左のCATEGORIES欄の該当部分をクリックすると、カテゴリー毎に、広津もと子の見解を見ることができます。また、ARCHIVESの見たい月をクリックすると、その月のカレンダーが一番上に出てきますので、その日付をクリックすると、見たい日の記録が出てきます。ただし、投稿のなかった日付は、クリックすることができないようになっています。
2013,03,02, Saturday
太平洋戦争の終戦から既に70年近く経ち、日本で開戦を意思決定した人たちは生きておらず、日本では、世代が変わると同時に価値観も大きく変わっている。それでも何かにつけて、韓国や中国から、太平洋戦争の歴史問題で責任を取るように、いつまでも言われるのは、理不尽だと思う。
しかし、*1のように、朴槿恵大統領は、「加害者と被害者の立場は、千年の歴史が流れても変わらない」とも強調された。それならば、今から730~740年前、高麗(当時の韓国)が元(当時の中国)と一緒になって日本の九州北部を攻撃した元寇の被害も考慮してもらいたい(笑)。対馬や壱岐などの離島では、守り切れずに住民が虐殺され、九州北部の海岸線は守りきれはしたが、金をかけて防塁を築き、戦死者も多く出したのだから。 そう言うと、韓国の人も、中国の人も、「そんな昔のこと!今とは価値観の違う時代のことで、自分は生まれていなかった時のことだ!」と言うが、それなら現代の日本人にとっての太平洋戦争もそれと同じである。すでに価値観の違う現代の世代に、「昔の世代の戦争の責任をとれ」と言われても理不尽だと思うのは同じだろう。そして、1000年~2000年の期間で考えれば、よいことも悪いことも含め、お互いにいろいろなことがあった筈だ。 *1:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013030101001450.html (東京新聞 2013年3月1日) 朴韓国大統領、日本は歴史直視を 被害の立場は千年不変 【ソウル共同】韓国の朴槿恵大統領は1日、独立運動を記念する政府式典の演説で、日韓がパートナーになるためには「日本が歴史を正しく直視し、責任を取る姿勢を持たねばならない」と述べ、竹島(韓国名・独島)の領有権や旧日本軍の従軍慰安婦などの歴史問題で対応を取るよう求めた。加害者と被害者の立場は「千年の歴史が流れても変わらない」と強調。時間の経過だけでは問題は解決しないとして、日本に早期の態度変化を要求した。朴氏が演説で問題解決が日韓関係深化の条件になるとの考えを鮮明にしたことで、日韓関係は歴史問題をめぐり緊張した状態が続くことが確実になった。 *2:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%83%E5%AF%87 (ポイント)元寇とは、日本の鎌倉時代中期に、当時大陸を支配していたモンゴル帝国(元)及びその服属政権となった高麗王国によって二度に亘り行われた対日本侵攻の呼称である。一度目を文永の役(1274年)、二度目を弘安の役(1281年)という。蒙古襲来ともいう。主に九州北部が戦場となった。(中略)元や高麗では、日本侵攻を「征東」「日本を征す」と表現し、侵攻固有の名称は特につけていない。
| 外交・防衛::2010.10~2012.12 | 01:56 AM | comments (x) | trackback (x) |
|
2012,12,24, Monday
日本が、領海侵犯や領空侵犯をされても大したことができないというのは、自らの領土を守れる主権国家ではないということで、深刻な事態だ。一方、中国は、尖閣諸島が中国の領土であることを世界に印象付けようとしているのが明らかで、軍の投入も辞さないとしているのに、日本の前政権は、尖閣諸島を国有化しただけで現状維持し、何もしない方針だった。これでは尖閣諸島が日本の領土であることを、世界にアピールできるかどうか疑問であり、ゆでガエルのように、次第に世界の世論も中国の主張どおりになるだろうと、私は思う。従って、私は、日本が実効支配を強化するのは、早い方がよいと考える。
しかし、自民党の安倍晋三総裁が、尖閣諸島の実効支配を強化するために、現地に公務員を常駐させるとした衆院選公約の実施が、メディア等の「右傾化」といういっせいの批判により、2012年12月22日に、当面先送りする方針に変更されたのは残念だ。 日本共産党(左の代表)でも、理路整然と「尖閣諸島は日本固有の領土だ」と言っているのに、そこを国有化したり、公務員を常駐させたりするから右傾化と言うのはおかしい。何故なら、それは、日本国民として普通の感性であり、普通の行為であって、右か左かというレッテルを貼ること自体がそぐわないからだ。右か左かというのは、世界で共産主義が盛んだった頃の時代遅れのレッテル貼りであり、今は、そういう時代ではないので、テーマ毎に、両方の意見の人が議論すべきである。 *1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2012121502000130.html (東京新聞 2012年12月15日)習指導部「尖閣で対日闘争続行」 外相論文 十四日付の中国共産党機関紙・人民日報は、楊潔チ(ようけつち)外相の論文を掲載し、日本政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化について「決然とした態度で日本との闘いを続ける」と強調した。論文の内容は習近平総書記をはじめとする新指導部の外交方針とされ、尖閣問題をめぐる日中の対立は長期化することが確実になった。楊外相は「わが国の領土の主権と海洋権益は断固として守る」と主張。その上で「われわれは円満な中日関係を望むが、日本政府が釣魚島(尖閣諸島)を不法に購入した問題に関しては闘い続ける」と断言した。中国側は十三日、尖閣諸島・魚釣島の南方十五キロの日本領空に国家海洋局所属の航空機を初めて侵入させ、ますます強硬姿勢を強めている。また、海洋局の監視船などが連日のように尖閣諸島の接続水域、領海を侵犯している。 *2:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121219/plc12121905070006-n1.htm (msn産経ニュース 2012.12.19)中国、尖閣など海洋権益で「軍投入の可能性高い」 防衛研報告書 防衛省のシンクタンク、防衛研究所は19日付で中国の人民解放軍と政府部門の政策調整に関する「中国安全保障レポート2012」を発表した。沖縄県・尖閣諸島周辺海域や南シナ海に監視船を派遣する国家海洋局などと軍の「連携が進展している」と分析。海洋権益をめぐり、中国は「軍を投入する可能性が高い」と指摘した。同レポートは昨年の「2011」版で、中国の軍事力が東シナ海でも向上すれば「南シナ海で見せている強硬姿勢を取り始める可能性が高い」として、中国海軍の動向を注視する必要性を強調していた。今年は初めて「軍の投入」まで踏み込んで警鐘を鳴らした。レポートは、周辺諸国が中国との係争地域に軍隊を派遣すれば、国家海洋局などが実施している権益擁護活動への支援として「人民解放軍が運用される可能性が高い」と分析。周辺諸国としては「軍が投入される状況も想定した上での対応が必要」と強調している。 *3:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/340241 (西日本新聞 2012年12月22日) 安倍総裁、尖閣公務員常駐先送り 中国へ特使派遣検討 自民党の安倍晋三総裁は22日、沖縄・尖閣諸島の実効支配を強化するため現地に公務員を常駐させるとした衆院選公約の実施を、当面先送りする方針を固めた。反発が予想される中国に配慮したためで、政権発足後には特使の派遣も検討する。対中柔軟姿勢で、尖閣国有化をめぐり悪化した日中関係の改善に取り組む意向だ。ただ「竹島の日」式典の政府主催見送りに続く後退で、保守層から公約違反との指摘も出そうだ。安倍氏は22日午前、訪問先の山口県長門市で記者団に「日中関係は極めて重要な2国間関係の一つだ。戦略的互恵関係の原点に戻れるように努力していきたい」と強調。
| 外交・防衛::2010.10~2012.12 | 04:06 PM | comments (x) | trackback (x) |
|
2012,09,29, Saturday
28日付の米ニューヨーク・タイムズ紙などに掲載された 中国が沖縄県・尖閣諸島の領有権を主張する新聞広告 中国は、何十年もかけて尖閣諸島付近を領有する準備をしており、「今が勝負の時」と認識して、国際世論を味方につけるために、*1の写真のように米ニューヨーク・タイムズ紙などに、中国が「釣魚島(沖縄県・尖閣諸島の中国名)は中国領」と題する広告を掲載しているのに、NHKの解説委員は、2012.9.29の「ニュース深読み」で、*2のように「中国についていえば、いまあんまりそんな過熱していないですよ」「尖閣に関してはね、早く解決することだけが解決法じゃない、解決しないということも解決法なんだと私は思います」などと発言しました。 もちろん、歴史的事実を国民に知らせることは大切ですが、「尖閣諸島問題は、しばらく棚上げした後、中国に譲れ」という主張でしょうか? この論調ではそうしかなりませんので、NHKは、原発の事故時はじめ、いつものとおり、のん気でぬるま湯な発言です。これでは、経済や戦争だけではなく、外交でも負けるでしょう。 なお、 NHK解説委員は、「当時は、中国は石油の輸出国です。いまのような状態だったら、石油はほしいから、いうかもしれないんですけれども、当時はそうじゃないんですね」とも言っていますが、中国は、人口10億人の経済を賄うために、春暁ガス田(日本名:しらかばガス田)付近も探査してすでに採掘しています。その時のことしか考えずにたかをくくっているのは、日本政府だけではないでしょうか。 また、*3の「中国各地で起きた反日デモは、中国の現政権への批判でもある」というような論調は日本国内でよく見かけますが、これは、反日感情を中国の政権や中国経済の不備のせいにすり替えており、中国を馬鹿にしていると思います。もし逆の立場だったら、「大国の自信と不安で反日を利用しているなんて勝手な想像だ。中国の内政のことは『いらん世話』だから、自らの過去を反省しろ」と思うのではないでしょうか。 その上、*1に書かれているように、駐米大使が記者会見で、まともに「日中間で大きな問題になっている時に誤解を与える。看過できない」と語っている時に、世界が注目するNHKや朝日新聞が、*2、*3のような報道をすれば、抗議した大使は立場がなく、2階に上がってはしごをはずされた状況でしょう。 *1:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012092900107 (時事ドットコム 2012/9/29) 「尖閣、日本が強奪」と全面広告=中国紙が米有力紙に掲載 【ワシントン時事】28日付の米紙ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストに、「釣魚島(沖縄県・尖閣諸島の中国名)は中国領」と題する広告が掲載された。広告主は中国の英字紙チャイナ・デーリー。同諸島は「いにしえより中国固有の領土であり、争いの余地なく主権を有する」と主張し、「日本が強奪した」と非難している。広告は、タイムズ紙は見開きの2ページを全て、ポスト紙は大部分を使い、尖閣諸島のカラー写真を掲載。1403年の文書に島の存在が記録され、明の時代(1368~1644年)には施政権下にあったと断定している。また、「日清戦争の結果、日本に強奪されたが、第2次世界大戦後に中国に返還された」と主張。日本政府の国有化は「中国の主権を激しく侵し、反ファシスト戦争(第2次大戦)の勝利を踏みにじるものだ」と訴えている。これを受け、在米日本大使館と在ニューヨーク総領事館はポスト、タイムズ両社にそれぞれ「事実に反する一方の主張を載せるのは不適当だ」と申し入れた。ポスト社は「広告の内容は社の立場を反映していない」と回答したという。藤崎一郎駐米大使はこの日の記者会見で、「日中間で大きな問題になっている時に誤解を与える。看過できない」と語った。 *2:http://www.nhk.or.jp/fukayomi/backnumber/120901.html (NHKニュース深読み 2012.9.29 NHK加藤解説委員の発言のみ転写) 〈NHK加藤解説委員〉あの、まず石油が出たからあそこが自分のものだと中国がいったわけではなくて、中国は、もともとあそこは自分のものだといってたと、一応主張しているわけですね。明の時代からですね、ちょっとご説明すると、 中国は明の時代からですね、自分たちが名前をつけたんだと、だから自分たちのものだといっていたんですけども、いっていたと主張しているわけなんですけども、ただ公式にですね、自分たちのものだといったというのが、なぜ1970年だったかというと。まず日本が1895年に、あそこが日本の領土であるということを宣言したわけですども、それは調べにいったらば、これを10年前ぐらいに調べてにいったんですね。誰もそこは住んでいない、誰のものでもないということがわかったので、それで95年にもうここはじゃあ、自分たちのものですと宣言したと、そのときに誰も反対しなかったから、ここは自分たちのものだということになったということでいってるわけですね。ところが、それに対して異議を唱えていなかったのに、1971年ごろになってですね、自分たちのものだといい出したっていうのは、それはきっとあそこに直前に国連が調べたらば、石油があった、どうもここにあるということが分かってきたんで、それでいったんだろうという風にこっちで想像していると。むこうが「あそこに石油がありますから自分たちのものです」と、いったわけじゃないんですね。当時は、中国は石油の輸出国です。いまのような状態だったら、石油はほしいから、いうかもしれないんですけれども、当時はそうじゃないんですね。で、1971年がどういう年かっていいますと、中国が国連に加盟した年なんです。それ以前は中国というのは、むしろ中国の、中国の代表としてね、まあ、国際的にあまり認められていなかった。日本も中国の代表というのは、台湾の国民党政府だといったし、アメリカもそういっていた。で、中国が国連に加盟し、そして日本との国光正常化交渉がはじまり、こういう状況になってきて初めて中国の、いまの中国が政府としての国際認知をされはじめるようになってきた、ということなんです。 〈加藤解説委員〉中国についていえば、いまあんまりそんな過熱していないですよ。それは確かにね、インターネットをみれば過激なことがたくさん書いてあります。でも、それが中国の全体の世論ではないです。実際に私もね、中国の最近出ている新聞を読みました。 〈加藤解説委員〉尖閣に関してはね、早く解決することだけが解決法じゃない、解決しないということも解決法なんだと私は思います。で、中国のことわざにこういう言葉があるんですよ。重い石を無理やり持ち上げようとすれば、ものすごく力がいるんです。でも、置いといたらば、力は何もいらないんです。という、ことわざがあるんですね。だから、何にもしないことが最善の策かもしれない。っていう、これ私、そういうのも知恵だと思いますよ。 *3:http://www.asahi.com/paper/editorial.html (朝日新聞社説 2012年9月29日) 日中国交40年―交流広げ、信頼立て直せ 祝賀の雰囲気はない。日中国交正常化から40周年を迎えた。だが、日本政府が尖閣諸島を所有者から買ったことに対し、領有権を主張する中国が激しい批判を続けている。中国共産党序列4位の賈慶林(チアチンリン)・全国政治協商会議主席は、訪中した日中友好団体代表らに、両国の関係を「これまでになく厳しい局面」と評した。日本でも愛読される中国の古典、論語に「四十にして惑わず」とある。ところが、同じ年月がたった日中関係は全面停滞の様相だ。日本企業は操業停止などの大きな影響を受け、さまざまな交流事業が中断した。ここまでこじれた背景には、互いの体制や文化への無知や無理解がある。野田首相は、ウラジオストクで中国の胡錦濤(フーチンタオ)国家主席と話しあった直後に尖閣諸島の購入に踏み切った。体面を重んじる中国には受け入れがたかった。中国に挑発的な石原慎太郎・東京都知事の購入計画を防ぎ、火種を取り除こうという日本政府の思惑を、「中央政府は地方政府を抑えられる」と考える中国は理解しようとしなかった。この40年の積み重ねは何だったのかと、嘆かざるを得ないような行き違いである。 ■大国の自信と不安 「中国が他人に虐げられた時代は去り、二度と戻らない。」中国のメディアではこんな論調が繰り返された。列強に踏みにじられた苦い歴史の記憶にあえて触れ、愛国意識を高めた。1972年の正常化後、最初の20年は、戦争から急速に復興した日本が、途上国・中国の成長に手を貸す構図だった。関係が大きく変わり始めたのが、90年代初めだ。日本ではバブルがはじけて経済が滞り、中国は改革開放路線をひた走って急成長期に入った。2008年の世界金融危機で景気を下支えした中国は、大国としての自信を固め、10年には国内総生産(GDP)で日本を抜いた。自信は外交の強硬姿勢となった。古代ローマや大英帝国のように、新しい大国の登場は時代の地殻変動となって、周辺や先行する大国との摩擦を生んだ。だが足元の中国社会では、貧富の格差や汚職といったさまざまな矛盾が噴き出している。コネがなければ機会さえ与えられず、年間600万人近くにもなる大学卒業生の就職難は深刻だ。成長の原動力だった人口増は急速な高齢化に転じ、社会保障の不備が目立っている。先々週末、中国各地で起きた反日デモでは、毛沢東の肖像を掲げる参加者がいた。貧しくても平等だった日を懐かしむのだろう。それは現政権への批判でもある。その共産党は11月、指導部が入れ替わる党大会を開く。だが激しい人事や路線の駆け引きが繰り広げられたとされ、大会日程の発表は大幅にずれこんだ。異常な事態だ。 ■「反日」利用はやめよ 日本が向きあっているのは、不安定さを抱えこんだまま大国になった中国だ。つきあい方は難しさを増しているのに、双方で関係を進める力が弱まっている。中国では市場経済で共産主義の理念が薄れた。共産党はかわりに経済成長と愛国主義で国内の団結を図った。党の原点は抗日戦争の勝利であり、愛国は反日の感情を強めた。折に触れて繰り返された反日デモの過激さは、日本の対中観を冷えこませた。中国指導者と個人的な信頼関係でつながる政治家の姿も見えない。だが、両国が重要な隣国同士だと言うことに変わりはない。グローバル化で日中の経済は相互依存を深め、切り離すことはできない関係だ。このまま対立が続けば、中国に進出した日本企業の損害は巨額となり、現地で働く中国人の雇用不安にもつながる。世界第2、第3位の経済大国の争いに世界も気をもんでいる。負の関係から抜け出すためには、中国での対日感情の改善が必要だ。中国にとっても、反日は反共産党に変わりかねない。外に敵を作り、中をまとめようとする手法は必ず行きづまる。中国は反日の政治利用をやめるべきだ。日本も、相手に実像を伝える努力が必要だ。総額3兆円超にのぼる対中円借款で、中国の成長の基盤づくりに尽くしたという事実も、中国ではほとんど知られていない。官民を問わず、人の交流をこれまで以上に厚くするしかない。 ■歴史と、今を見る そして日本は、歴史にしっかり向きあう必要がある。日中戦争は、日本が中国の国土でおこした。大勢の中国の人たちが犠牲になったのは、逃れようのない事実だ。浮ついた「愛国」は人々を豊かにしない。それは中国も日本も同じだ。歴史と今を冷徹に見つめ、立て直しを始めよう。
| 外交・防衛::2010.10~2012.12 | 12:12 PM | comments (x) | trackback (x) |
|
2012,09,17, Monday
日本が主張する日中国境線 2012.9.16に中国で起こったデモ (朝日新聞より) (朝日新聞より) *1、*2で明らかなとおり、中国の反日デモは、日本のメディアが自慰的に述べているような不満分子の大暴れではなく、中国政府が組織した、尖閣諸島に対する領有権と実効支配を世界にアピールするための行動である。中国が尖閣諸島の領有権を主張する目的は、地下資源と漁業資源だ。そして、この案件が、国際司法裁判所や国際連合に提出された場合でも、日本人以外は皆、「尖閣諸島は、本来、中国のものだったが、日本が無理矢理、略奪したものだ」という考えを持ち、中国に有利な裁定を下すための行動が、今、進みつつあるのだ。そのため、*3のような世界でのアピールも欠かせないのである。 日本の方は、*4のように、前任の丹羽中国大使が、公用車の国旗をもぎ取られてすぐにお祭りに出てはしゃいでいたり、後任で駐中国大使に任命された西宮氏は、任命された途端に死去するなど、情けない限りだ。つまり、体力や肝の据わり方が足りず、駐中国大使となるにふさわしくない。また、藤村官房長官の「尖閣諸島は日本の領土だ」という広報も、紙を読んでいるだけで全く眼を上げず、中国外務省の報導官と比較して、あまりにも自信がなさそうである。これでは、日本人でも、「本当にそうなのか?」と自信をなくしそうだが、現在では、放送は世界を駆け巡っていることを忘れてはならない。 私は、もう戦後は卒業したいと考えているが、中国では反日教育が徹底しており、このような大規模な愛国・反日デモが起こる下地となっている。一方で、わが国の教育は、歴史の真実を知って必要な改善をするということもなく、「全員が悪い」式の自己批判ばかりしてきたため、こういうことになっているのではないだろうか。教育の問題も、変えなければならないポイントである。 *1:http://www.nikkei.com/article/DGXNASDE10002_Q2A910C1PP8000/ (日経新聞 2012/9/10) 中国、尖閣諸島を領海の基点に 日本に対抗措置 (ポイント)中国政府は10日、中国領海の範囲を測量する基点として沖縄県の尖閣諸島など計17カ所を指定した。中国が領海の基点として具体的な緯度や経度とともに尖閣諸島を挙げたのは初めて。日本政府が同日の関係閣僚会議で尖閣諸島の国有化方針を確認したことへの対抗措置といえる。中国は3月には尖閣諸島を含む71の島に命名しており、今回の基点への指定で尖閣諸島の領有権の主張を一層強める狙いがある。中国の国営新華社によると温家宝首相は10日、北京市内で講演し「中国が半歩すら退くことは絶対にあり得ない」と強調した。楊潔●(ち)外相も10日、丹羽宇一郎駐中国大使を中国外務省に呼んで抗議した。中国外務省は「中国の主権を侵し、国民感情を著しく傷つけた。日中関係の大局を守ることに反する行為だ」との声明を発表した。中国の程永華駐日大使は10日、外務省で佐々江賢一郎外務次官に抗議した。佐々江氏は中国側の主張に「受け入れられない」と反論した。 *2:http://news.goo.ne.jp/topstories/world/893/e99803950bde04ce1520be4c6760f379.html (朝日新聞 2012年9月16日)中国漁船、尖閣周辺へ出航準備 東シナ海の休漁明ける 中国中央テレビによると、尖閣諸島(中国名・釣魚島)がある東シナ海の休漁期間が16日正午(日本時間午後1時)に明けた。初日は台風のため出航を見合わせたが、天候の回復を待って中国の漁船の船団が尖閣周辺に向かって出航するという。国営の同テレビは「釣魚島は中国のものだ!」のロゴを付けたニュース番組で報道。尖閣諸島周辺が中国や台湾の伝統的な漁場であることを強調し、漁民へのインタビューで出航の準備が整っていることを伝えた。また、農業省所属の漁業監視船を尖閣周辺に向かわせて漁船の操業の安全を確保するという。漁船や漁業監視船が尖閣周辺にたびたび現れれば、情勢が一段と緊張する可能性もある。 *3:http://www.asahi.com/special/senkaku/TKY201209160237.html (朝日新聞 2012年9月16日) 中国系米国人も反日デモ サンフランシスコで4千人行進 日本政府による尖閣諸島の国有化に抗議するデモが米国にも拡大した。中国系米国人の多いサンフランシスコで15日、約4千人がデモ行進。16日には首都ワシントンの日本大使館前やニューヨークの日本総領事館前でも抗議活動が展開された。「日本は釣魚島(尖閣諸島の中国名)から出て行け」。在サンフランシスコ日本総領事館によると、15日昼過ぎから中華街で中国系団体の代表者らが中国語で抗議の演説をした。参加者らは拡声機やのぼり、横断幕などを手にシュプレヒコールを上げた。総領事館前にも約200人が集まった。主催者に近い中国系米国人によると、240以上の団体が中国語新聞に広告を出すなどして参加を呼びかけた。その際、「(柳条湖事件の)9・18を忘れるな」と、満州事変と今回の国有化とを結びつけてあおる文言がちりばめられたという。(ロサンゼルス=藤えりか) *4:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS16010_W2A910C1PE8000/ (日経新聞 2012/9/16) 政府、駐中国大使の後任選び急ぐ 西宮氏死去 (ポイント)西宮伸一(にしみや・しんいち)駐中国大使が16日朝、東京都内の病院で死去した。60歳だった。民間出身の丹羽宇一郎氏の後任として、11日付で駐中国大使に就任したばかりだった。赴任準備中の13日に都内の自宅付近の路上で倒れ、病院に搬送されていた。政府は沖縄県・尖閣諸島の国有化を巡り中国国内で反日デモが相次ぐなど緊迫した日中関係を踏まえ、後任の人選を急ぐ考えだ。告別式の日取りなどは未定。西宮氏は1976年に外務省に入り、北米局長や外務審議官(経済担当)などを歴任した。中国での特命全権公使の経験もあり、日中関係の立て直しが期待されていた。後任を巡っては、政府内では外務次官級経験者を軸に人選を進めている。中国政府の同意を取り付けたうえで閣議決定を経て発令するため、着任時期は「ある程度の時間がかかる」(外務省幹部)見通しだ。後任大使が着任するまでは前任の丹羽氏が大使の任務を務める。
| 外交・防衛::2010.10~2012.12 | 10:46 AM | comments (x) | trackback (x) |
|
2012,08,16, Thursday
出典:NHK(下のHP)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120816/t10014309211000.html 逮捕の14人 強制送還で検討 (NHK 8月16日) 政府は、沖縄県の尖閣諸島に上陸するなどしたとして、不法入国の疑いで逮捕した、香港の民間団体のメンバーら14人について、17日にも強制送還する方向で検討しており、警察などの取り調べ状況を見ながら、最終的に判断することにしています。沖縄県の尖閣諸島を、中国の領土だと主張する、香港の民間団体のメンバーが、15日、尖閣諸島の魚釣島に上陸するなどしたことを受けて、警察と海上保安本部は、メンバーら14人全員を不法入国の疑いで逮捕しました。警察と海上保安本部は、14人を沖縄本島などに移送し、16日朝から本格的に取り調べることにしています。 ←(広津素子コメント)海上保安庁が14人全員を逮捕したのは、今回も頑張ったと思う。 これに関連して、藤村官房長官は15日夜、記者団に対し、「尖閣諸島は日本固有の領土であり、再三にわたる警告にもかかわらず、上陸したこと自体が誠に遺憾だ」と述べたうえで、今後の手続きは国内法令にのっとって、厳正、適切に行いたいという考えを示しました。 ←(広津素子コメント)「遺憾だ」というだけでは「残念だ」と言う気持ちを述べたに過ぎず、「残念だが泣き寝入りする」「残念だが折れる」などの行動もありうるため、「尖閣諸島に領土問題はない」「尖閣諸島は日本固有の領土である」と考えている以上、出るところへ出て正式に抗議すべきだ。つまり、国内でのみ言っていても仕方がないのであり、出るところへ出てきちんと抗議しなければ認めたことになるのが、国際標準である。 政府としては、平成16年3月に、中国人の活動家7人が尖閣諸島に上陸して逮捕され、強制送還された事案も踏まえて、今回の14人についても、不法入国のほかに罪を犯した疑いがなければ、17日にも入国管理局に身柄を引き渡して強制送還する方向で検討しており、警察や海上保安部の取り調べ状況を見ながら、最終的に判断することにしています。 ←(広津素子コメント)一度目と二度目の対応は異なるのが当たり前だし、何度も見逃していればそれが実績となり、日本はそれでも通る国だと思われる。このケースの場合、「強制送還」は、日本では強制送還だと言っていても、中国では「正しいことをした英雄を、日本がお送り申し上げた」と解釈し宣伝するのだから、あちら側の望むところだ。しかし、抵抗したこと(公務執行妨害)、他人の土地に無断で侵入したこと(不法侵入)、巡視船を壊したこと(器物損壊)などで粛々と起訴できるはずだし、するべきである。 8月17日追加:私は、普天間基地問題、原発問題では、琉球新報の主張を支持するが、下の記事のような主張は、日本が領土問題に対応する時に、やりにくくするので指摘しておく。 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-195791-storytopic-11.html 尖閣上陸問題 あくまで平和的解決を (琉球新報 2012年8月17日) 香港の活動家らの乗った船が日本の領海に侵入し、15日午後、尖閣諸島の魚釣島に到着、沖縄県警と第11管区海上保安本部は上陸した7人を含む14人を入管難民法違反容疑で逮捕した。14人は取り調べや検証結果を踏まえ17日夕までに強制送還か送検かの判断が行われるが、政府は強制送還の方向で調整しているという。今回の問題について、政府は厳重に抗議しつつも、平和的な解決策を貫いてもらいたい。 ←(広津素子コメント)我が国は平和憲法を持ち、戦後教育を受けた人たちが意思決定しているので、領土問題を戦争で解決しようと考えている人などいない。これは、問題解決にあたっているのが自衛隊ではなく海上保安庁(海の警察)であることからも明らかである。また、中国と戦争をすれば70~80年前とは異なり、日本が負けるに違いない状況である。この状況の下で、「あくまで平和的解決を」という見出しや「平和的な解決策を貫いてもらいたい」というコメントは、読者に変な先入観を与えている。領土を守る行為をしようとすると、身内からこの種の批判が出るようでは、日本政府は領土を守ることができない。 中略 日本の法令にのっとり、厳正に対処すべきだという声もあるが、両国の領土ナショナリズムをことさら刺激しないよう配慮も必要だ。与野党に「弱腰外交」を批判し、毅然とした態度を示すべきだとする向きがある。ただ、ここで過剰に反応し、日中関係が一触即発の事態に発展することは避けねばならない。政府には粛々とした対応を求めたい。 ←(広津素子コメント)中国は、「尖閣諸島は中国の領土だ」と内外に向けて主張しており、それだからこそ、中国国民が大手を振って尖閣諸島に上陸しているのである。そして、中国のこのアピールは、長期的には尖閣諸島が中国の領土だと世界に印象付ける役割を果たしており、そうなってしまってから国際司法裁判所に訴えても意味がないのである。そのため、このような場合に日本が自国の領土であることを毅然として主張しなければ、「尖閣諸島は日本の領土だ」というのは日本に大儀がなく、中国が何とか取り返そうとしているかのように世界には見えるのだということを考慮すべきである。また、ここで日本が毅然とした態度を示せば日中関係が一触即発の事態に発展するというのもおかしい。それでは、中国こそ主権の侵害を武力で行う国なのだから、日本は国連に訴えるなりその他の必要な手続きをとるなりすべきなのである。そして、私は、この主張に対しては、日本の共産党議員であれ、社民党議員であれ、反対しないと思う。むしろ、世の中が変わったのに、いつまでも昔の構図で闘わせるべきではない。 今回の上陸について、尖閣列島戦時遭難者遺族会の慶田城用武会長は「遺族が求めるのは尖閣諸島が平穏であること。日中が互いに主張をエスカレートさせ、変な方向に行ってしまう気がしている。外交で平和裏に解決してほしい」と語った。日中関係をこれ以上悪化させないでほしい、という率直な声で傾聴に値する。 ←(広津素子コメント)繰り返し言うが、日本には、現在、領土問題を戦争で解決しようと思っている国会議員はいない。しかし主権国家として、あらゆる方法を使って守るべき領土は守るのが当然である。琉球新報は、ゆで蛙のようにして、日本が自ら領土を放棄することを薦めるつもりなのか? 日中両政府は、これまで尖閣諸島の問題を事実上棚上げしてきた。ここへきて、それぞれの主張をエスカレートさせるのは外交の失敗と言えよう。外務省は事態の沈静化に努める一方、見解の相違を埋めていけるような外交戦略を練り直すべきだ。尖閣問題をこじらせて、日中が武力衝突する事態は絶対にあってはならない。場合によっては国際社会にも見える形で正々堂々と外交交渉に乗り出し、領有権をあらためて主張することも、選択肢として検討する時期ではないか。 ←(広津素子コメント)弱腰でない毅然とした外交交渉でやるしかないのに、「尖閣問題をこじらせて、日中が武力衝突する事態は絶対にあってはならない」などと身内がありもしないことを主張して、対応や外交交渉をやりにくくするのは問題である。なお、中国も遊び半分でやっているのではなく、資源を狙って本気で領有権を主張する準備を着々と進めているのであるから、見解の相違が埋まることはないだろう。棚上げしているうちに時が経ち、中国の経済力が増すほどに、アメリカも日本側に立つことには慎重になり、国連のアフリカ諸国は中国側になるだろう。つまり、外交も闘いであり、生易しくはないのである。 8月18日追加①:言ったとおりでしょう。日本人も「学習」と最新の状況に基づいた「応用」ができないと駄目です。また、下の状況は、同行した香港の記者によって英語で世界に報道されたと思います。つまり、(日本の外務省は骨なしですが)、本来は、外交もシビアな闘いであり、戦略もなくその場しのぎを続けてきた我が国は負けそうなのです。 http://dailynews.yahoo.co.jp/photograph/pickup/?1345246888 <尖閣上陸>強制送還された活動家7人が香港到着 (ポイント)「強制送還」された活動家7人が香港国際空港の到着出口に着き、支援者から帰還を祝して花輪を贈られた。そして、中国国旗を手に「釣魚島を守れ」とシュプレヒコールを上げた。 香港国際空港で2012年8月17日、大谷麻由美さん撮影 8月18日追加②:長いので、ここには前文のみしか引用せず、残りは下の「続き▽」という箇所をクリックすると出てきますが、下記の共産党の見解は全くそのとおりだと思います。日本政府の曖昧な態度を見ていると、私でさえ、我が国は日中国交正常化のために、尖閣諸島の領有権を中国に譲ったのではないかと危惧します。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-08-18/2012081803_01_0.html 尖閣問題 いま必要なことは 沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の魚釣島に15日、自称中国籍の活動家ら14人が上陸、入管難民法違反容疑で逮捕後、17日、強制送還されました。日本共産党は2010年10月、「尖閣諸島問題 日本の領有は歴史的にも国際法上も正当」との見解を示し、「何よりも重要なことは、日本政府が、尖閣諸島の領有の歴史上、国際法上の正当性について、国際社会および中国政府にたいして、理を尽くして主張することである」と指摘しました。日本政府は「努力する」との答弁にもかかわらず、その形跡はみられません。そして、今日問題が大きくなっています。いまこそ、冷静に理を尽くして日本の領有の正当性を堂々と説くべきです。 8月19日追加:香港の放送を見て、中国でツイッターによるデモが始まりましたが、そもそも「日本に対する根強い不満」の理由をもう解決すべき時ですし、「ガス抜き」として楽観的に見るのも安全神話であり、何かがあったら想定外になるのではないでしょうか。 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012081901001054.html (東京新聞 2012年8月19日)尖閣めぐり中国各地で反日デモ 日の丸燃やし抗議 【深セン、杭州共同】香港の活動家らが上陸した沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の中国領有権を訴える反日デモが19日、広東省の深セン、広州や浙江省の杭州、温州、四川省成都など中国の各都市で多いところで数千人が集まって行われ、参加者は日の丸を燃やしたり、日本料理店のガラスを割ったりして抗議した。中国での大規模反日デモは、2010年9月の尖閣諸島付近での中国漁船衝突事件を契機に発生して以来。最高指導部が交代する共産党大会を秋に控え、当局はデモが暴徒化しないよう警備態勢を強化する一方、制御可能な範囲内で認め、日本に対する根強い不満の「ガス抜き」を図った。 「日本を倒し、釣魚島を守れ」などの訴えを掲げ、中国・深センで行われた反日デモ=19日(共同) 8月20日追加:中国が反発するからといって、「尖閣諸島に領土問題はなく日本の領土だ」と言ってきた政府が、くだらない書類の不備を指摘して日本人の上陸を妨げるのはおかしい。これでは、日本国民の間にも「本当に尖閣諸島は日本の領土なのか?何か密約でもあるのではないか?」という疑問を引き起こしてしまう。そのため、日本政府は、日本の領土としている場所については、日本国民に対してもその根拠をきちんと説明しておくべきだ。なお、「尖閣諸島は日本の領土だ」という認識には、表向き政党間の違いはない。 http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2270284.article.html (佐賀新聞 2012年8月20日)都が政府に尖閣上陸申請 / 内容不備で受理せず 藤村修官房長官は20日午前の記者会見で、沖縄県・尖閣諸島の購入を計画している東京都が、17日夜、政府に対し上陸申請を提出したと明らかにした。政府は、書類に上陸予定者や日時が記載されていないなどの不備があったとして受理せず一時預かりとした。政府は尖閣国有化方針を堅持しているものの難航は必至。領有権を主張する中国側の反発も避けられない。香港の活動家や日本の地方議員らの上陸が相次ぎ日中間の対立が先鋭化する中、野田佳彦首相は一層難しい対応を迫られそうだ。 続き▽
| 外交・防衛::2010.10~2012.12 | 07:58 PM | comments (x) | trackback (x) |
|
2012,07,21, Saturday
オスプレイの予定訓練ルート オスプレイの機体 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについては、その危険性や機体の完成度の低さにより、*1、*2などの反対論がある。しかし、私は、それに加えて、上の写真のように訓練ルートが日本国内を飛び回ることに、下の理由で反対である。 1)日本の制空権は日本にあるので、いくら同盟軍でも自分の国のように日本の低空をアメリカ軍の ヘリが飛び回るのを黙っていることはおかしい。逆もできないのと同じである。 2)危険は、墜落の危険だけではなく、詳細な写真による日本地図を作って利用されるということも ある。例えば、脱原発・そのほか、誰かにとって都合の悪いことを言っている団体のリーダーの 住宅を選び、そこを特定して密かに攻撃することも可能になる。 3)「訓練ルート」が次第に広がり、あらかじめ決められたコースから外れないなどという保証は全く ないし、決められたコースにあたる人もたまったものではない。 4)従って、仮にオスプレイを搬入するとしても、日本国内は海上での訓練のみに制限すべきである。 *1:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2250648.article.html 首相「地元理解に努力」 / オスプレイ岩国搬入で (佐賀新聞 2012年7月20日) 野田佳彦首相は20日、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍岩国基地(山口県岩国市)搬入日程が固まったことを受け「安全性の確認状況をしっかり地元に説明し、理解いただけるよう努力したい」と述べ、岩国市などの説得に全力を上げる考えを示した。視察先の大分県日田市で記者団の質問に答えた。 政府は、オスプレイに関する安全管理の在り方を話し合う場として、日米双方の外務、防衛当局者が恒常的に日米地位協定の運用などを協議する合同委員会を活用したい考えだ。 *2:http://mainichi.jp/select/news/20120719k0000m010071000c.html オスプレイ:与党から思わぬ反対論、政府困惑 (毎日新聞 2012年7月18日) 米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備をめぐり、政府・与党の足並みの乱れが拡大してきた。民主党の前原誠司政調会長は18日、安全確認を優先し配備を延期するよう主張。国民新党の下地幹郎幹事長はトン駐日米首席公使に、米軍岩国基地(山口県岩国市)への搬入先送りを直接要求した。与党から思わぬ反対論を突きつけられ、政府側は困惑を深めている。前原氏は名古屋市で開かれたミッドランド毎日フォーラム(毎日新聞社主催)で講演し、配備に絶対反対ではないとしながらも「安全確認が徹底され、しっかり訓練が行われなければ山口、沖縄の方々はおちおち寝られない」と指摘。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)への配備日程を「一呼吸置く」よう求めた。一方、下地氏と駐日米大使館で面会したトン公使は、既にオスプレイが米国を出港したことを挙げ「いまごろ(反対と)言われても困る」と不快感を示した。「民意軽視」と17日に野田佳彦首相らを批判した前原氏の発言にも「当惑している」と伝えた。しかし下地氏は「(配備強行は)首相を政治的に追い込む」と反論した。
| 外交・防衛::2010.10~2012.12 | 10:51 AM | comments (x) | trackback (x) |
|
2011,12,19, Monday
韓国の歴史教科書によると、「1945年の太平洋戦争終了後、朝鮮は、アメリカとソ連により38度線で
南北に分断され、統一民族国家を樹立できなかった」とされているが、現在、ソ連は、自由主義経済に 移行している。それなら、金正日総書記死去を区切りとしてなすべきは、前から朝鮮民族の悲願であっ た朝鮮民族国家を統一し、民主主義国家を建設することであろう。 それを妨げる要因として、これまで、北朝鮮の崩壊による北朝鮮からの難民流入に、中国も韓国も我 が国も対応しきれないということが挙げられてきたが、日本では、東日本大震災の津波被害により、新 たな建設工事の仕事が増加し、かつ、福島第一原発事故により、農地や森林の除染と再造成が必要 になっている。そして、予算がついた今、すでに賃金が上昇し始めている状況であるため、北朝鮮から の難民が来ても仕事を与えられる。もちろん、外国人労働者にも、日本人労働者と同様に労災は付け なければならないし、きちんとした管理をするのは当然であるが、労働者が増えることにより、賃金は、 Reasonableな範囲に抑えられ、比較的安上がりの復興ができて、我が国とってもプラスである。 従って、ベルリンの壁の崩壊同様、平和裏に朝鮮民族国家の統一ができれば言うことはないが、 最悪の事態も考えられ、韓国の李明博大統領は、すでに活動を開始しているようである。そのため、 我が国は、米韓と協力し、バックで朝鮮民族国家の統一を支援して、一時的(3~5年)には、難民 の受け皿になれるよう、粛々と準備を進めるべきである。 (以下、参考資料) http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20111219-00000871-fnn-int Yahoo Japan ニュース 金正日総書記死去 韓国の李明博大統領、米ロ首脳と電話会談 <要約> 北朝鮮の金正日総書記が死去し、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は、アメリカのオバマ大統領 に続き、ロシアのメドベージェフ大統領とも電話会談をした。李大統領は、午後3時から開いた関係閣 僚会議の席上、今回の事態で朝鮮半島の安定が脅かされてはいけないと発言をしている。 また、アメリカのオバマ大統領は、韓国の李大統領と緊急の電話会談を行い、事態の推移を見守り つつ、連携を密にしていくことで一致した。オバマ大統領は、電話会談の中で「朝鮮半島の安定と同盟 国である韓国の安全保障に対し強く関与していく」とのアメリカの姿勢をあらためて強調した。 一方、中国外務省の報道官は、記者会見で深い哀悼の意を表明したうえで、金総書記のこれまでの 業績をたたえた。中国外務省報道官は「金正日総書記は、北朝鮮の偉大な指導者であり、中国の親し い友人であり、朝鮮社会主義の発展や中朝の友好協力関係の発展に重要な貢献をした」と話した。ま た、報道官は「朝鮮人民はこの悲しみを力に変え、心を1つにして、北朝鮮の社会主義を引き続き前に 進めることができると信じている」と述べた。 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/278675 西日本新聞 今回の報道を受けて、さてあの国の何がどう変わるか、などとのんきに構えている場合ではない。 国民を窮状から救い、国家犯罪による拉致被害者を故国に帰す。国際社会の目と力をまずはそこに 向けさせるすべはないものか。政治家はこういう時のためにいる。 http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2104972.article.html 佐賀新聞 佐賀大学の森善宣准教授は、「今後の統治体制は不透明なので、韓国の動向にも注視し、今後の 日朝関係については、国交正常化交渉など、すべて仕切り直し。大統領選を控える韓国は北朝鮮と の関係改善のために弔問外交なども予想され、日本は両国の動きも注視しながら対応すべき」と話し ている。
| 外交・防衛::2010.10~2012.12 | 01:45 PM | comments (x) | trackback (x) |
|
2011,12,18, Sunday
中国漁船が韓国の排他的経済水域で違法操業を行って摘発され、これは、常習的であるとの報道が
なされている。中国は、人口が2005年時点で13.1億人おり、食料としての魚介類の需要が増加してい る中での出来事だ。 実は、日本の漁業も1980年代から90年代にかけてのピーク時と比較して、漁業生産量は約3分の 1、生産額は約半分に減少した。そのため、日本では、私が衆議院議員をしていた2005~2009年の 間に、沿岸漁業の生産量を増やすべく、下の対策を行い、少しずつ河川や海をよみがえらせているが、 過去に、心ない護岸工事が行われ、河川に堰が築かれているため、魚介類や海藻の住環境はまだ まだである。 1)イワシやアジなど資源管理すべき魚は、獲りすぎないように資源管理し、魚網の目を大きくして、 幼魚を獲らないようにした。 2)放流が効果的な魚は、放流することにした。 3)養殖の技術を上げ、安価で良質の餌を工夫して、魚介類や海藻の養殖を促進した。 4)水産関係の補助金で山の手入れを行い、山からの栄養塩が海に流れ込んで、魚介類や海藻に 必要な栄養分のある住みやすい水環境を作るように努力している。 5)藻を枯らす除草剤などの激しい農薬を禁止した。 6)漁村を優先として、全体的に下水道・浄化槽の整備を進め、河川や海に汚水が流れ込まないよう にしつつある。(福島第一原発事故で、放射能汚染水が海に流入しているのは、被害甚大・・・) このように、どの国も、努力して排他的経済水域の漁獲高を増やそうとしているので、自分の国は工業 化で河川や海を汚して資源管理も行わず、他国の排他的経済水域に漁獲に来て欲しくないのは当然で ある。中国は、国土も広く、河川も大きいし、海もあるのだから、まずは、自国の資源を、もっと活かして 使うようにして欲しい。 (参考資料:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111219-00000979-chosun-kr) <要約> 中国漁船が韓国の排他的経済水域で違法操業を行って摘発されたが、この場合、賦課される罰金 (担保金)が非常に安いことや、刑事処罰が軽いことが、以前から問題として指摘されてきたため、罰 金の賦課と刑事処罰を並行して行うことも必要である。日本は罰金に加えて3年以下の懲役刑を下す ケースもある。中国漁船が日本の海域で操業しにくいのはこのような理由があるからで、韓国海洋大 学のチェ・ソクユン教授は「韓国の排他的経済水域で水揚げした魚を没収し、違法操業に使われた漁 具を廃棄処分できるよう、従来の法律を改正する必要もある」と指摘した。
| 外交・防衛::2010.10~2012.12 | 04:10 PM | comments (x) | trackback (x) |
|
2011,11,12, Saturday
今回のTPP交渉参加表明は、いくらなんでも売国奴だと思っていたら、江戸幕府が最後のあがきで
1856年に結んだ日米修好通商条約を思い出した。日米修好通商条約は、下の通り、米国に治外法 権を認め、日本に関税自主権がないという意味で不平等条約だったのである。この条約は、条約締 結後55年も経った明治政府になってから、関税自主権を回復して、やっと不平等条約の撤廃に成功 した。 <日米修好通商条約> http://kids.gakken.co.jp/box/syakai/06/pdf/B026110250.pdf#search 1856年11月1日に、江戸幕府は、米大統領の親書とハリスの口上書の写しを諸大名に示して 意見を求め、諸大名は意見を上申。12月2日、老中、ハリスを招き通商貿易と公使の江戸駐在 を許可。12月11日には幕府全権の井上清直(下田奉行)、岩瀬忠震(目付)とハリスとの間で 日米修好通商条約の交渉を開始し、12月13日には幕府がこの条約を締結すべき旨を朝廷に 伝えたが、これは、米国に治外法権を認め、日本に関税自主権がない不平等条約であった。 明治政府になった1899年(明治32年)に、日米通商航海条約が締結され、治外法権は撤廃され、 1911年(明治44年)日米通商航海条約改正により関税自主権を回復して、やっと不平等条約の 撤廃に成功した。 その関税自主権を、経済産業省の言いなりになって、我が国の現政府は、放棄しようとしている。 その一方で、財務省の言いなりになって、消費税増税を自己目的化している。 いったい、何をやっているのか! つまり、野田政権は官の言いなりなのであり、それだからこそ、大メディアが持ち上げているが、その 大メディア(マスゴミ)は、官の広報係だというのが、我が国の実態である。有権者は、これをよく認識 して、日本国憲法を実質あるものにすべく、次の行動を考えるべきである。 また、TPP反対派議員も、何ら問題点の把握も解決もしていない状態でのドタバタのTPP交渉参加の 是非をめぐって、首相に不信任を表明するのであれば、くだらないあらさがしと異なり、大義がある。
| 外交・防衛::2010.10~2012.12 | 08:18 PM | comments (x) | trackback (x) |
|
2010,10,19, Tuesday
沖縄県・尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁巡視船に衝突したとされる事件で、我が国の政府は、
全く内弁慶で国際感覚がなく、「内部で粛々と・・・」と言っているうちに、中国からさまざまな圧力を 受け、中国漁船の船長を解放せざるを得ない状況に陥ってしまいました。 これでは、体を張って「漁船の船長」を逮捕した海上保安庁は、報われないでしょう。 あの船長は、本当に漁民だったのか? 顔つきや肌の焼け方から見ると、私には、漁民というより、 中国海軍の兵士のように見えました。 そして、中国は、我が国の見苦しいドタバタを尻目に、9月24日から、わがもの顔に、尖閣諸島 付近に、漁業監視船2隻を10月6日まで航行させ、世界に向けて、尖閣諸島の領有権を発信して います。 一方、日本は、漁業監視船が去り、拘束されていたフジタの社員が戻ってきたのを喜び、ガス田の 開発を独自で行うでもなく、中国が勝手にやっていると非難しているだけです。そして、レアメタルの 件も、要するに、資源戦略で中国の勝利なのだということを認めるべきでしょう。 平和ボケでは困る のです。 なお、沖縄県議会は18日、本会議を再開し、政府に対し「尖閣諸島が日本固有の領土であると いう毅然(きぜん)とした態度を示すことを要望する」とする意見書案を全会一致で可決しました。 そのとおりです! また、大阪市議会も、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を受け、13日、日本政府に厳正な 対処を求める意見書を全会一致で採択しました。また、中国政府に対しても、中国漁船による領海 侵犯と公務執行妨害に抗議する決議を全会一致で可決したとのことです。 賛成です! そして、尖閣諸島の近くにある先島諸島の沖縄県石垣市の中山義隆市長、宮古島市、与那国町、 竹富町などの関係者ら約30人が10月4日、首相官邸や民主党などを訪れ、周辺海域の警備強化 や、固定資産税の課税に必要な実地調査の実現などを求めたとのことです。地元の行動は、有力 ですから、頑張って下さい! 地方が敏感に対応しているのに対し、尖閣諸島沖・漁船衝突事件での日本政府の一連の対応に ついて、私は、国として自国の領土や国民の権利を守るという1本の筋が通っていないように思い ました。日本では、国論も一致しておらず、やりにくさもあるのでしょうが、外交は弱腰では、迫力が ないでしょう。 つまり、中国では、日本の領土である尖閣諸島の領有権を主張して学生運動が起きているのに、 日本の学生は「上海万博に行けなくて残念だ」などと呑気なことを言っており、何度も報道されまし た。また、フジタの社員も、「(人質になって)迷惑をかけた」の一言もなく、一刻も早く帰してくれと の懇願が、マスコミで毎日報道されました。 そもそも、我が国は資源の自給率を上げることを考えず、その殆どを外国から輸入すればよいと考 え、そのリスクはすべて想定外というのは、一人一人の国民の平和ボケにもほどがあるのです。 また、マスコミの報道も、楽観的でスタンスがはっきりしません。自分の国や領土を守るという基本 的な問題に対する教育の課題かと思いますが、これは、今後、変えていかなければならないと思 います。 私は、我が国の国境の島には、国境警備のために自衛隊を配備し、先島諸島の島を、一つ明け 渡して自衛隊基地を作り、そこにアメリカ軍も駐屯させ、普天間基地の代替にすれば、一挙に 問題が解決できると思いました。もちろん、明け渡した島の住民には、他の島もしくは沖縄本島に 住居等を与えることが必要ですが、私はこの方が、環境への負荷が少なく、安上がりでもあると 思います。
| 外交・防衛::2010.10~2012.12 | 09:19 PM | comments (x) | trackback (x) |
|
PAGE TOP ↑