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2012.7.14 消費税増税のための変な論理の横行について
(1)消費税増税の背景には、財務省主導があるということ
 多くの人が気付いていると思うが、*1のように消費税増税は財務省主導であるため、増税に積極的な議員は、財務省(旧大蔵省)出身の議員はじめ、財務大臣・副大臣・政務官の経験者である。あとは、本当に賛成だと思っている議員が少数、流れに乗って賛成した議員が大多数、反対している議員が少数である。もちろん、安住財務相も野田首相も、財務省の言いなりであることは明白だ。

 野田首相は、「不退転の決意で」「政治生命をかけて」「決められる政治を」と演説した。しかし、財務省の方針と異なることを政治主導でやるのなら「政治生命をかけて」「不退転の決意で」やらなければできないが、財務省の方針どおりのことをやるのならば、「不退転の決意で」「政治生命をかけて」やらなくても、誰にでも簡単にできる。また、「決められる政治を」と言っている政党やメディアも多いが、何でも決めればよいというものではなく、内容が問題であり、決めてはいけないことは決めないのが健全な民主主義であるから、メディアの論調は官主導であり変である。

 そして、メディアの論調を聞いていると、国会が、選挙で選ばれたわけでもない官僚の方針どおりに政策を“決める”ことを期待しており、それが与党の責任だと言いたいようだ。つまり、国民が選んだ国会議員が、国民の意思とは関係のない三党合意や党議拘束に縛られて、官僚の決めた政策を次々と法律にしていく状態をよいことであるかのように言っているが、それは、民主主義ではなく、日本国憲法とかけ離れた官主主義である。いつまで、それをやるつもりか?

*1: http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1303Q_T10C12A7PP8000/ (日経新聞 2012/7/13)
消費増税法案、18日に参院特別委で審議入り
 消費増税関連2法案は13日の参院本会議で趣旨説明と質疑をし、参院特別委員会の審議が18日に始まる。衆院で修正合意した自民、公明両党は成立に協力する方針だが、民主党内の増税反対派に配慮する野田佳彦首相の姿勢に反発を強めており流動的な要素もある。
 首相は13日、首相官邸で安住淳財務相と会い、社会保障と税の一体改革関連法案について「参院審議が来週から始まるので全力で努力していこう」と指示した。勝栄二郎財務次官が同席し、懸案である赤字国債発行法案の扱いも協議した。
 参院特別委での審議時間について、与党は120時間を超えた衆院の7~8割に当たる90時間を目安としており、順調なら8月上旬の採決が視野に入る。ただ自民党は民主党執行部を「衆院採決で造反した議員への対応が甘すぎる」と批判し、3党合意の破棄もあり得るとけん制している。
 
(2)消費税を増税して、浮いた分は何に使っているのか
 消費税は、1%あたり約2兆円の税収があり、5%上げると10兆円近くの増税となる。
一方、日本は現在、東日本大震災と大津波、それに加えて原発事故などで、こちらが復興に援助してもらいたいくらい大変な国であり、現在の貿易収支や財政収支が赤字でも全くおかしくない国である。それにもかかわらず、自国民に対しては財政健全化を理由に消費税を毎年10兆円近く増税しようとしながら、何故、問題の多いアフガン政府に対して、“互いに責任を負って”、日本が1兆2800億円(消費税0.6%分)も支出しなければならないのかについて、*2の記事では全く記述がない。メディアの記者は、背後の理由も分析して国民に伝えなければ、何回選挙しても、有権者である国民が正しい選択をすることはできない。本来、メディアは、民主主義社会において、そういう社会的責任を持っているのだ。

*2: http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/311763 (西日本新聞 2012年7月8日)
アフガン復興、160億ドル支援 「東京宣言」採択
 日本政府が主催するアフガニスタン復興に関する国際会議が8日夕、国際社会が2015年までに総額160億ドル(約1兆2800億円)超を支援すると明記した「東京宣言」を採択して閉会した。宣言はアフガンの持続的発展を実現するために国際社会とアフガン政府が「互いに責任を負う」とし、国際社会は継続支援を、アフガン側は民主化推進に取り組むことをそれぞれ約束した。野田佳彦首相は「荒廃した国土の復興には国際社会からの支援が欠かせない」と指摘し、日本が支援を続ける考えを表明。

(3)「国会議員が身を切れ」という主張は、官主主義を堅持するだけだということ
企業からの寄付が全くなく、単純でわかりやすいので、私の事例を挙げよう。
  <税金から出た金額>            <個人の収入>       <政党支部収入>
歳費(給料 + ボーナス) 2200万円        1600万円           寄付 600万円
文書交通費         1200万円           0              寄付 1200万円
公設秘書費*3       2300万円           0(全額秘書給料)
交通費              25万円           0(全額以上使用)
政党助成金         4800万円           0                  1000万円
  (政党助成金の残り3800万円は、政党が使っている)
  小計
支援者からの寄付金                     0                  少額α
   合計         10525万円        1600万円             2800+α万円

                              <政党支部支出>
                              私設秘書給料(2~3人)*4    800万円
                              事務所賃貸料            180万円
                              水光熱費               120万円
                              備品・消耗品費            200万円
                              通信費(機関誌郵送費を含む )  620万円
                              機関誌印刷費(2~3回/年)    250万円
                              広告費                  60万円
                              国政報告会等の費用         60万円
                              旅費交通費              120万円
                              選挙費積立分(1年平均)      300万円
                              その他                90+α万円
                                合計              2800+α万円

上の説明:
 1)支部への寄付金を引いた後の私の収入が、1600万円となっているが、もともと1200万円
   の給料をもらっていたので、国会議員になったために増えた分は、400万円のみである。
   これは、高いのか低いのかと言えば低い。なぜなら、国会議員は選挙で当落が決まるた
   め不安定であり、50%くらいの確率でしか当選しないとすれば、1600万円x0.5=800万円
   が年収となり、年収が前の仕事より下がっているからである。これで多くの人が、自分の
   仕事をやめて国会議員(夢も家族も生活もある人間)になる選択をするであろうか?

2)米国では、政治家が政策立案を行うので、秘書手当てが上院で1.4~2.3億円、下院で5561
   万円あり、国会議員は、政策立案能力のある秘書を10~40人抱えている。日本では*3
   の公設秘書は3人だけであり、これだけでは国会事務所と地元事務所2箇所の運営にも
   支障をきたすため、*4の私設秘書を少なくとも2~3人雇っている。その費用を政党支部
   (私の場合は佐賀県第三選挙区支部だった)から出していたが、私は、そこへの個人的
   寄付を多く行っていた。なお、一般の人からの寄付は少なかった。これは、週刊文春や他
   のメディアで、嘘のネガティブ・キャンペーンをされ、私の国会議員としての資質や能力を
   否定されたことが理由に挙げられるが、そもそも日本人は一般市民が政治家に寄付する
   という文化がないことも理由の一つである。企業から多額の寄付を受け、国民の税金を使
   ってその企業に有利な施策を行う政治家を廃したければ、自分たちの代表にしたい政治家
   には、一般国民が寄付する以外にないだろう。

3)国会議員の政策作成能力が低いと、官によりかかった政策となる。これは、官にとっては望ま
   しいが、国民にとっては選挙で選ばれた人が政治判断するわけではないので、国民主権が
   形骸化して望ましくない。つまり、国会議員に使うコストは、国民主権を実現する民主主義の
   コストなのである。そして、仮に国会議員1人につき1億円くらいかかっていたとしても、衆議院
   480名+参議院242名=722名であり、全部で722億円にしかならない。仮に、これを全部切っ
   たとしても、その138.5倍の10兆円の消費税増税を許す根拠にはならないだろう。

4)つまり、議員定数や議員報酬の問題は、消費税増税問題とは切り離して、国民のためになる民
   主主義のあるべき姿と、それを実現するための組織として考えるべきであり、妬みから報酬を
   カットすれば、優秀な人材が集まらなくなり、民主主義がさらに形骸化するだけである。

5)それでは、どういう選挙制度で、どういう人数が適切なのかについては、今日は時間がないので
   後で書くが、国民一人一人が自分の代表をどう選びたいかという問題として考えるべきである。


| 消費税増税問題::2010.6~2012.7 | 04:15 PM | comments (x) | trackback (x) |

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