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2012,09,05, Wednesday
朝日新聞より 毎日新聞(*2)より *1、*2のように、脱原発の方向に世論が向いてきたところ、*3のように、電力総連が、衆議院議員選挙の候補者に踏み絵を行って、脱原発の候補者は支援しない方向を示した。このようにして、政党は圧力をかけられるのだが、政治家がまっとうなことを言い、実行できるためには、当然のことながら、そういう人が当選する仕組みになっていなければならない。 しかし、実際は、どこへ行くかわからない気ままな浮動票よりも、自分たちの利益を優先にして硬く結び付いた業界票の方が確実に基礎票をとれるため、党首や候補者が、その力に縛られるケースは多い。その結果、政策がその業界寄りによじれるのである。 そして、そのような組織に縛られない国民が民意を達成するために必要なことは、メディアが、ある政党が反対した理由や賛成した理由、それぞれの議員の考え方などを、国民に、正確に伝えることである。これが、民主主義をうまく運用するKeyになるのだが、現在は、そうなっていないのが問題なのだ。 私は、今回の総選挙では、①それぞれの政党が脱原発・除染・避難の時期とやり方をマニフェストで明示すること(脱原発せず原発を増やす、現状を維持するという政党もあるだろう) ②電力総連が推薦する候補者は原発推進であるため、脱原発派の人は、間違っても電力総連が推薦する候補者に投票しないこと ③政党の意見も当選した議員の意見で変わるので、政党だけではなく候補者の意見も知って投票すること などが、少なくとも必要だと思う。 *1:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2272968.article.html (佐賀新聞 2012年08月24日) 原発ゼロ目標明記へ / 政府検討、工程表も 政府が策定中の新たなエネルギー・環境戦略に、中長期的に原発をゼロにする目標を盛り込む検討に入ったことが24日分かった。2030年を基準に達成時期にも言及し、廃炉の進め方など実現に向けた課題や具体策を整理した工程表をつくる。脱原発に慎重な意見に配慮し、定期的に内容を見直す条項も入れる方向だ。民主党と調整し、閣僚で構成するエネルギー・環境会議で9月上旬にも新戦略を決める。エネルギー政策の国民論議で原発ゼロを求める声が強いことを踏まえた。政権として脱原発の方向性を示し、衆院解散後の総選挙で争点になるのを避ける思惑もある。 *2:http://mainichi.jp/feature/news/20120827dde012040008000c.html (毎日新聞 2012年8月27日) 原発ゼロの世界/上 存続派の「まやかし」 - 原発比率の落としどころ 「国民が知りたいのは、原子力の比率をどうするかなどではない。再稼働をするかしないか、するならば、どこの原発を動かすのかという点です。2030年に0%、15%、20-25%という政府の選択肢の示し方は、さも15%が中庸であるかのように見せかけ、世論を原発存続へ誘導しようとしたとしか思えない」。そう憤るのは、「原発のコスト」の著書のある大島堅一・立命館大教授(環境経済学)だ。実際、政府は原発比率の落としどころとして15%を模索していたようだ。ところが、その政府が実施した討論型世論調査(=DP。無作為抽出して電話調査した6849人のうち、2日間の討論会に参加してアンケートにも答えた285人が対象)では、0%を支持する人が討論前の41%から47%へと増えた。 さらにパブリックコメント(意見公募)に寄せられた約9万件のうち約7000件を分析したところ、「ただちに原発ゼロ」が81.0%、「段階的にゼロ」が8.6%で、「ゼロ」派は合計89.6%に上った。まるで原発ゼロに向けて世論の“地殻変動”が起きているかのようだ。そもそも政府が有力視していた15%は「中庸」と呼べるような案だったのか。 *3:http://www.jiji.com/jc/zc?k=201209/2012090400832 (時事ドットコム 2012/9/4) 「脱原発」は支援せず=候補者に踏み絵-電力総連 電力業界の労組で構成する電力総連の種岡成一会長は4日、名古屋市内で開催した定期大会のあいさつで、「引き続き原子力発電がわが国の基幹電源の一翼を担っていくのが現実的な選択」との認識を示すとともに、「私たちと考え方を異にする議員、候補者を支援することは組合員の理解が得られない」と述べた。同総連内では、東京電力福島第1原発事故を受け政権内で高まっている「脱原発」に対し、労働環境を脅かすとの指摘が多い。このため、今秋以降に行われる総選挙や来夏の参院選を念頭に、脱原発を目指す候補者に主張を続けるのか、選挙支援を選ぶのか「踏み絵」を迫った形だ。 PS: 2012年9月6日に下の記事を見つけましたが、この方針には5年ごとの見直し条項が入っており、「原発ゼロ」は、この方針を決めた人たちが、すべて引退した後の話になっているため、「現状維持」のち「原発推進」の案です。国民は、このようなまやかしに、決して惑わされないようにすべきです。 http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2279671.article.html (佐賀新聞 2012年9月5日) 政府、2段階で「原発ゼロ」に / エネ戦略で調整 政府は5日、新たなエネルギー・環境戦略で、2030年時点で総発電量に占める原発比率を15%以下に引き下げ、最終的には「原発ゼロ」を目標とする方向で調整に入った。全原発の廃炉に向けた工程表を15年までに作成し、2段階で脱原発を実現する。再生可能エネルギーの普及状況や国際的なエネルギー情勢をにらみながら工程表を5年ごとに見直す。民主党内には、早期の原発ゼロへの慎重論が根強く、実現時期を明示することは難しいと政府は判断。段階的に原発を廃止する目標を掲げることで決着を図る考えだ。
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2012,09,05, Wednesday
*1のように、問題視する声が民主党内からも起きている原子力規制委人事を、首相が任命できるという例外規定を用いて、国会の同意得ずに、首相が任命するそうである。この例外規定は、現在の状況を予見して、あらかじめ書き加えたものに見える。
しかし、日本弁護士連合会が会長声明として出しているように(*2参照)、原子力規制委員会委員長及び委員候補には、欠格要件に明らかに該当する者が含まれていることが明らかである。野田首相は、この不法行為を首相の一存で断行するつもりなのか? そのようなことが許されていいわけがない。 *1:http://www.asahi.com/politics/update/0905/TKY201209040789.html (朝日新聞 2012年9月5日) 原子力規制委人事、首相が任命へ 国会の同意得ず 新たに原発規制を担う原子力規制委員会の発足に向け、野田佳彦首相は初代の委員長と委員4人を国会の同意なしに任命する方針を固めた。いずれも国会同意人事だが、会期末の8日までの採決が見送られるため法律に基づく例外規定を適用する。内閣の人事案に与党から異論が出たためで、これに首相が任命権を行使する異例の事態だ。 原子力規制委の設置期限は26日に迫る。野田内閣は発足をこれ以上遅らせられないと判断。規制委設置法の付則には国会同意がないまま閉会した場合に首相が任命できる例外規定があり、これを適用する。今月中旬にも初代委員長に田中俊一・前内閣府原子力委員長代理を任命。ほかの委員4人も政府案通り決める。 人事案は内閣が7月26日に衆参両院に提示。だが、田中氏らを「原子力ムラの住人」と問題視する声が民主党内からも起き、党執行部が採決を先送りしてきた。民主党の城島光力国対委員長は4日、今国会中の採決に「極めて困難になった」と断念を表明した。 *2:http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2012/120803_3.html (日本弁護士連合会会長声明 2012年8月3日) 原子力規制委員会委員の人事案の見直しを求める会長声明 政府は、本年7月26日、国会に原子力規制委員会の委員長及び委員の人事案を提示した。しかし、この人事案には、原子力規制委員会設置法(以下「設置法」という。)及び内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室名義の本年7月3日付け「原子力規制委員会委員長及び委員の要件について」(以下「7月3日要件」という。)が定めた原子力規制委員会委員長及び委員の欠格要件に明らかに該当する者が含まれていることが明らかとなった。 ( 長いので、以下の文章は、下の「続き▽」をクリックして見て下さい) 続き▽
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