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2013,06,28, Friday
2013.6.27西日本新聞より 2012.10.29佐賀新聞より 九州に及ぼす影響 SPEEDIによる事故時の放射性物質の広がり *1のとおり、再生可能エネルギーの利用を邪魔しなければ、再生可能エネルギーによる世界の発電量は、2016年に天然ガスによる火力発電を超えるというのが国際エネルギー機関の予測で、すでに原発の発電量は裕に超えている。従って、原発が稼働しなければ電気代が上がり、CO2排出量が増えるというのは原発推進派の方便であり、電力自由化と再生可能エネルギーへの変換を行えば、電気料金は半額程度になると思う。 それにもかかわらず、*3のように、前回の選挙で大勝したのをよいことに、自民党は原発推進を行っているが、選挙は原発のみを争点として行われたのではなく、選挙結果は、経済政策、農業政策、電力自由化、候補者の優位性など、その他の要素が大きく働いて出たのであり、原発推進を多数の国民が望んでいたと考えたら、大間違いである。 それどころか、事故を起こしたのがフクイチであっても、フクイチからわかったことは、①原発を使う電力会社の危機管理意識は非常に低いこと ②平時から人間に有害な物質をフィルターも通さずに環境に排出するような意識だったこと ③事故が起きたら想定外ばかりで後始末もできないこと ④原発には製造者責任が課されていないこと ⑤核廃棄物の捨て場もないこと など、人間や環境を如何にないがしろにし、国策であることに甘えていたかということであった。従って、これは他の原発も同じであり、「このような主体には、原発を作る資格も、運転する資格も、監督する資格もない」というのが結論なのであって、*2の玄海原発も例外ではない。 *1:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2494350.article.html (佐賀新聞 2013年6月28日) 再生エネ発電、ガス火力超える / IEAの16年予測、原発の2倍 再生可能エネルギーによる世界の発電量は、2016年に天然ガス火力発電を超え、石炭火力発電に次ぐ第2の電源になるとの予測を、国際エネルギー機関(IEA)が28日までにまとめた。発電量は約6兆1千億キロワット時に達し、原子力発電の2倍になるという。クリーンなエネルギーを求める声の高まりやコストの低下によって、風力や太陽光発電が世界的に拡大しているため。IEA事務局長は「多くの再生可能エネルギーは誘導策がなくても普及するようになったが、さらに拡大し続けるには中長期的に安定した政策が必要だ」と訴えている。 *2:http://qbiz.jp/article/19707/1/ (西日本新聞 2013年6月28日) プルサーマル発電再開方針 九電玄海3号機 2009年に玄海原発(佐賀県玄海町)3号機で国内初のプルサーマル発電を始めた九州電力は、同3号機を含む原発4基の早期再稼働を目指しており、認められれば、同3号機ではプルサーマル発電を再開する方針だ。九電は09年、同3号機の全燃料193体のうち、MOX燃料を16体装荷してプルサーマル発電を始めた。10年6月に新たにMOX燃料20体を搬入。このうち16体を追加して11年4月から運転する予定だったが、東京電力福島第1原発事故の影響で、玄海3号機の運転再開は見送られたままとなっている。九電は現在、計36体のMOX燃料を保有しており、新たな搬入予定はないという。 *3:http://digital.asahi.com/articles/TKY201306270743.html?ref=pcviewpage (朝日新聞 2013年6月28日)見過ごせぬ、議論なき原発回帰 論説主幹・大野博人 経済の先行きや外交の緊張に目が向きがちだが、参議院選挙では、安倍政権の原発政策を問わないわけにはいかない。昨年末の総選挙の公約で自民党は「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立をめざす」としていた。「脱」ではないが、原発を相対化する姿勢は見せていた。ところがここに来て、それさえうやむやにしつつある。原発の再稼働に傾斜する、核燃料サイクルという考え方にこだわる、インド、トルコ、中欧などに立て続けに原発の売り込みをかける――。参院選の公約からは「脱依存」が消え、かわりに再稼働に向けて地元理解を得るための「最大限の努力」を掲げる。「原発に依存する経済・社会構造」の復活を目指しているように見える。見過ごせないのは、依存への傾斜を真正面から問わず、なし崩しに強めつつある点だ。たとえばエネルギー白書から原発ゼロをめぐる記述が抜けた。議論もせずに依存へと回帰するのは民主的ではない。場合によっては今後3年は国政選挙がない。参院選ではっきりと国民に説明するべきだ。 ■事故原発抱える現実 もし仮に、日本がすべての原発をすみやかになくすと決めても、廃炉作業に手をつけることさえ容易ではない原発がある。福島第一だ。炉内でどうなっているか依然としてわからない燃料の冷却が続く。その冷却水の処理にも四苦八苦だ。除染も出口は見えない。避難した人々の将来の展望も開けていない。現場や周辺地域、行政、避難先で多くの人が今もなお苦闘している。それは今後数十年たっても完全には終わらないだろう。その間、不測の事態が発生するリスクも排除できない。2011年の3月11日から、日本は違う時代に入った。それ以前とは異なり、危険な事故原発を抱える国になった。もう一つ重大な事故が起きる事態に耐える余裕はないだろう。ならば規制基準を厳しくし、事故対策を整えながら、原発をなるべく早く減らしていくしかないではないか。それが今日の日本の身もふたもない現実だ。 ■こっそりと逆行 にもかかわらず、安倍政権が進める政策は、その現実から出発しているようには見えない。自民党の高市早苗政調会長の発言や原発再稼働を求める議員連盟の発足を見ればなおさらである。結局、この政権はエネルギー政策を福島の事故前の軌道に、ほぼそのまま戻したいようだ。できれば事故を、わたしたちの現代史の文脈の中でカッコでくくり、読み飛ばしても許される過去としたいのかもしれない。しかし実際は、日本の針路を決定づける歴史的な出来事のはずだ。福島を論じない選挙にしてはならない。
| 原発::2013.5~7 | 08:05 PM | comments (x) | trackback (x) |
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