖縄振興関係予算について、概算要求より52億円増の3460億円とする方針だ。埋め立て承認を促す狙いは明らかだが、不承認なら予算を見直すというのなら、重大な問題だ。政府が予算で配慮を強調する那覇空港第2滑走路増設や科学技術大学院大学の整備拡充などは、何も沖縄県民のためだけの事業ではない。国の施策として当然取り組むべき事業であり、その予算の充実を沖縄県民がことさらありがたがる筋合いのものではない。再三指摘しているが、沖縄が基地負担の一方で国の補助金に過度に依存しているかのような認識も誤りだ。人口1人当たりの依存財源額は、沖縄は全国18位の31・5万円で、財政力が近い類似9県の平均41・2万円と比べて低い。
 基地関係収入が県民所得に占める割合も、1972年の日本復帰時の15・5%から2009年は5・2%にまで下がっている。基地に依存するより返還させた方が経済効果が高いことは、北谷町のハンビータウンなどを見ても明らかだ。振興策をちらつかせば、沖縄は、最後は言うことを聞く。そのような差別と偏見と誤解に基づく「アメとムチ」の懐柔策はもう沖縄には通用しない。植民地政策まがいの恫喝(どうかつ)は許されない。振興策を強調するのは、沖縄の強固な異議申し立てを前にした日米両政府の焦りの表れとも言えよう。ただ一方で、振興策や基地負担軽減を条件に辺野古埋め立てを承認するかのような印象を仲井真知事が与えているのも否定はできない。相手を付け込ませる思わせぶりな対応はもう取るべきではない。仲井真知事、そして県民は毅然(きぜん)とした態度で圧力をはねのけ、沖縄の未来に責任を持つべきだ。

*2-1:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013122401002568.html
(東京新聞 2013年12月24日) 首相、沖縄知事に埋め立て要請へ 25日普天間移設で会談
 安倍晋三首相は25日午後、沖縄県の仲井真弘多知事と会談し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向け、公有水面の埋め立てを承認するよう要請する。沖縄振興予算の拡充や米軍基地負担の軽減策を説明し、理解を求める考えだ。仲井真氏はこれを受け、埋め立ての可否を週内にも判断する。1996年に日米両政府が返還合意した普天間飛行場の移設問題は重大な局面を迎える。仲井真氏は24日、首相が沖縄振興予算を、毎年度3千億円台確保する方針を表明したことを受け「心から感謝申し上げる」と歓迎するコメントを発表した。

*2-2:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2401H_U3A221C1EB2000/
(日経新聞 2013/12/24) 首相、沖縄振興「21年度まで年3000億円台」 知事と25日会談
 安倍晋三首相は24日の閣議で、第5次沖縄振興計画(2012~21年度)の実施期間の沖縄振興予算を、毎年3000億円台にすると表明した。沖縄県宜野湾市の米軍普天間基地の同県名護市辺野古移設に理解を得るため、手厚い支援で沖縄に配慮する姿勢を示したものだ。25日午後、仲井真弘多知事と会談する。首相は「沖縄振興の取り組みを強化するため毎年3000億円台を確保する」と述べた。菅義偉官房長官は閣議後の記者会見で、首相と仲井真知事の会談が25日午後になると発表。沖縄振興や基地負担の軽減を念頭に「政府としての責任でできる限りのことをすべてやりたい」と強調した。政府の立場を改めて伝え、辺野古沿岸部の埋め立てについて年内の承認を引き出したい考えだ。沖縄振興費を巡っては、政府は13年度当初予算で3001億円、14年度予算案で3460億円を計上し、2年連続で3000億円を上回った。

*3:http://digital.asahi.com/articles/DA2S10896007.html?iref=comkiji_redirect
(朝日新聞 2013年12月24日) 沖縄知事、週内にも判断 辺野古問題、負担軽減見極め
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設に伴う名護市辺野古の埋め立て申請への対応について、仲井真弘多知事は23日、県幹部と詰めの協議を行った。県が求めた負担軽減策に対する安倍政権の回答を見極めたうえで、承認するかどうか週内にも判断する構えで、移設問題は山場を迎えている。
 仲井真氏が検査入院している東京都内の病院に、県幹部を集めた協議は約2時間に及んだ。出席者によると、協議では、当銘健一郎・土木建築部長が公有水面埋立法にもとづく審査結果を報告。そのうえで、承認、不承認それぞれの場合に起こりうる問題点を整理した。当銘氏は、同法が判断基準とする6項目のうち「環境保全などに十分配慮されているか」については、「ジュゴンや特定外来生物の問題などがあり、難しい」と説明。法に適合するかどうかの結論を示さなかった。
 23日の県幹部との協議で、仲井真氏は17日の沖縄政策協議会で政権に申し入れた「普天間の5年以内の運用停止」「牧港補給地区(浦添市)の7年以内の全面返還」への対応を特に気にしていたという。いずれも負担軽減のために「日米地位協定の改定」「オスプレイ12機程度の県外配備」とともに求めた内容だ。県側の要望に対し、安倍政権は「やれることはすべてやる」(菅義偉官房長官)ことで、仲井真氏の承認を得たい考えだ。来年度予算案の沖縄振興予算では、概算要求を上回る金額を計上する方針。負担軽減にも前向きに取り組む姿勢をアピールする。
 普天間の早期運用停止などについても、岸田文雄外相が22日のNHK番組で「あらゆる可能性を検討しなければならない」と発言。小野寺五典防衛相も21日のBS朝日の番組で、日米地位協定の改定をめぐり「米国側と交渉することは大切だ」と述べるなど、そろって負担軽減への「意欲」を強調した。ただ、これらの課題の解決には米国の同意が不可欠だが、米側は否定的で実現の見通しは立っていない。

*4:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-217083-storytopic-11.html
(琉球新報社説 2013年12月24日) 埋め立て知事判断 後世に誇れる歴史的英断を
 仲井真弘多知事は、選挙公約、県の基地・環境政策との整合性、法律要件に適合するか否か、戦後68年間も米軍基地の過重負担に耐えてきた県民の苦しみなどを最大限考慮し、歴史の批判に耐え得る「不承認」の英断を下してほしい。政府が知事に求めた普天間飛行場の名護市辺野古移設計画に伴う埋め立て申請への判断のことだ。
 県が先に政府に行った沖縄振興と基地負担軽減に関する要請のうち、特に「普天間飛行場の5年以内の運用停止、早期返還」「日米地位協定の条項の追加等、改定」「オスプレイの12機程度を県外の拠点に配備」の3点は、従来の県の政策や県民意思と相いれず、要請の民主的正統性に疑義がある。知事は2期目の選挙公約で普天間飛行場について「県外移設」を約束した。「県外移設」を今回の要請書に明記しなかった理由、真意は何か、公約を変更するのか、県民に対し説明を尽くしていない。県と県内市町村はかねて、国にオスプレイ配備撤回と地位協定の抜本改定を求めてきた。もし知事の独断で常駐配備容認、協定の部分改定に主張を変更するなら市町村長や議会、県民への背信となる。今年1月にオスプレイ配備に反対する県民大会実行委員会、県議会、県下41市町村の首長、議会の連名で首相に提出した建白書も、オスプレイ全機の配備撤回、普天間基地の閉鎖・撤去と県内移設断念を求めた。これが最大公約数の県民意思だ。「県民の強い思い」をねじ曲げて、政府に誤ったメッセージを送ってはならない。
 在沖海兵隊の国外分散推進に伴う辺野古移設合意の事実上の破綻、森本敏前防衛相も認めた県内移設の軍事合理性の欠如、辺野古アセスのずさんさなどの観点からも「不承認」こそ合理的だ。防衛省は辺野古の軍港機能拡充を県民に隠し、米国防総省に対してはジュゴン関連の膨大な環境調査情報を削除したアセス資料を送付していた。県民を欺き、政権上層部、国会への説明を怠った疑いが拭えない。知事は防衛省の強権的かつ詐欺的手法に加担せず、後世に誇れる決断を下してほしい。国の申請が公有水面埋め立て法の要件を満たしているか厳格に判断すべきだ。曖昧な点があれば、来年1月の名護市長選への直接的影響を避ける観点から、選挙終了まで知事判断を留保するのも選択肢だ。

*5:http://www.shinmai.co.jp/news/20131223/KT131221ETI090005000.php
(信濃毎日新聞 2013年12月23日) 沖縄県知事 県外移設の公約は重い
 沖縄県の米軍普天間飛行場の移設問題がヤマ場を迎えた。仲井真弘多知事が同県名護市辺野古への移設に向けた政府の埋め立て申請を認めるかどうか、近く判断するとの見方が強まっている。
 知事は3年前の選挙で県外移設を公約に掲げた。今月上旬の県議会本会議の場でも「県民との約束であり、全力で実現に取り組む」と、立場を変える考えがないことを示している。沖縄県民の多くが県外移設を求めている。申請を認めれば民意をないがしろにする行為と受け取られかねない。日米両政府と沖縄県民の亀裂も深まるだろう。知事の決断に目を凝らしたい。安倍晋三政権の沖縄への姿勢はごり押しにしか見えない。
 自民党沖縄県連は昨年の衆院選や今年の参院選でも「県外移設」の方針を曲げなかった。米軍による犯罪や騒音に長年悩まされ、基地負担の軽減を求めてきた県民の声を尊重すれば当然である。来年1月には名護市長選が控えている。安倍政権は移設反対の現職が勝てば日米合意が頓挫するとの焦りも加わり、早期決着に向けた説得工作を加速させた。11月には県連幹部を上京させて「党本部の方針に従うべきだ」と要請。沖縄選出の国会議員にも辺野古容認を迫った。結局、県外移設にこだわれば普天間が固定化する、基地負担の軽減にならない―などの理屈で公約はほごにされた。
 一方、政府は沖縄振興策の拡充や在沖縄米軍の訓練移転をちらつかせてきた。アメとムチで移設を実現する構えだ。沖縄に対する包囲網が狭まっていく中、安倍首相と仲井真知事が先日都内で話し合った。知事は首相に▽普天間飛行場の5年以内の運用停止▽米軍基地の管理・運用を定めた日米地位協定の改定―などを求めた。知事はその後、政府の埋め立て申請の判断について「年内に間に合うかもしれない」と語っている。
 米側と交渉する必要もあり、政府にとっては高いハードルだが、見方によっては「条件闘争」をしているようにも受け取れる。なぜ普天間の閉鎖ではなく、移設なのか。新たな基地の建設は日米両政府が目指す負担軽減と逆行することなのに、双方とも必要だと強調するばかりで説得力のある説明をしてこなかった。理解を得られないのは当然だ。新しい基地が本当に要るのか、検証し直す作業こそ急ぐべきだ。


PS(2013.12.26追加):「『沖縄優遇』は印象操作にすぎず、戦後通算で見ると沖縄への1人当たり財政援助額は全国平均の6割で、むしろ『冷遇』だった。復帰後の沖縄への高率補助は戦中戦後の『償い』の意味があったが、今や露骨に基地押し付けの材料だ」等の分析を、きょう見つけたが、こういう分析は地元紙しか行わないと思うので、*6として追加しておく。

*6:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-217117-storytopic-11.html (琉球新報社説  2013年12月25日) 14年度予算 「厚遇」は印象操作だ 基地強要の正当化やめよ
 2014年度沖縄関係予算が前年度比15・3%増の3460億円で決まった。増額となったのはともかく、政府が「厚遇」を強調する点に強い違和感を抱く。政府は躍起になって「沖縄に対し他の都道府県ではあり得ないほど特別に国費をつぎこんでいる」というイメージを振りまいている。だがそれは事実と異なる。むしろ他府県にはあり得ない水増しやごまかしがまかり通っている。政府はこれで基地強要を正当化したつもりだろうが、不当な印象操作は直ちにやめてもらいたい。
●数ある「かさ上げ」
 「水増し」「ごまかし」の最たるものは那覇空港の整備予算だ。那覇空港は1990年代の段階で既に、2010年代半ばでの「ボトルネック」が懸念されていた。つまり、空港利用の需要が高まり、滑走路1本ではさばききれないという見立てだ。滑走路増設の必要性は全国でも福岡空港に次ぐ二番手の位置付けだった。福岡は既に整備され、那覇に着手するのは自然な流れのはずだ。那覇は国管理の空港だから整備は政府の空港整備勘定(旧空港整備特別会計)で計上すべきだ。だが政府はこれを沖縄関係予算に組み込んだ。県の注文で辛うじて一括交付金と別枠になったとはいえ、沖縄以外なら国の予算となるところ、さも沖縄のため特別に計上したかのように装うのは不当な「演出」だ。他の沖縄関係事業にしわ寄せも生じたはずである。
 沖縄関係予算を「かさ上げ」しているのは沖縄科学技術大学院大学も同様だ。2001年に構想が浮上した際は、この経費捻出のため通常の沖縄関係予算が削られるのを警戒する声があった。政府はその点をうやむやにし、一時は文部科学省予算で一部賄うと説明したが、雲散霧消した。今や完全に沖縄関係予算だ。本来、入るべきでないこれらを除くと、14年度の沖縄関係予算は2930億円だ。99年度は3282億円だから15年で1割減った。国全体ではこの間、逆に1割以上増えている。財政学が専門の池宮城秀正・明治大教授によると、沖縄の2011年度1人当たり依存財源(国からの財政移転)額は32万円で全国18位。類似9県平均41万円の8割弱だ。「沖縄優遇」は印象操作にすぎない。戦後通算で見ると沖縄への1人当たり財政援助額は全国平均の6割にすぎず、むしろ「冷遇」だった。復帰後の沖縄への高率補助は戦中戦後の「償い」の意味があったが、今や露骨に基地押し付けの材料だ。どこまで沖縄の尊厳を踏みにじれば気が済むのだろうか。
●程遠い自由裁量
 確かに沖縄振興一括交付金制度は沖縄予算だけにある制度である。だがこれはカネ目当てというより予算の効率化、財政の地方分権論として出た構想だ。地方の実需にあった予算編成とするため、省庁ごとのひも付き補助金でなく、地方の自由裁量で支出できるようにするのが本来の狙いだ。しかし、制約が多く、自由裁量とは程遠いのが現状だ。沖縄の振興には人材育成が欠かせないのに、例えば教員の加配には使えない。人件費支出を伴うのは予算の単年度主義に反するからという理由のようだが、制約は本来の趣旨に反する。例えば無償の奨学金の大幅創設、留学の大幅増に向けた大胆な支援策などを可能とすべきだ。県は15年度以降、裁量権を広げるべく国を説得してほしい。
 全国予算を見ても解せない点は多々ある。歳出削減に向けた切り込みどころか、各省庁の要求をほぼ受け入れた。増税は財政再建が目的のはずが、従来型の公共事業増加に振り向けられた感がある。税制改正の方向も疑問だ。低所得者に負担増を強いる一方、大企業への優遇策が目立つ。「強きを助け、弱きをくじく」構図だ。防衛費も増えた。「強権国家」づくりに税金を使うのが安倍政権らしい。予算編成の「哲学」が正しかったのか、疑問は尽きない。


PS(2013.12.28追加):2013年12月27日に、仲井真弘多知事が名護市辺野古沿岸部の埋め立て申請を承認したことについて、*7の地元紙の記事を紹介しておく。なお、私も、ここで基地問題を争点として議論を尽くし、知事選を行うのが、沖縄が覚悟を持って自らの針路を決めるスタートになると思う。
   
                 2013年12月27日、28日
沖縄タイムス      東京新聞           佐賀新聞        佐賀新聞 

*7:http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=59679
(沖縄タイムス社説 2013年12月28日) [知事埋め立て承認] 辞職し県民に信を問え
 政治家の命綱である「選挙公約」をかなぐり捨てた姿というほかない。だが、本人はそうは思っていない。埋め立ては承認したが、「県外移設」の公約は変えていない、という。県外移設を実現するために、政府から何の担保も取っていないのに、である。こんな説明で県民の理解が得られるとほんとに思っているのだろうか。政治家の公約は有権者との契約である。知事はもはや、県民の負託を受けた政治家としての資格を自ら放棄したと言わざるを得ない。米軍普天間飛行場の移設に向けて国が県に提出していた名護市辺野古沿岸部の埋め立て申請を、仲井真弘多知事は27日承認した。辺野古移設を認めたということだ。知事選で県外移設の公約に1票を託した有権者への裏切り行為である。知事は記者会見で、辺野古移設を承認したことと、県外移設の公約との矛盾を問われると、県外移設の公約を変えていない、と声を荒らげ、説明を拒否した。17日に首相官邸で開かれた沖縄政策協議会以来、知事に決定的に欠けているのは県民への説明責任だ。それは27日の記者会見でも果たすことがなかった。記者とのやりとりはわずか30分余り。県の方から一方的に打ち切った。
 知事は、県外移設の公約と、辺野古移設は併存するという。その理屈が分からない。辺野古移設は時間がかかるため、5年以内に県外移設するのが「普天間の5年以内の運用停止」の意味のようだ。だが、過去の経緯を見ても分かるように、本土で具体的な地名が出るたびに地元から反対運動が起きてみんな頓挫しているのが現状だ。知事が根拠としているのが、安倍晋三首相との会談で、首相が危険性除去は最大の課題であるとの「認識を共有している」との表明である。沖縄の基地問題で、これまでなされた閣議決定、総理大臣談話でさえほごにされているのにである。首相の表明が「口約束」にすぎないことは、知事本人が一番知っているはずだ。
 事務レベルで最後まで可否判断を保留していた環境保全については「現時点で取り得ると考えられる措置等が講じられている」として基準に適合していると判断した。本当にそうだろうか。ジュゴンやウミガメの保護、投入土砂に混入する恐れのある特定外来生物は不確定要素が大きい。県は、留意事項として国に専門家や有識者で構成される環境監視等委員会(仮称)を設置することを求めているが、実効性があるか不透明だ。承認ありき、としか見えない。本社が実施した直近の2種類の世論調査では「承認するべきでない」が64~72%に上り、「承認するべきだ」はいずれも約22%にとどまっている。知事と有権者の信頼関係は破綻したといっていい。知事の言葉が信を失っては業務を遂行するのは不可能だ。
 仲井真知事は、1995年の米兵による暴行事件を受け、大田昌秀県政が米軍用地強制使用問題で代理署名の拒否をめぐり政府と対峙していたころの副知事を務めた。当時を知る関係者によると、「なんで県が中央と事を構えるのか」と言い、副知事として応諾の文案をつくる役回りを演じたという。2006年には当時の政府案を拒んでいた稲嶺恵一知事に「政府と事を構えるのはいかがなものか」といさめた。仲井真知事は旧通産省の官僚出身で、官僚体質がしみ込んでいる。その最も悪い部分が表れたのがこの日の記者会見だった。知事は記者会見を県庁で開くことができなかった。警備上の理由から、知事公舎に移した。警察に知事公舎を守られながら開かざるを得なかった記者会見が、知事の埋め立て承認の正当性に疑問符が付くことを象徴している。知事は会見で名護市民に対し何の言及もしなかった。17年間も地域を分断された市民の苦悩に思いをいたしているようには見えなかった。
 多くの県民は「平和的生存権」「環境権」「人格権」「公平・公正な基地負担」をかけて辺野古移設問題に向き合ってきた。その主張の正当性は高まるばかりだ。

| 辺野古・普天間基地問題::2012.2~2015.3 | 01:49 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013年6月9日 米軍普天間飛行場の沖縄県外移設はできること
      
            佐賀県の花(左から、マリーゴールド、花菖蒲、紫陽花)

 *1のように、世界一危険な普天間基地問題を解決するのに、自民党本部が辺野古を埋め立てる以外に方法を思いつかないとすれば、あまりにも頭が休みすぎているだろう。何故なら、このブログの2013年2月3日等に記載しているように、九州本土にも、九州の離島にも、すでに空港があり、人口の少ない適地は多いからである。

 佐賀空港でどうかと言う佐賀県人もいるが、これは少し北にありすぎるのではないかと、私は、個人的に思っていた。そのような中、*2のような佐賀新聞労組主催の対話集会が開かれたことは重要である。解としては、普天間基地の代替地は、鹿児島県、宮崎県あたりにあるのではないだろうか。

*1:http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/471480.html
(北海道新聞 2013年6月5日) 自民党の公約 地方と逆では不信招く 
 7月4日に予定される参院選公示まで1カ月を切った中、自民党の公約づくりが難航している。沖縄県連は「地域版公約」に米軍普天間飛行場の県外移設を盛り込むという。名護市辺野古への県内移設を掲げる安倍晋三政権と正反対の主張である。中央と地方で公約を都合良く使い分けるのでは、有権者を惑わせ政治不信を招くだけだ。政権与党として無責任と言わざるを得ない。選挙公約は国民に対する大事な約束である。地方の意見を取り入れてしっかり練り上げ、明確な主張で信を問うてもらいたい。
 党の選挙公約を補完し、地域の実情に合った政策を掲げるのであれば地域版公約の意味もあろう。だが全く逆の公約を掲げるのは禁じ手だ。沖縄では党派を問わず県外移設を求める声が大半だ。在日米軍施設の74%が沖縄に集中し、普天間基地は「世界一危険」と言われている。地元負担軽減の必要性を考えれば、沖縄県連の主張は理解できる。ところが自民党本部は辺野古移設の方針を変えようとしない。県連は県外移設を掲げて独自の戦いをする構えだ。これでは政党の体をなしていない。方針の一本化が不可欠だ。自民党は沖縄県連の要望を取り入れて県外移設に踏み出すのが筋だろう。県連も独自路線に進む前に、党の公約に主張を反映するよう努力すべきだ。有権者受けを狙ったパフォーマンスであってはならない。沖縄だけではない。福島県連は地域版公約に県内の原発10基すべての廃炉を盛り込む方針だ。安全が確認された原発の再稼働を目指す考えの党本部と足並みがそろっていない。
 昨年の衆院選で自民党は環太平洋連携協定(TPP)をめぐり「聖域なき関税撤廃を前提とする限り交渉参加に反対」と慎重姿勢を訴えた。ところが政権についたとたん、あっさりと交渉参加にかじを切った。自民党道連はさらに踏み込んで「暮らしを脅かすTPPを断固阻止する」と明言していた。農業団体などから「裏切りだ」との不満が噴出したのは当然である。この現状に対し、どう責任を取るのか。地方組織が党本部と違う公約を掲げ、選挙の後になってほごにするのでは民主主義は成り立たない。自民党は野党当時、民主党政権の「マニフェスト違反」を厳しく批判した。政権についたいま、有権者は自民党に厳しい目を光らせていることを忘れてはならない。きのうの自民党全国幹事長会議では各地から参院選に向けた要望が相次いだ。中央の方針を地方に押しつけるのではなく、地方の声を積み上げて公約をまとめる姿勢が大事だ。

*2:http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2479396.article.html
(佐賀新聞 2013年6月9日) 「沖縄の本質伝えてない」 地元記者ら指摘
 沖縄の今とメディアの在り方について地元紙記者らと考える市民対話集会(佐賀新聞労組主催)が8日、佐賀市で開かれた。沖縄の記者は「本土側のメディアは沖縄の姿を伝えていない。『沖縄問題』の本質は、沖縄だけでは解決できない『日本の問題』だ」と指摘した。基地問題を取材しているフリーライターの屋良朝博さんは、在沖縄米兵の6割を占める海兵隊が年間9カ月外国に遠征していること、佐賀と比較しても平壌や台北との距離に大差はないことを挙げ、「政府が基地を置く理由にする抑止力や地理的優位性には根拠がないのに、本土のメディアは分析をせず、論じようともしない」と批判した。
 日本維新の会の橋下徹共同代表の慰安婦をめぐる発言について、沖縄タイムスの謝花直美記者は「日本軍が沖縄に駐屯してきて130カ所の慰安所が作られた。沖縄の女性がどう虐げられてきたか。そこを理解していれば、米軍は風俗を使えばいいなどと口が裂けても言えないはず。これは沖縄を周辺視している日本の問題でもある」と訴えた。
 琉球新報の与那嶺路代記者は、ワシントン特派員として普天間飛行場の県外移設を掲げた鳩山政権に対する米側の動きを取材。「日本で報じられたように、米国は怒っていなかった。怒っていたのは日米合意に関わった一部の人間だけ。本土メディアのニュースソースは大使館などの官僚で、本当の取材をしていなかった」と明かし、「地元紙として沖縄の問題をどこよりも深く掘り下げていこうと思った」と力を込めた。
 佐賀新聞は、地方紙同士で視座を共有しようと、今年の元日と憲法記念日に沖縄の地元紙2紙の基地問題をめぐる記事を転載。この日は市民や記者ら約40人が議論した。

| 辺野古・普天間基地問題::2012.2~2015.3 | 07:52 PM | comments (x) | trackback (x) |
2013.3.26 地元の意思を無視して、「辺野古を埋め立てて、普天間移設へ与党も最大限の協力を」と呼びかける日経新聞社説の傲慢さと見識の低さ
      
      辺野古の海          辺野古の一住民(私たちにも一票下さい)

 どうしても辺野古の埋め立てをして儲けたいのは、その程度の工事しかできない土木工事業者であり、それ以外に辺野古埋め立てをして利益のある人はおらず、この件について、アメリカはだしにされているにすぎない。また、土木工事は、現在、東北で人手が足りないくらい多いため、辺野古の埋め立てを中止すれば失業して困る人という人がいるのなら、東北で、環境を(壊すのではなく)活かす、本当に人の役に立つ街づくりに参加し、街づくりの経験を積んだ方が、今後とも人の役に立つだろう。

1)代替案はいくらでもあり、「ない」と言う人は、考えていないだけだ
 私が、このブログに前から記載しているように、沖縄県、鹿児島県には、空港の整備された離島が多い。そのため、そこを使えば、新たな埋め立てをせずに、費用の節約をしながら米軍普天間基地を移設でき、海の環境を破壊することもない。また、九州本土には、国有地も多いため、そこを新たな自衛隊基地として米軍も駐留させれば、日米地位協定の問題も同時に解決する。
 それにもかかわらず、*1のように、日経新聞が「懸案の解決が行き詰まったとき、避けなければならないのは、より良い代替案がないにもかかわらず、今ある打開案を葬ってしまうことだ」と主張するのは、事実を曲げて結論を誘導する意図的な報道である。

2)やり方が汚く、沖縄の人に失礼だ
 *2のように、金で内部を分断して喧嘩させ、強引に物事を推し進めるのは沖縄を足蹴にしている。そもそも、名護漁協が同意したからと言って、海を利用しているのは漁業者だけではなく、そこにすむ生物や生態系を看板にしている観光業者もいるし、*3、*4のように、住民は誰も納得していない。そのため、このやり方は、沖縄の人にとっては侮辱であり、このような失礼な行為を繰り返しながら「丁寧に説明する」などと言っても、沖縄の人が怒るのは当たり前である。「丁寧に説明する」の意味は、金と選挙で、重要なKey Personを陥落させることか。

*1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20130326&ng=DGKDZO53214710W3A320C1EA1000  (日経新聞社説 2013.3.26) 普天間移設へ与党も最大限の協力を
 懸案の解決が行き詰まったとき、避けなければならないのは、より良い代替案がないにもかかわらず、今ある打開案を葬ってしまうことだ。事態はさらに悪化し、解決の望みが断たれてしまう。沖縄の米軍普天間基地の移設問題もそうだ。沖縄県名護市辺野古への移設案は、地元の反対から実現のめどがついていない。だからといってこの案を断念すれば、普天間は行き場を失い、長期間、街中にとどまることになりかねない。最も影響を受けるのは、事故の危険にさらされる地元だ。そうした事態を避けようと、政府は辺野古沿岸部の埋め立て申請を沖縄県に出した。普天間を移設するには仲井真弘多知事の許可を得て、辺野古沖の一部を埋め立てなければならないためだ。申請は必要な手続きといえよう。
 仲井真知事は埋め立てを許可するかどうか、8~10カ月かけて判断するという。政府が埋め立て申請を出したことに、名護市の稲嶺進市長らは反発している。同市にかぎらず、沖縄では県内移設への反対が強い。このような状況では、仲井真知事の意向がどうであろうとも、埋め立てを許可するのは容易ではない。安倍政権は仲井真知事にゲタを預けるのではなく、自らも前面に出て、地元の理解を得る努力を尽くさなければならない。そこで大切なのは、政府だけでなく、与党である自民、公明両党も移設の実現に向けて行動することだ。沖縄県選出の国会議員や県議会内には、辺野古移設への慎重論や反対論が多い。そこには自民党や公明党に所属する議員も含まれる。まずは両党がこうした人々に働きかけ、移設への理解を取りつけていく努力が欠かせない。民主党も傍観者ではいられないはずだ。同党の海江田万里代表はこの時期に埋め立て申請が出されたことに、疑問を呈した。だが、移設が難航しているのは、民主党に大きな責任がある。同党は何の目算もないのに「県外移設」を掲げて政権に就き、迷走の末に辺野古案に回帰した。せめて、移設の実現に協力すべきだ。むろん、言葉による働きかけだけでは、沖縄の反発は和らぐまい。米軍基地が集中する沖縄の負担を、日本全体で分かち合う取り組みが必要だ。在沖米軍による訓練の一層の分散なども真剣に検討すべきだ。米軍の嘉手納基地以南の施設の返還も急いでほしい。

*2:http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-03-12_46402
(沖縄タイムス社説 2013年3月12日) [名護漁協同意]地域再生にマイナスだ
 名護漁協(古波蔵廣組合長)は11日、臨時総会を開き、米軍普天間飛行場の辺野古移設に伴う公有水面埋め立てについて同意することを賛成多数で決めた。漁協は、政府との間で金額の開きが大きい漁業補償をめぐり「条件闘争」に入る。漁協の納得のいく金額で妥結しない限り、同意書を政府に提出しない、と言っている。同漁協は埋め立て予定の海域に漁業権を持つ。財産権である漁業権の処分は、漁協が決めることではあるが、辺野古移設は同漁協だけの問題ではない。
 組合員は漁業補償を得るが、新たな基地の負担を子や孫の世代に回す。漁協は漁業補償の獲得を優先し、名護市の意向や北部市町村会の反対決議も無視したことになる。そればかりか、稲嶺進名護市長が「目の前の一時的な補償のために受け入れていいのか」と熟考を求めたのに対し、古波蔵組合長は総会後、「それは彼の勝手でしょ。われわれは組合の勝手で、関係ねー」と語っている。稲嶺市長の真剣な危惧に対し、からかうような表現で応答するのは、重要な採決をした組合長の言葉としては、あまりにも不真面目である。名護漁協が同意したとしても、県、県議会、全市町村長、全市町村議会が辺野古移設に反対し、県外移設を求めている県内の構図は全く変わらない。仲井真弘多知事、稲嶺市長も同様の姿勢を堅持しており、政府はこの事実を忘れてはならない。
    ■    ■
 アメとムチによる地域分断工作は、政府の常とう手段である。それを象徴するのが基地再編交付金だ。基地建設に対する協力の度合いに応じて自治体に交付金を支給する露骨な政策である。辺野古移設に反対する稲嶺市長が誕生し、再編交付金が打ち切られたことは記憶に新しい。名護漁協の同意は1950年代の「島ぐるみ土地闘争」における久志村辺野古(当時)を想起させる。辺野古の地主は56年12月、米軍と土地賃貸借契約を結び、これを契機に土地闘争は終息に向かった。キャンプ・シュワブが完成し、「辺野古社交街」はベトナム戦争当時、米兵らでにぎわった。だが、基地による経済振興は基地依存を深め、経済的自立を阻む。地域振興は各種団体が力を合わせ、協力しなければ成果が得られない。内発的でないと持続可能なものにはならないことは辺野古のいまの状態を見れば明らかである。
    ■    ■
 名護市の市街地を見渡す銭ケ森(ジンガムイ)。毎年、地元の中学校を卒業した新成人らが漢字一文字に願いを込めた「光文字」をともす。98年は「和」だった。前年に普天間の代替となる海上基地をめぐり、市民投票が行われた。条件付き反対票が、条件付き賛成票を上回ったが、地域社会に大きな亀裂が生じた。あれから約15年がたつ。政府は、生活の場であるコミュニティーをずたずたに切り裂く対立と分裂を押し付けてはならない。

*3:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/354611
(西日本新聞社説 2013年3月24日) 辺野古埋め立て 承認の見通しなき申請だ
 政府は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先に想定している同県名護市辺野古沿岸部の埋め立て申請書を、沖縄県に提出した。民主党政権が唱えた「県外移設」構想が頓挫して以来、完全に中断していた普天間飛行場の「県内移設」プロセスを、自民党政権が再び動かしたといえる。今後の焦点は、埋め立て許可の権限を持つ仲井真弘多(なかいまひろかず)沖縄県知事が、埋め立ての可否をどう判断するかである。その仲井真知事は、申請書提出を受け「県内移設は事実上無理。県外を選んで落ち着けるのが一番良いという考えに変わりはない」と語った。名護市の稲嶺進市長も辺野古への移設に反対している。
 政府がこの時期に申請に踏み切った背景には、二つの要因がある。一つは日米同盟の強化である。2月に行われた首脳会談で、安倍晋三首相とオバマ大統領は「普天間飛行場の県内移設を早期に進展させる」ことで一致した。米国の信頼をつなぎ留めるため、首相は移設手続きに着手する必要があった。もう一つは、沖縄の地方選挙にからむ政治日程だ。知事が埋め立て可否を判断するのには8カ月前後かかるとみられるが、移転先となる名護市では、来年1月ごろに市長選が予定される。政府としては、市長選で移設問題が争点化する前に、知事に埋め立てを承認してもらいたいという期待があるとみられる。しかし、現時点で政府に、知事の承認を取り付ける目算があるとは思えない。つまり今回の申請は、沖縄の理解を得る見通しのないまま、日米関係や政治情勢を優先させた姿勢の表れといえそうだ。これでは見切り発車ではないか。政府の頼みの綱は仲井真知事だ。政府と自民党は、知事を「県内移設容認」に転じさせるため、基地負担軽減と振興策をテコに、政府方針への理解を求めていく方針とみられる。具体的には同県内の米軍嘉手納基地以南の基地について、米国と協力して返還を急ぐ方針だ。しかし、辺野古移設に対する沖縄の反対は依然強い。1月には沖縄県内の全市町村長の連名で「県内移設断念」を求める建白書を安倍首相に提出したばかりだ。知事が独断で申請を承認するのは難しい状況といえるだろう。
 法的には、知事が申請を不承認にしたとしても、特別措置法制定や代執行などの方法を用いて、国の判断で埋め立て工事に着手することも可能である。しかしそんなことをすれば、政府と沖縄の亀裂は決定的になる。日米同盟の運営にも悪影響を及ぼすのは必至だ。強権的な手法は使うべきではない。政府は、普天間飛行場の辺野古移設が極めて困難になっているという現実を直視すべきだ。そのうえで、打開策を一から考える必要がある。不自然な法的手段や懐柔策で強行突破をはかってはならない。政府の都合で沖縄を動かそうとしても、混乱を招くだけだ。

*4:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2424905.article.html
(佐賀新聞 2013年3月26日)辺野古埋め立て申請に抗議 / 名護市議会が意見書
 沖縄県名護市議会は26日、沖縄防衛局が提出した米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に向けた埋め立て申請に抗議する意見書を賛成多数で可決した。意見書は、仲井真弘多知事が県外移設を求め、県内全41市町村長らが安倍晋三首相に県内移設断念を求める建白書を提出したのに、申請に踏み切った政府の行為は県民を愚弄するものだと指摘。埋め立て申請や移設計画の撤回、普天間飛行場の即時閉鎖を求めた。沖縄防衛局は22日に県北部土木事務所に辺野古沿岸部の埋め立て承認申請書を提出。県は25日から形式審査を開始した。

| 辺野古・普天間基地問題::2012.2~2015.3 | 10:28 AM | comments (x) | trackback (x) |
2013.2.3 沖縄県に対する態度はやはり差別であり、普天間基地は県外移設することが必要だ。
             
        沖縄県の全市町村が普天間県外移設・オスプレイ配備撤回を求めて東京で大集会

 「普天間移設問題は民主党の鳩山政権時代に迷走した」という表現自体、「沖縄に基地を押し付けたいのに、鳩山氏が変なことを言って台無しにした」という意味であり、沖縄の人の心情を理解しない差別的な発言である。逆の立場になって考えれば、これを理解することは容易だろう。そのため、全沖縄として、下の*1~*5のように、建白書を提出して沖縄が決意を表明したのは、よいことだと思う。

 そして、現在は、沖縄近海には、地下資源、水産資源などの未利用資源が豊富であるため、普天間基地を撤去してその土地を計画的に開発すれば、沖縄は、振興策を持っていくどころか、我が国のエンジンの一つになりうる(このブログの2012.4.1参照)。それにもかかわらず、いつまでも40年前の枠組みを踏襲し続けようとするのは、思考停止状態と言わざるを得ない。

 また、基地は、不幸にも戦争になった場合には、味方が戦いやすく、敵の攻撃には被害を受けにくい場所に置くことが必要である。従って、基地の適地は、人口が密集している普天間や近隣に化学工場が集っている岩国ではない。従って、40~60年前に基地にされた場所でも、今では移転すべき場所が多い。これが、基地再編の必要性である。

 そうなると、2012.11.19に、私が、このブログに記載したとおり、九州の人口希少な場所に基地を移設し、地理的視点からは南西諸島の防衛強化を行うのが理にかなっている。なお、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについては、私も2012.7.21にこのブログに記載したとおり、どういう目的でも飛べるので、訓練ルートが日本の陸地上空であることに恐ろしさを感じている。

*1:http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-01-30_44628
(沖縄タイムス 2013年1月30日) 南西諸島の防衛強化 防衛省
 防衛省は29日に閣議決定した2013年度予算案で、自衛隊の南西諸島地域の防衛力強化で航空自衛隊宮古島分屯基地のレーダーを新たに換装する約45億円や、南西諸島で航空機やレーダーを新たに運用する基盤など空自の運用体制調査・研究費5千万円を計上した。自衛隊へのオスプレイをはじめとするティルト・ローター機の導入可能性調査費(800万円)や、与那国島への沿岸監視部隊配置に向けた62億円も盛り込んだ。
 宮古のレーダー更新は概算要求には入っていなかったが、尖閣諸島を抱える南西諸島周辺で中国による領空侵犯事案が増加傾向にあることを背景に、従来予定していた更新を前倒しする。既存の設備(FPS2)は1970年代に導入されており、新たにレーダーFPS7に換装することで、より遠くの小さな対象を発見することが可能となる。
 空自の体制強化に向けた調査・研究は(1)空中レーダーの調査(2)先島地域での航空機、レーダー運用(3)通信環境調査-など。同省は「離島での自衛隊機の運用は特定の島を念頭に置いていない」としている。尖閣諸島問題に対応するため運用が増えている早期警戒管制機(E767)と早期警戒機(E2C)の燃料費や修理費などで計135億円を確保。
 そのほか、空自那覇基地の戦闘機部隊の2個飛行隊化に向けた施設整備費に34億円、同基地での早期警戒機のメンテナンスなどのための施設整備費に3億円、南西諸島での陸上自衛隊の部隊新編の調査費に5千万円をそれぞれ充てる。

*2:http://www.373news.com/_column/syasetu.php?ym=201301&storyid=46058
( 南日本新聞 2013年1月30日) 「全沖縄」の訴え] 米軍基地の負担軽減を
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)のMV22輸送機オスプレイの配備撤回と普天間飛行場の県内移設断念を求め、沖縄県内41市町村全ての首長や議長ら約140人が上京し、政府に基地負担の軽減を訴えた。1972年の沖縄復帰後最大規模の要請団である。那覇市の翁長雄志市長ら代表は、安倍晋三首相に面会し、全市町村長の署名が入った「建白書」を手渡した。政府は沖縄の民意を重く受け止めなければならない。建白書は、開発段階から事故が相次いだオスプレイを沖縄に配備したことを「県民への『差別』以外の何ものでもない」と指摘した。基地問題は「国民主権国家の在り方が問われている」と強調している。厳しい言葉が並ぶのは、昨年10月にオスプレイが強行配備されたことに加え、米兵による犯罪が後を絶たず県民の反発が激化している表れに違いない。オスプレイ配備前に日米両政府は、可能な限り人口密集地上空の飛行を避けるなどの安全策で合意していた。しかし、県の集計では、昨年10月からの2カ月で合意に反した飛行は318件に上る。県民が怒るのも無理はない。
 建白書を受け取った安倍首相は「沖縄の負担軽減は日米安全保障上からトータルで考えて対応したい」と答えたが、オスプレイや普天間移設に関する具体的な言及がなかったのは残念だ。首相は来月2日、第2次安倍内閣発足後初めて沖縄訪問し、仲井真弘多知事と会談する。下旬の日米首脳会談をにらみ、普天間問題の進展を目指す考えだ。オスプレイ問題と併せて真摯に地元の意見を聞いてほしい。普天間移設問題は民主党の鳩山政権時代に迷走した。安倍首相の沖縄訪問を、首相サイドは「(民主党政権で)損なわれた信頼関係を再構築するための第一歩とする」と意義を強調する。ただ、安倍政権は普天間飛行場を名護市辺野古沖に県内移設する方針を変えていない。県民の理解を得るのは難しいだろう。
 政府内には、2013年度予算案で3000億円規模の沖縄振興予算を確保したことから「基地問題を話し合う環境が整った」と期待する声もある。だが、予算をばらまいて懐柔するようなやり方は通用しない。保守・革新を超えて政治家が参加した要請行動は、「オール沖縄」の民意の表れとして認識すべきだ。安倍政権は、沖縄県民の納得を得られる新たな基地政策を提示する必要がある。

*3:http://peacephilosophy.blogspot.jp/2013/02/abe-denies-discrimination-against.html 建白書
 内閣総理大臣 安倍晋三殿 2013年1月28日
 われわれは、2012年9月9日、日米両政府による垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの強行配備に対し、怒りを込めて抗議し、その撤回を求めるため、10万余の県民が結集して「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」を開催した。にもかかわらず、日米両政府は、沖縄県民の総意を踏みにじり、県民大会からわずかひと月もたたない10月1日、オスプレイを強行配備した。沖縄は、米軍基地の存在ゆえに幾多の基地被害をこうむり、1972年の復帰後だけでも、米軍人等の刑法犯罪件数が6千件近くに上る。沖縄県民は、米軍による事件・事故、騒音被害が後を絶たない状況であることを機会あるごとに申し上げ、政府も熟知しているはずである。
 とくに米軍普天間飛行場は市街地の真ん中に居座り続け、県民の生命・財産を脅かしている世界一危険な飛行場であり、日米両政府もそのことを認識しているはずである。このような危険な飛行場に、開発段階から事故を繰り返し、多数にのぼる死者をだしている危険なオスプレイを配備することは、沖縄県民に対する「差別」以外なにものでもない。現に米本国やハワイにおいては、騒音に対する住民への考慮などにより訓練が中止されている。沖縄ではすでに、配備された10月から11月の2カ月間の県・市町村による監視において300件超の安全確保違反が目視されている。日米合意は早くも破綻していると言わざるを得ない。その上、普天間基地に今年7月までに米軍計画による残り12機の配備を行い、さらには2014年から2016年にかけて米空軍嘉手納基地に特殊作戦用離着陸輸送機CV22オスプレイの配備が明らかになった。言語道断である。
 オスプレイが沖縄に配備された昨年は、いみじくも祖国日本に復帰して40年目という節目の年であった。古来琉球から息づく歴史、文化を継承しつつも、また私たちは日本の一員としてこの国の発展を共に願ってもきた。この復帰40年目の沖縄で、米軍はいまだ占領地でもあるかのごとく傍若無人に振る舞っている。国民主権国家日本のあり方が問われている。
 安倍晋三内閣総理大臣殿。
 沖縄の実情をいま一度見つめていただきたい。沖縄県民総意の米軍基地からの「負担軽減」を実行していただきたい。以下、オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会実行委員会、沖縄県議会、沖縄県市町村関係4団体、市町村、市町村議会の連名において建白書を提出致します。
1.オスプレイの配備を直ちに撤回すること、及び今年7月までに配備されるとしている12機の配備を
  中止すること。また嘉手納基地への特殊作戦用垂直離着陸輸送機CV22オスプレイの配備計画
  を、直ちに撤回すること。
2.米軍普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設を断念すること。

*4: http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-202155-storytopic-11.html
(琉球新報社説 2013年2月3日) 安倍首相来県 これが建白書への回答か
 オール沖縄の東京要請行動で県内首長らが安倍晋三首相に直接手渡した建白書への回答が、これなのか。本当に熟慮したのだろうか。安倍首相は第2次安倍内閣発足後、初めて沖縄を訪れ、仲井真弘多知事と会談した。その中で首相は2013年度予算案編成で沖縄側の要望に応えたことを示し、米軍普天間飛行場の辺野古移設推進に理解を求めた。オスプレイ配備についても「訓練をなるべく県外へ移す努力をする」と述べるにとどまった。振興策と引き換えに基地を押し付ける。安倍首相は、古い自民党の政治手法を復活させるのか。
 首相は、沖縄が振興策で容認に転じると思わない方がいい。先の衆院選沖縄選挙区では自民党候補の4氏も、県内移設反対を掲げて当選した。沖縄は後戻りしない。沖縄が訴えているのは、国土面積の0・6%しかない島に過重な基地負担を強い、民意が拒否するものを押し付けるのは差別だ、アンフェアだということだ。県民の激しい反発にもかかわらず、オスプレイが強行配備され、米兵による集団女性暴行致傷事件、住居侵入中学生傷害事件が立て続けに起きた。建白書は、こうした米軍の傍若無人な振る舞いや事件事故に苦しむ沖縄の状況に触れ、オスプレイ配備撤回と普天間飛行場の県内移設断念を求めている。沖縄の切実な訴えを一顧だにせず、“満額予算”を手土産のごとく誇示し、首相がもし県民の共感を得られると考えるのなら、見当違いも甚だしい。
 首相訪米を前に、米国は同飛行場移設問題で「具体的な成果」を求めているとされる。首相は沖縄を説得できる可能性がないことを米国に伝え、県外移設にかじを切るべきだ。知事にも注文したい。国と密室での会談に応じるべきではなかった。「しっかりと意が通じるため」(県幹部)と言うが、同飛行場の移設問題は条件闘争ではないはずだ。交渉の余地ありとの誤ったメッセージを国に与えかねず、全国に対する情報操作に使われる恐れもある。もっと指導力を発揮できるはずだ。第三者的な物言いでなく、民意の代弁者として主体的に普天間の閉鎖・撤去、県外・国外移設を求める。政権へ復帰した自民党に対し、もはや県内移設はあり得ないと説得する。それが知事の使命だとあらためて銘記してほしい。

*5:http://mainichi.jp/opinion/news/20130203k0000m070102000c.html
(毎日新聞社説  2013年2月3日) 普天間問題 沖縄の声に耳を傾けよ
 安倍晋三首相が就任後初めて沖縄を訪問し、仲井真弘多知事と会談した。民主党政権下で悪化した関係修復を図り、今月下旬の日米首脳会談に向けて米軍普天間飛行場の移設問題で意見交換するのが目的だった。知事は会談で、普天間移設について「県民には県外へという強い願いがある。願いに沿う形で解決してもらえればありがたい」と県外移設を要求した。これに対し、首相は「普天間の固定化はあってはならない」としつつ、「米国との合意の中で進めていきたい」と述べ、名護市辺野古への県内移設に理解を求めた。
 移設先をめぐる沖縄と政府の対立の構図は政権交代後も変わらない。一方、首相は、沖縄振興費について、沖縄の意向を踏まえ、来年度予算案で満額の3001億円とし、那覇空港第2滑走路の工期を予算の拡充によって当初計画から前倒しすると説明した。知事は謝意を示した。
 日米両政府の普天間返還合意から4月で17年となる。政府はこの長い年月から教訓をくみ取り、沖縄に対する今後の対応に生かすべきだ。
 第一は、普天間返還に伴う代替の施設という理由であっても、沖縄県内に新たな基地を建設することは至難ということだ。その背景には米軍基地の過重負担がある。沖縄の本土復帰以降、本土の米軍基地は約65%削減されたが、沖縄では約15%減にとどまった。沖縄の基地の比重が高まり、国土面積比0・6%の沖縄に在日米軍全体の施設面積の約74%が集中する。先月末、東京都内で、沖縄県の市町村長らが垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの普天間配備撤回と、普天間の県内移設断念を求める集会を開き、「建白書」を首相に提出した。県内全市町村の代表がそろって東京で集会を開くのは異例のことだ。基地問題の深刻さを象徴している。日米両政府が合意している米空軍嘉手納基地以南の基地施設・区域返還を早急に具体化すると同時に、本土への基地・訓練の移設・移転が必要だ。本土の自治体、国民にはこれを引き受ける覚悟が求められる。
 第二は、普天間問題で沖縄が当事者として参加する協議機関を設けることである。日米両政府の合意を沖縄に強いるやり方はもう通用しない。辺野古への移設に必要な、知事への公有水面の埋め立て申請を強行するようなことは避けなければならない。
 そして、第三は、沖縄振興策など基地を抱える自治体への経済支援と引き換えに基地負担を押しつける古い手法から脱却することである。
 沖縄の基地負担は限界を超えている。安倍首相には、沖縄の「叫び」に真摯に耳を傾け、基地問題、普天間問題に取り組んでもらいたい。

| 辺野古・普天間基地問題::2012.2~2015.3 | 02:07 PM | comments (x) | trackback (x) |
2012.11.19 日米安全保障条約・日米地位協定、基地問題の解
     (出典:2012年11月19日沖縄タイムス)
            
 日米安全保障条約のポイントは、*1のとおりである。それに対し、*2、*3、*4のように、沖縄では基地の集中的負担と危険性に不満があり、日米双方で「地位協定の改定が必要」と認識するに至った。

 しかし、*1の③のように、日米安全保障条約は、1970年6月23日以後は、両国のいずれでも終了の通告をすることができ、その場合には通告後1年で終了することができる。では、日米安全保障条約はいらないのかと言えば、日本の軍備や危機管理能力は、まだ信頼に耐えない程度のものであるため、日本の都合から考えても日米安全保障条約は必須であると、私は思っている。

 「軍備があるから戦争が起こるのか?」と言えば、永世中立国のスイスでも軍備は持っており、尖閣諸島の事例を見れば、背後にアメリカ軍の力があるからこそ、中国が、あの程度で収まったことがわかる。つまり、平和を維持しながら領有権を主張するためにも、軍備や日米安全保障条約は必要なのだ。

 そのため、1)これまで沖縄に過重の基地負担を強いてきたこと 2)本土及び沖縄で、40~60年前には人家が少なく基地として適地であった場所でも、現在では、人家や化学工場等が密集して基地に適さなくなった場所が多いこと 3)基地は、迷惑施設として置いてくれる場所に置いてもらうより、戦争になったら戦いやすい場所に配置しなければならないこと 4)日米地位協定を見直して一歩前進させたいこと などの理由から、九州や日本海側などに、必要な自衛隊基地を充実し、そこにアメリカ軍も駐留してもらうのがよいと、私は思っている。その時、基地に上がるのは、星条旗のみではなく日章旗もであり、日米地位協定の問題も解決する。

 なお、それでも、沖縄の地理的位置は重要である。しかし、それは普天間基地を辺野古に移設する方法ではなく、すでに滑走路のある離島に移設する方法が、基地周辺の住民に騒音・振動・危険などの被害を与えず安上がりであるため、よいと思う。その離島の住民は、沖縄本島や他の島に移住したければしてもよいし、その島に残って事業をしたければしてもよいという形で保証すればよい。ちなみに、漁業者はどの島から出港しても漁場に行けるし、農業者・その他の事業者も必要な時に船で通えば事業の継続は可能である。また、離島の中には、人口や子どもの数が減り、教育インフラや医療・介護インフラに不自由する場所も多いので、島の住民を合併すれば、住民サービスを向上させることもできる。

*1:http://100.yahoo.co.jp/detail/%E6%97%A5%E7%B1%B3%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BF%9D%E9%9A%9C%E6%9D%A1%E7%B4%84/ [日本大百科全書]
「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」(=日米安全保障条約)
(ポイント)1960年(昭和35)1月19日に署名され、同年6月23日に発効した。条約のほかに、合衆国の軍隊の地位に関する協定(日米地位協定)をはじめ、交換公文、合意議事録が、これに付属している。現行の条約は1960年の「安保改定」によって、旧安保条約(1951年9月8日調印、52年4月28日発効の「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約」)に代替したものである。その主な内容は、以下のとおりである。
①第6条で、米軍は日本における施設・区域の使用を許され、日本はこれを無償で提供すべき義務を
  負うとされる。日本が米軍に基地を供与する目的として、「日本国の安全に寄与し、並びに極東に
  おける国際の平和及び安全の維持に寄与するため」と規定されている。米軍の基地維持の目的が、
  日本の防衛のみに限定されているのではなく、広く極東の平和の維持に及んでいることから、この
  規定は「極東条項」とよばれている。
②第3条で、「武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力」を維持し発展させることを定め、さらに第5条で
  「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃」に対しては、「共通の
  危険に対処するように行動する」ことを明示している。これによって、いわゆる相互防衛体制が構
  築されている。その運用を円滑化するために、両国は、随時協議するものとされ(4条)、そのため
  に、閣僚級で構成される「日米安全保障協議委員会」、次官級の「日米安全保障高級事務レベル
  協議」、局長級の「日米防衛協力小委員会」、「日米合同委員会」、「日米装備・技術定期協議」な
  どがある。
③発効後10年を経過した後、すなわち1970年6月23日以後は、両国のいずれでも終了の通告をす
  ることができ、その場合には通告後1年で終了することを規定している。実際には、終了の通告は
  行われず現在に至っているが、これを安保条約の自動延長または自動継続と呼んでいる。

*2:http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-11-04_41065
(沖縄タイムス 2012年11月4日) 米紙社説「地位協定の改定必要」
 米紙ニューヨーク・タイムズは3日付で「沖縄の怒り」と題する社説を掲載した。相次ぐ米兵による事件で「沖縄県民は怒りを表現する形容詞が不足する状況に達している」などと緊張の高まりを指摘した上で、沖縄の懸念に迅速に対応するには、日米地位協定の改定と在沖米軍の県外移設が不可欠とし、沖縄の異議を真剣に受け止めない米政府の対応に警鐘を鳴らしている。同紙は、相次ぐ米兵らの事件で、米軍普天間飛行場への海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備ですでに炎症を起こしていた島の緊張がさらに悪化したと指摘。一方で、在沖米軍の地理的優位性を説く日米両政府に対し、県民の見解は無関係だと受け止めているといった温度差なども説明した。
 また、2米兵暴行事件では、米当局が謝罪や夜間外出禁止を発令したものの、仲井真弘多知事は日本の司法制度下での裁判を可能にする日米地位協定の改定を求めていると指摘。こうした要請に対し「米国防総省は抵抗するだろう」との同紙の見解を示した上で、地域の安定に在日米軍の継続的駐留の重要性を主張する米政府は「沖縄の正当な懸念に迅速に対処する必要がある」とした。米軍をより厳しい監督下に置くだけでなく、在沖米軍を日本本土やハワイ、グアムなど県外へ移動させる必要があるとの主張を展開し、日米両政府は、沖縄が唱えている異議を真剣に受け止める必要性があると説いた。社説は、9月に掲載された「沖縄のオスプレイ」を執筆したアンドリュー・ローゼンタル論説委員が執筆した。

*3:http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh201211040073.html 
(中国新聞 2012/11/4) 繰り返される米兵事件 地位協定 今こそ改定を 
 一体、いつまで繰り返されるのだろう。沖縄でまた、米兵による暴力事件が起きた。おととい未明、米軍嘉手納基地の米兵が住居に侵入し、中学生を殴ってけがを負わせた。先月も集団強姦(ごうかん)致傷の疑いで米兵2人が逮捕、送検されたばかり。これを受け、在日米軍は夜間外出禁止令を出していた。相次ぐ事件に県民の我慢と怒りは頂点に達している。だが政府や米側の受け止めは深刻さに欠けているとしか見えない。野田佳彦首相は「極めて遺憾」と型通りのコメントをし、抗議を受けたルース駐日米大使は陳謝した。つい先日も目にした光景ではないか。基地がある限り、住民に安心はないのだろうか。事件の前、米兵は酒に酔い、居酒屋に現れた。店にいた人から外出禁止の時間帯だと指摘され、逆上したという。外出禁止令が徹底していないのは明らかである。米軍は綱紀粛正、再発防止を強調するが、兵士の意識が変わらなければ、むなしく響くばかりだ。事態の根底に、日米地位協定があるのではないか。米軍人は公務外に罪を犯しても基地内に逃げ込めば原則、起訴まで日本側に身柄を引き渡されない。「協定が諸悪の根源」「沖縄は米兵にとって治外法権的空間になっている」。沖縄県の仲井真弘多知事が憤る。中学生を暴行した後、米兵は転落して負傷し、米軍基地内の病院に運ばれた。沖縄県警が捜査しているが、協定が壁となって身柄は確保できていない。藤村修官房長官は「起訴前の身柄引き渡しを要請する必要はないと考える」と語った。凶悪犯罪ではないことや、米軍が捜査に協力的というのが理由のようだが、住民感情と懸け離れた甘い認識といえよう。先月の事件の際も、仲井真知事は日米地位協定の抜本改定を強く求めた。だが官房長官は、改定ではなく運用面での見直しで、との考えを示している。協定の見直しに動こうとしない消極性に、事件が起きても受け身のまま幕引きを図ろうとする弱腰ぶり。こうした政府の姿勢が米側に甘く見られてきた要因にも思えてくる。米軍に特権的な身分を保障する地位協定。ドイツや韓国では改定により、基地内の環境汚染などについて立ち入り調査の権限が認められている。一方、日本ではこの半世紀余り、一度も改定されていない。「不平等」との批判に応え、日本側から声を上げるべきだ。
 米軍普天間飛行場に強行配備された垂直離着陸輸送機MV22オスプレイにも、県民は不信を募らせている。ヘリモードのまま市街地上空を飛ぶなど運用ルール違反が相次ぐ。騒音防止協定で制限する午後10時以降の飛行も確認されたからだ。おとといの全国知事会議で、首相はオスプレイ訓練の本土分散に協力を求めた。山口や静岡県の知事が「不明な事柄が多すぎる」「いきなりで一方的な通告に驚愕する」と反発するのも無理はない。自国の女性や子どもが傷つけられ、危険にさらされている。由々しき事態なのに、政府はどこを向いているのか。腹を決めて米側と渡り合うときだ。実効ある対策を引き出し、国民を守らなければならない。

*4:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-198835-storytopic-11.html
(琉球新報社説 2012年11月5日) 軍用地契約拒否 「我慢の限界」の民意映す  
 まさに「我慢の限界」が示される場となった。今年5月15日で国の使用期限が切れて暫定使用となっている県内の米軍16施設の一部土地(所有者107人、194筆、約30万2643平方メートル)の強制使用手続きに関して、県収用委員会(當真良明会長)が開く公開審理が1日から始まった。「国のために長い間、協力してきた。だが沖縄はいつまでもいじめられている」。嘉手納弾薬庫に土地を有する男性(51)は、長年にわたる基地の過重負担への怒りをぶつけた。この男性のように、今回の特徴は、20年前は賃貸借契約に応じた地主が拒否に転じたことだ。対象107人の中には、20年の間に所有者となった反戦地主や一坪反戦地主が20人余り含まれるとみられるが、多くは従来「反基地」から距離を置いていた人たちだ。後を絶たない米軍基地・米兵絡みの事件事故、依然続く普天間飛行場の県内移設計画、「欠陥機」オスプレイの強行配備…。県民の尊厳と人権を踏みにじるような横暴がまかり通っている現実。契約拒否に転じた地主の訴えは、もうこれ以上基地の犠牲にはなりたくない、子や孫の時代に基地を残したくないという多くの県民の切実な思いとも通底する。
 沖縄防衛局は土地の継続使用の理由について、米軍の安全保障上の役割を強調し、米軍の活動の基礎となる施設・区域を提供することは日米安保条約上の義務、などと説明している。しかし、その論拠がいかに空疎で欺瞞(ぎまん)に満ちているかを、県民は肌で感じている。「安保」は守るが、市民のささやかな生活、権利を守れない「公僕」とは何なのか。防衛局は、米軍駐留やその施設は「今後相当期間にわたる」とし、16施設とも一律に10年の使用を求めている。普天間飛行場内の土地も含まれるが、普天間関連では昨年9月の県収用委員会では8年使用期間申請に対して4年の裁決だった。「世界一危険な飛行場」の長期使用は認められないというのが理由だ。県収用委には切に望む。普天間飛行場をはじめ、過去に米軍車両による男児轢死(れきし)事故が起きた村道の区有地返還を求めている宜野座村城原区の例など、個々の実態に照らして十分に審理してもらいたい。単に使用期間を短縮するだけでは、地主はもちろん、もはや多くの県民も納得しないだろう。

| 辺野古・普天間基地問題::2012.2~2015.3 | 10:58 AM | comments (x) | trackback (x) |
2012.2.29 普天間飛行場及びエネルギーの転換から見たメディアの論調における思考の浅さについて (4月1日、後日談追加)
 毎日新聞だけでなく、どのマスメディアも米軍普天間飛行場の辺野古への移設問題について、同じパターンの論調で報道しており、その思考にはヒューマニズムや深い考察が感じられない。そして、政治家は、そのようなマスメディアにイメージを作られたり、扇動されたりするため、それに対応して行動しなければならず、正論のための政策論争ができずに、おかしな基準で有権者に選択されることになっていることに思いを致さなければならない。これは、我が国の“民主主義”の危機なのである。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120227-00000019-mai-pol
 <野田首相>「辺野古が唯一有効」 沖縄知事「県外」譲らず (毎日新聞 2月27日)
 沖縄県を就任後初めて訪問中の野田佳彦首相は27日午前、仲井真弘多(ひろかず)知事と県庁で会談した。首相は、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設問題を巡る民主党政権の迷走を陳謝。「日米両政府で辺野古移設が唯一、有効な方法と確認しながら進めている」と名護市辺野古への移設に理解を求めた。仲井真氏は「辺野古はものすごく時間がかかる。国内の別の地域を探した方が早い。県外移設を検討、実現してほしい」と主張し、平行線に終わった。
←批判1:野田首相は、「問題の本質は“迷走”であり、“陳謝”すれば“理解”される」と思っている点で傲慢である。つまり、反対している人が理解していないのであり、反対の原因は迷走したことであって、自分が頭を下げれば(実際には何の役にも立たない)、このような大切な問題が水に流されて要求が通ると考えるているのは、大変、相手を見下したものの考え方なのである。
←批判2:辺野古移設が唯一有効な方法だと考えているとすれば、野田首相は、思考力がないか、自分でものを考えようとしていないかであろう。。

【首相・沖縄知事会談】「移設押し付けは差別」300人抗議
←賛成:そのとおりです。よく抗議しました。

 ◇迷走を陳謝
 会談は報道陣に公開して約15分間行われ、首相は、政権交代時から鳩山政権にかけて掲げた普天間飛行場の「県外移設」を撤回したことや前沖縄防衛局長の不適切発言について「大変ご迷惑をかけ、深くおわびしたい」と頭を下げた。仲井真氏は「辺野古に戻ってきたことに党としての納得いく説明がない」と不快感を示した。
←批判3:「県外移設」の言葉を守れなかったことを陳謝し、今後とも努力することを告げるべきである。野田首相の話は論理性がなく、演説は暗記したことの繰り返しであるが、多分、筋書きは担当官僚で、自分は何も考えていないのだろう。
 
 首相は、「沖縄復帰40年にあたる今年を、沖縄振興と基地負担軽減を具体的に前進させる年にしたい。これは国の責務だ」と表明。在日米軍再編の行程表(ロードマップ)を見直し、在沖縄米海兵隊のグアム移転と沖縄県中南部の米軍5施設・区域の返還を先行する方針などを説明した。普天間飛行場については「固定化させない」と強調し、危険性の除去と抑止力維持を両立する観点から、辺野古に代替施設が必要との認識を示した。
←批判4:在沖縄米海兵隊のグアム移転と沖縄県中南部の米軍5施設・区域の返還を先行する方針はよいが、危険性除去と抑止力維持を両立する観点から考えても代替施設が辺野古にある必要はない。私は、自衛隊基地を九州及び南西諸島の排他的経済水域の国境沿いに配置して、そこに米軍も駐留させればよいと思っている。つまり、迷惑施設の押しつけではなく、本当に機動力のあるネットワークとして部隊を配置すべきである。

 また、仲井真氏が日米地位協定のいっそうの運用改善などを求めたのに対し、首相は在日米軍施設が所在する14都道県の渉外知事会と日米両政府が協議する連絡会議の再開を検討する考えを示した。同会議は08年12月以来休止しているが、藤村修官房長官も27日午前の記者会見で「日米両政府の代表や渉外知事会との連絡会議の開催を今後、米側と相談して検討したい」と述べた。
←批判5:自衛隊基地に米軍を駐留させ、星条旗を日章旗に変えれば問題は解決するが、今頃、連絡会議云々と言っているのは何故だろう?もう戦後60年以上が経ち、世の中の状況も変化しているので、アメリカも兵力と予算の削減になるのなら交渉次第だと思うが・・。
 
 沖縄振興策を巡っては、仲井真氏は野田政権が振興への知事権限を強める沖縄振興特措法改正案など2法案を策定したことや、沖縄振興予算を拡充したことを「何年来の快挙だ」と高く評価。さらに那覇空港の第2滑走路の増設計画について早期着工を求め、首相も理解を示した。
←批判6:沖縄県知事が沖縄振興予算の拡充を歓迎するのはもっともだが、「基地とは、振興予算をつけて迷惑施設として押し付けるものだ」という考え方は卒業してもらいたい。沖縄は、今やガス田の近くにある島であり、観光でも群を抜いた地域である。その資源を大切に活かし、返してもらった基地の広大な空き地を活用して発展することが飛躍への道だろう。

 首相は会談後、普天間移設に関し記者団に「沖縄振興と負担軽減を具体的に確実にやっていくことが信頼醸成、最終的な(沖縄の)理解につながる」と今後の協議に期待感を示した。だが、仲井真氏は記者団に「(県外移設の)主張を変えるつもりは毛頭ない。首相の説明は納得には今ひとつだった」と不満を示した。
←批判7:仲井真知事は頑張っているが、政府は、我が国が沖縄振興という名のバラマキで、波及効果が小さくて発展を産まない金を使うほど金が余っている国ではないことを、いつも考えておくべきである。

 首相は会談後、自衛隊機で普天間飛行場、米軍嘉手納基地(嘉手納町など)、キャンプ・シュワブ(名護市など)を、上空から視察した。
←批判8:首相は、自衛隊機で普天間飛行場、米軍嘉手納基地、嘉手納町、キャンプ・シュワブ(名護市など)だけを、案内されるままに上空から視察したのだろうか。もしそうだとすれば、あまりにも問題意識のない幼稚な行動だと思う。

 なお、私は、衆議院議員になった時には、すでに問題意識を持っていたので、2005年9月の衆議院議員当選後、2006年3月19日には“小泉チルドレン”の仲間と自衛隊機2機に分乗して、普天間飛行場、米軍嘉手納基地、嘉手納町、キャンプ・シュワブ、辺野古を見て、しらかばガス田の上空まで行き、その様子をしっかりと見てきて、2007年には、仲間とともに海洋基本法を成立させた。下の写真は、左から、行ったメンバーと自衛隊機、辺野古沖、中国が採掘しているガス田施設、尖閣諸島の魚釣島(もしくは珊瑚礁)だ。小泉首相は、「おい、危なくないかー」とおっしゃっていたが、中国側は、何もすることなく、しっかりと見せてくれた。写真一番左のメンバーの中には、現在、山口県岩国市長の福田氏も入っている。

    

後日談1:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/289765 (西日本新聞2012年3月2日)
(ポイント)米太平洋軍のウィラード司令官は1日、下院軍事委員会の公聴会で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への現行移設計画について「最善の選択肢と信じている」と述べ、早期進展に期待を表明した。またグアムへ移転する在沖縄海兵隊の総数が4700人に縮小されると明言した。米軍高官が移転規模を証言したのは初めて。

 3月2日の西日本新聞に、上のような記事が載ったが、日本政府がアメリカ政府とどういう交渉をするかによって、アメリカ政府の見解は変わる。”アメリカ政府の意向(実は、日本政府の意向が強く入っている)”を金科玉条の如く言い、何も変えられないことを前提に話を進めようとするのは、官僚の悪い癖だ。

後日談2:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2182692.article.html (佐賀新聞 2012年3月31日 海洋資源の開発強化で一致 / 経産相、沖縄知事と会談)
(ポイント)枝野幸男経済産業相は31日、沖縄県を訪問し、同県振興策をめぐり仲井真弘多知事と会談し、仲井真知事が「沖縄の海底には多くの海洋地下資源がある。(開発の)力添えをいただきたい」と支援を求めたのに対し、経産相は開発強化に取り組む方針を示した。沖縄や小笠原諸島周辺には、レアメタル(希少金属)を多く含む海底熱水鉱床や岩盤があることが判明しており、経産省は日本近海での埋蔵量の調査などを進めている。経産相は知事との会談後、記者団に対し「海洋地下資源は日本にとって重要な資源。開発がうまくいけば、最も海洋資源に恵まれた沖縄の振興にもつながる」と述べた。

3月31日の佐賀新聞に、上のような記事が掲載されたが、これができれば沖縄県にとっても我が国にとっても、Bestである。しかし、何故、今までやらなかったのだろう。私は、2005年から言っているのに。けれども、今頃言うのは遅いが、今頃でも、方針変更しないよりはよい。

| 辺野古・普天間基地問題::2012.2~2015.3 | 11:20 AM | comments (x) | trackback (x) |

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