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2013,07,03, Wednesday
フクイチ汚染地域 朝日新聞より 広い汚染区域。山、田畑、住宅地、海の汚染。それに伴う木材、農産物、魚介類など食料の汚染。爆発時の写真から見ても、3号機は、水素爆発ではなく格納容器もろとも爆発して、中に入っていた核燃料は、周囲にばら撒かれたのではないのか。そう考えなければ、未だに、①核燃料の所在場所が不明 ②事故原因に地震が関係していたのかも不明 ③地下水が汚染されているのは事実だが、流出しているかどうかは不明 というように、「不明」という言葉が続く原因が、わからないのである。 そこで、「不明である」というのを「とても言えるような状況ではない」と読み変えると、すべてが説明でき、*1、*2、*3などの多くの事実がそれを証明している。そのため、これを「風評被害」と呼び、注意を喚起しないことこそ、人権侵害であろう。 そして、もう一箇所で原発が事故を起こせば、日本には安心して住める場所や安全な食料を作れる場所がなくなるのだから、*4のように、素早い政治決断が望まれる。 *1:http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013062900190 (時事ドットコム2013/6/29) 港湾近くで高濃度汚染水=ストロンチウムなど-福島第1原発井戸から・東電 東京電力福島第1原発敷地内の観測用井戸から高い濃度の放射性物質を含む地下水が検出された問題で、東電は29日、新たに港湾近くに掘った井戸の地下水からも、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質を1リットル当たり3000ベクレル検出したと発表した。同原発の港湾内ではトリチウム(三重水素)濃度が一時上昇しており、放射性物質の海への流出が疑われている。東電によると、この井戸は港湾から約6メートル西にあり、現在四つある井戸のうち最も海に近いが、放射性物質濃度の値は最高だった。東電は「地下水が海に近い場所で汚染されているのは事実だが、流出しているかどうかは分からない」としている。 *2:http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20130625/CK2013062502000015.html (中日新聞 2013年6月25日) シイタケ原木から基準超すセシウム検出 高島のJA 高島市は二十四日、同市マキノ町蛭口にあるJAの倉庫に福島県産シイタケ原木が保管され、一部から国の基準を超える放射性セシウムを検出したと発表した。原木はJAが福島第一原発事故直後の二〇一一年四月に購入。市は今年四月に県からの連絡で把握した。ビニールで密閉してあり倉庫周辺の放射線量は通常値と変わらない。福井正明市長は「状況を把握していた県からの連絡が遅れたのは残念」と述べた。市とJAマキノ町によると、原木は一昨年四月、同JAが福島県内の業者から約二千本を購入。マキノ町内の農家に販売した後の同年九月、県の調査で原木の表面から平常値を上回る放射性物質を検出した。同年十二月に県が農家に販売自粛を要請し、シイタケが出荷されることはなかった。原木は昨年七月にJAが引き取るまで野ざらしの状態だった。今年四月に国の事業で放射性廃棄物の処理に補助金が出るようになったことに伴い、この原木が対象になるとして県から市に初めて連絡があったという。市の要望を受けた県が今月四日、国の規定に沿って倉庫の原木の一部を検査したところ、三検体から国が定める五十ベクレルを上回る七十~二百四ベクレルの放射性セシウムを検出した。今後の原木の処理についてはJAマキノ町と福島の販売業者の間で続いている返品交渉の推移を見守るという。 ◆県「風評被害」を懸念、自治体名公表せず 福島県は二十四日、県庁で会見し、原木が保管されていた経過などを説明した。福島産の原木が流通したこと自体は二〇一一年十二月に公表していたが、「風評被害につながる」として具体的な市町まで明らかにしていなかった。今回は「ごみ処理が絡む可能性がある」として自治体名も公表したと説明した。県は一一年九月、林野庁からの情報提供で、高島市内の農家が福島産の原木を購入したことを把握した。農家に出荷自粛を求めた際に、具体的な市は明かさぬよう強く求められ公表を控えたという。原木の処理については今後、JAと業者の交渉次第だが、仮に高島市で焼却や埋め立て処分することになっても数値的に環境や人体への影響はほとんどないとみる。ただし住民の同意などは「必要になる可能性もある」とした。 *3:http://www.minyu-net.com/news/news/0703/news11.html (福島民友ニュース 2013年7月3日)楢葉で高線量の破片 毎時3400マイクロシーベルト 楢葉町井出の井出川河口付近で表面放射線量が毎時3400マイクロシーベルトの汚染度の高い破片が発見されたことが2日、分かった。環境省から物質を分析するよう依頼を受けた東京電力が明らかにした。発見場所は福島第1原発から南に約15キロの地点。東電は「事故の際に飛散した物質の可能性もあり、放射性物質が検出された原因を調べる」としている。発見場所は避難指示解除準備区域。東電によると、発見されたのはベータ線とガンマ線を出す表面線量が3400マイクロシーベルト、表面汚染密度が10万cpm以上の物質と、ガンマ線を出す表面線量が100マイクロシーベルトの物質の2点。3400マイクロシーベルトの物質は長さ約3センチ、幅約1.5センチ、厚さ約0.5センチ。6月20日に震災がれきを処理する際の線量測定で見つかった。 *4:http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_gnavi#Edit2 (朝日新聞 2013年 6月 29 日) 原発と政治―未来にツケを回すのか あの日。地震と津波の脅威にがく然としていた私たちに追いうちをかけたのが、「福島第一原発で全電源を喪失」「原子炉の冷却不能」というニュースだった。爆発で原子炉建屋が吹き飛ばされる映像を目にして、背筋が凍った。そのことを、よもや忘れたわけではあるまい。安倍政権の原発政策である。自民党は参院選の公約で、原発の再稼働について地元の理解を得ることが「国の責任」と明記した。「安全性が確認された原発は動かす」が、安倍政権の基本方針だ。首相は国会閉会後の記者会見で「原子力規制委員会の基準を満たさない限り再稼働しない」と言い回しを変えたが、規制委さえクリアすれば、原発というシステムには問題ないという認識のようだ。 折しも7月8日に、新しい規制基準が施行され、既存の原発が新基準に適合しているかどうかの審査が始まる。確かに、新基準はさまざまな点で改善はされている。旧来は規制当局が電力会社に取り込まれ、電力側が基準づくりや審査を都合よく誘導していた面があった。新基準は、活断層を厳しく吟味するほか、地震・津波対策やケーブルの不燃化、電源・冷却手段の多重化、中央制御室のバックアップ施設などを求める。今後も新たな基準を設けた場合、既存原発に例外なく適用することになったのは前進だ。過酷事故が起きることを前提に対策を求めた点も評価する。しかし、新しい基準への適合は「安全宣言」ではない。規制委が、「安全基準」から「規制基準」へ名称を変えたのも、そのためだ。安倍政権はそこから目をそらしている。なにより、福島の事故があぶり出したのは、安全対策の不備だけではない。たとえば、原発から出る危険なゴミの問題である。使用済み核燃料や廃炉で生じる高レベルの放射性廃棄物をどこにどうやって処分するか、まったく手つかずのままだ。当座の保管場所さえ確保できていないのが現状である。安倍政権は発足当初から、使用済み核燃料を再処理して利用する核燃料サイクル事業の継続を表明した。6月の日仏首脳会談でも、両国が協力して推進していく姿勢を強調した。しかし、計画の主役だった高速増殖炉は失敗続きで見通しがつかない。使用済み燃料から取り出したプルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を商業炉で使うプルサーマル発電に頼るしかないが、これまでに取り出したプルトニウムを消化しきるのも難しい。ましてや、青森県六ケ所村の再処理工場を動かせば、プルトニウムをさらに増やすことになり、核不拡散を定めた国際公約に違反する。 こうした負の側面に目をつぶり、課題を先送りするような原発回帰は「政治の無責任」としかいいようがない。原発というシステム全体の見直しを怠るなかでの再稼働は、矛盾を拡大させるだけだ。規制委の審査も、リスクの高い原発をふるい落とす仕分け作業と位置づけるべきである。「NO」とされた原発は、政府がすみやかに廃炉措置へと導く手立てを講ずる。基準への適応が認められた原発も、再稼働するには「本当に必要か」という需給と経済面からの検討が欠かせない。事故当時に比べると、節電意識や省エネ投資が進み、少なくとも需給面では乗り切れる情勢になった。あとは、原発が動かないことによる電気料金の値上げがどの程度、生活や経済活動の重荷になっているかという問題だ。負担感は人や立場によって異なるだろう。議論には根拠のあるデータが欠かせない。民主党政権時代に試行したコスト等検証委員会や需給検証委員会のような枠組みをつくり、国民に公開された場で合意を形成しなければならない。その際、火力発電の燃料代の増加といった目先の負担や損失だけでなく、放射性廃棄物の処理費用や事故が起きた場合の賠償など中長期に生じうるコストも総合して考える必要がある。未来世代に確実にツケが回る問題に手を打つことこそ、政治の仕事である。
| 原発::2013.5~7 | 09:40 PM | comments (x) | trackback (x) |
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