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2011,08,22, Monday
福島原発の放射能汚染水海洋投棄について、汚染水流出決定の責任者は、東京電力の武藤栄
副社長であり、田原総一郎のクロスファイアで、細野豪志議員が、「3月15日にメルトダウンしていた が、発表する気分にはなれなかった。」「汚染水については、周辺国には通告しているつもりだった」 と発言したとのことです。 細野豪志議員の判断は、あまりにも人命や農林水産物・食品加工業の損害を軽視しています。こ れは、細野氏の気分で発表するか否かを決めるような問題ではありません。「周辺国には通告して いたが、国民には知らせなかった」というのも、ひどいではありませんか。その本音が許せません。 速やかに真実を公表すれば、避難すべき地域の人や家畜を避難させ、原発事故の被害を、もっと 抑えられたはずです。しかしながら、文句を言う周辺国には知らせるけれども、文句を言えない国民 の生命や財産はどうでもよく、見殺しにしたということではありませんか! IRSN(フランス放射線防護原子力安全研究所)は、最近、福島原発からの液体及び気体の排出に 起因する海洋汚染について、近隣の海域への拡散や、より大きなスケールでの黒潮による太平洋へ の拡散についてのシミュレーションを行い、これらについて包括的な報告文書を公開しましたが、その 結論は下の通りです。 ------ 以下引用----- 1)短期的には、福島第一原発の近隣の海岸地帯に面する海洋における食物連鎖の総体が、海水 の放射能汚染による影響を受ける危険があるが、下の諸条件に応じて大きな変動がありうるため、 現在、定量的に発表することはできない。 ―原発からの排液の放射能強度と継続性 ―大気から海水面への放射性落下物 ―汚染された土壌から水脈によってもたらされる放射性物質 ―沿岸の海域における海水総量の変化 2)原発付近の沿岸の海域における海藻類、貝類、魚類などの海洋生物を特に注視する必要がある。 コンブやワカメなどの褐藻類は特にヨウ素との親近性が高い。そのため、ヨウ素131に代表される放 射性ヨウ素による褐藻類の汚染の危険がある。とはいえ、放射性ヨウ素の半減期が短いことを考慮 すれば、この危険が続くのは数ヵ月間にすぎないだろう。 3)長期的には、持続的な放射能汚染によって、海底の傾斜部から流された放射性物質を受けとる ことになる沿岸部一帯が、影響を受ける可能性がある。また、放射能汚染された沈殿物が混ぜかえ されることで、海水中および特定の生物種において、ある種の放射性物質が高い濃縮度を維持し続 けることになる可能性がある。 4)特定の生物種の体内における蓄積によって、海水中における濃縮と比較して、より高度な濃縮 がもたらされる可能性がある。生物種における濃縮は、海水中の濃縮に対して、体積比で10倍か ら数千倍までの割合で高くなりうる。この数値は、問題とする放射性物質と生物種にしたがって変 化する。どれほどの蓄積が起こるかは、それぞれの生物種の代謝作用によってさまざまである。 例えば、セシウムの場合、貝類と海草類の濃縮比が50であるのに対して、魚類では400となる。 ヨードの場合は、魚類の濃縮比が15であるのに対して、海藻類は10000となる。こうした蓄積現象 は、人間の食物連鎖に直接・間接にかかわる植物種および動物種における放射性物質の監視計 画を必要とする性格のものである。この計画が適用される地理的な広がりは、予防的な観点を持 って、地理学的な知見のもとに厳密に確定される必要がある。 ----- 引用終わり ----- つまり、三陸の水産物のみならず、広い範囲の水産物が放射能に汚染され、食用にできなくなる 可能性が高いということです。漁業者や水産加工業者は、この事態を深刻に受け止め、国民には 安心・安全な食料のみの供給を保障するとともに、そのために受けた被害については、原発のコス トを正確に計算するためにも、原発のコストとして東京電力に請求して下さい。
| 環境::2011.8~2012.9 | 01:22 PM | comments (x) | trackback (x) |
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