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2012.9.17 中国の反日デモは、国際司法裁判所や国際連合での決定まで考慮して世界にアピールするための組織的なものだが、日本は、それも想定外か。
   

    日本が主張する日中国境線           2012.9.16に中国で起こったデモ
       (朝日新聞より)                    (朝日新聞より)

 *1、*2で明らかなとおり、中国の反日デモは、日本のメディアが自慰的に述べているような不満分子の大暴れではなく、中国政府が組織した、尖閣諸島に対する領有権と実効支配を世界にアピールするための行動である。中国が尖閣諸島の領有権を主張する目的は、地下資源と漁業資源だ。そして、この案件が、国際司法裁判所や国際連合に提出された場合でも、日本人以外は皆、「尖閣諸島は、本来、中国のものだったが、日本が無理矢理、略奪したものだ」という考えを持ち、中国に有利な裁定を下すための行動が、今、進みつつあるのだ。そのため、*3のような世界でのアピールも欠かせないのである。

 日本の方は、*4のように、前任の丹羽中国大使が、公用車の国旗をもぎ取られてすぐにお祭りに出てはしゃいでいたり、後任で駐中国大使に任命された西宮氏は、任命された途端に死去するなど、情けない限りだ。つまり、体力や肝の据わり方が足りず、駐中国大使となるにふさわしくない。また、藤村官房長官の「尖閣諸島は日本の領土だ」という広報も、紙を読んでいるだけで全く眼を上げず、中国外務省の報導官と比較して、あまりにも自信がなさそうである。これでは、日本人でも、「本当にそうなのか?」と自信をなくしそうだが、現在では、放送は世界を駆け巡っていることを忘れてはならない。

 私は、もう戦後は卒業したいと考えているが、中国では反日教育が徹底しており、このような大規模な愛国・反日デモが起こる下地となっている。一方で、わが国の教育は、歴史の真実を知って必要な改善をするということもなく、「全員が悪い」式の自己批判ばかりしてきたため、こういうことになっているのではないだろうか。教育の問題も、変えなければならないポイントである。

*1:http://www.nikkei.com/article/DGXNASDE10002_Q2A910C1PP8000/ (日経新聞 2012/9/10) 中国、尖閣諸島を領海の基点に 日本に対抗措置
(ポイント)中国政府は10日、中国領海の範囲を測量する基点として沖縄県の尖閣諸島など計17カ所を指定した。中国が領海の基点として具体的な緯度や経度とともに尖閣諸島を挙げたのは初めて。日本政府が同日の関係閣僚会議で尖閣諸島の国有化方針を確認したことへの対抗措置といえる。中国は3月には尖閣諸島を含む71の島に命名しており、今回の基点への指定で尖閣諸島の領有権の主張を一層強める狙いがある。中国の国営新華社によると温家宝首相は10日、北京市内で講演し「中国が半歩すら退くことは絶対にあり得ない」と強調した。楊潔●(ち)外相も10日、丹羽宇一郎駐中国大使を中国外務省に呼んで抗議した。中国外務省は「中国の主権を侵し、国民感情を著しく傷つけた。日中関係の大局を守ることに反する行為だ」との声明を発表した。中国の程永華駐日大使は10日、外務省で佐々江賢一郎外務次官に抗議した。佐々江氏は中国側の主張に「受け入れられない」と反論した。

*2:http://news.goo.ne.jp/topstories/world/893/e99803950bde04ce1520be4c6760f379.html (朝日新聞  2012年9月16日)中国漁船、尖閣周辺へ出航準備 東シナ海の休漁明ける
 中国中央テレビによると、尖閣諸島(中国名・釣魚島)がある東シナ海の休漁期間が16日正午(日本時間午後1時)に明けた。初日は台風のため出航を見合わせたが、天候の回復を待って中国の漁船の船団が尖閣周辺に向かって出航するという。国営の同テレビは「釣魚島は中国のものだ!」のロゴを付けたニュース番組で報道。尖閣諸島周辺が中国や台湾の伝統的な漁場であることを強調し、漁民へのインタビューで出航の準備が整っていることを伝えた。また、農業省所属の漁業監視船を尖閣周辺に向かわせて漁船の操業の安全を確保するという。漁船や漁業監視船が尖閣周辺にたびたび現れれば、情勢が一段と緊張する可能性もある。

*3:http://www.asahi.com/special/senkaku/TKY201209160237.html (朝日新聞 2012年9月16日) 中国系米国人も反日デモ サンフランシスコで4千人行進
 日本政府による尖閣諸島の国有化に抗議するデモが米国にも拡大した。中国系米国人の多いサンフランシスコで15日、約4千人がデモ行進。16日には首都ワシントンの日本大使館前やニューヨークの日本総領事館前でも抗議活動が展開された。「日本は釣魚島(尖閣諸島の中国名)から出て行け」。在サンフランシスコ日本総領事館によると、15日昼過ぎから中華街で中国系団体の代表者らが中国語で抗議の演説をした。参加者らは拡声機やのぼり、横断幕などを手にシュプレヒコールを上げた。総領事館前にも約200人が集まった。主催者に近い中国系米国人によると、240以上の団体が中国語新聞に広告を出すなどして参加を呼びかけた。その際、「(柳条湖事件の)9・18を忘れるな」と、満州事変と今回の国有化とを結びつけてあおる文言がちりばめられたという。(ロサンゼルス=藤えりか)

*4:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS16010_W2A910C1PE8000/ (日経新聞 2012/9/16) 政府、駐中国大使の後任選び急ぐ 西宮氏死去
(ポイント)西宮伸一(にしみや・しんいち)駐中国大使が16日朝、東京都内の病院で死去した。60歳だった。民間出身の丹羽宇一郎氏の後任として、11日付で駐中国大使に就任したばかりだった。赴任準備中の13日に都内の自宅付近の路上で倒れ、病院に搬送されていた。政府は沖縄県・尖閣諸島の国有化を巡り中国国内で反日デモが相次ぐなど緊迫した日中関係を踏まえ、後任の人選を急ぐ考えだ。告別式の日取りなどは未定。西宮氏は1976年に外務省に入り、北米局長や外務審議官(経済担当)などを歴任した。中国での特命全権公使の経験もあり、日中関係の立て直しが期待されていた。後任を巡っては、政府内では外務次官級経験者を軸に人選を進めている。中国政府の同意を取り付けたうえで閣議決定を経て発令するため、着任時期は「ある程度の時間がかかる」(外務省幹部)見通しだ。後任大使が着任するまでは前任の丹羽氏が大使の任務を務める。

| 外交・防衛::2010.10~2012.12 | 10:46 AM | comments (x) | trackback (x) |

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